図面 (/)

技術 ゼロ点設定に基づくワークの溶接管理方法

出願人 株式会社エスエムケイ
発明者 日高勝人
出願日 2010年4月28日 (10年7ヶ月経過) 出願番号 2010-102953
公開日 2010年9月2日 (10年3ヶ月経過) 公開番号 2010-188423
状態 特許登録済
技術分野 スポット溶接 プレス機械の制御 抵抗溶接とその制御 測定手段を特定しない測長装置
主要キーワード 突出量α ゼロポジション 絶縁ジョイント ゼロ点設定 許容値範囲 センサ筒 加圧開放 許容値範囲内
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年9月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

ゼロ点設定に基づく溶接管理において、より精密に加工できるようにするとともに、加工具側の損耗締め付けの弛みや破損等についても管理できるようにし、また、ゼロ点設定を効率的に行うことができるようにする。

解決手段

部電極5の貫通孔を通して上部に突出する位置決めピン8に板状ワークWやナットNをセットし、ナットNを上から押さえ付けて位置決めピン8のゼロ点を設定し、このゼロ点に基づいて、ナットNの姿勢の異常や機種の異常等を判断するような溶接方法において、下部電極5上にワークをセットした後、上部電極11の降下、ワークの加圧、(通電)、加圧開放一連サイクルを自動的に行わせるとともに、そのサイクル中、ワークの姿勢が基準姿勢になったときに、自動的にゼロ点を測定し設定できるようにする。

概要

背景

従来、ワークを加工する際、加工条件を一定に保つため加工原点におけるワークの基準位置ゼロ点として設定し、このゼロ点に対して所定の許容値範囲を設定するとともに、この許容値範囲内にあることを確認して加工するような方法が一般的に行なわれており、この際、加工に応じて加工条件が経時的に変化するような場合に、ゼロ点を補正しながら加工するような技術も知られている。(例えば、特許文献1、2参照。)
一方、本出願人は、鋼板等にナットボルトプロジェクション溶接する技術として、エアシリンダの作動によって上下動自在な位置決めピンによってナット等の溶接部品を穴あき鋼板上に位置決めし、上部電極と下部電極で鋼板やナット等を挟み込んで加圧通電して溶接するような技術として、ナットやボルトの姿勢等が正常の状態にあることを位置決めピンの上下ストローク量の検知によって判断するため、両ロッドタイプのシリンダユニットを使用し、これにシリンダロッドの伸張ストロークを検出する検知機構を設けるような技術(例えば、特許文献3参照。)を提案している。

概要

ゼロ点設定に基づく溶接管理において、より精密に加工できるようにするとともに、加工具側の損耗締め付けの弛みや破損等についても管理できるようにし、また、ゼロ点設定を効率的に行うことができるようにする。下部電極5の貫通孔を通して上部に突出する位置決めピン8に板状ワークWやナットNをセットし、ナットNを上から押さえ付けて位置決めピン8のゼロ点を設定し、このゼロ点に基づいて、ナットNの姿勢の異常や機種の異常等を判断するような溶接方法において、下部電極5上にワークをセットした後、上部電極11の降下、ワークの加圧、(通電)、加圧開放一連サイクルを自動的に行わせるとともに、そのサイクル中、ワークの姿勢が基準姿勢になったときに、自動的にゼロ点を測定し設定できるようにする。

目的

本発明は、ゼロ点設定に基づく溶接管理において、より精密に溶接管理できるようにするとともに、加工具側の損耗や締め付けの弛みや破損等についても管理できるようにし、しかもゼロ点設定作業をより効率化することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

溶接時に加工原点におけるワークの基準位置ゼロ点として設定し、このゼロ点に対して所定の許容値範囲を設定するとともに、この許容値範囲内にあることが確認されると溶接できるよう管理する溶接管理方法であって、前記ゼロ点を設定するにあたり、ゼロ点設定モードにあっては、下部電極上へのワークのセット後、上部電極の降下、上部電極によるワークの加圧加圧開放一連ゼロ点設定サイクルを自動的に行う際、上部電極によるワークの加圧が完了した時点で自動的にワークの位置を測定し、これをゼロ点として設定できるようにし、運用モードにあっては、下部電極上へのワークのセット後、上部電極の降下、上部電極によるワークの加圧、通電、加圧開放の一連の溶接サイクルを自動的に行う際、上部電極によるワークの加圧が完了した時点で自動的にワークの位置を測定し、これをゼロ点として設定できるようにしたことを特徴とするワークの溶接管理方法。

請求項2

前記ゼロ点は、基準の加工具に基づく加工具ゼロ点と、基準のワークに基づくワークゼロ点を有しており、前記ワークゼロ点については、最初の基準ワークに基づいて設定される基準ワークゼロ点と、一連の加工を複数回連続的に繰り返す際は、ワークの加圧が完了した時点で毎回自動的にワークの位置を測定し、所定回数測定値の平均に基づいて設定される平均ワークゼロ点を備え、前記加工具ゼロ点と前記基準ワークゼロ点との組み合わせか、前記加工具ゼロ点と前記平均ワークゼロ点との組み合わせかのいずれか一方が任意に選択できるようにされ、それぞれの組み合わせの二つのゼロ点の許容値範囲を両方とも満足しないときは溶接できないよう溶接管理することを特徴とする請求項1に記載のワークの溶接管理方法。

請求項3

前記ゼロ点は、基準の加工具に基づく加工具ゼロ点と、基準のワークに基づくワークゼロ点を有しており、前記ワークゼロ点については、最初の基準ワークに基づいて設定される基準ワークゼロ点と、一連の加工を複数回連続的に繰り返す際は、ワークの加圧が完了した時点で毎回自動的にワークの位置を測定し、所定回数の測定値の平均に基づいて設定される平均ワークゼロ点を備え、前記加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の二つのゼロ点の許容値範囲を両方とも満足しないときは溶接できないよう管理するとともに、適宜回数溶接した時点で基準ワークゼロ点の値を平均ワークゼロ点の値に置き換えて溶接管理することを特徴とする請求項1に記載のワークの溶接管理方法。

技術分野

0001

本発明は、例えばナットボルト等の部品加工具溶接する際に好適なワークの溶接管理技術に関する。

背景技術

0002

従来、ワークを加工する際、加工条件を一定に保つため加工原点におけるワークの基準位置ゼロ点として設定し、このゼロ点に対して所定の許容値範囲を設定するとともに、この許容値範囲内にあることを確認して加工するような方法が一般的に行なわれており、この際、加工に応じて加工条件が経時的に変化するような場合に、ゼロ点を補正しながら加工するような技術も知られている。(例えば、特許文献1、2参照。)
一方、本出願人は、鋼板等にナットやボルトをプロジェクション溶接する技術として、エアシリンダの作動によって上下動自在な位置決めピンによってナット等の溶接部品を穴あき鋼板上に位置決めし、上部電極と下部電極で鋼板やナット等を挟み込んで加圧通電して溶接するような技術として、ナットやボルトの姿勢等が正常の状態にあることを位置決めピンの上下ストローク量の検知によって判断するため、両ロッドタイプのシリンダユニットを使用し、これにシリンダロッドの伸張ストロークを検出する検知機構を設けるような技術(例えば、特許文献3参照。)を提案している。

先行技術

0003

特開平7−116899号公報
特開2006−247679号公報
登録実用新案公報第3135271号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、従来のゼロ点設定に基づく溶接管理は、ワークに対する加工条件等を一定に保持する点である程度効果があっても、より精密に加工管理するには限度があった。また、ワークのゼロ点に基づく溶接管理以外に、加工具側の損耗締め付けの弛みや破損等について管理することができれば、例えば加工具側の損耗等が所定の範囲に達した時点で整備等を施すことにより、より精密に加工することができてより精密に溶接管理することができると思われた。
更に、ゼロ点設定のための作業をより効率的に行うことができれば、より便利であった。

0005

そこで本発明は、ゼロ点設定に基づく溶接管理において、より精密に溶接管理できるようにするとともに、加工具側の損耗や締め付けの弛みや破損等についても管理できるようにし、しかもゼロ点設定作業をより効率化することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するため本発明は、溶接時に加工原点におけるワークの基準位置をゼロ点として設定し、このゼロ点に対して所定の許容値範囲を設定するとともに、この許容値範囲内にあることが確認されると溶接できるよう管理する溶接管理方法において、前記ゼロ点を設定するにあたり、ゼロ点設定モードにあっては、下部電極上へのワークのセット後、上部電極の降下、上部電極によるワークの加圧加圧開放一連のゼロ点設定サイクルを自動的に行う際、上部電極によるワークの加圧が完了した時点で自動的にワークの位置を測定し、これをゼロ点として設定できるようにし、運用モードにあっては、下部電極上へのワークのセット後、上部電極の降下、上部電極によるワークの加圧、通電、加圧開放の一連の溶接サイクルを自動的に行う際、上部電極によるワークの加圧が完了した時点で自動的にワークの位置を測定し、これをゼロ点として設定できるようにした。

0007

すなわち、ゼロ点を設定する方法として、従来のように、下部電極上にワークをセットした後、手作業で上部電極を降下させ、ワークを押圧することで基本的な姿勢を確立し、ゼロ点を測定し設定するような方法を改良し、例えば、ゼロ点設定モードにあっては、ワークをセットした後、ゼロ点設定スイッチ等を押すことにより、下部電極の降下、加圧、加圧開放のサイクルが自動的に行われるようにし、そのサイクル中にワークの基本的姿勢が確立された時点で自動的にワークの位置を測定し、これをゼロ点として設定できるようにすることにより、ゼロ点設定の時間が短縮され、効率的に作業することができる。そしてこのような自動化によるゼロ点の設定は、溶接作業中における上部電極の降下、ワークの加圧、通電、加圧開放の溶接サイクルにおいても行うことができるようにしている。

0008

また、本発明では、前記ゼロ点として、基準の加工具に基づく加工具ゼロ点と、基準のワークに基づくワークゼロ点の両者を設定するとともに、ワークゼロ点については、最初の基準ワークに基づいて設定される基準ワークゼロ点と、一連の加工を複数回連続的に繰り返す際は、ワークの加圧が完了した時点で毎回自動的にワークの位置を測定し、所定回数測定値の平均に基づいて設定される平均ワークゼロ点を設け、前記加工具ゼロ点と前記基準ワークゼロ点との組み合わせか、前記加工具ゼロ点と前記平均ワークゼロ点との組み合わせのいずれか一方を任意に選択できるようにし、それぞれの組み合わせの二つのゼロ点の許容値範囲を両方とも満足しないときは溶接できないよう溶接管理するようにした。

0009

このように加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点との組み合わせか、加工具ゼロ点と平均ワークゼロ点との組み合わせのいずれか一方を任意に選択できるようにし、それぞれの組み合わせの二つのゼロ点の許容値範囲を両方とも満足しないときは溶接できないよう溶接管理することで、例えば、ワークの誤差等に起因する不具合を検知して管理できるばかりでなく加工具側の損耗等に起因する不具合を検知して管理できるようになり、より精度良く加工管理することができ、しかも、二つの組み合わせの一方を任意に選択できるため、例えば溶接条件が経時的に変化するような場合は、加工具ゼロ点と平均ワークゼロ点の組み合わせを採用し、溶接条件に大きな変化がないような場合は、加工具ゼロ点との基準ワークゼロ点の組み合わせを採用する等によって、より適切に管理できるようになる。
ここで、平均ワークゼロ点を設定するためのワーク数等は任意に設定できるようにしておくことが好ましい。

0010

また本発明では、前記ゼロ点として、基準の加工具に基づく加工具ゼロ点と、基準のワークに基づくワークゼロ点の両者を設定するとともに、ワークゼロ点については、最初の基準ワークに基づいて設定される基準ワークゼロ点と、一連の加工を複数回連続的に繰り返す際は、ワークの加圧が完了した時点で毎回自動的にワークの位置を測定し、所定回数の測定値の平均に基づいて設定される平均ワークゼロ点を設け、前記加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の二つのゼロ点の許容値範囲を両方とも満足しないときは溶接できないよう管理するとともに、適宜回数溶接した時点で基準ワークゼロ点の値を平均ワークゼロ点の値に置き換えて溶接管理するようにした。

0011

すなわち、このような方法の具体例の第1としては、例えば平均ワークゼロ点として10回の平均値を採用するとした場合、最初の10回までの溶接は加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の二つの組み合わせで管理すると同時に、この間の各回のワークの位置を測定してその平均を求めて平均ワークゼロ点とし、次の11回目に、求めた平均ワークゼロ点の値を基準ワークゼロ点の値に置き換えて、加工具ゼロ点と置き換えた基準ワークゼロ点の二つの組み合わせで管理しながら11回目から20回目までの溶接を行い、この間に再び各回のワークの位置を測定して平均を求め、次の21回目には、新たに求めた平均ワークゼロ点の値を基準ワークゼロ点に置き換え、これを継続的に繰り返す方法である。

0012

また、具体例の第2としては、例えば平均ワークゼロ点として10回の平均値を採用するとした場合、例えば最初の100回の加工は加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の二つの組み合わせで管理すると同時に、この間の所定のタイミングで平均ワークゼロ点を求め、101回目は前記要領で求めた平均ワークゼロ点の値を基準ワークゼロ点の値に置き換えて、次の101回から200回までの溶接を管理し、同時に、その間の所定の時期に平均ワークゼロ点を求め、これを繰り返す方法である。

0013

なお、平均ワークゼロ点の値を基準ワークゼロ点の値に置き換える方法として他の方法も考えられるが、このような置き換えを行なうことにより、より実用的に管理にすることができる。

発明の効果

0014

溶接時に加工原点におけるワークの基準位置をゼロ点として設定し、このゼロ点に対して所定の許容値範囲を設定するとともに、この許容値範囲内にあることが確認されると溶接できるよう管理する溶接管理方法において、ゼロ点を設定するにあたり、ゼロ点設定モードにあっては、下部電極上へのワークのセット後、上部電極の降下、上部電極によるワークの加圧、加圧開放の一連のゼロ点設定サイクルを自動的に行う際、上部電極によるワークの加圧が完了した時点で自動的にワークの位置を測定し、これをゼロ点として設定できるようにし、運用モードにあっては、下部電極上へのワークのセット後、上部電極の降下、上部電極によるワークの加圧、通電、加圧開放の一連の溶接サイクルを自動的に行う際、上部電極によるワークの加圧が完了した時点で自動的にワークの位置を測定し、これをゼロ点として設定できるようにすることで、ゼロ点設定のための時間の短縮が図られ、効率的に作業することができる。

0015

また、ゼロ点として、基準の加工具に基づく加工具ゼロ点と、基準のワークに基づくワークゼロ点を設定し、ワークゼロ点として、最初の基準ワークに基づいて設定される基準ワークゼロ点と、一連の加工中に複数個のワークのゼロ点の平均値に基づいて設定される平均ワークゼロ点を設け、加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の組み合わせか、加工具ゼロ点と平均ワークゼロ点の組み合わせかのいずれか一方を任意に選択できるようにし、それぞれの組み合わせの二つのゼロ点の許容値範囲で溶接管理すれば、加工具を適切な状態に維持しながら溶接管理することができ、しかも、加工条件等が経時的に変化するような場合でも適切に管理することができる。

0016

また加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点との二つのゼロ点に基づいて管理するとともに、適宜回数溶接した時点で基準ワークゼロ点の値を平均ワークゼロ点の値に置き換えて溶接管理すれば、より実用的に管理することができる。
この際、平均ワークゼロ点設定機構に平均を求めるための回数や、平均を求めるためのタイミング等を任意に設定できるようにしておくことが好ましい。

図面の簡単な説明

0017

本発明に係る溶接管理装置が適用される部品溶接装置全体の構成概要図
位置決めピンのゼロ点を説明するための説明図
溶接管理装置の説明図
本溶接管理装置各機能設定時のフローチャート

実施例

0018

本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る部品溶接装置全体の構成概要図、図2は位置決めピンのゼロ点を説明するための説明図、図3は溶接管理装置の説明図、図4は本溶接管理装置の各機能設定時のフローチャートである。

0019

本発明に係る溶接管理方法は、部品溶接装置を管理する技術として適用され、この部品溶接装置は、鋼板等にナットやボルトを溶接する装置として構成されている。そしてこの溶接装置は、溶接時にボルトやナット等のワークの姿勢の異常や、加工具側の電極の磨耗や破損等の異常を検知し、異常を検知したときは溶接作業中断するようにされている。そこで、まずこの溶接装置に概要について説明する。

0020

この溶接装置1は、図1に示すように、両ロッドタイプのエアシリンダユニットシリンダ2と、このエアシリンダユニット2のシリンダ2s上部に絶縁材3を介して連結される二重筒構造電極ホルダ4と、この電極ホルダ4の上端部に結合され且つ中央部に貫通孔5hを有する下部電極5を備えており、シリンダ2sから上方に延出する上方シリンダロッド2rの上端部には、絶縁ジョイント6を介して連結シャフト7が連結され、この連結シャフト7の上部には、位置決めピン8が着脱自在にされている。そして、上方シリンダロッド2rや、連結シャフト7や、位置決めピン8は電極ホルダ4の筒内を昇降自在にされており、しかも位置決めピン8は、下部電極5の貫通孔5hから出没自在にされている。

0021

そして、この位置決めピン8の昇降ストロークを検知するため、シリンダ2sの下方には、ストローク検知機構10が設けられ、このストローク検知機構10は、シリンダ2sから下方に延出するシリンダロッド2rの下端部に連結される連結プレート12と、この連結プレート12の一端側に連結されるガイドロッド13と、連結プレート12の他端側に連結されるセンサロッド14を備えており、前記ガイドロッド13は固定プレート15上に配設されるガイド筒16を摺動自在に貫くとともに、センサロッド14は、固定プレート15に配設されるセンサ筒17に摺動自在に挿入されている。そして、センサロッド14の移動量をセンサ筒17で検知できるようにされ、またこのセンサ筒17で検知したストローク検知量を以下に述べる加工管理装置としてのコントロールボックス20に送るようにしている。

0022

そこでコントロールボックス20の細部について説明する前に、まず溶接時におけるゼロ点の設定要領等について、溶接部品がナットである場合を例にとって、図2に基づき説明する。

0023

図2(a)に示すように、エアシリンダユニット2により位置決めピン8を貫通孔5hから上方に突出させた状態にした後、下部電極5の上部に、ボルト挿通用下穴hが形成される鋼板等の板状ワークWを位置決めピン8に嵌め込むようにセットし、その後、その上からナットNを位置決めピン8に被せるようにセットする。
この際、ナットNが正常の姿勢の場合、プロジェクション部p(溶接によって溶解する部分)が下方に位置しており、プロジェクション部pと板状ワークWとの間には、隙間が形成された状態になるようにしている。
因みに、このプロジェクション部pがナットNの下面から下方へ突出する突出量αは0.7mm程度である。

0024

次いで、図2(b)に示すように、上部電極11が上方から下降してきて、ナットNの上面を下方に押圧しながらナットNを板状ワークWに押し付ける。このとき、下方のエアシリンダユニット2によって位置決めピン8を上方に押し上げる力は、上部電極11がナットNを下方に押圧する押圧力より弱くしているため、図2(b)に示すように、ナットNは押されて下方に降下し、上方に付勢されている位置決めピン8も一緒に降下し、ナットNのプロジェクション部pが板状ワークWに当接する。そして、このときの位置決めピン8の位置をストローク検知機構10で測定しコントロールボックス20でゼロ点として設定する。

0025

また、このようなゼロ点の設定は、従来であれば、板状ワークWやナットNを下部電極5上にセットした後、スイッチ等を操作して上部電極11を上方から降下させ、上部電極11と下部電極5で挟み込んで所定圧で加圧し、図2(b)に示す状態になったときに位置決めピン8の位置をストローク検知機構10で測定しゼロ点として設定し、その後、スイッチ等を操作して加圧開放するような方法が一般的であるが、本発明の場合は、ゼロ点設定モードの際は、後述するようなスイッチを一回押すだけで、上部電極11の降下、ワークの加圧、圧力開放のゼロ点設定サイクルを自動的に行い、その間にワーク加圧後の位置を自動的に測定し、それをゼロ点として設定できるようにされている。

0026

また、本発明では、ゼロ点設定モードだけでなく、実際に溶接を行う運用モードの際でもゼロ点を設定できるようにされており、この場合は、ワークをセットした後、上部電極11の降下、ワークの加圧、通電、加圧開放の一連の溶接サイクルを自動的に行い、その間にワークの位置を自動的に測定し、ゼロ点として設定することができるようにされている。

0027

この際、本実施例では、上部電極11や下部電極5や位置決めピン8等が「加工具」に相当し、ナットNや板状ワークWが「ワーク」に相当するが、通常、最初の一回目の加工を行なう際、正規のナットNや板状ワークWをセットして、最初の一回目に設定するのが基準ワークゼロ点であり、下部電極5や位置決めピン8等を交換したり電極ドレッシング整備等を行った際に、交換直後の最初の一回目に設定するのが加工具ゼロ点である。

0028

すなわち、この加工具ゼロ点は、上部電極11がナットNの上面を下方に押圧しながらナットNを板状ワークWに押し付けると、板状ワークWが薄い板材のような場合には、プロジェクション部pの突起は板状ワークWを通して下部電極5を局部的に押圧し、これが繰り返されると、下部電極5が局部的に損耗するため、下部電極5の損耗度所定範囲に達するとその表面を削って平面化する等の整備を行なう必要が生じ、ゼロ点にも影響を及ぼすようになる。また、位置決めピン8もナットNとの嵌合部が磨耗してくる。このため、下部電極5の損耗とか、位置決めピン8の磨耗とか、下部電極5の取付部の弛み等の加工具側についても加工の進行に連れて管理することが望ましい。このため、本発明では加工具ゼロ点を設定し管理している。

0029

また、溶接作業を繰り返すうち、例えば、位置決めピン8の昇降ストロークを検知するセンサ筒17内部のセンサが、温度変化を受けた場合に測定値が変化するような場合、溶接作業を繰り返すうち、センサロッド14が温度の影響を受けるようになるため、最初に設定したゼロ点を維持したのでは誤差が大きくなって好ましくない。このような場合は、直近のゼロ点を使用して精度を高めることが好ましい。

0030

このため、本実施例では、実際の溶接作業を行うと同時に毎回、ワーク加圧後にワークの位置を測定し、所定回数のワークの位置の平均値を求めて、これに基づいて管理するようにしているが、このとき設定されるのが平均ワークゼロ点である。
すなわち、本発明では、運用モードで溶接する場合、毎回溶接作業するたびごとに、前記ストローク検知機構10でストローク量を検知し、これをコントロールボックス20に伝送して記憶させるようにしている。

0031

前記コントロールボックス20は、内部にゼロ設定を行なったり、ゼロ設定に基づいて溶接加工を管理するためのソフトが組み込まれるとともに、図3に示すように、最上段にNGライトや、OKライトが設けられ、その下方のフロントパネルの上段にチャンネル表示器21やチャンネルモードキー22が設けられ、その下段に+許容値表示器23や+許容値モードキー24が、その下段に−許容値表示器25や−許容値モードキー26が設けられている。そしてその下段には、判定タイマ測定値表示器27や判定タイマ/測定値モードキー28が設けられ、その下段には、−キー29や、+キー30や、エンターキー31が設けられ、更にその下段には、エラーリセットキー32やゼロポジションキー33が設けられている。

0032

尚、コントロールボックス20のリヤパネルには、コントロールボックス20を運用モードにしたり、データ設定モードにしたりするのを切り替えるRUN/DATA切り替えスイッチ(不図示)が設けられている。

0033

因みにフロントパネルのスイッチ類等の機能について簡単に説明すると、チャンネルモードキー22は、ワークの機種に合わせて選択されるもので、チャンネル表示器21は選択されたワーク機種が表示されるものである。また、+許容値モードキー24や−許容値モードキー26は、それらを押すことにより、+許容値設定モードまたは−許容値設定モードに入ることができ、引き続いて下方の+キー30や−キー29を押すことにより、設定数値増減することができる。そして設定された値は+許容値表示器23や−許容値表示器25に表示される。
また、判定タイマ/測定値モードキー28は、判定タイマ/測定値表示器27の表示モードを切り替えるものであり、押すたびに判定タイマ(ナット供給完了からナット判定を行なうまでの時間)表示と測定値表示とに切り替わる。

0034

またエンターキー31は、ゼロ点を確定するためのキーであり、エラーリセットキー32は、ナット異常などのエラーを解除するときに使用するとともに、設定値の入力をキャンセルする場合にも使用する。また、ゼロポジションキー33は基準ワークゼロ点を設定するためのキーであり、長押しすることにより、設定モードにすることができる。
なお、それぞれのゼロ点の許容範囲外れた場合は、いずれの場合もNGライトと警報音で知らせると同時に、どのゼロ点の許容範囲を外れているかは、判定タイマ/測定値表示器25を見れば判るようにされている。

0035

そしてこのようなコントロールボックス20において、リヤパネルのRUN/DATA切り替えスイッチをDATAに切り替えることにより、下部電極の基準を管理する加工具ゼロ点の±許容値の設定や、ワークの最初の一回目の加工時に設定される基準ワークゼロ点の±許容値の設定や、所定回数の加工の平均値に基づいて設定される平均ワークゼロ点の±許容値の設定が可能となり、リヤパネルのRUN/DATA切り替えスイッチ(不図示)をRUNに切り替えることにより、運用モードに移行できるようにされている。

0036

ここで、ゼロ点設定要領について説明すると、ゼロ点設定機構は、溶接作業を伴わないでワークの位置を測定しゼロ点の設定だけを行なうゼロ点設定モードと、溶接作業を行いながら同時にワークの位置を測定してゼロ点を設定できる運用モードを有している。なお、ゼロ点を従来の手作業で設定する際は、ワークをセットした後コントロールボックス20のRUN/DATA切り替えスイッチをDATAに切り替え、所定のスイッチを押すことで従来の手作業によるゼロ点設定が可能であり、RUNに切り換えると、運用モードに入れることができる。
そして±許容値については、+許容値モードキー24や−許容値モードキー26を押すことで設定することができる。

0037

またゼロ点の設定は、運用モードにおいても行えるようにされており、この場合のゼロ点の設定は、通常、基準ワークをセットした後、ゼロポジションキー33を押すことで行なうようにされており、ゼロポジションキー33を押した後、溶接機起動スイッチを入れると上部電極11が自動的に降下してナットNを押圧し、ワークの位置を自動的に測定した後、圧力を開放するサイクルを自動的に行う。この際、本実施例では、運用モードにおいてゼロ点の設定だけを行なうときは、溶接機側の通電をオフの状態で行い(これはゼロ点設定モードの一つである。)、ゼロ点を設定した後、引き続いて溶接作業を行う際は、溶接機側の通電をオンの状態にして行う(これが溶接作業を伴う運用モードである。)。また、±許容値については、前記例と同様、+許容値モードキー24や−許容値モードキー26で設定することができる。
以上のゼロ点設定は、加工具ゼロ点設定、基準ワークゼロ点設定の両方に共通である。

0038

平均ワークゼロ点の設定については、コントロールボックス20の所定のスイッチを入れることにより、設定モードに入れるようにし、この所定のスイッチの位置を変えることにより設定モードから離れるようにしている。また、±許容値については、前記例と同様、+許容値モードキー24や−許容値モードキー26で設定することができる。
また、平均値とすべき加工回数の設定についても、コントロールボックス20の所定のスイッチを入れることにより、セットモードに入るようにし、−キー29や+キー30によりセットすれば、あとは自動的に所定回数のワークのゼロ点を測定し平均値を算出する。

0039

以上のようなコントロールボックス20を使用した場合の加工フローの一例について、最初にゼロ点設定モードでゼロ点の測定、設定を行い、溶接作業を行うときは運用モードでゼロ点を測定して平均ワークゼロ点を求めるとともに、加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の二つのゼロ点によって管理し、適宜回数溶接した時点で基準ワークゼロ点の値を平均ワークゼロ点の値に置き換えて溶接管理する場合を例にとって図4に基づき説明する。

0040

まず、基準ワークをセットして、基準ワークゼロ点とその±許容値を設定する。
すなわち、コントロールボックス20のRUN/DATA切り替えスイッチをDATAに切り替え、所定のスイッチを押すことでゼロ点設定モードに入れ、ゼロポジションキー33を押すことで、ワークの上方から上部電極11が自動的に降下してナットNを押圧し、ゼロ点を自動的に測定する。そして、±許容値については、+許容値モードキー24や−許容値モードキー26を押すことで設定することができる。

0041

また、途中で下部電極5や位置決めピン8等の工具側を交換等したような場合には、その都度、前記基準ワークゼロ点の場合と同様の手順で加工具ゼロ点を設定し、また、前記基準ワークゼロ点の場合と同様の手順でその±許容値を設定する。
また、平均ワークゼロ点については、平均算定基準の加工回数についてコントロールボックス20で任意に設定可能であるため、平均とすべき加工回数をセットし、その±許容値を設定すれば、あとは自動的にゼロ点が設定される。

0042

上記のような各ゼロ点およびその±許容値が設定されると、コントロールボックス20のリヤパネルのRUN/DATA切り替えスイッチをRUNに切り換えて運用する。この際、例えば、平均ワークゼロ点として10回の平均値を採用するとした場合、最初の10回の溶接は加工具ゼロ点と最初の基準ワークゼロ点の二つの組み合わせで管理すると同時に、各回のワークの位置を測定してその平均を求める。

0043

なお、この平均ワークゼロ点を求めるにあたり、本実施例では、毎回測定したワークの位置のうち、基準ワークゼロ点の±許容値を外れるものは、平均の対象とせず、これを除外して残りのものを対象として平均を求めるようにしている。
そして、次の11回目は、前記平均ワークゼロ点の値を基準ワークゼロ点の値に置き換えて、再び加工具ゼロ点と置き換えた基準ワークゼロ点の二つのゼロ点に基づいて管理しながら11回目から20回目までの溶接を行い、この間に再びワークの位置を測定してその平均を求める。そして、この新たに求めた平均ワークゼロ点の値を、次の21回目には基準ワークゼロ点に置き換えて管理し、これを継続的に繰り返す。

0044

この間、コントロールボックス20は、加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の二つのゼロ点のどちらも満足するとき以外の場合は、NGライトと警報音が発せられて、どのゼロ点を満足していないかを知らせるようにしている。

0045

なお、±許容値の設定の一例について説明すると、例えば、10〜100個程度のワーク(プロジェクション付きナット)の高さのばらつきを測定した結果、最大値が5.795mmで、最小値が5.655mmで、平均値が5.706mmであった場合を仮定する。この場合、最大値と最小値の差は0.14mmであるのに対して、最大値と平均値との差、および最小値と平均値との差は、それぞれ+0.089mm、−0.051mmで、平均ワークゼロ点の方が、基準ワークゼロ点より精密に管理できることから、実際に許容値を設定する際は、基準ワークゼロ点に対する許容範囲を±0.5mm程度、平均ワークゼロ点に対する許容範囲を±0.1mm程度にして管理することができる。
また、下部電極5の研磨の基準が、例えば±2mmの誤差発生時とした場合、加工具ゼロ点の許容範囲を±2mm程度に設定することができる。

0046

この際、平均ワークゼロ点を設定し管理するのは、例えば、溶接機の温度変化等によってストロークの検知精度が変化し、加工の進行に連れて温度変化等が大きくなるような場合とか、その他の加工条件が加工の進行に連れて変化するような場合に、平均ワークゼロ点で管理すれば、より精度を高めることができるからである。

0047

ところで、以上の実施例では、基本的に加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の二つのゼロ点に基づいて管理し、適宜所定のタイミングで基準ワークゼロ点の値を平均ワークゼロ点の値に置き換えて溶接管理するようにしているが、単純に、加工具ゼロ点と基準ゼロ点の二つのゼロ点で管理するようにしてもよく、加工具ゼロ点と平均ワークゼロ点の二つのゼロ点に基づいて管理するようにしてもよい。また、基準ワークゼロ点の値を適宜のタイミングで平均ワークゼロ点の値に置き換える場合、置き換えのタイミング等も任意である。

0048

この場合、特に、加工具ゼロ点と基準ワークゼロ点の二つの組み合わせによる場合の平均ワークゼロ点としては、例えば一回目から所定回数までの加工の平均値を使用すると設定した場合、一回目から所定回数までに達するまでの間の平均ワークゼロ点としては、それまでの加工時に測定したすべてのワークの位置の平均値を順次使用していくようにしてもよく、所定回数以降の平均ワークゼロ点は、直近の所定回数の加工時に測定したワークの位置の平均値とすることができる。このような溶接管理によって、例えば加工具ゼロ点と平均ワークゼロ点の組み合わせで管理するような場合に精度よく管理することができる。

0049

なお、本実施例では、ゼロ点を求める際のソフトウエアの処理速度を1秒以内としている。
これは、それ以上の時間がかかると、一回の溶接作業に対する時間が長くなり、連続して作業する場合にサイクルタイムがかかるようになるからである。

0050

以上のような溶接管理において、ワークの姿勢や機種の異常等のほか、加工具の磨耗も管理できるため、従来に較べてより精密に管理することができる。

0051

なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えばコントロールボックス20の機能設定要領等は一例であり、また、±許容値の具体的な値等も例示である。

0052

ゼロ点を設定するにあたり、上部電極の降下、ワークの加圧、加圧解除の一連のサイクルを自動的に行わせ、その間にワークの位置を測定しゼロ点を設定できるため、効率的な作業が図られると同時に、加工具を管理するための加工具ゼロ点と、ワークを管理するためのワークゼロ点を設定し、ワークゼロ点については、基準ワークゼロ点と平均ワークゼロ点を設けて溶接管理することにより、より実用的な加工管理が可能となり、しかも加工具の管理もできるため、特にプロジェクション溶接装置などの管理に広い普及が期待される。

0053

1…溶接装置、2…エアシリンダユニット、8…位置決めピン、20…コントロールボックス。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ