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技術 コリオリ流量計の力の釣合を取る方法及び装置

出願人 マイクロ・モーション・インコーポレーテッド
発明者 ヴァン,クリーブ・クレイグ・ブレイナード
出願日 2010年3月9日 (10年0ヶ月経過) 出願番号 2010-051280
公開日 2010年7月15日 (9年8ヶ月経過) 公開番号 2010-156710
状態 拒絶査定
技術分野 体積流量の測定(II);質量流量の測定
主要キーワード 輸送系統 合成質 電気機械的デバイス 運動トランスデューサ 屈曲軸 単純曲げ キャップ型 駆動運動
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図面 (6)

課題

流管振動変位させるZ方向以外の方向の振動は釣合が取れない振動になる。その振動がコリオリ流量計に与える誤差を低減する。

解決手段

流管103A及び103Bと、マグネットアセンブリ210及びコイル・アセンブリ220とで構成される駆動機構と、流管103A及び103Bに取付けられた釣合錘401及び402とで構成される釣合機構400とを備え、釣合機構400の駆動運動に直交する方向の運動量と前記駆動機構の運動量とが、互いに大きさが等しく、互いに逆向きになるように、釣合機構400の大きさ及び取付位置を選定する。

概要

背景

コリオリ質量流量計などのように、流管振動させるようにしたセンサは、一般的に、振動させている流管の中に物質を流し、その流管の運動を検出することによって、センサとして機能するものである。流管に取付け運動トランスデューサから送出される信号に処理を施すことによって、その流管の中を流動している物質の、例えば質量流量や密度などの様々な特性を測定することができ、それらを測定することができるのは、流管とその中を流れている物質とから成る振動系は、一般的に、その振動モードが、その流管と物質とから成る振動系全体の質量、剛性、それに減衰特性の影響を受けるからである。

コリオリ質量流量計は1本または複数本の流管を備えている。その典型的な使用法は、コリオリ質量流量計の流管をパイプラインなどの輸送系統に組込み、その輸送系統によって輸送されている例えば流体スラリーなどの物質が、そのコリオリ質量流量計の流管の中を流れるようにするというものである。コリオリ質量流量計の各流管は、その固有振動のモードとして、複数の振動モードを持つものであり、それら振動モードには、単純曲げ振動、単純ひねり振動単純ねじり振動などの振動モードに加えて、それら振動モードが複合した複合振動モードもある。コリオリ質量流量計を用いて測定を行う場合の典型的な測定法は、物質を流している状態にある流管を励振して、1つまたは複数の振動モードで振動させ、そのときの流管の運動を、その流管の長手方向に間隔をおいた複数の測定箇所で測定するというものである。流管を励振する手段としては、一般的に、電気機械的デバイスなどから成るアクチュエータが用いられ、その具体的な一例を挙げるならば、ボイスコイル型駆動機構などが使用されている。この励振によって、流管に周期的な摂動を発生させ、そして、複数のトランスデューサ取付箇所において夫々に検出される流管の運動の間に存在する、時間遅れないし位相差を測定することにより、質量流量などを求めることができる。

この時間遅れは非常に小さく、ナノ秒単位で測定されるほどの小さな時間遅れであることも珍しくはない。従って、トランスデューサの出力は非常に高精度であることが要求される。トランスデューサの精度は、コリオリ質量流量計の構造に非線形性非対称性があると損なわれ、また、外力により運動が発生することによっても損なわれる。例えば、コリオリ質量流量計の構成部品のうちに、釣合の取れていない構成部品があると、それによってコリオリ質量流量計のケースフランジに、そのコリオリ質量流量計の駆動振動周波数の振動が発生することがあり、また、コリオリ質量流量計がその駆動振動周波数でパイプラインを振動させることがある。このような振動が発生すると、そのために、時間遅れを表している信号に摂動が発生し、発生するその摂動の大きさは、取付構造の剛性に応じたものとなる。しかるに、取付構造の剛性は、大抵の場合、正確に把握することが不可能である上に、経年変化の影響も受け、更に、温度によっても変化することがあるため、釣合の取れていない構成部品の影響を払拭することは不可能であり、また、釣合の取れていない構成部品が存在していると、それによってコリオリ質量流量計の性能に大きな悪影響が及ぶおそれがある。釣合の取れていないことに起因する振動による悪影響、並びに取付構造の剛性の変化による悪影響は、コリオリ流量計の構造そのものを釣合の取れたものとした上で、信号処理技術を用いて不都合運動成分の影響を補償することによって低減することができる。

以上の説明において釣合の取れている振動といえるのは、一方向の振動、即ち、Z方向の振動だけである。ここでいうZ方向とは、流管を振動させて変位させる方向のことである。その他の方向、即ち、パイプラインの延在方向であるX方向と、Z方向及びX方向の双方に対して垂直な方向であるY方向とに関しては、釣合の取れていない振動になる。この基準座標系が重要な意味を持つのは、コリオリ流量計においては、Y方向に作用する正弦波状に変化する二次的な力が発生するからである。このY方向の二次的な力のために、コリオリ流量計は釣合の取れていないY方向の振動を発生し、その振動がコリオリ流量計に誤差を生じさせる。

この二次的な力の発生原因の1つは、コリオリ流量計の駆動機構の構成部品であるアセンブリ質量中心の位置である。典型的な駆動機構は、一方の流管に取付けられたマグネット・アセンブリと、他方の流管に取付けられたコイル・アセンブリとを含んでいる。そして、駆動機構のマグネット・アセンブリの質量中心が、そのマグネット・アセンブリが取付けられている流管の中心線を含むXY平面上に位置していないことによって、また、駆動機構のコイル・アセンブリの質量中心が、そのコイル・アセンブリが取付けられている流管の中心線を含むXY平面上に位置していないことによって、Y方向の振動が発生する。流管どうしの衝突を避けるために、一方の流管の中心線を含むXY平面と、他方の流管の中心線を含むXY平面との間には、ある程度の大きさの間隔を確保しておく必要がある。それに加えて、マグネット・アセンブリ及び/またはコイル・アセンブリの質量中心を、それらアセンブリが取付けられている流管の中心線を含むXY平面からオフセットさせておく必要もあり、それが必要であるのは、コイルの位置が、マグネットの先端に対して同心的な位置に、即ち、磁界中の最適位置にくるようにせねばならないからである。

流管を駆動して振動させたとき、その流管は、厳密に平行移動的な運動をするのではなく、その流管の固定部位曲げ変形を生じることにより、周期的な屈曲振動をする。この屈曲運動は、その流管の固定部位を回転中心とした回転振動によって近似することができる。そして、そのように近似した場合、その流管の振動は、回転中心CRを持ち小さな角度範囲で周期的に運動する回転振動と見なすことができる。また、その回転振動の角振幅は、Z方向の振動振幅目標値と、その回転振動の回転中心から駆動機構の取付位置における流管の中心までの距離dとによって決まる。従って、この回転振動の角振幅Δθは、下記の(1)式で与えられる。

駆動機構構成部品(マグネット・アセンブリまたはコイル・アセンブリ)の質量中心が流管の中心線に対してオフセットしているために、駆動機構構成部品の質量中心の振動には、Y方向の振動成分が含まれている。駆動機構構成部品の質量中心は、通常、流管の中心線からZ方向へ、少なくとも流管の半径に対応した距離だけオフセットしている。そして、この流管の中心線からのオフセットを角度で表したオフセット角φは、無視することのできない大きさを持つ。駆動機構構成部品の質量中心は、そのオフセットした位置を中立点として、流管と同じ角振幅Δθをもって振動する。この振動に伴う駆動機構構成部品の質量中心の運動を、その質量中心と回転中心CRとを結ぶ直線に対して垂直な運動で近似するならば、駆動機構構成部品の質量中心のY方向の運動成分ΔYmは、下記の(2)式で与えられる。

このように、駆動機構構成部品の質量中心の運動が、Y方向の運動成分を含んでいるために、コリオリ流量計全体がY方向に振動することになる。ここで、コリオリ流量計が自由運動可能な状態で支持されているものとするならば、運動量保存の法則から、コリオリ流量計全体のY方向の振動の振幅は、駆動機構のY方向の振動の振幅に、この駆動機構の質量をコリオリ流量計の質量で除した商である質量比を乗じた大きさになる。従って、コリオリ流量計全体がY方向に振動することは、流管をZ方向に振動させていることと、駆動機構構成要素の質量中心が角方向にオフセットしていることとの、2つの事項から必然的に帰着する結果である。このように、流管の振動とコリオリ流量計全体の不都合なY方向の振動とが、互いに関連性を有することから、コリオリ流量計のY方向の振動を減衰させようとすると、流管のZ方向の振動までも減衰させてしまうことになる。また、コリオリ流量計の取付構造の剛性を高めれば、流管の振動周波数を上昇させてしまい、その剛性を低下させれば、流管の振動周波数を低下させてしまうことになる。取付構造の剛性を変化させることによって流管の振動周波数が変動することは、Y方向に大きな振幅で振動するコリオリ流量計について行った実験において実際に観察されている。このことは問題であり、なぜならば、流管の振動周波数は、流体の密度を求めるための基礎データとして用いられるものであり、また、その振動周波数は、流管の剛性を示すものでもあるからである。取付構造の剛性を変化させたならば、それによって流管の剛性が変化し、その結果、コリオリ流量計の較正係数も変化してしまう。更に、駆動機構が発生する振動は、コリオリ流量計の周囲環境と密接な関連性を持つものであるため、コリオリ流量計のゼロ点(流れが存在しないときの流量信号値)も不安定になる。

概要

流管を振動、変位させるZ方向以外の方向の振動は釣合が取れない振動になる。その振動がコリオリ流量計に与える誤差を低減する。流管103A及び103Bと、マグネット・アセンブリ210及びコイル・アセンブリ220とで構成される駆動機構と、流管103A及び103Bに取付けられた釣合錘401及び402とで構成される釣合機構400とを備え、釣合機構400の駆動運動に直交する方向の運動量と前記駆動機構の運動量とが、互いに大きさが等しく、互いに逆向きになるように、釣合機構400の大きさ及び取付位置を選定する。

目的

本発明の具体的な実施例を示すことで、本発明を実施するための最良の形態をいかにして製作し使用するかを、当業者に教示することを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

少なくとも1本の流管と、前記少なくとも1本の流管に取付けられた駆動機構と、前記少なくとも1本の流管に取付けられた釣合機構とを備え、前記釣合機構の駆動運動に直交する方向の運動量と前記駆動機構の運動量とが、互いに大きさが等しく、互いに逆向きになるように、前記釣合機構の大きさ及び取付位置が選定されている、ことを特徴とするコリオリ流量計

請求項2

前記釣合機構が、釣合質量から成ることを特徴とする請求項1記載のコリオリ流量計。

請求項3

前記駆動機構と前記釣合機構との合成質量中心が、前記少なくとも1本の流管の中心線を含む平面の近傍に位置しており、前記中心線を含む平面が前記駆動運動に直交するように、前記釣合機構の大きさ及び取付位置が選定されていることを特徴とする請求項1記載のコリオリ流量計。

請求項4

前記釣合機構が、板ばねを介して前記少なくとも1本の流管に取付けられた釣合質量から成ることを特徴とする請求項1記載のコリオリ流量計。

請求項5

前記釣合機構の固有振動周波数が前記コリオリ流量計の駆動振動周波数より低くなるように、前記板ばねの剛性及び前記釣合質量の大きさが選定されていることを特徴とする請求項4記載のコリオリ流量計。

請求項6

前記釣合機構が、前記少なくとも1本の流管とは異なった位相振動するようにしてあることを特徴とする請求項1記載のコリオリ流量計。

請求項7

前記釣合機構が、前記少なくとも1本の流管の前記駆動機構と反対側の側面に取付けられており、且つ、前記少なくとも1本の流管の前記中心線を含む平面に対して約45°の角度で延在していることを特徴とする請求項1記載のコリオリ流量計。

請求項8

前記釣合機構が、前記少なくとも1本の流管の前記駆動機構と反対側の側面に取付けられていることを特徴とする請求項1記載のコリオリ流量計。

請求項9

少なくとも1本の流管を備えたコリオリ流量計の力の釣合を取る方法において、前記少なくとも1本の流管に駆動機構を取付けるステップと、前記少なくとも1本の流管に釣合機構を取付けるステップと、前記釣合機構の駆動運動に直交する方向の運動量と前記駆動機構の運動量とが、互いに大きさが等しく、互いに逆向きになるように、前記釣合機構の取付位置及び大きさを選定するステップと、を含むことを特徴とする方法。

請求項10

前記釣合機構を釣合質量で構成するステップを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。

請求項11

前記駆動機構と前記釣合機構との合成質量中心が、前記少なくとも1本の流管の中心線を含む平面の近傍に位置しており、前記中心線を含む平面が前記駆動運動に直交するように、前記釣合機構の取付位置及び大きさを選定するステップを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。

請求項12

前記少なくとも1本の流管に釣合機構を取付ける前記ステップが、板ばねを介して前記少なくとも1本の流管に釣合質量を取付けるステップから成ることを特徴とする請求項9記載の方法。

請求項13

前記釣合機構の固有振動周波数が前記コリオリ流量計の駆動振動周波数より低くなるように、前記板ばねの剛性及び前記釣合質量の大きさを選定するステップを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。

請求項14

前記釣合機構を前記少なくとも1本の流管とは異なった位相で振動させるステップを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。

請求項15

前記少なくとも1本の流管に釣合機構を取付ける前記ステップが、前記釣合機構を前記少なくとも1本の流管の前記駆動機構と反対側の側面に取付けるステップと、前記釣合機構を前記少なくとも1本の流管の前記中心線を含む平面に対して約45°の角度で延在させるステップと、から成ることを特徴とする請求項9記載の方法。

請求項16

前記釣合機構を前記少なくとも1本の流管の前記駆動機構と反対側の側面に取付けるステップを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、コリオリ流量計の力の釣合を取ることに関するものである。

背景技術

0002

コリオリ質量流量計などのように、流管振動させるようにしたセンサは、一般的に、振動させている流管の中に物質を流し、その流管の運動を検出することによって、センサとして機能するものである。流管に取付け運動トランスデューサから送出される信号に処理を施すことによって、その流管の中を流動している物質の、例えば質量流量や密度などの様々な特性を測定することができ、それらを測定することができるのは、流管とその中を流れている物質とから成る振動系は、一般的に、その振動モードが、その流管と物質とから成る振動系全体の質量、剛性、それに減衰特性の影響を受けるからである。

0003

コリオリ質量流量計は1本または複数本の流管を備えている。その典型的な使用法は、コリオリ質量流量計の流管をパイプラインなどの輸送系統に組込み、その輸送系統によって輸送されている例えば流体スラリーなどの物質が、そのコリオリ質量流量計の流管の中を流れるようにするというものである。コリオリ質量流量計の各流管は、その固有振動のモードとして、複数の振動モードを持つものであり、それら振動モードには、単純曲げ振動、単純ひねり振動単純ねじり振動などの振動モードに加えて、それら振動モードが複合した複合振動モードもある。コリオリ質量流量計を用いて測定を行う場合の典型的な測定法は、物質を流している状態にある流管を励振して、1つまたは複数の振動モードで振動させ、そのときの流管の運動を、その流管の長手方向に間隔をおいた複数の測定箇所で測定するというものである。流管を励振する手段としては、一般的に、電気機械的デバイスなどから成るアクチュエータが用いられ、その具体的な一例を挙げるならば、ボイスコイル型駆動機構などが使用されている。この励振によって、流管に周期的な摂動を発生させ、そして、複数のトランスデューサ取付箇所において夫々に検出される流管の運動の間に存在する、時間遅れないし位相差を測定することにより、質量流量などを求めることができる。

0004

この時間遅れは非常に小さく、ナノ秒単位で測定されるほどの小さな時間遅れであることも珍しくはない。従って、トランスデューサの出力は非常に高精度であることが要求される。トランスデューサの精度は、コリオリ質量流量計の構造に非線形性非対称性があると損なわれ、また、外力により運動が発生することによっても損なわれる。例えば、コリオリ質量流量計の構成部品のうちに、釣合の取れていない構成部品があると、それによってコリオリ質量流量計のケースフランジに、そのコリオリ質量流量計の駆動振動周波数の振動が発生することがあり、また、コリオリ質量流量計がその駆動振動周波数でパイプラインを振動させることがある。このような振動が発生すると、そのために、時間遅れを表している信号に摂動が発生し、発生するその摂動の大きさは、取付構造の剛性に応じたものとなる。しかるに、取付構造の剛性は、大抵の場合、正確に把握することが不可能である上に、経年変化の影響も受け、更に、温度によっても変化することがあるため、釣合の取れていない構成部品の影響を払拭することは不可能であり、また、釣合の取れていない構成部品が存在していると、それによってコリオリ質量流量計の性能に大きな悪影響が及ぶおそれがある。釣合の取れていないことに起因する振動による悪影響、並びに取付構造の剛性の変化による悪影響は、コリオリ流量計の構造そのものを釣合の取れたものとした上で、信号処理技術を用いて不都合運動成分の影響を補償することによって低減することができる。

0005

以上の説明において釣合の取れている振動といえるのは、一方向の振動、即ち、Z方向の振動だけである。ここでいうZ方向とは、流管を振動させて変位させる方向のことである。その他の方向、即ち、パイプラインの延在方向であるX方向と、Z方向及びX方向の双方に対して垂直な方向であるY方向とに関しては、釣合の取れていない振動になる。この基準座標系が重要な意味を持つのは、コリオリ流量計においては、Y方向に作用する正弦波状に変化する二次的な力が発生するからである。このY方向の二次的な力のために、コリオリ流量計は釣合の取れていないY方向の振動を発生し、その振動がコリオリ流量計に誤差を生じさせる。

0006

この二次的な力の発生原因の1つは、コリオリ流量計の駆動機構の構成部品であるアセンブリ質量中心の位置である。典型的な駆動機構は、一方の流管に取付けられたマグネット・アセンブリと、他方の流管に取付けられたコイル・アセンブリとを含んでいる。そして、駆動機構のマグネット・アセンブリの質量中心が、そのマグネット・アセンブリが取付けられている流管の中心線を含むXY平面上に位置していないことによって、また、駆動機構のコイル・アセンブリの質量中心が、そのコイル・アセンブリが取付けられている流管の中心線を含むXY平面上に位置していないことによって、Y方向の振動が発生する。流管どうしの衝突を避けるために、一方の流管の中心線を含むXY平面と、他方の流管の中心線を含むXY平面との間には、ある程度の大きさの間隔を確保しておく必要がある。それに加えて、マグネット・アセンブリ及び/またはコイル・アセンブリの質量中心を、それらアセンブリが取付けられている流管の中心線を含むXY平面からオフセットさせておく必要もあり、それが必要であるのは、コイルの位置が、マグネットの先端に対して同心的な位置に、即ち、磁界中の最適位置にくるようにせねばならないからである。

0007

流管を駆動して振動させたとき、その流管は、厳密に平行移動的な運動をするのではなく、その流管の固定部位曲げ変形を生じることにより、周期的な屈曲振動をする。この屈曲運動は、その流管の固定部位を回転中心とした回転振動によって近似することができる。そして、そのように近似した場合、その流管の振動は、回転中心CRを持ち小さな角度範囲で周期的に運動する回転振動と見なすことができる。また、その回転振動の角振幅は、Z方向の振動振幅目標値と、その回転振動の回転中心から駆動機構の取付位置における流管の中心までの距離dとによって決まる。従って、この回転振動の角振幅Δθは、下記の(1)式で与えられる。

0008

0009

駆動機構構成部品(マグネット・アセンブリまたはコイル・アセンブリ)の質量中心が流管の中心線に対してオフセットしているために、駆動機構構成部品の質量中心の振動には、Y方向の振動成分が含まれている。駆動機構構成部品の質量中心は、通常、流管の中心線からZ方向へ、少なくとも流管の半径に対応した距離だけオフセットしている。そして、この流管の中心線からのオフセットを角度で表したオフセット角φは、無視することのできない大きさを持つ。駆動機構構成部品の質量中心は、そのオフセットした位置を中立点として、流管と同じ角振幅Δθをもって振動する。この振動に伴う駆動機構構成部品の質量中心の運動を、その質量中心と回転中心CRとを結ぶ直線に対して垂直な運動で近似するならば、駆動機構構成部品の質量中心のY方向の運動成分ΔYmは、下記の(2)式で与えられる。

0010

0011

このように、駆動機構構成部品の質量中心の運動が、Y方向の運動成分を含んでいるために、コリオリ流量計全体がY方向に振動することになる。ここで、コリオリ流量計が自由運動可能な状態で支持されているものとするならば、運動量保存の法則から、コリオリ流量計全体のY方向の振動の振幅は、駆動機構のY方向の振動の振幅に、この駆動機構の質量をコリオリ流量計の質量で除した商である質量比を乗じた大きさになる。従って、コリオリ流量計全体がY方向に振動することは、流管をZ方向に振動させていることと、駆動機構構成要素の質量中心が角方向にオフセットしていることとの、2つの事項から必然的に帰着する結果である。このように、流管の振動とコリオリ流量計全体の不都合なY方向の振動とが、互いに関連性を有することから、コリオリ流量計のY方向の振動を減衰させようとすると、流管のZ方向の振動までも減衰させてしまうことになる。また、コリオリ流量計の取付構造の剛性を高めれば、流管の振動周波数を上昇させてしまい、その剛性を低下させれば、流管の振動周波数を低下させてしまうことになる。取付構造の剛性を変化させることによって流管の振動周波数が変動することは、Y方向に大きな振幅で振動するコリオリ流量計について行った実験において実際に観察されている。このことは問題であり、なぜならば、流管の振動周波数は、流体の密度を求めるための基礎データとして用いられるものであり、また、その振動周波数は、流管の剛性を示すものでもあるからである。取付構造の剛性を変化させたならば、それによって流管の剛性が変化し、その結果、コリオリ流量計の較正係数も変化してしまう。更に、駆動機構が発生する振動は、コリオリ流量計の周囲環境と密接な関連性を持つものであるため、コリオリ流量計のゼロ点(流れが存在しないときの流量信号値)も不安定になる。

発明が解決しようとする課題

0012

本発明は、駆動機構の影響を打ち消せるように大きさ及び取付位置を選定した釣合機構を用いて、釣合の取れていない振動の力に起因する以上の問題の解決を図るものである。

課題を解決するための手段

0013

釣合機構の具体的な構成例のうちには、その釣合機構が、流管に取付けたY方向釣合質量から成るものがあり、このY方向釣合質量は、流管の駆動機構構成部品と反対側の側面に取付けられている。そして、駆動機構構成部品の質量とこのY方向釣合質量との合成質量中心が、流管の中心線を含むXY平面上に位置するように、このY方向釣合質量の大きさ及び取付位置が選定されている。

0014

また、釣合機構の具体的な構成例のうちには、動的Y方向釣合機構と呼ばれる釣合機構を流管上に構成し得るようにしたものがある。この動的Y方向釣合機構は、板ばねの一端に釣合質量を連結し、その板ばねの他端を流管の駆動機構に近接した箇所に連結することにより構成されている。この動的Y方向釣合機構は、マグネットの質量中心の位置、コイルの質量中心の位置、それにコリオリ流量計の構造(単管式複管式か)に応じて、1本の流管上に構成されることもあり、2本の流管上に構成されることもある。

0015

動的Y方向釣合機構は、流管のZ方向の運動を利用して動的Y方向釣合質量をY方向に振動させることによって機能するものである。設計に際しては、この動的Y方向釣合質量のY方向の運動量と、駆動機構構成部品のY方向の運動量とが、互いに相殺するようにしておき、それによって、コリオリ流量計のケース並びにコリオリ流量計の周囲環境の部材が振動するのを防止することができる。また、これと同じ原理により、周囲環境の部材の振動や、周囲環境の部材による振動減衰作用が、コリオリ流量計に影響するのを防止することも可能である。

0016

本発明の1つの局面として、コリオリ流量計があり、このコリオリ流量計は、
少なくとも1本の流管と、
前記少なくとも1本の流管に取付けられた駆動機構と、
前記少なくとも1本の流管に取付けられた釣合機構とを備え、
前記釣合機構の駆動運動に直交する方向の運動量と前記駆動機構の運動量とが、互いに大きさが等しく、互いに逆向きになるように、前記釣合機構の大きさ及び取付位置が選定されている、
ことを特徴とするコリオリ流量計である。

0017

前記釣合機構が、釣合質量から成るものとすることが好ましい。

0018

前記駆動機構と前記釣合機構との合成質量中心が、前記少なくとも1本の流管の中心線を含む平面の近傍に位置しており、中心線を含む平面が駆動運動に直交するように、前記釣合機構の大きさ及び取付位置を選定しておくことが好ましい。

0019

前記釣合機構が、板ばねを介して前記少なくとも1本の流管に取付けられた釣合質量から成るものとすることが好ましい。

0020

前記釣合機構の固有振動周波数が前記コリオリ流量計の駆動振動周波数より低くなるように、前記板ばねの剛性及び前記釣合質量の大きさを選定しておくことが好ましい。

0021

前記釣合機構が、前記少なくとも1本の流管とは異なった位相で振動するようにすることが好ましい。

0022

前記釣合機構が、前記少なくとも1本の流管の前記駆動機構と反対側の側面に取付けられており、且つ、前記少なくとも1本の流管の中心線を含む平面に対して約45°の角度で延在しているようにすることが好ましい。

0023

前記釣合機構が、前記少なくとも1本の流管の前記駆動機構と反対側の側面に取付けられているようにすることが好ましい。

0024

本発明のもう1つの局面として、少なくとも1本の流管を備えたコリオリ流量計の力の釣合を取る方法があり、この方法は、
前記少なくとも1本の流管に駆動機構を取付けるステップと、
前記少なくとも1本の流管に釣合機構を取付けるステップと、
前記釣合機構の運動量と前記駆動機構の運動量とが、互いに大きさが等しく、互いに逆向きになるように、前記釣合機構の取付位置及び大きさを選定するステップと、
を含むことを特徴とする方法である。

0025

前記方法は、前記釣合機構を釣合質量で構成するステップを含むものとすることが好ましい。

0026

前記方法は、前記駆動機構と前記釣合機構との合成質量中心が、前記少なくとも1本の流管の中心線を含む平面の近傍に位置しており、中心線を含む平面が駆動運動に直交するように、前記釣合機構の取付位置及び大きさを選定するステップを含むものとすることが好ましい。

0027

前記少なくとも1本の流管に釣合機構を取付ける前記ステップが、板ばねを介して前記少なくとも1本の流管に釣合質量を取付けるステップから成るものとすることが好ましい。

0028

前記方法は、前記釣合機構の固有振動周波数が前記コリオリ流量計の駆動振動周波数より低くなるように、前記板ばねの剛性及び前記釣合質量の大きさを選定するステップを含むものとすることが好ましい。

0029

前記方法は、前記釣合機構を前記少なくとも1本の流管とは異なった位相で振動させるステップを含むものとすることが好ましい。

0030

前記少なくとも1本の流管に釣合機構を取付ける前記ステップが、
前記釣合機構を前記少なくとも1本の流管の前記駆動機構と反対側の側面に取付けるステップと、
前記釣合機構を前記少なくとも1本の流管の中心線を含む平面に対して約45°の角度で延在させるステップと、
から成るものとすることが好ましい。

0031

前記方法は、前記釣合機構を前記少なくとも1本の流管の前記駆動機構と反対側の側面に取付けるステップを含むものとすることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0032

図1図5並びに以下の説明は、本発明の具体的な実施例を示すことで、本発明を実施するための最良の形態をいかにして製作し使用するかを、当業者に教示することを目的としたものである。従って、本発明の原理を教示するためのものであるから、本発明の具体的な構成のうち、従来から存在する構成については、それを簡略に示すにとどめることもあり、また、全く示さずに省略することもある。ただし、当業者であれば、本発明の範囲に含まれ得る、以下に示す実施例の様々な変更例にも想到するのは当然のことである。また、当業者であれば、以下に示す数多くの特徴を様々に組合せることによって、本発明の多くの変更例を構成し得るということも理解するはずである。それゆえ、本発明は、以下に説明する具体的な実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されたところのもの、並びに、その均等物に相当するものに限定されるものである。

0033

図1は、コリオリ流量計5を示した図であり、このコリオリ流量計5は、流量計アセンブリ10と、流量計電子回路部20とを備えている。流量計電子回路部20は、リード線100を介して流量計アセンブリ10に接続されており、また、信号経路26を介して、密度、質量流量、体積流量、累積質量流量、それに温度などをはじめとする様々な情報を送出するように構成されている。尚、当業者には容易に理解されるように、本発明は様々な種類のコリオリ流量計に適用することができ、特に、コリオリ流量計に装備されている駆動機構の個数ピックオフ・センサの個数、流管の本数などに関する制約は存在せず、また、コリオリ流量計が機能する際の振動モードに関する制約もない。

0034

流量計アセンブリ10は、一対のフランジ101及び101’と、マニホルド102及び102’と、駆動機構104と、ピックオフ・センサ105及び105’と、流管103A及び103Bとを備えている。駆動機構104並びにピックオフ・センサ105及び105’は、流管103A及び103Bに取付けられている。

0035

フランジ101及び101’は、夫々が、マニホルド102及び102’に固設されて
いる。マニホルド102及び102’は、夫々が、スペーサ106の両端に装備されている。スペーサ106は、マニホルド102とマニホルド102’との間の間隔を維持すると共に、流管103A及び103Bに不都合な振動が発生するのを防止する機能を果たしている。流量計アセンブリ10を、測定対象の物質が流れているパイプライン系統(不図示)に組込んだ場合には、そのパイプライン系統を流れている物質が、フランジ101を通って流量計アセンブリ10の中へ流入する。流入した物質は、その全量が流入側マニホルド102を通過し、この流入側マニホルド102から、流管103Aの中と、流管103Bの中とへ、分かれて流入する。流管103Aを通過した物質と、流管103Bを通過した物質とは、いずれも流出側マニホルド102’へ流入し、そして、この流出側マニホルド102’からフランジ101’を通って流出することで、流量計アセンブリ10から出て行く。

0036

流管103A及び103Bは、流管103Aが屈曲軸心W−Wを中心として屈曲変形する際のこの流管103Aの質量分布慣性モーメント、及び弾性率と、流管103Bが屈曲軸心W’−W’を中心として屈曲変形する際のこの流管103Bの質量分布、慣性モーメント、及び弾性率とが、互いに略々等しくなるように、適切に設計され且つ流入側マニホルド102及び流出側マニホルド102’に適切に取付けられている。また、流管103A及び103Bは、互いに実質的に並列的に延在するようにして、マニホルド102及び102’から延出している。

0037

流管103A及び103Bは、駆動機構104によって互いに逆向きに駆動され、それによって、流管103Aは屈曲軸心W−Wを中心として屈曲変形するように振動し、流管103Bは屈曲軸心W’−W’を中心として屈曲変形するように振動する。この振動モードを、コリオリ流量計の一次屈曲振動モードという。様々な構成の駆動機構が公知となっており、駆動機構104は、それら公知の駆動機構のうちから適当なものを選択して用いればよい。その具体例を挙げるならば、例えば、駆動機構104を、流管103Aに取付けたマグネットと、このマグネットに対向させて流管103Bに取付けたコイルとで構成したものとしてもよい。この構成によれば、マグネットに対向させたコイルに交流電流を供給することで、双方の流管を振動させることができる。また、そのための適当な駆動信号を、流量計電子回路部20が、リード線110を介して駆動機構104へ供給するようにすればよい。尚、図1に関する以上の説明は、コリオリ流量計の動作の具体例を示すための説明であり、本発明の教示が、以上に説明したものだけに限定されるというものではない。

0038

流量計電子回路部20は、センサ信号がリード線111及び111’を介して伝達されるように構成されている。また、流量計電子回路部20は、駆動機構104に流管103A及び103Bを振動させるための駆動信号が、リード線110を介して供給されるように構成されている。更に、流量計電子回路部20は、ピックオフ・センサ105から送出される左側速度信号と、ピックオフ・センサ105’から送出される右側速度信号とに信号処理を施して、質量流量を算出するように構成されている。尚、信号経路26は、流量計電子回路部20とオペレータとの間のインターフェースのための入出力手段として機能するものである。

0039

図2は、好適実施例に係るコリオリ流量計5に用いられる駆動機構104を示した図である。この好適実施例において、駆動機構104は、コイル・アセンブリと、マグネット・アセンブリとで構成されている。ただし、当業者には容易に理解されるように、図示したものとは異なった構成の駆動機構を使用することも可能である。

0040

駆動機構104は、マグネット・アセンブリ210と、コイル・アセンブリ220とで構成されている。マグネット・アセンブリ210の一対のブラケット部211と、コイル
・アセンブリ220の一対のブラケット部211とは、互いに反対側へ、即ち外側へ向かって延出している。各一対のブラケット部211は、平板状のベース部材から外側へ向かって延出した一対の突出片であり、それら突出片は、流管103Aないし103Bの外周面が嵌合する彎曲した縁部290が下辺に形成されている。溶接などの適当な接合手段を用いて、それらブラケット部211の彎曲した縁部290を流管103Aないし103Bの外周面に接合することによって、この駆動機構104がコリオリ流量計5に取付けられる。

0041

マグネット・アセンブリ210は、そのベース部材として、磁束を導くヨーク202を備えている。このヨーク202の第1側面から、上述した一対のブラケット部211が延出している。また、このヨーク202の第2側面の両側端から外側へ向かって、一対の壁部213,214が延出している。それら壁部213,214によってマグネット203の磁界の方向が規制され、その磁界の方向がコイル204の巻線の延在方向に対して垂直な方向となるようにしてある。

0042

マグネット203は、第1端と第2端とを有する略々円筒形永久磁石である。マグネット203は、マグネット・スリーブ(不図示)の中に嵌合されている。更に、マグネット203が嵌合されたそのマグネット・スリーブが、ヨーク202の第2側面に固定されることによって、マグネット203がマグネット・アセンブリ210に固定されている。マグネット203の第2端には、通常、磁極片(不図示)が取付けられ、この磁極片(不図示)は、キャップ型の部材であって、マグネット203の第2端に嵌着されて、磁界の方向をコイル204の中へ導くものである。

0043

コイル・アセンブリ220は、コイル204とコイル・ボビン205とを備えている。コイル・ボビン205は、ブラケット211に取付けられている。コイル・ボビン205は、第1面から突出したスプールを備えており、このスプールの周囲にコイル204が巻回されている。また、コイル204は、マグネット203に対向するようにしてコイル・ボビン205に取付けられている。コイル204にはリード線110が接続されており、このリード線110を介してコイル204へ交流電流が供給される。そして、交流電流が供給されると、コイル204とマグネット203とは、互いに吸引し、また排斥し、それによって流管103Aと流管103Bとが互いに逆向きに振動する。

0044

図3は、流管103のX軸断面を示した模式図である。流管103には駆動機構104が取付けられている。駆動機構104は流管103に対してオフセットして取付けられており、そのオフセット角をφで表している。流管103はZ方向に振動し、その振動振幅をΔZで表している。流管103は、Z方向に平行移動的な運動をするとき、実際には、この流管103の固定部位を回転中心とした回転運動をする。その回転中心をCRで表しており、また、そのように回転運動をして振動するときの角振幅をΔθで表している。この流管103の回転振動に伴って駆動機構104も、即ち駆動機構104の質量中心CMも回転振動をし、その角振幅は流管103の角振幅と等しいため、同じくΔθで表されている。ただし、駆動機構構成部品104は、流管103に対してオフセット角φをもってオフセットして取付けられているため、駆動機構構成部品104の質量中心CMの振動は傾斜した直線Lに沿った振動になる。そのため、駆動機構構成部品104の質量中心CMの運動は、上下方向の運動成分ΔYmを含むものとなる。

0045

図4は、本発明の第1実施例における釣合機構400を示した図である。この釣合機構400は、流管103A及び103Bに取付けられた釣合錘401及び402で構成されている。釣合錘401及び402を取付ける方法としては、機械的な取付方法ロウ付けによる方法、接着剤を用いた方法などをはじめとする様々な方法を用いることができる。図中のCMb1は、釣合錘401の質量中心である。釣合錘401に関しては、この釣合
401の質量中心CMb1とコイル・アセンブリの質量中心CMcとの合成質量中心CCM1が、流管103Aの中心線を含むXY平面上に位置するように、釣合錘401の大きさ及び取付位置を選定してある。また、図中のCMb2は、釣合錘402の質量中心である。釣合錘402に関しては、この釣合錘402の質量中心CMb2とマグネット・アセンブリの質量中心CMmとの合成質量中心CCM2が、流管103Bの中心線を含むXY平面上に位置するように、釣合錘402の大きさ及び取付位置を選定してある。これら釣合錘の特性は、各流管において、その流管に取付けられている釣合錘の質量にその釣合錘のY方向の速度成分を乗じた積と、その流管に取付けられている駆動機構構成部品の質量にその駆動機構構成部品のY方向の速度成分を乗じた積とが、互いに大きさが等しく、互いに逆向きになるというものであり、これを数式で表すと下記の(3)式になる。

0046

0047

また、別の言葉で言い表すならば、各流管において、その流管に取付けられている釣合錘の運動量と、その流管に取付けられている駆動機構アセンブリの運動量とが、互いに相殺されるのであり、これを数式で表すと下記の(4)式になる。

0048

0049

図5は、本発明の第2実施例における釣合機構500を示した図である。この釣合機構500は、板ばね504及び505を介して流管103A及び103Bに取付けられた釣合錘501及び502で構成されている。板ばね504は、XY平面に対して約45°の角度で延在するようにして、流管103Aのコイル・アセンブリ220と反対側の側面に取付けられている。板ばね504の剛性及び釣合錘501の質量は、この動的Y方向釣合錘501の一次固有振動周波数(飛び込み板のように振動する振動モードでの固有振動周波数)が、コリオリ流量計の駆動振動周波数より低くなるように選定してある。このように、釣合錘501の一次固有振動周波数を、励振振動周波数(駆動振動周波数)より低くすることにより、釣合錘501は、流管103Aと異なった位相で振動するようになる。即ち、流管103Aが左方(−Z方向)へ運動するとき、動的Y方向釣合錘501は流管103Aに対して相対的に右方(+Z方向)へ運動する。ただし、板ばね504がXY平面に対して約45°の角度で延在しているため、釣合錘501は、この板ばね504によって運動方向が規制され、右方(+Z方向)へ運動するときには同時に下方(−Y方向)へも運動することを強制される。これによって好適な結果が得られるのは、流管103Aが左方へ運動するとき、この流管103Aに対してオフセットして取付けられているコイル・アセンブリ220は、左方(−Z方向)へ運動すると同時に、上方(+Y方向)へも運動するからである。そのため、設計に際して、動的Y方向釣合錘のY方向の運動量(質量×速度)と、オフセットさせて取付ける駆動機構構成部品のY方向の運動量とが、互いに大きさが等しく、互いに逆向きになるように、質量及びばね定数を選定することによって、コリオリ流量計全体としてのY方向の外部振動を略々完全に排除することが可能となる。また、流管103Bにも、同じ設計原理を適用する。

0050

第2実施例は、更にその他の利点も有している。釣合錘501及び502は、板ばね504及び505を介して流管103A及び103Bに取付けられているため、流管103A及び103Bとは異なった位相で振動する。そのため流管103A及び103Bには、釣合錘の全質量のうちの、非常に僅かな質量だけしか結合されずに済む。

0051

以上に説明した実施例の作用効果は、駆動機構構成部品の質量中心がオフセットしていることの影響を補償することだけにとどまらない。例えば、マニホルドを構成している部材が、流管から作用する力によって弾性変形するような場合には、コリオリ流量計のフランジが、Y方向に振動することがある。そこで、そのフランジの振動と、駆動機構構成部品の質量中心がオフセットしていることに起因して発生する振動とが同位相である場合には、釣合錘の質量を増大させることによって、マニホルドの弾性変形に起因して発生する分の振動も併せて打消すことができる。これとは逆に、マニホルドの弾性変形に起因して発生するフランジの振動が、駆動機構構成部品の質量中心がオフセットしていることに起因して発生する振動と位相が異なる場合には、釣合錘の質量を減少させればよい。

図面の簡単な説明

0052

コリオリ流量計を示した図である。
コリオリ流量計の駆動機構を示した図である。
コリオリ流量計の流管のX軸断面を示した図である。
本発明の第1実施例における釣合機構を示した図である。
本発明の第2実施例における釣合機構を示した図である。

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