図面 (/)

技術 熱圧着用シリコーンゴムシート

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 櫻井郁男橋本毅堀田昌克
出願日 2008年10月22日 (12年2ヶ月経過) 出願番号 2008-271646
公開日 2010年5月6日 (10年7ヶ月経過) 公開番号 2010-100692
状態 特許登録済
技術分野 高分子成形体の製造 高分子組成物
主要キーワード 良熱伝導性物質 結晶性二酸化ケイ素 熱圧着シート 補強成分 補強性シリカ粉末 シート状組成物 被圧着物 厚さ減少
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年5月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

300℃以上という高温下における熱圧着耐久性に優れる上、高精度なフレキシブルプリント基板成形や、液晶ディスプレイ等における、狭ピッチリード電極同士の異方性導電膜を介する高精度な熱圧着に好適な、熱圧着用シリコーンゴムシートを提供すること。

解決手段

下記(A)〜(E)成分からなるシリコーンゴム組成物シート状に成形し硬化させてなる、23℃における切断時伸びが50〜120%、タイプAデュロメーターで測定した硬さが65〜75であると共に、熱伝導率が0.5〜1.0W/mKであることを特徴とする熱圧着用シリコーンゴムシート。(A)平均重合度が3000以上であるオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)金属、金属酸化物金属窒化物及び金属炭化物から選択される少なくとも1種の熱伝導性粉末:50〜250質量部、(C)カーボンブラック粉末:5〜60質量部、(D)BET比表面積が50m2/g以上である微粉末補強性シリカ:0〜40質量部であって、成分(C)と成分(D)の合計量が10〜60質量部となる量、及び、(E)硬化剤

概要

背景

近年、携帯電話携帯用コンピューターコンピューターモニタービデオカメラデジタルカメラナビゲーションシステム薄型テレビ等のディスプレイとして、液晶パネルプラズマディスプレイパネル有機ELパネルが広く普及している。また、最近では書き換え可能な媒体として電子ペーパーが普及し始めているが、これらの表示パネルにおいては、画像を駆動させるために、パネル側のリード電極駆動用LSIが搭載されたフレキシブルプリント基板のリード電極とを、異方導電性接着剤を介して熱圧着し、電気的及び機械的に接続することが行われている。

近年、特に液晶パネルを中心に、高精細化表示の技術が進んで来たことに伴ない、前記リード電極の狭ピッチ化が必要となってきている。しかしながら、異方導電性接着剤を用いたリード電極同士の接続工程においては、それぞれのリード電極成形時の寸法公差に加え、リード電極同士の位置合わせ誤差、フレキシブルプリント基板とパネルとの熱膨張率の違い、及び圧着時のリード電極同士の位置ずれなどが発生するために、狭ピッチ接続は容易なことではなかった。

熱圧着用シリコーンゴムシートとしては、例えば、シリコーンゴム窒化ホウ素を配合すると共にガラスクロス補強したもの(特許文献1)、シリコーンゴムに窒化ホウ素と導電性物質を配合すると共にガラスクロスで補強して、帯電防止性をも付与したもの(特許文献2)、シリコーンゴムに、セラミックや金属などの良熱伝導性物質を配合したもの(特許文献3)等が知られている。しかしながらこれらの熱圧着用シリコーンゴムシートは、基本的に要求される耐熱性クッション性等が最適化されていないため、これらのシリコーンゴムシートを狭ピッチ接続のために使用した場合には、良好な結果を得ることはできなかった。
特開平5−198344号公報
特開平6−36853号公報
特開平6−289352号公報

また、シリコーンゴムに、水分を除いた揮発分が0.5%以下であるカーボンブラックを配合して耐熱性を改良したもの(特許文献4)や、BET比表面積が100m2/g以上のカーボンブラックを配合することによって、耐熱性を更に改良した熱圧着用シリコーンゴムシート(特許文献5)が知られている。しかしながら、この熱圧着用シリコーンゴムシートは、耐熱性及び耐久性に極めて優れているものの、狭ピッチ接続に対応したシートとしての切断時の伸び、硬さ及び熱伝導率などが最適化されていないという欠点があった。このように、リード電極の狭ピッチ化に対応することのできる、耐熱性及び耐久性に優れた熱圧着用シリコーンゴムシートは未だ得られていない。
特開平7−11010号公報
特開2003−261769号公報

そこで本発明者等は、耐熱性及び耐久性に優れるだけでなく、リード電極の狭ピッチ化に対応することもできる熱圧着用シリコーンゴムシートについて鋭意検討した。その結果、シリコーンゴムシートの、(1)室温における硬さ、(2)切断時の伸び、及び(3)熱伝導率の3つの特性が、リード電極の狭ピッチ化に対応するために極めて重要であること、及び、熱伝導性粉末として、金属ケイ素粉末及び/又は結晶性二酸化ケイ素粉末を用いることが好適であり、これらの粉末を使用した場合には、シリコーンゴムシートの圧縮永久歪を小さくすることが可能となるため繰り返し圧着に基づく永久変形による劣化を小さくすることが容易となることが判明した。更に、上記の両粉末とも低比重であるためシートの比重を軽くすることもでき、シリコーンゴムシートの取扱い性も良好になる。

尚、金属ケイ素粉末を配合したシリコーンとしては、窒化アルミニウムと金属ケイ素粉末を共充填してなる熱伝導性オルガノポリシロキサン組成物(特許文献6)、金属ケイ素熱伝導性充填剤としてシリコーンゴムに配合した熱伝導性シリコーン組成物およびその成形体(特許文献7)、平均粒子径が100μm以下の金属珪素粉末を配合して、高熱伝導率低圧永久歪両立させた高熱伝導性シリコーンゴム組成物(特許文献8)、平均粒子径が100μm以下の金属ケイ素粉末を配合した高熱伝導性熱定着ロール又は定着ベルト用シリコーンゴム組成物、及び熱定着ロール又は定着ベルト(特許文献9)が知られているが、これらはいずれも熱圧着用シリコーンゴムシートへの応用を考慮しておらず、熱圧着用シリコーンゴムシートの用途に対する、硬度、伸び、及び熱伝導率についての最適化はなされていない。

特開平3−14873号公報
特開2000−63670号公報
特開2007−138100号公報
特開2007−171946号公報

更に、熱圧着用途を考慮して金属ケイ素粉末を配合したシリコーンシートとしては、伝熱性電気絶縁剤として金属ケイ素粉末を配合した伝熱性弾性シート(特許文献10)が知られている。しかしながらこのシートは、熱圧着用途に対する硬度、伸び、及び熱伝導率の最適化がなされていないため、熱圧着シートとして使用する場合には問題があり、特に、狭ピッチ接続用のシートとして使用するには耐えられないものであった。
特開2007−311628号公報

概要

300℃以上という高温下における熱圧着耐久性に優れる上、高精度なフレキシブルプリント基板の成形や、液晶ディスプレイ等における、狭ピッチのリード電極同士の異方性導電膜を介する高精度な熱圧着に好適な、熱圧着用シリコーンゴムシートを提供すること。下記(A)〜(E)成分からなるシリコーンゴム組成物をシート状に成形し硬化させてなる、23℃における切断時伸びが50〜120%、タイプAデュロメーターで測定した硬さが65〜75であると共に、熱伝導率が0.5〜1.0W/mKであることを特徴とする熱圧着用シリコーンゴムシート。(A)平均重合度が3000以上であるオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)金属、金属酸化物金属窒化物及び金属炭化物から選択される少なくとも1種の熱伝導性粉末:50〜250質量部、(C)カーボンブラック粉末:5〜60質量部、(D)BET比表面積が50m2/g以上である微粉末補強性シリカ:0〜40質量部であって、成分(C)と成分(D)の合計量が10〜60質量部となる量、及び、(E)硬化剤。なし

目的

即ち本発明の第1の目的は、300℃以上という高温下における熱圧着耐久性に優れる上、液晶ディスプレイ等における、狭ピッチのリード電極同士を、異方性導電膜を介して圧着させる際に使用する、高精度な熱圧着に好適な熱圧着用シリコーンゴムシートを提供することにある。
本発明の第2の目的は、積層板やフレキシブルプリント基板成形時に用いるクッションシートとして好適な、高精度な成形を実現することのできる熱圧着用シリコーンゴムシートを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(A)平均重合度が3000以上であるオルガノポリシロキサン:100質量部(B)金属、金属酸化物金属窒化物及び金属炭化物から選択される少なくとも1種の熱伝導性粉末:50〜250質量部(C)カーボンブラック粉末:5〜60質量部(D)0〜40質量部のBET比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ微粉末を、成分(C)と成分(D)の合計量が10〜60質量部となる量、及び、(E)硬化剤から成るシリコーンゴム組成物シート状に成形硬化させてなるシリコーンゴムシートであって、23℃における切断時伸びが50〜120%、タイプAデュロメーターで測定した23℃における硬さが65〜75であると共に、熱伝導率が0.5〜1.0W/mKであることを特徴とする、熱圧着用シリコーンゴムシート

請求項2

(A)成分である平均重合度が3000以上であるオルガノポリシロキサンが、下記平均組成式(1)で表される、一分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンからなる一種以上のオルガノポリシロキサン分子で構成されており、(A)成分のオルガノポリシロキサン分子に含有される全Rの0.10〜0.30モル%がビニル基であり、この(A)成分のオルガノポリシロキサン分子の全ビニル基量P(モル%)に、(D)成分の補強性シリカ粉末の質量部を100で除した数値Qを加えた合計(P+Q)の値が0.20〜0.50となるように、前記(A)成分と(D)成分の使用量を調整すると共に、(E)成分の硬化剤が、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン白金系触媒からなる、請求項1に記載された熱圧着用シリコーンゴムシート;RnSiO(4−n)/2・・・・(1)但し、式(1)中における、nは1.9〜2.4の正数、Rは置換または非置換の一価炭化水素基を表し、各分子におけるRの0.0001〜10モル%はビニル基であり、且つ、80モル%以上はメチル基である。

請求項3

(B)成分である熱伝導性粉末が、金属ケイ素粉末である、請求項1又は請求項2に記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。

請求項4

金属ケイ素粉末が、平均粒径1〜20μmの粉砕粉末である、請求項3に記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。

請求項5

金属ケイ素粉末が、平均粒径1〜20μmの球状粉末である、請求項3に記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。

請求項6

金属ケイ素粉末の表面に強制酸化膜が形成されている、請求項3〜5の何れかに記載された、熱圧着用シリコーンゴムシート。

請求項7

(B)成分である熱伝導性粉末が、平均粒径1〜20μmの結晶性二酸化ケイ素粉末である、請求項1又は2に記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。

請求項8

厚さが0.05〜1mmの範囲である請求項1〜7の何れかに記載された、熱圧着用シリコーンゴムシート。

技術分野

0001

本発明は、熱伝導性を有すると共に被圧着物に均一に圧力をかける目的で使用される熱圧着用シリコーンゴムシートに関し、特に、耐熱性が良好であり、300℃以上で繰り返し圧着が行われても永久変形による劣化が小さく、機械的な破壊に対しても耐久性が良好であって切断時の伸びが適度に小さい上、適度な硬さ及び適度な熱伝導率を有し、液晶ディスプレイ等の電極の接続に用いる異方性導電膜の圧着に使用する熱圧着用シリコーンゴムシート、及び、積層板フレキシブルプリント基板成形適応し得る、高精度の圧着が可能な熱圧着用シリコーンゴムシートに関する。

背景技術

0002

近年、携帯電話携帯用コンピューターコンピューターモニタービデオカメラデジタルカメラナビゲーションシステム薄型テレビ等のディスプレイとして、液晶パネルプラズマディスプレイパネル有機ELパネルが広く普及している。また、最近では書き換え可能な媒体として電子ペーパーが普及し始めているが、これらの表示パネルにおいては、画像を駆動させるために、パネル側のリード電極駆動用LSIが搭載されたフレキシブルプリント基板のリード電極とを、異方導電性接着剤を介して熱圧着し、電気的及び機械的に接続することが行われている。

0003

近年、特に液晶パネルを中心に、高精細化表示の技術が進んで来たことに伴ない、前記リード電極の狭ピッチ化が必要となってきている。しかしながら、異方導電性接着剤を用いたリード電極同士の接続工程においては、それぞれのリード電極成形時の寸法公差に加え、リード電極同士の位置合わせ誤差、フレキシブルプリント基板とパネルとの熱膨張率の違い、及び圧着時のリード電極同士の位置ずれなどが発生するために、狭ピッチ接続は容易なことではなかった。

0004

熱圧着用シリコーンゴムシートとしては、例えば、シリコーンゴム窒化ホウ素を配合すると共にガラスクロス補強したもの(特許文献1)、シリコーンゴムに窒化ホウ素と導電性物質を配合すると共にガラスクロスで補強して、帯電防止性をも付与したもの(特許文献2)、シリコーンゴムに、セラミックや金属などの良熱伝導性物質を配合したもの(特許文献3)等が知られている。しかしながらこれらの熱圧着用シリコーンゴムシートは、基本的に要求される耐熱性やクッション性等が最適化されていないため、これらのシリコーンゴムシートを狭ピッチ接続のために使用した場合には、良好な結果を得ることはできなかった。
特開平5−198344号公報
特開平6−36853号公報
特開平6−289352号公報

0005

また、シリコーンゴムに、水分を除いた揮発分が0.5%以下であるカーボンブラックを配合して耐熱性を改良したもの(特許文献4)や、BET比表面積が100m2/g以上のカーボンブラックを配合することによって、耐熱性を更に改良した熱圧着用シリコーンゴムシート(特許文献5)が知られている。しかしながら、この熱圧着用シリコーンゴムシートは、耐熱性及び耐久性に極めて優れているものの、狭ピッチ接続に対応したシートとしての切断時の伸び、硬さ及び熱伝導率などが最適化されていないという欠点があった。このように、リード電極の狭ピッチ化に対応することのできる、耐熱性及び耐久性に優れた熱圧着用シリコーンゴムシートは未だ得られていない。
特開平7−11010号公報
特開2003−261769号公報

0006

そこで本発明者等は、耐熱性及び耐久性に優れるだけでなく、リード電極の狭ピッチ化に対応することもできる熱圧着用シリコーンゴムシートについて鋭意検討した。その結果、シリコーンゴムシートの、(1)室温における硬さ、(2)切断時の伸び、及び(3)熱伝導率の3つの特性が、リード電極の狭ピッチ化に対応するために極めて重要であること、及び、熱伝導性粉末として、金属ケイ素粉末及び/又は結晶性二酸化ケイ素粉末を用いることが好適であり、これらの粉末を使用した場合には、シリコーンゴムシートの圧縮永久歪を小さくすることが可能となるため繰り返し圧着に基づく永久変形による劣化を小さくすることが容易となることが判明した。更に、上記の両粉末とも低比重であるためシートの比重を軽くすることもでき、シリコーンゴムシートの取扱い性も良好になる。

0007

尚、金属ケイ素粉末を配合したシリコーンとしては、窒化アルミニウムと金属ケイ素粉末を共充填してなる熱伝導性オルガノポリシロキサン組成物(特許文献6)、金属ケイ素熱伝導性充填剤としてシリコーンゴムに配合した熱伝導性シリコーン組成物およびその成形体(特許文献7)、平均粒子径が100μm以下の金属珪素粉末を配合して、高熱伝導率低圧永久歪両立させた高熱伝導性シリコーンゴム組成物(特許文献8)、平均粒子径が100μm以下の金属ケイ素粉末を配合した高熱伝導性熱定着ロール又は定着ベルト用シリコーンゴム組成物、及び熱定着ロール又は定着ベルト(特許文献9)が知られているが、これらはいずれも熱圧着用シリコーンゴムシートへの応用を考慮しておらず、熱圧着用シリコーンゴムシートの用途に対する、硬度、伸び、及び熱伝導率についての最適化はなされていない。

0008

特開平3−14873号公報
特開2000−63670号公報
特開2007−138100号公報
特開2007−171946号公報

0009

更に、熱圧着用途を考慮して金属ケイ素粉末を配合したシリコーンシートとしては、伝熱性電気絶縁剤として金属ケイ素粉末を配合した伝熱性弾性シート(特許文献10)が知られている。しかしながらこのシートは、熱圧着用途に対する硬度、伸び、及び熱伝導率の最適化がなされていないため、熱圧着シートとして使用する場合には問題があり、特に、狭ピッチ接続用のシートとして使用するには耐えられないものであった。
特開2007−311628号公報

発明が解決しようとする課題

0010

即ち本発明の第1の目的は、300℃以上という高温下における熱圧着耐久性に優れる上、液晶ディスプレイ等における、狭ピッチのリード電極同士を、異方性導電膜を介して圧着させる際に使用する、高精度な熱圧着に好適な熱圧着用シリコーンゴムシートを提供することにある。
本発明の第2の目的は、積層板やフレキシブルプリント基板成形時に用いるクッションシートとして好適な、高精度な成形を実現することのできる熱圧着用シリコーンゴムシートを提供することにある。

0011

本発明者等は、上記の諸目的を達成するために鋭意検討した結果、ベースポリマーである、重合度の高いいわゆるミラブル系のオルガノポリシロキサンに対して、熱伝導性粉末、カーボンブラック粉末及び硬化剤を一定割合で配合すると共に、23℃における切断時の伸びが50〜120%、タイプAデュロメーターで測定した23℃における硬さが65〜75、熱伝導率が0.5〜1.0W/mKとなるように、必要に応じてBET比表面積が50m2/g以上である微粉末補強性シリカを一定量配合し、得られた組成物をシート状に成形した後硬化させた場合には、良好な結果を得ることが出来ることを見出し本発明に到達した。

課題を解決するための手段

0012

即ち本発明は、
(A)平均重合度が3000以上であるオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)金属、金属酸化物金属窒化物及び金属炭化物から選択される少なくとも1種の熱伝導性粉末:50〜250質量部
(C)カーボンブラック粉末:5〜60質量部
(D)0〜40質量部のBET比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ微粉末を、成分(C)と成分(D)の合計量が10〜60質量部となる量、及び
(E)硬化剤
からなるシリコーンゴム組成物をシート状に成形した後硬化させてなるシリコーンゴムシートであって、23℃における切断時伸びが50〜120%、タイプAデュロメーターで測定した23℃における硬さが65〜75であると共に、熱伝導率が0.5〜1.0W/mKであることを特徴とする熱圧着用シリコーンゴムシートである。

0013

本発明においては、(A)成分である平均重合度が3000以上であるオルガノポリシロキサンが、下記平均組成式(1)で表される、一分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンからなる一種以上のオルガノポリシロキサン分子で構成されており、(A)成分であるオルガノポリシロキサン分子が含有する全Rの0.10〜0.30モル%がビニル基であり、この(A)成分のオルガノポリシロキサン分子の全ビニル基量P(モル%)に、(D)成分の補強性シリカ微粉末の質量部を100で除した数値Qを加えた合計の値が0.20〜0.50となるように、前記(A)成分と(D)成分の使用量を調整すると共に、(E)成分の硬化剤が、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン白金系触媒からなることが好ましい。
RnSiO(4−n)/2・・・・(1)
但し、式(1)中におけるnは1.9〜2.4の正数、Rは置換または非置換の一価炭化水素基を表し、各分子が有するRの0.0001〜10モル%はビニル基であり、且つ、80モル%以上はメチル基である。

0014

本発明においては、(B)成分である熱伝導性粉末が、金属ケイ素粉末であることが好ましく、特に、平均粒径が1〜20μmであることが好ましい。その形状は、粉砕法により製造した、不定形のいわゆる粉砕粉や、アトマイズ法などにより製造した球状粉であることが好ましい。上記金属ケイ素粉末の表面には、強制酸化膜が形成されていても良い。更に、本発明における(B)成分である熱伝導性粉末が、平均粒径1〜20μmの結晶性二酸化ケイ素粉末である場合も、本発明の好ましい態様である。また、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートの厚さは、0.05〜1mmの範囲であることが好ましい。

発明の効果

0015

本発明のシリコーンゴムシートは、熱圧着耐久性に優れるだけでなく、切断時の伸びが比較的小さく、適度な硬さと適度な熱伝導率を有するので、狭ピッチのリード電極同士を、異方性導電膜を介して高精度に熱圧着するために使用する熱圧着用シリコーンゴムシートとして好適である。また、本発明のシリコーンゴムシートを積層板やフレキシブルプリント基板成形時に用いるクッションシートとして使用した場合には、高精度な成形が可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0016

まず、本明細書において使用する、「平均粒径」及び「平均重合度」の用語の意味について説明する。
「平均粒径」:
カーボンブラックの平均粒径については、電子顕微鏡を用いて撮影した写真から一次粒子径を測定し、求めた粒子径算術平均する、いわゆる電子顕微鏡法による平均粒径である。なお通常、カーボンブラックは一次粒子凝集して二次粒子を形成しているが、ここで言う平均粒径はその二次粒子の平均粒径ではなく、一次粒子の平均粒径を言う。

0017

熱伝導性粉末の平均粒径は、光回折散乱法によって粒度分布を測定し、その小粒径側から積算した質量積算値が50%になるときの粒径を言う。具体的な測定は、例えば、日機装株式会社製の粒度分析計であるマイクロトラックなどによって行うことができる。

0018

「平均重合度」:
オルガノポリシロキサン等における、骨格をなすシロキサン結合を構成するケイ素原子数平均値を意味する。

0019

次に、本発明に用いられる組成物について説明する。
[組成物]
液晶パネル等の表示パネルの高精細化に伴う、パネル側のリード電極と、画像を駆動させるための駆動用LSIが搭載されたフレキシブルプリント基板のアウターリード電極の狭ピッチ化に対応する、狭ピッチリード電極同士の異方性導電膜による高精度な熱圧着接続においては、圧着時に際するリード電極同士の位置ずれを抑制することが重要である。

0020

上記熱圧着時のリード電極の位置ずれを抑制するために、本発明の熱圧着用シリコーンシートは、以下に示す(1)〜(3)の特徴を有する。
(1)23℃の室温における切断時の伸びが50〜120%と比較的小さいことが必要であり、特に、60〜110%であることが好ましい。基本的には、リード電極の位置ずれの観点から、伸びは小さいほうが良い。しかしながら、伸びが、50%未満ではシートの柔軟性に欠けるため、被圧着部に凹凸段差があった場合に、局部的な応力を分散することが出来ないため切れ易くなったり、シートに対して折り曲げ方向の力がかかった場合に、シートが破断したりするという問題が発生する。

0021

(2)タイプAデュロメーターで測定した23℃の室温における硬さが、65〜75であることが必要であり、特に、67〜73であることが好ましい。この硬さは、リード電極の位置ずれ防止と共に、被圧着物の平面度平坦度、或いは平行度の公差を補正して均一な圧力を伝達するためのクッション性を両立させるものである。

0022

(3)23℃の室温における熱伝導率が0.5〜1.0W/mKであることが必要であり、特に0.6〜0.9W/mKであることが好ましい。熱圧着装置ヒートツールからの熱を異方性導電膜に伝えるためには、熱伝導率は高い方が好ましいが、熱伝導率が1.0W/mKよりも大きいと異方性導電膜に急激に熱が伝わり過ぎる。この場合には、硬化前の異方性導電膜の粘度が急激に下がり過ぎて接続電極間から流れ出し、電極の電気的な接続が不十分になることがある。
一方、0.5W/mKよりも低いと、異方性導電膜に熱が伝わり難いため、ヒートツールの温度を上げなくてはならない。ヒートツールの温度を上げるためには、熱圧着装置への負担が重くなる。また、より高温のヒートツールが熱圧着用シリコーンシートに接触するため、シリコーンシートの熱劣化が促進されることになる。さらには、高温のヒートツールが熱に弱い液晶パネルのカラーフィルターなどに輻射熱を与えるために問題を引き起こすこともある。

0023

次に、本発明に用いられる組成物における必須成分である(A)成分〜(E)成分について説明する。
(A)成分:
本発明で使用する(A)成分である、平均重合度3000以上のオルガノポリシロキサンは、例えば、次の平均組成式(1)で表される。
RnSiO(4−n)/2・・・・(1)
但し、(1)式中のnは1.95〜2.4の正数、Rは置換または非置換の一価炭化水素基を表す。

0024

Rで表される置換または非置換の一価炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基プロピル基等のアルキル基シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基トリル基等のアリール基、あるいは、これらの基の水素原子が部分的に塩素原子フッ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化炭化水素基等が例示される。

0025

(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、主鎖がジメチルシロキサン単位からなるもの、あるいはこのオルガノポリシロキサンの主鎖にメチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などの有機基を導入したものが好ましい。特に、前記有機基の0.0001〜10モル%がビニル基であり、かつ80モル%以上がメチル基であることが好ましい。また分子鎖末端トリオルガノシリル基または水酸基封鎖されたものが好ましい。このトリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基ジメチルビニルシリル基トリビニルシリル基などが例示される。

0026

(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、一種だけを使用しても複数種を混合して使用しても良いが、前記(1)式で表される(A)成分のオルガノポリシロキサン分子全体が有する、全Rの0.10〜0.30モル%がビニル基であることが好ましい。また本発明においては、(1)式で表される(A)成分の平均重合度は3000以上であることが必要である。重合度が3000未満であると、硬化後の機械的強度が劣る。

0027

(B)成分:
(B)成分は、金属、金属酸化物、金属窒化物及び金属炭化物から選択される少なくとも1種の熱伝導性粉末であり、本発明のシリコーンゴムシートに熱伝導性を付与する充填剤である。これらの具体例は、金属としては、銀、銅、鉄、金属ケイ素、ニッケルアルミニウムなど、金属酸化物としては、酸化亜鉛酸化アルミニウム酸化マグネシウム二酸化珪素酸化鉄など、金属窒化物としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素など、金属炭化物としては、炭化珪素炭化ホウ素などが例示される。

0028

上記の熱伝導性粉末の中でも、特に金属ケイ素粉末や結晶性二酸化ケイ素粉末が好適である。これらの粉末を使用することによって、圧縮成形歪を小さくすることが可能となり、繰り返し圧着によって生じる永久変形による劣化が小さくなるので、耐久性に優れた熱圧着用シリコーンゴムシートの実現が可能となる。また、両粉末とも低比重であり、シートの比重を軽くすることができるので、熱圧着用シリコーンゴムシートの取扱い性が良好になる。

0029

これらの粉末の形状は、球状、楕円状、扁平状、角張った不定形、丸みを帯びた不定形、針状などの何れでも良く、特に限定されるものではない。例えば、金属ケイ素の場合には、球状、粉砕による不定形などを例示することができる。

0030

また、熱伝導性粉末の純度は特に限定されるものではないが、熱伝導性を付与する観点から50%以上であることが好ましく、特に80%以上、さらに好ましくは95%以上である。純度の高い金属ケイ素粉末は、表面の自然酸化膜欠陥がなく高温熱安定性が良好となるが、特に、金属ケイ素粉末の表面に強制酸化膜を設けることが好ましい。強制酸化膜を設けることによって、シート成形時のオルガノポリシロキサンの架橋反応に悪影響を与える、金属ケイ素粉末表面の活性点を無くすことができる。

0031

本発明で使用する熱伝導性粉末の平均粒径は特に制限されるものではないが、0.1〜50μmであることが好ましく、特に0.5〜20μm、更に1〜10μmであることが最も好ましい。平均粒径が0.1μm未満では、相対的に粉末の比表面積が大きくなるために高充填が困難となり、熱伝導率が不十分になると共に、硬化後のゴムが硬くなりすぎる場合がある。一方、平均粒径が50μmより大きいと、硬化後のゴムが脆くなると共に表面に凹凸ができ易くなるため好ましくない。

0032

本発明における(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して50〜250質量部であることが必要であるが、特に70〜200質量部の範囲で使用することが好ましい。250質量部より多いと配合が困難になる上、成形加工性が悪くなる。また、50質量部より少ないと熱伝導率が十分でなくなる。

0033

(C)成分:
本発明で使用する(C)成分であるカーボンブラックは、シリコーンゴムシートの機械的強度、特に加熱時の機械的強度を向上させて耐熱性を向上させると共に、熱伝導性及び導電化することによる帯電防止性を付与するものである。

0034

カーボンブラックはその製造方法により、ファーネスブラックチャンネルブラックサーマルブラックアセチレンブラック等に分類され、また、通常、硫黄等の不純物を含むものが多い。本発明においては、水以外の揮発分が0.5質量%以下のものを使用することが好ましい。特にアセチレンブラックは不純物が少ないので好適である。

0035

上記水以外の揮発分の測定方法は、JIS K 6221の“ゴム用カーボンブラック試験方法”に記載されている。具体的には、るつぼの中にカーボンブラックを規定量入れ、950℃で7分間加熱した後の揮発減量を測定する。

0036

(C)成分のカーボンブラックの平均粒径は、10〜300nmの範囲であることが好ましく、特に15〜100nmの範囲であることが好ましい。また、BET比表面積は20〜300m2/gであることが好ましく、特に、30〜200m2/gであることが好ましい。

0037

本発明における(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して5〜60質量部であり、特に10〜55質量部の範囲で使用することが好ましい。5質量部未満では熱伝導性および耐熱圧着性の向上が不充分となり、また60質量部を超えると均一に配合することが困難になる上、得られる組成物の成形加工性が極めて悪くなる。

0038

(D)成分:
本発明で使用する(D)成分である、BET比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ微粉末は、シリコーンゴムの補強成分として使用される。この微粉末シリカは、親水性のものであっても疎水性のものであっても良いが、補強性効果の面から、BET比表面積が50〜800m2/gであることが好ましく、特に100〜500m2/gの微粉末シリカが好ましい。比表面積が50m2/g未満では、補強効果を十分得ることができない。

0039

本発明における(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜40質量部であるが、5〜35質量部であることがより好ましく、特に10〜30質量部であることが好ましい。40質量部より多くなると、シリコーンゴム組成物の可塑度が高くなりすぎて成形性が悪くなったり、硬化後のゴムが硬くなりすぎる場合がある。

0040

尚本発明においては、成分(C)と成分(D)の合計量は、10〜60質量部であることが必要であり。20〜50質量部であることが好ましい。10質量部未満では得られたシリコーンゴムの強度が不充分となり、また、60質量部を超えると均一に配合することが困難になる上、得られる組成物の可塑度が高くなりすぎるので、成形加工性が極めて悪くなる。

0041

(E)成分:
本発明で使用する(E)成分である硬化剤は、通常シリコーンゴムの硬化に使用されている公知のものの中から適宜選択して使用することが出来る。このような硬化剤としては、例えば、
a)ラジカル反応に使用されるジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシヘキサンジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物
b)(A)成分のオルガノポリシロキサンがアルケニル基を有する場合には、付加反応硬化剤として、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金パラジウム等の白金族金属系触媒との組合わせ;
等が例示される。本発明においては、反応を制御し易いこと、反応残渣が残らないことなどの理由から、b)の付加反応硬化剤の方が好ましいが、必要に応じて両者を併用しても良い。これらの硬化剤の添加量は、通常のシリコーンゴムの場合と同様にすればよいが、一般的には次の通りである。

0042

硬化剤a)については、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部当り、0.1〜20質量部使用する。

0043

硬化剤b)については、前記ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンシロキサンを、(A)成分のアルケニル基1モル当り、該オルガノハイドロジェンシロキサンが有するケイ素原子に結合する水素原子が0.5〜5モルとなる量とすると共に、白金族金属系触媒の量が、(A)成分に対して、金属分として0.1〜1000ppm(質量基準)となる範囲。

0044

異方性導電膜を使用してリード電極同士を高い精度で狭ピッチ接続することができるように、本発明のシリコーンゴムシートの硬度及び伸びを制御するためには、シリコーン分子間の架橋度合いと共に、充填粉末とシリコーン分子との間の相互作用を適当な範囲に制御する必要がある。シリコーン分子間の架橋度は付加反応の制御によって制御し易く、特に、重合度の高いミラブル系のシリコーンゴムの場合には、架橋に関与するビニル基の含有率を制御することにより制御可能である。また、シリコーンゴムの場合、シリコーン分子と充填粉末との間の相互作用としては、シリコーン分子と補強性シリカとの水素結合による擬似架橋による相互作用が大きいことが知られている。従って、付加反応による硬化を主な架橋反応とするシリコーンゴムの場合には、ビニル基の含有率と補強性シリカの配合量という二つの因子を最適な範囲に制御することによって、本発明のシリコーンゴムシートの硬度及び伸びを好適な範囲に調整することができる。

0045

具体的には、(A)成分のオルガノポリシロキサン全分子の側鎖に含有される、全Rの内の0.10〜0.30モル%をビニル基とすると共に、この(A)成分であるオルガノポリシロキサン分子全体の側鎖全量中におけるビニル基のモル%値(P)に、(D)成分である補強性シリカ微粉末の(A)成分100質量部に対する質量部を100で除した数値(Q)を加えた合計(P+Q)が0.20〜0.50となるように(A)成分と(D)成分を調整した後、付加反応させて硬化させることにより、本発明のシリコーンゴムシートの硬度及び伸びを好適な範囲に調整することができる。

0046

前記(P+Q)の合計値が0.20未満では、付加反応による架橋点と、補強性シリカ微粉末とシリコーン分子の水素結合による擬似架橋点の和が不十分であるため、伸びが大きくなりすぎるだけでなく、硬さも不十分となる。逆に0.50を超えた場合には、架橋点と擬似架橋点の和が大きくなりすぎるために、伸びが小さくなりすぎてシートが脆くなり、耐久性が劣る上、硬くなりすぎてクッション性が不十分となる。

0048

調製・加工
本発明に用いるシリコーンゴム組成物は、使用する各成分を、二本ロールミルニーダーバンバリーミキサー等の混合機を用いて混練りすればよいが、一般的には、硬化剤だけを使用する直前に添加すれば良いように、他の成分を予め混練しておくことが好ましい。

0049

本発明のシリコーンゴムシートの成形方法としては、硬化剤までの全ての成分を配合したシリコーンゴム組成物を、カレンダーあるいは押出し機で所定の厚さに分出ししてから硬化させる方法、液状のシリコーンゴム組成物あるいはトルエン等の溶剤に溶解して液状化したシリコーンゴム組成物を、フィルム上にコーティングしてから硬化させる方法等が挙げられる。

0050

このようにして成形、硬化させたシリコーンゴムシートの厚さは0.05〜1mmであり、特に0.1〜0.8mmの範囲であることが好ましい。厚さが0.05mm未満ではクッション性が十分でなく、均一な圧力伝達が不可能になる。一方、1mmを超える厚さになると熱の伝わり方が悪くなる。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。

0051

下記の例においては次の材料を使用した。
オルガノポリシロキサン:
(a−1)ジメチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、平均重合度が8,000の、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたメチルビニルポリシロキサン
(a−2)ジメチルシロキサン単位99.5モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.5モル%からなる、平均重合度が8,000の、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたメチルビニルポリシロキサン

0052

熱伝導性充填剤:
(b−1)平均粒径が5μmの金属ケイ素粉砕粉末(表面に強制酸化処理をしたもの)
(b−2)平均粒径が4μmの結晶性二酸化ケイ素粉砕粉末
(b−3)平均粒径が4μmの酸化アルミニウム粉砕粉

0053

カーボンブラック粉末:
(c−1)平均粒径が35nm、水以外の揮発分が0.10質量%、BET比表面積が69m2/gのアセチレンブラック
補強性シリカ微粉末:
(d−1)BET比表面積が300m2/gの補強性シリカ微粉末(商品名:Aerosil300、日本エアロジル株式会社製)

0054

硬化剤:
(e−1)塩化白金酸ビニルシロキサン錯体白金含有量1質量%)
(e−2)下記式(1)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン

0055

その他の成分:
(f−1)ジメチルジメトキシシラン
(g−1)BET比表面積が140m2/gの酸化セリウム粉末
(h−1)エチニルシクロヘキサノール

0056

(A)成分として、(a−1)60質量部と(a−2)40質量部からなるベース100質量部を用い、(D)成分として(d−1)20質量部、(D)成分の表面処理剤として、(f−1)3質量部及びイオン交換水1質量部を、ニーダーを用いて170℃で2時間加熱しながら配合・混練りして均一化した。

0057

得られたシリコーンゴム組成物123質量部に対して、(B)成分として(b−1)を130質量部、(C)成分として(c−1)を10質量部、及び耐熱向上剤として(g−1)0.5質量部を加え、加圧ニーダーを用いて15分間配合・混練りして均一化した。

0058

得られたシリコーンゴム組成物100質量部に対して、更に、(e−1)0.05質量部、白金触媒制御剤である(h−1)0.025質量部、及び(e−2)0.7質量部を、順次二本ロールミルで混練りしながら上記の順序で添加し、硬化性シリコーンゴム組成物(I)を調製した。

0059

カレンダー成形機を用いて得られたシリコーンゴム組成物を厚さ0.25mmに分出ししてから、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に転写した。PETフィルムとの積層品の状態のまま150℃の加熱炉中を5分間通して、シート状のシリコーンゴム組成物を硬化させた。得られたシート状組成物からPETフィルムを剥離し、200℃の乾燥機中で4時間熱処理して、厚さが0.25mmの熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。

0060

(A)成分として(a−2)を100質量部、(B)成分として(b−2)を140質量部、(C)成分として(c−1)を50質量部、及び、耐熱向上剤として(g−1)0.5質量部を加圧ニーダーを用いて配合し、15分間混練りして均一化した。得られたシリコーンゴム組成物100質量部に対して、(e−1)を0.1質量部、白金触媒の制御剤である(h−1)を0.04質量部、及び(e−2)1.0質量部を添加し、二本ロールミルでよく混練りして硬化性シリコーンゴム組成物(II)を調製し、実施例1の場合と同様に成形及び硬化させて、厚さが0.25mmのシリコーンゴムシートを作製した。

0061

実施例1において使用した(B)成分の代わりに(b−3)を220質量部使用したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.25mmのシリコーンゴムシートを作製した。

0062

比較例1.
(A)成分として(a−2)を100質量部、(D)成分として(d−1)を30質量部、(e−1)を0.1質量部、(h−1)を0.04質量部、及び(e−2)を1.0質量部使用したこと以外は実施例1と同様にして、厚さ0.25mmのシリコーンゴムシートを作製した。

0063

比較例2
(A)成分として、(a−2)の代わりに(a−1)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、厚さ0.25mmのシリコーンゴムシートを作製した。

0064

比較例3
(A)成分として、(a−1)50質量部及び(a−2)50質量部からなるベース100質量部を使用し、(D)成分の表面処理剤として、(f−1)3質量部、及びイオン交換水1質量部を使用し、ニーダーを用いて170℃で2時間加熱しながら配合・混練りして均一化した。得られたシリコーンゴム組成物153質量部に対して、(B)成分として(b−1)を320質量部加え、加圧ニーダーを用いて15分間配合・混練りして均一化した。得られたシリコーンゴム組成物100質量部に対して、(e−3)0.8質量部を二本ロールミルを用いて均一に混練りし、硬化性シリコーンゴム組成物(III)を調製し、一次加硫温度を170℃にしたこと以外は、実施例1と同様に成形、硬化させて、厚さ0.25mmのシリコーンゴムシートを作製した。

0065

基本物性の評価]
硬さ、引張り強さおよび切断時伸びを、JIS K6249の規定に準拠して測定した。但し、硬さについては、タイプAデュロメーターを用いて作製したシートを、厚さが6mm以上となるように重ねて測定した。引張り強さおよび切断時伸びは、ダンベル状2号形の試験片を使用して測定した。
また、熱伝導率はASTME 1530の規定に準拠して測定した。

0066

[100回圧着後における厚さ減少率]
圧着機バックアップツール上にシリコーンゴムシートのみをセットし、400℃に加熱したヒートツールを用い、4MPaの押し圧力で直接10秒間押圧する動作を、インターバルを10秒として連続100回行った。
〔(シートの初期厚さ)−(シートの100回圧着後の厚さ)〕/シートの初期厚さ
百分率で記載した数字を、100回圧着後の厚さ減少率とした。

0067

[狭ピッチ接続評価]
図1に示すように、50本の銅電極1aが32μmピッチ(線幅16μm、間隔16μm)で設けられたFPC(フレキシブルプリント配線板)と、同じく50本のITO電極1bが32μmピッチ(線幅16μm、間隔16μm)で設けられたガラス板2bを、それぞれの銅電極1aおよびITO電極1bを設けた側の面が互いに向かい合うようにし、その間に厚さが22μm、幅1.2mmのACF(異方性導電膜)3を挟んだ状態で、圧着機のバックアップツール4の上に設置した。次に、実施例1〜3、または比較例1〜3で作製した熱圧着用シリコーンゴムシート5を、上記のFPC 2aの上面に当たるように載置した。次いで、上記シリコーンゴムシート5の上から、350℃に加熱した加圧ツール6により、4MPaの押し圧力で10秒間押圧した。このようしてFPC 2aとガラス板2b間でACF3を圧着した後、銅電極1aとITO電極1b間における電気的導通を評価した。結果を表1に示した。

0068

[表1]

0069

実施例1〜3で作製した本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートの場合には、狭ピッチに対応した接続ができたが、比較例1のように、硬すぎる場合にはクッション性が十分でないために、電極間導通が完全ではなかった。また、比較例1や3で得られたシートは非常に脆く、折り畳むとシートに割れが生じた。一方、比較例2の場合にはシートの伸びが大きすぎて、電極の位置ずれが生じたために導通不良が発生した。

0070

本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは300℃以上という高温下における熱圧着耐久性に優れ、300℃以上で繰り返し圧着が行われても永久変形による劣化が小さいだけでなく、機械的な破壊に対しても耐久性が良好であって切断時の伸びが適度に小さい上、適度な硬さ及び適度な熱伝導率を有するので、高精度なフレキシブルプリント基板の成形や、液晶ディスプレイ等における、狭ピッチのリード電極同士の異方性導電膜を介する高精度な熱圧着に好適である。

図面の簡単な説明

0071

本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートを用いて、FPCで挟んだACFを熱圧着する方法を説明する模式図。

符号の説明

0072

1a.銅電極
1b.ITO電極
2a.フレキシブルプリント配線
2b.ガラス板
3. 異方性導電膜
4.バックアップツール(支持台
5.熱圧着用シリコーンゴムシート
6. 加熱・加圧ツール

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 住友化学株式会社の「 農業用フィルム及び農園芸用施設」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題】0℃〜40℃程度の範囲における光散乱性の変化が大きいフィルムを提供する。【解決手段】農業用フィルムは、連続相と分散相とからなる層を少なくとも1層有し、(A)前記分散相のうち円相当径が1μm以上... 詳細

  • 株式会社メンテックの「 汚染防止剤組成物」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題】ドライパートにおけるピッチ汚染を効果的に防止することができる汚染防止剤組成物を提供。【解決手段】本発明は、抄紙工程のドライパートDにおけるピッチ汚染を防止するための汚染防止剤組成物であって、下... 詳細

  • 王子ホールディングス株式会社の「 組成物」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題】本発明は、透明性が高く、着色が抑制されたシートを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースと、塩基成分と、を含む組成物であって、繊維状セルロース... 詳細

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ