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技術 二酸化炭酸の吸収分離方法、及び二酸化炭素吸収分離剤

出願人 株式会社東芝
発明者 近藤亜里加藤康博今田敏弘村松武彦渡戸裕子斎藤聡
出願日 2009年1月16日 (11年10ヶ月経過) 出願番号 2009-007543
公開日 2010年7月29日 (10年4ヶ月経過) 公開番号 2010-163327
状態 特許登録済
技術分野 廃ガス処理 吸収による気体分離 水処理一般 炭素・炭素化合物
主要キーワード 検討範囲 炭酸ガス濃度計 化学吸収剤 エネルギープラント 吸収割合 分離促進 炭酸ガス吸着剤 耐食鋼
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年7月29日)のものです。
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課題

吸収した炭酸ガス、すなわち二酸化炭素を放出して回収する際に要するエネルギーを低減することができる、二酸化炭素吸収分離方法及び二酸化炭素吸収分離剤を提供する。

解決手段

塩基性水溶液及び酵素を含む二酸化炭素吸収分離剤を準備し、少なくとも二酸化炭素を含有するガスを前記塩基性水溶液に接触させて二酸化炭素を吸収させた後、前記塩基性水溶液を酵素と接触させ、前記塩基性水溶液から二酸化炭素を分離及び放出させる。

概要

背景

昨今の地球温暖化問題への関心および規制強化背景を受けて、石炭火力発電所からの炭酸ガス排出量の削減は急務となっている。そこで、炭酸ガス排出量の削減方法として発電所高効率化による排出量の低減と共に、化学吸収剤による炭酸ガス回収が大きな注目を浴びている。

具体的な吸収剤としては、アミンによる吸収が古くから研究されている(例えば、特許文献1)。この場合、例えば、炭酸ガスを含むガス吸収塔内アルカノールアミン水溶液と接触させて炭酸ガスを吸収させた後、その炭酸ガス吸収液を加熱して脱離塔で炭酸ガスを脱離回収させる。

ここでアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジイソロバノールアミン(DIPA)、ジグリコールアミン(DGA)などが知られているが、通常モノエタノールアミンが用いられている。

しかしながら、例えばMEA等のアルカノールアミンの水溶液を吸収液として用いた場合、単位体積あたりの炭酸ガス吸収容量はすぐれているものの、装置の材質腐食性が高いため、装置に高価な耐食鋼を用いる必要があったり、吸収液中アミン濃度をさげる必要があったりした。また、吸収した炭酸ガスを脱離しにくいために、脱離の温度を120℃と高い温度に加熱して脱離、回収する必要がある。

一方、このような高温による加熱処理による脱離には、多大のエネルギーを必要とするため、省エネルギー及び省資源が求められる時代においては適合せず、実用化を阻む大きな要因となっている。

上記問題を解決すべく、アルカノールアミンに対してピペラジンを加えた多種のアミンの混合物炭酸ガス吸収剤として用いたり(特許文献2)、同様にアルカノールアミンに対して低級アルキルピペラジンを加えた混合物を炭酸ガス吸収剤として用いたりすることが試みられている(特許文献3)。また、ビニルアミンポリビニルアミンとの架橋重合体炭酸ガス吸着剤として用いることが試みられている(特許文献4)。

これらの方法によれば、炭酸ガス吸収剤に吸収された炭酸ガスを脱離する際の加熱処理温度を70℃〜90℃程度まで低減することができる。しかしながら、前記加熱処理は、炭酸ガスを吸収した吸収剤の全体に対して実施する必要があり、したがって、加熱処理温度を低減することはできても、前記加熱処理には依然として多大のエネルギーを必要としていた。

概要

吸収した炭酸ガス、すなわち二酸化炭素を放出して回収する際に要するエネルギーを低減することができる、二酸化炭素吸収分離方法及び二酸化炭素吸収分離剤を提供する。塩基性水溶液及び酵素を含む二酸化炭素吸収分離剤を準備し、少なくとも二酸化炭素を含有するガスを前記塩基性水溶液に接触させて二酸化炭素を吸収させた後、前記塩基性水溶液を酵素と接触させ、前記塩基性水溶液から二酸化炭素を分離及び放出させる。なし

目的

本発明は、上述した問題に鑑み、吸収した炭酸ガス、すなわち二酸化炭素を放出して回収する際に要するエネルギーを低減することができる、二酸化炭素吸収分離方法及び二酸化炭素吸収分離剤を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

少なくとも二酸化炭素を含有するガス塩基性水溶液に接触させて二酸化炭素を吸収させるステップと、前記塩基性水溶液を酵素と接触させ、前記塩基性水溶液から二酸化炭素を分離及び放出させるステップと、を具えることを特徴とする、二酸化炭素の吸収分離方法

請求項2

前記塩基性水溶液のpH値が11以上であることを特徴とする、請求項1に記載の二酸化炭素の吸収分離方法。

請求項3

前記酵素は、タンパク質ペプチド結合を切断することによってタンパク質の分解を行うタンパク質分解酵素であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二酸化炭素吸収分離方法。

請求項4

前記酵素は、担体担持されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の二酸化炭素の吸収分離方法。

請求項5

前記担体は、多孔質膜及び粒子の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項4に記載の二酸化炭素の吸収分離方法。

請求項6

前記多孔質膜及び前記粒子は非水溶性であることを特徴とする、請求項5に記載の二酸化炭素の吸収分離方法。

請求項7

前記塩基性水溶液の二酸化炭素分離時の温度が、25℃〜70℃の範囲であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の二酸化炭素の吸収分離方法。

請求項8

塩基性水溶液と、酵素とを含むことを特徴とする、二酸化炭素吸収分離剤

請求項9

前記塩基性水溶液のpH値が11以上であることを特徴とする、請求項8に記載の二酸化炭素吸収分離剤。

請求項10

前記酵素は、タンパク質のペプチド結合を切断することによってタンパク質の分解を行うタンパク質分解酵素であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の二酸化炭素吸収分離剤。

請求項11

前記酵素は、担体に担持されていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一に記載の二酸化炭素吸収分離剤。

請求項12

前記担体は、多孔質膜及び粒子の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項11に記載の二酸化炭素吸収分離剤。

請求項13

前記多孔質膜及び前記粒子は非水溶性であることを特徴とする、請求項12に記載の二酸化炭素吸収分離剤。

技術分野

0001

本発明は、二酸化炭素の吸収分離方法及び二酸化炭素吸収分離剤に関する。より詳細には、石炭火力発電所等の炭化水素を主成分とする原料燃料を利用するエネルギープラント化学プラントから発生する排気ガス自動車等から発生する排気ガス、原料ガス燃料ガス中の二酸化炭素を回収するための二酸化炭素の吸収分離方法及び二酸化炭素吸収分離剤に関する。

背景技術

0002

昨今の地球温暖化問題への関心および規制強化背景を受けて、石炭火力発電所からの炭酸ガス排出量の削減は急務となっている。そこで、炭酸ガス排出量の削減方法として発電所高効率化による排出量の低減と共に、化学吸収剤による炭酸ガスの回収が大きな注目を浴びている。

0003

具体的な吸収剤としては、アミンによる吸収が古くから研究されている(例えば、特許文献1)。この場合、例えば、炭酸ガスを含むガス吸収塔内アルカノールアミン水溶液と接触させて炭酸ガスを吸収させた後、その炭酸ガス吸収液を加熱して脱離塔で炭酸ガスを脱離回収させる。

0004

ここでアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジイソロバノールアミン(DIPA)、ジグリコールアミン(DGA)などが知られているが、通常モノエタノールアミンが用いられている。

0005

しかしながら、例えばMEA等のアルカノールアミンの水溶液を吸収液として用いた場合、単位体積あたりの炭酸ガス吸収容量はすぐれているものの、装置の材質腐食性が高いため、装置に高価な耐食鋼を用いる必要があったり、吸収液中アミン濃度をさげる必要があったりした。また、吸収した炭酸ガスを脱離しにくいために、脱離の温度を120℃と高い温度に加熱して脱離、回収する必要がある。

0006

一方、このような高温による加熱処理による脱離には、多大のエネルギーを必要とするため、省エネルギー及び省資源が求められる時代においては適合せず、実用化を阻む大きな要因となっている。

0007

上記問題を解決すべく、アルカノールアミンに対してピペラジンを加えた多種のアミンの混合物炭酸ガス吸収剤として用いたり(特許文献2)、同様にアルカノールアミンに対して低級アルキルピペラジンを加えた混合物を炭酸ガス吸収剤として用いたりすることが試みられている(特許文献3)。また、ビニルアミンポリビニルアミンとの架橋重合体炭酸ガス吸着剤として用いることが試みられている(特許文献4)。

0008

これらの方法によれば、炭酸ガス吸収剤に吸収された炭酸ガスを脱離する際の加熱処理温度を70℃〜90℃程度まで低減することができる。しかしながら、前記加熱処理は、炭酸ガスを吸収した吸収剤の全体に対して実施する必要があり、したがって、加熱処理温度を低減することはできても、前記加熱処理には依然として多大のエネルギーを必要としていた。

先行技術

0009

特開平3−151015号
特開2006−240966号
WO99/51326号
特開平6−190235号

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、上述した問題に鑑み、吸収した炭酸ガス、すなわち二酸化炭素を放出して回収する際に要するエネルギーを低減することができる、二酸化炭素吸収分離方法及び二酸化炭素吸収分離剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の一態様は、少なくとも二酸化炭素を含有するガスを塩基性水溶液に接触させて二酸化炭素を吸収させるステップと、前記塩基性水溶液を酵素と接触させ、前記塩基性水溶液から二酸化炭素を分離及び放出させるステップと、を具えることを特徴とする、二酸化炭素の吸収分離方法に関する。

0012

また、本発明の一態様は、塩基性水溶液と、酵素と含むことを特徴とする、二酸化炭素吸収分離剤に関する。

発明の効果

0013

本発明によれば、吸収した炭酸ガス、すなわち二酸化炭素を放出して回収する際に要するエネルギーを低減することができる、二酸化炭素吸収分離方法及び二酸化炭素吸収分離剤を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下に、本発明の内容を詳細に示す。

0015

(二酸化炭素吸収分離剤)
最初に、本発明の二酸化炭素吸収分離方法に使用する、二酸化炭素吸収分離剤について説明する。上述したように、前記分離剤は、塩基性水溶液と酵素とを含む。以下、それぞれの構成要素について説明する。

0016

<塩基性水溶液>
本態様における塩基性水溶液は、二酸化炭素を、化学反応等を通じて吸収できれば特に限定されるものではないが、一般には塩基性有機化合物、具体的には有機塩基を有する有機化合物を水に溶解させることによって形成する。

0017

このような有機化合物としては、脂肪族第1アミン、脂肪族第2アミン、脂肪族第3アミン、これらの水和物、水酸化第4アンモニウム、あるいはこれらのうちから選択された2種以上の混合物等を例示することができる。また、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ピペラジン、トリメチルアミン、トリメチルアミンハイドレード等を例示することができる。

0018

これらの有機化合物は、水中に溶解した際に比較的高いpH値を示し、二酸化炭素に対して高い吸収特性を示す。

0019

なお、上記塩基性水溶液のpH値は11以上であることが好ましい。この場合、特に理由は明確でないが、前記塩基性水溶液中への二酸化炭素の吸収割合が増大する。

0020

また、上記pH値を実現するためには、前記塩基性水溶液中への前記有機化合物の含有量を例えば20重量%〜80重量%とすることによって達成できるが、必要に応じてpH調節剤等を用いることができる。

0021

さらに、上記二酸化炭素は、例えばエネルギープラントからの排ガス中に含まれるものであるので、前記二酸化炭素以外にも種々の有害ガス等を含む場合がある。したがって、前記塩基性水溶液中には、前記有毒ガスによる前記塩基性使用液の二酸化炭素吸収能が損なわれず、その塩基性を十分に担保できるように含窒素化合物酸化防止剤等その他化合物を任意の割合で含有していても構わない。

0022

<酵素>
本態様における酵素は、タンパク質分解酵素であって、タンパク質ペプチド結合を切断することによってタンパク質の分解を行うような酵素であることが必要である。

0023

上述したように、上記塩基性水溶液は、二酸化炭素の吸収に寄与するものであるが、前記酵素は、前記塩基性水溶液で二酸化炭素を吸収した後に、前記二酸化炭素の分離を促進させるためのものである。

0024

本発明者らは、二酸化炭素を放出して回収する際に要するエネルギーを低減すべく鋭意検討を実施し、膨大な実験を行う中で当該二酸化炭素の吸収に関係する分野とは全く異なる分野である生化学関連の分野まで検討範囲を拡大した。その結果、タンパク質のペプチド結合を切断するような酵素が、上述のように塩基性水溶液が吸収した二酸化炭素の分離に寄与することを見出したものである。

0025

前記酵素による二酸化炭素分離の促進原理については未だ完全には解明されていないが、例えば、塩基性水溶液がアミノ基含有有機化合物を含むような場合において、以下の(1)式に示すような反応式に基づいて、前記有機化合物が二酸化炭素と反応してアミド化合物を形成した後、以下の(2)式に示すような反応式に基づいて前記アミド化合物のアミド結合分断し、二酸化炭素を分離することが考えられる。

0026

0027

0028

したがって、このような反応過程を鑑みると、上記酵素はアミド結合加水分解酵素として考えることができる。但し、上記説明はあくまで本発明者らの考察によるものであって、実際の二酸化炭素の分離促進が異なる原理で生じるとしても、上述した酵素を用いる限り、上記塩基性水溶液に吸収された二酸化炭素の分離を促進することには代わりが無い。結果として、本発明の成立性を否定するものではない。

0029

上述した酵素としては、例えばプロテアーゼペプチダーゼが挙げられる。

0030

市販のプロテアーゼ及びペプチターゼとしては、プロテアーゼS「アマノ」G(登録商標)、プロテアーゼA「アマノ」G(登録商標)、プロテアーゼM「アマノ」G(登録商標)、プロテアーゼP「アマノ」3G(登録商標)、プロテアーゼN「アマノ」G(登録商標)、ニューラーゼF3G(登録商標)、プロレザ—FG—F(登録商標)、パパインW—40(登録商標)、ペプチダーゼR(登録商標)、ウマミザイムG(登録商標)、ブロメラインF(登録商標)(全て天野エンザイム株式会社より入手可能)が挙げられる。

0031

また、その他の市販のプロテアーゼには、プロチンSD−AY10(登録商標)、プロチンSD−AC10F(登録商標)、プロチンSD−PC10F(登録商標)、プロチンSD−NY10(登録商標)、サモアーゼPC10F(登録商標)(全て大和化成株式会社より入手可能)が挙げられる。

0032

さらに、その他の市販のプロテアーゼには、Esperase(登録商標), Alcalase(登録商標), Neutrase(登録商標), Durazym(登録商標), Savinase(登録商標), Pyrase(登録商標)、脾臓トリプシンNOVO(PTN), Bio-Feed(登録商標) Pro及びClear-Lens(登録商標) Pro (全てNovo Nordisk A/S,Bagsvaerd, Denmarkより入手可能)が挙げられる。

0033

その他の市販のプロテアーゼには、Maxatase(登録商標),Maxacal(登録商標),Maxapem(登録商標),Opticlean(登録商標)及びPurafect(登録商標)(全てGenencor International Inc. 又はGist-Brocades より入手可能)が挙げられる。

0034

なお、上記酵素は、例えば上記塩基性水溶液中に0.5重量部〜5重量部の割合で含有させることが好ましい。0.5重量部未満であると、前記酵素の作用効果を十分に奏することができず、5重量部を超えても二酸化炭素の分離促進の効果を向上させることができず、逆に酵素の使用量増大によって二酸化炭素の分離に伴うコスト高が増大してしまうという問題がある。

0035

なお、上記酵素は上記塩基性水溶液中に直接投入して含有させることもできるが、好ましくは、担体担持させた状態で前記塩基性水溶液中に投入する、又は前記担体として独立させ、例えばフィルタとして存在させることもできる。

0036

このように、前記酵素を担体に担持させることによって、前記酵素のハンドリングが容易になる。また、特に前記担体を非水溶性のものから構成すれば、前記酵素及び前記担体の双方の再利用することができ、二酸化炭素の分離に伴うコストを低減することができる。

0037

前記担体としては、例えば多孔質膜及び粒子等を用いることができる。なお、前記多孔質膜の孔径や前記粒子の大きさについては、使用する酵素の種類、担体の構成材料及び以下に説明する担持方法等に依存して適宜決定する。また、前記担体を前記多孔質膜から構成することによって、上述したように、前記酵素を担持させた状態で前記担体自体をフィルタとして使用することもできる。

0038

担持方法としては、汎用の方法を用いることができ、共有結合物理的吸着イオン結合などにより担体に固定化する担体結合法二官能性あるいは担官能性試薬架橋して不溶化する架橋法低分子化合物重合あるいは会合させるか、高分子化合物を可溶の状態から不溶の状態に移すことによって生ずる高分子ゲル、μカプセルリポソームミセルなどに包み込んだり、中空繊維限外濾過膜閉じ込め包括法がある(酵素工学概論バイオテクノロジー教科書シリーズ8、田中渥夫著、コロナ社刊参照)。

0040

(二酸化炭素吸収分離方法)
次に、上述した二酸化炭素吸収分離用溶液を用いた二酸化炭素の吸収分離方法について説明する。

0041

最初に、上述した塩基性水溶液を準備し、この塩基性水溶液に対して少なくとも二酸化炭素を含むガスを接触させ、例えば(1)式に示すような反応式に基づいて前記二酸化炭素を吸収する。この際、前記ガスと、前記塩基性水溶液とが接触することができればよく、例えば、気泡攪拌槽気泡塔によるガス分散吸収装置スプレー塔噴霧室スクラバー濡れ壁塔充填塔による液分散型吸収装置等、既存の炭酸ガス吸収設備を用いることができる。炭酸ガスの吸収効率の観点から、充填材充填した炭酸ガス吸収塔を用いた吸収が好ましい。

0042

次いで、上記塩基性水溶液中に、例えば担体に担持させた状態で酵素を含有させ、前記塩基性水溶液を加熱することによって、前記塩基性水溶液中に吸収された二酸化炭素を放出する。なお、この際の温度は、吸収速度、及び吸収効率の観点から25℃〜70℃であることが好ましい。すなわち、本態様によれば、このような低温度において吸収した二酸化炭素を放出することができ、従来のような二酸化炭素の放出に必要な120℃程度の温度に比較して、十分に低温化することができる。したがって、吸収した二酸化炭素の分離に要するエネルギーを十分に低減することができる。

0043

また、上述のように、前記酵素を含む前記担体を別途独立したフィルタとして用いるような場合は、同様に前記塩基性水溶液を例えば25℃〜70℃の範囲に加熱した状態で、前記フィルタを通過させることによって、吸収した二酸化炭素の分離及び放出を行う。

0044

以下に実施例を示す。

0045

(実施例1)
モノエタノールアミン5mol/L水溶液を塩基性水溶液とした。この塩基性水溶液を30℃に設定し、二酸化炭素を流速1L/minで通気し、約30分吸収させた。その後、前記塩基性水溶液を40℃とし、プロテアーゼM「アマノ」Gをポリビニルアルコールに対して0.5重量%担持させた膜中に通過させ、二酸化炭素の分離放出を行った。なお、炭酸ガス放出量炭酸ガス濃度計を用いて行った。30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約60%を分離し、放出していることが判明した。

0046

(実施例2)
プロテアーゼM「アマノ」Gに代えてプロテアーゼP「アマノ」3Gを用いた以外は、実施例1と同様にして二酸化炭素の吸収及び分離を実施した。その結果、30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約70%を分離し、放出していることが判明した。

0047

(実施例3)
プロテアーゼM「アマノ」Gのポリビニルアルコールに対する担持量を0.5重量%から5重量%に増大させた以外は、実施例1と同様にして二酸化炭素の吸収及び分離を実施した。その結果、30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約75%を分離し、放出していることが判明した。

0048

(実施例4)
プロテアーゼM「アマノ」Gに代えてペプチダーゼRを用いた以外は、実施例1と同様にして二酸化炭素の吸収及び分離を実施した。その結果、30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約60%を分離し、放出していることが判明した。

0049

(実施例5)
プロテアーゼM「アマノ」Gに代えてプロテアーゼP「アマノ」3Gを用いた以外は、実施例1と同様にして二酸化炭素の吸収及び分離を実施した。その結果、30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約50%を分離し、放出していることが判明した。

0050

(実施例6)
プロテアーゼM「アマノ」Gのポリビニルアルコールに対する担持量を0.5重量%から5重量%に増大させた以外は、実施例1と同様にして二酸化炭素の吸収及び分離を実施した。その結果、30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約50%を分離し、放出していることが判明した。

0051

(実施例7)
プロテアーゼM「アマノ」Gに代えてペプチダーゼRを用いた以外は、実施例2と同様にして二酸化炭素の吸収及び分離を実施した。その結果、30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約45%を分離し、放出していることが判明した。

0052

(比較例1)
プロテアーゼM「アマノ」Gをポリビニルアルコールに対して0.5重量%担持させた膜を用いることなく、実施例1と同様にして二酸化炭素の吸収及び分離を実施した。その結果、30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約20%を分離し、放出していることが判明した。

0053

(比較例2)
プロテアーゼM「アマノ」Gをポリビニルアルコールに対して0.5重量%担持させた膜を用いることなく、実施例5と同様にして二酸化炭素の吸収及び分離を実施した。その結果、30分後の時点で吸収した二酸化炭素の内、約40%を分離し、放出していることが判明した。

0054

以上、実施例及び比較例から明らかなように、本発明に従い、塩基性水溶液に対して、タンパク質のペプチド結合を切断するプロテアーゼM「アマノ」G等の酵素を作用させた場合は、約40℃という低い温度かつ30分という短時間において、吸収した二酸化炭素の内、45%以上を放出できることが分かる。一方、上述のような酵素を用いることなく二酸化炭素の分離を実施した場合は、同一の条件下において約40%以下の二酸化炭素しか分離し、放出できないことが分かる。

0055

以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記態様に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変更や変形が可能である。

0056

例えば、上記実施例では、塩基性水溶液を作製するためにモノエタノールアミンを用いているが、上述した脂肪族第1アミン、脂肪族第2アミン、脂肪族第3アミン、これらの水和物、水酸化第4アンモニウム、さらにはジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ピペラジン、トリメチルアミン、トリメチルアミンハイドレード等を用いた場合でも同様の結果が得られる。

0057

すなわち、上記従来技術及び上述した本発明の詳細な説明から明らかなように、本発明は、主として、塩基性水溶液を酵素と接触させ、前記塩基性水溶液から二酸化炭素を分離及び放出させることに特徴がある。したがって、上述した実施例では、入手のし易さ等から前記塩基性水溶液を作製するためにモノエタノールアミンを用いているのであって、前記塩基性水溶液がモノエタノールアミンを含むことを必須の要件とするものではない。

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