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図面 (20)

課題

発酵茶調製条件原料茶葉による含有成分の変化等について検討し、新規な有効成分により、茶葉を更に幅広活用する手段を提供することを課題とする。

解決手段

黒麹を用いた発酵により、原料茶葉、特には二番好気発酵で、3〜10日間発酵させることによって、没食子酸起因化合物を発生させて含有せしめて発酵茶とし、さらには、前記没食子酸起因化合物を抽出し利用することにより、茶葉を更に幅広く活用することを可能とした。

概要

背景

嗜好品としてのおは、非常に古くから、また全世界的に用されている。
その多くは、茶葉に湯を注いで、その浸出液を飲むというものである。
前記浸出液には、茶葉から抽出された種々の成分が含まれているため、独特の香と味とを有し、また、特有の機能を有するものである。
そのため、茶葉の成分に関しての研究が幅広く行われ、その成分に関しても、以下のようなことが知られている。

すなわち、茶の特徴的な成分は、カフェインタンニン系の物質カテキンである。
このカフェインは、人に興奮作用を与え、苦味を呈し、利尿作用も有する。
また、カテキンは、茶の成分としては一番量の多いもので、茶の渋味の成分である。
さらに、それら以外にも、テアニンに代表されるアミノ酸ビタミンCに代表されるビタミン類クロロフィル類カリウムカルシウムなどの無機成分、ジメチルスルフィド青葉アルコールテルペンアルコールなどの香料成分など幅広く知られている。

そして、これらの成分が茶葉からの製茶の段階で、変化することも知られている。
例えば、炒茶、ほうじ茶では、ピラジンピロール等の含窒素化合物が多くなり、発酵茶では、花香を持つテルペンアルコールが、非常に多くなることが知られている(平凡社発行:世界大百科事典参照)。

このように茶葉には、各種の有用な成分が多く含まれているため、その成分を効率よく抽出することや、茶葉を加工して有効成分を多く取得する試みが、古くから多くなされている。
特に、発酵茶に関するものでは、例えば、特開2002−370094号公報(特許文献1)においては、黒茶、すなわち、黒麹菌等による後発酵法により長期熟成した黒茶から、熱水抽出により血糖値抑制物質が得られたことが開示されている。

また、特開2005−341876号公報(特許文献2)においては、茶葉に麹菌又は麹を加え、これを発酵させることによって、マルターゼ阻害効果を有する茶が得られることが開示されている。

一方、本願の発明者らは、先に酢酸による抽出で、発酵茶葉から肝機能の悪化の防止等が図れる薬効性組成物が得られることを見出して、特許出願を行なった。
その内容は、特開2007−238584号公報(特許文献3)に開示されている。

概要

発酵茶の調製条件原料茶葉による含有成分の変化等について検討し、新規な有効成分により、茶葉を更に幅広く活用する手段を提供することを課題とする。黒麹を用いた発酵により、原料茶葉、特には二番茶を好気発酵で、3〜10日間発酵させることによって、没食子酸起因化合物を発生させて含有せしめて発酵茶とし、さらには、前記没食子酸起因化合物を抽出し利用することにより、茶葉を更に幅広く活用することを可能とした。

目的

特開2002−370094号公報(特許請求の範囲)
特開2005−341876号公報(特許請求の範囲)
特開2007−238584号公報(特許請求の範囲)






前記特許文献3に記載の発明は、茶葉の持つ特性を有効に活用するために、茶葉における有効成分を抽出し、健康食品医薬原料として用い、より効率的に茶葉を、しかも製茶に利用できない茶葉(刈捨葉)も利用できる、薬効性の高い組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

黒麹を用いた発酵により、原料茶葉には確認されない没食子酸起因化合物を産生させて含有せしめたことを特徴とする発酵茶

請求項2

前記発酵は、好気発酵であって、発酵期間が3〜10日間であることを特徴とする請求項1に記載の発酵茶。

請求項3

前記原料茶葉は、二番であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発酵茶。

請求項4

黒麹を用いた茶葉の発酵により生成した没食子酸起因化合物を含有することを特徴とする薬効性組成物

請求項5

前記没食子酸起因化合物は、請求項1〜3のいずれかに記載の発酵茶から、水又は希酢酸を用いた抽出により取得されたものであることを特徴とする請求項4に記載の薬効性組成物。

請求項6

前記没食子酸起因化合物は、前記発酵茶から、水又は希酢酸を用いた抽出により取得されたものから分離精製されものを含有することを特徴とする請求項5に記載の薬効性組成物。

技術分野

0001

この発明は、発酵によって特定の化合物を産生させた発酵茶、および、前記化合物を含有する薬効性を有する組成物に関するものである。
特に、この発明は、風味において優れ、健康により貢献するお、さらには、そのお茶から抽出・分離された各種疾病の予防、又は治療用医薬として使用される可能性のある薬効性組成物に関するもので、製茶技術、健康食品調製技術および医薬調製技術に属するものである。

背景技術

0002

嗜好品としてのお茶は、非常に古くから、また全世界的に用されている。
その多くは、茶葉に湯を注いで、その浸出液を飲むというものである。
前記浸出液には、茶葉から抽出された種々の成分が含まれているため、独特の香と味とを有し、また、特有の機能を有するものである。
そのため、茶葉の成分に関しての研究が幅広く行われ、その成分に関しても、以下のようなことが知られている。

0003

すなわち、茶の特徴的な成分は、カフェインタンニン系の物質カテキンである。
このカフェインは、人に興奮作用を与え、苦味を呈し、利尿作用も有する。
また、カテキンは、茶の成分としては一番量の多いもので、茶の渋味の成分である。
さらに、それら以外にも、テアニンに代表されるアミノ酸ビタミンCに代表されるビタミン類クロロフィル類カリウムカルシウムなどの無機成分、ジメチルスルフィド青葉アルコールテルペンアルコールなどの香料成分など幅広く知られている。

0004

そして、これらの成分が茶葉からの製茶の段階で、変化することも知られている。
例えば、炒茶、ほうじ茶では、ピラジンピロール等の含窒素化合物が多くなり、発酵茶では、花香を持つテルペンアルコールが、非常に多くなることが知られている(平凡社発行:世界大百科事典参照)。

0005

このように茶葉には、各種の有用な成分が多く含まれているため、その成分を効率よく抽出することや、茶葉を加工して有効成分を多く取得する試みが、古くから多くなされている。
特に、発酵茶に関するものでは、例えば、特開2002−370094号公報(特許文献1)においては、黒茶、すなわち、黒麹菌等による後発酵法により長期熟成した黒茶から、熱水抽出により血糖値抑制物質が得られたことが開示されている。

0006

また、特開2005−341876号公報(特許文献2)においては、茶葉に麹菌又は麹を加え、これを発酵させることによって、マルターゼ阻害効果を有する茶が得られることが開示されている。

0007

一方、本願の発明者らは、先に酢酸による抽出で、発酵茶葉から肝機能の悪化の防止等が図れる薬効性組成物が得られることを見出して、特許出願を行なった。
その内容は、特開2007−238584号公報(特許文献3)に開示されている。

先行技術

0008

特開2002−370094号公報(特許請求の範囲)
特開2005−341876号公報(特許請求の範囲)
特開2007−238584号公報(特許請求の範囲)

発明が解決しようとする課題

0009

前記特許文献3に記載の発明は、茶葉の持つ特性を有効に活用するために、茶葉における有効成分を抽出し、健康食品や医薬の原料として用い、より効率的に茶葉を、しかも製茶に利用できない茶葉(刈捨葉)も利用できる、薬効性の高い組成物を提供することを目的としたもので、粉末状態でも、酢酸あるいは水又はエタノール溶液としても使用することができ、使用されていなかった刈捨葉からでも調製されるため、環境にやさしく、エコロジカルな面でも優れたものである。

0010

特に、この薬効性組成物は、肝機能(ASTALT)の悪化の防止、HDLコレステロール善玉コレステロール)の増大、血糖値の上昇防止、血小板の減少防止、酸化ストレスによる赤血球変形能の低下の防止など優れた医学的効果を奏するものである。

0011

かかる状況において、発明者らは、さらに発酵茶(後発酵茶・黒茶)の有する各種成分の特性をより深く追求するとともに、発酵茶の調製条件原料茶葉による含有成分の変化等について検討し、幅広く利用されている茶葉を、さらに有効活用するために、茶葉における有効成分について、また、その発酵条件による変化について鋭意検討を行なった。

0012

その結果、発明者らは、黒麹を用いて発酵させた茶葉には、発酵条件によるが、未だ構造は解明されていないが、没食子酸起因化合物が生成して存在すること、この化合物の存在した茶葉は風味がよいこと、また、この化合物は、水、特には熱水冷水さらには希酢酸による抽出により分離され、それらが薬効性を有することを見出し、この発明を完成させたものである。

課題を解決するための手段

0013

すなわち、この発明の請求項1に記載の発明は、
黒麹を用いた発酵によって、原料茶葉には確認されない没食子酸起因化合物を産生させて含有せしめたこと
を特徴とする発酵茶である。

0014

また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の発酵茶において、
前記発酵は、
好気発酵であって、発酵期間が3〜10日間であること
を特徴とするものである。

0015

また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の発酵茶において、
前記原料茶葉は、
二番茶であること
を特徴とするものである。

0016

また、この発明の請求項4に記載の発明は、
黒麹を用いた茶葉の発酵により生成した没食子酸起因化合物を含有すること
を特徴とする薬効性組成物である。

0017

また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載の薬効性組成物において、
前記没食子酸起因化合物は、
請求項1〜3のいずれかに記載の発酵茶から、水又は希酢酸を用いた抽出により取得されたものであること
を特徴とするものである。

0018

また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の薬効性組成物において、
前記没食子酸起因化合物は、
前記発酵茶から、水又は希酢酸を用いた抽出により取得されたものから分離精製されたものを含有すること
を特徴とするものである。

発明の効果

0019

この発明にかかる発酵茶は、没食子酸起因化合物の存在により、赤血球変形能に及ぼす効果が大きいものである。
したがって、健康維持のためのお茶として有効なばかりでなく、その風味は、玉露から調製された発酵茶を凌ぐものであって、風味の高い健康飲料として、茶葉のさらなる活用が図れるものである。

0020

また、この発明にかかる発酵茶は、各種の機能を有する没食子酸起因化合物を含んでいるので、当該発酵茶からの抽出液、さらには精製された没食子酸起因化合物は、以下のような優れた薬効性を奏するもので、健康食品の素材として、医薬の原料として、有効に利用される可能性の高いものである。
1.赤血球変形能低下防止
2.抗酸化活性ラジカル捕捉活性
3.α−グルコシダーゼ/リパーゼ阻害活性

0021

また、この発明にかかる薬効性組成物は、粉末状態でも、酢酸あるいは水またはエタノール溶液としても使用することができるため、上記のような効果を発現させるために、健康食品や医薬として利用する際に、効率的にまた効果的に活用することを可能とするものである。

図面の簡単な説明

0022

発酵処理1日後の、発酵茶サンプルの抽出液のHPLCチャートである。
発酵処理3日後の、発酵茶サンプルの抽出液のHPLCチャートである。
発酵処理期間による抽出液の成分の変化を示す図である。
カテキンの蛍光検出法による抽出液の検出結果を示す図である。
70%アセトンを用いる重合カテキン検出法による抽出液の検出結果を示す図である。
チオール分解でのX成分の検出結果を示す図である。
発酵茶の4.5%酢酸抽出物HPLC分析の結果を示す図である。
図7の各ピーク紫外吸収スペクトルである。
発酵茶の4.5%酢酸抽出物のBio−Gelカラムによる分画図である。
発酵茶酢酸抽出物からの酢酸エチル抽出物のBio−Gelカラムによる分画図である。
図13の3画分のHPLCチャートである。
図13画分5のSephdexLHカラム(2×27cm)による吸着クロマトの図である。
図15のX成分を含む画分のHPLCチャートである。
画分5のHPLCで精製したX成分のHPLCチャートである。
画分5のHPLCで精製したX成分の紫外吸収スペクトルである。
X成分の結晶写真である。
X成分の赤血球変形能低下抑制効果を示す図である。
X成分の抗酸化活性を示す図である。
X成分のDHHPラジカル捕捉活性を示す図である。
X成分の酵素阻害活性を示す図である。

0023

この発明の発酵茶は、従来公知の黒麹を用いた発酵方法で調製されるものである。
その方法自体には、格別新規な条件は存在しないが、今回、発明者らが見出した、没食子酸起因化合物が産生し、発酵茶が、没食子酸起因化合物を含有する状態を維持することが必要である。

0024

前記発酵茶が、没食子酸起因化合物を含有する状態を維持する発酵条件として、一番重要な条件は、発酵期間である。
優れた黒茶の製造には、長い場合には数ヶ月要するとされ、特許文献2においても好ましくは3週間程度(段落0030)とされているが、上記条件を満たすための期間として、この発明にとり好ましい発酵期間は、3〜10日間である。
また、発酵は、好気発酵が採用される。

0025

この発明に使用される原料茶葉としては、得られる発酵茶の風味の点から、二番茶、すなわち、5月収穫した一番茶の後に出てくるを6月頃に収穫した茶葉を用いるのが好ましい。
この二番茶を用いた発酵茶は、玉露、一番茶、三番茶、秋冬番茶を用いた発酵茶に比べて、優れた風味を有するものとなる。

0026

その他の発酵条件、すなわち、原料黒麹、発酵中の温度(通常30〜45℃)、発酵中の水分(通常25〜35%)など、一般に、黒麹を用いて発酵茶を調製する条件に従って行なうことによって、目的とする発酵茶および没食子酸起因化合物を得ることができる。

0027

以下、この発明にかかる発酵茶および薬効性組成物を実施例に基づいて、より詳細に説明する。

0028

<発酵茶の調製>
原料茶葉として、玉露、一番茶、二番茶、三番茶、秋冬番茶を用い、以下の工程で発酵茶を調製した。

0029

原料茶葉(荒茶)240kgをドラム回転自動製麹装置投入し、ドラムの回転により攪拌しながら水210kgを加えて、原料茶葉を膨潤させた。
別途、原料茶葉(粉茶)30kgと黒麹により調製した種麹210g混和したものを、膨潤させた原料茶葉に添加し、攪拌しながら設定温度35℃で6日間発酵させた。
発酵時の温度上昇は、空冷ファンを用いて抑え、設定温度を維持するように努めた。
発酵した茶葉は、温度100℃の蒸煮殺菌と、温度55℃の乾燥を経て製品としての発酵茶とした。

0030

<発酵茶の官能試験
各原料から得られた発酵茶について、各5名による風味試験を、5点法(5:良い、3:普通、1:悪い)で行ったところ、下記表1に示される結果が得られた。
表1から明らかなように、原料茶葉(荒茶)においては、玉露が一番高く評価され、次いで一番茶である。
上記条件で調整された発酵茶においては、玉露の評価が大きく落ち、それに変わって二番茶を原料とする発酵茶が最も風味が良いという結果になっている。

0031

0032

<発酵茶の赤血球変形能低下抑制>
上記の発酵茶のうち、原料を、玉露、二番茶、秋冬番茶とするものについて、その原料、発酵茶および当該発酵茶を、さらに、通常の発酵条件で15日間嫌気発酵させた二次発酵茶について、その熱湯抽出液に関する、下記に示す方法で測定した赤血球変形能低下抑制効果を表2に示した。
なお、表中の数字は、赤血球変形能を低下させる酸化剤AAPH添加時(B)と、AAPHと試料液添加時(C)との相対変化(%)で表したものである。

0033

0034

<赤血球変形能測定方法
3.8%クエン酸ソーダ溶液1.0mlを含む採血管に、採血した血液10.0mlを2500rpm×10分遠心分離して赤血球沈殿させたのち、洗浄し、HEESを加え、6.0%赤血球浮遊液を調製した。
この6.0%赤血球浮遊液3.0mlに、HEPESを((A)3.0ml,(B)2.40ml,(C):2.34ml)加え、温度37.0℃で予備インキュベートしたのち、前記(B)には、500mMのAAPH溶液0.6mlを、前記(C)には、500mMのAAPH溶液0.6mlと発酵茶の抽出物溶液0.06ml(10mg/2ml)を添加し、温度37.0℃で45分インキュベートした。
その後、測定するまで氷冷し、測定は、温度25.0℃で7分、再度インキュベートしてから行なった。
なお、前記(A)は、コントロールである。

0035

前記測定は、垂直に立てたガラス管(vertical tube)に、タイゴンチューブを介してニッケルメッシュホルダーを接続し、通常15cmの高さ(height:h)より、HEPESバッファーで調整した生理食塩水を用いて作成した赤血球浮遊液を濾過させて行なう。
前記ガラス管の周囲は、恒温水還流させて、試料定温に保っている。
また、ガラス管のゼロレベルに設置した圧力(pressure:P)トランスデューサーで、試料を濾過中の圧力降下を連続的に検出し、これを増幅器AD変換器を介してパソコンに取り込み、流量(flowrate:Q)を計算する。
流量は、圧力を高さに変換し(P=ρgh)、高さ−時間(h−t)曲線微分値(dh/dt)を取って、これにガラス管の断面積(a)を乗じて得られる(Q=dh/dt・a)。

0036

血球を含まないコントロールx(HEPESバッファー調整生食水ニュートン流体)の圧−流量曲線対照として、赤血球浮遊液の圧−流量曲線を検討し、ある一定圧(通常100mm・H2 O)での、対照液の流量に対する赤血球浮遊液の流量(%)をもって赤血球変形能を評価した。

0037

発酵茶抽出液の成分変化>
二番茶に基づく発酵茶の調製時に、1日毎にサンプリングした茶葉について、熱湯抽出を行ない、得られた抽出物をHPLCにより分析した。
図1は、1日後のサンプルの抽出液、図2は、3日後のサンプルの抽出液のHPLCチャートである。
それらの結果に基づいて、得られた抽出液の成分の変化を図3に示した。
なお、図中の略号は、以下の化合物を示すものである。
GA ;没食子酸
EC ;エピカテイン
ECG;エピカテインガレート
GC;エピガロカテイン
EGCG;エピガロカテインガレート
X、Y、Zはポリフェノールとも思われるが、現状不明成分であり、なかでもX成分の量が飛びぬけて多いものである。
それらの抽出液の赤血球変形能は、以下の表3のとおりであった。
なお、表には表されていないが、発酵後に行われる蒸煮処理によっても、香味の向上や赤血球変形能低下抑制効果が向上し、例えば、4日間発酵させたもので37%を示したものは、蒸煮処理後に79%と上昇していた。

0038

0039

<X成分の同定>
図3から明らかなように、図中、X成分を除いて、他の成分の殆どは、発酵開始1日乃至2日後に最大値を有し、その後減少傾向にある。
これに対し、X成分は、1日目には存在が認められなかったのに対し、2日目から顕著に増加し、5日目において最大値を有しており、表3に示された赤血球変形能との関連が強い化合物であると推定された。

0040

現在のところ、X成分の同定はなされていないが、下記のデータから、没食子酸起因化合物であると推定された。
1)カテキンの蛍光検出法(280nmEx,310nmEm)では、図4に示されるように、抽出液に、カテキンの存在は認められない。
2)70%アセトンを用いる重合カテキンの検出法では、図5に認められるように重合カテキンは検出されない。
3)図6に示されるように、X成分の加チオール分解でカテキンが検出されない。
また、没食子酸起因化合物が加水分解型タンニンであることも考慮されるが、4M塩酸を用い、85℃で5時間、X成分を加水分解したところ、分解により生じたものはいくつかのフェノール酸であり、加水分解型タンニンではないことが確認された。

0041

<X成分の抽出・精製>
X成分の抽出・精製を以下の手順で行なった。
まず、200gの発酵茶を用い、抽出媒体として4.5%酢酸を用い、減圧濃縮凍結乾燥によって、72.6gの抽出物(収率:36.3%)を得た。
図7に、この抽出物のHPLC分析の結果を、図8に、各ピークの紫外吸収スペクトルを示す。
図7中ピークa〜cは、その溶出位置吸収スペクトルから、それぞれEGC、Caffein、ECであり、ピークdは図1の条件下でX成分と同一溶出位置を示し、X成分であることがわかった。

0042

前記抽出物を、Bio−Gel P−10カラム(2×28cm)を用い、1%酢酸水溶液展開液として分画した結果を、図9および表4に示す。
各画分をHPLCで分析した結果、X成分は画分5に、褐色のカテキン重合体一緒に含まれることがわかった。

0043

0044

上記分画により得られた、X成分を含有する画分5について、酢酸エチルによる抽出を行なったところ、X成分は酢酸エチル層に抽出され、カテキン重合体は水層に残ることが確認され、X成分含有酢酸エチルを濃縮した後脱イオン水を加えて希釈した溶液を、Bio−GelP−10カラム(3×30cm)に供し、1%酢酸水溶液で展開したときの溶出パターン図10に示す。その画分4〜6についてHPLC分析を行った結果、図11に示すように、いずれもX成分を含むことがわかった。

0045

凍結乾燥した画分5にメタノールを加えて攪拌、遠心分離して得られた上清を、予めメタノールで平衡化したSephadexLHカラム(2×27cm)に供し、メタノールで展開した。その溶出パターンを図12に、300nmに吸収を持つ画分のHPLCパターン図13に示す。

0046

この画分をTFA−MeCN系のHPLCで精製したところ、図14に示されるように、精製されたX成分が得られた。
その紫外吸収スペクトルは、図15に示す通りであった。
また、この画分を減圧乾固し、脱イオン水を加え、暖めて溶解した後、冷却した結果、図16のような結晶が得られた。

0047

得られたX成分の機能を測定し、その結果を図17〜20に示した。
なお、図17〜20の内容は、以下のとおりである。
図17:赤血球変形能低下抑制効果
図18:抗酸化活性
図19:DHHPラジカル捕捉活性
図20:酵素阻害活性
赤血球変形能以外の測定法は、以下のとおりである。

0048

<抗酸化活性の測定方法>
前記で得られた各組成物の抗酸化活性を、リノ−ル酸の酸化物がβ−カロチンを退色させる作用を利用したMillerらの方法に準じ、以下の方法で測定した。
試料を分注した分光光度計試験管セルに、リノ−ル酸−β−カロチン溶液を加えて攪拌し、温度50℃の恒温槽で、20分間反応させた場合のβ−カロチンの退色度を470nmの吸光度によって求め、合成抗酸化剤ブチルヒドロキシアニソール(BHA)による吸光度の減少量を測定し、試料と同じ減少量を与えるBHAの濃度によって、試料の抗酸化活性を表した。

0049

<ラジカル捕捉活性測定法>
試料溶液に、等量のDPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)溶液、MES緩衝液、20%エタノールを加え、室温で20分間反応させた後、520nmでの吸光度を測定した。
その活性は、同様にして行ったアスコルビン酸(AsA)で、DPPHラジカル捕捉活性の検量線を作成し、試料g当たりのラジカル捕捉活性を、AsA当量(μmol/g又はmmol/g)で表した。

実施例

0050

<酵素阻害活性測定方法>
試薬溶液50μl又は25μlに、小腸α−グルコシダーゼ溶液又は膵リパーゼ溶液25μlを加え、温度37℃で10分間インキュベートしたのち、4−メチルウンベリフェロンのα−D−グルコース又はオレイン酸エステル基質)溶液25μl又は50μlを添加してインキュベートした。
0.2モル濃度のNa2 CO3 溶液又は0.1モル濃度のクエン酸緩衝液(pH4.2)を加えて反応を停止したのち、生成した4−メチルウンベリフェロンの蛍光度を450nmで測定して阻害率を算出した。

0051

この発明の発酵茶および薬効性組成物は、前記のような優れた特性を有し、かつ薬効性組成物や生成された没食子酸起因化合物は、粉末ないし水、酢酸またはエタノールの無毒溶媒溶液として供給可能なものであるため、この発明は製茶業界を始めとして、健康食品産業や医薬業界で広く利用される可能性の高いものである。

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