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技術 多段圧延機における板厚制御方法及び板厚制御装置

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 前田知幸鳥居勇介
出願日 2009年3月17日 (11年9ヶ月経過) 出願番号 2009-064665
公開日 2010年9月30日 (10年3ヶ月経過) 公開番号 2010-214426
状態 特許登録済
技術分野 圧延の制御
主要キーワード 指令演算装置 仕様限界 修正目標値 タイミング時刻 補正演算装置 トラッキング点 尾端位置 板厚変化量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年9月30日)のものです。
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図面 (5)

課題

多段圧延機において、圧延材尾端部の板厚制御を確実に行う。

解決手段

本発明の板厚制御方法は、所定の圧延スタンドにおける圧延材Wの尾端位置スタンド抜けタイミングを計測し、スタンド抜けタイミングにおける、所定の圧延スタンドより下流側に位置する各圧延スタンド直下での圧延材Wの位置をトラッキング点として着目し、トラッキング点が最終圧延スタンド到着した際の圧延材Wの板厚推定値を算出し、算出された板厚推定値から最終圧延スタンドでの板厚目標値修正量演算し、この板厚目標値修正量を最終圧延スタンドで実現可能か否かを判定し、実現可能な場合には、板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御し、実現可能でない場合には、板厚目標値修正量を修正し、修正後の板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御する。

概要

背景

従来から、薄鋼板や薄アルミ板等の圧延材は、複数の圧延スタンドを有する多段連続圧延機により、熱間圧延冷間圧延で製造されている。多段圧延機における最終製品評価基準のひとつとして板厚があり、板厚を適正なものとすべく、様々な制御技術(板厚制御技術)が開発されている。
ところが、圧延材の先端部や尾端部においては、圧延材が無張力状態であったり圧延速度が大きく変化する非定常状態であり、板厚の制御には、定常部とは異なった制御が必要とされている。特に、圧延材の尾端部は、従来、板厚制御が積極的に行われていない部分であり、この部分の板厚制御を確実に行うことで、製品精度を向上させ製品歩留まりなどを上げることができる。

圧延材の尾端部の板厚制御に関して、例えば、特許文献1に開示された技術がある。
特許文献1は、仕上げスタンド出側板厚計で実測した板厚偏差記憶装置に記憶し、圧延材尾端が第(n−1)スタンド抜け時に発生する第nスタンド直下での板厚増加量に対し、記憶装置に記憶された実測板厚偏差を板厚増加量補正演算装置に入力させることにより、増加補正量を求める。この補正量で補正された板厚増加量を尾端用圧下位置指令演算装置に入力し、圧下位置指令を求め自動圧位置制御装置使い尾端板厚制御を行う技術を開示する。

概要

多段圧延機において、圧延材の尾端部の板厚制御を確実に行う。本発明の板厚制御方法は、所定の圧延スタンドにおける圧延材Wの尾端位置のスタンド抜けタイミングを計測し、スタンド抜けタイミングにおける、所定の圧延スタンドより下流側に位置する各圧延スタンド直下での圧延材Wの位置をトラッキング点として着目し、トラッキング点が最終圧延スタンド到着した際の圧延材Wの板厚推定値を算出し、算出された板厚推定値から最終圧延スタンドでの板厚目標値修正量演算し、この板厚目標値修正量を最終圧延スタンドで実現可能か否かを判定し、実現可能な場合には、板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御し、実現可能でない場合には、板厚目標値修正量を修正し、修正後の板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御する。

目的

本発明は、上記問題点に鑑み、多段圧延機において、板厚制御を確実に行えると共に操業定性を向上させ得る板厚制御方法及び板厚制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

多段圧延機に備えられた複数の圧延スタンド圧延される圧延材尾端部の板厚を制御する方法であって、所定の圧延スタンドにおける圧延材の尾端位置スタンド抜けタイミングを計測し、前記スタンド抜けタイミングにおける、前記所定の圧延スタンドより下流側に位置する各圧延スタンド直下での圧延材の位置をトラッキング点として着目し、前記トラッキング点が、最終圧延スタンド到着した際の圧延材の板厚推定値を算出し、算出された板厚推定値から最終圧延スタンドでの板厚目標値修正量演算し、この板厚目標値修正量を最終圧延スタンドで実現可能か否かを判定し、実現可能な場合には、前記板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御し、実現可能でない場合には、前記板厚目標値修正量を修正し、修正後の板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御する、ことを特徴とする多段圧延機の板厚制御方法

請求項2

前記板厚目標値修正量の修正は、最終圧延スタンドで実施可能な板厚変化量を基に行うことを特徴とする請求項1に記載の多段圧延機の板厚制御方法。

請求項3

多段圧延機に備えられた複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の尾端部の板厚を制御する装置であって、所定の圧延スタンドにおける圧延材の尾端位置のスタンド抜けタイミングを計測し、前記スタンド抜けタイミングにおける、前記所定の圧延スタンドより下流側に位置する各圧延スタンド直下での圧延材の位置をトラッキング点として着目し、前記トラッキング点が、最終圧延スタンドへ到着した際の圧延材の板厚推定値を算出し、算出された板厚推定値から最終圧延スタンドでの板厚目標値修正量を演算する「板厚目標値修正量算出部」と、この板厚目標値修正量を最終スタンドで実現可能か否かを判定する「判定部」と、前記判定部における判定結果が実現可能な場合には、前記板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御し、実現可能でない場合には、前記板厚目標値修正量を修正し、修正後の板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御する「ギャップ制御部」と、を有することを特徴とする多段圧延機の板厚制御装置

請求項4

前記ギャップ制御部は、最終圧延スタンドで実施可能な板厚変化量を基に、板厚目標値修正量の修正を行うことを特徴とする請求項3に記載の多段圧延機の板厚制御装置。

技術分野

0001

本発明は、複数の圧延スタンドを備えた多段圧延機圧延材連続圧延する際に用いられ、操業定性を向上させると共に製品精度を向上させることが可能な板厚制御方法及び板厚制御装置に関する。

背景技術

0002

従来から、薄鋼板や薄アルミ板等の圧延材は、複数の圧延スタンドを有する多段連続圧延機により、熱間圧延冷間圧延で製造されている。多段圧延機における最終製品評価基準のひとつとして板厚があり、板厚を適正なものとすべく、様々な制御技術(板厚制御技術)が開発されている。
ところが、圧延材の先端部や尾端部においては、圧延材が無張力状態であったり圧延速度が大きく変化する非定常状態であり、板厚の制御には、定常部とは異なった制御が必要とされている。特に、圧延材の尾端部は、従来、板厚制御が積極的に行われていない部分であり、この部分の板厚制御を確実に行うことで、製品精度を向上させ製品歩留まりなどを上げることができる。

0003

圧延材の尾端部の板厚制御に関して、例えば、特許文献1に開示された技術がある。
特許文献1は、仕上げスタンド出側板厚計で実測した板厚偏差記憶装置に記憶し、圧延材尾端が第(n−1)スタンド抜け時に発生する第nスタンド直下での板厚増加量に対し、記憶装置に記憶された実測板厚偏差を板厚増加量補正演算装置に入力させることにより、増加補正量を求める。この補正量で補正された板厚増加量を尾端用圧下位置指令演算装置に入力し、圧下位置指令を求め自動圧位置制御装置使い尾端板厚制御を行う技術を開示する。

先行技術

0004

特開2000−334511号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述した特許文献1に開示された尾端板厚制御は、板厚制御系のみを重視しているものであり、圧延の安定性に対する考慮が不十分である。また、当該圧延材の実績値を基にした次圧延材制御手法であるため、当該圧延材に対しての改善がなされない等の問題点がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、多段圧延機において、板厚制御を確実に行えると共に操業安定性を向上させ得る板厚制御方法及び板厚制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の多段圧延機の板厚制御方法は、多段圧延機に備えられた複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の尾端部の板厚を制御する方法であって、所定の圧延スタンドにおける圧延材の尾端位置のスタンド抜けタイミングを計測し、前記スタンド抜けタイミングにおける、前記所定の圧延スタンドより下流側に位置する各圧延スタンド直下での圧延材の位置をトラッキング点として着目し、前記トラッキング点が、最終圧延スタンド到着した際の圧延材の板厚推定値を算出し、算出された板厚推定値から最終圧延スタンドでの板厚目標値修正量演算し、この板厚目標値修正量を最終圧延スタンドで実現可能か否かを判定し、実現可能な場合には、前記板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御し、実現可能でない場合には、前記板厚目標値修正量を修正し、修正後の板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御する、ことを特徴とする。

0007

好ましくは、前記板厚目標値修正量の修正は、最終圧延スタンドで実施可能な板厚変化量を基に行うとよい。
本発明の多段圧延機の板厚制御装置は、多段圧延機に備えられた複数の圧延スタンドで圧延される圧延材の尾端部の板厚を制御する装置であって、所定の圧延スタンドにおける圧延材の尾端位置のスタンド抜けタイミングを計測し、前記スタンド抜けタイミングにおける、前記所定の圧延スタンドより下流側に位置する各圧延スタンド直下での圧延材の位置をトラッキング点として着目し、前記トラッキング点が、最終圧延スタンドへ到着した際の圧延材の板厚推定値を算出し、算出された板厚推定値から最終圧延スタンドでの板厚目標値修正量を演算する「板厚目標値修正量算出部」と、この板厚目標値修正量を最終スタンドで実現可能か否かを判定する「判定部」と、前記判定部における判定結果が実現可能な場合には、前記板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御し、実現可能でない場合には、前記板厚目標値修正量を修正し、修正後の板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンドのロールギャップを制御する「ギャップ制御部」と、を有することを特徴とする。

0008

好ましくは、前記ギャップ制御部は、最終圧延スタンドで実施可能な板厚変化量を基に、板厚目標値修正量の修正を行うとよい。
これら板厚制御方法及び板厚制御装置によれば、最終圧延スタンドの設備仕様の範囲内で、圧延材尾端部の板厚を目標値に可能な限り近づけることができる。そのため、圧延スタンドなどの設備の破損を防止しつつ、圧延材尾端部の製品精度(板厚精度)を向上させ製品歩留まりなどを上げることができる。また、最終圧延スタンドの設備仕様の範囲であって可能な範囲で、ロールギャップの修正を行うものとなっているため、尾端部の制御に伴う板厚ハンチング発生を可及的に低減することができる。その他、通板トラブル発生を抑制、通板安定性を維持することにより製造機損失を回避できると共に、急峻な板厚変動の抑制により板厚精度を向上することができる。

発明の効果

0009

本発明の板厚制御技術を用いることで、板厚制御を確実に行えると共に操業安定性を向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0010

本発明にかかる多段圧延機を模式的に示した図である。
本発明にかかる板厚制御の手順を示したフローチャートである。
本発明にかかる板厚制御を適用した結果を示す図である。
(a)は本発明にかかる板厚制御を適用する前の結果を示す図であり、(b)は本発明にかかる板厚制御を適用した結果を示す図である。

実施例

0011

以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態の多段圧延機1(連続圧延機)を模式的に示した図である。
図1に示す通り、多段圧延機1は、複数の圧延スタンド2と、コイル巻き取り機3と、各圧延スタンド2のギャップ量を制御する板厚制御系4(ギャップ制御部を含む)を備える。

0012

各圧延スタンド2は、上下の圧延ロール5,5(ワークロール)とそれぞれの圧延ロール5をバックアップするバックアップロール6を備える。圧延スタンド2の圧延ロール5は、電動機(図示せず)で駆動されているが、この電動機は、板厚制御系4からの指令に基づき回転速度を調整できるようになっている。また、各圧延スタンド2には、圧延荷重を測定する荷重計7(ロードセル)が備えられる。上下の圧延ロール5の間隔は、油圧又は電動機で駆動される圧下装置(図示せず)によって、ギャップ調整可能な構造になっている。

0013

最終の圧延スタンド2出側には、圧延材Wの板厚を検出する板厚検出計8が設けられる。また、各圧延スタンド2,2間の張力を検出するルーパ(図示せず)が備えられる場合もある。
この多段圧延機1においては、圧延材Wは、複数の圧延スタンド2を通ることで、所望の板厚、板幅板クラウン製品板へと圧延され、コイル巻き取り機3で巻き取られ次の工程へと搬送される。
本実施形態の多段圧延機1は、従来からの板厚制御系4とは別の制御を行う制御部9を有している。この制御部9は、
(1)所定の圧延スタンド2において、圧延材Wの尾端位置がスタンド抜けするタイミングを計測し、
(2)そのスタンド抜けタイミングでの下流側圧延スタンド2直下の圧延材Wの位置を検出し、
(3)それらの検出位置が最終圧延スタンド2へ到着する時刻を圧延ロール5速度(圧延速度)から計算し、
(4)加えて、スタンド抜けタイミングでの下流側圧延スタンド2直下の圧延材板厚を推定し、
(5)板厚推定値から、最終圧延スタンド2での板厚偏差発生量を演算し、
(6)この板厚偏差発生量から板厚目標値修正量を演算する、
ものとなっている。詳しくは、制御部9は、前述の板厚目標値修正量を演算する板厚目標値修正量算出部と、この板厚目標値修正量を最終スタンドで実現可能か否かを判定する判定部とを含む。

0014

一方、板厚制御系4に備えられたギャップ制御部は、
(7)得られた板厚目標値修正量を基に、最終圧延スタンド2のロールギャップを制御する、
(8)しかしながら、判定部の結果で、最終圧延スタンド2で実施可能なロールギャップ変化量を超えている場合は、得られた板厚目標値修正量をさらに修正し、修正後の板厚目標値修正量を用いて、最終圧延スタンド2のロールギャップを制御する、
ものとなっている。

0015

これら制御部9ならびに板厚制御系4は、プロコン等で構成されている。
図2に示すフローチャートを基に、本発明の制御部9の中にて行われる板厚制御の手法について順を追って述べることとする。
以下では制御の一例としてPI制御を用いた場合の例を示す。
まず、S1(ステップ1)にて、所定の圧延スタンド2、例えば、図1の第i(=N−3)圧延スタンド2での圧延材Wの尾端抜けタイミングを検出する。例えば、尾端抜けのタイミングは、第i圧延スタンド2の荷重計7の値Piを用いて、式(1)を用いて検出する。

0016

0017

次に、S2では、S1で得られた尾端抜けタイミングを例えば時刻tとし、時刻tの時点での「第(N−2)圧延スタンド2〜第N圧延スタンド2」(尾端抜けスタンド以降の後段スタンド)において、圧延ロール5直下位置(トラッキング点)での板厚推定値を算出する。尾端抜け時においては、スタンド間張力が変化(一般的には減少)し、荷重値が変化するため、圧延材Wの定常部(圧延方向中途部)での荷重ロックオンPLと圧下位置ロックオン値SLを用いて、式(2)にしたがい算出する。

0018

0019

S3,S4では、S1にて得られた尾端抜けタイミング時刻tでの各圧延スタンド2のトラッキング点(スタンド直下位置)が、最終圧延スタンド2に到着する時刻を各圧延スタンド2でのロール速度の実績値を用いて計算する。
例えば、最終圧延スタンド2の1つ上流側の圧延スタンド2(第(N−1)圧延スタンド2)のトラッキング点が、最終圧延スタンド2に到着する時刻は、式(3)で算出する。

0020

0021

例えば、式(3)の右辺左辺が等しくなる時刻t+mが、第(N−1)圧延スタンド2)のトラッキング点が、最終圧延スタンド2(第N圧延スタンド2)に到着する時刻である。
その後、S5にて、最終圧延スタンド2到着時点で板厚の目標修正量の算出を行う。この処理は、板厚目標値修正量算出部で行われる。算出には、例えば、マスフロー定式(式(4))を用いて得られた式(5)を用いるとよい。

0022

0023

ここで、式(5)から得られた板厚目標値修正量(板厚偏差推定量)が、板厚検出計8にて検出されれば、板厚制御系4により板厚の偏差を低減するようギャップ量などが修正される。
しかし、板厚目標値修正量が大きい場合には、調整するギャップ量が大きくなるため、スタンド間張力制御の性能限界をこえてスタンド間張力が一定ではなくなるために圧延としては不安定となり、板厚偏差が逆に増大したり、圧延トラブルにつながる可能性がある。 そこで、判定部において、板厚目標値修正量を最終スタンドで実現可能か否かを判定し、実現不可能(最終圧延スタンド2は、板厚目標値修正量を実現するギャップ量に変更できない)と判定された場合、圧延トラブルを誘発しない限界の圧下量操作量実績データあるいは圧延モデルを基に算出する。

0024

まず、S6にて、最終圧延スタンド2における圧延トラブルを誘発しない限界の圧下量操作量(ギャップ量)をΔSlimとして、式(6)から、最終圧延スタンド2で実施可能な板厚変化量Δhlimを算出する。以下の処理は、ギャップ制御部にて行われる。

0025

0026

そして、式(6)の板厚変化量以上の板厚変化を発生させないように、板厚目標値修正量を、式(7)を基に算出する。

0027

0028

この式(7)が意味するところは、本来であれば、圧延材Wの尾端部に対してΔhNだけ、板厚を修正する必要があるが、それをそのまま最終圧延スタンド2で実行してしまうと、圧延スタンド2の仕様限界を超えることとなり、最終圧延スタンド2における圧延トラブルを誘発しかねない。かとて、板厚を修正しないでいると、圧延材W尾端部のユーザーが求める仕様を満たさないものとなり、製品歩留まりが悪くなる。そこで、本願発明では、式(7)で新たに求められるΔhrefを板厚目標値修正量とすることで、ユーザーが求める仕様を満たしつつ、最終圧延スタンド2における圧延トラブルを誘発しない尾端部の圧延を実現している。このように、最終圧延スタンド2の設備仕様の範囲であって可能な範囲で、ロールギャップの修正を行うものとなっているため、尾端部の制御に伴う板厚ハンチング発生を可及的に低減することができる。その他、通板トラブル発生を抑制、通板安定性を維持することにより製造機会損失を回避できると共に、急峻な板厚変動の抑制により板厚精度を向上することができる。

0029

得られたΔhrefを基に、板厚制御の目標値、すなわち、最終圧延スタンド2の出側での目標板厚を、式(8)に示すように、hrefに対してhref-newとする。

0030

0031

その後、例えば、PI制御を用いて、式(10)のように最終圧延スタンド2での修正ギャップ量を求めるようにする。

0032

0033

S7にて、得られた修正ギャップ量ΔSNtを実際の最終圧延スタンド2に適用することとなる。なお、各圧延スタンド2を尾端が抜ける度に、S1〜S6の処理を尾端抜けが起こった圧延スタンド2以降の圧延スタンド2を対象にして行い、得られた修正ギャップ量ΔSNtを最終圧延スタンド2に適用する。
以上述べた本発明にかかる板厚制御方法を適用した結果を、以下に示す。
図3には、多段圧延機1により圧延材Wを圧延した結果として、尾端部の板厚変化量と、本実施形態により算出された板厚目標値修正量と、本実施形態の技術で圧延を行った場合の板厚偏差とが示されている。

0034

板厚変化量に注目すると、上流側の圧延スタンド2での尾端抜けの際に、従来の圧延では、尾端抜けした圧延スタンド2の下流側の圧延スタンド2にて板厚が厚くなり、結果的に最終圧延スタンド2での入側板厚が増加し、出側板厚も増加している。
詳しくは、上流側の圧延スタンド2にて尾端抜けにより後方張力を失うために、圧下荷重の増加、前方張力低下が発生し、それらが要因となり、尾端抜けした圧延スタンド2の下流側の圧延スタンド2にて板厚が厚くなる。それらの結果として、最終圧延スタンド2では、各圧延スタンド抜けのタイミング毎に、各スタンド直下の部分にて板厚増加が発生するため、板厚増加が最終圧延スタンド2に達する毎に板厚が順次増加している。

0035

一方、本実施形態の技術を用いた場合、それらの板厚増加分が最終圧延スタンド2に達する時点毎に板厚目標値修正量の計算を行うため、板厚変化量が増加する時点にて板厚目標値(図中の破線で示す)が変更されていることが確認される。
また、板厚変化量において、変化量が微少な場合には修正を行わないために、全ての時点にて目標値が修正されないが、それに関しても板厚目標値修正量が変化していない部分があることにより確認することができる。
板厚目標値修正量に従い制御を行った結果については、目標値を修正しているために圧延材Wの尾端に至るまで当初の目標値へ制御することはできていないが、修正目標値には追従できていることが確認できる。また、板厚変化量と比較すると、板厚偏差としては改善できていることが確認できる。

0036

図4にも、多段圧延機1により圧延材Wを圧延した結果が示されている。
図4(a)は、板厚目標値を一定とする従来からの制御を行った結果を示しており、この結果から明らかなように、板厚精度向上のために制御系応答性を上げていくと、板厚ハンチングを発生し最悪の場合は圧延トラブルに至る可能性が否めない。
図4(b)は、本実施形態の技術を適用した結果であり、板厚偏差に関して緩やかに変化しており、板厚ハンチングは発生していないことが確認できる。これは、板厚目標値修正量の際に、圧延スタンド2の性能(仕様)を維持できる範囲で修正を行うため、板厚ハンチングや圧延トラブルに至ることはないためである。

0037

ロールギャップ修正量に関しても従来例に比較して緩やかに変化させており、制御装置としても安定して稼働できていることが確認できる。すなわち、本発明の板厚制御技術により、通板安定化と板厚精度の向上が確実に実現されている。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0038

1多段圧延機
2圧延スタンド
3コイル巻き取り機
4板厚制御系
5圧延ロール
6バックアップロール
7荷重計
8板厚検出計
9 制御部

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