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技術 養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法

出願人 第一製網株式会社
発明者 高本裕昭長嶋博伸河内亜香音
出願日 2009年3月4日 (11年2ヶ月経過) 出願番号 2009-050655
公開日 2010年8月5日 (9年9ヶ月経過) 公開番号 2010-168339
状態 未査定
技術分野 農薬・動植物の保存
主要キーワード 酸成分濃度 評価判断 最終製品形態 生活形 板海苔 処理液全量 内部寄生 養殖海苔
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

海苔養殖産業的な安定生産確保を目的に、養殖海苔に悪影響を与える赤腐れ菌珪藻の感染と付着対応策として、養殖海苔に傷みを与えずに赤腐れ菌などの雑菌と珪藻などの雑藻を共に駆除でき、赤腐れ菌の再感染及び珪藻の再付着を軽減させる有効な養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法の提供。

解決手段

イタコン酸乳酸クエン酸及び/又はリンゴ酸特定割合で配合した養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液、及びそれを使用した養殖海苔の処理方法。

概要

背景

海苔養殖においては、養殖中の海苔に細菌・赤腐れ菌などの雑菌が感染したり、海苔養殖用基材海苔網などの養殖具)若しくは海苔にアオノリアオサ珪藻などの雑藻が付着し、海苔の養殖に悪影響を与えている。特に、赤腐れ菌は、海苔に感染すると海苔生体内寄生して細胞を貫通死滅させながら菌糸状に生長し、蔓延すると海苔自体が枯死流出し養殖不可能な状態に陥る(赤腐れ病)。また、珪藻は、海苔に付着すると海苔の表面からの海水栄養分補給能を阻害し海苔の生育不良を起こし、また、最終製品形態である板海苔(以下、単に「製品」と記載)に混入すると製品質の低下を招き、海苔養殖の生産量及び売上高を著しく低下させるものである。そして、この様な赤腐れ菌などの雑菌や珪藻などの雑藻を駆除する為に、海苔養殖に於いては、養殖海苔の処理が従来実施されている。
しかし、赤腐れ菌の感染及び珪藻の付着は、海苔養殖に於いて各々一方だけが起こることは少なく、共に発生する為、養殖海苔に傷みを与えずに赤腐れ菌などの雑菌と珪藻などの雑藻を共に駆除できる養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法が切望されている。

上記状況の中、赤腐れ菌などの雑菌及び珪藻などの雑藻の駆除を目的とした養殖海苔の処理は、作業上の問題や処理効果の面などから海苔を摘採し養殖海苔を短くした後に速やかに行われ、一度処理した養殖海苔については、次に摘採する迄(概ね1週間〜10日間)は次の処理を行わない場合が一般的である。しかし、赤腐れ菌は、駆除した後に2〜3日で再び養殖海苔に感染(再感染)する場合がある。養殖場の海中に赤腐れ菌又は赤腐れ菌の感染形態である遊走子が少なければ再感染はし難いが、海中の赤腐れ菌が多い場合は、養殖海苔に感染した赤腐れ菌を一度は駆除できても、その後短期間に再感染して、次の処理迄に養殖海苔に大きな被害を与えることが多い。また、珪藻に関しても同様に、駆除した後に再び養殖海苔に付着(再付着)し、養殖海苔に悪影響を与える場合が多い。
また、養殖海苔の赤腐れ菌などの雑菌や珪藻などの雑藻の駆除方法としては、3〜20分間海苔を処理液に接触させる「浸漬処理法」、1分程度接触させる「潜り処理法」、10〜20秒程度接触させる「素通し処理法」の3通りの処理方式がある。そして、全国の海苔養殖事業者は、各々の養殖環境(海域の特性、養殖形態など)に合った方式を、前記3通りから1つ選択し、その方式専用の高価な処理装置事業者毎所有しているのが一般的である。この内、潜り船処理法と素通し処理法では処理時間が短いことから、海苔の摘採後から次の摘採の前(摘採と摘採の間)に処理することも作業上不可能では無く、赤腐れ菌の再感染、珪藻の再付着から発生する養殖海苔の被害をある程度防ぐことができる。しかし、漬浸処理法では処理時間が長いことから摘採と摘採の間に処理することは多大な労力を伴い、非常に困難なものであり実作業上不可能である。
この様に、3〜20分間養殖海苔を処理液に接触させる漬浸処理では、赤腐れ菌の再感染、珪藻の再付着に起因する養殖海苔の被害を防ぐ術が無く、赤腐れ菌の再感染及び珪藻の再付着を軽減出来る有効な養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法が求められている。

一方、従来の技術として、以下の様なイタコン酸を利用した海苔養殖用の処理剤(処理液、処理方法)が提案されている。
特許文献1には、イタコン酸を有効成分とする海苔の養殖栽培補助剤が記載され、0.09%、0.18%イタコン酸と0.05%、0.1%オルトリン酸で構成される処理液への浸漬(処理)により、海苔に付着する細菌の数を減らすことができたとの例示がある。しかし、細菌とは異なる細胞構造を有する真菌類に属し、海苔細胞に内部寄生した生活形態をとる赤腐れ菌の駆除に関しては一切述べられておらず、特許文献1記載の従来技術では、上述の海苔養殖の状況(赤腐れ菌の感染、珪藻付着)に対応することは不可能である。
特許文献2には、イタコン酸の強い殺菌力利用し、イタコン酸を0.1重量/容量%以上含む処理液を使用した養殖海苔の赤腐れ菌駆除技術が説明されている。しかし、この従来技術は、処理時間30秒程度(1分以内)での駆除を達成する技術(所謂、素通し処理法)であり、浸漬処理法(処理時間3〜20分)に応用できるものではない。
特許文献3、4には、イタコン酸と他の酸(1種類)を併用した赤腐れ菌駆除技術が記載されている。この従来技術も、処理時間を短縮し1分以内での駆除を目的とするものであり、浸漬処理法(処理時間3〜20分)に応用できるものではない。
この様に、従来の処理剤(処理液、処理方法)には、イタコン酸を浸漬処理に利用したものは無く、そして、海苔養殖の現状況(「赤腐れ菌及び珪藻を共に駆除すること」、「一度駆除した赤腐れ菌などの雑菌の再感染及び珪藻などの雑藻の再付着防止」)に対応したものでもなかった。

概要

海苔養殖の産業的な安定生産確保を目的に、養殖海苔に悪影響を与える赤腐れ菌と珪藻の感染と付着対応策として、養殖海苔に傷みを与えずに赤腐れ菌などの雑菌と珪藻などの雑藻を共に駆除でき、赤腐れ菌の再感染及び珪藻の再付着を軽減させる有効な養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法の提供。イタコン酸、乳酸クエン酸及び/又はリンゴ酸特定割合で配合した養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液、及びそれを使用した養殖海苔の処理方法。なし

目的

上記状況の中、赤腐れ菌などの雑菌及び珪藻などの雑藻の駆除を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

有効成分としてイタコン酸を0.5〜5重量%、乳酸を0.1〜15重量%、クエン酸及び/又はリンゴ酸を5〜30重量%含有することを特徴とする養殖海苔用処理剤

請求項2

塩酸リン酸メタリン酸ポリリン酸硫酸硝酸フマル酸グルコン酸マレイン酸マロン酸アクリル酸クロトン酸シュウ酸コハク酸酢酸ピルビン酸プロピオン酸ギ酸グルタル酸及びフィチン酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸成分が含有されてなり、イタコン酸以外の酸成分が50重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の養殖海苔用処理剤。

請求項3

有効成分としてイタコン酸を0.005〜0.05重量%、乳酸を0.001〜0.15重量%、クエン酸及び/又はリンゴ酸を0.05〜0.3重量%含有することを特徴とする養殖海苔用処理液

請求項4

塩酸、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸、硫酸、硝酸、フマル酸、グルコン酸、マレイン酸、マロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、コハク酸、酢酸、ピルビン酸、プロピオン酸、ギ酸、グルタル酸及びフィチン酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸成分が含有されてなり、イタコン酸以外の酸成分が0.5重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の養殖海苔用処理液。

請求項5

前記請求項1又は2に記載の養殖海苔用処理剤を、海水希釈してなることを特徴とする養殖海苔用処理液。

請求項6

前記請求項3〜5のいずれかに記載の養殖海苔用処理液に、海苔又は海苔が付着した海苔網などの養殖具を3〜20分間浸漬することを特徴とする養殖海苔の処理方法

技術分野

0001

本発明は養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法に関して、海苔に感染した赤腐れ菌などの雑菌と海苔に付着した珪藻などの雑藻を共に駆除し、更には、赤腐れ菌の再感染や珪藻の再付着を軽減することができ、周囲の環境や海苔葉体に悪影響を与えることがない養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法に関してである。

背景技術

0002

海苔養殖においては、養殖中の海苔に細菌・赤腐れ菌などの雑菌が感染したり、海苔養殖用基材海苔網などの養殖具)若しくは海苔にアオノリアオサ・珪藻などの雑藻が付着し、海苔の養殖に悪影響を与えている。特に、赤腐れ菌は、海苔に感染すると海苔生体内寄生して細胞を貫通死滅させながら菌糸状に生長し、蔓延すると海苔自体が枯死流出し養殖不可能な状態に陥る(赤腐れ病)。また、珪藻は、海苔に付着すると海苔の表面からの海水栄養分補給能を阻害し海苔の生育不良を起こし、また、最終製品形態である板海苔(以下、単に「製品」と記載)に混入すると製品質の低下を招き、海苔養殖の生産量及び売上高を著しく低下させるものである。そして、この様な赤腐れ菌などの雑菌や珪藻などの雑藻を駆除する為に、海苔養殖に於いては、養殖海苔の処理が従来実施されている。
しかし、赤腐れ菌の感染及び珪藻の付着は、海苔養殖に於いて各々一方だけが起こることは少なく、共に発生する為、養殖海苔に傷みを与えずに赤腐れ菌などの雑菌と珪藻などの雑藻を共に駆除できる養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法が切望されている。

0003

上記状況の中、赤腐れ菌などの雑菌及び珪藻などの雑藻の駆除を目的とした養殖海苔の処理は、作業上の問題や処理効果の面などから海苔を摘採し養殖海苔を短くした後に速やかに行われ、一度処理した養殖海苔については、次に摘採する迄(概ね1週間〜10日間)は次の処理を行わない場合が一般的である。しかし、赤腐れ菌は、駆除した後に2〜3日で再び養殖海苔に感染(再感染)する場合がある。養殖場の海中に赤腐れ菌又は赤腐れ菌の感染形態である遊走子が少なければ再感染はし難いが、海中の赤腐れ菌が多い場合は、養殖海苔に感染した赤腐れ菌を一度は駆除できても、その後短期間に再感染して、次の処理迄に養殖海苔に大きな被害を与えることが多い。また、珪藻に関しても同様に、駆除した後に再び養殖海苔に付着(再付着)し、養殖海苔に悪影響を与える場合が多い。
また、養殖海苔の赤腐れ菌などの雑菌や珪藻などの雑藻の駆除方法としては、3〜20分間海苔を処理液に接触させる「浸漬処理法」、1分程度接触させる「潜り処理法」、10〜20秒程度接触させる「素通し処理法」の3通りの処理方式がある。そして、全国の海苔養殖事業者は、各々の養殖環境(海域の特性、養殖形態など)に合った方式を、前記3通りから1つ選択し、その方式専用の高価な処理装置事業者毎所有しているのが一般的である。この内、潜り船処理法と素通し処理法では処理時間が短いことから、海苔の摘採後から次の摘採の前(摘採と摘採の間)に処理することも作業上不可能では無く、赤腐れ菌の再感染、珪藻の再付着から発生する養殖海苔の被害をある程度防ぐことができる。しかし、漬浸処理法では処理時間が長いことから摘採と摘採の間に処理することは多大な労力を伴い、非常に困難なものであり実作業上不可能である。
この様に、3〜20分間養殖海苔を処理液に接触させる漬浸処理では、赤腐れ菌の再感染、珪藻の再付着に起因する養殖海苔の被害を防ぐ術が無く、赤腐れ菌の再感染及び珪藻の再付着を軽減出来る有効な養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法が求められている。

0004

一方、従来の技術として、以下の様なイタコン酸を利用した海苔養殖用の処理剤(処理液、処理方法)が提案されている。
特許文献1には、イタコン酸を有効成分とする海苔の養殖栽培補助剤が記載され、0.09%、0.18%イタコン酸と0.05%、0.1%オルトリン酸で構成される処理液への浸漬(処理)により、海苔に付着する細菌の数を減らすことができたとの例示がある。しかし、細菌とは異なる細胞構造を有する真菌類に属し、海苔細胞に内部寄生した生活形態をとる赤腐れ菌の駆除に関しては一切述べられておらず、特許文献1記載の従来技術では、上述の海苔養殖の状況(赤腐れ菌の感染、珪藻付着)に対応することは不可能である。
特許文献2には、イタコン酸の強い殺菌力利用し、イタコン酸を0.1重量/容量%以上含む処理液を使用した養殖海苔の赤腐れ菌駆除技術が説明されている。しかし、この従来技術は、処理時間30秒程度(1分以内)での駆除を達成する技術(所謂、素通し処理法)であり、浸漬処理法(処理時間3〜20分)に応用できるものではない。
特許文献3、4には、イタコン酸と他の酸(1種類)を併用した赤腐れ菌駆除技術が記載されている。この従来技術も、処理時間を短縮し1分以内での駆除を目的とするものであり、浸漬処理法(処理時間3〜20分)に応用できるものではない。
この様に、従来の処理剤(処理液、処理方法)には、イタコン酸を浸漬処理に利用したものは無く、そして、海苔養殖の現状況(「赤腐れ菌及び珪藻を共に駆除すること」、「一度駆除した赤腐れ菌などの雑菌の再感染及び珪藻などの雑藻の再付着防止」)に対応したものでもなかった。

先行技術

0005

特開平7−10711号公報(特許請求の範囲、実施例等)
特開平7−53306号公報(特許請求の範囲、実施例等)
特開平8−175907号公報(特許請求の範囲、実施例等)
特開平7−187914号公報(特許請求の範囲、実施例等)

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、上述の浸漬処理に関して、海苔養殖に有害である赤腐れ菌などの雑菌及び珪藻などの雑藻を共に有効に駆除することができる養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法を提供することであり、更には、赤腐れ菌と珪藻の再感染、再付着を軽減することができる養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記の養殖海苔に関する従来の課題及び現状を解決するために、鋭意検討した結果、イタコン酸、乳酸クエン酸及び/又はリンゴ酸特定割合で配合することにより、養殖海苔に感染した赤腐れ菌などの雑菌および珪藻などの雑藻に対し共に有効な駆除作用を示し、更には、再感染及び再付着の軽減効果が得られることを見出し、本発明を完成した。

0008

即ち、請求項1に係る発明は、有効成分としてイタコン酸を0.5〜5重量%、乳酸を0.1〜15重量%、クエン酸及び/又はリンゴ酸を5〜30重量%含有することを特徴とする養殖海苔用処理剤に関する。
請求項2に係る発明は、塩酸リン酸メタリン酸ポリリン酸硫酸硝酸フマル酸グルコン酸マレイン酸マロン酸アクリル酸クロトン酸シュウ酸コハク酸酢酸ピルビン酸プロピオン酸ギ酸グルタル酸及びフィチン酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸成分が含有されてなり、イタコン酸以外の酸成分が50重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の養殖海苔用処理剤に関する。
請求項3に係る発明は、有効成分としてイタコン酸を0.005〜0.05重量%、乳酸を0.001〜0.15重量%、クエン酸及び/又はリンゴ酸を0.05〜0.3重量%含有することを特徴とする養殖海苔用処理液に関する。
請求項4に係る発明は、塩酸、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸、硫酸、硝酸、フマル酸、グルコン酸、マレイン酸、マロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、コハク酸、酢酸、ピルビン酸、プロピオン酸、ギ酸、グルタル酸及びフィチン酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸成分が含有されてなり、イタコン酸以外の酸成分が0.5重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の養殖海苔用処理液に関する。
請求項5に係る発明は、前記請求項1又は2に記載の養殖海苔用処理剤を、海水で希釈してなることを特徴とする養殖海苔用処理液に関する。
請求項6に係る発明は、前記請求項3〜5のいずれかに記載の養殖海苔用処理液に、海苔又は海苔が付着した海苔網などの養殖具を3〜20分間浸漬することを特徴とする養殖海苔の処理方法に関する。

発明の効果

0009

本発明に係る養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法は、海苔に感染した赤腐れ菌などの雑菌と海苔に付着した珪藻などの雑藻を共に駆除でき、更に、赤腐れ菌の再感染や珪藻の再付着を軽減させることができ、周囲の環境や海苔葉体に悪影響を与えることがない。

0010

以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る養殖海苔用処理剤(以下、単に処理剤という)は、有効成分の一つめとしてイタコン酸を含有する。イタコン酸の含有量は、処理剤全量中、0.5重量%以上5重量%以下、更に好ましくは1(以上)〜3重量%(以下)とされる。この理由は、イタコン酸の含有量が0.5%未満の場合、有効成分の含有量が少ない為に、海苔を浸漬処理する際に、赤腐れ菌及び珪藻に対する十分な効果が得られず、また5重量%を超える場合、海苔葉体に悪影響(海苔の傷害)を与えることがあるために、いずれの場合も好ましくないからである。そして、イタコン酸1〜3重量%がこれら両方の点より最も効果的で、製剤の保存安定性にも優れている(保存中に有効成分の析出等が無い)。また、製剤の保存安定性で特に優れた含有量(処理剤全量中)は、イタコン酸2重量%以下である。
更に、本発明の処理剤は、イタコン酸以外の有効成分として、処理剤全量中、乳酸を0.1(以上)〜15重量%(以下)、クエン酸及び/又はリンゴ酸を5(以上)〜30重量%(以下)含有する。この理由は、これらの酸の含有量が前記下限未満の場合、イタコン酸との相乗作用が十分でない為に、海苔を浸漬処理する際に、赤腐れ菌及び珪藻に対する十分な効果が得られず、また、これらの酸の含有量が前記上限を超える場合、海苔葉体に悪影響を与えることがあるために、いずれの場合も好ましくないからである。そして、イタコン酸との相乗作用及び海苔への影響が最も有効的に働く点より、乳酸を1(以上)〜10重量%(以下)、クエン酸及び/又はリンゴ酸を10(以上)〜25重量%(以下)用いることが更に好ましい。
この上述の有効成分の配合割合で構成される処理剤は、養殖海苔に感染した雑菌および雑藻に対し共に有効な駆除作用を示し、更には、再感染及び再付着の軽減効果が得られる。

0011

また、本発明に係る処理剤は、上記有効成分(イタコン酸、乳酸、クエン酸及び/又はリンゴ酸)以外の酸成分を含有することができる。上記有効成分以外の酸成分は、処理剤を実際に海水で希釈した処理液として使用する場合、この処理液のpHを調整する目的の為に配合される。また、これらの酸成分を含有することで、処理時に処理水槽に持ち込まれる海水により酸濃度が低下してもpHの上昇を抑制する緩衝作用が発揮され、効果が安定した製剤とすることができる。
上記有効成分以外の酸成分の含有量は特に限定されないが、処理剤全量中、イタコン酸以外の酸成分が50重量%以下とされることが好ましい。この理由は、イタコン酸以外の酸成分の含有量が50重量%を超える場合、効果と傷害のバランスが悪くなったり、溶解出来なくなったりコストが高くなったり、好ましくないからである。

0012

また、イタコン酸は、本来水に溶け難いが、本発明の処理剤は、成分の析出防止などの製剤安定性の面から乳酸や酢酸の添加は好ましい。その他、本発明に係る養殖海苔用処理剤にはイタコン酸の溶解性向上と低温での析出防止の為に、溶解助剤を添加することができる。

0013

用いることができる上記有効成分以外の酸成分は、特に限定はされないが、塩酸、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸、硫酸、硝酸、フマル酸、グルコン酸、マレイン酸、マロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、コハク酸、酢酸、ピルビン酸、プロピオン酸、ギ酸、グルタル酸及びフィチン酸などを例示することができる。

0014

更に、本発明に係る処理剤は、必要に応じて栄養成分を添加することができる。用いられる栄養成分としては、塩化アンモニウム硝酸アンモニウム燐酸アンモニウム硫酸アンモニウム硝酸カリウム燐酸カリウム硫酸カリウム硝酸ナトリウム燐酸ナトリウム硫酸ナトリウムなどを例示することができる。また、これらの栄養成分は希釈する前の処理剤に予め配合しておくこともできる。栄養成分の含有量は特に限定されないが、処理剤全量中、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2%以下とされる。この理由は、前記を超す含有量では、イタコン酸が溶解できなくなったり、コストが高くなり、好ましくないからである。

0015

次に、本発明に係る養殖海苔用処理液(以下、単に処理液という)について説明する。本発明の処理液は、上述の本発明に係わる処理剤を使用の必要性に応じて海水で適宜希釈し、調製することができるが、有効成分の一つめであるイタコン酸の濃度は、処理液全量中、0.005重量%以上0.05重量%以下、更に好ましくは0.01(以上)〜0.03重量%(以下)とされる。この理由は、イタコン酸の処理液中濃度が0.005%未満の場合、有効成分の含有量が少ない為に、海苔を浸漬処理する際に、赤腐れ菌及び珪藻に対する十分な効果が得られず、また0.05重量%を超える場合、海苔葉体に悪影響(海苔の傷害)を与えることがあるために、いずれの場合も好ましくないからである。そして、イタコン酸0.01〜0.03重量%がこれら両方の点より最も効果的である。
更に、本発明の処理液は、イタコン酸以外の有効成分である乳酸の濃度が0.001(以上)〜0.15重量%(以下)、クエン酸及び/又はリンゴ酸の濃度が0.05(以上)〜0.3重量%(以下)と設定する。この理由は、これらの酸の処理液中濃度が前記下限未満の場合、イタコン酸との相乗作用が十分でない為に、海苔を浸漬処理する際に、赤腐れ菌及び珪藻に対する十分な効果が得られず、また、これらの酸の処理液中濃度が前記上限を超える場合、海苔葉体に悪影響を与えることがあるために、いずれの場合も好ましくないからである。そして、イタコン酸との相乗作用及び海苔への影響が最も有効的に働く点より、乳酸を0.01(以上)〜0.1重量%(以下)、クエン酸及び/又はリンゴ酸を0.1(以上)〜0.25重量%(以下)の濃度とすることが更に好ましい。
上述の有効成分濃度で構成される処理液は、養殖海苔に感染した雑菌および雑藻に対し共に有効な駆除作用を示し、更には、再感染及び再付着の軽減効果が得られる。

0016

また、前記同様にして本発明の処理剤を海水で適宜希釈して得られる本発明の処理液には、上記有効成分(イタコン酸、乳酸、クエン酸及び/又はリンゴ酸)以外の酸成分を、処理液のpH調整、緩衝作用能付与の目的で、含有させることができる。この有効成分以外の酸成分の処理液中濃度は特に限定されないが、イタコン酸以外の酸成分が0.5重量%以下とされることが好ましい。この理由は、イタコン酸以外の酸成分の処理液中濃度が0.5重量%を超える場合、効果と傷害のバランスが悪くなり、好ましくないからである。

0017

処理液中に用いることができる上記有効成分以外の酸成分は、特に限定はされないが、塩酸、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸、硫酸、硝酸、フマル酸、グルコン酸、マレイン酸、マロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、コハク酸、酢酸、ピルビン酸、プロピオン酸、ギ酸、グルタル酸及びフィチン酸などを例示することができる。

0018

更に、前記同様にして本発明の処理剤を海水で適宜希釈して得られる本発明の処理液には、必要に応じて栄養成分を含有するものできる。用いられる栄養成分としては、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸カリウム、燐酸カリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを例示することができる。また、栄養成分の処理液中濃度は特に限定されないが、コスト面から、0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以下、より好ましくは0.02%以下とされる。

0019

尚、上記に於いては、本発明に係わる処理液について、本発明の処理剤を海水で適宜希釈して調製した場合を説明したが、本発明に係わる処理液は、これに限定されるものではなく、本発明の有効成分の濃度構成を満たすもので在れば良い。すなわち、イタコン酸を0.005〜0.05重量%(好ましくは、0.01〜0.03重量%)、乳酸を0.001〜0.15重量%(好ましくは、0.01〜0.1重量%)、クエン酸及び/又はリンゴ酸を0.05〜0.3重量%(0.1〜0.25重量%)含有する処理液であれば良く、その調製の方法は特に限定されない。例えば、有効成分(原料)を各々海水に直接添加溶解するか、若しくは、各有効成分を配合した2種以上の製剤を併用して海水希釈する調製の方法も可能である。この様に調製した上述の有効成分濃度で構成される処理液は、養殖海苔に感染した雑菌および雑藻に対し共に有効な駆除作用を示し、更には、再感染及び再付着の軽減効果が得られる。また、この処理液には、有効成分以外の酸成分(上記例示)を0.5重量%以下(イタコン酸以外の酸成分濃度として)、栄養成分を0.1重量%以下(好ましくは0.05重量%以下、より好ましくは0.02%以下)含むことができる。

0020

以上説明した本発明に係わる処理液を使用して養殖海苔を処理する方法としては、海苔又は海苔が付着した海苔網などの養殖具を3〜20分間浸漬するものである。浸漬時間が3分未満の場合、赤腐れ菌及び珪藻に対する十分な効果が得られず、また20分を超える場合、海苔葉体に悪影響(海苔の傷害)を与えることがあるために、いずれの場合も好ましくないからである。そして、浸漬時間5〜15分がこれら両方の点より最も効果的で、作業の効率面でも優れており、好ましい処理方法である。

0021

以下、本発明に係る養殖海苔用処理剤の配合例、及び該処理剤を用いて調製する処理液の試験例を示す。なお、配合例、試験例で示す濃度単位(%)は、重量%を意味する。

0022

<配合例1>
イタコン酸5gを精製水95gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0023

<配合例2>
(88%)乳酸5gを精製水95gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0024

<配合例3>
(88%)乳酸20gを精製水80gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0025

<配合例4>
クエン酸(結晶)10g、リンゴ酸10gを精製水80gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0026

<配合例5>
イタコン酸5g、(88%)乳酸5gを精製水90gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0027

<配合例6>
イタコン酸5g、クエン酸(結晶)10g、リンゴ酸10gを精製水75gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0028

<配合例7>
(88%)乳酸5g、クエン酸(結晶)10g、リンゴ酸10gを精製水75gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0029

<配合例8>
イタコン酸5g、(88%)乳酸5g、クエン酸(結晶)10gを精製水80gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0030

<配合例9>
イタコン酸5g、(88%)乳酸5g、リンゴ酸10gを精製水80gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0031

<配合例10>
イタコン酸5g、(88%)乳酸5g、クエン酸(結晶)10g、(75%)リン酸12g、塩化アンモニウム1gを精製水67gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0032

<配合例11>
イタコン酸5g、(88%)乳酸5g、クエン酸(結晶)10g、リンゴ酸10g、(75%)リン酸12g、塩化アンモニウム1gを精製水67gに添加して溶解、均一に混合して処理剤とした。

0033

〔試験例1:比較例1〜7、実施例1〜4〕
上記の配合例1〜7及び8〜11の処理剤を海水で100倍希釈して、比較例1〜7及び実施例1〜4の処理液を調製した。これらの処理液に赤腐れ菌に感染した海苔葉体と珪藻が付着した海苔葉体をそれぞれ5分間浸漬後、海水で洗浄し、赤腐れ菌と珪藻の駆除効果、海苔葉体の傷害を、顕微鏡観察により、以下の様な判定基準でそれぞれ評価した。
・[赤腐れ菌の駆除評価]:
海苔葉体に感染した赤腐れ菌は完全に駆除出来ないと養殖の継続が不可となる可能性が大きい為、完全駆除(100%駆除)の可否(完全駆除可◎、完全駆除不可×)で判定し、「完全駆除で有効性あり」と評価判断した。
・[珪藻の駆除評価]:
海苔葉体に付着した珪藻は、駆除率によって4段階(駆除95%以上◎、駆除80〜95%○、駆除40〜80%△、駆除40%未満×)で判定し、「80%以上の駆除で有効性あり」と評価判断した。
・[海苔の傷害評価]:
海苔葉体は、細胞の傷害率によって4段階(傷害5%未満◎、傷害5〜20%○、傷害20〜30%△、傷害30%以上×)で判定し、「20%未満の傷害で有効性あり」と評価判断した。

0034

そして、上記の赤腐れ菌駆除、珪藻駆除、海苔傷害の何れかに最低判定(×)があったものを除いて、処理後の海苔葉体は、赤腐れ菌が感染した別の海苔葉体、若しくは、珪藻が付着した別の海苔葉体と同一ポットで3日間培養した後に顕微鏡観察して、赤腐れ菌の再感染、若しくは、珪藻の再付着について以下の様な判定基準でそれぞれ評価した。
・〔赤腐れ菌の再感染評価〕:
赤腐れ菌の再感染は、再感染率によって4段階(再感染20%未満◎、再感染20〜40%○、再感染40〜70%△、再感染70%以上×)で判定し、「40%未満の再感染で有効性あり」と評価判断した。
・〔珪藻の再付着評価〕:
珪藻の再付着は、再付着率によって4段階(再付着20%未満◎、再付着20〜40%○、再付着40〜70%△、再付着70%以上×)で判定し、「40%未満の再付着で有効性あり」と評価判断した。
この試験1に於ける赤腐れ菌、珪藻の駆除効果、海苔葉体の傷害、及び赤腐れ菌と珪藻の再感染と再付着の結果を表1に記載した(途中除外した箇所は、「−」で表記した)。

0035

0036

<配合例12〜18>
(88%)乳酸5g、クエン酸(結晶)10g、リンゴ酸10gに対し、イタコン酸の量を0.1、0.5、1、3、5、7、10gと変えて配合し、精製水で全量を100gとして溶解、均一混合して7種類の処理剤を製造した(各々、配合例12〜18)。

0037

〔試験例2:比較例8〜10、実施例5〜8〕
上記の配合例12〜18の処理剤を海水で100倍希釈して、比較例8、実施例5〜8、比較例9、10の処理液を調製し、上記試験1と同様な方法で、赤腐れ菌、珪藻の駆除効果、海苔葉体の傷害、及び赤腐れ菌と珪藻の再感染と再付着を調査した。表2に、評価の結果を記載した(表中の酸成分濃度は、処理液中の濃度値を示す)。

0038

0039

<配合例19〜24>
イタコン酸2g、クエン酸(結晶)10g、リンゴ酸10gに対し、(88%)乳酸の量を0.06、0.1、1、10、17、20gと変えて配合し、精製水で全量を100gとして溶解、均一混合して6種類の処理剤を製造した(各々、配合例19〜24)。

0040

〔試験例3:比較例11、12、実施例9〜12〕
上記の配合例19〜24の処理剤を海水で100倍希釈して、比較例11、実施例9〜12、比較例12の処理液を調製し、上記試験1と同様な方法で、赤腐れ菌、珪藻の駆除効果、海苔葉体の傷害、及び赤腐れ菌と珪藻の再感染と再付着を調査した。表3に、評価の結果を記載した(表中の酸成分濃度は、処理液中の濃度値を示す)。

0041

0042

<配合例25〜30>
イタコン酸2g、(88%)乳酸5gに対し、クエン酸(結晶)の量を1、5、10、25、30、35gと変えて配合し、精製水で全量を100gとして溶解、均一混合して6種類の処理剤を製造した(各々、配合例25〜30)。

0043

〔試験例4:比較例13、14、実施例13〜16〕
上記の配合例25〜30の処理剤を海水で100倍希釈して、比較例13、実施例13〜16、比較例14の処理液を調製し、上記試験1と同様な方法で、赤腐れ菌、珪藻の駆除効果、海苔葉体の傷害、及び赤腐れ菌と珪藻の再感染と再付着を調査した。表4に、評価の結果を記載した(表中の酸成分濃度は、処理液中の濃度値を示す)。

実施例

0044

0045

本発明によれば、周囲の環境や海苔葉体に悪影響を与えることがなく、海苔に感染した赤腐れ病菌などの雑菌や海苔に付着した珪藻などの雑藻を共に駆除でき、更に、赤腐れ菌の再感染や珪藻の再付着を軽減する養殖海苔用処理剤並びに養殖海苔用処理液及び養殖海苔の処理方法を提供できるようになる為、従来使用されている浸漬処理(装置)に利用可能であり、その結果、海苔養殖に於ける産業的な安定生産が確保され得る。

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