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技術 部分放電試験装置の検証装置及び部分放電試験装置の検証方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 佐藤秀行
出願日 2009年2月26日 (12年10ヶ月経過) 出願番号 2009-043309
公開日 2010年9月9日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2010-197258
状態 特許登録済
技術分野 絶縁性に関する試験 電動機、発電機の製造 遮断器と発電機・電動機と電池等の試験
主要キーワード 電流スペクトル 回路切替 FFT解析 装置起動 放電電荷 ノイズ判定 搬入作業 部分放電試験
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

部分放電を発生させずに部分放電試験装置の動作を検証できる部分放電試験装置の検証方法を提供すること。

解決手段

電源55に接続するモータ51に高電圧印加したときにモータ51に流れる電流測定値電流スペクトルへ変換し、部分放電と判定する基準となる部分放電周波数帯FBの電流スペクトルを積算した電流スペクトル強度閾値と比較することにより部分放電の有無を検出する部分放電試験装置50が正常に動作しているか否かを検証する部分放電試験装置の検証装置1において、高電圧が印加されたときに部分放電周波数帯FBの共振を発生する共振回路を有する放電マスタ2を高電圧電源55に接続し、放電マスタ2から出力される電流の電流値解析して電流スペクトルを取得し、部分放電周波数帯FBに周波数成分Yがある場合に部分放電試験装置50が正常に動作していると判断する。

概要

背景

モータは、巻線被覆に小さなボイドや空隙、クラック、傷などの欠陥があると、絶縁性の弱い部分に部分放電が発生する。部分放電は、巻線の被覆を長時間的に劣化させ、最終的には絶縁破壊を引き起こす。そのため、モータの製造工程には、部分放電試験によりモータの絶縁不良の有無を全数チェックする工程が含まれている。

巻線の絶縁不良に因る部分放電は、目に見えないほど小さいが、特定の周波数帯で発生する。そこで、例えば特許文献1記載の部分放電試験装置では、モータに高電圧(例えば3kV)をパルス状に印加したときにモータに流れる電流測定値FFT解析して電流スペクトルを求め、その電流スペクトルのうち部分放電成分が多く含まれる周波数帯の電流スペクトルを積算することにより電流スペクトル強度を算出し、算出した電流スペクトル強度が閾値以上である場合には部分放電が発生したと判断している。これによれば、電流に含まれる部分放電に因るノイズを他のノイズ(電源ノイズ等)と区別できるので、部分放電の検出精度を高めることができる。

もっとも、部分放電試験装置が正常に動作しなければ、部分放電試験の信頼性、すなわち絶縁不良検出精度の信頼性が得られない。そのため、部分放電試験装置は定期的(例えば装置起動時)に動作状態を検証される。部分放電試験装置の検証では、例えば、部分放電を発生しないモータに形成された巻線の絶縁被膜を剥いで部分放電を発生するワークが製作され、そのワークを部分放電試験装置の電源に接続することにより検証装置が構成される。検証装置は、ワークに上記部分放電検出試験を行い、部分放電を検出した場合には部分放電試験装置が正常に動作していると判断し、部分放電を検出しない場合には部分放電試験装置が正常に動作していないと判断する。

概要

部分放電を発生させずに部分放電試験装置の動作を検証できる部分放電試験装置の検証方法を提供すること。電源55に接続するモータ51に高電圧を印加したときにモータ51に流れる電流の測定値を電流スペクトルへ変換し、部分放電と判定する基準となる部分放電周波数帯FBの電流スペクトルを積算した電流スペクトル強度を閾値と比較することにより部分放電の有無を検出する部分放電試験装置50が正常に動作しているか否かを検証する部分放電試験装置の検証装置1において、高電圧が印加されたときに部分放電周波数帯FBの共振を発生する共振回路を有する放電マスタ2を高電圧電源55に接続し、放電マスタ2から出力される電流の電流値解析して電流スペクトルを取得し、部分放電周波数帯FBに周波数成分Yがある場合に部分放電試験装置50が正常に動作していると判断する。

目的

本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、部分放電を発生させずに部分放電試験装置が正常に動作しているか否かを検証でき、製品歩留まりを向上させることができる部分放電試験装置の検証装置及び部分放電試験装置の検証方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

電源に接続されたモータ回転子部分放電が発生可能な高電圧印加したときに前記回転子に流れる電流電流センサで測定し、前記電流センサの測定値電流スペクトルへ変換し、部分放電と判定する基準となる部分放電周波数帯の電流スペクトルを積算した電流スペクトル強度閾値と比較することにより部分放電の有無を検出する部分放電試験装置について、正常に動作しているか否かを検証する部分放電試験装置の検証装置において、前記高電圧が印加されたときに前記部分放電周波数帯の共振を発生する共振回路を有するものであって、前記電源に接続される放電共振手段と、前記放電共振手段から出力される電流の電流値解析して電流スペクトルを取得し、前記部分放電周波数帯に周波数成分がある場合には部分放電試験装置が正常に動作していると判断し、前記部分放電周波数帯に前記周波数成分がない場合には前記部分放電試験装置が正常に動作していないと判断する判定手段と、を有することを特徴する部分放電試験装置の検証装置。

請求項2

請求項1に記載する部分放電試験装置の検証装置において、前記放電共振手段は前記部分放電試験装置に組み込まれており、前記電源を前記回転子に接続して部分放電の有無を検出する部分放電検出モードと、前記電源を前記放電共振手段に接続して前記部分放電試験装置が正常に動作しているか否かを検証する動作検証モードとを切り替えモード切替手段を有することを特徴とする部分放電試験装置の検証装置。

請求項3

請求項2に記載する部分放電試験装置の検証装置において、前記モード切替手段が定期的に前記動作検証モードを設定し、前記部分放電試験装置の動作が正常であるか否かを自動的に検証することを特徴とする部分放電試験装置の検証装置。

請求項4

請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する部分放電試験装置の検証装置を用いて、前記部分放電試験装置の動作を検証することを特徴とする部分放電試験装置の検証方法

技術分野

0001

本発明は、部分放電試験によりモータ絶縁不良の有無を検査する部分放電試験装置が正常に動作しているかどうかを検証する部分放電試験装置の検証装置及び検証方法に関する。

背景技術

0002

モータは、巻線被覆に小さなボイドや空隙、クラック、傷などの欠陥があると、絶縁性の弱い部分に部分放電が発生する。部分放電は、巻線の被覆を長時間的に劣化させ、最終的には絶縁破壊を引き起こす。そのため、モータの製造工程には、部分放電試験によりモータの絶縁不良の有無を全数チェックする工程が含まれている。

0003

巻線の絶縁不良に因る部分放電は、目に見えないほど小さいが、特定の周波数帯で発生する。そこで、例えば特許文献1記載の部分放電試験装置では、モータに高電圧(例えば3kV)をパルス状に印加したときにモータに流れる電流測定値FFT解析して電流スペクトルを求め、その電流スペクトルのうち部分放電成分が多く含まれる周波数帯の電流スペクトルを積算することにより電流スペクトル強度を算出し、算出した電流スペクトル強度が閾値以上である場合には部分放電が発生したと判断している。これによれば、電流に含まれる部分放電に因るノイズを他のノイズ(電源ノイズ等)と区別できるので、部分放電の検出精度を高めることができる。

0004

もっとも、部分放電試験装置が正常に動作しなければ、部分放電試験の信頼性、すなわち絶縁不良検出精度の信頼性が得られない。そのため、部分放電試験装置は定期的(例えば装置起動時)に動作状態を検証される。部分放電試験装置の検証では、例えば、部分放電を発生しないモータに形成された巻線の絶縁被膜を剥いで部分放電を発生するワークが製作され、そのワークを部分放電試験装置の電源に接続することにより検証装置が構成される。検証装置は、ワークに上記部分放電検出試験を行い、部分放電を検出した場合には部分放電試験装置が正常に動作していると判断し、部分放電を検出しない場合には部分放電試験装置が正常に動作していないと判断する。

先行技術

0005

特開2005−274440号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、従来の部分放電試験装置の検証装置は、ワークの傷を付けた部分(被覆を剥いだ部分)に部分放電を実際に発生させて、部分放電試験装置が正常に動作しているか否かを検証していた。そのため、ワークは、繰り返し使用されるうちに傷を付けた部分が徐々に劣化して印加電圧に対して絶縁性を保てなくなり、絶縁破壊を引き起こしていた。よって、従来の部分放電試験装置では、絶縁破壊を生じる前に新しく異常状態検出用ワークを製作して、既存のワークと交換しなければならず、製品歩留まりを低くしていた。

0007

本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、部分放電を発生させずに部分放電試験装置が正常に動作しているか否かを検証でき、製品の歩留まりを向上させることができる部分放電試験装置の検証装置及び部分放電試験装置の検証方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明の部分放電試験装置の検証装置及び検証方法は、以下の構成を有する。
本発明の部分放電試験装置の検証装置は、電源に接続されたモータの回転子に部分放電が発生可能な高電圧を印加したときに前記回転子に流れる電流を電流センサで測定し、前記電流センサの測定値を電流スペクトルへ変換し、部分放電と判定する基準となる部分放電周波数帯の電流スペクトルを積算した電流スペクトル強度を閾値と比較することにより部分放電の有無を検出する部分放電試験装置について、正常に動作しているか否かを検証する部分放電試験装置の検証装置において、前記高電圧が印加されたときに前記部分放電周波数帯の共振を発生する共振回路を有するものであって、前記電源に接続される放電共振手段と、前記放電共振手段から出力される電流の電流値解析して電流スペクトルを取得し、前記部分放電周波数帯に周波数成分がある場合には部分放電試験装置が正常に動作していると判断し、前記部分放電周波数帯に前記周波数成分がない場合には前記部分放電試験装置が正常に動作していないと判断する判定手段と、を有する。

0009

上記部分放電試験装置の検証装置は、前記放電共振手段が前記部分放電試験装置に組み込まれており、前記電源を前記回転子に接続して部分放電の有無を検出する部分放電検出モードと、前記電源を前記放電共振手段に接続して前記部分放電試験装置が正常に動作しているか否かを検証する動作検証モードとを切り替えモード切替手段を有することが望ましい。

0010

本発明の部分放電試験装置の検証装置は、前記モード切替手段が定期的に前記動作検証モードを設定し、前記部分放電試験装置の動作が正常であるか否かを自動的に検証することが望ましい。

0011

本発明の部分放電試験装置の検証方法は、上記部分放電試験装置の検証装置を用いて、前記部分放電試験装置の動作を検証する。

発明の効果

0012

上記部分放電試験装置の検証装置及び検証方法では、放電共振手段を部分放電試験装置の電源に接続し、部分放電が発生可能な高電圧を放電共振手段に印加することにより放電共振手段に電流を流す。このとき、放電共振手段は、共振回路が部分放電と判定する基準となる部分放電周波数帯の共振を発生し、高周波数の電流を出力する。電流センサが放電共振手段から出力される電流を測定した測定値を解析して電流スペクトルを求めると、部分放電試験装置が正常であれば、部分放電周波数帯に周波数成分が表れるはずであるので、部分放電周波数帯に周波数成分がある場合には、部分放電試験装置が正常に動作していると判定し、部分放電周波数帯に周波数成分がない場合には、部分放電試験装置が正常に動作していないと判定する。このような部分放電試験装置の検証装置及び検証方法によれば、放電共振手段に部分放電を実際に発生させることなく部分放電試験装置が正常に動作しているか否かを検証できる。そして、モータの回転子に部分放電を発生する傷をつけてワークを作成する必要がないので、製品の歩留まりを向上させることができる。

0013

上記部分放電試験装置の検証装置及び検証方法は、部分放電試験装置に放電共振手段を組み込んで構成され、モード切替手段により部分放電検出モード又は動作検証モードを選択すれば、モータの回転子又は放電共振手段を電源に接続できる。よって、部分放電試験装置の動作を検証する度に放電共振手段を電源に取り付けなくても、動作検証モードを設定するだけで、部分放電試験装置の動作状態を検証できる。

0014

上記部分放電試験装置の検証装置及び検証方法は、モード切替手段が定期的に動作検証モードを設定し、部分放電試験装置の動作が正常であるか否かを自動的に検証するので、部分放電試験装置の動作状態を確認し忘れることがない。

図面の簡単な説明

0015

本発明の第1実施形態に係る部分放電試験装置の概略構成図である。
図1に示す放電マスタ回路図である。
図1のA部電圧変化波を示す図である。図中縦軸電圧(V)を示し、図中横軸は時間(msec)を示す。
図1に示す電流センサが検出する電流波形を示す図である。図中縦軸は電流(A)を示し、図中横軸は時間(msec)を示す。
FFT変換により抽出された周波数成分を示す図である。図中縦軸はスペクトル強度を示し、図中横軸は周波数(Hz)を示す。
部分放電試験装置の一例を示す図である。
図6のB部電圧変化波を示す図である。図中縦軸は電圧(V)を示し、図中横軸は時間(t)を示す。
図6に示す電流センサが検出する電流変化波形を示す図である。図中縦軸は電流(A)を示し、図中横軸は時間(t)を示す。
FFT変換により抽出された正常時の周波数成分を示す図である。図中縦軸はスペクトル強度を示し、図中横軸は周波数(Hz)を示す。
FFT変換により抽出された部分放電発生時の周波数成分を示す図である。図中縦軸はスペクトル強度を示し、図中横軸は周波数(Hz)を示す。
本発明の第2実施形態に係る部分放電試験装置の検証装置の概略構成図である。

実施例

0016

次に、本発明に係る部分放電試験装置の検証装置及び検証方法に関し、一実施形態を図面を参照して説明する。

0017

(第1実施形態)
<部分放電試験装置の構成>
先ず、検証対象となる部分放電試験装置50の構成について説明する。図6は、部分放電試験装置50の一例を示す。
部分放電試験装置50は、高電圧電源55、電圧制御部56、電流センサ57、上位装置62とを備え、モータ51に流れる電流の電流スペクトル強度を閾値と比較することにより部分放電の有無を検出するものである。モータ51は、U相コイル52とV相コイル53とW相コイル54の3相コイルステータに形成する巻線工程を完了した状態のモータの回転子である。部分放電試験装置50は、1つのモータ51について、高電圧電源55から高電圧を印加するコイル52〜54を順次変えて各コイル52〜53の部分放電を検出する。つまり、部分放電試験装置50は、1つのモータ51について3回ずつ部分放電試験を行う。

0018

部分放電試験装置50の上位装置62は、部分放電の検出を行う部分放電検出モードを設定する部分放電検出モード設定手段63と、部分放電試験装置50の動作を検証する動作検証モードを設定する動作検証モード設定手段64とを選択的に操作できるようになっている。上位装置62は、動作検証モード設定手段64を操作して後述する部分放電試験装置50の動作を検証した後、部分放電検出モード設定手段63の操作を許可する。

0019

作業者が部分放電検出モード設定手段63を設定すると、図示しないロボットハンドがモータ51を高電圧電源55にセットする。上位装置62は、モータ51が高電圧電源55に正しくセットされたことを確認すると、電圧制御部56から高電圧電源55に電圧供給指令を出力する。高電圧電源55は、図7に示すように、部分放電が発生可能な高電圧V0(例えば3kV)をモータ51に1パルスに印加する。これにより、モータ51に電流が流れる。モータ51に流れる電流は電流センサ57により測定される。電流センサ57の電流測定値は、例えば図8に示すように、経時的に減衰する電流波形となる。ここで、高電圧の印加によりモータ51に部分放電が生じると、電流が放電電荷分だけ増加し、図中拡大図に示すように電流波形にノイズXが生じる。

0020

電流センサ57が測定した測定値は、A/D変換部58に一定のサンプリング周期で取り込まれ、アナログ信号からデジタル信号に変換されてFFT解析部59へ出力される。FFT解析部59は、A/D変換部58でデジタル変換された測定値にFFT処理を行い、電流スペクトルを求める。このように時間領域での測定値を周波数領域に変換することで、部分放電波形の発生タイミング時間差に影響されることなく、部分放電の判断を行うことができるようになる。電流スペクトルは、部分放電が発生しない場合には、図9に示すように時間の経過と共になだらかに減少するが、部分放電が発生した場合には、図10に示すように、正常時の電流スペクトル(図9参照)と比べて特徴的に増加する周波数帯域(以下「部分放電周波数帯」という。)FBを有する。この部分放電周波数帯FBは、同種類のモータ51であれば、一定である。そこで、部分放電試験装置50は、モータ51に部分放電が発生したときの部分放電周波数帯FBを予め求めて上位装置62に記憶している。

0021

ノイズ判定部60は、FFT解析部59が求めた電流スペクトルのうち部分放電周波数帯FBで発生した電流スペクトルを積算して電流スペクトル強度を求め、その電流スペクトル強度を閾値と比較する。閾値は、絶縁不良部を有し部分放電が発生するような不良品モータのサンプルを部分放電試験装置50の高電圧電源55に接続して部分放電試験を行い、部分放電周波数帯FBの電流スペクトル強度を実験的に予め求め、上位装置62に記憶したものである。ノイズ判定部60は、電流スペクトル強度が閾値以上である場合には部分放電が発生したと判断し、電流スペクトル強度が閾値未満である場合には部分放電が発生していないと判断する。表示部61は、ノイズ判定部60の判定結果を入力して表示する。

0022

1つのコイルについて部分放電の検証が終わったら、高電圧電源55を別のコイルに繋ぎ変えて部分放電検出試験を行う。部分放電試験装置50は、全てのコイル52〜54について部分放電試験を行うと、図示しないロボットハンドが当該モータ51と高電圧電源55との接続を解除して当該モータ51を次工程へ搬出する。そして、別のモータ51を高電圧電源55に接続して上記と同様にして部分放電試験を行う。

0023

<部分放電試験装置の検証装置の構成>
図1は、部分放電試験装置の検証装置1の概略構成図である。
部分放電試験装置の検証装置1(以下、単に「検証装置1」という。)は、部分放電試験装置50の高電圧電源55に放電マスタ2(放電共振手段の一例)を接続して構成され、上位装置62に接続する制御部10(判定手段の一例)を備える。放電マスタ2は、高電圧電源55に着脱可能に取り付けられるようになっている。制御部10は、A/D変換部11、FFT解析部12、表示部13とを有する。A/D変換部11は、電流センサ57に接続してアナログ信号をデジタル信号に変換するものであり、FFT解析部12は、A/D変換部11から入力したデジタル信号を解析して電流スペクトルの部分放電周波数帯FBに周波数成分があるか否かにより部分放電試験装置50の動作状態を検証し、その検証結果を表示部13に表示させるものである。表示部13は、文字や画像を表示できるディスプレイであっても良いし、LEDなどの表示ランプであっても良い。

0024

図2は、放電マスタ2の回路図である。
放電マスタ2は、部分放電が発生可能な高電圧を印加されたときに部分放電として検出する周波数帯域の共振を発生する共振回路を有する。本実施形態の共振回路は、第1端子3と第2端子4との間に第1コンデンサ5と第2コンデンサ6を直列に接続し、第1コンデンサ5と並列にコイル7を接続している。第1コンデンサ5をコイル7と並列に設けるのは、コイル7内で放電が発生しないようにコイル7の両端に印加される電圧を調整するためである。第1及び第2コンデンサ5,6とコイル7の大きさは、部分放電が発生可能な高電圧を印加されたときに部分放電として検出する周波数帯の共振を発生するように選択されている。つまり、第1及び第2コンデンサ5,6とコイル7は、高電圧を印加されても壊れない大きさを有する。尚、第1及び第2コンデンサ5,6は、同じ大きさのセラミックコンデンサを用いている。

0025

<部分放電試験装置の検証方法>
続いて、部分放電試験装置50の検証方法について説明する。
上位装置62は、作業者が、放電マスタ2の第1端子3を高電圧電源55のプラス電極55aに接続すると共に第2端子4を高電圧電源55のマイナス電極55bに接続し、動作検証モード設定手段64に動作検証モードを設定すると、部分放電試験装置50の動作検証を行うためのプログラムを制御部10に実行させる。

0026

制御部10は、電圧制御部56から高電圧電源55に、部分放電が発生可能な電圧(例えば3kV)を放電マスタ2に1パルス印加する指令を与える。高電圧電源55は指令に従って電圧を放電マスタ2に印加する。このとき、プラス電極55aとマイナス電極55bとの間(図1のA部参照)の電圧を測定すると、図3電圧波形に示すように、経時的に減少する。

0027

放電マスタ2では、部分放電が発生可能な高電圧を印加されると、第1及び第2コンデンサ5,6とコイル7に電流が流れ、共振が発生する。さらに、第1コンデンサ5とコイル7から第2コンデンサ6に流れた電流は、さらなる共振を発生する。従って、放電マスタ2は、これらの共振により、高周波数の電流を出力する。放電マスタ2から出力される電流は、電流センサ57により測定される。電流センサ57が測定した電流は、例えば、図4に示すような電流波形となる。電流センサ57の電流測定値は、A/D変換部11においてアナログ信号からデジタル信号に変換され、FFT解析部12へ出力される。

0028

FFT解析部12がデジタル変換された電流測定値をFFT変換すると、図5に示すような電流スペクトルが得られる。図5に示す電流スペクトルには、放電マスタ2の共振回路で発生した電流の周波数成分Yが表れる。放電マスタ2の共振回路は、部分放電が発生可能な高電圧を印加されたときに部分放電として検出する周波数帯の共振を発生するように構成されている。よって、部分放電試験装置50が正常であれば、部分放電の有無を検出する際に部分放電と判定する基準となる部分放電周波数帯FBに周波数成分Yが表れるはずである。

0029

そこで、FFT解析部12は、上位装置62に記憶されている部分放電周波数帯FBを読み出し、その部分放電周波数帯FBに周波数成分Yがある場合には、表示部13に部分放電試験装置50が正常に動作している旨を表示する。正常動作の表示は、文章でディスプレイに表示しても良いし、ランプ点灯位置や色、ランプの点灯などで識別可能に表示しても良い。作業者は、表示部13で部分放電試験装置50が正常に動作していることを確認した上で、部分放電検出モード設定手段63を操作する。

0030

一方、部分放電周波数帯FBに周波数成分Yがない場合には、部分放電試験装置50が正常に動作していない旨を表示部13に表示する。動作不良の表示は、文章をディスプレイに表示しても良いし、ランプの点灯位置や色、ランプの消灯などで識別可能に表示しても良い。作業者は、表示部13で部分放電試験装置50が正常に動作していないことを確認したら、電圧制御部56、A/D変換部11、FFT変換部12などのパラメータや設置値、高電圧電源55や電流センサ57などの動作などを点検し、調整する。調整が完了したら、動作検証モード設定手段64を再度操作して部分放電試験装置50の動作を検証する。

0031

<効果>
以上説明したように、本実施形態の検証装置1及び検証方法は、部分放電試験装置50の高電圧電源55に接続する放電マスタ2に、部分放電が発生可能な高電圧を印加することにより、放電マスタ2から高周波数の電流を出力させ、その電流の測定値を解析して電流スペクトルを求め、電流スペクトルの部分放電周波数帯FBに周波数成分があるか否かにより、部分放電試験装置50の動作状態を検証するので、放電マスタ2に部分放電を実際に発生させることなく、部分放電試験装置50の動作が正常であるか否かを検証できる。そして、本実施形態の検証装置1及び検証方法によれば、部分放電を発生しない正常なモータに形成された巻線の被覆を剥がして部分放電を発生するワークを製作する必要がなく、製品の歩留まりを向上させることができる。

0032

また、放電マスタ2は、第1及び第2コンデンサ5,6とコイル7が、高電圧に耐えうる大きさを有して共振を発生させるので、繰り返し使用されても故障しない。
そして、放電マスタ2は、一定の電圧が印加されれば、第1及び第2コンデンサ5,6とコイル7で構成される共振回路が一定の周波数の電流を発生する。つまり、放電マスタ2から出力される電流は、放電マスタ2への印加電圧が同じであれば、同じ電流波形となる。そのため、本実施形態の検証装置1は、電流スペクトルに基づいてA/D変換部11からFFT解析部12、部分放電周波数帯FB及びそれらのパラメータも含めて細かく動作や設定内容を確認でき、部分放電試験装置50の動作状態を精度良く検証できる。

0033

(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図11は、第2実施形態に係る部分放電試験装置の検証装置71の概略構成図である。
本実施形態の部分放電試験装置の検証装置71(以下、単に「検証装置71」という。)は、放電マスタ2を部分放電試験装置50に組み込み、回路切替部72とモード切替手段73を備える点が、第1実施形態と相違する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点は、第1実施形態と同一符号を図面に付し、説明を適宜省略する。

0034

図11に示す検証装置71は、放電マスタ2を部分放電試験装置50に組み込んで構成されている。回路切替部72は、高電圧電源55をモータ51に接続する回路と、高電圧電源55を放電マスタ2に接続する回路とをモード切替手段73の設定に応じて自動的に切り替えるものである。上位装置74(判定手段の一例)は、部分放電検出機能の他に、部分放電試験装置50の動作を検証する機能を有する。

0035

上位装置74には、高電圧電源55をモータ51に接続して部分放電を検出する部分放電検出モードと、高電圧電源55を放電マスタ2に接続して部分放電試験装置50の動作状態を検証する動作検証モードとを定期的に切り替えるモード切替手段73を有する。定期的とは、例えば、部分放電試験装置50が起動されるとき、始業時、一定時間間隔等をいう。上位装置74は、FFT解析部12がA/D変換部58と表示部61に接続し、検証装置71に使用される部品の数を減らしている。

0036

このような検証装置71は、モード切替手段73により部分放電検出モードを選択すると、図示しないロボットハンドがモータ51を部分放電試験装置50に搬入して高電圧電源55に自動的に接続し、各コイル52〜54の部分放電試験を行う。そして、全てのコイル52〜54の部分放電試験が終了したらモータ51を搬出し、次のモータ51を部分放電試験装置50にセットする。一方、検証装置71は、モード切替手段73により動作検証モードを選択すると、放電マスタ2を高電圧電源55に自動的に接続して部分放電試験装置50の動作検証を行う。よって、検証装置71によれば、部分放電試験装置50の動作を検証する度に放電マスタ2を高電圧電源55に着脱しなくても、動作検証モードを設定するだけで、部分放電試験装置50の動作状態を検証できる。
そして、検証装置71は、モード切替手段73が定期的に動作検証モードを設定し、検証装置71が部分放電試験装置50の動作が正常であるか否かを自動的に検証するので、部分放電試験装置50の動作状態を確認し忘れることがない。この結果、部分放電試験装置50が異常を生じたまま部分放電を検出することがなくなり、部分放電試験装置50の動作検証に対する信頼性を向上させることができる。

0037

<変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、第1及び第2コンデンサ5,6(キャパシタンスの一例)のうち第1コンデンサ5と並列にコイル7(インダクタンスの一例)を配置して共振回路を構成した。これに対して、インダクタンス内部での放電が発生しない場合には、キャパシタンスとインダクタンスが並列になっている回路であっても、直列になっている回路でも、共振回路を構成して良い。
上記第2実施形態では、モード切替手段73の設定に応じて回路切替部72が自動的に回路を切り替えるようにしたが、手動で回路の切り替えて、部分放電試験装置50の動作状態を検証するようにしても良い。
上記第2実施形態では、モード切替手段73が定期的に動作検証モードを設定するが、作業者がモード切替手段73に動作検証モードを設定したときに、部分放電試験装置50の動作状態を検証しても良い。
上記実施形態では、モータ51を自動的に部分放電試験装置50に搬入して高電圧電源55のプラス電極55aとマイナス電極55bを各コイル52〜54に付け替え、搬出するようにしているが、モータ51の搬入作業搬出作業、高電圧電源55のプラス電極55aとマイナス電極55bをコイル52〜54に付け替える作業を手動で行うようにしても良い。

0038

1,71部分放電試験装置の検証装置
2放電マスタ(放電共振手段の一例)
5,6 第1及び第2コンデンサ
7コイル
10,74 制御部(判定手段の一例)
51モータ(回転子の一例)
55高電圧電源(電源の一例)
57電流センサ
73モード切替手段

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