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技術 機械構造用部品及びその製造方法

出願人 愛知製鋼株式会社
発明者 伊藤幸夫西川友章小塚巧
出願日 2009年2月2日 (11年10ヶ月経過) 出願番号 2009-021478
公開日 2010年8月12日 (10年4ヶ月経過) 公開番号 2010-174365
状態 特許登録済
技術分野 粉末冶金 アーク溶接一般 レーザ加工 ダイヤモンド又は金属化合物を含有する合金
主要キーワード 高剛性鋼 部品性能 フェロニオブ フェロバナジウム 鉄基材 複合振動子 立方体試験片 フェロチタン
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年8月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

簡易な方法で効果的に全体の高剛性化を図ることができる機械構造用部品及びその製造方法を提供すること。

解決手段

機械構造用部品1は、基材2の表面20に肉盛溶接用原料を供給して溶接することにより肉盛溶接部11を形成した後に基材2を除去して肉盛溶接部11のみにより構成してある。肉盛溶接部11は、純鉄又は鉄合金よりなるマトリックス相中に、4A族元素、5A族元素、6A族元素及びFeから選択される1種以上の元素を含むホウ化物又は/及びその複合化物体積率で10〜70%分散させた高剛性鋼よりなる。

概要

背景

機械構造用鋼等の鉄鋼材料は、他の合金に比べ安価に入手可能であり、しかも合金の添加、焼入れ焼戻し等の熱処理浸炭、窒化等の表面硬化処理の実施によって、強度、靭性等の機械的特性を大幅に改善することができる。ところが、これらの機械的特性を改善しても、剛性はほとんど変化しないため、剛性を高める技術が強く要望されていた。

近年、上記要望に対応するために、高剛性鋼と呼ばれる材料が開発されている。この鋼は、通常の鋼に比べヤング率が高いため、高剛性化を図ることができる。また、鋼であることから、通常の鋼と同様に熱処理等による機械的特性の向上を図ることができる。このような高剛性鋼としては、例えば、特許文献1に示される鋼が開示されている。

特許文献1には、鉄又は鉄合金からなるマトリックス中に4A族元素、5A族元素、6A族元素及びFeを含むホウ化物又は/及びその複合化物所定量分散させたことを特徴とする高剛性鋼が記載されている。この高剛性鋼は、高剛性のホウ化物を鋼のマトリックス相中に分散させることによって、鋼の持つ優れた特性を活かしつつ、ヤング率を高めたものである。

概要

簡易な方法で効果的に全体の高剛性化をることができる機械構造用部品及びその製造方法を提供すること。機械構造用部品1は、基材2の表面20に肉盛溶接用原料を供給して溶接することにより肉盛溶接部11を形成した後に基材2を除去して肉盛溶接部11のみにより構成してある。肉盛溶接部11は、純鉄又は鉄合金よりなるマトリックス相中に、4A族元素、5A族元素、6A族元素及びFeから選択される1種以上の元素を含むホウ化物又は/及びその複合化物を体積率で10〜70%分散させた高剛性鋼よりなる。

目的

このようなことから、比較的容易な方法で効果的に高剛性化を図ることができる機械構造用部品及びその製造方法が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

基材の表面に肉盛溶接用原料を供給して溶接することにより肉盛溶接部を形成した後に上記基材を除去して上記肉盛溶接部のみにより構成してあり、該肉盛溶接部は、純鉄又は鉄合金よりなるマトリックス相中に、4A族元素、5A族元素、6A族元素及びFeから選択される1種以上の元素を含むホウ化物又は/及びその複合化物体積率で10〜70%分散させた高剛性鋼よりなることを特徴とする機械構造用部品

請求項2

請求項1において、上記肉盛溶接部は、質量%で、Ti:4.2〜40.0%、B:1.8〜18.0%を含有し、かつ、上記ホウ化物又は/及びその複合化物は、TiB2が体積率で50%以上を占めることを特徴とする機械構造用部品。

請求項3

基材を準備し、該基材の表面に肉盛溶接用原料を供給して溶接することにより、純鉄又は鉄合金よりなるマトリックス相中に、4A族元素、5A族元素、6A族元素及びFeから選択される1種以上の元素を含むホウ化物又は/及びその複合化物を体積率で10〜70%分散させた高剛性鋼よりなる肉盛溶接部を形成し、その後、上記基材を除去して上記肉盛溶接部のみとすることを特徴とする機械構造用部品の製造方法。

請求項4

請求項3において、上記肉盛溶接部は、質量%で、Ti:4.2〜40.0%、B:1.8〜18.0%を含有し、かつ、上記ホウ化物又は/及びその複合化物は、TiB2が体積率で50%以上を占めることを特徴とする機械構造用部品の製造方法。

請求項5

請求項3又は4において、上記肉盛溶接用原料は、溶接することによって上記高剛性鋼となり得る粉末原料又は該粉末原料を所定形状に固めた原料よりなることを特徴とする機械構造用部品の製造方法。

請求項6

請求項3〜5のいずれか1項において、上記溶接は、粉体プラズマ溶接、粉体レーザー溶接TIG溶接アーク溶接のいずれかの方法を用いることを特徴とする機械構造用部品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、簡易な方法で効果的に全体の高剛性化を図ることができる機械構造用部品及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

機械構造用鋼等の鉄鋼材料は、他の合金に比べ安価に入手可能であり、しかも合金の添加、焼入れ焼戻し等の熱処理浸炭、窒化等の表面硬化処理の実施によって、強度、靭性等の機械的特性を大幅に改善することができる。ところが、これらの機械的特性を改善しても、剛性はほとんど変化しないため、剛性を高める技術が強く要望されていた。

0003

近年、上記要望に対応するために、高剛性鋼と呼ばれる材料が開発されている。この鋼は、通常の鋼に比べヤング率が高いため、高剛性化を図ることができる。また、鋼であることから、通常の鋼と同様に熱処理等による機械的特性の向上を図ることができる。このような高剛性鋼としては、例えば、特許文献1に示される鋼が開示されている。

0004

特許文献1には、鉄又は鉄合金からなるマトリックス中に4A族元素、5A族元素、6A族元素及びFeを含むホウ化物又は/及びその複合化物所定量分散させたことを特徴とする高剛性鋼が記載されている。この高剛性鋼は、高剛性のホウ化物を鋼のマトリックス相中に分散させることによって、鋼の持つ優れた特性を活かしつつ、ヤング率を高めたものである。

先行技術

0005

特開2004−218069号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1に記載された高剛性鋼は、溶製法を用いて比較的大きな鋼塊を製造することにより、後述の焼結法と比較して多量生産が可能であるが、TiB2等の高硬度のホウ化物を分散させるため、加工性が非常に悪く、複雑な形状の部品の製造は非常に困難である。また、溶製法以外にも、焼結法を用いて製造することも可能であるが、この場合には、大幅なヤング率の向上が可能である反面、溶製法に比べ多量生産がし難いという問題が生じる。
このようなことから、比較的容易な方法で効果的に高剛性化を図ることができる機械構造用部品及びその製造方法が望まれている。

0007

本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡易な方法で効果的に全体の高剛性化を図ることができる機械構造用部品及びその製造方法を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0008

第1の発明は、基材の表面に肉盛溶接用原料を供給して溶接することにより肉盛溶接部を形成した後に上記基材を除去して上記肉盛溶接部のみにより構成してあり、
該肉盛溶接部は、純鉄又は鉄合金よりなるマトリックス相中に、4A族元素、5A族元素、6A族元素及びFeから選択される1種以上の元素を含むホウ化物又は/及びその複合化物を体積率で10〜70%分散させた高剛性鋼よりなることを特徴とする機械構造用部品にある(請求項1)。

0009

また、上記第1の発明の機械構造用部品を製造する方法の発明として、次の第2の発明がある。
第2の発明は、基材を準備し、
該基材の表面に肉盛溶接用原料を供給して溶接することにより、純鉄又は鉄合金よりなるマトリックス相中に、4A族元素、5A族元素、6A族元素及びFeから選択される1種以上の元素を含むホウ化物又は/及びその複合化物を体積率で10〜70%分散させた高剛性鋼よりなる肉盛溶接部を形成し、
その後、上記基材を除去して上記肉盛溶接部のみとすることを特徴とする機械構造用部品の製造方法にある(請求項3)。

発明の効果

0010

上記機械構造用部品は、上記基材の表面に上記肉盛溶接部を肉盛溶接により形成した後に上記基材を除去し、残った上記肉盛溶接部のみにより構成されている。そして、該肉盛溶接部は、ホウ化物又は/及びその複合化物を上記特定の範囲の体積率で分散させた高剛性鋼よりなる。すなわち、上記機械構造用部品は、簡易な方法により、全体をヤング率の高い高剛性鋼で構成したものとなる。これにより、部品全体の高剛性化を容易かつ効果的に図ることができると共に、併せて部品全体の機械的特性を向上させることができる。

0011

また、上記肉盛溶接部は、上記基材の表面に上記肉盛溶接用原料を供給して溶接することにより形成する。すなわち、該肉盛溶接用原料を溶接によって溶融凝固させることにより形成する。そのため、溶接時において、上記肉盛溶接用原料を急速凝固させ、高剛性化に寄与する上記ホウ化物又は/及びその複合化物の粒子微細分散させることができる。これにより、強度特性を向上させることもできる。

0012

このように、本発明によれば、簡易な方法で効果的に全体の高剛性化を図ることができる機械構造用部品及びその製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0013

実施例における、肉盛溶接部のみにより構成された機械構造用部品(供試材)を示す説明図。

0014

本発明において、上記機械構造用部品を構成する上記肉盛溶接部に分散させるホウ化物を、Fe以外では、4A族、5A族、6A族元素に限定したのは、上記特許文献等ですでに公知となっている通り、これらのホウ化物のヤング率が高く、ヤング率を高めるのに適しているからである。

0015

また、上記肉盛溶接部に分散させた上記ホウ化物及び/又はその複合化物の体積率を10〜70%としている。
上記体積率が10%未満の場合には、高剛性化の効果が十分に得られないおそれがある。一方、70%を超える場合には、溶接が困難となるおそれがある。また、溶接後においては、加工が困難となるおそれがある。

0016

なお、上記肉盛溶接部は、上記ホウ化物及び/又はその複合化物の体積率が10〜70%であれば、純鉄又は鉄合金よりなるマトリックス相組成は問わず、高剛性の肉盛溶接部を得ることができる。ただし、Ti等のホウ化物及び/又はその複合化物を形成している元素は、炭素と結合し易いため、マトリックス相に含まれる炭素量は、少ないほうが望ましい。

0017

また、上記肉盛溶接部は、質量%で、Ti:4.2〜40.0%、B:1.8〜18.0%を含有し、かつ、上記ホウ化物又は/及びその複合化物のうち、体積率で50%以上がTiB2であることが好ましい(請求項2、4)。
ここで、TiB2は、ホウ化物の中でもヤング率が高く、密度が低いという特徴を有している。また、凝固時にTiとBを含む原料を添加することによって、容易に安定したホウ化物として生成させることができる。したがって、ヤング率向上効果及び製造性の点を考慮すると、他のホウ化物を使用する場合と比較して大きく優れているため、分散させる上記ホウ化物又は/及びその複合化物のうち、体積率で50%以上をTiB2とすることが好ましい。一方、体積率が50%未満の場合には、ヤング率向上効果が小さくなるおそれがある。

0018

また、上記ホウ化物又は/及びその複合化物に含まれるTiB2の体積率を50%以上とするためには、添加するTi、Bの量を適切に調整することが好ましく、その範囲をTiは4.2〜40.0%、Bは1.8〜18.0%とすることが好ましい。また、TiB2以外のホウ化物の生成を抑制するためには、TiとBの添加量バランスがとれていることが必要であり、特にBがTiの添加量と比較して過剰添加でないことが好ましい。すなわち、TiとBの配合比原子数比で1:2(質量比でTi/B=2.215)に近くなるようにすることが好ましい。これにより、TiB2の比率を高めることができる。

0019

上記製造方法に用いる上記肉盛溶接用原料は、溶接することによって上記高剛性鋼となり得る粉末原料又は該粉末原料を所定形状に固めた原料よりなることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記肉盛溶接用原料の均一性を十分に確保することができるため、溶接することによって得られる高剛性鋼よりなる上記肉盛溶接部の品質安定化を図る、つまりヤング率のばらつきを低減することができる。
また、上記肉盛溶接用原料として、1又は複数種類粉末を混合したものを使用することにより、上記肉盛溶接部の成分調整が容易となる。また、従来の溶製法等に比べて製造コストを大幅に低減することができる。

0020

上記肉盛溶接原料として粉末原料を用いる場合には、粉末ができるだけ均一となるように混合することが好ましい。混合が十分でなく不均一な場合には、溶接後の性能が場所によって不均一となる可能性があるので、注意が必要である。
また、粉末原料の混合方法としては、特に制約はなく、V型混合機ボールミル振動ミル等を用いることができる。

0021

上記肉盛溶接原料として粉末原料を所定形状に固めた原料、例えば粉末原料を棒状に圧粉成形して焼結した溶接棒を用いる場合には、圧延引抜等によって狙いとする寸法形状に加工することが好ましい。
なお、粉末原料を焼結して溶接棒を作製する場合、焼結工程では、焼結中に雰囲気ガス原料粉末とが反応することによる酸化物の生成を抑制する必要がある。また、酸化物が生成しても、その生成量が使用上問題となるレベル以下に抑えることが必要である。

0022

上記粉末原料としては、狙いとする成分に調整されたアトマイズ粉末、それ以外にもホウ化物原料とそれ以外の原料とを混合した混合粉末を用いることができる。
上記ホウ化物原料としては、すでにホウ化物となっている市販の粉末や、4A族元素、5A族元素、6A族元素を含む粉末(フェロアロイ粉末等)とフェロボロン粉末との混合粉末等を用いることができる。これらは、溶接時の凝固する際に起きる反応等により、ホウ化物又はその複合化物を生成する。
上記ホウ化物原料以外の原料としては、4A族元素、5A族元素、6A族元素を含む粉末フェロアロイ粉末や、最終的に目的とする成分に近い成分からなる粉末(例えば、Fe−Crを主体とするのであれば、ステンレス鋼粉末)や、純鉄等の金属粉末等を用いることができる。

0023

また、上記粉末原料の粒径は、20〜300μmであることが好ましい。
上記粉末原料の粒径が20μm未満の場合には、溶接時において、粉末原料が粉末供給経路に詰まったり、飛散したりして溶接作業性極端に低下させるおそれがある。一方、300μmを超える場合には、溶接時に溶融不良を起こしたり、上記肉盛溶接部内のホウ化物が粗大化したりするおそれがある。よって、大粒の粉末原料を使用する場合には、ボールミル、振動ミル、アトライタ等の各種粉砕機粉砕し、所望の粒度まで調整することが必要である。

0024

また、上記溶接は、粉体プラズマ溶接、粉体レーザー溶接TIG溶接アーク溶接のいずれかの方法を用いて行うことが好ましい(請求項6)。
例えば、上記肉盛溶接用原料として粉末原料を用いた場合には、粉体プラズマ溶接や粉体レーザー溶接を用いて行うことが好ましい。また、上記肉盛溶接用原料として粉末原料を圧粉成形又は焼結した溶接棒を用いた場合には、TIG溶接やアーク溶接を用いて行うことが好ましい。これにより、肉盛溶接を容易に行うことができる。

0025

また、上記溶接方法は、最終的に得ようとする部品の形状や大きさ等によって、適宜選定すればよい。
また、溶接時には、大気との接触及び酸化物の生成を防止することができる溶接方法及び溶接条件とすることが好ましい。また、溶接条件(例えば、電流溶接速度等)は、使用する上記肉盛溶接用原料や溶接手法によって異なり、欠陥(溶融不良等)を起こさない条件を選定することが好ましい。

0026

また、溶接時における予熱は、特に制約はないが、溶接性を良くするために、300〜500℃程度にすることが好ましい。
また、溶接時における後熱は、溶接後の欠陥生成防止のために重要であり、400〜500℃程度に再加熱した後に徐冷することが好ましい。ただし、後熱によって部品性能が変化するものは、後熱温度を下げたり、ピーニングをすることにより残留応力を除去したりする等の必要がある。また、溶接後に調質処理等によって変態点以上の温度に加熱する部品は、後熱を省略しても問題ない。

0027

また、肉盛溶接によって形成した上記肉盛溶接部から上記基材を除去する方法としては、ワイヤカット砥石バンドソーによる切断加工研削加工等の方法を用いることができる。
また、上記基材を除去した後、上記肉盛溶接部に対して所望の形状となるように切削等の加工を施してもよい。また、切削等の加工を必要としない場合には、そのような加工を行わなくてもよい。

0028

また、上記機械構造用部品は、例えば、音響用スピーカー振動板試験評価設備治具プッシュロッドコンロッド等の自動車部品等に適用することができる。特に、比較的小物で高剛性が要求される部品に適している。

0029

本発明の実施例にかかる機械構造用部品及びその製造方法について説明する。
本例では、表1に示すごとく、肉盛溶接用原料としての16種類の溶接材(溶接材a〜p)を用意し、本発明の機械構造用部品における実施例としての供試材(実施例E1〜E14)、比較例としての供試材(比較例C1、C2)を作製し、ヤング率、溶接性、加工性を評価する試験を行った。

0030

具体的には、まず、図1(a)に示すごとく、基材2の表面20に各種溶接材を用いて所定の条件で肉盛溶接を行い、肉盛溶接部11を形成した。
その後、図1(b)に示すごとく、ワイヤカットにより肉盛溶接部11から基材2を除去し、肉盛溶接部11のみにより構成された機械構造用部品の供試材1(実施例E1〜E14、比較例C1、C2)を作製した。

0031

なお、本例では、基材としては、15×100×130mmのSKD61相当(Fe−5%Cr)を用いた。
また、溶接材の材料としては、粒径40〜70μmの二ホウ化チタン(TiB2)、粒径50〜150μmのフェロボロン(Fe−20%B)、粒径50〜150μmのフェロチタン(Fe−40%Ti)、粒径40〜100μmのチタン(Ti)、粒径50〜150μmの鉄基材(Fe−3%Cr−0.4%Mo)、粒径1.0〜1.5μmのホウタンタル(TaB2)、粒径50〜150μmのフェロクロム(Fe−70%Cr)、粒径50〜150μmのフェロモリブデン(Fe−70%Mo)、粒径50〜150μmのフェロニオブ(Fe−70%Nb)、粒径50〜150μmのフェロバナジウム(Fe−80%V)の各粉末を、肉盛溶接部のホウ化体積率等が所定の値となるように混合した混合粉末を用いた。

0032

また、溶接材の形態としては、上記混合粉末又はこれを棒状に圧粉成形して焼結してなる溶接棒を用いた。
また、溶接方法としては、粉体プラズマ溶接を用いた。溶接条件は、溶接電流:180A、プラズマガス:3L/min、シールドガス:15L/min、キャリアガス:5L/min、供給量:25g/min、溶接速度:80mm/min、ウィービング幅:12mm、パス数:10パス、予熱:なし、後熱:なし、とした。

0033

次に、各種溶接材(溶接材a〜p)を用いて肉盛溶接により形成された肉盛溶接部の特性について、表1に示す。
ホウ化物の種類の判定は、EPMA分析装置を用いて行った。
ホウ化物の体積率は、肉盛溶接部における任意に選択した面積が1mm2の視野を対象に、画像解析装置を用いて面積率(=体積率)を測定するという手順により求めた。なお、表中には、ホウ化物の体積率が本発明の範囲(10〜70%)から外れているものを×印として示した。
ホウ化物及びその複合化物に占めるTiB2の比率は、色調判別によりTiB2と判断できた粒子の面積率(=体積率)を画像解析装置で測定することにより求めた。

0034

0035

次に、表1に示す供試材(実施例E1〜E14、比較例C1、C2)について、各試験及びその評価を行った。
ヤング率は、供試材より10×10×10mmの立方体試験片切り出し、水晶振動子を用いた複合振動子法により測定した。水晶振動子の共振周波数は、110.25KHzとした。測定方向は、肉盛溶接部の厚み方向(除去した基材の表面に対して垂直な方向)である。そして、一般的な鋼のヤング率に対するヤング率向上効果が10%以下と判断することができるヤング率230GPa以下となる場合には、基準を満たさないものとした。

0036

溶接性は、供試材の内部に溶融不良や30μm以上の連続するブローホールがなければ、基準を満たすものとした。
加工性は、供試材についてエンドミルによる切削試験を行い、刃具磨耗量が所定量(0.3mm)以下であれば、基準を満たすものとした。

0037

そして、表1に示すごとく、ヤング率の評価については、基準を満たさないものを×印として示した。また、溶接性及び加工性の評価については、基準を十分に満たしているものを◎印、基準を満たしているものを○印、基準を満たしていないものを×印として示した。

0038

次に、本発明の実施例としての供試材(実施例E1〜E14)における作用効果について、比較例としての供試材(比較例C1、C2)と比較して説明する。
表2の結果からわかるように、本発明の実施例E1〜E14は、ホウ化物又は/及びその複合化物を上記特定の範囲の体積率(10〜70%)で分散させた高剛性鋼よりなる肉盛溶接部のみにより構成されている。それ故、ヤング率は高い値を示している。そして、ヤング率、溶接性及び加工性がすべて基準を満たしている。

0039

一方、比較例C1は、肉盛溶接部におけるホウ化物の体積率が低いため、ヤング率について基準を満たさなかった。すなわち、部品全体の高剛性化を図るという本発明の効果を十分に得ることができなかった。
また、比較例C2は、肉盛溶接部におけるホウ化物の体積率が高いため、高いヤング率が得られるが、溶接性及び加工性について基準を満たさなかった。

実施例

0040

このように、本発明の機械構造用部品は、基材の表面に肉盛溶接部を肉盛溶接により形成した後に基材を除去することで、ホウ化物又は/及びその複合化物を上記特定の範囲の体積率で分散させた高剛性鋼よりなる肉盛溶接部のみにより構成することができる。すなわち、簡易な方法により、全体をヤング率の高い高剛性鋼で構成することができる。これにより、部品全体の高剛性化を容易かつ効果的に図ることができる。また、溶接性、加工性等の特性についても、十分に確保することができる。

0041

1機械構造用部品
11肉盛溶接部
2基材
20 表面

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