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技術 バイオセンサ、電荷転送型センサおよび測定方法

出願人 シャープ株式会社国立大学法人豊橋技術科学大学
発明者 瀬尾恭子澤田和明
出願日 2009年4月3日 (11年8ヶ月経過) 出願番号 2009-091521
公開日 2010年10月28日 (10年1ヶ月経過) 公開番号 2010-243299
状態 拒絶査定
技術分野 電気化学的な材料の調査、分析
主要キーワード VOUT端子 電圧供給装置 ID端子 直流安定化電源 ライフサイエンス分野 テクトロニクス デバイ長 固定化層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年10月28日)のものです。
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図面 (7)

課題

従来困難とされていたタンパク質電気的シグナルの検出を可能とし、かつ対象タンパク質高感度に検出する。

解決手段

バイオセンサ60は、基板表面に形成されたゲート電極22・24と、ゲート電極22とゲート電極24との間の基板表面上に形成されたセンシング部27と、センシング部27の表面に結合された、対象タンパク質34と特異的に相互作用するリガンド33と、上記ゲート電極22により上記センシング部27と隔てられた電荷供給部と、センシング部27においてリガンド33と相互作用した対象タンパク質34に由来する電荷蓄積するn+型ドープ領域13とを備える電荷転送型センサ50と、n+型ドープ領域13に蓄積された電荷の量を測定するオシロスコープ45とを備えている。

概要

背景

従来、濃度未知タンパク質を定量するために様々な方法が用いられてきた。最も一般的に使用されているタンパク質の定量方法の1つは、ウエスタンブロット法である。ウエスタンブロット法とは、SDS−PAGEなどの電気泳動により試料中のタンパク質を分離した後、当該タンパク質を電気的にメンブレン転写し、試料中の対象タンパク質に対して特異的な抗体とメンブレン上で反応させて、対象タンパク質を検出する方法である。

上記ウエスタンブロット法は、使用する機器試薬が安価であることから広く使用されてきたが、一連実験操作に長時間を要し、かつ煩雑であることから、バイオセンサを用いたタンパク質の定量に関する研究が盛んに行われている。

電気的シグナルを利用して生体物質を検出するバイオセンサでは、特定の抗体に対して反応する抗原を検出できるよう設計された電界効果型トランジスタ(Field−Effect Transistor:FET)型バイオセンサが提案されている(特許文献1参照)。このバイオセンサでは、ドレイン電流の変化を経時的に観察して、溶液中の抗原の濃度を測定する。また、プリンピリミジンヌクレオチドを検出できるよう設計されたFET型バイオセンサも提案されている(特許文献2参照)。

現在、FET型バイオセンサではタンパク質に比べDNAを検出するものが圧倒的に多い。これは、DNAを形成するヌクレオチドがリン酸基負電荷をもつため、複雑な3次元立体構造のタンパク質の表面電荷よりも、電気的シグナルを検出しやすいためである。例えば、非特許文献1に記載されているFET型バイオセンサでは、ゲート表面に結合したDNAプローブに結合したほぼ全ての測定対象DNAの電荷を検出することが可能である。

また、化学物理現象検出装置として、電荷転送型センサ(特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)が知られている。この電荷転送型センサは、FET型センサよりも高感度である(特許文献4参照)。

概要

従来困難とされていたタンパク質の電気的シグナルの検出を可能とし、かつ対象タンパク質を高感度に検出する。バイオセンサ60は、基板表面に形成されたゲート電極22・24と、ゲート電極22とゲート電極24との間の基板表面上に形成されたセンシング部27と、センシング部27の表面に結合された、対象タンパク質34と特異的に相互作用するリガンド33と、上記ゲート電極22により上記センシング部27と隔てられた電荷供給部と、センシング部27においてリガンド33と相互作用した対象タンパク質34に由来する電荷を蓄積するn+型ドープ領域13とを備える電荷転送型センサ50と、n+型ドープ領域13に蓄積された電荷の量を測定するオシロスコープ45とを備えている。

目的

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その対象は、従来よりも高感度にタンパク質を検出するバイオセンサ、電荷転送型センサおよびタンパク質濃度測定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

測定対象である対象タンパク質の濃度を測定するバイオセンサであって、基板表面に形成された第1および第2ゲート電極と、上記第1ゲート電極と上記第2ゲート電極との間の基板表面上に形成されたセンシング部と、上記センシング部の表面に結合された、上記対象タンパク質と特異的に相互作用するリガンドと、上記第1ゲート電極により上記センシング部と隔てられた電荷供給部と、上記ゲート電極において上記リガンドと相互作用した対象タンパク質に由来する電荷蓄積する電荷蓄積部とを備える電荷転送型センサと、上記電荷蓄積部に蓄積された電荷の量を測定する測定装置とを備えることを特徴とするバイオセンサ。

請求項2

上記測定装置は、上記対象タンパク質の電荷に加え、当該対象タンパク質に結合した電荷付与分子の電荷の量を測定することを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。

請求項3

上記電荷付与分子は、CBBG−250、ドデシル硫酸ナトリウム、およびカチオン性ポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載のバイオセンサ。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサを用いた測定方法であって、上記リガンドと上記対象タンパク質とを特異的に相互作用させる相互作用工程と、上記相互作用工程において上記リガンドと相互作用しなかったタンパク質を除去する洗浄工程と、上記洗浄工程の後に、電解質溶液に浸漬された上記センシング部の電荷を上記電荷蓄積部に蓄積する蓄積工程と、上記蓄積工程の後に、上記電荷蓄積部の電位を測定する測定工程とを含むことを特徴とする測定方法。

請求項5

基板表面に形成された第1および第2ゲート電極と、上記第1ゲート電極と上記第2ゲート電極との間の基板表面上に形成されたセンシング部と、上記センシング部の表面に結合された、上記対象タンパク質と特異的に相互作用するリガンドと、上記センシング部において上記リガンドと相互作用した対象タンパク質に由来する電荷を蓄積する電荷蓄積部とを備えることを特徴とする電荷転送型センサ。

技術分野

0001

本発明は、溶液中のタンパク質濃度を測定するためのバイオセンサ電荷転送型センサおよび測定方法に関する。

背景技術

0002

従来、濃度未知タンパク質を定量するために様々な方法が用いられてきた。最も一般的に使用されているタンパク質の定量方法の1つは、ウエスタンブロット法である。ウエスタンブロット法とは、SDS−PAGEなどの電気泳動により試料中のタンパク質を分離した後、当該タンパク質を電気的にメンブレン転写し、試料中の対象タンパク質に対して特異的な抗体とメンブレン上で反応させて、対象タンパク質を検出する方法である。

0003

上記ウエスタンブロット法は、使用する機器試薬が安価であることから広く使用されてきたが、一連実験操作に長時間を要し、かつ煩雑であることから、バイオセンサを用いたタンパク質の定量に関する研究が盛んに行われている。

0004

電気的シグナルを利用して生体物質を検出するバイオセンサでは、特定の抗体に対して反応する抗原を検出できるよう設計された電界効果型トランジスタ(Field−Effect Transistor:FET)型バイオセンサが提案されている(特許文献1参照)。このバイオセンサでは、ドレイン電流の変化を経時的に観察して、溶液中の抗原の濃度を測定する。また、プリンピリミジンヌクレオチドを検出できるよう設計されたFET型バイオセンサも提案されている(特許文献2参照)。

0005

現在、FET型バイオセンサではタンパク質に比べDNAを検出するものが圧倒的に多い。これは、DNAを形成するヌクレオチドがリン酸基負電荷をもつため、複雑な3次元立体構造のタンパク質の表面電荷よりも、電気的シグナルを検出しやすいためである。例えば、非特許文献1に記載されているFET型バイオセンサでは、ゲート表面に結合したDNAプローブに結合したほぼ全ての測定対象DNAの電荷を検出することが可能である。

0006

また、化学物理現象検出装置として、電荷転送型センサ(特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)が知られている。この電荷転送型センサは、FET型センサよりも高感度である(特許文献4参照)。

0007

米国特許第4,238,757号明細書(公開日:1980,12,9)
米国特許第4,777,019号明細書(公開日:1988,10,11)
特開平10−332423号公報(公開日:平成10年(1998)12月18日)
特開2002−98667号公報(公開日:平成14年(2002)4月5日)
特開2007−278760号公報(公開日:平成19年(2007)10月25日)

先行技術

0008

T.SAKATA et.al.,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.44,No.4B,2005,pp2854−2859

発明が解決しようとする課題

0009

タンパク質を定量する従来のFET型バイオセンサは以下の問題を有している。

0010

第一に、DNAをトランジスタで定量する場合には、ヌクレオチドの有するリン酸基の負電荷とDNAの電気的シグナルとが一致するが、タンパク質は各々が複雑な立体構造を有するため、アミノ酸配列から計算した電荷量と表面電荷とが一致しない。その結果、表面電荷がタンパク質量に比例せず、表面電荷からタンパク質量を正確に定量することが困難である。

0011

第二に、タンパク質は高分子であり、リガンド相互作用した対象タンパク質の全体をデバイ長内に収めることが困難である。このため、デバイ長内に収まっている電気的シグナルのポテンシャルの一部分(テーリング部分)で、タンパク質を高感度に検出しなければならない。それゆえ、タンパク質の検出が困難であるという問題が生じる。

0012

従って、タンパク質の定量に用いることができ、かつ少ないタンパク質の電荷量を高感度に検出可能なバイオセンサが強く望まれていた。

0013

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その対象は、従来よりも高感度にタンパク質を検出するバイオセンサ、電荷転送型センサおよびタンパク質濃度の測定方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明に係るバイオセンサは、上記課題を解決するために、測定対象である対象タンパク質の濃度を測定するバイオセンサであって、基板表面に形成された第1および第2ゲート電極と、上記第1ゲート電極と上記第2ゲート電極との間の基板表面上に形成されたセンシング部と、上記センシング部の表面に結合された、上記対象タンパク質と特異的に相互作用するリガンドと、上記第1ゲート電極により上記センシング部と隔てられた電荷供給部と、上記センシング部において上記リガンドと相互作用した対象タンパク質に由来する電荷を蓄積する電荷蓄積部とを備える電荷転送型センサと、上記電荷蓄積部に蓄積された電荷の量を測定する測定装置とを備えることを特徴としている。

0015

上記の構成によれば、バイオセンサを構成する電荷転送型センサの基板表面には、第1および第2ゲート電極が形成されており、これら第1ゲート電極と第2ゲート電極との間の基板表面上にセンシング部が形成されている。上記第1ゲート電極に電圧印加することで、第1ゲート電極下の基板表面に電荷注入制御部が形成され、上記電荷供給部からの上記センシング部への電荷の移動を制御する。

0016

上記センシング部には、対象タンパク質と特異的に相互作用するリガンドが固定化されている。このリガンドは、センシング部の表面に結合されており、センシング部をタンパク質溶液浸すことにより、リガンドは、当該タンパク質溶液に含まれる対象タンパク質と相互作用することが可能である。

0017

さらに上記電荷転送型センサは、電荷蓄積部を備えており、センシング部においてリガンドと相互作用した対象タンパク質に由来する電荷を電荷蓄積部に蓄積する。

0018

この構成により、対象タンパク質に由来する電荷を蓄積して増大することが可能となり、従来よりも高感度に対象タンパク質濃度を測定することが可能となる。

0019

また、上記リガンドを備えることにより、対象タンパク質を特異的にセンシング部の表面に留めることができ、測定対象の溶液に対象タンパク質以外のタンパク質が含まれている場合でも、対象タンパク質の濃度を特異的に測定することができる。

0020

上記測定装置は、上記対象タンパク質の電荷に加え、当該対象タンパク質に結合した電荷付与分子の電荷の量を測定することが好ましい。

0021

上記の構成によれば、対象タンパク質そのものの電荷に加えて当該対象タンパク質に結合した電荷付与分子の電荷が電荷蓄積部に蓄積され、測定装置は、これらの電荷の量を測定する。

0022

それゆえ、対象タンパク質そのものの電荷を検出する場合よりも対象タンパク質の検出感度が高まり、対象タンパク質量をより高感度に測定することができる。

0023

上記電荷付与試薬は、CBB G−250、ドデシル硫酸ナトリウム、およびカチオン性ポリマーからなる群から選択されることが好ましい。

0024

上記の構成により、対象タンパク質の電荷を増大することが可能となり、より高感度に対象タンパク質を検出することが可能となる。

0025

本発明に係る測定方法は、上記バイオセンサを用いた測定方法であって、上記リガンドと上記対象タンパク質とを特異的に相互作用させる相互作用工程と、上記相互作用工程において上記リガンドと相互作用しなかったタンパク質を除去する洗浄工程と、上記洗浄工程の後に、電解質溶液に浸漬された上記センシング部の電荷を上記電荷蓄積部に蓄積する蓄積工程と、上記蓄積工程の後に、上記電荷蓄積部の電位を測定する測定工程とを含むことを特徴としている。

0026

上記測定方法により、対象タンパク質に由来する電荷を蓄積して増大することが可能となり、従来よりも高感度に対象タンパク質濃度を測定することが可能となる。

0027

また、対象タンパク質を特異的にセンシング部の表面に留めることができ、測定対象の溶液に対象タンパク質以外のタンパク質が含まれている場合でも、対象タンパク質の濃度を特異的に測定することができる。

0028

本発明に係る電荷転送型センサは、基板表面に形成された第1および第2ゲート電極と、上記第1ゲート電極と上記第2ゲート電極との間の基板表面上に形成されたセンシング部と、上記センシング部の表面に結合された、上記対象タンパク質と特異的に相互作用するリガンドと、上記センシング部において上記リガンドと相互作用した対象タンパク質に由来する電荷を蓄積する電荷蓄積部とを備えることを特徴としている。

0029

それゆえ、対象タンパク質に由来する電荷を蓄積して増大することが可能となり、従来よりも高感度に対象タンパク質濃度を測定するためのセンサとして利用できる。

0030

また、上記リガンドを備えることにより、対象タンパク質を特異的にセンシング部の表面に留めることができ、測定対象の溶液に対象タンパク質以外のタンパク質が含まれている場合でも、対象タンパク質の濃度を特異的に測定することが可能となる。

発明の効果

0031

以上のように、本発明に係るバイオセンサは、基板表面に形成された第1および第2ゲート電極と、上記第1ゲート電極と上記第2ゲート電極との間の基板表面上に形成されたセンシング部と、上記センシング部の表面に結合された、対象タンパク質と特異的に相互作用するリガンドと、上記第1ゲート電極により上記センシング部と隔てられた電荷供給部と、上記センシング部において上記リガンドと相互作用した対象タンパク質に由来する電荷を蓄積する電荷蓄積部とを備える電荷転送型センサと、上記電荷蓄積部に蓄積された電荷の量を測定する測定装置とを備える構成である。

0032

それゆえ、従来よりも高感度に対象タンパク質濃度を測定することができる。

図面の簡単な説明

0033

本発明の一実施形態に係るバイオセンサの構成および電位を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係るバイオセンサの別の構成を示す概略図である。
(a)および(b)は、ソースフォロア回路の構成を示した模式図である。
本発明に係る電荷転送型センサの電荷転送原理を示した模式図である。
本発明に係るバイオセンサにおいて、各端子に印加される電位の大きさおよびタイミングを表したグラフである。
対象タンパク質とリガンドと電荷付与試薬とのセンシング部での反応を示す図である。

実施例

0034

本発明の実施の一形態について、図1図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。

0035

(1)バイオセンサ60の構成
本実施形態のバイオセンサ60の構成を図1上段に示した。図1の上段に示すように、バイオセンサ60は、電荷転送型センサ50、ソースフォロア回路40およびオシロスコープ(測定装置)45を含んでいる。

0036

電荷転送型センサ50は、基板10と、基板10の表面に形成された2つのゲート電極(第1ゲート電極)22およびゲート電極(第2ゲート電極)24と、上記2つのゲート電極22・24の間の基板表面上に形成されたセンシング部27と、参照電極28と、液槽29とを備えている。

0037

基板10には、p型ドープ領域15とn+型ドープ領域11・13とが形成されている。このn+型ドープ領域11・13はN型不純物高濃度ドーピングされた領域である。n+型ドープ領域13にソースフォロア回路40が接続されている。このソースフォロア回路40は、n+型ドープ領域13に蓄積した電荷を電圧値として検出する。ソースフォロア回路40の詳細については後述する。

0038

ソースフォロア回路40には、オシロスコープ45が接続されており、ソースフォロア回路40から出力された電圧値を測定する。

0039

基板10の表面には、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜19が積層されている。このゲート絶縁膜19上に2つのゲート電極22・24が設けられている。センシング部27を覆うようにシリコン窒化膜23が積層されている。センシング部27を覆うシリコン窒化膜23は、センサの溶液保護を目的としており、シリコン窒化膜(Si3N4)に限らず、Al2O3やTa2O5など、溶液保護作用のある膜であれば構わない。

0040

シリコン窒化膜23の上にさらにリガンド33を固定化するための固定化層20としてAu/TiN/Ti膜成膜されている。固定化層20の材質は、Au/TiN/Ti膜に限定されず、リガンド33を固定化するために適したものが適宜選択されればよい。

0041

ゲート電極22とゲート電極24との間におけるゲート絶縁膜19、シリコン窒化膜23および固定化層20の積層をセンシング部27と称している。なお、シリコン窒化膜23に直接リガンド33を固定化できるのであれば、固定化層20は必ずしも必要ではない。

0042

リガンド33は、対象タンパク質34と特異的に相互作用することにより、対象タンパク質34を捕捉し、その結果、対象タンパク質34をセンシング部27の表面に留める。リガンド33には、抗体、人工抗体ペプチド、タンパク質、アプタマーなど、またはこれらの組み合わせが利用できる。

0043

リガンド33は、固定化層20のシリコン窒化膜23と接する側とは反対側の表面(リガンド結合面)に結合されている。換言すれば、リガンド33は、センシング部27の基板表面に面する側とは反対側の表面であるリガンド結合面に結合されている。固定化層20のリガンド結合面は、電解質溶液32と直接接している。

0044

バイオセンサ60は、リガンド33に特異的に結合した対象タンパク質34に、電荷付与試薬35を結合させることにより、対象タンパク質34の検出感度を高めるものである。リガンド33を用いずに、溶液中に離散する対象タンパク質34の濃度を測定することも可能であるが、リガンド33および電荷付与試薬35を用いることにより、対象タンパク質34の濃度をより高感度に測定することができる。電荷付与試薬35として、例えば、CBB G−250を用いることができる。電荷付与試薬35の詳細については後述する。

0045

リガンド33を固定化層20に固定化する方法として、リガンド33を固定化層20に直接吸着させる物理吸着法、固定化層20上にAuまたはPtなどを塗布してリガンド33と化学結合させる化学結合法ポリマーを用いてリガンド33を包括する包括法などが利用できる。リガンド33を固定化層20に固定化する場合に用いるリガンド33を含む溶液の濃度は、例えば5μg/mLである。リガンド溶液濃度範囲は、1〜20μg/mLが望ましく、更に5μg/mLであることが望ましい。

0046

参照電極28は、電解質溶液32を介してセンシング部27に一定の電圧を印加するための電極である。この参照電極28には上記電圧を供給する電源が接続されている。

0047

液槽29は、電解質溶液32を溜めるためのものであり、その底部はセンシング部27である。それゆえ、液槽29は、センシング部27の表面に電解質溶液32を留めるための壁部であると言える。

0048

タンパク質濃度測定時には、液槽29に電解質溶液32を充填し、センシング部27の上部に備えられた参照電極28により一定の電位を印加する。基板10のn+型ドープ領域11、ゲート電極22およびゲート電極24はそれぞれID(Input Diode)、ICG(Input Control Gate)およびTG(Transfer Gate)とも呼ばれる。これらはパルスジェネレータ電圧供給装置)(不図示)に接続されており、このパルスジェネレータは、後述する所定の様式でn+型ドープ領域11、ゲート電極22およびゲート電極24に電圧を印加する。

0049

その結果、基板10のn+型ドープ領域11が電荷供給部として機能し、ゲート電極22が電荷注入制御部として、2つのゲート電極22・24の間の基板表面がセンシング部27として、ゲート電極24が障壁部として、n+型ドープ領域13が電荷蓄積部(以下、FD(Floating Diffusion)部と称する)として機能する。

0050

電荷供給部は、外部の電源から電荷を受け入れる。電荷注入制御部は、電荷供給部からセンシング部へ移動する電荷の量を調整する。センシング部は、電解質溶液32に含まれる電荷(特に、リガンド33に結合した対象タンパク質34の電荷および電荷付与試薬の電荷)を検出する。FD部(電荷蓄積部)は、センシング部から電荷を受け入れ、当該電荷を蓄積する。それゆえ、センシング部27においてリガンド33と相互作用した対象タンパク質34に由来する電荷は、FD部に蓄積される。

0051

図1下段には、n+型ドープ領域11(電荷供給部)、ゲート電極22(電荷注入制御部)、センシング部27、ゲート電極24(障壁部)およびn+型ドープ領域13(FD部)における電位の相対関係を、符号1〜5をそれぞれ付して模式的に示している。また、n+型ドープ領域13に蓄積した電荷を符号6を付して示している。例えば、ゲート電極24における電位(符号4で示す)は、他の部位における電位よりも低く、n+型ドープ領域13における電位(符号5で示す)は、センシング部27における電位(符号3で示す)よりも高い。センシング部27の電荷をn+型ドープ領域13(FD部)に転送して蓄積することで、従来よりも高感度にタンパク質濃度を測定することが可能である。

0052

(2)バイオセンサ60の別の構成
バイオセンサ60が備える電荷転送型センサの別の構成を、図2を参照しつつ説明する。図2は、電荷転送型センサ70の構成を示す概略図である。図2に示すように、電荷転送型センサ70は、電荷転送型センサ50の構成に加えて、n+型ドープ領域14およびゲート電極(第3ゲート電極)26を備えている。n+型ドープ領域14はRD(Reset Diode)端子に接続されており、ゲート電極26はRG端子に接続されている。RD端子およびRG端子はパルスジェネレータ(不図示)に接続されており、このパルスジェネレータは、後述する所定の様式でn+型ドープ領域14およびゲート電極26に電圧を印加する。その他の構成は、電荷転送型センサ50の構成と同様である。

0053

この電荷転送型センサ70は、3つのゲート電極22、24、26が基板表面に形成されている。ゲート電極22、24に加えてゲート電極26を形成することで、n+型ドープ領域13(FD部)に蓄積される電荷を一定(任意の電圧値)にすることができる。

0054

電荷転送型センサ70においても、n+型ドープ領域11が電荷供給部として機能し、ゲート電極22が電荷注入制御部として、2つのゲート電極22・24の間の基板表面がセンシング部27として、ゲート電極24が障壁部として、n+型ドープ領域13がFD部として機能する。

0055

(3)ソースフォロア回路40の構成
本実施形態のバイオセンサ60においては、FD部であるn+型ドープ領域13にソースフォロア回路40が連結されている。ソースフォロア回路40を含む電荷転送型センサの基本的な構成を図3(a)および図3(b)に示す。図3(a)は、電荷転送型センサ50に接続されたソースフォロア回路40の構成を示す概略図である。図3(b)は、電荷転送型センサ70に接続されたソースフォロア回路40の構成を示す概略図である。

0056

n+型ドープ領域13(FD部)に蓄積された電荷は、ソースフォロア回路40において、そのゲート電圧として印加され、電圧値(VOUT値)として検出される。すなわち、ソースフォロア回路40の出力値であるVOUT値を測定することにより、n+型ドープ領域13に蓄積した電荷の量を測定することができる。

0057

VOUT端子は、オシロスコープ45に接続されており、このオシロスコープ45によってVOUT値を測定する。このオシロスコープ45は、FD部に蓄積された電荷の量を測定する測定装置であると見なすことができる。ただし、測定装置はオシロスコープに限定されるものではない。

0058

なお、ソースフォロア回路は、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いという特徴がある。理想的にはソースフォロア回路の入出力特性がVout=Vinとなり、入力に入れた電圧が減衰することなく出力されるので、本発明においてバッファ回路として使用した。

0059

(4)FD部における電荷蓄積の原理
対象タンパク質34および電荷付与試薬35に由来する電荷の蓄積方法図4および図5を参照しつつ説明する。図4は、電荷転送型センサ70においてFD部に電荷が蓄積する原理を説明するための図である。図5は、バイオセンサ60において、各端子に印加される電位の大きさおよびタイミングを表したグラフである。

0060

まず、センシング部27のリガンド結合面に結合されたリガンド33に対象タンパク質34を特異的に結合させた後、その対象タンパク質34に電荷付与試薬35を結合させる。その結果、対象タンパク質34の電荷および当該対象タンパク質34に結合した電荷付与試薬35の電荷によって、センシング部27の電荷容量が変化する(S0段階)。

0061

次に、S1およびS2段階では、RG端子の電位(ゲート電極26の電位)が上昇するとともに、RD端子の電位(n+型ドープ領域14の電位)とn+型ドープ領域13(FD部)の電位とが等しくなる。

0062

なお、電荷転送型センサ50・70(図1、2)において、ICG端子の電位は常に一定である。RG端子およびRD端子を備えていない電荷転送型センサ50においては、電荷供給部(ID端子)の電位を上げることによって、電荷注入調節部(ICG端子)によりすりきられた電荷がセンシング部27に残され、続いてこの残された電荷をFD部へ蓄積する。

0063

S3およびS4段階では、n+型ドープ領域11に電荷が蓄積してIDの電位が低下し、センシング部27とID端子の電位(n+型ドープ領域11の電位)とが等しくなる。

0064

S5およびS6段階では、センシング部27に電荷が注入されている状態になる。

0065

S7およびS8段階では、TG端子の電位(ゲート電極24の電位)が上昇し、センシング部27の電荷がn+型ドープ領域13(FD部)へ移動する。

0066

S9段階では、センシング部27に注入されていた電荷がn+型ドープ領域13(FD部)に全て移動された状態になる。S0段階からS9段階によりFD部に蓄積された電荷は、ソースフォロア回路40において、そのゲート電圧として印加され、電圧値(VOUT値)として検出される。S9段階におけるソースフォロア回路40のVOUT値とS3段階におけるソースフォロア回路40のVOUT値とを比較することで対象タンパク質34および電荷付与試薬35に由来する電荷を測定する。

0067

また、S1段階からS9段階を繰り返すことで、電荷をFD部に累積させて対象タンパク質34の検出感度を向上させることが可能である。

0068

(5)対象タンパク質濃度の定量方法
次に、電荷転送型センサ50・70を用いた場合のタンパク質濃度を定量する方法について説明する。なお、ここでは、リガンド33に特異的に対象タンパク質34を結合させ、当該対象タンパク質34に電荷付与試薬35を結合させた後の工程から説明を始める。

0069

電荷転送型センサ50・70において、参照電極28、ID、ICG、TG、RG、RD、VDD、およびVLNの各端子に加えられた電位によって、それぞれ電位の異なる電荷供給部、電荷注入制御部、センシング部、障壁部、およびFD部が形成される。

0070

測定対象となる試料に含まれる対象タンパク質34の濃度を測定するために、まず、参照電極28に一定の電圧を印加し、パルスジェネレータに接続した各端子(ID、ICG、TG、RG、RD、VDD、およびVLN)にそれぞれ電圧を加える。

0071

少なくとも3つの異なる既知濃度のタンパク質溶液を用いて、参照電極28に所定の電圧(VRE値)を印加した場合のソースフォロア回路40のVOUT値を、既知濃度の対象タンパク質34を含むタンパク質溶液のそれぞれについて測定する。各端子に加える電圧の一例を図5に示した。一例として、VRE=1.020Vの時点のVOUTを記録することができる。上記VOUT値に対して上記タンパク質溶液のタンパク質濃度をプロットすることにより検量線を作成する。

0072

その後、濃度未知の対象タンパク質34を含む試料の上記VRE値におけるVOUT値を、ソースフォロア回路40を用いて測定し、該VOUT値を上記検量線に当てはめることで、上記試料中の対象タンパク質34の濃度を算出する。

0073

(6)対象タンパク質34の電荷付与試薬35による処理方法
次に、リガンド33に対象タンパク質34を特異的に結合させ、結合した対象タンパク質34を電荷付与試薬35で処理する方法について図6を用いて説明する。

0074

まず、リガンド33と対象タンパク質34以外の物質との非特異的吸着を防止するために、リガンド33を固定化層20上に固定化後、固定化層20の表面およびリガンド33をブロッキング剤を用いてブロッキングする。ブロッキング剤としては、例えば、10%ウシ血清アルブミンBSA)溶液が挙げられる。ブロッキング処理により、リガンド33に特異的に結合した目的タンパク質14のみを検出することができる。

0075

次に、リガンド33と対象タンパク質34とを結合させる。すなわち、リガンド33上に対象タンパク質34を含む溶液を滴下し、リガンド33と結合させる。対象タンパク質34は、生体組織から採取したものであってもよいし、クロマトグラフィーなどの精製方法を用いて精製したものであってもよく、対象タンパク質34の調整方法は特に限定されない。

0076

リガンド33と対象タンパク質34との反応時間は、リガンド33および対象タンパク質34が分解および/または変性しない範囲で、リガンド33および対象タンパク質34の濃度などによって決定されればよく、例えば、1〜3時間である。抗原抗体反応は数分〜3時間でよく、更に5分〜1時間が望ましい。本実施例では10分で行った。

0077

その後、PBS(Phosphate buffered saline)などの適当な洗浄用緩衝液を用いて、リガンド33に結合しなかった対象タンパク質34を洗い流す。

0078

次に、固定化層20上に電荷付与試薬35を滴下し、所定時間放置することにより、リガンド33に特異的に結合した対象タンパク質34に電荷付与試薬35を結合させる。電荷付与試薬35と対象タンパク質34との反応時間は、電荷付与試薬35の種類に応じて適宜設定されればよい。電荷付与試薬35として、CBB G−250を用いる場合には、上記反応時間は、例えば5分間である。

0079

電荷付与試薬35として、CBB G−250の他に、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、およびカチオン性ポリマー(正電荷を有するポリマー)などを用いることができる。これらのうち、CBB G−250が特に好ましい。

0080

電荷付与試薬35として、CBB G−250を使用した場合は、対象タンパク質34の高次構造複合体構造を維持しながら対象タンパク質34全体に負電荷を与えることが出来る。このため、対象タンパク質34は、従来の方法で分離困難な高分子、または膜タンパク質などでもよい。

0081

電荷付与試薬35として、SDSを使用する場合は、SDSの結合は対象タンパク質34の変性を伴うため、SDSと対象タンパク質34との反応時間を短くするなど変性による抗原抗体反応への影響をできるだけ小さくすることが好ましい。

0082

電荷付与試薬35として、カチオン性ポリマーを用いる場合には、当該カチオン性ポリマーを対象タンパク質34の表面に限定的に化学結合させる。この場合に利用できるタンパク質の修飾方法の一例が特開平6−184190に開示されている。

0083

その後、対象タンパク質34に結合せずに遊離した状態の電荷付与試薬35を、0.1×PBSなどで洗浄することにより取り除く。

0084

最後に、ゲート電極上に参照電極を浸すように測定溶液である電解質溶液32(例えば、0.1×PBS)を注入する。その後、上述したようにS0からS9段階を実行してソースフォロア回路40によって、FD部に累積した電荷を測定し、その測定値(VOUT値)を用いて対象タンパク質34の量を算出する。

0085

以上のように、バイオセンサ60におけるタンパク質定量方法は、リガンド33と対象タンパク質34とを特異的に相互作用させる相互作用工程と、相互作用工程においてリガンド33と相互作用しなかったタンパク質を除去する洗浄工程と、洗浄工程の後に、電解質溶液32に浸漬されたセンシング部27の電荷をFD部に蓄積する蓄積工程と、上記蓄積工程の後に、上記FD部の電位を測定する測定工程とを含んでいる。

0086

さらに、バイオセンサ60におけるタンパク質定量方法は、センシング部27のリガンド33と相互作用した対象タンパク質34に電荷付与試薬35を結合させる電荷付与工程を含んでいることが好ましい。

0087

(7)コントロールについて
CBB G−250は、リガンド33およびブロッキング剤にも結合する。検量線を作成するために用いるリガンド33と濃度未知のタンパク質溶液のタンパク質濃度を測定するために用いるリガンド33とは、基本的に同じものであるため、バックグラウンドを除くためのコントロールをとる必要は必ずしもない。

0088

電荷転送型センサ50(または電荷転送型センサ70)のドリフトの影響やノイズを除くためにコントロールをとる場合には、1つの対象タンパク質34の濃度を測定するために2つの電荷転送型センサ50(または電荷転送型センサ70)を利用する。一方の電荷転送型センサ50では、リガンド33の固定、ブロッキング、抗原抗体反応、および電荷付与試薬35による処理を行い、他方の電荷転送型センサ50では、ブロッキング、抗原抗体反応、および電荷付与試薬35による処理を行う。後者は、ノイズを含んだ測定値であるため、これをバックグラウンドとして、前者の測定値から後者の測定値を差し引き、タンパク質量のための測定値として用いる。

0089

(8)電荷付与試薬の効果
本発明では対象タンパク質34の電荷量を大きくするために、電気泳動の一種であるBN−PAGEに用いられているCBB G−250を電荷付与試薬35の一例として利用している。一般的に、タンパク質の電気泳動を行う場合、SDS−PAGEやNative−PAGEが用いられる。

0090

SDS−PAGEは、電荷の小さいタンパク質にSDSの負電荷を与えることで、ゲル中を泳動しやすくし、分離を行う。しかし、このSDSはタンパク質の高次構造や複合体構造を壊しながら結合するため、タンパク質本来の形に基づいた分離が行えない。

0091

Native−PAGEは、泳動バッファ条件を検討することでタンパク質自体に電荷を与え、タンパク質本来の形のまま分離する。しかし、塩基性等電点をもつタンパク質や表面電荷の少ないタンパク質では泳動に十分な電荷をもつことが出来ず、正確な分離をも困難とする。

0092

一方、BN−PAGEは、SDSの代わりにCBB G−250という色素を用いることで全体的に負電荷を帯びた状態でタンパク質を泳動させ分離する。このCBB G−250は、タンパク質の高次構造や複合体構造を維持したまま、タンパク質全体に負電荷を与えることが出来るため、泳動が容易でタンパク質本来の形に基づいた分離が行える。このため、分離困難な高分子や膜タンパク質への応用も可能となる。

0093

また、電気泳動によるタンパク質の検出は、タンパク質の大きさ毎に分離するというものである。このことよりサンプル溶液中に同じ大きさのタンパク質が含まれている可能性が懸念される場合など、ターゲットタンパク質だという確証を得るには、電気泳動後にウェスタンブロッティングを行って抗体による特異的反応を検出する必要がある。これらの作業は数時間に及ぶものであり、また手間のかかるものである。

0094

バイオセンサ60を用いれば、従来の電気泳動法に比べ、動作が速く煩雑な作業を必要とせずに、少ないタンパク質の電荷量を高感度に検出することができる。

0095

また、電荷転送型センサ50は、高集積化が可能で簡易に製造できるため、産業上利用することが容易である。

0096

〔実験結果例〕
本発明に係るバイオセンサ60を用いてタンパク質濃度測定のための検量線を作成した実験結果の一例について説明する。

0097

本実施例では、リガンド33として抗アディポネクチン抗体(Anti Adiponectin [Acrp30],Human,(Mouse)、RSD)を用い、対象タンパク質34としてアディポネクチンを用いた。市販のアディポネクチン(1μg/mL)(Acrp30/Adiponectin,CF,Human、RSD)を0、25、62.5μg/mLに2.5mM KH2PO4を用いて希釈することにより3種類のタンパク質溶液を調整した。

0098

また、本実施例では、電荷転送型センサ70を用いている。

0099

<リガンドの固定>
まず、電荷転送型センサ70を3つ用意し、それぞれ、図6に示すようにSi3N4膜である固定化層20上にリガンド33として抗アディポネクチン抗体を物理吸着法で固定化した。用いた抗体溶液は、2.5mM KH2PO4/2.5mM Na2HPO4 1mLに抗体500μgを溶解し、500μg/mLの抗体溶液とし、さらに5μg/mLへ希釈したものを使用した。Si3N4膜上に抗アディポネクチン抗体溶液を滴下した後、1時間静置した。

0100

固定化後、0.1×PBSを用いてSi3N4膜の表面を洗浄し、Si3N4膜に結合していない抗体を取り除いた。

0101

次に、10%BSAを含む0.1×PBSをSi3N4膜上に滴下し、1時間静置してブロッキングした。ブロッキング後、0.1×PBSを用いて洗浄し、遊離のBSAを取り除いた。

0102

<対象タンパク質への電荷付与試薬の付加>
次に、希釈した各濃度の抗体溶液を、抗アディポネクチン抗体を固定化した3つの電荷転送型センサ70のSi3N4膜にそれぞれ滴下し、10分間静置することにより抗原抗体反応を行った。0.1×PBSを用いて洗浄して遊離の抗体を除去した後、電荷付与試薬35としてCBB G−250溶液を滴下し、5分間静置した。この処理によりアディポネクチンにCBB G−250を結合させた。CBB G−250溶液は、PROTEIN ASSAY Bradford、BIO-RADを希釈せずに使用した。

0103

次に、0.1×PBSで洗浄し、遊離のCBB G−250を取り除き、測定溶液(0.1×PBS)を液槽29に注入し、参照電極28を測定溶液に浸した。

0104

このようにセッティングした各電荷転送型センサ70について、VOUTおよびREを除く各端子をパルスジェネレータDG2020A(日本テクトロニクス株式会社製)に接続し、波形(VOUT値)を検出するためにVOUT端子をオシロスコープ45(TDS3034B(日本テクトロニクス株式会社製))に接続し、RE端子を直流安定化電源R6142A(Takeda Riken)へと接続し、VRE=1.020VのときのVOUTを測定値として記録した。

0105

その結果、抗アディポネクチン抗体濃度が0、25、62.5μg/mLの順にVOUT値は、それぞれ1.470、1.420、1.320mVであった。この結果を用いて、最小自乗法により検量線を作成した。各抗アディポネクチン抗体濃度に対応する3点は、ほぼ一直線上にのっており、抗体の定量が精度高く行われたことを示している。

0106

(変更例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

0107

例えば、電荷転送型センサ50・70をPチャネル型のトランジスタとして実現していてもよい。

0108

また、バイオセンサ60に電荷転送型センサ50・70を複数設け、各電荷転送型センサ50・70のFD部に蓄積した電荷の量を測定してもよい。

0109

なお、本発明は、以下のようにも表現できる。

0110

すなわち、本発明は、センシング部の電荷を電荷蓄積(FD)部へ蓄積させ、該FD部に蓄積された電荷に基づく出力信号から化学・物理量を特定する化学・物理現象検出方法であって、該FD部の電位変化を電界効果型トランジスタ(Field−Effect Transistor:FET)で検出することを特徴とする電荷転送型のセンサであって、前記化学・物理量が、タンパク質濃度であることを特徴とするバイオセンサである。

0111

上記バイオセンサは、上記センシング部が、検出しようとするタンパク質(ターゲットタンパク質)に特異的に反応あるいは吸着するリガンドから形成されていることが好ましい。

0112

上記バイオセンサは、上記リガンドとターゲットタンパク質を特異的に反応あるいは吸着させた後、CBB G−250を結合させ、CBB G−250の電荷によって変化したFD部の電位変化を検出するバイオセンサであることが好ましい。

0113

本発明のタンパク質定量システムを使用すれば、簡便、かつ高感度にタンパク質を定量することが可能となる。このため、ライフサイエンス分野医学分野などの研究や検査におけるタンパク質の定量に好適に使用できる。

0114

1電荷供給部
10基板
13 n+型ドープ領域(電荷蓄積部)
22ゲート電極(第1ゲート電極)
24 ゲート電極(第2ゲート電極)
27センシング部
33リガンド
34対象タンパク質
35電荷付与試薬(電荷付与分子)
40ソースフォロア回路
45オシロスコープ(測定装置)
50電荷転送型センサ
60バイオセンサ
70 電荷転送型センサ

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