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技術 熱処理歪み防止焼入れ方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 沖田圭介堤一之
出願日 2009年1月28日 (11年1ヶ月経過) 出願番号 2009-016605
公開日 2010年8月12日 (9年7ヶ月経過) 公開番号 2010-174289
状態 拒絶査定
技術分野 熱処理 物品の熱処理
主要キーワード 冷媒剤 表面被膜層 検証解析 冷却剤中 断熱塗料 熱処理対象物 内円筒 外円筒
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年8月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

被熱処理部材の全表面を一斉に冷却するのではなく、被熱処理部材の形状に合わせて、部位によって冷却のし易さに強弱をつけることによって熱処理歪みを低減する。

解決手段

本発明に係る熱処理歪み防止焼入れ方法は、熱処理歪みによる変形を防止すべく、焼入れ対象の部材11,21に対し、冷却が進行しやすい部位には熱伝達率低減手段を設け、及び/又は、冷却が遅れる部位には熱伝達率促進手段を設け、前記焼入れ対象の部材11,21の焼入れ処理を行なう。特に、端面に凸状突出部14を有する歯車11に対しては、凸状突出部14に嵌め込まれる遮熱治具15を備えた歯車設置かごに歯車11を載置して、焼入れ処理を行なう。

概要

背景

例えば、自動車用歯車の材料として、SCr420、SCM420、SNCM420等の肌焼鋼が使用されていて、歯車の製造に当たっては、上記肌焼鋼の丸棒を歯車に近い形状に熱間鍛造した後、切削加工して歯車とし、更に浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れ(以下、単に「焼入れ」と記載する)を施して表面を硬化させている。しかしながら、このような焼入れを施すと、材料の変態に伴う膨張収縮のため歯車に歪み(熱処理歪み)が生じる。
このような問題に対して、特開平5−222445号公報(特許文献1)は、熱処理歪みの発生量とそのばらつきを小さくすることができ、焼入れ処理部材の寸法精度を向上させることのできる焼入れ方法を開示する。この焼入れ方法は、浸炭処理された被熱処理部材オーステナイト温度から内部非浸炭部のマルテンサイト変態開始温度直上に保持した第1の熱浴に浸漬した後、さらに浸炭部表面のマルテンサイト変態開始温度直上に保持した第2の熱浴に浸漬し、その後冷却することを特徴とする。

この焼入れ方法によると、内部非浸炭部及び浸炭部表面の変態時における各部位の温度差がなくなり、被熱処理部材表面の浸炭部が同時にマルテンサイト変態するばかりでなく、内部非浸炭部についても均一にベイナイトないしマルテンサイト変態するため熱処理歪みの発生が最小限に抑えられる。

概要

被熱処理部材の全表面を一斉に冷却するのではなく、被熱処理部材の形状に合わせて、部位によって冷却のし易さに強弱をつけることによって熱処理歪みを低減する。本発明に係る熱処理歪み防止焼入れ方法は、熱処理歪みによる変形を防止すべく、焼入れ対象の部材11,21に対し、冷却が進行しやすい部位には熱伝達率低減手段を設け、及び/又は、冷却が遅れる部位には熱伝達率促進手段を設け、前記焼入れ対象の部材11,21の焼入れ処理を行なう。特に、端面に凸状突出部14を有する歯車11に対しては、凸状突出部14に嵌め込まれる遮熱治具15を備えた歯車設置かごに歯車11を載置して、焼入れ処理を行なう。

目的

本発明は、上記問題点に鑑み、被熱処理部材の全表面を一斉に冷却するのではなく、被熱処理部材の形状に合わせて、部位によって冷却のし易さに強弱をつけることによって(すなわち、熱伝達率を制御することによって)、熱処理歪みの低減化を実現する焼入れ方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱処理歪みによる変形を防止すべく、焼入れ対象の部材において冷却が進行しやすい部位には熱伝達率低減手段を設け、及び/又は、焼入れ対象の部材において冷却が遅れる部位には熱伝達率促進手段を設けて、前記焼入れ対象の部材の焼入れ処理を行なうことを特徴とする熱処理歪み防止焼入れ方法

請求項2

前記熱伝達率促進手段は、冷却が遅れる部位に設けられた冷却促進被膜材、又は前記冷却が遅れる部位の周りに形成された冷却剤対流であることを特徴とする請求項1に記載の熱処理歪み防止焼入れ方法。

請求項3

前記熱伝達率低減手段は、前記冷却が進行しやすい部位を覆う遮断部材であることを特徴とする請求項1に記載の熱処理歪み防止焼入れ方法。

請求項4

前記遮断部材は、グラスウール又は断熱被膜材であることを特徴とする請求項3に記載の熱処理歪み防止焼入れ方法。

技術分野

0001

本発明は、歯車など機械部品表面硬さを増大して耐摩耗性を向上させると共に表面に圧縮残留応力を生じさせて疲労強度を向上させるのに利用される焼入れ方法に関し、特に、焼入れ時の熱処理歪みが少ない鋼の焼入れ方法に関する。

背景技術

0002

例えば、自動車用の歯車の材料として、SCr420、SCM420、SNCM420等の肌焼鋼が使用されていて、歯車の製造に当たっては、上記肌焼鋼の丸棒を歯車に近い形状に熱間鍛造した後、切削加工して歯車とし、更に浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れ(以下、単に「焼入れ」と記載する)を施して表面を硬化させている。しかしながら、このような焼入れを施すと、材料の変態に伴う膨張収縮のため歯車に歪み(熱処理歪み)が生じる。
このような問題に対して、特開平5−222445号公報(特許文献1)は、熱処理歪みの発生量とそのばらつきを小さくすることができ、焼入れ処理部材の寸法精度を向上させることのできる焼入れ方法を開示する。この焼入れ方法は、浸炭処理された被熱処理部材オーステナイト温度から内部非浸炭部のマルテンサイト変態開始温度直上に保持した第1の熱浴に浸漬した後、さらに浸炭部表面のマルテンサイト変態開始温度直上に保持した第2の熱浴に浸漬し、その後冷却することを特徴とする。

0003

この焼入れ方法によると、内部非浸炭部及び浸炭部表面の変態時における各部位の温度差がなくなり、被熱処理部材表面の浸炭部が同時にマルテンサイト変態するばかりでなく、内部非浸炭部についても均一にベイナイトないしマルテンサイト変態するため熱処理歪みの発生が最小限に抑えられる。

先行技術

0004

特開平5−222445号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に開示された焼入れ方法は、浸炭層とその他の部分での変態温度の違いに着目し、それぞれの変態温度に合わせてマルクエンチ法(均一冷却により熱処理歪を低減させる熱処理方法)を適用し、熱処理歪を低減させようとする方法である。すなわち、焼入れ中の温度履歴を制御し、熱処理歪の低減化を狙ったものである。
しかしながら、特許文献1に開示された焼入れ方法は、基本的には被熱処理部材の全表面を一斉に冷却する方法でしかなく、例えば複雑な形状を備えた熱処理対象物の場合、期待通りに冷却が進まず熱処理歪みが低減されない。

0006

そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、被熱処理部材の全表面を一斉に冷却するのではなく、被熱処理部材の形状に合わせて、部位によって冷却のし易さに強弱をつけることによって(すなわち、熱伝達率を制御することによって)、熱処理歪みの低減化を実現する焼入れ方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る熱処理歪み防止焼入れ方法は、熱処理歪みによる変形を防止すべく、焼入れ対象の部材において冷却が進行しやすい部位には熱伝達率低減手段を設け、及び/又は、焼入れ対象の部材において冷却が遅れる部位には熱伝達率促進手段を設けて、前記焼入れ対象の部材の焼入れ処理を行なうことを特徴とする。
この熱処理歪み防止焼入れ方法によると、冷却が遅い部位には熱伝達率促進手段が設けられる、冷却が速い部位には熱伝達率低減手段が設けられる、又は双方が設けられる処置が行なわれてから焼入れ処理が行なわれる。このように、熱処理対象部材の性状に合わせて、部位によって冷却のし易さに強弱が付けられる。これにより、冷却の度合いの均一化が図られて、熱処理歪みの低減化を実現することができる。

0008

好ましくは、前記熱伝達率促進手段は、冷却が遅れる部位に設けられた冷却促進被膜材、又は前記冷却が遅れる部位の周りに形成された冷却剤対流であるとよい。
かかる熱伝達率促進手段により、冷えにくい部位の冷却が促進されて、冷却の度合いの均一化が図られて、熱処理歪みの低減化を実現することができる。
また、前記熱伝達率低減手段は、前記冷却が進行しやすい部位を覆う遮断部材であるとよい。
これにより、冷却速度が速い部位の熱伝達率が低減されて焼入れ処理が行なわれる。そのため、冷えやすい部位の冷却が抑制されて、冷却の度合いの均一化が図られて、熱処理歪みの低減化を実現することができる。

0009

好ましくは、前記遮断部材は、グラスウール又は断熱被膜材であるとよい。

発明の効果

0010

本発明によると、被熱処理部材の形状に合わせて、部位によって冷却のし易さに強弱をつけて熱伝達率を制御することにより、熱処理歪みの低減化を実現することができる。

図面の簡単な説明

0011

第1実施形態に係る歯車の形状を示す図である。
焼入れ直後から生じる歯形誤差及び歯筋誤差を示す図である。
シミュレーションモデルにおける歯先領域分割を示す図である。
領域VIIに適用した熱伝達率を示す図である。
変数A’/Aと形状誤差比率との関係を示す図である。
熱伝達率低減手段の一例を示す図である(その1)。
熱伝達率低減手段の一例を示す図である(その2)。
熱伝達率低減手段の一例を示す図である(その3)。
(a)は第2実施形態に係る歯車の形状を示す図であり、(b)は第2実施形態に係る歯車での熱伝達状況を示した図である。
熱伝達率低減手段の一例を示す図である(その4)。

実施例

0012

以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1実施形態>
図1に本実施形態に係る焼入れ方法の対象である歯車11(ヘリカルギア)を示す。歯車11は、外径約50mm、歯幅20mm程度の大きさを有する標準的なものである。歯車11は、その周面に斜歯12を有し、当該歯車11が軸に嵌り込むための内孔13を備えている。この内孔13の軸心方向に垂直な歯車11の両端面には、円柱状の凸状突出部14が形成されている。

0013

本願発明者は、この歯車11を焼き入れした状況をシミュレーション計算し、焼入れ中における歯筋プロフィール時間変化ねじれ角誤差変化履歴(歯筋の変形は下記の4つのステージ分類)を分析した。
なお、使用したシミュレーションモデルは、伝熱計算モデル最適化モデルとから構成されていて、これら伝熱計算モデル及び最適化モデルは、プログラムという形で実現されており、パソコンワークステーション等のコンピュータ上で実行される。
伝熱計算モデルとしては、ABAQUS社製の汎用非線形有限要素解析(FEA)プログラム「ABAQUS」を採用している、ABAQUSは高度な内容の構造解析伝熱解析を行うことのできるものである。最適化モデルとしては、エンジニアス・ジャパン(株)社製のiSIGHTを採用している。iSIGHTは、CADCAMCAEなどのエンジニアリング・プロセスや各種シミュレーションを最適化、ロバスト化することが可能なものである。

0014

まず、焼き入れ時伝熱シミュレーションの結果、歯車1の形状誤差の変形について下記のことが明らかになった。
[Stage1(冷却開始〜約2s)]
焼入れ直後から、歯筋はねじれ角が小さくなる方向へ大きく変形する。この変形は、図2(a)に示すような冷却が先行した本体円筒部の上下端熱収縮によって、歯部に発生する軸方向の引張応力駆動力となって生じている。
[Stage2(〜約10s)]
歯の内部でマルテンサイト変態によるが体積膨張生じ、この歯筋の変形が緩和される。

0015

[Stage3(〜約22s)]
続いて、本体円筒内部でベイナイト変態及びマルテンサイト変態による体積膨張が生じるため、再び歯筋はねじれ角が小さくなる方向へ変形する。
[Stage4(〜約150s)]
浸炭層においてマルテンサイト変態による体積膨張が生じ、再び歯筋の変形が緩和される。
これらのステージの中で、特に歯筋のねじれ角が小さくなる方向への変形に関しては、凸状突出部14の冷却が他の部位に比して急速に進み、凸状突出部14が他の部位に比して大きく熱収縮し、この熱収縮に起因する熱処理歪みが焼入れ終了時にも残留し、歯筋誤差となって現れていること明らかとなった。また、図2に示すように、このような歯筋誤差と歯形誤差は連動したものであり、歯筋誤差を小さくすることにより、同時に歯形誤差も小さくできることも明らかとなった。

0016

そこで、本願発明者らは、上記したシミュレーションモデルを用いて、凸状突出部14の冷却促進による熱収縮を緩和するために、この凸状突出部14の熱伝達率を小さくするように制御し、焼入れ中に発生する熱処理変形を検討した。すなわち、仮想的に歯車11の上下端の熱伝達率を変化させた計算を実施して、上記の形状誤差の低減を目的とした熱処理方法の有効性について検証を行なった。
検証に用いた歯車11の各熱伝達境界領域の熱伝達率は、油焼入れ中の各部位表層の測温結果に基づき逆解析法により同定されたものであり、図3(a)にそれらの熱伝達率を、図3(b)に熱伝達率変更領域を、それぞれ示す。図3に示すような熱伝達率とすることで、焼入れ時の熱処理歪みの発生を低減させ、歯筋誤差ならびに歯形誤差を小さくできることを本願出願人らは確認している。例えば、領域VIIは熱伝達率を低く(冷めにくく)制御することにより、焼入れ時の熱処理歪みの発生を低減させることができる。

0017

なお、この伝熱シミュレーションにおいては、従来の熱処理方法(歯車に処置を施さずにそのまま熱処理)における歯車11の凸状突出部14の熱伝達率をA、この領域を緩冷却した場合の熱伝達率をA’として、緩冷却の度合いを変数A’/Aで表現する。この変数A’/Aを図4に示すように、1.0→2/3→0.4→0.2と小さくなるように、すなわち緩冷却になるように検証解析を行なった。図5がその解析結果である。
変数A’/Aが小さくなるほど、すなわち凸状突出部14の上下端を緩冷却するほど歯形、歯筋誤差ともに低減されており、緩冷却の有効性が確認できている。

0018

このように、本実施形態に係る熱処理方法においては、歯車の浸炭焼入れ中における熱処理変形の発生に大きく影響する歯車本体円筒部の上下端の熱収縮を緩和するため、焼入れ中の該当部の熱伝達率を小さくなるように制御する。このようにすると、上述したように、熱処理変形に起因した形状誤差及びそのバラツキが減少して、焼入れ部材の寸法精度を向上させることが可能になり、研磨仕上げ工程が短縮及び/又は省略できるという大変優れた効果を発現する。
以上、シミュレーションモデルから得られた知見をも基に、本発明の具体的な焼入れ方法について説明する。

0019

基本的には歯車11の凸状突出部14の冷却が遅くなるような処置、すなわち、焼入れ対象の部材に対し、冷却が進行しやすい部位に熱伝達率低減手段を設けるとよい。
例えば、図6に示すように凸状突出部14の外周面上端面(下端面)〜内周面断熱塗料を塗布したり、図7に示すようにグラスウール又はセラミックスファイバーなどの断熱材料で該当部分を覆ったりして、凸状突出部14の熱伝達率を下げることによって緩冷却を実現する。
さらに、凸状突出部14に対し、冷却剤(冷却媒体)が直接触れることを防ぐための整流治具や遮熱治具15を設置しても構わない。熱処理は通常、油またはガスを冷却剤として行なわれる。したがって、被熱処理部材である歯車11に対して直接に処置を施さなくても、これらの冷媒剤の流れを制御することによって、例えば整流治具の設置によっても冷却速度は変化させることができる。

0020

例えば、一般的に歯車11の焼入れは、図8に示すような網かご数個の歯車11を並べ、それを数段重ねたものを一度に処理する。したがって、歯車設置かごに整流治具、あるいは遮熱治具15を設ければ、効率的に処理することができる。
本実施形態にかかる遮熱治具15(熱伝達率低減手段)は、金属製であって、同軸状に配備された外円筒内円筒とを有しており、外円筒の軸方向一方端と内円筒の軸方向一方端とがドーナツ状の平板閉塞された構成となっている。この遮熱治具15は、凸状突出部14に上方(又は下方)から被さるように嵌挿可能となっている。

0021

遮熱治具15が嵌め込まれた凸状突出部14は、冷却剤に直接触れることが無くなり、見かけ上、熱伝達率が小さなものとなって、該当部分の緩冷却を実現することができる。
以上のようにして本実施形態に係る焼入れ方法によると、複雑な被熱処理部材に熱伝導率の差を積極的に設けて、冷却速度を制御して、被熱処理部材における熱処理歪みの発生を低減させることができる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係る焼入れ方法ついて説明する。

0022

本実施形態における被熱処理部材は、図9(a)に示すような平歯車21である。平歯車21は、その周面に斜歯22を有し、当該歯車21が軸に嵌り込むための内孔23を備えている。本歯車21は、第1実施形態の歯車11とは異なり凸状突出部を備えていない。
このような平歯車21を従来の焼入れ方法で熱処理すると、外周面側から熱が伝わり易いため、表面積、熱容量、形状などの影響因子により(自然と)外周面から温度低下しやすくなる。言い換えるならば、内周面からは熱が伝わり難く冷えにくいものとなっている。

0023

そこで、本実施形態に係る焼入れ方法では、図9(b)に示すように、歯車本体が冷却の進行しない部位であり、かかる部位の冷却を促進すべく、内孔23の内壁面に熱伝達率促進手段を設け、見かけ上の熱伝達率を上げて冷え易くしている。なお、基本的には歯車の歯部を含む外周面に比べて内周面の熱伝達率が相対的に高くなるような処置が施されていれば構わない。
熱伝達率促進手段としては、例えば、高温金属冷却剤中急冷する場合に、表面に極薄表面被膜層24を被覆することによって、急冷が促進されるという現象が生じる現象を利用してもよい。この現象は、「高温金属の浸漬冷却における表面被覆材による急冷促進効果地義弘(広島大)、熱処理、第46巻、第6号(2006)」に報告されているものである。かかる技術を用い、歯車内周面にのみ極薄の表面被膜層24を被覆し、焼入れ処理に供することによって、歯車21の内孔23の内壁面の熱伝達率を高めることができ、歯車本体の冷却を促進することが可能となる。

0024

さらに、図10に示すように、焼入れ中に歯車21の外側に、円筒状の金属部材で構成された熱処理治具25(熱伝達率低減手段)を設けることによって、相対的に歯車内周面の熱伝達率が高くなる状態を作ることも有効である。このような治具25を設置する効果として、(1)熱処理治具からの輻射によって歯車外周面が冷却され難くなる、(2)治具25と歯車21の外周面との間の冷却液の対流を抑えることにより歯車外周面が冷却し難くなることである。
以上のようにして本実施形態に係る焼入れ方法によっても、複雑な被熱処理部材に熱伝導率の差を積極的に設けて、冷却速度を制御して、被熱処理部材における熱処理歪みの発生を低減させることができる。

0025

なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態のいずれにおいても、焼入れ対象の部材(歯車11、平歯車21)において、冷却速度が遅い部位には熱伝達率促進手段を設けること、及び冷却速度が速い部位には熱伝達率低減手段を設けることの両方を行うようにしてもよい。効果の高いどちらか一方の手段を設けてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0026

11歯車
12斜歯
13内孔
14 凸状突出部
15 遮熱治具
21平歯車
22 斜歯
23 内孔
24表面被膜層
25 熱処理治具

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