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技術 リポ多糖、イネ発酵エキス及びイネ発酵エキス配合物

出願人 杣源一郎有限会社バイオメディカルリサーチグループ自然免疫応用技研株式会社
発明者 稲川裕之河内千恵杣源一郎
出願日 2009年4月5日 (11年7ヶ月経過) 出願番号 2009-091637
公開日 2010年10月28日 (10年0ヶ月経過) 公開番号 2010-241945
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 多糖類及びその誘導体 飼料(2)(一般) 肥料 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 食品の着色及び栄養改善 化合物または医薬の治療活性 植物物質含有医薬
主要キーワード 亜硝酸量 実重量 最大含有量 副バンド 本濃縮液 乾燥米 相当品 高速冷却
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この項目の情報は公開日時点(2010年10月28日)のものです。
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課題

従来のムギのパントエアアグロメランスリポ多糖と異なる性格を有し、優れたリポ多糖、該リポ多糖を含むエキス及びその応用品を提供すること。

解決手段

イネに共生するグラム陰性菌からリポ多糖を得た。このリポ多糖は従来のムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖と比べて、高いリムラス活性を有し、副バンド分子量が低く、異なる糖鎖構造を有し、異なるリピドA構造を有し、タンパク質含量糖含量核酸含量、及びリムラス活性物質量が異なり、高い予防効果を有する。

概要

背景

リポ多糖グラム陰性菌細胞壁外膜に存在する糖脂質であり、これまで知られている物質の中で最も微量で強力な自然免疫賦活作用を有し、適切に用いることができれば有益な生物学的作用を期待できる(たとえば、特許文献1参照)。リポ多糖の基本構造リピドAと呼ばれる脂質に糖鎖(コア多糖O抗原多糖等)が結合した物質である。リポ多糖の生物活性免疫系細胞等の膜表面にあるリポ多糖受容体であるトル様受容体-4と結合し細胞シグナル伝達機構を介して活性化されたDNA転写因子が核内に移行することで起こる。トル様受容体-4とリポ多糖の結合はリポ多糖を構成するリピドAや糖鎖の構造により異なり、そのため、リポ多糖の生物活性はリポ多糖の構造により異なる。

リポ多糖の構造は由来する微生物により異なることが知られているが、リピドA部分は保存性が高く、糖鎖部分多様性が高い。すなわち、近縁種間ではリピドAの構造は保存されているが、糖鎖構造は異なる。たとえば、大腸菌のO-157とO-111と表現される菌株は、同一の大腸菌種であるが、その糖鎖構造が異なり、異なる菌株とされている。リピドA部分はトル様受容体-4との結合に主要な役割を担うことからリピドA構造が異なると生物活性は大きく異なると考えられる。

近年、小麦共存しているグラム陰性菌のパントエアアグロメランスのリポ多糖(IP-PA1(登録商標))は経口、経皮投与で強力な自然免疫賦活作用を示すことが報告されている。マクロファージを用いた腫瘍壊死因子(TNF-α)の産生増強実験で、IP-PA1は大腸菌由来のリポ多糖と比べて3倍強いマクロファージ活性化作用を示し、動物実験では、皮内又は経口投与によりアトピー性皮膚炎胃潰瘍ウイルス感染急性疼痛トキソプラズマ感染症高脂血症糖尿病コカインモルヒネ中毒腫瘍に予防ないし治療効果があることが示され、臨床効果としても腫瘍、ヘルペス疼痛、アトピー性皮膚炎といった、複数の疾病治療に有効であることが明らかにされている。

概要

従来のムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖と異なる性格を有し、優れたリポ多糖、該リポ多糖を含むエキス及びその応用品を提供すること。イネに共生するグラム陰性菌からリポ多糖を得た。このリポ多糖は従来のムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖と比べて、高いリムラス活性を有し、副バンド分子量が低く、異なる糖鎖構造を有し、異なるリピドA構造を有し、タンパク質含量糖含量核酸含量、及びリムラス活性物質量が異なり、高い予防効果を有する。なし

目的

本発明によれば、従来のムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖と異なる性格を有し、優れたリポ多糖、該リポ多糖を含むエキス及びその応用品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

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請求項1

イネに共生するグラム陰性菌から得られることを特徴とするリポ多糖

請求項2

イネ科植物由来素材をイネに共生するグラム陰性菌によって発酵させて、同時に該グラム陰性菌を培養することによって得られることを特徴とするイネ発酵エキス

請求項3

請求項2記載のイネ発酵エキスから得られることを特徴とするイネ発酵エキス末。

請求項4

請求項2記載のイネ発酵エキス又は請求項3記載のイネ発酵エキス末が配合されていることを特徴とするイネ発酵エキス配合物

請求項5

前記イネ発酵エキス配合物が医薬品、食品化粧品雑貨飼料肥料、又は日用品であることを特徴とする請求項4記載のイネ発酵エキス配合物。

技術分野

0001

本発明は、イネに共生するパントエア近縁菌のリポ多糖、該リポ多糖を含むイネ発酵エキス及びイネ発酵エキス配合物に関する。

背景技術

0002

リポ多糖はグラム陰性菌細胞壁外膜に存在する糖脂質であり、これまで知られている物質の中で最も微量で強力な自然免疫賦活作用を有し、適切に用いることができれば有益な生物学的作用を期待できる(たとえば、特許文献1参照)。リポ多糖の基本構造リピドAと呼ばれる脂質に糖鎖(コア多糖O抗原多糖等)が結合した物質である。リポ多糖の生物活性免疫系細胞等の膜表面にあるリポ多糖受容体であるトル様受容体-4と結合し細胞シグナル伝達機構を介して活性化されたDNA転写因子が核内に移行することで起こる。トル様受容体-4とリポ多糖の結合はリポ多糖を構成するリピドAや糖鎖の構造により異なり、そのため、リポ多糖の生物活性はリポ多糖の構造により異なる。

0003

リポ多糖の構造は由来する微生物により異なることが知られているが、リピドA部分は保存性が高く、糖鎖部分多様性が高い。すなわち、近縁種間ではリピドAの構造は保存されているが、糖鎖構造は異なる。たとえば、大腸菌のO-157とO-111と表現される菌株は、同一の大腸菌種であるが、その糖鎖構造が異なり、異なる菌株とされている。リピドA部分はトル様受容体-4との結合に主要な役割を担うことからリピドA構造が異なると生物活性は大きく異なると考えられる。

0004

近年、小麦共存しているグラム陰性菌のパントエア・アグロメランスのリポ多糖(IP-PA1(登録商標))は経口、経皮投与で強力な自然免疫賦活作用を示すことが報告されている。マクロファージを用いた腫瘍壊死因子(TNF-α)の産生増強実験で、IP-PA1は大腸菌由来のリポ多糖と比べて3倍強いマクロファージ活性化作用を示し、動物実験では、皮内又は経口投与によりアトピー性皮膚炎胃潰瘍ウイルス感染急性疼痛トキソプラズマ感染症高脂血症糖尿病コカインモルヒネ中毒腫瘍に予防ないし治療効果があることが示され、臨床効果としても腫瘍、ヘルペス疼痛、アトピー性皮膚炎といった、複数の疾病治療に有効であることが明らかにされている。

0005

国際公開第2005/030938号

先行技術

0006

A. Satoh et al., "PhysiologicalProperties and Phylogenetic Affiliations of Anaerobic Bacteria Isolated fromRoots of Rice Plants Cultivated on a Paddy Field", Anaerobe (2002) 8, pp.233-246

発明が解決しようとする課題

0007

以上のことから、ムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖(IP-PA1)とは生物活性が異なる新規のリポ多糖があれば、諸疾患に対する別な予防・治療効果が期待できるものと考えられる。ところで、パントエア・アグロメランスは種々の食用植物(ムギ、イネ、ジャガイモシイタケナシリンゴなど)に共生しており、人類は長い間これを摂取してきた経験を有する。また、パントエア・アグロメランスは発酵ライ麦パン乳酸発酵に先立ち多量に増殖することが知られている。すなわち、パントエア・アグロメランスは食経験の長いグラム陰性菌であるといえる。食経験のあることが新規の食品として求められているが、グラム陰性菌の食経験は乳酸菌やパントエア菌など少数であり、大腸菌の食経験は報告がない。そのため、パントエア菌の中から、ムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖と異なる性格を持つパントエア菌を見いだす必要がある。性格を大きく異ならせるためには、リピドAの構造が異なるものが望ましい。しかし、上述したように、リピドAの構造は保存性が高く、同一種のパントエア菌株にリピドAが異なるものが存在するとは考えにくい。

0008

しかし、我々は、種々の食用植物から単離されたパントエア・アグロメランスの中からムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖(IP-PA1)と異なる性格を有するリポ多糖を持つパントエア菌を鋭意スクリーニングしたところ、ついに、イネのパントエア・アグロメランスからIP-PA1とは性格の異なるリピドA構造を持つ優れたリポ多糖を見いだすことができた。

課題を解決するための手段

0009

本発明のリポ多糖は、イネに共生するグラム陰性菌から得られることを特徴とする。

0010

また、本発明のイネ発酵エキスは、イネ科植物由来素材をイネに共生するグラム陰性菌によって発酵させて、同時に該グラム陰性菌を培養することによって得られることを特徴とする。

0011

また、本発明のイネ発酵エキス末は、上記イネ発酵エキスから得られることを特徴とする。

0012

また、本発明のイネ発酵エキス配合物は、上記イネ発酵エキス又は上記イネ発酵エキス末が配合されていることを特徴とする。

0013

また、本発明のイネ発酵エキス配合物は、医薬品、食品、化粧品雑貨飼料肥料、又は日用品であることを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明によれば、従来のムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖と異なる性格を有し、優れたリポ多糖、該リポ多糖を含むエキス及びその応用品を提供することができる。

0015

以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。

0016

イネのパントエア・アグロメランス菌体からのリポ多糖の精製
イネより単離されたパントエア・アグロメランス(A46株(非特許文献1参照))のコロニーの一部を掻き取り普通寒天培地に播き、30度の恒温そう内で一晩培養した。コロニー一つを滅菌済みリアブロス(LB)培地1リットルの入った3リットルの坂口フラスコに入れ、30度にて一晩振盪培養した。培養後、遠心チューブ培養液を移し、7000 回転/分 (rpm)で遠心分離(HITACHISCR-20B)を行い、A46株の湿菌体を回収した。A46株の湿菌体からのリポ多糖の精製はWestphalらの方法に従って行った。すなわち、湿菌体5.4gに蒸留水を加えて54ml(湿菌体100mg/ml)とした。菌を懸濁してこの液に同容量の90%フェノールを加え、65度から70度で10分間攪拌した。その後、4度まで液を冷却し、10000 rpmで遠心分離を行った。上層水層を別の容器に回収し、残りのフェノール層と中間層に、回収した水層と同量の蒸留水を加え、再度65度から70度で10分間攪拌しリポ多糖を再抽出した。その後、4度まで液を冷却し、遠心分離を行った。2回目の水層を一回目の水層と合わせ蒸留水で透析しフェノールを除去した。この透析内液をさらにDNA分解酵素(DNase I)(50U/ml)及びRNA分解酵素RNaseA)(20μg/ml)処理し、タンパク分解酵素プロティナーゼK)(100μg/ml)処理後、フェノール抽出を行い、その後、水層を透析しフェノールを除去した。透析終了後、透析内液を回収し、マイクロコンYM-100(ミリポア)を用いて限外濾過により濃縮した。本濃縮液をA46のイネパントエア・アグロメランスの精製リポ多糖(LPSp46)溶液とした。本溶液を凍結乾燥して乾燥重量を測定した。精製リポ多糖LPSp46の乾燥重量は42mgと測定された。リポ多糖に特異的に反応するリムラス活性測定キットとして生化学工業のエンドスペシーを用いた。標準リポ多糖は生化学工業のリポ多糖標準品を用いた。測定されたリムラス活性値とより、IP-PA1としての換算値を算出した。

0017

LPSp46とIP-PA1の糖含量実重量あたりのリムラス活性(LPSによるカブトガニの血液の凝集誘導活性)を表1に示した。リムラス活性によるIP-PA1としての換算値が120mgに対して、乾燥重量が42mgであったので、単位重量当たりのリムラス活性のIP-PA1を基準にした場合の比活性は2.85(120/42)となった。すなわち、リポ多糖LPSp46はIP-PA1より約3倍も高い比活性を有することが明らかとなった。

0018

0019

イネのパントエア・アグロメランスのリポ多糖LPSp46の分子量の測定
トリシンを用いたドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(濃度15%のゲル)により、LPSp46(5μg/レーン)とIP-PA1(5μg/レーン)の分子量を解析した。泳動後、リポ多糖の分子を可視化させる目的でシルベストステイン(Cat No30642-41、ナカライテスク、日本)キットにより銀染色を行った。染色された各サンプルのバンドの分子量サイズを分子量マーカー(Prestained Protein Marker, NEW ENGLAND BioLabs)から読み取った。

0020

結果を表2に示した。リポ多糖LPSp46は主に分子量5000であり、IP-PA1と同等であったが、高分子側の副バンドはIP-PA1よりも低分子量であった。

0021

0022

精製リポ多糖LPSp46のIP-PA1モノクローナル抗体に対する交差反応性の検討
A46株はパントエア属であることからIP-PA1に特異的に反応する抗体に対して交差反応性が認められる可能性がある。そこで、IP-PA1に対して特異的に反応するモノクローナル抗体6種を用いてリポ多糖LPSp46の交差反応性について検討した。96穴イムノプレートにリポ多糖LPSp46、IP-PA1および大腸菌O128 リポ多糖の3種のリポ多糖を10μg/mlの濃度で0.05ml/ウエル入れ、4℃で一晩放置した。その後、リン酸緩衝生理食塩水PBS)(pH7.3〜7.7、日水製薬製)に0.05%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート和光純薬工業製、Tween20相当品)を添加した溶液(PBS−T)で3回洗浄した後、3%牛血清アルブミンを入れ、室温で1時間放置し、抗体その他のタンパク非特異的吸着を防止した。その後、PBS−Tで3回洗浄後、ウエルに、6種のIP-PA1に特異的に反応するモノクローナル抗体を含有するハイブリドーマ培養上清液0.05mlを入れ、室温で1時間放置した。次いで、各ウエルをPBS−Tで5回洗浄し、1%牛血清アルブミンで希釈したアルカリフォスファターゼ結合抗マウスIgG、M、A免疫グロブリン抗体(シグマ社製)を0.05ml/ウエルに入れ、室温で1時間放置した。その後、PBS−Tで5回洗浄し、1mg/mlになるようにp−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム(和光純薬工業製)を基質緩衝液に溶解した溶液を0.1ml/ウエル入れ、室温で1時間放置した後、2規定の水酸化ナトリウム水溶液0.05ml/ウエルを入れてプレートミキサー混和して反応を停止させ、マイクロプレートリーダーにて415nmの吸光度を測定した。その結果を表3に示した。交差反応性が認められない大腸菌O128の精製リポ多糖の場合と同様に発色は認められず、6種のIP-PA1に対するモノクローナル抗体に対してリポ多糖LPSp46の交差反応性は認められなかった。すなわち、リポ多糖LPSp46はIP-PA1と異なる糖鎖構造を有することが明らかとなった。

0023

0024

精製リポ多糖LPSp46の免疫賦活作用の測定
マウスマクロファージ系培養細胞株であるRAW264.7に、リポ多糖を添加した後の、細胞からの一酸化窒素(NO)産生をNO代謝物亜硝酸の培養液中の濃度を指標として測定した。RAW264.7はATCC(No.TIB-71) より購入した。対照として大腸菌O128のリポ多糖とIP-PA1を用いた。

0025

RAW264.7細胞は培養フラスコからピペッティングにより回収し、培養液(10%牛胎児血清含有、カナマイシン50μg/ml、アンピシリン60μg/ml含有RPMI1640培地)により細胞濃度を8×105個/mlに調整した。細胞懸濁液100μl(8×104個/100μl)を96穴平底プレートの各穴に移し、細胞がほぼ付着する6時間後に試験に用いた。リポ多糖LPSp46をIP-PA1のリポ多糖濃度に換算して4000ng/mlになるように調整した。さらに10倍ずつ5段階の段階希釈を行った。各希釈液を培養液でさらに2倍希釈したものと、各希釈液を40μg/mlのポリミキシンB含有培養液でさらに2倍希釈したものをそれぞれ調製し、細胞の入ったウェルへの添加用標品とした。同時に、IP-PA1も試験した。各標品を予め細胞を添加してある96穴平底プレートの各穴に100μlずつ添加した。20時間37℃、5%炭酸ガス培養器内で培養し、培養終了後、上清50μlを別の96穴プレートに回収した。常法に従いグリエス試薬を用いて培養液中の一酸化窒素の代謝物である亜硝酸量を測定した。

0026

表4.に測定結果を示した。リポ多糖LPSp46は1ng/ml(リムラス活性)以上の濃度においてRAW264.7細胞から一酸化窒素を誘導することが示された。リポ多糖LPSp46(リムラス活性に基づいた場合)は、同時に測定したIP-PA1とほぼ同等の用量依存的反応を示すことがわかった。

0027

抗生物質のポリミキシンBは環状のポリペプチドであり、リポ多糖のリピドA部分に親和性が高い。大腸菌やIP-PA1にはよく結合するため、生物活性が強く抑制されることがわかっている。そこで、リポ多糖LPSp46をポリミキシンBにより処理し、一酸化窒素産生能を測定した。

0028

結果を表4.に示した。IP-PA1では、ポリミキシンBとの前処理によりNO誘導能が約1/1000に低下していることが確認された。これに対して、リポ多糖LPSp46では、ポリミキシンBとの前処理を行った場合に、1/5程度の低下しか認められなかった。以上のことから、リポ多糖LPSp46のリピドA構造はIP-PA1と異なることが明らかとなった。

0029

a)IP-PA1は重量濃度で示した。リポ多糖LPSp46はリムラス活性より求めたIP-PA1としての換算重量で示した、b)PolyB−:ポリミキシンBとの前処理なし、PolyB+:ポリミキシンBとの前処理あり、c)各測定値は4例の平均±標準偏差

0030

イネのパントエア・アグロメランスを用いた米ぬか発酵エキスの製造
米ぬか0.5gに蒸留水5mlを加え懸濁し、上澄みをルリアブロス寒天培地に0.1ml添加し、37℃で一晩培養した。寒天培地上に認められたコロニーを単離し、通常の方法で菌を同定し、イネパントエア・アグロメランスを単離し、これを50%グリセロール溶液に懸濁し、冷凍庫に保存した。このストックの一部をルリアブロス寒天培地にとり、37℃に放置してイネパントエア・アグロメランスの独立コロニーを作成した。

0031

2リットルの三角フラスコに米ぬか50gをとり、精製水を加え全量1000mlとした。これを同様にオートクレーブした。調整した溶液等をそれぞれ表1に示した量を無菌的に滅菌した3リットルの坂口フラスコに入れ米ぬか培地とした(A)。前もって同じ組成で調製しておいた米ぬか培地10mlに、米ぬかより単離しておいたパントエア・アグロメランスのコロニーを一つ加え37℃で一晩(12〜15時間)緩やかに撹拌し、発酵させて、米ぬか発酵用の種菌を準備した(B)。

0032

(A)に(B)を全量加え37℃で撹拌しながら、20〜30時間発酵させた。この米ぬか発酵溶液を遠心分離(日立高速冷却遠心機SCR−20B、5000rpm、20分間、4℃)し、沈殿を回収した。この沈殿にリン酸緩衝液を加えて懸濁し、全量100mlとして、33mlずつ50ml遠心管に移し、沸騰水浴中で30分間加熱抽出した。加熱終了後、室温まで冷却し、本液を遠心分離(日立、高速冷却遠心機 SCR−20B、10000rpm、20分間、20℃)した。遠心後、淡黄色の上清82mlをデカントで別の容器に回収した。

0033

この上清80mlに8.9mlの5モル塩ナトリウム溶液を加えた。これに178mlのエタノールを加えると白濁を生じた。これを、冷凍庫(−90℃)で一晩放置後、本液を遠心分離(日立、高速冷却遠心機SCR−20B、10000rpm、20分間、4℃)した。上清を除き沈殿を得た。沈殿に冷やした10mlの70%エタノールを加え、懸濁した後、本液を遠心分離(日立、高速冷却遠心機 SCR−20B、10000rpm、20分間、20℃)し、沈殿を洗浄した。沈殿を風乾し、蒸留水に溶解し、11mlの米ぬか発酵エキス溶液を得た。重量は溶液0.3mlを予め量した1.5mlプラスチックチューブに移し、凍結乾燥を行い、その重量を測定した。

0034

同一の方法で独立に3回の米ぬか発酵エキスを製造し、それぞれをブラッドフォード法によるタンパク質定量BSAを標準タンパク質として、各サンプルのタンパク質量を測定した。測定結果を表5に示した。米ぬか発酵エキスについての数値は上記で得られるエキスを乾燥して得られた重量の1gあたりの含有量をmgで表示した。糖含量はフェノール硫酸法によりグルコースを標準糖として測定した。核酸含量は500倍希釈したサンプルの210〜340nmの吸光度測定を行い、260nmの吸光度から320nmの吸光度を引いた値と、DNAとしての吸光度1ODあたり、50μgとしての最大含有量を算出した。リムラス活性物質量は生化学工業のトキシカラーシステムを用い、標準リムラス活性物質として、生化学工業CSE-Lを用いた。測定結果を表5に示した。対照としてリポ多糖IP-PA1における各数値を示した。表5から、タンパク質含量、糖含量、核酸含量、及びリムラス活性物質量において、乾燥米ぬか発酵エキスはムギのパントエア・アグロメランスのリポ多糖とは異なることが明らかである。

0035

0036

米ぬか発酵エキスの感染防除効果
米ぬか発酵エキスまたは小麦発酵エキスを水に希釈し、養殖魚用飼料噴霧し、乾燥させた。対照として水だけを飼料に噴霧した。平均体重20gのニシキゴイ20匹に各飼料を7日間体重の1%になるように毎日与えた。なお、体重kgあたり、リポ多糖LPSp46またはIP-PA1が10マイクログラムになるように調製した。7日間飼料を与えたニシキゴイにエロモナスハイドロフィラを1×107 個の生菌腹腔内に投与し、感染させた。感染操作後10日間のニシキゴイの生存を観察した。小麦発酵エキス無添加のコイでは、6日目までに全てのコイが死亡した。小麦発酵エキス含有飼料を投与した群では、感染10日目において、生存率30%であった。米ぬか発酵エキスを投与した群では80%の生存率が示された。米ぬか発酵エキスは小麦発酵エキスよりも高い予防効果が認められた。

実施例

0037

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。

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