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技術 吸引保持ハンド、吸引保持方法、及び搬送装置

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 守屋智徳
出願日 2009年4月21日 (11年8ヶ月経過) 出願番号 2009-102743
公開日 2010年11月11日 (10年1ヶ月経過) 公開番号 2010-253567
状態 未査定
技術分野 マニプレータ・ロボット ウエハ等の容器,移送,固着,位置決め等 特殊目的用コンベヤ ウエハ等の容器、移送、固着、位置決め等 マニプレータ
主要キーワード 摺動支持機構 作用点位置 ハウジング端子 保持範囲 吸引パット 横流路 吸引気体 縦流路
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図面 (8)

課題

保持端末吸着端面に対する保持対象物姿勢を一定に保ち、吸着端面に対する保持対象物の姿勢が一定でなくなって傾くことに起因して、吸着端面と保持対象物との間の隙間が保たれなくなり、吸着端面と保持対象物とが接触することなどを抑制できる吸引保持ハンド吸引保持方法、及び搬送装置を提供する。

解決手段

吸引保持ハンドは、旋回流発生室に発生させた気体旋回流の中心部に生ずる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持ハンドであって、旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面を有する吸引パットと、吸引パットに吸引されて吸引保持面に臨む位置に在る保持対象物の面に略連続する被吸引面に対向し、被吸引面に圧縮気体を吹き付けることが可能な位置に配設された複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置と、を備える。

概要

背景

従来から、複数の半導体装置が形成された半導体基板のように、脆い材料に微細な構造が精密に形成された被加工物を加工する工程においては、被加工物を搬送する際に被加工物の加工面を損なわないための被加工物のチャッキング方法及びチャッキング装置について様々な工夫がされている。保持するために接触することが可能な面が少ない保持対象物を保持する方法として、ベルヌーイの定理を応用して被加工物などの保持対象物を非接触でチャッキングするベルヌーイチャックを用いる保持方法が使われている。

特許文献1には、空気の旋回流が発生する旋回室と、旋回室に連通するとともに被搬送物に対向する対向面と、を設けることによって、非接触で被搬送物を吸着する無接触搬送装置が開示されている。
特許文献2には、旋回室の形状を工夫することによって、エア供給量に対するワークの保持範囲を拡大させ、ワークを確実且つ安定的に保持して移送することが可能な非接触搬送装置が開示されている。

概要

保持端末吸着端面に対する保持対象物の姿勢を一定に保ち、吸着端面に対する保持対象物の姿勢が一定でなくなって傾くことに起因して、吸着端面と保持対象物との間の隙間が保たれなくなり、吸着端面と保持対象物とが接触することなどを抑制できる吸引保持ハンド吸引保持方法、及び搬送装置を提供する。吸引保持ハンドは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生ずる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持ハンドであって、旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面を有する吸引パットと、吸引パットに吸引されて吸引保持面に臨む位置に在る保持対象物の面に略連続する被吸引面に対向し、被吸引面に圧縮気体を吹き付けることが可能な位置に配設された複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置と、を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

旋回流発生室に発生させた気体旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持ハンドであって、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面を有する吸引パットと、前記吸引パットに吸引されて前記吸引保持面に臨む位置に在る前記保持対象物の面に略連続する被吸引面に対向し、前記被吸引面に圧縮気体を吹き付けることが可能な位置に配設された複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置と、を備えることを特徴とする吸引保持ハンド。

請求項2

前記気体吹出し装置は、前記複数の吹出し孔のそれぞれの吹出し孔に供給する前記気体の流量を調整可能な流量調整弁を備えることを特徴とする、請求項1に記載の吸引保持ハンド。

請求項3

前記気体吹出し装置は、3個以上の前記吹出し孔を備え、3個以上の前記吹出し孔が、前記吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に前記吸引用吹出し口の中心が位置する位置に配設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸引保持ハンド。

請求項4

前記保持対象物の部分の前記吸引保持面からの距離を測定する測定手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吸引保持ハンド。

請求項5

前記測定手段によって測定された前記保持対象物の部分ごとの前記吸引保持面からの距離に応じて、前記流量調整弁を制御することによって、それぞれの前記吹出し孔ごとに供給する前記気体の流量を調整する流量バランス調整手段をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の吸引保持ハンド。

請求項6

旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口から前記吸引用吹出し口が開口した吸引保持面に流出する気体とにより、前記吸引保持面を有する吸引パットに、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持方法であって、前記保持対象物が前記吸引パットに吸引保持されて前記吸引保持面に臨む位置に在る状態の場合に、前記保持対象物の面に略連続する被吸引面に対向する位置に配設された複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置の吹出し孔に、圧縮気体を供給することによって、前記被吸引面に圧縮気体を吹き付ける気流吹き付け工程と、前記旋回流発生室に圧縮気体を供給することによって、前記吸引保持面に前記保持対象物を吸引する吸引工程と、を有することを特徴とする吸引保持方法。

請求項7

前記気流吹き付け工程において前記被吸引面に吹き付ける前記圧縮気体の流量を調整する気体流量調整工程をさらに有することを特徴とする、請求項6に記載の吸引保持方法。

請求項8

前記気体吹出し装置は3個以上の前記吹出し孔を備え、3個以上の前記吹出し孔が、前記吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に前記吸引用吹出し口の中心が位置する位置に配設されていることを特徴とする、請求項7に記載の吸引保持方法。

請求項9

前記保持対象物の部分の前記吸引用吹出し口からの距離を測定する高さ測定工程をさらに有することを特徴とする、請求項7又は8に記載の吸引保持方法。

請求項10

前記高さ測定工程において測定された前記保持対象物の部分ごとの前記吸引保持面からの距離に応じて、それぞれの前記吹出し孔ごとに供給する前記気体の流量を調整する流量バランス調整工程をさらに有することを特徴とする、請求項9に記載の吸引保持方法。

請求項11

旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持する保持手段を備え、前記保持手段によって保持した前記搬送対象物を搬送する搬送装置であって、前記保持手段は、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面を有する吸引パットと、前記吸引パットに吸引されて前記吸引保持面に臨む位置に在る前記搬送対象物の面に略連続する被吸引面に対向し、前記被吸引面に圧縮気体を吹き付けることが可能な位置に配設された複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置と、を備えることを特徴とする搬送装置。

請求項12

前記気体吹出し装置は、前記複数の吹出し孔のそれぞれの吹出し孔に供給する前記気体の流量を調整可能な流量調整弁を備えることを特徴とする、請求項11に記載の搬送装置。

請求項13

前記気体吹出し装置は、3個以上の前記吹出し孔を備え、3個以上の前記吹出し孔が、前記吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に前記吸引用吹出し口の中心が位置する位置に配設されていることを特徴とする、請求項11又は12に記載の搬送装置。

請求項14

前記搬送対象物の部分の前記吸引保持面からの距離を測定する測定手段をさらに備えることを特徴とする、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の搬送装置。

請求項15

前記測定手段によって測定された前記搬送対象物の部分ごとの前記吸引保持面からの距離に応じて、前記流量調整弁を制御することによって、それぞれの前記吹出し孔ごとに供給する前記気体の流量を調整する流量バランス調整手段をさらに備えることを特徴とする、請求項14に記載の搬送装置。

請求項16

前記測定手段が、前記保持手段の前記吸引パットと一体に設けられていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の搬送装置。

請求項17

前記測定手段が、前記保持手段の前記吸引パットとは別に、固定して設けられていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の搬送装置。

技術分野

0001

本発明は、保持対象物吸引保持する吸引保持ハンド、保持対象物を吸引保持する吸引保持方法、及び搬送対象物を吸引保持して搬送する搬送装置に関する。

背景技術

0002

従来から、複数の半導体装置が形成された半導体基板のように、脆い材料に微細な構造が精密に形成された被加工物を加工する工程においては、被加工物を搬送する際に被加工物の加工面を損なわないための被加工物のチャッキング方法及びチャッキング装置について様々な工夫がされている。保持するために接触することが可能な面が少ない保持対象物を保持する方法として、ベルヌーイの定理を応用して被加工物などの保持対象物を非接触でチャッキングするベルヌーイチャックを用いる保持方法が使われている。

0003

特許文献1には、空気の旋回流が発生する旋回室と、旋回室に連通するとともに被搬送物に対向する対向面と、を設けることによって、非接触で被搬送物を吸着する無接触搬送装置が開示されている。
特許文献2には、旋回室の形状を工夫することによって、エア供給量に対するワークの保持範囲を拡大させ、ワークを確実且つ安定的に保持して移送することが可能な非接触搬送装置が開示されている。

先行技術

0004

特開平11−254369号公報
特開2008−87910号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1又は特許文献2に開示された搬送装置において保持対象物(被搬送物、ワーク)などを保持(吸着)する保持端末では、旋回室からの圧縮空気流出状態が、保持端末の全周で必ずしも均一ではないことに起因して、保持端末の吸着端面に対する保持対象物の姿勢が、一定に保ち難いという課題があった。吸着端面に対する保持対象物の姿勢が一定でなくなって傾くことによって、吸着端面と保持対象物との間の隙間が保たれなくなり、吸着端面と保持対象物とが接触することがあるという課題があった。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。

0007

[適用例1]本適用例にかかる吸引保持ハンドは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持ハンドであって、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面を有する吸引パットと、前記吸引パットに吸引されて前記吸引保持面に臨む位置に在る前記保持対象物の面に略連続する被吸引面に対向し、前記被吸引面に圧縮気体を吹き付けることが可能な位置に配設された複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置と、を備えることを特徴とする。

0008

この吸引保持ハンドによれば、複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置を作動させることによって、吸引パットに吸引されて吸引保持面に臨む位置に吸引されている保持対象物の被吸引面に圧縮気体を吹き付けることができる。
ベルヌーイの定理を利用したベルヌーイチャックは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧によって保持対象物を吸引する。旋回流発生室の気体は、吸引保持面に開口した吸引用吹出し口から流出するため、保持対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、吸引された保持対象物と吸引保持面との非接触状態が形成される。
気体吹出し装置によって保持対象物の被吸引面に圧縮気体を吹き付けることで、保持対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、保持対象物と吸引保持面との非接触状態をより確実に維持することができる。旋回流発生室で旋回流として流動した後で吸引用吹出し口から流出する気体は、吸引用吹出し口の全周において必ずしも一定の状態で流出するとは限らない。吸引用吹出し口からの気体の流出状態の、吸引用吹出し口の周方向におけるばらつきは、保持対象物の吸引保持面に対する姿勢の変動を引起こす。一方、気体吹出し装置によって吹き付ける気体は、一定の圧力を保ち易いため、保持対象物の吸引保持面に対する姿勢を一定の姿勢に保つことで、保持対象物と吸引保持面との非接触状態をより確実に維持することができる。

0009

[適用例2]上記適用例にかかる吸引保持ハンドは、前記気体吹出し装置が、前記複数の吹出し孔のそれぞれの吹出し孔に供給する前記気体の流量を調整可能な流量調整弁を備えることが好ましい。

0010

この吸引保持ハンドによれば、流量調整弁を用いて吹出し孔に供給する気体の流量を調整することによって、保持対象物の被吸引面に当たる圧縮気体の量を調整することができる。これにより、圧縮気体が当たることで被吸引面に作用する押し力を調整して、保持対象物と吸引保持面との距離を調整することができる。

0011

[適用例3]上記適用例にかかる吸引保持ハンドは、前記気体吹出し装置が、3個以上の前記吹出し孔を備え、3個以上の前記吹出し孔が、前記吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に前記吸引用吹出し口の中心が位置する位置に配設されていることが好ましい。

0012

この吸引保持ハンドによれば、吸引用吹出し口が吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側にあることから、吸引用吹出し口からの吸引力作用点位置も、吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に位置する。吹出し孔からの気体による押し力の合力作用点も、吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に位置する。従って、保持対象物に作用する吸引力と押し力との作用点の位置が近くなるため、吸引力と押し力との作用点の位置が異なることによるモーメントの大きさを小さくして、保持対象物の被吸引面が吸引保持ハンドの吸引保持面に対して傾くことを抑制することができる。

0013

[適用例4]上記適用例にかかる吸引保持ハンドは、前記保持対象物の部分の前記吸引保持面からの距離を測定する測定手段をさらに備えることが好ましい。

0014

この吸引保持ハンドによれば、測定手段によって、保持対象物の吸引保持面からの距離を測定することができる。保持対象物の複数の部分の吸引保持面からの距離を測定することで、吸引保持面に対する保持対象物の傾きなどの姿勢を求めることができる。

0015

[適用例5]上記適用例にかかる吸引保持ハンドは、前記測定手段によって測定された前記保持対象物の部分ごとの前記吸引保持面からの距離に応じて、前記流量調整弁を制御することによって、それぞれの前記吹出し孔ごとに供給する前記気体の流量を調整する流量バランス調整手段をさらに備えることが好ましい。

0016

この吸引保持ハンドによれば、流量調整弁を制御することによって、それぞれの吹出し孔ごとに供給する気体の流量を調整することで、保持対象物の被吸引面に当たる圧縮気体の量を、保持対象物の部分ごとに調整することができる。これにより、圧縮気体が当たることで被吸引面に作用する押し力を保持対象物の部分ごとに調整して、保持対象物の吸引保持面に対する姿勢を調整することができる。流量バランス調整手段が、測定手段によって測定された保持対象物の部分ごとの吸引保持面からの距離に応じて、流量調整弁を制御することによって、保持対象物の吸引保持面に対する姿勢を、所望の姿勢に、例えば保持対象物を吸引保持面に対して平行となるように、調整することができる。

0017

[適用例6]本適用例にかかる吸引保持方法は、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口から前記吸引用吹出し口が開口した吸引保持面に流出する気体とにより、前記吸引保持面を有する吸引パットに、保持対象物を非接触で吸引保持する吸引保持方法であって、前記保持対象物が前記吸引パットに吸引保持されて前記吸引保持面に臨む位置に在る状態の場合に、前記保持対象物の面に略連続する被吸引面に対向する位置に配設された複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置の吹出し孔に、圧縮気体を供給することによって、前記被吸引面に圧縮気体を吹き付ける気流吹き付け工程と、前記旋回流発生室に圧縮気体を供給することによって、前記吸引保持面に前記保持対象物を吸引する吸引工程と、を有することを特徴とする。

0018

この吸引保持方法によれば、気流吹き付け工程において複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置を作動させることによって、吸引パットに吸引されて吸引保持面に臨む位置に吸引されている保持対象物の被吸引面に圧縮気体を吹き付けることができる。
吸引工程において使用する吸引保持装置は、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧によって保持対象物を吸引する。旋回流発生室の気体は、吸引保持面に開口した吸引用吹出し口から流出するため、保持対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、吸引された保持対象物と吸引保持面との非接触状態が形成される。
気流吹き付け工程において、気体吹出し装置によって保持対象物の被吸引面に圧縮気体を吹き付けることで、保持対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、保持対象物と吸引保持面との非接触状態をより確実に維持することができる。旋回流発生室で旋回流として流動した後で吸引用吹出し口から流出する気体は、吸引用吹出し口の全周において必ずしも一定の状態で流出するとは限らない。吸引用吹出し口からの気体の流出状態の、吸引用吹出し口の周方向におけるばらつきは、保持対象物の吸引保持面に対する姿勢の変動を引起こす。一方、気体吹出し装置によって吹き付ける気体は、一定の圧力を保ち易いため、保持対象物の吸引保持面に対する姿勢を一定の姿勢に保つことで、保持対象物と吸引保持面との非接触状態をより確実に維持することができる。

0019

[適用例7]上記適用例にかかる吸引保持方法は、前記気流吹き付け工程において前記被吸引面に吹き付ける前記圧縮気体の流量を調整する気体流量調整工程をさらに有することが好ましい。

0020

この吸引保持方法によれば、気体流量調整工程において被吸引面に吹き付ける圧縮気体の流量を調整する。これにより、圧縮気体が当たることで被吸引面に作用する押し力を調整して、保持対象物の被吸引面と吸引保持面との距離を調整することができる。

0021

[適用例8]上記適用例にかかる吸引保持方法は、前記気体吹出し装置は3個以上の前記吹出し孔を備え、3個以上の前記吹出し孔が、前記吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に前記吸引用吹出し口の中心が位置する位置に配設されていることが好ましい。

0022

この吸引保持方法によれば、吸引用吹出し口が吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側にあることから、吸引用吹出し口からの吸引力の作用点位置も、吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に位置する。吹出し孔からの気体による押し力の合力の作用点も、吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に位置する。従って、保持対象物に作用する吸引力と押し力との作用点の位置が近くなるため、吸引力と押し力との作用点の位置が異なることによるモーメントの大きさを小さくして、保持対象物の被吸引面が、吸引保持面に対して傾くことを抑制することができる。

0023

[適用例9]上記適用例にかかる吸引保持方法は、前記保持対象物の部分の前記吸引用吹出し口からの距離を測定する高さ測定工程をさらに有することが好ましい。

0024

この吸引保持方法によれば、高さ測定工程を実施することによって、保持対象物の被吸引面の吸引保持面からの距離を測定することができる。さらに、保持対象物の複数の部分の吸引保持面からの距離を測定することで、吸引保持面に対する保持対象物の傾きなどの姿勢を求めることができる。

0025

[適用例10]上記適用例にかかる吸引保持方法は、前記高さ測定工程において測定された前記保持対象物の部分ごとの前記吸引保持面からの距離に応じて、それぞれの前記吹出し孔ごとに供給する前記気体の流量を調整する流量バランス調整工程をさらに有することが好ましい。

0026

この吸引保持方法によれば、気体流量調整工程を実施して、それぞれの吹出し孔ごとに供給する気体の流量を調整することで、保持対象物の被吸引面に当たる圧縮気体の量を、保持対象物の部分ごとに調整することができる。これにより、圧縮気体が当たることで被吸引保持面に作用する押し力を保持対象物の部分ごとに調整して、保持対象物の吸引保持面に対する姿勢を調整することができる。流量バランス調整工程において、高さ測定工程において測定された保持対象物の部分ごとの吸引保持面からの距離に応じて、気体の流量を制御することによって、保持対象物の吸引保持面に対する姿勢を、所望の姿勢に、例えば保持対象物を吸引保持面に対して平行となるように、調整することができる。

0027

[適用例11]本適用例にかかる搬送装置は、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持する保持手段を備え、前記保持手段によって保持した前記搬送対象物を搬送する搬送装置であって、前記保持手段は、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面を有する吸引パットと、前記吸引パットに吸引されて前記吸引保持面に臨む位置に在る前記搬送対象物の面に略連続する被吸引面に対向し、前記被吸引面に圧縮気体を吹き付けることが可能な位置に配設された複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置と、を備えることを特徴とする。

0028

この搬送装置によれば、複数の吹出し孔を有する気体吹出し装置を作動させることによって、吸引パットに吸引されて吸引保持面に臨む位置に吸引されている搬送対象物の被吸引面に圧縮気体を吹き付けることができる。
気体の旋回流の中心部に生じる負圧による吸引力を利用する保持手段は、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧によって搬送対象物を吸引する。旋回流発生室の気体は、吸引保持面に開口した吸引用吹出し口から流出するため、搬送対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、吸引された搬送対象物と吸引保持面との非接触状態が形成される。
気体吹出し装置によって搬送対象物の被吸引面に圧縮気体を吹き付けることで、搬送対象物を吸引保持面から離反させる方向の力を被吸引面に作用させることから、搬送対象物と吸引保持面との非接触状態をより確実に維持することができる。旋回流発生室で旋回流として流動した後で吸引用吹出し口から流出する気体は、吸引用吹出し口の全周において必ずしも一定の状態で流出するとは限らない。吸引用吹出し口からの気体の流出状態の、吸引用吹出し口の周方向におけるばらつきは、搬送対象物の吸引保持面に対する姿勢の変動を引起こす。一方、気体吹出し装置によって吹き付ける気体は、一定の圧力を保ち易いため、搬送対象物の吸引保持面に対する姿勢を一定の姿勢に保つことで、搬送対象物と吸引保持面との非接触状態をより確実に維持することができる。

0029

[適用例12]上記適用例にかかる搬送装置は、搬送装置が備える前記気体吹出し装置が、前記複数の吹出し孔のそれぞれの吹出し孔に供給する前記気体の流量を調整可能な流量調整弁を備えることが好ましい。

0030

この搬送装置によれば、流量調整弁を用いて吹出し孔に供給する気体の流量を調整することによって、搬送対象物の被吸引面に当たる圧縮気体の量を調整することができる。これにより、圧縮気体が当たることで被吸引面に作用する押し力を調整して、搬送対象物と吸引保持面との距離を調整することができる。

0031

[適用例13]上記適用例にかかる搬送装置は、搬送装置が備える前記気体吹出し装置が、3個以上の前記吹出し孔を備え、3個以上の前記吹出し孔が、前記吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に前記吸引用吹出し口の中心が位置する位置に配設されていることが好ましい。

0032

この搬送装置によれば、吸引用吹出し口が吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側にあることから、吸引用吹出し口からの吸引力の作用点位置も、吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に位置する。吹出し孔からの気体による押し力の合力の作用点も、吹出し孔の中心を結んだ多角形の内側に位置する。従って、搬送対象物に作用する吸引力と押し力との作用点の位置が近くなるため、吸引力と押し力との作用点の位置が異なることによるモーメントの大きさを小さくして、搬送対象物の被吸引面が吸引パットの吸引保持面に対して傾くことを抑制することができる。

0033

[適用例14]上記適用例にかかる搬送装置は、前記搬送対象物の部分の前記吸引保持面からの距離を測定する測定手段をさらに備えることが好ましい。

0034

この搬送装置によれば、測定手段によって、搬送対象物の吸引保持面からの距離を測定することができる。搬送対象物の複数の部分の吸引保持面からの距離を測定することで、吸引保持面に対する搬送対象物の傾きなどの姿勢を求めることができる。

0035

[適用例15]上記適用例にかかる搬送装置は、前記測定手段によって測定された前記搬送対象物の部分ごとの前記吸引保持面からの距離に応じて、前記流量調整弁を制御することによって、それぞれの前記吹出し孔ごとに供給する前記気体の流量を調整する流量バランス調整手段をさらに備えることが好ましい。

0036

この搬送装置によれば、流量調整弁を制御することによって、それぞれの吹出し孔ごとに供給する気体の流量を調整することで、搬送対象物の被吸引面に当たる圧縮気体の量を、搬送対象物の部分ごとに調整することができる。これにより、圧縮気体が当たることで被吸引面に作用する押し力を搬送対象物の部分ごとに調整して、搬送対象物の吸引保持面に対する姿勢を調整することができる。流量バランス調整手段が、測定手段によって測定された搬送対象物の部分ごとの吸引保持面からの距離に応じて、流量調整弁を制御することによって、搬送対象物の吸引保持面に対する姿勢を、所望の姿勢に、例えば搬送対象物を吸引保持面に対して平行となるように、調整することができる。

0037

[適用例16]上記適用例にかかる搬送装置は、前記測定手段が、前記保持手段の前記吸引パットと一体に設けられていることが好ましい。

0038

この搬送装置によれば、測定手段は吸引パットと一体に形成されているため、測定手段と吸引パットの吸引保持面との位置関係は固定である。これにより、測定手段によって、測定手段からの被吸引面までの距離を測定することで、搬送対象物における被吸引面の吸引保持面からの距離を測定することができる。

0039

[適用例17]上記適用例にかかる搬送装置は、前記測定手段が、前記保持手段の前記吸引パットとは別に、固定して設けられていることが好ましい。

0040

この搬送装置によれば、測定手段は保持手段とは別に、独立して配設されている。これにより、測定手段を吸引パットと一体にするために必要となる、測定手段の構造や大きさなどの制約の増加を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0041

(a)は、SAW共振片の一例を示す平面図。(b)は、複数のSAWパターンが形成された共振片ウェハーの平面図。
給除材装置概略構成を示す外観斜視図。
吸引パットの構造を示す斜視図。
ヘッドケースの構成を示す平面図。
(a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す断面図。(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。
吸引保持ハンドの全体構成を示す分解斜視図。
吸引保持ハンドのパットホルダー周りの概構成を示す外観斜視図。

実施例

0042

以下、吸引保持ハンド、吸引保持方法、及び搬送装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。実施形態は、搬送装置の一例である、給除材装置を例にして説明する。実施形態の給除材装置は、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子の製造工程において、SAW共振片を構成する複数のSAWパターンが区画形成された共振片ウェハーを取扱う給除材装置である。なお、以下の説明において参照する図面では、構成部材をわかり易く表示するために、部材又は部分の縦横縮尺や部分ごとの縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。

0043

<共振片ウェハー>
最初に、給除材装置10(図2参照)が扱う搬送対象物又は保持対象物の一例である、共振片ウェハー1Aについて、図1を参照して説明する。共振片ウェハー1Aは、圧電体ウェハーにSAW共振片1が区画形成されたものであり、SAW共振片1は、SAW共振子を構成する主要要素である。図1(a)は、SAW共振片の一例を示す平面図である。図1(b)は、複数のSAWパターンが形成された共振片ウェハーの平面図である。
SAW共振子は、ハウジングにSAW共振片1を封入し、接着剤接着し、ボンディングワイヤハウジング端子導通させて形成される。

0044

図1(a)に示したように、SAW共振片1は、水晶リチウムタンクレート、リチウムニオブベートなどの圧電体矩形カットしたものを基体チップ)として構成されている。本実施形態の圧電体のチップ3は、平ら略長方形にカットされており、その表面(主面)3aの中央に、1組の電極4a及び電極4bからなる交叉指電極(IDT:Inter Digital Transducer)4が形成されている。IDT4の長手方向の両側には、格子状の反射器6が、それぞれ形成されている。チップ3の長手方向の縁に沿って、IDT4を形成する電極4a又は電極4bとそれぞれ繋がった導通用のボンディングランド5a及びボンディングランド5bが、形成されている。ボンディングランド5a及びボンディングランド5bは、電極4a及び電極4bと同じ素材を用いて形成されており、このボンディングランド5a及びボンディングランド5bにワイヤーボンディングすることによって電気的な接続が得られる。交叉指電極4と、反射器6と、ボンディングランド5a及びボンディングランド5bと、の組をSAWパターン2と表記する。
図1(a)に破線で示した領域7a及び領域7bは、陽極酸化レジスト膜を形成する領域である。陽極酸化膜は、電極の表面を陽極酸化することによって、酸化膜を電極の表面に形成し、SAW共振片の特性にほとんど影響を与えることなく、電極を保護することで、電極に異物が付着することによるトラブルを防止するものである。陽極酸化レジスト膜は、ボンディングランド5a及びボンディングランド5bに陽極酸化膜が形成されないようにするためのレジスト膜である。

0045

図1(b)に示すように、共振片ウェハー1Aは、圧電体のウェハー3Aに複数のSAWパターン2が形成されている。共振片ウェハー1Aは、複数のSAWパターン2が形成された状態で陽極酸化が行われる。なお、本実施形態では、共振片ウェハー1Aは、陽極酸化が行われる前も、陽極酸化が行われた後も、共振片ウェハー1Aと表記する。陽極酸化を実施する装置に共振片ウェハー1Aを給材したり、陽極酸化膜が形成された共振片ウェハー1Aを除材する際は、SAWパターン2が形成された面や、陽極酸化膜の面を保持することで共振片ウェハー1Aを保持するため、SAWパターン2や陽極酸化膜に影響を与えない保持方法を用いることが必要である。

0046

<給除材装置>
次に、給除材装置10について、図2を参照して説明する。図2は、給除材装置の概略構成を示す外観斜視図である。
図2に示すように、給除材装置10は、吸引保持ハンド20と、給除材腕31と機台38とを備えるロボット機構30と、給除材装置制御部39とを備えている。
給除材腕31は、腕部32aと、腕部32bと、腕関節部33と、ハンド保持機構34と、腕軸部36とを備えている。腕部32aの一端と腕部32bの一端とは、腕関節部33で接続されている。腕部32bの腕関節部33に接続された一端の反対側の一端は、腕軸部36に接続されている。腕軸部36は、腕部32bを腕軸部36の回動軸を中心に回動可能に支持している。腕部32bは、腕部32aを、腕関節部33を介して、腕関節部33の回動軸を中心に回動可能に支持している。腕部32aと腕部32bとは、腕関節部33において互いのなす角度を調整可能である。即ち、給除材腕31は、腕関節部33において屈伸可能である。腕軸部36の回動軸の軸方向と、腕関節部33の回動軸の軸方向とは、互いに略平行である。機台38は、内蔵する摺動支持機構(図示省略)を介して、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動自在に、且つ精密に位置決め固定可能に支持している。

0047

腕部32aの腕関節部33に接続された一端の反対側の一端には、ハンド保持機構34が固定されている。ハンド保持機構34には、吸引保持ハンド20が固定されている。ハンド保持機構34は、腕軸部36の回動軸の軸方向及び腕関節部33の回動軸の軸方向と同じ軸方向の回動軸を有し、腕部32aに対して、当該回動軸を中心に吸引保持ハンド20を回動可能に支持している。
吸引保持ハンド20は、後述する吸引パット21(図3参照)を4個備えており、吸引保持ハンド20の吸引保持面は、4個の吸引パット21が備える4個の吸引保持面182(図3参照)で構成されている。吸引保持ハンド20の吸引保持面は、ハンド保持機構34の回動軸と略垂直であり、ハンド保持機構34によって吸引保持ハンド20を回動させることで、吸引保持面に平行な平面方向における吸引保持面の方向を変えることができる。
給除材装置制御部39は、情報入出力装置(図示省略)を介して予め入力された制御プログラムに基づいて、給除材装置10の各部の動作を統括制御する。

0048

次に、給除材装置10によってワークを搬送する際の給除材装置10の動作について説明する。
最初に、腕軸部36によって、給除材腕31を回動させて任意の方向に向け、腕関節部33において給除材腕31を屈伸させることによって、吸引保持ハンド20を任意の位置、例えば、ワークを吸引保持可能な位置に位置させる。次に、機台38の摺動支持機構によって、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動させることによって、吸引保持ハンド20の吸引保持面をワークを吸引保持可能な距離まで接近させ、当該位置でワークを吸引保持する。次に、機台38の摺動支持機構によって腕軸部36を摺動させて、吸引保持ハンド20を移動させ、ワークを持ち上げる。
次に、腕軸部36によって、給除材腕31を回動させて、給除材腕31をワークを載置する方向に向け、腕関節部33において給除材腕31を屈伸させることによって、ワークを吸引保持した吸引保持ハンド20を、ワークが載置位置に臨む位置に位置させる。次に、機台38の摺動支持機構によって、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動させることによって、吸引保持ハンド20が吸引保持したワークを載置面に載置可能な距離まで接近させ、当該位置でワークの吸引保持を解除し、ワークを載置面に落下させる。給除材装置10によって搬送される共振片ウェハー1Aなどのワークが、保持対象物又は搬送対象物に相当する。

0049

<吸引パット>
次に、吸引保持ハンド20が備える吸引パット21について、図3を参照して説明する。吸引パット21は、ベルヌーイの定理を応用して、吸引保持する部材を吸引するとともに、流出する気体によって部材に押し力を加えることによって、部材と吸引パットとの非接触状態を維持して、非接触で部材を保持するものである。図3は、吸引パットの構造を示す斜視図である。
図3に示すように、吸引パット21は、旋回流発生室181と、吸引保持面182と、一対の気体噴出流路183,183と、一対のチャンバ流路185,185と、を備えている。旋回流発生室181は、円柱状の凹部である。吸引保持面182は、吸引パット21の旋回流発生室181が開口する端面であり、旋回流発生室181の開口側端連なり、吸引保持された状態の被吸引部材が臨む面である。気体噴出流路183は、一端が旋回流発生室181の内周面184に開口しており、旋回流発生室181に圧縮空気を噴出させて、旋回流発生室181に旋回流を発生させる。チャンバ流路185は、各気体噴出流路183の上流端に連通し、吸引気体供給部100(図6参照)からの圧縮空気を供給する。吸引気体供給部100から供給された圧縮空気は、一対のチャンバ流路185に同時に流入し、それぞれ気体噴出流路183を通って旋回流発生室181に噴出される。
吸引パット21の外形は、略円形の吸引保持面182を端面とする略円筒形状であり、円筒の途中から吸引保持面182の反対側の端面までは、一部が切り欠かれた形状をしている。切り欠かれた部分は、平坦な面であって、互いに平行な一対の面186,186で構成されている。チャンバ流路185の気体噴出流路183に連通する側の反対側は、面186に開口している。

0050

旋回流発生室181は、その内周面184の一端が閉塞された円柱状に形成されており、旋回流発生室181の閉塞側には、一対の気体噴出流路183が形成されている。旋回流発生室181に流入した圧縮空気は、その内周面184に沿うように流れ、強い旋回流となってやがて開放端から側方に流出する。旋回流の中心部には、ベルヌーイの定理に従って負圧が生じ、この負圧により共振片ウェハー1Aなどを吸引する。

0051

吸引保持面182は、旋回流発生室181の開口側端に連なり、旋回流の旋回軸に対して略直交する形状に形成されている。旋回流発生室181で発生した旋回流は、旋回流発生室181の開放端に達すると、その遠心力により吸引保持面182に沿って内周側から外周側に向って渦流となって流れ出す。旋回流発生室181から流出して、吸引保持面182上を流れ出す空気により、共振片ウェハー1Aなどと吸引保持面182との間隙が維持される。
図3に示した吸引パット21では、旋回流発生室181に発生する旋回流は、吸引保持面182側から見て、時計まわり旋回する。気体噴出流路183の位置を、旋回流発生室181の中心軸を含む面に関して面対称の位置にすると、旋回流発生室181に発生する旋回流は、吸引保持面182側から見て、反時計まわりに旋回する。本実施形態では、旋回方向に関わらず、いずれの旋回方向の旋回流を発生するものも、吸引パット21と表記する。
なお、吸引パット21の形状は、旋回流発生室181の開口端が徐々に広がるようにベルマウス形状としてもよいし、吸引保持面182に渦流を維持する渦形の溝を形成するようにしてもよい。

0052

<ヘッドケース>
次に、吸引パット21が固定されており、吸引保持ヘッド25(図6参照)を構成するヘッドケース51について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、ヘッドケースの構成を示す平面図である。図5は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す図である。図5(a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す断面図であり、図5(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。
図4及び図5に示すように、ヘッドケース51は、4個の吸引パット21を下方に突出させ、且つそれぞれの旋回流発生室181の端が同一平面内に位置するように保持している。具体的には、ヘッドケース51には、4個の固定装着穴がマトリクス状に形成されている。固定装着穴は、上述した吸引パット21の一対の面186,186と隙間なく嵌合できる平坦面を備えている。各吸引パット21は、面186が形成された部分が固定装着穴に嵌合されて、接着固定されている。吸引パット21で発生する旋回流の旋回方向は、4個の吸引パット21の中で対角に位置する2個の吸引パット21が時計まわりに旋回する旋回流を発生し、他方の対角に位置する2個の吸引パット21が反時計まわりに旋回する旋回流を発生するように、4個の吸引パット21が配置されている。

0053

図4に示すように、ヘッドケース51に形成した圧空溝88は、4個の吸引パット21を二分する位置に配設した幅広の主圧空溝84と、主圧空溝84から各吸引パット21に向って垂直に分岐した各吸引パット21ごとに1組、計4組の幅狭の副圧空溝85と、から形成されている。各副圧空溝85は、長い長尺副圧空溝85aと短い短尺副圧空溝85bとから成り、取り付けられた吸引パット21を挟み込む位置に配設されている。吸引パット21がヘッドケース51に取り付けられた状態で、長尺副圧空溝85a及び短尺副圧空溝85bは、吸引パット21の面186に開口しているチャンバ流路185にそれぞれ連通している。後述する吸引気体供給部100(図6参照)から供給される圧縮空気が、後述する蓋ケース52(図6参照)の吸引気体孔54から流入し、主圧空溝84及び各副圧空溝85を介して、各吸引パット21に流入する。吸引パット21に流入した圧縮空気は、旋回流発生室181に噴出され、図5に示した矢印aのように旋回する旋回流が発生する。蓋ケース52は、ヘッドケース51の周縁に形成された突設枠部87の内側に嵌合することで、ヘッドケース51に対して位置決めされる。

0054

図4及び図5に示すように、ヘッドケース51の4角には、4個の吹出し孔86がそれぞれ形成されている。吹出し孔86は、ヘッドケース51の外面(吸引パット21が嵌合している側の面)側の断面積が絞られた段孔になっている。後述する吹出し気体供給部120(図6参照)から供給される圧縮空気が、後述する蓋ケース52(図6参照)の吹出し気体孔56から流入し、図5に示した矢印bのように、外面側から吹出される。

0055

<吸引保持ハンド>
次に、吸引保持ハンド20の全体構成について、図6を参照して説明する。図6は、吸引保持ハンドの全体構成を示す分解斜視図である。
図6に示すように、吸引保持ハンド20は、共振片ウェハー1Aなどのワークを吸引保持する複数(図示のものは、4個)の吸引パット21と、吸引パット21を保持するパットホルダー23と、パットホルダー23を支持する装置取付部24と、を備えている。また、吸引保持ハンド20は、非接触保持用の空気を供給する吸引気体供給部100及び吹出し用の空気を供給する吹出し気体供給部120と、吸引気体供給部100及び吹出し気体供給部120を制御すると共に給除材装置制御部39とリンクする吸引保持制御部110と、を備えている。

0056

パットホルダー23は、上述したヘッドケース51を有する吸引保持ヘッド25と、吸引保持ヘッド25を垂設支持するワークガイド26と、ワークガイド26を垂設支持するジョイント部材27と、を同軸上に重ねる状態に構成されている。
吸引保持ヘッド25は、ヘッドケース51と蓋ケース52とを備え、蓋ケース52がヘッドケース51の周縁に形成された突設枠部87の内側に嵌合して、隙間なく固定されている。蓋ケース52がヘッドケース51に固定されることで、ヘッドケース51に形成された主圧空溝84及び各副圧空溝85が、蓋ケース52に形成された吸引気体孔54、及び吸引パット21に形成されたチャンバ流路185に連通する気体流路となっている。蓋ケース52に形成された吹出し気体孔56は、ヘッドケース51に形成された吹出し孔86に連通する気体流路となっている。

0057

吸引気体供給部100は、吸引気体供給源101と、吸引給気管102と、吸引流量調整弁105と、吸引給気管103とを備えている。吸引気体供給源101は例えば圧空ポンプのような、圧縮空気を送出する装置である。吸引流量調整弁105は、圧縮空気の流路と、流路の中間に形成されており、当該流路の開閉及び圧縮空気の流量の調整が可能な弁部とを備えている。吸引気体供給源101には吸引給気管102の一端が接続されており、吸引給気管102の他端には吸引流量調整弁105の流路の一方が接続されており、当該流路と弁部によって連通又は遮断されるもう一方の流路には、吸引給気管103の一端が接続されている。吸引給気管103のもう一端は、パットホルダー23のジョイント部材27に形成された吸引給気流路73に接続されている。
吸引流量調整弁105の開閉駆動源は、吸引保持制御部110と電気的に接続されており、吸引保持制御部110は、給除材装置制御部39と電気的に接続されている。吸引保持制御部110は、給除材装置制御部39からの制御信号に従って、開閉駆動源を制御して吸引流量調整弁105による吸引用気体の供給、遮断、及び供給量の調整を実施する。

0058

吹出し気体供給部120は、吹出し気体供給源121と、吹出し給気管122と、吹出し流量調整弁125と、吹出し給気管123とを備えている。吹出し気体供給部120は例えば圧空ポンプのような、圧縮空気を送出する装置である。吹出し流量調整弁125は、圧縮空気の流路と、流路の中間に形成されており、当該流路の開閉及び圧縮空気の流量の調整が可能な弁部とを備えている。
吹出し気体供給源121には吹出し給気管122の一端が接続されており、吹出し給気管122の他端には吹出し流量調整弁125の流路の一方が接続されており、当該流路と弁部によって連通又は遮断されるもう一方の流路には、吹出し給気管123の一端が接続されている。吹出し給気管123のもう一端は、パットホルダー23のジョイント部材27に形成された吹出し給気流路76に接続されている。吹出し気体供給部120は、吹出し気体供給源121と吹出し給気管122と吹出し流量調整弁125と吹出し給気管123との組を4組備えており、一組の吹出し気体供給源121と吹出し給気管122と吹出し流量調整弁125と吹出し給気管123とが、吸引保持ハンド20が備える4個の吹出し孔86のいずれかとそれぞれ接続されている。
吹出し流量調整弁125の開閉駆動源は、吸引保持制御部110と電気的に接続されており、吸引保持制御部110は、給除材装置制御部39と電気的に接続されている。吸引保持制御部110は、給除材装置制御部39からの制御信号に従って、開閉駆動源を制御して吹出し流量調整弁125による吹出し用気体の供給、遮断、及び供給量の調整を実施する。吹出し流量調整弁125が、流量調整弁に相当する。

0059

吸引保持ハンド20の装置取付部24は、略円筒状に形成され、上半部の内部には太径取付孔41が、下半部の内部には細径装着孔42がそれぞれ形成されている。取付孔41と装着孔42とは同軸上に配設されており、取付孔41は、吸引保持ハンド20をロボット機構30のハンド保持機構34に取り付けるための部位として機能し、装着孔42には、ジョイント部材27の装着部72が差し込み装着される。
ハンド保持機構34と装置取付部24とは、取付孔41に嵌入したハンド保持機構34の部分を、上ネジ孔43に螺合した止めネジで固定することによって、互いに固定される。装置取付部24とジョイント部材27とは、装着孔42に嵌入した装着部72を、下ネジ孔44に螺合した止めネジで固定することによって、互いに固定される。

0060

パットホルダー23のジョイント部材27は、装着部72及び垂設部71を備えている。略角柱形状を有する垂設部71の一端の頂面に、垂設部71の略角柱形状の中心と中心軸が略一致する円柱形状の装着部72が立設されている。略円柱形状の装着部72の側面の一部が切り欠かれて、上述した下ネジ孔44に螺合した止めネジが突き当てられる平坦部72aが形成されている。装着部72を装置取付部24の装着孔42に嵌合し、止めネジを下ネジ孔44に螺合することにより、ジョイント部材27が装置取付部24に装着される。垂設部71の装着部72が突設された端面の反対側の端面には、略方形の角を面取りした形状の台座79が突設されている。この台座79にワークガイド26の凹部が嵌合して、位置決め固定される。

0061

垂設部71の内部には、吸引給気流路73と、吹出し給気流路76と、が形成されている。
吸引給気流路73は、吸引給気管103が接続されると共に、吸引パット21の旋回流発生室181に連なる略「L」字状の流路である。吸引給気流路73は、横流路74と、縦流路75とを有している。横流路74は、略角柱形状の垂設部71の側面に開口し、当該側面に略垂直に形成されており、当該開口に吸引給気管103が接続されている。縦流路75は、一端が台座79の面の略中心位置に開口し、当該面に略垂直に形成されており、当該開口は、台座79に嵌合したワークガイド26の吸引気体孔64に接続されている。横流路74及び縦流路75における開口端と反対側の端は、互いに接合して、略「L」字状の吸引給気流路73を形成している。

0062

吹出し給気流路76は、吹出し給気管123が接続されると共に、ヘッドケース51の吹出し孔86に連なる略「L」字状の流路である。吹出し給気流路76は、横流路77と、縦流路78とを有している。横流路77は、略角柱形状の垂設部71の側面に開口し、当該側面に略垂直に形成されており、当該開口に吹出し給気管123が接続されている。縦流路78は、一端が台座79の略正方形の面の角付近に開口し、当該面に略垂直に形成されており、当該開口は、台座79に嵌合したワークガイド26の吹出し気体孔66に接続されている。横流路77及び縦流路78における開口端と反対側の端は、互いに接合して、略「L」字状の吹出し給気流路76を形成している。垂設部71には、4個の給気流路76が形成されており、1個の給気流路76がヘッドケース51の4角に形成された4個の吹出し孔86のいずれかとそれぞれ接続されている。

0063

ワークガイド26は、略方形の厚板の対角の2角が板の面方向に膨出した形状に形成されたガイド本体61と、膨出した部分の先端において板面に立設された4個のガイド突起62と、が一体に形成されている。
ガイド本体61におけるガイド突起62が立設された面の反対側の面には、垂設部71の台座79が嵌入する着座部が窪入形成されており、同軸上においてジョイント部材(垂設部71)27の端面に形成された台座79が着座部に係合して固定されている。
台座79に開口した4個の縦流路78に対応する位置には、それぞれガイド本体61を貫通する吹出し気体孔66が形成されており、縦流路78と吹出し気体孔66とが連通している。

0064

4個のガイド突起62は、略長方形又は正方形のワークにおける一組の対角を成す2個の角のそれぞれの近傍において、4辺にそれぞれ当接させることができる相互位置に配設されている。言い換えると、ワークがガイド本体61と重なる位置に在り、ワークの1個の角が近接して配設された2個のガイド突起62の間に在って、当該角を構成する2辺がそれぞれ1個のガイド突起62に略当接しており、当該角の対角に位置する角も近接して配設された他の2個のガイド突起62の間に在って、その角を構成する2辺がそれぞれ1個のガイド突起62に略当接している状態にワークを位置させることができる位置に、4個のガイド突起62が配設されている。4個のガイド突起62によって、略長方形又は正方形のワークの、ガイド本体61の面方向の移動を規制することができる。4個のガイド突起62の位置を変えることによって、異なる大きさや平面形状のワークを吸引保持することができる。

0065

上述した吸引保持ヘッド25は、ワークガイド26に垂設支持されている。吸引保持ヘッド25がワークガイド26に垂設支持されている状態で、ワークガイド26に形成された4個の吹出し気体孔66は、吸引保持ヘッド25の蓋ケース52に形成された4個の吹出し気体孔56のいずれかと連通している。吸引保持ヘッド25がワークガイド26に垂設支持されている状態で、ワークガイド26の略中央に形成された吸引気体孔64は、蓋ケース52の略中央に形成された吸引気体孔54と連通している。

0066

次に、吸引保持ハンド20によってワークを吸引保持及び保持解除する際の、吸引保持ハンド20の各部の動作について説明する。
吸引保持ハンド20によってワークを吸引保持する際は、吸引気体供給部100が備える吸引気体供給源101を稼働させて、圧縮空気を供給可能にしておく。圧縮空気は吸引気体供給源101から吸引給気管102を通って供給され、吸引流量調整弁105が開放されることによって、吸引給気管103、ジョイント部材27の吸引給気流路73、ワークガイド26の吸引気体孔64、蓋ケース52の吸引気体孔54、ヘッドケース51の圧空溝88を通過して、吸引パット21に供給される。吸引パット21に供給される圧縮空気は、圧空溝88の長尺副圧空溝85a又は短尺副圧空溝85bに連通するチャンバ流路185から流入し、気体噴出流路183から旋回流発生室181に供給される。旋回流発生室181は流路の断面積が絞られているため、気体噴出流路183から旋回流発生室181へは、圧縮空気は高速で噴出される。上述したように、旋回流発生室181に流入した圧縮空気は、その内周面184に沿うように流れるため、高速で噴出された圧縮空気によって、図5に矢印aで示したような高速の旋回流が発生する。高速の旋回流によって旋回流発生室181は負圧となるため、旋回流発生室181の開口に臨む位置にあるワークに、吸引パット21の方に押す力が作用して、ワークが吸引パット21の方に吸引される。旋回流発生室181の開口からは、旋回流発生室181内で旋回した圧縮空気が流出して、当該空気が吸引保持面182とワークとの間に介在するため、ワークと吸引保持面182(吸引パット21)との間には空間が形成される。

0067

一方、吹出し気体供給部120が備える吹出し気体供給源121を稼働させて、圧縮空気を供給可能にしておく。圧縮空気は吹出し気体供給源121から吹出し給気管122を通って供給され、吹出し流量調整弁125が開放されることによって、吹出し給気管123、ジョイント部材27の吹出し給気流路76、ワークガイド26の吹出し気体孔66、蓋ケース52の吹出し気体孔56を通過して、ヘッドケース51の吹出し孔86に供給される。上述したように、吹出し孔86は、ヘッドケース51の外面(吸引パット21が嵌合している側の面)側の断面積が絞られた段孔になっているため、吹出し孔86に供給された圧縮空気は、ヘッドケース51の外面から、図5に示した矢印bのように噴出する。噴出した空気が吸引パット21の方に吸引されているワークに当たることで、ワークと吸引保持面182(吸引パット21)との間の空間が確実に維持される。吹出し流量調整弁125の開口を調整して圧縮空気の流量を調整することで、空間の大きさを調整することができる。
吹出し気体供給部120と、吹出し給気流路76と、吹出し気体孔66と、吹出し気体孔56と、吹出し孔86とが、気体吹出し装置に相当する。

0068

吹出し流量調整弁125及び圧縮空気の流路は、4個の吹出し孔86のそれぞれごとに、個別に設けられているため、4個の吹出し孔86のそれぞれごとに、圧縮空気の流量を調整することが可能である。4個の吹出し孔86のそれぞれごとに、流量を個別に調整することで、吸引保持されたワークのヘッドケース51に対する傾きを調整することもできる。
吸引パット21及び吹出し孔86からの空気によってワークに加えられる力は、ほとんどヘッドケース51の外面に略垂直な方向の力である。上述したように、本実施形態の給除材装置10においては、ワークに作用させる力は、鉛直方向の力である。従って、吸引保持ハンド20に吸引保持されているワークは鉛直方向に交差する方向にはほとんど拘束力を受けておらず、容易に移動できる。ワークガイド26のガイド突起62は、当該移動を拘束して、ワークが吸引保持ハンド20から外れることを防止するために設けられている。吸引保持ハンド20に吸引保持されたワークの姿勢を、水平から傾けると、自重によって、ワークは低い側に移動するため、吹出し孔86への圧縮空気の流量を調整して、ワークを傾けることによって、下がった側の方向にワークを移動させることができる。ワークを移動させて、特定のガイド突起62に当接させることで、吸引保持ハンド20に対して、ワークを位置決めすることができる。

0069

<他の吸引保持ハンド>
次に、上述した吸引保持ハンド20とは異なる構成を備える吸引保持ハンド220について、図7を参照して説明する。図7は、吸引保持ハンドのパットホルダー周りの概構成を示す外観斜視図である。
吸引保持ハンド220は、距離検出装置90を備えることと、吸引保持ハンド20の吸引保持制御部110の機能に加えて、距離検出装置90の検出結果に基づいて吹出し流量調整弁125などを制御する機能を備える吸引保持制御部210を備えることとが、吸引保持ハンド20と異なっている。

0070

図7に示したように、距離検出装置90は、パットホルダー23のジョイント部材27の側面に固定されている。吸引保持ハンド220は、4個(図7では、ジョイント部材27に隠れた2個は図示省略。)の距離検出装置90を備えている。距離検出装置90の検出面は、吹出し孔86からの空気の吹出し方向を向いており、当該方向に在る物体までの距離を検出可能である。距離検出装置90を用いて、吸引保持ハンド220に吸引保持されたワークの面までの距離を測定することで、吸引パット21とワークとの隙間の大きさを検出する。検出結果に基づいて、吹出し流量調整弁125の開口を調整し、圧縮空気の流量を調整することで、吸引パット21とワークとの隙間を適切な大きさに調整する。
吸引保持ハンド220は、4個の距離検出装置90を備えているため、ワークの4個所について、吸引パット21の吸引保持面182からの鉛直方向における距離を検出することが可能である。これにより、ワークの吸引保持面182(より正確には、4個のワークの吸引保持面182で形成される吸引保持面)に対する傾きを検出することができる。検出結果に基づいて、吹出し流量調整弁125における流量を、吹出し流量調整弁125ごとに個別に調整することで、ワークの吸引保持面182に対する傾きを補正することができる。あるいは、ワークを任意の方向に傾けることができる。
距離検出装置90が測定手段に相当し、吸引保持制御部210が、流量バランス調整手段に相当する。

0071

以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)ヘッドケース51の4角には、4個の吹出し孔86がそれぞれ形成されている。吹出し気体供給部120から供給される圧縮空気が吹出し孔86外面側から吹出されることで、吸引保持されたワークの被吸引面に圧縮空気を吹き付けることができる。これにより、ワークに吸引保持面182からワークを離間させる方向の力を作用させて、ワークと吸引保持面182との隙間を確実に維持することができる。

0072

(2)吹出し気体供給部120は、圧縮空気の流路の開閉及び圧縮空気の流量の調整が可能な弁部を備える吹出し流量調整弁125を備えている。この吹出し流量調整弁125によって、吹出し孔86に供給する圧縮空気の流量を調整することができる。吹出し孔86に供給する圧縮空気の流量を調整することで、ワークと吸引保持面182との隙間を調整することができる。

0073

(3)吹出し気体供給部120は、4個の吹出し孔86のそれぞれに対応して、圧縮空気の流路の開閉及び圧縮空気の流量の調整が可能な弁部を備える吹出し流量調整弁125を4個備えている。それぞれの吹出し流量調整弁125によって、それぞれの吹出し孔86に供給する圧縮空気の流量を、個別に調整することができる。吹出し孔86に供給する圧縮空気の流量を、それぞれの吹出し孔86ごとに調整することで、ワークと吸引保持面182との隙間を部分的に調整することができる。これにより、吸引保持面182に対するワークの姿勢を調整することができる。

0074

(4)ヘッドケース51は、中央側に4個の吸引パット21が固定されており、周辺の4角に吹出し孔86が形成されている。4個の旋回流発生室181は、4個の吹出し孔86が形成する四角形の内側に位置している。これにより、4個の旋回流発生室181による吸引力の作用点位置も、4個の吹出し孔86が形成する四角形の内側に位置している。4個の吹出し孔86らの圧縮空気による押し力の合力の作用点も、4個の吹出し孔86が形成する四角形の略中心位置に位置している。従って、ワークに作用する吸引力と押し力との作用点の位置が近くなるため、吸引力と押し力との作用点の位置が異なることで発生するモーメントの大きさを小さくして、ワークの被吸引面が吸引保持面182に対して傾くことを抑制することができる。

0075

(5)吸引保持ハンド220は、距離検出装置90を備えるため、吸引パット21と吸引保持されたワークとの距離を測定することができる。

0076

(6)吸引保持ハンド220は、距離検出装置90の検出結果に基づいて吹出し流量調整弁125などを制御する機能を備える吸引保持制御部210を備えるため、測定された吸引パット21と吸引保持されたワークとの距離に基づいて、吸引パット21と吸引保持されたワークとの距離を適切な大きさに調整することができる。

0077

(7)吸引保持ハンド220は、4個の距離検出装置90を備えている。それぞれの距離検出装置90によって、吸引保持されているワークにおけるそれぞれの距離検出装置90が対向する部分の吸引パット21の吸引保持面182からの鉛直方向における距離を検出することが可能である。ワークの4個所について、吸引保持面182からの距離を検出することで、ワークの吸引保持面182に対する傾きを検出することができる。
また、圧縮空気の吹出し流量調整弁125における流量を、吹出し流量調整弁125ごとに個別に調整することができるため、検出結果に基づいて、流量を吹出し流量調整弁125ごとに調整することで、ワークの吸引保持面182に対する傾きを補正することができる。あるいは、ワークを任意の方向に傾けることができる。

0078

以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。

0079

(変形例1)前記実施形態においては、ヘッドケース51は4個の吹出し孔86を備えていたが、吹出し孔の数は4個に限らない。吸引力と吹出し孔からの吹出し気体による押し力が均衡する位置に配置することが可能であれば、吹出し孔の数はいくつであってもよい。

0080

(変形例2)前記実施形態においては、吸引保持ハンド20は4個の吸引パット21を備えていたが、吸引保持ハンドが備える吸引パットは、4個に限らない。吸引保持する保持対象物の大きさや重量に対応した適切な吸引保持力を実現できれば、吸引保持ハンドが備える吸引パットは、いくつであってもよい。

0081

(変形例3)前記実施形態においては、気体吹出し装置を構成する吹出し気体供給部120は、流量調整弁としての圧縮空気の流量の調整が可能な吹出し流量調整弁125を備えていたが、気体吹出し装置が流量調整弁を備えることは必須ではない。気体供給装置が供給する気体の圧力を一定に維持して、流量を一定に保つ構成であってもよい。

0082

(変形例4)前記実施形態においては、吸引保持ハンド20は、4個の吹出し孔86に対応して4個の吹出し気体供給源121を備えていたが、吹出し孔ごとに吹出し気体供給源を設けることは必須ではない。複数の吹出し孔に共通の気体供給源を設ける構成であってもよい。

0083

(変形例5)前記実施形態においては、測定手段としての距離検出装置90は、吸引保持ハンド220のジョイント部材27に取り付けられていたが、測定手段を吸引保持ハンドと一体に構成することは必須ではない。測定手段は、吸引保持ハンドとは別に配置してもよい。保持対象物に関して吸引保持ハンドの吸引保持面と反対側から測定することで、吸引保持ヘッド25に相当する部材に隠れるような小さい保持対象物であっても、傾きを測定することができる。

0084

(変形例6)前記実施形態においては、吸引保持ハンドを備える搬送装置としての給除材装置10は、吸引保持ハンド20と、給除材腕31と、機台38と、給除材装置制御部39とを備えていたが、搬送装置が給除材腕31や機台38のような、吸引保持ハンド20などを保持すると共に移動させる装置を備えることは必須ではない。例えば、吸引保持ハンド20を簡単な支持部材で支持し、当該支持部材を手作業で移動させるような装置であってもよい。

0085

(変形例7)前記実施形態においては、吸引保持ハンドとしての吸引保持ハンド220は、測定手段としての距離検出装置90を4個備えていたが、吸引保持ハンドが備える測定手段の数は4個に限らない。測定手段は、1個でも、保持対象物の部分の吸引保持面からの距離を測定可能である。測定手段は、3個以上あれば、保持対象物の部分の吸引保持面からの距離を3個所以上測定することで、保持対象物の吸引保持面に対する傾きを求めることができる。

0086

(変形例8)前記実施形態においては、吸引気体供給部100は、圧縮空気の流路を開閉する吸引流量調整弁105を備えていたが、流路を開閉したり気体の流量を調整したりする装置を設けることは必須ではない。吸引用の気体の供給及び停止の操作や供給量の調整は、吸引用気体の供給源において実施する構成であってもよい。

0087

(変形例9)前記実施形態においては、吸引気体供給部100は吸引気体供給源101を、吹出し気体供給部120は吹出し気体供給源121を、それぞれ備えていたが、吸引気体供給源と吹出し気体供給源とは、共通の供給源であってもよい。吸引気体供給源と吹出し気体供給源とが共通の場合、吸引流量調整弁105や吹出し流量調整弁125のような流路を開閉したり気体の流量を調整したりする装置を設けることが好ましい。

0088

(変形例10)前記実施形態においては、吹出し孔86に供給する圧縮空気の流量を、それぞれの吹出し孔86ごとに調整することで、ワークと吸引保持面182との隙間を部分的に調整することができ、これにより、吸引保持面182に対するワークの姿勢を調整することができることを説明した。略水平にした吸引保持面に対して、ワークを傾けることも可能である。吸引保持ハンドに吸引保持されたワークは、吸引保持ハンドに懸吊された状態であって、吸引保持面に平行な方向の拘束力はほとんど受けていない。ワークを傾けると、ワークには重力によって低い側に向かう付勢力が作用することから、吸引保持面に平行な方向の拘束力はほとんど受けていないワークは、傾いた鉛直方向下側の端の方に移動させられる。ガイド突起62のような規制部材を設けることによって、ワークは規制部材に当接する。これにより、ワークを規制部材に当接する位置に位置決めすることができる。

0089

1…SAW共振片、1A…共振片ウェハー、10…給除材装置、20…吸引保持ハンド、21…吸引パット、23…パットホルダー、24…装置取付部、25…吸引保持ヘッド、26…ワークガイド、27…ジョイント部材、30…ロボット機構、34…ハンド保持機構、39…給除材装置制御部、51…ヘッドケース、52…蓋ケース、54…吸引気体孔、56…吹出し気体孔、64…吸引気体孔、66…吹出し気体孔、73…吸引給気流路、76…吹出し給気流路、84…主圧空溝、85…副圧空溝、86…吹出し孔、88…圧空溝、90…距離検出装置、100…吸引気体供給部、110…吸引保持制御部、120…吹出し気体供給部、121…気体供給源、125…流量調整弁、181…旋回流発生室、182…吸引保持面、183…気体噴出流路、184…内周面、185…チャンバ流路、210…吸引保持制御部、220…吸引保持ハンド。

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