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技術 リポ多糖又はリピッドAの分析方法

出願人 株式会社ペプタイドドア
発明者 松本めぐみ鈴木政嗣
出願日 2009年4月7日 (11年7ヶ月経過) 出願番号 2009-092685
公開日 2010年10月28日 (10年0ヶ月経過) 公開番号 2010-243342
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 有機溶媒含有溶液 有機溶媒含有水溶液 非プロトン性非極性溶媒 発熱試験 エンドトキシン標準品 フィルター部分 チップカラム 対象波長
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年10月28日)のものです。
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図面 (4)

課題

これまで正確な値が得られないことがあった被検試料であっても、簡便な方法により、リポ多糖及び/又はリピッドAの正確な値を得ることができる、リポ多糖及び/又はリピッドAの分析方法を提供する。

解決手段

前記分析方法は、リポ多糖及び/又はリピッドA結合性ペプチド固定化した担体を使用し、リポ多糖及び/又はリピッドAを含む可能性のある被検試料と、前記担体とを接触させる工程、前記担体と未反応成分とを分離し、分離した担体を洗浄液洗浄する工程、及び前記担体に結合したリポ多糖及び/又はリピッドAを分析する工程を含み、(a)前記洗浄液として有機溶媒含有水溶液を使用するか、あるいは、(b)被検試料と担体との前記接触を、界面活性剤還元剤、又はキレート剤の存在下で実施する。

概要

背景

LPSエンドトキシン)は、多糖部分とリン脂質部分(すなわち、リピッドA)とからなり、糖鎖部分菌種又は菌株によって多様性があるのに対して、リピッドA部分は菌種又は菌株でほぼ同一構造を有する。また、リピッドA部分は、リポ多糖毒性の中心的役割を果たしている。

公知のLPS測定方法としては、例えば、ウサギ発熱試験細胞の産生マーカーによる定量法、LAL(limulus amebocyte lysate)法を挙げることができる。ウサギ発熱試験は、コストが高く、生命倫理上の問題がある。細胞の産生マーカーによる定量法は、細胞の準備や同一性などの問題がある。現在、最も広範に用いられているLPS測定方法は、LAL法であるが、被検試料(例えば、アンチトロンビンIII含有試料や、血液、血漿血清など)によっては正確な値が得られないことが指摘されてきた。

一方、本発明者は、リポ多糖及び/又はリピッドAに対する高い結合活性を有する新規ペプチドを取得し、更に、LPSをリン酸緩衝化生食塩水PBS)で溶解して調製したLPS溶液中のエンドトキシン量を、この新規ペプチドを固定化したビーズ担体を用いて吸着回収し、LAL法により定量可能であったことを報告している(特許文献1)。前記特許文献1には記載されていないが、この新規ペプチド固定化ビーズとLAL法との組合せにおいても、被検試料によっては正確な値が得られないことがあることを、本発明者は確認している。

血液等の被検試料をLAL法により測定する前に実施する前処理方法としては、例えば、単純に希釈する方法、希釈して加熱する方法、界面活性剤や塩を加えて加熱する方法などが挙げられるが、いずれの方法も、全ての被検試料で満足測定結果が得られるまでの顕著な改善効果は得られていなかった。

概要

これまで正確な値が得られないことがあった被検試料であっても、簡便な方法により、リポ多糖及び/又はリピッドAの正確な値を得ることができる、リポ多糖及び/又はリピッドAの分析方法を提供する。前記分析方法は、リポ多糖及び/又はリピッドA結合性ペプチドを固定化した担体を使用し、リポ多糖及び/又はリピッドAを含む可能性のある被検試料と、前記担体とを接触させる工程、前記担体と未反応成分とを分離し、分離した担体を洗浄液洗浄する工程、及び前記担体に結合したリポ多糖及び/又はリピッドAを分析する工程を含み、(a)前記洗浄液として有機溶媒含有水溶液を使用するか、あるいは、(b)被検試料と担体との前記接触を、界面活性剤、還元剤、又はキレート剤の存在下で実施する。なし

目的

本発明の課題は、これまで正確な値が得られないことがあった被検試料であっても、簡便な方法により正確な値を得ることのできるリポ多糖及び/又はリピッドAの分析方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

リポ多糖及び/又はリピッド結合性ペプチド固定化した担体を用いるリポ多糖及び/又はリピッドAの分析方法であって、リポ多糖及び/又はリピッドAを含む可能性のある被検試料と、前記担体とを接触させる工程、前記担体と未反応成分とを分離し、分離した担体を洗浄液洗浄する工程、及び前記担体に結合したリポ多糖及び/又はリピッドAを分析する工程を含み、(a)前記洗浄液として有機溶媒含有水溶液を使用する、及び/又は(b)被検試料と担体との前記接触を、界面活性剤還元剤、又はキレート剤の存在下で実施することを特徴とする、前記分析方法。

請求項2

前記洗浄液が、界面活性剤、還元剤、又はキレート剤を更に含有する、請求項1に記載の分析方法。

請求項3

前記分析工程を、LAL(limulus amebocyte lysate)法、免疫学的分析方法、あるいは、細胞又は組織を用いるエンドトキシン測定法により実施する、請求項1又は2に記載の分析方法。

請求項4

前記被検試料が、アンチトロンビンIIIを含有する可能性のある被検試料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分析方法。

請求項5

前記被検試料が血液、血漿血清、あるいは、生体試料若しくは生物材料由来物であり、前記洗浄液として有機溶媒含有水溶液を使用する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分析方法。

請求項6

前記リポ多糖及び/又はリピッドA結合性ペプチドが、配列番号1又は配列番号2で表されるアミノ酸配列、あるいは、前記アミノ酸配列において1又は数個アミノ酸欠失置換、及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、且つ、リポ多糖及び/又はリピッドA結合活性を示すペプチド、又はその誘導体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分析方法。

技術分野

0001

本発明は、リポ多糖(Lipopolysaccharide;LPS)及び/又はリピッドAの分析方法に関する。

背景技術

0002

LPS(エンドトキシン)は、多糖部分とリン脂質部分(すなわち、リピッドA)とからなり、糖鎖部分菌種又は菌株によって多様性があるのに対して、リピッドA部分は菌種又は菌株でほぼ同一構造を有する。また、リピッドA部分は、リポ多糖毒性の中心的役割を果たしている。

0003

公知のLPS測定方法としては、例えば、ウサギ発熱試験細胞の産生マーカーによる定量法、LAL(limulus amebocyte lysate)法を挙げることができる。ウサギ発熱試験は、コストが高く、生命倫理上の問題がある。細胞の産生マーカーによる定量法は、細胞の準備や同一性などの問題がある。現在、最も広範に用いられているLPS測定方法は、LAL法であるが、被検試料(例えば、アンチトロンビンIII含有試料や、血液、血漿血清など)によっては正確な値が得られないことが指摘されてきた。

0004

一方、本発明者は、リポ多糖及び/又はリピッドAに対する高い結合活性を有する新規ペプチドを取得し、更に、LPSをリン酸緩衝化生食塩水PBS)で溶解して調製したLPS溶液中のエンドトキシン量を、この新規ペプチドを固定化したビーズ担体を用いて吸着回収し、LAL法により定量可能であったことを報告している(特許文献1)。前記特許文献1には記載されていないが、この新規ペプチド固定化ビーズとLAL法との組合せにおいても、被検試料によっては正確な値が得られないことがあることを、本発明者は確認している。

0005

血液等の被検試料をLAL法により測定する前に実施する前処理方法としては、例えば、単純に希釈する方法、希釈して加熱する方法、界面活性剤や塩を加えて加熱する方法などが挙げられるが、いずれの方法も、全ての被検試料で満足測定結果が得られるまでの顕著な改善効果は得られていなかった。

先行技術

0006

国際公開WO2007/060979号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の課題は、これまで正確な値が得られないことがあった被検試料であっても、簡便な方法により正確な値を得ることのできるリポ多糖及び/又はリピッドAの分析方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、
[1]リポ多糖及び/又はリピッドA結合性ペプチドを固定化した担体を用いるリポ多糖及び/又はリピッドAの分析方法であって、
リポ多糖及び/又はリピッドAを含む可能性のある被検試料と、前記担体とを接触させる工程(以下、接触工程と称する)、
前記担体と未反応成分とを分離し、分離した担体を洗浄液洗浄する工程(以下、洗浄工程と称する)、及び
前記担体に結合したリポ多糖及び/又はリピッドAを分析する工程(以下、分析工程と称する)
を含み、
(a)前記洗浄液として有機溶媒含有水溶液を使用する、及び/又は
(b)被検試料と担体との前記接触を、界面活性剤、還元剤、又はキレート剤の存在下で実施する
ことを特徴とする、前記分析方法、
[2]前記洗浄液が、界面活性剤、還元剤、又はキレート剤を更に含有する、[1]の分析方法、
[3]前記分析工程を、LAL(limulus amebocyte lysate)法、免疫学的分析方法、あるいは、細胞又は組織を用いるエンドトキシン測定法により実施する、[1]又は[2]の分析方法、
[4]前記被検試料が、アンチトロンビンIIIを含有する可能性のある被検試料である、[1]〜[3]の分析方法、
[5]前記被検試料が血液、血漿、血清、あるいは、生体試料若しくは生物材料由来物であり、前記洗浄液として有機溶媒含有水溶液を使用する、[1]〜[4]の分析方法、
[6]前記リポ多糖及び/又はリピッドA結合性ペプチドが、
列番号1又は配列番号2で表されるアミノ酸配列、あるいは、前記アミノ酸配列において1又は数個アミノ酸欠失置換、及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、且つ、リポ多糖及び/又はリピッドA結合活性を示すペプチド、又はその誘導体
である、[1]〜[5]の分析方法、
に関する。

発明の効果

0009

本発明によれば、これまで正確な値が得られないことがあった被検試料であっても、簡便な方法により、リポ多糖及び/又はリピッドAの正確な値を得ることができる。

図面の簡単な説明

0010

DTT存在下で接触工程を実施した、ATIII含有試料中のエンドトキシン(LPS)測定の結果を示すグラフである。
アセトニトリル含有洗浄液を用いた、ATIII含有試料中のエンドトキシン(LPS)測定の結果を示すグラフである。
アセトニトリル含有洗浄液(本発明)又はNaCl含有洗浄液(比較例)を用いた、血漿試料中のエンドトキシン(LPS)測定の結果を示すグラフである。
図3に示す結果から算出した、LPS回収率を示すグラフである。

0011

本発明の分析方法は、リポ多糖及び/又はリピッドA結合性ペプチドを固定化した担体を使用し、被検試料中のリポ多糖及び/又はリピッドAを前記担体により吸着回収し、担体に結合したリポ多糖及び/又はリピッドAを分析することにより、被検試料中のリポ多糖及び/又はリピッドA量又は濃度を決定することができる。
本発明の分析方法は、接触工程、洗浄工程、及び分析工程を含み、(a)前記洗浄工程で用いる洗浄液として有機溶媒含有水溶液を使用するか、あるいは、(b)前記接触工程における被検試料と担体との接触を、界面活性剤、還元剤、又はキレート剤の存在下で実施する。本発明においては、(a)又は(b)のいずれか一方のみを行うこともできるし、その両方[すなわち、(a)及び(b)]を行うこともできる。

0012

本発明の分析方法で分析することのできる被検試料は、リポ多糖及び/又はリピッドAを含む可能性のあるものであれば、特に限定されるものではなく、好ましくは、アンチトロンビンIIIを含有する可能性のある試料である。アンチトロンビンIIIを含有する試料は、LAL法において正確な値が得られないことが知られており、本発明の分析方法によれば、アンチトロンビンIIIを含有する試料であっても、正確な値を得ることができる。
リポ多糖及び/又はリピッドAを含む可能性のある試料としては、各種の生体試料(例えば、血液、血漿、血清)、あるいは、生体試料又は生物材料の各種の由来物(例えば、プラスミン製剤、抗生物質ワクチン)を挙げることができ、アンチトロンビンIIIを含有する可能性のある試料としては、特に、血液、血漿、血清を挙げることができる。

0013

本発明の分析方法において、被検試料として、例えば、血液、血漿、血清を用いる場合には、洗浄工程で用いる洗浄液として有機溶媒含有水溶液を用いることが好ましく、それに加えて、接触工程における被検試料と担体との接触を、界面活性剤、還元剤、又はキレート剤の存在下で実施することがより好ましい。
また、被検試料として、血液分画製剤ヒト免疫グロブリン製剤等)を用いる場合には、接触工程における被検試料と担体との接触を、界面活性剤、還元剤、又はキレート剤の存在下で実施することにより、有機溶媒含有水溶液を洗浄液として使用することなく、正確な測定を実施することができる。なお、このような試料を用いる場合であっても、界面活性剤、還元剤、又はキレート剤の使用の有無にかかわらず、有機溶媒含有水溶液を洗浄液として使用することもできる。

0014

本発明で用いるリポ多糖及び/又はリピッドA結合ペプチドとしては、リポ多糖及び/又はリピッドAに対する結合能を有する限り、特に限定されるものではなく、例えば、WO2007/060979、WO2005/47313、Biochim.Biophys.Acta Vol.1611, p.234-242 (2003)、FASEB J. Vol.14, p.1801-1813 (2000)に記載の各種ペプチドを用いることができ、リポ多糖及び/又はリピッドAに対する極めて優れた結合活性を有する点で、WO2007/060979に記載の各種ペプチドを用いることが好ましい。

0015

なお、本明細書における用語「ペプチド」には、オリゴペプチド及びポリペプチドの両方が含まれ、また、各種修飾を施したペプチド誘導体包含する意味で使用する。前記修飾としては、例えば、L体アミノ酸のD体化(例えば、N末端アミノ酸のD体化、C末端アミノ酸のD体化、N末端及びC末端以外のアミノ酸のD体化)、N末アミノ基のアセチル化、C末端カルボキシル基アミド化天然型アミノ酸の(性質の類似した)非天然型アミノ酸への置換、又はこれらの組合せを挙げることができる。

0016

WO2007/060979に記載のペプチドとしては、例えば、以下に示す配列番号1(=WO2007/060979における配列番号4)又は配列番号2(=WO2007/060979における配列番号1)で表されるアミノ酸配列、あるいは、前記アミノ酸配列において1又は数個(例えば、1〜6個、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、更に好ましくは1又は2個、特に好ましくは1個)のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、且つ、リポ多糖及び/又はリピッドA結合活性を示すペプチド、又はその誘導体を挙げることができる。
XYSSSSSIX A(配列番号:1)
[前記アミノ酸配列中、1番目及び10番目のXは、それぞれ独立に、K、R、又はHを意味する]
XNYSSSISSI XA(配列番号:2)
[1番目及び11番目のXは、それぞれ独立に、K、R、又はHを意味する]

0017

ここで、ペプチドの機能を維持するために置換されるアミノ酸は、置換前のアミノ酸と似た性質を有するアミノ酸であることが好ましい。例えば、以下に示すような各グループに属するアミノ酸は、そのグループ内で互いに似た性質を有するアミノ酸である。これらのアミノ酸をグループ内の他のアミノ酸に置換しても、タンパク質の本質的な機能は損なわれないことが多い。このようなアミノ酸の置換は、保存的置換と呼ばれ、ポリペプチドの機能を保持しつつアミノ酸配列を変換するための手法として公知である。
非極性アミノ酸:Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、Phe、及びTrp
非荷電性アミノ酸:Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、及びGln
酸性アミノ酸:Asp及びGlu
塩基性アミノ酸:Lys、Arg、及びHis

0018

また、或るペプチドがリポ多糖及び/又はリピッドA結合活性を有するか否かは、公知方法により容易に判定することができる。例えば、リポ多糖又はリピッドA(好ましくはリピッドA、又はリポ多糖とリピッドAとの組合せ)を適当な担体(例えば、ELISAプレート又はビーズ担体)に固定化し、前記リポ多糖への結合の有無を分析する方法、あるいは、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance;SPR)に基づく方法[例えば、ビアコア(BIACORE)システム(例えば、BIACORE 2000; BIACORE社)を用いる方法]により、或るペプチドがリポ多糖及び/又はリピッドA結合活性を有するか否かを容易に判定することができる。

0019

本発明で用いる担体としては、例えば、シリカビーズアガロースビーズセルロースビーズ磁気ビーズ、又はガラスファイバー等を用いることができる。リポ多糖及び/又はリピッドA結合ペプチドと担体との結合は、例えば、ジスルフィド結合による結合、あるいは、担体のマレイミド基を利用したマレイミド法などにより実施することができる。

0020

本発明の分析方法における接触工程で用いることのできる界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤陰イオン性界面活性剤陽イオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤を用いることができる。

0021

非イオン界面活性剤として、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル[例えば、ポリエチレングリコールモノパラ−イソオクチルフェニルエステル(Triton X−100)]、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルポリオキシエチレン誘導体ソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル[例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート(Tween20)]、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルポリオキシエチレンアルキルアミン、又はアルキルアルカノールアミド等を挙げることができる。
陰イオン性界面活性剤として、具体的には、例えば、脂肪酸塩アルキル硫酸エステル塩アルキルベンゼンスルフォン酸塩アルキルナフタレンスルフォン酸塩、又はアルキルスルホコハク酸塩等を挙げることができる。
陽イオン性界面活性剤として、具体的には、例えば、アルキルアミン塩、又は第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
両性界面活性剤として、具体的には、例えば、アルキルベタインアミンオキサイド、又はジメチルアンモニオプロパンスルホン酸等を挙げることができる。

0022

接触工程における界面活性剤の濃度は、使用する界面活性剤の種類により適宜決定することができ、例えば、Triton X−100を用いる場合には、通常、0.01〜1%で実施することができ、好ましくは0.02〜1%、より好ましくは0.05〜0.5%で実施することができる。

0023

本発明の分析方法における接触工程で用いることのできる還元剤としては、例えば、ジチオトレイトール(DTT)、トリス(2−カルボキシエチルホスフィン塩酸塩[Tris(2-carboxyethyl)phosphine hydrochloride (TCEP・HCl)]などがある。使用濃度としては、例えば、DTTを用いる場合には、通常、0.1〜1000mmol/Lで実施することができ、好ましくは1〜1000mmol/L、より好ましくは10〜500mmol/Lで実施することができる。TCEPを用いる場合には、通常、0.05〜500mmol/Lで実施することができ、好ましくは0.1〜100mmol/L、より好ましくは0.5〜50mmol/Lで実施することができる。

0024

本発明の分析方法における接触工程で用いることのできるキレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸EDTA)などがある。使用濃度としては、通常、0.5〜500mmol/Lで実施することができ、好ましくは1〜100mmol/L、より好ましくは10〜50mmol/Lで実施することができる。

0025

接触工程では、これらの界面活性剤、還元剤、又はキレート剤のいずれか1つを、あるいは、それらを組み合わせて使用することができる。

0026

本発明の分析方法における洗浄工程で用いる洗浄液に使用する有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテルテトラヒドロフランジオキサンジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリルジクロロメタンクロロホルムジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、又はヘキサンシクロヘキサンベンゼントルエンキシレンクロロベンゼンなどの非プロトン性非極性溶媒、又はメタノールエタノールプロパノールブタノールなどのプロトン性極性溶媒が挙げられる。
使用濃度としては、例えば、アセトニトリルを用いる場合には、通常、0.1〜100%で実施することができ、好ましくは、1〜80%、より好ましくは10〜50%で実施することができる。
なお、洗浄工程で用いる有機溶媒含有水溶液は、更に、前記の界面活性剤、還元剤、及び/又はキレート剤を含有することができる。

0027

本発明の分析方法における分析工程では、担体に結合したリポ多糖及び/又はリピッドAを分析可能な公知のエンドトキシン測定法により分析を行うことができ、例えば、LAL法、特異的抗体を用いる免疫学的分析方法、細胞又は組織を用いた分析系(例えば、細胞系を用いるTNFαの誘導量測定(West MA, Koons Aら, Endotoxin tolerance in sepsis: concentration-dependent augmentation or inhibition ofLPS-stimulated macrophage TNF secretion by LPS pretreatment., J Trauma. 2008 Oct;65(4):893-898; discussion 898-900.)、末梢血を用いるサイトカイン誘導)、表面プラズモン共鳴法を挙げることができる。本発明では、LAL法を用いることが好ましく、例えば、市販のエンドトキシン測定キット(例えば、エンドスペシーES-50Mセット;生化学工業社)を用いてLAL法を実施することができる。

0028

以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。

0029

《実施例1:DTTを用いたATIII含有試料中のエンドトキシン(LPS)測定》
(1)チップカラムの調製
LPS及び/又はリピッドA結合性ペプチドとしては、WO2007/060979に記載の
ペプチドLi5−025:kYSSSISSIRAc
[前記アミノ酸配列において、小文字で示すアミノ酸(k、c)はD体アミノ酸であることを示す。すなわち、前記アミノ酸配列は、配列番号3で表される配列において、1番目のK(L体)をD体リジンに置換し、12番目のC(L体)をD体システインに置換した配列である]
を使用した。なお、比較用のLPS結合体としては、市販品であるポリε−リジン固定化ビーズ(ET-Clean;チッソ社)を使用した。

0030

ペプチドLi5−025のビーズへの固定化は、ヨード酢酸アミドセルロース粒子(以下、ビーズと称する)にペプチド溶液を加え、C末端システインのチオール基を利用し、CS結合にて固定化した。
具体的には、まず、ペプチドを最少量の蒸留水で溶解し、50mmol/L Tris,5mmol/LEDTA・2Na,pH8.5のバッファー(以下、カップリングバッファーと称する)を加え、ペプチドの濃度が最終濃度で0.25〜0.5μmol/mLとなるように調整した。一方で、ビーズを蒸留水で洗浄し、カップリングバッファーで平衡化した。
ビーズ1mL当たりペプチド30μmol(Peptide 30μmol/mL Beads)となるように、洗浄したビーズとペプチド溶液とを混合し、室温で穏やかに攪拌させながら、6時間〜一晩反応させた。ペプチド固定化後の溶液を回収し、SH基定量試薬商品名:Ellman’s Reagent, PIERCE社製)にて未結合のペプチドの濃度を測定することにより、ペプチドの固定化量を算出した。

0031

ペプチドLi5−025固定化後、未反応のペプチドを洗い流すため、蒸留水でビーズを洗浄し、更にカップリングバッファーで平衡化した。一方で、2−メルカプトエタノール(関東化学社製)を100mmol/Lとなるように、カップリングバッファーで溶解し、ブロッキングバッファーを作製した。それを平衡化したビーズに加え混ぜ、穏やかに攪拌しながら室温で6時間〜一晩放置し、非特異吸着を防ぐためのブロッキングを行った。
ブロッキング後、蒸留水で良く洗浄し、未反応のメルカプトエタノールを取り除いた。最後、蒸留水を綺麗に取り除き、0.2N NaOH(95%エタノール)溶液を加え、混ぜ、穏やかに攪拌しながら30分反応させ、その後、ビーズが中性になるまで蒸留水でよく洗浄した。この操作を3回程度繰り返し行い、混在しているエンドトキシンを除去するためのアルカリ洗浄を行った。
その後、20%エタノール又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)等に置換し、使用するまで4℃で保存した。

0032

得られたLi5−025固定化ビーズ、コントロール用ビーズ(上記のブロッキング処理のみ)、市販のポリε−リジン固定化ビーズを、それぞれ、200μLフィルターチップ(深江化成社)に15μLずつ充填し、上澄みを除去した後、注射用蒸留水(大塚製薬)で1回洗浄した。
(2)エンドトキシンの測定
測定用試料として、市販のATIII溶液[製品名:ノイアート(Neuart)、生物学的製剤基準 乾燥濃縮ヒト・アンチトロンビンIII、三菱ウェルファーマ社]に、エンドトキシン標準品[E.coli UKT-B、(財)日本公定書協会]を所定濃度(0、0.025、0.05、0.1EU/mL)となるように添加し、室温で1時間インキュベートした。
試料溶液に、終濃度100mmol/Lとなるように、DTTを加え、室温で10分間インキュベートした後、その200μLを、先に調製した各チップカラムに通流した。通流後、20mmol/LNaCl水溶液200μLで、5回洗浄した。

0033

チップカラムのフィルター部分を切断し、エンドトキシンフリーの純水50μLにより、チップカラム中のビーズを、それぞれ、96ウェルエンドトキシンフリープレート(製品名:トキシペットプレートLP、生化学バイオビジネス製)の各ウェルに押し出した。
各ウェルに、市販のエンドトキシン測定用試薬(エンドスペシー、生化学バイオビジネス製)50μLを加え、37℃で30分間インキュベートした後、反応停止剤(製品名:トキシカラーDIA−MPセット、生化学バイオビジネス製)を加え、更にジアゾ化試薬を加えアゾ色素に変換し、吸光度計[545nm(対象波長630nm)]にて測定した。

0034

結果を図1に示す。
なお、Li5−025固定化ビーズに関しては、ATIII及びエンドトキシン含有試料溶液に加え、エンドトキシンを水に溶解した試料溶液(エンドトキシン水溶液)、エンドトキシンをPBSに溶解した試料溶液(エンドトキシン含有PBS)についても、同様の操作を実施した。
図1に示すとおり、試料にATIIIが含まれる場合、公知のLPS結合体であるポリε−リジンは、LPS結合能をほとんど消失していた。一方、ペプチドLi5−025は、試料にATIIIが含まれる場合であっても、ATIIIが含まれていない場合(エンドトキシン水溶液、エンドトキシン含有PBS)と同様のLPS結合能を保持していた。

0035

《実施例2:洗浄にアセトニトリルを用いたATIII含有試料中のエンドトキシン測定》
チップカラムとして、実施例1(1)と同じ手順で、Li5−025固定化ビーズをフィルターチップに充填したチップカラムを用意した。
また、測定用試料として、実施例1(2)と同じ手順で調製した各試料溶液(DTT無添加)を用意した。

0036

各試料溶液(DTT無添加)200μLをチップカラムに通流し、続いて、25%アセトニトリル含有の5mmol/L Tris(pH7.4)緩衝液で、5回洗浄した。
チップカラムのフィルター部分を切断し、エンドトキシンフリーの純水50μLにより、チップカラム中のビーズを、それぞれ、96ウェルエンドトキシンフリープレート(製品名:トキシペットプレートLP、生化学バイオビジネス製)の各ウェルに押し出した。
各ウェルに、市販のエンドトキシン測定用試薬(エンドスペシー、生化学バイオビジネス製)50μLを加え、37℃で30分間インキュベートした後、反応停止剤(製品名:トキシカラーDIA−MPセット、生化学バイオビジネス製)を加え、更にジアゾ化試薬を加えアゾ色素に変換し、吸光度計[545nm(対象波長630nm)]にて測定した。

0037

結果を図2に示す。
Li5−025固定化ビーズは、試料にATIIIが含まれる場合であっても、変わらないLPS結合能を保持していた。

0038

《実施例3:アセトニトリル含有洗浄液を用いた血漿中のエンドトキシン測定》
フィルターチップとして、実施例1(1)と同じ手順で、Li5−025固定化ビーズをフィルターチップに充填したチップカラムを用意した。
また、測定用試料として、ヒト血漿にエンドトキシン標準品を0、0.1、0.5、1EU/mLとなるように加え、中で30分間インキュベートした後、Triton X−100を最終濃度0.1%となるように更に添加し、ボルテックスにより充分に混合した。

0039

各試料溶液20μLをチップカラムに通流させた。続いて、チップカラムを、25%アセトニトリル含有の5mmol/L Tris(pH7.5)緩衝液200μLで3回洗浄した後、蒸留水で1回洗浄した。最後は完全に水気を取り除いた。
なお、比較例として、25%アセトニトリル含有の5mmol/L Tris(pH7.5)緩衝液の代わりに、0.5mol/L NaCl、50mmol/L Tris、20mol/LEDTA含有の洗浄液を用いた場合についても、同時に評価した。

0040

チップカラムのフィルター部分を切断し、蒸留水50μLにより、ビーズをそれぞれ96ウェルエンドトキシンフリープレート(製品名:トキシペットプレートLP、生化学バイオビジネス製)の各ウェルに押し出した。
各ウェルに、市販のエンドトキシン測定用試薬(LAL試薬)50μLを加え、更にジアゾ化試薬を加えアゾ色素に変換し、吸光度計[545nm(対象波長630nm)]にて測定した。

実施例

0041

添加LPSと実測LPSの関係を図3に、図3から算出したLPS回収率の結果を図4に、それぞれ、示す。なお、図3及び図4において、黒菱形は、アセトニトリル含有洗浄液(本発明)の結果を示し、白抜き四角は、NaCl含有洗浄液(比較例)の結果を示す。
0.5MNaCl含有溶液で洗浄したときは全く測定することができなかったが、有機溶媒含有溶液で洗浄することにより、LPS回収率がほぼ100%前後であり、低濃度のLPSを効率よく測定できることが示された。
また、血漿にTriton X−100を添加することによって、血漿中のLPS定量を可能にできることが示された。
ビーズに非特異的に結合していた脂質等のLALの反応阻害物質がアセトニトリルで綺麗に洗浄できたため、測定が可能になったと考えられる。

0042

本発明の分析方法は、エンドトキシン測定の用途に適用することができる。

0043

配列表の配列番号1〜3の配列で表される各アミノ酸配列は、リポ多糖及び/又はリピッドA結合ペプチドである。
配列表の配列番号1の配列で表される各アミノ酸配列における1番目及び10番目の各アミノ酸「Xaa」は、それぞれ独立に、リジン、アルギニン、又はヒスチジンを意味する。
配列表の配列番号2の配列で表される各アミノ酸配列における1番目及び11番目の各アミノ酸「Xaa」は、それぞれ独立に、リジン、アルギニン、又はヒスチジンを意味する。

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