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技術 目標運動解析方法、目標運動解析装置およびプログラム

出願人 株式会社日立製作所
発明者 光野高志松本昌浩菊池龍明
出願日 2009年4月14日 (10年4ヶ月経過) 出願番号 2009-097758
公開日 2010年11月4日 (8年9ヶ月経過) 公開番号 2010-249593
状態 拒絶査定
技術分野 音波、超音波を用いた位置、速度等の測定
主要キーワード 縮小因子 評価関数Φ 未来時刻 観測体 残差二乗和 解析誤差 解析周波数 到来音波
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

目標運動解析結果が得られていない場合や目標運動解析結果の精度が悪い場合でも、解析収束加速させるための観測船運動パターンを指示し、計算負荷を増加させることなく、予測する観測船の運動パターン数を増加させる。

解決手段

目標運動解析精度を判定し、目標運動解析結果が得られていない場合や目標運動解析結果の精度が悪い場合には、目標体観測方位および観測方位変化率のみから解析収束を加速させるための観測船の運動パターンを指示し、目標運動解析結果の精度が良好の場合には、微分を用いた最尤法によりフィッシャー情報行列が最大となる観測船の運動パターンを算出する。

概要

背景

目標運動解析は、観測船に設置された音響センサを用いて、目標船から放射される音波到来方位および周波数を時系列観測し、観測した方位および周波数を観測時刻、観測時刻における観測船の位置、針路速力に基づいて目標船の運動ベクトル(方位、距離、針路、速力、放射音波の周波数)を推定するものである。

目標運動解析は、推定した目標船の運動ベクトルから計算される各観測時刻の解析方位、解析周波数観測方位、観測周波数の残差二乗和を最小化するための目標船の運動ベクトルを推定する非線形最適化問題である。ここで、音響センサにより観測された方位、周波数を観測方位、観測周波数と呼び、推定した目標船の運動ベクトルから計算される方位、周波数を解析方位、解析周波数と呼ぶ。

非線形最適化問題を解析する方法としては、カルマンフィルタおよび最小二乗法による目標運動解析方法が知られている。カルマンフィルタを用いた目標運動解析方法は、非特許文献1に記載されている。また、最小二乗法を用いた目標運動解析方法については、非特許文献2に記載されている。

目標運動解析は、目標船が遠距離で観測方位、観測周波数の誤差が大きい場合、解析精度一定値以下に収束させるのに長時間を要する。この問題を解決する手段として、目標船および観測船の運動パターンに関する予測計算を実施し、算出された目標船および観測船の予測運動パターンについて、目標運動諸元を一義的に決定できるか否かの度合いを示すフィッシャー情報行列値(FIM:Fisher Information Matrix)を評価することにより、解析収束時間が最小となる観測船の運動パターンを指示する方法がある。この方法は、特許文献1に開示されている。

しかし、特許文献1の方法によると、目標船の予測運動パターンは、目標運動解析結果を用いることになる。このため、目標運動解析が得られていない状態においては、フィッシャー情報行列値を計算することができない。すなわち、解析収束時間が最小となる観測船の運動パターンを指示することができない。なお、以降、解析収束時間が最小となる観測船の運動パターンを指示するための計算を「最適自船運動リコメンド」と呼ぶ。

さらに、特許文献1の技術による最適自船運動リコメンドは、限られた観測船の運動パターンの中でのみ最適なものである。最適自船運動リコメンド精度は、予測する観測船の運動パターン数に依存する。このため、高精度化のために予測する観測船の運動パターン数を増やすことが必要となり、計算量が莫大なものになる。

また、目標運動解析結果の精度が悪いと、目標運動解析結果を用いて計算する目標船の予測運動パターンの精度も悪くなり、目標船の予測運動パターンを用いて計算するフィッシャー情報行列値の精度も悪くなる。このため、目標運動解析結果の精度が悪い場合には、最適自船運動リコメンド精度は劣化する。これを解決するために、新たに方位または周波数を観測する毎に目標運動解析を行い、最適自船運動リコメンドを再計算する方法が考えられるが、計算量の問題が発生する。

概要

目標運動解析結果が得られていない場合や目標運動解析結果の精度が悪い場合でも、解析収束を加速させるための観測船の運動パターンを指示し、計算負荷を増加させることなく、予測する観測船の運動パターン数を増加させる。目標運動解析精度を判定し、目標運動解析結果が得られていない場合や目標運動解析結果の精度が悪い場合には、目標体の観測方位および観測方位変化率のみから解析収束を加速させるための観測船の運動パターンを指示し、目標運動解析結果の精度が良好の場合には、微分を用いた最尤法によりフィッシャー情報行列が最大となる観測船の運動パターンを算出する。

目的

本発明の目的は、精度の高い最適自船運動リコメンドを出力する目標運動解析方法、目標運動解析装置およびプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

目標体から放射される音響情報観測体が保有する音響センサにより観測および蓄積し、蓄積した時系列観測データを用いて前記目標体の位置、針路速力推定し、さらに目標運動解析収束させるための前記観測体の運動パターンを指示する目標運動解析方法において、目標運動解析精度を判定し、前記目標運動解析精度が悪いとき、前記目標体の観測方位および観測方位変化率から決定される目標運動解析の収束を加速させるための前記観測体の運動パターンを指示し、前記目標運動解析精度が良好のとき、目標運動解析結果を用いて計算されるフィッシャー情報行列最大化運動を指示することを特徴とする目標運動解析方法。

請求項2

請求項1記載の目標運動解析方法であって、前記フィッシャー情報行列最大化運動は、針路が異なる複数の等速直進区間を含む運動であり、複数の予測時刻毎のフィッシャー情報行列式の重み付き累積値評価関数、等速直進区間毎の複数の針路を推定パラメータとして、微分を用いた最尤法により前記推定パラメータを算出することを特徴とする目標運動解析方法。

請求項3

目標体から放射される音響情報を観測する音響センサと、観測体の位置、針路、速力を観測する航海センサと、前記音響センサと前記航海センサとからの情報を時系列的に蓄積する観測データベースを保持するメモリと、(1)前記目標体の位置、針路、速力を推定する処理、(2)推定した前記目標体の位置、針路、速力の精度を判定する処理、(3)観測方位および観測方位変化率のみから目標運度解析を収束させる前記観測体の運動パターンを決定する処理、および(4)推定する処理の結果から、フィッシャー情報行列最大化運動を、複数の予測時間毎のフィッシャー情報行列式の重み付き累積値を評価関数、等速直進区間毎の複数の針路を推定パラメータとして、微分を用いた最尤法により推定パラメータを算出する処理、を実行するプロセッサとからなる目標運動解析装置

請求項4

目標体から放射される音響情報を観測する音響センサと、観測体の位置、針路、速力を観測する航海センサとを接続されたコンピュータを、前記音響センサと前記航海センサとからの情報を時系列的に蓄積する観測データベース保持部、前記目標体の位置、針路、速力の推定部、推定した前記目標体の位置、針路、速力の精度の判定部、観測方位および観測方位変化率から目標運度解析を収束させる前記観測体の運動パターンを決定する決定部、および前記推定部の処理の結果から、フィッシャー情報行列最大化運動を、複数の予測時間毎のフィッシャー情報行列式の重み付き累積値を評価関数、等速直進区間毎の複数の針路を推定パラメータとして、微分を用いた最尤法により推定パラメータを算出する算出部、として機能させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、目標運動解析方法目標運動解析装置およびプログラム係り、特に、水中および水上を運動する目標が有する音源から放射される音波音響センサにより観測し、そこから得られる到来音波方位および周波数を用いて目標の運動諸元解析する目標運動解析方法、目標運動解析装置およびプログラムに関する。

背景技術

0002

目標運動解析は、観測船に設置された音響センサを用いて、目標船から放射される音波の到来方位および周波数を時系列に観測し、観測した方位および周波数を観測時刻、観測時刻における観測船の位置、針路速力に基づいて目標船の運動ベクトル(方位、距離、針路、速力、放射音波の周波数)を推定するものである。

0003

目標運動解析は、推定した目標船の運動ベクトルから計算される各観測時刻の解析方位、解析周波数観測方位、観測周波数の残差二乗和を最小化するための目標船の運動ベクトルを推定する非線形最適化問題である。ここで、音響センサにより観測された方位、周波数を観測方位、観測周波数と呼び、推定した目標船の運動ベクトルから計算される方位、周波数を解析方位、解析周波数と呼ぶ。

0004

非線形最適化問題を解析する方法としては、カルマンフィルタおよび最小二乗法による目標運動解析方法が知られている。カルマンフィルタを用いた目標運動解析方法は、非特許文献1に記載されている。また、最小二乗法を用いた目標運動解析方法については、非特許文献2に記載されている。

0005

目標運動解析は、目標船が遠距離で観測方位、観測周波数の誤差が大きい場合、解析精度一定値以下に収束させるのに長時間を要する。この問題を解決する手段として、目標船および観測船の運動パターンに関する予測計算を実施し、算出された目標船および観測船の予測運動パターンについて、目標の運動諸元を一義的に決定できるか否かの度合いを示すフィッシャー情報行列値(FIM:Fisher Information Matrix)を評価することにより、解析収束時間が最小となる観測船の運動パターンを指示する方法がある。この方法は、特許文献1に開示されている。

0006

しかし、特許文献1の方法によると、目標船の予測運動パターンは、目標運動解析結果を用いることになる。このため、目標運動解析が得られていない状態においては、フィッシャー情報行列値を計算することができない。すなわち、解析収束時間が最小となる観測船の運動パターンを指示することができない。なお、以降、解析収束時間が最小となる観測船の運動パターンを指示するための計算を「最適自船運動リコメンド」と呼ぶ。

0007

さらに、特許文献1の技術による最適自船運動リコメンドは、限られた観測船の運動パターンの中でのみ最適なものである。最適自船運動リコメンド精度は、予測する観測船の運動パターン数に依存する。このため、高精度化のために予測する観測船の運動パターン数を増やすことが必要となり、計算量が莫大なものになる。

0008

また、目標運動解析結果の精度が悪いと、目標運動解析結果を用いて計算する目標船の予測運動パターンの精度も悪くなり、目標船の予測運動パターンを用いて計算するフィッシャー情報行列値の精度も悪くなる。このため、目標運動解析結果の精度が悪い場合には、最適自船運動リコメンド精度は劣化する。これを解決するために、新たに方位または周波数を観測する毎に目標運動解析を行い、最適自船運動リコメンドを再計算する方法が考えられるが、計算量の問題が発生する。

0009

特許第4192046号

先行技術

0010

Song外1名、”A Stochastic Analysis of a Modified Gain Extended Kalman Filter with Application to Estimation with Bearing only Measurements”、IEEE会報1985年 Vol AC-30 No 10、pp 940-949
Nardone外2名、”Fundamental Properties and Performance of Conventional Bearing-only Target Motion Analysis”IEEE会報1984年 Vol AC-29 No 9、pp 775-787

発明が解決しようとする課題

0011

本発明で解決しようとする問題点は、特許文献1に記載の技術において、目標運動解析結果が得られていない場合には、観測船の運動パターンを指示できない点、目標運動解析結果の精度が悪いと解析収束時間が最小となる観測船の運動パターンを指示できない点、予測する観測船の運動パターン数を増やすと計算量が莫大になる点である。本発明の目的は、精度の高い最適自船運動リコメンドを出力する目標運動解析方法、目標運動解析装置およびプログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

目標運動解析結果が得られていない、解析精度が悪い場合には、目標船の運動によらない観測船の運動パターンを指示し、目標運動解析結果が得られた後は、フィッシャー情報行列式を評価関数として、これを最大化する観測船の運動パターンを指示する。運動パターンについて、非線形最適化問題として捉え、評価関数の微分を利用する最尤法を用いる。

0013

上述した課題は、目標体から放射される音響情報観測体が保有する音響センサにより観測および蓄積し、蓄積した時系列観測データを用いて目標体の位置、針路、速力を推定し、さらに目標運動解析を収束させるための観測体の運動パターンを指示し、目標運動解析精度を判定し、目標運動解析精度が悪いとき、目標体の観測方位および観測方位変化率から決定される目標運動解析の収束を加速させるための観測体の運動パターンを指示し、目標運動解析精度が良好のとき、目標運動解析結果を用いて計算されるフィッシャー情報行列最大化運動を指示する目標運動解析方法により、達成できる。

0014

また、目標体から放射される音響情報を観測する音響センサと、観測体の位置、針路、速力を観測する航海センサと、音響センサと航海センサとからの情報を時系列的に蓄積する観測データベースを保持するメモリと、(1)目標体の位置、針路、速力を推定する処理、(2)推定した目標体の位置、針路、速力の精度を判定する処理、(3)観測方位および観測方位変化率のみから目標運度解析を収束させる観測体の運動パターンを決定する処理、および(4)推定する処理の結果から、フィッシャー情報行列最大化運動を、複数の予測時間毎のフィッシャー情報行列式の重み付き累積値を評価関数、等速直進区間毎の複数の針路を推定パラメータとして、微分を用いた最尤法により推定パラメータを算出する処理、を実行するプロセッサとからなる目標運動解析装置により、達成できる。

0015

さらに、目標体から放射される音響情報を観測する音響センサと、観測体の位置、針路、速力を観測する航海センサとを接続されたコンピュータを、音響センサと航海センサとからの情報を時系列的に蓄積する観測データベース保持部、目標体の位置、針路、速力の推定部、推定した目標体の位置、針路、速力の精度の判定部、観測方位および観測方位変化率から目標運度解析を収束させる観測体の運動パターンを決定する決定部、および推定部の処理の結果から、フィッシャー情報行列最大化運動を、複数の予測時間毎のフィッシャー情報行列式の重み付き累積値を評価関数、等速直進区間毎の複数の針路を推定パラメータとして、微分を用いた最尤法により推定パラメータを算出する算出部、として機能させるためのプログラムにより、達成できる。

発明の効果

0016

精度の高い最適自船運動リコメンドを出力する目標運動解析方法、目標運動解析装置およびプログラムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0017

目標運動解析装置の構成を説明するブロック図である。
目標運動解析の原理を説明する図である。
目標運動解析および最適自船運動リコメンドのフローチャートである。
FIM最大化運動推定処理のフローチャートである。
評価関数の有効性を説明する図である。
固定運動決定処理のフローチャートである。

実施例

0018

以下、本発明による目標運動解析方法、目標運動解析装置およびプログラムの実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下の実施例は、目標船の距離、方位、針路、速力を解析し、さらにこれらの解析値の精度を向上させるための観測船の針路を操船オペレータに提供する実施例である。

0019

まず、図1を参照して、目標運動解析装置の構成を説明する。図1において、目標運動解析装置50は、CPU54、メインメモリ55、出力装置56、2台のI/F57、入力装置59から構成される。IF57−1は、音響センサ20を目標運動解析装置50に接続する。IF57−2は、航海センサ30を目標運動解析装置50に接続する。音響センサ20は、目標船から放射される音波を受波して、音波の到来方位と方位誤差分散を目標運動解析装置50に入力する。航海センサ30は、電磁ログジャイロセンサ、GPS等により、観測船の位置、速力、針路を目標運動解析装置50に入力する。メインメモリ55は、目標運動解析プログラム551、FIM最大化運動推定プログラム552、固定運動決定プログラム553、観測データベース554を記憶する。CPUは、メインメモリ55上のプログラム551〜553を実行する。

0020

入力された音波の到来方位、方位誤差分散、観測船の位置、速力、針路は、メインメモリ55の観測データベース554に観測時刻と共に蓄積される。目標運動解析プログラム551は、目標船の位置、速力、針路を解析する。FIM最大化運動推定プログラム552および固定運動決定プログラム553は、目標運動解析プログラム551の出力によって駆動される。FIM最大化運動推定プログラム552および固定運動決定プログラム553は、目標運動解析の収束を加速させるための観測船の針路をリコメンドする。CRT等の出力装置56は、目標運動解析プログラム551の出力である目標船の位置、速力、針路およびFIM最大化運動推定プログラム552または固定運動決定プログラム553の出力である観測船リコメンド針路を表示し、操船オペレータに提示する。

0021

図2を参照して、目標運動解析の原理を説明する。図2において、tは時刻を表し、時刻の順に1〜k、k+1〜m、m+1〜nの下付き文字を付与している。O1、T1は、初探知時刻t1における観測船と目標船の位置であり、Ok、Tkは、現在時刻tkにおける観測船と目標船の位置である。なお、明細書では、下付き文字ではなく通常の全角小文字表現する。これは、明細書の見辛さを防止するためである。

0022

目標運動解析装置50は、t1〜tkの間に観測されたデータが格納されている観測データベース554を使って、目標運動解析を実施し、目標船の状態ベクトルVTを推定する。次に、目標運動解析装置50は、未来時刻tk+1〜tmにおける観測船の針路VO1と、未来時刻tm+1〜tnにおける観測船の針路VO2を仮定することで計算される未来時刻tk+1〜tnにおける観測船の位置座標と、状態ベクトルVTから計算される未来時刻tk+1〜tnの目標船の位置座標との関係から未来時刻tk+1〜tnに観測されると予想される方位を計算する。目標運動解析装置50は、これらを観測データベース554に付加して、仮想観測データベース554Vを構築する。目標運動解析装置50は、最適自船運動リコメンドについて、仮想観測データベース554Vから計算されるフィッシャー情報行列(FIM)が最大となる観測船の針路VO1および針路VO2を推定する。

0023

図3を参照して、目標運動解析および最適自船運動リコメンドを説明する。図3において、目標運動解析装置50は、まず目標運動解析を実施する(S201)。目標運動解析装置50は、解析が有効か判定する(S202)。有効なとき、目標運動解析装置50は、FIM最大化運動推定を実施して(S203)、終了する。ステップ202で無効なとき、目標運動解析装置50は、固定運動決定を実施して(S204)、終了する。

0024

目標運動解析処理は、観測時刻、観測方位、観測方位分散、観測時刻における観測船の位置座標が時系列に格納されている観測データベース554を用いて、解析基準時刻における目標の距離、方位、針路、速力を推定する処理である。その原理は、4次元の状態ベクトルX(緯度x1、経度x2、速力緯度成分x3、速力経度成分x4)から推定される観測データベースの各観測時刻における解析方位と、観測データベースの各観測時刻における観測方位の残差二乗を観測方位分散で正規化し、これらを時系列に合計した値を評価関数として最小化することで、非線形最適化問題として解くものである。

0025

解析有効判定処理は、目標運動解析処理が出力した状態ベクトルXの妥当性を判定する。判定処理としては、目標運動解析処理で最小化した評価関数が一定値以上の場合や、解析方位と観測方位の時系列残差プロット直線性を判定し、直線性が認められない場合には解析無効として判定することができる。

0026

FIM最大化運動推定処理の精度は、目標運動解析処理の解析精度に依存する。このため、目標運動解析処理の解析精度が悪い場合には、目標運動解析処理の解析精度に依存しない固定運動を実施する。一方、状態ベクトルXの解析精度が良い場合にはFIM最大化運動推定処理を実施する。ここで、固定運動は、予め定めた運動から選択する処理である。また、FIM最大化運動は、自の運動を推定して表示する処理である。

0027

なお、図4を参照して後述するFIM最大化運動推定について、目標運動解析装置50は、計算負荷軽減のために最小二乗法等の微分を用いた最尤法を用いる。これにより、目標運動解析装置50は、特許文献1よりも、短周期周期処理として駆動することが可能である。すなわち、目標運動解析装置50は、よりリアルタイム性に優れた自船運動の指示値を計算することができる。さらに、目標運動解析処理の解析精度は、観測データベースの観測データ数が大きいほど高精度である。したがって、観測データベース554に観測データが追加された各タイミングで、目標運動解析装置50は、図3の目標運動解析と最適自船運動リコメンドを処理し、より高精度な状態ベクトルXを用いてFIM最大化運動推定処理を再計算させることができる、このため、目標運動解析装置50は、FIM最大化運動推定処理の精度を向上できる。

0028

図4を参照して、FIM最大化運動推定処理を説明する。図4において、Zは、推定パラメータを要素にもつベクトル(推定パラメータベクトルと呼ぶ)である。推定パラメータベクトルZは、時刻tk+1〜tmの観測船の針路VO1をCo1、時刻tm+1〜tnの観測船の針路VO2をCo2として式(1)である。

0029

0030

目標運動解析装置50は、推定パラメータベクトルZに初期値を設定する(S301)。目標運動解析装置50は、推定パラメータベクトルZをZoldとする(S302)。目標運動解析装置50は、評価関数Φ(Zold)を算出する(S303)。目標運動解析装置50は、ヤコビアン行列を算出する(S304)。目標運動解析装置50は、修正量ΔZを計算する(S305)。目標運動解析装置50は、ZをZold+ΔZとする(S306)。目標運動解析装置50は、評価関数Φ(Z)を算出する(S307)。目標運動解析装置50は、縮小因子を調整する(S308)。目標運動解析装置50は、Φ(Z)<Φ(Zold)か判定する(S309)。YESのとき、目標運動解析装置50は、収束判定する(S310)。収束のとき、目標運動解析装置50は、終了する。ステップ309でNOのとき、目標運動解析装置50は、ステップ305に遷移する。ステップ310で未収束のとき、目標運動解析装置50は、ステップ302に遷移する。

0031

ステップ302〜310は、一般的な非線形最適化問題の解法の一つであるMarquardt法の処理手順である。ここで、評価関数Φ(Co1,Co2)は、式(2)に示すように推定パラメータCo1、Co2を変数に持つ関数である。ここでは、Marquardt法により、式(2)の評価関数Φ(Co1,Co2)が最大となるCo1、Co2を推定する。

0032

0033

式(2)において、FIMiは、時刻t1〜tiまでの仮想観測データベース554Vを用いたフィッシャー情報行列である。FIMiは、目標運動解析処理201が出力した状態ベクトルXを用いて、式(3)〜(6)で表される。式(2)は、時刻tk+1〜tnまでのフィッシャー情報行列の行列式に対して対数をとり、これらを累積した形式となっている。ここで、時刻tk+1〜tnまでの時間で累積しているのは、時刻tk+1〜tnまでの時間帯における解析誤差を最小化するためである。

0034

なお、式(2)において、フィッシャー情報行列の行列式を対数変換して累積しているのは、それぞれの時刻におけるフィッシャー情報行列の行列式に重みを付加するためである。

0035

0036

0037

0038

0039

ここで、bi(X,Z)は、時刻tiにおける観測船からみた目標船の方位である。bi(X,Z)は、目標船の状態ベクトル(緯度x1、経度x2、速力緯度成分x3、速力経度成分x4)と観測船の緯度xoi、経度yoiから計算される。xoi,yoiは、観測データベース554に格納されているtiにおける観測船の緯度、経度である。一方、tiが未来時刻tk+1〜tnの場合、xoi,yoiは、式(7)〜式(10)で計算する。

0040

tiが、tk+1以上かつtm以下の場合

0041

0042

0043

tiが、tm+1以上かつtn以下の場合

0044

0045

0046

上述した、FIM最大化運動は、針路が異なる複数の等速直進区間を含む運動であり、複数の予測時刻毎のフィッシャー情報行列式の重み付き累積値を評価関数、等速直進区間毎の複数の針路を推定パラメータとして、微分を用いた最尤法により前記推定パラメータを算出するものである。

0047

式(2)に代わる他の評価関数として、式(11)も考えうる。しかし、評価関数を式(11)のように、時刻tiのみフィッシャー情報行列を使った関数とすると、図5に示すように、時刻tiでのみ解析誤差が最小化されてしまう。図5において、横軸は時刻、縦軸は解析誤差である。また、図5(a)は式(11)を評価関数とした場合、図5(b)は式(2)を評価関数とした場合を表している。式(2)では、時刻tk+1〜tnまでの時間で累積し、時刻tk+1〜tnまでの時間帯における解析誤差を最小化しているので、図5(b)には極値が現れていない。一方、式(11)では、時刻tiでのみ解析誤差が最小化され、図5(a)に極値が現れている。

0048

0049

図6を参照して、固定運動決定処理の動作を説明する。図6の固定運動決定処理において、目標運動解析装置50は、目標船の方位変化率が一定値以上か判定する(S401)。一定値以上のとき、目標運動解析装置50は、観測データベースに格納されている観測船の針路、速力から自船の等速直進時間が一定時間以上か判定する(S402)。一定値以上のとき、目標運動解析装置50は、目標方位変化方向に90°変針を指示する(S403)。ステップ402で、一定値未満のとき、目標運動解析装置50は、現在針路を指示する(S404)。ステップ401で、一定値未満のとき、目標運動解析装置50は、目標方向を指示する。(S405)。

0050

ステップ405で、方位変化率が一定値未満の場合、目標船は遠距離にいることが推測される。このため、目標運動解析装置50は、目標船へ近づくための観測船の針路、すなわち目標方位を指示する。ステップ403で自船等速直進時間が一定値以上の場合、目標運動解析を収束させるために、目標運動解析装置50は、目標船の方位変化率方向に90°変針を指示する。なお、変針は45°でもよい。

0051

上述した実施例に拠れば、精度の高い最適自船運動リコメンドを出力する目標運動解析方法、目標運動解析装置およびプログラムを提供することができた。また、精度の高い最適自船運動リコメンドに沿った操船により、目標運動解析の収束が加速される。さらに、計算量を増加させることなく予測する観測船の運動パターン数を増やすことができる。すなわち、最適自船運動リコメンドを高精度化することができる。また、計算負荷を軽減できるため、最適自船運動リコメンドの再計算も容易なものになる。

0052

VT…目標船の状態ベクトル、VO1…1レグ目の最適観測船針路Co1、VO2…2レグ目の最適観測船針路Co2、20…音響センサ、30…航海センサ、50…目標運動解析装置、54…CPU、55…メインメモリ、56…出力装置、57…I/F、59…入力装置、551…目標運動解析プログラム、552…FIM最大化運動推定プログラム、553…固定運動決定プログラム、554…観測データベース。

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