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技術 鉛蓄電池用電極ならびに鉛蓄電池用電極の製造方法及び鉛蓄電池

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 後藤伸幸豊田裕次郎
出願日 2008年9月16日 (12年2ヶ月経過) 出願番号 2008-236887
公開日 2010年4月2日 (10年7ヶ月経過) 公開番号 2010-073355
状態 未査定
技術分野 電池用電極の担体または集電体 電池の電極及び活物質
主要キーワード 体積体 鉛含有材料 リテイナー 鉛含有合金 反射型電子顕微鏡 多孔性チューブ 層状炭素 標準格子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

充放電深度の大きい充放電サイクル後でも、優れた出力特性を発揮する鉛蓄電池用電極ならびに鉛蓄電池用電極の製造方法及び鉛蓄電池を提供する。

解決手段

鉛活物質層3aと炭素活物質層3b、及び集電体4からなる鉛蓄電池用電極であって、前記鉛活物質層と前記炭素活物質層の間に接着剤層5が存在することを特徴とする鉛蓄電池用電極である。該集電体は格子状であり、且つ該接着剤層は導電性フィラーハロゲン系重合体及び/又はジエン系重合体を含んでいる。

概要

背景

正極活物質として二酸化鉛負極活物質として鉛を使用し、電解液硫酸水溶液を使用した鉛蓄電池は、他の二次電池と比較して安価で大電流放電に適することから多くの産業にて使用されており、リチウムイオン二次電池等の高容量二次電池が隆盛を誇る今日もその重要性は失われておらず、現在でも鉛蓄電池性能向上の検討が精力的に行われている。近年、鉛蓄電池の長所である短時間の大電流放電特性の向上、ならびに短所である放電深度の大きいサイクル特性の向上に関して、活性炭を使用した技術が報告されている。

例えば特許文献1では、活物質として鉛活物質層の表面に、活性炭、結着剤および導電剤を含む活物質層(以下、キャパシタ層という)が形成された鉛蓄電池用電極ならびにそれを備えた鉛蓄電池が記載されている。キャパシタ層は、これらを乾式練合した混合物カッターミキサ粉砕し、得られた粉状物を鉛活物質層上に添着し、加圧することにより、あるいは、活物質、結着剤水溶液および導電剤を混合して得られた活物質層形成用組成物を鉛活物質層上に塗布することにより形成されている。この鉛蓄電池用電極を備えた鉛蓄電池は、従来の鉛蓄電池と比較してより高い出力を発揮する鉛蓄電池が提供できるとしている。

特開2007−12596号公報

概要

充放電深度の大きい充放電サイクル後でも、優れた出力特性を発揮する鉛蓄電池用電極ならびに鉛蓄電池用電極の製造方法及び鉛蓄電池を提供する。鉛活物質層3aと炭素活物質層3b、及び集電体4からなる鉛蓄電池用電極であって、前記鉛活物質層と前記炭素活物質層の間に接着剤層5が存在することを特徴とする鉛蓄電池用電極である。該集電体は格子状であり、且つ該接着剤層は導電性フィラーハロゲン系重合体及び/又はジエン系重合体を含んでいる。

目的

しかしながら、特許文献1の方法では鉛活物質層とキャパシタ層界面の接触抵抗が高いため、出力が十分ではなかった。また、長期使用すると界面から活物質層が剥がれるという問題があった。
従って、本発明の目的は、充放電深度の大きい充放電サイクル後でも、優れた出力特性を発揮する鉛蓄電池用電極ならびに鉛蓄電池用電極の製造方法及び鉛蓄電池を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

鉛活物質層炭素活物質層、及び集電体からなる鉛蓄電池用電極であって、前記鉛活物質層と前記炭素活物質層の間に接着剤層が存在することを特徴とする鉛蓄電池用電極。

請求項2

前記炭素活物質層中の炭素質材料多孔性である請求項1に記載の鉛蓄電池用電極。

請求項3

前記集電体が格子状である請求項1または2に記載の鉛蓄電池用電極。

請求項4

前記接着剤層がフィラーを含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極。

請求項5

前記フィラーが導電性フィラーである請求項1〜4のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極。

請求項6

前記接着剤層がハロゲン系重合体及び/またはジエン系重合体を含んでなる請求項1〜5のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極。

請求項7

請求項1〜6のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極を製造する方法であって、鉛活物質層及び炭素活物質層の少なくとも一方に接着剤層を形成し、ついで前記接着剤層を介して双方の活物質層を形成する鉛蓄電池用電極の製造方法。

請求項8

請求項1〜6のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極を製造する方法であって、支持体表面上に接着剤層を形成し、ついで前記接着剤層に鉛活物質層および炭素活物質層の少なくとも一方を形成した後、前記支持体を除去し、前記支持体を除去して現れた前記接着剤層上に他方の活物質層を形成する鉛蓄電池用電極の製造方法。

請求項9

請求項1〜6のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極を製造する方法であって、支持体表面上に接着剤層を形成し、ついで前記接着剤層に炭素活物質層を形成した後、前記支持体を除去し、支持体を除去して現れた前記接着剤層上に鉛活物質層を形成する鉛蓄電池用電極の製造方法。

請求項10

支持体表面が、離型処理されている請求項8または9に記載の製造方法。

請求項11

支持体表面上に接着剤層が形成され、前記接着剤層の面上に炭素活物質層が形成されてなる支持体付活物質層。

請求項12

正極活物質層負極活物質層とをセパレータを介して積層した電極積層体を含み、前記正極活物質層または負極活物質層の少なくとも一方が請求項1〜6のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極を有する鉛蓄電池

技術分野

0001

本発明は、鉛蓄電池用電極およびその製造方法、並びに前記電極を使用した鉛蓄電池に関する。

背景技術

0002

正極活物質として二酸化鉛負極活物質として鉛を使用し、電解液硫酸水溶液を使用した鉛蓄電池は、他の二次電池と比較して安価で大電流放電に適することから多くの産業にて使用されており、リチウムイオン二次電池等の高容量二次電池が隆盛を誇る今日もその重要性は失われておらず、現在でも鉛蓄電池性能向上の検討が精力的に行われている。近年、鉛蓄電池の長所である短時間の大電流放電特性の向上、ならびに短所である放電深度の大きいサイクル特性の向上に関して、活性炭を使用した技術が報告されている。

0003

例えば特許文献1では、活物質として鉛活物質層の表面に、活性炭、結着剤および導電剤を含む活物質層(以下、キャパシタ層という)が形成された鉛蓄電池用電極ならびにそれを備えた鉛蓄電池が記載されている。キャパシタ層は、これらを乾式練合した混合物カッターミキサ粉砕し、得られた粉状物を鉛活物質層上に添着し、加圧することにより、あるいは、活物質、結着剤水溶液および導電剤を混合して得られた活物質層形成用組成物を鉛活物質層上に塗布することにより形成されている。この鉛蓄電池用電極を備えた鉛蓄電池は、従来の鉛蓄電池と比較してより高い出力を発揮する鉛蓄電池が提供できるとしている。

0004

特開2007−12596号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1の方法では鉛活物質層とキャパシタ層界面の接触抵抗が高いため、出力が十分ではなかった。また、長期使用すると界面から活物質層が剥がれるという問題があった。
従って、本発明の目的は、充放電深度の大きい充放電サイクル後でも、優れた出力特性を発揮する鉛蓄電池用電極ならびに鉛蓄電池用電極の製造方法及び鉛蓄電池を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は鋭意検討の結果、正極活物質層負極活物質層とをセパレータを介して積層した電極積層体を含む鉛蓄電池において、前記正極活物質層または負極活物質層の少なくとも一方に、炭素質材料を含む活物質層(以下、炭素活物質層という)と鉛含有材料を含む活物質層(以下、鉛活物質層という)が接着剤を介して接着された、鉛蓄電池用電極を用いることで、炭素活物質層と鉛活物質層間の電気抵抗を低減し、さらに炭素活物質層と鉛活物質層の接着強度が向上することを見出した。またその結果、当該鉛蓄電池用電極を用いた鉛蓄電池は充放電深度の大きい充放電サイクル後の出力特性に優れることを見出し、これらの知見に基づき以下の本発明を完成させるに至った。

0007

かくして本発明によれば、下記[1]〜[12]が提供される。

0008

[1]鉛活物質層と炭素活物質層、及び集電体からなる鉛蓄電池用電極であって、前記鉛活物質層と前記炭素活物質層の間に接着剤層が存在することを特徴とする鉛蓄電池用電極。

0009

[2]前記炭素活物質層中の炭素質材料が多孔性である前記[1]に記載の鉛蓄電池用電極。

0010

[3]前記集電体が格子状である前記[1]または[2]に記載の鉛蓄電池用電極。

0011

[4]前記接着剤層がフィラーを含んでなる前記[1]〜[3]のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極。

0012

[5]前記フィラーが導電性フィラーである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極。

0013

[6]前記接着剤層がハロゲン系重合体及び/またはジエン系重合体を含んでなる前記[1]〜[5]のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極。

0014

[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極を製造する方法であって、鉛活物質層及び炭素活物質層の少なくとも一方に接着剤層を形成し、ついで前記接着剤層を介して双方の活物質層を形成する鉛蓄電池用電極の製造方法。

0015

[8]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極を製造する方法であって、支持体表面上に接着剤層を形成し、ついで前記接着剤層に鉛活物質層および炭素活物質層の少なくとも一方を形成した後、前記支持体を除去し、前記支持体を除去して現れた前記接着剤層上に他方の活物質層を形成する鉛蓄電池用電極の製造方法。

0016

[9]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極を製造する方法であって、支持体表面上に接着剤層を形成し、ついで前記接着剤層に炭素活物質層を形成した後、前記支持体を除去し、支持体を除去して現れた前記接着剤層上に鉛活物質層を形成する鉛蓄電池用電極の製造方法。

0017

[10]支持体表面が、離型処理されている前記[8]または[9]に記載の製造方法。

0018

[11]支持体表面上に接着剤層が形成され、前記接着剤層の面上に炭素活物質層が形成されてなる支持体付活物質層。

0019

[12]正極活物質層と負極活物質層とをセパレータを介して積層した電極積層体を含み、前記正極活物質層または負極活物質層の少なくとも一方が前記[1]〜[6]のいずれかに記載の鉛蓄電池用電極を有する鉛蓄電池。

発明の効果

0020

本発明によれば、従来の鉛蓄電池と比較して、充放電深度の大きい充放電サイクル後でも、大きい出力を発揮し、長期の使用においても炭素活物質層が剥がれない鉛蓄電池を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1aは、図4に示す鉛蓄電池の製造過程を示す工程概略図、
図1bは、図1aに示す負極活物質層中の鉛活物質層と集電体の積層体の概略斜視図、
図2は、図4に示す鉛蓄電池の製造過程を示す工程概略図、
図3aは、図4に示す鉛蓄電池の製造過程を示す工程概略図、
図3bは、図3aに示す負極活物質層の概略斜視図、
図4は、実施例および比較例における鉛蓄電池の一態様を示す概略断面図である。

0022

本発明の鉛蓄電池用電極は、鉛活物質層と炭素活物質層の間に接着剤層が存在することを特徴とする。

0023

<鉛活物質層1a・3a>
鉛活物質層は、通常の鉛蓄電池の活物質として使用される鉛、一酸化鉛、二酸化鉛、三酸化二鉛、四酸化三鉛鉛丹)、硫酸鉛などの、鉛および鉛化合物主体とする層を指す。これらの鉛および鉛化合物は、単独でまたは混合物を適宜選択して使用することができる。鉛活物質層中の鉛原子が占める割合は、通常は層全体の重量に対して50質量%以上、好ましくは70質量%以上である。鉛原子の量がこの範囲にあると、活物質層のエネルギー密度を高めることができる。正極活物質層に用いられる鉛含有材料としては二酸化鉛または一酸化鉛が好ましく、負極活物質層に用いられる鉛含有材料としては一酸化鉛または鉛が好ましい。

0024

鉛活物質層は、鉛および鉛化合物の他に、ポリエステル繊維などの強化材リグニンなどの界面活性剤硫酸バリウムなどを含んでいてもよい。また、アンチモン亜鉛カドミウム、銀およびビスマス酸化物水酸化物もしくは硫酸塩から選ばれる添加剤なども使用することができる。さらに、鉛含有材料のペーストを作製して鉛活物質層を形成する場合は、硫酸水溶液を加えることもできる。

0025

<炭素活物質層3b>
本発明に係る炭素活物質層3bに含まれる炭素質材料としては、多孔性炭素質材料層状炭素質材料が挙げられるが、この中でも比表面積がより大きいことから、多孔性炭素質材料が好ましい。

0026

多孔性炭素質材料は、電気二重層容量を利用する目的で使用されるため、通常は同じ重量でもより広い面積の界面を形成することが可能な、比表面積の大きいものが好ましい。具体的には、比表面積が30m2/g以上、好ましくは500〜5,000m2/g、より好ましくは1,000〜3,000m2/gであることが好ましい。

0027

多孔性炭素質材料の具体例としては、活性炭、ポリアセンカーボンウィスカ及びグラファイト等が挙げられ、これらの粉末または繊維を使用することができる。

0028

多孔性炭素質材料は、好ましくは活性炭であり、具体的にはフェノール樹脂レーヨン系アクリル繊維ピッチ、またはヤシガラ等を炭素質原料として賦活処理した活性炭を挙げることができる。賦活処理方法としては、水蒸気二酸化炭素酸素等を用いたガス賦活や、水酸化カリウムリン酸等を用いた薬品賦活などが挙げられる。

0029

多孔性炭素質材料の体積平均粒子径は、0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは3〜35μmである。体積平均粒子径がこの範囲にあると、電極の成形が容易で、電気二重層容量も高くできるので好ましい。これらの多孔性炭素質材料は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。活性炭を組み合わせて使用する場合は、平均粒子径又は粒径分布の異なる二種類以上の炭素質物質を組み合わせて使用してもよい。多孔性炭素質材料は、通常は多孔性炭素活物質層全体の重量に対して50重量%以上である。

0030

層状炭素質材料の具体例としては、黒鉛グラフィンが挙げられ、これらの中でも黒鉛が好ましい。

0031

また、接着剤層5に炭素活物質層3bを形成する方法としては、炭素質材料等の球状複合粒子を積層する方法や、炭素質材料等のペーストを塗布する方法が挙げられるが、球状複合粒子を積層する方法が好ましい。球状複合粒子を積層する方法の方がペーストを塗布する方法に比べ、炭素活物質層3bに空隙を作ることができ、電解液の含浸性を高めることができるからである。なお、本発明における球状複合粒子とは、炭素質材料、および後述する、含まれていてよい材料等、複数の材料が球状に一体化した粒子を指す。また、ペーストとは、後述する炭素質材料、並びに必要に応じて添加される導電剤、結着剤、分散剤およびその他の添加剤を溶媒に分散又は溶解してなるスラリーを指す。

0032

<球状複合粒子>
複合粒子が球状であるか否かの評価は、球状複合粒子の短軸径をLs、長軸径をLlとしたときに(Ll−Ls)/{(Ls+Ll)/2}で算出される値(以下、「球状度」という。)により行う。ここで、短軸径Lsおよび長軸径Llは、反射型電子顕微鏡を用いて複合粒子を観察した写真像より測定される100ケの任意の複合粒子についての平均値である。この数値が小さいほど球状複合粒子が真球に近いことを示す。

0033

たとえば、上記写真像で正方形として観察される粒子は、上記球状度は34.4%と計算されるので、34.4%を超える球状度を示す複合粒子は、少なくとも球状とはいえない。本発明の球状複合粒子の球状度は、好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。球状度がこの範囲にある球状複合粒子からなる活物質層を形成した鉛蓄電池用電極は、それを備える鉛蓄電池の深い充放電サイクル後の出力特性を向上させる。その理由について詳細は明らかになっていないが、球状複合粒子の形状により、球状複合粒子間の空隙に進入する電解液の保液性が関係しているものと思われる。

0034

球状複合粒子の粒子径は、体積平均粒子径(D50%)で通常1〜1,000μm、好ましくは10〜100μmである。

0035

前記球状複合粒子は、上述した炭素質材料および鉛含有材料以外の材料が含まれていてもよい。

0036

前記球状複合粒子は、活物質層中の導電性を向上させることを目的とした導電剤を含んでいてもよい。具体的な例としては、ファーネスブラックアセチレンブラック、およびケッチェンブラックアクゾノベルケミカルズ ベスローテンフェンノートシャップ社の登録商標)等の導電性カーボンブラック天然黒鉛人造黒鉛等の黒鉛;ポリアクリロニトリル系炭素繊維ピッチ系炭素繊維気相法炭素繊維等の炭素繊維カーボンナノチューブが挙げられる。これらの中でも、導電性カーボンブラックが好ましく、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックがより好ましい。

0037

導電剤の体積平均粒子径は、活物質の体積体積平均粒子径よりも小さいものが好ましく、通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmの範囲である。導電剤の粒径がこの範囲にあると、より少ない使用量で高い導電性が得られる。これらの導電剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。

0038

導電剤の量は、炭素質材料100質量部に対して、通常は0.1〜50質部、好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。導電剤の量がこの範囲にあると、導電性に優れ、サイクル後の出力特性を向上させることができる。

0039

前記球状複合粒子は、炭素活物質層を保持することを目的とした結着剤を含んでいてもよい。結着剤の具体的な例としては、ハロゲン系重合体、ジエン系重合体、アクリレート系重合体ポリイミドポリアミドポリウレタン等の高分子化合物が挙げられる。これら結着剤は単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。

0041

ジエン系重合体は、共役ジエン単独重合体もしくは共役ジエンを含む単量体混合物重合して得られる共重合体、またはそれらの水素添加物である。ジエン系重合体の具体例としては、ポリブタジエンポリイソプレン、ポリクロロプレン、などの共役ジエン単独重合体;ブチルゴムなどの共役ジエン共重合体カルボキシ変性されていてもよいスチレンブタジエン共重合体SBR)などの芳香族ビニル・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル・共役ジエン共重合体;水素化SBR、水素化NBR等が挙げられる。

0042

アクリレート系重合体は、アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの単独重合体またはこれらを含む単量体混合物を重合して得られる共重合体である。

0043

上記の中でも、結着剤としては、集電体との結着性や強度、耐酸性に優れた活物質層が得られるという観点から、好ましくはハロゲン系重合体、ジエン系重合体が挙げられ、より好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロプレン、クロロスルホン化ポリエチレン、SBRが挙げられる。

0044

結着剤のガラス転移温度(以下Tgという)は、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは−50〜0℃である。結着剤のTgがこの範囲であると、少量の使用量で結着性に優れ、電極強度が高く、柔軟性に富み、電極形成時のプレス工程により電極密度を容易に高めることができる。

0045

結着剤の形状は、結着性の向上、電極の容量の低下、および内部抵抗の増大を最小限に抑えるために、粒子状であることが最も好ましく、例えば、ラテックスのような結着剤の粒子が溶媒に分散した状態のものや、このような分散液を乾燥して得られる粉末状のものが挙げられる。

0046

結着剤の粒子径は特に限定されないが、体積平均粒子径で、通常は0.001〜100μm、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜1μmである。結着剤の体積平均粒子径がこの範囲であるときは、少量の結着剤の使用でも優れた結着力を活物質層に与えることができる。

0047

結着剤の製造方法は特に限定されず、乳化重合法懸濁重合法、分散重合法または溶液重合法等の公知の重合法を採用することができる。中でも、乳化重合法で製造することが、結着剤の粒子径の制御が容易であるので好ましい。

0048

結着剤の使用量は、炭素質材料100質量部に対して、通常は1〜20質量部、好ましくは3〜15質量部の範囲である。

0049

前記球状複合粒子は、後述する球状複合粒子の製造方法における、スラリー中での炭素質材料の分散を目的として分散剤を含むこともできる。分散剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロースメチルセルロースエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロース、および、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリビニルアルコール変性ポリビニルアルコールポリエチレンオキシドポリビニルピロリドンポリカルボン酸酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプンキチンキトサン誘導体等も使用できる。

0050

これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用でき、中でも、分散剤としては、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。分散剤の使用量は、特に限定されないが、炭素質材料100質量部に対して、通常は0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは0.8〜2.5質量部の範囲である。分散剤を用いることで、スラリー中の固形分の沈降や凝集を抑制できる。

0051

球状複合粒子は、さらに必要に応じてその他の添加剤を含有していてもよい。具体的には、後述するスラリーの電気的な安定性向上のため、アニオン性カチオン性ノニオン性、あるいはノニニックアニオン等の両性の界面活性剤が挙げられる。

0052

球状複合粒子の製造方法は、特に限定されないが、以下に記載する炭素質材料を溶媒に分散してスラリーを得る工程、前記スラリーを噴霧乾燥する工程を有する製造方法であれば、生産性良く球状度の数値の小さい(真球に近い)球状複合粒子が得られるので好ましい。

0053

<スラリーを得る工程>
スラリーを得る工程においては、上記の炭素質材料、ならびに必要に応じて添加される導電剤、結着剤、分散剤、およびその他の添加剤を溶媒に分散または溶解して、これらが分散または溶解されてなるスラリーを得る。

0054

スラリーを得るために用いる溶媒は、特に限定されないが、上記の分散剤を用いる場合には、分散剤を溶解可能な溶媒が好適に用いられる。具体的には、通常水が用いられるが、有機溶媒を用いることもでき、水と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。また、鉛蓄電池の電解液である硫酸を添加してpHを調整してもよい。

0055

スラリーを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーの固形分濃度が、通常1〜70質量%、好ましくは15〜60質量%の範囲となる量である。固形分濃度がこの範囲にあるときに、結着剤が均一に分散するため好適である。

0056

スラリーの粘度は、室温において、通常10〜5,000mPa・s、好ましくは50〜2,000mPa・sの範囲である。スラリーの粘度がこの範囲にあると、噴霧乾燥造粒工程の生産性を上げることができる。

0057

炭素質材料、ならびに導電剤、結着剤、分散剤およびその他の添加剤、を溶媒に分散または溶解する方法または手順は特に限定されず、例えば、溶媒にこれらを一括で添加し混合する方法、溶媒に分散剤を溶解した後、溶媒に分散させた結着剤(例えば、ラテックス)を添加して混合し、最後に炭素質材料および導電剤を添加して混合する方法、溶媒に分散させた結着剤に炭素質材料および導電剤を添加して混合し、この混合物に溶媒に溶解させた分散剤を添加して混合する方法等が挙げられる。混合の手段としては、例えば、ボールミルサンドミルビーズミル顔料分散機、らい潰機超音波分散機ホモジナイザーホモミキサープラネタリーミキサー等の混合機器が挙げられる。混合は、通常、室温〜60℃の範囲で、10分〜数時間行う。

0058

<噴霧乾燥工程>
次に、前記スラリーを噴霧乾燥して造粒する。噴霧乾燥法は、熱風中にスラリーを噴霧して乾燥する方法である。スラリーの噴霧に用いる装置としてアトマイザーが挙げられる。アトマイザーは、回転円盤方式と加圧方式との二種類の装置がある。回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央にスラリーを導入し、円盤の遠心力によってスラリーが円盤の外に放たれ、その際にスラリーを霧状にする方式である。円盤の回転速度は円盤の大きさに依存するが、通常は5,000〜30,000rpm、好ましくは15,000〜30,000rpmである。円盤の回転速度が低いほど、噴霧液滴が大きくなり、球状複合粒子の一次平均体積粒子径が大きくなる。

0059

回転円盤方式のアトマイザーとしては、ピン型ベーン型が挙げられるが、好ましくはピン型アトマイザーである。ピン型アトマイザーは、噴霧盤を用いた遠心式噴霧装置一種であり、該噴霧盤が上下取付円板の間にその周縁に沿ったほぼ同心円上に着脱自在に複数の噴霧用コロを取り付けたもので構成されている。スラリーは噴霧盤中央から導入され、遠心力によって噴霧用コロに付着し、コロ表面を外側へと移動し、最後にコロ表面から離れ噴霧される。一方、加圧方式は、スラリーを加圧してノズルから霧状にして乾燥する方式である。

0060

噴霧されるスラリーの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。また、噴霧乾燥時熱風温度は、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃である。噴霧乾燥法において、熱風の吹き込み方法は特に制限されず、例えば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式等が挙げられる。

0061

上記の製造方法で得られた球状複合粒子は、球状度が20%を上回らない範囲で、必要に応じて粒子製造後の後処理を実施することもできる。具体例としては、球状複合粒子に上記の炭素質材料、導電剤、結着剤、あるいは添加剤等と混合することによって、粒子表面を改質して、球状複合粒子の流動性を向上または低下させる、連続加圧成形性を向上させる、球状複合粒子の電気伝導性を向上させる、鉛蓄電池の動作におけるガス発生を抑制することなどができる。

0062

<球状複合粒子積層工程>
球状複合粒子の積層は、接着剤層5上に球状複合粒子を散布して加圧成形してもよく、球状複合粒子を加圧成形して単独のシート状活物質層に成形してから接着剤層5上に貼り合せてもよい。

0063

球状複合粒子をシート状に成形し、その後に加圧圧着する場合は、シート状成形物を得る方法としてロール加圧成形が好適である。成形時の温度は、通常0〜200℃であり、球状複合粒子の結着剤の融点またはガラス転移温度より高いことが好ましく、融点またはガラス転移温度より20℃以上高いことがより好ましい。ロール加圧成形においては、成形速度は通常0.1〜20m/分、好ましくは5〜10m/分の範囲である。またロール間のプレス線圧は、通常0.2〜30kN/cm、好ましくは3〜15kN/cmにして行う。

0064

成形した炭素活物質層3bの厚みのばらつきを無くし、密度を上げて高容量化をはかるために、必要に応じて更に後加圧を行っても良い。

0065

<接着剤層5>
接着剤層5を設けることで、負極活物質層中の鉛活物質層3aと炭素活物質層3bとの密着性が向上し、接触抵抗を低減できる。

0066

本発明に使用される接着剤層5はフィラーを含有することが好ましい。フィラーは、公知のものを使用することができ、導電性フィラー、金属酸化物フィラーが挙げられるが、その中でも、導電性フィラーが好ましい。なお、導電性フィラーには、樹脂導電性能を付与するために添加されるすべての充填剤が含まれる。また、導電性フィラー含有接着剤としては、導電性フィラー、結着剤が溶媒に溶解または分散されていることが好ましい。

0067

導電性フィラーは、導電性を有するものであれば特に限定されないが、中でも、導電性カーボンブラック、黒鉛等が特に好ましい。導電性フィラーの体積平均粒子径は、通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmの範囲である。これらの導電性フィラーは、それぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0068

また、金属酸化物フィラーとしては、シリカ酸化鉄酸化チタンが挙げられるが中でもシリカが好ましい。

0069

本発明において、接着剤層5はフィラーを必須成分としては含むが、さらに結着剤を含むことが好ましい。
結着剤としては、ハロゲン系重合体、ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられるが、中でも、結着剤としては、集電体との結着性や強度、耐酸性に優れた活物質層が得られるという観点から、好ましくはハロゲン系重合体、ジエン系重合体が挙げられ、より好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロプレン、クロロスルホン化ポリエチレン、SBRが挙げられる。結着剤の量は、フィラー100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。結着剤の量が、前記範囲であることにより、成形性と低い電気抵抗の両立ができる。

0070

本発明において、接着剤層5は、さらに分散剤を含んでいてもよい。前記分散剤としては、セルロース誘導体が挙げられ、中でもカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が特に好ましい。分散剤の量は、フィラー100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。

0071

本発明に使用される接着剤は、必要に応じ溶媒を含んでいてもよく、この溶媒成分としては、トルエンアセトン、水、メタノールエタノールプロパノールブタノールテトラクロロエチレントリクロルエチレンブロムクロロメタンジアセトンジメチルホルムアミドエチルエーテルクレゾールキシレンクロロホルムジメチルエーテルがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。

0072

接着剤は前記の各成分を、混合機を用いて混合して製造できる。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、およびホバートミキサーなどを用いることができる。

0073

接着剤の塗布方法は、特に限定されない。例えば、ドクターブレード法ディップ法リバースロール法、ダイレクトロール法グラビア法、エクストルージョン法ハケ塗り法などの方法が挙げられる。

0074

接着剤層の厚みは、通常1〜25μm、好ましくは2〜20μm、より好ましくは2〜10μmである。接着剤層の厚みが、前記範囲であることにより、アンカー効果が良好に発揮され、電子移動抵抗を低減することができる。

0075

<支持体6>
本発明では、接着剤を支持体上に形成してもよい。支持体は製造ラインで搬送できればよく、紙;PETフィルムなどのプラスチックフィルム金属箔等から適宜選択される。支持体の片面あるいは両面には、公知の方法により、離型処理されていることが好ましい。離型処理方法としては、支持体上にシリコン系離型剤アルキド樹脂などの非シリコン系離型剤を塗布する方法がある。
支持体の厚みは特に制限はないが、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは10μm以上200μm以下である。

0076

<集電体4>
本発明で使用される集電体は、電極活物質である炭素質材料および鉛含有材料と鉛蓄電池外との電気的導通をとるためのものである。集電体としては、板状、箔状、クラッド式と呼ばれる多孔性チューブの中心に鉛合金芯金を挿入したもの、および格子状集電体などが挙げられるが、鉛活物質ペーストを保持し、効率的に電流を取り出す形状として最適な格子状集電体が好ましい。格子状集電体としては、標準格子ラジアル格子、エキスパンド式のいずれも使用できる。

0077

格子状集電体の材質としては、鉛−カルシウム合金、鉛−アンチモン合金、鉛−錫合金等の鉛含有合金が用いられる。前記鉛合金の組成の一部として、砒素、錫、銅、銀、アルミなどを含んでいても良い。

0078

本発明の鉛蓄電池は、正極活物質層と負極活物質層をセパレータを介して積層した電極積層体を含み、前記正極活物質層または負極活物質層の少なくとも一部に上記本発明の鉛蓄電池用電極を使用したことを特徴とする。

0079

<負極活物質層3の形成方法
負極活物質層3は、鉛活物質層3aと、炭素活物質層3bが、接着剤5を介して集電体4に電気的な導通がとれるように配置されている。

0080

鉛活物質層3aの形成方法は、従来より知られる鉛蓄電池用電極の製造における方法と同様であり、鉛含有材料に溶媒、添加剤を加えてペーストを作製し、図1aに示すように、格子状集電体4に充填させて形成することができる。

0081

次に、図3aに示すように、鉛活物質層3aの一方の面の全面に接着剤層5を介して炭素活物質層3bを配置し、負極活物質層3を形成する。負極活物質層3の形成方法は、鉛活物質層3aの上に接着剤層5を積層した後に、接着剤層5の面上に炭素活物質層3bを積層してもよいし、接着剤層5の上に炭素活物質層3bを積層した後に、接着剤層5の面上に鉛活物質層3aを積層してもよい。

0082

前者の、鉛活物質層3aの上に接着剤層5を積層した後に、接着剤層5の面上に炭素活物質層3bを積層する方法は、具体的には以下のとおりである。まず、支持体6の面上に接着剤を塗布し、溶媒を乾燥させて形成された接着剤層5を、鉛活物質層3aに貼り合せ、支持体6を除去する。次いで、接着剤層5上に炭素活物質3bを積層し加圧する。また、この他の方法として、接着剤を無溶媒で溶融して、溶融押出により直接、接着剤層5を炭素活物質層3bに形成してもよい。

0083

後者の、接着剤層5の上に炭素活物質層3bを積層した後に、接着剤層5の面上に鉛活物質層3aを積層する方法は具体的には以下のとおりである。まず、支持体6の面上に接着剤層5を形成後(図2(A))、接着剤層5の上に炭素活物質層3bを形成し(図2(B))、次いで、支持体6を除去し(図2(C))、現れた接着剤層5を鉛活物質層に積層し加圧する。

0084

本発明の支持体付活物質層は、支持体6表面上に、接着剤層5が形成され、前記接着剤層5の面上に炭素活物質層3bが形成されてなる。本発明の支持体付活物質層は、具体的には図2(B)に示すような構成である。
支持体、接着剤層、炭素活物質層としては、前記したものが挙げられる。支持体付活物質層は、支持体6の面上に接着剤層5を形成後(図2(A))、接着剤層5の上に炭素活物質層3bを形成することにより得られる(図2(B))。

0085

鉛蓄電池は通常、セパレータを介して正極と負極が対向するように配置された電極対を複数対有しており、正極同士、または負極同士はそれぞれ電気的に短絡された構造である。このような構造とすることにより、鉛蓄電池の容量を大きくすることができる。なお、本実施形態では、図4に示すように、本発明の鉛蓄電池用電極を、負極(負極活物質層3)に用いて電極積層体7を構成している場合のみを取り上げているが、本発明の鉛蓄電池は、本発明の鉛蓄電池用電極を、正極および負極の全ての電極に用いることもできるし、正極または負極のいずれかの電極の全てに使用することもできる。また、正極の一部、または負極の一部に本発明の鉛蓄電池用電極を使用することもできる。この中でも、負極の全ての電極に用いる、あるいは負極の一部に用いることが好ましい。

0086

<セパレータ2a・2b>
本発明の鉛蓄電池のセパレータとしては、従来より知られた抄紙、微多孔性ポリエチレン、微多孔性ポリプロピレン、微多孔性ゴムリテイナーマットガラスマット、などのセパレータを1つまたは複数組み合わせて使用することができる。

0087

<電解液>
本発明の鉛蓄電池の電解液は通常、硫酸水溶液が使用される。充放電状態によって硫酸の密度は変動するが、鉛蓄電池を化成処理後満充電の状態で密度1.25〜1.30(20℃)であることが好ましい。

0088

電槽、ふた>
本発明の鉛蓄電池において、セパレータを介して正極と負極が対向するように配置された電極対と電解液を収納する電槽及びふたは、従来より知られたものを使用することができる。具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルスチレン共重合体、ポリアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体を原料とするものが使用できる。

0089

組電池
従来より知られた鉛蓄電池と同様に、上述の複数の電極対からなり正極および負極のそれぞれを短絡させた構造である鉛蓄電池を複数用意して直列に接続することができる。このようにすることで鉛蓄電池の全体の起電力を大きくすることができる。直列に接続することは電槽を複数用意する必要はなく、1つの電槽の中に複数の仕切りを設け、その仕切り毎に上述の電極対を収納し、それを直列接続すれば、一体化した起電力の高い鉛蓄電池を作製することができる。

0090

以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。

0091

以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、本実施例における部および%は、特に断りがない限り質量基準である。

0092

(出力特性)
積層鉛蓄電池を25℃で充電電圧2.2VからSOC70%まで5CAの電流で充放電を10回繰り返し、再び満充電してから20CAで放電したときの0.2秒後の電圧を測定し、サイクル後の出力特性とする。ここで、SOC70%とは、鉛蓄電池の満充電時の容量を100%として、70%の容量が残っている状態を指し、5CAおよび20CAとは、作製する蓄電池の容量をそれぞれ1/5時間、1/20時間で放電するための電流量のことを指す。0.2秒後に測定する電圧値が高いほど瞬間的な大電流放電に優れていることを表す。

0093

<実施例1>
(正極活物質層1の作製)
鉛含有材料として二酸化鉛100部にイオン交換水10部、比重1.27の希硫酸10部を加えて混合し、正極用活物質合剤ペーストを製造する。このペーストを鉛−カルシウム合金からなる格子状集電体4a(100mm×100mm×3mm)に充填した後、40℃、湿度95%の雰囲気で24時間熟成し、乾燥することで未化成の正極活物質層1を作製する。

0094

(負極活物質層3の作製)
鉛含有材料として鉛100部に導電剤のカーボンブラック0.3部、硫酸バリウム0.3部、イオン交換水10部、比重1.36の希硫酸を10部添加、混合する。得られるペーストを定間隙ロールに通して厚さ1,500μmのシート状とする。このシート状ペーストを、鉛−カルシウム合金からなる格子状集電体4(100mm×100mm×3mm)に充填し、表面だけを一部乾燥したあと熟成し、負極活物質層中の鉛活物質層3a(図1a)を形成する。

0095

(導電性フィラー含有接着剤層付きPETフィルム作製)
導電性フィラー含有接着剤は、導電性フィラーとして体積平均粒子径3.7μmの黒鉛(KS−6:ティカル社製)を80部及び体積平均粒径0.4μmのカーボンブラック(Super−P:ティムカル社製)を20部、分散剤としてエーテル化度が0.6で1%水溶液の粘度が30mPa・sであるカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩を固形分相当で4部、結着剤としてSBR重合体(Tg:−19℃)の固形分濃度40%水分散液8部に水を261部加え、プラネタリーミキサーを用いて混合分散して固形分濃度30%の導電性フィラー含有接着剤のスラリーを得る。片面に離型剤としてアルキド樹脂を塗布し、離型処理を施したPETフィルム(リンテック社製PET38AL−5、厚み38μm)を支持体6として用い、このフィルムの離型処理を施した面側に、前記導電性フィラー含有接着剤のスラリーをバーコーターで塗布し、120℃で5分間乾燥させて5μmのフィラー含有接着剤層付きPETフィルムを得る(図2(A))。

0096

比表面積1,700m2/gの水蒸気賦活活性炭を100部、アセチレンブラックを5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を1.5部、およびSBRのラテックスを固形分相当で10部を混合し、さらにイオン交換水を固形分濃度が20%となるように加え、混合分散を行いスラリーを得る。このスラリーを、スプレー乾燥機を使用し、回転円盤方式のアトマイザ(直径65mm)の回転数25,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度が90℃で噴霧乾燥造粒を行い、球状複合粒子を得る。この球状複合粒子の球状度は、0.12、平均体積粒子径は58μmである。得られる球状複合粒子を、上記フィラー含有接着剤層付きPETフィルムの接着剤層5上に散布し、100℃に加熱した加圧ロール(成形速度4m/分、線圧5kN/cm)でシート成形を行い、図2Bに示すようなシート状成形物を得る。得られたシート状成形物中の炭素活物質層3bの厚さは300μmであり、密度は0.6g/cm3である。このシート状成形物から支持体(PETフィルム)6を剥離し、剥離して現れた導電性フィラー含有接着剤面を、前記のペーストを充填した格子状集電体4の一面にバッチプレスにて100℃、10MPaで加圧圧着し、図3(図3a図3b)に示すような負極活物質層3を形成する。

0097

上記の正極活物質層1および負極活物質層3を用い、図4に示す積層鉛蓄電池を作製する。セパレータとしては、負極活物質層中の鉛活物質層3a側と正極活物質層1の間には、ガラスマイクロファイバー製のセパレータ2bを、負極活物質層の多孔性炭素活物質層3b側と正極活物質層1の間には、微孔性ポリプロピレンのセパレータ2aをそれぞれ配置し電極積層体7を得る。電解液には、比重1.225(20℃)の希硫酸を使用する。これに過充電を施して化成処理を行った後、電解液の密度が1.28になるように密度1.4の硫酸で調整して鉛蓄電池を得る。この鉛蓄電池の充放電サイクル後の出力特性を評価する。

0098

<実施例2>
接着剤層5の結着剤をSBRにかえて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、Tg:160℃)にした以外は実施例1と同様に鉛蓄電池を作製し、充放電サイクル後の出力特性を評価する。

0099

<比較例1>
接着剤層5を含めない以外は実施例1と同様に鉛蓄電池を作製し、充放電サイクル後の出力特性を評価する。

0100

<実施例3>
接着剤層5の厚みを40μmとする以外は実施例1と同様に鉛蓄電池を作製し、充放電サイクル後の出力特性を評価する。

0101

<実施例4>
接着剤層5を溶融押出により直接多孔性炭素活物質層3b上に形成し、かつその厚みを30μmとする以外は、実施例1と同様に鉛蓄電池を作製し、充放電サイクル後の出力特性を評価する。

0102

<実施例5>
接着剤層5の結着剤をSBRにかえてアクリレート系重合体(Tg:−70℃)にする以外は実施例1と同様に鉛蓄電池を作製し、充放電サイクル後の出力特性を評価する。

0103

以上、実施例および比較例の、充放電サイクル後の出力特性を表1に示す。なお、充放電サイクル後の出力特性は、比較例1の充放電サイクル後の出力特性を1としたときの相対値として表記する。

0104

実施例1、2は、フィラー含有接着剤を介して鉛活物質層と多孔性炭素活物質層が接着しているため、密着性に優れ、接触抵抗が低く、サイクル後出力特性が比較例1よりも優れている。

0105

実施例3は、接着剤層が厚く、抵抗が増えるため実施例1に比べると出力特性に劣る。

0106

実施例4は溶融押出で直接接着剤層を形成しているため、実施例1に比べ接着剤層の平滑性が低く、接触抵抗が実施例1に比べて大きくなるため出力特性が劣る。

0107

実施例5は、接着剤層の結着剤がアクレー系重合体であるため、電解液の硫酸により劣化し、出力特性が実施例1に比べて劣る。

0108

本発明の鉛蓄電池用電極ならびにこれを用いた鉛蓄電池は、充放電サイクルの後であっても高い入力特性を発揮することができるので、回生入力効率が求められるハイブリッド自動車用鉛蓄電池、風力発電太陽光発電電力貯蔵用鉛蓄電池等に好適に使用することができる。

図面の簡単な説明

0109

図4に示す鉛蓄電池の製造過程を示す工程概略図である。
図1aに示す負極活物質層中の鉛活物質層と集電体の積層体の概略斜視図である。
図4に示す鉛蓄電池の製造過程を示す工程概略図である。
図4に示す鉛蓄電池の製造過程を示す工程概略図である。
図3aに示す負極活物質層の概略斜視図である。
実施例および比較例における鉛蓄電池の一態様を示す概略断面図である。

符号の説明

0110

1 :正極活物質層
2a:セパレータ
2b:セパレータ
3 :負極活物質層
3a:負極活物質層中の鉛活物質層
3b:炭素活物質層
4 :集電体
5 :接着剤層
6 :支持体
7 :電極積層体

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