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技術 非接地導体の帯電体感装置および非接地導体の帯電体感実験方法

出願人 住友化学株式会社
発明者 コウハクル・ワサナ丸野忍
出願日 2009年3月10日 (11年0ヶ月経過) 出願番号 2009-055806
公開日 2010年9月24日 (9年6ヶ月経過) 公開番号 2010-210838
状態 拒絶査定
技術分野 教示用装置
主要キーワード 防護ケース 繋ぎ線 安全指針 可燃性粉体 防護設備 安全工学 最小着火エネルギー 爆発威力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年9月24日)のものです。
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図面 (5)

課題

粉体流体等の帯電に起因する非接地導体の帯電や、この非接地導体の帯電に起因する放電を実際に体感し、その危険性を感じ取ることができる非接地導体の帯電体感装置および非接地導体の帯電体実験方法を提供する。

解決手段

非接地導体9に帯電を発生させる装置であって、帯電した状態の物体が収容される貯留容器8と、貯留容器8内の物体に対して非接触となるように配設される非接地導体9とを備えている。貯留容器8内の帯電している物体に非接地導体9を接近させれば、非接地導体9が物体に接触しなくても、誘導帯電によって非接地導体9も帯電させることができる。このため、非接地導体9の電位を測定すれば、帯電している物体に触れなくても非接地導体9が帯電する可能性があることおよび、その場合の帯電量を作業者に把握させることができる。

概要

背景

さまざまな産業工程で発生する不要な静電気は、作業性・生産効率を悪化させるのみならず、可燃性溶剤可燃性粉体着火源となり得ることは良く知られている。
例えば、化学工場内では、可燃性溶剤や可燃性粉体の近傍に非接地導体が存在していると、非接地導体に帯電物体が接近した場合、静電誘導により非接地導体が帯電してしまう。この帯電した非接地導体が他の導体に接近すると、両導体間放電が発生し、この放電が着火源となって火災が発生する可能性がある。

非特許文献1には、かかる災害の原因となる静電誘導が発生するメカニズムが説明されている。そして、絶縁靴を履いた作業者は、静電誘導によって逆極性に2度帯電し電撃を受ける可能性があることも説明されている。

しかし、上記のごとく静電誘導に起因して導体が帯電するメカニズムや、実際の作業における危険性は把握できても、静電誘導現象を実際に体験したことが無ければ、静電誘導に起因して、作業中に発生する偶発的な放電やこの放電に起因する災害等を効果的に防ぐことは難しい。

また、前記災害を予防するためには、作業者等が静電誘導現象を直接体感し理解することが重要であり、そのための実験方法も研究されている(非特許文献2)。

しかるに、非特許文献2の実験方法では、誘導帯電が発生することを被験者に理解させることはできても、誘導帯電の発生と実際の作業との関連性や、誘導帯電に起因して生じる放電現象、およびその放電によるガス爆発等を作業者に体感させることはできない。

概要

粉体流体等の帯電に起因する非接地導体の帯電や、この非接地導体の帯電に起因する放電を実際に体感し、その危険性を感じ取ることができる非接地導体の帯電体感装置および非接地導体の帯電体感実験方法を提供する。非接地導体9に帯電を発生させる装置であって、帯電した状態の物体が収容される貯留容器8と、貯留容器8内の物体に対して非接触となるように配設される非接地導体9とを備えている。貯留容器8内の帯電している物体に非接地導体9を接近させれば、非接地導体9が物体に接触しなくても、誘導帯電によって非接地導体9も帯電させることができる。このため、非接地導体9の電位を測定すれば、帯電している物体に触れなくても非接地導体9が帯電する可能性があることおよび、その場合の帯電量を作業者に把握させることができる。

目的

本発明は上記事情に鑑み、粉体や流体等の帯電に起因する非接地導体の帯電や、この非接地導体の帯電に起因する放電を実際に体感し、その危険性を感じ取ることができる非接地導体の帯電体感装置および非接地導体の帯電体感実験方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

非接地導体帯電を発生させる装置であって、帯電した状態の物体が収容される貯留容器と、前記貯留容器内の前記物体に対して非接触となるように配設される非接地導体とを備えていることを特徴とする非接地導体の帯電体感装置

請求項2

前記貯留容器内に配置された、導電性素材からなる帯電部材と、該帯電部材を非接地状態となるように支持する絶縁支持体とを備えており、前記非接地導体は、前記貯留容器内に前記物体が投入されている状態において、前記帯電部材および前記物体に対して非接触となるように配設されることを特徴とする請求項1記載の非接地導体の帯電体感装置。

請求項3

前記帯電部材は、その表面積が80cm2以上であることを特徴とする請求項2記載の非接地導体の帯電体感装置。

請求項4

前記物体が、最小発火エネルギーが1J以上の粉体であることを特徴とする請求項1、2または3記載の非接地導体の帯電体感装置。

請求項5

前記物体が、引火点が40℃以上の液体であることを特徴とする請求項1、2または3記載の非接地導体の帯電体感装置。

請求項6

接地電極と、該接地電極に対して非接触状態となるように配設された放電電極とからなる一対の電極を備えており、該放電電極は、前記非接地導体に接続されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の非接地導体の帯電体感装置。

請求項7

前記一対の電極が内部に収容された爆発容器と、該爆発容器内に可燃性ガスを供給するガス供給手段とを有するガス爆発装置を備えていることを特徴とする請求項5記載の非接地導体の帯電体感装置。

請求項8

請求項1、2、3、4、5、6または7記載の非接地導体の帯電体感装置において、前記物体を収容した容器から前記貯留容器内に前記物体を投入することを特徴とする非接地導体の帯電体実験方法

請求項9

前記貯留容器内に前記物体が投入されて該物体中に前記帯電部材が配置されている状態において、前記非接地導体を前記帯電部材に接近させることを特徴とする請求項8記載の非接地導体の帯電体感実験方法。

技術分野

0001

本発明は、非接地導体帯電体感装置および非接地導体の帯電体実験方法に関する。
粉体液体(以下、粉体等という)を容器等に投入したり、また、粉体等を流動させたりした場合には、粉体等の内部摩擦や粉体等と容器等との摩擦により粉体等が帯電する。この帯電した粉体等に非接地導体が接近した場合、非接地導体は、粉体等と接触しなくても静電誘導により帯電する。この帯電した非接地導体と、接地した導体が接近した場合、両者間の電界強度が一定以上であれば、両導体間放電が発生する。
本発明は、かかる帯電した粉体や液体に起因して非接地導体に発生する帯電や、この帯電した非接地導体からの放電を実際に体感し、その危険性を感じ取ることができる非接地導体の帯電体感装置および非接地導体の帯電体感実験方法に関する。

背景技術

0002

さまざまな産業工程で発生する不要な静電気は、作業性・生産効率を悪化させるのみならず、可燃性溶剤可燃性粉体着火源となり得ることは良く知られている。
例えば、化学工場内では、可燃性溶剤や可燃性粉体の近傍に非接地導体が存在していると、非接地導体に帯電物体が接近した場合、静電誘導により非接地導体が帯電してしまう。この帯電した非接地導体が他の導体に接近すると、両導体間で放電が発生し、この放電が着火源となって火災が発生する可能性がある。

0003

非特許文献1には、かかる災害の原因となる静電誘導が発生するメカニズムが説明されている。そして、絶縁靴を履いた作業者は、静電誘導によって逆極性に2度帯電し電撃を受ける可能性があることも説明されている。

0004

しかし、上記のごとく静電誘導に起因して導体が帯電するメカニズムや、実際の作業における危険性は把握できても、静電誘導現象を実際に体験したことが無ければ、静電誘導に起因して、作業中に発生する偶発的な放電やこの放電に起因する災害等を効果的に防ぐことは難しい。

0005

また、前記災害を予防するためには、作業者等が静電誘導現象を直接体感し理解することが重要であり、そのための実験方法も研究されている(非特許文献2)。

0006

しかるに、非特許文献2の実験方法では、誘導帯電が発生することを被験者に理解させることはできても、誘導帯電の発生と実際の作業との関連性や、誘導帯電に起因して生じる放電現象、およびその放電によるガス爆発等を作業者に体感させることはできない。

先行技術

0007

労働安全衛生総合研究所技術指針「静電気安全指針2007」、社団法人産業安全技術会、H19.6.1、p17
山隈瑞樹、蒲池庄之助、“公開実験による静電気の安全教育手法−その3:誘導帯電および電荷漏洩に関する実験方法の解説安全工学,社団法人安全工学会、2005年、Vol.44、No.5、p348-350

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は上記事情に鑑み、粉体や流体等の帯電に起因する非接地導体の帯電や、この非接地導体の帯電に起因する放電を実際に体感し、その危険性を感じ取ることができる非接地導体の帯電体感装置および非接地導体の帯電体感実験方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

第1発明の非接地導体の帯電体感装置は、非接地導体に帯電を発生させる装置であって、帯電した状態の物体が収容される貯留容器と、前記貯留容器内の前記物体に対して非接触となるように配設される非接地導体とを備えていることを特徴とする。
第2発明の非接地導体の帯電体感装置は、第1発明において、前記貯留容器内に配置された、導電性素材からなる帯電部材と、該帯電部材を非接地状態となるように支持する絶縁支持体とを備えており、前記非接地導体は、前記貯留容器内に前記物体が投入されている状態において、前記帯電部材および前記物体に対して非接触となるように配設されることを特徴とする。
第3発明の非接地導体の帯電体感装置は、第2発明において、前記帯電部材は、その表面積が80cm2以上であることを特徴とする。
第4発明の非接地導体の帯電体感装置は、第1、第2または第3発明において、前記物体が、最小発火エネルギーが1J以上の粉体であることを特徴とする。
第5発明の非接地導体の帯電体感装置は、第1、第2または第3発明において、前記物体が、引火点が40℃以上の液体であることを特徴とする。
第6発明の非接地導体の帯電体感装置は、第1、第2、第3、第4または第5発明において、接地電極と、該接地電極に対して非接触状態となるように配設された放電電極とからなる一対の電極を備えており、該放電電極は、前記非接地導体に接続されていることを特徴とする。
第7発明の非接地導体の帯電体感装置は、第5発明において、前記一対の電極が内部に収容された爆発容器と、該爆発容器内に可燃性ガスを供給するガス供給手段とを有するガス爆発装置を備えていることを特徴とする。
第8発明の非接地導体の帯電体感実験方法は、第1、第2、第3、第4、第5、第6または第7発明の非接地導体の帯電体感装置において、前記物体を収容した容器から前記貯留容器内に前記物体を投入することを特徴とする。
第9発明の非接地導体の帯電体感実験方法は、第8発明において、前記貯留容器内に前記物体が投入されて該物体中に前記帯電部材が配置されている状態において、前記非接地導体を前記帯電部材に接近させることを特徴とする。

発明の効果

0010

第1発明によれば、貯留容器内の帯電している物体に非接地状態の導体(非接地導体)を接近させれば、非接地導体が物体に接触しなくても、誘導帯電によって非接地導体も帯電させることができる。このため、非接地導体の電位を測定すれば、帯電している物体に触れなくても非接地導体が帯電する可能性があることおよび、その場合の帯電量を作業者に把握させることができる。
第2発明によれば、帯電している物体(不導体)よりも帯電部材(導性体)を帯電させた方が非接地導体を近づけた時、非接地導体を容易に帯電させることができ、また非接地導体の帯電量を大きくできる。よって、体感実験を行ったときにおける作業者の教育効果を高くすることができる。
第3発明によれば、帯電部材と物体との接触面積を十分に取れるので、帯電部材の帯電量をある程度大きくできるから、非接地導体に生じる帯電量も大きくでき、帯電に対する危険性を教育する効果を高くすることができる。しかも、帯電部材の表面積が実際の作業において作業者が携帯する工具等の表面積と同等以上である。すると、実際の作業において自分が保有する工具が物体中に配置されているときに、その工具等に他の工具類が接近すると、他の工具類に帯電させることができる。つまり、物体に接触しなくても他の工具類が帯電する可能性があることを、作業者により身近なものとして体感させることができる。
第4発明によれば、粉体の最小着火エネルギーが大きいため、実験の際に帯電に起因する放電が発生しても粉じん着火することを防ぐことができる。
第5発明によれば、液体の引火点が高いため、実験の際に帯電に起因する放電が発生しても、液体の蒸気に着火することを防ぐことができる。
第6発明によれば、物体の帯電に起因して帯電した非接地導体から生じる放電を実際に体感できるので、非接地導体の帯電に起因する災害の危険性に対する理解を深めることができる。
第7発明によれば、一対の電極間で放電が発生すれば、この放電により可燃性ガスが着火され爆発するので、物体の帯電に起因して帯電した非接地導体から生じる放電の危険性をより効果的に体感させることができる。よって、非接地導体の帯電に起因する災害の危険性に対する作業者の理解をより深めることができる。
第8発明によれば、実際の物体投入作業に起因して、物体や物体中の導体に触れなくても非接地導体が帯電する可能性があることおよび、この静電気帯電に起因して非接地導体から放電が発生することを直接体感できるので、非接地導体の帯電に起因する災害の危険性に対する理解を深めることができる。
第9発明によれば、非接地導体が帯電していく過程やその帯電に起因する放電が生じる過程を時系列で体感できるので、非接地導体の帯電に起因する災害の危険性に対する理解を深めることができる。

図面の簡単な説明

0011

粉体Mを使用した本実施形態の体感装置1の概略説明図である。
他の実施形態の体感装置1の概略説明図である。
ガス爆発装置10を備えた体感装置1Bの概略説明図である。
液体Lを使用した本実施形態の体感装置1の概略説明図である。

0012

つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、符号Mは、本実施形態の体感装置1(以下、単に体感装置1という)において使用される粉体Mを示しており、符号6は、前記粉体Mが収容された状態で、運搬保管される投入容器を示している。

0013

図1において、符号8は、体感装置1において、前記粉体Mが投入される貯留容器を示している。この貯留容器8は、その上部に開口を有する中空な空間を有する金属製の容器であり、開口から前記粉体Mを内部に投入できる構造を有するものである。

0014

この貯留容器8内には、導体である帯電部材5が収容されている。この帯電部材5は、貯留容器8内に設けられたテフロン登録商標)等の絶縁性材料によって形成された台等からなる絶縁支持体7上に配設され、貯留容器8と接触しないように配置されている。つまり、帯電部材5は、非接地状態となるように貯留容器8内に配置されているのである。

0015

また、図1において、符号9は、体感装置1において、非接地状態となるように配設される非接地導体を示している。この非接地導体9は、貯留容器8内における粉体Mおよび帯電部材5の上方の空間に配置される。つまり、非接地導体9は、貯留容器8内の粉体Mおよび帯電部材5と非接触となるように配設されるのである。

0016

前記非接地導体9は、導線4を介して放電電極3に電気的に接続されている。この放電電極3は、鉄や白金などの導電性を有する材料によって形成された部材であり、非接地状態となるように配設されている。
そして、この放電電極3の近傍には、この放電電極3と間隔を空けた状態となるように接地電極2が配設されている。この接地電極2は、鉄や白金などの導電性を有する材料によって形成された部材であり、常時接地されており、常に電圧は0Vとなっている。

0017

以上のごとき、本実施形態の体感装置1によって、粉体に起因する帯電を体感する実験を行う方法を説明する。

0018

まず、貯留容器8内に帯電部材5を配置した状態で、貯留容器8内に投入容器6から粉体Mを投入する。すると、粉体Mは投入容器6と擦れあいながら移動するので、粉体Mと投入容器6との間の摩擦によって静電気が発生して、粉体Mが帯電する。この帯電した粉体Mが貯留容器8内に入り帯電部材5に接近すると、帯電部材5に誘導帯電をおこす。また、粉体Mと帯電部材5との接触や両者間の摩擦によっても、帯電部材5が帯電する。

0019

貯留容器8内の帯電部材5が十分に帯電すると、非接地導体9を帯電部材5に近づける。すると、誘導帯電によって非接地導体9が帯電し、この帯電に起因して、放電電極3と接地電極2との間に電界が形成される。

0020

さらに非接地導体9を帯電部材5に近づけていくと、非接地導体9の帯電電位も高くなる。すると、放電電極3と接地電極2との間の電界が変化し、両電極2,3間で放電可能な状態になると、両電極2,3間に放電が発生する。

0021

以上のごとく、本実施形態の体感装置1を使用すれば、貯留容器8内の帯電している帯電部材5に非接地導体9を接近させれば、非接地導体9が帯電部材5に接触しなくても、誘導帯電によって非接地導体9も帯電し、非接地導体9から放電が発生する可能性があることを実験者観察者に確認させることができる。
よって、本実施形態の体感装置1による実験を、工場等において粉体Mを取り扱う作業者等に実施させれば、粉体Mを取り扱う作業に起因して発生する帯電に関する作業者等の理解を深めることができる。

0022

とくに、作業者自身に非接地導体9を保持させて、この非接地導体9を帯電部材5に接近させれば、自己の行為に起因して、非接地導体9が帯電していく過程やその帯電に起因する放電が生じる過程を、作業者に時系列で体感させることができる。すると、作業者の非接地導体9の帯電に起因する災害の危険性に対する理解を深めることができる。

0023

また、図2に示すように、接地電極2や放電電極3を設ける代わりに、導線4の他端を電位計VMに接続してもよく、この場合には、非接地導体9がどの程度帯電したかを定量的に確認することができる。

0024

なお、上記例では、貯留容器8内の帯電部材5が十分に帯電してから非接地導体9を帯電部材5に近づける場合を説明したが、非接地導体9を予め貯留容器8内に配置しておいてもよい。つまり、非接地導体9を、貯留容器8内において、帯電部材5からある程度の離れかつ粉体Mと接触しない位置に配設していてもよい。この場合には、粉体Mの投入量が増加するに従って帯電部材5の帯電量が大きくなるから、非接地導体9の帯電量が大きくなる。そして、両電極2,3間で放電可能な状態になる程度に非接地導体9の帯電量が大きくなると、両電極2,3間に放電を発生させることができる。この場合でも、作業者自身に粉体Mを投入させれば、自己の行為に起因して、非接地導体9が帯電していく過程やその帯電に起因する放電が生じる過程を、作業者に時系列で体感させることができる。すると、作業者の非接地導体9の帯電に起因する災害の危険性に対する理解を深めることができる。

0025

実験器具詳細説明
また、本実施形態の体感装置1において使用する非接地導体9はとくに限定されないが、実際の作業現場において作業者が携帯する工具等を非接地導体9とすれば、体感実験をより身近なものとして意識させることができる。例えば、化学プラント等の工場内で作業を行う作業者を対象とする場合であれば、モンキーレンチバルブ回しなどの工具を非接地導体9として使用することができる。

0026

実験に使用する粉体Mの素材は特に限定されないが、最小着火エネルギーが1J以上であることが好ましい。かかる粉体Mの場合には、粉体Mの最小着火エネルギーが高いので、実験の際に、帯電に起因する放電が発生しても粉体Mが着火することを防ぐことができる(参考文献:Siwek,R. ,Cesana,C. “Ignition Behavior of Dusts:Meaning and Interpretation”, Process Safety Progress, Vol.14,No.2, pp.107-119,1995)。
また、粉体Mが顆粒であれば、粉体Mを投入したときに粉塵が発生せず、粉塵爆発などの危険性が無いのでより好ましい。

0027

なお、上記実施形態では、実験において貯留容器8に投入する物体が粉体の場合を説明したが、貯留容器8に投入する物体は粉体に限られず、図4で示すように、液体Lを使用することもできる。この場合、使用する液体Lは特に限定されないが、引火点が40℃以上であることが好ましい。かかる液体Lの場合には、液体Lの引火点が高いため、実験の際に帯電に起因する放電が発生しても、液体Lの蒸気に着火することを防ぐことができる。

0028

粉体Mや液体L(以下、粉体M等で示す)を貯留容器8に投入する投入容器6は、例えば、ポリ袋ポリ容器ファイバードラム紙製容器金属製容器等の種々の容器を使用できるが、粉体M等との摩擦によって粉体M等を帯電させる能力が大きいものを使用すれば、帯電部材5の帯電量を大きくできる。すると、非接地導体9の帯電量も大きくなるから、電位計VMで測定される非接地導体9の帯電量が大きくなるし、また、放電電極3と接地電極2との間で放電を発生させたときにその放電も大きくなる。よって、非接地導体9を帯電部材5に接近させることに起因して発生する帯電の危険性を、作業者により強く認識させることができるので、好適である。

0029

貯留容器8は、上述したような金属性の容器に限られず、絶縁性材料によって形成された容器を使用することもできる。しかし、実際の作業現場で使用される容器(反応器ホッパー等)の大部分が金属性の容器であるから、貯留容器8に金属性の容器を使用すれば、作業者に体感実験を実際の作業と結びつけて理解させることができる。
なお、貯留容器8として、絶縁性材料によって形成された容器を使用すれば、絶縁支持体7を設けなくても帯電部材5を非接地状態とすることができるので、装置構成をより簡素化できる。

0030

本実施形態の体感装置1において使用する帯電部材5はとくに限定されないが、その表面積が80cm2以上であるものを使用することが好ましい。この場合、帯電部材5と粉体M等との接触面積を十分に取れるので、帯電部材5の帯電量をある程度大きくできる。すると、帯電部材5の帯電に起因して非接地導体9に発生する帯電の危険性を教育する効果を高くすることができる。
とくに、実際の作業現場において作業者が携帯する工具等を帯電部材5とすれば、体感実験をより身近なものとして意識させることができる。例えば、化学プラント等の工場内で作業を行う作業者を対象とする場合であれば、モンキーレンチやバルブ回しなどの工具を帯電部材5として使用することができる。そして、モンキーレンチ等は表面積が80cm2以上であり帯電量もある程度大きくなるので、粉体M等の投入作業に起因して発生する帯電の危険性を、作業者により強く認識させることができる。
なお、帯電部材5を設けずに、非接地導体9を粉体M等に近づけるようにしてもよく、この場合でも、粉体M等の帯電量がある程度以上になれば、非接地導体9を誘導帯電によって帯電させることができる。しかし、粉体Mなどの不導体よりも帯電部材5を帯電させた方が、非接地導体9を近づけた時、非接地導体9を容易に帯電させることができ、また非接地導体の帯電量を大きくできる。よって、帯電部材5を設けておくほうが、体感実験を行ったときにおける作業者の教育効果を高くすることができるので、好ましい。

0031

なお、導線4は、放電電極3と非接地導体9との間を電気的に接続できるものであればとくに限定されないが、粉体M等と導線との間を絶縁しておく上では、フッ素樹脂製チューブによって被覆された導線などを使用することが好ましい。また、導線4は、とくに限定されないが、例えば、1〜3m程度とすれば、実験室内での実験に際し、放電電極3と非接地導体9との接続が行いやすく、しかも導線4が実験の邪魔にならない。

0032

(ガス爆発実験装置
上記のごとく、粉体M等に起因する非接地導体9の帯電や、非接地導体9からの放電を確認するだけでも、粉体M等を取り扱う作業における静電気の危険性を理解させることはできる。しかし、非接地導体9の帯電に起因する放電が原因となる災害、例えば、ガス爆発等を体感させることができれば、単に帯電量を確認したり放電の発生を確認したりするだけの場合に比べて、実験者や観測者に与えるインパクトが強くなり、粉体M等の帯電に起因する災害の危険性に対する認識をより深めることができる。

0033

かかるガス爆発等を体感させる場合には、上述した体感装置を以下のごとき構成とすることが好ましい。
なお、以下では、上述した体感装置1(図1の装置)と同一の構成の部分については、説明を適宜省略している。

0034

図3はガス爆発装置10を備えた体感装置1Bの概略説明図である。図3に示すように、この体感装置1Bは、ガス爆発装置10を備えている。このガス爆発装置10は、混合ガス爆発限界を測定する公知の研究室測定装置と実質的に同等の構成を有するものである。

0035

なお、体感装置1Bに使用するガス爆発装置は、内部にガス貯蔵できかつその内部で放電を発生させ得る電極を備えているものであればとくに限定されないが、以下では、代表として、ガス爆発装置に北川研究室型測定装置を採用した場合を説明する。

0036

図3において、符号15は、爆発容器を示している。この爆発容器15は、内部を視認しうるガラス製試験容器上蓋とを備えたものである。
ガラス製試験容器は、上部は開放された中空構造を有するものであり、その内部に、前記接地電極2および前記放電電極3が放電可能な程度に離間した状態で配設されている。
上蓋は、ガラス製試験容器の開放部を覆うようにガラス製試験容器上に載せられるものである。この上蓋は、ガラス製試験容器上にその開放部を覆うように載せると、ガラス製試験容器内を外部から気密に密封することができるようになっている。ただし、上蓋はガラス製試験容器には固定されておらず、ガラス製試験容器内において混合ガスの爆発が生じたときには、爆発により発生した圧力で飛ぶ仕組みになっている。
なお、この上蓋も繋ぎ線によってガラス製試験容器と連結すれば、ガラス製試験容器内で爆発を生じさせたときに、上蓋が周辺に飛ぶことを防ぐことができる。

0037

そして、図3に示すように、前記爆発容器15には、可燃性ガスを供給するガスボンベ等のガス供給手段12、爆発容器15と外部との間を遮断連通するバルブ14、および、真空ポンプなどの吸引手段13が配管によって連通されている。

0038

以上のごとき構成であるから、以下の手順でガス爆発実験を行うことができる。
まず、吸引手段13によって爆発容器15内の空気を吸引し、爆発容器15内を大気圧よりも低い圧力とする。
その状態で、ガス供給手段12から可燃性ガスを導入し、バルブ14を開いて爆発容器15内に空気を導入する。すると、爆発容器15内に、空気と可燃性ガスとが混合した混合ガスを形成することができる。

0039

爆発容器15内に混合ガスを形成した状態で、粉体M等を貯留容器8内に投入すると、帯電部材5が帯電するので、貯留容器8内の帯電部材5が十分に帯電した状態で、非接地導体9を帯電部材5に近づける。すると、誘導帯電によって非接地導体9が帯電し、この帯電に起因して、放電電極3と接地電極2との間に電界が形成される。

0040

さらに非接地導体9を帯電部材5に近づけていくと、非接地導体9の帯電電位が上昇する。すると、放電電極3と接地電極2との間の電界が変化し、両電極2,3間で放電可能な状態になると、両電極2,3間に放電が発生する。すると、この放電が着火源となって、ガラス製試験容器内において混合ガスが爆発する。
ガラス製試験容器はその内部が視認しうるようになっているから、実験者や観察者はガラス製試験容器内の爆発状況を目視で確認できる。しかも、爆発の際に発生する大きな音や、爆発威力によって上蓋が飛ぶ様子を確認できるから、粉体M等の投与作業等による帯電に起因したガス爆発をより臨場感をもって体感することができる。

0041

なお、爆発容器15は、内部を視認できる透明な防護ケース16内に収容しておいてもよく、この場合には、爆発容器15に対して外部から衝撃等が加わることを防ぐことができる。この場合、防護ケース16内を換気できる換気手段を設けておくことが好ましい。かかる換気手段は、単に防護ケース16内の空気を吸引し外部に排出するポンプなどでもよいが、防護ケース16内から吸引した気体に含まれる燃焼ガス等を除害する除害手段を備えている方がより好ましい。

0042

爆発容器15にガス供給手段12から供給される可燃性ガスの種類によっては、内部を視認できしかも内部を換気できる、例えば、ドラフト等の防護設備11を設けて、この防護設備11内に防護ケース16に収容された爆発容器15とガス供給手段12を設置してもよい。防護設備11を設ける場合には、防護ケース16はなくてもよいが、防護設備11および防護ケース16の両方を設ける方がより好ましい。

0043

また、ガス爆発実験を行わない場合でも、放電が発生したときにオゾンが発生する可能性があるので、換気手段を備えた防護設備11や防護ケース16の中に両電極2,3を配置し、防護設備11等の中で放電実験を行うことが安全衛生上好ましい。

0044

さらに、本実施形態の体感装置1や体感装置1Bによる体感教育実験は、体感装置1や体感装置1Bを設置する空間を、工場内における実際の条件に近づけておくことが好ましい。例えば、実験条件を化学プラントの工場内の状況に近づけるのであれば、気温10〜40℃、相対湿度65%以下とすることが好ましい。
また、空調設備を備えた室内において本実施形態の体感装置1や体感装置1Bによる体感教育実験を行うのであれば、上記のごとき気温湿度となるように、空調設備によって空間内の雰囲気を調整することが好ましい。

0045

なお、体感装置1や体感装置1Bは、その全体を上述したような防護設備11内に配置してもよい。この場合には、防護設備11内の気温および相対湿度を適度に調整できる装置、例えば、空気調和装置等を防護設備11に設ければ、防護設備11内において、上記のごとき条件を実現することができる。

0046

本発明の非接地導体の帯電体感装置を用いて、非接地導体の電位を確認した。

0047

実験は、本発明の非接地導体の帯電体感装置において、粉体等の投入により帯電させた帯電部材(導体)に非接地導体を近づけて非接地導体の帯電電位を、電位測定計(非接触型電位計(電機(株)社製型番:KSD−0108))によって確認した。

0048

実験は、以下の部材を使用して、気温23℃、相対湿度43%の条件に保たれた実験室内で行った。
(1)貯留容器:金属缶(素材:ステンレス内径500mm×高さ600mm)
(2)帯電部材:ステンレス(容量5L)
(3)絶縁支持体:テフロン(登録商標)製ブロック
(4)粉体:樹脂ペレット(素材:PMMA
(5)投入容器:ポリ袋
(6)非接地導体:ピンセット(素材:SUS304)

0049

ポリ袋に収容されている粉体を、貯留容器内に10kg投入した後、導体であるステンレス缶にピンセットを近づけて電位を電位計で測定したところ、そのときの電位は3kVであり、放電電極と接地電極との間に放電を発生させることができる程度にピンセットが帯電していることが確認できた。

実施例

0050

以上のごとく、本発明の非接地導体の帯電体感装置を用いれば、非接地導体に、粉体等の帯電した物体に接近させたことに起因する帯電を発生させることができ、かかる帯電を作業者に体感させることができる。

0051

本発明の非接地導体の帯電体感装置は、粉体や液体等を取り扱う現場で作業を行う作業者に対して、粉体や液体等の投与作業等に起因する火災や爆発災害等の危険性を理解させるための教育に使用する装置に適している。

0052

1体感装置
2接地電極
3放電電極
5帯電部材
7絶縁支持体
8貯留容器
9非接地導体
10ガス爆発装置
12ガス供給手段
15 爆発容器

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