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技術 プラズマ式点火装置の点火制御方法およびその方法を用いたプラズマ式点火装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 藤本秀一
出願日 2009年1月28日 (11年6ヶ月経過) 出願番号 2009-016761
公開日 2010年8月12日 (9年11ヶ月経過) 公開番号 2010-174691
状態 未査定
技術分野 内燃機関の点火装置
主要キーワード ネジ締 空間開口 略閉空間 汚損状態 正規点 非正規 相互誘導作用 プラズマ放電回路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

プラズマ式の点火プラグ着火定性と点火プラグの良好な寿命担保することができるプラズマ式点火装置制御方法およびその方法を用いた点火装置を提供することを目的とする。

解決手段

点火プラグ10と、点火制御回路20と、電子制御装置とを具備するプラズマ式点火装置100の点火制御方法において、電子制御装置30は、インジェクタ燃料噴射後に点火プラグ10の点火を行なう正規点火制御と、インジェクタの最初の燃料噴射前にのみ点火プラグ10の点火を行なう非正規点火制御とを実行する。これにより、点火プラグ10における放電空間14に堆積したデポジットエンジン始動後すぐに焼き切ることができ、また、非正規点火制御は、エンジン始動から正規点火制御が実行されるまでのごく僅かな期間に一度実行されるため、非正規点火制御による点火プラグ10の寿命低下を抑えることができる。

概要

背景

火花放電によって混合気着火するスパークプラグに代えて、高温ガスを発生させて混合気に着火するプラズマ式の点火プラグが知られている。具体的に、プラズマ式の点火プラグは、中心電極、中心電極を保持する絶縁部材接地電極、および中心電極の端面と絶縁部材によって囲まれてなる放電空間を備える。放電空間は燃焼室内に向かって開口する開口部を備え、中心電極と接地電極との間の放電によって発生する数千℃以上の高温を、開口部から噴出させて混合気に着火する。

このようなプラズマ式の点火プラグでは、スパークプラグと比べて容積の大きい初期火炎核を形成すること、また、高温ガスが略閉空間放電空間内で生成されることから、燃焼室内の混合気の気流に影響を殆ど受けることなく火炎核が形成される。したがって、スパークプラグのように、燃焼室内の気流によって火炎核が吹き消えすることがなく、たとえば、過給等によっても安定して混合気に着火することができる。

しかしながら、このような点火プラグは、数千℃以上といった高温ガスによって混合気に点火することから、中心電極または接地電極の消耗が大きい。また、該点火プラグの放電空間が燃焼室内に向かって開口する開口部を有することから、放電空間内および開口部にデポジット燃料オイル等)が目詰まりし、その結果、中心電極と接地電極とが短絡された状態または絶縁抵抗が高い状態に置かれる。このような状態では、中心電極と接地電極とが短絡した状態または発生電圧よりも絶縁破壊する電圧が高い状態となり、所望の放電を発生できない虞があった。

そこで、特許文献1には、放電空間内に詰まったデポジットを焼き切ることで、放電の安定性を確保すべく、内燃機関始動後の圧縮工程時もしくは膨張工程時に混合気に点火する正規点火に加えて、該正規点火後から吸気工程の終了時までの混合気のない状態で点火する非正規点火を実行する旨が開示されている。

概要

プラズマ式の点火プラグの着火安定性と点火プラグの良好な寿命担保することができるプラズマ式点火装置制御方法およびその方法を用いた点火装置を提供することを目的とする。点火プラグ10と、点火制御回路20と、電子制御装置とを具備するプラズマ式点火装置100の点火制御方法において、電子制御装置30は、インジェクタ燃料噴射後に点火プラグ10の点火を行なう正規点火制御と、インジェクタの最初の燃料噴射前にのみ点火プラグ10の点火を行なう非正規点火制御とを実行する。これにより、点火プラグ10における放電空間14に堆積したデポジットをエンジン始動後すぐに焼き切ることができ、また、非正規点火制御は、エンジン始動から正規点火制御が実行されるまでのごく僅かな期間に一度実行されるため、非正規点火制御による点火プラグ10の寿命低下を抑えることができる。

目的

本発明はかかる実情に鑑み、プラズマ式の点火プラグの着火安定性と点火プラグの良好な寿命とを担保することができるプラズマ式点火装置の制御方法およびその方法を用いた点火装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内燃機関気筒毎に取り付けられ、中心電極接地電極との間に放電空間を有し、前記放電空間に前記放電空間内で生成される高温ガスを前記放電空間の開口部から燃焼室内に噴出することで前記燃焼室内の空気と燃料とからなる混合気点火する点火プラグと、電源に接続されて前記点火プラグに点火エネルギーを供給する点火制御回路と、前記点火制御回路に接続され、前記点火プラグの着火時期および前記燃焼室内に前記燃料を噴射するインジェクタ燃料噴射時期を制御する電子制御装置とを具備するプラズマ式点火装置点火制御方法において、前記電子制御装置は、前記インジェクタの燃料噴射後に前記点火プラグの点火を行なう正規点火制御と、前記インジェクタの最初の燃料噴射前にのみ前記点火プラグの点火を行なう非正規点火制御とを実行することを特徴とするプラズマ式点火装置の点火制御方法。

請求項2

前記電子制御装置は、前記非正規点火制御を前記内燃機関の全ての気筒において同時に実行することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ式点火装置の点火制御方法。

請求項3

前記電子制御装置は、前記正規点火制御によって前記点火プラグに供給される点火エネルギー量E1と、前記非正規点火制御によって前記点火プラグに供給される点火エネルギー量E2とが互いに異なるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ式点火装置の点火制御方法。

請求項4

前記点火エネルギー量E2が前記点火エネルギー量E1よりも小さくなるように制御することを特徴とする請求項3に記載のプラズマ式点火装置の点火制御方法。

請求項5

前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の点火制御方法を実現することを特徴とするプラズマ式点火装置。

技術分野

0001

本発明は、プラズマ式点火装置点火制御方法およびその方法を用いたプラズマ式点火装置に関するものである。

背景技術

0002

火花放電によって混合気着火するスパークプラグに代えて、高温ガスを発生させて混合気に着火するプラズマ式の点火プラグが知られている。具体的に、プラズマ式の点火プラグは、中心電極、中心電極を保持する絶縁部材接地電極、および中心電極の端面と絶縁部材によって囲まれてなる放電空間を備える。放電空間は燃焼室内に向かって開口する開口部を備え、中心電極と接地電極との間の放電によって発生する数千℃以上の高温を、開口部から噴出させて混合気に着火する。

0003

このようなプラズマ式の点火プラグでは、スパークプラグと比べて容積の大きい初期火炎核を形成すること、また、高温ガスが略閉空間放電空間内で生成されることから、燃焼室内の混合気の気流に影響を殆ど受けることなく火炎核が形成される。したがって、スパークプラグのように、燃焼室内の気流によって火炎核が吹き消えすることがなく、たとえば、過給等によっても安定して混合気に着火することができる。

0004

しかしながら、このような点火プラグは、数千℃以上といった高温ガスによって混合気に点火することから、中心電極または接地電極の消耗が大きい。また、該点火プラグの放電空間が燃焼室内に向かって開口する開口部を有することから、放電空間内および開口部にデポジット燃料オイル等)が目詰まりし、その結果、中心電極と接地電極とが短絡された状態または絶縁抵抗が高い状態に置かれる。このような状態では、中心電極と接地電極とが短絡した状態または発生電圧よりも絶縁破壊する電圧が高い状態となり、所望の放電を発生できない虞があった。

0005

そこで、特許文献1には、放電空間内に詰まったデポジットを焼き切ることで、放電の安定性を確保すべく、内燃機関始動後の圧縮工程時もしくは膨張工程時に混合気に点火する正規点火に加えて、該正規点火後から吸気工程の終了時までの混合気のない状態で点火する非正規点火を実行する旨が開示されている。

先行技術

0006

特開2007−170371号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、近年、プラズマ式の点火プラグの耐消耗性のより一層の向上が望まれる中で、該点火プラグの消耗を助長する上記の非正規点火を実行してデポジットを焼き切ることは、点火プラグの寿命担保できず、現実的な手段であるとは言えない。

0008

そこで、本発明はかかる実情に鑑み、プラズマ式の点火プラグの着火安定性と点火プラグの良好な寿命とを担保することができるプラズマ式点火装置の制御方法およびその方法を用いた点火装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のプラズマ式点火プラグの制御方法は、内燃機関の気筒毎に取り付けられ、中心電極と接地電極との間に放電空間を有し、放電空間に放電空間内で生成される高温ガスを放電空間の開口部から燃焼室内に噴出することで燃焼室内の空気と燃料とからなる混合気に点火する点火プラグと、電源に接続されて点火プラグに点火エネルギーを供給する点火制御回路と、点火制御回路に接続され、点火プラグの着火時期および燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタ燃料噴射時期を制御する電子制御装置とを具備するプラズマ式点火装置の点火制御方法において、電子制御装置は、インジェクタの燃料噴射後に点火プラグの点火を行なう正規点火制御と、インジェクタから最初の燃料噴射前にのみ点火プラグの点火を行なう非正規点火制御とを実行するものである。

0010

つまり、内燃機関の始動時に、正規点火制御に先立って非正規点火制御を実行することにより、先のエンジン停止後に点火プラグの放電空間開口部に詰まっている虞のあるデポジット(燃料、オイル等)を、放電空間内に生成された高温ガスの圧力によって取り除く。これにより、その後の正規点火制御における高温ガスの生成が容易となり、点火プラグの着火性が向上する。なお、非正規点火制御は、内燃機関の始動時にのみ実行されるため、点火プラグの寿命は担保される。

0011

また、正規点火制御に先立って実行される非正規点火制御によって点火プラグの放電空間内に高温ガスが発生することにより、放電空間内の雰囲気温度が上昇するため、正規点火制御による高温ガスの生成が容易となり、点火プラグの着火性がさらに向上する。

0012

本発明は、非正規点火制御を、内燃機関の全ての気筒において同時に実行することが好ましい。つまり、複数の気筒を有する内燃機関において、非正規点火制御を全ての気筒において同時に実行することにより、電子制御装置の制御負荷が低減される。

0013

本発明は、正規点火制御によって点火プラグに供給される点火エネルギー量E1と、非正規点火制御によって点火プラグに供給される点火エネルギー量E2とが互いに異なる。つまり、E1を一定として、放電空間の開口部の形状によって、たとえば、放電空間の開口部にデポジットが詰まりやすい場合には、E2をE1よりも大きくし、逆に放電空間の開口部にデポジットが詰まりにくい場合には、E2をE1よりも大きくすることによって、点火プラグの着火性を向上することができる。

0014

上記のように点火エネルギー量E1、E2を互いに異ならせた場合の好ましい態様として、E2をE1よりも小さくすることがある。これにより、非正規点火制御による点火プラグを構成する中心電極および接地電極の消耗を抑制することができる。

0015

また、本発明は、以上述べた点火制御方法を実行するプラズマ式点火装置であり、該プラズマ式点火装置により、プラズマ式の点火プラグの着火安定性と点火プラグの良好な寿命を担保することが可能となる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施形態に係るプラズマ式点火装置の構成を示す模式図。
本発明の実施形態に係る点火プラグの模式図である。
本発明の実施形態に係る電子制御装置から出力される信号のタイミングチャートである。
図3の変形例を示す図である。

実施例

0017

以下、本発明を具体化したプラズマ式点火装置の制御方法およびその方法を用いたプラズマ式点火装置の一実施形態として、以下、図面を参照して説明する。

0018

図1は、本発明に係るプラズマ式点火装置100を示した模式図である。プラズマ式点火装置100は、4サイクルの車両のエンジン(図示せず)の各プラグホール内に取り付けられて、図1に示すように、高温ガス(図示せず)を発生する点火プラグ10と、バッテリー(図示せず)に接続されて点火プラグ10に高温ガスを発生するための点火エネルギーを供給する点火制御回路20と、点火制御回路20に接続され、点火プラグ10の着火時期とインジェクタ(図示せず)の燃料噴射時期とを制御する電子制御装置30とからなる。なお、本実施形態におけるエンジンは四気筒とし、気筒毎に点火プラグ10が取り付けられている。

0019

図2に示すように、点火プラグ10は、導電性金属材料からなる柱状の中心電極11と、中心電極11を絶縁保持する略筒状の絶縁碍子12と、絶縁碍子12を覆う略筒状の金属からなる接地電極13と、によって構成されている。

0020

中心電極11の先端側は、例えばイリジウムイリジウム合金等の導電性材料によって長軸状に形成され、内部には鉄鋼材料、銅等の良電導性高熱伝導性金属材料からなる中心電極中軸111が形成され、その基端側は絶縁碍子12から露出し、後述する火花放電回路部21およびプラズマ放電回路部22と電気的に接続されている。

0021

接地電極13は、その下端に燃焼室(図示せず)に向かって開口する開口部131が形成されており、また先端側の外周にはエンジンに螺結するためのネジ部132が形成されている。一方、基端側には、絶縁碍子12を収納保持するハウジング部135が形成され、ハウジング部135の外周には、ネジ部132をネジ締めするための六角部133が形成されている。

0022

なお、接地電極13を含むハウジング部135は、ニッケル、鉄等の金属材料によって形成されている。

0023

絶縁碍子12の内側には、放電空間14が形成され、中心電極11と接地電極13との間で放電可能となっている。

0024

放電空間14は、絶縁碍子12の内周壁121が中心電極11の下端面よりも下方に延設されてなり、略筒状を呈する。なお、内周壁121を先端に向かって拡径する略円錐状に形成しても良い。なお、放電空間14内において、中心電極11と接地電極13との離間距離放電ギャップ15と称す。

0025

絶縁碍子12は、耐熱性機械的強度、高温における絶縁耐力熱伝導率などに優れた高純度アルミナ等からなり、先端側は、中心電極11と接地電極13との電気絶縁性を確保し、基端側は中心電極中軸111とハウジング部135との電気絶縁性を確保している。

0026

点火プラグ10は、図略の内燃機関40の燃焼室内に接地電極の開口部131が開口するように装着されとともに、接地電極13が内燃機関40に電気的に接地された状態となっている。

0027

ここで、スパークプラグおよびプラズマ式の点火プラグ10それぞれの点火形式について説明する。スパーク式の点火では、小さな電流を長期で流すことから、2次元的な線状プラズマ(火花放電)が形成される。一方、プラズマ式の点火は、大きなエネルギを短時間に一挙に投入することから、中心電極11と接地電極13との間の放電で発生する高温ガスは線状ではなく、楕円体状で3次元的に広がった形状となる。プラズマ式の点火は、3次元状に広がった高温ガスにて着火することから体積着火となる。プラズマ式の点火は、放電空間14の中で高温ガスを発生させ、爆発的な膨張により放電空間14からエンジンの燃焼室内に飛び出す。この場合、電極11、13の存在しない場所で着火できることから、電極11、13の冷却作用を抑制でき、着火性の向上につながる。

0028

次に、上記構成の点火プラグ10への高電圧印加する点火制御回路部の構成について、図1を参照して説明する。

0029

図1に示すように、点火制御回路部20は、たとえばCDI型電源回路からなり、中心電極11と接地電極13との間の放電ギャップ15に火花放電を発生させるための火花放電回路部21と、該火花放電をトリガーとして放電空間内に高温ガスを発生させるためのプラズマ放電回路部22とで構成される。なお、本実施形態においては、中心電極11を負極、接地電極13を正極として構成する。

0030

火花放電回路部21は、点火プラグ10の中心電極中軸111に電気的に接続され、且つ電子制御装置30によって制御され、後述する正規点火制御および非正規点火制御に基づいて、放電ギャップ15に、たとえば、21kVの高電圧を印加して、放電ギャップ15を絶縁破壊させて火花放電を発生させる電源回路部である。

0031

具体的に、火花放電回路部21は、一次コイル211および一次コイル211に接続される一次側回路と、二次コイル212および二次コイル212に接続される二次側回路とから構成され、二次コイル212に発生する二次電流を点火プラグ10に通電し、放電ギャップ15に火花放電を発生させる。ここで、本実施形態における火花放電とは、中心電極11から接地電極13に向かって内周壁121上で放電する沿面放電、および中心電極11から接地電極13に向かって気中で放電する気中放電の双方、またはいずれか一方を指す。

0032

一次コイル211は、たとえば直径が0.3mm〜0.8mmのエナメル線を100〜222ターン巻回して形成される。一方、二次コイル212は、たとえば直径が30μm〜50μmのエナメル線を10000〜21000ターン巻回して形成される。一次コイル211には、後述する電子制御装置30から伝達される点火パルス信号に基づいて一次電流が通電される。そして、一次電流が一次コイル211に通電されたときの磁束変化によって生じる相互誘導作用によって、二次コイル212に二次電流が発生する。

0033

一次コイル211に一次電流を通電する一次側回路は、火花放電用コンデンサ213、火花放電用電源214、サイリスタ215、およびダイオード216等で構成される。

0034

火花放電用コンデンサ213は、たとえば、1〜3μFの電気容量を有するものであって、車両に搭載されるバッテリーに接続されるDC−DCコンバータ等からなる火花放電用電源24に接続され、所定の電圧、たとえば210〜300Vに充電される。

0035

火花放電用電源214と火花放電用コンデンサ213の正極(図1中、左方の電極)との間には、スイッチング素子であるサイリスタ215がグランドに対して順方向に設けられており、後述する電子制御装置30から伝達される点火パルス信号に基づいてオンされる。そして、サイリスタ215がオンしたときには、所定の電気量が蓄えられた火花放電用コンデンサ213は、サイリスタ215を介して放電し、一次コイル211に一次電流が通電される。火花放電用コンデンサ213の負極に接続されるダイオード216は、この一次電流を整流し、後述する二次コイル212に所望の二次電圧を発生させる。

0036

続いて、二次コイル212に二次電流を通電する二次側回路は、ダイオード217、電気抵抗218等で構成される。一次コイル211と二次コイル212との相互誘導作用によって、二次コイル212に発生する二次電流は、ダイオード217および電気抵抗218を介して点火プラグ10に通電される。ダイオード217は、後述するプラズマ放電回路部22からプラズマ電流が二次コイル212側に流れることを防止し、一方、ダイオード217の下流側に設けられる電気抵抗218は、後述するプラズマ放電回路部22を流れる電流に起因するノイズを除去する。

0037

次いで、プラズマ放電回路部22は、点火プラグ10の中心電極11に電気的に接続され、且つ電子制御装置30によって制御され、放電ギャップ15での火花放電の発生をトリガーとして、放電ギャップ15に高エネルギーを供給して高温ガスを発生させるための電源回路部である。

0038

具体的に、プラズマ放電回路部22は、プラズマ放電用コンデンサ221、プラズマ放電用電源222、および二つのダイオード223、224等で構成され、点火プラグ10にプラズマ電流を通電し、放電空間14にプラズマ放電を発生させる。

0039

プラズマ放電用コンデンサ221は、たとえば、0.2〜2μFの電気容量を有するものであって、バッテリーに接続されるDC−DCコンバータ等からなるプラズマ放電用電源222により所定の電圧、たとえば600〜900Vが印加される。プラズマ放電用コンデンサ221の充電は、たとえば、一次電流の通電開始時(点火パルス信号がサイリスタ215に伝達された時)にプラズマ放電用電源222をオフすることで終了する。その後、点火プラグ10に発生する火花放電によって放電ギャップ15の電圧が降下し、プラズマ放電用コンデンサ31の電圧を下回ると同時にプラズマ放電用コンデンサ221から点火プラグ10に、たとえば20A、100mJのプラズマ電流が通電される。二つのダイオード223、224は、火花放電回路部21の二次電圧がプラズマ放電用コンデンサ221及びプラズマ放電用電源222に印加されて破壊する事を防止している。

0040

次に、電子制御装置30は、インジェクタの燃料噴射後に点火プラグ10の点火を行なう正規点火制御と、インジェクタの最初の燃料噴射前にのみ点火プラグ10の点火を行なう非正規点火制御とを実行する。

0041

電子制御装置30は、図略のCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ主体に構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転条件に応じて点火制御等を行なう。点火制御として具体的に、電子制御装置30は、図略のエンジンのクランク軸近傍に取り付けられたクランク角センサや、吸気管圧力センサ等から随時入力される各種の検出信号に基づいて点火タイミング点火時期、燃料噴射時期)を演算し、その演算結果に基づいてサイリスタ215に点火パルス信号を、インジェクタの駆動回路(図示せず)に燃料噴射パルス信号を出力して、後述する正規点火制御、非正規点火制御を行なう。

0042

また、電子制御装置30は、プラズマ放電用電源222を駆動制御することで、プラズマ放電用コンデンサ31を充電する。詳しくは、電子制御装置30は、点火タイミングから所定の待機時間が経過し、プラズマ放電が完了した時点でプラズマ放電用電源222をオンにし、プラズマ放電用コンデンサ221の充電を開始し、次回の点火タイミング前のある時期、たとえば、一次コイル211への通電開始時にてプラズマ放電用電源222をオフすることでプラズマ放電用コンデンサ221の充電を停止する。つまり、プラズマ放電用コンデンサ221では、点火タイミング間での充電と点火タイミングでの放電とが繰り返し実行される。

0043

本発明は上記の電子制御装置30の作動に特徴を有する点火制御方法であり、以下、本発明の実施形態の特徴的作動について説明する。図3は、4サイクルエンジンの第一〜第四気筒各々に配設された点火プラグ10に対して、毎に電子制御装置30から火花放電回路部21に入力される点火パルス信号と燃料噴射パルス信号の入力時期を示すタイミングチャートである。図3に示すように、エンジンの始動時、電子制御装置30から、燃料を噴射する燃料噴射パルス信号が発生する前に点火パルス信号を発生させる非正規点火制御を実行する。詳細には、燃料噴射パルス信号がインジェクタに入力されて実際にインジェクタが燃料を噴射するまでに、点火プラグ10の点火を完了させる非正規点火制御を実行する。つまり、エンジンのクランク軸が回転し始めて、電子制御装置30から燃料噴射パルス信号がインジェクタに入力されるまでに、点火プラグ10を点火させる。点火プラグ10に発生する高温ガスは、数千℃の高温であることから、先のエンジン停止後に放電空間14および接地電極13の開口部131に詰まったデポジットを焼き切ることができる。これにより、放電空間14および開口部131の汚損状態が解消、低減される。したがって、その後の燃料噴射を伴って点火プラグ10を点火する正規点火制御時には、高温ガスが放電空間14内から燃焼室に向かって噴出され易く、混合気に対する点火プラグ10の着火安定性が向上する。

0044

また、非正規点火制御による燃料噴射を伴わない非正規点火は、エンジンの始動から停止までの間に一度だけ実施される。よって、4サイクルエンジンで常時非正規点火を行なうプラズマ式点火装置100と比べて、中心電極11または接地電極13の消耗を抑えることができる。

0045

またさらに、エンジン始動時、正規点火制御に先立って非正規点火制御を実行することによって、点火プラグ10の放電空間14内に高温ガスが発生して放電空間14内の雰囲気温度が上昇するため、正規点火制御時における高温ガスの生成が容易となり、点火プラグ10の着火安定性がさらに向上する。

0046

本実施形態では、4サイクルエンジンの第一〜第四気筒各々に配設された点火プラグ10に対して、上記の非正規点火制御実行する。このとき、各気筒における各々の非正規点火制御を各々異なるタイミングで実行してもよいが、この場合には、電子制御装置30での処理が煩雑となって、電子制御装置30の演算速度の低下を招く虞がある。そこで、非正規点火制御による電子制御装置30の負荷を最大減に軽減するため、図3に示すように、非正規点火制御は全ての気筒において同時に行なうことが好ましい。

0047

また、正規点火制御によって、点火プラグ10に供給される点火エネルギー量E1と、非正規点火制御によって点火プラグ10に供給される点火エネルギー量E2とが互いに異なることが好ましい。つまり、放電空間14の形状等により、放電空間14に詰まったデポジットの堆積が多くなる場合には、E2をE1よりも大きくすることで、デポジットを焼き切り、逆に放電空間14に詰まったデポジットの堆積が少ない場合には、E2をE1よりも小さくすることで、デポジットを焼き切る。点火プラグ10の寿命を向上するためには、デポジットを焼き切るために印加するE1を極力小さくすることが好ましい。これにより、正規点火制御時の高温ガス発生が容易となるとともに、点火プラグ10の寿命の担保することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、点火パルス信号と燃料噴射パルス信号とがであったが、時間的に重複することなく点火プラグ10、インジェクタ各々に入力したが、点火プラグ10に点火パルス信号が入力されてから実際に点火プラグ10が点火するまでの間に、燃料噴射パルス信号をインジェクタに入力してもよい。つまり、放電空間14および開口部131に詰まったデポジットを放電空間14に発生する高温ガスの熱によって焼き切る、または、高温ガスの圧力によってデポジットを開口部131から噴出できるのであれば、非正規点火制御における点火パルス信号と正規点火制御における燃料噴射パルス信号とが時間的に重複してもよい。

0048

更に、上記実施形態においては、火花放電用コンデンサ213に蓄積した必要なだけの電荷を一次コイル211に一気に放電し、点火コイル10に急激な磁束変化を与え、二次コイル212に高電圧を発生させるCDI方式を採用したが、火花放電回路部21の一次側回路にMOS−FET等のスイッチング素子(図示せず)を設け、該スイッチング素子のオン・オフによって二次コイル212に誘導起電力を発生させて点火プラグ10に高電圧を印加するフルトランジスタ方式を採用してもよい。

0049

上記実施形態では、エンジン始動後、クランク軸が回転してから非正規点火制御を実行したが、図4に示すように、エンジン始動時、つまり、クランク軸が回転すると同時に非正規点火制御を実行してもよい。

0050

10…点火プラグ、
11…中心電極、
111…中心電極中軸
12…絶縁部材、
121…内周壁、
13…接地電極、
131…開口部、
132…ネジ部、
133…六角部、
135…ハウジング部、
14…放電空間、
15…放電ギャップ、
20…点火制御回路、
21…火花放電用回路部、
211…一次コイル、
212…二次コイル、
213…火花放電用コンデンサ、
214…火花放電用電源
215…サイリスタ、
216,217…ダイオード、
218…電気抵抗、
22…プラズマ放電用回路部、
221…プラズマ放電用コンデンサ、
222…プラズマ放電用電源、
223,224…ダイオード、
30…電子制御装置、
100…プラズマ式点火装置

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