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技術 電力変換装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 小林健二永田寛
出願日 2009年1月30日 (10年9ヶ月経過) 出願番号 2009-019941
公開日 2010年8月12日 (9年3ヶ月経過) 公開番号 2010-178542
状態 特許登録済
技術分野 インバータ装置 交流電動機の制御一般
主要キーワード 跳ね上り 圧延プラント 接続点電位 任意周波数 通常回路 鉄鋼プラント 変換主回路 電力変換素子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

電力変換装置において、電力変換主回路から大地に流れる漏れ電流の低減を、導電性電位固定用抵抗の適用によって実現する。

解決手段

IGBT半導体素子)を実装するヒートシンク導電性部材)の電位を、電力変換直流主回路に接続する導電性電位固定用抵抗同士の接続点電気的に接続することで、大地とヒートシンク(導電性部材)の間の印加電圧を低減させ、浮遊容量を介して大地に流れる漏れ電流の低減を図る。

効果

電力変換装置に適用される各種基板鉄鋼プラントに適用される他の機器に対する誤作動等の悪影響を低減できる。

概要

背景

交流電動機を任意の回転速度で回転させるために電力変換装置が用いられる。電力変換装置には、一般に交流電圧直流電圧順変換する順変換器と直流電圧を交流電圧に逆変換する逆変換器とが適用され、正側直流電源、負側直流電源、正側直流電源と負側直流電源の中間点である中性点直流電源各々に直流電圧の脈流平滑化する平滑コンデンサが接続され、正側直流電源、負側直流電源、中性点直流電源は電力変換素子を介して出力点に接続する構成がある。そして、それらの半導体素子を繰り返し導通及び遮断(以後スイッチングと記す)させることで、実質的な交流電圧を作り出し、主商用電源から変圧器を介して得られる交流電圧を順変換器により、直流電圧へ変換する。そして、得られた直流電圧を逆変換器により、任意の周波数及び振幅を有する交流電圧へ変換し、交流電動機へ電力を供給することで、交流電動機の速度を加速制御する。

また、前記半導体素子のスイッチングにより、交流電動機からの交流電圧を逆変換器により、直流電圧へ変換し、さらに、得られた直流電圧を順変換器により、商用周波数の交流電圧へ変換し、変圧器を介して主商用電源へ電力を回生することで、交流電動機の速度を減速制御する。

ところで、鉄鋼圧延プラントに適用される交流電動機は、その適用用途により、数[kW]の補機電動機から、数千[kW]の主機電動機まで多種存在する。したがって、それを駆動する電力変換装置も様々な容量のものが存在し、主機電動機駆動用となると、数千[kVA]以上の容量が必要となる。

電力変換装置の容量を増加する方法として、それを構成する電力変換直流主回路主回路直流電圧を高電圧化する方法がある。電力変換装置を高圧化するには、電力変換直流主回路に接続される半導体素子の絶縁耐圧仕様高耐圧化する必要があり、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールの場合は、IGBTモジュール取付け板となるベース板コレクタ主端子及びエミッタ主端子との間の絶縁耐圧仕様を高耐圧化することに相当する。また、ダイオードモジュールの場合も同様となり、ダイオードモジュールの取付け板となるベース板とアノード主端子及びカソード主端子との間の絶縁耐圧仕様を高耐圧化することに相当する。ここで、絶縁耐圧とは、半導体素子内外絶縁破壊が生じない電圧値のことである。

IGBTモジュール及びダイオードモジュールは、一般にIGBTモジュール及びダイオードモジュールを冷却するための導電性であるヒートシンク上に実装するため、IGBTモジュール及びダイオードモジュールのベース板の電位は、ヒートシンク電位と電気的に接続される。

ここで、電力変換装置の高圧化を実現させる従来の方法として、例えば2個のIGBTモジュールを直列接続して構成されるIGBTモジュール群と2個のダイオードモジュールを直列接続して構成されるダイオードモジュール群とを1つのスイッチとして機能させる回路構成がある。

この従来の回路構成において、前記IGBTモジュール群は、U,V,W相の各1相当たり4組ずつ割り当てられる。この4組は、正側直流電源の母線電位を出力するための正側IGBTモジュール群と、中性点直流電源の母線電位を出力するための第1の中性点IGBTモジュール群及び第2の中性点IGBTモジュール群と、負側直流電源の母線電位を出力するための負側IGBTモジュール群からなる。これらは正側直流電源の母線と負側直流電源の母線との間に直列に接続される。

また、前記ダイオードモジュール群は、U,V,W相の各1相当たり2組ずつ割り当てられる。正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群の接続点と中性点直流電源の母線の間と、負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群の接続点と中性点直流電源の母線の間に各々、中性点直流電源の母線電位を出力するための2直列接続の第1の正側ダイオードモジュールと第2の正側ダイオードモジュールからなる正側ダイオードモジュール群と、第1の負側ダイオードモジュールと第2の負側ダイオードモジュールからなる負側ダイオードモジュール群が接続される。

正側ダイオードモジュール群の第1の正側ダイオードモジュールのカソード主端子は、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群との接続点に接続される。そのアノード主端子は第2の正側ダイオードモジュールのカソード主端子と接続される。第2の正側ダイオードモジュールのアノード主端子は中性点直流電源と接続される。

負側ダイオードモジュール群の第1の負側ダイオードモジュールのカソード主端子は中性点直流電源と接続される。そのアノード主端子は第2の負側ダイオードモジュールのカソード主端子と接続される。そのアノード主端子は負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群との接続点に接続される。

IGBTモジュールは、U,V,W相の各相で8個ずつ適用される。正側IGBTモジュール群である1直列目正側IGBTモジュールのコレクタ主端子は正側直流電源の母線に接続される。1直列目正側IGBTモジュールのエミッタ主端子は2直列目正側IGBTモジュールのコレクタ主端子と接続される。2直列目正側IGBTモジュールのエミッタ主端子は第1の中性点IGBTモジュール群である1直列目第1の中性点IGBTモジュールのコレクタ主端子と接続される。1直列目第1の中性点IGBTモジュールのエミッタ主端子は2直列目第1の中性点IGBTモジュールのコレクタ主端子と接続される。

2直列目第1の中性点IGBTモジュールのエミッタ主端子は第2の中性点IGBTモジュール群である1直列目第2の中性点IGBTモジュールのコレクタ主端子に接続される。1直列目第2の中性点IGBTモジュールのエミッタ主端子は2直列目第2の中性点IGBTモジュールのコレクタ主端子に接続される。

2直列目第2の中性点IGBTモジュールのエミッタ主端子は負側IGBTモジュール群である1直列目負側IGBTモジュールのコレクタ主端子に接続される。1直列目負側IGBTモジュールのエミッタ主端子は2直列目負側IGBTモジュールのコレクタ主端子と接続される。2直列目負側IGBTモジュールのエミッタ主端子は負側直流電源の母線と接続される。

各相の出力点は、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群との接続点になる。

IGBTモジュールを実装するヒートシンクとダイオードモジュールを実装するヒートシンクは、U,V,W相の各相6個ずつ割り当てられる。正側IGBTモジュール群は1個の正側ヒートシンク上に実装され、第1の中性点IGBTモジュール群は、1個の第1の中性点ヒートシンク上に実装され、第2の中性点IGBTモジュール群は、1個の第2の中性点ヒートシンク上に実装される。

負側IGBTモジュール群は1個の負側ヒートシンク上に実装される。また、正側ダイオード群は、1個の正側ダイオード用ヒートシンク上に実装され、負側ダイオード群は、1個の負側ダイオード用ヒートシンク上に実装される。

正側ヒートシンクと第1の中性点ヒートシンクと第2の中性点ヒートシンクと負側ヒートシンクを、そのヒートシンク上に実装されるIGBTモジュール同士の直列接続した接続点と接続することにより、ヒートシンク電位及びIGBTモジュールのベース板の電位は各々、IGBTモジュール群の1直列目IGBTモジュールのエミッタ主端子の電位及び2直列目IGBTモジュールのコレクタ主端子の電位と電気的に接続されることになり、IGBTモジュールのスイッチングによって、ヒートシンク電位及びIGBTモジュールのベース板の電位は変動する。

正側/負側ダイオード用ヒートシンクの場合も、IGBTモジュール群を実装する各ヒートシンクと同様の回路構成とし、そのヒートシンク上に実装されるダイオードモジュール同士の直列接続した接続点とダイオード用ヒートシンクを接続することにより、ヒートシンク電位及びダイオードモジュールのベース板の電位は、ダイオードモジュールの導通・遮断によって変動する。また、大地と各ヒートシンク及び各IGBTモジュール、ダイオードモジュールのベース板の間に印加される電圧は、中性点直流電源の母線が高抵抗を介して大地に接続されるため、各ヒートシンクの電位に高抵抗の印加電圧加算されたものとなる。

正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群の動作関係は、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群が導通状態のとき、第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群は遮断状態となり、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態のとき、正側IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群は遮断状態となり、第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群が導通状態のとき、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群は遮断状態である。

IGBTモジュール群の導通状態における各々のヒートシンク電位と大地の間の電圧は、正側ヒートシンクの場合、正側直流電源と中性点直流電源の間の直流電圧をEpとし、中性点直流電源と接続される高抵抗の両端電圧をErcとすると、式[1]で表される。

大地と正側ヒートシンク間の印加電圧= Ep+ Erc ・・・[1]
(正側IGBTモジュール群が導通状態の場合)

また、第1の中性点IGBTモジュール群の導通状態において、第1の中性点ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合と、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合で異なり、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合は、式[2]で表され、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合は、式[3]で表される。

大地と第1の中性点ヒートシンクの間の印加電圧= Ep+ Erc ・・・[2]
(正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

大地と第1の中性点ヒートシンクの間の印加電圧= Erc ・・・[3]
(第1及び第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

一方、第2の中性点IGBTモジュール群の導通状態において、第2の中性点ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合と、負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合では異なり、中性点直流電源と負側直流電源の間の直流電圧をEnとすると、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合は、式[4]で表され、負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合は、式[5]で表される。

大地と第2の中性点ヒートシンクの間の印加電圧= Erc ・・・[4]
(第1及び第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

大地と第2の中性点ヒートシンクの間の印加電圧= En + Erc ・・・[5]
(負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

また、負側IGBTモジュール群の導通状態において、負側ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、式[6]で表される。

大地と負側ヒートシンクの間の印加電圧= En + Erc ・・・[6]
(負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

ここで、各IGBTモジュール群の導通状態において、各IGBTモジュールのコレクタ主端子とエミッタ主端子及び各ヒートシンクの電位は各々同電位となるため、各IGBTモジュールのベース板とコレクタ/エミッタ主端子の間に電圧は印加されない。

正側/負側ダイオードモジュール群の導通状態において、各ダイオード用ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、式[7]で表せる。

大地と正側/負側ダイオード用ヒートシンクの間の印加電圧
= Erc ・・・[7]
(正側/負側ダイオードモジュール群が導通状態の場合)

ここで、各ダイオードモジュール群の導通状態におけるアノード主端子とカソード主端子及びヒートシンク電位は、すべて同電位となるため、各ダイオードモジュールのベース板とアノード/カソード主端子間に電圧は印加されない。

各IGBTモジュール群の遮断状態において、各ヒートシンクの電位及び各IGBTモジュールのベース板の電位が、1直列目IGBTモジュールのエミッタ主端子の電位と2直列目IGBTモジュールのコレクタ主端子の電位と同電位になるために、1直列目IGBTモジュールのベース板と1直列目IGBTモジュールのコレクタ主端子の間、2直列目IGBTモジュールのベース板と2直列目IGBTモジュールのエミッタ主端子の間に印加される電圧は、各IGBTモジュールのコレクタ主端子とエミッタ主端子の間に印加される電圧に等しい。

特に、各IGBTモジュールのベース板とコレクタ/エミッタ主端子間に印加される電圧が最大となるのは、各IGBTモジュールが電流を遮断したときであり、各IGBTモジュールが電流を遮断した時の跳ね上り電圧をΔViとすると、各IGBTモジュールのベース板及び各ヒートシンク−コレクタ/エミッタ主端子間に印加される電圧は式[8]で表せる。

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の最大印加電圧
= Ep(En)/2 + ΔVi ・・・[8]

ここで、通常回路動作中の主回路の直流電圧Ep,Enは、(Ep)=(En)であるため、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群では、IGBTモジュール群の電流遮断時における各IGBTモジュールのベース板とコレクタ/エミッタ主端子の間に印加される電圧に差異はない。

また、各IGBTモジュール群の遮断状態における各ヒートシンクと大地間に印加される電圧は、式[9]で表せる。

大地と各ヒートシンクの間の印加電圧
= Ep(En)/2 + ΔVi + Erc ・・・[9]

正側ヒートシンクと第1の中性点ヒートシンクと第2の中性点ヒートシンクと負側IGBTヒートシンクでは、IGBTモジュール群の電流遮断時における各ヒートシンクと大地の間に印加される電圧に差異はない。

正側/負側ダイオードモジュール群の遮断状態においては、1直列目ダイオードモジュールのベース板とカソード主端子の間、2直列目ダイオードモジュールのベース板とアノード主端子の間に印加される電圧は、式[10]で表せる。

ベース板とアノード/カソード主端子間の最大印加電圧
=Ep(En)/2 + ΔVd ・・・[10]
(但し、ΔVd:リカバリ動作による跳ね上がり電圧)

また、正側/負側ダイオードモジュール群の遮断状態における各ダイオード用ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、式[11]で表せる。

大地と各ダイオード用ヒートシンク間の印加電圧
=Ep(En)/2 + ΔVd + Erc ・・・[11]

概要

電力変換装置において、電力変換主回路から大地に流れる漏れ電流の低減を、導電性電位固定用抵抗の適用によって実現する。IGBT(半導体素子)を実装するヒートシンク(導電性部材)の電位を、電力変換直流主回路に接続する導電性電位固定用抵抗同士の接続点に電気的に接続することで、大地とヒートシンク(導電性部材)の間の印加電圧を低減させ、浮遊容量を介して大地に流れる漏れ電流の低減をる。電力変換装置に適用される各種基板鉄鋼プラントに適用される他の機器に対する誤作動等の悪影響を低減できる。

目的

本発明の課題は、ヒートシンクから大地に流れる漏れ電流を低減し、他の機器への悪影響を低減できる電力変換装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

直流電圧と任意の周波数及び振幅を有する交流電圧とを順変換及び逆変換する電力変換装置において、前記交流電圧を前記直流電圧に順変換する順変換器と前記直流電圧を前記交流電圧に逆変換する逆変換器との間を並行に接続する正側直流電源母線と負側直流電源の母線との間に、前記正側直流電源の母線電位を出力するための複数個半導体素子直列に接続した正側半導体素子群と、前記負側直流電源の母線電位を出力するための複数個の半導体素子を直列に接続した負側半導体素子群とが接続され、前記正側半導体素子群と前記負側半導体素子群とは直列に接続され、前記正側半導体素子群は正側導電性部材取付けられ、前記負側半導体素子群は負側導電性部材に取付けられ、前記正側導電性部材及び前記負側導電性部材は、前記正側直流電源の母線と前記負側直流電源の母線との間に接続された2直列接続の第1の導電性部材電位固定用抵抗と第2の導電性部材電位固定用抵抗との間の電位に各々固定される、ことを特徴とする電力変換装置。

請求項2

直流電圧と任意の周波数及び振幅を有する交流電圧とを順変換及び逆変換する電力変換装置であって、前記交流電圧を前記直流電圧に順変換する順変換器と前記直流電圧を前記交流電圧に逆変換する逆変換器との間を並行に接続する正側直流電源の母線、中性点直流電源の母線、及び負側直流電源の母線がそれぞれ設置され、前記正側直流電源の母線と前記負側直流電源の母線との間に、前記正側直流電源の母線電位を出力するための複数個の半導体素子を直列に接続した正側半導体素子群と、前記中性点直流電源の母線電位を出力するための複数個の半導体素子を直列に接続した第1の中性点半導体素子群及び第2の中性点半導体素子群と、前記負側直流電源の母線電位を出力するための複数個の半導体素子を直列に接続した負側半導体素子群とが接続され、前記正側半導体素子群と前記第1の中性点半導体素子群、前記第2の中性点半導体素子群と前記負側半導体素子群は直列に接続され、前記正側半導体素子群と前記第1の中性点半導体素子群の接続点と前記中性点直流電源の母線との間に正側ダイオード群が接続され、前記負側半導体素子群と前記第2の中性点半導体素子群の接続点と前記中性点直流電源の母線との間に負側ダイオード群が接続され、前記第1の中性点半導体素子群と前記第2の中性点半導体素子群の接続点は前記電力変換装置の出力点となり、前記正側ダイオード群と前記負側ダイオード群は、同一のダイオード導電性部材に取付けられ、前記正側半導体素子群は正側導電性部材に取付けられ、前記第1の中性点半導体素子群は第1の中性点導電性部材に取付けられ、前記第2の中性点半導体素子群は第2の中性点導電性部材に取付けられ、前記負側半導体素子群は負側導電性部材に取付けられ、前記ダイオード導電性部材は、前記中性点直流電源の母線に接続され、前記正側導電性部材は、前記正側直流電源の母線と前記中性点直流電源の母線との間に接続された2直列接続の第1の正側導電性部材電位固定用抵抗と第2の正側導電性部材電位固定用抵抗との間の電位に固定され、前記負側導電性部材は、前記中性点直流電源の母線と前記負側直流電源の母線との間に接続された2直列接続の第1の負側導電性部材電位固定用抵抗と第2の負側導電性部材電位固定用抵抗との間の電位に固定され、前記第1の中性点導電性部材と第2の中性点導電性部材とは、前記電力変換装置の出力点と前記中性点直流電源の母線との間に接続された2直列接続の第1の中性点導電性部材電位固定用抵抗と第2の中性点導電性部材電位固定用抵抗との間に各々、電位が固定される、ことを特徴とする電力変換装置。

技術分野

0001

本発明は、適用される半導体素子群取付け導電性部材電位を固定するための回路構成を有する電力変換装置に関する。

背景技術

0002

交流電動機を任意の回転速度で回転させるために電力変換装置が用いられる。電力変換装置には、一般に交流電圧直流電圧順変換する順変換器と直流電圧を交流電圧に逆変換する逆変換器とが適用され、正側直流電源、負側直流電源、正側直流電源と負側直流電源の中間点である中性点直流電源各々に直流電圧の脈流平滑化する平滑コンデンサが接続され、正側直流電源、負側直流電源、中性点直流電源は電力変換素子を介して出力点に接続する構成がある。そして、それらの半導体素子を繰り返し導通及び遮断(以後スイッチングと記す)させることで、実質的な交流電圧を作り出し、主商用電源から変圧器を介して得られる交流電圧を順変換器により、直流電圧へ変換する。そして、得られた直流電圧を逆変換器により、任意の周波数及び振幅を有する交流電圧へ変換し、交流電動機へ電力を供給することで、交流電動機の速度を加速制御する。

0003

また、前記半導体素子のスイッチングにより、交流電動機からの交流電圧を逆変換器により、直流電圧へ変換し、さらに、得られた直流電圧を順変換器により、商用周波数の交流電圧へ変換し、変圧器を介して主商用電源へ電力を回生することで、交流電動機の速度を減速制御する。

0004

ところで、鉄鋼圧延プラントに適用される交流電動機は、その適用用途により、数[kW]の補機電動機から、数千[kW]の主機電動機まで多種存在する。したがって、それを駆動する電力変換装置も様々な容量のものが存在し、主機電動機駆動用となると、数千[kVA]以上の容量が必要となる。

0005

電力変換装置の容量を増加する方法として、それを構成する電力変換直流主回路主回路直流電圧を高電圧化する方法がある。電力変換装置を高圧化するには、電力変換直流主回路に接続される半導体素子の絶縁耐圧仕様高耐圧化する必要があり、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールの場合は、IGBTモジュール取付け板となるベース板コレクタ主端子及びエミッタ主端子との間の絶縁耐圧仕様を高耐圧化することに相当する。また、ダイオードモジュールの場合も同様となり、ダイオードモジュールの取付け板となるベース板とアノード主端子及びカソード主端子との間の絶縁耐圧仕様を高耐圧化することに相当する。ここで、絶縁耐圧とは、半導体素子内外絶縁破壊が生じない電圧値のことである。

0006

IGBTモジュール及びダイオードモジュールは、一般にIGBTモジュール及びダイオードモジュールを冷却するための導電性であるヒートシンク上に実装するため、IGBTモジュール及びダイオードモジュールのベース板の電位は、ヒートシンク電位と電気的に接続される。

0007

ここで、電力変換装置の高圧化を実現させる従来の方法として、例えば2個のIGBTモジュールを直列接続して構成されるIGBTモジュール群と2個のダイオードモジュールを直列接続して構成されるダイオードモジュール群とを1つのスイッチとして機能させる回路構成がある。

0008

この従来の回路構成において、前記IGBTモジュール群は、U,V,W相の各1相当たり4組ずつ割り当てられる。この4組は、正側直流電源の母線電位を出力するための正側IGBTモジュール群と、中性点直流電源の母線電位を出力するための第1の中性点IGBTモジュール群及び第2の中性点IGBTモジュール群と、負側直流電源の母線電位を出力するための負側IGBTモジュール群からなる。これらは正側直流電源の母線と負側直流電源の母線との間に直列に接続される。

0009

また、前記ダイオードモジュール群は、U,V,W相の各1相当たり2組ずつ割り当てられる。正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群の接続点と中性点直流電源の母線の間と、負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群の接続点と中性点直流電源の母線の間に各々、中性点直流電源の母線電位を出力するための2直列接続の第1の正側ダイオードモジュールと第2の正側ダイオードモジュールからなる正側ダイオードモジュール群と、第1の負側ダイオードモジュールと第2の負側ダイオードモジュールからなる負側ダイオードモジュール群が接続される。

0010

正側ダイオードモジュール群の第1の正側ダイオードモジュールのカソード主端子は、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群との接続点に接続される。そのアノード主端子は第2の正側ダイオードモジュールのカソード主端子と接続される。第2の正側ダイオードモジュールのアノード主端子は中性点直流電源と接続される。

0011

負側ダイオードモジュール群の第1の負側ダイオードモジュールのカソード主端子は中性点直流電源と接続される。そのアノード主端子は第2の負側ダイオードモジュールのカソード主端子と接続される。そのアノード主端子は負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群との接続点に接続される。

0012

IGBTモジュールは、U,V,W相の各相で8個ずつ適用される。正側IGBTモジュール群である1直列目正側IGBTモジュールのコレクタ主端子は正側直流電源の母線に接続される。1直列目正側IGBTモジュールのエミッタ主端子は2直列目正側IGBTモジュールのコレクタ主端子と接続される。2直列目正側IGBTモジュールのエミッタ主端子は第1の中性点IGBTモジュール群である1直列目第1の中性点IGBTモジュールのコレクタ主端子と接続される。1直列目第1の中性点IGBTモジュールのエミッタ主端子は2直列目第1の中性点IGBTモジュールのコレクタ主端子と接続される。

0013

2直列目第1の中性点IGBTモジュールのエミッタ主端子は第2の中性点IGBTモジュール群である1直列目第2の中性点IGBTモジュールのコレクタ主端子に接続される。1直列目第2の中性点IGBTモジュールのエミッタ主端子は2直列目第2の中性点IGBTモジュールのコレクタ主端子に接続される。

0014

2直列目第2の中性点IGBTモジュールのエミッタ主端子は負側IGBTモジュール群である1直列目負側IGBTモジュールのコレクタ主端子に接続される。1直列目負側IGBTモジュールのエミッタ主端子は2直列目負側IGBTモジュールのコレクタ主端子と接続される。2直列目負側IGBTモジュールのエミッタ主端子は負側直流電源の母線と接続される。

0015

各相の出力点は、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群との接続点になる。

0016

IGBTモジュールを実装するヒートシンクとダイオードモジュールを実装するヒートシンクは、U,V,W相の各相6個ずつ割り当てられる。正側IGBTモジュール群は1個の正側ヒートシンク上に実装され、第1の中性点IGBTモジュール群は、1個の第1の中性点ヒートシンク上に実装され、第2の中性点IGBTモジュール群は、1個の第2の中性点ヒートシンク上に実装される。

0017

負側IGBTモジュール群は1個の負側ヒートシンク上に実装される。また、正側ダイオード群は、1個の正側ダイオード用ヒートシンク上に実装され、負側ダイオード群は、1個の負側ダイオード用ヒートシンク上に実装される。

0018

正側ヒートシンクと第1の中性点ヒートシンクと第2の中性点ヒートシンクと負側ヒートシンクを、そのヒートシンク上に実装されるIGBTモジュール同士の直列接続した接続点と接続することにより、ヒートシンク電位及びIGBTモジュールのベース板の電位は各々、IGBTモジュール群の1直列目IGBTモジュールのエミッタ主端子の電位及び2直列目IGBTモジュールのコレクタ主端子の電位と電気的に接続されることになり、IGBTモジュールのスイッチングによって、ヒートシンク電位及びIGBTモジュールのベース板の電位は変動する。

0019

正側/負側ダイオード用ヒートシンクの場合も、IGBTモジュール群を実装する各ヒートシンクと同様の回路構成とし、そのヒートシンク上に実装されるダイオードモジュール同士の直列接続した接続点とダイオード用ヒートシンクを接続することにより、ヒートシンク電位及びダイオードモジュールのベース板の電位は、ダイオードモジュールの導通・遮断によって変動する。また、大地と各ヒートシンク及び各IGBTモジュール、ダイオードモジュールのベース板の間に印加される電圧は、中性点直流電源の母線が高抵抗を介して大地に接続されるため、各ヒートシンクの電位に高抵抗の印加電圧加算されたものとなる。

0020

正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群の動作関係は、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群が導通状態のとき、第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群は遮断状態となり、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態のとき、正側IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群は遮断状態となり、第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群が導通状態のとき、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群は遮断状態である。

0021

IGBTモジュール群の導通状態における各々のヒートシンク電位と大地の間の電圧は、正側ヒートシンクの場合、正側直流電源と中性点直流電源の間の直流電圧をEpとし、中性点直流電源と接続される高抵抗の両端電圧をErcとすると、式[1]で表される。

0022

大地と正側ヒートシンク間の印加電圧= Ep+ Erc ・・・[1]
(正側IGBTモジュール群が導通状態の場合)

0023

また、第1の中性点IGBTモジュール群の導通状態において、第1の中性点ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合と、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合で異なり、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合は、式[2]で表され、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合は、式[3]で表される。

0024

大地と第1の中性点ヒートシンクの間の印加電圧= Ep+ Erc ・・・[2]
(正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

0025

大地と第1の中性点ヒートシンクの間の印加電圧= Erc ・・・[3]
(第1及び第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

0026

一方、第2の中性点IGBTモジュール群の導通状態において、第2の中性点ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合と、負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合では異なり、中性点直流電源と負側直流電源の間の直流電圧をEnとすると、第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合は、式[4]で表され、負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合は、式[5]で表される。

0027

大地と第2の中性点ヒートシンクの間の印加電圧= Erc ・・・[4]
(第1及び第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

0028

大地と第2の中性点ヒートシンクの間の印加電圧= En + Erc ・・・[5]
(負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

0029

また、負側IGBTモジュール群の導通状態において、負側ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、式[6]で表される。

0030

大地と負側ヒートシンクの間の印加電圧= En + Erc ・・・[6]
(負側IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群が導通状態の場合)

0031

ここで、各IGBTモジュール群の導通状態において、各IGBTモジュールのコレクタ主端子とエミッタ主端子及び各ヒートシンクの電位は各々同電位となるため、各IGBTモジュールのベース板とコレクタ/エミッタ主端子の間に電圧は印加されない。

0032

正側/負側ダイオードモジュール群の導通状態において、各ダイオード用ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、式[7]で表せる。

0033

大地と正側/負側ダイオード用ヒートシンクの間の印加電圧
= Erc ・・・[7]
(正側/負側ダイオードモジュール群が導通状態の場合)

0034

ここで、各ダイオードモジュール群の導通状態におけるアノード主端子とカソード主端子及びヒートシンク電位は、すべて同電位となるため、各ダイオードモジュールのベース板とアノード/カソード主端子間に電圧は印加されない。

0035

各IGBTモジュール群の遮断状態において、各ヒートシンクの電位及び各IGBTモジュールのベース板の電位が、1直列目IGBTモジュールのエミッタ主端子の電位と2直列目IGBTモジュールのコレクタ主端子の電位と同電位になるために、1直列目IGBTモジュールのベース板と1直列目IGBTモジュールのコレクタ主端子の間、2直列目IGBTモジュールのベース板と2直列目IGBTモジュールのエミッタ主端子の間に印加される電圧は、各IGBTモジュールのコレクタ主端子とエミッタ主端子の間に印加される電圧に等しい。

0036

特に、各IGBTモジュールのベース板とコレクタ/エミッタ主端子間に印加される電圧が最大となるのは、各IGBTモジュールが電流を遮断したときであり、各IGBTモジュールが電流を遮断した時の跳ね上り電圧をΔViとすると、各IGBTモジュールのベース板及び各ヒートシンク−コレクタ/エミッタ主端子間に印加される電圧は式[8]で表せる。

0037

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の最大印加電圧
= Ep(En)/2 + ΔVi ・・・[8]

0038

ここで、通常回路動作中の主回路の直流電圧Ep,Enは、(Ep)=(En)であるため、正側IGBTモジュール群と第1の中性点IGBTモジュール群と第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群では、IGBTモジュール群の電流遮断時における各IGBTモジュールのベース板とコレクタ/エミッタ主端子の間に印加される電圧に差異はない。

0039

また、各IGBTモジュール群の遮断状態における各ヒートシンクと大地間に印加される電圧は、式[9]で表せる。

0040

大地と各ヒートシンクの間の印加電圧
= Ep(En)/2 + ΔVi + Erc ・・・[9]

0041

正側ヒートシンクと第1の中性点ヒートシンクと第2の中性点ヒートシンクと負側IGBTヒートシンクでは、IGBTモジュール群の電流遮断時における各ヒートシンクと大地の間に印加される電圧に差異はない。

0042

正側/負側ダイオードモジュール群の遮断状態においては、1直列目ダイオードモジュールのベース板とカソード主端子の間、2直列目ダイオードモジュールのベース板とアノード主端子の間に印加される電圧は、式[10]で表せる。

0043

ベース板とアノード/カソード主端子間の最大印加電圧
=Ep(En)/2 + ΔVd ・・・[10]
(但し、ΔVd:リカバリ動作による跳ね上がり電圧)

0044

また、正側/負側ダイオードモジュール群の遮断状態における各ダイオード用ヒートシンクと大地の間に印加される電圧は、式[11]で表せる。

0045

大地と各ダイオード用ヒートシンク間の印加電圧
=Ep(En)/2 + ΔVd + Erc ・・・[11]

先行技術

0046

特開2003−174782号公報
特開2002−171768号公報

発明が解決しようとする課題

0047

各IGBTモジュールのベース板とコレクタ主端子及びエミッタ主端子との間の絶縁耐圧仕様を低減するためには、各ヒートシンクの電位をコレクタ主端子及びエミッタ主端子の電位に近づける必要があり、各ダイオードモジュールのベース板とアノード主端子及びカソード主端子との間の絶縁耐圧仕様を低減するためには、各ヒートシンクの電位をアノード主端子及びカソード主端子の電位に近づける必要がある。

0048

しかし、ヒートシンク電位を各主端子の電位に近づけると、大地とヒートシンクの間に電圧が印加されることになり、大地とヒートシンクの間に発生する浮遊容量によって、ヒートシンクから大地に漏れ電流が流れる。この漏れ電流は、大地電位を変動させる要因になり、大地とヒートシンクとの間に印加される電圧が大きくなるほど、ヒートシンクから大地に流れる漏れ電流も大きくなるため、大地の電位変動も大きくなる。

0049

従来の回路構成では、この大地の電位変動によって、電力変換装置に適用される各種基板鉄鋼プラントに適用される他の機器に対し、誤動作等の悪影響を及ぼす問題があった。
本発明の課題は、ヒートシンクから大地に流れる漏れ電流を低減し、他の機器への悪影響を低減できる電力変換装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0050

前記課題を解決するために、本発明による電力変換装置は、電力変換直流主回路の正側直流電源の母線と中性点直流電源の母線の間と、中性点直流電源の母線と負側直流電源の母線の間と、電力変換装置の出力点と中性点直流電源との間に、各々2直列接続したヒートシンク電位固定用抵抗を設け、各々のヒートシンクの電位を本抵抗間の電位とした。

発明の効果

0051

本発明によれば、ヒートシンクと大地の間に印加される電圧を低減することによって、電力変換主回路から大地に流れる漏れ電流を低減することができ、電力変換装置に適用される各種基板や鉄鋼プラントに適用されるその他の機器に対する誤作動等の悪影響を低減できる。

図面の簡単な説明

0052

本発明による第1実施形態の電力変換装置を示す全体構成図である。
逆変換器(図1参照)を詳細に示す回路構成図である。
本発明による第2実施形態の電力変換装置を示す全体構成図である。
逆変換器(図3参照)を詳細に示す回路構成図である。

実施例

0053

本発明の実施形態について、添付した各図面を用いて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明による第1実施形態の電力変換装置1aを示す全体構成図である。

0054

この電力変換装置1aでは、交流電圧を直流電圧に順変換する順変換器500と直流電圧を交流電圧に逆変換する逆変換器510の間の正側直流電源の母線Pと中性点直流電源の母線COMと負側直流電源の母線Nの間に、直流電圧Ep,Enの脈流を平滑化するための平滑コンデンサCp,Cnが各々接続される。

0055

順変換器500は、主商用電源800から変圧器700を介して得られる交流電圧を直流電圧Ep,Enに変換し、平滑コンデンサCp,Cnを充放電することで、直流電圧Ep,Enを一定に保つように制御する。逆変換器510は、順変換器500が変換した直流電圧Ep,Enを、任意の周波数及び振幅を有する交流電圧へ変換し、交流電動機600へ電力を供給/回生することで、交流電動機600の速度を可変速制御する。また、中性点直流電源の母線COMは、高抵抗Rcを介して大地に接続される。

0056

図2は、逆変換器510(図1参照)を詳細に示す回路構成図である。順変換器500(図1参照)は、逆変換器510と同様の回路構成でよい。

0057

本発明による第1実施形態の逆変換器510は、電力変換主回路(311,312,313)で構成される。電力変換主回路(311,312,313)は、3相交流のU相、V相、W相の電力変換主回路であり、その内部構成は同一である。

0058

相電力変換主回路311において、正側直流電源の母線Pと負側直流電源の母線Nの間に、2直列接続のU相正側IGBTモジュール群QP1,QP2とU相第1中性点IGBTモジュール群QPC1,QPC2とU相第2中性点IGBTモジュール群QNC1,QNC2とU相負側IGBTモジュール群QN1,QN2が接続されている。

0059

このうち、2直列目正側IGBTモジュールQP2と1直列目第1中性点IGBTモジュールQPC1の接続点と中性点直流電源の母線COMの間に、1個のダイオードモジュール内に2個の正側ダイオードDCP1,DCP2が実装されるU相正側ダイオードモジュールDCPが接続されている。また、2直列目第2中性点IGBTモジュールQNC2と1直列目負側IGBTモジュールQN1の接続点と中性点直流電源の母線COMの間に、1個のダイオードモジュール内に2個の負側ダイオードDCN1,DCN2が実装されるU相負側ダイオードモジュールDCNが接続されている。

0060

また、U相正側IGBTモジュール群QP1,QP2はU相正側ヒートシンク211に実装され、U相第1中性点IGBTモジュール群QPC1,QPC2はU相第1中性点ヒートシンク212に実装される。また、U相第2中性点IGBTモジュール群QNC1,QNC2はU相第2中性点ヒートシンク213に実装され、U相負側IGBTモジュール群QN1,QN2はU相負側ヒートシンク214に実装される。また、U相正側ダイオードモジュールDCPとU相負側ダイオードモジュールDCNはダイオード用ヒートシンク215に実装される。

0061

また、正側直流電源の母線Pと中性点直流電源の母線COMの間に2直列接続のU相正側ヒートシンク電位固定用抵抗RHV11,RHV12が接続され、中性点直流電源の母線COMと負側直流電源の母線Nの間に2直列接続のU相負側ヒートシンク電位固定用抵抗RHV13,RHV14が接続される。また、2直列目第1中性点IGBTモジュールQPC2と1直列目第2中性点IGBTモジュールQNC1の接続点であるU相電力変換主回路311の出力点UACと中性点直流電源の母線COMの間にU相中性点ヒートシンク電位固定用抵抗RHV15,RHV16が接続される。

0062

U相正側ヒートシンク211は、U相正側ヒートシンク電位固定用抵抗RHV11,RHV12の接続点と接続される。U相第1中性点ヒートシンク212とU相第2中性点ヒートシンク213は、U相中性点ヒートシンク電位固定用抵抗RHV15,RHV16の接続点と各々接続される。U相負側ヒートシンク214は、U相負側ヒートシンク電位固定用抵抗RHV13,RHV14の接続点と接続される。ダイオード用ヒートシンク215は中性点直流電源の母線COMに接続される。

0063

ここで、ヒートシンク電位固定用抵抗RHV11,RHV12,RHV13,RHV14,RHV15,RHV16は、この例では、すべて同じ抵抗値とし、正側直流電源と中性点直流電源の間の直流電圧Epと中性点直流電源と負側直流電源の直流電圧Enは、通常回路動作中において、(Ep)=(En)である。

0064

本実施形態のU相正側ヒートシンク211の電位及び各正側IGBTモジュールQP1,QP2のベース板QP1B,QP2Bの電位は、正側IGBTモジュールQP1,QP2のスイッチングに関係なく、正側ヒートシンク電位固定用抵抗RHV11,RHV12間の接続点電位に固定されるため、中性点直流電源に接続される高抵抗Rcの両端電圧をErcとすると、大地とU相正側ヒートシンク211の間に印加される電圧は、式[12]で表せる。

0065

大地とU相正側ヒートシンク211の間の印加電圧
= Ep/2 + Erc ・・・[12]

0066

また、正側IGBTモジュールQP1,QP2の導通状態において、各正側IGBTモジュールQP1,QP2のコレクタ主端子及びエミッタ主端子の電位は正側直流電源の母線Pの電位となるため、各正側IGBTモジュールQP1,QP2のベース板QP1B,QP2B−コレクタ/エミッタ主端子の間に印加される各々の電圧は、式[13]で表せる。

0067

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧(導通時)
= Ep/2 ・・・[13]

0068

また、電流遮断時における各正側IGBTモジュールQP1,QP2のベース板QP1B,QP2B−コレクタ/エミッタ主端子の間に印加される電圧は、式[14]で表せる。

0069

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧(遮断時)
= Ep/2+ΔVi ・・・[14]

0070

一方、U相負側ヒートシンク214の電位及び各負側IGBTモジュールQN1,QN2のベース板QN1B,QN2Bの電位は、負側IGBTモジュールQN1,QN2のスイッチングに関係なく、負側ヒートシンク電位固定用抵抗RHV13,RHV14間の接続点電位に固定されるため、大地とU相負側ヒートシンク214の間に印加される電圧は、式[15]で表せる。

0071

大地とU相負側ヒートシンク214の間の印加電圧
= En/2 + Erc ・・・[15]

0072

負側IGBTモジュールQN1,QN2の導通状態においては、各負側IGBTモジュールQN1,QN2のコレクタ主端子及びエミッタ主端子の電位は、負側直流電源の母線Nの電位となるため、各負側IGBTモジュールQN1,QN2のベース板QN1B,QN2B−コレクタ/エミッタ主端子の間に印加される各々の電圧は、式[16]で表せる。

0073

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧(導通時)
= En/2 ・・・[16]

0074

また、電流遮断時における各負側IGBTモジュールQN1,QN2のベース板QN1B,QN2Bとコレクタ主端子及びエミッタ主端子の間に印加される電圧は、式[17]で表せる。

0075

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧(遮断時)
= En/2+ΔVi ・・・[17]

0076

ダイオード用ヒートシンク215の電位と各U相正側ダイオードモジュールDCP,U相負側ダイオードモジュールDCNのベース板DCPB,DCNBの電位は、ダイオードモジュール(DCP1,DCP2,DCN1,DCN2)の導通・遮断に関係なく、中性点直流電源の母線COMの電位と同電位に固定されるため、大地とダイオード用ヒートシンク215の間に印加される電圧は、式[18]で表せる。

0077

大地とダイオード用ヒートシンク215の間の印加電圧
= Erc ・・・[18]

0078

U相正側ダイオードDCP1,DCP2またはU相負側ダイオードDCN1,DCN2の導通状態においては、各アノード主端子及びカソード主端子は中性点直流電源の母線COMの電位となるため、U相正側ダイオードモジュールDCPのべース板及びU相負側ダイオードモジュールDCNのベース板と各アノード主端子及びカソード主端子の間に電圧は印加されない。

0079

電流遮断時におけるU相正側ダイオードモジュールDCPまたはU相負側ダイオードモジュールDCNのベース板とアノード主端子及びカソード主端子間に印加される電圧は、式[19]で表せる。

0080

ベース板とアノード/カソード主端子間の印加電圧(遮断時)
=Ep(En)/2 + ΔVd ・・・[19]
(但し、ΔVd:リカバリ動作による跳ね上がり電圧)

0081

U相第1中性点ヒートシンク212の電位及び各第1中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2のベース板QPC1B,QPC2Bの電位と、U相第2中性点ヒートシンク213の電位及び各第2中性点IGBTモジュールQNC1,QNC2のベース板QNC1B,QNC2Bの電位は、中性点ヒートシンク電位固定用抵抗RHV15,RHV16間の接続点電位となり、U相電力変換主回路311の出力点UACの電位によって変動する。

0082

正側IGBTモジュールQP1,QP2と第1中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2が導通状態である場合、出力点UACは正側直流電源の母線Pの電位と同電位になり、中性点ヒートシンク電位固定用抵抗RHV15,RHV16間の接続点電位はEp/2となる。このため、大地とU相第1中性点ヒートシンク212及び各第1の中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2のベース板QPC1B,QPC2Bに印加される電圧と、大地とU相第2中性点ヒートシンク213及び各第2の中性点IGBTモジュールQNC1,QNC2のベース板QNC1B,QNC2Bに印加される電圧は、式[20]で表せる。

0083

大地とU相第1中性点ヒートシンク212/U相第2中性点ヒートシンク213の間の印加電圧
= Ep/2 + Erc ・・・[20]
(正側IGBTモジュールと第1中性点IGBTモジュールが導通状態の場合)

0084

このとき、各第1中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2のベース板QPC1B,QPC2Bと各コレクタ主端子及びエミッタ主端子の間と、1直列目第2中性点IGBTモジュールQNC1のベース板QNC1Bとコレクタ主端子の間と2直列目第2中性点IGBTモジュールQNC2のベース板QNC2Bとエミッタ主端子の間に印加される各々の電圧は、式[21]で表せる。

0085

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧= Ep/2 ・・・[21]
(正側IGBTモジュールと第1中性点IGBTモジュールが導通状態の場合)

0086

また、1直列目第2中性点IGBTモジュールQNC1のベース板QNC1Bとエミッタ主端子の間と2直列目第2中性点IGBTモジュールQNC2のベース板QNC2Bとコレクタ主端子の間には、電圧は印加されない。

0087

第1中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2と第2中性点IGBTモジュールQNC1,QNC2が導通状態である場合は、出力点UACは中性点直流電源の母線COMの電位と同電位になり、中性点ヒートシンク電位固定用抵抗RHV15,RHV16間の接続点電位も中性点直流電源の母線COMの電位となる。このため、大地とU相第1中性点ヒートシンク212及び各第1の中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2のベース板QPC1B,QPC2Bに印加される電圧と、大地とU相第2中性点ヒートシンク213及び各第2の中性点IGBTモジュールQNC1,QNC2のベース板QNC1B,QNC2Bに印加される電圧は、式[22]で表せる。

0088

大地とU相第1中性点ヒートシンク212/U相第2中性点ヒートシンク213の間の印加電圧
= Erc ・・・[22]
(第1/第2の中性点IGBTモジュールが導通状態の場合)

0089

このとき、各第1中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2のベース板QPC1B,QPC2Bと各コレクタ主端子及びエミッタ主端子の間と、各第2中性点IGBTモジュールQNC1,QNC2のベース板QNC1B,QNC2Bと各コレクタ主端子及びエミッタ主端子の間に電圧は印加されない。

0090

一方、第2中性点IGBTモジュールQNC1,QNC2と負側IGBTモジュールQN1,QN2が導通状態である場合は、出力点UACは負側直流電源の母線Nの電位と同電位になり、中性点ヒートシンク電位固定用抵抗RHV15,RHV16間の接続点電位はEn/2となる。このため、大地とU相第1中性点ヒートシンク212及び各第1の中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2のベース板QPC1B,QPC2Bに印加される電圧と、大地とU相第2中性点ヒートシンク213及び各第2の中性点IGBTモジュール群QNC1,QNC2のベース板QNC1B,QNC2Bに印加される電圧は、式[23]で表せる。

0091

大地とU相第1中性点ヒートシンク212/U相第2中性点ヒートシンク213の間の印加電圧
= En/2 + Erc・・[23]
(第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群が導通状態の場合)

0092

このとき、1直列目第1中性点IGBTモジュールQPC1のベース板QPC1Bとコレクタ主端子の間と、2直列目第1中性点IGBTモジュールQPC2のベース板QPC2Bとエミッタ主端子の間と、各第2中性点IGBTモジュールQNC1,QNC2のベース板QNC1B,QNC2Bと各コレクタ主端子及びエミッタ主端子の間に印加される各々の電圧は、式[24]で表せる。

0093

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧= En/2 ・・・[24]
(第2の中性点IGBTモジュール群と負側IGBTモジュール群が導通状態の場合)

0094

また、1直列目第1中性点IGBTモジュールQPC1のベース板QPC1Bとエミッタ主端子の間と2直列目第1中性点IGBTモジュールQPC2のベース板QPC2Bとコレクタ主端子の間には、電圧は印加されない。

0095

前記したとおり、本実施形態の電力変換装置1aは、従来の回路構成に対し、式[8] = 式[14]となるため、正側IGBTモジュールQP1,QP2の絶縁耐圧仕様を変更することなく、大地と正側ヒートシンクの間に印加される電圧を、式[25]及び式[26]に示すとおり低減できる。

0096

(従来の回路構成) − (本実施形態の回路構成)
= 式[1] − 式[12]
= Ep/2 ・・・[25]
(正側IGBTモジュールQP1,QP2が導通状態の場合)

0097

(従来の回路構成) − (本実施形態の回路構成)
=式[9] − 式[12]
= ΔVi ・・・[26]
(正側IGBTモジュールQP1,QP2が遮断状態の場合)

0098

また、従来の回路構成に対し、本実施形態の電力変換装置1aは、式[8] = 式[17]であるから、負側IGBTモジュールQN1,QN2の絶縁耐圧仕様を変更することなく、大地と負側ヒートシンクの間に印加される電圧を、式[27]及び式[28]に示すとおり低減できる。

0099

(従来の回路構成) − (本実施形態の回路構成)
= 式[6] − 式[15]
= En/2 ・・・[27]
(負側IGBTモジュールQN1,QN2が導通状態の場合)

0100

(従来の回路構成) − (本実施形態の回路構成)
= 式[9] − 式[15]
= ΔVi ・・・[28]
(負側IGBTモジュールQN1,QN2が遮断状態の場合)

0101

従来の回路構成に対し、本実施形態の電力変換装置1aは、式[10] = 式[19]であるから、正側/負側ダイオードモジュール(DCP1,DCP2,DCN1,DCN2)の絶縁耐圧仕様を変更することなく、大地とダイオード用ヒートシンクの間に印加される電圧を、式[29]に示すとおり低減できる。

0102

(従来の回路構成) − (本実施形態の回路構成)
= 式[11] − 式[18]
= Ep(En)/2 +ΔVd ・・・[29]
(正側/負側ダイオードモジュール(DCP1,DCP2,DCN1,DCN2)が遮断状態の場合)

0103

このとき、正側/負側ダイオードモジュール(DCP1,DCP2,DCN1,DCN2)が導通状態の場合は、式[7] = 式[18]となるため、従来の回路構成と本実施形態の回路構成では差異はない。

0104

一方、第1の中性点IGBTモジュールQPC1,QPC2と第2の中性点IGBTモジュールQNC1,QNC2の絶縁耐圧仕様において、従来の回路構成に対し、本実施形態の回路構成では、式[30]に示すとおり、その絶縁耐圧仕様を低減できる。

0105

(従来の回路構成)−(本実施形態の回路構成)
=式[8]−式[21](または式[24])
=ΔVi ・・・[30]
(第1/第2の中性点IGBTモジュール(QPC1,QPC2,QNC1,QNC2)の場合)

0106

また、従来の回路構成に対し、本実施形態の回路構成では、大地とU相第1中性点ヒートシンク212及びU相第2中性点ヒートシンク213の間に印加される電圧を式[31]または式[32],式[33]または式[34]に示すとおり低減できる。

0107

(従来の回路構成)−(本実施形態の回路構成)
=式[2]−式[20](または式[23])
=En(Ep)/2・・[31]

0108

(従来の回路構成)−(本実施形態の回路構成)
=式[9]−式[20](または式[23])
=ΔVi ・・・[32]
(U相第1中性点ヒートシンク212/U相第2中性点ヒートシンク213の場合)

0109

したがって、前記したように、本実施形態の回路構成は、従来の回路構成に対し、各IGBTモジュールの絶縁耐圧仕様を変更せずに、各ヒートシンクと大地の間に印加される電圧を低減することができるため、各ヒートシンクから大地に流れる漏れ電流を低減することができ、大地の電位変動を低減することができる。また、ヒートシンク電位固定用抵抗RHV11,RHV12,RHV13,RHV14は、保守作業などの際に、平滑コンデンサCp,Cnの放電用抵抗としても適用できる。

0110

<第2実施形態>
本発明による第2実施形態について説明する。
図3は、本発明による第2実施形態の電力変換装置1bを示す全体構成図である。

0111

交流電圧を直流電圧に順変換する順変換器400と直流電圧を交流電圧に逆変換する逆変換器410の間の正側直流電源の母線Pと負側直流電源の母線Nの間に、直流電圧Edcの脈流を平滑化するための平滑コンデンサCdcが接続されている。順変換器400は、主商用電源800から変圧器700を介して得られる交流電圧を直流電圧Edcに変換し、平滑コンデンサCdcを充放電することで、直流電圧Edcを一定に保つように制御する。逆変換器410は、順変換器400が変換した直流電圧Edcを任意周波数・振幅の交流電圧へ変換し、交流電動機600へ電力を供給/回生することで、交流電動機600の速度を可変速制御する。また、正側直流電源の母線Pは高抵抗Rpを介し、大地と接続され、負側直流電源の母線Nは高抵抗Rnを介し、大地と接続される。

0112

図4は、逆変換器410(図3参照)を詳細に示す回路構成図である。順変換器400(図1参照)は、逆変換器410と同様の回路構成でよい。

0113

本発明による第2実施形態の逆変換器410は、電力変換主回路301,302,303で構成される。電力変換主回路301,302,303は、3相交流のU相、V相、W相の電力変換主回路であり、その内部構成は同一である。

0114

電力変換主回路301において、正側直流電源の母線Pと負側直流電源の母線Nの間に、2直列接続されたU相正側IGBTモジュール群QP11,QP12とU相負側IGBTモジュール群QN11,QN12が接続される。U相正側IGBTモジュール群QP11,QP12はU相正側ヒートシンク201に実装される。U相負側IGBTモジュール群QN11,QN12はU相負側ヒートシンク202に実装される。

0115

正側直流電源の母線Pと負側直流電源の母線Nの間に2直列接続された高抵抗Rp,Rnが接続される。高抵抗Rp,Rnの接続点は大地と接続される。

0116

ヒートシンク電位固定用抵抗RHV1,RHV2は正側直流電源の母線Pと負側直流電源の母線Nの間に接続される。U相正側ヒートシンク201とU相負側ヒートシンク202は、ヒートシンク電位固定用抵抗RHV1,RHV2の接続点と接続される。ここで、ヒートシンク電位固定用抵抗RHV1,RHV2は、本例では、すべて同じ抵抗値とする。

0117

本実施形態の回路構成において、U相正側ヒートシンク201の電位及び各正側IGBTモジュールQP11,QP12のベース板QP11B,QP12Bの電位と、U相負側ヒートシンク202の電位及び各負側IGBTモジュールQN11,QN12のベース板QN11B,QN12Bの電位は、正側IGBTモジュールQP11,QP12及び負側IGBTモジュールQN11,QN12のスイッチングに関係なく、ヒートシンク電位固定用抵抗RHV1,RHV2の間の接続点電位に固定される。このため、仮想的に大地電位となり、大地とU相正側ヒートシンク201の間及び大地とU相負側ヒートシンク202の間に印加される電圧は、式[33]で表せる。

0118

大地とU相正側ヒートシンク201/U相負側ヒートシンク202間の印加電圧
= Edc/2
= 0 ・・・[33]

0119

また、正側IGBTモジュールQP11,QP12及び負側IGBTモジュールQN11,QN12の導通状態においては、各正側IGBTモジュールQP11,QP12のベース板QP11B,QP12B−コレクタ/エミッタ主端子の間と、各負側IGBTモジュールQN11,QN12のベース板QN11B,QN12B−コレクタ/エミッタ主端子の間とに印加される電圧は、式[34]で表せる。

0120

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧(導通時)
= Edc/2 ・・・[34]

0121

電流遮断時における各正側IGBTモジュールQP11,QP12のベース板QP11B,QP12Bとコレクタ主端子及びエミッタ主端子の間と、各負側IGBTモジュールQN1,QN12のベース板QN11B,QN12Bとコレクタ主端子及びエミッタ主端子の間とに印加される電圧は、IGBTモジュールが電流を遮断した時の跳ね上り電圧をΔViとすると、式[35]で表せる。
ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧(遮断時)
= Edc/2+ΔVi ・・・[35]

0122

一方、従来の回路構成では、本発明による第2実施形態における回路構成とは異なり、ヒートシンク電位固定用抵抗RHV1,RHV2を適用せず、正側ヒートシンク上に実装される正側IGBTモジュール群の接続点と正側ヒートシンクを電気的に接続し、負側ヒートシンク上に実装される負側IGBTモジュール群の接続点と負側ヒートシンクを電気的に接続する回路構成である。

0123

従来の回路構成において、大地と正側ヒートシンクとの間、大地と負側ヒートシンクとの間に印加される電圧は、正側直流電源と負側直流電源の間の直流電圧をEdcとすると、正側IGBTモジュール群及び負側IGBTモジュール群が導通状態の場合は式[36]で表せ、電流遮断時においては式[37]で表せる。

0124

大地と正側/負側ヒートシンクの間の印加電圧(導通時)
=Edc/2 ・・・[36]

0125

大地と正側/負側ヒートシンクの間の印加電圧(遮断時)
=Edc/2+ΔVi
=ΔVi ・・・[37]

0126

また、正側IGBTモジュール群及び負側IGBTモジュール群の導通状態においては、各正側IGBTモジュールのベース板−コレクタ/エミッタ主端子の間、各負側IGBTモジュールのベース板−コレクタ/エミッタ主端子の間に電圧は印加されない。

0127

電流遮断時における各正側IGBTモジュールのベース板とコレクタ主端子及びエミッタ主端子の間と、各負側IGBTモジュールのベース板とコレクタ主端子及びエミッタ主端子の間に印加される電圧は、式[38]で表せる。

0128

ベース板とコレクタ/エミッタ主端子間の印加電圧(遮断時)
= Edc/2+ΔVi ・・・[38]

0129

前記したとおり、本実施形態の電力変換装置1bは、従来の回路構成に対し、式[35] = 式[38]となるため、正側IGBTモジュールQP11,QP12及び負側IGBTモジュールQN1,QN2の絶縁耐圧仕様を変更することなく、大地とU相正側ヒートシンク201の間に印加される電圧と大地とU相負側ヒートシンク202の間に印加される電圧を、式[39]に示すとおり低減できる。

0130

(従来の回路構成) − (本実施形態の回路構成)
=式[37] − 式[33]
= ΔVi ・・・[39]

0131

したがって、前記したように、本実施形態の回路構成は、従来の回路構成に対し、各IGBTモジュールの絶縁耐圧仕様を変更せず、正側ヒートシンクと大地の間に印加される電圧と負側ヒートシンクと大地の間に印加される電圧を各々低減できるため、各ヒートシンクから大地に流れる漏れ電流を低減することができ、大地の電位変動を低減することができる。

0132

ここで、従来の回路構成として、正側直流電源の母線と負側直流電源の母線の間に2直列接続された平滑コンデンサを接続し、その平滑コンデンサの接続点と正側ヒートシンク及び負側ヒートシンクを接続する回路構成もあるが、この従来回路構成に対し、本実施形態の回路構成を適用することにより、安価な電力変換装置1bを提供することができる。

0133

500順変換器(第1実施形態)
510逆変換器(第1実施形態)
400 順変換器(第2実施形態)
410 逆変換器(第2実施形態)
600交流電動機
700変圧器
800 主商用電源
AC交流回路

Ep,En,Edc直流電圧
P 正側直流電源の母線
COM中性点直流電源の母線
N 負側直流電源の母線
Cp,Cn,Cdc平滑コンデンサ
QP1,QP2,QP11,QP12,QPC1,QPC2,QNC1,QNC2,QN1,QN2,QN11,QN12電力変換素子モジュール
QP1B,QP2B,QP11B,QP12B,QPC1B,QPC2B,QNC1B,QNC2B,QN1B,QN2B,QN11B,QN1B2 電力変換素子モジュールのベース板
DCP1,DCP2,DCN1,DCN2クランプダイオード
DCP,DCN クランプダイオードモジュール
DCPB,DCNB クランプダイオードモジュールのベース板
211,212,213,214,215導電性部材(第1実施形態)
RHV11,RHV12,RHV13,RHV14,RHV15,RHV16 導電性部材電位固定用抵抗(第1実施形態)
311,312,313電力変換主回路(第1実施形態)
UAC,VAC,WAC 電力変換主回路の出力点
201,202 導電性部材(第2実施形態)
301,302,303 電力変換主回路(第2実施形態)
Rp,Rn接地抵抗(第2実施形態)
RHV1,RHV2 導電性部材電位固定用抵抗(第2実施形態)
Rc 接地抵抗(第1実施形態)
Erc 接地抵抗の両端電圧(第1実施形態)

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