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技術 接着組成物

出願人 アイシン化工株式会社
発明者 田村博長野孝昭
出願日 2009年2月6日 (11年1ヶ月経過) 出願番号 2009-026360
公開日 2010年8月19日 (9年6ヶ月経過) 公開番号 2010-180359
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤 接着剤、接着方法
主要キーワード 押出し型 自動車製造ライン シェル型微粒子 酸性材料 ブロックウレタンプレポリマー 構造接着剤 硬化済み 自動車用シーリング材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年8月19日)のものです。
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図面 (1)

課題

水分を吸収して酸性または塩基性を示す吸湿剤を含有する接着組成物において、水性塗料等を塗装焼付けして耐水性試験を行った場合でも、接着組成物上の塗装面に膨れが発生せず、塗装外観品質を保持することができる接着組成物を提供する。

解決手段

水分を吸収することで酸性または塩基性のpH性状を示す吸湿剤を含有する接着組成物であって、前記吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状と逆のpH性状を示すpH性状抑制材料を含有することを特徴とする接着組成物。

概要

背景

自動車等の車両の接合部には、シール機能水密・気密等)を持たせるために加熱硬化タイプのシーリング材施工されており、このようなシーリング材としては、塩化ビニル樹脂系シーリング材アクリルゾル系シーリング材等が用いられるが、コスト面や取扱いの容易性等の点から、塩化ビニル樹脂系シーリング材が主流となっている。

一方、近年の自動車製造ラインにおける塗装工程には、環境問題への配慮と工程の短縮化の観点から、中塗り上塗りとを水性化して同時に焼き付ける3ウエット化工法が導入されつつあり、シーリング材に対してもこのような3ウエット化工法への適合性が要求され、これらの水性塗料塗装焼付けされた場合においても従来と同様の塗装外観が得られることが求められている。しかし、主流となっている塩化ビニル樹脂系シーリング材の上に、これらの水性塗料を塗装・焼付けして耐水性試験を行ったところ、シーリング材上の塗装面に膨れが多数発生して、外観品質上問題となることが判明した。

そこで、塩化ビニル樹脂系シーリング材において、このような問題を解決することを目的としたものとして、例えば、特許文献1に記載された塩化ビニルプラスチゾル系シーリング材の発明がある。この特許文献1に記載された発明においては、塩化ビニルプラスチゾル系シーリング材に含まれる可塑剤成分の25重量%〜60重量%に、分子量1500以上のポリエステル系可塑剤を用いることを特徴としている。これによって、可塑剤中塗り塗料に抽出され難く、塗装性が優れ、またシーリング材の塗布工程で糸引き垂れ現象が起こり難い塩化ビニルプラスチゾル系シーリング材を提供できるとしている。

概要

水分を吸収して酸性または塩基性を示す吸湿剤を含有する接着組成物において、水性塗料等を塗装・焼付けして耐水性試験を行った場合でも、接着組成物上の塗装面に膨れが発生せず、塗装外観品質を保持することができる接着組成物を提供する。水分を吸収することで酸性または塩基性のpH性状を示す吸湿剤を含有する接着組成物であって、前記吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状と逆のpH性状を示すpH性状抑制材料を含有することを特徴とする接着組成物。なし

目的

そこで、塩化ビニル樹脂系シーリング材において、このような問題を解決することを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

水分を吸収することで酸性または塩基性のpH性状を示す吸湿剤を含有する接着組成物であって、前記吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状と逆のpH性状を示すpH性状抑制材料を含有することを特徴とする接着組成物。

請求項2

前記吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状が塩基性であって、前記pH性状抑制材料は、酸性のpH性状を示す酸性材料であることを特徴とする請求項1に記載の接着組成物。

請求項3

前記pH性状抑制材料は、アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接着組成物。

請求項4

塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、アクリル系樹脂とを含有し、前記アクリル系樹脂はコアシェル型微粒子であり、コア部が可塑剤親和性ポリマーから構成され、シェル部が可塑剤非親和性ポリマーから構成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の接着組成物。

請求項5

前記吸湿剤の含有量が0.3重量%〜2.0重量%の範囲内であり、前記アクリル系樹脂の含有量が2.0重量%以上7.0重量%未満の範囲内であり、かつ、前記吸湿剤の含有量が前記アクリル系樹脂の含有量の1/2以下であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の接着組成物。

請求項6

更に密着性付与剤を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の接着組成物。

技術分野

0001

本発明は、吸湿剤を含有する接着組成物に関するものであり、特に水分を吸収することによって酸性またはアルカリ性のpH性状を示す吸湿剤を含有する接着組成物に関するものである。ここで、本明細書・特許請求の範囲・図面・要約書において、「pH性状」とは、物質の示す酸性、中性またはアルカリ性(塩基性)を意味するものであって、pH(水素イオン濃度)に関する特性をいうものである。

背景技術

0002

自動車等の車両の接合部には、シール機能水密・気密等)を持たせるために加熱硬化タイプのシーリング材施工されており、このようなシーリング材としては、塩化ビニル樹脂系シーリング材アクリルゾル系シーリング材等が用いられるが、コスト面や取扱いの容易性等の点から、塩化ビニル樹脂系シーリング材が主流となっている。

0003

一方、近年の自動車製造ラインにおける塗装工程には、環境問題への配慮と工程の短縮化の観点から、中塗り上塗りとを水性化して同時に焼き付ける3ウエット化工法が導入されつつあり、シーリング材に対してもこのような3ウエット化工法への適合性が要求され、これらの水性塗料塗装焼付けされた場合においても従来と同様の塗装外観が得られることが求められている。しかし、主流となっている塩化ビニル樹脂系シーリング材の上に、これらの水性塗料を塗装・焼付けして耐水性試験を行ったところ、シーリング材上の塗装面に膨れが多数発生して、外観品質上問題となることが判明した。

0004

そこで、塩化ビニル樹脂系シーリング材において、このような問題を解決することを目的としたものとして、例えば、特許文献1に記載された塩化ビニルプラスチゾル系シーリング材の発明がある。この特許文献1に記載された発明においては、塩化ビニルプラスチゾル系シーリング材に含まれる可塑剤成分の25重量%〜60重量%に、分子量1500以上のポリエステル系可塑剤を用いることを特徴としている。これによって、可塑剤中塗り塗料に抽出され難く、塗装性が優れ、またシーリング材の塗布工程で糸引き垂れ現象が起こり難い塩化ビニルプラスチゾル系シーリング材を提供できるとしている。

先行技術

0005

特開平07−082549号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、初期における塗装適性向上効果は得られるが、塗装・焼付けして耐水性試験を行った場合の、シーリング材上の塗装面に膨れが多数発生するという現象を解決することはできないという問題点があった。

0007

そこで、本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであって、塩化ビニル樹脂系シーリング材等の水分を吸収して酸性または塩基性を示す吸湿剤を含有する接着組成物において、水性塗料等を塗装・焼付けして耐水性試験を行った場合でも、接着組成物上の塗装面に膨れが発生せず、塗装外観品質を保持することができる接着組成物を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0008

請求項1の発明に係る接着組成物は、水分を吸収することで酸性または塩基性のpH性状を示す吸湿剤を含有する接着組成物であって、前記吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状と逆のpH性状を示すpH性状抑制材料を含有するものである。ここで、「逆のpH性状」とは、吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状が酸性なら塩基性、塩基性なら酸性という意味である。

0009

ここで、「水分を吸収した際に示すpH性状が酸性」である吸湿剤としては、五酸化リン(P2 O5 )、シリカゲル(SiO2 )等がある。また、「水分を吸収した際に示すpH性状が塩基性」である吸湿剤としては、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、リン酸カルシウムケイ酸ナトリウム、等がある。更に、「酸性を示すpH性状抑制材料」としては、アクリル系樹脂カーボンブラック、等がある。また、「塩基性を示すpH性状抑制材料」としては、水酸化カルシウムアミン、等がある。

0010

請求項2の発明に係る接着組成物は、請求項1の構成において、前記吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状が塩基性であって、前記pH性状抑制材料は、酸性のpH性状を示す酸性材料であるものである。ここで、「水分を吸収した際に示すpH性状が塩基性」である吸湿剤としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、等がある。

0011

請求項3の発明に係る接着組成物は、請求項1または請求項2の構成において、前記pH性状抑制材料は、アクリル系樹脂であるものである。

0012

ここで、「アクリル系樹脂」とは、広くアクリル樹脂及びメタクリル樹脂を含むものであって、アクリル酸アルキルエステルメタクリル酸アルキルエステル等から選ばれるモノマー単一重合体共重合体を意味するものであり、これらのモノマーとして具体的には、アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸n−ブチルアクリル酸イソブチルメタクリル酸メチルメタクリル酸エチルメタクリル酸n−ブチルメタクリル酸イソブチル等を始めとして、種々のモノマーを用いることができる。

0013

請求項4の発明に係る接着組成物は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの構成において、塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、アクリル系樹脂とを含有し、前記アクリル系樹脂はコアシェル型微粒子であり、コア部が可塑剤親和性ポリマーから構成され、シェル部が可塑剤非親和性ポリマーから構成されるものである。

0014

ここで、「塩化ビニル系樹脂」とは塩化ビニル単独重合体酢酸ビニルとの共重合体、及びこれらの混合物をいう。また、「可塑剤」としては、フタル酸ジオクチルDOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、等を用いることができる。

0015

請求項5の発明に係る接着組成物は、請求項3または請求項4の構成において、前記吸湿剤の含有量が0.3重量%〜2.0重量%の範囲内であり、前記アクリル系樹脂の含有量が2.0重量%以上7.0重量%未満の範囲内であり、かつ、前記吸湿剤の含有量が前記アクリル系樹脂の含有量の1/2以下であるものである。

0016

請求項6の発明に係る接着組成物は、請求項3乃至請求項5のいずれか1つの構成において、更に密着性付与剤を含有するものである。ここで、「密着性付与剤」としては、ポリアミドアミンブロックウレタンプレポリマー等を用いることができ、より具体的には、例えばエアプロダクツ社製のヌーリーボンド272等を用いることができる。

発明の効果

0017

請求項1の発明に係る接着組成物は、水分を吸収することで酸性または塩基性のpH性状を示す吸湿剤を含有する接着組成物であって、吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状と逆のpH性状を示すpH性状抑制材料を含有する。

0018

本発明者らは、上述したシーリング材上の塗装面に膨れが多数発生するという現象の原因について、鋭意実験研究を重ねて追求した結果、シーリング材中に吸湿剤として含まれる酸化カルシウムが水分を吸収することによって水酸化カルシウムになって塩基性を示し、この塩基性の水酸化カルシウムの影響によって、膜強度が低下するとともに基材に対する接着性が低下することが原因であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。

0019

すなわち、本発明者らは、接着組成物に吸湿剤を含有させることは、後加工工程において焼付け等を行なった際に、接着組成物に水分が含まれるために発泡して外観を損ねるのを防止するためには必要不可欠であるが、その吸湿剤が水分を吸収することによって酸性または塩基性のpH性状を示すものである場合には、その酸性または塩基性によって、接着組成物及びその上に塗布された塗膜等の特性を損ねる可能性があることに着目したものである。

0020

そこで、本発明者らは、水分を吸収することで酸性または塩基性のpH性状を示す吸湿剤を含有する接着組成物について、吸湿剤が水分を吸収することで酸性を示すなら塩基性のpH性状抑制材料を、塩基性を示すなら酸性のpH性状抑制材料を添加することによって、吸湿剤が水分を吸収して酸性または塩基性を示しても中和できるようにして、酸性または塩基性の影響を極めて弱めることで、接着組成物及びその上に塗布された塗膜等の特性を損ねる事態を確実に防止することとした。すなわち、pH性状抑制材料とは、吸湿剤が水分を吸収したとき接着組成物のpHの変化を抑制する材料である。

0021

このようにして、塩化ビニル樹脂系シーリング材等の水分を吸収して酸性または塩基性を示す吸湿剤を含有する接着組成物において、3ウエット化工法に用いられる水性塗料等を塗装・焼付けして耐水性試験を行った場合でも、接着組成物上の塗装面に膨れが発生せず、塗装外観品質を保持することができる接着組成物を得ることができる。

0022

請求項2の発明に係る接着組成物は、吸湿剤が水分を吸収した際に示すpH性状が塩基性であって、pH性状抑制材料は、酸性のpH性状を示す酸性材料であることから、請求項1に係る発明の効果に加えて、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、カーボンブラックを始めとして、吸湿剤の大部分は水分を吸収した際に示すpH性状が塩基性であることから、pH性状抑制材料としては酸性のpH性状を示す酸性材料を添加することが有効である。

0023

請求項3の発明に係る接着組成物は、pH性状抑制材料がアクリル系樹脂であることから、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加えて、硬化物強度が向上するという作用効果が得られる。

0024

請求項4の発明に係る接着組成物は、塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、アクリル系樹脂とを含有し、前記アクリル系樹脂はコア−シェル型微粒子であり、コア部が可塑剤親和性ポリマーから構成され、シェル部が可塑剤非親和性ポリマーから構成されることから、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明の効果に加えて、可塑剤と相溶性の乏しいシェル部のポリマーが、可塑剤と相溶性のあるコア部を被覆することになって、貯蔵中のアクリルゾルの粘度上昇を抑制することができ、接着組成物の貯蔵安定性がより向上するという作用効果が生ずる。そして、このシェル部のポリマーは加熱されることによって可塑剤との相溶性が発現するため、加熱硬化後ブリードを発生する恐れもない。

0025

請求項5の発明に係る接着組成物は、吸湿剤の含有量が0.3重量%〜2.0重量%の範囲内であり、アクリル系樹脂の含有量が2.0重量%以上7.0重量%未満の範囲内であり、かつ、吸湿剤の含有量がアクリル系樹脂の含有量の1/2以下であることから、請求項3または請求項4に係る発明の効果に加えて、接着組成物に配合される成分に含まれる水分を吸収するために、最低でも0.3重量%の吸湿剤が必要であり、したがって吸湿剤の含有量が0.3重量%未満であると焼付け乾燥時に内部発泡が生じてしまい、一方吸湿剤の含有量が2.0重量%を超えると接着組成物の耐水性が低下してしまう。よって、吸湿剤の含有量は、0.3重量%〜2.0重量%の範囲内とすることが適当である。

0026

また、アクリル系樹脂の含有量が2.0重量%未満であると、上述した耐水性を向上させる効果を発現させることができず、一方アクリル系樹脂の含有量が7.0重量%以上であると、塗膜の密着性が損なわれてしまう。したがって、アクリル系樹脂の含有量は、2.0重量%以上7.0重量%未満の範囲内とすることが適当である。更に、アクリル系樹脂の含有量を2.0重量%〜5.0重量%の範囲内とすることによって、より確実に耐水性を向上させる効果を発現させることができるとともに、塗膜の密着性を確保することができるため、より好ましい。

0027

更に、吸湿剤の含有量が重量基準でアクリル系樹脂の含有量の1/2以下であることが要求される。吸湿剤の含有量が重量基準でアクリル系樹脂の含有量の1/2を超えると、接着組成物の耐水性が低下してしまう。

0028

請求項6の発明に係る接着組成物においては、更に密着性付与剤を含有する。ここで、「密着性付与剤」としては、ポリアミドアミン、ブロックウレタンプレポリマー等を用いることができ、より具体的には、例えばエアプロダクツ社製のヌーリーボンド272等を用いることができる。

0029

このようなポリアミドアミン、ブロックウレタンプレポリマー等の密着性付与剤を配合することによって、請求項3乃至請求項5のいずれか1つに係る発明の効果に加えて、アクリル系樹脂を多めに(5.0重量%を超えて7.0重量%未満の範囲内)配合した場合でも、確実に塗膜の密着性を保持することができる。なお、密着性付与剤の含有量は、0.5重量%〜2.0重量%の範囲内とすることが好ましい。

図面の簡単な説明

0030

図1は本発明の実施の形態に係る接着組成物の性能評価の手順を示すフローチャートである。

実施例

0031

以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る接着組成物の性能評価の手順を示すフローチャートである。

0032

まず、本発明の実施の形態に係る接着組成物の配合成分と配合率について説明する。本実施の形態に係る接着組成物は、接着性樹脂と、可塑剤と、水分を吸収することによって塩基性を示す吸湿剤と、pH性状抑制材料と、充填材と、密着性付与剤とを含有するものである。

0033

本実施の形態に係る接着組成物においては、接着性樹脂としての「塩化ビニル系樹脂」として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体であるヴィテック(株)製のP500を、「可塑剤」としてJプラス(株)製のフタル酸ジイソノニル(DINP)を、「充填材」として炭酸カルシウムを用いた。ここで、炭酸カルシウムは、微粒の炭酸カルシウムと粗粒の炭酸カルシウムとを混合して配合し、微粒の炭酸カルシウムとしては白石工業(株)製の白CCRを、粗粒の炭酸カルシウムとしては化学工業(株)製の重質炭酸カルシウムを、それぞれ用いた。

0034

そして、「吸湿剤」としては、酸化カルシウムである井上石灰工業(株)製のQC−Xを用いた。また、「pH性状抑制材料」としての「アクリル系樹脂」として三菱レイヨン(株)製のダイヤナールLP−3102を、及びカーボンブラックとしての三菱化学(株)製の三菱カーボンブラックMA−100を用いた。ここで、アクリル系樹脂としてのダイヤナールLP−3102は、コア−シェル型微粒子であって、コア部が可塑剤親和性ポリマーから構成され、シェル部が可塑剤非親和性ポリマーから構成されているものである。更に、「密着性付与剤」としてエアプロダクツ社製のヌーリーボンド272を添加した。

0035

これらの配合物を混合して、実施例1乃至実施例5までの5種類の「接着組成物」としてのシーリング材組成物を作製した。また、比較のために、比較例1乃至比較例7までの7種類の比較用の接着組成物としてのシーリング材組成物を作製した。実施例1乃至実施例5及び比較例1乃至比較例7の12種類の接着組成物の成分と配合を表1の上段に示す。

0036

0037

表1の上段に示されるように、アクリル系樹脂の配合量は実施例1が2重量%、実施例2,3が5重量%と変化させている。また、カーボンブラックの配合量は実施例4が2重量%、実施例5が5重量%と変化させている。また、吸湿剤の配合量は実施例1,2,4が1重量%、実施例3,5が2重量%と変化させた。これに伴って、塩化ビニル系樹脂の配合量は実施例1,4が20重量%、実施例2,3,5が17重量%となっている。また、微粒の炭酸カルシウムの配合量は実施例1,2,4が26重量%、実施例3,5が25重量%となっている。

0038

可塑剤の配合量は、実施例1乃至実施例5までの接着組成物において30重量%で統一し、同様に粗粒の炭酸カルシウムの配合量も実施例1乃至実施例5までの接着組成物において20重量%で統一し、密着性付与剤の配合量も実施例1乃至実施例5までの接着組成物において1重量%で統一した。そして、実施例1乃至実施例5までの全ての接着組成物において、合計が100重量%となるようにした。

0039

これに対して、比較例に係る接着組成物においては、アクリル系樹脂の配合量は比較例1が少ない1重量%であり、比較例2が2重量%であり、比較例3,4が多めの7重量%であり、比較例5乃至比較例7においてはアクリル系樹脂もカーボンブラックも配合されていない。また、吸湿剤の配合量は比較例1,3,5が1重量%、比較例2,4,6が2重量%であり、比較例7においては吸湿剤が配合されていない。

0040

これに伴って、塩化ビニル系樹脂の配合量は比較例1が21重量%、比較例2が20重量%、比較例3,4が15重量%、比較例5乃至比較例7が22重量%となっている。また、微粒の炭酸カルシウムの配合量は比較例1,3,5が26重量%、比較例2,4,6が25重量%、比較例7が27重量%となっている。

0041

可塑剤の配合量は、比較例1乃至比較例7までの接着組成物において30重量%で統一し、同様に粗粒の炭酸カルシウムの配合量も比較例1乃至比較例7までの接着組成物において20重量%で統一し、密着性付与剤の配合量も比較例1乃至比較例7までの接着組成物において1重量%で統一した。そして、比較例1乃至比較例7までの全ての接着組成物において、合計が100重量%となるようにした。

0042

このような配合組成を有する実施例1乃至実施例5及び比較例1乃至比較例7の12種類の接着組成物としてのシーリング材組成物について、シーリング材としての性能評価を実施した。接着組成物の性能評価の手順について、図1を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る接着組成物の性能評価の手順を示すフローチャートである。

0043

図1に示されるように、まず、塩化ビニル系樹脂2、可塑剤3、pH性状抑制材料4、吸湿剤5、充填材6、密着性付与剤7を混合して、接着組成物としてのシーリング材組成物1を作製し、この接着組成物としてのシーリング材組成物1を電着塗装板(70mm×150mm×0.8mm)に、50mm×100mm×3mmの面積及び厚さになるように塗布した(ステップS10)。

0044

その上から、始めに中塗り塗料を10μmの厚さになるように塗布し(ステップS11)、80℃で3分間仮焼きを行い(ステップS12)、続いてベース塗料を10μmの厚さになるように塗布し(ステップS13)、80℃で3分間仮焼きを行い(ステップS14)、最後にクリアー塗料を10μmの厚さになるように塗布し(ステップS15)、本焼きして塗膜を硬化させた(ステップS16)。

0045

なお、本焼きは130℃×10分、130℃×20分、140℃×20分、の三条件で実施し、電着塗装板の裏側に測温計を取付けて、所定の温度になった時点からを硬化時間とした。また、中塗り塗料としては関西ペイント(株)製のWP−500T(水性)を、ベース塗料としては関西ペイント(株)製のWBC−713T(水性)を、クリアー塗料としては関西ペイント(株)製のKINO−1210TW(油性)を、それぞれ使用した。

0046

その後、塗膜硬化済み電着塗装板を室温で24時間放置して(ステップS17)、これを供試体として耐水性の評価を行った(ステップS18)。すなわち、供試体を40℃の恒温槽の水中に10日間浸漬させた後引き上げて、表面の状態を観察した。そして、異常がない場合を○、塗膜に膨れが認められた場合を×と評価した。

0047

また、この耐水性試験と同様にして供試体を作製し(但し、ステップS16の本焼きの条件は140℃×20分)、塗膜密着性の評価を行った。すなわち、同様にして作製した供試体を、同様に40℃の恒温槽の水中に10日間浸漬させた後引き上げて、表面の水分を十分に拭き取って、20℃で24時間放置した。その後、カッターナイフで2mm間隔に塗膜をカットして碁盤目(100マス)を形成し、セロハンテープを用いて剥離試験を行った。判定は、1マスのうち50%以上剥離したマス目の数を数えて、0マスのものを合格とし、1マスでもあるものは不合格と評価した。

0048

更に、同じ大きさの電着塗装板に接着組成物を塗布・加熱硬化して、硬化物の内部発泡の有無を評価した。すなわち、接着組成物1を電着塗装板(70mm×150mm×0.8mm)に、15mm×100mm×3mmの面積及び厚さになるように塗布して、140℃×20分間加熱硬化させた後、室温まで冷却してカッターナイフで接着組成物塗膜に切れ目を入れ、内部の発泡状態を観察し、内部発泡がなければOKと評価した。

0049

また、実施例1乃至実施例5及び比較例1乃至比較例7の12種類の接着組成物を、35℃で10日間放置して、貯蔵安定性を評価した。具体的な試験方法としては、ASTM1092に規定される押出し型(SOD粘度測定装置を使用して、35℃で10日間放置したものの粘度を測定し、3.0Pa・s/104S-1以下のものを合格(OK)とし、20Pa・s/104S-1以上のものを不合格(NG)とした。これらの評価結果を、表1の下段に示す。

0050

表1の下段に示されるように、上述した評価項目のうち耐水性試験については、実施例1乃至実施例5の全てについて、本焼きの三条件全ての場合に塗膜の膨れが生じず、耐水性に優れていることが明らかになった。これに対して、比較例1,2については、本焼きの条件が130℃×10分,130℃×20分において塗膜の膨れが認められ、比較例5,6については、本焼きの三条件全ての場合に塗膜の膨れが生じてしまい、耐水性に問題があることが分かった。

0051

また、塗膜密着性については、実施例1乃至実施例3の全てについて剥離試験における剥がれが0マスで合格の評価であり、塗膜密着性に優れていることが明らかになった。これに対して、比較例3乃至比較例6については、剥離試験において剥がれが1マス以上あって不合格の評価であり、塗膜密着性に問題があることが分かった。

0052

更に、硬化物の内部発泡については、実施例1乃至実施例5の全てについて内部発泡等の異常がなくOKの評価であったが、吸湿剤(酸化カルシウム)を全く添加していない比較例7については、内部発泡が認められた。したがって、吸湿剤(酸化カルシウム)は、必要最小限の量(0.3重量%)以上は添加する必要があることが明らかになった。

0053

また、貯蔵安定性については、実施例1乃至実施例5の全てについて10日間経過後もOKの評価であり、貯蔵安定性に優れていることが明らかになった。これに対して、比較例3及び比較例4についてはNGの評価であり、貯蔵安定性にも問題があることが分かった。

0054

以上の評価結果を総合すると、比較例1乃至比較例7の接着組成物としてのシーリング材組成物については、耐水性・塗膜密着性・内部発泡・貯蔵安定性のいずれかにおいて問題があり、シーリング材として実用に耐えないことが判明した。これに対して、実施例1乃至実施例5の接着組成物としてのシーリング材組成物1については、耐水性・塗膜密着性・内部発泡・貯蔵安定性の全ての試験に合格しており、シーリング材として優れた特性を有することが明らかになった。

0055

したがって、塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、充填材と、吸湿剤と、アクリル系樹脂とを含有する接着組成物においては、吸湿剤の含有量が0.3重量%〜2.0重量%の範囲内であり、アクリル系樹脂の含有量が1.0重量%以上7.0重量%未満の範囲内であり、かつ、吸湿剤の含有量がアクリル系樹脂の含有量の1/2以下である、という条件を満たす必要があることが証明された。

0056

また、本実施の形態に係る実施例1乃至実施例5の接着組成物としてのシーリング材組成物1は、長期間室温で保存しても状態が変化せず、保存安定性にも優れているものであった。したがって、塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、充填材と、吸湿剤と、アクリル系樹脂とを含有する接着組成物においては、アクリル系樹脂がコア−シェル型微粒子であり、コア部が可塑剤親和性ポリマーから構成され、シェル部が可塑剤非親和性ポリマーから構成されるものであることがより好ましいことが明らかになった。

0057

このように、本実施の形態に係る実施例1乃至実施例5の接着組成物としてのシーリング材組成物においては、塩化ビニル樹脂系シーリング材において、3ウエット化工法に用いられる水性塗料等を塗装・焼付けして耐水性試験を行った場合でも、シーリング材上の塗装面に膨れが発生せず、塗装外観品質を保持することができる。

0058

本実施の形態においては、「吸湿剤」として、水分を吸収することで塩基性のpH性状を示す酸化カルシウム(CaO)を用いた場合について説明し、「pH性状抑制材料」として逆のpH性状である酸性を示すアクリル系樹脂及びカーボンブラックを用いた場合について説明したが、接着組成物の品質に影響を及ぼさないものであれば、これらに限定されるものではない。また、水分を吸収することで塩基性のpH性状を示す吸湿剤も、酸化カルシウムに限られるものではなく、他にも酸化マグネシウム(MgO)、リン酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、等を用いることができる。

0059

更に、「吸湿剤」としては、水分を吸収することで酸性のpH性状を示す五酸化リン(P2 O5 )、シリカゲル(SiO2 )等もあり、これらの吸湿剤を用いた場合には、「pH性状抑制材料」として逆のpH性状である塩基性を示す水酸化カルシウム、アミン、等を用いる必要がある。

0060

また、本実施の形態においては、「アクリル系樹脂」として、コア−シェル型微粒子であり、コア部が可塑剤親和性ポリマーから構成され、シェル部が可塑剤非親和性ポリマーから構成されるものである三菱レイヨン(株)製のダイヤナールLP−3102を用いた場合について説明したが、アクリル系樹脂としては、このようなコア−シェル型微粒子に限られるものではなく、広くアクリル樹脂及びメタクリル樹脂を含むものであって、アクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステル等から選ばれるモノマーの単一重合体や共重合体を意味するものであり、これらのモノマーとして具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等を始めとして、種々のモノマーを用いることができる。

0061

更に、本実施の形態においては、「充填材」として炭酸カルシウムを用いた場合について説明したが、これに限られるものではなく、他にも硫酸バリウム硫酸カルシウムタルク珪藻土クレーマイカ、等を用いることができる。また、本実施の形態においては、「可塑剤」としてフタル酸ジイソノニル(DINP)を用いた場合について説明したが、これに限られるものではなく、他にもフタル酸ジオクチル(DOP)等を用いることができる。

0062

更に、本実施の形態においては、3ウエット化工法に用いられる中塗り塗料・ベース塗料・クリアー塗料のうち、中塗り塗料とベース塗料が水性塗料の場合について説明したが、中塗り塗料とベース塗料は水性に限られるものではない。

0063

また、本実施の形態においては、自動車用シーリング材について説明したが、水分の影響を抑制する目的で吸湿剤を配する接着組成物全般に適用でき、例えば自動車用構造接着剤建材接着剤、等にも利用することができる。

0064

本発明を実施するに際しては、接着組成物のその他の部分の構成、組成、配合、成分、形状、数量、材質、大きさ、製造方法等についても、本実施の形態及び各実施例に限定されるものではない。なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、その全てが臨界値を示すものではなく、ある数値は実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。

0065

1接着組成物
2塩化ビニル系樹脂
3可塑剤
4 pH性状抑制材料
5吸湿剤
6充填材
7 密着性付与剤

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