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技術 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法、並びに排気ガス浄化方法

出願人 ユミコア日本触媒株式会社ユミコアショクバイユーエスエーインコーポレイテッド
発明者 池田正憲荻野祐司
出願日 2010年3月4日 (10年0ヶ月経過) 出願番号 2010-047963
公開日 2010年10月14日 (9年5ヶ月経過) 公開番号 2010-227931
状態 特許登録済
技術分野 排気の後処理 触媒による排ガス処理 触媒
主要キーワード ガス通気口 アルミナ被覆層 クロスオーバーポイント 一体成形型 酸素吸収率 調達コスト 一体構造体 セリウム原料
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒を実現する。

解決手段

本発明に係る排気ガス浄化用触媒は、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属酸化セリウムとからなる複合体を含み、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上20%以下である。

概要

背景

セリウムを含有させた細孔径20〜60nmの細孔容積全細孔容積の80%以上を占める活性アルミナセリウム酸化物とを一体構造型担体含浸後、乾燥、焼成し、更に上記担体上に主触媒金属担持させ、更に細孔径20〜60nmの細孔容積が全細孔容積の80%以上を占める活性アルミナとアルミナゾルとを含むスラリーをコートする、触媒の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

また、ゾルゲル法により作製したPt/SiO2触媒は、Pt粒子がSiO2によって被覆されており、Pt粒子のシンタリングを抑制できることが開示されている(例えば、非特許文献1参照)。

更には、アルミニウムアルコキシドバリウムランタニウム及びセリウムを混合して均一溶液とし、ゾルを形成した後、ゲル化させ、乾燥、焼結させることを特徴とするCeO2−La2O3−Al2O3から成り、細孔分布最大値を示す細孔径が5〜20nmであることを特徴とする耐熱性複合酸化物の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。

概要

高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒を実現する。本発明に係る排気ガス浄化用触媒は、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属酸化セリウムとからなる複合体を含み、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上20%以下である。なし

目的

このため、貴金属が無機酸化物等に被覆された触媒では、排気ガス通路である触媒の細孔径分布を制御することが重要な課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属酸化セリウムとからなる複合体を含み、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上20%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒

請求項2

160nm未満の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の70%以上90%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。

請求項3

上記貴金属は、ロジウムパラジウム、及び白金からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の排気ガス浄化用触媒。

請求項4

更に、融点が1000℃以上3000℃以下の耐火性無機酸化物を含んでいることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。

請求項5

三次元構造体上に担持されてなることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。

請求項6

更に、ランタン含有アルミナにより被覆されていない酸化セリウム及び/又はセリアジルコニア複合酸化物を含むことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。

請求項7

請求項1〜6の何れか1項に記載の排気ガス浄化用触媒を、内燃機関排気ガス曝す工程を含むことを特徴とする排気ガス浄化方法

請求項8

上記内燃機関の排気ガスの温度は0℃以上750℃以下であり、上記排気ガス浄化用触媒を、上記内燃機関の排気ガスに曝す前に、温度が800℃以上1000℃以下で且つ、空燃比が10以上18.6以下の排気ガスに曝すことを特徴とする、請求項7に記載の排気ガス浄化方法。

請求項9

請求項1〜6の何れか1項に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法であり、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体が、ランタン含有アルミナゲルにより被覆されたゲルを作製する工程を含むことを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。

請求項10

更に、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体が、ランタン含有アルミナゲルにより被覆された上記ゲルをスラリーにする工程と、上記スラリーを三次元構造体にウォッシュコートする工程と、上記スラリーをウォッシュコートさせた上記三次元構造体を、乾燥及び焼成する工程と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関から排出される排気ガス浄化用触媒及びその製造方法、並びにこれを用いた排気ガス浄化方法に関するものである。詳しくは、高温耐久処理後であっても、内燃機関からの排出ガスを効率良く浄化することができる排気ガス浄化用触媒及びその製造方法、並びに排気ガス浄化方法に関する。

背景技術

0002

セリウムを含有させた細孔径20〜60nmの細孔容積全細孔容積の80%以上を占める活性アルミナセリウム酸化物とを一体構造型担体含浸後、乾燥、焼成し、更に上記担体上に主触媒金属担持させ、更に細孔径20〜60nmの細孔容積が全細孔容積の80%以上を占める活性アルミナとアルミナゾルとを含むスラリーをコートする、触媒の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

0003

また、ゾルゲル法により作製したPt/SiO2触媒は、Pt粒子がSiO2によって被覆されており、Pt粒子のシンタリングを抑制できることが開示されている(例えば、非特許文献1参照)。

0004

更には、アルミニウムアルコキシドバリウムランタニウム及びセリウムを混合して均一溶液とし、ゾルを形成した後、ゲル化させ、乾燥、焼結させることを特徴とするCeO2−La2O3−Al2O3から成り、細孔分布最大値を示す細孔径が5〜20nmであることを特徴とする耐熱性複合酸化物の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。

0005

特開昭61−4532号公報(1986年1月10日公開
特許第2642657号公報(1989年9月13日公開)

先行技術

0006

M. Azomoza, T. Lopez, R. Gomez, R. D. Gonzalez, “Synthesis of high surface area supported Pt/SiO2catalysts from H2PtCl6・6H2O by the sol-gel method”, Catalysis Today, 21 October 1992, Volume 15, Issues 3-4, p.547-554

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1及び2に記載の何れの触媒においても、図3に示すように、貴金属粒子の大部分が担持基材表面上に存在するため、貴金属のシンタリングに対する物理的障壁が少なく、高温使用時や長時間の高温耐久処理時には貴金属粒子のシンタリングが生じ易く、性能低下を招くという問題がある。

0008

これに対し、非特許文献1に記載の方法を用いて、貴金属をSiO2等の被覆物質で被覆することにより、高温耐久処理時の貴金属粒子のシンタリングを抑制することはできるが、貴金属のみを被覆したものであり、空燃比変動のある排気ガスに対しては触媒性能が十分であるとはいえない。

0009

また、触媒活性成分である貴金属が無機酸化物等に被覆された触媒では、貴金属が無機酸化物等に被覆されていない触媒と比較して、排気ガスが貴金属に到達し難いといった問題がある。このため、貴金属が無機酸化物等に被覆された触媒では、排気ガスの通路である触媒の細孔径分布を制御することが重要な課題である。

0010

更に、特許文献1及び2に記載の何れの触媒においても、アルミナゾルを用いて触媒を調製しているが、ゾル又はゲルを乾燥、焼成する過程を少なくとも2回含んでおり、触媒調達コストが高くなる問題や触媒を調達するのに要する時間が長くなる問題がある。

0011

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒、及びその製造方法、並びに当該排気ガス浄化用触媒を用いて効率よく内燃機関の排気ガスを浄化する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記課題に鑑み鋭意検討した結果、ランタン含有アルミナにより、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体を被覆し、細孔径及び細孔容積を所定の範囲としたところ、高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

0013

本発明に係る排気ガス浄化用触媒は、上記課題を解決するために、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体を含み、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上20%以下であることを特徴としている。

0014

上記構成によれば、ランタン含有アルミナで酸化セリウムを貴金属と共に被覆した上記複合体を有するため、触媒の耐熱性を向上させ、シンタリングを抑制することが可能となると考えられる。また、酸素吸収率を高く発現させることができると考えられ、触媒性能を高く保持することができる。

0015

更には、細孔径分布が上記範囲内であるため、耐久処理による性能低下を防ぐことができると共に、排気ガスが貴金属まで効率良く到達することができ、高温耐久後でも排気ガスをより効率良く浄化することができる。

0016

従って、高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒を提供することができるという効果を奏する。

0017

尚、貴金属をアルミナで被覆することにより触媒の耐熱性を向上させ、触媒の熱劣化を抑制することは可能であるが、貴金属のみをアルミナで被覆すると、例え酸化セリウムをアルミナ被覆層以外に添加したとしても、触媒活性成分である貴金属と酸素吸蔵材である酸化セリウムとの距離が離れており、有効に触媒が機能しない。

0018

本発明に係る排気ガス浄化用触媒では、160nm未満の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の70%以上90%以下であることが好ましい。

0019

上記構成によれば、貴金属と酸化セリウムとがランタン含有アルミナで被覆されているにも関わらず、効率良く排気ガスを浄化することができる。

0020

本発明に係る排気ガス浄化用触媒では、上記貴金属は、ロジウムパラジウム、及び白金からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。

0021

上記構成によれば、上記貴金属は、三元触媒性能が高いため、より効率よく排気ガスを浄化することができる。

0022

本発明に係る排気ガス浄化用触媒では、更に、融点が1000℃以上3000℃以下の耐火性無機酸化物を含んでいることが好ましい。

0023

上記構成によれば、上記複合体が上記耐火性無機酸化物により分散されるため、排気ガスをより効率的に排気ガス浄化用触媒成分に接触させることができる。よって、高温下における排気ガス浄化をより効率的に行うことができるという更なる効果を奏する。

0024

本発明に係る排気ガス浄化用触媒では、三次元構造体上に担持されてなることが好ましい。

0025

上記構成によれば、表面積が大きい三次元構造体を用いることにより、排気ガス浄化用触媒を効率よく担持することができるため、排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化効率を向上させることができる。

0026

本発明に係る排気ガス浄化用触媒では、更に、ランタン含有アルミナにより被覆されていない酸化セリウム及び/又はセリアジルコニア複合酸化物を含むことが好ましい。

0027

上記構成によれば、上記酸化セリウム及び/又はセリア−ジルコニア複合酸化物は、酸素吸蔵放出材として機能すると共に、助触媒として作用することができ、排気ガス浄化用触媒の耐熱性を向上させたり、排気ガス浄化用触媒の活性種による酸化還元反応を促進させたりする作用を有するものであるため、高温下における排気ガス浄化をより効率的に行うことができる。

0028

本発明に係る排気ガス浄化方法は、上記課題を解決するために、上記本発明に係る排気ガス浄化用触媒の何れか1つを、内燃機関の排気ガスに曝す工程を含むことを特徴としている。

0029

上記方法によれば、本発明に係る上記排気ガス浄化用触媒は、上述したように、高温耐久後でも排気ガスをより効率良く浄化することができるため、貴金属の触媒活性を十分に活用した排気ガス処理を行うことができ、高温下での排気ガス浄化を非常に効率的に行うことができる。よって、効率よく内燃機関の排気ガスを浄化することができるという効果を奏する。

0030

本発明に係る排気ガス浄化方法では、上記内燃機関の排気ガスの温度は0℃以上750℃以下であり、上記排気ガス浄化用触媒を、上記内燃機関の排気ガスに曝す前に、温度が800℃以上1000℃以下で且つ、空燃比が10以上18.6以下の排気ガスに曝すことが好ましい。

0031

上記空燃比は、ガソリンエンジン理論空燃比の近傍の値である。それゆえ、上記方法によれば、内燃機関を搭載した自動車等の通常運転時に内燃機関から発生する排気ガスを浄化できるのはもちろんのこと、自動車等の運転中又は排気ガス浄化用触媒の耐久試験中に、上記排気ガス浄化用触媒に800℃〜1000℃の高温の排気ガスが流入することがあったとしても、貴金属のシンタリングを抑制し、且つ、貴金属周辺において、酸素吸蔵放出能を発揮することができると考えられる。このため、空燃比変動の緩和が起こる。また、上記空燃比は、ガソリンエンジンの理論空燃比の近傍の値である。それゆえ、上記方法によれば、特にガソリンエンジンから排出された排気ガスの浄化を効率的に行うことができる。

0032

本発明に係る排気ガス浄化用触媒の製造方法は、上記課題を解決するために、上記本発明に係る排気ガス浄化用触媒の製造方法であり、上記貴金属と酸化セリウムとからなる複合体が、ランタン含有アルミナゲルにより被覆されたゲルを作製する工程を含むことを特徴としている。

0033

上記方法によれば、例えば、触媒組成物を三次元構造体上に担持させる場合において、触媒組成物を三次元構造体上にウォッシュコートさせる前に焼成を行う必要がなく、ウォッシュコート後のみに焼成を行うことにより排気ガス浄化用触媒を製造することができる。このため、焼成回数を減らすことができ、製造にかかる時間を短縮することができるため、より高い生産効率で、高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒を製造することができるという効果を奏する。

0034

本発明に係る排気ガス浄化用触媒の製造方法では、更に、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体が、ランタン含有アルミナゲルにより被覆された上記ゲルをスラリーにする工程と、上記スラリーを三次元構造体上にウォッシュコートする工程と、上記スラリーをウォッシュコートさせた上記三次元構造体を、乾燥及び焼成する工程と、を含むことが好ましい。

0035

上記方法によれば、当該ゲルを乾燥、焼成して粉体とする工程が不要となるため、製造にかかる時間及び費用減縮することができ、より安価で且つより高い生産効率で、高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒を製造することができる。

0036

尚、貴金属が無機酸化物によって被覆された構造は、貴金属が被覆されたゲル等を乾燥及び焼成を含む粉体化工程を経るのが一般的であった。粉体化工程が一般的である理由は主に次の3点に由来すると考えられる。1点目は、貴金属が被覆されたゲルそのものをスラリーとし三次元構造体上にウォッシュコートするという発想がほとんどなかったこと、2点目は、ゲルは応力を受けることによってゾルへ転換するため貴金属が被覆された構造を保持できるという発想がなかったこと、3点目は、ゲルは粘度が高いためゲルを含むスラリーを三次元構造体にウォッシュコートすることは困難であったことが考えられる。

発明の効果

0037

本発明に係る排気ガス浄化用触媒は、以上のように、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体を含み、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上20%以下であることを特徴としている。

0038

このため、高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒を提供することができるという効果を奏する。

0039

また、本発明に係る排気ガス浄化方法は、上記本発明に係る排気ガス浄化用触媒の何れか1つを、内燃機関の排気ガスに曝す工程を含むことを特徴としている。

0040

このため、効率よく内燃機関の排気ガスを浄化することができるという効果を奏する。

0041

更には、本発明に係る排気ガス浄化用触媒の製造方法は、上記貴金属と酸化セリウムとからなる複合体が、ランタン含有アルミナゲルにより被覆されたゲルを作製する工程を含むことを特徴としている。

0042

このため、より安価で且つより高い生産効率で、高温に曝された後においても優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒を製造することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0043

本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒に含まれる、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体の状態を模式的に示す平面図である。
ランタン含有アルミナによって貴金属が被覆され、且つ酸化セリウムが上記貴金属とは近接せずに担持された複合体の状態を模式的に示す平面図である。
含浸法を用いて作製される従来の排気ガス浄化用触媒における貴金属とアルミナとの担持状態を模式的に示す平面図である。
各細孔径分布における、ランタン含有アルミナが酸化セリウム及び貴金属の周囲に近接して担持された状態を模式的に示す平面図である。
実施例1で製造された排気ガス浄化用触媒のTEM写真を示す図面である。
比較例1で製造された排気ガス浄化用触媒のTEM写真を示す図面である。

0044

本発明の実施の形態について詳細に説明すれば以下のとおりであるが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本明細書中に記載された非特許文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。また本明細書中の「A〜B」は「A以上、B以下」を意味し、例えば明細書中で「1重量%〜30重量%」と記載されていれば「1重量%以上、30重量%以下」を示す。また本明細書中の「及び/又は」は、いずれか一方または両方を意味する。また、本明細書で挙げられている各種物性は、特に断りの無い限り後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。

0045

(I)排気ガス浄化用触媒
(i)複合体
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体(以下、単に「複合体」と記する場合がある)を含む。

0046

上記「ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体」を、図1を参照しながら説明する。尚、以降の図1〜4は、各成分の位置関係を模式的に示した図であるため、実際の距離、形状、粒子径を表すものではない。

0047

図1は、本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒に含まれる、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体の状態を模式的に示す平面図である。尚、例えば、図1において、符号1は一つのランタン含有アルミナしか指していないが、白色の不定形で表されている物質は全てランタン含有アルミナであり、他の符号についても同様のことを意味する。また、図2,3,4においても同様である。

0048

図1に示すように、ランタン含有アルミナ1は、貴金属2と酸化セリウム3との複合体の周囲に近接して担持される。

0049

上記「近接して担持される」とは、貴金属2又は酸化セリウム3とランタン含有アルミナ1とが一部接触している状態を指す。上記「近接して担持された状態」では、上記、貴金属2又は酸化セリウム3とランタン含有アルミナ1との接触部において、貴金属2又は酸化セリウム3に吸着可能な分子(例えば酸素(O2)や一酸化炭素(CO))が吸着できない状態を指す。

0050

尚、図1、2、4において、ランタン含有アルミナ1は好ましくはランタン含有アルミナ粒子であり、貴金属2は好ましくは貴金属粒子であり、酸化セリウム3は好ましくは酸化セリウム粒子である。かかる場合、ランタン含有アルミナ及び酸化セリウムは、一次粒子であっても二次粒子であってもよいが、一次粒子が凝集した二次粒子であることがより好ましい。また、スラリーとする前のランタン含有アルミナ及び酸化セリウムの粒子の平均粒子径は0.5〜150μmの範囲内が好ましく、より好ましくは1〜50μmである。

0051

図1に示すように、「貴金属と酸化セリウムとからなる複合体」は、貴金属2及び酸化セリウム3のそれぞれ1原子以上が、少なくとも一部接触してなる複合体であり、貴金属と酸化セリウムとの固溶体、貴金属と酸化セリウム又はセリウムとの混合物、貴金属とセリウムとの化合物等、又はこれらの2以上の組み合わせが含まれる。

0052

貴金属2と酸化セリウム3とが複合体を形成した状態であれば、酸化セリウム3が貴金属2の近傍に存在するため、酸素過剰ガスが流入した場合に、酸化セリウム3が酸素を吸蔵すると考えられる。このため、貴金属2の周囲のガス雰囲気が酸素過剰となることを抑制することができると考えられる。一方、酸素が不足する還元雰囲気下では、酸素過剰雰囲気下において酸化セリウム3が吸蔵した酸素が貴金属2の周囲に存在するため、貴金属2によって酸素が有効に活用されうると考えられる。

0053

これに対して、図2は、ランタン含有アルミナ1によって貴金属2が被覆されているが、酸化セリウム3が貴金属2とは近接せずに担持された状態を模式的に示す平面図である。

0054

また、図2に示す担持状態では、酸素過剰のガスが流入した場合に酸化セリウム3は酸素を吸蔵すると考えられるが、酸化セリウム3が貴金属2とは近接して担持されていないため、貴金属2の周囲では過剰の酸素が残存することになると考えられる。一方、酸素が不足する還元雰囲気下では、酸化セリウム3は、酸素過剰雰囲気下において吸蔵した酸素を放出するが、貴金属2の周囲には酸素が放出されないと考えられるため、貴金属2によって酸素が有効に活用されないと考えられる。

0055

図3は、含浸法を用いて作製される従来の排気ガス浄化用触媒における貴金属2とアルミナ1との担持状態を模式的に示す平面図である。

0056

図3に示す担持状態では、大部分の貴金属2は、担体であるアルミナ1の表面に担持される。酸化セリウム3は、貴金属2の比較的近傍に担持されるため、酸素過剰雰囲気下においては、貴金属2の周囲の酸素を酸化セリウム3が吸収し、還元雰囲気下では、酸化セリウム3から放出された酸素を貴金属2が利用することが可能である。しかしながら、貴金属2及び酸化セリウム3は、図1のように被覆されていないため、貴金属2がシンタリングし易く、また、酸化セリウム3は移動し易い。このため、貴金属2と酸化セリウム3とが近接して担持された状態を保持し難い。

0057

尚、上記「シンタリング」とは、高温に曝されることで粒子同士が結合して粗大化することを意味する。触媒成分である貴金属がシンタリングを起こすと、貴金属粒子の表面積が減少し、触媒活性が低下するため好ましくない。

0058

以下、本実施の形態に係る上記複合体を構成する各成分について説明する。

0059

(ランタン含有アルミナ)
上記「ランタン含有アルミナ」は、特に限定されるものではなく、ランタンとアルミナとが混合されているものであればよい。ランタン含有アルミナとしては、例えば、酸化ランタン(La2O3)及び/又はランタン−アルミナ複合酸化物(LaAlO3等)とアルミナとの混合物が挙げられる。ランタンは酸化ランタン及び/又はランタン−アルミナ複合酸化物(LaAlO3等)の形態で含有されることが好ましく、酸化ランタン(La2O3)の形態で含有されることがより好ましい。また、「ランタン含有アルミナ」は、酸化ランタンとランタン−アルミナ複合酸化物とを共に含むものであることが更に好ましい。

0060

上記「ランタン含有アルミナ」におけるランタンの含有量(La2O3換算)は、ランタンとアルミナ(Al2O3換算)との合計量に対して、0.5〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましい。ランタンの含有量が0.5質量%以上であることにより、高温耐久処理後に貴金属がアルミナ中に固溶し難くなるため好ましい。また、ランタンの含有量が30質量%以下であることにより、アルミナと比較して表面積が小さいランタンの割合が大きくなりすぎないため、他の触媒及び/又は助触媒成分分散性を低下させ難いため好ましい。

0061

(貴金属)
上記貴金属としては、特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウムイリジウム、これらの2種類以上の組み合わせ等が挙げられる。中でも、三元触媒性能が高いことから、上記貴金属は、ロジウム、パラジウム又は白金であることがより好ましく、窒素酸化物及び炭化水素浄化率が高いことから、ロジウム又はパラジウムであることが更に好ましい。

0062

上記貴金属の含有量(貴金属換算)は、ランタン含有アルミナに対して、0.2〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。貴金属の上記含有量が0.2質量%以上であることにより、ランタン含有アルミナによる貴金属の被覆率が高くなりすぎず、その結果、気相露出した貴金属粒子が少なくなりすぎないため、排気ガス洗浄用触媒の触媒性能低下を防止することができる。一方、20質量%以下であることにより、ランタン含有アルミナによって被覆しきれなかった貴金属粒子の割合が小さくなるため好ましい。

0063

(酸化セリウム)
本実施の形態に係る上記複合体における酸化セリウムの含有量(CeO2換算)は、貴金属(金属換算)と酸化セリウムとランタン(ランタン換算)とアルミナ(Al2O3換算)との合計量に対して1〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。酸化セリウムの含有量が1質量%以上であることにより触媒活性成分である貴金属周辺で好適に空燃比変動の緩和が起こるため好ましい。また、30質量%以下であることにより、排気ガスが貴金属とも接触し易いため好ましい。

0064

(ii)耐火性無機酸化物
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、更に耐火性無機酸化物を含むことが好ましい。耐火性無機酸化物とは、融点が1000℃以上の無機酸化物である。耐火性無機酸化物としては、通常、排気ガス用の触媒担体として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、γアルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、シリカ−アルミナ(SiO2−Al2O3)、チタニア(TiO2)、マグネシア(MgO)、ゼオライト、セリア−ジルコニア複合酸化物、ジルコニア等を用いることができる。特に、アルミナ、セリア−ジルコニア複合酸化物、ジルコニア、マグネシアを含むことが好ましい。

0065

尚、上記「セリア−ジルコニア複合酸化物」とは、セリアにジルコニアが固溶した状態の複合酸化物のことであり、同時にランタン、イットリウムプラセオジム等を含んでいてもかまわない。セリア−ジルコニア複合酸化物におけるセリアとジルコニアとの比は、質量比で90:10〜10:90であることが好ましく、セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるその他の成分の含有量はセリア−ジルコニア複合酸化物あたり20質量%以下であることが好ましい。セリア−ジルコニア複合酸化物は、例えば、共沈法(参考文献:触媒の事典、194頁、書店)によって調製することができる。

0066

当該耐火性無機酸化物には、鉄、ニッケルコバルトマンガン等の遷移金属アルカリ金属アルカリ土類金属、又はランタン等の希土類元素酸化物を添加することもできる。また、上記耐火性無機酸化物は、ランタン含有アルミナにより被覆されていてもよいし、被覆されていなくてもよい。ここで、セリア−ジルコニア複合酸化物は、ランタン含有アルミナにより被覆されていないことがより好ましい。これによって、排気ガスをより効率よく浄化することができる。

0067

尚、「ランタン含有アルミナにより被覆されていない」とは、貴金属とアルミナとの接触部において、貴金属とアルミナとの間に当該物質が存在しない状態をいう。つまり、例えば、「セリア−ジルコニア複合酸化物がランタン含有アルミナにより被覆されていない」状態とは、「セリア−ジルコニア複合酸化物が、貴金属とアルミナとの間に存在しない」状態を意味する。

0068

後述の三次元構造体に担持させない場合における、耐火性無機酸化物の使用量は、全触媒質量の5〜80質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。

0069

(iii)その他の成分
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、更に、ランタン含有アルミナにより被覆されていない酸化セリウムを含むことが好ましい。

0070

本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒を三次元構造体上に担持する場合、ランタン含有アルミナにより被覆されていない酸化セリウムの使用量は、三次元構造体1リットル当たり5〜100gであることが好ましく、20〜80gであることがより好ましい。

0071

三次元構造体に担持させない場合における、ランタン含有アルミナにより被覆されていない酸化セリウムの使用量は、全触媒質量の5〜80質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。

0072

本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、更に、ランタン含有アルミナにより被覆されていない、ロジウム、パラジウム及び/又は白金を含んでいてもよい。

0073

(iv)三次元構造体
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、三次元構造体上に担持されてなることが好ましい。つまり、本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒では、上述した各成分が、三次元構造体上に担持されていることが好ましい。

0074

三次元構造体としては特に限定されるものではなく、例えば、ハニカム担体等の耐熱性担体が挙げられる。また、三次元構造体としては一体成形型のもの(一体構造体)が好ましく、例えば、モノリス担体メタルハニカム担体ディーゼルパティキュレートフィルター等のプラグドハニカム担体、パンチングメタル等が好ましく用いられる。尚、必ずしも三次元一体構造体である必要はなく、例えばペレット担体等を用いることもできる。

0075

モノリス担体としては、通常、セラミックハニカム担体と称されるものであればよく、特に、コージェライトムライト、α−アルミナ、炭化ケイ素窒化ケイ素等を材料とするものが好ましく、中でもコージェライト質のものが特に好ましい。その他、ステンレス鋼、Fe−Cr−Al合金等を含む酸化抵抗性耐熱性金属を用いて一体構造体としたもの等が用いられる。

0076

これらモノリス担体は、押出成型法シート状素子を巻き固める方法等によって製造される。そのガス通気口セル形状)の形は、六角形四角形三角形又はコルゲーション形の何れであってもよい。セル密度セル数単位断面積)は100〜1200セル平方インチであれば十分に使用可能であり、好ましくは200〜900セル/平方インチである。

0077

本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒を三次元構造体上に担持する場合、貴金属の量は、三次元構造体1リットル当たり0.01〜10gであることが好ましく、0.01〜5gであることがより好ましい。尚、三次元構造体への担持法は特に限定されるものではない。例えば、ウォッシュコート等の方法を用いることができる。

0078

貴金属の量が三次元構造体1リットル当たり0.01g以上であることにより、触媒性能に優れるため好ましく、5g以下であると使用量に対する触媒性能への寄与度が大きく、コストパフォーマンスが良いため好ましい。

0079

また、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体は、三次元構造体1リットル当たり30〜300gであることが好ましく、70〜150gであることがより好ましい。また、本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒を三次元構造体上に担持する場合、耐火性無機酸化物の使用量は、三次元構造体1リットル当たり30〜300gであることが好ましく、70〜150gであることがより好ましい。

0080

(v)排気ガス浄化用触媒の特性
(細孔の細孔容積)
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上20%以下である。好ましくは、160nm以上800nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上18%未満であり、より好ましくは160nm以上600nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上16%未満である。

0081

また、160nm未満の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の70%以上90%以下であることが好ましい。より好ましくは、72%以上90%以下であり、更に好ましくは77%以上89%以下である。

0082

図4(a)は、水銀圧入法にて測定した、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の5%以上20%以下であり、160nm未満の直径を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の70%以上90%以下である、ランタン含有アルミナ1が酸化セリウム3及び貴金属2の周囲に近接して担持された状態を模式的に示す平面図である。

0083

図4(a)に示す細孔径分布を有する触媒では、貴金属2及び酸化セリウム3がランタン含有アルミナ1によって被覆されているにも関わらず、排気ガスが貴金属2及び酸化セリウム3に吸着し易いため、耐久処理後においてもシンタリングを抑制することができると共に、排気ガスの浄化反応が起こり易いと考えられる。

0084

尚、本明細書では、800℃〜1000℃の温度に触媒を曝すことを「耐久処理」という場合がある。

0085

更に、図4(a)の担持状態では、酸化セリウム3が、貴金属2の近傍に存在するため、酸素過剰のガスが流入した場合に、酸素吸蔵し、貴金属2周囲のガス雰囲気を酸素過剰の状態から緩和すると考えられる。同様に、酸素不足である還元雰囲気においては、酸素過剰雰囲気において吸蔵した酸素を貴金属2周囲に放出するため酸素が有効に活用されると考えられる。

0086

一方、図4(b)は、水銀圧入法にて測定した、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の0%以上5%未満であり、160nm未満の直径を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の90%〜100%である、ランタン含有アルミナ1が酸化セリウム3及び貴金属2の周囲に近接して担持された状態を模式的に示す平面図である。

0087

図4(b)に示す細孔径分布を有する触媒では、排気ガスが貴金属2及び酸化セリウム3に吸着し難く、耐久処理後において、シンタリングを抑制できたとしても、排気ガスの浄化反応が起こり難いと考えられる。

0088

(触媒の使用条件
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、温度が800℃〜1000℃である内燃機関の排気ガスに曝された後においても、ランタン含有アルミナによって被覆された複合体を含有することが好ましい。即ち、この場合には、触媒床温度が達しうる最高温度に曝されても、貴金属のシンタリングが抑制されると共に、酸化セリウムによる酸素吸蔵放出が貴金属粒子近傍で行われると考えられ、貴金属周辺においても空燃比変動の緩和が起こる。よって、高温耐久処理に曝された後であってもなお、貴金属を排気ガス浄化用触媒として効率よく機能させることが可能となる。

0089

本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、貴金属粒子のシンタリング抑制の観点から考えると、温度が800℃〜1000℃であるガソリンエンジン車からの排気ガスに曝された後の露出貴金属表面積が、上記排気ガスに曝される前の露出貴金属表面積に対して0%〜87%減少していることが好ましく、0%〜40%減少していることがより好ましい。

0090

尚、上記「露出貴金属表面積」とは、排気ガス浄化用触媒1gに吸着したCO分子数×(貴金属の格子定数)2で表される値であり、上記「CO分子数」はCOパルス吸着法(参考文献;触媒,1986年,vol.28,No.1を参照)によって求めることができる。例えば、当該貴金属がロジウムである場合、格子定数は3.8030である。

0091

上記「露出貴金属表面積」は、触媒学会参照触媒委員会により提案されたCOパルス吸着法(参考文献;触媒,1986年,vol.28,No.1参照)に従い測定することができる。

0092

一般的に、高温耐久処理によって担体に担持された貴金属はシンタリングが進行するため、COパルス吸着法では耐久処理前よりも耐久処理後の方がCO吸着量は少なくなると考えられる。露出貴金属表面積の減少率は、下記の式(1)で定義することができる。

0093

0094

上記露出貴金属の表面積の減少率が0%より小さな値となれば、高温耐久処理後に露出貴金属表面積が増大していることを意味する。このとき、固溶貴金属の形成や、貴金属を被覆していたアルミナが高温耐久処理による熱収縮等によって被覆構造を保持しなくなることが考えられるため好ましくない。一方、露出貴金属表面積の減少率が87%より大きな値となれば、高温耐久処理によって貴金属粒子が著しくシンタリングし、触媒反応に寄与する貴金属原子数が減少していることが考えられるため好ましくない。

0095

(酸素吸収率)
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒では、酸素吸収率が30〜100%であることが好ましく、40〜100%であることがより好ましく、50〜100%であることが更に好ましく、80〜100%であることが最も好ましい。

0096

ここで、「酸素吸収率」とは、排気ガス浄化用触媒の浄化性能と密接な関係にある。一般に、上記酸素吸収率が高いほど、いわゆる酸素吸蔵放出能が高いために排気ガスの浄化性能が高く、一方、上記酸素吸収率が低いほど酸素吸蔵放出能が低いために排気ガスの浄化性能が低いと考えられる。

0097

上記酸素吸収率が100%であれば、排気ガス浄化用触媒に導入された酸素が全て利用されたことを意味し、排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性能が非常に高いことを意味する。一方、上記酸素吸収率が30%よりも低下すると、吸収できなかった酸素が貴金属周囲に存在する。そのため、特に、理論空燃費以上となる場合では、貴金属周囲に存在する酸素濃度が高いため、貴金属上での排気ガス浄化反応が進行し難い場合があるため好ましくない。

0098

(II)排気ガス浄化用触媒の製造方法
(i)複合体の調製
貴金属と酸化セリウムとからなり、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、本実施の形態に係る上記複合体は、例えば、ゾルゲル法、アルコキシド法逆ミセル法水熱合成法等を用いることにより製造することができる。

0099

上記複合体における貴金属の原料としては、硝酸塩塩化物酢酸塩有機塩等を用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、上記ロジウムの原料としては、硝酸ロジウム塩化ロジウム酢酸ロジウム、ヘキサアンミンロジウム等を用いることができ、特に限定されるものではない。また、上記パラジウムの原料としては、硝酸パラジウム塩化パラジウム酢酸パラジウムテトラアンミンパラジウム等を用いることができる。また、白金の原料としては、例えば、硝酸白金、テトラアンミン白金酸塩等を用いることができる。

0100

上記複合体における酸化セリウムの原料としては、酸化セリウムの他、乾燥、焼成することで酸化セリウムとなるものであってもよい。例えば、硝酸セリウム(III)六水和物酢酸セリウム(III)一水和物セリアゾル等が挙げられる。

0101

上記複合体におけるランタンの原料としては、酢酸ランタン(III)n水和物、硝酸ランタン六水和物塩化ランタン七水和物、硫酸ランタン(III)n水和物、酸化ランタン等を用いることができ、特に限定されるものではない。尚、「n水和物」におけるnは1以上の整数を意味する。

0102

上記複合体における上記アルミナの原料としては、アルミナゾル、ベーマイトアルミニウムイソプロポキシドアルミニウムエトキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、硝酸アルミニウム塩基性硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等を用いることができ、特に限定されるものではない。

0103

本実施の形態において、ランタン含有アルミナで貴金属と酸化セリウムとからなる複合体を被覆する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、各アルミナ原料に合った被覆法を用いることが好ましい。例えば、アルミニウムのアルコキシドアルコール溶液に、貴金属を含む水溶液と、酸化セリウムの水溶液との混合水溶液を添加した後、ランタンを含む水を添加し、乾燥、必要に応じて焼成する方法により好適に製造することができる。

0104

尚、上記排気ガス浄化用触媒を構成する各成分原料は、上述した各成分の含有量の範囲内となるように使用すればよい。

0105

(ii)排気ガス浄化用触媒の製造方法
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒を調製する方法としては、特に限定されるものではないが、上述した複合体を含む触媒組成物を十分に混合した後、円柱、球状等に成形して、排気ガス浄化用触媒とする方法等が挙げられる。

0106

尚、上記触媒組成物には、アルミナ、セリア−ジルコニア複合酸化物等の耐火性無機酸化物、ランタン含有アルミナにより被覆されない酸化セリウム、ランタン含有アルミナにより被覆されない貴金属等の上述した複合体以外の成分を含ませることができる。

0107

また、上記三次元構造体を用いる場合は、上記触媒組成物を一括してボールミル等に投入し、湿式粉砕して水性スラリーとし、上記三次元構造体を上記水性スラリーに浸漬し、乾燥、焼成する方法等が挙げられる。

0108

<複合体の原料としてアルミナゾルを用いる場合の製造方法>
まず、ゾルとは、コロイド溶液とほぼ同義で使用され、液体中に分散していて流動性を示している状態をいう。また、ゲルとは、コロイド粒子が独立した運動性を失って(流動性を失って)、三次元網目構造を形成した状態をいう。

0109

流動性を失った場合とは具体的には、ゲルの粘度が5,000cP以上500,000cP以下であり、好ましくは10,000cP以上100,000cP以下であり、より好ましくは12,000cP以上50,000cP以下の場合である。5,000cP以上であればゲル化が十分に進行しており、貴金属及び酸化セリウムを三次元網目構造内に良好に取り込むことができる。この場合には、貴金属及び酸化セリウムがランタン含有アルミナにより十分被覆されるため好ましい。また、500,000cP以下であれば、スラリー化工程でのスラリー粘度が高くなりすぎず、三次元構造体へのウォッシュコートを良好に行うことができる。

0110

ここで、ゾルをゲルに変化させるためには、ゾルが安定に存在できないpHにする必要がある。例えば、pH3〜5で安定なゾルを、ゲル化させるためには、pHを3未満とするか、5よりも高くする必要がある。

0111

複合体の原料としてアルミナゾルを用いる場合には、作製される、ランタン含有アルミナゲルにより貴金属と酸化セリウムとからなる複合体が被覆されたゲルを、乾燥及び焼結させることなく、他の触媒組成物と混合して水性スラリーとし、上記三次元構造体を上記水性スラリーに浸漬し、乾燥、焼成する方法等が挙げられる。つまり、かかる場合における、排気ガス浄化用触媒の製造方法は、ゲル作製工程を含み、更に、スラリー化工程と、ウォッシュコート工程と、乾燥焼結工程と、を含むことが好ましい。当該方法では、貴金属と酸化セリウムとがランタン含有アルミナによって被覆された複合体が三次元構造体上に担持された触媒を製造するに際し、焼成回数を減らすことができ、焼成にかかる費用及び製造にかかる時間を短縮することができるため、より安価で且つより高い生産効率で排気ガス浄化用触媒を製造することができる。

0112

(ゲル作製工程)
上記ゲル作製工程は、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体が、ランタン含有アルミナゲルにより被覆されたゲルを作製する工程である。具体的には、以下の方法により当該ゲルを作製することができる。

0113

例えば、pH3〜5で安定なpH4.0のアルミナゾルを用いる場合では、アルミナゾルに、硝酸塩貴金属溶液セリウム原料との混合水溶液をpH1.0となるように添加することによりゲル化が進行する。この時、粘度が5,000cP以上となることを確認する。粘度の変化が±100cp/秒となるまで攪拌し、ランタンを含む水を更に添加することにより、ランタン含有アルミナゲルにより貴金属源と酸化セリウム源とがゲルの三次元網目構造内に取り込まれた複合体が得られる。この複合体を耐火性無機酸化物等と共に三次元構造体にウォッシュコートすることで貴金属と酸化セリウムとがランタン含有アルミナに被覆された触媒が得られる。

0114

(スラリー化工程)
上記スラリー化工程とは、貴金属と酸化セリウムとからなる複合体がランタン含有アルミナゲルにより被覆された上記ゲルをスラリーにする工程である。具体的には、上記ゲルに、耐火性無機酸化物等のその他の成分と混合して、湿式粉砕することにより作製することができる。

0115

この時、複合体と耐火性無機酸化物等その他の成分との混合物における、複合体の含有率は、2質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは5質量%〜20質量%である。2質量%以上であれば、複合体の割合の占める割合が十分高いため、耐熱性向上効果を十分に発現させることができる。また、40質量%以下であれば、複合体の割合が高くなりすぎないため、細孔径を所定の範囲に調整し易い。

0116

尚、上記「湿式粉砕」とは、ボールミル等の粉砕装置を用いて、上記複合体と耐火性無機酸化物等その他の成分との混合溶液粉砕することを指す。

0117

上記スラリー中に含まれる上記混合成分の動的光散乱法により測定した粒子径は、2μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは3μm〜8μmである。粒子径がこのような範囲内であれば、三次元構造体に対する密着強度をより高くすることができ、所定の細孔径分布で良好に担持させることができる。また、スラリーにおける固形分濃度は、10〜60質量%の範囲が好ましい。

0118

(ウォッシュコート工程)
上記ウォッシュコート工程とは、上記スラリーを三次元構造体に担持させる工程である。

0119

(乾燥焼結工程)
上記乾燥焼結工程とは、上記スラリーをウォッシュコートした三次元構造体を、乾燥及び焼成する工程である。乾燥及び焼成に必要な温度及び時間等の条件は特には制限されないが、上記三次元構造体の重量変化がなくなるまで行う条件であることが好ましい。

0120

上記乾燥は、例えば、空気中で50〜200℃、より好ましくは80〜180℃の温度で、好ましくは5分〜10時間、より好ましくは10分〜8時間の条件で行うことができる。

0121

また、上記焼成は、例えば、300〜1000℃、好ましくは400〜500℃で30分〜10時間、好ましくは1時間〜6時間の条件で行うことができる。焼成温度が300℃以上であれば、原料中に含まれる炭化水素等を良好に焼失除去でき、1000℃未満であれば細孔の収縮を抑制できるため好ましい。

0122

(III)排気ガス浄化方法
本実施の形態に係る排気ガス浄化方法は、上述した排気ガス浄化用触媒を、内燃機関の排気ガスに曝す工程を含む。ここで、本明細書において「ガスに曝す」とは、排気ガス浄化用触媒をガスと接触させることをいい、触媒表面の全部分をガスと接触させる場合だけでなく、触媒表面の一部分をガスと接触させる場合も含まれる。

0123

上記排気ガス浄化用触媒を上記排気ガスに曝す方法は特に限定されるものではなく、例えば、排気ガス浄化用触媒を内燃機関の排気ポート排気流路中に設置し、排気ガスを排気流路に流入させることによって行うことができる。

0124

上記ガスとしては、内燃機関の排気ガスであれば特に限定されるものではなく、例えば、窒素酸化物(例えば、NO、NO2、N2O)、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水素アンモニア、水、二酸化硫黄、炭化水素全般が挙げられる。

0125

上記内燃機関としては、特に限定されるものではない。例えば、ガソリンエンジン、ハイブリッドエンジン天然ガスエタノールジメチルエーテル等を燃料として用いるエンジン等を用いることができる。中でもガソリンエンジンであることが好ましい。

0126

上記排気ガス浄化用触媒を上記排気ガスに曝す時間は特に限定されるものではなく、上記排気ガス浄化用触媒の少なくとも一部分が上記排気ガスと接触することができる時間が確保されればよい。

0127

上記排気ガスの温度は、特に限定されるものではないが、0℃〜750℃、つまり通常運転時の排気ガスの温度範囲内であることが好ましい。ここで、温度が0℃〜750℃である上記内燃機関の排気ガスにおける空燃比は、13.1〜16.1であることが好ましい。

0128

また、上記排気ガスの温度が0℃〜750℃である場合では、上記排気ガス浄化用触媒が、内燃機関の排気ガスに曝される前に、温度が800℃〜1000℃である排気ガスに曝されていてもよい。ここで、温度が800℃〜1000℃である排気ガスの空燃比は、10〜18.6であることが好ましい。また、上記排気ガス浄化用触媒を温度が800℃〜1000℃の酸素過剰の排気ガスに曝す時間も、特に限定されるものではなく、例えば、5〜100時間曝されていてもよい。

0129

尚、温度が0℃〜750℃の上記排気ガスは、触媒入口部における排気ガスであることが好ましく、温度が800℃〜1000℃の上記排気ガスは、触媒床部における排気ガスであることが好ましい。ここで、「触媒入口部」とは、排気ガス浄化用触媒が設置された排気ガス流入側触媒端面から20cm内燃機関側までで、且つ、排気管垂直方向に対して中心の箇所をいう。また、「触媒床部」とは、排気ガス流入側端面から排気ガス流出側端面までの距離の中央で、且つ、排気管垂直方向に対して中心の箇所(排気管が円形でない場合は、排気管垂直方向の断面に対して重心の箇所)をいう。

0130

上述のように、本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒は、耐熱性と酸素吸蔵放出能とを併せ持つため、通常運転時の排気ガスの浄化中に、温度が800℃〜1000℃の排気ガスのように、通常運転時に発生する排気ガスよりも著しく高温の排気ガスが排気流路に流入した場合でも、その後、通常運転時の排気ガスの浄化を引き続き行うことができる。

0131

尚、上記「通常運転時」とは、内燃機関を搭載する自動車や二輪車等を著しい高速及び低速で運転する状態を除いた状態をいう。例えば、LA−4モードによる運転時等が該当する。

0132

以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下に示す本実施例及び比較例で用いたアルミナゾルは、安定剤として硝酸を含む。

0133

<細孔径分布の測定>
以下に示す方法で作製した各触媒の細孔径分布は、水銀圧入法(「触媒便覧」、触媒学会編、講談社、2008年、144頁参照)により測定を行った。

0134

〔実施例1〕
被覆材であるアルミナの原料として、NO3−を安定剤として含み、pH3〜5において安定なpH4のアルミナゾル、ロジウム原料として硝酸ロジウム水溶液、ランタン原料として酢酸ランタン、酸化セリウム原料として酢酸第一セリウム(III)(以下、酢酸セリウムと記す)を用いて、アルミナ:ロジウム:酸化ランタン:酸化セリウムの質量比が3.0:0.06:0.96:1.2となるように各原料をそれぞれ量した。

0135

次に、硝酸ロジウム及び酢酸セリウムを混合し、当該混合溶液をアルミナゾルに添加した。添加直後から、アルミナゾルがゲル化し、硝酸ロジウム及び酢酸セリウムがアルミナゲルによって被覆されたゲルを得た。このゲルを5分間攪拌した後、酢酸ランタンを添加し、更に10分間攪拌することで、硝酸ロジウム及び酢酸セリウムが、酢酸ランタンを含むアルミナ層に被覆されたゲルaを得た。この時のゲルaの粘度は12,800cPであった。

0136

次にゲルa:酸化ジルコニウム:セリア−ジルコニア複合酸化物:アルミナの質量比が5.22:23.28:30:31.5となるように秤量し、湿式粉砕し、スラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージュライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、78.75gの触媒成分がコートされた触媒Aを得た。触媒Aからコート成分のみを剥がし取った粉体の細孔容積、細孔径分布の測定結果を表1に示し、TEM写真を図5に示す。

0137

〔実施例2〕
被覆材であるアルミナ原料としてアルミニウムイソプロポキシド、ロジウム原料として硝酸ロジウム水溶液、ランタン原料として酢酸ランタン、酸化セリウム原料として酢酸セリウムを用いて、アルミナ:ロジウム:酸化ランタン:酸化セリウムの質量比が11.45:0.06:0.96:1.2となるように各原料を秤量した。

0138

秤量したアルミニウムイソプロポキシドとそれと同じ質量のエタノールとを10分間攪拌した後、酢酸セリウムと硝酸ロジウム水溶液との混合溶液をアルミニウムイソプロポキシド/エタノール溶液に添加した。

0139

次に、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解反応に必要な量の水に、酢酸ランタンを分散させた後、当該分散液をアルミニウムイソプロポキシド/エタノール/硝酸ロジウム/酢酸セリウム溶液に加え、2時間攪拌した。得られたゲルを120℃で8時間乾燥させた後、得られた乾燥物を、500℃で1時間、空気雰囲気下において焼成することにより、酸化セリウム及びロジウムからなる複合体が酸化ランタン含有アルミナによって被覆された粉体bを得た。

0140

上記粉体b:酸化ジルコニウム:セリア−ジルコニア複合酸化物:アルミナの質量比が13.67:23.28:30:23.05となるように秤量し、湿式粉砕してスラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージュライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、78.75gの触媒成分がコートされた触媒Bを得た。触媒Bからコート成分のみを剥がし取った粉体の細孔容積、細孔径分布の測定結果を表1に示す。

0141

〔比較例1〕
被覆材であるアルミナの原料として実施例1で用いたものと同じアルミナゾル、ロジウム原料として硝酸ロジウム水溶液、ランタン原料として酢酸ランタン、酸化セリウム原料として酢酸セリウムを用いて、アルミナ:ロジウム:酸化ランタン:酸化セリウムの質量比が11.45:0.06:0.96:1.2となるように各原料をそれぞれ秤量した。

0142

次に、硝酸ロジウム及び酢酸セリウムを混合し、当該混合溶液をアルミナゾルに添加した。添加直後から、アルミナゾルがゲル化し、硝酸ロジウム及び酢酸セリウムがアルミナゲルによって被覆されたゲルを得た。このゲルを5分間攪拌した後、酢酸ランタンを添加し、更に10分間攪拌することで、硝酸ロジウム及び酢酸セリウムが、酢酸ランタンを含むアルミナ層に被覆されたゲルcを得た。この時のゲルcの粘度は21,600cPであった。

0143

次にゲルc:酸化ジルコニウム:セリア−ジルコニア複合酸化物:アルミナの質量比が13.67:23.28:30:23.05となるように秤量し、湿式粉砕し、スラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージュライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、78.75gの触媒成分がコートされた触媒Cを得た。触媒Cからコート成分のみを剥がし取った粉体の細孔容積、細孔径分布の測定結果を表1に示し、TEM写真を図6に示す。

0144

〔比較例2〕
被覆材であるアルミナの原料として、酸化ランタンを3質量%含むアルミナ、ロジウム原料として硝酸ロジウム水溶液を用い、更には酸化ジルコニウム、セリア−ジルコニア複合酸化物を用いて、アルミナ:ロジウム:酸化ジルコニウム:セリア−ジルコニア複合酸化物の質量比が35.34:0.06:20:34となるように各原料をそれぞれ秤量した。

0145

次に秤量した各原料を湿式粉砕してスラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージュライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、78.75gの触媒成分がコートされた触媒Dを得た。触媒Dからコート成分のみを剥がし取った粉体の細孔容積、細孔径分布の測定結果を表1に示す。

0146

0147

尚、表1における「A〜Bnm」は、「Anm以上Bnm未満」を意味する。つまり、「〜160nm」は「160nm未満」を意味し、「160〜200nm」は「160nm以上200nm未満」を意味し、「1000nm〜」は「1000nm以上」を意味する。また、後述の表3でも同様である。

0148

<耐久処理>
実施例1,2、並びに比較例1、2の各触媒を、直列気筒、3.0Lエンジンの排気口から40cm下流側に設置し、触媒床部の温度を1000℃とした。触媒入口部のA/Fが14.6に対して±4.0で48時間運転し、耐久処理を行った。

0149

排気ガス浄化触媒性能評価
上記耐久処理後の各触媒を、直列6気筒、2.4Lエンジン排気口から30cm下流側に設置し、触媒床部温度を500℃に設定し、A/Fが14.1〜15.1までA/F振幅A/F値±0.5及び1.0で周波数0.5Hzで変動させながら、触媒出口から排出されるガスを連続的にサンプリングしながら、CO、THC、NOxの各浄化率を算出した。この時、A/F値に対するCO浄化率曲線NOx浄化率曲線との交差点をCO−NOxクロスオーバーポイント、THC浄化率曲線とNOx浄化率曲線の交差点をTHC−NOxクロスオーバーポイントとし、各評価のクロスオーバーポイントにおける浄化率を算出した。結果を表2に示す。

0150

0151

表2に示すように、実施例1,2に係る触媒A及びBは、比較例1,2に係る触媒C及びDよりも高いクロスオーバーポイントの浄化率を示すことが確認できた。

0152

〔実施例3〕
被覆材であるアルミナの原料として実施例1で用いたものと同じアルミナゾル、パラジウム原料として硝酸パラジウム水溶液、ランタン原料として酢酸ランタン、酸化セリウム原料として酢酸セリウムを用いて、アルミナ:パラジウム:酸化ランタン:酸化セリウムの質量比が15.4:2:1.6:4となるように各原料をそれぞれ秤量した。

0153

次に、硝酸パラジウム及び酢酸セリウムを混合し、当該混合溶液をアルミナゾルに添加した。添加直後から、アルミナゾルがゲル化し、硝酸パラジウム及び酢酸セリウムがアルミナゲルによって被覆されたゲルを得た。このゲルを5分間攪拌した後、酢酸ランタンを添加し、更に10分間攪拌することで、硝酸パラジウム及び酢酸セリウムが、酢酸ランタンを含むアルミナ層に被覆されたゲルeを得た。この時のゲルeの粘度は35,600cPであった。

0154

次に、硝酸パラジウム:ゲルe:セリア−ジルコニア複合酸化物:アルミナ:酸化バリウムの質量比が2.4:23:50:47:12となるように秤量し、湿式粉砕し、スラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージュライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、117.6gの触媒成分がコートされた触媒Eを得た。触媒Eからコート成分のみを剥がし取った粉体の細孔容積、細孔径分布の測定結果を表3に示す。

0155

〔比較例3〕
アルミナ:パラジウム:酸化ランタン:酸化セリウムの質量比が30.8:2:3.2:4となるように各原料をそれぞれ秤量したこと以外は実施例3と同様の操作を行い、硝酸パラジウム及び酢酸セリウムが、酢酸ランタンを含むアルミナ層に被覆されたゲルfを得た。次に、ゲルfを150℃で8時間乾燥後、500℃で1時間空気雰囲気下にて焼成を行い、粉体f’を得た。

0156

次に、硝酸パラジウム:粉体f’:セリア−ジルコニア複合酸化物:アルミナ:酸化バリウムの質量比が2.4:23:50:47:12となるように秤量し、湿式粉砕し、スラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージュライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、117.6gの触媒成分がコートされた触媒Fを得た。触媒Fからコート成分のみを剥がし取った粉体の細孔容積、細孔径分布の測定結果を表3に示す。

0157

〔比較例4〕
パラジウム:酸化セリウム:酸化ランタン:セリア−ジルコニア複合酸化物:アルミナ:酸化バリウムの質量比が4.4:4:3.2:50:60.8:12となるように、実施例3と同様の各原料をそれぞれ秤量した。秤量した各原料を湿式粉砕してスラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージュライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、117.6gの触媒成分がコートされた触媒Gを得た。触媒Gからコート成分のみを剥がし取った粉体の細孔容積、細孔径分布の測定結果を表3に示す。

0158

0159

<耐久試験>
実施例3、比較例3,4の各触媒を直列6気筒、3.0Lエンジンの排気口から40cm下流側に設置し、触媒床部の温度を1000℃とした。触媒入口部のA/Fが14.6に対して±4.0で24時間運転し、耐久処理を行った。

0160

<排気ガス浄化触媒の性能評価>
耐久処理後の各触媒を、直列6気筒、2.4Lエンジン排気口から30cm下流側に設置し、触媒床部温度を400℃に設定し、A/Fが14.1〜15.1までA/F振幅A/F値±0.5及び1.0で周波数0.5Hzで変動させながら、触媒出口から排出されるガスを連続的にサンプリングしながら、CO、THC、NOxの各浄化率を算出した。この時、A/F値に対するCO浄化率曲線とNOx浄化率曲線との交点をCO−NOxクロスオーバーポイント、THC浄化率曲線とNOx浄化率曲線との交点をTHC−NOxクロスオーバーポイントとし、各評価のクロスオーバーポイントを算出した。結果を表4に示す。

0161

0162

<T50の測定>
耐久試験後の各触媒を、直列6気筒、2.4Lエンジン排気口から30cm下流側に設置し、A/Fが14.1〜15.1、周波数1.0Hzで変動させながら、触媒入口部の温度を200℃〜500℃まで50℃/分の昇温速度で昇温させた。この時のCO、THC、NOxのそれぞれの浄化率を求め、浄化率が50%に達する温度(T50)をそれぞれ算出した。

0163

尚、上記「触媒入口部」とは、排気ガス浄化用触媒が設置された排気ガス流入側の触媒端面から20cm内燃機関側までで、且つ、排気管垂直方向に対して中心の箇所をいう。また、「触媒入口部の温度」とは、熱電対を用いて上記触媒入口部の位置を測定した温度をいう。T50の値が低いほど、触媒性能が高い排気ガス浄化触媒であると言える。

0164

T50の測定結果を表5に示す。表5に示すように、実施例3の触媒Eは、T50が比較例3,4の触媒F,Gより低く、耐久処理後においても高い性能を示すことが確認できた。

0165

実施例

0166

本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

0167

本発明に係る排気ガス浄化用触媒は、高温下でも内燃機関からの排出ガスを効率良く浄化することができる。従って、内燃機関を用いる産業全般、例えば自動車、鉄道船舶、航空、各種産業機械等に幅広く応用することが可能である。

0168

1ランタン含有アルミナ
2貴金属
3酸化セリウム
4 化合物

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