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技術 符号化装置、受信装置、無線通信システム、パンクチャパターン選択方法及びそのプログラム

出願人 シャープ株式会社
発明者 三瓶政一衣斐信介宮本伸一横枕一成浜口泰弘中村理吉本貴司山田良太
出願日 2009年3月6日 (11年9ヶ月経過) 出願番号 2009-053568
公開日 2010年9月24日 (10年3ヶ月経過) 公開番号 2010-212757
状態 特許登録済
技術分野 符号誤り検出・訂正 有線伝送方式及び無線の等化,エコーの低減
主要キーワード 入力情報量 双曲線正接関数 基準型 送信割合 適用環境 入力相 程度情報 マルチレベル符号化
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

ターボ等化技術を採用している受信装置等化復号の特性を考慮して適切に符号化を選択する制御を行うことで、高い伝送特性を達成することができる。

解決手段

入力情報ビットに対し、第1のRSC符号部22に入力される系列と、インターリーブ部21を介して第2のRSC符号部23に入力される系列の2系統情報ビットとし、それぞれRSC符号化がなされる。各符号化されたパリティビットパンクチャリング部24に入力される。第1のRSC符号部22で得られる組織ビットは、情報ビットそのものなので、第2のRSC符号23で得られる組織ビットは送信しない。パンクチャリング部24では、所定の符号化率に応じたパンクチャリングが施されるが、パンクチャパターン制御部25によりRSC符号かターボ符号かを選択が行われる。

概要

背景

近年、ターボ等化と呼ばれる非線形繰り返し等化が注目を集めており、シングルキャリア方式ベースとした伝送方式を用いた受信処理において無線伝搬路マルチパスエネルギーを全て合成できるため、良好な特性を得ることができる。このようなシングルキャリア方式をベースとした伝送方式については、後述の非特許文献1等がある。

図10に、周波数領域SC/MMSE(Soft Canceller followed by Minimum Mean Square Error)ターボ等化の受信装置1000の一例を示す。ここでは送信装置を図示していないが、情報ビット誤り訂正符号化され、符号ビットに対してインターリーブが施された後、変調信号が生成され、CP(Cyclic Prefix)が付加された信号が送信されているものとする。

受信アンテナで受信され、無線周波数からダウンコンバートされた受信信号は、CP除去部1001によりCPを除去され、第1のDFT(Discrete Fourier Transform)部1002により周波数信号に変換される。得られた受信信号は、キャンセル部1003に入力されるが、キャンセル部1003は復号部1008からフィードバックされた事前情報がある場合には信号をキャンセルするが、1回目では信号はキャンセルされない。キャンセル部1003からの出力は等化部1004により周波数領域で例えば、最小二乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)規範などに基づく等化処理が施され、IDFT(Inverse DFT)部1005により時間信号に変換される。次に、復調部1006により等化後の時間信号から符号ビットの信頼性を示すLLR(Log Likelihood Ratio)が出力され、得られたLLRはデインターリーブ部1007により符号ビットの並びを元に戻す。

復号部1008において最大事後確率MAP:Maximum A Posteriori probability)推定に基づく誤り訂正処理が行われ、LLRの信頼性が高まる。ここで、復号部1008では、判定部1012へは情報ビットのLLRを出力するとともに、インターリーブ部1009へは符号ビットの「外部」LLRを出力する。ここで、「外部」とは、誤り訂正処理によってのみ改善した符号ビットの信頼性を表しており、実際には復号部1008内部で得られるLLRから入力したデインターリーブ部1007から出力された符号ビットのLLRを減算した値になる。次に、符号ビットのLLRはインターリーブ部1009に入力され、LLRの並びを再び並び替える。並び替えられた符号ビットのLLRは、ソフトレプリカ生成部1010によりLLRが表す信頼性に比例した振幅を有するソフトレプリカが生成される。例えば、変調方式が四値位相変調(QPSK:Quaternary Phase Shift Keying)の場合、QPSKシンボルを構成する2ビットの符号ビットのLLRをそれぞれλ1、λ2とすると、式(1)で表される。

ただし、ssoftは複素数で表されるソフトレプリカ、jは虚数単位、tanh(x)は双曲線正接関数である。

次に、式(1)で得られたソフトレプリカを第2のDFT部1011に入力し、周波数信号のソフトレプリカを生成し、キャンセル部1003と等化部1004に入力する。キャンセル部1003と等化部1004に入力されるのは、キャンセル部1003では希望信号まで含めて一旦すべてキャンセルし、等化部1004に入力された周波数信号を用いて再構成することで、逆行列演算回数を削減するためである。再び、キャンセル部1003以降の処理を任意の回数繰り返し、最後に判定部1012で情報ビットのLLRを硬判定することで、復号ビット系列を得る。

このように、等化部と復号部を直列に接続し、独立な拘束条件から互いに得られる符号ビットのLLRを交換することで、徐々に符号ビットの信頼性を高めることができ、情報ビットの検出精度が高くなる。このようなターボ原理に基づく繰り返し処理の振る舞いを視覚的に示したものが外部情報交換(EXIT:EXtrinsic Information Transfer)チャートである。

図11(a)に、ターボ等化技術におけるEXITチャートを観測するモデル、同図(b)にこのモデルによるEXITチャートの一例を示す。まず、同図(a)において、ターボ等化のモデルは、等化器2001と、復号器2002から構成されている。等化器2001は、図10におけるキャンセル部1003、等化部1004、IDFT部1005、復調部1006、ソフトレプリカ生成部1010、第2のDFT部1011の機能を有しており、復号器2002は図9における復号部1008の機能を有している。同図(a)において、等化器2001から出力される外部LLRは、復号器2002の入力LLRになり、復号器2002から出力される外部LLRは、等化器2001の入力LLRになるため、このようなモデルとなる。

図11(b)は、繰り返し処理の振る舞いを図示したEXITチャートである。ここで、EXITチャートは外部LLRから、送信された符号ビットに関して知り得た情報量を定量的に表した相互情報量と呼ばれる値を算出し、等化器2001と復号器2002の入出力関係を示している。

相互情報量の算出方法としては様々な方法が提案されているが、例えば、等化器2001の場合、等化後の受信信号対雑音電力比をSNR(Signal to Noise power Ratio)とすると、相互情報量は式(2)で算出される。

ただし、Iは0から1までの値の相互情報量、H1、H2、H3はシミュレーションにより求めた値を用いて最小平均自乗誤差を最小にするように式(2)で近似するカーブフィッティングという近似により算出された係数であり、変調方式により異なる定数として扱われる。Gray符号化の場合、二値位相変調(BPSK:Binary Phase Shift Keying)、QPSKの場合はH1=0.3073、H2=0.8935、H3=1.1064であり、他の変調方式や信号点配置でも同様に定数を算出することができる(例えば、非特許文献2ではマルチレベル符号化の信号点配置の場合について書かれている)。式(2)に基づいて等化器2001の相互情報量の入出力関係は算出可能だが、実際には伝搬路は変動しているため、伝送機会毎に算出されるスナップショットや、1%値などの統計量などが利用される。例えば、非特許文献2に示されるような適応符号化方式のような伝搬路変動に追随するよう符号化率を変更する場合にはスナップショットを利用する。一方、復号器2002の特性は、誤り訂正符号化の符号化装置の構造により決定され、符号化装置が決まれば一意にその特性を取得することができるため、予め把握しておくことができる。

次に、EXITチャートの見方について説明する。同図(b)において、L2001は等化器2001の入出力特性を表しており、L2002は復号器2002の入出力特性を表している。また、縦軸等化器出力相互情報量かつ復号器入力相互情報量であり、横軸は等化器入力相互情報量かつ復号器出力相互情報量となる。

まず、EXITチャートでは、最初に事前情報がない状態で等化処理が行われるので、情報量がゼロ、即ち同図の原点(横軸、縦軸がともにゼロの点)からスタートし、矢印A2001−1に従って等化処理により改善する相互情報量が得られる。次に、等化器出力相互情報量はそのまま復号器入力相互情報量になるため、矢印A2002−1に従って復号による相互情報量が得られる。同様に、得られた相互情報量は等化器2001にフィードバックされるため矢印A2001−2に従って等化処理が施され、矢印A2002−2に従って復号による相互情報量が得られる。以上の処理を繰り返し、最終的に横軸1に到達できればターボ等化処理収束状態となり、誤りなく検出できる。その一方で、等化器2001の入出力特性と復号器2002の入出力特性が交差するような場合には、上述のように矢印を引いて解析すると、交差したところで進まなくなり、検出誤りが生じる。この状態を「スタック」と言い、ターボ等化技術ではスタックが生じないような符号化装置を設計する必要がある。

これに対し、スタックが生じるかどうかは符号化装置の構造を変化させることによって変化するため、ターボ等化を適用した場合の繰り返し処理が収束状態になるかどうかにより符号化装置を設計することができる。一般的に、復号器出力相互情報量を1を得るために必要な入力相互情報量は小さいため、ターボ等化を用いない場合は、ターボ符号の方が良好な特性を示すことの方が多い。一方、ターボ符号自体の誤り訂正能力は入力相互情報量が小さい場合には低くなり、畳み込み符号やRSC(Recursive Systematic Convolutional)符号の方が誤り訂正能力は高い。このようにターボ等化は誤り訂正によりある程度の相互情報量の改善をしながら収束状態にする必要があるため、ターボ符号よりもむしろRSC符号などの方が収束状態になりやすいという状況も存在する。

この概念を図12に示す。同図において、横軸は等化器入力相互情報量かつ復号器出力相互情報量、縦軸が等化器出力相互情報量かつ復号器入力相互情報量である。L3001はターボ復号回数を4回とした場合のターボ符号の相互情報量の入出力特性、L3001はRSC符号の相互情報量の入出力特性の一例を示している。ターボ符号の相互情報量入出力特性L3001とRSC符号の相互情報量入出力特性L3002の傾きが異なるため、等化器特性の傾きにより、いずれか最適な方を選択した方がよい。このことは、ターボ等化を適用可能な受信装置が存在する場合には適切に符号化装置の構造を選択する必要があることを意味している。

概要

ターボ等化技術を採用している受信装置の等化・復号の特性を考慮して適切に符号化を選択する制御を行うことで、高い伝送特性を達成することができる。入力情報ビットに対し、第1のRSC符号部22に入力される系列と、インターリーブ部21を介して第2のRSC符号部23に入力される系列の2系統の情報ビットとし、それぞれRSC符号化がなされる。各符号化されたパリティビットパンクチャリング部24に入力される。第1のRSC符号部22で得られる組織ビットは、情報ビットそのものなので、第2のRSC符号23で得られる組織ビットは送信しない。パンクチャリング部24では、所定の符号化率に応じたパンクチャリングが施されるが、パンクチャパターン制御部25によりRSC符号かターボ符号かを選択が行われる。

目的

本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、その目的は、ターボ等化技術を採用している受信装置の等化・復号の特性を考慮して適切に符号化を選択する制御を行うことで、高い伝送特性を達成することができる符号化装置、受信装置、無線通信システム、パンクチャパターン選択方法及びそのプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

ターボ等化技術により信号を処理する等化部と復号部を有する受信装置通信を行う送信装置符号化装置であって、入力情報ビットRSC符号化して組織ビットパリティビットを出力する第1のRSC符号部と、前記入力情報ビットに対して異なるデータ配列とした信号をRSC符号化して組織ビットとパリティビットを出力する第2のRSC符号部と、前記第1及び第2のRSC符号部の符号化信号をパンクチャリングするパンクチャリング部と、前記パンクチャリング部を制御するパンクチャパターン制御部と、を備え、前記パンクチャパターン制御部は、符号化率を維持しながら、ターボ符号用パンクチャパターンと、RSC符号用パンクチャパターンのうち前記受信装置をスタックさせない方に切り替えて前記パンクチャリング部にパンクチャリングさせることを特徴とする符号化装置。

請求項2

前記パンクチャパターン制御部は、第1のRSC符号部の出力信号のみを利用するRSC符号用パンクチャパターンと、第1及び第2のRSC符号部の出力信号を利用するターボ符号用パンクチャパターンを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。

請求項3

前記パンクチャパターン制御部は、第1のRSC符号から得られるパリティビットと、第2のRSC符号から得られるパリティビットの数を不均一にするパンクチャパターンを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。

請求項4

前記パンクチャパターン制御部は、使用伝送方式によりパンクチャパターンを切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の符号化装置。

請求項5

請求項1又は2に記載の符号化装置により符号化された信号をターボ等化技術により処理する等化部と復号部を有する受信装置であって、前記等化部と前記復号部の相互情報量入出力特性の傾きを算出する傾き算出部と、前記傾き算出部が求めた傾きに基づいて、前記受信装置をスタックさせないように、前記符号化装置によりRSC符号を生成させるパンクチャパターンか、ターボ符号の生成をさせるパンクチャパターンかを選択して前記符号化装置に送信するパンクチャパターン選択部と、を備えることを特徴とする受信装置。

請求項6

前記パンクチャパターン選択部は、ターボ符号用パンクチャパターンからRSC符号用パンクチャパターンを選択することを請求項5に記載の受信装置。

請求項7

請求項3に記載の符号化装置により符号化された信号をターボ等化技術により処理する等化部と復号部を有する受信装置であって、前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きを算出する傾き算出部と、前記傾き算出部が求めた傾きに基づいて、前記受信装置をスタックさせないように、前記符号化装置によりRSC符号を生成させるパンクチャパターンか、ターボ符号の生成をさせるパンクチャパターンかを選択して前記符号化装置に送信するパンクチャパターン選択部と、を備え、前記パンクチャパターン選択部は、前記第1及び第2のRSC符号部からの前記パリティビットの送信割合を変更する複数のパンクチャパターンの中から適するものを選択することを特徴とする受信装置。

請求項8

前記パンクチャパターン選択部は、前記等化部の相互情報量に対する入出力特性より傾きが小さいパンクチャパターンの前記復号部の相互情報量に対する入出力特性のうち、最も傾きの大きなパンクチャパターンを選択することを特徴とする請求項7に記載の受信装置。

請求項9

請求項4に記載の符号化装置により符号化された信号をターボ等化技術により処理する等化部と復号部を有する受信装置であって、前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きを算出する傾き算出部と、前記傾き算出部が求めた傾きに基づいて、前記受信装置をスタックさせないように、前記符号化装置によりRSC符号を生成させるパンクチャパターンか、ターボ符号の生成をさせるパンクチャパターンかを選択して前記符号化装置に送信するパンクチャパターン選択部と、を備え、前記パンクチャパターン選択部は、使用伝送方式によりパンクチャパターンを選択することを特徴とする受信装置。

請求項10

請求項1乃至4いずれかに記載の符号化装置を備えた送信装置と、請求項5乃至9いずれかに記載の受信装置と、を備えた無線通信システム

請求項11

ターボ等化技術により信号を処理する等化部と復号部を有する受信装置と通信を行う送信装置の符号化装置に用いるパンクチャパターンの選択方法であって、前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きを算出する傾き算出ステップと、求めた前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きと、ターボ符号とRSC符号の相互情報量に対する入出力特性の傾きとを比較し、前記受信装置をスタックさせないパンクチャパターンを選択する選択ステップと、を備えたパンクチャパターンの選択方法。

請求項12

請求項11に記載のパンクチャパターンの選択方法をコンピュータに実行させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、符号化率を維持しながらターボ符号あるいはRSC符号を選択可能な符号化装置、また送信された符号化信号を等化復号する受信装置、また、これら送信装置と受信装置を備えた無線通信システムに関する。

背景技術

0002

近年、ターボ等化と呼ばれる非線形繰り返し等化が注目を集めており、シングルキャリア方式ベースとした伝送方式を用いた受信処理において無線伝搬路マルチパスエネルギーを全て合成できるため、良好な特性を得ることができる。このようなシングルキャリア方式をベースとした伝送方式については、後述の非特許文献1等がある。

0003

図10に、周波数領域SC/MMSE(Soft Canceller followed by Minimum Mean Square Error)ターボ等化の受信装置1000の一例を示す。ここでは送信装置を図示していないが、情報ビット誤り訂正符号化され、符号ビットに対してインターリーブが施された後、変調信号が生成され、CP(Cyclic Prefix)が付加された信号が送信されているものとする。

0004

受信アンテナで受信され、無線周波数からダウンコンバートされた受信信号は、CP除去部1001によりCPを除去され、第1のDFT(Discrete Fourier Transform)部1002により周波数信号に変換される。得られた受信信号は、キャンセル部1003に入力されるが、キャンセル部1003は復号部1008からフィードバックされた事前情報がある場合には信号をキャンセルするが、1回目では信号はキャンセルされない。キャンセル部1003からの出力は等化部1004により周波数領域で例えば、最小二乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)規範などに基づく等化処理が施され、IDFT(Inverse DFT)部1005により時間信号に変換される。次に、復調部1006により等化後の時間信号から符号ビットの信頼性を示すLLR(Log Likelihood Ratio)が出力され、得られたLLRはデインターリーブ部1007により符号ビットの並びを元に戻す。

0005

復号部1008において最大事後確率MAP:Maximum A Posteriori probability)推定に基づく誤り訂正処理が行われ、LLRの信頼性が高まる。ここで、復号部1008では、判定部1012へは情報ビットのLLRを出力するとともに、インターリーブ部1009へは符号ビットの「外部」LLRを出力する。ここで、「外部」とは、誤り訂正処理によってのみ改善した符号ビットの信頼性を表しており、実際には復号部1008内部で得られるLLRから入力したデインターリーブ部1007から出力された符号ビットのLLRを減算した値になる。次に、符号ビットのLLRはインターリーブ部1009に入力され、LLRの並びを再び並び替える。並び替えられた符号ビットのLLRは、ソフトレプリカ生成部1010によりLLRが表す信頼性に比例した振幅を有するソフトレプリカが生成される。例えば、変調方式が四値位相変調(QPSK:Quaternary Phase Shift Keying)の場合、QPSKシンボルを構成する2ビットの符号ビットのLLRをそれぞれλ1、λ2とすると、式(1)で表される。

0006

0007

ただし、ssoftは複素数で表されるソフトレプリカ、jは虚数単位、tanh(x)は双曲線正接関数である。

0008

次に、式(1)で得られたソフトレプリカを第2のDFT部1011に入力し、周波数信号のソフトレプリカを生成し、キャンセル部1003と等化部1004に入力する。キャンセル部1003と等化部1004に入力されるのは、キャンセル部1003では希望信号まで含めて一旦すべてキャンセルし、等化部1004に入力された周波数信号を用いて再構成することで、逆行列演算回数を削減するためである。再び、キャンセル部1003以降の処理を任意の回数繰り返し、最後に判定部1012で情報ビットのLLRを硬判定することで、復号ビット系列を得る。

0009

このように、等化部と復号部を直列に接続し、独立な拘束条件から互いに得られる符号ビットのLLRを交換することで、徐々に符号ビットの信頼性を高めることができ、情報ビットの検出精度が高くなる。このようなターボ原理に基づく繰り返し処理の振る舞いを視覚的に示したものが外部情報交換(EXIT:EXtrinsic Information Transfer)チャートである。

0010

図11(a)に、ターボ等化技術におけるEXITチャートを観測するモデル、同図(b)にこのモデルによるEXITチャートの一例を示す。まず、同図(a)において、ターボ等化のモデルは、等化器2001と、復号器2002から構成されている。等化器2001は、図10におけるキャンセル部1003、等化部1004、IDFT部1005、復調部1006、ソフトレプリカ生成部1010、第2のDFT部1011の機能を有しており、復号器2002は図9における復号部1008の機能を有している。同図(a)において、等化器2001から出力される外部LLRは、復号器2002の入力LLRになり、復号器2002から出力される外部LLRは、等化器2001の入力LLRになるため、このようなモデルとなる。

0011

図11(b)は、繰り返し処理の振る舞いを図示したEXITチャートである。ここで、EXITチャートは外部LLRから、送信された符号ビットに関して知り得た情報量を定量的に表した相互情報量と呼ばれる値を算出し、等化器2001と復号器2002の入出力関係を示している。

0012

相互情報量の算出方法としては様々な方法が提案されているが、例えば、等化器2001の場合、等化後の受信信号対雑音電力比をSNR(Signal to Noise power Ratio)とすると、相互情報量は式(2)で算出される。

0013

0014

ただし、Iは0から1までの値の相互情報量、H1、H2、H3はシミュレーションにより求めた値を用いて最小平均自乗誤差を最小にするように式(2)で近似するカーブフィッティングという近似により算出された係数であり、変調方式により異なる定数として扱われる。Gray符号化の場合、二値位相変調(BPSK:Binary Phase Shift Keying)、QPSKの場合はH1=0.3073、H2=0.8935、H3=1.1064であり、他の変調方式や信号点配置でも同様に定数を算出することができる(例えば、非特許文献2ではマルチレベル符号化の信号点配置の場合について書かれている)。式(2)に基づいて等化器2001の相互情報量の入出力関係は算出可能だが、実際には伝搬路は変動しているため、伝送機会毎に算出されるスナップショットや、1%値などの統計量などが利用される。例えば、非特許文献2に示されるような適応符号化方式のような伝搬路変動に追随するよう符号化率を変更する場合にはスナップショットを利用する。一方、復号器2002の特性は、誤り訂正符号化の符号化装置の構造により決定され、符号化装置が決まれば一意にその特性を取得することができるため、予め把握しておくことができる。

0015

次に、EXITチャートの見方について説明する。同図(b)において、L2001は等化器2001の入出力特性を表しており、L2002は復号器2002の入出力特性を表している。また、縦軸等化器出力相互情報量かつ復号器入力相互情報量であり、横軸は等化器入力相互情報量かつ復号器出力相互情報量となる。

0016

まず、EXITチャートでは、最初に事前情報がない状態で等化処理が行われるので、情報量がゼロ、即ち同図の原点(横軸、縦軸がともにゼロの点)からスタートし、矢印A2001−1に従って等化処理により改善する相互情報量が得られる。次に、等化器出力相互情報量はそのまま復号器入力相互情報量になるため、矢印A2002−1に従って復号による相互情報量が得られる。同様に、得られた相互情報量は等化器2001にフィードバックされるため矢印A2001−2に従って等化処理が施され、矢印A2002−2に従って復号による相互情報量が得られる。以上の処理を繰り返し、最終的に横軸1に到達できればターボ等化処理収束状態となり、誤りなく検出できる。その一方で、等化器2001の入出力特性と復号器2002の入出力特性が交差するような場合には、上述のように矢印を引いて解析すると、交差したところで進まなくなり、検出誤りが生じる。この状態を「スタック」と言い、ターボ等化技術ではスタックが生じないような符号化装置を設計する必要がある。

0017

これに対し、スタックが生じるかどうかは符号化装置の構造を変化させることによって変化するため、ターボ等化を適用した場合の繰り返し処理が収束状態になるかどうかにより符号化装置を設計することができる。一般的に、復号器出力相互情報量を1を得るために必要な入力相互情報量は小さいため、ターボ等化を用いない場合は、ターボ符号の方が良好な特性を示すことの方が多い。一方、ターボ符号自体の誤り訂正能力は入力相互情報量が小さい場合には低くなり、畳み込み符号やRSC(Recursive Systematic Convolutional)符号の方が誤り訂正能力は高い。このようにターボ等化は誤り訂正によりある程度の相互情報量の改善をしながら収束状態にする必要があるため、ターボ符号よりもむしろRSC符号などの方が収束状態になりやすいという状況も存在する。

0018

この概念図12に示す。同図において、横軸は等化器入力相互情報量かつ復号器出力相互情報量、縦軸が等化器出力相互情報量かつ復号器入力相互情報量である。L3001はターボ復号回数を4回とした場合のターボ符号の相互情報量の入出力特性、L3001はRSC符号の相互情報量の入出力特性の一例を示している。ターボ符号の相互情報量入出力特性L3001とRSC符号の相互情報量入出力特性L3002の傾きが異なるため、等化器特性の傾きにより、いずれか最適な方を選択した方がよい。このことは、ターボ等化を適用可能な受信装置が存在する場合には適切に符号化装置の構造を選択する必要があることを意味している。

先行技術

0019

M. Tuchler, and J. Hagenauer, “Linear Time and Frequency DomainTurbo Equalization,” in Proc.VTC2001-Spring, pp. 1449-1453, May 2001.
S. IBI, T. Matsumoto, R. Thoma, S. Sampei, and N. Morinaga, "EXIT Chart-Aided Adaptive Coding forMMSE Turbo Equalization with Multilevel BICM infrequency SelectiveMIMO Channels,"IEEE Trans. VT,Vol. 56,No. 6,pp. 3749-3756. Nov. 2007.

発明が解決しようとする課題

0020

しかしながら、スタックを生じないような設計を行う際には、等化器の入出力特性を見て適切な符号を選択することが必要であり、符号化装置として畳み込み符号やRSC符号を選択した場合とターボ符号を選択した場合で入出力特性が大きく異なるため、確率的に変化する等化器の伝送時刻における入出力特性を把握した上で適切な符号を選択する必要がある。

0021

さらに、これに対して、LTE(Long Term Evolution)やLTE−Aなどの次世代のセルラシステムでは、ターボ符号を用いる場合、ある程度情報ビット列が長くなければ誤り訂正の効果が弱いことから制御情報のみには畳み込み符号を使用し、データにはターボ符号を使う機能が存在する。これはあくまでデータの長さに応じて符号化装置を2種類切り替える概念ものであり、データ伝送における誤り訂正符号はターボ符号が基本となるため、できる限りターボ符号の構成のまま符号化装置の構造をRSC符号に変更することが望ましく、ターボ等化を適用可能な受信装置が存在することを意識して符号化装置の構造を変更するという手段はこれまでにはなかった。

0022

また、今後の無線通信システムでは同一システム内で等化を必要としない直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などのマルチキャリア信号だけでなく、シングルキャリア信号が混在した環境になることも予想されるため、ターボ等化を使用する受信装置が混在するかどうかだけでなく、ターボ等化が導入される受信装置でもどちらの符号が適しているかを考慮して適切な符号化装置を選択しなければならないという問題も新たに生じる。

0023

本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、その目的は、ターボ等化技術を採用している受信装置の等化・復号の特性を考慮して適切に符号化を選択する制御を行うことで、高い伝送特性を達成することができる符号化装置、受信装置、無線通信システム、パンクチャパターン選択方法及びそのプログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0024

本発明は、ターボ等化技術により信号を処理する等化部と復号部を有する受信装置と通信を行う送信装置の符号化装置であって、
入力情報ビットをRSC符号化して組織ビットパリティビットを出力する第1のRSC符号部と、前記入力情報ビットに対して異なるデータ配列とした信号をRSC符号化して組織ビットとパリティビットを出力する第2のRSC符号部と、前記第1及び第2のRSC符号部の符号化信号をパンクチャリングするパンクチャリング部と、前記パンクチャリング部を制御するパンクチャパターン制御部と、を備え、
前記パンクチャパターン制御部は、符号化率を維持しながら、ターボ符号用パンクチャパターンと、RSC符号用パンクチャパターンのうち前記受信装置をスタックさせない方に切り替えて前記パンクチャリング部にパンクチャリングさせることを特徴とする。

0025

ここで、前記パンクチャパターン制御部は、第1のRSC符号部の出力信号のみを利用するRSC符号用パンクチャパターンと、第1及び第2のRSC符号部の出力信号を利用するターボ符号用パンクチャパターンを切り替えることを特徴とする。

0026

また、前記パンクチャパターン制御部は、第1のRSC符号から得られるパリティビットと、第2のRSC符号から得られるパリティビットの数を不均一にするパンクチャパターンを切り替えることを特徴とする。

0027

また、前記パンクチャパターン制御部は、使用伝送方式によりパンクチャパターンを切り替えることを特徴とする。

0028

また、本発明は、前記符号化装置により符号化された信号をターボ等化技術により処理する等化部と復号部を有する受信装置であって、
前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きを算出する傾き算出部と、前記傾き算出部が求めた傾きに基づいて、前記受信装置をスタックさせないように、前記符号化装置によりRSC符号を生成させるパンクチャパターンか、ターボ符号の生成をさせるパンクチャパターンかを選択して前記符号化装置に送信するパンクチャパターン選択部と、を備えることを特徴とする。

0029

ここで、前記パンクチャパターン選択部は、ターボ符号用パンクチャパターンからRSC符号用パンクチャパターンを選択することを。

0030

また、本発明は、前記符号化装置により符号化された信号をターボ等化技術により処理する等化部と復号部を有する受信装置であって、
前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きを算出する傾き算出部と、前記傾き算出部が求めた傾きに基づいて、前記受信装置をスタックさせないように、前記符号化装置によりRSC符号を生成させるパンクチャパターンか、ターボ符号の生成をさせるパンクチャパターンかを選択して前記符号化装置に送信するパンクチャパターン選択部と、を備え、
前記パンクチャパターン選択部は、前記第1及び第2のRSC符号部からの前記パリティビットの送信割合を変更する複数のパンクチャパターンの中から適するものを選択することを特徴とする。

0031

ここで、前記パンクチャパターン選択部は、前記等化部の相互情報量に対する入出力特性より傾きが小さいパンクチャパターンの前記復号部の相互情報量に対する入出力特性のうち、最も傾きの大きなパンクチャパターンを選択することを特徴とする請求項7に記載の受信装置。

0032

また、本発明は、前記符号化装置により符号化された信号をターボ等化技術により処理する等化部と復号部を有する受信装置であって、
前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きを算出する傾き算出部と、前記傾き算出部が求めた傾きに基づいて、前記受信装置をスタックさせないように、前記符号化装置によりRSC符号を生成させるパンクチャパターンか、ターボ符号の生成をさせるパンクチャパターンかを選択して前記符号化装置に送信するパンクチャパターン選択部と、を備え、
前記パンクチャパターン選択部は、使用伝送方式によりパンクチャパターンを選択することを特徴とする。

0033

また、本発明は、前記符号化装置を備えた送信装置と、前記受信装置と、を備えた無線通信システムである。

0034

また、本発明は、ターボ等化技術により信号を処理する等化部と復号部を有する受信装置と通信を行う送信装置の符号化装置に用いるパンクチャパターンの選択方法であって、
前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きを算出する傾き算出ステップと、求めた前記等化部と前記復号部の相互情報量の入出力特性の傾きと、ターボ符号とRSC符号の相互情報量に対する入出力特性の傾きとを比較し、前記受信装置をスタックさせないパンクチャパターンを選択する選択ステップと、を備えたことを特徴とする。

0035

本発明は、このパンクチャパターンの選択方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとしてもよい。

発明の効果

0036

本発明を適用することにより、ターボ等化を行う受信装置が混在したとしても符号器そのものの構造を符号化装置の構成を変更することなく、適切なものに変更することができ、より良好な伝送特性が得られる。

0037

さらに、様々な無線伝送方式の信号が混在する環境下においても、同様の手法で符号化装置の構造を変更することで、いかなる伝送方式の信号を受信する受信装置にとっても最適な符号化を選択できる。

図面の簡単な説明

0038

第1実施形態の送信装置の構成の一例を示すブロック図である。
第1実施形態の符号部の構成の一例を示すブロック図である。
符号部を構成する第1のRSC符号部および第2のRSC符号部の一例を示す図である。
パンクチャパターンを変更する概念を説明するEXITチャートの一例を示す図である。
第1実施形態の受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
ターボ符号用の各符号化率を生成するパンクチャパターンから同一の符号化率のRSC符号用のパンクチャパターンに切り替える手法を説明する図である。
第1実施形態における計算機シミュレーションにより検証したEXITチャートの例を示す図である。
第2実施形態における計算機シミュレーションにより検証したEXITチャートの例を示す図である。
第3実施形態におけるマルチキャリアシングルキャリアの送信装置が混在する無線通信システムの例を示す図である。
従来の受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
(a)は、ターボ等化技術におけるEXITチャートを観測するモデルを示すブロック図、(b)は、このモデルによるEXITチャートの一例を示す図である。
ターボ符号とRSC符号におけるEXITチャートの一例を示す図である。

実施例

0039

以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。

0040

[第1の実施形態]
図1は、本実施形態の送信装置の構成の一例を示すブロック図である。

0041

この送信装置10は、符号部11、パンクチャパターン検出部12、インターリーブ部13、変調部14、DFT部15、スペクトルマッピング部16、IDFT部17、パイロット信号生成部18、パイロット信号多重部19、CP挿入部20から構成される。

0042

パンクチャパターン検出部12は、後述する受信装置から送信されたパンクチャパターン情報(受信装置が選択したパンクチャパターン)を受信して符号部11へ送る。符号部11は、構造としてはターボ符号化装置であり、入力情報ビットを誤り訂正符号化して、さらにパンクチャパターン情報に基づいて符号化率を維持しながらパンクチャパターンを変更する(詳しくは後述)。インターリーブ部13は、情報ビットおよびパンクチャ後の冗長ビット順序を並び替え、バースト誤りに対する耐性を高める。変調部14は、インターリーブ後の情報ビットおよび冗長ビットをシンボルマッピングして変調し、DFT部15はその信号を周波数信号に変換する。スペクトルマッピング部16は、送信データを各サブキャリア割り当てることによりマッピングし、IDFT部17に出力する。マッピングされた信号は、IDFT部17により時間信号に変換される。パイロット信号生成部18は、無線伝搬路の伝搬路特性を推定するためのパイロット信号を生成し、パイロット信号多重部19で時間信号と多重化する。CP挿入部20が多重化信号にCPを挿入して送信信号を生成して送信する。

0043

図2は、本実施形態の符号部の構成の一例を示すブロック図であり、図3は、図2の符号部を構成する第1のRSC符号部22および第2のRSC符号部23の一例(ともに符号部の構成は同一である。)を示す図である。ここでは、符号化率1/2のターボ符号を構成する符号部の場合で説明する。

0044

図2において、符号部11は、基本的に従来のターボ符号化装置と同じ構成をしており、インターリーブ部21、第1のRSC符号部22、第2のRSC符号部23、パンクチャリング部24、パンクチャパターン制御部25から構成される。パンクチャパターン制御部25には、パンクチャパターン検出部12で検出されたパンクチャパターン情報(後述する受信装置より送信された情報)が入力される。入力情報ビットに対し、第1のRSC符号部22に入力される系列と、インターリーブ部21を介して第2のRSC符号部23に入力されるランダムに並び替えられた系列の2系統の情報ビットとし、第1のRSC符号部22と、第2のRSC符号部23でそれぞれRSC符号化がなされる。次に、第1のRSC符号部22と第2のRSC符号部23で符号化された2ビット目(パリティビットと称する)の符号ビットはパンクチャリング部24に入力される。第1のRSC符号部22で得られる1ビット目(組織ビットと称する)は、情報ビットそのものなので、第2のRSC符号23で得られる組織ビットは送信しない。パンクチャリング部24では、所定の符号化率に応じたパンクチャリングが施されるが、パンクチャパターン検出部12で検出されたパンクチャパターン情報に基づきパンクチャパターン制御部25によりRSC符号かターボ符号化を選択するためのパンクチャリングが行われる。

0045

次に、パンクチャパターン制御部25の動作について説明する。表1に、符号化率1/2のターボ符号を構成するためのパンクチャパターンを示す。

0046

0047

同表において、1ビット目、2ビット目、3ビット目は、図2における第1のRSC符号部22の出力の組織ビット、パリティビット、第2のRSC符号部23のパリティビットを表しており(以下、原符号と称する)、表中の1に該当するビットを符号ビットとし、0となっているものはパンクチャリングする。例えば、110010が第1のRSC符号部22と第2のRSC符号部23で得られた場合は、表1のパンクチャパターンに当てはめると、3ビット目の0と5ビット目の1がパンクチャリングされ、1100が出力される。なお、第1と第2のRSC符号部22,23で得られるビットが長い場合には表1のパターンを繰り返して当てはめる。

0048

原符号を生成するRSC符号部22,23の構成を説明する。ここでは、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる次世代の移動通信システム仕様として採用されている拘束長4のRSC符号の例を示す。図3において、RSC符号部22,23は排他的論理和計算部26−1、26−2、26−3、シフトレジスタ27−1、27−2、27−3から構成される。まず、初期状態のシフトレジスタ27−1、27−2、27−3に保存されている値を0とする。入力された情報ビットは、組織ビットとして符号化されることなく出力される。一方、入力ビットは排他的論理和計算部26−2の出力の値と排他的論理和計算部26−1により排他的論理和が計算され、シフトレジスタ27−1に入力する際に、同時に全てのシフトレジスタを動作させ、シフトレジスタ27−1とシフトレジスタ27−3に保存されていた値と排他的論理和26−1の値を排他的論理和計算部26−3により排他的論理和が計算され、入力ビットを拘束するパリティビットが生成される。

0049

同時に、シフトレジスタ27−2とシフトレジスタ27−3に入力されていた値も排他的論理和計算部26−2において排他的論理和を計算し、次の入力ビットの拘束のために排他的論理和26−1に入力する。このように、各RSC符号部22,23は原符号を生成する。

0050

次に、図2で示したターボ符号化装置である符号部11の構成を変更することなくRSC符号にパンクチャパターン制御部25のみで変更する場合を説明する。符号化率1/2のRSC符号は、第1のRSC符号部22の出力そのものを使用すればよいため、構成を変更することなく用いるためには表1のパンクチャパターンを次の表2のようにすればよい。

0051

0052

表2は、第2のRSC符号部23を使用しないことを意味している。こうすることにより、ターボ符号部11の構成を変更することなくターボ符号とRSC符号の生成をパンクチャパターンの切り替えだけで符号器の機能を変更することができる。

0053

図4に、パンクチャパターンを変更する概念を説明するEXITチャートの一例を示す。同図において、L21、L22は図3と同じターボ符号の相互情報量の入出力特性およびRSC符号の相互情報量の入出力特性を示している。L31は、ターボ符号に適した等化器の性能を示す相互情報量の入出力特性の例であり、L32はRSC符号に適した等化器の性能を示す相互情報量の入出力特性の例である。

0054

まず、L31のような傾きを有する等化器は、比較的ターボ符号の相互情報量入出力特性L21と平行な関係になっていることから、図のような復号器特性より上に等化器特性が存在する場合には、スタックすることなく相互情報量1に到達しやすくなる。このとき、L32のような傾きを有する特性の等化器に使用してしまうと、等化器の傾きが急峻なので、同図のようにスタックしてしまう確率が高くなる。

0055

一方、L32のような傾きを有する等化器は、RSC符号の相互情報量入出力特性L22と比較的平行な関係になっていることから、復号器特性より上に等化器特性が存在する場合には、相互情報量1に到達しやすくなるが、これにターボ符号を使用してしまうと、ターボ符号の入出力特性の傾きが小さすぎるため、同図のように小さい相互情報量付近でスタックしてしまう可能性が高くなる。

0056

そのため、等化器の入出力特性の傾きから、パンクチャパターン制御部25はRSC符号にするかターボ符号にするかを選択し、符号化装置11にフィードバックすればよい。次に、等化器の入出力特性の傾きを計算する手法について説明する。ここでは、周波数領域SC/MMSEターボ等化技術を例に説明するが、一般的にターボ等化技術と呼ばれる技術を採用する場合でも本質的には同一である。

0057

図5に、受信装置の一例を示す。受信装置30は、CP除去部31、パイロット信号抽出部32、伝搬路推定部33、傾き算出部34、パンクチャパターン選択部35、第1のDFT部36、キャンセル部37、等化部38、IDFT部39、復調部40、デインターリーブ部41、復号部42、インターリーブ部43、ソフトレプリカ生成部44、第2のDFT部45、判定部46から構成される。図10同一名称のものは基本的には同じであるが、ここでは、パイロット信号抽出部32、伝搬路推定部33、傾き算出部34、パンクチャパターン選択部35を追加しており、通常、パイロット信号から伝搬路の周波数応答を推定する手段を有する機能は公知技術として存在しているので、本発明で新たに追加した機能はパンクチャパターンを制御するために必要な等化器の相互情報量の入出力特性の傾きを算出する傾き算出部34、RSC符号の構成を取らせるかターボ符号の構成を取らせるかを選択するパンクチャパターン選択部35である。選択されたパンクチャパターンは、送信装置10へ送信されるとともに、誤り訂正復号にも使用する必要があるので、復号部42に入力される。

0058

次に、等化器の相互情報量の入出力特性の始点と終点を算出する手法について述べる。始点と終点は、送信ビットに関する情報を全く把握できていない場合と完全に把握できている場合に相当するので、これを基に算出可能である。

0059

一般に、等化処理による送信信号に対する利得を表す等価振幅利得をμとすると、始点と終点における等化後の受信SNRは、MMSE基準型の場合、式(3)で算出される。

0060

0061

始点と終点の等価振幅利得はそれぞれ式(4)、式(5)で表される。

0062

0063

0064

ただし、H(k)はk番目離散周波数の複素数の伝搬路利得、Kは周波数信号のポイント数、σ2は受信装置30内における熱雑音の分散である。また、μsは始点の等価振幅利得、μeは終点の等価振幅利得であり、これを基に式(3)により始点と終点の受信SNRを算出し、式(2)により相互情報量を算出する。

0065

式(2)により得られた始点と終点の相互情報量をそれぞれIs、Ieとすると、傾き算出部34において等化器近似直線の傾きは、Ie−Isで算出される。

0066

次に、このように得られた傾きから、RSC符号を選択させるかターボ符号を選択させるかを決定する。まず、RSC符号の入出力特性の傾きとターボ符号の入出力特性の傾きは受信装置30内で把握しておく。図3より、RSC符号はおよそ0.66、ターボ符号はおよそ0.125であり、等化器特性の傾きがRSC符号特性とターボ符号特性のほぼ中間である0.4より大きければRSC符号を選択し、0.4より小さければターボ符号を選択する。なお、これは符号の選択法の一例であり、傾きを把握して符号化装置のパンクチャパターンを変更することで構造を変化させるものについては本質的に同一である。

0067

このように、本発明は等化器の相互情報量の入出力特性の傾きを把握することで、スタックを生じにくくし、高い伝送特性で情報を伝送することができる。また、本発明は伝送機会ごとに適応的に施してもよいし、最初の伝送機会で設定された傾きをその後の伝送で使い続けてもよい。

0068

次に、ターボ符号化装置におけるターボ符号用の符号化率を変更するためのパンクチャパターンから、RSC符号のパンクチャパターンを生成する手法について説明する。

0069

第1の実施形態の表1に示されるように、ターボ符号の構成で、符号化率1/2で構成されるターボ符号の構成はパリティビットが交互にパンクチャリングされることで実現される。符号化装置内でRSC符号用とターボ符号用のパンクチャパターンを両方具備していれば切り替えるだけで問題ないが、メモリの関係でターボ符号用の各符号化率のパンクチャパターンからRSC符号に切り替えるパンクチャパターンを生成できることが望ましい。

0070

そこで、本実施形態では、受信装置のパンクチャパターン選択部35において、ターボ符号用の各符号化率を生成するパンクチャパターンから同一の符号化率のRSC符号用のパンクチャパターンに切り替える手法を説明する。まず、表1と表2より、RSC符号は、3ビット目、即ち第2のRSC符号部のパリティビットを使用せず、本来ターボ符号のために使われているターボ復号に必要な3ビット目の送信ビットを送信せず、代わりに2ビット目の送信に使用することで実現される。

0071

したがって、パンクチャパターンのテーブルにおいて、2ビット目のパンクチャパターンを2ビット目と3ビット目の論理和として規定し、3ビット目をすべて0にすることで実現される。この考え方の一例を図6に示す。図6においてT51は例として符号化率1/2のターボ符号を実現するためのパンクチャパターンを示しており、T52は本実施形態の手法で生成された符号化率1/2のRSC符号を実現するパンクチャパターンである。同図に示されるように、ターボ符号における2ビット目に3ビット目の値の論理和をT52のように計算し、3ビット目をゼロにすることで符号化率だけでなくターボ符号化装置自体の構造も変えることなく、RSC符号を得られるパンクチャパターンT53により切り替えることができる。

0072

本実施形態により、パンクチャテーブルを増やすためのメモリが必要最小限となり、基本をターボ符号とする符号化装置でRSC符号の構造そのものに変えることができ、ターボ等化を適用する際に、パンクチャパターンを変更するだけで適切な符号の構成にすることができ、送信信号の検出誤りが減る。

0073

図7に、これを実際に計算機シミュレーションにより検証したEXITチャートの例を示す。L51は、従来のターボ符号の構成で生成される復号器のEXITチャート、L52は、本発明の切り替えを用いて算出されたEXITチャートである。図12と同じ性能が得られており、本発明の効果があることが確認される。

0074

[第2の実施形態]
第1の実施形態では、RSC符号のパンクチャパターンの構成とターボ符号のパンクチャパターンの構成を切り替えたが、ここでは第1のRSC符号から得られるパリティビットと、第2のRSC符号から得られるパリティビットの数を不均一にすることで、復号器の相互情報量の入出力特性の傾きをより詳細に制御する。

0075

表3〜6に、パンクチャパターンの一例を示す。

0076

0077

0078

0079

0080

表3〜表6で表されるパクチャパターンをそれぞれType0〜Type3と称し、Type0は第1の実施形態と同じものである。これらは、第1と第2のRSC符号から出力されたパリティビットの送信割合を、符号化率を維持したまま変更するという手法である。Type1〜Type3については、ターボ符号器内の第1と第2のRSC符号器から生成されたパリティビットの両方が送信されるので、復号はターボ復号により行うものとする。計算機シミュレーションにより得られた結果を図8に示す。同図より、横軸(等化器入力情報量かつ復号器出力相互情報量)が低い値(始点付近)で入出力特性を変化させることができていることがわかる。したがって、例えば、Type1〜Type4の復号器特性の傾きを算出しておき、等化器特性より傾きが小さいTypeの復号器特性のうち、最も傾きの大きな復号器特性を有するTypeを適用することで、実現可能である。

0081

このように、符号化率を変更せずにより多くのパンクチャパターンを設定すれば、より細かい制御が可能となり、ターボ等化に適した符号を構成することができる。

0082

[第3の実施形態]
第3の実施形態としては、セルラシステムの上り回線を例とした適用環境について説明する。図9に、マルチキャリアとシングルキャリアの送信装置が混在する無線通信システムの例を示している。同図において、第1の送信装置(移動局)61は、電力利用効率の観点からシングルキャリアで伝送を行い、第2の送信装置(移動局)62は、OFDMのようなマルチキャリアで伝送を行っているものとする。受信装置(基地局)63はマルチキャリア信号の受信とシングルキャリア信号の受信が可能であるものとし、特にシングルキャリア信号の受信処理としてターボ等化も適用する。

0083

まず、第1の送信装置(移動局)61は、受信装置(基地局)63から遠く、電力利用効率の高いシングルキャリア方式を使用しているため、受信装置(基地局)63はターボ等化による受信処理を行う。このとき、受信装置(基地局)63は上述のように伝搬路特性から等化部の相互情報量の入出力特性を算出し、RSC符号が適しているかターボ符号が適しているかを判断し、第1の送信装置(移動局)61にフィードバックする。このとき、切り替えのフィードバック方法としては、例えばRSC符号の構造かターボ符号の構造かを通知するだけなので、1ビットの制御情報の増加で対応できる。

0084

一方で、OFDMで伝送を行う第2の送信装置(移動局)62の場合には、マルチキャリア伝送狭帯域サブキャリアの並列送信となるため、伝搬路による歪みは各サブキャリアの利得として観測されることになるため、受信装置(受信局)63における等化処理は必要ない。そのため、本来EXITチャートという評価は必要ないが、仮にEXITチャートとして観測した場合には、等化器の相互情報量の入出力特性は常に出力相互情報量が一定の傾き0の直線と捉えることができ、ターボ符号が適している。そのため、第2の送信装置(移動局)62へはターボ符号の構造で送信するよう通知し、ターボ等化を含めた一切の等化を適用しない受信処理となる。

0085

このように、無線ステムや環境、伝送方式に応じて適切な符号器構造を通知し、送信装置でパンクチャパターンを切り替えることで実現可能であり上述の実施形態2を用いれば符号化装置の構成を変えることなく符号器そのものの構造を変化させることができ、その結果、高い伝送特性が得られる。これは、繰り返し伝搬路推定のように、ターボ等化の内部に伝搬路推定が組み込まれる場合には、伝搬路推定精度も繰り返しにより変化するので、そのような受信処理が組み込まれている受信処理は、複数の送受信アンテナを用いて空間的に並列に信号を送信するMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)システムなどでも同様に考慮することができる。また、LTEとLTE−A(LTE−Advanced)システムで想定されるようにLTE対応端末とLTE−A対応端末が混在する環境などに適用することができる。

0086

なお、本実施形態では、シングルキャリア方式で送信された信号を、ターボ等化を適用した受信装置で受信する場合で説明したが、これに限らず、本発明の符号化装置および受信装置は、LLRをやり取りしながら復調、復号を行う繰り返し処理を適用した受信装置で受信する場合あれば適用できる。例えば、W−CDMA、MC−CDMA方式で送信された信号を、コード間干渉キャンセラを適用した受信装置で受信する場合に適用することができる。

0087

また、OFDM方式で送信された信号を、シンボル間干渉キャンセラあるいはキャリア間干渉キャンセラを適用した受信装置で受信する場合に適用することができる。

0088

また、LTEの符号化装置として規定されている手法があるが、サブブロックインターリーバと呼ばれるインターリーブパターンを変更することが本発明のパンクチャパターンを変更することと本質的に同一である。

0089

本実施形態に係るパンクチャパターンの選択処理については、コンピュータによって実現することができる。その場合、このような機能の処理内容記述したプログラムが提供される。そして、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。

0090

10送信装置
11符号部
12パンクチャパターン検出部
13インターリーブ部
14変調部
15DFT部
16スペクトルマッピング部
17 IDFT部
18パイロット信号生成部
19 パイロット信号多重部
20 CP挿入部
21 インターリーブ部
22 符号部
22,23RSC符号部
24パンクチャリング部
25 パンクチャパターン制御部
26排他的論理和計算部
27シフトレジスタ
30受信装置
31 CP除去部
32 パイロット信号抽出部
33伝搬路推定部
34傾き算出部
35 パンクチャパターン選択部
36 第1のDFT部
37キャンセル部
38等化部
39 IDFT部
40復調部
41デインターリーブ部
42復号部
43 インターリーブ部
44 ソフトレプリカ部
45 第2のDFT部
46 判定部
1000 受信装置
1001 CP除去部
1002 第1のDFT部
1003 キャンセル部
1004 等化部
1005 IDFT部
1006 復調部
1007 デインターリーブ部
1008 復号部
1009 インターリーブ部
1010 ソフトレプリカ生成部
1011 第2のDFT部
1012 判定部
2001等化器
2002 復号器

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