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技術 渦巻き電極群を有する二次電池

出願人 株式会社エムアンドジーエコバッテリー
発明者 松本功周華桑名宏二
出願日 2008年9月2日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2008-224494
公開日 2010年3月18日 (10年9ヶ月経過) 公開番号 2010-061892
状態 拒絶査定
技術分野 電池の電槽・外装及び封口 二次電池(鉛及びアルカリ蓄電池) 電池の接続・端子
主要キーワード 溶接片 花びら状 多接点 スポット溶接点 電極リード板 脱落物 金属露出 セル試験
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

内部インピーダンスが低減され、とくに高率放電に適した二次電池を提供する。

解決手段

正極1と負極2とをセパレータ3を介して渦巻状に捲回された電極群Eが有底筒缶4に収納され、蓋体8で密閉され、電極群Eの正極1の端面に設けられた金属露出部1a又は金属露出部1aと電気的に接続された金属製集電板9(以下、正極集電部という)と、正極端子を兼ねる蓋体8とは金属リード板5で電気的に接続された二次電池であって、正極集電部と蓋体8との間には、1個又は複数個耐電解液性金属押圧体10が配置され、金属リード板5とは別途に、金属押圧体10により正極集電部と蓋体8とを電気的に接続され、電極群Eは、蓋体8と有底筒缶4の底部4aとで加圧された状態であることを特徴とする渦巻き電極群を有する二次電池とする。

概要

背景

近年、地球規模環境問題エネルギー問題緩和のため、ハイブリッド電気自動車HEV)、電気自動車EV)の導入と拡大展開オイル消費を約半分に節減する有効な手段として注目されている。とくに、既に実用化が進み始めたHEVに関しては、現状、ニッケル水素電池(Ni/MH電池)が搭載され、市場が急速に拡大し始めた。また、今後拡大するHEVへの搭載を目的に、ニッケル・水素電池の特性改良と共にリチウム二次電池(Li Sec.電池)の開発も旺盛である。

HEVやEVの用途は、多数の電池をシリーズで接続し、広範囲の温度や振動などに晒される過酷な使用条件のため、従来より遥に改良された信頼性が求められると共にHEV自体の性能向上のために電池の高率放電特性の改良、つまりパワーアップも求められている。

本願は、渦巻状に捲回された電極群を用いる二次電池のパワーアップを主目的にした提案であり、具体的には電池の内部インピーダンスを改良する手段を提供するものである。
なお、本願は、とくにパワー要望するHEV用途の二次電池に極めて有効であるが、汎用渦巻状電極群を用いる小型二次電池のパワーアップにも有効である。そこで、説明の都合上、HEV用電源としても、すでに実用化されている渦巻状電極群を用いる円筒密閉形ニッケル・水素電池を取り上げ、以下詳細な説明を行なう。
なお、このニッケル・水素電池とは、正極にニッケル酸化物粉末を使用するNi極を、負極に水素吸蔵合金粉末を使用する負極を使用し、合成繊維多孔不織布をセパレータに使用する1.2V系のアルカリ二次電池である。

1990年に開発され実用化されたニッケル・水素電池におけるパワー用途の電池構造は、基本的には既存のニカド電池(Ni/Cd電池)と同様な構造を採用している。すなわち、正極と負極とをセパレータを介して渦巻状に捲回された電極群が有底筒缶収納され、その電極群の正極及び負極の端面に設けられた金属露出部にあてがった金属製集電板がそれぞれ多接点溶接され、前者の正極側はその金属製集電板と正極端子を兼ねる蓋体とが電極リード板と溶接されて電気的に接続され、後者の負極側は、その金属製集電板が有底筒缶の底部に接触もしくは一部が溶接されて電気的に接続された構造を基本に採用している。

ところが、最近のHEV用電池のように、超高率放電を求められる用途には、電池の内部インピーダンスを低減するために以下のような改良が多くの電池メーカから提案されている。
正極と蓋体を接続する金属リード板の形状を厚型、広幅及び/又は短尺に加工して、正極と蓋体とを繋ぐ金属リード板のインピーダンス下げる(従来技術1)。
上記の金属リード板を2枚にして、金属リード板のインピーダンスを下げる(従来技術2)。
従来技術2の改良として、金属リード板の代わりに筒状の金属加工体を使用し、電解液注入後に、蓋体で押えた状態で正負極間電流を流して溶着する(非特許文献1)。
別途、従来技術2の改良として、金属リード板の代わりに、一方が花びら状に加工された金属加工体を使用する。すなわち、多接点で蓋体と接触させ、電解液注入後に、正負極間に電流を流して蓋体と花びら状の突起とを溶接して、金属リード板に相当する金属加工体のインピーダンスを下げる(非特許文献2)。

"SANYO TECHNICAL REVIEW,Vol.36, No.2, P 20, Dec. 2004"
"GS Yuasa Technical Report,Vol.4, No.2, P 41, 2007"

このように、電池の内部インピーダンスを低減するためには、主に正極と蓋体とを繋ぐ金属リード板の改良が多く報告されている。

概要

内部インピーダンスが低減され、とくに高率放電に適した二次電池を提供する。正極1と負極2とをセパレータ3を介して渦巻状に捲回された電極群Eが有底筒缶4に収納され、蓋体8で密閉され、電極群Eの正極1の端面に設けられた金属露出部1a又は金属露出部1aと電気的に接続された金属製集電板9(以下、正極集電部という)と、正極端子を兼ねる蓋体8とは金属リード板5で電気的に接続された二次電池であって、正極集電部と蓋体8との間には、1個又は複数個耐電解液性金属押圧体10が配置され、金属リード板5とは別途に、金属押圧体10により正極集電部と蓋体8とを電気的に接続され、電極群Eは、蓋体8と有底筒缶4の底部4aとで加圧された状態であることを特徴とする渦巻き電極群を有する二次電池とする。

目的

本願は、渦巻状に捲回された電極群を用いる二次電池のパワーアップを主目的にした提案であり、具体的には電池の内部インピーダンスを改良する手段を提供する

効果

実績

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請求項1

正極と負極とをセパレータを介して渦巻状に捲回された電極群有底筒缶収納され、蓋体密閉され、前記電極群の前記正極の端面に設けられた金属露出部又は前記金属露出部と電気的に接続された金属製集電板(以下、正極集電部という)と、正極端子を兼ねる前記蓋体とは金属リード板で電気的に接続された二次電池であって、前記正極集電部と前記蓋体との間には、1個又は複数個耐電解液性金属押圧体が配置され、前記金属リード板とは別途に、前記金属押圧体により前記正極集電部と前記蓋体とを電気的に接続され、前記電極群は、前記蓋体と前記有底筒缶の底部とで加圧された状態であることを特徴とする渦巻き電極群を有する二次電池。

請求項2

前記金属押圧体は、前記正極集電部との接触部及び前記蓋体との接触部の少なくとも一方で、溶接されていることを特徴とする請求項1に記載の渦巻き電極群を有する二次電池。

請求項3

前記金属押圧体は、渦巻状に捲回された電極群の中心から外周方向長方形状、筋状又は波形の形状で前記正極集電部と前記蓋体と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の渦巻き電極群を有する二次電池。

請求項4

前記正極の金属露出部は、前記電極群の中心方向に向かって重なり合うように折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の渦巻き電極群を有する高率放電用二次電池。

請求項5

前記金属露出部の折り曲げは、前記セパレータの端面の一部と共に折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の渦巻き電極群を有する高率放電用二次電池。

請求項6

前記正極の金属露出部と前記正極の金属製集電板とはスポット溶接又はレーザー溶接されていることを特徴とする請求項1に記載の渦巻き電極群を有する高率放電用二次電池。

請求項7

前記蓋部と前記有底筒缶の底部とによる加圧力は、3kgf/cm2以上であることを特徴とする請求項1に記載の渦巻き電極群を有する高率放電用二次電池。

請求項8

前記の有底筒缶は、底部の厚さが側壁の厚さより厚いことを特徴とする請求項1に記載の渦巻き電極群を有する高率放電用二次電池。

請求項9

正極と負極とをセパレータを介して渦巻状に捲回された電極群が有底筒缶に収納され、蓋体で密閉され、前記電極群の前記正極の端面に設けられた金属露出部又は前記金属露出部と電気的に接続された金属製集電板(以下、正極集電部という)と、正極端子を兼ねる前記蓋体とは金属リード板で電気的に接続され、前記電極群の前記負極の端面に設けられた金属露出部又は前記金属露出部と電気的に接続された金属製集電板(以下、負極集電部という)と電池負極端子を兼ねる有底筒缶とは電気的に接続されたた二次電池であって、前記正極集電部と前記蓋体との間には、1個又は複数個の耐電解液性の金属押圧体が配置され、前記金属リード板とは別途に、前記金属押圧体により前記正極集電部と前記蓋体とを電気的に接続され、前記負極集電部と前記有底筒缶の底部とは、圧接又は溶着により電気的に接続され、前記電極群は、前記蓋体と前記有底筒缶の底部とで加圧された状態であることを特徴とする渦巻き電極群を有する二次電池。

請求項10

前記負極の金属露出部は、前記電極群の中心方向に向かって重なり合うように折り曲げられていることを特徴とする請求項9に記載の渦巻き電極群を有する二次電池。

請求項11

前記負極の金属露出部の折り曲げは、前記セパレータの端面の一部と共に折り曲げられていることを特徴とする請求項9に記載の渦巻き電極群を有する二次電池。

請求項12

前記負極の金属露出部と前記負極の金属製集電板とはスポット溶接又はレーザー溶接されていることを特徴とする請求項9に記載の渦巻き電極群を有する二次電池。

請求項13

前記蓋部と前記有底筒缶の底部とによる加圧力は、3kgf/cm2以上であることを特徴とする請求項9に記載の渦巻き電極群を有する二次電池。

請求項14

前記の有底筒缶は、底部の厚さが側壁の厚さより厚いことを特徴とする請求項9に記載の渦巻き電極群を有する二次電池。

技術分野

0001

本発明は、渦巻状電極群を有する二次電池内部インピーダンスの改良に関し、とくに高率放電用にした二次電池に関する。

背景技術

0002

近年、地球規模環境問題エネルギー問題緩和のため、ハイブリッド電気自動車HEV)、電気自動車EV)の導入と拡大展開オイル消費を約半分に節減する有効な手段として注目されている。とくに、既に実用化が進み始めたHEVに関しては、現状、ニッケル水素電池(Ni/MH電池)が搭載され、市場が急速に拡大し始めた。また、今後拡大するHEVへの搭載を目的に、ニッケル・水素電池の特性改良と共にリチウム二次電池(Li Sec.電池)の開発も旺盛である。

0003

HEVやEVの用途は、多数の電池をシリーズで接続し、広範囲の温度や振動などに晒される過酷な使用条件のため、従来より遥に改良された信頼性が求められると共にHEV自体の性能向上のために電池の高率放電特性の改良、つまりパワーアップも求められている。

0004

本願は、渦巻状に捲回された電極群を用いる二次電池のパワーアップを主目的にした提案であり、具体的には電池の内部インピーダンスを改良する手段を提供するものである。
なお、本願は、とくにパワー要望するHEV用途の二次電池に極めて有効であるが、汎用の渦巻状電極群を用いる小型二次電池のパワーアップにも有効である。そこで、説明の都合上、HEV用電源としても、すでに実用化されている渦巻状電極群を用いる円筒密閉形ニッケル・水素電池を取り上げ、以下詳細な説明を行なう。
なお、このニッケル・水素電池とは、正極にニッケル酸化物粉末を使用するNi極を、負極に水素吸蔵合金粉末を使用する負極を使用し、合成繊維多孔不織布をセパレータに使用する1.2V系のアルカリ二次電池である。

0005

1990年に開発され実用化されたニッケル・水素電池におけるパワー用途の電池構造は、基本的には既存のニカド電池(Ni/Cd電池)と同様な構造を採用している。すなわち、正極と負極とをセパレータを介して渦巻状に捲回された電極群が有底筒缶収納され、その電極群の正極及び負極の端面に設けられた金属露出部にあてがった金属製集電板がそれぞれ多接点溶接され、前者の正極側はその金属製集電板と正極端子を兼ねる蓋体とが電極リード板と溶接されて電気的に接続され、後者の負極側は、その金属製集電板が有底筒缶の底部に接触もしくは一部が溶接されて電気的に接続された構造を基本に採用している。

0006

ところが、最近のHEV用電池のように、超高率放電を求められる用途には、電池の内部インピーダンスを低減するために以下のような改良が多くの電池メーカから提案されている。
正極と蓋体を接続する金属リード板の形状を厚型、広幅及び/又は短尺に加工して、正極と蓋体とを繋ぐ金属リード板のインピーダンス下げる(従来技術1)。
上記の金属リード板を2枚にして、金属リード板のインピーダンスを下げる(従来技術2)。
従来技術2の改良として、金属リード板の代わりに筒状の金属加工体を使用し、電解液注入後に、蓋体で押えた状態で正負極間電流を流して溶着する(非特許文献1)。
別途、従来技術2の改良として、金属リード板の代わりに、一方が花びら状に加工された金属加工体を使用する。すなわち、多接点で蓋体と接触させ、電解液注入後に、正負極間に電流を流して蓋体と花びら状の突起とを溶接して、金属リード板に相当する金属加工体のインピーダンスを下げる(非特許文献2)。

0007

"SANYO TECHNICAL REVIEW,Vol.36, No.2, P 20, Dec. 2004"
"GS Yuasa Technical Report,Vol.4, No.2, P 41, 2007"

0008

このように、電池の内部インピーダンスを低減するためには、主に正極と蓋体とを繋ぐ金属リード板の改良が多く報告されている。

発明が解決しようとする課題

0009

渦巻状に捲回された電極群を有する電池においては、一般に、負極は負極端子を兼ねる有底筒缶に接触した状態になっているが、正極は正極端子を兼ねる蓋体と金属リード板で接続されるだけなので、電池の内部インピーダンスの低減には、確かに、上記の金属リード板の改良は有効である。

0010

しかしながら、非特許文献1においては、金属リードが厚型では、蓋体を有底筒缶に挿入する際に折り曲げが困難になり、広幅にすればと接触して短絡する危険が生じ、短尺にすると蓋体とのスポット溶接が困難になるなどの問題が生じ、量産時には不良率が増大する。つまり、現状のリードが、それを考慮して、厚型、広幅と短尺の限界にまで進歩している。

0011

従来技術2においては、2枚の金属リード板と溶接接続された蓋体を缶に挿入する際に金属リード板が缶と接触して短絡する危険が生じ、量産時には不良率が増大する問題を有している。

0012

非特許文献1、2においては、インピーダンスは大幅に低減できるが、従来技術2と同様な問題を有すると共に、蓋体で密閉後に大電流パルス又は大電流交流を流す際に発熱で電解液が噴出したり溶接が不均一になったりする問題を有している。

0013

従って、蓋体と正極とを接続する部品のインピーダンスを低下させると同時に上記の課題を解決する新たな正極リードもしくは正極リードに相当する構成法が必要である。この際は、当然、缶との接触や電池構成時に生じる微小短絡などの信頼性を低下させる問題がなく、また大電流を流すなどの調整が煩雑な工程が省略できることが好ましい。

課題を解決するための手段

0014

本発明は、汎用のDサイズ電池やCsサイズ電池、並びに、発明者等が既に提案した電極群の正負極の端面に設けられた金属露出部をセパレータと共に折り曲げて袋状にして活物質粉末脱落による微小短絡を防止する信頼性を改善した電池(特開2006−12801)の両者を対象にし、それらのパワー特性を改良した構造を提供するものである。

0015

具体的には、蓋体と電極群との間に、従来の金属リード板を接続する以外に、独立した耐電解液性金属押圧体が1個又は複数個配され、多接点で蓋体と電極群を直接接続するものである。また、蓋体と缶の底部とで電極群を加圧することがインピーダンス低減に効果的であることも新たに見出したことから、上記の金属押圧体は電極群全体を押えられるように配し、蓋体と缶の底部とで電極群全体を加圧する構造を採用したものである。

0016

なお、これに伴って、電極群の正極リードと反対側にある負極リードもこの加圧を受けるため、それを受け止めるフレキシブルな構造とし、且つ、缶との溶接の必要性を除去できる簡易工程にしたものである。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、図を参照しながら実施の形態について説明する。本発明を代表する、渦巻状電極群を有する円筒形ニッケル・水素電池の断面図を図1に示す。既に汎用の構造である、正極1と負極2とをセパレータ3を介して渦巻状に捲回された電極群Eが有底筒缶4に収納されている。正極1の金属露出部1aは金属製集電板9と電気的に繋がった金属リード板5とを介して蓋体8に電気的に接続され、一方の負極2の金属露出部2aは金属製集電板13を介して有底筒缶の底部4aに電気的に接続された構造である。また、絶縁リング板11により、負極である有底筒缶4と正極の金属製集電板9とが絶縁され、ガスケット12及びゴム弁体7により封止された公知の構造を有する。

0018

なお、正極1及び負極2の金属露出部1a、2aは、金属製集電板9、13と直角に接触してスポット溶接された既存の構造でも良いが、図1では、発明者等が既に提案した信頼性を改良した構造(特開2006−12801)のように、正極1及び負極2の金属露出部1a、2aが、セパレータ3と共に折り曲げられて金属製集電板9、13にそれぞれ溶接された構造を示す。この折り曲げにより、セパレータ3には袋状部Fが形成される。

0019

本発明で重要な点は、金属製集電板9と蓋体8の間に、金属押圧体10が配置され、蓋体8と有底筒缶の底部4aとで加圧した状態を特徴とする。その結果、加圧による接触抵抗の低下と、電気的には金属リード板5に対して並列に金属押圧体10が接続されることにより、電池の内部インピーダンスの低減が図られる。また、加圧が電極群Eの上面に均一に加えられるように、耐電解液性の金属押圧体10は、図3に示すように金属製集電板9の中心から樹脂製絶縁リング板11付近まで放射状に配されている。金属押圧体10は耐電解液性を有していれば良い。例えば、ニッケル・水素電池やニカド電池ではニッケルやニッケルめっきされた鉄が好ましく、リチウム二次電池ではアルミニウムが好ましい。

0020

金属押圧体10は、正極1の金属露出部1a又は金属製集電板9(正極集電部)とスポット溶接又はレーザー溶接されていても良い。しかし、実際の適用(例えば製造方法)を考慮すると、図1に示すように、蓋体8とスポット溶接又はレーザー溶接されていることが望ましい。なお、20は溶接点を示す。

0021

また、金属押圧体は、材料コストを考慮すると、図2aに示すように、幅の狭い長方形15で、蓋体8又は金属製集電板9にスポット溶接又はレーザー溶接できる溶接片15aが付いているものが良い。また、図2bに示すように、溶接片16aを両端に備えた波型短冊形状でも、図2cに示す一面を開けた角柱形状17でも良い。なお、金属押圧体10の高さHは、蓋体8と金属製集電板9との空間距離より0.5〜1.0mm高い程度が望ましい。また、使用する金属押圧体の個数は1個ないし複数個用いても本発明の主旨に沿う。また、これらは正極のニッケル製集電板もしくは折り曲げられた金属露出部又は蓋体のいずれかに溶接されている方が望ましいが、溶接されていなくても蓋体8と缶底部4aとで適切な加圧(3kgf/cm2以上)が成されていれば良い。

0022

また、図4に示す別の態様では、負極の金属製集電板13を波打たせた形状として、加圧による電池の内部インピーダンスの低減が図られる。

0023

正極1の金属露出部1aと金属リード板9の構造及び負極2の金属露出部2aと缶底部4aの接続部分は従来構造でも良い。しかし、蓋体8と缶底部4aとの加圧によって缶底部4aが膨れる危険性を除去するため、図1及び図4に示すような正負極の金属露出部1a、2aを折り曲げる構造にすると共に正負極における金属製集電板9、13に多孔板を用いてそれぞれの接触部をフレキシブルにし、加圧によるひずみを吸収する構造を採用することが望ましい。併せて、缶底部4aが側壁より厚い有底筒缶4を使用することは、さらにこの危険性を除去するものである。

0024

次に、本発明の実施例について説明する。

0025

(実施例1)
汎用の水酸化ニッケル(Ni(OH)2)粉末、Co酸化物粉末の重量比96:4の混合物フッ素樹脂粉末(1wt%)とカルボキシメチルセルローズ(0.3wt%)の水溶液練合し、発明者等が既に出願中のニッケルフォイルを立体化した電極基板(3DFと称する/特開2002−198055)に塗着し、乾燥後、加圧して、平均充填密度650mAh、厚さ0.3mmのニッケル正極を得る。次いで、この電極を幅43mm、長さ910mmに切断後、一方の長尺端面に沿って幅4mmだけ上記塗着物を除去して金属露出部を形成した、直径約32mmの円筒密閉形Dサイズ電池用に加工された理論容量で約6.6Ahの正極を得る。

0026

汎用のMmNi5系水素吸蔵合金(Mm−(Ni−Co−Mn−Al)5)粉末をフッ素樹脂粉末(1wt%)とカルボキシメチルセルローズ(0.3wt%)の水溶液とを練合して得られたペーストを、3DF電極基板に塗着し、乾燥後、加圧して、平均充填密度1、500mAh、厚さ0.18mmの合金負極を得る。次いで、上記のDサイズ電池の負極用に、幅43mm、長さ960mmに切断後、一方の長尺端面に沿って幅4mmだけ上記塗着物を除去して金属露出部を形成した理論容量で約10Ahの負極を得る。

0027

これらの正負極を、厚さ0.11mm、幅44mm、長さ1、850mmのポリオレフィン製不織布を介して、汎用の方法で渦巻状に構成して電極群Eとする。次いで、電極群Eの上面に露出する正極の金属露出部をセパレータと共に中心方向に折り曲げ、図1の1aに示す加工を施す。次いで、電極群の下面に露出する負極の金属露出部をセパレータと共に中心方向に折り曲げ、図1の2aに示す加工を施す。なお、正極と負極は、金属露出部の折り曲げ時の短絡を完全に防止するため、図1に示すようにそれぞれ1〜2mm上下にずらした構造を採用した。

0028

得られた電極群の正極及び負極にニッケル製集電板9及び13をスポット溶接し、正極側には更にニッケル製の金属リード板5を溶接する(溶接点は20)。次いで、正極のニッケル製集電板に、図2aに示す高さHが3.5mmの耐電解液性の金属押圧体15の溶接片15a(2個)を図3に示すようにスポット溶接した後、高さ52mmの有底筒缶に挿入し、次にポリプロピレン製の絶縁リング11を挿入した後、汎用の水酸化カリウム(KOH)を主材料とする比重約1.3の電解液を13cc注液する。なお、注液を容易にするため、正極集電板9の中心に電解液が通過しやすい穿孔部18を設けた。

0029

次いで、正極リードを蓋体に溶接した後、蓋体とガスケット12を用いて、汎用の方法で密閉し、高さ51mmのDサイズ電池を得る。

0030

得られたDサイズ電池(理論容量6.6Ah)を、充電:0.1C、100%、放電:0.2C、終止電圧1.0Vの条件で2サイクル充放電を行なった後、充電のみを120%に変えて充放電を実施して化成を終了する。次いで、120%の充電後、電池内部のインピーダンス(1kHz)を測定した。そのインピーダンス値と、金属押圧体の高さHを変え、缶底部4aのひずみでもって加圧力を測定した時の加圧力との関係を図5に示す。加圧力5kgf/cm2以上では、内部インピーダンスが低下した後の安定した数値を示したが、3kgf/cm2以上から内部インピーダンスを下げる効果が認められた。

0031

化成終了後の、高さ51mmのDサイズ電池5セルを1C(6.5A)及び10C(65A)のレートで放電したときの平均電圧図6のLで示す。1Cの中間電圧は1.25Vで、10Cの中間電圧は1.18Vを示した。比較例として、実施例1の金属押圧体15を配さない電池5セルの平均値Mと、実施例1の金属押圧体15を配さない電池であって、更に正負極の金属露出部リードを折り曲げない電池5セルの平均値Nの平均電圧を同じく図6に示す。10C放電での電圧は、LはM及びNと比較して極めて高く、高率放電に適していることが判る。この結果は、金属押圧体を配置することで電流の流れが分散され、さらにこの金属押圧体を介して蓋体と缶底部で電極群を加圧することにより蓋体と正極間、および、缶底部と負極間の接触抵抗が下がるため、電池内部のインピーダンスが大きく低下したことに因ると考えられる。

0032

また、正負極の金属露出部リードを折り曲げない電池Nの場合、5セル試験のため8セルを試作した内、2セルが微小短絡を示した。これは、セパレータが袋状に加工されていないため、缶底部に近い正極の活物質粉末の脱落物が負極の集電板と接触したためと考えられる。

0033

(実施例2)
実施例1における図2aに示す高さ3.5mmの金属押圧体の溶接片15aを図3に示した位置と対応する蓋体に溶接し、実施例1と同様の構成と化成を施して、高さ51mmのDサイズ電池を得る。この電池5セルを実施例1で記載した10C放電に供したところ、実施例1のLの場合と同様な電圧が得られた。

0034

(実施例3)
実施例1と同様な構成を採用するが、正極1及び負極2の金属製集電板9及び13をそれぞれの金属露出部と溶接を施さず、同様のDサイズ電池を得る。この場合、10Cレートでの放電電圧はごくわずか低下したが、実施例1におけるM及びNより遥に高く、むしろ実施例1のLに近い値を示した。

0035

(実施例4)
実施例1と同様な電極群及び金属押圧体を配した構成を採用し、実施例1における肉厚を一定にした(0.5mm)有底筒缶を図4に示すように底部を厚く(0.8mm)、側壁を薄く(0.3mm)した有底筒缶に代えて同様なDサイズ電池を得る。この場合は、実施例1と同様な特性が得られると共に加圧による缶底部の変形が全く認めらなかった。

0036

以上のように本発明による金属押圧体を備えたニッケル正極を採用すれば、電池の内部インピーダンスが減少できることから、高率放電に於ける電圧低下が小さく、且つ、微小短絡などを抑制する信頼性に優れた二次電池を提供できる。また、本願は電池の構造に関するものであって、その発明の思想は、渦巻き電極群を採用するリチウム二次電池やニカド電池に、そのまま適用が可能である。

図面の簡単な説明

0037

図1は、本発明の一実施形態によるニッケル・水素電池の断面概略図である。
図2aは金属押圧体の例を示す図である。
図2bは金属押圧体の例を示す図である。
図2cは金属押圧体の例を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態によるニッケル・水素電池における、封口前の電極群上部の概略図である。
図4は、本発明の他の実施形態によるニッケル・水素電池の底部断面概略図である。
図5は、本発明の実施例1のニッケル・水素電池における蓋部と缶底部との加圧と内部インピーダンスの関係を示す図である。
図6は、本発明の実施例1のニッケル・水素電池における高率放電特性を示す図である。

符号の説明

0038

1:ニッケル正極1a: ニッケル正極の金属露出部
2:水素吸蔵合金負極2a: 水素吸蔵合金負極の金属露出部
3:セパレータ
4:有底筒缶4a: 有底筒缶の底部
5:金属リード板6:蓋体の安全弁キャップ
7:ゴム弁体8: 蓋体
9: 正極の金属製集電板10:耐電解液性の金属押圧体
11:樹脂製絶縁リング板 12:ガスケット
13: 負極の金属製集電板
15、16、17: 耐電解液性の金属押圧体 15a、16a:溶接片
18: 金属製集電板の穿孔部(注液用) 19: 金属リード板溶接用フレーム
20:スポット溶接点
E:電極群F: セパレータの袋状部

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