図面 (/)

技術 スロッタナイフ

出願人 三菱重工印刷紙工機械株式会社
発明者 野上英雄石渕浩河野和徳谷本光史波多野治
出願日 2008年12月4日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2008-310152
公開日 2010年6月17日 (9年9ヶ月経過) 公開番号 2010-131870
状態 特許登録済
技術分野 非金属切断装置II 紙容器等紙製品の製造
主要キーワード 一部符号 ピン状突起 先端部端面 上駆動ローラ 左右角 刃先面 スロッタ 溝切り
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年6月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

スロッタナイフの構造に関し、溝の角部に破れを発生させることなく溝加工を行なうことができるようにする。

解決手段

段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、スロッタナイフの回転方向の先端部に、溝の奥端に当接する端面122bと、端面122bから径方向外方に突出した突起部122aとをそなえ、端面122bは、突起部122a側である径方向外方側に対して軸心側が次第に回転方向前方に位置するように、軸心に向かう直径方向面に対して傾斜した傾斜面に形成される。

概要

背景

段ボールシートを箱に加工する製函機においては、給紙部から1枚ずつ送られる段ボールシートに、印刷部で所定の印刷を施し、その後、クリーザスロッタ部で罫入れや溝切りを行なって、図9に示すような、製函前の罫入れ,溝切り段ボールシート1に加工する。その後、この段ボールシート1を折り曲げて両端接合部を糊付けすることで、折り畳んだ状態の段ボールシート箱が完成する。

クリーザスロッタ部には、図8に示すように、上下クリーザ軸10U,10L及び上下スロッタ軸20U,20Lと、段ボールシート1を搬送する上下駆動ローラ31U,31L、32U,32Lがそなえられている。
上クリーザ軸10Uにはリング状の上クリーザヘッド11Uが、下クリーザ軸10Lにはリング状の下クリーザヘッド11Lがそなえられている。また、上スロッタ軸20Uには上スロッタヘッド21がそなえられ、この上スロッタヘッド21には2枚のスロッタナイフ22,23が取り付けられている。また、下スロッタ軸20Lには下スロッタヘッド24がそなえられている。そして、2枚のスロッタナイフ22,23によって、図9に示すように、段ボールシート1の前後の溝Sが加工される。

なお、スロッタナイフ22,23は、上スロッタヘッド21に対して円周方向の位置が調整可能に取り付けられており、溝切りの深さ(進行方向長さ)が異なる(逆に言えば、両溝間の距離dが異なる)段ボール箱を製造することができる。また、下スロッタヘッド24には詳細は図示しないが2枚の下スロッタナイフが間隔をあけて取り付けられており、上スロッタナイフ22,23はこの2枚の下スロッタナイフの相互間に嵌入して段ボールシート1の溝加工を行なう。

そして、スロッタナイフ23により、図10(a)に示すように、段ボールシート1の進行方向(図9中の矢印参照)における前側の溝SFを加工し、その後、スロッタナイフ22により、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝SRを加工する。
このようなスロッタナイフ22,23には、その先端又は後端突起部をそなえたものが使われる。例えば、図10(a)に示すように、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝を加工するスロッタナイフ22には、その先端に突起部22aがそなえられ、段ボールシート1の進行方向前側の溝を加工するスロッタナイフ23には、その先端に突起部23aがそなえられている。

このような突起部22a,23aを装備する理由は、溝Sの側面S1を切る時には、上スロッタナイフ22,23及び下スロッタナイフの剪断により切ることができるが、溝Sの端部S2を切るときは、上スロッタナイフ22,23の刃を受ける下側の受部材が無いため、剪断とか押し切りでは切れないためである。そこで、スロッタナイフ22,23の先端又は後端に突起部22a,23aを付けて、この突起部22a,23aにより段ボールシート1を突き刺して溝Sの端部S2を切断するようにしている。

また、上スロッタナイフ22,23の各端面22b,23bは、通常半径方向(即ち、上スロッタナイフ22,23の回転円の中心)に向かう面として形成されている。このように端面22b,23bを形成するのは、端面22b,23bを強いて斜めにする理由は無く、加工上最も一般的であり、加工性もよいからである。
しかしながら、特に、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝SRを加工する上スロッタナイフ22の端面22bが半径方向に向いている一般的な構造の場合、図10(b)に示すように、溝SRの端部S2の角部SCに破れ25が発生する。

特許文献1,2では、この破れ25の発生原因を、突起部22aが段ボールシート1に進入した後に端面22bが段ボールシート1に食い込んでいく過程で、端面22bが溝Sの端部S2をその進行方向に押し潰していくためと考え、図10(a)に二点鎖線で示すように、端面22bの突起部22aの近傍を除く部分、つまり、突起部22aよりも上スロッタ軸20Uの軸心側の部分を後退させて、端面22bが段ボールシート1に食い込んでいっても端面22bが溝Sの端部S2を押し潰さないようにする技術が提案されている。
特開2001−287285号公報
特開2005−186261号公報

概要

スロッタナイフの構造に関し、溝の角部に破れを発生させることなく溝加工を行なうことができるようにする。段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、スロッタナイフの回転方向の先端部に、溝の奥端に当接する端面122bと、端面122bから径方向外方に突出した突起部122aとをそなえ、端面122bは、突起部122a側である径方向外方側に対して軸心側が次第に回転方向前方に位置するように、軸心に向かう直径方向面に対して傾斜した傾斜面に形成される。

目的

本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、溝の角部に破れを発生させることなく溝加工を行なうことができるようにした、スロッタナイフを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、前記スロッタナイフの回転方向の先端部に、前記溝の奥端に当接する端面と、前記端面から径方向外方に突出した突起部とをそなえ、前記端面は、前記突起部側である径方向外方側に対して軸心側が次第に回転方向前方に位置するように、前記軸心に向かう直径方向面に対して傾斜した傾斜面に形成されていることを特徴とする、スロッタナイフ。

請求項2

前記端面の前記直径面に対する傾斜角度は、1〜20度に設定されていることを特徴とする、請求項1記載のスロッタナイフ。

請求項3

前記端面の前記突起部側の左右角部は、面取り加工されていることを特徴とする、請求項1又は2記載のスロッタナイフ。

請求項4

段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、前記スロッタナイフの回転方向の先端部に、前記溝の奥端に当接する端面と、前記端面から外方に突出した突起部とをそなえ、前記端面の前記突起部側の左右角部は、面取り加工されていることを特徴とする、スロッタナイフ。

請求項5

前記端面の前記左右角部の面取り加工箇所は、滑らかな曲面で形成されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のスロッタナイフ。

請求項6

前記スロッタナイフが、スロッタナイフ本体と、該スロッタナイフ本体に対して着脱可能な前記先端部とから構成されていることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のスロッタナイフ。

技術分野

0001

本発明は、段ボールシートを箱に加工する製函機装備され、切り溝を加工するために装備されるスロッタナイフに関するものである。

背景技術

0002

段ボールシートを箱に加工する製函機においては、給紙部から1枚ずつ送られる段ボールシートに、印刷部で所定の印刷を施し、その後、クリーザスロッタ部で罫入れや溝切りを行なって、図9に示すような、製函前の罫入れ,溝切り段ボールシート1に加工する。その後、この段ボールシート1を折り曲げて両端接合部を糊付けすることで、折り畳んだ状態の段ボールシート箱が完成する。

0003

クリーザスロッタ部には、図8に示すように、上下クリーザ軸10U,10L及び上下スロッタ軸20U,20Lと、段ボールシート1を搬送する上下駆動ローラ31U,31L、32U,32Lがそなえられている。
上クリーザ軸10Uにはリング状の上クリーザヘッド11Uが、下クリーザ軸10Lにはリング状の下クリーザヘッド11Lがそなえられている。また、上スロッタ軸20Uには上スロッタヘッド21がそなえられ、この上スロッタヘッド21には2枚のスロッタナイフ22,23が取り付けられている。また、下スロッタ軸20Lには下スロッタヘッド24がそなえられている。そして、2枚のスロッタナイフ22,23によって、図9に示すように、段ボールシート1の前後の溝Sが加工される。

0004

なお、スロッタナイフ22,23は、上スロッタヘッド21に対して円周方向の位置が調整可能に取り付けられており、溝切りの深さ(進行方向長さ)が異なる(逆に言えば、両溝間の距離dが異なる)段ボール箱を製造することができる。また、下スロッタヘッド24には詳細は図示しないが2枚の下スロッタナイフが間隔をあけて取り付けられており、上スロッタナイフ22,23はこの2枚の下スロッタナイフの相互間に嵌入して段ボールシート1の溝加工を行なう。

0005

そして、スロッタナイフ23により、図10(a)に示すように、段ボールシート1の進行方向(図9中の矢印参照)における前側の溝SFを加工し、その後、スロッタナイフ22により、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝SRを加工する。
このようなスロッタナイフ22,23には、その先端又は後端突起部をそなえたものが使われる。例えば、図10(a)に示すように、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝を加工するスロッタナイフ22には、その先端に突起部22aがそなえられ、段ボールシート1の進行方向前側の溝を加工するスロッタナイフ23には、その先端に突起部23aがそなえられている。

0006

このような突起部22a,23aを装備する理由は、溝Sの側面S1を切る時には、上スロッタナイフ22,23及び下スロッタナイフの剪断により切ることができるが、溝Sの端部S2を切るときは、上スロッタナイフ22,23の刃を受ける下側の受部材が無いため、剪断とか押し切りでは切れないためである。そこで、スロッタナイフ22,23の先端又は後端に突起部22a,23aを付けて、この突起部22a,23aにより段ボールシート1を突き刺して溝Sの端部S2を切断するようにしている。

0007

また、上スロッタナイフ22,23の各端面22b,23bは、通常半径方向(即ち、上スロッタナイフ22,23の回転円の中心)に向かう面として形成されている。このように端面22b,23bを形成するのは、端面22b,23bを強いて斜めにする理由は無く、加工上最も一般的であり、加工性もよいからである。
しかしながら、特に、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝SRを加工する上スロッタナイフ22の端面22bが半径方向に向いている一般的な構造の場合、図10(b)に示すように、溝SRの端部S2の角部SCに破れ25が発生する。

0008

特許文献1,2では、この破れ25の発生原因を、突起部22aが段ボールシート1に進入した後に端面22bが段ボールシート1に食い込んでいく過程で、端面22bが溝Sの端部S2をその進行方向に押し潰していくためと考え、図10(a)に二点鎖線で示すように、端面22bの突起部22aの近傍を除く部分、つまり、突起部22aよりも上スロッタ軸20Uの軸心側の部分を後退させて、端面22bが段ボールシート1に食い込んでいっても端面22bが溝Sの端部S2を押し潰さないようにする技術が提案されている。
特開2001−287285号公報
特開2005−186261号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、突起部(つまり、刃先)22aの形状や、段ボールシート1と上スロッタナイフ22との相対速度や、段ボールシート1の材料特性(紙の物性や厚み)等にもよるが、本願発明者らは、溝SRの角部に発生する破れ25の原因は、図11に示すように、上スロッタナイフ22が段ボールシート1に食い込んだ後、段ボールシート1から離れる際に、突起部(刃先)22aが段ボールシート1を掬い上げること、特に、突起部22aの左右端が段ボールシート1を掬い上げること、にあるものと究明した。

0010

つまり、段ボールシート1の上面に沿って走行する上スロッタナイフ22の基部22Bの周速が段ボールシート1の走行速度と等速であるものとすると、図11(a)に示すように、上スロッタナイフ22が段ボールシート1に食い込んだ後、図11(b)に示すように、上スロッタナイフ22が段ボールシート1と共に移動しながら、図11(c)に示すように、上スロッタナイフ22が段ボールシート1から離れる際に、突起部(刃先)22aが段ボールシート1を掬い上げる。

0011

これにより、図11(c)の1点鎖線枠部の拡大図である図11(d)に示すように、溝Sの端部S2は二点鎖線で示す状態から、突起部(刃先)22aで掬い上げられた分だけ切り取られて、実線で示す状態になる。この突起部(刃先)22aの掬い上げによる切削時に、突起部22aの左右端による段ボールシート1の掬い上げによって、溝SRの角部に破れ25が発生するのである。このような破れ25は、段ボール箱の形状を変形させたり、強度不足を招いたりするため、破れの発生は回避したい。

0012

本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、溝の角部に破れを発生させることなく溝加工を行なうことができるようにした、スロッタナイフを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するために、本発明のスロッタナイフ(請求項1)は、段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、前記スロッタナイフの回転方向の先端部に、前記溝の奥端に当接する端面と、前記端面から径方向外方に突出した突起部とをそなえ、前記端面は、前記突起部側である径方向外方側に対して軸心側が次第に回転方向前方に位置するように、前記軸心に向かう直径方向面に対して傾斜した傾斜面に形成されていることを特徴としている。

0014

前記端面の前記直径面に対する傾斜角度は、1〜20度に設定されていることが好ましい(請求項2)。
前記端面の前記突起部側の左右角部は、面取り加工されていることが好ましい(請求項3)。
本発明のもう一つのスロッタナイフ(請求項4)は、段ボールシートに溝を加工するスロッタナイフであって、前記スロッタナイフの回転方向の先端部に、前記溝の奥端に当接する端面と、前記端面から外方に突出した突起部とをそなえ、前記端面の前記突起部側の左右角部は、面取り加工されていることを特徴としている。

0015

前記端面の前記左右角部の面取り加工箇所は、滑らかな曲面で形成されていることが好ましい(請求項5)。
さらに、前記スロッタナイフが、スロッタナイフ本体と、該スロッタナイフ本体に対して着脱可能な前記先端部とから構成されていることが好ましい(請求項6)。

発明の効果

0016

本発明のスロッタナイフ(請求項1)によれば、スロッタナイフが回転しながら段ボールシートに溝を加工する際、回転方向の先端部では、端面が、その突起部から段ボールシートに食い込み、その後、端面は、突起部側である径方向外方側から軸心側への段ボールシートに食い込んでいくが、この端面が、軸心側が次第に回転方向前方に位置するように直径方向面に対して傾斜した傾斜面に形成されるので、端面が段ボールシートに食い込んでいく際に、溝の端部はその表面側ほど突起部で穿設された位置よりも次第に深く、つまり、進行方向側に大きく穿設される。

0017

したがって、その後、スロッタナイフが段ボールシートから抜けていく際に、突起部がスロッタナイフの軸心から最も離隔していることから、突起部が溝の端部に相対的に接近しても、溝の周囲の段ボールシート表面側は既に進行方向側に大きく穿設されているので、突起部が溝の周囲の段ボールシート表面側を掬い上げるよう作用することはなく、突起部が段ボールシートの表面側を掬い上げることによって溝の端部の角部に破れが発生することを未然に防ぐことができ、段ボール箱の良好な品質を確保することができる。

0018

なお、端面の直径面に対する傾斜角度を1〜20度に設定すると、溝の端部形状を良好に保ちながら突起部が溝の周囲の段ボールシート表面側を掬い上げることを軽減又は防止することができる(請求項2)。
本発明のスロッタナイフ(請求項3,4)によれば、スロッタナイフが回転しながら段ボールシートに溝を加工する際、回転方向の先端部では、端面が、その突起部から段ボールシートに食い込み、その後、スロッタナイフが段ボールシートから抜けていく際に、突起部がスロッタナイフの軸心から最も離隔していることから、突起部が溝の端部に相対的に接近して溝の周囲の段ボールシート表面側を掬い上げるよう作用しても、突起部側の左右角部は面取り加工されているので、突起部側の左右角部による溝端部の角部の破れが発生し難くなり、溝の端部の角部に破れが発生することを抑制することができ、段ボール箱の良好な品質を確保することができる。

0019

この場合、面取り加工箇所が滑らかな曲面で形成されていると、溝端部の角部の破れが一層発生し難くなる(請求項5)。
さらに、スロッタナイフを、スロッタナイフ本体と、該スロッタナイフ本体に対して着脱可能な先端部とから構成すれば、先端部の磨耗に対して先端部のみを交換すればよいので、スロッタナイフ全体を交換する場合に比べて交換作業が容易になり、交換部品コストも低減される(請求項6)。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1図4は本発明の第1実施形態にかかるスロッタナイフを示すもので、図1はその要部構成図、図2はその要部変形例を示す図、図3はその作用を示す側面図、図4はその効果を従来技術と対比して示す溝端部の斜視図である。なお、本スロッタナイフは、製函機のクリーザスロッタ部に備えられるが、クリーザスロッタ部の構成については図8流用し、一部符号差し替えて説明する。また、段ボールシート1の形状も図9を流用する。

0021

(クリーザスロッタ部)
まず、本スロッタナイフを装備した製函機のクリーザスロッタ部を説明すると、図8に示すように、クリーザスロッタ部は、上下クリーザ軸10U,10L及び上下スロッタ軸20U,20Lと、段ボールシート1を搬送する上下駆動ローラ31U,31L、32U,32Lがそなえられている。

0022

上クリーザ軸10Uにはリング状の上クリーザヘッド11Uが、下クリーザ軸10Lにはリング状の下クリーザヘッド11Lがそなえられている。また、上スロッタ軸20Uには上スロッタヘッド21がそなえられ、この上スロッタヘッド21には2枚のスロッタナイフ122,23が取り付けられている。また、下スロッタ軸20Lには下スロッタヘッド24がそなえられている。そして、2枚のスロッタナイフ122,23によって、図9に示すように、段ボールシート1の前後の溝Sが加工される。

0023

なお、スロッタナイフ122,23は、上スロッタヘッド21に対して円周方向の位置が調整可能に取り付けられており、溝切りの深さ(進行方向長さ)が異なる(逆に言えば、両溝間の距離dが異なる)段ボール箱を製造することができる。また、下スロッタヘッド24には詳細は図示しないが2枚の下スロッタナイフが間隔をあけて取り付けられており、上スロッタナイフ122,23はこの2枚の下スロッタナイフの相互間に嵌入して段ボールシート1の溝加工を行なう。

0024

(スロッタナイフ)
本実施形態の特徴的なスロッタナイフは、段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝SRを加工する(図9参照)上スロッタナイフ122であって、特に、その回転方向の先端部の形状に特徴がある。

0025

つまり、図1(a)〜(c),(e)に示すように、スロッタナイフ122の回転方向の先端部には、溝Sの穿設開始時に、段ボールシート1に突き刺さって溝Sの奥端(端部)S2を切断する突起部122aが下方の段ボールシート1に向かう側に突出して形成されている。この突起部122aは、先端がピン先のように角錐状又は円錐状にった複数(ここでは5つ)のピン状突起126がナイフ幅方向に並んで構成されている。

0026

また、突起部122aは、突起部122aよりも回転方向後側に形成されるスロッタナイフ122の刃先面122cよりも突出しており、刃先面122cに対しては滑らかな曲面状に連接されている。
段ボールシート1の上面に沿って走行するスロッタナイフ122の基部122Bから、このような突起部122aが突出形成される先端部の端面122bは、先端の突起部122aを除いて平面状或いは微少湾曲した略平面状に形成される。スロッタナイフ122による段ボールシート1の切断時には、まず、突起部122aの複数のピン状突起126がそれぞれ段ボールシート1に突き刺さって食い込んでいきって、溝Sの奥端S2についてはその後、端面122bの平面状(略平面状を含む)の部分が段ボールシート1内に食い込んでいって切断が行われるようになっている。

0027

ところで、本実施形態のスロッタナイフ122は、その端面122bが、径方向外方側(突起部122aの側)に対して軸心側(基部122Bの側)が次第に回転方向前方に位置するように、軸心に向かう直径方向面127に対して傾斜した傾斜面に形成されている。この傾斜角度αは、段ボールシート1の溝Sの奥端S2での突起部122a先端の軌跡に略対応するように、或いは、この突起部122a先端の軌跡を包含するように設定されている。また、傾斜角度αは、突起部122a先端が溝Sから抜ける際に、溝Sの奥端S2に対して段ボールシート1の上部を掬い上げるように動作する角度に対応するので、掬い角ともいう。

0028

スロッタナイフ122の基部122Bの段ボールシート1の上面に沿って走行する外周部が段ボールシート1と等速の周速で移動すると、スロッタナイフ122が段ボールシート1から抜ける際には、基部122Bの外周部よりも外方に位置する突起部122aは回転半径の大きい分だけ溝Sの奥端S2に対して回転方向前方移動しながら段ボールシート1の溝Sから抜けていく。したがって、突起部122a先端の段ボールシート1の溝Sの奥端S2に対する軌跡は、段ボールシート1の下面側よりも上面側の方が次第に回転方向前方に位置するように、段ボールシート1の厚み方向に対して傾斜したものとなる。

0029

端面122bはこのような突起部122a先端の軌跡に対応した傾斜角に傾斜しているのである。一般的な段ボールシート1の厚みと、突起部122a先端の半径(スロッタナイフ122の軸心からの距離)とを一般的な大きさに設定すると、傾斜角度αは18度程度となり、段ボールシート1の厚みや突起部122a先端の半径が標準よりも異なるものも考慮すると、傾斜角度αは16〜20度程度が好適であるが、僅かでも傾斜角度αが設けてあれば程度の差はあるが有効であり、このような観点からは、傾斜角度αは1〜20度程度であればよいことになる。

0030

さらに、本実施形態のスロッタナイフ122は、その端面122bの突起部122a側の左右角部123が面取り加工されている。また、この面取り加工箇所123は、図1(d)に示すように、滑らかな曲面124により形成されている。

0031

(作用、効果)
本発明の第1実施形態にかかるスロッタナイフは上述のように構成されているので、スロッタナイフ122による段ボールシート1への溝加工は、図3に示すように行われる。
つまり、スロッタナイフ122は、その基部22B外周の周速が段ボールシート1の走行速度と等速で回転しながら、図3(a)に示すように、スロッタナイフ122は段ボールシート1に食い込む。この際、突起部122a先端が段ボールシート1に食い込んだ後、傾斜した端面122bが、溝Sの奥端S2の面を、段ボールシート1の下面側よりも上面側の方が次第に回転方向前方に位置するように、段ボールシート1の厚み方向に対して傾斜した状態に加工する[図3(b)参照]。

0032

したがって、図3(c)に示すように、スロッタナイフ122が段ボールシート1から離れる直前に、突起部(刃先)122aが溝Sの奥端S2に対して段ボールシート1の下面側よりも上面側の方が次第に回転方向前方に食い込んで段ボールシート1の上部を掬い上げるような動きをしても、既に、傾斜した端面122bによって、溝Sの奥端S2の面はその上面側を、突起部122aと干渉しないように切削されているので、段ボールシート1の上部は突起部122aに影響されることはない。

0033

したがって、この突起部122aが段ボールシート1の上部を掬い上げることによって、生じる溝SRの角部の破れの発生は確実に回避される。
図4はスロッタナイフにより加工された溝Sの端部S2を示す斜視図であり、(a)は従来技術のスロッタナイフによる加工結果を示し、(b)は本実施形態のスロッタナイフによる加工結果を示す。図示するように、本実施形態のスロッタナイフによると、従来技術のスロッタナイフの場合に発生していた破れ25の発生が防止されることがわかる。

0034

このように、溝SRの角部に破れが発生しなければ、段ボール箱の形状を変形させたり、強度不足を招いたりするおそれもない。
なお、溝Sの奥端S2が傾斜することになるが、これによる段ボール箱の形状への影響や強度不足のおそれはない。
また、本実施形態の場合、端面122bの傾斜に加えて、突起部122a側の左右角部123が面取り加工されておりエッジが立っていないので、突起部122a側の左右角部123による溝端部S2の角部の破れが発生し難くなり、溝の端部S2の角部における破れの発生を抑制することができ、この点からも、段ボール箱の良好な品質を確保することができる。また、面取り加工箇所123が滑らかな曲面124で形成されているため、溝端部S2の破れの発生をより一層抑制することができる。

0035

なお、スロッタナイフ122の端面122b近傍の形状は、図1に示すものに限らず、図2(a)〜(d)にそれぞれ示すようなものでも良い。
例えば、上記の第1実施形態では、図1(e)に示すように、スロッタナイフ122の端面122bの突起部122a側の左右角部123を部分的に面取り加工しているが、図2(a)に示すように、スロッタナイフ122の端面122bの基部122B側から突起部122a側にわたる左右角部123bを略全体にわたって面取り加工してもよい。また、この面取り加工箇所123bも、滑らかな曲面により形成されることがより好ましい。

0036

また、上記の第1実施形態では、図1(b)に示すように、スロッタナイフ122の端面122bは、基部122B側から突起部122a側にわたって1つの平面として構成しているが、図2(b)に示すように、端面122bの突起部122a側は傾斜角度αのない(つまり、α=0)平面とし、端面122bの径方向中間部から基部122Bにわたって傾斜角度αを設けるようにしても、上記と同様の効果を得ることができる。

0037

また、図2(c)に示すように、端面122bの基部122B側を凹ませた凹部122dを設けると、スロッタナイフ122が段ボールシート1へ切り込む際に、端面122bによる溝Sの奥端S2の押し付け量が減り、溝Sの奥端S2を良好に保ち易くなる。また、図2(d)に示すように、図2(b)に示すような端面122bの径方向中間部から基部122Bにわたって傾斜角度αを設けるものに対しても、端面122bの基部122B側を凹ませた凹部122dを設けると、同様の効果が得られる。

0038

[第2実施形態]
図5(a)は本発明の第2実施形態にかかるスロッタナイフを示す側面図であり、図5(b)はその変形例にかかるスロッタナイフを示す側面図である。
図5(a)に示すように、本実施形態にかかるスロッタナイフ122Aは、スロッタナイフ122Aの回転方向の先端部の主要部分(特に、切断に寄与する部分)である突起部122aと端面122bの突起部122a側の部分122A2とが、スロッタナイフ122Aの他の部分(スロッタナイフ本体)122A1に対して着脱可能になっている。つまり、スロッタナイフ122Aは、この着脱可能な先端部122A2と、スロッタナイフ本体122A1とからなり、先端部(着脱可能部)12A2は図示しないボルト締結によってスロッタナイフ本体122A1に固定される。

0039

このような構成によって、最も磨耗しやすい先端部122A2の磨耗に対して、先端部125のみを交換すればよいので、スロッタナイフ全体を交換する場合に比べて交換作業が容易になり、交換部品コストも低減される効果がある。

0040

なお、図5(b)に示すスロッタナイフ122Bのように、端面122bの近傍だけでなく、突起部122aと端面122bの突起部122a側の部分とを含んだ刃先面122cの中間部までを着脱可能部122B2として、スロッタナイフ122Bを、この着脱可能部122B2と、スロッタナイフ本体122B1とから構成し、着脱可能部122B2は図示しないボルトの締結によってスロッタナイフ本体122B1に固定される構成としても良い。この方が、着脱可能部122B2は大きくなるが、スロッタナイフ本体122B1への着脱構造を容易に構成することができる。
また、先端部122A2や着脱可能部122B2の形状は、ここでは、第1実施形態と同様なものとするが、後述の第3実施形態と同様なものとしてもよい。

0041

[第3実施形態]
図6図7は本発明の第3実施形態にかかるスロッタナイフを示すもので、図6はその要部構成図、図7はその要部斜視図である。なお、本実施形態にかかるスロッタナイフ222は、第1実施形態に対して、その端面222bが傾斜しておらず、つまり、傾斜角度(掬い角)αは設けられておらず、軸心に向かう直径方向面127[図1(b)参照]と略同方向に向くように設定されている。

0042

ただし、突起部222aが端面222bから連続すると共に刃先面222cに対しても滑らかな曲面状に連接するようにして下方の段ボールシート1に向かう側に突出して形成され、この突起部122aは、先端がピン先のように角錐状又は円錐状に尖った複数(ここでは5つ)のピン状突起126がナイフ幅方向に並んで構成されている点は第1実施形態と同様である。

0043

また、スロッタナイフ222の端面222bの突起部222a側の左右角部223が面取り加工されている点、及び、この面取り加工箇所223は、図6(d)に示すように、滑らかな曲面224により形成されている点も第1実施形態と同様である。

0044

(作用、効果)
本発明の第3実施形態にかかるスロッタナイフは上述のように構成されているので、スロッタナイフ222による段ボールシート1への溝加工をする際には、スロッタナイフ222が段ボールシート1から離れる直前に、突起部(刃先)222aが溝Sの奥端S2に対して段ボールシート1の下面側よりも上面側の方が次第に回転方向前方に食い込んで段ボールシート1の上部を掬い上げるような動きをしても、端面222bの突起部222a側の左右角部223エッジが立っていないので、突起部222a側の左右角部223による溝端部S2の角部の破れが発生し難くなり、溝の端部S2の角部における破れの発生を抑制することができ、段ボール箱の良好な品質を確保することができる。また、面取り加工箇所223が滑らかな曲面224で形成されているため、この点からも、溝端部S2の破れの発生をより一層抑制することができる。

0045

[その他]
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でかかる実施形態を種々変形したり適宜組み合わせたりして実施しうるものである。
例えば、第1実施形態では、端面122bの傾斜に加えて、突起部122a側の左右角部123が面取り加工され、さらに、面取り加工箇所123が滑らかな曲面124で形成されているが、左右角部123を面取り加工のみして曲面124で形成しなくても、また、面取り加工自体を行なわなくても、端面122bの傾斜により、溝端部S2の破れの発生を抑制することができる。

0046

また、第3実施形態において、端面222bの左右角部223については、突起部222a側のみが面取り加工され、端面222bのスロッタナイフ基部222B側は面取り加工されないようにすれば、突起部222a側に比べて回転方向前方に突出していることになるので、左右角部223においては、端面222bによって溝Sの奥端S2の面が突起部222a先端と干渉しない程度に切削されることになる。つまり、左右角部223においてのみ、実質的に傾斜角(掬い角)が形成され手いることになる。これにより、左右角部223において、突起部222a先端が段ボールシート1の上部を掬い上げるようなこともなく、この点からも、溝端部S2の破れの発生をより一層抑制することができる。

図面の簡単な説明

0047

本発明の第1実施形態にかかるスロッタナイフの要部構成図であって、(a)はその先端部端面の正面図[(b)のA1方向矢視図]、(b)はその先端部の側面図、(c)はその先端部の下面図[(b)のC1方向矢視図]、(d)はその先端部の要部断面図[(a)のD1−D1矢視断面図]、(e)はその先端部の要部斜視図である。
本発明の第1実施形態にかかるスロッタナイフの先端部分の変形例を示す図であり、(a)はその第1変形例を示す要部斜視図、(b)はその第2変形例を示す先端部の側面図、(c)はその第3変形例を示す先端部の側面図、(d)はその第4変形例を示す先端部の側面図である。
本発明の第1実施形態にかかるスロッタナイフの作用を示す側面図であって、(a)〜(c)の順に溝切りの過程を示す。
本発明の第1実施形態にかかるスロッタナイフの構造の効果を従来技術と対比して示す溝端部の斜視図であって、(a)は従来技術を示し、(b)は本実施形態を示す。
本発明の第2実施形態にかかるスロッタナイフの構造を示す図であって、(a)はその側面図、(a)はその変形例の側面図である。
本発明の第3実施形態にかかるスロッタナイフを示す図であって、(a)はその先端部端面の正面図[(b)のA2方向矢視図]、(b)はその先端部の側面図、(c)はその先端部の下面図[(b)のC2方向矢視図]、(d)はその先端部の要部断面図[(a)のD2−D2矢視断面図]である。
本発明の第3実施形態にかかるスロッタナイフを示す斜視図である。
一般的なクリーザスロッタ部を示す側面図である。
クリーザスロッタ部により加工された段ボールシート示す正面図である。
一般的なスロッタナイフを説明する図であって、(a)はその構造を示す側面図、(b)はそのスロッタナイフにより段ボールシートに加工された溝をスロッタナイフと並べて示す正面図である。
従来技術の課題を説明するスロッタナイフの側面図であって、(a)〜(c)の順に溝切りの過程を示し、(d)は(c)の部分拡大図である。

符号の説明

0048

1段ボールシート
10U 上クリーザ軸
10L 下クリーザ軸
20U 上スロッタ軸
20L 下スロッタ軸
31U,32U上駆動ローラ
31L,32L 下駆動ローラ
11U 上クリーザヘッド
11L 下クリーザヘッド
21 上スロッタヘッド
22,23,122,222スロッタナイフ
24 下スロッタヘッド
25破れ
122A1,122B1 スロッタナイフ本体
122A2,122B1 スロッタナイフの着脱可能部
122B,222B スロッタナイフの基部
122a,222a突起部
122b,222b 端面
122c,222c刃先面
122d 凹部
123,123b,223左右角部(面取り加工箇所)
124,224曲面

126,226ピン状突起
127 直径方向面
SF段ボールシート1の進行方向前側の溝
SR 段ボールシート1の進行方向後ろ側の溝
S2 溝Sの奥端(端部)
α傾斜角度(掬い角)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • パックサイズ,エルエルシーの「 変換機械」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】特注寸法の箱を作成できるコンパクトな装置を提供する。【解決手段】シート材料104を包装用定型品へ変換するシステム100は、シート材料104が変換機械106を通って第1の方向に動いてゆく際に、裁... 詳細

  • 三菱マテリアル株式会社の「 ロータリーダイカッター」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】ダイカットロールとアンビルロールとの間の切断圧を確保しつつ、切断圧を生じさせる機構の出力を小さく抑えること。【解決手段】第1中心軸O1を有する円柱状の第1ロール1と、第1中心軸O1と並行して延... 詳細

  • 株式会社ユウコスの「 ロータリーダイカッター」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】樹脂シートや、樹脂フィルムでラミネートされた紙、又は薄手の紙などであっても、確実に打ち抜くことができ、且つ切刃の損傷の少ないロータリーダイカッターを提供する。【解決手段】周面に切刃を備えた円筒... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ