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技術 非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法及び非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物

出願人 日立電線株式会社
発明者 杉田敬祐菊池龍太郎
出願日 2008年10月10日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2008-264236
公開日 2010年4月22日 (10年10ヶ月経過) 公開番号 2010-090343
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 高分子組成物
主要キーワード ポリマ相 キャブタイヤケーブル ストランド表面 アクリルシラン化合物 非ハロゲン難燃剤 熱可塑性ポリマ 投入順序 メルカプトシラン化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年4月22日)のものです。
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課題

品質バラツキがなく製造可能な非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法及び非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を提供する。

解決手段

ゴムまたは樹脂からなる成分(A)および(B)、金属水酸化物からなる成分(C)からなり、上記成分(A)がシラン架橋されている非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を製造する際に、成分(A)に常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物グラフト共重合させ、連続的に成分(A)を動的にシラン架橋させるものである。

概要

背景

環境保全に対する活動は世界的な高まりをみせており、燃焼時に有毒ガスが発生せず、廃棄処分時環境汚染が少なく、マテリアルリサイクルが可能な材料の普及が急速に進んできている。

このような材料として一般的なものは、熱可塑性ポリマ金属水酸化物をはじめとする非ハロゲン難燃剤混和した組成物である。これらの材料の機械的強度耐熱性耐油性などの特性を高めるために、架橋を導入する手法が有効であるが、架橋範囲がポリマ全体に及ぶと流動性がなくなるため、マテリアルリサイクルが困難となる。

この難点を解決する材料として、架橋導入後も熱可塑性を有する動的架橋型熱可塑性組成物がある。すなわちこの動的架橋型熱可塑性組成物は、熱可塑性ポリマの連続相海相)の中に架橋したポリマ相島相)が分散した構造により、流動性を維持できる。

本発明者は、このような動的架橋型熱可塑性組成物の架橋方式として、新たにシラン架橋を提案してきた。この発明によると、いかなる種類や組み合わせのゴム樹脂においても、予めゴムまたは樹脂にシラン化合物グラフト共重合させておくことにより、動的架橋型熱可塑性組成物を作製することができる。

特開平1−254751号公報
特開平2−196839号公報
特開平6−136066号公報
特開平11−158233号公報
特開平11−181102号公報
特開平6−15716号公報
特開平9−208620号公報
特開2007−70602号公報

概要

品質バラツキがなく製造可能な非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法及び非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を提供する。ゴムまたは樹脂からなる成分(A)および(B)、金属水酸化物からなる成分(C)からなり、上記成分(A)がシラン架橋されている非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を製造する際に、成分(A)に常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物をグラフト共重合させ、連続的に成分(A)を動的にシラン架橋させるものである。

目的

そこで本発明の目的は、品質のバラツキがなく製造可能な非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法及び非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

ゴムまたは樹脂からなる成分(A)および(B)、金属水酸化物からなる成分(C)からなり、上記成分(A)がシラン架橋されている非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を製造する際に、成分(A)に常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物グラフト共重合させ、連続的に成分(A)を動的にシラン架橋させたことを特徴とする非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法。

請求項2

バッチ式混練機に成分(A)を投入したのち、常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物と有機過酸化物溶液を添加し、成分(A)に上記シラン化合物をグラフト共重合させ、次いで連続的に成分(B)、成分(C)を添加し、最後にシラノール縮合触媒を添加して、成分(A)を動的にシラン架橋させた請求項1記載の非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物。

技術分野

0001

本発明は、シラン架橋されたゴムまたは樹脂架橋されていないゴムまたは樹脂、および金属水酸化物からなり、高い機械的強度耐熱性耐油性難燃性リサイクル性を有する非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物係り、特に非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を品質バラツキがなく製造できる非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法及び非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物に関するものである。

背景技術

0002

環境保全に対する活動は世界的な高まりをみせており、燃焼時に有毒ガスが発生せず、廃棄処分時環境汚染が少なく、マテリアルリサイクルが可能な材料の普及が急速に進んできている。

0003

このような材料として一般的なものは、熱可塑性ポリマに金属水酸化物をはじめとする非ハロゲン難燃剤混和した組成物である。これらの材料の機械的強度、耐熱性、耐油性などの特性を高めるために、架橋を導入する手法が有効であるが、架橋範囲がポリマ全体に及ぶと流動性がなくなるため、マテリアルリサイクルが困難となる。

0004

この難点を解決する材料として、架橋導入後も熱可塑性を有する動的架橋型熱可塑性組成物がある。すなわちこの動的架橋型熱可塑性組成物は、熱可塑性ポリマの連続相海相)の中に架橋したポリマ相島相)が分散した構造により、流動性を維持できる。

0005

本発明者は、このような動的架橋型熱可塑性組成物の架橋方式として、新たにシラン架橋を提案してきた。この発明によると、いかなる種類や組み合わせのゴムと樹脂においても、予めゴムまたは樹脂にシラン化合物グラフト共重合させておくことにより、動的架橋型熱可塑性組成物を作製することができる。

0006

特開平1−254751号公報
特開平2−196839号公報
特開平6−136066号公報
特開平11−158233号公報
特開平11−181102号公報
特開平6−15716号公報
特開平9−208620号公報
特開2007−70602号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、この動的架橋型の非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物は、これまでに開発例のない新規の材料であることから、再現性が高く、かつ、量産性に優れる製造方法の確立が必要である。

0008

そこで本発明の目的は、品質のバラツキがなく製造可能な非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法及び非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために請求項1の本発明は、ゴムまたは樹脂からなる成分(A)および(B)、金属水酸化物からなる成分(C)からなり、上記成分(A)がシラン架橋されている非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を製造する際に、成分(A)に常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物をグラフト共重合させ、連続的に成分(A)を動的にシラン架橋させたことを特徴とする非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法である。

0010

請求項2の発明は、バッチ式混練機に成分(A)を投入したのち、常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物と有機過酸化物溶液を添加し、成分(A)に上記シラン化合物をグラフト共重合させ、次いで連続的に成分(B)、成分(C)を添加し、最後にシラノール縮合触媒を添加して、成分(A)を動的にシラン架橋させた請求項1記載の非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法である。

0011

請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物である。

発明の効果

0012

本発明によれば、高い機械的強度、耐熱性、耐油性、難燃性、リサイクル性を有する非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を、品質のバラツキがなく製造することが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明の好適な一実施の形態を詳述する。

0014

前述した目的を達成するために、本発明者らは製造方法および配合剤の検討を行った。

0015

非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を製造するにあたっては、ゴムまたは樹脂からなる成分(A)にシラン化合物をグラフト共重合させる工程、および当該成分(A)を動的に架橋させる工程が必要となる。これらの2工程を別々の独立した装置において行う場合、シラン化合物がグラフト共重合されたゴムまたは樹脂を実質的にある時間放置することになるため、大気中の水分等により当該ゴムまたは樹脂のシラン架橋反応が進行し、ゴムまたは樹脂にスコーチ早期加硫)が起こる問題が懸念されると共に、連続的に生産できないため製造コスト的にも不利である。従って、当該材料(非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物)は、1つの装置において2工程を一度の混練で行い製造するのが望ましい。

0016

1つの装置において2工程を一度の混練で行う場合、装置としてニーダーバンバリーミキサーなどのバッチ式混練機を用いるのが一般的に考えられる。

0017

しかし、これらのバッチ式混練機を用いた場合、ゴムまたは樹脂にシラン化合物をグラフト共重合させる工程において、有機過酸化物が分解し遊離ラジカルを生成する温度まで昇温させると、混練機密閉性が十分でないためシラン化合物が揮発してしまうという問題があった。ここでいうシラン化合物とは、ポリマと反応可能な有機官能基加水分解およびシラノール縮合により架橋を形成するアルコキシ基をともに有しているものであり、特にポリマとの反応性架橋速度に優れるものとしてビニルトリメトキシシラン(沸点:123℃)やビニルトリエトキシシラン(沸点:161℃)などが一般的に用いられていた。この結果、シラン化合物のグラフト量不足する、再現性が得られないなどの問題があった。

0018

そこで、本発明者らが検討した結果、当該材料をバッチ式混練機を用いて製造する際には、常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物をゴムまたは樹脂にグラフト共重合させることにより、上記課題を解決できることが分かった。これによりバッチ式混練機を用いて、ゴムまたは樹脂からなる成分(A)にシラン化合物をグラフト共重合させる工程、および当該成分(A)を動的に架橋させる工程を一度の混練で行い、品質のバラツキがなく非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を製造できることが分かった。

0019

本発明の好適一実施の形態に係る非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の製造方法で規定するゴムまたは樹脂からなる成分(A)および成分(B)は、以下のものから選定できる。

0020

ゴムとしては、エチレンプロピレンジエン共重合体エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1−ジエン共重合体、エチレン−オクテン−1−ジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴムアクリルゴムスチレンブタジエンゴムスチレンイソプレンゴムに代表されるスチレン−ジエン共重合体、又はスチレン−ブタジエン−スチレンゴムやスチレン−イソプレンスチレンゴムに代表されるスチレン−ジエンスチレン共重合体、或いはこれらを水素添加して得られるスチレン系ゴムなどが使用できる。

0021

また樹脂としては、既知のものが使用でき、ポリプロピレン高密度ポリエチレン直鎖状低密度ポリエチレン低密度ポリエチレン超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体ポリブテンポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などが挙げられる。これらは2種以上をブレンドして用いてもよい。

0022

本発明において、ゴムまたは樹脂からなる成分(A)と成分(B)の配合割合は任意であり、要求される物性により自由に設定できる。

0023

シラン化合物には、ポリマと反応可能な有機官能基と加水分解およびシラノール縮合により架橋を形成するアルコキシ基をともに有していることが要求される。また、本発明では、常圧(1013hPa)下の沸点が180℃以上のシラン化合物を使用する必要がある。具体的には、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン(沸点:285℃)等のビニルシラン化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(沸点:194℃)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(沸点:217℃)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(沸点:261℃)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(沸点:265℃)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(沸点:312℃)等のアミノシラン化合物、2−(3,4エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン(沸点:310℃)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(沸点:290℃)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(沸点:140℃/4hPa(常圧(1013hPa)下では沸点180℃以上))、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(沸点:100℃/5.3hPa(常圧(1013hPa)下では沸点180℃以上))、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(沸点:259℃)等のエポキシシラン化合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(沸点:255℃)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(沸点:80℃/0.5hPa(常圧(1013hPa)下では沸点180℃以上))、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(沸点:65℃/0.5hPa(常圧(1013hPa)下では沸点180℃以上))、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(沸点:265℃)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(沸点:98℃/1.3hPa(常圧(1013hPa)下では沸点180℃以上))等のアクリルシラン化合物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(沸点:219℃)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(沸点:204℃)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(沸点:210℃)等のメルカプトシラン化合物等を挙げることができる。

0024

有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピルベンゼンなどのジアルキルパーオキサイド類、ジメチルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどのパーオキシケタール類が使用でき、特に限定はしない。

0025

上記シラン化合物および有機過酸化物の添加量は、特に規定するものではなく、得られる材料(目的とする非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物)の物性と照らし合わせ、適宜決定されるものである。

0026

本実施の形態で用いる金属水酸化物からなる成分(C)は、組成物に難燃性を付与するものであり、水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム水酸化カルシウム等が挙げられ、中でも難燃効果の最も高い水酸化マグネシウムが好適である。金属水酸化物は、分散性の観点から表面処理されていることが望ましい。

0027

この表面処理に用いる表面処理剤としては、シラン系カップリング剤チタネート系カップリング剤脂肪酸または脂肪酸金属塩等が使用でき、中でも樹脂と金属水酸化物の密着性を高める点で、シラン系カップリング剤が望ましい。

0028

使用できるシラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン化合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン化合物、ビス(3−(トリエトキシシリルプロピルジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等のポリスルフィドシラン化合物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン化合物等が挙げられる。

0029

金属水酸化物からなる成分(C)の添加量は任意であり、組成物に要求される難燃性に応じて自由に設定される。

0030

また、本実施の形態において用いることのできるシラノール縮合触媒は、ジブチル錫ジラウレートジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジオクタエート、ジオクチル錫ジラウレート酢酸第1錫、カプリル酸第1錫、カプリル酸亜鉛ナフテン酸鉛ナフテン酸コバルト等があり、その添加量は触媒の種類によるが成分(A)100重量部当たり0.001〜1重量部が好適である。

0031

シラノール縮合触媒の添加方法としては、そのまま添加する方法以外に、樹脂に予めシラノール縮合触媒を混ぜたマスターバッチを使用する方法などがある。

0032

上記以外にも必要に応じてプロセス油加工助剤難燃助剤、架橋剤、架橋助剤酸化防止剤滑剤無機充填剤相溶化剤、安定剤、カーボンブラック着色剤等の添加物を加えることも可能である。

0033

本実施の形態に係る製造方法に用いる製造装置は、ニーダー、バンバリーミキサーなどのバッチ式混練機を用いるのが良い。

0034

混練の手順として、まず、バッチ式混練機内でゴムまたは樹脂からなる成分(A)と常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物と有機過酸化物を溶かした溶液を反応させることで、成分(A)にシラン化合物をグラフト共重合させる。このとき、有機過酸化物が分解し遊離ラジカルを生成する温度まで混練機を昇温させる必要があるが、最適な温度は、有機過酸化物の温度と半減期の関係、および混練時間などから決定することができ、特に規定するものではない。続いて、シラノール縮合触媒を添加することで成分(A)をシラン架橋させ、非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を作製する。このときの混練機の温度は特に規定するものではないが、シラン架橋反応性を考慮すると160℃以上が好ましい。また、ゴムまたは樹脂からなる成分(B)と金属水酸化物からなる成分(C)はどのタイミングで加えても良い。

0035

より好適な混練手順としては、まず、バッチ式混練機にゴムまたは樹脂からなる成分(A)を投入し、次いで、常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物と有機過酸化物を溶かした溶液を添加する。有機過酸化物が分解し遊離ラジカルを生成する温度まで混練機を昇温させると共に、混練を行うことにより、成分(A)に上記シラン化合物がグラフト共重合する。その後、連続的にゴムまたは樹脂からなる成分(B)と金属水酸化物からなる成分(C)とシラノール縮合触媒を、シラノール縮合触媒の添加順序を最後にして添加する。その後、混練機内で、成分(A)を動的にシラン架橋反応させ、非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を作製する。

0036

この手順によれば、シラン化合物と有機過酸化物の溶液を成分(A)とのみ反応させることで、成分(B)へのシラン化合物のグラフト共重合、およびその後、成分(B)がシラン架橋することによる本発明材料の流動性の低下を防ぐことができる。また、成分(A)をシラノール縮合触媒の添加によりシラン架橋させる前に、成分(B)および成分(C)を添加し、混練することで成分(A)の粗大化を防ぐことができ、押出外観や物性の低下が抑えられる。

0037

その他、プロセス油、加工助剤、難燃助剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、滑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等の添加物はどのタイミングで加えても良い。

0038

以上に述べたように、本発明の実施の形態に係る製造方法によれば、バッチ式混練機で成分(A)に常圧下の沸点が180℃以上のシラン化合物をグラフト共重合させた後、そのまま連続的に成分(A)を動的にシラン架橋させているため、一度の混練で全ての反応が完了しておりゴムまたは樹脂(成分(A))がスコーチするおそれがない。その結果、品質のバラツキがなくなることから、再現性が高く量産性に優れた非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を、製造コスト安価に得ることができる。これらの製造に用いる混練機は、既存の汎用品を使用することができるので、新たな装置を設計、製造する必要もない。

0039

この非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物は、熱可塑性ポリマに金属水酸化物をはじめとする非ハロゲン難燃剤を混和した組成物であるので、難燃性は高く、また、架橋を導入しているため、機械的強度、耐熱性、及び耐油性も高い。そして、架橋導入後も熱可塑性を有する動的架橋型熱可塑性組成物であるため、リサイクル性をも有する。

0040

また、この非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物は、絶縁体シースとして電線ケーブルに適用でき、特に、優れた可とう性が要求される電源コードキャブタイヤケーブルなどの電線・ケーブルの被覆材料として好適である。

0041

図1は、本発明の製造方法で得られた非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の構造を示したもので、成分(B)が連続相(海相)となった中に成分(A)のポリマ相(島相)が分散した構造の組成物となる。また成分(A)の相の大きさは、成分(A)と成分(B)の組み合わせによって10nm〜10μmの範囲内で製造される。

0042

以下に本発明の実施例を具体的に説明する。

0043

成分(A)のゴムまたは樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量42mass%)またはエチレン−プロピレン共重合体(エチレン含有量56mass%)を、成分(B)のゴムまたは樹脂として、スチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体(スチレン含有量28mass%)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量20mass%)を、成分(C)の金属水酸化物として水酸化マグネシウム(シラン処理平均粒径1μm)を用いた。

0044

シラン化合物として、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン(沸点:285℃)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(沸点:194℃)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(沸点:255℃)、ビニルトリメトキシシラン(沸点:123℃)を使用した。

0045

また、その他に、有機過酸化物としてジクミルパ−オキサイド、シラノール縮合触媒として、予めジブチル錫ジラウレートを低密度ポリエチレンに3mass%の割合で混ぜ込んでペレット化したマスターバッチを用いた。

0046

各成分の配合比率を表1に示した。

0047

0048

製造装置のバッチ式混練機として75リットルのニーダーを用いた。

0049

本発明における非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物を製造するにあたっては、成分(A)にシラン化合物をグラフト共重合させる工程、および当該成分(A)を動的に架橋させる工程が必要となる。グラフト共重合させる工程では、シラン化合物に有機過酸化物を溶かした溶液を添加した後、180℃で5分間混練することで反応させた。動的に架橋させる工程では、シラノール縮合触媒を添加して200℃で5分間混練することにより、混練機内で、成分(A)を動的にシラン架橋反応させた。また、成分(B)および成分(C)を加えた段階では、分散性を高めるため、180℃〜200℃で3分間程度混練した。混練機の回転数は30rpmとした。混練物フィーダールーダーを通しストランド状(紐状)に引き取り評価に用いた。

0050

再現性を評価するため、製造は5回行った。各実施例および比較例における配合、原料投入順序を表2に示した。

0051

0052

各評価(架橋度、品質安定性外観)は次に示す方法で行った。

0053

<架橋度>
成分(A)の架橋度を測定するため、試料を40メッシュステンレス金網包み、130℃の熱キシレン中で24時間抽出を行い、その後、金網を80℃で4時間、真空乾燥した。残存不溶ポリマ重量を架橋された成分(A)とみなし、{(抽出、乾燥後の成分(A)重量)/(初期試料中の成分(A)重量)}×100をゲル分率(%)とした。1回の製造につき10個の試料のゲル分率を測定し、算出した平均値を架橋度とした。

0054

<品質安定性>
品質の安定性を、5回の製造の中での架橋度のバラツキで評価した。ゲル分率(平均値)の最大値最小値の比で評価し、1.10以下であれば合格とした。

0055

<外観>
ストランド表面の平滑さ、金属水酸化物の分散性などの外観を目視及び触感により評価した。外観が良好なもの(表面が平滑なもの)を良、やや荒れた程度のものを可、表面が著しく凹凸のものは不可とした。

0056

各評価結果を表3に示した。

0057

0058

実施例1〜4においては、再現性が高く、外観も良好な材料が得られている。

0059

一方、比較例1においては常圧下での沸点が180℃より低いシラン化合物を用いているため、成分(A)にシラン化合物をグラフト共重合させる段階でシラン化合物が揮発してしまい、架橋度のばらつきが大きい。

0060

実施例5では、成分(B)にもシラン化合物がグラフト共重合されてしまい、若干材料の流動性が低下する。その結果、実施例1〜4と比べ外観が悪い。

0061

実施例6では、シラノール縮合触媒の投入順序が早いため、成分(B)と成分(C)を混練する前に成分(A)の架橋が起き、粗大化しやすくなる。その結果、外観が若干荒れてしまう、よってシラノール縮合触媒の投入順序は最後が好ましい。

図面の簡単な説明

0062

本発明の製造方法で得られた非ハロゲン難燃性熱可塑性組成物の構造を示す図である。

符号の説明

0063

A 成分(A)
B 成分(B)

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