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技術 電池負極用バインダー

出願人 ハイモ株式会社
発明者 鈴木和久加藤愛子
出願日 2009年1月30日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2009-018871
公開日 2010年8月12日 (9年8ヶ月経過) 公開番号 2010-177061
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード 極性液 負極薄膜 滴下口 水溶性合成高分子 負極用バインダー組成物 イタコン酸塩 SBR 銅箔部分
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

負極薄膜作成時負極活物質スラリー中に均一に分散させ、且つ負極活物質と集電体との高い結着性誘起し、且つ可撓性に優れる負極薄膜を作成可能なリチウムイオン二次電池負極用バインダーを提供する。

解決手段

イタコン酸を含有する水溶性単量体を(共)重合させることで得られる(共)重合物からなるリチウムイオン二次電池負極用バインダーによって達成できる。また、イタコン酸と、それと共重合する水溶性単量体とのモル比は100:0〜50:50であることが好ましい。

概要

背景

近年、電子機器の小型化、ポータブル化が進み、その電源としてエネルギー密度の高い電池の開発が強く要望されており、特に二次電池の開発が精力的に行われている。従来の二次電池としては、鉛蓄電他、ニッケル−カドミウム電池等が挙げられるが、高エネルギー密度の電池という点ではまだ不十分である。そこで、これらの電池に替わるものとして、近年、エネルギー密度を大幅に向上できるリチウムイオン二次電池が開発され、急速に普及してきた。

リチウムイオン二次電池は、銅箔等の集電体上にリチウムイオン吸蔵・放出できる負極活物質バインダーと共に薄膜化したものを負極としている。これらの負極活物質に用いるものとしては、天然黒鉛人造黒鉛ハードカーボン等の炭素材料シリコンなどが挙げられる。これらの負極活物質とバインダーを溶媒と共に混練し、負極活物質を分散させてスラリーとする。このスラリーをドクターブレード法等によって集電体上に塗布し乾燥して薄膜化することにより、リチウムイオン二次電池の負極を形成する。

リチウムイオン二次電池負極用バインダーとして最も広範に用いられているのが、ポリフッ化ビニリデンPVDF)に代表されるフッ素系樹脂である。

フッ素系樹脂をバインダーとして用いた場合、可撓性を有する負極薄膜を作成可能な一方で、集電体と負極活物質の結着性が劣るため、電池製造工程時に負極活物質の一部又は全部が集電体から剥離脱落する恐れがある。また、電池の充放電が行われる際、負極活物質内ではリチウムイオンの挿入・放出が繰り返され、それに伴い負極活物質の膨張収縮が起こる。その場合も、集電体から負極活物質の剥離・脱落の問題が起こりうる。

フッ素系樹脂以外のバインダーとしてスチレンブタジエンラバーSBR)を使用する場合があるが、スラリー中での負極活物質の安定性が著しく劣り、活物質の沈降が起こりやすい。この為、セルロース系増粘剤や界面活性剤などの添加が必要となるが、セルロース系増粘剤は乾燥過程の熱でそれ自身が分解し、水分が発生してしまう問題がある。

高い結着性と分散性を示す負極用バインダーを求めて研究が成される中、ポリアクリル酸をバインダーとして使用した場合、負極活物質と集電体を強固に結着させることができ、更に、剥離・脱落し難い負極薄膜を作成可能であることが見出された(特許文献1、特許文献2)。
特開平11−354125号公報
特開2000−348730号公報

ポリアクリル酸が、負極活物質と集電体を強固に結着させることが可能なのは、構造中に多量のカルボキシル基を含有するためであると考えられる。しかしながら、モノエチレン性不飽和ジカルボン酸であるイタコン酸のみ、もしくはイタコン酸を主成分とする水溶性合成高分子からなる負極用バインダー組成物は製造されていなかった。

概要

負極薄膜作成時に負極活物質をスラリー中に均一に分散させ、且つ負極活物質と集電体との高い結着性を誘起し、且つ可撓性に優れる負極薄膜を作成可能なリチウムイオン二次電池負極用バインダーを提供する。イタコン酸を含有する水溶性単量体を(共)重合させることで得られる(共)重合物からなるリチウムイオン二次電池負極用バインダーによって達成できる。また、イタコン酸と、それと共重合する水溶性単量体とのモル比は100:0〜50:50であることが好ましい。 なし

目的

本発明の課題は、負極薄膜作成時に負極活物質をスラリー中に均一に分散させ、且つ負極活物質と集電体との高い結着性を誘起し、且つ可撓性に優れる負極薄膜を作成可能なリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

イタコン酸を必須として含有する水溶性単量体(混合物)を(共)重合させることで得られるリチウムイオン二次電池負極用バインダー

請求項2

前記イタコン酸と、前記イタコン酸と共重合する前記水溶性単量体とのモル比が、100:0〜50:50であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池負極用バインダー。

請求項3

前記イタコン酸に含まれるカルボキシル基モル数に対して、中和度が20〜80モル%であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のリチウムイオン二次電池負極用バインダー。

技術分野

0001

本発明は、負極薄膜作成時負極活物質スラリー中に均一に分散させ、負極活物質と集電体との高い結着性誘起し、且つ可撓性の優れた負極薄膜を提供可能なリチウムイオン二次電池負極用バインダーに関するものである。

背景技術

0002

近年、電子機器の小型化、ポータブル化が進み、その電源としてエネルギー密度の高い電池の開発が強く要望されており、特に二次電池の開発が精力的に行われている。従来の二次電池としては、鉛蓄電他、ニッケル−カドミウム電池等が挙げられるが、高エネルギー密度の電池という点ではまだ不十分である。そこで、これらの電池に替わるものとして、近年、エネルギー密度を大幅に向上できるリチウムイオン二次電池が開発され、急速に普及してきた。

0003

リチウムイオン二次電池は、銅箔等の集電体上にリチウムイオン吸蔵・放出できる負極活物質をバインダーと共に薄膜化したものを負極としている。これらの負極活物質に用いるものとしては、天然黒鉛人造黒鉛ハードカーボン等の炭素材料シリコンなどが挙げられる。これらの負極活物質とバインダーを溶媒と共に混練し、負極活物質を分散させてスラリーとする。このスラリーをドクターブレード法等によって集電体上に塗布し乾燥して薄膜化することにより、リチウムイオン二次電池の負極を形成する。

0004

リチウムイオン二次電池負極用バインダーとして最も広範に用いられているのが、ポリフッ化ビニリデンPVDF)に代表されるフッ素系樹脂である。

0005

フッ素系樹脂をバインダーとして用いた場合、可撓性を有する負極薄膜を作成可能な一方で、集電体と負極活物質の結着性が劣るため、電池製造工程時に負極活物質の一部又は全部が集電体から剥離脱落する恐れがある。また、電池の充放電が行われる際、負極活物質内ではリチウムイオンの挿入・放出が繰り返され、それに伴い負極活物質の膨張収縮が起こる。その場合も、集電体から負極活物質の剥離・脱落の問題が起こりうる。

0006

フッ素系樹脂以外のバインダーとしてスチレンブタジエンラバーSBR)を使用する場合があるが、スラリー中での負極活物質の安定性が著しく劣り、活物質の沈降が起こりやすい。この為、セルロース系増粘剤や界面活性剤などの添加が必要となるが、セルロース系増粘剤は乾燥過程の熱でそれ自身が分解し、水分が発生してしまう問題がある。

0007

高い結着性と分散性を示す負極用バインダーを求めて研究が成される中、ポリアクリル酸をバインダーとして使用した場合、負極活物質と集電体を強固に結着させることができ、更に、剥離・脱落し難い負極薄膜を作成可能であることが見出された(特許文献1、特許文献2)。
特開平11−354125号公報
特開2000−348730号公報

0008

ポリアクリル酸が、負極活物質と集電体を強固に結着させることが可能なのは、構造中に多量のカルボキシル基を含有するためであると考えられる。しかしながら、モノエチレン性不飽和ジカルボン酸であるイタコン酸のみ、もしくはイタコン酸を主成分とする水溶性合成高分子からなる負極用バインダー組成物は製造されていなかった。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の課題は、負極薄膜作成時に負極活物質をスラリー中に均一に分散させ、且つ負極活物質と集電体との高い結着性を誘起し、且つ可撓性に優れる負極薄膜を作成可能なリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記課題の解決は、イタコン酸を必須として含有する水溶性単量体(混合物
を(共)重合させることで得られるリチウムイオン二次電池負極用バインダーを用いることにより達成できることを見出し、本発明に到達した。

発明の効果

0011

イタコン酸を必須として含有する水溶性単量体(混合物)を(共)重合させることで得られるリチウムイオン二次電池負極用バインダーは、負極作成時の負極活物質、バインダー、溶媒を混錬しスラリーを作成する過程において、負極活物質を均一に分散させることができる。さらに、ポリアクリル酸をバインダーとして用いた場合よりも負極活物質と集電体を強固に結着させるため、極めて剥離・脱落し難い負極薄膜を得ることができる。加えて、本発明品を用いて作成した負極薄膜は、優れた可撓性を示すことが特徴である。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明をさらに記述する。

0013

本発明のリチウムイオン二次電池負極用バインダーは、イタコン酸を必須として含有する水溶性単量体を(共)重合させることで得られる。

0014

本発明のリチウムイオン二次電池負極用バインダーは、他の水溶性単量体との共重合物でも使用することができる。これらイタコン酸と共重合する水溶性単量体の例としては、(メタアクリルアミドジメチルアクリルアミドジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミドヒドロキシエチルアクリルアミドビニルピロリドンビニルホルムアミドビニルアセトアミド、(メタ)アクリル酸マレイン酸無水マレイン酸フマル酸クロトン酸等が挙げられ、重合反応の容易さからアクリルアミドが最も好ましい。これらの水溶性単量体のうち、一つ、もしくは複数個用いてもよい。

0015

イタコン酸と、それと共重合する水溶性単量体とのモル比は、100:0〜20:80の範囲であるが、100:0〜50:50が好ましい。さらにより好ましくは100:0〜70:30である。この理由は、負極活物質と集電体を強固に結着させる作用、あるいは優れた可撓性を示す作用が、高分子中のイタコン酸構造単位基くものと考えられるため一定以上のイタコン酸含有量が必要と考えられる。従って共重合率の範囲は、上記のようになる。

0016

イタコン酸を必須として含有する水溶性単量体のうち、イタコン酸は水酸化ナトリウム等の適当なアルカリ剤を用いて中和する必要がある。イタコン酸に含まれるカルボン酸モル数に対して、好ましい中和率は20〜80モル%である。中和率が低すぎると、イタコン酸の溶解性、及び反応性の低下に繋がる。また、中和率が高すぎると多量のイタコン酸塩が生成し、やはり溶解性が低下する。従って、より好ましい中和率は40〜60モル%である。

0017

イタコン酸を必須として含有する水溶性単量体の(共)重合反応は、水媒体中にて溶解状態で行うが、反応に必要ならば水媒体中に少量のアルコール水溶性有機溶媒を混在させることも可能である。反応濃度としては、水溶性単量体の合計の濃度として10重量%〜80重量%であるが、好ましくは40重量%〜60重量%である。反応時の温度は、イタコン酸が反応溶媒に充分に溶解する温度が必要で、30〜100℃の範囲で行う。

0018

重合開始ラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は、アゾ系、レドックス系過酸化物系いずれでも重合することが可能である。水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イルプロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シア吉草酸)などが挙げられる。またレドックス系の例としては、過硫酸アンモニウム亜硫酸ナトリウム亜硫酸水素ナトリウムトリメチルアミンテトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、過硫酸アンモニウムあるいはカリウム過酸化水素などを挙げることができる。

0019

イタコン酸を主成分とする水溶性単量体の(共)重合体重量平均分子量は、2千〜300万が好ましい。300万以上になると、負極作成時の負極活物質、バインダー、溶媒を混錬する過程において、スラリーが粘調になり過ぎ扱い難くなる。そのため、さらに好ましくは2千〜10万である。分子量を調整するために重合時に必要に応じた連鎖移動剤を加えることもできる。

0020

本発明のイタコン酸を主成分とする水溶性単量体の(共)重合体を用いて負極薄膜を作成するには、負極活物質、バインダー、溶媒を混錬しスラリーを作成する過程、次いで得られたスラリーを集電体上に塗布し乾燥する過程が必要となる。このとき用いる負極活物質の具体例としては、ハードカーボン、フッ化カーボングラファイト、天然黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズMCMB)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料ポリアセンなどの導電性高分子;Li3Nなどのチッ化リチウム化合物リチウム金属リチウム合金などのリチウム系金属;SiB4、SiB6、Mg2
Si、Mg2 Sn、Ni2 Si、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu5
Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2、SiC、Si3
N4、Si2 N2 O、SiOa(0<a≦2)、SnOb (0<b≦2)、SnSiO3、LiSiOあるいはLiSnOなどのケイ素またはスズの化合物、及びケイ素またはスズの単体;TiS2、LiTiS2などの金属化合物;Nb2O、FeO、Fe2O、Fe3O4、CoO、Co2O3、Co3O4などの金属酸化物;AxMyNzO2(但
し、AはLi、PおよびBから選択された少なくとも一種、MはCo、NiおよびMnから選択された少なくとも一種、NはAlおよびSnから選択された少なくとも一種、Oは酸素原子を表わし、x、y、zは、それぞれ1.10≧x≧0.05、4.00≧y≧0.85、2.00≧z≧0の範囲の数である)で表わされる複合金属酸化物またはその他の金属酸化物;などが例示される。

0021

電極作製時に使用する溶媒は、常圧での沸点が80℃以上であるものが好ましく、より好ましくは100℃以上である。沸点が低過ぎると、本発明のスラリーを電極製造に用いるときに集電体への塗布が困難なことがあり、また、スラリーを集電体に塗布した後の乾燥工程でポリマー粒子が移動して電極表面に集中する現象が発生し、電極の強度が低下する、あるいは結着力が低下するなどの問題が生じやすい。ただし、電極作製時の乾燥工程では、集電体を劣化させない条件以下に溶媒分子を除去する必要があることから、沸点は300℃以下であることが好ましい。溶媒の具体例としては、水、もしくはメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロペンタノンシクロヘキサノンシクロヘプタノン等のケトン類ジメチルホルムアミドN−メチル−2−ピロリドンなどの鎖状または環状のアミド類ブチルアルコールアミルアルコールヘキシルアルコール等のアルコール類乳酸メチル乳酸エチル乳酸ブチル酢酸ブチル安息香酸メチル等のエステル類;等、各種の極性液状物質が挙げられる。取り扱いの容易さ、安全性等を考慮し、特に水が好ましい。

0022

集電体は、ある程度の強度があり、導電率が高い材料により構成されていることが好ましく、例えば、銅(Cu)、ステンレスニッケルチタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)およびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。特に好ましくは銅である。形状も特に制限されないが、通常、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものである。

0023

スラリーの集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法リバースロール法、ダイレクトロール法グラビア法、エクストルージョン法、浸漬方、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に制限されないが、溶媒を乾燥等の方法によって除去した後に形成される活物質層の厚さが0.005〜5mm、好ましくは0.01〜2mmになる量が一般的である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥条件は、応力集中によって活物質層に亀裂が入る、あるいは活物質層が集電体から剥離する問題が生じない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く溶媒が除去できるように調整する。更に、乾燥後の集電体をプレスすることにより負極活物質の密度を高めてもよい。プレス方法は、金型プレスロールプレスなどの方法が挙げられる。

0024

(実施例)
以下、合成例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。

0025

(合成例1)
攪拌機還流冷却管単量体滴下口、および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコ脱イオン25%水酸化ナトリウム水溶液50.00g、イタコン酸50.0gを加え、均一な混合溶液とした。攪窒素導入管より窒素を導入し、恒温水槽により60℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、2%過硫酸アンモニウム水溶液1.00gと2%亜硫酸ナトリウム水溶液1.00gを添加し重合を開始させた。反応開始5時間後再度2%過硫酸アンモニウム水溶液1.00gと2%亜硫酸ナトリウム水溶液1.00gを添加し、さらに17時間重合を継続し反応を終了した。得られた反応溶液に過剰量のメタノールを加え、生成した白色固体をろ過により採取した。これを重合体1とする。こ重合体1を乾燥後、0.05%水溶液を作成し、GPC-MALSにて分子量測定を行ったところ、重量平均分子量5千を示した。

0026

(合成例2)
攪拌機、還流冷却管、単量体滴下口、および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン25%水酸化ナトリウム水溶液50.00g、イタコン酸47.0gを加え、均一な混合溶液とした後、50%アクリルアミド溶液6gを加え、さらに攪拌した。攪窒素導入管より窒素を導入し、恒温水槽により60℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、2%2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩化水素化物1.00gを添加し重合を開始させた。反応開始5時間後再度%2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩化水素化物1.00gを添加し、さらに17時間重合を継続し反応を終了した。得られた反応溶液に過剰量のメタノールを加え、生成した白色固体をろ過により採取した。この固体を重合体2とする。重合体2を乾燥後、0.05%水溶液を作成し、GPC-MALSにて分子量測定を行ったところ、重量平均分子量10万を示した。

0027

実施例及び比較例中の評価条件は以下の通りである。
(1)スラリーの混合性
バインダーと負極活物質に溶媒を添加したとき、均一に混合できたものをA、少し不均一な部分があったものをB、ほぼ不均一になったものをCと評価した。
(2)スラリーの保存安定性
作製した負極電極用スラリー状態のまま密封して室温下で3日間保存し、スラリーの状態に変化がみられなかったものをA、一部変化がみられたものをB、大部分が変化したものをCと評価した。
(3)スラリーの集電体への塗布性
作製した負極電極用スラリーを、ドクターブレードを用いて厚さ200μmになるように銅箔上に塗布した。このとき、均一に塗布できたものをA、均一に塗布するのに数回の操作が必要だったものをB、均一に塗布できなかったものをCと評価した。
(4)乾燥後の負極電極表面状態
作製した負極電極用スラリーを、ドクターブレードを用いて厚さ200μmになるように銅箔上に塗布し、溶媒に水を使用したものは80℃、溶媒にN−メチル−2−ビロリドンを使用したものは120℃で1時間乾燥させた。乾燥後の負極電極表面が、均一であるものをA、一部不均一な部分があるものをB、大部分が不均一となったものをCと評価した。
(5)折り曲げ試験
長さ80mm、幅20mmの負極電極片を20枚作製し、負極電極片の活物質層を外側にして、直径15mmのガラス棒を芯にして電極面が接するまで折り曲げた。その後、同じ折り曲げ部分を、負極電極片が内側になるようにして同様に折り曲げた。この操作を3回繰り返した後に、活物質層にヒビが生じたもの、もしくは活物質が集電体から剥離したものの負極電極片の枚数を数えた。ヒビや剥離した枚数が一枚もないものをA、5枚以下のものをB、それ以外のものをCと評価した。
(6)負極活物質と集電体の結着性試験
作製した負極電極の表面にセロハンテープを一定の大きさで貼り付け、一定の速度で剥がしたときに、銅箔から剥がれた負極活物質の様子を観察した。銅箔上に結着している負極活物質がほとんど剥がれなかったものをA、部分的に剥がれてしまったものをB、銅箔部分からほとんど剥がれてしまったものをCと評価した。

0028

上記重合体1をバインダーとして5重量部、天然黒鉛(LF−18A)を負極活物質として95重量部の割合で混合し、更に水を加えてスラリー中の全固形分が25%になるまで水を加えて十分攪拌し、負極電極用スラリーを得た。得られたスラリーを銅箔上にドクターブレード法によって均一に塗布し、80℃に調整した乾燥機で1時間乾燥した。さらに真空乾燥機にて100℃減圧乾燥をした後、ロールプレスによって圧縮し、活物質層の厚さ100μmの負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。

0029

上記重合体2をバインダーとして5重量部、天然黒鉛(LF−18A)を負極活物質として95重量部の割合で混合し、更に水を加えてスラリー中の全固形分が25%になるまで水を加えて十分攪拌し、負極電極用スラリーを得た。得られたスラリーを銅箔上にドクターブレード法によって均一に塗布し、80℃に調整した乾燥機で1時間乾燥した。さらに真空乾燥機にて100℃減圧乾燥をした後、ロールプレスによって圧縮し、活物質層の厚さ100μmの負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。

0030

(比較例1)
バインダーとしてPVDF(KF−1100)を5重量部、天然黒鉛(LF−18A)を95重量部の割合で混合し、更に水を加えてスラリー中の全固形分が30%になるまでN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて十分攪拌し、負極電極用スラリーを得た。得られたスラリーを銅箔上にドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃に調整した乾燥機で1時間乾燥した。さらに真空乾燥機にて150℃減圧乾燥をした後、ロールプレスによって圧縮し、活物質層の厚さ100μmの負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。

0031

(比較例2)
バインダーとしてポリアクリル酸(和光純薬工業製、重量平均分子量1,000,000)を使用した以外は比較例2と同様にして負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。

0032

(表1)

0033

これらの結果から、イタコン酸を必須として含有する水溶性単量体(混合物)を(共)重合させることで得られるリチウムイオン二次電池負極用バインダー(合成例1・2)は、負極薄膜作成時に負極活物質をスラリー中に均一に分散させ、負極活物質と集電体とを強く結着させることが分かった。その結着性はポリアクリル酸をバインダーとして用いた場合よりも高く、得られる負極薄膜は、可撓性も優れていることがわかった。

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