図面 (/)

技術 オゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置

出願人 ティッセンクルップ・ウーデ・クロリンエンジニアズ株式会社
発明者 加藤昌明川口理恵
出願日 2009年9月7日 (11年2ヶ月経過) 出願番号 2009-205434
公開日 2010年5月20日 (10年6ヶ月経過) 公開番号 2010-111942
状態 特許登録済
技術分野 非金属・化合物の電解製造;そのための装置 化合物または非金属の製造のための電極
主要キーワード 酸素供給機構 陰極側面 オゾン混合ガス ガス発生電極 陽極側面 気泡半径 通過性能 稼動温度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年5月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

通常運転時においては、効率よくオゾンを発生し、最も安全が問題となる保護電流運転時には、陰極では、水素ガスを発生させず、陽極で発生するオゾンガスへの水素ガスの混入を防ぎ、オゾンガス純度を改善し、長期間安全に電解を行うことのできるオゾン発生装置運転方法及びオゾン発生装置の提供。

解決手段

オゾン発生装置の通常運転時には、前記陽極室内の前記陽極よりオゾンガス、前記陰極室内の前記陰極より水素ガスを発生させ、前記オゾン発生装置の運転停止時に前記陽極保護のため微小電流を供給する保護電流運転時のみ、前記陰極室内の電解水及び水素ガスを全て排出した後、前記陰極室内に酸素含有ガスを供給し、前記陰極をガス電極として酸素還元反応を行わせ、前記陰極をガス発生電極及びガス電極の両方の機能を備えた可逆電極として使用することを特徴とするオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置である。

概要

背景

陽極及び陰極陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜の両側に密着させることで構成した電解装置は、導電性が低く通常の電解方法では電解できない純水の直接電解を可能とし、電解電圧の低下による使用電力の低減、装置の小型化等が達成される利点がある。このことから、この種の電解装置は、優れた省エネルギー電解システムとして広く使用されており、電解による酸素水素発生用の水電解装置として実用化されている。また、フッ素系イオン交換膜を特異な性質を有する電解質として利用し、純水を原料とするオゾン発生装置としても実用化されている。
このようなオゾン発生装置において、陽イオン交換膜と電極触媒、及び電極触媒と集電体接合方法は、本電解システムの利点を有効に利用するために重要であり、大別して2つのタイプがある。

第1のタイプは、陽イオン交換膜表面に直接電極触媒担持させたタイプであり、この方法は陽イオン交換膜表面に金属塩吸着させた後、還元剤と接触させて金属を陽イオン交換膜表面に直接析出させる方法である。

第2のタイプは、集電体表面に電極触媒を担持させたタイプであり、第1のタイプで認められる欠点はなく、電極触媒の選択が広く行え、厚さ数十μmに及ぶ厚い電極触媒層も作製可能である。担持方法としては、電解めっきやCVD、スパッタ等の方法を用いて集電体上に直接金属や金属酸化物からなる電極触媒層を担持する方法、電極触媒粉を樹脂有機溶媒と混合してペースト状にし、これを集電体表面に塗布して乾燥させ電極触媒層を担持する方法、金属塩溶液を集電体上に塗布した後、熱分解を行い金属酸化物からなる電極触媒層を担持する方法等がある。

第1及び第2のいずれかの方法によって、陽イオン交換膜と電極触媒、又は電極触媒と集電体を接合して構成された水電解装置を用いて、純水のような比抵抗の大きい液体の電解を行うと、電解反応は陽イオン交換膜/電極触媒/液体の3相が接する界面(三相界面)において主に進行する。例えば、陽極の電極触媒にイリジウム、陰極の電極触媒に白金担持カーボンを用いた場合、陽極では酸素発生反応、陰極では水素発生反応がそれぞれの三相界面において進行する。

気泡は三相界面にてある程度の大きさに成長した後、三相界面から集電体内部を通過して電解セル外に排出されるが、気泡が三相界面に存在している間に気泡内圧力駆動力とする濃度拡散により発生ガスの一部は、陽イオン交換膜を通過して対極へ移動する。例えば、ゼロギャップ水電解装置において、陰極触媒/陽イオン交換膜/水の三相界面で発生した水素が、陽イオン交換膜を通過して対極である陽極まで達し、酸素ガスに混合されて電解セル外へ排出される現象である。

発生ガスが対極へ移動することは、発生ガス純度の低下や発生ガス電流効率の低下といった水電解装置の性能低下現象を引き起こす。更に、オゾン・酸素・水素発生を行っている水電解装置においては対極ガス移動により水素の爆発限界(水素が4.65体積%、酸素中)を超えた水素・酸素・オゾン混合ガスが生成する可能性があるため、水電解装置の安全な稼動のためには対極ガス混入監視する機器運用上の注意が必要となる。

気泡のサイズと液体の表面張力の関係はYoung−Laplace式 Pg−Pl=2γ/r(Pg:気泡内圧力、Pl:液体圧力、γ:液体の表面張力、r:気泡半径)で示される。本式によれば、液体圧力が一定の場合、気泡径が小さいほど平衡となる気泡内圧力は増加するため、対極へのガス透過駆動力が増加することがわかる。

この関係によって、陽イオン交換膜を透過するガス量は電極から発生するガス量には直接影響を受けず、三相界面に生成する微小な気泡の内圧及び気泡と陽イオン交換膜との接触面積に依存すると考えられる。従って、保護電流運転下であっても通常運転である高電流密度下と三相界面数及びガスが発生するサイト数は同じであるため通常運転時と同様に微細気泡は発生し、同量のガス量が陽イオン交換膜を透過する。更に低電流密度下では電極からの発生ガス量も少ないため、陽イオン交換膜を透過したガスは希釈されずに高電流密度下より高濃度で電解セルから排出される。特に、オゾン・酸素・水素発生装置においては、発生ガスが爆鳴気となる可能性があった。

保護電流とは、電解装置停止時において、電極を腐食変質から防ぎ、電極性能を維持する目的で電解セルに通電する電流を指し、通常、電解時の1/50〜1/1000程度の電流値の電流を供給する。例えば、陽極に二酸化鉛(PbO2)を使用している電解オゾン発生装置において、保護電流を供給せずに装置停止した場合は、陰極から陽イオン交換膜を通過して陽極に達した水素による還元や、陽極構成材料との接触により構成される局部電池による還元反応の進行などにより、二酸化鉛は還元されてオゾン発生能力及び導電性がほとんどない酸化鉛(PbO)や鉛(Pb)に変化或いは鉛イオンとなって液中溶出し、陽極からのオゾン発生能力が低下する問題がある。一般的には、電解装置停止中にこれら腐食反応を抑制するために、対象となる電極に保護電流を供給し、腐食が発生しない電極電位を保持することが行われている。

そこで、本発明者らは、電解によって発生する陽極ガスの純度を改善し、特にオゾン発生装置の運転停止時の保護電流運転下においても、安全に運転できるオゾン発生装置を得るために、陽イオン交換膜を通過する対極ガス量を抑制することを目的として、陰極のガス電極検討を行った。

その結果、本発明者らは、特許文献1に記載のように、陰極として、親水性疎水性を有するガス電極を用い、しかも常時、陰極に酸素含有ガスを供給することにより、陰極での水素発生を抑制し、陽極発生ガスとしてのオゾンガス中に対極ガスである水素ガスが混入しないことを見出し、又、電解によるオゾン発生のように高電流密度且つ60℃以下の低温においても安全に稼動できることを可能とした。

特許文献1において使用できるガス電極としては、固体高分子電解質型燃料電池向けにプロトン酸素還元反応(O2+4H++4e-→2H2O)を行う目的で開発されている貴金属触媒担持型電極を用いることができる。

概要

通常運転時においては、効率よくオゾンを発生し、最も安全が問題となる保護電流運転時には、陰極では、水素ガスを発生させず、陽極で発生するオゾンガスへの水素ガスの混入を防ぎ、オゾンガス純度を改善し、長期間安全に電解を行うことのできるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置の提供。オゾン発生装置の通常運転時には、前記陽極室内の前記陽極よりオゾンガス、前記陰極室内の前記陰極より水素ガスを発生させ、前記オゾン発生装置の運転停止時に前記陽極保護のため微小電流を供給する保護電流運転時のみ、前記陰極室内の電解水及び水素ガスを全て排出した後、前記陰極室内に酸素含有ガスを供給し、前記陰極をガス電極として酸素還元反応を行わせ、前記陰極をガス発生電極及びガス電極の両方の機能を備えた可逆電極として使用することを特徴とするオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置である。

目的

また、水電解によってオゾンを発生させる電解方法においては、オゾンの自己分解を抑制するために電解セル及び電解液の温度を30℃付近に保つこと、また電解電流密度としては1A/cm2以上が電力原単位が最も低いことから商業的にはこれら電解条件を用いることが一般的であるが、これら電解条件は、固体高分子電解質型燃料電池等で使用される酸素還元を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜の一方の側面に、オゾン発生用陽極密着させ、その前面に陽極室を形成し、他方の側面に水素発生用の陰極を密着させ、その前面に陰極室を形成したオゾン発生装置において、前記オゾン発生装置の通常運転時に、前記陽極室内の前記陽極よりオゾンガス、前記陰極室内の前記陰極より水素ガスを発生させ、前記オゾン発生装置の運転を停止し前記陽極保護のため微小電流を供給する保護電流運転時のみに、前記陰極室内の電解水及び水素ガスを全て排出した後、前記陰極室内に酸素含有ガスを供給し、前記陰極をガス電極として酸素還元反応を行わせ、前記陰極をガス発生電極及びガス電極の両方の機能を備えた可逆電極として使用することを特徴とするオゾン発生装置の運転方法

請求項2

前記オゾン発生装置の運転を停止し前記陽極保護のため微小電流を供給する保護電流運転時のみに、前記陰極室内に純水、空気又は不活性ガスを供給して、前記陰極室内の電解水及び水素ガスを全て純水、空気又は不活性ガスと置換した後、前記陰極室内に酸素含有ガスを供給する請求項1に記載のオゾン発生装置の運転方法。

請求項3

前記陰極が、白金又は白金担持カーボン粒子フッ素樹脂含有樹脂中に分散させた導電性多孔質構造体よりなる請求項1に記載のオゾン発生装置の運転方法。

請求項4

前記陽極が、二酸化鉛を含む陽極触媒を表面に含有する多孔質金属板又は金属繊維焼結体よりなる導電性多孔質構造体よりなる請求項1に記載のオゾン発生装置の運転方法。

請求項5

陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜の一方の側面に、オゾン発生用の陽極を密着させ、その前面に陽極室を形成し、他方の側面に水素発生用の陰極を密着させ、その前面に陰極室を形成したオゾン発生装置において、前記陰極を可逆電極として使用し、前記オゾン発生装置の通常運転時においては、ガス発生電極として使用し、前記オゾン発生装置の運転を停止し前記陽極保護のため微小電流を供給する保護電流運転時においては、ガス電極として使用し、請求項1に記載の運転方法を実施することを特徴とするオゾン発生装置。

請求項6

前記陰極が、白金又は白金担持カーボン粒子をフッ素樹脂含有樹脂中に分散させた導電性多孔質構造体よりなる請求項5に記載のオゾン発生装置。

請求項7

前記陽極が、二酸化鉛を含む陽極触媒を表面に含有する多孔質金属板又は金属繊維焼結体よりなる導電性多孔質構造体よりなる請求項5に記載のオゾン発生装置。

技術分野

0001

本発明は、陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜の両側面に陽極及び陰極密着させることで水電解を行い、陽極よりオゾン、陰極より水素を発生させるオゾン発生装置に関し、陰極で発生した水素ガスが陽イオン交換膜を経て陽極に透過する現象、特に、オゾン発生装置の運転停止時における保護電流運転下に電解セルより排出される陽極ガス純度悪化を改善し、長期間安全に運転を行うことを可能にするオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置に関するものである。

背景技術

0002

陽極及び陰極を陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜の両側に密着させることで構成した電解装置は、導電性が低く通常の電解方法では電解できない純水の直接電解を可能とし、電解電圧の低下による使用電力の低減、装置の小型化等が達成される利点がある。このことから、この種の電解装置は、優れた省エネルギー電解システムとして広く使用されており、電解による酸素水素発生用の水電解装置として実用化されている。また、フッ素系イオン交換膜を特異な性質を有する電解質として利用し、純水を原料とするオゾン発生装置としても実用化されている。
このようなオゾン発生装置において、陽イオン交換膜と電極触媒、及び電極触媒と集電体接合方法は、本電解システムの利点を有効に利用するために重要であり、大別して2つのタイプがある。

0003

第1のタイプは、陽イオン交換膜表面に直接電極触媒担持させたタイプであり、この方法は陽イオン交換膜表面に金属塩吸着させた後、還元剤と接触させて金属を陽イオン交換膜表面に直接析出させる方法である。

0004

第2のタイプは、集電体表面に電極触媒を担持させたタイプであり、第1のタイプで認められる欠点はなく、電極触媒の選択が広く行え、厚さ数十μmに及ぶ厚い電極触媒層も作製可能である。担持方法としては、電解めっきやCVD、スパッタ等の方法を用いて集電体上に直接金属や金属酸化物からなる電極触媒層を担持する方法、電極触媒粉を樹脂有機溶媒と混合してペースト状にし、これを集電体表面に塗布して乾燥させ電極触媒層を担持する方法、金属塩溶液を集電体上に塗布した後、熱分解を行い金属酸化物からなる電極触媒層を担持する方法等がある。

0005

第1及び第2のいずれかの方法によって、陽イオン交換膜と電極触媒、又は電極触媒と集電体を接合して構成された水電解装置を用いて、純水のような比抵抗の大きい液体の電解を行うと、電解反応は陽イオン交換膜/電極触媒/液体の3相が接する界面(三相界面)において主に進行する。例えば、陽極の電極触媒にイリジウム、陰極の電極触媒に白金担持カーボンを用いた場合、陽極では酸素発生反応、陰極では水素発生反応がそれぞれの三相界面において進行する。

0006

気泡は三相界面にてある程度の大きさに成長した後、三相界面から集電体内部を通過して電解セル外に排出されるが、気泡が三相界面に存在している間に気泡内圧力駆動力とする濃度拡散により発生ガスの一部は、陽イオン交換膜を通過して対極へ移動する。例えば、ゼロギャップ水電解装置において、陰極触媒/陽イオン交換膜/水の三相界面で発生した水素が、陽イオン交換膜を通過して対極である陽極まで達し、酸素ガスに混合されて電解セル外へ排出される現象である。

0007

発生ガスが対極へ移動することは、発生ガス純度の低下や発生ガス電流効率の低下といった水電解装置の性能低下現象を引き起こす。更に、オゾン・酸素・水素発生を行っている水電解装置においては対極ガス移動により水素の爆発限界(水素が4.65体積%、酸素中)を超えた水素・酸素・オゾン混合ガスが生成する可能性があるため、水電解装置の安全な稼動のためには対極ガス混入監視する機器運用上の注意が必要となる。

0008

気泡のサイズと液体の表面張力の関係はYoung−Laplace式 Pg−Pl=2γ/r(Pg:気泡内圧力、Pl:液体圧力、γ:液体の表面張力、r:気泡半径)で示される。本式によれば、液体圧力が一定の場合、気泡径が小さいほど平衡となる気泡内圧力は増加するため、対極へのガス透過駆動力が増加することがわかる。

0009

この関係によって、陽イオン交換膜を透過するガス量は電極から発生するガス量には直接影響を受けず、三相界面に生成する微小な気泡の内圧及び気泡と陽イオン交換膜との接触面積に依存すると考えられる。従って、保護電流運転下であっても通常運転である高電流密度下と三相界面数及びガスが発生するサイト数は同じであるため通常運転時と同様に微細気泡は発生し、同量のガス量が陽イオン交換膜を透過する。更に低電流密度下では電極からの発生ガス量も少ないため、陽イオン交換膜を透過したガスは希釈されずに高電流密度下より高濃度で電解セルから排出される。特に、オゾン・酸素・水素発生装置においては、発生ガスが爆鳴気となる可能性があった。

0010

保護電流とは、電解装置停止時において、電極を腐食変質から防ぎ、電極性能を維持する目的で電解セルに通電する電流を指し、通常、電解時の1/50〜1/1000程度の電流値の電流を供給する。例えば、陽極に二酸化鉛(PbO2)を使用している電解オゾン発生装置において、保護電流を供給せずに装置停止した場合は、陰極から陽イオン交換膜を通過して陽極に達した水素による還元や、陽極構成材料との接触により構成される局部電池による還元反応の進行などにより、二酸化鉛は還元されてオゾン発生能力及び導電性がほとんどない酸化鉛(PbO)や鉛(Pb)に変化或いは鉛イオンとなって液中溶出し、陽極からのオゾン発生能力が低下する問題がある。一般的には、電解装置停止中にこれら腐食反応を抑制するために、対象となる電極に保護電流を供給し、腐食が発生しない電極電位を保持することが行われている。

0011

そこで、本発明者らは、電解によって発生する陽極ガスの純度を改善し、特にオゾン発生装置の運転停止時の保護電流運転下においても、安全に運転できるオゾン発生装置を得るために、陽イオン交換膜を通過する対極ガス量を抑制することを目的として、陰極のガス電極検討を行った。

0012

その結果、本発明者らは、特許文献1に記載のように、陰極として、親水性疎水性を有するガス電極を用い、しかも常時、陰極に酸素含有ガスを供給することにより、陰極での水素発生を抑制し、陽極発生ガスとしてのオゾンガス中に対極ガスである水素ガスが混入しないことを見出し、又、電解によるオゾン発生のように高電流密度且つ60℃以下の低温においても安全に稼動できることを可能とした。

0013

特許文献1において使用できるガス電極としては、固体高分子電解質型燃料電池向けにプロトン酸素還元反応(O2+4H++4e-→2H2O)を行う目的で開発されている貴金属触媒担持型電極を用いることができる。

先行技術

0014

特開平5−255879号公報

発明が解決しようとする課題

0015

しかし、特許文献1に記載の方法については、通常運転時においても、常に、装置の陰極に酸素含有ガスを大量に供給する必要があり、PSAなどの酸素供給機構が必要となり、装置が過大になる問題がある。また、水電解によってオゾンを発生させる電解方法においては、オゾンの自己分解を抑制するために電解セル及び電解液の温度を30℃付近に保つこと、また電解電流密度としては1A/cm2以上が電力原単位が最も低いことから商業的にはこれら電解条件を用いることが一般的であるが、これら電解条件は、固体高分子電解質型燃料電池等で使用される酸素還元を目的としたガス電極の一般的な作動条件とはかけ離れている。

0016

固体高分子電解質型燃料電池においては、発電効率を上げるためにセル抵抗下げた運転が望まれ、固体高分子電解質電気抵抗を下げるために90℃前後まで運転温度を上げる運転方法が一般的である。運転温度を上げることは同時に水蒸気圧が高い雰囲気で電極を稼動することとなり、酸素還元によって発生する水や固体高分子電解質膜電気伝導度を与えるため水の排出や供給は水蒸気で行うことが前提となる。燃料電池における反応物質である酸素や水素と同様に、水を水蒸気として扱うことは、ガス電極の反応物質供給路である拡散層はガス通過性能のみを有しておけばよいこととなる。

0017

一方、水電解によるオゾン発生においては、セルや電解液などの雰囲気温度は30℃程度であり、水蒸気圧が小さいため殆どの水は液体として存在する。このため、一般のガス電極を使用した場合、長期運転時は水蒸気が凝結して生成した液滴が拡散層のガス供給チャネル閉塞するため、反応物質である酸素ガスが反応場である電極表面の三相界面に供給されにくくなり、長期的には、ガス電極として作動しなくなる可能性がある。

0018

電解オゾン生成標準的な電流密度である1A/cm2は、現在の燃料電池等に使用されている酸素還元用ガス電極としては上限に近い電流密度である。また、電解オゾン発生セルの電解時の温度条件であるが、高効率でオゾンを発生させるためには電解液温度30℃程度が最適であり、燃料電池の稼動温度に比較して低い温度である。従って前述したように電解オゾン発生セルにおいて燃料電池用のガス電極を使用した場合、長期的には、水の凝縮により電極表面から電極背面への物質移動経路水没して電解反応場である電極表面の三相界面に、反応物質である酸素ガスが十分に供給されない現象が発生し、更に凝縮量が増加すれば、三相界面自体も液体である水に没する。従って電流密度が高く稼動温度が低い電解によるオゾン生成セルにおいて、通常電解に酸素還元用ガス陰極を適用した場合、長期稼動においては安定な稼動が期待できないといえる。

0019

即ち、特許文献1に記載のオゾン発生装置においては、通常運転時においても、常時、陰極に酸素含有ガスを供給し、陰極を常時ガス電極として使用しているため、長期的に安定した運転ができないという欠点を有している。

課題を解決するための手段

0020

本発明は、上記の課題を解決するため、陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜の一方の側面に、オゾン発生用の陽極を密着させ、その前面に陽極室を形成し、他方の側面に水素発生用の陰極を密着させ、その前面に陰極室を形成したオゾン発生装置において、前記オゾン発生装置の通常運転時に、前記陽極室内の前記陽極よりオゾンガス、前記陰極室内の前記陰極より水素ガスを発生させ、前記オゾン発生装置の運転を停止し前記陽極保護のため微小電流を供給する保護電流運転時のみに、前記陰極室内の電解水及び水素ガスを全て排出した後、前記陰極室内に酸素含有ガスを供給し、前記陰極をガス電極として酸素還元反応を行わせ、前記陰極をガス発生電極及びガス電極の両方の機能を備えた可逆電極として使用することを特徴とするオゾン発生装置の運転方法を構成したことにある。

0021

また、第2の課題解決手段は、前記オゾン発生装置の運転方法において、前記オゾン発生装置の運転を停止し前記陽極保護のため微小電流を供給する保護電流運転時のみに、前記陰極室内に純水、空気又は不活性ガスを供給して、前記陰極室内の電解水及び水素ガスを全て純水、空気又は不活性ガスと置換した後、前記陰極室内に酸素含有ガスを供給することにある。

0022

また、第3の課題解決手段は、前記オゾン発生装置の運転方法において、前記陰極が、白金又は白金担持カーボン粒子フッ素樹脂含有樹脂中に分散させた導電性多孔質構造体により構成したことにある。

0023

また、第4の課題解決手段は、前記オゾン発生装置の運転方法において、前記陽極が、二酸化鉛を含む陽極触媒を表面に含有する多孔質金属板又は金属繊維焼結体よりなる導電性多孔質構造体により構成したことにある。

0024

また、第5の課題解決手段は、陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜の一方の側面に、オゾン発生用の陽極を密着させ、その前面に陽極室を形成し、他方の側面に水素発生用の陰極を密着させ、その前面に陰極室を形成したオゾン発生装置において、前記陰極を可逆電極として使用し、前記オゾン発生装置の通常運転時においては、ガス発生電極として使用し、前記オゾン発生装置の運転を停止し前記陽極保護のため微小電流を供給する保護電流運転時においては、ガス電極として使用し、前記本発明の運転方法を実施することを特徴とするオゾン発生装置を構成したことにある。

0025

また、第6の課題解決手段は、前記オゾン発生装置において、前記陰極が、白金又は白金担持カーボン粒子をフッ素樹脂含有樹脂中に分散させた導電性多孔質構造体により構成したことにある。

0026

また、第7の課題解決手段は、前記オゾン発生装置において、前記陽極が、二酸化鉛を含む陽極触媒を表面に含有する多孔質金属板又は金属繊維焼結体よりなる導電性多孔質構造体により構成したことにある。

発明の効果

0027

本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置によれば、通常運転時においては、陽極ガス中に対極ガスである水素は少量混入するものの、最も安全性が問題となる保護電流運転時には、陽極ガス中の水素及び陰極で発生する水素をゼロにできるため安全である。また、陰極は、通常運転時では、水素発生、保護電流運転時には酸素還元を行う可逆電極であるが、酸素還元を行う保護電流運転時においては、通常電解時の1/50〜1/1000の電流値なので、反応物質である酸素ガスのガス電極の三相界面への供給必要量も少なく、簡易な置換及び供給方法で十分に稼動する。

図面の簡単な説明

0028

本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置に使用する電解セルの一例を示す全体図。
本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置の一態様を示す全体図。

0029

以下、本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。

0030

図1は、本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置に使用する電解セルの一態様を示す図面であり、電解セル8は、陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜1の一方の側面に、オゾン発生用の陽極触媒を導電性多孔質構造体に担持させてなるオゾン発生用の陽極2が密着され、その前面に陽極集電体又は陽極基体3が設けられ、前記陽極集電体又は陽極基体の前面に陽極室6が形成されている。陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜1の他方の側面に水素発生用の陰極触媒を導電性多孔質構造体に担持させてなる水素発生用の陰極4が密着され、その前面に陰極集電体又は陰極基体5を設け、前記陰極集電体又は陰極基体5の前面に陰極室7が形成されている。

0031

本発明の電解装置においては、陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜1は、従来から知られている陽イオン交換膜が広く使用できるが、特にスルホン酸基を有し、化学安定性に優れるパーフルオロスルホン酸陽イオン交換膜が好適である。固体高分子電解質隔膜1の陽極側面には、オゾン発生用の陽極触媒を導電性多孔質構造体に担持させてなるオゾン発生用の陽極2を密接し、その表面に陽極集電体又は陽極基体3を密接して配置される。陽極集電体又は陽極基体3は、導電性を有し、また酸化に対して耐食性があり、且つ発生ガスの放出及び電解液の流通が十分可能な構造のものが使用でき、例えば、チタンタンタルニオブジルコニウム等の金属を基材とした多孔体網状体繊維体発泡体が使用できる。オゾン発生用の陽極2を構成するオゾン発生用の陽極触媒としては、例えば二酸化鉛等の酸素過電圧の高い物質が使用できる。

0032

前記オゾン発生用の陽極2は、二酸化鉛等の酸素過電圧の高い物質をフッ素樹脂含有樹脂中に分散させた後、導電性多孔質構造体に担持させて形成し、この陽極2を陽極集電体又は陽極基体3に塗布法ホットプレス法で担持させている。
前記導電性多孔質構造体としては、フッ素樹脂を用いて多孔質構造体を作り、これにカーボン金属繊維などの導電性粒子を混合し、導電性を付与して製作する。このフッ素樹脂としては、各種のフッ素樹脂が使用できるが、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)が好ましい。また、前記導電性多孔質構造体としては、多孔質金属板又は金属繊維焼結体を用いることができ、その表面に、前記陽極触媒を電解めっき法や、熱分解法、塗布法、ホットプレス法等で担持することもできる。
尚、陽極2は、前記導電性多孔質構造体を使用しないで、前記陽極触媒をフッ素樹脂やナフィオン液等のバインダー成分と混合し、シート状に成形して使用することもできる。また、オゾン発生用の陽極2を構成するオゾン発生用の陽極触媒としては、二酸化鉛の代わりに導電性ダイヤモンドを用いることができる。この場合、導電性多孔質構造体が不要となり、更には、陽極集電体又は陽極基体3も用いないでもよい。

0033

また、前記陽極2は、陽極集電体又は陽極基体3へ担持させる代わりに、前記固体高分子電解質隔膜1の表面にホットプレス法により密着接合することもできる。

0034

固体高分子電解質隔膜1の陰極側面には、表面に陰極触媒を含有する陰極4が担持された陰極集電体又は陰極基体5が密接して配置される。陰極集電体又は陰極基体5としては、ペーパーウェブ状とした炭素繊維体や、ニッケルステンレス鋼、ジルコニウム等の陽極集電体又は陽極基体と同様の多孔体が使用できる。陰極4を構成する陰極触媒としては、水素過電圧の低い白金、白金黒、白金担持カーボンが望ましい。

0035

陰極4は、前記陰極触媒をフッ素樹脂含有樹脂中に分散させた多孔質構造体よりなり、陰極集電体又は陰極基体5や基材に塗布法やホットプレス法で担持でき、またフッ素樹脂やナフィオン液等のバインダー成分と混合し、シート状に成形して使用することもできる。その際、陰極4を構成する前記陰極触媒の表面を疎水化し、特に疎水性が高いポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEともいう。)の分散体が最表面に有効に機能するように、組成を配合し、構成配置することにより、水電解装置の構成を大きく変えることなく、ガスの透過を大幅に抑制し、ガス純度と電流効率を改善することもできる。
前記導電性多孔質構造体としては、フッ素樹脂を用いて多孔質構造体を作り、これにカーボンや金属繊維などの導電性粒子を混合し、導電性を付与して製作する。このフッ素樹脂としては、各種のフッ素樹脂が使用できるが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。また、前記導電性多孔質構造体としては、多孔質金属板又は金属繊維焼結体を用いることができ、その表面に、前記陰極触媒を電解めっき法や、熱分解法、塗布法、ホットプレス法等で担持することもできる。
更に、陰極4は、前記多孔質構造体を使用しないで、前記陰極触媒をフッ素樹脂やナフィオン液等のバインダー成分と混合し、シート状に成形して使用することもできる。また、陰極集電体又は陰極基体5を用いないでもよい。

0036

尚、前記陰極4は、陰極集電体又は陰極基体5へ担持させる代わりに、前記固体高分子電解質隔膜1の表面にホットプレス法により密着接合することもできる。

0037

図2は、本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置の一態様を示す図面であり、電解セル8には、通常電解用直流電源E1と保護電流用直流電源E2が接続されている。9は、電解セル8の陽極室6に純水を供給するパイプ、10は、電解セル8の陰極室7に酸素又は空気を供給するパイプ、11は、電解セル8の陰極室7に純水を供給するパイプ、V1は、酸素又は空気の切替バルブ、V2は、純水の切替バルブである。12は、陰極室7の上部に設けられた気液分離装置、13は、酸素又は空気の排出パイプ、14は、水素の排出パイプ、V3は、酸素又は空気の排出の切替バルブ、V4は、水素の排出の切替バルブである。S1は、タイマ機能を有する制御装置であり、E1、E2、V1、V2、V3、V4の動作を制御するものである。
尚、酸素又は空気を供給するパイプ10及び酸素又は空気の排出パイプ13は、前記陰極室内の電解水(移行水)及び水素ガスを全て排出するための、空気又は不活性ガスの供給パイプ、空気又は不活性ガスの排出パイプとしても使用される。このとき、電解水(移行水)は、パイプ15より排出され、水素ガスは、パイプ14より排出される。尚、純水を使用して前記陰極室内の電解水及び水素ガスを全て排出する場合、純水を供給パイプ11より陰極室に供給し、パイプ15より排出される。

0038

次に、本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置について詳述する。

0039

A)先ず、通常運転時の動作について説明する。電解条件としては、電極面積を、100cm2、通常電解電流密度を、1A/cm2として運転した。
(1)通常電解用直流電源E1から100Aの電流が電解セル8に供給される。
(2)同時に、保護電流用直流電源E2からも1Aの電流が電解セルに供給される。
(3)+側には、パイプ9より純水が供給され、陽極室6からは酸素とオゾンの混合ガスが排出される。
(4)水素イオンと移行水は、電解によって陽極室6から陰極室7へ移動する。
(5)この通常運転時において、水素イオンは、陰極反応により陰極4で水素ガスとなる。
(6)陰極室7からは、水素と電解水(移行水)が排出され、気液分離装置12にて分離される。
(7)陰極室7にラインから供給されるものはなく、V1、V2とも閉となっており、V4は開でV3は閉となっている。
従って、通常運転時においては、陰極4は、水素ガス発生陰極として作動し、陰極4より水素ガスが発生する。

0040

B)次いで、運転停止時の動作について説明する。
(1)運転停止においては、制御装置S1によりE1を停止し、E2のみを運転したままとする。
(2)次いで、V2を開き、パイプ11より純水を陰極室7に供給し、陰極室7内の水素ガス及び電解水を追い出す。
(3)次に、所定時間経過後、V2を閉じ、V1を開いてパイプ10より酸素又は空気を陰極室7に供給する。V1を開くのと同時に、V4を閉じてV3を開く。
(4)停止時動作完了
従って、運転停止時においては、陰極4は、ガス陰極として作動し、陰極4より水素ガスは発生しない。

0041

C)更に、再稼動について説明する。
(1)V1を閉じて、V2を開き、純水をパイプ11より陰極室7に供給し、陰極室7内の酸素・空気を追い出す。
(2)次いで、所定時間経過後V2を閉じ、同時にV3を閉じて、V4を開く。
(3)通常電解用直流電源E1から100Aの電流を電解セル8に供給する。
従って、再稼動後は、通常運転時の状態に戻り、陰極4は、再び水素ガス発生陰極として作動し、陰極4より水素ガスが発生する。

0042

以上説明したとおり、本発明によれば、前記陰極4は、可逆電極として使用し、通常運転時においては、ガス発生電極として使用し、運転停止時の保護電流運転時においては、ガス電極として使用される。

0043

尚、電解室以外の場所のガス置換が完全に行われたかを安全面から確認する水素センサーなどを設置することが好ましい。
更に、本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置においては、置換に用いるガスや純水の流量を測定したり、流量測定値バルブ開時間から置換に用いた流体積算値を求めたり、電解室以外の配管等の経路中のガス置換の状況を確認するために経路中に酸素濃度水素濃度を測定する測定器を設置することが好ましい。

0044

次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。

0045

<実施例1>
厚さ1mmのチタン製びびり繊維焼結体(東京製(株)製)を中性洗剤にて洗浄脱脂した後、20質量%の50℃塩酸溶液にて1分間酸洗して前処理を行い、次いでチタン製びびり繊維焼結体上に、白金−チタン−タンタル(25−60−15モル%)からなる被覆を熱分解法により形成し表面に下地層を形成した陽極集電体又は陽極基体3とした。
該陽極集電体又は陽極基体3を陽極として、400g/Lの硝酸鉛水溶液を電解液にて、60℃、1A/dm2の条件で60分間電解を行い、陽極触媒であるβ−二酸化鉛の被覆層よりなる陽極2を陽極集電体又は陽極基体3表面に形成した。

0046

固体高分子電解質隔膜1としては、市販のパーフルオロスルホン酸型陽イオン交換膜(商品名:ナフィオン117、デュポン社製)を使用し、煮沸純水中に30分間浸漬し、含水による膨潤処理を行った。

0047

一方、PTFEディスパージョン(三井デュポンフロロケミカル(株) 30−J)と、白金担持カーボン触媒を水に分散させた分散液を混合した後、乾燥させ、これにソルベントナフサを加えて混練した後、圧延工程と乾燥工程及び焼成工程を経て、PTFE40質量%、白金担持カーボン触媒60質量%で膜厚120μm、空隙率55%の多孔質構造体よりなる陰極シートよりなる陰極4を得た。

0048

これらと、厚さ2.5mmの陰極集電体5であるステンレス繊維焼結体(東京製綱(株)製)を、陽極室6/陽極集電体3/β−二酸化鉛の被覆層よりなる陽極2/固体高分子電解質隔膜1/陰極シートよりなる陰極4/陰極集電体5/陰極室7の順にチタン製電解装置に組み込み、電解液である純水は、30±5℃に保つように温度調整をしながら、純水電解(通常電解)を行ったところ、陽極からはオゾンと酸素の混合ガス、陰極からは水素ガスが生成し、陽極発生ガス中のオゾン濃度は11.0体積%、陰極で発生して、固体高分子電解質隔膜1を透過して陽極ガス(オゾンガス)中に透過した水素ガスの水素ガス濃度は0.05体積%、セル電圧3.3Vであった。電解条件は、電流密度1A/cm2、電解液温度30±5℃、電解有効面積は1dm2とした。

0049

次に、電流密度を保護電流密度である0.01A/cm2に切り替えた後、陰極室に純水を供給して陰極室内の電解水及びガスを置換し、置換後、陰極室にエアポンプにて空気を0.5L/minで供給したところ、陽極発生ガス中の水素濃度は未検出、陰極室排出ガス中の水素濃度も未検出であった。セル電圧は0.5Vであった。
以下の実施例及び比較例における電解条件は、全て実施例1と同一とした。

0050

<実施例2>
実施例1と同様に通常電解を実施した後、保護電流とし、陰極室内の電解水及びガスを純水にて置換し、置換後、陰極室にPSA濃縮による酸素(酸素濃度96%)を0.3L/minで供給したところ、陽極発生ガス中の水素濃度は未検出、陰極室排出ガス中の水素濃度も未検出であった。セル電圧は0.4Vであった。

0051

<実施例3>
実施例1と同様に通常電解を実施した後、保護電流とし、陰極室にエアポンプにて空気を0.5L/minで供給したところ、陰極室中の水が排出され、陽極発生ガス中の水素濃度は未検出、陰極室排出ガス中の水素濃度も未検出であった。セル電圧は0.5Vであった。

0052

<比較例1>
実施例1と同様に通常電解を実施した後、保護電流とし放置したところ、陽極発生ガス中の水素濃度は1体積%、陰極室排出ガス中の水素濃度は100体積%であった。セル電圧は2.2Vであった。

実施例

0053

<比較例2>
実施例1と同様に通常電解を実施した後、保護電流とし、陰極室にエアポンプにて空気を0.5L/minで供給したところ、陰極室中の水が排出され、陽極発生ガス中の水素濃度は未検出、陰極室排出ガス中の水素濃度も未検出であった。セル電圧は0.5Vであった。エアポンプを停止し、放置したところ、3日後には陽極発生ガス中の水素濃度は0.8体積%であり、陰極室排出ガス中の水素濃度は100体積%であった。セル電圧は2.0Vであった。

0054

本発明によるオゾン発生装置の運転方法及びオゾン発生装置は、通常運転時においては、効率よくオゾンを発生することができるとともに、最も安全が問題となる保護電流運転時には、陰極では、水素ガスが発生しないため、陽極で発生するオゾンガスへの水素ガスの混入はなく、オゾンのガス純度が改善され、長期間安全に電解を行うことを可能にすることができるものである。

0055

1:陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質隔膜
2:陽極
3:陽極集電体又は陽極基体
4:陰極
5:陰極集電体又は陰極基体
6:陽極室
7:陰極室
8:電解セル
9、10、11、13、14、15:パイプ
12:気液分離装置
V1、V2、V3、V4:切替バルブ
E2:保護電流用直流電源
E1:通常電解用直流電源
S1:制御装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • アイメック・ヴェーゼットウェーの「 多孔質固体材料及び製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】規則的な回路網を形成する相互接続された複数のワイヤ(101,102)を含む多孔質固体材料が提供される。多孔質固体材料(100)は、2m2/cm3〜90m2/cm3の範囲の所定の体積表... 詳細

  • 富士電機株式会社の「 電気化学素子」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】安全性の向上を図りながら、過酸化水素を良好に生成すること。【解決手段】イオン導電性電解質よりなる膜11aの両面に電極触媒からなる第1電極部12及び第2電極部13が設けられて構成され、一方の電極... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 電気化学式水素ポンプ」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】アノードガス拡散層の主面に設けられたアノードガス流路の応力集中によるアノードガス拡散層の損傷を従来よりも軽減し得る電気化学式水素ポンプを提供する。【解決手段】電気化学式水素ポンプは、電解質膜1... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ