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図面 (6)

課題

内燃機関再始動要求があったときに、この内燃機関を適切に再始動することのできる内燃機関の制御装置を提供する

解決手段

再始動制御においてクランク軸を回転させて再始動するために要する始動回転力推定する手段として、停止制御の実行中における機関回転速度NEの低下率が算出される。そして、その低下率が大きいときほど、再始動制御におけるスタータの駆動の要否を判定するための判定値αが高く設定され、再始動要求があったときの機関回転速度NEが上記判定値α未満であるときに(NE<α)、再始動制御においてスタータの駆動を要すると判定される。

概要

背景

近年、車両に搭載される内燃機関制御装置において、燃費の向上やエミッションの改善を図るべく、自動停止要求に基づき内燃機関の停止制御を実行する一方、再始動要求に基づき内燃機関の再始動制御を実行するようにしたものが実用化されている。こうした制御が実行される内燃機関では、例えば、信号待ちにおいて車両が一時的に停止する等の自動停止要求があるときに、上記停止制御として燃料カットが実行される。これにより内燃機関の自動停止、いわゆるアイドリングストップが実行される。そして、車両が発進する等の再始動要求があるときに、再始動制御としてスタータ等の始動装置が駆動されるとともに燃料噴射再開され、これにより内燃機関が再始動される。

ここで、上述した停止制御が実行されている間であって内燃機関が完全に停止する前に、再始動要求があった場合には、内燃機関のクランク軸が未だ回転している状態から内燃機関の再始動制御が開始される。したがって、こうした再始動制御の開始時において機関回転速度が比較的高い場合には、始動装置を駆動せず燃料噴射の再開によって内燃機関の再始動(いわゆる自律復帰)が可能である場合がある。そこで、特許文献1に記載の制御装置では、上述した自律復帰が可能であると考えられる機関回転速度を、自律復帰の可否を判定するための判定値として設定し、再始動要求があったときの機関回転速度がこの判定値以上である場合には、始動装置を駆動せず燃料噴射を再開することによって内燃機関を再始動させるようにしている。

概要

内燃機関の再始動要求があったときに、この内燃機関を適切に再始動することのできる内燃機関の制御装置を提供する再始動制御においてクランク軸を回転させて再始動するために要する始動回転力推定する手段として、停止制御の実行中における機関回転速度NEの低下率が算出される。そして、その低下率が大きいときほど、再始動制御におけるスタータの駆動の要否を判定するための判定値αが高く設定され、再始動要求があったときの機関回転速度NEが上記判定値α未満であるときに(NE<α)、再始動制御においてスタータの駆動を要すると判定される。

目的

本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の再始動要求があったときに、この内燃機関を適切に再始動することのできる内燃機関の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

内燃機関始動時において前記内燃機関のクランク軸回転力を付与する始動装置を備える内燃機関の制御装置であって、自動停止要求に基づき前記内燃機関の停止制御を実行し、再始動要求に基づき前記内燃機関の再始動制御を実行する制御装置において、前記クランク軸を回転させて再始動するために要する始動回転力を前記停止制御の実行中に推定する推定手段と、前記推定手段により推定された前記始動回転力が大きいときほど、前記再始動制御における前記始動装置の駆動の要否を判定するための判定値を高く設定する判定値設定手段と、前記再始動要求があったときの機関回転速度が前記判定値設定手段により設定された前記判定値未満であるときに、前記再始動制御において前記始動装置の駆動を要すると判定する判定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項2

請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は前記停止制御の実行中における機関回転速度の低下率を算出する低下率算出手段を含み、同低下率算出手段により算出された前記低下率が大きいときほど前記始動回転力が大きいと推定することを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項3

請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は機関潤滑油の温度を検出する油温検出手段を含み、同油温検出手段により検出された機関潤滑油の温度が低いときほど前記始動回転力が大きいと推定することを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項4

請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は機関冷却水温を検出する水温検出手段を含み、同水温検出手段により検出された機関冷却水温が低いときほど前記始動回転力が大きいと推定することを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項5

請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は補機駆動状態監視する監視手段を含み、前記補機が駆動状態にあるときには非駆動状態にあるときと比較して前記始動回転力が大きいと推定することを特徴とする内燃機関の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、自動停止要求に基づき内燃機関停止制御を実行し、再始動要求に基づき内燃機関の再始動制御を実行する内燃機関の制御装置に関する。

背景技術

0002

近年、車両に搭載される内燃機関の制御装置において、燃費の向上やエミッションの改善を図るべく、自動停止要求に基づき内燃機関の停止制御を実行する一方、再始動要求に基づき内燃機関の再始動制御を実行するようにしたものが実用化されている。こうした制御が実行される内燃機関では、例えば、信号待ちにおいて車両が一時的に停止する等の自動停止要求があるときに、上記停止制御として燃料カットが実行される。これにより内燃機関の自動停止、いわゆるアイドリングストップが実行される。そして、車両が発進する等の再始動要求があるときに、再始動制御としてスタータ等の始動装置が駆動されるとともに燃料噴射再開され、これにより内燃機関が再始動される。

0003

ここで、上述した停止制御が実行されている間であって内燃機関が完全に停止する前に、再始動要求があった場合には、内燃機関のクランク軸が未だ回転している状態から内燃機関の再始動制御が開始される。したがって、こうした再始動制御の開始時において機関回転速度が比較的高い場合には、始動装置を駆動せず燃料噴射の再開によって内燃機関の再始動(いわゆる自律復帰)が可能である場合がある。そこで、特許文献1に記載の制御装置では、上述した自律復帰が可能であると考えられる機関回転速度を、自律復帰の可否を判定するための判定値として設定し、再始動要求があったときの機関回転速度がこの判定値以上である場合には、始動装置を駆動せず燃料噴射を再開することによって内燃機関を再始動させるようにしている。

先行技術

0004

特開2008−267297号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、内燃機関のフリクションが大きい場合には、フリクションが小さい場合と比較して、内燃機関の再始動時におけるクランク軸の回転に対して抵抗となる力、すなわち慣性エネルギが大きくなる。そして、このように内燃機関の再始動時における慣性エネルギが大きい場合には、上述した再始動制御においてクランク軸に付与すべき回転力が大きくなる。

0006

こうした内燃機関のフリクションについては、個体差がある。また、同一の内燃機関におけるフリクションであっても、機関運転状態に応じて変化したり経年変化が生じたりする場合がある。

0007

したがって、上記特許文献1に記載されるように、自律復帰の可否を判定するための判定値を一律に設定する構成にあっては、たとえ再始動要求があったときに機関回転速度が上記判定値よりも高い場合であっても、燃料噴射の再開によって発生するクランク軸の回転力が、上述した再始動制御において付与すべき回転力、すなわち自律復帰に要する回転力に対して不足するおそれがある。こうした場合には、上述したような自律復帰ができず、エンジンストールが生じるおそれがある。また、こうした問題は、内燃機関におけるフリクションの違いのみにより生じるものではなく、フリクションが同一である場合であっても、例えば、補機を駆動させるための駆動力等、内燃機関の外部負荷の影響によっても生じ得る。すなわち、外部負荷がクランク軸に作用すると、再始動に際してクランク軸に付与すべき回転力が大きくなるため、上述した自律復帰ができなくなるおそれがある。

0008

本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の再始動要求があったときに、この内燃機関を適切に再始動することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の始動時において前記内燃機関のクランク軸に回転力を付与する始動装置を備える内燃機関の制御装置であって、自動停止要求に基づき前記内燃機関の停止制御を実行し、再始動要求に基づき前記内燃機関の再始動制御を実行する制御装置において、前記クランク軸を回転させて再始動するために要する始動回転力を前記停止制御の実行中に推定する推定手段と、前記推定手段により推定された前記始動回転力が大きいときほど、前記再始動制御における前記始動装置の駆動の要否を判定するための判定値を高く設定する判定値設定手段と、前記再始動要求があったときの機関回転速度が前記判定値設定手段により設定された前記判定値未満であるときに、前記再始動制御において前記始動装置の駆動を要すると判定する判定手段とを備えることを要旨とする。

0010

内燃機関のフリクションが大きいときや、外部負荷が大きいときには、内燃機関の再始動制御においてクランク軸に付与すべき回転力、すなわちクランク軸を回転させて再始動するために要する始動回転力が増大する傾向にある。

0011

そこで、上記構成では、クランク軸を回転させて再始動するために要する始動回転力を停止制御の実行中に推定し、その推定された始動回転力が大きいときほど、再始動制御における始動装置の駆動の要否を判定するための判定値を高く設定している。そして、再始動要求があったときの機関回転速度が上記判定値未満であるときに、再始動制御において始動装置の駆動を要すると判定するようにしている。

0012

したがって、再始動制御における始動装置の駆動の要否を、その再始動制御において要する始動回転力に応じて適切に判定することができるようになり、内燃機関を適切に再始動することができるようになる。

0013

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は前記停止制御の実行中における機関回転速度の低下率を算出する低下率算出手段を含み、同低下率算出手段により算出された前記低下率が大きいときほど前記始動回転力が大きいと推定することを要旨とする。

0014

ここで、内燃機関のフリクションが大きいときや、外部負荷が大きいときには、内燃機関の停止制御の実行中において、機関回転速度の低下率、すなわち単位時間あたりの機関回転速度の低下量が大きくなる傾向にある。したがって、停止制御の実行中における機関回転速度の低下率が大きいときほど、上述した始動回転力が大きくなると推定することができる。

0015

そこで、同構成では、停止制御の実行中における機関回転速度の低下率を算出し、その算出された低下率が大きいときほど始動回転力が大きいと推定するようにしている。これにより、再始動制御において要する始動回転力を高い精度をもって推定することができるようになる。

0016

請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は機関潤滑油の温度を検出する油温検出手段を含み、同油温検出手段により検出された機関潤滑油の温度が低いときほど前記始動回転力が大きいと推定することを要旨とする。

0017

機関潤滑油の温度が低いときほど、内燃機関のフリクションが大きくなる傾向にあるため、始動回転力が大きくなると推定することができる。
そこで、同構成では、機関潤滑油の温度を検出し、その検出された機関潤滑油の温度が低いときほど始動回転力が大きいと推定するようにしている。これにより、機関運転状態に応じて変化する上記始動回転力について、簡便に推定することができるようになる。

0018

請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は機関冷却水温を検出する水温検出手段を含み、同水温検出手段により検出された機関冷却水温が低いときほど前記始動回転力が大きいと推定することを要旨とする。

0019

また、機関冷却水温が低いときほど、内燃機関のフリクションが大きくなる傾向にあるため、始動回転力が大きくなると推定することができる。
そこで、同構成では、機関冷却水温を検出し、その検出された機関冷却水温が低いときほど始動回転力が大きいと推定するようにしている。こうした構成でも、機関運転状態に応じて変化する上記始動回転力について、簡便に推定することができるようになる。

0020

請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は補機の駆動状態監視する監視手段を含み、前記補機が駆動状態にあるときには非駆動状態にあるときと比較して前記始動回転力が大きいと推定することを要旨とする。

0021

さらに、再始動制御において、補機が駆動状態にあるときには、この補機の駆動による外部負荷が内燃機関の出力軸に作用するため、補機が非駆動状態にあるときと比較して、再始動するために要する始動回転力が大きくなる傾向にある。

0022

そこで、同構成では、補機の駆動状態を監視し、補機が駆動状態にあるときには非駆動状態にあるときと比較して始動回転力が大きいと推定するようにしている。これにより、外部負荷の状況に応じて変化する上記始動回転力について、簡便に推定することができるようになる。

図面の簡単な説明

0023

本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について、これが適用される内燃機関とその周辺構成を示す模式図。
停止制御の実行中における機関回転速度の変化態様を示すタイムチャート
機関回転速度と判定値との関係を示す図。
同実施形態において実行される停止時処理処理手順を示すフローチャート
同実施形態において実行される再始時処理の処理手順を示すフローチャート。

実施例

0024

以下、図1〜5を参照して、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態にかかる制御装置が適用される内燃機関10とその周辺構成を示す。同図1に示すように、内燃機関10の気筒内には、ピストン11が往復動可能に収容されている。また、このピストン11の頂面と気筒内の内周面とによって燃焼室12が区画形成されており、この燃焼室12には吸気通路13及び排気通路14がそれぞれ接続されている。

0025

吸気通路13には、同吸気通路13内に燃料噴射供給する燃料噴射弁20が設けられている。また、燃焼室12には、吸気通路13を通じて供給される空気と上記燃料噴射弁20から噴射供給される燃料との混合気点火する点火プラグ15が取り付けられている。

0026

上記ピストン11には、ピストン11の往復動により回転するクランク軸16がコネクティングロッド17を介して連結されている。このクランク軸16には、同クランク軸16の回転力を利用して発電するオルタネータ40が接続されており、このオルタネータ40により発電された電力バッテリ50に蓄電される。

0027

また、上記クランク軸16には、内燃機関10の始動時において同クランク軸16に回転力を付与するスタータ30が接続されている。スタータ30は、上記バッテリ50の電力が供給されることにより内燃機関10の始動(クランキング)を実行する。

0028

内燃機関10における各種制御は、電子制御装置60によって行われる。この電子制御装置60は、機関制御にかかる演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、機関制御に必要なプログラムや各種の情報を記憶するためのメモリ60a、外部との信号の入出力を行うための入力ポート及び出力ポート等を備えている。この入力ポートには、機関運転状態を検出する各種センサが接続されている。こうした各種センサとしては、例えば、クランク軸16の近傍に設けられて機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサ61、内燃機関10の機関冷却水温(水温Tw)を検出する水温センサ62、イグニッションキー63aの4つの切替位置オンオフアクセサリスタート)に応じた信号を出力するイグニッションスイッチ63、内燃機関10が搭載された車両の速度(車速Ve)を検出する車速センサ64、ブレーキペダル(図示略)の踏み込みを検出するブレーキスイッチ65、機関潤滑油の温度(油温To)を検出する油温センサ66等がある。

0029

また、電子制御装置60の出力ポートには、燃料噴射弁20、スタータ30、オルタネータ40等の駆動回路がそれぞれ接続されている。
電子制御装置60は、上述した各種センサから入力された信号に基づき内燃機関10の運転状態を把握して各種制御を実行する。例えば、こうした各種制御として、点火プラグ15による混合気の点火時期を調整する点火時期制御、燃料噴射弁20から噴射供給する燃料の量や時期を調整したり、燃料噴射弁20からの燃料噴射を一時的に停止したりする燃料噴射制御、バッテリ50の蓄電量所定範囲に保持するべくオルタネータ40による発電量を制御する発電制御等を実行する。また、電子制御装置60は、イグニッションスイッチ63から「スタート」信号が出力されたときに、スタータ30を駆動してクランキングを開始するとともに、燃料噴射弁20からの燃料噴射及び点火プラグ15による点火を実行することにより、内燃機関10を始動する。

0030

さらに、電子制御装置60は、イグニッションスイッチ63から「オン」信号が出力されているときであって、内燃機関10の通常制御の実行中において、内燃機関10の自動停止要求に基づきこの内燃機関10の停止制御を実行し(アイドリングストップ)、また再始動要求に基づきこの内燃機関10の再始動制御を実行する。

0031

具体的には、電子制御装置60において、車速センサ64からの信号に基づき車速Veが「0」である旨検出され、且つブレーキスイッチ65からの信号に基づきブレーキペダルの踏み込みが検出されたときに、自動停止要求があった旨判定される。この場合には、内燃機関10の駆動を停止させるべく、燃料カットが実行される(停止制御)。その後、内燃機関10の停止中において、ブレーキスイッチ65からの信号に基づきブレーキペダルの踏み込みが解除された旨検出されたときに、再始動要求があった旨判定される。この場合には、内燃機関10を再始動させるべく、スタータ30が駆動されてクランキングが開始されるとともに、燃料噴射弁20からの燃料噴射が再開されて、内燃機関10が自動始動される(再始動制御)。

0032

ここで、上述した停止制御が実行されている間であって内燃機関10が完全に停止する前に、再始動要求があった場合には、内燃機関10のクランク軸16が未だ回転している状態から内燃機関10の再始動制御が開始される。こうした再始動制御の開始時において機関回転速度NEが比較的高い場合には、スタータ30を駆動せず燃料噴射の再開によって内燃機関10の再始動(いわゆる自律復帰)が可能である場合がある。そこで、本実施形態では、再始動要求があったときの機関回転速度NEに基づいて、再始動制御におけるスタータ30の駆動の要否が判定され、スタータ30の駆動が不要であると判定されるときには、自律復帰が実行される。

0033

例えば、図2に示す時刻t1において、自動停止要求に基づき内燃機関10の停止制御が実行されて燃料噴射が停止されると(燃料カット)、これにより、機関回転速度NEが徐々に低下する。そして、内燃機関10が完全に停止する前である時刻t2において再始動要求がなされると、この時点から再始動制御が開始される。

0034

図2には、停止制御の実行中において、内燃機関10のフリクションが比較的小さいときや、外部負荷が比較的小さいときにおける機関回転速度NEの変化態様を実線で示し、内燃機関10のフリクションが比較的大きいときや外部負荷が比較的大きいときにおける変化態様を一点鎖線で示している。このように、内燃機関10のフリクションが大きいときや、外部負荷が大きいときには、内燃機関10の停止制御の実行中において、機関回転速度NEの低下率Rが大きくなる傾向にある。なお、この低下率Rは、単位時間あたりの機関回転速度NEの低下量であって、下記(1)式により算出される(図2に、Δt及びΔNEについて図示)。

0035

R=ΔNE/Δt=(NEn−1−NEn)/(tn−tn−1) …(1)

ΔNE:時間Δtあたりの機関回転速度NEの低下量
NEn−1:時刻tn−1での機関回転速度NE
NEn:時刻tnでの機関回転速度NE

さらに、このように内燃機関10のフリクションが大きいときや、外部負荷が大きいときには、再始動制御においてクランク軸16を回転させて再始動するために要する始動回転力Fが増大する傾向にある。

0036

例えば、停止制御および再始動制御が実行中において、上記バッテリ50の蓄電量が低くオルタネータ40において発電が実行されている場合には、このオルタネータ40による外部負荷がクランク軸16に作用し、これにより、停止制御の実行中における機関回転速度NEの低下率Rが大きくなる。一方、再始動制御時においては、外部負荷が作用しているため、クランク軸16を回転させて再始動するために大きな始動回転力Fが必要となる。

0037

また、内燃機関10のフリクションが大きいときには、フリクションが小さいときと比較して、停止制御の実行中における機関回転速度NEの低下率Rが大きくなる。一方、再始動制御において、クランク軸16の回転に対して抵抗となる力が大きくなるため、クランク軸16を回転させて再始動するために大きな始動回転力Fが必要となる。例えば、内燃機関10の個体差や経年変化等により、固有のフリクションが大きい内燃機関10にあっては、フリクションの小さい内燃機関と比較して、大きな始動回転力Fが必要となる。また、同一の内燃機関10であっても、内燃機関10の冷間時には、温間時に比較してフリクションが大きくなる傾向にあり、大きな始動回転力Fが必要となる。すなわち、停止制御の実行中における機関回転速度NEの低下率Rが大きいときほど、始動回転力Fが大きくなると推定することができる。

0038

そこで、本実施形態では、停止制御の実行中における機関回転速度NEの低下率Rに基づき、再始動制御におけるスタータ30の駆動の要否を判定するための判定値α可変設定される。具体的には、図3に実線で示されるように、低下率Rが大きいときにあって始動回転力Fが大きくなると推定されるときほど、再始動制御におけるスタータ30の駆動の要否を判定するための判定値αが高く設定される。この判定値αとしては、再始動要求があったときの機関回転速度NEがこの判定値α以上であるときに(NE≧α)、自律復帰が可能であると判断することのできる値が低下率Rに応じて設定されている。これにより、再始動要求があったときの機関回転速度NEが判定値α未満であるときには(NE<α)、再始動制御における燃料噴射の再開によって発生するクランク軸16の回転力が、再始動制御においてクランク軸16に付与すべき回転力、すなわち自律復帰に要する始動回転力Fに対して不足すると推定される。そのため、この燃料噴射の再開に加えてスタータ30を駆動し、このスタータ30の駆動力によってクランク軸16に回転力を付与する必要があると判定することができる。なお、この図3マップに示す低下率Rと判定値αとの関係については、予め決定されて電子制御装置60のメモリ60aに記憶されている。

0039

例えば、先の図2に一点鎖線で示すように低下率Rが大きいときには、実線で示す低下率Rが小さいときに設定される判定値α1に比較して、高い値である判定値α2が設定される。

0040

そして、時刻t2において再始動要求があったときにおいて、実線で示すように機関回転速度NEが比較的小さい低下率Rをもって低下しているときには、時刻t2における機関回転速度NEが判定値α1よりも高いため(NE>α1)、スタータ30を駆動せず自律復帰が実行される。

0041

一方、同じく時刻t2において再始動要求があったときにおいて、一点鎖線で示すように機関回転速度NEが比較的大きい低下率Rをもって低下しているときには、時刻t2における機関回転速度NEが判定値αよりも低いため(NE<α2)、スタータ30を駆動することにより再始動制御が実行される。

0042

次に、図4を参照して、電子制御装置60により実行される停止時処理の処理手順について詳細に説明する。なお、この電子制御装置60が、本発明の推定手段、低下率算出手段、及び判定値設定手段としての機能を備えている。同図4のフローチャートに示す処理は、内燃機関10の通常運転の実行中において、一定の周期毎に繰り返し実行される。

0043

この一連の処理が開始されると、まず、自動停止要求があるか否かが判定される(ステップS100)。具体的には、上述したように、車速センサ64からの信号に基づき車速Veが「0」である旨検出され、且つブレーキスイッチ65からの信号に基づきブレーキペダルの踏み込みが検出されたときに、自動停止要求があった旨判定される。

0044

そして、自動停止要求がなかった旨判定される場合には(ステップS100:NO)、本処理は一旦終了される。これにより、内燃機関10において通常制御の実行が継続される。

0045

一方、自動停止要求があった旨判定される場合には(ステップS100:YES)、燃料カットが開始される(ステップS110)。この燃料カットの実行が、自動停止要求に基づき実行される「停止制御」に相当する。

0046

続いて、上記(1)式により低下率R(=ΔNE/Δt)が算出される(ステップS120)。これにより、本処理が実行されるときにおける内燃機関10の運転状態に応じて異なるフリクションや外部負荷、さらに、その内燃機関10固有のフリクション等が反映された低下率Rが算出される。本ステップでの処理が、推定手段及び低下率算出手段としての処理に相当する。

0047

そして、算出された低下率Rに基づき判定値αが設定されて(ステップS130)、本処理が終了される。具体的には、図3のマップが参照されることにより、低下率Rが大きいときほど判定値αが高く設定される。これにより、本処理が実行されるときにおける上述したような内燃機関10の状態に適合した判定値αが設定される。本ステップでの処理が判定値設定手段としての処理に相当する。

0048

このように、停止制御が実行されるときには、その停止制御の実行中における機関回転速度NEの低下率Rに基づき、判定値αが毎回可変設定される。
次に、図5を参照して、電子制御装置60により実行される再始動時処理の処理手順について説明する。なお、この電子制御装置60が、本発明の判定手段としての機能を備えている。同図5のフローチャートに示す再始動時処理は、先の図4に示す停止時処理において判定値αが設定された後に開始される。そして、この停止制御の実行中であって、機関回転速度NEが「0」に低下して内燃機関10が完全に停止するまで、再始動時処理が一定の周期毎に繰り返し実行される。

0049

この一連の処理が開始されると、再始動要求があったか否かが判定される(ステップS200)。具体的には、上述したように、ブレーキスイッチ65からの信号に基づきブレーキペダルの踏み込みが解除された旨検出されたときに、再始動要求があった旨判定される。

0050

そして、再始動要求がなかった旨判定される場合には(ステップS200:NO)、本処理は一旦終了される。これにより、内燃機関10において停止制御の実行が継続される。

0051

一方、再始動要求があった旨判定される場合には(ステップS200:YES)、再始動要求があったときの機関回転速度NEが先の停止時処理におけるステップS130にて設定された判定値α未満であるか(NE<α)否かが判定される(ステップS210)。

0052

そして、機関回転速度NEが判定値α未満である旨(NE<α)判定される場合には(ステップS210:YES)、再始動制御においてスタータ30の駆動を要すると判定される。

0053

そこで、スタータ30が駆動されてクランキングが開始されるとともに(ステップS220)、燃料噴射が実行される(ステップS230)。これらステップS220及びステップS230での各処理が、再始動要求に基づき実行される「再始動制御」に相当する。

0054

一方、機関回転速度NEが判定値α以上である旨(NE≧α)判定される場合には(ステップS210:NO)、「NE<α」との関係が満たされず、スタータ30の駆動を要さず、自律復帰が可能であると判定される。すなわち、再始動制御においてスタータ30を駆動しなくとも、燃料噴射の再開によってクランク軸16に付与される回転力によって内燃機関10を再始動させることができると判定することができる。

0055

そこで、燃料噴射が実行されて(ステップS240)、本処理は終了される。このステップS240での処理は、ステップS220及びステップS230での各処理と同様に、再始動要求に基づき実行される「再始動制御」に相当する。

0056

なお、先に実行された停止制御により、機関回転速度NEが「0」まで低下して内燃機関10が完全に停止した後には、再始動要求があったか否かの判定が繰り返し実行される。そして、再始動要求があったときには、再始動制御としてスタータ30が駆動されるとともに燃料噴射の再開がされて、これにより内燃機関10が再始動される。

0057

以上説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)クランク軸16を回転させて再始動するために要する始動回転力Fが停止制御の実行中に推定され、その推定された始動回転力Fが大きいときほど、再始動制御におけるスタータ30の駆動の要否を判定するための判定値αが高く設定される。そして、再始動要求があったときの機関回転速度NEが上記判定値α未満であるときに(NE<α)、再始動制御においてスタータ30の駆動を要すると判定される。したがって、再始動制御におけるスタータ30の駆動の要否を、その再始動制御において要する始動回転力Fに応じて適切に判定することができるようになり、内燃機関10を適切に再始動することができるようになる。

0058

(2)内燃機関10の運転状態に応じて異なるフリクションや外部負荷に加えて、その内燃機関10固有のフリクション等が反映された機関回転速度NEの低下率Rが算出され、この算出された低下率Rに基づいて判定値αが設定される。したがって、内燃機関10の個体差や経年変化等によって個々に異なる内燃機関10固有のフリクションが反映された始動回転力Fを高い精度もって推定することができ、適切な判定値αを設定することができるようになる。

0059

(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる内燃機関の制御装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。

0060

・上記実施形態では、機関回転速度NEの低下率Rとして、単位時間あたりの低下量を算出するようにしていた。しかし、この低下率Rを、予め設定した所定期間における機関回転速度の低下量として構成してもよい。

0061

・上記実施形態では、機関回転速度NEの低下率Rが大きいときほど、始動回転力Fが大きいと推定する例を示した。しかし、上述した油温センサ66からの信号に基づき把握された油温Toが低いときほど始動回転力Fが大きいと推定する、といった態様を採用することができる。すなわち、油温Toが低いときほど、内燃機関10のフリクションが大きくなる傾向にあるため、この油温Toが低いときほど、始動回転力Fが大きくなると推定することができる。この場合であっても、上記(1)に示す作用効果の他、下記(3)に示す作用効果を奏することができる。

0062

(3)機関運転状態に応じて変化する始動回転力Fについて、簡便に推定することができるようになる。
・また、上述した水温センサ62からの信号に基づき把握された水温Twが低いときほど始動回転力Fが大きいと推定する、といった態様を採用することもできる。すなわち、水温Twが低いときほど、内燃機関10のフリクションが大きくなる傾向にあるため、この水温Twが低いときほど、始動回転力Fが大きくなると推定することができる。この場合であっても、上記(1)、(3)に示す作用効果を奏することができる。

0063

・さらに、補機の駆動状態を監視し、補機が駆動状態にあるときには非駆動状態にあるときと比較して始動回転力Fが大きいと推定する、といった態様を採用することもできる。例えば、電子制御装置60において補機の駆動状態を監視する監視手段としての機能を備えるとともに、補機が駆動状態にあるときには非駆動状態にあるときと比較して始動回転力Fが大きいと推定するようにすればよい。なお、こうした補機としては、上述したオルタネータ40や、エアコンディショナコンプレッサ等が挙げられる。この場合であっても、上記(1)に示す作用効果の他、下記(4)に示す作用効果を奏することができる。

0064

(4)外部負荷の状況に応じて変化する始動回転力Fについて、簡便に推定することができるようになる。
・上記実施形態では、停止制御として燃料カットを実行する例を示したが、この他、停止制御として燃料噴射弁20からの噴射量を段階的に減量する制御を実行する態様であっても、本発明は適用可能である。この場合には、予め設定した所定の減量がなされているときの低下率Rに基づいて判定値αを設定するようにすればよい。

0065

・上記実施形態において示した自動停止要求及び再始動要求の条件については一例であって、適宜変更することができる。
・また、駆動源として内燃機関10の他にモータを備えるハイブリッド車両に搭載される内燃機関に対して、本発明を適用するようにしてもよい。この場合であっても、再始動制御において上記モータを始動装置として駆動させることを要するか否かについて、停止実行中における低下率Rに基づいて判定することにより、上記(1)〜(5)に示す各作用効果を奏することができる。

0066

・上記実施形態では、図3に実線で示されるように、判定値αを低下率Rの大きさに応じて連続的に変化させるようにしたが、例えば、同図3に一点鎖線で示されるように、低下率Rが所定値より大きいときに判定値αを初期値から所定量だけ増大させる等、段階的に判定値αを変化させるようにしてもよい。

0067

10…内燃機関、11…ピストン、12…燃焼室、13…吸気通路、14…排気通路、15…点火プラグ、16…クランク軸、20…燃料噴射弁、30…スタータ(始動装置)、40…オルタネータ、50…バッテリ、60…電子制御装置、60a…メモリ、61…機関回転速度センサ、62…水温センサ(水温検出手段)、63…イグニッションスイッチ、63a…イグニッションキー、64…車速センサ、65…ブレーキスイッチ、66…油温センサ(油温検出手段)。

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