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技術 超音波診断装置および画像表示プログラム

出願人 株式会社東芝キヤノンメディカルシステムズ株式会社
発明者 小笠原洋一大森慈浩赤木和哉中嶋修
出願日 2008年9月17日 (12年3ヶ月経過) 出願番号 2008-237661
公開日 2010年4月2日 (10年8ヶ月経過) 公開番号 2010-068904
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 追従設定 時間的変位 低ビット化 開始間隔 構成用データ 周期性情報 遅延時間量 表示断面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年4月2日)のものです。
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図面 (11)

課題

関心領域が移動する場合に、超音波画像画質リアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減すること。

解決手段

関心領域表示設定部16aは、超音波画像に含まれる関心領域を設定し、第一移動量算出部16bは、時系列に沿った受信データの間で、設定された関心領域の移動量を第一移動量として順次算出する。送受信遅延演算部16cは、順次算出された第一移動量に基づいて、超音波ビーム走査領域を順次偏向するための遅延量を演算し、演算・制御回路15は、演算された遅延量に基づいて、高電圧パルスを発生させるように制御する。第二移動量算出部16dは、時系列に沿った画像データの間で、関心領域の移動量を第二移動量として順次算出し、表示位置補正部16eは、第二移動量に基づいて、画像データに含まれる関心領域が、同一の表示位置にて表示されるよう補正する。

概要

背景

従来より、超音波診断装置は、X線診断装置X線コンピュータ断層撮影装置などの他の医用画像診断装置に比べ、簡便な操作性、被爆のおそれがない非侵襲性などの利点を備えた装置として、今日の医療において、心臓肝臓腎臓乳腺筋肉など、様々な生体組織検査診断に利用されている。

超音波診断装置は、被検体体表に当てた超音波プローブから超音波を送信し、当該被検体の内部組織から反射された超音波を受信して超音波画像を生成するが、一般的な超音波診断装置においては、複数の超音波振動子走査方向に1例に配列された1次元超音波プローブを用いることにより、超音波を所定の断層面内で走査して被検体内組織断層像(2次元画像)が生成される。

また、近年、1次元超音波プローブを機械的に揺動して2次元で超音波を走査するメカニカルスキャンプローブや、マトリックス格子)状に配置された複数の超音波振動子から2次元で超音波を走査する2次元超音波プローブにより、ほぼリアルタイムで3次元の超音波画像(ボリュームデータ)を生成する超音波診断装置が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。

ここで、超音波診断装置を用いた診断においては、超音波診断装置によって生成される超音波画像の画質向上とともに、超音波診断装置によって生成される超音波画像のリアルタイム性が要求される。

超音波画像の画質を向上させるためのパラメータとしては、送受信系遅延制御によるフォーカス処理エコーフィルタなどによるフィルタ処理受信ダイナミックレンジの向上による感度向上化処理や、受信データの信号処理などがあるが、その中でも、方位方向空間分解能を向上させるための処理が重要である。

方位方向の空間分解能を向上させるためには、超音波プローブから送信される超音波による走査線密度を上げることが基本となるが、走査線密度を上げる場合、単位断面、あるいは、単位体積あたりの走査線数スキャンライン数)は、増大する。ここで、同じ深度フォーカスした超音波画像を生成する場合でも、必要とされる超音波の走査時間は、スキャンライン数に比例して増大する。したがって、超音波画像の画質を向上させるために走査線密度を上げると、単位時間当たりのスキャンライン数であるスキャンレートは低下することとなり、リアルタイム性は、損なわれることとなる。

また、超音波プローブから送信されるひとつひとつの超音波の範囲を広げ、1回の送信に対して、複数の異なる走査線の受信データを取得する並列同時受信により走査時間を短縮することでリアルタイム性を確保する技術が知られているが、この場合、1回の送信から1つの走査線の受信データを取得する場合と比較して、生成される超音波画像の画質が低下してしまう。したがって、超音波診断装置を用いた診断において、超音波画像の画質向上とリアルタイム性とを両立させるためには、超音波の走査領域を可能な限り狭める必要がある。

このため、従来の超音波診断装置においては、診断対象における関心領域が必ず超音波画像に含まれるように、超音波画像を参照して、予め超音波の走査領域を決定する機能が備えられている。このように、走査領域が決定されたうえで超音波画像の撮影が行なわれ、固定された走査領域に対応する超音波画像が、超音波診断装置が備えるモニタにて表示される。

特開2000−132664号公報

概要

関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減すること。関心領域表示設定部16aは、超音波画像に含まれる関心領域を設定し、第一移動量算出部16bは、時系列に沿った受信データの間で、設定された関心領域の移動量を第一移動量として順次算出する。送受信遅延演算部16cは、順次算出された第一移動量に基づいて、超音波ビームの走査領域を順次偏向するための遅延量を演算し、演算・制御回路15は、演算された遅延量に基づいて、高電圧パルスを発生させるように制御する。第二移動量算出部16dは、時系列に沿った画像データの間で、関心領域の移動量を第二移動量として順次算出し、表示位置補正部16eは、第二移動量に基づいて、画像データに含まれる関心領域が、同一の表示位置にて表示されるよう補正する。

目的

そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減することが可能になる超音波診断装置および画像表示プログラムを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

超音波プローブから被検体に超音波を送信し、当該被検体から反射された超音波の受信データに基づいて生成された超音波画像を、所定の表示部にて表示する超音波診断装置であって、前記超音波画像に含まれる関心領域を設定する関心領域設定手段と、時系列に沿った前記受信データの間で、前記関心領域設定手段によって設定された前記関心領域の移動量を受信データ間移動量として順次算出する受信データ間移動量算出手段と、前記受信データ間移動量算出手段によって順次算出された前記受信データ間移動量に基づいて、前記超音波プローブから送信される超音波の走査領域を順次偏向するように制御する走査領域制御手段と、前記走査領域制御手段によって順次偏向された前記走査領域において送信された超音波に対する前記受信データに基づいて、時系列に沿った超音波画像を順次生成する画像生成手段と、前記画像生成手段によって生成された前記超音波画像を、前記所定の表示部にて表示するように制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする超音波診断装置。

請求項2

前記画像生成手段によって順次生成された時系列に沿った前記超音波画像の間で、前記関心領域設定手段によって設定された前記関心領域の移動量を画像間移動量として順次算出する画像間移動量算出手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記画像間移動量算出手段によって順次算出された前記画像間移動量に基づいて、前記画像生成手段によって順次生成された前記超音波画像それぞれに含まれる前記関心領域が、前記所定の表示部において同一の表示位置にて表示されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項3

前記受信データ間移動量算出手段は、前記受信データ間移動量を算出するために送信された超音波に対する受信データ、および/または、前記所定の表示部にて表示される前記超音波画像を生成するために送信された超音波に対する受信データを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波診断装置。

請求項4

前記走査領域制御手段は、前記関心領域受信データ間移動量算出手段によって順次算出された前記受信データ間移動量に基づいて、前記走査領域の偏向とともに、前記超音波プローブから送信される超音波の焦点位置を順次移動するように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の超音波診断装置。

請求項5

前記受信データを、基本波と、分周波あるいは高調波との異なる2系統に分離する受信フィルタをさらに備え、前記受信データ間移動量算出手段は、前記受信フィルタによって分離された前記基本波を用いて前記受信データ間移動量を順次算出し、前記画像生成手段は、前記走査領域制御手段によって順次偏向された前記走査領域において送信された超音波に対する前記受信データのうち、前記受信フィルタによって分離された前記基本波に基づく超音波画像である第一の超音波画像と、前記受信フィルタによって分離された前記分周波あるいは前記高調波に基づく超音波画像である第二の超音波画像とを時系列に沿って順次生成し、前記画像間移動量算出手段は、前記画像生成手段によって順次生成された前記第一の超音波画像の間で、前記画像間移動量を順次算出し、前記所定の表示部において、前記画像生成手段によって生成された前記第二の超音波画像を表示する場合、前記第一の超音波画像および前記第二の超音波画像を並列して表示する場合、または、前記第一の超音波画像および前記第二の超音波画像を重畳して表示する場合のそれぞれにおいて、前記表示制御手段は、前記画像間移動量算出手段によって順次算出された前記画像間移動量に基づいて、前記関心領域が同一の表示位置にて表示されるように制御することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の超音波診断装置。

請求項6

超音波プローブから被検体に超音波を送信し、当該被検体から反射された超音波の受信データに基づいて生成された超音波画像を、所定の表示部にて表示する画像表示方法コンピュータに実行させる画像表示プログラムであって、前記超音波画像に含まれる関心領域を設定する関心領域設定手順と、時系列に沿った前記受信データの間で、前記関心領域設定手順によって設定された前記関心領域の移動量を受信データ間移動量として順次算出する受信データ間移動量算出手順と、前記受信データ間移動量算出手順によって順次算出された前記受信データ間移動量に基づいて、前記超音波プローブから送信される超音波の走査領域を順次偏向するように制御する走査領域制御手順と、前記走査領域制御手順によって順次偏向された前記走査領域において送信された超音波に対する前記受信データに基づいて、時系列に沿った超音波画像を順次生成する画像生成手順と、前記画像生成手順によって生成された前記超音波画像を、前記所定の表示部にて表示するように制御する表示制御手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする画像表示プログラム。

技術分野

0001

この発明は、超音波診断装置および画像表示プログラムに関する。

背景技術

0002

従来より、超音波診断装置は、X線診断装置X線コンピュータ断層撮影装置などの他の医用画像診断装置に比べ、簡便な操作性、被爆のおそれがない非侵襲性などの利点を備えた装置として、今日の医療において、心臓肝臓腎臓乳腺筋肉など、様々な生体組織検査診断に利用されている。

0003

超音波診断装置は、被検体体表に当てた超音波プローブから超音波を送信し、当該被検体の内部組織から反射された超音波を受信して超音波画像を生成するが、一般的な超音波診断装置においては、複数の超音波振動子走査方向に1例に配列された1次元超音波プローブを用いることにより、超音波を所定の断層面内で走査して被検体内組織断層像(2次元画像)が生成される。

0004

また、近年、1次元超音波プローブを機械的に揺動して2次元で超音波を走査するメカニカルスキャンプローブや、マトリックス格子)状に配置された複数の超音波振動子から2次元で超音波を走査する2次元超音波プローブにより、ほぼリアルタイムで3次元の超音波画像(ボリュームデータ)を生成する超音波診断装置が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。

0005

ここで、超音波診断装置を用いた診断においては、超音波診断装置によって生成される超音波画像の画質向上とともに、超音波診断装置によって生成される超音波画像のリアルタイム性が要求される。

0006

超音波画像の画質を向上させるためのパラメータとしては、送受信系遅延制御によるフォーカス処理エコーフィルタなどによるフィルタ処理受信ダイナミックレンジの向上による感度向上化処理や、受信データの信号処理などがあるが、その中でも、方位方向空間分解能を向上させるための処理が重要である。

0007

方位方向の空間分解能を向上させるためには、超音波プローブから送信される超音波による走査線密度を上げることが基本となるが、走査線密度を上げる場合、単位断面、あるいは、単位体積あたりの走査線数スキャンライン数)は、増大する。ここで、同じ深度フォーカスした超音波画像を生成する場合でも、必要とされる超音波の走査時間は、スキャンライン数に比例して増大する。したがって、超音波画像の画質を向上させるために走査線密度を上げると、単位時間当たりのスキャンライン数であるスキャンレートは低下することとなり、リアルタイム性は、損なわれることとなる。

0008

また、超音波プローブから送信されるひとつひとつの超音波の範囲を広げ、1回の送信に対して、複数の異なる走査線の受信データを取得する並列同時受信により走査時間を短縮することでリアルタイム性を確保する技術が知られているが、この場合、1回の送信から1つの走査線の受信データを取得する場合と比較して、生成される超音波画像の画質が低下してしまう。したがって、超音波診断装置を用いた診断において、超音波画像の画質向上とリアルタイム性とを両立させるためには、超音波の走査領域を可能な限り狭める必要がある。

0009

このため、従来の超音波診断装置においては、診断対象における関心領域が必ず超音波画像に含まれるように、超音波画像を参照して、予め超音波の走査領域を決定する機能が備えられている。このように、走査領域が決定されたうえで超音波画像の撮影が行なわれ、固定された走査領域に対応する超音波画像が、超音波診断装置が備えるモニタにて表示される。

0010

特開2000−132664号公報

発明が解決しようとする課題

0011

ところで、上記した従来の技術は、関心領域が移動する場合、超音波画像の画質向上とリアルタイム性とを両立させるためには、被検体および操作者の負担が大きくなるという課題があった。

0012

すなわち、呼吸などにより診断対象である臓器自体が周期的に移動する場合、当該臓器内にある関心領域も同時に周期的に移動する。このようなことから、呼吸などにより周期的に移動する関心領域が必ず超音波画像に含まれるようにするためには、超音波の走査領域を広げる必要がある。

0013

また、腹部領域における肝臓の診断においては、診断対象となる肝臓自体が大きいために、元々、超音波の走査領域は、広範囲であることが要求され、さらに、肝臓内組織の組織性状の変化が、診断基準の重要な情報となるために、超音波画像の画質を向上させることが要求されるが、肝臓は、呼吸などにより臓器自体が周期的に移動するので、例えば、関心領域としての肝臓内の腫瘍が、必ず超音波画像に含まれるようにするためには、さらに超音波の走査領域を広げることが要求される。

0014

このように、関心領域が移動する場合、画質を向上させるとともに、当該関心領域が、必ず超音波画像に含まれるように走査領域を広げるため、スキャンライン数が増加する傾向にあり、その結果、リアルタイム性を損なう傾向にある。

0015

そこで、超音波診断装置の操作者である医師技師は、リアルタイム性を確保するため、上述したように、超音波の走査領域を可能な限り狭める必要がある。このため、操作者は、超音波画像が取得される間、呼吸などにより臓器自体が周期的に移動しないように、被検体に「息止め」をしてもらう必要がある。

0016

しかしながら、被検体にとって「息止め」は、必ずしも容易な行為ではなく、特に、呼吸器系疾患を抱えた被検体や、相対的に高齢な被検体にとって、「息止め」は、困難な行為となる。また、超音波画像に関心領域が含まれていたなったために再撮影を繰り返す場合、被検体は、何度も「息止め」を要求されることとなる。

0017

このため、操作者は、被検体の負担を回避するために、関心領域が超音波画像に含まれるように、被検体の呼吸に合わせて超音波プローブを手動煽り続けることとなるが、1次元超音波プローブを用いて断層像を生成する場合、移動する関心領域が断層像に必ず含まれるように1次元超音波プローブの位置を調整し続けることは容易な操作ではなく、操作者の負担が大きくなる。

0018

一方、メカニカルスキャンプローブや、2次元超音波プローブにより、3次元の超音波画像を生成する場合には、断層像を生成する場合と比較して走査領域は広くなる。このため、断層像を生成する場合と同等の超音波画像の画質(方位方向の空間分解能)およびリアルタイム性を確保しようとするならば、超音波の走査領域をより絞り込む必要がある。

0019

したがって、3次元の超音波画像を生成する場合には、断層像を生成する場合よりも、関心領域が移動しないように被検体に「息止め」をしてもらう必要性が増大することとなるが、操作者は、被検体の負担を回避するために、断層像を生成する場合と同様に、被検体の呼吸に合わせてメカニカルスキャンプローブや、2次元超音波プローブを手動で煽り続ける必要がある。

0020

この場合、超音波が2次元で送信されるため、関心領域が常に超音波画像に含まれるように超音波プローブの位置を調整することは、断層像(2次元画像)を生成する場合と比較すれば容易である可能性はあるが、操作者の負担を軽減するものではない。また、超音波プローブの位置を調整したとしても、3次元の超音波画像に移動する関心領域が常に含まれることが、保証されることはなく、再撮影を繰り返すことを回避するために、被検体が「息止め」をすることが必要となる場合もある。

0021

また、一般的に、生成された3次元の超音波画像が、そのまま診断に使われることはあまりなく、操作者は、3次元の超音波画像から関心領域を含む断面を切り出し、切り出された断面を参照して診断するので、3次元の超音波画像を生成して診断を行なう場合には、操作者の負担が大きくなる。

0022

そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減することが可能になる超音波診断装置および画像表示プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0023

上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、超音波プローブから被検体に超音波を送信し、当該被検体から反射された超音波の受信データに基づいて生成された超音波画像を、所定の表示部にて表示する超音波診断装置であって、前記超音波画像に含まれる関心領域を設定する関心領域設定手段と、時系列に沿った前記受信データの間で、前記関心領域設定手段によって設定された前記関心領域の移動量を受信データ間移動量として順次算出する受信データ間移動量算出手段と、前記受信データ間移動量算出手段によって順次算出された前記受信データ間移動量に基づいて、前記超音波プローブから送信される超音波の走査領域を順次偏向するように制御する走査領域制御手段と、前記走査領域制御手段によって順次偏向された前記走査領域において送信された超音波に対する前記受信データに基づいて、時系列に沿った超音波画像を順次生成する画像生成手段と、前記画像生成手段によって生成された前記超音波画像を、前記所定の表示部にて表示するように制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。

0024

また、請求項6記載の本発明は、超音波プローブから被検体に超音波を送信し、当該被検体から反射された超音波の受信データに基づいて生成された超音波画像を、所定の表示部にて表示する画像表示方法コンピュータに実行させる画像表示プログラムであって、前記超音波画像に含まれる関心領域を設定する関心領域設定手順と、時系列に沿った前記受信データの間で、前記関心領域設定手順によって設定された前記関心領域の移動量を受信データ間移動量として順次算出する受信データ間移動量算出手順と、前記受信データ間移動量算出手順によって順次算出された前記受信データ間移動量に基づいて、前記超音波プローブから送信される超音波の走査領域を順次偏向するように制御する走査領域制御手順と、前記走査領域制御手順によって順次偏向された前記走査領域において送信された超音波に対する前記受信データに基づいて、時系列に沿った超音波画像を順次生成する画像生成手順と、前記画像生成手順によって生成された前記超音波画像を、前記所定の表示部にて表示するように制御する表示制御手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。

発明の効果

0025

請求項1または6記載の本発明によれば、関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減することが可能になる。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下に添付図面を参照して、この発明に係る超音波診断装置および画像表示プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。

0027

まず、実施例1における超音波診断装置の構成について説明する。図1は、実施例1における超音波診断装置の構成を説明するための図である。図1に示すように、実施例1における超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とから構成される。

0028

超音波プローブ1は、複数の振動子セル集積された超音波振動子(図示せず)を内蔵し、この超音波振動子から発生する超音波を被検体内に超音波ビームとして送信し、被検体の内部組織からの反射波を、超音波振動子の各振動子セルにおいて、超音波ビームの反射波を受信する。

0029

なお、本実施例においては、超音波プローブ1として、超音波振動子がマトリックス(格子)状に配置され、被検体内に2次元の超音波ビームを送信する2次元超音波プローブを用いる場合について説明する。また、本実施例においては、超音波プローブ1は、2次元の超音波ビームを送信して被検体内を3次元で走査するだけでなく、1次元の超音波ビームを送信して被検体内を2次元の断層面内で走査することも可能である。

0030

モニタ2は、装置本体10において生成された超音波画像を表示する表示装置であり、入力装置3は、パネルスイッチタッチコマンドスクリーンフットスイッチ、トラックボールなどを備え、超音波診断装置の操作者である医師や技師などからの各種設定要求受け付けて、装置本体10に対して、受け付けた各種設定要求を入力する装置である。

0031

装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置であり、図1に示すように、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成回路14と、演算制御回路15と、関心領域追従部16と、設定情報記憶部17と、メモリ18とから構成される。

0032

送受信部11は、超音波プローブ1と接続され、送受信部11が内蔵するパルサー(図示せず)は、演算・制御回路15の制御にしたがって、所定の遅延時間ごと高電圧パルスを発生する。送受信部11が内蔵するパルサーが発生した高電圧パルスは、超音波プローブ1に内蔵される超音波振動子の各振動子セルに順次印加され、これにより、各振動子セルにおいて超音波が発生する。

0033

また、送受信部11は、超音波プローブ1が受信した反射波の受信信号が入力されると、プリアンプ(図示せず)によって受信信号に対してゲイン補正を行ない、ゲイン補正済みの受信信号をA/D変換を行なう。そして、送受信部11は、A/D変換された受信信号を、バスを介して、一時的にメモリ18に格納する。

0034

また、送受信部11は、演算・制御回路15の制御にしたがって、必要とされるタイミングで、メモリ18にて格納されているA/D変換された受信信号を読み出し、読み出したA/D変換された受信信号を、整相加算することで受信データとする。そして、送受信部11は、演算・制御回路15の制御にしたがって、受信データを、バスを介してBモード処理部12やドプラ処理部13に送信する。

0035

Bモード処理部12は、受信した受信データに基づいて、Bモード画像構成データ生成処理を行ない、また、ドプラ処理部13は、受信した受信データに基づいて、ドプラモード画像構成用データ生成処理を行なう。そして、Bモード処理部12、またはドプラ処理部13は、Bモード画像構成用データ、またはドプラモード画像構成用データを、画像生成回路14に送信するとともに、メモリ18に格納する。

0036

なお、Bモード処理部12およびドプラ処理部13は、2次元データおよび3次元データの両方について処理可能であり、本実施例においては、2次元超音波プローブである超音波プローブ1が受信した3次元の受信信号から生成された3次元の受信データに基づいて、画像構成用のデータ生成処理を行なう。

0037

画像生成回路14は、Bモード処理部12またはドプラ処理部13から受信した画像構成用のデータに対して直交座標系への変換処理直交変換処理)やD/A変換処理などを行なって、Bモード画像、ドプラ画像、またはBモード画像およびドプラ画像を重畳した画像を生成し、生成した画像は、モニタ2にて表示される。ここで、Bモード処理部12、ドプラモード処理部13、および画像生成回路14は、特許請求の範囲に記載の「画像生成手段」に対応する。

0038

設定情報記憶部17は、超音波診断装置全体を制御するための設定情報を記憶し、設定情報記憶部17が備える送受信条件記憶部17aは、送受信部11と超音波プローブ1との間における高電圧パルスの送受信および受信信号の送受信、送受信部11とメモリ18との間におけるA/D変換された受信信号の送受信、送受信部11とBモード処理部12またはドプラ処理部13との間における受信データの送受信、Bモード処理部12またはドプラ処理部13とメモリ18との間における画像データの送受信などを制御するための送受信条件を記憶する。

0039

演算・制御回路15は、上述した送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13、画像生成回路14およびメモリ18の処理を、入力装置3から入力された各種設定要求と、設定情報記憶部17が備える送受信条件記憶部17aが記憶する送受信条件に基づき制御する。

0040

なお、操作者から入力装置3を介して入力される各種設定要求としては、例えば、超音波プローブ1が受信した3次元の受信信号に基づいて生成されるボリュームデータから、モニタ2にて表示される2次元画像としての超音波画像の断面方向を設定する表示用断面設定要求や、Bモード画像、ドプラ画像、あるいはBモード画像とドプラ画像との重畳画像など、モニタ2にて表示される2次元画像の種類を設定する表示用画像設定要求などが挙げられる。

0041

このように、実施例1における超音波診断装置は、超音波プローブ1から被検体に超音波ビームを送信し、当該被検体の内部組織から反射された受信信号から送受信部11によって生成された受信データに基づいて、Bモード処理部12またはドプラ処理部13が生成した画像構成用データであるボリュームデータから画像生成回路14において生成された2次元の超音波画像を、モニタ2にて表示することを概要とする。

0042

そして、実施例1における超音波診断装置は、図1に示すように、関心領域追従部16が備える関心領域表示設定部16aと、第一移動量算出部16bと、送受信遅延量演算部16cと、第二移動量算出部16dと、表示位置補正部16e、および設定情報記憶部17が備えるスキャンシーケンス記憶部17bを用いることにより、関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減することが可能になることに主たる特徴がある。

0043

この主たる特徴について、図1とともに図2図7を用いて説明する。図2は、関心領域表示設定部を説明するための図であり、図3は、第一のスキャンシーケンスを説明するための図であり、図4は、第二のスキャンシーケンスを説明するための図であり、図5は、第三のスキャンシーケンスを説明するための図であり、図6は、送受信遅延量演算部および演算・制御回路を説明するための図であり、図7は、第二移動量算出部および表示位置補正部を説明するための図である。

0044

なお、以下では、肝臓を診断対象とし、被検体の肝臓にある腫瘍を関心領域とする場合について説明する。また、以下では、被検体の腹部に超音波プローブ1が当てられた状態で、当該被検体の体内に2次元の超音波ビームが送信され、超音波診断装置の操作者からの設定要求にしたがって、受信した3次元の受信信号からBモード処理部12によりBモード画像構成用のボリュームデータが生成され、さらに、2つの直交する断面に対応するBモード画像が画像生成回路14により生成され、これら2つのBモード画像がモニタ2にて表示される場合について説明する。また、以下では、2つの直交する断面に対応するBモード画像それぞれを、「第一表示断面」および「第二表示断面」と記す。

0045

ここで、超音波ビームの発生後、超音波診断装置の操作者が、入力装置3が備える「追従設定スイッチ」を押下すると、関心領域表示設定部16aは、超音波画像に含まれる関心領域を設定する。

0046

具体的には、まず、関心領域表示設定部16aは、「追従設定スイッチ」が押下されたことを検知した演算・制御回路15の制御により、診断対象となる肝臓において、追従対象となる関心領域を指定するための線表示を、画像生成回路14にて「第一表示断面」および「第二表示断面」と合成して、モニタ2に表示する。

0047

例えば、関心領域表示設定部16aは、図2の(A)に示すように、関心領域の設定を矩形により行なうための線表示を、画像生成回路14にて「第一表示断面」および「第二表示断面」と合成し、モニタ2にて重畳表示させる。なお、重畳表示される矩形の線表示は、モニタ2に表示される「第一表示断面」および「第二表示断面」それぞれの中心となる位置に合成されるように初期設定されており、操作者は、モニタ2にて表示される矩形の線表示を参照し、関心領域が表示される線表示の中にすべて含まれているか、また、関心領域が表示される線表示の中心に位置しているか否かを判定する。

0048

関心領域のすべてが表示される線表示に含まれ、さらに、関心領域の位置が表示される線表示の中心に位置する場合は、超音波診断装置の操作者が、入力装置3が備える「設定確認スイッチ」を押下することにより、関心領域表示設定部16aは、初期設定により重畳表示されている線表示の領域を関心領域として設定する。

0049

また、関心領域のすべてが表示される線表示に含まれていない場合、あるいは関心領域の位置が表示される線表示の中心に位置していない場合は、超音波診断装置の操作者は、入力装置3が備える「トラックボール」を用いて線表示の矩形を移動したり拡大・縮小したりすることにより、重畳表示されている線表示の領域を関心領域に合致するように調整する。そののち、超音波診断装置の操作者が、入力装置3が備える「設定確認スイッチ」を押下することにより、関心領域表示設定部16aは、調整処理された線表示の領域を関心領域として設定する。ここで、関心領域表示設定部16aは、特許請求の範囲に記載の「関心領域設定手段」に対応する。

0050

なお、関心領域表示設定部16aは、「第一表示断面」および「第二表示断面」それぞれにおいて設定された関心領域の位置情報を、図2の(A)の右側に示すように、3次元ボリュームデータにおける3次元の領域情報として設定する。

0051

ここで、本実施例では、矩形により関心領域を設定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図2の(B)に示すように、スキャンラインに沿った台形により、「第一表示断面」および「第二表示断面」において関心領域を設定する場合であってもよい。この場合、関心領域表示設定部16aは、「第一表示断面」および「第二表示断面」それぞれにおいて設定された関心領域の位置情報を、図2の(B)の右側に示すような3次元の領域情報として設定する。

0052

また、本実施例では、初期設定により重畳表示される線表示に基づいて関心領域が設定される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、入力装置3が備えるマウスなどにより、操作者が、関心領域をモニタ2に表示される「第一表示断面」および「第二表示断面」を参照して設定し、関心領域表示設定部16aが、「設定された関心領域の位置情報を、3次元の領域情報として設定する場合であってもよい。

0053

そして、超音波診断装置の操作者が、入力装置3が備える「追従スキャン開始」を押下すると、第一移動量算出部16bは、時系列に沿った受信データの間で、関心領域表示設定部16aによって設定された関心領域の移動量を第一移動量として順次算出する。なお、第一移動量算出部16bは、特許請求の範囲に記載の「受信データ間移動量算出手段」に対応し、第一移動量は、同じく「受信データ間移動量」に対応する。

0054

ここで、第一移動量算出部16bは、「第一移動量を算出するために送信された超音波ビームに対する受信データ」を用いる第一の条件、「第一移動量を算出するために送信された超音波ビームに対する受信データおよびモニタ2にて表示される超音波画像を生成するために送信された超音波ビームに対する受信データ」を用いる第二の条件、「モニタ2にて表示される超音波画像を生成するために送信された超音波ビームに対する受信データ」を用いる第三の条件のいずれかにしたがって、第一移動量を算出する。

0055

第一、第二および第三の条件の選択は、操作者が、入力装置3が備えるタッチコマンドスクリーンを用いて決定される。ここで、スキャンシーケンス記憶部17bは、第一の条件を実行するための第一のスキャンシーケンス、第二の条件を実行するための第二のスキャンシーケンスおよび第三の条件を実行するための第三のスキャンシーケンスを記憶しており、演算・制御回路15は、選択された条件に対応するスキャンシーケンスを、スキャンシーケンス記憶部17bから読み出し、読み出したスキャンシーケンスにしたがって、送受信部11における高電圧パルスの発生処理や受信データの生成処理などを制御し、さらに、第一移動量算出部16bにて送受信部11が生成した受信データから第一移動量を算出するように制御する。以下、第一、第二および第三のスキャンシーケンスについて、それぞれ図3図4および図5を用いて順に説明する。

0056

第一のスキャンシーケンスは、図3に示すように、第一移動量を算出するための2断面スキャンと、モニタ2にて表示される超音波画像(Bモード画像)を生成するための表示用の3次元スキャン(以下、3Dスキャンと記す)を交互に繰り返す。なお、本実施例では、2断面スキャンにおいて超音波プローブ1から送信される超音波ビームの走査領域は、2つの直交する2次元の断面領域であり、これら2つの断面方向は、「第一表示断面」および「第二表示断面」の断面方向それぞれと同一方向である場合について説明する。

0057

ここで、第一のスキャンシーケンスにおいて、1回目の2断面スキャンによって送受信部11が生成した受信データは、メモリ18に格納される。そして、1回目の2断面スキャンののち、所定の時間経過後に、1回目の3Dスキャンが行なわれる。1回目の3Dスキャンによって超音波プローブ1が受信した受信信号は、送受信部11による信号処理(受信データ生成処理)、画像生成回路14による画像処理および表示処理が行なわれる。

0058

そして、第一のスキャンシーケンスにおいて、2回目の2断面スキャンによって送受信部11が生成した受信データも、メモリ18に格納され、第一移動量算出部16bは、1回目の2断面スキャンにおける受信データと、2回目の2断面スキャンにおける受信データとをメモリ18から読み出し、第一移動量を算出する。

0059

具体的には、第一移動量算出部16bは、1回目および2回目の2断面スキャンにおける受信データのうち「第一表示断面」に対応する受信データそれぞれにおける関心領域の変位量と、1回目および2回目の2断面スキャンにおける受信データのうち「第二表示断面」に対応する受信データそれぞれにおける関心領域の変位量とを、相互相関処理重心演算などの一般的な演算処理により算出し、直交する2つの断面においてそれぞれ算出した変位量から、3次元における関心領域の第一移動量を算出する。

0060

ここで、第一のスキャンシーケンスにおいては、2断面スキャンの開始間隔と3Dスキャンの開始間隔とが同一時間となるように設定されているため、図3に示すように、算出した変位量が、そのまま第一移動量として用いられる。

0061

そして、2回目の2断面スキャンののち、所定の時間経過後に、2回目の3Dスキャンが行なわれ、2回目の3Dスキャンによって超音波プローブが受信した受信信号も、図3に示すように、信号処理、画像処理および表示処理が行なわれる。

0062

そして、第一のスキャンシーケンスにおいて、3回目の2断面スキャンが行なわれ、3回目の2断面スキャンによって送受信部11が生成した受信データも、メモリ18に格納され、第一移動量算出部16bは、2回目の2断面スキャンにおける受信データと、3回目の2断面スキャンにおける受信データとをメモリ18から読み出し、第一移動量を算出する。なお、3回目の2断面スキャンによって生成された受信データがメモリ18に格納された際には、1回目の2断面スキャンによって生成された受信データが破棄される。

0063

そののち、3回目の3Dスキャンが行なわれ、3回目の3Dスキャンによって超音波プローブが受信した受信信号も、図3に示すように、信号処理、画像処理および表示処理が行なわれる。

0064

これ以降は、図には示さないが、4回目の2断面スキャン、4回目の3Dスキャンが順次行なわれ、4回目の2断面スキャンによって送受信部11が生成した受信データも、メモリ18に格納され、第一移動量算出部16bは、3回目の2断面スキャンにおける受信データと、4回目の2断面スキャンにおける受信データとをメモリ18から読み出し、第一移動量を算出する。なお、4回目の2断面スキャンによって生成された受信データがメモリ18に格納された際には、2回目の2断面スキャンによって生成された受信データが破棄される。

0065

このように、第一のスキャンシーケンスにおいて、第一移動量算出部16bは、時系列に沿った2断面スキャンから生成された受信データから、第一移動量を順次算出する。

0066

なお、図3に示す「3Dスキャンの遅延量演算」、「2断面スキャンの遅延量演算」、および、2回目の3Dスキャンと3回目の3Dスキャンにおける「画像処理および表示処理」については、送受信遅延量演算部16c、第二移動量算出部16dおよび表示位置補正部16eの説明において後述する。

0067

第二のスキャンシーケンスは、第一のスキャンシーケンスと同様に、2断面スキャンと3Dスキャンとを交互に繰り返すが、図4に示すように、第一移動量の算出において、2断面スキャンの受信データと3Dスキャンの受信データとが用いられる。

0068

ここで、第二のスキャンシーケンスにおいては、1回目の3Dスキャンののち、1回目の2断面スキャンが行なわれる。1回目の3Dスキャンによって受信された受信信号は、第一のスキャンシーケンスと同様に、送受信部11による信号処理(受信データ生成処理)、画像生成回路14による画像処理および表示処理が行なわれるが、送受信部11が生成した3次元の受信データの一部から「第一表示断面」および「第二表示断面」に対応する2次元の受信データが、メモリ18に格納される。

0069

そして、第二のスキャンシーケンスにおいて、1回目の2断面スキャンによって送受信部11が生成した受信データも、メモリ18に格納され、第一移動量算出部16bは、1回目の3Dスキャンにおける受信データと、1回目の2断面スキャンにおける受信データとをメモリ18から読み出し、第一移動量を算出する。

0070

具体的には、第一移動量算出部16bは、1回目の3Dスキャンおよび1回目の2断面スキャンにおける受信データのうち「第一表示断面」に対応する受信データそれぞれにおける関心領域の変位量と、1回目の3Dスキャンおよび1回目の2断面スキャンにおける受信データのうち「第二表示断面」に対応する受信データそれぞれにおける関心領域の変位量とを、相互相関処理や重心演算などの一般的な演算処理により算出する。

0071

ここで、2断面それぞれにおいて、算出した変位量は、図4に示すように、3Dスキャン実行中の時点から2断面スキャン実行時までの関心領域の移動情報であるので、第一移動量算出部16bは、算出した変位量から単位時間当たりの変位量(速度)を算出する。そして、第一移動量算出部16bは、算出した「変位量」と『「算出した速度」×「2断面スキャン終了時から次の3Dスキャン開始時までの時間を掛け合わせた値」』との和を算出することにより、2断面それぞれにおいて、関心領域の「前回(1回目)の3Dスキャン開始時から次回(2回目)の3Dスキャン開始時」における変位量を推定し、直交する2つの断面それぞれにおいて推定した変位量から、3次元における関心領域の第一移動量を算出する。

0072

そして、第二のスキャンシーケンスにおいて、2回目の3Dスキャンによって受信された受信信号も、信号処理、画像処理および表示処理が行なわれるとともに、2回目の3Dスキャンにおいて、送受信部11が生成した3次元の受信データの一部から「第一表示断面」および「第二表示断面」に対応する2次元の受信データが、メモリ18に格納される。そののち、2回目の2断面スキャンによって送受信部11が生成した受信データも、メモリ18に格納され、第一移動量算出部16bは、2回目の3Dスキャンにおける受信データと2回目の2断面スキャンにおける受信データとを、メモリ18から読み出し、第一移動量を算出する。なお、この際、先に第一移動量算出に用いられた受信データは、破棄される。

0073

2回目の2断面スキャンののち、所定の時間経過後に、3回目の3Dスキャンが行なわれ、3回目の3Dスキャンによって超音波プローブが受信した受信信号も、図4に示すように、信号処理、画像処理および表示処理が行なわれるとともに、3回目の3Dスキャンにおいて、送受信部11が生成した3次元の受信データの一部から「第一表示断面」および「第二表示断面」に対応する2次元の受信データが、メモリ18に格納される。

0074

このように、第二のスキャンシーケンスにおいて、第一移動量算出部16bは、時系列に沿った3Dスキャンによって生成された受信データの一部と2断面スキャンによって生成された受信データとを用いて、第一移動量を順次算出する。

0075

なお、図4に示す「3Dスキャンの遅延量演算」、「2断面スキャンの遅延量演算」、および、2回目の3Dスキャンと3回目の3Dスキャンにおける「画像処理および表示処理」については、送受信遅延量演算部16c、第二移動量算出部16dおよび表示位置補正部16eの説明において後述する。

0076

第三のスキャンシーケンスは、第一および第二のスキャンシーケンスと異なり、3Dスキャンのみを行ない、図4に示すように、第一移動量の算出において、3Dスキャンの受信データのみが用いられる。

0077

第三のスキャンシーケンスにおいて、1回目の3Dスキャンおよび2回目の3Dスキャンによって受信された受信信号は、第一および第二のスキャンシーケンスと同様に、送受信部11による信号処理(受信データ生成処理)、画像生成回路14による画像処理および表示処理が行なわれる。

0078

ここで、上記したように、送受信部11によって生成された受信データは、メモリ18に格納されており、第一移動量算出部16bは、1回目の3Dスキャンにおける3次元の受信データの一部と、2回目の3Dスキャンにおける3次元の受信データの一部とをメモリ18から読み出し、第一移動量を算出する。

0079

具体的には、第一移動量算出部16bは、1回目の3Dスキャンにおける3次元の受信データの一部と、2回目の3Dスキャンにおける3次元の受信データの一部とにおける関心領域の3次元の変位量を、相互相関処理や重心演算などの一般的な演算処理により算出する。

0080

ここで、算出した3次元の変位量は、図5に示すように、前回(1回目)の3Dスキャン実行中の時点から最新(2回目)の3Dスキャン実行中の時点までの関心領域の移動情報であるので、第一移動量算出部16bは、算出した3次元の変位量から単位時間当たりの変位量(速度)を算出する。そして、第一移動量算出部16bは、算出した「変位量」と、『「算出した速度」×「第一移動量算出用に用いたデータの最後尾に対応する時点から次の3Dスキャン開始時までの時間」』との和を算出することにより、関心領域の「最新(2回目)の3Dスキャン開始時から次回(3回目)の3Dスキャン開始時」までの3次元における関心領域の第一移動量を算出する。

0081

そして、第三のスキャンシーケンスにおいて、3回目の3Dスキャンによって受信された受信信号も、信号処理、画像処理および表示処理が行なわれるとともに、第一移動量算出部16bは、2回目の3Dスキャンにおける3次元の受信データの一部と、3回目の3Dスキャンにおける3次元の受信データの一部とをメモリ18から読み出し、第一移動量を算出する。

0082

なお、図5に示す「3Dスキャンの遅延量演算」、および、2回目の3Dスキャンと3回目の3Dスキャンにおける「画像処理および表示処理」については、送受信遅延量演算部16c、第二移動量算出部16dおよび表示位置補正部16eの説明において後述する。

0083

ここで、上述した第一、第二および第三のスキャンシーケンスにおいて、第一移動量算出部16bによる第一移動量算出処理の対象となる受信データは、生成された受信データすべてであってもよいが、関心領域表示設定部16aによって設定された関心領域を含む一部の受信データを、第一移動量算出部16bによる第一移動量算出処理とすることが、処理速度の高速化のためには望ましい。

0084

また、第一移動量算出処理速度のさらなる高速化のために、関心領域を含む一部の受信データに対して、低ビット化処理、スキャンラインの間引き、スキャンライン当たりのサンプルポイントを間引きする処理などを行なってもよい。

0085

ここで、上述した第一、第二および第三のスキャンシーケンスのそれぞれの特性について説明する。第一および第二のスキャンシーケンスにおいて実行した第一移動量算出専用の2断面スキャンは、断面スキャンであるので、これに要するスキャン時間は、3Dスキャンに要する時間と比較して短くすることができる。これにより、関心領域の移動領域が広い場合には、表示用の3Dスキャンにおいて対応する断面方向の走査領域よりも拡張した領域を2断面スキャンの走査領域として設定することにより、確実に関心領域が走査領域に含まれるようにして、第一移動量の算出を確実にすることができる。

0086

また、第二のスキャンシーケンスにおいては、3Dスキャンの受信データを用いることにより、第一のスキャンシーケンスと比較して、近接した時点間でのより正確な関心領域の移動情報を取得して、算出される第一移動量の正確性を向上することができる。

0087

また、第三のスキャンシーケンスにおいては、第一および第二のスキャンシーケンスと異なり3次元の受信データを用いて関心領域の変位量を算出するので、断面スキャンにと比較して、関心領域の移動領域が広い場合にも、より確実に関心領域が走査領域に含まれるようにして、第一移動量の算出をより確実にすることができる。

0088

なお、本実施例では、第一移動量算出部16bが、現に被検体の組織から取得した受信データから関心領域の第一移動量を算出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め当該被検体の組織(例えば、肝臓など)の呼吸や心拍による時間的変位量の情報を蓄積し、蓄積した情報を統計処理することにより、組織の周期的な動き周期性情報)を推定しておき、推定された周期性情報から第一移動量を算出する場合であってもよい。また、推定された周期性情報と、現に被検体の組織から取得した受信データとを組み合わせて、第一移動量を算出する場合であってもよい。

0089

図1に戻って、送受信遅延量演算部16cは、第一移動量算出部16bによって順次算出された第一移動量に基づいて、超音波プローブ1から送信される超音波ビームの走査領域を順次偏向するために、設定情報記憶部17が記憶する所定の演算手順を用いて高電圧パルスを発生させる際の遅延時間量(以下、遅延量と記す)を演算し、演算・制御回路15は、送受信遅延量演算部16cの演算処理により得られた遅延量に基づいて、送受信部11が内蔵するパルサーから高電圧パルスを発生させるように制御する。ここで、送受信遅延量演算部16cおよび演算・制御回路15は、特許請求の範囲に記載の「走査領域制御手段」に対応する。

0090

すなわち、関心領域が移動する場合、被検体の腹部に当てた超音波プローブ1が操作者によって移動されることなく固定されていると、図6の(A)に示すように、表示用の3Dスキャンにおいて、超音波プローブ1から送信される超音波ビームの走査領域は固定された状態となり、第一表示断面および第二表示断面において、関心領域表示設定部16aによって設定された線表示内を、関心領域が移動することとなる。また、関心領域が大きく移動する場合、第一表示断面および第二表示断面において、関心領域表示設定部16aによって設定された線表示内から関心領域が外れてしまうこととなる。

0091

しかし、送受信遅延量演算部16cによる遅延量演算処理および演算・制御回路15による高電圧パルス発生制御処理により、図6の(B)に示すように、関心領域の移動に対応して、3Dスキャンにおいて超音波ビームの走査領域を追従移動することができ、その結果、第一表示断面および第二表示断面において、関心領域表示設定部16aによって設定された線表示内にある関心領域の相対的位置を一致させることができる。

0092

また、第一の条件または第二の条件が操作者によって選択され、第一のスキャンシーケンスまたは第二のスキャンシーケンスにしたがった処理が行なわれている際には、第一移動量算出部16bによって順次算出された第一移動量に基づいて、2断面スキャンにおいても、送受信遅延量演算部16cによる遅延量演算処理および演算・制御回路15による高電圧パルス発生制御処理により超音波ビームの走査領域の偏向が行なわれる。

0093

なお、図3、4、5に示す「3Dスキャンの遅延量演算」と、図3、4に示す「2断面スキャンの遅延量演算」とは、上述した送受信遅延量演算部16cおよび演算・制御回路15の処理に対応する。

0094

そして、演算・制御回路15は、第一移動量算出部16bによって順次算出された第一移動量に基づいて、走査領域の偏向とともに、超音波プローブ1から送信される超音波ビームの焦点位置(フォーカスポイント)を順次移動するように制御する。

0095

すなわち、演算・制御回路15は、関心領域表示設定部16aによって線表示内に関心領域が設定された時点で、3Dスキャンにおいて、超音波プローブ1から被検体内に送信される超音波ビームのフォーカスポイントが設定された関心領域に近接するように、送受信部11による高電圧パルスの発生を制御しているが、演算・制御回路15は、第一移動量算出部16bによって第一移動量が算出されるごとに、走査領域の追従移動とともに、図6の(B)に示すように、関心領域の移動に追従して、フォーカスポイントの追従移動を行なうように、送受信部11を制御する。

0096

図1に戻って、Bモード処理部12は、送受信遅延量演算部16cによる遅延量演算処理および演算・制御回路15による高電圧パルス発生制御処理により順次偏向された走査領域において送信された超音波ビームに対する受信データに基づいて、時系列に沿った2次元のBモード画像構成用データ(以下、画像データと記す)を生成し、メモリ18に格納する。そして、第二移動量算出部16dは、順次生成された時系列に沿った画像データの間で、関心領域表示設定部16aによって設定された関心領域の移動量を第二移動量として順次算出する。ここで、第二移動量算出部16dは、特許請求の範囲に記載の「画像間移動量算出手段」に対応し、第二移動量は、同じく「画像間移動量」に対応する。

0097

具体的には、第二移動量算出部16dは、図7に示すように、関心領域に合わせて追従移動された走査領域において送信された超音波に対して、送受信部11が生成した受信データから、Bモード処理部12によって生成された画像データ間で、第一移動量算出部16bと同様に、相互相関処理や重心演算などの一般的な演算処理により第二移動量を算出する。

0098

図1に戻って、従来の演算・制御回路15は、Bモード処理部12によって生成された画像データを、画像生成回路14により画像としたうえで、モニタ2にて表示するように制御する。しかし、本発明の場合、演算・制御回路15は、図1に示す表示位置補正部16eが、第二移動量算出部16dによって順次算出された第二移動量に基づいて、Bモード処理部12によって順次生成された画像データに含まれる関心領域を、モニタ2に画面において同一の表示位置にて表示されるよう補正したのちに、画像生成回路14により画像としたうえで、モニタ2にて表示するように制御する。ここで、演算・制御回路15および表示位置補正部16eは、特許請求の範囲に記載の「表示制御手段」に対応する。

0099

すなわち、表示位置補正部16eは、図7に示すように、Bモード処理部12によって生成された画像データを、第二移動量算出部16dによって算出された第二移動量分だけ表示位置を補正する処理、すなわち第二移動量分だけ戻す処理を行ったのち、画像生成回路14に対して画像データを送信する。これにより、走査領域の移動追従制御による補正誤差補償することが可能となり、関心領域を表示中心にして、モニタ2の画面にて表示し続けることができる。

0100

ここで、図3、4、5に示す2回目の3Dスキャンと3回目の3Dスキャンにおける「画像処理および表示処理」は、上述した第二移動量算出部16d、表示位置補正部16eおよび演算・制御回路15の処理に対応する。

0101

なお、本実施例では、Bモード処理部12によって生成された時系列に沿った表示用の2次元の画像データ間で、第二移動量を算出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ドプラモード処理部13によって生成された時系列に沿った表示用の2次元の画像データ間で、第二移動量を算出する場合であってもよい。また、画像生成回路14によって生成された時系列に沿った超音波画像間で、第二移動量を算出し、生成された超音波画像を補正して表示する場合であってもよい。

0102

上述した関心領域の移動追従処理は、操作者が、入力装置3が備える「追従スキャン終了スイッチ」を押下した時点で終了する。

0103

次に、図8を用いて、実施例1における超音波診断装置の処理について説明する。図8は、実施例1における超音波診断装置の処理を説明するための図である。

0104

図8に示すように、実施例1における超音波診断装置は、入力装置3が備える「追従設定スイッチ」を押下した操作者が、関心領域表示設定部16aの指示によりモニタ2にて線表示が重畳表示された超音波画像を参照して関心領域を設定すると(ステップS801肯定)、操作者が、入力装置3が備える「追従スキャン開始」を押下することにより、関心領域追従開始要求が入力されるまで待機する(ステップS802)。

0105

ここで、関心領域追従開始要求が入力されると(ステップS802肯定)、演算・制御回路15は、関心領域追従開始要求とともに入力された第一、第二または第三の条件に対応する選択された条件に対応するスキャンシーケンスをスキャンシーケンス記憶部17bから読み出し、読み出したスキャンシーケンスにしたがって、送受信部11における高電圧パルスの発生処理や受信データの生成処理などを制御し、これにより、第一移動量算出部16bは、送受信部11によって生成されメモリ18に格納された2つの受信データを用いて第一移動量を算出する(ステップS803)。

0106

そして、送受信遅延量演算部16cは、第一移動量算出部16bによって算出された第一移動量に基づいて、超音波プローブ1から送信される超音波ビームの走査領域を偏向するために、設定情報記憶部17が記憶する所定の演算手順に用いて高電圧パルスを発生させる際の遅延量を演算し、演算・制御回路15は、送受信遅延量演算部16cの演算処理により得られた遅延量に基づいて、送受信部11が内蔵するパルサーから高電圧パルスを発生させるように制御することで、走査領域の偏向を行なう(ステップS804)。なお、この際、フォーカスポイントの追従移動も、同時に行なわれる。

0107

そののち、第二移動量算出部16dは、時系列に沿った画像データの間で、関心領域表示設定部16aによって設定された関心領域の移動量を第二移動量として算出する(ステップS805)。

0108

続いて、表示位置補正部16eは、第二移動量算出部16dによって算出された第二移動量に基づいて、画像データに含まれる関心領域を、モニタ2に画面において同一の表示位置にて表示されるよう補正し(ステップS806)、演算・制御回路15は、画像生成回路14が表示位置補正部16eによる補正処理に基づいて生成した超音波画像を、モニタ2にて表示するように制御する(ステップS807)。

0109

そして、演算・制御回路15は、操作者によって入力装置3が備える「追従スキャン終了スイッチ」が押下されたか否か、すなわち、関心領域追従終了要求が入力されたか否かを判定し(ステップS808)、関心領域追従終了要求が入力されていない場合(ステップS808否定)、ステップS803に戻って、最新の受信データを用いた関心領域の追従処理を行なう。

0110

これに反して、演算・制御回路15は、関心領域追従終了要求が入力された場合(ステップS808肯定)、処理を終了する。

0111

上述してきたように、実施例1では、関心領域表示設定部16aは、超音波画像に含まれる関心領域を設定し、第一移動量算出部16bは、時系列に沿った受信データの間で、関心領域表示設定部16aによって設定された関心領域の移動量を第一移動量として順次算出する。送受信遅延量演算部16cは、第一移動量算出部16bによって順次算出された第一移動量に基づいて、超音波ビームの走査領域を順次偏向するために、高電圧パルスを発生させる際の遅延量を演算し、演算・制御回路15は、送受信遅延量演算部16cの演算処理により得られた遅延量に基づいて、高電圧パルスを発生させるように制御するので、超音波画像の画質とリアルタイム性を両立するために、予めできるだけ狭い範囲で設定された超音波ビームの走査範囲の中に関心領域が確実に含まれるように、当該走査範囲を動的に移動でき、これにより、被検体は、「息止め」をする必要がなく、また、操作者は、超音波プローブ1を固定した状態で超音波画像の撮影を実行することができ、上記した主たる特徴のように、関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減することが可能になる。また、関心領域が表示される超音波画像から外れることがないため、超音波画像の再撮影を行なう可能性を低減でき、診断効率を向上させることが可能になる。

0112

また、実施例1では、第二移動量算出部16dは、順次生成された時系列に沿った画像データの間で、関心領域表示設定部16aによって設定された関心領域の移動量を第二移動量として順次算出する。表示位置補正部16eは、第二移動量算出部16dによって順次算出された第二移動量に基づいて、Bモード処理部12によって順次生成された画像データに含まれる関心領域が、モニタ2に画面において同一の表示位置にて表示されるように表示位置を補正し、演算・制御回路15は、表示位置補正部16eによって表示位置が補正された画像データを画像生成回路14により画像としたうえで、モニタ2にて表示するように制御するので、関心領域を画像上に固定された位置で常に表示することができ、時系列に沿った超音波画像を読影する医師の診断を、容易にすることが可能になる。

0113

また、実施例1では、演算・制御回路15は、第一移動量算出部16bによって順次算出された第一移動量に基づいて、走査領域の偏向とともに、超音波プローブ1から送信される超音波ビームの焦点位置(フォーカスポイント)を順次移動するように制御するので、超音波画像の画質を常に良好な状態で保つことができ、時系列に沿った超音波画像を読影する医師の診断を、より容易にすることが可能になる。

0114

実施例2では、造影剤投与された被検体の超音波画像を表示する際に、関心領域の追従を行なう場合について、図9および図10を用いて説明する。ここで、図9は、実施例2における超音波診断装置の構成を説明するための図であり、図10は、実施例2における超音波診断装置の特徴について説明するための図である。

0115

実施例2における超音波診断装置は、実施例1における超音波診断装置とほぼ同様の構成からなるが、図10に示すように、Bモード処理部12が第一Bモード処理部12aと第二Bモード処理部12bの2系統に分離されている点が異なる。以下、これを中心に説明する。

0116

ここで、腫瘍の良性悪性鑑別するために、血液の流入の様子や血管構築血流豊富さを造影剤にて確認するという造影検査の手法がある。超音波診断装置による画像診断においても、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置などによる画像診断と同様に、造影剤の検査が行われている。しかし、超音波診断装置において用いられる造影剤は、他の医用画像診断装置とは異なり、液体ではなく微小気泡である。

0117

そのため、超音波診断装置においては、泡特有性質を利用した代表的な2つの造影信号の取得方法がある。1つは、造影剤のターゲットである微小気泡を比較的低い音圧振動させ、その共振による強信号を得ることで、持続的に「造影剤がいきわたった領域」を鮮明にした画像を生成するものであり、1つは高音圧送信により微小気泡を破壊することで強信号を得て、微小気泡が破壊されるごとに「造影剤がいきわたった領域」を鮮明にした画像を生成するものである。前者および後者の双方の方法において、利用される造影剤の物理的な特性にしたがい、造影剤からの信号と生体組織からの信号との差が大きくなるような分周波や高調波周波数フィルタをかけて抽出し、抽出された分周波や高周波を用いて、造影剤からの信号を強調した画像の生成が、通常行われる。

0118

ここで、造影剤からの信号を抽出して表示される時系列に沿った画像は、造影剤がいきわたるに状況に応じて、時々刻々と、血流の分布状況が変化していく。分周波または高周波の受信信号を用いて送受信部11にて受信データを生成して第一移動量を算出し、Bモード処理部12やドプラ処理部13にて画像構成用データを生成して第二移動量を算出することにより、実施例1の超音波診断装置において、関心領域の移動に起因する受信データ間および画像構成用データ間の相対的な位置ずれを補正することは可能である。

0119

しかしながら、この効果が発揮されるのは、十分に早いスキャンレートを実行している場合、もしくは、血流の流入が遅い場合に限られ、血流の流入が早い場合など、造影剤からの信号がダイナミックに変化する場合には、関心領域の移動追従が正確に実行できない可能性がある。

0120

造影剤による信号は、上述したように、造影剤の共振周波数や破壊時の信号を効率的に得るために、造影剤からの信号と生体組織からの信号の差が大きくなるような分周波や高調波を、周波数フィルタにより抽出する。ここで、造影剤からではない生体組織からの信号は、特に、送信周波数と同じ基本波周波数で強い。造影剤を注入しても生体組織自体は、変化することはないので、基本波を用いることにより、造影剤からの信号によらない、すなわち、生体組織のみの画像を生成することができる。

0121

そこで、実施例2においては、Bモード画像構成用データを生成する処理が、第一Bモード処理部12aと第二Bモード処理部12bとの2系統に分離されて行なわれる。

0122

すなわち、第一Bモード処理部12aは、送受信部11が生成した受信データから、生体組織信号主体のデータを抽出するための基本波を分離するフィルタを備え、第二Bモード処理部12bは、送受信部11が生成した受信データから、造影剤信号主体のデータを抽出するための分周波あるいは高調波を分離するフィルタを備える。

0123

そして、図10に示すように、第一Bモード処理部12aは、自身が備える受信フィルタにより、生体組織からの信号である基本波を抽出し、抽出した基本波からBモード画像構成用データを生成する。ここで、第一Bモード処理部12aにおいて取得された基本波およびBモード画像構成用データそれぞれが、第一移動量算出および第二移動量算出の対象データとなる。

0124

すなわち、第一Bモード処理部12aは、自身が備える受信フィルタにより、生体組織からの信号である基本波を抽出し、第一移動量算出部16bは、第一Bモード処理部12aが抽出した基本波を用いて第一移動量を順次算出する。これにより、実施例1と同様に、送受信遅延量演算部16cは、第一移動量に基づいて遅延量を演算し、演算・制御回路15は、遅延量に基づいて走査領域の偏向を行なう。

0125

さらに、第一Bモード処理部12aは、抽出した基本波から生体組織のみのBモード画像構成用データを生成し、第二移動量算出部16dは、第一Bモード処理部12aによって生成された時系列に沿ったBモード画像構成用データの間で、第二移動量を算出する。これにより、実施例1と同様に、表示位置補正部16eによる補正処理が行なわれる。ここで、「生体組織のみのBモード画像構成用データ」は、特許請求の範囲に記載の「第一の超音波画像」に対応する。

0126

また、図10に示すように、第二Bモード処理部12bは、自身が備える受信フィルタにより、造影剤からの信号である高周波を抽出し、「造影剤のいきわたった領域」を強調したBモード画像構成用データを生成する。そして、第二Bモード処理部12bによって生成されたBモード画像構成用データが、モニタ2にて表示されるためのモニタ表示データとなる。ここで、「造影剤のいきわたった領域を強調したBモード画像構成用データ」は、特許請求の範囲に記載の「第二の超音波画像」に対応する。

0127

すなわち、表示位置補正部16eは、第二Bモード処理部12bによって順次生成されたBモード画像構成用データに対して、第二移動量に基づく補正処理を順次行ない、演算・制御回路15は、画像生成回路14が表示位置補正部16eによる補正処理に基づいて順次生成した超音波画像(造影剤強調Bモード画像)を、モニタ2にて表示するように制御する。

0128

なお、本実施例では、第二Bモード処理部12bによって順次生成されたBモード画像構成用データから、画像生成回路14において生成された造影剤強調Bモード画像を、モニタ2にて表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、造影剤強調Bモード画像とともに、第一Bモード処理部12aによって生成されたBモード画像構成用データから、画像生成回路14において生成された生体組織Bモード画像を、モニタ2にて並列表示する場合や、造影剤強調Bモード画像と生体組織Bモード画像とを重畳してモニタ2にて表示する場合であってもよい。

0129

また、造影剤からの信号をドプラ処理部13にて血流の速度、パワー、分散の情報を反映したドプラ画像構成用データを生成し、表示位置補正部16eによる補正処理を行なったうえで、画像生成回路14において生成されたドプラ画像を、モニタ2にて表示する場合であってもよい。また、ドプラ画像を、造影剤強調Bモード画像および/または生体組織Bモード画像とともにモニタ2にて、並列表示したりする場合であってもよい。

0130

なお、実施例2における超音波診断装置による処理は、図8を用いて説明した実施例1における超音波診断装置による処理と比較して、第一移動量算出および第二移動量算出処理の対象データが、第一Bモード処理部12aが抽出した基本波および基本波から生成したBモード画像構成用データであること以外は同じであるので説明を省略する。

0131

上述してきたように、実施例2では、生体組織の情報のみを反映した基本波に基づいて、第一移動量および第二移動量を算出して、走査領域の偏向および表示用の補正を行なうので、造影剤からの信号がダイナミックに変化する場合でも、関心領域の移動追従が正確に実行でき、造影検査においても、関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減することが可能になる。

0132

なお、上述した実施例1では、第一および第二スキャンシーケンスにおいて、モニタ2にて表示される断面と同一方向の断面に対して第一移動量を算出するための2断面スキャンを実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、モニタ2にて表示される断面とは異なる方向の2断面に対して第一移動量を算出するための2断面スキャンを実行する場合であってもよい。また、第一移動量を算出するための断面スキャンを、3方向以上の異なる断面に対して実行する場合であってもよい。

0133

また、上述した実施例1および2では、2次元超音波プローブを用いて、超音波ビームを3次元で走査する場合に、関心領域を移動追従する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1次元超音波プローブを用いて、超音波ビームを2次元で走査する場合に、関心領域を移動追従する場合であってもよい。その場合、時系列に沿った表示用の断面スキャンから順次生成された受信データを用いて、第一移動量算出部16bは、第一移動量を順次算出し、この第一移動量を用いて、超音波ビームの偏向および表示用補正処理が行なわれる。これにより、断面スキャンを行なう際にも、関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減することが可能になる。

0134

また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。

0135

以上のように、本発明に係る超音波診断装置および画像表示プログラムは、超音波プローブから被検体に超音波を送信し、当該被検体から反射された超音波の受信データに基づいて生成された超音波画像を、所定の表示部にて表示する場合に有用であり、特に、関心領域が移動する場合に、超音波画像の画質とリアルタイム性とを維持したうえで、被検体および操作者の負担を軽減することに適する。

図面の簡単な説明

0136

実施例1における超音波診断装置の構成を説明するための図である。
関心領域表示設定部を説明するための図である。
第一のスキャンシーケンスを説明するための図である。
第二のスキャンシーケンスを説明するための図である。
第三のスキャンシーケンスを説明するための図である。
送受信遅延量演算部および演算・制御回路を説明するための図である。
第二移動量算出部および表示位置補正部を説明するための図である。
実施例1における超音波診断装置の処理を説明するための図である。
実施例2における超音波診断装置の構成を説明するための図である。
実施例2における超音波診断装置の特徴について説明するための図である。

符号の説明

0137

1超音波プローブ
2モニタ
3入力装置
10 装置本体
11送受信部
12Bモード処理部
13ドプラ処理部
14画像生成回路
15演算・制御回路
16 関心領域追従部
16a 関心領域表示設定部
16b 第一移動量算出部
16c 送受信遅延量演算部
16d 第二移動量算出部
16e表示位置補正部
17設定情報記憶部
17a送受信条件記憶部
17bスキャンシーケンス記憶部
18 メモリ

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