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技術 補聴装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 浦威史
出願日 2009年1月30日 (11年11ヶ月経過) 出願番号 2009-020883
公開日 2010年8月12日 (10年4ヶ月経過) 公開番号 2010-178224
状態 未査定
技術分野 可聴帯域変換器用回路 補聴器 可聴帯域変換器の回路等
主要キーワード 固定ノッチ 補償機器 ゲイン制御後 適応ノッチフィルタ 騒音環境 補聴装置 ハウリング抑圧 ハウリング発生
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図面 (7)

課題

ハウリング発生時に増幅処理ハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリング抑圧することが可能な補聴装置を提供する。

解決手段

補聴装置は、入力信号分析してハウリングが発生している周波数帯域であるハウリング発生帯域の検出を行うハウリング検出部105と、ハウリング検出部105によって検出されたハウリング発生帯域の増幅量を制限した状態で、入力信号を信号レベルの大きさに応じて増幅する増幅処理部104とを備える。

概要

背景

難聴者聴力補償機器の一つとして、補聴装置が用いられている。補聴装置は音を増幅して聞かせることが基幹機能であるため、増幅処理を備えている。一方、補聴装置ではレシーバから出力された音がマイクロホンに回り込んで入力されることにより、音響的なフィードバックループが形成されハウリングが発生する場合があり、一般的にハウリング抑圧処理を併用している。

従来、補聴装置の増幅処理として、複数の帯域毎入力信号のレベルの大きさに応じてゲインを制御するものが知られている。また、補聴装置のハウリング抑圧処理として、ノッチフィルタを用いてハウリング発生帯域のゲインを局所的に低減することでハウリングを抑圧するものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。

図5は、非特許文献1に記載された従来の補聴装置のブロック図である。図5に示されるように、従来の補聴装置は、信号が入力される入力端子501、入力信号に含まれるハウリング成分の抑圧を行うハウリング抑圧部502、入力信号のレベルの大きさに応じて複数の帯域毎にゲインを制御する増幅処理部503、及びゲイン制御された信号が出力される出力端子504を備える。

次に、非特許文献1に記載された従来の補聴装置の動作について説明する。ここで、基幹機能である増幅処理を確実に効かせるため、ハウリング抑圧部502は増幅処理部503の前に前置するものとする。

入力端子501には、図示していないマイクロホンからの信号が入力されるようになっている。ハウリング抑圧部502では、ハウリングの検出および抑圧を行う。増幅処理部503では、複数の帯域毎に入力信号のレベルの大きさに応じてゲインを制御する。

具体的には、難聴では聴力のダイナミックレンジが狭くなり小さな音が聞こえにくくなるため、難聴の度合いに合わせて複数の帯域でそれぞれ、例えば図6に示す入出力特性太線のように小さな音に対しては大きく、また大きな音に対しては小さく増幅させるようゲインを制御する。

以上のように、非特許文献1に記載されている従来の補聴装置では、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧するとともに、複数の帯域毎に入力信号のレベルの大きさに応じてゲインを制御することが可能である。
Harvey Dillon原著、中川雅文監訳、「補聴器ハンドブック」、医歯薬出版株式会社、2004年、p.155〜165、p.195

概要

ハウリング発生時に増幅処理とハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリングを抑圧することが可能な補聴装置を提供する。補聴装置は、入力信号を分析してハウリングが発生している周波数帯域であるハウリング発生帯域の検出を行うハウリング検出部105と、ハウリング検出部105によって検出されたハウリング発生帯域の増幅量を制限した状態で、入力信号を信号レベルの大きさに応じて増幅する増幅処理部104とを備える。

目的

本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、ハウリング発生時に増幅処理とハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリングを抑圧することが可能な補聴装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力信号分析してハウリングが発生している周波数帯域であるハウリング発生帯域の検出を行うハウリング検出部と、前記ハウリング検出部によって検出された前記ハウリング発生帯域の増幅量を制限した状態で、前記入力信号信号レベルの大きさに応じて増幅する増幅処理部とを備える補聴装置

請求項2

前記増幅処理部は、前記入力信号を複数の帯域信号に分割する帯域分割部と、前記帯域分割部から出力される前記複数の帯域信号のレベルを算出するレベル算出部と、前記レベル算出部から出力される前記複数の帯域信号のレベルの大きさに応じたゲインを算出するゲイン算出部と、前記帯域分割部から出力される前記複数の帯域信号に対し、前記ゲイン算出部で算出されたゲインでゲイン制御するゲイン制御部と、前記ゲイン制御部から出力されるゲイン制御後の複数の帯域信号を合成する帯域合成部とを備える請求項1に記載の補聴装置。

請求項3

前記ハウリング検出部は、前記レベル算出部から取得した前記複数の帯域信号のうちの少なくとも1つの帯域信号について、所定の時間内に算出された全ての信号レベルが予め定めた閾値を超えた場合にハウリングが発生したと判定するハウリング判定部を備える請求項2に記載の補聴装置。

請求項4

前記ハウリング検出部は、前記レベル算出部から出力される前記複数の帯域信号の信号レベルの平均である平均レベルを算出する平均レベル算出部と、前記レベル算出部から出力される前記複数の帯域信号の信号レベルと前記平均レベル算出部で算出された平均レベルとの比であるレベル比を算出するレベル比算出部と、前記複数の帯域信号のうちの少なくとも1つの帯域信号について、所定の時間内に算出された全ての前記レベル比が予め定めた閾値を超えた場合にハウリングが発生したと判定するハウリング判定部とを備える請求項2に記載の補聴装置。

請求項5

前記ゲイン算出部は、前記ハウリング検出部でハウリングが検出された時点における当該ハウリング帯域のゲインをゲイン上限値に設定し、当該ハウリング帯域のゲインが前記ゲイン上限値未満となるように制御する請求項1に記載の補聴装置。

請求項6

前記ゲイン算出部は、前記ハウリング検出部でハウリングが検出された時点における当該ハウリング帯域のゲインをゲイン上限値に設定し、当該ハウリング帯域のゲインを前記ゲイン上限値に固定する請求項1に記載の補聴装置。

請求項7

前記ゲイン算出部は、前記ハウリング検出部でハウリングが検出された時点における当該ハウリング帯域のゲインに対し所定の値を減算あるいは乗算して前記ゲイン上限値に設定する請求項5又は6に記載の補聴装置。

請求項8

前記ゲイン算出部は、前記ハウリング検出部で一定時間ハウリングが発生していないと判定された場合に、ハウリング発生帯域における増幅量の制限を解除する請求項1〜7のいずれか1項に記載の補聴装置。

請求項9

該補聴装置は、さらに、入力信号に含まれるハウリングの抑圧を行うハウリング抑圧部を備え、前記ハウリング検出部は、前記ハウリング抑圧部の出力信号から前記ハウリング発生帯域の検出を行い、前記増幅処理部は、前記ハウリング抑圧部の出力信号を信号レベルの大きさに応じて増幅する請求項1〜8のいずれか1項に記載の補聴装置。

技術分野

0001

本発明は、補聴装置に関し、詳しくはレシーバマイクロホンとの間の音響結合により発生するハウリング抑圧する補聴装置に関するものである。

背景技術

0002

難聴者聴力補償機器の一つとして、補聴装置が用いられている。補聴装置は音を増幅して聞かせることが基幹機能であるため、増幅処理を備えている。一方、補聴装置ではレシーバから出力された音がマイクロホンに回り込んで入力されることにより、音響的なフィードバックループが形成されハウリングが発生する場合があり、一般的にハウリング抑圧処理を併用している。

0003

従来、補聴装置の増幅処理として、複数の帯域毎入力信号のレベルの大きさに応じてゲインを制御するものが知られている。また、補聴装置のハウリング抑圧処理として、ノッチフィルタを用いてハウリング発生帯域のゲインを局所的に低減することでハウリングを抑圧するものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。

0004

図5は、非特許文献1に記載された従来の補聴装置のブロック図である。図5に示されるように、従来の補聴装置は、信号が入力される入力端子501、入力信号に含まれるハウリング成分の抑圧を行うハウリング抑圧部502、入力信号のレベルの大きさに応じて複数の帯域毎にゲインを制御する増幅処理部503、及びゲイン制御された信号が出力される出力端子504を備える。

0005

次に、非特許文献1に記載された従来の補聴装置の動作について説明する。ここで、基幹機能である増幅処理を確実に効かせるため、ハウリング抑圧部502は増幅処理部503の前に前置するものとする。

0006

入力端子501には、図示していないマイクロホンからの信号が入力されるようになっている。ハウリング抑圧部502では、ハウリングの検出および抑圧を行う。増幅処理部503では、複数の帯域毎に入力信号のレベルの大きさに応じてゲインを制御する。

0007

具体的には、難聴では聴力のダイナミックレンジが狭くなり小さな音が聞こえにくくなるため、難聴の度合いに合わせて複数の帯域でそれぞれ、例えば図6に示す入出力特性太線のように小さな音に対しては大きく、また大きな音に対しては小さく増幅させるようゲインを制御する。

0008

以上のように、非特許文献1に記載されている従来の補聴装置では、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧するとともに、複数の帯域毎に入力信号のレベルの大きさに応じてゲインを制御することが可能である。
Harvey Dillon原著、中川雅文監訳、「補聴器ハンドブック」、医歯薬出版株式会社、2004年、p.155〜165、p.195

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、従来の補聴装置のように単に増幅処理とハウリング抑圧処理とを組み合わせただけでは、ハウリング発生時に前段のハウリング抑圧部でハウリング発生帯域のゲインを低減したにもかかわらず、後段の増幅処理部では入力レベルの小さいハウリング周波数帯域のゲインを大きく増幅するというゲイン処理競合が発生する。この結果、ハウリングを抑圧できなかったり、違う周波数のハウリングが発生する場合があるという問題があった。

0010

本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、ハウリング発生時に増幅処理とハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリングを抑圧することが可能な補聴装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明に係る補聴装置は、入力信号を分析してハウリングが発生している周波数帯域であるハウリング発生帯域の検出を行うハウリング検出部と、前記ハウリング検出部によって検出された前記ハウリング発生帯域の増幅量を制限した状態で、前記入力信号信号レベルの大きさに応じて増幅する増幅処理部とを備える。本構成により、本発明の補聴装置は、ハウリング検出部でハウリングを検出した場合に、増幅処理部のハウリング発生帯域におけるゲインに拘束をかけることで、ハウリング発生時に増幅処理とハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリングを抑圧することが可能となる。なお、前記には明示していない「ハウリング抑圧処理」は、増幅処理の前に前置してもよいし、増幅処理の後ろ後置してもよい。

0012

また、前記増幅処理部は、前記入力信号を複数の帯域信号に分割する帯域分割部と、前記帯域分割部から出力される前記複数の帯域信号のレベルを算出するレベル算出部と、前記レベル算出部から出力される前記複数の帯域信号のレベルの大きさに応じたゲインを算出するゲイン算出部と、前記帯域分割部から出力される前記複数の帯域信号に対し、前記ゲイン算出部で算出されたゲインでゲイン制御するゲイン制御部と、前記ゲイン制御部から出力されるゲイン制御後の複数の帯域信号を合成する帯域合成部とを備えてもよい。本構成により、本発明の補聴装置は、帯域分割部から出力される複数の帯域信号のレベルの大きさに応じて複数の帯域毎にゲインを制御することができ、ハウリング検出部でハウリングを検出した場合に、ハウリング発生帯域におけるゲインに拘束をかけることが可能となる。

0013

また、前記ハウリング検出部は、前記レベル算出部から取得した前記複数の帯域信号のうちの少なくとも1つの帯域信号について、所定の時間内に算出された全ての信号レベルが予め定めた閾値を超えた場合にハウリングが発生したと判定するハウリング判定部を備えてもよい。本構成により、本発明の補聴装置は、どの帯域でハウリングが発生したか検出することができ、ハウリング検出部でハウリングを検出した場合に、ハウリング発生帯域におけるゲインに拘束をかけることが可能となる。

0014

また、前記ハウリング検出部は、前記レベル算出部から出力される前記複数の帯域信号の信号レベルの平均である平均レベルを算出する平均レベル算出部と、前記レベル算出部から出力される前記複数の帯域信号の信号レベルと前記平均レベル算出部で算出された平均レベルとの比であるレベル比を算出するレベル比算出部と、前記複数の帯域信号のうちの少なくとも1つの帯域信号について、所定の時間内に算出された全ての前記レベル比が予め定めた閾値を超えた場合にハウリングが発生したと判定するハウリング判定部とを備えてもよい。本構成により、本発明の補聴装置は、どの帯域でハウリングが発生したか検出することができ、ハウリング検出部でハウリングを検出した場合に、ハウリング発生帯域におけるゲインに拘束をかけることが可能となる。

0015

また、前記ゲイン算出部は、前記ハウリング検出部でハウリングが検出された時点における当該ハウリング帯域のゲインをゲイン上限値に設定し、当該ハウリング帯域のゲインが前記ゲイン上限値未満となるように制御してもよい。本構成により、本発明の補聴装置は、ハウリング発生時における増幅処理とハウリング抑圧処理とのゲイン処理競合を防止することが可能となる。

0016

また、前記ゲイン算出部は、前記ハウリング検出部でハウリングが検出された時点における当該ハウリング帯域のゲインをゲイン上限値に設定し、当該ハウリング帯域のゲインを前記ゲイン上限値に固定してもよい。本構成により、本発明の補聴装置は、ハウリング発生時における増幅処理とハウリング抑圧処理とのゲイン処理競合を防止することが可能となる。

0017

また、前記ゲイン算出部は、前記ハウリング検出部でハウリングが検出された時点における当該ハウリング帯域のゲインに対し所定の値を減算あるいは乗算して前記ゲイン上限値に設定してもよい。本構成により、本発明の補聴装置は、より安定してハウリングを抑圧することが可能となる。

0018

また、前記ゲイン算出部は、前記ハウリング検出部で一定時間ハウリングが発生していないと判定された場合に、ハウリング発生帯域における増幅量の制限を解除してもよい。本構成により、本発明の補聴装置は、ハウリングが発生しなくなった状況下におけるハウリング発生帯域の不要なゲイン拘束を軽減することが可能となる。

0019

また、該補聴装置は、さらに、入力信号に含まれるハウリングの抑圧を行うハウリング抑圧部を備える。そして、前記ハウリング検出部は、前記ハウリング抑圧部の出力信号から前記ハウリング発生帯域の検出を行い、前記増幅処理部は、前記ハウリング抑圧部の出力信号を信号レベルの大きさに応じて増幅してもよい。本構成のように、ハウリング抑圧部を増幅処理部の前に配置することにより、基幹機能である増幅処理の効果をさらに高めることができる。

発明の効果

0020

以上説明したように、本発明によれば、ハウリング発生時に増幅処理とハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリングを抑圧することが可能な補聴装置を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

0022

(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る補聴装置のブロック図である。

0023

図1において、本実施の形態1に係る補聴装置は、図示していないマイクロホンから信号が入力される入力端子101と、入力端子101に入力された信号をアナログ信号からディジタル信号へA/D変換するA/Dコンバータ102と、後述するハウリング検出部105のハウリング検出結果に基づいてハウリングの抑圧を行うハウリング抑圧部103と、ハウリング抑圧部103の出力信号のレベルの大きさに応じて複数の帯域毎にゲインを制御する増幅処理部104と、ハウリング抑圧部103の出力信号を分析してハウリングの発生を検出するハウリング検出部105と、増幅処理部104から出力された信号をディジタル信号からアナログ信号にD/A変換するD/Aコンバータ106と、D/Aコンバータ106から出力された信号を図示していないアンプ等へ出力する出力端子107とを備えている。

0024

また、増幅処理部104は、ハウリング抑圧部103の出力信号を複数の帯域信号に分割する帯域分割部108と、帯域分割部108から出力される複数の帯域信号の信号レベルを算出するレベル算出部109と、レベル算出部109から出力される複数の帯域信号の信号レベルの大きさに応じたゲインを算出するゲイン算出部110と、帯域分割部108から出力される複数の帯域信号に対し、ゲイン算出部110で算出されたゲインでゲイン制御するゲイン制御部111と、ゲイン制御部111から出力されるゲイン制御後の複数の帯域信号を合成する帯域合成部112とを備えている。

0025

また、ハウリング検出部105は、図2に示すように、レベル算出部109で算出された複数の帯域信号の信号レベルが入力される入力端子201と、入力端子201に入力された複数の帯域信号の信号レベルを用いてハウリングが発生したか否かを判定すると共に、ハウリングが発生している周波数帯域であるハウリング発生帯域を検出するハウリング判定部202と、ハウリング判定部202の判定結果を出力する出力端子203とを備えている。

0026

次に、本実施の形態1に係る補聴装置の動作について説明する。ここで、基幹機能である増幅処理を確実に効かせるため、ハウリング抑圧部103は増幅処理部104の前に前置するものとする。

0027

まず、本実施の形態1に係る補聴装置全体の動作について説明する。
図示していないマイクロホンから入力端子101へ入力された信号は、A/Dコンバータ102によりアナログ信号からディジタル信号に変換された後、ハウリング抑圧部103に入力される。

0028

ハウリング抑圧部103では、A/Dコンバータ102から入力された信号に含まれるハウリング成分の抑圧を行い、ハウリングを抑圧した信号は増幅処理部104に入力される。ここで、ハウリング抑圧の方法としては、固定ノッチフィルタ適応ノッチフィルタイコライザ等、ハウリング周波数のゲインを局所的に低減するもの、あるいは適応フィルタを用いてレシーバからマイクロホンに回り込む音響フィードバック信号打ち消すもの等、公知の各手法を用いる。

0029

増幅処理部104では、ハウリング抑圧部103から出力された信号の信号レベルの大きさに応じて複数の帯域毎にゲインを制御する。増幅処理部104で増幅された信号は、D/Aコンバータ106によってディジタル信号からアナログ信号へ変換された後、図示していないアンプ等に接続される出力端子107へ出力される。

0030

ハウリング検出部105では、増幅処理部104に入力された信号を分析してハウリングが発生しているか否か、及びハウリング発生帯域の検出を行う。そして、ハウリングの発生を検出した場合にハウリング抑圧部103でハウリング抑圧処理を開始する。

0031

次に、増幅処理部104の動作について説明する。
帯域分割部108では、ハウリング抑圧部103から入力された信号を複数の帯域信号に分割する。ここで、帯域分割の方法としては、高速フーリエ変換や、複数のFIR(Finite Impulse Response)フィルタまたはIIR(Infinite Impulse Response)フィルタから構成されるフィルタバンク等、時間信号を複数の帯域信号に分割する公知の各手法を用いる。

0032

レベル算出部109では、帯域分割部108から入力された複数の帯域信号の信号レベルを算出する。ゲイン算出部110では、複数の帯域毎に予め定めた入出力特性となるようにゲインを算出する。ゲイン制御部111では、帯域分割部108から出力される複数の帯域信号に対し、各帯域毎にゲイン算出部110で算出されたゲインを乗じる。帯域合成部112では、ゲイン制御部111から入力された複数の帯域信号の合成を行う。ここで、帯域合成の方法としては、逆高速フーリエ変換や、複数の帯域信号の加算等、帯域分割部108で用いている帯域分割の方法と対になる手法を用いる。

0033

次に、ハウリング検出部105の動作について説明する。ここで、ハウリング検出部105では、複数の帯域毎に独立且つ並列にハウリング検出処理を行う。

0034

ハウリング判定部202では、複数の帯域信号それぞれについて、入力端子201に入力された複数の帯域信号の信号レベルと予め定められた第1の閾値とを比較し、信号レベルが第1の閾値を超えた場合にカウンタ値インクリメントされる。一方、信号レベルが第1の閾値以下の場合はカウンタ値をリセットする。そして、カウンタ値が予め定められた第2の閾値を超えた場合に、その帯域(ハウリング発生帯域)でハウリングが発生したと判定し、判定結果を出力端子203に出力する。

0035

つまり、ハウリング判定部202は、複数の帯域信号のうちの少なくとも1つの帯域信号について、第1の閾値を超える信号が第2の閾値以上連続する場合、さらに言い換えれば、所定の時間内(第2の閾値)の全ての信号レベルが第1の閾値を超えた場合にハウリングが発生したと判定する。

0036

図3は、本実施の形態1に係る補聴装置のハウリングの発生状況に応じた制御の流れを示すフローである。

0037

まず、ハウリング検出部105は、入力端子201に入力された複数の帯域信号を分析して、ハウリングが発生したか否かを判断すると共に、ハウリング発生帯域を検出する(S301)。ハウリングが検出された場合(S301でYes)、ゲイン算出部110のハウリング発生帯域におけるゲインに拘束をかける(S302)。すなわち、ハウリング発生帯域における信号レベルの増幅量に制限を加える。

0038

ハウリングは突出したレベルで時間的に持続する特徴があるため、ハウリングが発生するとゲイン算出部110のハウリング発生帯域のゲインはハウリングの成長ゲインとちょうど釣り合うところまで小さくなった後に時間的にほぼ一定に推移する。そこで、ハウリングが検出されたら、ハウリング発生帯域における時間的にほぼ一定に推移しているハウリング検出時のゲイン値をゲイン上限値として設定する。

0039

そして、ゲイン算出部110は、ハウリング発生帯域におけるゲイン値が、上記のゲイン上限値未満となるように制御する。このようにハウリング発生帯域のゲインを拘束したら、ハウリング抑圧部103でハウリング抑圧処理を開始する(S303)。

0040

一方、今回の入力信号からはハウリングの発生を検出できなかった場合(S301でNo)、ハウリング判定部202は、さらに、現在までの一定時間にハウリングが検出されていないかを判断する(S304)。ハウリングが検出されなかった場合(S304でYes)、ハウリングの発生が収まったとみなし、ゲイン算出部110に設定したハウリング発生帯域の拘束を解除する(S305)。例えば、ハウリング発生帯域におけるゲイン上限値を少しずつ大きくする等、徐々にリリースしてもよい。

0041

以上のように、本実施の形態1に係る補聴装置は、周波数軸上でハウリングの検出を行い、ハウリングを検出した場合に、ハウリング発生帯域におけるゲインに拘束をかけることで、ハウリング発生時に増幅処理とハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリングを抑圧することが可能となる。

0042

なお、本実施の形態1においては、ゲイン算出部110はハウリング検出時にハウリング発生帯域におけるゲインの上限を拘束するものとして説明したが、ゲインが時間的に一定になるよう拘束をかける構成にしてもよい。つまり、ゲイン算出部110は、ハウリング発生帯域におけるゲイン値を上記のゲイン上限値に固定してもよい。

0043

また、ゲイン拘束時に予め定めたマージンをもたせてゲイン拘束値を低めに設定する構成にしてもよい。すなわち、上記のゲイン上限値に対し所定の値を減算あるいは乗算(1未満の値)して算出される値をゲイン上限値として、上記の各制御を行ってもよい。

0044

また、本実施の形態1においては、ハウリング抑圧部103を増幅処理部104の前に前置し、ハウリング抑圧部103の出力信号を入力信号として増幅処理部104及びハウリング検出部105を動作させた例を示したが、これに限ることなく、他の構成を採用してもよい。例えば、ハウリング抑圧部103を増幅処理部104の後に後置し、増幅処理部104で増幅された信号を入力信号としてハウリング抑圧部103を動作させるようにしてもよい。または、ハウリング抑圧部103と増幅処理部104とを並列に動作させる構成にしてもよい。

0045

(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る補聴装置におけるハウリング検出部105のブロック図である。なお、図4において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。

0046

図4において、本実施の形態2に係るハウリング検出部105は、レベル算出部109から出力される複数の帯域信号の信号レベルの平均である平均レベルを算出する平均レベル算出部401と、レベル算出部109から出力される複数の帯域信号の信号レベルと平均レベル算出部401で算出された平均レベルとの比であるレベル比を算出するレベル比算出部402と、レベル比算出部402で算出されたレベル比を用いてハウリングが発生したか否かを判定するハウリング判定部403とを備えている。

0047

次に、本実施の形態2に係る補聴装置の動作について説明する。
平均レベル算出部401では、入力端子201に入力された複数の帯域信号の信号レベルの平均である平均レベルを算出する。レベル比算出部402では、入力端子201に入力された複数の帯域信号の信号レベルと、平均レベル算出部401から出力された平均レベルとの比であるレベル比を算出する。ハウリング判定部403では、複数の帯域信号それぞれについて、レベル比算出部402から出力されたレベル比と予め定められた第1の閾値とを比較し、レベル比が第1の閾値を超えた場合にカウンタ値がインクリメントされる。一方、レベル比が第1の閾値以下の場合はカウンタ値をリセットする。そして、カウンタ値が予め定められた第2の閾値を超えた場合にハウリング発生と判定する。

0048

つまり、ハウリング判定部403は、複数の帯域信号のうちの少なくとも1つの帯域信号について、第1の閾値を超えるレベル比が第2の閾値以上連続する場合、さらに言い換えれば、所定の時間内(第2の閾値)の全てのレベル比が第1の閾値を超えた場合にハウリングが発生したと判定する。

0049

以上のように、本実施の形態2に係る補聴装置は、周波数軸上で複数の帯域信号のレベルと平均レベルとのレベル比を分析することで、騒音環境下でも精度良くハウリングを検出することができる。そして、ハウリングを検出した場合に、ハウリング発生帯域におけるゲインに拘束をかけることで、ハウリング発生時に増幅処理とハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリングを抑圧することが可能となる。

0050

(その他変形例)
なお、本発明を前記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、前記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。

0051

(1)前記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。

0052

(2)前記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なIC(IntegratedCircuit)カードまたは単体モジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、前記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。

0053

(3)本発明は、前記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるディジタル信号であるとしてもよい。

0054

また、本発明は、コンピュータプログラムまたはディジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスクハードディスクCD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているディジタル信号であるとしてもよい。

0055

また、本発明は、コンピュータプログラムまたはディジタル信号を、電気通信回線無線または有線通信回線インターネットを代表とするネットワークデータ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。

0056

また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、前記コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。

0057

また、プログラムまたはディジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはディジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。

0058

(4)前記実施の形態及び前記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。

0059

本発明に係る補聴装置は、周波数軸上でハウリングの検出を行い、ハウリングを検出した場合に、ハウリング発生帯域におけるゲインに拘束をかけることで、ハウリング発生時に増幅処理とハウリング抑圧処理とがゲイン処理競合を起こすことなくハウリングを抑圧することを可能とするという効果を有し、レシーバとマイクロホンとの間の音響結合により発生するハウリングを抑圧する補聴装置等として有用である。

図面の簡単な説明

0060

本発明の第1の実施の形態における補聴装置のブロック図である。
本発明の第1の実施の形態における補聴装置を構成するハウリング検出部のブロック図である。
本発明の第1の実施の形態における補聴装置の動作を示すフロー図である。
本発明の第2の実施の形態におけるハウリング検出部のブロック図である。
従来の補聴装置のブロック図である。
従来の補聴装置を構成する増幅処理部における入出力特性例である。

0061

101、201、501入力端子
102 A/Dコンバータ
103、502ハウリング抑圧部
104、503増幅処理部
105ハウリング検出部
106 D/Aコンバータ
107、203、504出力端子
108帯域分割部
109レベル算出部
110ゲイン算出部
111ゲイン制御部
112帯域合成部
202、403ハウリング判定部
401平均レベル算出部
402レベル比算出部

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