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技術 吸引保持ハンド、搬送装置、保持方法、着座方法、及び搬送方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 藤原健史
出願日 2009年4月21日 (11年8ヶ月経過) 出願番号 2009-102744
公開日 2010年11月11日 (10年1ヶ月経過) 公開番号 2010-253568
状態 未査定
技術分野 マニプレータ・ロボット マニプレータ ウエハ等の容器,移送,固着,位置決め等 ウエハ等の容器、移送、固着、位置決め等
主要キーワード 摺動支持機構 二体構造 吸引パット 横流路 実施位置 吸引気体 縦流路 被吸引部材
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この項目の情報は公開日時点(2010年11月11日)のものです。
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図面 (11)

課題

位置検出センサーを設けるたり、位置ズレ量を求めたり、位置補正をしたりすることによる、費用増加や搬送時間の増大をきたすことなく、保持対象物又は搬送対象物を、搬送装置や保持対象物又は搬送対象物の着座位置に対して位置決めすることができる吸引保持ハンド、搬送装置、保持方法着座方法、及び搬送方法を提供する。

解決手段

吸引保持ハンドは、旋回流発生室に発生させた気体旋回流の中心部に生じる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持ハンドであって、旋回流発生室が開口しており、水平方向に対して傾いている吸引保持面と、傾いた吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への保持対象物の移動を規制する規制部材と、吸引保持面及び規制部材を支持する支持部材と、を備える。

概要

背景

従来から、液晶装置を構成する基板のように、部材の多くの部分が接触することによって汚染されることが好ましくない部分であるような被加工部材などは、被加工部材を取り上げて保持し、他の位置まで移動させて、当該位置に置く搬送作業を自動的に行う搬送装置を用いて取扱うことによって、汚染されることを抑制している。効率良く搬送するための様々な工夫がなされており、特許文献1には、基板を搬送する方向に対応して、基板の面の方向を調整することによって、移動される基板が受ける空気抵抗の増大や塵埃の巻き上げなどの不都合な状態が発生しない基板搬送装置、および基板搬送方法が開示されている。

また、液晶装置を構成する基板のように、微細な構造を精密に形成することが必要な被加工部材においては、多くの場合、加工装置に対して被加工部材を所定の着座位置に正確に着座させることが必要である。被加工部材を、定められた着座位置に精度よく着座させるためには、搬送装置における所定の被加工部材保持位置に正確に被加工部材を保持させて、当該被加工部材保持位置を定められた被加工部材の着座位置に対応する位置に位置させて、当該位置で被加工部材を着座させることによって可能となる。
特許文献2には、位置検出センサーを設け、搬送対象物位置ズレ量を求めて、位置ズレ量に対応して搬送装置による移動量などの補正を行うセラミック板搬送装置及び方法が開示されている。

概要

位置検出センサーを設けるたり、位置ズレ量を求めたり、位置補正をしたりすることによる、費用増加や搬送時間の増大をきたすことなく、保持対象物又は搬送対象物を、搬送装置や保持対象物又は搬送対象物の着座位置に対して位置決めすることができる吸引保持ハンド、搬送装置、保持方法着座方法、及び搬送方法を提供する。吸引保持ハンドは、旋回流発生室に発生させた気体旋回流の中心部に生じる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持ハンドであって、旋回流発生室が開口しており、水平方向に対して傾いている吸引保持面と、傾いた吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への保持対象物の移動を規制する規制部材と、吸引保持面及び規制部材を支持する支持部材と、を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

旋回流発生室に発生させた気体旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持ハンドであって、前記旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面と、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記保持対象物の移動を規制する規制部材と、前記吸引保持面が傾いた状態を維持して、前記吸引保持面及び前記規制部材を支持する支持部材と、を備えることを特徴とする吸引保持ハンド。

請求項2

前記規制部材の前記吸引保持面からの高さ寸法は、前記保持対象物の厚さより小さいことを特徴とする、請求項1に記載の吸引保持ハンド。

請求項3

前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において高い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記保持対象物の移動を規制する第二の規制部材をさらに備え、前記第二の規制部材の前記吸引保持面からの高さ寸法は、前記保持対象物の厚さより大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸引保持ハンド。

請求項4

前記吸引保持面の水平方向に対する角度を変える角度変更手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吸引保持ハンド。

請求項5

旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持する保持手段を備え、前記保持手段によって保持した前記搬送対象物を搬送する搬送装置であって、前記保持手段は、前記旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面と、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記搬送対象物の移動を規制する規制部材と、前記吸引保持面が傾いた状態を維持して、前記吸引保持面及び前記規制部材を支持する支持部材と、を備えることを特徴とする搬送装置。

請求項6

前記規制部材の前記吸引保持面からの高さ寸法は、前記搬送対象物の厚さより小さいことを特徴とする、請求項5に記載の搬送装置。

請求項7

前記保持手段は、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において高い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記搬送対象物の移動を規制する第二の規制部材をさらに備え、前記第二の規制部材の前記吸引保持面からの高さ寸法は、前記搬送対象物の厚さより大きいことを特徴とする、請求項5又は6に記載の搬送装置。

請求項8

前記吸引保持面の水平方向に対する角度を変える角度変更手段をさらに備えることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の搬送装置。

請求項9

保持対象物を保持する保持方法であって、旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面を備える吸引保持端末の前記吸引保持面を前記保持対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程と、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、前記保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持工程と、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記保持対象物の移動を規制する規制部材に前記保持対象物を当接させる位置決め工程と、を有することを特徴とする保持方法。

請求項10

保持した搬送対象物を予め規定された着座位置着座させる着座方法であって、旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面を備える吸引保持端末に、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、吸引保持し、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記搬送対象物の移動を規制する規制部材に端面を当接させた前記搬送対象物の前記端面を、前記搬送対象物の前記着座位置に形成された位置規定壁に当接させる当接工程と、前記搬送対象物の前記端面を、前記位置規定壁に当接させた状態で前記搬送対象物を着座させる着座工程と、を有することを特徴とする着座方法。

請求項11

第一の位置に在る搬送対象物を第二の位置に移動させる搬送方法であって、旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面を備える吸引保持端末の前記吸引保持面を前記第一の位置に在る前記搬送対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程と、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、前記搬送対象物を非接触で吸引保持する吸引保持工程と、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記搬送対象物の移動を規制する規制部材に前記搬送対象物の端面を当接させる位置決め工程と、位置決めされた前記搬送対象物を前記吸引保持端末が吸引保持した状態で、前記吸引保持端末を移動させる移動工程と、前記吸引保持端末を前記第二の位置に停止して、前記搬送対象物の吸引保持状態を解除して、前記搬送対象物を着座させる着座工程とを有することを特徴とする搬送方法。

請求項12

前記第二の位置における前記搬送対象物の配置位置に形成された位置規定壁に、前記搬送対象物における前記規制部材に当接している端面を当接させる工程をさらに有することを特徴とする、請求項11に記載の搬送方法。

技術分野

0001

本発明は、保持対象物吸引保持する吸引保持ハンド搬送対象物を吸引保持して搬送する搬送装置、保持対象物を吸引保持する保持方法、保持した搬送対象物を所定の着座位置着座させる着座方法、及び搬送対象物を吸引保持して搬送する搬送方法に関する。

背景技術

0002

従来から、液晶装置を構成する基板のように、部材の多くの部分が接触することによって汚染されることが好ましくない部分であるような被加工部材などは、被加工部材を取り上げて保持し、他の位置まで移動させて、当該位置に置く搬送作業を自動的に行う搬送装置を用いて取扱うことによって、汚染されることを抑制している。効率良く搬送するための様々な工夫がなされており、特許文献1には、基板を搬送する方向に対応して、基板の面の方向を調整することによって、移動される基板が受ける空気抵抗の増大や塵埃の巻き上げなどの不都合な状態が発生しない基板搬送装置、および基板搬送方法が開示されている。

0003

また、液晶装置を構成する基板のように、微細な構造を精密に形成することが必要な被加工部材においては、多くの場合、加工装置に対して被加工部材を所定の着座位置に正確に着座させることが必要である。被加工部材を、定められた着座位置に精度よく着座させるためには、搬送装置における所定の被加工部材保持位置に正確に被加工部材を保持させて、当該被加工部材保持位置を定められた被加工部材の着座位置に対応する位置に位置させて、当該位置で被加工部材を着座させることによって可能となる。
特許文献2には、位置検出センサーを設け、搬送対象物の位置ズレ量を求めて、位置ズレ量に対応して搬送装置による移動量などの補正を行うセラミック板搬送装置及び方法が開示されている。

先行技術

0004

特開2001−53126号公報
特開平6−286829号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献2に開示された搬送装置のように位置検出センサーを設けた装置では、位置検出センサーを設けるために、装置の大きさが増大したり、装置の製造コストが増大したりする可能性があるという課題があった。また、位置ズレ量を検出するための時間及び移動量などを補正する時間が必要であり、検出された位置ズレ量から移動量などの補正量を算出するための時間も必要であり、搬送時間が増大するという課題もあった。さらに、補正量の算出などを実施する搬送装置の制御装置負荷が増大するという課題もあった。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。

0007

[適用例1]本適用例にかかる吸引保持ハンドは、旋回流発生室に発生させた気体旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持ハンドであって、前記旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面と、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記保持対象物の移動を規制する規制部材と、前記吸引保持面が傾いた状態を維持して、前記吸引保持面及び前記規制部材を支持する支持部材と、を備えることを特徴とする。

0008

本適用例の吸引保持ハンドによれば、保持対象物を非接触で吸引保持し、保持対象物を吸引保持する吸引保持面が水平方向から傾いており、傾いた低い側には、規制部材が配設されている。
旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持するチャッキング装置は、ベルヌーイの定理を利用したものであり、ベルヌーイチャックとも呼ばれる。ベルヌーイの定理を利用したベルヌーイチャックは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧によって保持対象物を吸引する。旋回流発生室の気体は、吸引保持面に開口した吸引用吹出し口から流出するため、保持対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、吸引された保持対象物と吸引保持面との非接触状態が形成される。
一般的に、吸引保持面は、支持部材によって鉛直方向の下向きに支持されており、吸引保持ハンドは、保持対象物を懸吊する状態で保持する。保持対象物は吸引保持面と非接触状態であるため、保持対象物が吸引保持される力によって吸引保持面に平行な方向の拘束力を受けることは、ほとんどない。このため、傾いた吸引保持面に吸引保持された保持対象物は、吸引保持面と一定の隙間を維持した状態で、重力によって傾いた下側に移動する。傾いた下側には、規制部材が配設されているため、保持対象物は、端面が規制部材に当接した状態で吸引保持される。これにより、吸引保持ハンドに対して、保持対象物の位置を、一定の位置に位置決めすることができる。

0009

[適用例2]上記適用例にかかる吸引保持ハンドは、前記規制部材の前記吸引保持面からの高さ寸法が、前記保持対象物の厚さより小さいことが好ましい。

0010

この吸引保持ハンドによれば、規制部材の吸引保持面からの高さ寸法が保持対象物の厚さより小さいため、規制部材に当接した状態の保持対象物において、規制部材に当接した端面は、高さ方向において規制部材に当接しない部分が存在する。このため、当該部分を、保持対象物を規制部材に当接させる力と同じ力を利用して、別の部材に当接させることで、保持対象物を別の部材に当接させて、その位置に位置決めすることができる。

0011

[適用例3]上記適用例にかかる吸引保持ハンドは、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において高い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記保持対象物の移動を規制する第二の規制部材をさらに備え、前記第二の規制部材の前記吸引保持面からの高さ寸法は、前記保持対象物の厚さより大きいことが好ましい。

0012

この吸引保持ハンドによれば、傾いた吸引保持面における鉛直方向において高い側に、保持対象物の移動を規制する第二の規制部材が配設されている。これにより、吸引保持ハンドからの吸引力によって吸引保持面に向かって持ち上げられた保持対象物が、吸引保持面が傾いていることに起因して発生する、保持対象物に対して吸引保持面に平行な方向に付勢するように作用する分力によって、傾いた吸引保持面の高い側に移動することを規制することができる。第二の規制部材の吸引保持面からの高さ寸法が、保持対象物の厚さより大きいことによって、保持対象物が吸引力を及ぼされる早い段階から、保持対象物が傾いた吸引保持面の高い側に移動することを規制できる状態にすることができる。

0013

[適用例4]上記適用例にかかる吸引保持ハンドは、前記吸引保持面の水平方向に対する角度を変える角度変更手段をさらに備えることが好ましい。

0014

この吸引保持ハンドによれば、角度変更手段を備え、吸引保持面の水平方向に対する角度を変えることができる。これにより、吸引保持する時点と、吸引保持している状態とで、それぞれ吸引保持面の角度を変えて、吸引保持する時点や吸引保持している状態における、それぞれの適切な吸引保持面の角度に吸引保持面の角度を調整することができる。

0015

[適用例5]本適用例にかかる搬送装置は、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持する保持手段を備え、前記保持手段によって保持した前記搬送対象物を搬送する搬送装置であって、前記保持手段は、前記旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面と、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記搬送対象物の移動を規制する規制部材と、前記吸引保持面が傾いた状態を維持して、前記吸引保持面及び前記規制部材を支持する支持部材と、を備えることを特徴とする。

0016

本適用例の搬送装置によれば、搬送対象物を非接触で吸引保持し、搬送対象物を吸引保持する吸引保持面が水平方向から傾いており、傾いた低い側には、規制部材が配設されている。
旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持するチャッキング装置は、ベルヌーイの定理を利用したものであり、ベルヌーイチャックとも呼ばれる。ベルヌーイの定理を利用したベルヌーイチャックは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧によって搬送対象物を吸引する。旋回流発生室の気体は、吸引保持面に開口した吸引用吹出し口から流出するため、搬送対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、吸引された搬送対象物と吸引保持面との非接触状態が形成される。
一般的に、吸引保持面は、支持部材によって鉛直方向の下向きに支持されており、保持手段は、搬送対象物を懸吊する状態で保持する。搬送対象物は吸引保持面と非接触状態であるため、搬送対象物が吸引保持される力によって吸引保持面に平行な方向の拘束力を受けることは、ほとんどない。このため、傾いた吸引保持面に吸引保持された搬送対象物は、吸引保持面と一定の隙間を維持した状態で、重力によって傾いた下側に移動する。傾いた下側には、規制部材が配設されているため、搬送対象物は、端面が規制部材に当接した状態で吸引保持される。これにより、吸引保持ハンドに対して、搬送対象物の位置を、一定の位置に位置決めすることができる。

0017

[適用例6]上記適用例にかかる搬送装置は、前記規制部材の前記吸引保持面からの高さ寸法が、前記搬送対象物の厚さより小さいことが好ましい。

0018

この搬送装置によれば、規制部材の吸引保持面からの高さ寸法が搬送対象物の厚さより小さいため、規制部材に当接した状態の搬送対象物において、規制部材に当接した端面は、高さ方向において規制部材に当接しない部分が存在する。このため、当該部分を、搬送対象物を規制部材に当接させる力と同じ力を利用して、別の部材に当接させることで、搬送対象物を別の部材に当接させて、その位置に位置決めすることができる。

0019

[適用例7]上記適用例にかかる搬送装置は、前記保持手段が、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において高い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記搬送対象物の移動を規制する第二の規制部材をさらに備え、前記第二の規制部材の前記吸引保持面からの高さ寸法は、前記搬送対象物の厚さより大きいことが好ましい。

0020

この搬送装置によれば、傾いた吸引保持面における鉛直方向において高い側に、搬送対象物の移動を規制する第二の規制部材が配設されている。これにより、吸引保持ハンドからの吸引力によって吸引保持面に向かって持ち上げられた搬送対象物が、吸引保持面が傾いていることに起因して発生する、搬送対象物に対して吸引保持面に平行な方向に付勢するように作用する分力によって、傾いた吸引保持面の高い側に移動することを規制することができる。第二の規制部材の吸引保持面からの高さ寸法が、搬送対象物の厚さより大きいことによって、搬送対象物が吸引力を及ぼされる早い段階から、搬送対象物が傾いた吸引保持面の高い側に移動することを規制できる状態にすることができる。

0021

[適用例8]上記適用例にかかる搬送装置は、前記吸引保持面の水平方向に対する角度を変える角度変更手段をさらに備えることが好ましい。

0022

この搬送装置によれば、角度変更手段を備え、吸引保持面の水平方向に対する角度を変えることができる。これにより、吸引保持する時点と、吸引保持している状態とで、それぞれ吸引保持面の角度を変えて、吸引保持する時点や吸引保持している状態における、それぞれの適切な吸引保持面の角度に吸引保持面の角度を調整することができる。

0023

[適用例9]本適用例にかかる保持方法は、保持対象物を保持する保持方法であって、旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面を備える吸引保持端末の前記吸引保持面を前記保持対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程と、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、前記保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持工程と、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記保持対象物の移動を規制する規制部材に前記保持対象物を当接させる位置決め工程と、を有することを特徴とする。

0024

本適用例の保持方法によれば、吸引保持面を備える吸引保持端末の吸引保持面を保持対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程を有する。
旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持するチャッキング装置は、ベルヌーイの定理を利用したものであり、ベルヌーイチャックとも呼ばれる。ベルヌーイの定理を利用したベルヌーイチャックは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧によって保持対象物を吸引する。接近工程によって、保持対象物を吸引保持端末に吸引することができる。旋回流発生室の気体は、吸引保持面に開口した吸引用吹出し口から流出するため、保持対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、吸引された保持対象物と吸引保持面との非接触状態が形成され、吸引保持工程が実施される。
一般的に、吸引保持面は、支持部材によって鉛直方向の下向きに支持されており、吸引保持ハンドは、保持対象物を懸吊する状態で保持する。保持対象物は吸引保持面と非接触状態であるため、保持対象物が吸引保持される力によって吸引保持面に平行な方向の拘束力を受けることは、ほとんどない。このため、傾いた吸引保持面に吸引保持された保持対象物は、吸引保持面と一定の隙間を維持した状態で、重力によって傾いた下側に移動する。傾いた下側には、規制部材が配設されているため、保持対象物は、端面が規制部材に当接した状態で吸引保持され、位置決め工程が実施される。これにより、吸引保持端末に対して、保持対象物の位置を、一定の位置に位置決めすることができる。

0025

[適用例10]本適用例にかかる着座方法は、保持した搬送対象物を予め規定された着座位置に着座させる着座方法であって、旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面を備える吸引保持端末に、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、吸引保持し、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記搬送対象物の移動を規制する規制部材に端面を当接させた前記搬送対象物の前記端面を、前記搬送対象物の前記着座位置に形成された位置規定壁に当接させる当接工程と、前記搬送対象物の前記端面を、前記位置規定壁に当接させた状態で前記搬送対象物を着座させる着座工程と、を有することを特徴とする。

0026

本適用例の着座方法によれば、規制部材に端面を当接させた搬送対象物の当該端面を、搬送対象物の着座位置に形成された位置規定壁に当接させる当接工程を有する。
搬送対象物は吸引保持面と非接触状態であるため、搬送対象物が吸引保持される力によって吸引保持面に平行な方向の拘束力を受けることは、ほとんどない。このため、傾いた吸引保持面に吸引保持された搬送対象物は、吸引保持面と一定の隙間を維持した状態で、重力によって傾いた下側に移動して規制部材に端面を当接させている。このため、規制部材に対する搬送対象物の位置はほとんど一定であり、規制部材の位置を基準として移動させることによって、搬送対象物の端面を位置規定壁に当接させることができる。搬送対象物は、吸引保持面に対して吸引保持面に平行な方向に微小な力で容易に移動できるため、位置規定壁に対して搬送対象物を予め正確に位置決めすることを必要とせずに、当接させるだけで、搬送対象物が位置規定壁に当接して位置決めされた状態にすることができる。着座工程を実施することで、位置規定壁によって規定される位置に搬送対象物を着座させることができる。

0027

[適用例11]本適用例にかかる搬送方法は、第一の位置に在る搬送対象物を第二の位置に移動させる搬送方法であって、旋回流発生室が開口しており、水平方向(鉛直方向に直交する方向)に対して傾いている吸引保持面を備える吸引保持端末の前記吸引保持面を前記第一の位置に在る前記搬送対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程と、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、前記搬送対象物を非接触で吸引保持する吸引保持工程と、前記吸引保持面に対して、傾いた前記吸引保持面における鉛直方向において低い側に配設された、前記吸引保持面に平行な方向の少なくとも2方向への前記搬送対象物の移動を規制する規制部材に前記搬送対象物の端面を当接させる位置決め工程と、位置決めされた前記搬送対象物を前記吸引保持端末が吸引保持した状態で、前記吸引保持端末を移動させる移動工程と、前記吸引保持端末を前記第二の位置に停止して、前記搬送対象物の吸引保持状態を解除して、前記搬送対象物を着座させる着座工程とを有することを特徴とする。

0028

本適用例の搬送方法によれば、吸引保持面を備える吸引保持端末の吸引保持面を搬送対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程を有する。
旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持するチャッキング装置は、ベルヌーイの定理を利用したものであり、ベルヌーイチャックとも呼ばれる。ベルヌーイの定理を利用したベルヌーイチャックは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧によって搬送対象物を吸引する。接近工程によって、搬送対象物を吸引保持端末に吸引することができる。旋回流発生室の気体は、吸引保持面に開口した吸引用吹出し口から流出するため、搬送対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、吸引された搬送対象物と吸引保持面との非接触状態が形成され、吸引保持工程が実施される。
一般的に、吸引保持面は、支持部材によって鉛直方向の下向きに支持されており、吸引保持ハンドは、搬送対象物を懸吊する状態で保持する。搬送対象物は吸引保持面と非接触状態であるため、搬送対象物が吸引保持される力によって吸引保持面に平行な方向の拘束力を受けることは、ほとんどない。このため、傾いた吸引保持面に吸引保持された搬送対象物は、吸引保持面と一定の隙間を維持した状態で、重力によって傾いた下側に移動する。傾いた下側には、規制部材が配設されているため、搬送対象物は、端面が規制部材に当接した状態で吸引保持され、位置決め工程が実施される。これにより、吸引保持端末に対して、搬送対象物の位置を、一定の位置に位置決めすることができる。吸引保持端末に対して、搬送対象物の位置が一定の位置に位置決めされているため、当該状態を維持して吸引保持端末を搬送対象物の第二の位置に対応する所定の位置に移動させて、その位置において搬送対象物の吸引保持状態を解除して着座させることで、搬送対象物を第二の位置に着座させることができる。

0029

[適用例12]上記適用例にかかる搬送方法は、前記第二の位置における前記搬送対象物の配置位置に形成された位置規定壁に、前記搬送対象物における前記規制部材に当接している端面を当接させる工程をさらに有することが好ましい。

0030

この搬送方法によれば、規制部材に端面を当接させた搬送対象物の当該端面を、位置規定壁に当接させる当接工程を有する。
搬送対象物は吸引保持面と非接触状態であるため、搬送対象物が吸引保持される力によって吸引保持面に平行な方向の拘束力を受けることは、ほとんどない。このため、傾いた吸引保持面に吸引保持された搬送対象物は、吸引保持面と一定の隙間を維持した状態で、重力によって傾いた下側に移動して規制部材に端面を当接させている。このため、規制部材に対する搬送対象物の位置はほとんど一定であり、規制部材の位置を基準として移動させることによって、搬送対象物の端面を位置規定壁に当接させることができる。搬送対象物は、吸引保持面に対して吸引保持面に平行な方向に微小な力で容易に移動できるため、位置規定壁に対して搬送対象物を予め正確に位置決めすることを必要とせずに、当接させるだけで、搬送対象物が位置規定壁に当接して位置決めされた状態にすることができる。着座工程を実施することで、位置規定壁によって規定される位置に搬送対象物を着座させることができる。

図面の簡単な説明

0031

(a)は、液晶変調パネルについて、各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。(b)は、(a)にH−Hで示した断面における断面形状を示す概略断面図。
搬送装置の概形状を示す外観斜視図。
吸引パットの構造を示す斜視図。
ヘッドケースの構成を示す平面図。
(a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す断面図。(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。
(a)は、吸引保持ハンドの全体構成を示す分解斜視図。(b)は、装置取付部の構造を示す側面図。
(a)は、ワークガイドの外観斜視図。(b)は、ワークガイドの平面図。(c)は、ワークガイドの側面図。
(a)は、吸引保持端末の側面図。(b)は、吸引保持端末を吸引保持面側から見た平面図。
対向基板の搬送工程の各工程を示すフローチャート
対向基板の搬送工程の各工程における吸引保持端末と対向基板との位置関係を示す説明図。

実施例

0032

以下、吸引保持ハンド、搬送装置、保持方法、着座方法、及び搬送方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。実施形態は、搬送対象物を搬送して、定められた位置に着座させて整列させる搬送装置を例にして説明する。実施形態の搬送装置は、液晶装置の製造工程において、搬送用トレイに載せて搬送されてきた液晶装置を構成するフィルター基板(対向基板)などを加工装置に供給するために、加工用トレイに整列させる装置である。なお、以下の説明において参照する図面では、構成部材をわかり易く表示するために、部材又は部分の縦横縮尺や部分ごとの縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。

0033

<液晶変調パネル>
最初に、搬送装置10(図2参照)が扱う対向基板150を備える液晶変調パネル140について、図1を参照して説明する。液晶変調パネル140は、液晶光変調装置を構成する主要要素であり、液晶光変調装置は、投射型表示装置ライトバルブとして用いられる光変調装置である。
図1は、液晶変調パネルの構造を示す模式図である。図1(a)は、液晶変調パネルについて、各構成要素と共に対向基板側から見た平面図であり、図1(b)は、図1(a)にH−Hで示した断面における断面形状を示す概略断面図である。本実施形態に係る液晶変調パネル140は、電気光学素子の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式液晶パネルである。

0034

図1に示したように、液晶変調パネル140は、TFTアレイ基板155と対向基板150とが対向配置されている。TFTアレイ基板155と対向基板150との間に液晶層157が封入されており、TFTアレイ基板155と対向基板150とは、画像表示領域142aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材152により相互に接着されている。

0035

シール材152は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板155上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材152中には、TFTアレイ基板155と対向基板150との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材散布されている。

0036

シール材152が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域142aの額縁領域を規定する遮光性額縁遮光膜153が、対向基板150側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜153の一部又は全部は、TFTアレイ基板155側に内蔵遮光膜として設けてもよい。

0037

画像表示領域142aの周辺に広がる領域のうち、シール材152が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路161及び外部回路接続端子162がTFTアレイ基板155の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路164は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜153に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域142aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路164間をつなぐため、TFTアレイ基板155の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜153に覆われるようにして複数の配線165が設けられている。

0038

対向基板150の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材166が配置されている。他方、TFTアレイ基板155にはこれらのコーナーに対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板155と対向基板150との間で電気的な導通をとることができる。

0039

図1(b)において、TFTアレイ基板155上には、画素スイッチング用のTFTや走査線データ線等の配線が形成された後の画素電極169上に、図示しない配向膜が形成されている。他方、対向基板150上には、対向電極167の他、格子状又はストライプ状の遮光膜168、更には最上層部分に図示しない配向膜が形成されている。また、液晶層157は、例えば一種又は数種類ネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。

0040

なお、図1に示したTFTアレイ基板155上には、これらのデータ線駆動回路161、走査線駆動回路164等に加えて、他の回路を形成してもよい。他の回路として、画像信号線上の画像信号サンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置品質欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。

0041

<搬送装置>
次に、搬送装置10について、図2を参照して説明する。図2は、搬送装置の概形状を示す外観斜視図である。
図2に示すように、搬送装置10は、吸引保持ハンド20と、ハンド動腕31と装置機台38とを備えるロボット機構30と、搬送装置制御部39とを備えている。

0042

ハンド移動腕31は、腕部32aと、腕部32bと、腕関節部33と、ハンド保持機構34と、腕軸部36とを備えている。腕部32aの一端と腕部32bの一端とは、腕関節部33で接続されている。腕部32bの腕関節部33に接続された一端の反対側の一端は、腕軸部36に接続されている。腕軸部36は、腕部32bを腕軸部36の回動軸を中心に回動可能に支持している。腕軸部36の回動軸の軸方向は、略鉛直方向である。腕部32bは、腕部32aを、腕関節部33を介して、腕関節部33の回動軸を中心に回動可能に支持している。腕部32aと腕部32bとは、腕関節部33において互いのなす角度を調整可能である。即ち、ハンド移動腕31は、腕関節部33において屈伸可能である。腕軸部36の回動軸の軸方向と、腕関節部33の回動軸の軸方向とは、互いに略平行である。装置機台38は、内蔵する摺動支持機構(図示省略)を介して、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動自在に、且つ精密に位置決め固定可能に支持している。

0043

腕部32aの腕関節部33に接続された一端の反対側の一端には、ハンド保持機構34が固定されている。ハンド保持機構34には、吸引保持ハンド20が固定されている。ハンド保持機構34は、腕軸部36の回動軸の軸方向及び腕関節部33の回動軸の軸方向と同じ軸方向の回動軸を有している。したがって、ハンド保持機構34の回動軸の軸方向は、略鉛直方向である。ハンド保持機構34は、腕部32aに対して、当該回動軸を中心に吸引保持ハンド20を回動可能に支持している。

0044

吸引保持ハンド20は、後述する吸引パット21(図3参照)を4個備えており、吸引保持ハンド20の吸引保持面182A(図8参照)は、4個の吸引パット21が備える4個の吸引保持面182(図3参照)で構成されている。吸引保持ハンド20の吸引保持面182A(吸引保持面182)は、ハンド保持機構34の回動軸と略垂直な面に対して傾いている。吸引保持ハンド20が、吸引保持ハンド又は保持手段に相当する。
ハンド保持機構34によって吸引保持ハンド20を回動させることで、吸引保持面の傾き方向(傾いた面の高い方と低い方との平面方向における位置関係)を変えることができる。
搬送装置制御部39は、情報入出力装置(図示省略)を介して予め入力された制御プログラムに基づいて、搬送装置10の各部の動作を統括制御する。

0045

次に、搬送装置10によってワークを搬送する際の搬送装置10の動作について説明する。
最初に、腕軸部36によって、ハンド移動腕31を回動させて任意の方向に向け、腕関節部33においてハンド移動腕31を屈伸させることによって、吸引保持ハンド20を任意の位置、例えば、ワークを吸引保持可能な位置に位置させる。次に、装置機台38の摺動支持機構によって、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動させることによって、吸引保持ハンド20の吸引保持面をワークを吸引保持可能な距離まで接近させ、当該位置でワークを吸引保持する。次に、装置機台38の摺動支持機構によって腕軸部36を摺動させて、吸引保持ハンド20を移動させ、ワークを持ち上げる。
次に、腕軸部36によって、ハンド移動腕31を回動させて、ハンド移動腕31をワークを載置する方向に向け、腕関節部33においてハンド移動腕31を屈伸させることによって、ワークを吸引保持した吸引保持ハンド20を、ワークが載置位置に臨む位置に位置させる。次に、装置機台38の摺動支持機構によって、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動させることによって、吸引保持ハンド20が吸引保持したワークを載置面に載置可能な距離まで接近させ、当該位置でワークの吸引保持を解除し、ワークを載置面に着座させる。搬送装置10によって搬送される対向基板150などのワークが、保持対象物又は搬送対象物に相当する。

0046

<吸引パット>
次に、吸引保持ハンド20が備える吸引パット21について、図3を参照して説明する。吸引パット21は、ベルヌーイの定理を応用して、吸引保持する部材を吸引するとともに、流出する気体によって部材に押し力を加えることによって、部材と吸引パットとの非接触状態を維持して、非接触で部材を保持するものである。図3は、吸引パットの構造を示す斜視図である。

0047

図3に示すように、吸引パット21は、旋回流発生室181と、吸引保持面182と、一対の気体噴出流路183,183と、一対のチャンバ流路185,185と、を備えている。旋回流発生室181は、円柱状の凹部である。吸引保持面182は、吸引パット21の旋回流発生室181が開口する端面であり、旋回流発生室181の開口側端連なり、吸引保持された状態の被吸引部材が臨む面である。気体噴出流路183は、一端が旋回流発生室181の内周面184に開口しており、旋回流発生室181に圧縮空気噴出させて、旋回流発生室181に旋回流を発生させる。チャンバ流路185は、各気体噴出流路183の上流端に連通し、気体供給源28(図6参照)からの圧縮空気を供給する。気体供給源28から供給された圧縮空気は、一対のチャンバ流路185に同時に流入し、それぞれ気体噴出流路183を通って旋回流発生室181に噴出される。

0048

吸引パット21の外形は、略円形の吸引保持面182を端面とする略円筒形状であり、円筒の途中から吸引保持面182の反対側の端面までは、一部が切り欠かれた形状をしている。切り欠かれた部分は、平坦な面であって、互いに平行な一対の面186,186で構成されている。チャンバ流路185の気体噴出流路183に連通する側の反対側は、面186に開口している。

0049

旋回流発生室181は、その内周面184の一端が閉塞された円柱状に形成されており、旋回流発生室181の閉塞側には、一対の気体噴出流路183が形成されている。旋回流発生室181に流入した圧縮空気は、その内周面184に沿うように流れ、強い旋回流となってやがて開放端から側方に流出する。旋回流の中心部には、ベルヌーイの定理に従って負圧が生じ、この負圧により対向基板150などを吸引する。

0050

吸引保持面182は、旋回流発生室181の開口側端に連なり、旋回流の旋回軸に対して略直交する形状に形成されている。旋回流発生室181で発生した旋回流は、旋回流発生室181の開放端に達すると、その遠心力により吸引保持面182に沿って内周側から外周側に向って渦流となって流れ出す。旋回流発生室181から流出して、吸引保持面182上を流れ出す空気により、対向基板150などと吸引保持面182との間隙が維持される。

0051

図3に示した吸引パット21では、旋回流発生室181に発生する旋回流は、吸引保持面182側から見て、時計まわり旋回する。気体噴出流路183の位置を、旋回流発生室181の中心軸を含む面に関して面対称の位置にすると、旋回流発生室181に発生する旋回流は、吸引保持面182側から見て、反時計まわりに旋回する。本実施形態では、旋回方向に関わらず、いずれの旋回方向の旋回流を発生するものも、吸引パット21と表記する。
なお、吸引パット21の形状は、旋回流発生室181の開口端が徐々に広がるようにベルマウス形状としてもよいし、吸引保持面182に渦流を維持する渦形の溝を形成するようにしてもよい。

0052

<ヘッドケース>
次に、吸引パット21が固定されており、吸引保持ヘッド25(図6参照)を構成するヘッドケース51について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、ヘッドケースの構成を示す平面図である。図5は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す図である。図5(a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す断面図であり、図5(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。

0053

図4及び図5に示すように、ヘッドケース51は、4個の吸引パット21を下方に突出させ、且つそれぞれの旋回流発生室181の端が同一平面内に位置するように保持している。具体的には、ヘッドケース51には、4個の固定装着穴がマトリクス状に形成されている。固定装着穴は、上述した吸引パット21の一対の面186,186と隙間なく嵌合できる平坦面を備えている。各吸引パット21は、面186が形成された部分が固定装着穴に嵌合されて、接着固定されている。吸引パット21で発生する旋回流の旋回方向は、4個の吸引パット21の中で対角に位置する2個の吸引パット21が時計まわりに旋回する旋回流を発生し、他方の対角に位置する2個の吸引パット21が反時計まわりに旋回する旋回流を発生するように、4個の吸引パット21が配置されている。

0054

図4に示すように、ヘッドケース51に形成した圧空溝88は、4個の吸引パット21を二分する位置に配設した幅広の主圧空溝84と、主圧空溝84から各吸引パット21に向って垂直に分岐した各吸引パット21ごとに1組、計4組の幅狭の副圧空溝85と、から形成されている。各副圧空溝85は、長い長尺副圧空溝85aと短い短尺副圧空溝85bとから成り、取り付けられた吸引パット21を挟み込む位置に配設されている。吸引パット21がヘッドケース51に取り付けられた状態で、長尺副圧空溝85a及び短尺副圧空溝85bは、吸引パット21の面186に開口しているチャンバ流路185にそれぞれ連通している。後述する気体供給源28(図6参照)から供給される圧縮空気が、後述する蓋ケース52(図6参照)の吸引気体孔54から流入し、主圧空溝84及び各副圧空溝85を介して、各吸引パット21に流入する。吸引パット21に流入した圧縮空気は、旋回流発生室181に噴出され、図5に示した矢印aのように旋回する旋回流が発生する。蓋ケース52は、ヘッドケース51の周縁に形成された突設枠部87の内側に嵌合することで、ヘッドケース51に対して位置決めされる。

0055

<吸引保持ハンド>
次に、吸引保持ハンド20の全体構成について、図6を参照して説明する。図6は、吸引保持ハンドの全体構成を示す図である。図6(a)は、吸引保持ハンドの全体構成を示す分解斜視図であり、図6(b)は、装置取付部の構造を示す側面図である。
図6に示すように、吸引保持ハンド20は、対向基板150などのワークを吸引保持する複数(図示のものは、4個)の吸引パット21と、吸引パット21を保持するパットホルダー23と、パットホルダー23を支持する装置取付部24と、非接触保持用の空気を供給する気体供給源28と、を備えている。

0056

パットホルダー23は、上述したヘッドケース51を有する吸引保持ヘッド25と、吸引保持ヘッド25を垂設支持するワークガイド26と、ワークガイド26を垂設支持するジョイント部材27と、を同軸上に重ねる状態に構成されている。
吸引保持ヘッド25は、ヘッドケース51と蓋ケース52とを備え、蓋ケース52がヘッドケース51の周縁に形成された突設枠部87の内側に嵌合して、隙間なく固定されている。蓋ケース52がヘッドケース51に固定されることで、ヘッドケース51に形成された主圧空溝84及び各副圧空溝85が、蓋ケース52に形成された吸引気体孔54、及び吸引パット21に形成されたチャンバ流路185に連通する気体流路となっている。

0057

気体供給源28は、例えば圧空ポンプのような、圧縮空気を送出する装置である。気体供給源28には、圧縮空気を送るための吸引給気管29の一端が接続されている。吸引給気管29の他端は、パットホルダー23のジョイント部材27に形成された吸引給気流路74に接続されている。

0058

吸引保持ハンド20の装置取付部24は、略円筒形状に形成され、上半部の内部には太径取付孔41が、下半部の内部には細径装着孔42がそれぞれ形成されている。取付孔41は、中心軸である取付孔軸41aが略円筒形状の外形と同軸に形成されている。装着孔42は、中心軸である装着孔軸42aが、取付孔軸41aと交差すると共に、取付孔軸41aに対して傾いて形成されている。取付孔41は、吸引保持ハンド20をロボット機構30のハンド保持機構34に取り付けるための部位として機能し、装着孔42には、ジョイント部材27の装着部72が差し込み装着される。装着孔軸42aと取付孔軸41aとが互いに傾いていることを明示するために、傾き角度を大きくして図示しているが、実際の傾き角度は、数度である。
ハンド保持機構34と装置取付部24とは、取付孔41に嵌入したハンド保持機構34の部分を、上ネジ孔43に螺合した止めネジで固定することによって、互いに固定される。装置取付部24とジョイント部材27とは、装着孔42に嵌入した装着部72を、下ネジ孔44に螺合した止めネジで固定することによって、互いに固定される。装置取付部24が、支持部材に相当する。

0059

パットホルダー23のジョイント部材27は、装着部72及び垂設部71を備えている。略角柱形状を有する垂設部71の一端の頂面に、垂設部71の略角柱形状の中心と中心軸が略一致する円柱形状の装着部72が立設されている。略円柱形状の装着部72の側面の一部が切り欠かれて、上述した下ネジ孔44に螺合した止めネジが突き当てられる平坦部72aが形成されている。装着部72を装置取付部24の装着孔42嵌合し、止めネジを下ネジ孔44に螺合することにより、ジョイント部材27が装置取付部24に装着される。垂設部71の装着部72が突設された端面の反対側の端面には、略方形の角を面取りした形状の台座79が突設されている。この台座79にワークガイド26に形成された台座着座部69(図7参照)が嵌合して、位置決め固定される。

0060

垂設部71の内部には、吸引給気流路74が形成されている。吸引給気流路74は、吸引給気管29が接続されると共に、吸引パット21の旋回流発生室181に連なる略「L」字状の流路である。吸引給気流路74は、横流路75と、縦流路76とを有している。横流路75は、略角柱形状の垂設部71の側面に開口し、当該側面に略垂直に形成されており、当該開口に、継手77を介して吸引給気管29が接続されている。縦流路76は、一端が台座79の面の略中心位置に開口し、当該面に略垂直に形成されており、当該開口は、台座79に嵌合したワークガイド26の吸引気体孔64に接続されている。横流路75及び縦流路76における開口端と反対側の端は、互いに接合して、略「L」字状の吸引給気流路74を形成している。

0061

ワークガイド26は、略方形の厚板の4角が面取りされた形状に形成されたガイド本体61と、一つの対角に位置する面取り部の両側においてガイド本体61の板面に立設された、2個のガイド突起62及び2個のガイド突起63と、が一体に形成されている。
ガイド本体61におけるガイド突起62及びガイド突起63が立設された面の反対側の面には、垂設部71の台座79が嵌入する台座着座部69が窪入形成されている。垂設部71(ジョイント部材27)の端面に形成された台座79が台座着座部69に係合して固定されることで、ワークガイド26が、垂設部71に懸吊支持されている。

0062

上述した吸引保持ヘッド25は、ワークガイド26に懸吊支持されている。吸引保持ヘッド25がワークガイド26に懸吊支持されている状態で、ワークガイド26の略中央に形成された吸引気体孔64は、蓋ケース52の略中央に形成された吸引気体孔54と連通している。

0063

<ワークガイド>
次に、ワークガイド26について、図7を参照して詳細に説明する。図7は、ワークガイドの形状を示す図である。図7(a)は、ワークガイドの外観斜視図であり、図7(b)は、ワークガイドの平面図であり、図7(c)は、ワークガイドの側面図である。

0064

上述したように、ワークガイド26は、ガイド本体61と、2個のガイド突起62及び2個のガイド突起63と、ガイド本体61の略中央に形成された吸引気体孔64と、台座着座部69とを備えている。
図7に示すように、ガイド本体61は、略方形の板の4角が面取りされた形状を有している。面取りされた角の一つにおいて、面取りの両側の各辺の端に、それぞれガイド突起62が立設されている。ガイド突起62の内側(ガイド本体61の中央側)のガイド面62aは、ガイド本体61の本体面61aに略垂直に形成されている。2個所のガイド面62aは、本体面61aに平行な方向において、互いに略直交する方向を向いている。ガイド本体61上に位置したワークは、それぞれのガイド突起62に当接することで、2方向への移動を規制される。
ガイド突起62が形成されている角部と対角の位置の角部には、ガイド本体61の中心に関してガイド突起62と略点対称の位置に、ガイド突起63が立設されている。ガイド突起63の内側の面も、ガイド本体61の本体面61aに略垂直に形成されている。2個所のガイド面63aは、本体面61aに平行な方向において、互いに略直交する方向を向いている。ガイド本体61上に位置したワークは、それぞれのガイド突起63に当接することで、ガイド突起62に当接することで移動を規制される方向と反対側の2方向への移動を規制される。
ガイド突起62の方が、ガイド突起63より立設高さが低くなっている。ガイド突起62が、規制部材に相当する。ガイド突起63が、第二の規制部材に相当する。

0065

<吸引保持端末>
次に、吸引保持端末90について、図8を参照して説明する。4個の吸引パット21と、吸引保持ヘッド25と、ワークガイド26との組を吸引保持端末90と表記する。図8は、吸引保持端末の形状を示す外観図である。図8(a)は、吸引保持端末の側面図であり、図8(b)は、吸引保持端末を吸引保持面側から見た平面図である。

0066

図8(a)に示した装着孔軸42aは、上述した装置取付部24の装着孔42の中心軸である装着孔軸42aである。軸40aは、取付孔軸41aに平行な軸であり、吸引保持ハンド20がロボット機構30のハンド保持機構34に取り付けられた状態では、軸40aの方向が鉛直方向である。装着孔軸42aと軸40aとが互いに傾いていることを明示するために、傾き角度を大きくして図示しているが、実際の傾き角度は、数度である。

0067

上述したように、4個の吸引パット21は、吸引保持ヘッド25のヘッドケース51に固定されており、吸引保持ヘッド25は、ワークガイド26のガイド本体61上に固定されている。ワークガイド26は、ジョイント部材27に固定されている。ジョイント部材27の装着部72は、装置取付部24の装着孔42に嵌合して固定されている。この構成により、図8に示すように、4個の吸引パット21の吸引保持面182に平行な方向は、装着孔軸42aと略直交する方向であり、水平方向(鉛直方向である軸40aの方向と直交する方向)に対して傾いている。4個の吸引パット21の吸引保持面182を総称して、吸引保持面182Aと表記する。装着孔軸42aは、吸引保持面182Aの略中央に位置している。

0068

ガイド突起62は、装着孔軸42aの軸方向において、吸引保持面182Aより、例えば対向基板150の厚さの半分程度、突出している。ガイド突起63は、装着孔軸42aの軸方向において、吸引保持面182Aより、例えば対向基板150の厚さの1.2倍程度、突出している。
吸引保持面182Aを囲む4方向には、それぞれガイド突起62又はガイド突起63が配設されており、吸引保持面182Aに吸引保持された対向基板150などのワークは、ガイド突起62又はガイド突起63によって、吸引保持面182Aに平行な方向への移動を規制される。言い換えると、ワークがガイド本体61と重なる位置に在り、ワークの1個の角が近接して配設された2個のガイド突起62の間に在って、当該角を構成する2辺がそれぞれ1個のガイド突起62に略当接しており、当該角の対角に位置する角も近接して配設された他の2個のガイド突起63の間に在って、その角を構成する2辺がそれぞれ1個のガイド突起63に略当接している状態にワークを位置させることができる位置に、4個のガイド突起62又はガイド突起63が配設されている。4個のガイド突起62又はガイド突起63によって、略長方形又は正方形のワークの、ガイド本体61の面方向の移動を規制することができる。4個のガイド突起62又はガイド突起63の位置を変えることによって、異なる大きさや平面形状のワークを吸引保持することができる。
なお、図示したガイド突起62及びガイド突起63は、明確に図示するために大きく示してあるが、ガイド突起62及びガイド突起63の大きさは、加えられる力に耐えられる強度が得られる大きさであれば充分である。

0069

<搬送>
次に、吸引保持ハンド20によって対向基板150を吸引保持、移動、及び着座する搬送工程について、図9及び図10を参照して説明する。搬送工程は、搬送用パレット100に置かれた対向基板150を吸引保持し、加工用パレット120の着座領域121に着座させて整列させる工程である。図9は、対向基板の搬送工程の各工程を示すフローチャートである。図10は、対向基板の搬送工程の各工程における吸引保持端末と対向基板との位置関係を示す説明図である。

0070

最初に、図9のステップS1では、ロボット機構30によって吸引保持ハンド20を移動させて、吸引保持端末90が搬送用パレット100に置かれた対向基板150を吸引保持できる吸引位置に移動させる。後述するが、後工程で吸引保持端末90に対する対向基板150の位置合わせを実施するため、ステップS1における対向基板150の位置に対する吸引保持端末90の位置精度は、図10(a)に示すように、ガイド突起62及びガイド突起63の間に対向基板150が入れば充分である。

0071

図10に示した装着孔軸42aは、上述した装置取付部24の装着孔42の中心軸である装着孔軸42aである。軸40aは、上述したように、装置取付部24の取付孔軸41aに平行な軸であり、搬送工程は吸引保持ハンド20がロボット機構30のハンド保持機構34に取り付けられた状態の搬送装置10を用いて実施されるため、軸40aの方向が鉛直方向である。したがって、装着孔軸42aは鉛直方向に対して傾いており、装着孔軸42aに直交する吸引保持面182Aは、水平面に対して傾いている。装着孔軸42aと軸40aとが互いに傾いていることを明示するために、傾き角度を大きくして図示しているが、実際の傾き角度は、数度である。

0072

次に、図9のステップS2では、図10(b)に示すように、吸引保持端末90によって対向基板150を、非接触で吸引保持する。この工程は、気体供給源28から吸引パット21に圧縮空気を送り、旋回流発生室181に負圧を発生させていることで、ステップS1を実施することによって、ステップS1の完了と略同時に、実施される。なお、図10では、対向基板150と吸引パット21とが接して示されているが、正確には、対向基板150と吸引パット21との間には、微小な隙間が存在する。

0073

次に、図9のステップS3では、図10(c)に示すように、対向基板150の端面をガイド突起62に当接させることで、対向基板150を、吸引保持端末90(搬送装置10)に対して位置決めする。
吸引保持面182Aが水平面に対して傾いていることとから、対向基板150に加わる重力によって吸引保持面182Aに平行な方向の力が発生し、対向基板150に加わる。吸引パット21が非接触で対向基板150を吸引保持しているため、対向基板150は吸引保持面182Aの面方向に摺動自在に保持されている。吸引保持面182Aに平行な方向の力が対向基板150に加わることと、対向基板150は吸引保持面182Aの面方向に摺動自在に保持されていることとによって、対向基板150は吸引保持面182Aに沿って、傾いた吸引保持面182Aの低い側に、移動する。傾いた吸引保持面182Aの低い側には、対向基板150の移動を規制可能なガイド突起62が形成されているため、移動した対向基板150の端面がガイド突起62に当接する。このように、ステップS3の工程は、ステップS2の完了と略同時に、自動的に実施される。
上述したように、ガイド突起62は、装着孔軸42aの軸方向において、吸引保持面182Aより、例えば対向基板150の厚さの半分程度、突出している。このため、対向基板150は、厚さの半分程度がガイド突起62よりとび出した状態で保持されている。

0074

次に、図9のステップS4では、ロボット機構30によって、対向基板150を吸引保持した吸引保持ハンド20を移動させて、対向基板150を吸引保持した吸引保持端末90が加工用パレット120における所定の着座領域121に臨む位置に、移動させる。吸引保持端末90が所定の着座領域121に臨む位置を、吸引保持端末90の着座実施位置と表記する。

0075

次に、図9のステップS5では、図10(d)に示すように、対向基板150のガイド突起62に当接していた端面を、加工用パレット120における所定の着座領域121の端に形成されて着座領域121の範囲を規定している位置規定壁122に当接させる。対向基板150は、厚さの半分程度がガイド突起62よりとび出した状態で保持されているため、とび出した部分を位置規定壁122に当接させることができる。
対向基板150は、吸引保持面182Aが水平方向に対して傾いていることによって、対向基板150に加わる重力の吸引保持面182Aに平行な方向の分力が作用し、当該分力によって、ガイド突起62に当接しているため、対向基板150がガイド突起62に当接する力は微小な力である。このため、対向基板150が位置規定壁122に当接させられることで、対向基板150は、容易にガイド突起62から離されて、吸引保持面182Aに平行な方向の位置を位置規定壁122によって規定される状態で、吸引保持ハンド20に吸引保持されている。

0076

対向基板150を位置規定壁122に向けて接近させる方向は、図10(d)に矢印bで示したように、水平面に対して、吸引保持面182Aが傾いた方向と同じ方向に傾いた方向であることが好ましい。傾いた方向から接近させることで、位置規定壁122に対向基板150の端面を当接させるために必要な、位置規定壁122に対する対向基板150の端面の、水平方向における位置精度を大きくすることができる。図10(d)に二点鎖線で示した対向基板150のように、吸引保持端末90に吸引保持された対向基板150が着座領域121の底に当接した場合でも、対向基板150が吸引保持面182Aに平行な方向に逃げる可能性が高いため、対向基板150が吸引パット21と加工用パレット120との間に挟まれる可能性を小さくすることができる。

0077

次に、図9のステップS6では、吸引パット21に対する圧縮空気の供給を停止して、吸引保持状態を解除することで、対向基板150を加工用パレット120の着座領域121に着座させる。吸引保持端末90に吸引保持された対向基板150は、図10(e)に二点鎖線で示した対向基板150のように位置規定壁122に当接している。吸引保持状態が解除されると、対向基板150には水平方向の力が加えられる可能性はほとんどないため、重力によって鉛直方向に落下して、端面を位置規定壁122に略接した状態で、着座領域121に着座する。
ステップS6を実施して、1個の対向基板150を搬送用パレット100から搬送して、加工用パレット120の着座領域121に着座させる工程を終了する。この工程を繰り返すことによって、搬送用パレット100に載せられた対向基板150を搬送して、加工用パレット120の上に整列させる。

0078

以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)吸引保持面182Aが水平面に対して傾かせることによって、対向基板150に加わる重力によって吸引保持面182Aに平行な方向の力を、対向基板150に加えることができる。

0079

(2)吸引パット21が非接触で対向基板150を吸引保持しているため、対向基板150は吸引保持面182Aの面方向に摺動自在に保持されていることから、対向基板150は、吸引保持面182Aに平行な方向の力によって容易に移動させることができる。

0080

(3)傾いた吸引保持面182Aの低い側には、対向基板150の移動を規制可能なガイド突起62が形成されているため、対向基板150の端面がガイド突起62に当接することで、対向基板150を係止することができる。対向基板150の端面がガイド突起62に当接した状態にすることで、吸引保持端末90(吸引保持ハンド20)に対して対向基板150の位置を一定位置にすることができる。

0081

(4)吸引保持端末90に吸引保持された対向基板150は、吸引保持面182Aが水平面に対して傾かせて形成されていることによって、ガイド突起62に当接して、吸引保持端末90(吸引保持ハンド20)に対して一定の位置に位置決めされる。このため、吸引保持ハンド20によって対向基板150を吸引保持する時点においては、対向基板150を吸引保持端末90に対して正確に位置決めすることは不要である。これにより、対向基板150を吸引保持するために吸引保持端末90を対向基板150に接近させる際の、対向基板150に対する吸引保持端末90の位置精度の許容誤差を大きくすることができる。

0082

(5)ガイド突起62は、装着孔軸42aの軸方向において、吸引保持面182Aより、例えば対向基板150の厚さの半分程度、突出している。このため、対向基板150は、厚さの半分程度がガイド突起62よりとび出した状態で保持されている。これにより、対向基板150の端面がガイド突起62に当接した状態のまま、対向基板150の端面を位置規定壁122に当接させることができる。

0083

(6)対向基板150を着座領域121に着座させる際には、対向基板150の端面を位置規定壁122に当接させる。対向基板150の端面を位置規定壁122に当接させることにとって、対向基板150の位置規定壁122に対する位置を一定の位置にすることができる。これにより、対向基板150を加工用パレット120の着座領域121における所定の位置に位置決めすることができる。

0084

(7)対向基板150の端面を位置規定壁122に当接させることで、対向基板150を加工用パレット120の着座領域121における所定の位置に位置決めすることができるため、対向基板150を着座領域121に着座させる際の、着座領域121に対向基板150の位置精度の許容誤差を大きくすることができる。

0085

(8)ガイド突起63は、傾いた吸引保持面182Aの高い側に配設されており、吸引保持面182Aからの高さがガイド突起62より高くなっている。これにより、吸引保持端末90が搬送用パレット100に置かれた対向基板150を吸引保持する際に、ガイド突起63と対向基板150との距離が小さくなる。これにより、吸引保持端末90が対向基板150に近づく過程において、吸引保持端末90と対向基板150との距離が遠い状態でも、ガイド突起63が対向基板150の位置を規制する機能を有する状態にすることができる。

0086

以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。

0087

(変形例1)前記実施形態においては、対向基板150を着座領域121に着座させる際には、対向基板150の端面を位置規定壁122に当接させていたが、保持対象物又は搬送対象物を着座位置に対して位置決めするために保持対象物又は搬送対象物を位置規定壁に当接させることは必須ではない。保持対象物又は搬送対象物の移動を規制する規制部材に当接させることによって、保持対象物又は搬送対象物を吸引保持ハンド又は搬送装置に対して位置決めしているため、吸引保持ハンド又は保持手段を着座位置に対して正確な位置に位置させることで、保持対象物又は搬送対象物を、着座位置に対して位置決めしてもよい。この場合、位置規定壁を必要としないため、位置規定壁のような位置を規定する部材が存在しない着座位置に対しても、保持対象物又は搬送対象物を位置決めすることができる。

0088

(変形例2)前記実施形態においては、吸引保持ハンド20は4個の吸引パット21を備えていたが、吸引保持ハンドが備える吸引パットは、4個に限らない。吸引保持する保持対象物の大きさや重量に対応した適切な吸引保持力を実現できれば、吸引保持ハンドが備える吸引パットは、いくつであってもよい。

0089

(変形例3)前記実施形態においては、ガイド本体61は略方形の平面形状を有していたが、ガイド本体の形状は略方形に限らない。ガイド本体の形状は、ワークの形状に対応した形状であればどのような形状であってもよい。

0090

(変形例4)前記実施形態においては、装置取付部24は、取付孔41と装着孔42とが一体に形成された部材であり、取付孔軸41aと装着孔軸42aとがなす角度は固定であって、吸引保持面182Aが水平面に対する傾きは固定であったが、当該傾きが固定であることは必須ではない。例えば、装置取付部24を、取付孔41を有する部分と、装着孔42を有する部分との二体構造として、二体を、角度を変えることができる接続機構を介して接続することによって、取付孔軸41aと装着孔軸42aとがなす角度を、適宜変えられる構造にしてもよい。吸引保持工程や、位置決め工程などにおいて、吸引保持面の傾き角度をそれぞれその工程に適した角度にすることができる。水平が好ましい工程では水平にすることもできる。この場合の角度を変えることができる接続機構が、角度変更手段に相当する。

0091

(変形例5)前記実施形態においては、吸引保持ハンド20は、傾いた吸引保持面182Aの高い側に配設されたガイド突起63を備えていたが、ガイド突起63のような第二の規制部材を設けることは必須ではない。吸引保持工程が終了して吸引保持された状態の保持対象物及び搬送対象物は、規制部材に当接しており、第二の規制部材に位置規制されることが必要となる可能性は小さいため、吸引保持ハンド又は保持手段は、ガイド突起63のような第二の規制部材を設けない構成であってもよい。

0092

10…搬送装置、20…吸引保持ハンド、21…吸引パット、24…装置取付部、26…ワークガイド、27…ジョイント部材、28…気体供給源、30…ロボット機構、34…ハンド保持機構、38…装置機台、39…搬送装置制御部、40a…軸、41…取付孔、41a…取付孔軸、42…装着孔、42a…装着孔軸、51…ヘッドケース、61…ガイド本体、61a…本体面、62…ガイド突起、62a…ガイド面、63…ガイド突起、63a…ガイド面、74…吸引給気流路、84…主圧空溝、85…副圧空溝、88…圧空溝、90…吸引保持端末、100…搬送用パレット、120…加工用パレット、121…着座領域、122…位置規定壁、140…液晶変調パネル、150…対向基板、155…TFTアレイ基板、157…液晶層、181…旋回流発生室、182…吸引保持面、182A…吸引保持面、183…気体噴出流路、184…内周面、185…チャンバ流路。

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