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技術 定着装置およびそれを備えた画像形成装置

出願人 シャープ株式会社
発明者 向井崇中村博一
出願日 2008年12月26日 (12年0ヶ月経過) 出願番号 2008-334754
公開日 2010年7月15日 (10年5ヶ月経過) 公開番号 2010-156818
状態 未査定
技術分野 電子写真における定着
主要キーワード 想定誤差 オーバーシュート現象 カム駆動装置 制御用集積回路 金属製芯材 支点部材 外部加熱装置 READY状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年7月15日)のものです。
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図面 (8)

課題

簡単な構成で記録材の厚さにかかわらず皺の発生と定着不良の発生とを防止できる定着装置を提供する。

解決手段

定着ローラ60を、定着ローラ60と加圧ローラ70との間に記録材Pを挿入することによって記録材Pが定着ローラ60および加圧ローラ70に当接することにより、記録材Pの厚さに応じた距離だけ定着ローラ60と加圧ローラ70との間隔が広くなる方向に移動するようにする。

概要

背景

従来より、複写機プリンタ等の電子写真方式画像形成装置において、熱ローラ定着方式やベルト定着方式定着装置が用いられている。

熱ローラ定着方式の定着装置は、互いに圧接されたローラ対定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録材をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像定着を行うようになっている。

また、ベルト定着方式の定着装置は、定着ローラとテンションローラとに定着ベルト張架し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させ、定着ベルトを所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録材を定着ベルトと加圧ローラとの圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像の定着を行うようになっている。

例えば、特許文献1には、ベルト定着方式の定着装置において、記録材の厚さにかかわらず未定着トナーを確実に加熱するために、定着ニップ部のニップ幅可変とし、記録材の厚さが厚いほどニップ幅を広くすることが記載されている。
特開2001−249569号公報(公開日:平成13年9月14日)

概要

簡単な構成で記録材の厚さにかかわらず皺の発生と定着不良の発生とを防止できる定着装置を提供する。定着ローラ60を、定着ローラ60と加圧ローラ70との間に記録材Pを挿入することによって記録材Pが定着ローラ60および加圧ローラ70に当接することにより、記録材Pの厚さに応じた距離だけ定着ローラ60と加圧ローラ70との間隔が広くなる方向に移動するようにする。

目的

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で記録材の厚さにかかわらず皺の発生と定着不良の発生とを防止できる定着装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

回転可能に備えられた定着部材および加圧部材と、上記定着部材を加熱する加熱手段とを備え、上記定着部材と上記加圧部材との間に挿入される記録材を上記定着部材と上記加圧部材とで挟持しながら搬送することによって上記記録材上の未定着画像を熱と圧力によってこの記録材に定着させる定着装置であって、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方は、上記記録材が当接することによってこの記録材の厚さに応じた距離だけ上記定着部材と上記加圧部材との間隔が広くなる方向に移動することを特徴とする定着装置。

請求項2

上記定着部材および上記加圧部材のうち上記記録材が当接することによって移動する部材は回転するローラ部材を有し、このローラ部材の回転軸方向の両端側に軸受部材を備えており、上記軸受部材を、上記定着部材および上記加圧部材に対する上記記録材の当接の有無に応じて上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向に所定範囲内で移動可能なように支持する支持部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。

請求項3

上記定着部材および上記加圧部材のうち上記記録材が当接することによって移動する部材を、上記定着部材と上記加圧部材との間隔が狭くなる方向に付勢する付勢手段を備えており、上記定着部材および上記加圧部材のうち上記記録材が当接することによって移動する部材は、上記記録材が当接することによって上記付勢手段の付勢力打ち勝って上記定着部材と上記加圧部材との間隔が広くなる方向に移動することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。

請求項4

上記付勢手段は、上記定着部材または上記加圧部材に当接して当該部材の表面を加熱する外部加熱装置であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。

請求項5

上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方のみが、上記記録材が当接することによって移動するようになっており、上記定着部材および上記加圧部材のうち記録材が当接しても移動しない方は、上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を段階的または連続的に変更可能に設けられており、上記記録材が上記定着部材と上記加圧部材との間に挿入されるよりも前に上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を設定され、上記記録材が当接しても移動しないように支持されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。

請求項6

上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方は、回転軸方向の両端側に軸受部材を備えており、上記軸受部材に対して上記定着部材および上記加圧部材のうちの他方から遠い側から当接するアーム部材と、上記アーム部材の一端を回転可能に軸支する支点部材と、上記アーム部材の他端を上記定着部材および上記加圧部材のうちの他方側へ付勢するアーム付勢部材と、上記アーム部材における上記軸受部材に当接する側の面に当接する偏心カムとを備え、上記偏心カムを回転させてこの偏心カムにおける上記アーム部材に対する当接位置を変化させることにより、上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方における上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を変更させることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。

請求項7

上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方を回転させる回転駆動装置と、上記偏心カムを回転させるカム駆動装置とを備え、上記回転駆動装置および上記カム駆動装置は、共通の駆動源から供給される駆動力を用いて上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方と上記偏心カムとを回転させることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。

請求項8

定着処理を行う記録材の厚さに応じて選択される複数の処理モードを有しており、選択された処理モードに応じて、上記記録材を上記定着部材と上記加圧部材との間に挿入する前に、上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方における上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を設定する制御部を備えていることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の定着装置。

請求項9

上記定着部材および上記加圧部材は、これら両部材間に記録材を挿入していないときの位置が一定であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。

請求項10

定着処理を行う記録材の厚さに応じて選択される複数の処理モードを有しており、所定の厚さ以下の記録材に対応する処理モードが選択された場合、上記定着部材および上記加圧部材は、上記記録材が当接しても移動しないことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の定着装置。

請求項11

定着処理を行う記録材の厚さに応じて選択される複数の処理モードを有しており、所定の厚さ以上の記録材に対応する処理モードが選択された場合、上記定着部材と上記加圧部材との間に記録材を挿入していない状態では上記定着部材と上記加圧部材との間に押圧力が作用しないことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の定着装置。

請求項12

上記定着部材は、ローラ部材、または複数の懸架ローラ懸架されたベルト部材であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の定着装置。

請求項13

請求項1から12のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、電子写真方式画像形成装置に備えられる定着装置、およびそれを備えた画像形成装置に関するものである。

背景技術

0002

従来より、複写機プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置において、熱ローラ定着方式やベルト定着方式の定着装置が用いられている。

0003

熱ローラ定着方式の定着装置は、互いに圧接されたローラ対定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録材をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像定着を行うようになっている。

0004

また、ベルト定着方式の定着装置は、定着ローラとテンションローラとに定着ベルト張架し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させ、定着ベルトを所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録材を定着ベルトと加圧ローラとの圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像の定着を行うようになっている。

0005

例えば、特許文献1には、ベルト定着方式の定着装置において、記録材の厚さにかかわらず未定着トナーを確実に加熱するために、定着ニップ部のニップ幅可変とし、記録材の厚さが厚いほどニップ幅を広くすることが記載されている。
特開2001−249569号公報(公開日:平成13年9月14日)

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1の技術では、封筒等の厚さの厚い記録材に対して定着処理を行う場合に、記録材に皺が生じたり定着不良が生じたりしやすいという問題があった。

0007

具体的に説明すると、特許文献1の技術では、記録材の厚さに応じて定着ニップ幅設定値厚紙モード、普通紙モード、および薄紙モードの3段階に切り替えることが記載されているものの、(i)各部材の寸法精度や組立精度にはばらつきがあること、および(ii)定着ローラの温度条件に応じてニップ幅は変動することなどから、定着ニップ幅を各記録材の厚さに適した幅に厳密に制御することは困難である。

0008

上記(ii)の問題についてより詳細に説明すると、定着ローラは、一般に、芯金と、芯金の周囲に設けられた弾性体層と、芯金の内部に設けられたハロゲンランプ等の発熱部材とを備えている。そして、弾性体層の熱伝導率は比較的低いことから、発熱部材から熱が発散されてから芯金および弾性体層を介して定着ローラの表面に伝わるまでには時間差がある。このため、画像形成装置の電源投入した直後からのウォーミングアップ動作終了時に定着ローラの表面温度目標温度に到達した時点で発熱部材の発熱を停止させると、芯金の温度は定着ローラの表面温度よりも高くなっており、この芯金の熱が弾性体層の表面に伝熱して表面温度は目標温度よりも高くなる(所謂オーバーシュート現象)。一方、ウォーミングアップ動作が終了して定着ローラの表面温度を所定温度に維持するREADY状態スタンバイ状態)に移行してからある程度の時間が経過すると、芯金および弾性体層の温度は定常状態となり略同様になる。したがって、ウォーミングアップ動作の終了直後とREADY状態に移行してからある程度の時間が経過した後とでは、定着ローラの表面温度が同じであっても芯金の温度が異なっており、定着ローラの熱膨張量が異なることから、定着ローラの寸法が異なる。このため、定着ローラの温度条件に応じて定着ニップ幅は変動するのである。

0009

このため、図7(a)に示すように、定着ニップ幅の設定値を所定厚さの記録材に対応するように設定しているが実際の定着ニップ幅が設定値よりも狭い場合、あるいは上記所定厚さよりも厚い記録材に定着処理を行う場合などに、記録材に加わるニップ圧力が強くなりすぎて所定の搬送速度で円滑に搬送することが困難になり、記録材に皺が生じてしまう。

0010

また、これとは逆に、図7(b)に示すように、定着ニップ幅の設定値を所定厚さの記録材に対応するように設定しているが実際の定着ニップ幅が設定値よりも広い場合、あるいは上記所定厚さよりも薄い記録材に定着処理を行う場合などに、記録材に加わるニップ圧力が弱くなりすぎて未定着トナー像に適切な熱量を付与できず、低温オフセット等の定着不良が生じてしまう。

0011

これらの問題を抑制するために、実際の定着ニップ幅を検出し、検出結果に応じて定着ニップ幅を微調整する構成にすることが考えられるが、その場合には定着ニップ幅を検出するための検出手段を設ける必要があり、また定着ニップ幅を設定値に一致させるように微調整するための機構を設けたり各部材の寸法精度や組立精度を向上させたりする必要があるので、装置サイズ製造コストの増大を招いてしまう。

0012

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で記録材の厚さにかかわらず皺の発生と定着不良の発生とを防止できる定着装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明の定着装置は、上記の課題を解決するために、回転可能に備えられた定着部材および加圧部材と、上記定着部材を加熱する加熱手段とを備え、上記定着部材と上記加圧部材との間に挿入される記録材を上記定着部材と上記加圧部材とで挟持しながら搬送することによって上記記録材上の未定着画像を熱と圧力によってこの記録材に定着させる定着装置であって、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方は、上記記録材が当接することによってこの記録材の厚さに応じた距離だけ上記定着部材と上記加圧部材との間隔が広くなる方向に移動することを特徴としている。

0014

上記の構成によれば、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方が、上記記録材が当接することによってこの記録材の厚さに応じた距離だけ上記定着部材と上記加圧部材との間隔が広くなる方向に移動する。これにより、記録材の厚さにかかわらず、定着部材と加圧部材とによって記録材に作用するニップ圧力を適正範囲に保つことができ、記録材に作用するニップ圧力が過大になって記録材に皺が生じること、およびニップ圧力が不足して定着不良が生じることを防止できる。また、定着ニップ幅を検出するための検出手段や定着ニップ幅を設定値に一致させるように微調整するための機構を設けたる必要がないので、簡単な構成で皺の発生および定着不良の発生を防止することができる。

0015

また、上記定着部材および上記加圧部材のうち上記記録材が当接することによって移動する部材は回転するローラ部材を有し、このローラ部材の回転軸方向の両端側に軸受部材を備えており、上記軸受部材を、上記定着部材および上記加圧部材に対する上記記録材の当接の有無に応じて上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向に所定範囲内で移動可能なように支持する支持部材を備えている構成としてもよい。

0016

上記の構成によれば、定着部材および加圧部材を、回転可能、かつ上記記録材の当接の有無に応じて上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向に所定範囲内で移動可能なように支持することができる。これにより、記録材の厚さにかかわらず、定着部材と加圧部材とによって記録材に作用するニップ圧力を適正範囲に保つことができ、皺の発生および定着不良の発生を防止できる。

0017

また、上記定着部材および上記加圧部材のうち上記記録材が当接することによって移動する部材を、上記定着部材と上記加圧部材との間隔が狭くなる方向に付勢する付勢手段を備えており、上記定着部材および上記加圧部材のうち上記記録材が当接することによって移動する部材は、上記記録材が当接することによって上記付勢手段の付勢力打ち勝って上記定着部材と上記加圧部材との間隔が広くなる方向に移動することができる。

0018

上記の構成によれば、記録材の当接によって上記定着部材と上記加圧部材との間隔が広くなりすぎることを防止し、上記定着部材と上記加圧部材との間隔を記録材の厚さに応じた間隔に適切に調整することができる。

0019

また、上記付勢手段は、上記定着部材または上記加圧部材に当接して当該部材の表面を加熱する外部加熱装置であってもよい。

0020

上記の構成によれば、外部加熱装置が定着部材または加圧部材の表面を加熱する機能と、上記付勢手段としての機能とを兼ね備えている。したがって、付勢手段を外部加熱装置とは別に設ける場合に比べて、装置構成を簡略化することができる。

0021

また、上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方のみが、上記記録材が当接することによって移動するようになっており、上記定着部材および上記加圧部材のうち記録材が当接しても移動しない方は、上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を段階的または連続的に変更可能に設けられており、上記記録材が上記定着部材と上記加圧部材との間に挿入されるよりも前に上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を設定され、上記記録材が当接しても移動しないように支持される構成としてもよい。

0022

上記の構成によれば、定着部材および加圧部材のうちの一方について、記録材を定着部材と加圧部材との間に挿入する前に定着部材と加圧部材との間隔が変化する方向の位置を設定することで、定着部材と加圧部材との基準となる間隔を記録材の厚さに応じて設定することができる。また、定着部材および加圧部材の他方は、記録材が当接することによってこの記録材の厚さに応じた距離だけ定着部材と加圧部材との間隔が広くなる方向に移動する。これにより、より多様な厚さの記録材に対して、皺および定着不良を発生させることなく定着処理を行うことができる。

0023

また、上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方は、回転軸方向の両端側に軸受部材を備えており、上記軸受部材に対して上記定着部材および上記加圧部材のうちの他方から遠い側から当接するアーム部材と、上記アーム部材の一端を回転可能に軸支する支点部材と、上記アーム部材の他端を上記定着部材および上記加圧部材のうちの他方側へ付勢するアーム付勢部材と、上記アーム部材における上記軸受部材に当接する側の面に当接する偏心カムとを備え、上記偏心カムを回転させてこの偏心カムにおける上記アーム部材に対する当接位置を変化させることにより、上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方における上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を変更させる構成としてもよい。

0024

上記の構成によれば、偏心カムを回転させることにより、上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方における上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を容易に変更することができる。

0025

また、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方を回転させる回転駆動装置と、上記偏心カムを回転させるカム駆動装置とを備え、上記回転駆動装置および上記カム駆動装置は、共通の駆動源から供給される駆動力を用いて上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方と上記偏心カムとを回転させる構成としてもよい。

0026

上記の構成によれば、回転駆動装置の駆動源とカム駆動装置の駆動源とを共通にすることにより、別々の駆動源を用いる場合よりも製造コストおよび装置サイズを低減することができる。

0027

また、定着処理を行う記録材の厚さに応じて選択される複数の処理モードを有しており、選択された処理モードに応じて、上記記録材を上記定着部材と上記加圧部材との間に挿入する前に、上記定着部材および上記加圧部材のうちの一方における上記定着部材と上記加圧部材との間隔が変化する方向の位置を設定する制御部を備えている構成としてもよい。

0028

上記の構成によれば、定着部材および加圧部材のうちの一方について、記録材を定着部材と加圧部材との間に挿入する前に定着部材と加圧部材との間隔が変化する方向の位置を設定することで、定着部材と加圧部材との基準となる間隔を記録材の厚さに応じて設定することができる。また、記録材を挿入することにより、定着部材および加圧部材の他方は、記録材が当接することによってこの記録材の厚さに応じた距離だけ定着部材と加圧部材との間隔が広くなる方向に移動する。これにより、より多様な厚さの記録材に対して、皺および定着不良を発生させることなく定着処理を行うことができる。

0029

また、上記定着部材および上記加圧部材は、これら両部材間に記録材を挿入していないときの位置が一定である構成としてもよい。

0030

上記の構成によれば、両部材間に記録材を挿入していないときの定着部材および加圧部材の位置が一定である構成であっても、記録材の厚さに応じて記録材に作用するニップ圧力が自動的に調整されるので、皺の発生および定着不良の発生を防止できる。

0031

また、定着処理を行う記録材の厚さに応じて選択される複数の処理モードを有しており、所定の厚さ以下の記録材に対応する処理モードが選択された場合、上記定着部材および上記加圧部材は、上記記録材が当接しても移動しない構成としてもよい。

0032

上記の構成によれば、所定の厚さ以下の記録材に対応する定着処理を行う場合には、上記定着部材および上記加圧部材は、上記記録材が当接しても移動しない。これにより、皺および定着不良の発生する危険性が低い薄い記録材については定着部材と加圧部材との相対位置を一定とし、定着処理をより確実に行うことができる。

0033

また、定着処理を行う記録材の厚さに応じて選択される複数の処理モードを有しており、所定の厚さ以上の記録材に対応する処理モードが選択された場合、上記定着部材と上記加圧部材との間に記録材を挿入していない状態では上記定着部材と上記加圧部材との間に押圧力が作用しない構成としてもよい。

0034

上記の構成によれば、記録材の厚さにかかわらず、定着部材と加圧部材とによって記録材に作用するニップ圧力を適正範囲に保つことができ、記録材に作用するニップ圧力が過大になって記録材に皺が生じること、およびニップ圧力が不足して定着不良が生じることを防止できる。

0035

また、上記定着部材は、ローラ部材、または複数の懸架ローラ懸架されたベルト部材であってもよい。すなわち、本発明は、熱ローラ定着方式の定着装置に適用することもでき、ベルト定着方式の定着装置に適用することもできる。

0036

本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの定着装置を備えている。それゆえ、上記した定着装置と同様の効果を奏する。

発明の効果

0037

以上のように、本発明の定着装置は、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方が、上記記録材が当接することによってこの記録材の厚さに応じた距離だけ上記定着部材と上記加圧部材との間隔が広くなる方向に移動する。

0038

それゆえ、記録材の厚さにかかわらず皺の発生と定着不良の発生とを簡単な構成で防止できる。

発明を実施するための最良の形態

0039

本発明の一実施形態について説明する。図2は、本実施形態にかかるカラー画像形成装置(画像形成装置)10の概略構成を示す断面図である。

0040

この図に示すように、このカラー画像形成装置10は、4色の可視像形成ユニット作像ユニット)40(40Y,40M,40C,40B)を記録材Pの搬送路に沿って配列した所謂タンデム式のプリンタである。具体的には、記録材Pの供給トレイ55と定着装置1とを繋ぐ搬送路に沿って記録材Pを搬送する記録材搬送手段50と、上記搬送路に沿って配設された4組の可視像形成ユニット40Y,40M,40C,40Bとを備えている。そして、記録材搬送手段50によって上記搬送路に沿って搬送される記録材Pに、各可視像形成ユニット40Y,40M,40C,40Bによって各色トナー多重転写した後、定着装置1によってトナーを記録材Pに定着させてフルカラー画像を形成するようになっている。

0041

記録材搬送手段50は、駆動ローラ51と、アイドリングローラ52と、これら両ローラによって架張された無端状の搬送ベルト53とを備えている。また、駆動ローラ51を駆動手段(図示せず)によって回転駆動することで、搬送ベルト53を所定の周速度で搬送路に沿って回転させ、搬送ベルト53上に静電吸着させた記録材Pを搬送するようになっている。なお、本実施形態では、記録材の搬送速度、すなわちプロセス速度を113mm/sに設定した。

0042

各可視像形成ユニット40は、感光体ドラム41の周囲に帯電ローラ42,レーザ光照射手段43,現像器44,転写ローラ45,およびクリーナー46を備えている。なお、可視像形成ユニット40Y,40M,40C,40Bの現像器44には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)のトナーがそれぞれ収容されている。そして、各可視像形成ユニット40は、以下の工程によりトナー画像を記録材P上に形成する。

0043

すなわち、感光体ドラム41の表面を帯電ローラ42で一様に帯電した後、画像情報に応じてレーザ光照射手段43により感光体ドラム41の表面をレーザ露光し、静電潜像を形成する。その後、現像器44により感光体ドラム41上の静電潜像を現像してトナー像顕在化させ、この顕像化されたトナー像をトナーとは逆極性バイアス電圧印加された転写ローラ45により記録材搬送手段50によって搬送される記録材Pに順次転写する。その後、各色のトナー像を転写された記録材Pは、駆動ローラ51の曲率により搬送ベルト53から剥離された後、定着装置1に搬送される。そして、定着装置1によって適度な温度と圧力が与えられる。これにより、トナーは溶解し記録材Pに固定(定着)され堅牢な画像となる。

0044

次に、定着装置1の構成について説明する。図3は、定着装置1の構成を示す模式図である。定着装置1は、記録材の表面に形成された未定着トナー像を、熱および圧力によって記録材上に定着させるものである。なお、この未定着トナー像は、例えば、非磁性一成分現像剤非磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナーおよびキャリア)、磁性現像剤磁性トナー)等の現像剤(トナー)によって形成される。

0045

図3に示すように、定着装置1は、定着ローラ(定着部材)60と、加圧ローラ(加圧部材)70と、外部加熱装置80と、制御部90と、回転駆動装置91と、カム駆動装置92とを備えている。

0046

定着ローラ60と加圧ローラ70とは、所定の定着温度に加熱された状態でこれら両ローラ間(定着ニップ部N)に記録材が挿入されたときにこの記録材を介して所定の荷重で互いに圧接するようになっている。なお、記録材が定着ニップ部Nを通過する時には、定着ローラ60が記録材のトナー画像形成面に当接し、加圧ローラ70が記録材におけるトナー画像形成面とは反対側の面に当接する。

0047

定着ローラ60は、その内側から順に、芯金61、弾性層62、離型層63が形成された3層構造からなる。芯金61には、例えば、鉄、ステンレス鋼アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層62にはシリコンゴム、離型層63にはPFAテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。なお、本実施形態では、定着ローラ60として、厚さ2mmのアルミ製芯金上に厚さ2.5mmのシリコンゴム層被覆し、さらにその上に厚さ40μmのPFAチューブを被覆した、外径40mmのものを使用した。

0048

なお、定着ローラ60の内部には、定着ローラ60を加熱するためのヒータランプ(加熱手段)64が定着ローラ60の長手方向に沿って配置されている。また、定着ローラ60の周囲には定着ローラ60の表面温度を検出するためのサーミスタ温度検出手段)65が設けられている。そして、制御部90が電源回路(図示せず)からヒータランプ64に供給する電力量を制御することにより、ヒータランプ64が供給された電力量に応じて発光し、ヒータランプ64から赤外線放射される。これにより、定着ローラ60の芯金内周面が赤外線を吸収して加熱され、定着ローラ全体が加熱される。

0049

また、定着ローラ60は、駆動モータおよびギヤなどの駆動伝達機構からなる回転駆動装置91によって回転駆動されるようになっており、制御部90が回転駆動装置91の動作を制御することによって定着ローラ60の回転を制御するようになっている。

0050

加圧ローラ70も定着ローラ60と同様、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等からなる芯金71の外周表面にシリコンゴム等からなる弾性層72を有し、さらにその上にPFA等の離型層73が形成されている。本実施形態では、加圧ローラ70として定着ローラ60と同じ構成のローラを用いた。また、加圧ローラ70の内部には、加圧ローラ70を加熱するためのヒータランプ(加熱手段)74が配置されている。また、加圧ローラ70の周囲には加圧ローラ70の表面温度を検出するためのサーミスタ(温度検出手段)75が設けられている。そして、制御部90が電源回路(図示せず)からヒータランプ74に供給する電力量を制御することにより、定着ローラ60と同様、加圧ローラ70全体が加熱される。なお、本実施形態では、加圧ローラ70は定着ローラ60の回転に従動して回転するようになっている。ただし、これに限らず、加圧ローラ70を定着ローラ60とは個別に回転駆動するようにしてもよい。

0051

外部加熱装置80は、無端ベルト外部加熱ベルト)83と、無端ベルト83を懸架するとともにこの無端ベルト83を加熱するための加熱ローラ81,82と、加熱ローラ81,82をそれぞれ加熱するための熱源であるヒータランプ(加熱手段)84,85と、無端ベルト83の表面温度を検出するサーミスタ(温度検出手段)86,88と、無端ベルト83の表面温度が所定温度以上になったときにヒータランプ84,85への電力供給を自動的に遮断するためのサーモスタット87とが備えられている。

0052

加熱ローラ81,82は、アルミニウムや鉄系材料等の中空円筒状の金属製芯材からなる。なお、無端ベルト83の寄り力ベルトの回転方向に垂直な方向かつベルトの面内方向に作用する力)を低減するために、金属製芯材の表面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。本実施形態では、加熱ローラ81,82として、厚さ2.0mm、外径16mmのアルミ製のローラを用いた。

0053

無端ベルト83は、所定の温度に加熱された状態で定着ローラ60表面に当接して定着ローラ60表面を加熱するものであり、定着ローラ60の回転方向に対し定着ニップ部Nの上流側、かつ定着ローラ60の回転軸よりも上方に設けられ、定着ローラ60に圧接されるようになっている。また、無端ベルト83は、定着ローラ60の回転時には、定着ローラ60に従動して回転するようになっており、この無端ベルト83の回転に従動して加熱ローラ81,82も回転するようになっている。なお、無端ベルト83を定着ローラ60に圧接させるための機構については後述する。

0054

無端ベルト83としては、ポリイミド基材表面に、離型層としてPFTEとPFAとがブレンドされたフッ素樹脂をコーティングしたものを用いている。なお、無端ベルト83の構成はこれに限らず、例えば、ポリイミド以外の耐熱樹脂あるいはステンレスニッケル等の金属材料からなる基材の表面に、離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)を形成した2層構成としてもよい。なお、無端ベルト83の寄り力を低減するために、ベルト基材内面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。

0055

なお、上述したように、定着ローラ60,加圧ローラ70,無端ベルト83の各々の周面には、温度検出手段としてのサーミスタ65,75,86,88が配設されており、それぞれの表面温度を検出するようになっている。そして、各サーミスタにより検出された温度データに基づいて、制御部90が、定着ローラ60,加圧ローラ70,無端ベルト83の温度を所定の温度に維持するように、各ヒータランプに供給する電力量(通電量)を制御する。なお、本実施形態では、温度検出手段としてサーミスタを用いているが、これに限るものではない。例えば、接触式のサーミスタを用いても良く、表面から放射される赤外線を検出して温度を検知する非接触式温度センサを用いてもよく、また接触式と非接触式を混在させてもよい。

0056

次に、定着ローラ60、加圧ローラ70、および加熱ローラ81,82の支持機構について説明する。図1および図4はこれら各ローラの支持機構を示す断面図であり、図1は封筒等の厚紙に対する定着処理を行う場合(封筒モード)の状態を示しており、図1は普通紙に対する定着処理を行う場合(普通紙モード)の状態を示している。なお、図1および図4は、室温における各ローラの位置関係の一例を示しており、図1では定着ローラ60と加圧ローラ70とが完全に離間しているが、これに限るものではない。

0057

定着ローラ60の軸方向の両端側にはカラー画像形成装置10の筐体に固定されたサイドフレーム(支持部材)67が設けられている。このサイドフレーム67には鉛直方向下方が開口した切り欠き部69が設けられており、この切り欠き部69に定着ローラ60のベアリング(軸受部材)66が鉛直方向に移動可能なように挿入されている。また、切り欠き部69には、この切り欠き部69に挿入されたベアリング66の鉛直方向下方への移動範囲規制するためのベアリングストッパ(支持部材)68が設けられている。ベアリングストッパ68はサイドフレーム67あるいはカラー画像形成装置10の筐体に固定されている。これにより、ベアリング66は、切り欠き部69によって水平方向への移動を規制される一方、鉛直方向(定着ローラ60の軸心と加圧ローラ70の軸心との対向方向)には切り欠き部69の上端部とベアリングストッパ68との間の範囲内で移動可能になっている。

0058

外部加熱装置(付勢手段)80に備えられる加熱ローラ81,82の軸方向の両端側には、サイドフレーム(支持部材)110が備えられており、加熱ローラ81,82はこのサイドフレーム110によってこれら両ローラ間の軸間距離が一定の状態で回転可能に軸支されている。つまり、加熱ローラ81,82は、所定の軸間距離を隔てて互いに対向するように、図示しない軸受を介してサイドフレーム101に回転可能に軸支されている。サイドフレーム110は、アーム111に固定されている。アーム111の一端はカラー画像形成装置10の筐体に固定された支点112によってこの支点112を中心として回転可能に支持されており、アーム111の他端にはアーム111を鉛直方向下方へ付勢するためのばね(弾性部材、付勢手段)113が取り付けられている。このばね113の一端はアーム111に取り付けられ、他端はカラー画像形成装置10の筐体に取り付けられている。これにより、外部加熱装置80の加熱ローラ81,82が無端ベルト83を介して定着ローラ60に圧接し、定着ローラ60が鉛直方向下方に付勢されるようになっている。なお、ばね113のばね定数は、外部加熱装置80から定着ローラ60への付勢力が、封筒モードにおける非通紙時に定着ローラ60のベアリング66がベアリングストッパ68に所定の荷重で当接し、厚さが所定値よりも厚い記録材を通紙したときにこの記録材が定着ローラ60および加圧ローラ70に当接することによって定着ローラ60がこの記録材の厚さに応じた距離だけ移動することのできる大きさになるように設定されている。

0059

加圧ローラ70の軸方向の両端側には、カラー画像形成装置10の筐体に固定されたサイドフレーム(支持部材)101が設けられている。このサイドフレーム101には鉛直方向下方が開口した切り欠き部106が設けられており、この切り欠き部106に加圧ローラ70のベアリング(軸受部材)76が鉛直方向に移動可能なように挿入されている。また、切り欠き部106に挿入されたベアリング76の下部に当接するようにアーム(アーム部材)103が配置されている。このアーム103の一端はカラー画像形成装置10の筐体に取り付けられた支点104によってこの支点104を中心として回転可能に支持されており、他端にはアーム103を鉛直方向上方へ付勢するためのばね(弾性部材、アーム付勢部材)105が取り付けられている。このばね105の一端はアーム103に取り付けられ、他端はカラー画像形成装置10の筐体に取り付けられている。また、アーム103の上面には偏心カム102が当接している。この偏心カム102は、駆動モータおよびギヤなどの駆動伝達機構からなるカム駆動装置92によって回転駆動されるようになっており、制御部90がカム駆動装置92の動作を制御することによって偏心カム102の回転を制御し、偏心カム102におけるアーム103との当接位置を変化させるようになっている。なお、カム駆動装置92の駆動源は定着ローラ60を回転駆動するための駆動源と同一であってもよく、異なっていてもよい。

0060

制御部90は、定着処理を行う記録材の厚さに応じて選択される複数の処理モード(本実施形態では封筒モードと普通紙モードの2つの処理モード)に応じて、偏心カム102を回転させて加圧ローラ70の位置を調整する。具体的には、封筒モードの場合には、図1に示すように、加圧ローラ70のベアリング76の位置を切り欠き部106内の移動可能範囲の最下点とするように偏心カム102を回転させる。これにより、加圧ローラ70による定着ローラ60への押圧解除(あるいは緩和)され、定着ローラ60のベアリング66の位置はベアリングストッパ68に当接する位置、すなわち切り欠き部69内の移動可能範囲における最下点となる。

0061

なお、本実施形態では、図5(a)に示すように、封筒モードにおける定着ローラ60および加圧ローラ70の設定位置を、封筒モードに対応する基準厚さの記録材P1に対して定着処理を行うときに、定着ローラ60が設定位置から移動しなくても、この記録材に皺を生じさせることなく、かつ定着不良を起こすことなく適切に定着処理を行えるように設定する。

0062

これにより、図5(b)に示すように、上記の記録材P1よりも厚い記録材P2に対して定着処理を行う場合、記録材P2が定着ローラ60と加圧ローラ70との間に挿入されると、記録材P2が定着ローラ60に当接することにより、この定着ローラ60が記録材P2の厚さに応じた距離だけ鉛直方向上方に移動する。したがって、定着ローラ60と加圧ローラ70とによって記録材P2に作用する力(ニップ圧力)を適切に制御し、皺の発生および定着不良の両方を防止することができる。

0063

また、各部材の寸法精度や組立精度のばらつき、定着ローラ60および加圧ローラ70の熱膨張、あるいは定着ローラ60および加圧ローラ70の経年磨耗等による外径変化等に起因して定着ローラ60および加圧ローラ70の実際の軸間距離が設計値からずれている場合であっても、定着ローラ60と加圧ローラ70との間に挿入した記録材が定着ローラ60に当接することにより、この定着ローラ60が記録材の厚さに応じて移動するので、してニップ圧力が適切な圧力となり、図5(b)の場合と同様、皺の発生および定着不良を防止することができる。

0064

なお、上記の基準厚さは、封筒モードで扱われる最大厚さの記録材に応じた距離だけ定着ローラ60を移動可能にするための許容移動幅を確保できるように設定することが好ましい。例えば、上記の基準厚さを、封筒モードを適用する記録材の最小厚さから各部材の寸法精度や組立精度、各部材の熱膨張などに起因する定着ローラ60と加圧ローラ70との軸間距離の設計値に対する想定誤差最大値を減算した厚さに対応する厚さとしてもよい。これにより、定着ローラ60と加圧ローラ70との軸間距離が設計値に対してずれている場合であっても、記録材が定着ローラ60に当接してこの定着ローラ60が移動することにより、このずれに起因する皺および定着不良の発生を防止できる。

0065

また、制御部90は、普通紙モードの場合には、図4に示すように、加圧ローラ70のベアリング76の位置を切り欠き部106内の移動可能範囲の最上点とするように偏心カム102を回転させる。これにより、加圧ローラ70によって定着ローラ60が上方へ押圧され、定着ローラ60のベアリング66の位置は切り欠き部69の上端に当接する位置、すなわち切り欠き部69内の移動可能範囲における最上点となる。なお、普通紙モードにおける定着ローラ60および加圧ローラ70の位置は、各ローラを定着処理時の温度に加熱して各ローラが膨張した時に定着ローラ60と加圧ローラ70との押圧力が普通紙の定着処理に適した値になるように設定する。
実験例>
次に、本実施形態にかかる定着装置1による定着性能を調べるために行った実験の結果について説明する。この実験では、上述した本実施形態にかかる定着装置1(実施例)を用いて定着処理を行った場合と、定着ローラ60の位置を記録材が当接しても移動しないように固定した以外は定着装置1と略同様の構成の定着装置(比較例)を用いて定着処理を行った場合のそれぞれについて定着性能および皺の発生状況を調べた。

0066

なお、この実験では、定着ローラの表面温度を200℃、加圧ローラの表面温度を140℃、無端ベルト83の表面温度を220℃に設定し、室温(25℃)における定着ローラ60と加圧ローラ70とのギャップを0.25mm〜0.90mmまで0.5mmずつ変化させたそれぞれの場合について実験を行った。また、記録材としては、ハグルマ封筒社製の、縦235mm×横120mm、厚さ0.21mm、坪量85g/m2の封筒を用いた。また、記録材の搬送速度は113mm/sとした。

0067

図6に実験結果を示す。なお、皺については、画像形成装置の電源を投入してから定着ローラの表面温度が200℃に到達するまでウォームアップ動作を行い、ウォームアップ完了直後に記録材への定着処理を行った場合に皺が発生するか否かを調べた。評価方法としては、目視にて皺の有無を確認し、皺が発生しなかったものを○とし、皺が発生したものを×とした。

0068

また、定着性については、ウォームアップ動作が完了し、定着ローラの表面温度を175℃に維持するREADY状態(スタンバイ状態)に移行して定着ローラにおける各部の温度が定常状態になるまで待機した後に、定着ローラの表面温度を200℃まで加熱し、記録材への定着処理を行った場合の定着性を調べた。評価方法としては、目視にて定着性を確認し、全く問題なかったものを○、わずかに定着性の低下が生じているが実用上問題ない程度のものを△、実用上問題がある程度に定着性が低下したものを×とした。

0069

図6に示すように、従来の定着装置(比較例)では、室温(25℃)における定着ローラ60と加圧ローラ70とのギャップが0.6mm〜0.7mmの場合しか皺の発生と定着性の低下を同時に防止することができなかったのに対して、本実施形態にかかる定着装置1(実施例)によれば、室温(25℃)における定着ローラ60と加圧ローラ70とのギャップが0.45mm〜0.75mm(より好適な範囲は0.45mm〜0.70mm)の広い範囲で皺の発生と定着性の低下とを同時に防止することができた。この実験結果から、定着ローラ60と加圧ローラ70とのギャップあるいはニップ幅が設計値と異なる場合や、封筒モードの基準厚さとは異なる厚さの記録材に定着処理を行う場合であっても、皺の発生と定着性の低下とを同時に防止することのできる許容幅が従来の定着装置よりも広くなることがわかる。

0070

以上のように、本実施形態では、封筒モードで定着処理を行う場合に、定着ローラ60と加圧ローラ70との対向部に記録材を挿入すると、この記録材が定着ローラ60および加圧ローラ70に当接することによって定着ローラ60がこの記録材の厚さに応じた距離だけ移動する。

0071

これにより、記録材の厚さにかかわらず、ニップ圧力を適正範囲に保つことができ、記録材に作用するニップ圧力が過大になって記録材に皺が生じること、およびニップ圧力が不足して定着不良が生じることを、簡単な構成で防止できる。

0072

また、末端に折り返し部分(のりしろ部分)がある封筒のように、同一の記録材内において厚さが段階的に異なっている場合であっても、記録材の位置毎にニップ圧力が適切に調節されるので、皺の発生および定着不良を適切に防止できる。

0073

なお、本実施形態では、外部加熱装置80によって定着ローラ60を鉛直方向下方に付勢しているが、外部加熱装置80による定着ローラ60への付勢方向は、外部加熱装置80による押圧力が定着ローラ60を加圧ローラ70の方へ付勢する成分を有する方向であればよい。

0074

また、本実施形態では、外部加熱装置80を介して定着ローラ60を加圧ローラ70側に付勢しているが、これに限るものではなく、例えば、定着ローラ60を加圧ローラ70側に付勢するための付勢手段を外部加熱装置80とは別に設けてもよい。この場合、例えば、定着ローラ60の周面(記録材との当接面)に付勢手段を当接させるようにしてもよく、定着ローラ60の両端部における軸心やベアリング等に付勢手段を当接させてもよい。

0075

また、本実施形態では、定着ローラ60の位置が記録材との当接によって移動する構成について説明したが、これに限らず、加圧ローラ70の位置が記録材との当接によって移動する構成としてもよく、定着ローラ60と加圧ローラ70の両方が記録材との当接によって移動する構成としてもよい。また、本実施形態では定着ローラ60が加圧ローラ70よりも上方に配置されている構成について説明したが、これに限らず、例えば加圧ローラ70が定着ローラ60よりも上方に配置される構成としてもよく、これら両ローラが水平方向に並ぶ構成としてもよい。

0076

また、本実施形態では、偏心カム102の位置を普通紙モードと封筒モードの2段階に設定する場合について説明したが、これに限らず、例えばさらに多段階に設定可能にしてもよく、定着処理を行う記録材の厚さに応じて連続的に設定できるようにしてもよい。

0077

また、加圧ローラ70の設定位置を一定としてもよい。この場合にも、定着ローラ60と加圧ローラ70とのギャップあるいはニップ幅は、記録材の当接によって定着ローラ60がこの記録材の厚さに応じた距離だけ移動し、この記録材の厚さに応じた適切な値になるように自動的に設定されるので、皺の発生および定着不良を適切に防止できる。

0078

また、本実施形態では、各可視像形成ユニット40から記録材Pにトナー像を直接転写する構成について説明したが、本発明を適用する画像形成装置の構成はこれに限るものではない。例えば、各可視像形成ユニット40からベルト等の中間転写部材にトナー像を転写し、中間転写部材から記録材Pにトナー像を2次転写する構成としてもよい。また、カラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置であってもよい。

0079

また、本実施形態では、本発明を熱ローラ定着方式の定着装置に適用する場合について説明したが、これに限るものではなく、例えばベルト定着方式の定着装置、すなわち定着ローラとテンションローラ(懸架ローラ)とに定着ベルト(ベルト部材)を張架し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させ、定着ベルトを所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録材を定着ベルトと加圧ローラとの圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像の定着を行う定着装置に適用することもできる。

0080

また、本実施形態において、制御部90は制御用集積回路基板から構成されるものであってもよく、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現するものであってもよい。制御部90をソフトウェアによって実現する場合、例えば、制御部90は、各機能を実現する制御プログラム命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置記録媒体)などから構成される。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御部90の制御プログラムのプログラムコード実行形式プログラム中間コードプログラムソースプログラム)をコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御部90に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。

0081

上記記録媒体としては、例えば、磁気テープカセットテープ等のテープ系、フロッピー登録商標ディスクハードディスク等の磁気ディスクCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカードメモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROMEPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。

0082

また、制御部90を通信ネットワーク接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークは、特に限定されるものではなく、例えば、インターネットイントラネットエキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網仮想専用網(virtual private network)、電話回線網移動体通信網衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体は、特に限定されるものではなく、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送ケーブルTV回線電話線ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線HDR携帯電話網衛星回線地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号データ信号列)の形態でも実現され得る。

0083

本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

0084

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に備えられる定着装置、およびそれを備えた画像形成装置に適用できる。

図面の簡単な説明

0085

本発明の一実施形態にかかる定着装置における、封筒モード時の状態を示す説明図である。
図1に示した定着装置を備えた画像形成装置の説明図である。
図1に示した定着装置の構成を示す断面図である。
図1に示した定着装置における、普通紙モード時の状態を示す説明図である。
(a)および(b)は、図1に示した定着装置における定着ローラの動作を示す説明図である。
図1に示した定着装置を用いて行った実験の結果を示す説明図である。
(a)および(b)は、従来の定着装置の問題点を説明するための説明図である。

符号の説明

0086

1定着装置
10カラー画像形成装置(画像形成装置)
50記録材搬送手段
60定着ローラ(定着部材、ローラ部材)
61芯金
62弾性層
63離型層
64ヒータランプ(加熱手段)
65サーミスタ
66ベアリング(軸受部材)
67サイドフレーム(支持部材)
68 ベアリングストッパ(支持部材)
70加圧ローラ(加圧部材)
71 芯金
72 弾性層
73 離型層
74 ヒータランプ(加熱手段)
75 サーミスタ
76 ベアリング(軸受部材)
80外部加熱装置(付勢手段)
81,82加熱ローラ(懸架ローラ)
83無端ベルト
84,85 ヒータランプ
86,88 サーミスタ
87サーモスタット
90 制御部
91回転駆動装置
92カム駆動装置
101 サイドフレーム(支持部材)
102偏心カム
103アーム(アーム部材)
104支点
105 ばね(アーム付勢部材)
110 サイドフレーム
111 アーム
112 支点
113 ばね(付勢部材、付勢手段)
P,P1,P2 記録材

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