図面 (/)

技術 ブートコンデンサの充電方法

出願人 ダイキン工業株式会社
発明者 佐藤俊彰
出願日 2010年7月5日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2010-152722
公開日 2010年10月14日 (10年2ヶ月経過) 公開番号 2010-233447
状態 特許登録済
技術分野 インバータ装置 電力変換一般
主要キーワード 充電時定数τ モータ負荷電流 ローアーム 高電位端 低電位端 充電相 誘導起電圧 各充電電圧
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年10月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

直流電圧の低下を抑えつつ、各相ブートコンデンサ駆動電圧バラツキを低減させるように充電することが可能なブートコンデンサの充電方法を提供する。

解決手段

インバータにおいて、U相、V相、W相の各ブートコンデンサを電源回路30によって充電するブートコンデンサの充電方法であって、以下の3つのステップを備えている。第1ステップでは、トランジスタ41及びトランジスタ42が、前置充電期間において、トランジスタ42をオフ状態に維持して、トランジスタ41を介して電源回路30によってブートコンデンサ32等を充電する。前置充電期間とは、通常のスイッチングを行う通常動作期間よりも前の期間のことをいう。また、第2ステップでは、U相、V相、W相の各相のブートコンデンサそれぞれに対して、第1ステップによって行う充電を1〜20パルスずつ割り当てて行う。そして、第3ステップでは、第2ステップを繰り返す。

概要

背景

一般に、インバータは、出力線を介して相互に直列に接続されたローアーム側スイッチング素子およびハイアーム側スイッチング素子を有した相を複数備えて構成されている。このインバータを制御する技術としては、従来から、ブートコンデンサを用いる技術が存在する。そして、出力線に一端が接続されたブートコンデンサは、出力線に対して高電位を生成してハイアーム側スイッチング素子を制御する回路(以下「ハイアーム制御回路」と称す)の電源を得るために充電される。このハイアーム制御回路は、ブートコンデンサが充分に充電された状態で正常に動作する。

しかし、インバータ制御初期段階では、各相のブートコンデンサを充電するために大きな電流が流れるので、直流電圧が低下する場合がある。その場合には、各相全てのブートコンデンサを充分に充電された状態とするために要する時間が長くなる。このため、インバータ制御の初期段階において、ハイアーム制御回路を正常に動作させることができない期間が長引いてしまう。

これに対して、特許文献1(特開平2003−61363号公報)に記載のブートコンデンサの充電方法では、各相の充電をタイミングをズラして排他的に行うというアイデアが提案されている。これによると、充電時における直流電圧の低下を抑えてブートコンデンサを充電することができる。

概要

直流電圧の低下を抑えつつ、各相のブートコンデンサの駆動電圧バラツキを低減させるように充電することが可能なブートコンデンサの充電方法を提供する。インバータにおいて、U相、V相、W相の各ブートコンデンサを電源回路30によって充電するブートコンデンサの充電方法であって、以下の3つのステップを備えている。第1ステップでは、トランジスタ41及びトランジスタ42が、前置充電期間において、トランジスタ42をオフ状態に維持して、トランジスタ41を介して電源回路30によってブートコンデンサ32等を充電する。前置充電期間とは、通常のスイッチングを行う通常動作期間よりも前の期間のことをいう。また、第2ステップでは、U相、V相、W相の各相のブートコンデンサそれぞれに対して、第1ステップによって行う充電を1〜20パルスずつ割り当てて行う。そして、第3ステップでは、第2ステップを繰り返す。

目的

本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、直流電圧の低下を抑えつつ、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能なブートコンデンサの充電方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ローアーム側スイッチング素子(41)に対して直列に接続されたハイアーム側スイッチング素子(42)の動作を制御するハイアーム制御回路(33)及び前記ハイアーム制御回路(33)に対して動作電源を与えるブートコンデンサ(32)を有する複数の相(5U、5V、5W)と、前記ローアーム側スイッチング素子(41)と電源回路(30)との間に配置され、複数の前記相(5U、5V、5W)に接続された負荷(6)に過大電流が流れたときに前記過大電流による前記ローアーム側スイッチング素子(41)及び前記ハイアーム側スイッチング素子(42)の破壊を回避し、且つ前記ブートコンデンサ(32)の充電時の電流も検知するための電流保護回路電流検知回路と、が設けられたインバータにおいて、前記各相の各ブートコンデンサ(32)を前記電源回路(30)によって充電するブートコンデンサ(32)の充電方法であって、前記インバータにおいて前記ローアーム側スイッチング素子(41)及び前記ハイアーム側スイッチング素子(42)が通常のスイッチングを行う通常動作期間よりも前の前置充電期間において、前記ハイアーム側スイッチング素子(42)がオフのままで前記ローアーム側スイッチング素子(41)がオン・オフを繰り返すことによって前記電源回路(30)から前記ブートコンデンサ(32)に所定の時間間隔を空けたパルスが供給されて充電される第1ステップと、前記各相の前記ブートコンデンサ(32)それぞれに対して前記第1ステップによる充電が、前記パルスが所定数供給される毎に切り替えられて行なわれる第2ステップと、前記第2ステップが繰り返される第3ステップと、を備えたブートコンデンサ(32)の充電方法。

請求項2

前記第2ステップでは、1パルス当たりの時間、印加電圧、前記ブートコンデンサ(32)における充放電速度特性、必要充電電圧の少なくともいずれか1つに基づいて定まるパルス数によって切り替える、請求項1に記載のブートコンデンサ(32)の充電方法。

請求項3

前記第2ステップでは、1パルス当たりの時間を、印加電圧、充電電流、前記ブートコンデンサ(32)における充放電速度特性、必要充電電圧、前記第1ステップにおける充電の切り替えに要するパルス数の少なくともいずれか1つに基づいて定める、請求項1または2に記載のブートコンデンサ(32)の充電方法。

請求項4

前記第2ステップでは、1〜20パルスの範囲内で、各相のブートコンデンサ(32)に応じて割り当てるパルス数を違える、請求項1から3のいずれか1項に記載のブートコンデンサ(32)の充電方法。

請求項5

前記第2ステップのパルス数による充電では、前記ブートコンデンサ(32)の容量に蓄えられる電荷のうちの一部を充電する、請求項1から4のいずれか1項に記載のブートコンデンサ(32)の充電方法。

請求項6

前記第3ステップにおいて前記第2ステップを繰り返す頻度は、前記ブートコンデンサ(32)からの単位時間当たりの放電量に基づいて定める、請求項1から5のいずれか1項に記載のブートコンデンサ(32)の充電方法。

請求項7

前記各相の前記ブートコンデンサ(32)は、前記第2ステップを繰り返す頻度の1周期の間に前記ブートコンデンサ(32)から放電されて低下する前記ブートコンデンサ(32)の両端電圧の低下量と、前記ブートコンデンサ(32)において必要とされる所定の電圧と、を合算した電圧を保持できるだけの容量を有している、請求項1から6のいずれか1項に記載のブートコンデンサ(32)の充電方法。

請求項8

前記第2ステップは、前記パルスが複数供給される毎に切り替えられて行なわれる、請求項1から7のいずれか1項に記載のブートコンデンサ(32)の充電方法。

請求項9

1つの前記パルスによるオン時間が、前記通常動作期間における前記ローアーム側スイッチング素子(41)の1回のオン時間よりも短い、請求項1から8のいずれか1項に記載のブートコンデンサ(32)の充電方法。

技術分野

0001

本発明は、ブートコンデンサ充電方法、特に、ローアーム側スイッチング素子に対して直列に接続されたハイアーム側スイッチング素子の動作を制御するハイアーム制御回路と、ハイアーム制御回路に対して動作電源を与えるブートコンデンサと、を有する相が複数設けられたインバータにおいて、各相の各ブートコンデンサを電源回路によって充電するブートコンデンサの充電方法に関する。

背景技術

0002

一般に、インバータは、出力線を介して相互に直列に接続されたローアーム側スイッチング素子およびハイアーム側スイッチング素子を有した相を複数備えて構成されている。このインバータを制御する技術としては、従来から、ブートコンデンサを用いる技術が存在する。そして、出力線に一端が接続されたブートコンデンサは、出力線に対して高電位を生成してハイアーム側スイッチング素子を制御する回路(以下「ハイアーム制御回路」と称す)の電源を得るために充電される。このハイアーム制御回路は、ブートコンデンサが充分に充電された状態で正常に動作する。

0003

しかし、インバータ制御初期段階では、各相のブートコンデンサを充電するために大きな電流が流れるので、直流電圧が低下する場合がある。その場合には、各相全てのブートコンデンサを充分に充電された状態とするために要する時間が長くなる。このため、インバータ制御の初期段階において、ハイアーム制御回路を正常に動作させることができない期間が長引いてしまう。

0004

これに対して、特許文献1(特開平2003−61363号公報)に記載のブートコンデンサの充電方法では、各相の充電をタイミングをズラして排他的に行うというアイデアが提案されている。これによると、充電時における直流電圧の低下を抑えてブートコンデンサを充電することができる。

発明が解決しようとする課題

0005

ところが、上記特許文献1に記載のブートコンデンサの充電方法は、各相のブートコンデンサを1つずつ順次充電する方法である。このため、最初に充電を終えたブートコンデンサは、各相のブートコンデンサが順次充電されて、最後のブートコンデンサの充電が終了するに至るまでの間、少しずつ放電してしまい、他の相のブートコンデンサの充電電圧と異なってしまう。このため、各相のブートコンデンサの駆動電圧バラツキが生じてしまう。

0006

本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、直流電圧の低下を抑えつつ、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能なブートコンデンサの充電方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

第1発明に係るブートコンデンサの充電方法は、ローアーム側スイッチング素子に対して直列に接続されたハイアーム側スイッチング素子の動作を制御するハイアーム制御回路及びハイアーム制御回路に対して動作電源を与えるブートコンデンサを有する複数の相と、ローアーム側スイッチング素子と電源回路との間に配置され、複数の相に接続された負荷過大電流が流れたときに過大電流によるローアーム側スイッチング素子及びハイアーム側スイッチング素子の破壊を回避し、且つブートコンデンサの充電時の電流も検知するための電流保護回路電流検知回路と、が設けられたインバータにおいて、各相の各ブートコンデンサを電源回路によって充電するブートコンデンサの充電方法であって、以下の3つのステップを備えている。第1ステップでは、インバータにおいてローアーム側スイッチング素子及びハイアーム側スイッチング素子が、前置充電期間において、ハイアーム側スイッチング素子がオフのままでローアーム側スイッチング素子がオン・オフを繰り返すことによって電源回路からブートコンデンサに所定の時間間隔を空けたパルスが供給されて充電される。ここで、前置充電期間とは、通常のスイッチングを行う通常動作期間よりも前の期間のことをいう。また、第2ステップでは、各相のブートコンデンサに対して第1ステップによる充電が、パルスが所定数供給される毎に切り替えられて行なわれる。そして、第3ステップでは、第2ステップが繰り返される。なお、第1ステップによる充電の切り替えは、1〜20パルスの間であればよく、例えば、1〜10パルス毎等の場合も含まれる。なお、1パルス毎に充電を切り替える場合も当然含まれる。

0008

複数のブートコンデンサを順次充電する従来の充電方法では、初期に充電されたブートコンデンサは少しずつ放電されてしまうため、各相のブートコンデンサの駆動電圧にバラツキが生じている。

0009

これに対して、第1発明のブートコンデンサの充電方法では、第2ステップにおいて複数のブートコンデンサのうち1つのブートコンデンサに対して1〜20パルスずつの時間を割いて切り替えながら第1ステップによって行う充電をしている。これにより、直流電圧の低下を抑えることができる。そして、このような第2ステップによる充電は、第3ステップによって繰り返し行われる。これにより、各ブートコンデンサは、同等の速度で充電されていく。

0010

これにより、直流電圧の低下を抑えつつ、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

0011

また、上記充電方法によって複数のブートコンデンサ間の駆動電圧のバラツキを低減できた場合には、この充電されたブートコンデンサを用いることによってモータ等の駆動を安定化させることが可能になる。

0012

また、このブートコンデンサの充電方法では、ブートコンデンサに供給される電流が小さいので、充電時に過電流保護回路が動作して正常な運転ができなくなることが抑制される。

0013

なお、従来の前置充電期間による充電と同様に、通常動作期間よりも前に、前置充電期間においてブートコンデンサを充電している。このため、通常動作期間の当初からインバータ制御回路を正常に動作させることを容易に実現することが可能になる。また、前置充電期間において、ハイアーム側スイッチング素子がオフ状態となるように維持している。このため、インバータの負荷を動作させることなくブートコンデンサを充電することが可能になる。

0014

第2発明に係るブートコンデンサの充電方法は、第1発明に係るブートコンデンサの充電方法であって、第2ステップでは、1パルス当たりの時間、印加電圧、ブートコンデンサにおける充放電速度特性、必要充電電圧の少なくともいずれか1つに基づいて定まるパルス数によって切り替える。なお、ここでの、1パルスとしては、1つのオン状態の時間、1つのオン状態とオフ状態との組み合わせの時間、もしくは、1つのオン状態とオフ状態との比率のいずれであってもよい。

0015

ここでは、第2ステップにおいて切り替えを行うパルス数を、1パルスに当たりの時間、印加電圧、ブートコンデンサにおける充放電速度特性、必要充電電圧の少なくともいずれか1つに基づいて定めている。よって、インバータの各相に設けられているブートコンデンサの性能がことなる場合であっても、これに対応した充電を行うことが可能になる。

0016

これにより、インバータの設計が異なる場合であっても、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

0017

第3発明に係るブートコンデンサの充電方法は、第1発明または第2発明に係るブートコンデンサの充電方法であって、第2ステップでは、1パルス当たりの時間を、印加電圧、充電電流、ブートコンデンサにおける充放電速度特性、必要充電電圧、第1ステップにおける充電の切り替えに要するパルス数の少なくともいずれか1つに基づいて定める。なお、ここでの、1パルスとしては、1つのオン状態の時間、1つのオン状態とオフ状態との組み合わせの時間、もしくは、1つのオン状態とオフ状態との比率のいずれであってもよい。

0018

ここでは、1パルス当たりの時間を、印加電圧、充電電流、ブートコンデンサにおける充放電速度特性、必要充電電圧、第1ステップにおける充電の切り替えに要するパルス数の少なくともいずれか1つに基づいて定めている。よって、インバータの各相に設けられているブートコンデンサの性能がことなる場合であっても、これに対応した充電を行うことが可能になる。

0019

これにより、インバータの設計が異なる場合であっても、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

0020

第4発明に係るブートコンデンサの充電方法は、第1発明から第3発明のいずれか1つに係るブートコンデンサの充電方法であって、第2ステップでは、1〜20パルスの範囲内で、各相のブートコンデンサに応じて割り当てるパルス数を違える。

0021

ここでは、ブートコンデンサにおいて要求されている電圧がそれぞれ異なる場合や、各ブートコンデンサの容量が異なる場合や、各ブートコンデンサの充電速度等の性質が異なる場合であっても、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

0022

第5発明に係るブートコンデンサの充電方法は、第1発明から第4発明のいずれか1つに係るブートコンデンサの充電方法であって、第2ステップにおける充電では、ブートコンデンサの容量に蓄えられる電荷の一部を充電する。

0023

ここでは、第2ステップにおける充電では、1つのブートコンデンサに対して1〜20パルス割り当てられることで、ブートコンデンサの容量の一部を充電する。このため、1つのブートコンデンサの充電を終えてから他のブートコンデンサの充電を開始するのではなく、1つのブートコンデンサの充電を終える前の段階で他のブートコンデンサの充電を開始する。

0024

これにより、各ブートコンデンサを切り替えながら少しずつ充電することで、各ブートコンデンサの充電状況のバラツキをより低減させることができる。

0025

第6発明に係るブートコンデンサの充電方法は、第1発明から第5発明のいずれか1つに係るブートコンデンサの充電方法であって、第3ステップにおいて第2ステップを繰り返す頻度は、ブートコンデンサからの単位時間当たりの放電量に基づいて定める。

0026

ここでは、ブートコンデンサから単位時間当たりに放電される電荷量に基づいて第2ステップを繰り返す頻度を定めることで、先に充電されたブートコンデンサからの放電量が所定量を超える前の段階等において、第3ステップによる繰り返しの充電が行われるような頻度に設定することができる。

0027

これにより、複数の相のブートコンデンサの充電のバラツキを低減させるだけでなく、充電所要時間を短縮化させることが可能になる。

0028

第7発明に係るブートコンデンサの充電方法は、第1発明から第6発明のいずれか1つに係るブートコンデンサの充電方法であって、各相のブートコンデンサは、第2ステップを繰り返す頻度の1周期の間にブートコンデンサから放電されて低下するブートコンデンサの両端電圧の低下量と、ブートコンデンサにおいて必要とされる所定の電圧と、を合算した電圧を保持できるだけの容量を有している。

0029

ここでは、第3ステップによって繰り返して充電される頻度に基づいた充電の間隔で放電される分量を考慮して、所定の必要な電圧と、放電される予定の電圧と、の合算分の容量が確保されているブートコンデンサであれば充分となる。

0030

これにより、ブートコンデンサの容量の増大化を抑えることが可能になる。

0031

第8発明に係るブートコンデンサの充電方法は、第1発明から第7発明のいずれか1つに係るブートコンデンサの充電方法であって、第2ステップが、パルスが複数供給される毎に切り替えられて行なわれる。ここでも、第1発明と同様の効果が得られる。

0032

第9発明に係るブートコンデンサの充電方法は、第1発明から第8発明のいずれか1つに係るブートコンデンサの充電方法であって、1つのパルスによるオン時間が、通常動作期間におけるローアーム側スイッチング素子、及びハイアーム側スイッチング素子の1回のオン時間よりも短い。ここでも、第1発明と同様の効果が得られる。

発明の効果

0033

第1発明に係るブートコンデンサの充電方法では、直流電圧の低下を抑えつつ、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

0034

第2発明に係るブートコンデンサの充電方法では、インバータの設計が異なる場合であっても、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

0035

第3発明に係るブートコンデンサの充電方法では、インバータの設計が異なる場合であっても、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

0036

第4発明に係るブートコンデンサの充電方法では、ブートコンデンサにおいて要求されている電圧がそれぞれ異なる場合や、各ブートコンデンサの容量が異なる場合や、各ブートコンデンサの充電速度等の性質が異なる場合であっても、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

0037

第5発明に係るブートコンデンサの充電方法では、各ブートコンデンサを切り替えながら少しずつ充電することで、各ブートコンデンサの充電状況のバラツキをより低減させることができる。

0038

第6発明に係るブートコンデンサの充電方法では、複数の相のブートコンデンサの充電のバラツキを低減させるだけでなく、充電所要時間を短縮化させることが可能になる。

0039

第7発明に係るブートコンデンサの充電方法では、ブートコンデンサの容量の増大化を抑えることが可能になる。

0040

第8発明または第9発明に係るブートコンデンサの充電方法では、直流電圧の低下を抑えつつ、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になる。

図面の簡単な説明

0041

本発明に係る一実施形態が採用されたブートコンデンサを含む回路図。
インテリジェントパワー回路5Uのみの充電パルス波形を示すグラフ
インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電を1パルス毎に切り替えながら行う充電パルス波形を示すグラフ。
本実施形態による各ブートコンデンサの充電電圧の変化を示すグラフ。
インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電を互いに同期をとりながら行う充電パルス波形を示すグラフ。
インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電を1つずつ順次完了させる充電パルス波形を示すグラフ。
従来のインテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電電圧の変化を示すグラフ。
駆動電圧によるスイッチング素子特性差を示すグラフ。

実施例

0042

<回路の構成>
図1は、インバータ制御を用いて負荷を駆動する装置の構成を例示する回路図である。以下、当該構成を例として本発明の一実施形態が採用された回路図およびブートコンデンサの充電方法について説明する。

0043

ダイオードブリッジ2は、交流電源1を全波整流し、その高電位端図1中「+」と付記)と低電位端図1中「−」と付記)との間に直流電圧を出力する。このダイオードブリッジ2の高電位端と低電位端との間には相互に並列にインテリジェントパワー回路5U、5V、5Wが接続されている。

0044

インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wは、それぞれ出力線7U、7V、7Wを有しており、これらは三相の負荷6に接続されている。ここでは、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wは、それぞれU相、V相、W相に対応して動作する。なお、ここでの負荷6としては、空気調和装置用ファンモータを例に挙げて説明する。

0045

本実施形態に係るブートコンデンサの充電方法は、インテリジェントパワー回路5U、インテリジェントパワー回路5Vおよびインテリジェントパワー回路5Wのそれぞれに対して適用される。ここでは、主として、インテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサ32について説明するが、インテリジェントパワー回路5Vおよびインテリジェントパワー回路5Wについても同様であり、それぞれブートコンデンサを有している。なお、ここでのインテリジェントパワー回路5U、5V、5Wは、例えば、インテリジェントパワーデバイスとしてモジュール化される場合がある。

0046

図1では、インテリジェントパワー回路5Uについて内部を開示して示している。

0047

インテリジェントパワー回路5Uは、主として、インバータ4Uと、インバータ4Uを動作制御するインバータ制御回路3Uと、を備えている。

0048

インバータ4Uは、ローアーム側スイッチング素子である絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(本発明においては単に「トランジスタ」と称す)41と、ハイアーム側スイッチング素子であるNPN型トランジスタ42と、フリーホイールダイオード43、44と、を有している。ここでは、トランジスタ41のコレクタは、フリーホイールダイオード43のカソードと接続されている。また、トランジスタ41のエミッタは、フリーホイールダイオード43のアノードと接続されている。そして、トランジスタ42のコレクタと、フリーホイールダイオード44のカソードとが接続されている。さらに、トランジスタ42のエミッタと、フリーホイールダイオード44のアノードとが接続されている。そして、トランジスタ41、42は、出力線7Uを介してダイオードブリッジ2の高電位端と低電位端との間で相互に直列に接続されている。より詳細には、トランジスタ41のコレクタおよびトランジスタ42のエミッタが共通に出力線7Uに接続されている。トランジスタ41、42ではコレクタ側からエミッタ側へと電流が流れる。

0049

インバータ制御回路3Uには、制御電源回路30およびこれに並列に接続された平滑コンデンサ31から、直流電圧V1、直流電流I1が供給される。制御電源回路30は、高電位端(図1中「+」と付記)と、低電位端(図1中「−」と付記)と、を有している。図示を省略するが、インテリジェントパワー回路5V、5Wにおいてインバータ制御回路3Uに対応して設けられたインバータ制御回路に対しても、同様に、制御電源回路30の高電位端と低電位端が接続されている。

0050

このインバータ制御回路3Uは、ハイアーム制御回路33と、これの動作電源を与えるブートコンデンサ32と、ローアーム制御回路34と、を有している。ハイアーム制御回路33は、トランジスタ42のゲート制御信号を与える。なお、ローアーム制御回路34は、トランジスタ41のゲートに制御信号を与えるが、その動作電源については本発明においては関係が希薄であるため、省略する。

0051

ブートコンデンサ32は、出力線7Uにその一端が接続されており、その他端はブート抵抗36とダイオード35との直列接続を介して制御電源回路30の高電位端に接続されている。ダイオード35のアノードおよびカソードは、それぞれ制御電源回路30の高電位端側、ブートコンデンサ32側に接続されている。

0052

上記構成は、インテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサ、および、インテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサについても同様である。

0053

なお、上述した回路には、図示しない過電流保護回路の電流検出回路が、例えば、制御電源回路30とトランジスタ41との間に設けられている。この過電流保護回路は、インバータのモータ負荷電流が過大となったとしても、インバータのスイッチング素子が破壊されることがないように、スイッチング素子を保護する。

0054

<ブートコンデンサの充電>
上述した構成では、トランジスタ42のエミッタは出力線7Uに接続されており、出力線7Uにはトランジスタ42によってダイオードブリッジ2の高電位端の電圧が伝達される。このため、トランジスタ42のベースに与えるべき制御信号としては、ダイオードブリッジ2の高電位端の電圧よりも高い電圧を与える必要がある。そこで、ハイアーム制御回路33へと出力線7Uの電位に対して高電位を供給するために、ブートコンデンサ32は、制御電源回路30を用いて充電される。

0055

そして、ここでは、インバータ4Uにおいて、トランジスタ41、42が負荷6を駆動させる通常動作期間よりも前に前置充電期間を設けている。ここでの負荷6としては、例えば、上述したように負荷がモータである場合を例に挙げると、その回転のためのスイッチング(本発明で「通常のスイッチング」と称す)等をいう。この前置充電期間においては、トランジスタ42をオフ状態に維持させて、トランジスタ41を介して制御電源回路30によってブートコンデンサ32を充電する。ここで、インテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサ、および、インテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサの充電についても同様であるが、後述するように、インテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサ32、インテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサ、および、インテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサは互いに1パルスずつ切り替えて少しずつ充電される。ここで、インテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサ32は、1パルス(パルス間隔)の間におけるブートコンデンサ32の放電量分と、ブートコンデンサ32において必要とされる所定の電圧と、を合算した容量を少なくとも有している。この点は、インテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサ、および、インテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサについても同様である。

0056

トランジスタ42は、ハイアーム制御回路33が正常に動作しない限りオフしたままである。一方、トランジスタ41は、そのエミッタがダイオードブリッジ2の低電位端に接続されているので、ローアーム制御回路34を動作させるためにブートコンデンサを用いる必要もない。よって、前置充電期間においては、その初期からトランジスタ41のスイッチングを任意に制御することができる。つまり、前置充電期間においては、ハイアーム制御回路33が正常に動作しない状態で、上述した充電を行うことができる。

0057

(1つのブートコンデンサの充電について)
図2は、インテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサ32のみに着目した充電方法について、トランジスタ41、42のスイッチングのタイミングを例示したグラフである。他のインテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサおよびインテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサとの関係については、後述する。ここでは、前置充電期間、休止期間、通常動作期間が繰り返されることで充電が行われる。

0058

前置充電期間では、トランジスタ42はオフのままである一方、トランジスタ41はオン/オフを繰り返す。ここでは、所定の時間間隔を空けたパルス信号によって(後述する)「P1、P2・・・Pn」のように充電される。トランジスタ41がオン状態となるオン期間TONにおいて、制御電源回路30は、ブートコンデンサ32に電流を供給する。これにより、制御電源回路30から流れる電流を低く抑えたままブートコンデンサ32を充電することができ、制御電源回路30に負担を掛けにくい。また、トランジスタ41の破壊を招きにくい。

0059

通常動作期間では、負荷6の駆動のための通常のスイッチングが行われる。なお、ここでは、前置充電期間と通常動作期間との間において、図2に示すように、休止期間を設けている。これは、前置充電期間が終了してトランジスタ41がオン状態となり、通常動作期間の最初においてトランジスタ42がオン状態となる場合には、両時期の間にマージン(休止期間)を取らなければ、インバータ4Uに多大な電流が流れて破壊されるおそれがあるためである。

0060

(1つのブートコンデンサの充電の具体的態様について)
また、インバータ4Uに多大な電流が流れて破壊されることを防ぐために、負荷6の短絡に際してインバータ4Uを保護する技術が採用されていてもよい。ここでは、負荷6の短絡を検出するのに必要な最低時間Twminよりもオン期間TONを長く設定している。これによって、仮に、負荷6が短絡した状態でブートコンデンサ32が充電されることがあっても、インバータ4Uを保護することができるようになっている。

0061

また、負荷6の駆動中にブートコンデンサ32の充電が行われる際、負荷6の線間誘導起電圧によって生じ得る過電流からインバータ4Uを保護する必要がある。この線間誘導起電圧は、例えば、出力線7U、7Wの間に生じ得る。そして、インバータ4Uのトランジスタ41がオン状態となっている場合には、フリーホイールダイオード43に相当してインテリジェントパワー回路5Wが有しているフリーホイールダイオードを介して、トランジスタ41に過電流が生じる場合がある。このような事態に対応するために、ここでは、負荷6のインダクタンスLと、トランジスタ41の出力許容電流値ILと、線間誘導起電圧V2とを導入して、下式満足させるようにしている。

0062

0063

トランジスタ41がオン状態になると、制御電源回路30の高電位端と低電位端との間にはブートコンデンサ32とブート抵抗36とが直列に接続される。これにより、ブートコンデンサ32の充電は、その容量値C2と、ブート抵抗36の抵抗値R1との積R1・C2を時定数τ’として行われる。

0064

なお、制御電源回路30の出力する前置充電期間においてトランジスタ41がオフ状態となっている際のブートコンデンサ32の放電を無視すると、ブートコンデンサ32の両端電圧Vbは、下式で計算される。

0065

0066

ただし、T’はオン期間TONの前置充電期間の開始からの積算時間であり、eは自然対数の底である。

0067

ブートコンデンサ32に充電すべき電圧の最低値Vbmを導入して、積算時間T’は、下式で計算される。ただし、ln(x)は、xの自然対数を示す。

0068

0069

ブートコンデンサ32を充電する際に、ブートコンデンサ32に流れ得る電流の最大値はV1/R1となる。一方、制御電源回路30の出力する直流電流I1の大きさには、上限たる最大値I1Mが存在する。最大値I1MがV1/R1よりも小さければ、前置充電期間においてトランジスタ42がオフ状態となる期間を定める必要がある。換言すれば、トランジスタ42のオン期間TONのデューティDを定める必要がある。

0070

なぜなら、制御電源回路30に多大な電流負荷が掛かり、オン期間TONにおいて充分な電流が制御電源回路30から得られず、あるいは、出力電圧V1が低下する可能性があるからである。ここで、デューティDは、下式で計算される。

0071

0072

よって、前置充電期間の長さTは、下式で計算される。

0073

0074

数式(2)〜(5)から下式のように表現することもできる。

0075

0076

すなわち、制御電源回路30の出力電圧V1をブート抵抗36の抵抗値R1で除した値と、ブート抵抗の抵抗値R1と、ブートコンデンサ32の容量値C2と、の積τ’・(V1/R1)を、制御電源回路30の最大出力可能電流I1Mで除した値を実効的な充電時定数τとして求める。

0077

ブートコンデンサ32に充電すべき電圧Vbの最低値Vbmの、制御電源回路30の出力電圧V1に対する比(Vbm/V1)を、1から引いて値(1−Vbm/V1)を求める。その逆数(1−Vbm/V1)-1の自然対数に、実効的な充電時定数τを乗じて、前置充電期間の長さTが求められる。

0078

(各ブートコンデンサの切り替え充電)
インテリジェントパワー回路5Uにおけるトランジスタ41、42の上述の動作は、他のインテリジェントパワー回路5V、5Wにおいても同様である。

0079

ただし、インテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサ32、インテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサおよびインテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサに関しては、前置充電期間中の充電タイミングは排他的に切り替えて行われるようにしている。これは、以下の2つの理由に基づくものである。まず、第1に、上述のように、制御電源回路30は、インテリジェントパワー回路5Uのみならず、インテリジェントパワー回路5V、5Wにも接続されており、これらの備えるブートコンデンサに充電電流を供給しているため、制御電源回路30の出力する直流電流I1を抑制し、出力する直流電圧V1の低下を回避する必要があるためである。また、第2に、各インテリジェントパワー回路のブートコンデンサからの放電によって充電電圧が大きく低下してしまう前に短い周期でトランジスタ41を再度オン状態として、制御電源回路30からブートコンデンサ32に充電電流を供給することで、放電量を抑える必要があるためである。

0080

具体的には、前置充電期間中の各インテリジェントパワー回路のブートコンデンサの充電は、図3に示すように、インテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサ32、インテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサおよびインテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサに対して、電流の供給を1パルスずつ切り替えて行う。この図3では、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wにおけるローアーム側スイッチング素子およびハイアーム側スイッチング素子のスイッチングのタイミングを例示したグラフである。ここでは、上述のように、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wにおける各ブートコンデンサの充電を1パルス毎に切り替えながら各ブートコンデンサの充電電圧が均等状態を維持したまま少しずつ充電していく方法を採用している。ここで、図3中に示す「P1、P2、P3・・・Pn」は、上述した図2中に示す「P1、P2・・・Pn」に対応している。また、ここで、インテリジェントパワー回路5Uのローアーム側スイッチング素子およびハイアーム側スイッチング素子は、それぞれトランジスタ41、42に相当する。

0081

このような充電方法によって、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wのブートコンデンサについて、直流電圧V1の低下を回避しつつ、それぞれに設けられたブートコンデンサの充電を通常動作期間の前に完了させることができる。なお、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサが充電された後にしばらくの間、休止期間をおいて、通常動作期間とする点は上述と同様である。

0082

<本実施形態におけるブートコンデンサの充電方法の特徴>
(1)
従来のブートコンデンサの充電方法では、図5に示すように、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電は、互いにパルスの同期をとって行っている。このような同期をとった充電方法では、大きな電流が流れることにより、直流電圧が低下する場合がある。このため、各ブートコンデンサ全てを充分に充電するためには、所要時間が長くなり、インバータ制御の初期段階において、ハイアーム制御回路を正常に動作させることができない期間が長引いてしまう。

0083

ここで、ブートコンデンサ32を充電する際に制御電源回路30の出力する直流電圧V1を低下させないためには、図1に示すブート抵抗36の抵抗値R1を増大させることも考えられる。しかし、その場合には、ブートコンデンサ32を充電する時定数が大きくなり、正常動作を行うために必要な電圧をブートコンデンサ32に充電し終えるまでに要する所要時間が長くなってしまう。また、平滑コンデンサ31の容量値C1を大きくすると、却って直流電圧V1の変動が大きくなり、また平滑コンデンサ31の寸法が大きくなるという問題もある。

0084

そこで、図6に示すように、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電を1つずつ順次完了させる充電方法が提案されている。この充電方法によると、直流電圧の低下を抑えることは可能になる。しかし、各ブートコンデンサの充電電圧の変化のグラフである図7に示すように、最後に充電されるインテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサの充電が完了するには、初めに充電が完了したインテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサはその間の放電によって充電電圧が低下してしまうため、最終状態では各ブートコンデンサの駆動電圧にバラツキが生じてしまう。このため、駆動電圧によるスイッチング素子の特性差のグラフである図7に示すように、負荷に対する電力の供給を安定させることが困難になる。

0085

これに対して本実施形態におけるブートコンデンサの充電方法では、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサに対して、1パルスずつ充電電流を供給して切り替えながら充電を行っている。これにより、直流電圧の低下を抑えることができる。そして、1パルスの間に充電電流が供給されることで電圧が少しずつ蓄えられ、これが繰り返し行われることで充電を行っている。これにより、各ブートコンデンサは、同等の速度で充電されていく。これにより、直流電圧の低下を抑えつつ、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することができる。

0086

具体的には、このような1パルス毎に充電相を切り替える充電方法によると、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電電圧の変化のグラフである図4に示すように、インテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサ32、インテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサ、インテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサの各充電電圧を均等状態に維持したまま上昇させることができる。また、充電するブートコンデンサを1パルス毎に切り替えるために、各ブートコンデンサは、2パルス分待機するだけで、再び充電電流が供給される。このため、各ブートコンデンサは、充電電流が供給される間隔が短く、その間の放電による充電電圧の減少を少なく抑えることができるため、前回充電分が無駄にならない。このため、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電電圧を効率よく増大させることができる。これにより、各ブートコンデンサの充電電圧のバラツキを抑えつつ迅速に充電を完了させることができる。これにより、通常動作期間の当初からインバータ制御回路3U等を正常に動作させることが容易になる。

0087

(2)
本実施形態におけるブートコンデンサの充電方法では、インテリジェントパワー回路5Uのブートコンデンサ32として、充電電流が供給されるパルス間隔(2パルスの間)においてブートコンデンサ32から放電されて変位する充電電圧と、ブートコンデンサ32において必要とされる所定の電圧と、を合算した容量を有するブートコンデンサを採用している。また、インテリジェントパワー回路5Vのブートコンデンサおよびインテリジェントパワー回路5Wのブートコンデンサについても同様である。

0088

これにより、一周期において放電される量を考慮して、所定の必要な電圧より多めに電荷を蓄えることができる程度の最小の容量のブートコンデンサを採用することができ、ブートコンデンサの容量の増大化を抑えた安価な構成とすることができる。

0089

(3)
本実施形態におけるブートコンデンサの充電方法は、ブートコンデンサに供給される電流が小さいため、以下に述べる理由によって、モータ負荷電流が比較的小さい値であって、充電電流との差異が小さい場合において、特に、有効な充電方法となる。

0090

なぜなら、上記インバータにおいては、過電流保護回路が設けられている。そして、この過電流保護回路の電流検出回路は、モータ負荷電流が過大となった状態においてインバータのスイッチング素子を破壊してしまうことを回避するために、電源回路とローアーム側スイッチング素子との間に設けられている。この過電流保護回路は、ブートコンデンサの充電時の充電電流に対しても有効に機能するため、ブートコンデンサの充電電流が過大であった場合には、充電時においても過電流保護回路が動作してしまうことになる。このため、正常な運転ができなくなってしまうおそれがあるからである。

0091

<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

0092

(A)
上記実施形態におけるブートコンデンサの充電方法では、1パルス毎に切り替えて充電を行う点のみ明示した場合を例に挙げて説明した。

0093

しかし、本発明はこれに限られるものではなく、切り替えを行うパルス数は1パルスに限定されない。例えば、切り替えを行うパルス数は、1パルスに当たりの時間、印加電圧、ブートコンデンサにおける充放電速度特性、必要充電電圧等に基づいて定めるようにしてもよい。これにより、インバータのインテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの性能や容量等が異なる場合であっても、これに対応した充電を行うことができる。

0094

また、1パルス当たりの時間は、印加電圧、充電電流、ブートコンデンサにおける充放電速度特性、必要充電電圧、充電の切り替えに要するパルス数の少なくともいずれか1つに基づいて定めるようにしてもよい。

0095

なお、切り替えのためのパルス数は、1つのオン状態の時間、1つのオン状態とオフ状態との組み合わせの時間、もしくは、1つのオン状態とオフ状態との比率のいずれに基づいて定まる値としてもよい。

0096

(B)
上記実施形態におけるブートコンデンサの充電方法では、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの充電を1パルス毎に切り替えて行う場合について例に挙げて説明した。

0097

しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、2パルス毎、3パルス毎等ブートコンデンサの性質に応じて割り当てるパルス数を調整するようにしてもよい。また、インテリジェントパワー回路5U、5V、5Wの各ブートコンデンサの容量が異なる場合には、充電の割り当て時間配分を比例させるようにしてもよい。

0098

これにより、ブートコンデンサにおいて要求されている電圧がそれぞれ異なる場合や、各ブートコンデンサの容量が異なる場合や、各ブートコンデンサの充電速度等の性質が異なる場合であっても、各ブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することができる。

0099

なお、装置の構成上、1パルスでの切り替えが困難な場合等であっても、例えば、1〜20パルスのいずれかの値で切り替える等、パルス数が少ない場合のほうが上述した効果を得られやすい。

0100

(C)
上記実施形態では、各インテリジェントパワー回路のブートコンデンサに対する電流の供給を1パルス毎に切り替えて行う場合を例に挙げて説明した。

0101

しかし、本発明における切り替えは必ずしも1パルスに限られるものではなく、例えば、各インテリジェントパワー回路のブートコンデンサの単位時間当たりの放電量に基づいて電流を供給するパルス数を調整してもよい。これにより、放電量が多い場合には、より多くのパルス数をかけて充電を行うことで対応できる。

0102

また、各インテリジェントパワー回路のブートコンデンサ毎に単位時間当たりの放電量が異なる場合であっても、対応するようにパルス数を分配させて切り替えを行うことで、バラツキの少ない充電が可能になる。

0103

(D)
上記実施形態では、図1に示すような具体的な回路を例に挙げて説明した。

0104

しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、交流電源1は単相であっても、多相であってもよい。

0105

また、ここでのインテリジェントパワー回路の数は、負荷6の相数に応じて適宜に増減させてもよい。

0106

また、図1に示すように、ダイオード35のアノードがブート抵抗36を介して制御電源回路30の高電位端に接続される態様をとるのではなく、例えば、ブート抵抗36とダイオード35との直列接続の順序入れ替えても良い。

0107

(E)
上記実施形態では、図示しない過電流保護回路の電流検出回路が、例えば、制御電源回路30とトランジスタ41との間に設けられている場合を例に挙げて説明した。

0108

しかし、過電流保護回路の電流検出回路の配置はこれに限られるものではなく、例えば、負荷6とインテリジェントパワー回路5U、5V、5Wとの間に設けられていてもよい。

0109

ここで、上記実施形態のように、過電流保護回路の電流検出回路が、制御電源回路30とトランジスタ41との間に設けられている場合には、充電電流を有効に検知することができる。

0110

他方、過電流保護回路の電流検出回路が、負荷6とインテリジェントパワー回路5U、5V、5Wとの間に配置されている場合には、充電電流の保護はできないものの、モータ負荷電流の保護が可能になる。

0111

本発明によれば、各相のブートコンデンサの駆動電圧のバラツキを低減させるように充電することが可能になるため、動作電源の供給源となるブートコンデンサを有する相が複数設けられたインバータにおいて、各相の各ブートコンデンサを電源回路によって充電するブートコンデンサの充電方法への適用が特に有用である。

0112

6負荷
30制御電源回路(電源回路)
32ブートコンデンサ
33ブート抵抗
41絶縁ゲート型トランジスタ(ローアーム側スイッチング素子)
42 絶縁ゲート型トランジスタ(ハイアーム側スイッチング素子)
3Uインバータ制御回路
4U インバータ

先行技術

0113

特開平2003−61363号公報

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 三菱電機株式会社の「 バスバーモジュール」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】スペーサの応力を低減することで絶縁性の劣化を抑制し、絶縁性能の信頼性が高いバスバーモジュールを得ることを目的とする。【解決手段】平行平板領域11cに穴20aを有する導電性材料からなるバスバー1... 詳細

  • 新電元工業株式会社の「 スイッチング素子制御回路及びパワーモジュール」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】本発明のスイッチング素子制御回路100は、第3電極電圧制御部10と、温度検出部20と、第1電極電流検出部30と、初期閾値電圧を含む情報、及び、閾値電圧の動作温度・第1電極電流特性を記... 詳細

  • 新電元工業株式会社の「 スイッチング素子制御回路及びパワーモジュール」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】本発明のスイッチング素子制御回路100は、第3電極電圧を制御する第3電極電圧制御部10と、スイッチング素子200を流れる第1電極電流を検出する第1電極電流検出部20と、初期閾値電圧、... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ