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技術 転炉スラグの再利用方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 遠藤隆智中切孝夫菊池潤
出願日 2009年4月6日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2009-092171
公開日 2010年10月28日 (9年8ヶ月経過) 公開番号 2010-242165
状態 特許登録済
技術分野 炭素鋼又は鋳鋼の製造 炉の細部、予熱、排出物処理(炉一般3)
主要キーワード 運搬用コンテナ 所定要件 質量濃度比 通常予測 バンカー内 脱炭処理前 精錬過程 操業データ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年10月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

路盤材化に適さないフリーCaOの質量濃度が5.0質量%以上である転炉スラグの有効的な再利用方法を提供する。

解決手段

上底吹き型転炉溶銑予備脱燐処理を行われていない溶銑を吹錬して溶鋼を製造する際に、溶銑予備脱燐銑脱炭吹錬で発生した転炉スラグであって、前記スラグ発生時のフリーCaOの質量濃度が5.0%以上のものを分別、かつ、該転炉スラグに30分間以上散水したものを粒径10〜100mmに調整して、上底吹き型転炉内投入して、吹錬後のスラグの質量濃度比(%CaO)/(%SiO2)が3.0以上5.0以下となるとともに(%Al2O3)が4.0質量%以下となるように、吹錬を行うことによって、路盤材化に適さないフリーCaOの質量濃度が5.0質量%以上である転炉スラグを再利用する。

概要

背景

近年、鋼材に対する品質要求厳格化により、低燐鋼に対する需要が大幅に増加している。これに対応するため、製鋼精錬方法では、溶銑段階で脱燐を施す溶銑予備処理を適用することが一般的である。これにより、溶銑予備処理後に続いて行われる脱炭処理では、処理前の溶銑中Siがほぼか、あるいは零に近い低位の状態となっており、脱炭処理時のスラグ中CaOとSiO2との質量濃度比で定義される塩基度の調整のためのSiO2源として、副原料珪石等を使用している。

この場合、SiO2が常温低温であるため、溶銑中Siを燃焼させてSiO2を生成させる溶銑予備処理を行わない溶銑の脱炭吹錬と比較して、スラグ溶融速度が遅い。この問題を解決するには、滓化(溶融)促進剤として蛍石等のハロゲン化物を使用することが考えられるが、近年は地球環境保護の観点からその使用は望ましくなく、ほとんど使用されることはない。そのため、溶銑予備処理を行われた溶銑の脱炭吹錬ではスラグの溶融が遅く、吹錬終了後もスラグ中に未反応のCaO(本明細書では「フリーCaO」という)が存在していることが多い。

さらに、溶銑予備脱燐処理においても蛍石等のハロゲン化物は全く使用しないことが主流となっており、溶銑予備処理段階で到達可能な燐濃度が以前よりも高濃度側へ変動する傾向がある。しかしながら、前述のように低燐鋼に対する需要は増加する一方であり、これに対応するためには、溶銑予備処理後の脱炭吹錬において仕上げ脱燐を行う必要があり、脱炭吹錬スラグの脱燐能力の確保のため、スラグが高CaO濃度化(高塩基度化)する傾向にある。この脱炭スラグ高CaO濃度化もスラグ中フリーCaO濃度の増加に大きく影響する。

しかし、スラグ中のフリーCaOが増加して高い濃度となると、転炉スラグの現状の再利用方法の主流である路盤材化に大きな問題が生じる。
図1は、蒸気エージング(約24時間)を行われた転炉スラグの水浸膨張率と、転炉スラグのフリーCaO濃度との関係を示すグラフである。

図1に示すグラフから理解されるように、転炉スラグのフリーCaO濃度の上昇により転炉スラグの水浸膨張率が増加することが分かる。これは、フリーCaOが水分と反応してCa(OH)2になって体積膨張するためである。

路盤材のJIS基準では1.5%以下の水浸膨張率を満足する必要があるが、フリーCaOが5質量%以上と高い転炉スラグでは、水浸膨張率が路盤材JIS基準である1.5%を超えてしまう。そのため、そのような高フリーCaO含有スラグは、路盤材化して再利用することが困難になる。転炉スラグを路盤材化により再利用できないと、転炉スラグを廃棄せざるを得なくなるケースが増加し、近年の重要視されている産業廃棄物の低減の観点から大きな問題となる。

これらの問題の対策として、路盤材に使用可能な水浸膨張率の転炉スラグを製造することを目的とした、転炉スラグのフリーCaOの上昇抑制方法に係る発明がこれまでにも提案されている。

特許文献1の段落0010および図2には、脱炭吹錬温度でスラグの液相率が100%となるスラグ中Al2O3濃度を計算により求め、その濃度にスラグ組成を調整することによってスラグ中フリーCaO濃度を低減する方法が開示されている。

概要

路盤材化に適さないフリーCaOの質量濃度が5.0質量%以上である転炉スラグの有効的な再利用方法を提供する。上底吹き型転炉で溶銑予備脱燐処理を行われていない溶銑を吹錬して溶鋼を製造する際に、溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬で発生した転炉スラグであって、前記スラグ発生時のフリーCaOの質量濃度が5.0%以上のものを分別、かつ、該転炉スラグに30分間以上散水したものを粒径10〜100mmに調整して、上底吹き型転炉内投入して、吹錬後のスラグの質量濃度比(%CaO)/(%SiO2)が3.0以上5.0以下となるとともに(%Al2O3)が4.0質量%以下となるように、吹錬を行うことによって、路盤材化に適さないフリーCaOの質量濃度が5.0質量%以上である転炉スラグを再利用する。

目的

これらの問題の対策として、路盤材に使用可能な水浸膨張率の転炉スラグを製造することを目的とした

効果

実績

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請求項1

上底吹き型転炉溶銑予備脱燐処理を行われていない溶銑を吹錬して溶鋼を製造する際に、溶銑予備脱燐銑脱炭吹錬で発生した転炉スラグであって、前記スラグ発生時のフリーCaOの質量濃度が5.0%以上のものを分別、かつ、該転炉スラグに30分間以上散水したものを粒径10mm以上100mm以下に調整して、前記上底吹き型転炉内投入して、前記吹錬後のスラグの質量濃度比(%CaO)/(%SiO2)が3.0以上5.0以下となるとともに(%Al2O3)が4.0質量%以下となるように、前記吹錬を行うことを特徴とする転炉スラグの再利用方法

技術分野

0001

本発明は、転炉スラグ再利用方法に関し、具体的には、溶銑予備脱燐銑脱炭吹錬で発生した転炉スラグのうちフリーCaO濃度が5質量%以上と高いものを、転炉脱燐剤の一部として再利用する方法に関する。

背景技術

0002

近年、鋼材に対する品質要求厳格化により、低燐鋼に対する需要が大幅に増加している。これに対応するため、製鋼精錬方法では、溶銑段階で脱燐を施す溶銑予備処理を適用することが一般的である。これにより、溶銑予備処理後に続いて行われる脱炭処理では、処理前の溶銑中Siがほぼか、あるいは零に近い低位の状態となっており、脱炭処理時のスラグ中CaOとSiO2との質量濃度比で定義される塩基度の調整のためのSiO2源として、副原料珪石等を使用している。

0003

この場合、SiO2が常温低温であるため、溶銑中Siを燃焼させてSiO2を生成させる溶銑予備処理を行わない溶銑の脱炭吹錬と比較して、スラグ溶融速度が遅い。この問題を解決するには、滓化(溶融)促進剤として蛍石等のハロゲン化物を使用することが考えられるが、近年は地球環境保護の観点からその使用は望ましくなく、ほとんど使用されることはない。そのため、溶銑予備処理を行われた溶銑の脱炭吹錬ではスラグの溶融が遅く、吹錬終了後もスラグ中に未反応のCaO(本明細書では「フリーCaO」という)が存在していることが多い。

0004

さらに、溶銑予備脱燐処理においても蛍石等のハロゲン化物は全く使用しないことが主流となっており、溶銑予備処理段階で到達可能な燐濃度が以前よりも高濃度側へ変動する傾向がある。しかしながら、前述のように低燐鋼に対する需要は増加する一方であり、これに対応するためには、溶銑予備処理後の脱炭吹錬において仕上げ脱燐を行う必要があり、脱炭吹錬スラグの脱燐能力の確保のため、スラグが高CaO濃度化(高塩基度化)する傾向にある。この脱炭スラグ高CaO濃度化もスラグ中フリーCaO濃度の増加に大きく影響する。

0005

しかし、スラグ中のフリーCaOが増加して高い濃度となると、転炉スラグの現状の再利用方法の主流である路盤材化に大きな問題が生じる。
図1は、蒸気エージング(約24時間)を行われた転炉スラグの水浸膨張率と、転炉スラグのフリーCaO濃度との関係を示すグラフである。

0006

図1に示すグラフから理解されるように、転炉スラグのフリーCaO濃度の上昇により転炉スラグの水浸膨張率が増加することが分かる。これは、フリーCaOが水分と反応してCa(OH)2になって体積膨張するためである。

0007

路盤材のJIS基準では1.5%以下の水浸膨張率を満足する必要があるが、フリーCaOが5質量%以上と高い転炉スラグでは、水浸膨張率が路盤材JIS基準である1.5%を超えてしまう。そのため、そのような高フリーCaO含有スラグは、路盤材化して再利用することが困難になる。転炉スラグを路盤材化により再利用できないと、転炉スラグを廃棄せざるを得なくなるケースが増加し、近年の重要視されている産業廃棄物の低減の観点から大きな問題となる。

0008

これらの問題の対策として、路盤材に使用可能な水浸膨張率の転炉スラグを製造することを目的とした、転炉スラグのフリーCaOの上昇抑制方法に係る発明がこれまでにも提案されている。

0009

特許文献1の段落0010および図2には、脱炭吹錬温度でスラグの液相率が100%となるスラグ中Al2O3濃度を計算により求め、その濃度にスラグ組成を調整することによってスラグ中フリーCaO濃度を低減する方法が開示されている。

先行技術

0010

特開2001−220621号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、この方法では、スラグ中のAl2O3濃度が高まることにより、スラグのフォーミング泡立ち)が助長され、これに伴って、スラグや溶銑の炉外への噴出が発生し操業を継続できなくなるおそれがある。特に、近年では、鋼材需要の高まりに対応するために転炉能率は向上傾向にあり、転炉の上吹き送酸速度が大きく増加しており、脱炭処理時のCOガス発生速度は高く、スラグフォーミングが発生した場合のスラグや溶銑の炉外噴出発生率は大幅に上昇している。

0012

また、Al2O3濃度の増加でスラグ液相率がほぼ100%となると、炉体耐火物レンガのMgOとの反応も促進され、耐火物溶損が促進されるという問題も発生する。したがって、Al2O3源を積極的に用いることを避け、脱燐剤に混入して持ち込まれる範囲内に吹錬後スラグ中のAl2O3濃度を抑えることが好ましい。通常、このAl2O3濃度の上限は4.0質量%であるが、上記した趣旨から3.0質量%であることが一層好ましい。

0013

以上説明したように、近年の環境問題からは、蛍石等のハロゲン化物を使用することは避けなければならず、鋼材の燐濃度の低下も達成しなくてはならないが、Al2O3源を積極的に用いることも避けたい。また、産業廃棄物の低減の観点から、製鋼精錬過程でのスラグの排出量も抑制する必要がある。

0014

本発明の目的は、路盤材化に適さない、フリーCaOが5質量%以上である高フリーCaO濃度の転炉スラグの有効的な再利用方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

本発明者らは、従来の技術が有する課題を解決するためには、フリーCaO上昇を抑制して転炉スラグを路盤材化するのではなく、水浸膨張率の路盤材JIS基準を満足することが難しいレベルにある、5質量%以上の高フリーCaO濃度のスラグを分別し、それを路盤材以外の用途として使用することに着目した。

0016

そして、本発明者らは、溶銑予備脱燐処理を実施していない溶銑を用いて通常の吹錬(脱燐・脱炭処理による溶鋼の製造)において転炉スラグを種々の条件で使用し、最適な使用条件について調査を行った結果、以下に列記する知見(a)〜(c)を得て、本発明を完成した。

0017

(a)5質量%以上の高フリーCaO濃度の転炉スラグを水冷した後、粒径10mm以上100mm以下に粒度調整して、溶銑予備脱燐処理を実施していない溶銑を吹錬して溶鋼を製造する際に脱燐剤の一部として用いると、その転炉スラグを使用しない吹錬の場合と比較して、その含有フリーCaOを単なるCaO源の一つとして考える以上に、その吹錬での脱燐能力が向上する。

0018

(b)転炉スラグを使用した場合では、フリーCaO濃度上昇に応じて脱燐能力が益々向上する。
(c)この脱燐能力の向上の理由は、次のように推察される。高フリーCaO濃度の転炉スラグは、水冷時にフリーCaOがH2Oと反応してCa(OH)2となり、これを通常の吹錬で使用すると、Ca(OH)2がCaOとH2O(気体)に分解し(580℃以上で完全に分解)、発生したH2O(気体)がスラグーメタル攪拌に寄与し、メタルおよびスラグ中の物質移動が促進されるため、脱燐反応が進行する。

0019

本発明は、上底吹き型転炉で溶銑予備脱燐処理を行われていない溶銑を吹錬して溶鋼を製造する際に、溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬で発生した転炉スラグであって、前記スラグ発生時のフリーCaOの質量濃度が5.0%以上のものを分別、かつ、該転炉スラグに30分間以上散水したものを粒径10mm以上100mm以下に調整して、上底吹き型転炉内投入して、吹錬後のスラグの質量濃度比(%CaO)/(%SiO2)が3.0以上5.0以下となるとともに(%Al2O3)が4.0質量%以下となるように、吹錬を行うことを特徴とする転炉スラグの再利用方法である。

発明の効果

0020

本発明によれば、路盤材化に適さないフリーCaOの濃度が5.0質量%以上である転炉スラグの有効的な再利用方法を提供することが可能となり、これにより、近年重要視されている産業廃棄物の低減を図ることができる。

図面の簡単な説明

0021

図1は、蒸気エージングを行われた転炉スラグの水浸膨張率とフリーCaO濃度との関係を示すグラフである。
図2は、転炉吹錬後のスラグ塩基度が3.0〜4.0、かつ、Al2O3の質量濃度が3.0質量%以下の条件で、転炉スラグ不使用の場合と、本発明の所定要件を満たす転炉スラグを使用した場合とにおける、転炉吹錬後のスラグ中T.Fe濃度とスラグ・溶鋼間のP分配比との関係を示すグラフである。
図3は、スラグT.Feを18〜22質量%と限定した条件において、スラグ塩基度とP分配比との関係を示すグラフである。

0022

以下、本発明を実施するための形態を詳述する。
本発明では、上底吹き型転炉で溶銑予備脱燐処理を行われていない溶銑を吹錬して溶鋼を製造する操業方法で、吹錬を行う。

0023

この際に、以前の溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬で発生した転炉スラグに30分間以上散水した後に粒径10mm以上100mm以下に粒度調整したものを、吹錬処理開始前に上底吹き型転炉内へ投入する。

0024

そして、蛍石などのハロゲン化物を含む滓化促進剤、Al2O3を20質量%以上含有する取鍋スラグや廃耐火物等のAl2O3源を積極的に添加することなく、溶銑Si濃度の値に応じて、吹錬処理後のスラグ中の(%CaO)/(%SiO2)で定義される塩基度が3.0以上5.0以下となるとともに、(%Al2O3)が4.0質量%以下となるように、CaOを50質量%以上含む生石灰等の脱燐剤を投入して、吹錬を行う。

0025

この操業方法により上底吹き型転炉内で再利用する転炉スラグは、溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬を行われた後の炉内から排出されたものを、一定量運搬用コンテナへ投入し、その後上部からシャワー状の水をかけて冷却する。冷却時間は、より多くのフリーCaOをH2Oと反応させるため、30分間以上行う。

0026

このようにして水冷した転炉スラグをスラグヤードへ仮置きし、さらに大気中の水分と反応する時間を確保し、H2Oとの反応量を増加させることが、一層望ましい。
このようにして水冷および大気中放冷を行った後の転炉スラグを、粒径10mm以上100mm以下に粒度を揃えて、前記の通常吹錬で使用する。この転炉スラグの添加は、上底吹き型転炉内へ溶銑を装入する前にスクラップ一緒スクラップシュート内へ投入して行うことが効率的である。一方で、炉上バンカー内へ転炉スラグを搬送し、炉上から投入しても構わない。

0027

なお、フリーCaOが5質量%以上のスラグの分別は、操業経験に基づいて以前の溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬時の操業データから当該吹錬後のスラグ中フリーCaO濃度を推測し、その時点で分別を実行しても良い。この場合、当該吹錬後のスラグ全部を30分間以上水冷することで、本発明の実施に供するスラグを容易に製造することができる。

0028

また、そのスラグの分別は、スラグへの30分間以上の散水後にスラグをサンプリングし、そのスラグサンプル中にCa(OH)2が乾燥状態で5%以上(5×(72/56)×0.8)のものを分別することにより、行ってもよい。なお、この0.8は、水酸化率80%を意味する。

0029

この転炉スラグの使用量は、通常吹錬に供する溶銑1トンあたり3kg以上とすることが、本発明の効果を確実に得られるために、望ましい。ただし、吹錬終了後の塩基度を調整する必要もあるので、溶銑1トンあたり10kg程度が通常使用量の上限となる。

0030

また、スラグ中のフリーCaO濃度は、溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬で発生した直後の濃度が8.0質量%以上であるほうが、より通常吹錬での脱燐能力が大きく、望ましい。
このようにして、本発明によれば、路盤材化に適さないフリーCaOの濃度が5.0質量%以上である転炉スラグの有効的な再利用方法を提供することが可能になり、近年重要視されている産業廃棄物の低減を図ることができる。

0031

実施例を参照しながら、本発明をより具体的に説明する。
表1に示す成分範囲を有するとともに、発生時のスラグ中のフリーCaO濃度が5.0質量%以上である、溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬で発生した転炉スラグを、30分間以上水冷し、粒径10mm以上100mm以下に粒度調整したものを、上底吹き型転炉の炉内へ3〜8kg/トン装入した。

0032

0033

その後、この上底吹き型転炉の炉内へ、転炉装入前の成分が[C]:約4.5〜4.9質量%、[Si]:0.15〜0.45質量%、[P]:0.100〜0.110質量%、[Mn]:0.15〜0.36質量%であり、脱炭処理前温度が1310〜1410℃である溶銑約260〜280トンと、スクラップ約25〜48トンとを装入し、溶銑質量トンあたりの送酸量2.80Nm3/min.〜3.35Nm3/min.で吹きつけながら吹錬を行った。なお、吹錬終了後、転炉から取鍋へ移した際の溶鋼温度は1600〜1630℃であった。

0034

上記の条件で吹錬を行った場合のスラグの脱燐能力と、比較として、転炉スラグを添加しないで吹錬を行った場合の主な吹錬条件と吹錬結果を表2にまとめて示す。

0035

0036

また、スラグの脱燐能力の比較を図2および図3にグラフで示す。
転炉吹錬では、転炉吹錬後のスラグ塩基度(スラグ中成分を分析して得た質量濃度比(%CaO/%SiO2))が高く、スラグ中T.Fe濃度が高い場合に脱燐効率が高くなり、その効率は一般にスラグと溶鋼との間のP分配比(Pの質量濃度比)を指標として表される。

0037

図2は、転炉吹錬後のスラグ塩基度が3.0〜4.0、かつ、Al2O3の質量濃度が3.0質量%以下の条件で、転炉スラグ不使用の場合と、本発明の所定要件を満たす転炉スラグを使用した場合とにおける、転炉吹錬後のスラグ中T.Fe濃度とスラグ・溶鋼間のP分配比との関係を示すグラフである。

0038

図2に示すグラフから、同一のスラグ塩基度範囲である場合にスラグT.Fe濃度が高いほうが、P分配比が高いこと、及び本発明に係る転炉スラグを使用した場合にP分配比が一層高くなっていることが分かる。

0039

図3は、スラグT.Feを18〜22質量%と限定した条件において、スラグ塩基度とP分配比との関係を示すグラフである。
図3に示すグラフから、スラグ塩基度が同一であっても、本発明例のP分配比が高いことがわかる。このことから、本発明で規定する条件を満足する転炉スラグ中に含まれるCaO成分は、単にスラグ塩基度を高めるだけのCaO源の一つとしての使用効果だけに留まらず、それ以上の脱燐効果を発揮していることが分かる。

実施例

0040

図2、3に示すグラフから、フリーCaOの質量濃度が5.0%以上である、溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬で発生する転炉スラグを所定の水冷後に添加することにより、通常予測できる以上の高い脱燐能力が得られること、さらに、使用する転炉スラグのフリーCaO濃度が高くなると、得られる脱燐能力も一層高くなることが分かる。

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