図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2010年3月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

睡眠に関連した呼吸障害の予防または寛解のための薬理学的方法を提供する。

解決手段

セロトニン受容体アンタゴニスト選択的セロトニン再取り込み阻害剤との組み合わせを利用して得た治療剤患者投与する。ここで具体的には、セロトニン受容体アンタゴニストがオンダンセトロンであり、選択的セロトニン再取り込み阻害剤が、フルオキセチン、および、パロキセチンよりなる群から選択される1種である。

概要

背景

過去数年にわたって、覚醒時中ずっと眠気という様式で持続し得、それにより実質上の経済的損失(例えば、工数の多大なる損失)または雇用安全率(例えば、大型機械の操作中の従業員による不注意)として具現されるような結果を伴って主に睡眠中に起こる呼吸障害離散群の研究に対して、多大なる努力が払われてきている。睡眠に関連した呼吸障害は、呼吸の反復的減少(呼吸低下)、呼吸の周期的な停止(無呼吸)、または継続的もしくは持続的な換気の減少によって特徴付けられる。

一般的に、睡眠時無呼吸は、睡眠中のと口における気流間欠的停止として定義付けられる。慣例によると、持続時間が少なくとも10秒間である無呼吸は重大視されているが、ほとんどの個体で、無呼吸は20〜30秒間の持続時間であり、2〜3分にも及ぶことがある。臨床的に重大であると考えるべき無呼吸の最低数についてはある程度不確かな部分があるが、ほとんどの個体が医学界世話になるまでに、彼等は睡眠時間あたり少なくとも10〜15回もの無呼吸に陥るのである。

睡眠時無呼吸は、3つの型に分類されている。すなわち、中枢性閉塞性、及びその混合型である。中枢性睡眠時無呼吸では、あらゆる呼吸筋への神経運動一過性に損なわれる。閉塞性睡眠時無呼吸では、口咽頭気道閉塞のために、呼吸運動が継続しているにも関わらず気流が停止してしまうのである。混合型無呼吸は、閉塞的要素を伴う中枢性無呼吸からなり、閉塞性睡眠時無呼吸の変異型である。無呼吸の最も一般的な型は、閉塞性睡眠時無呼吸である。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、勤労成人男性の24%、同様の女性の9%もに認められており、有病率ピークは60代である。OSASのほぼ不変的な特徴たる、常習性の激しい鼾が、中高男性の24%、同様の年齢の女性の14%で報告されており、高齢者では一層高い有病率となっている。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の確定的な事象は、中咽頭のレベルに頻発する上気道の閉塞である。その結果惹起される無呼吸は通常、個体が睡眠状態から束の間目覚めてそれにより気道の開存性復元し、しかして気流が復活されるまで、進行性呼吸停止をもたらす。

OSASにおいて上気道の破壊をもたらす重要な因子は、気道の安定性を保持する気道開大筋及び外転筋能力を超える、吸気行動の際の臨界的減圧の発生である。睡眠は開大筋及び外転筋を含めた上気道の筋肉活動性を低下させることにより重要な役割を果たす。

OSASの患者のほとんどで、気道の開存性も構造的に損なわれており、従って閉塞しやくすなっている。少数の個体では、構造的異形は普通、明らかな解剖学的異常、すなわち扁桃腺肥大下顎後退、巨などに起因するものである。しかしながら、OSASに罹りやすい個体の大多数では、構造的異常は単なる気道寸法の僅かな減少、すなわち「咽頭密集(クラウディング)」に過ぎない。閉塞は、上気道で認められる寸法の減少の一因となることも多い。鼾行動は、事実上、上気道内腔の寸法の減少に起因する咽頭軟組織高頻度振動であり、通常、軟組織における浮腫の産生に伴って狭窄を一層悪化させる。

OSASを特徴付ける、夜間呼吸停止及び睡眠からの覚醒の反復的発症が、一連の二次的な生理事象につながり、それが今度はかかる症候群の臨床的合併症を起こすのである。最も一般的な徴候は、神経精神医学的及び行動学的異常であり、これらは、反復する覚醒応答によって誘導される睡眠の断片化と遅波睡眠の喪失から生じると考えられる。夜間脳低酸素もまた、重要な役割を果たす。最も広汎性の徴候は、日中の過剰な眠気である。OSASは今や、日中の眠気の主原因として認識されており、自動車事故などの問題に対する重要な危険因子として関与しているとみなされている。他の関連症状には、知的障害記憶力減退人格障害、及び不能が包含される。

他の主要徴候は、本質的に心呼吸系のもので、夜間呼吸停止の反復発症から起こるものであると考えられている。ほとんどの個体で無呼吸時の心拍数が1分間あたり30〜50回に周期的に低下し、次いで換気段階では1分あたり90〜120回の頻脈となることが立証されている。少数の個体では、非持続型心室性頻拍を含め、持続時間8〜12秒の不全収縮を伴う重篤徐脈、または危険な頻脈性不整脈を患う。OSASはまた、潜在的心疾患罹患している患者での左心室不全増悪させる。この合併症は、各閉塞性事象の際の左心室後負荷の増大(負の胸腔内圧の増加に続くもの)と、慢性的に上昇する交感神経副腎活性との複合効果に最も起因するようである。

中枢性睡眠時無呼吸は、OSASよりも症候群としての有病率が低いが、昼間肺胞低換気または周期性変動呼吸を伴う、内科的、神経性、及び/または神経筋障害に罹患した広範囲の患者に認められる。中枢性睡眠時無呼吸における決定的な事象は、換気筋に対する中枢性駆動の一過的な停止である。その結果生じる無呼吸が、OSASにおけると同様の一次的な連続事象をもたらす。いくつかの潜在的機構が、睡眠中の呼吸の休止を引き起こすことができる。第1は、代謝性呼吸制御系と、呼吸神経筋装置の欠陥である。他の中枢性睡眠時無呼吸障害は、それ以外には完全無傷な呼吸制御系での、一過的な不安定性から生じる。

多くの健常個体で、特に入時及びREM睡眠時に、睡眠中中枢性無呼吸がわずかながら生じることが立証されている。これらの無呼吸は、生理的または臨床的障害と無関係である。臨床的に重要な中枢性睡眠時無呼吸の個体においては、障害を特徴付ける一時的な連続事象が、顕著な生理的且つ臨床的結果につながるのである。中枢性睡眠時無呼吸肺胞低換気症候群に罹患した個体において、日中の炭酸過剰及び低酸素血症が通常の事象であり、その臨床像は、反復性呼吸不全赤血球増加肺高血圧、及び右側心不全によって決定付けられる。睡眠不足頭痛、及び日中の疲労感と眠気の愁訴も顕著である。対照的に、中枢性睡眠時無呼吸が呼吸駆動の不安定に起因する個体では、その臨床像は睡眠障害に関連した特徴が顕著となっており、それには反復する夜間時覚醒、朝の疲労感、及び日中の眠気が含まれている。

現在のところ、睡眠時無呼吸と他の睡眠に関連する(睡眠関連)呼吸障害に罹患した成人に対する最も一般的且つ最も有効な処置は、正の気道圧(PAP)を送る療法の機械的形態のものである。PAP処置では、個体は睡眠時に鼻を覆う、顔にぴったりしたプラスチックマスクを装着する。マスクコンプレッサーに取り付けられ、これによって患者の気道内に正の圧力を生み出すよう、鼻に空気を圧送する。この方法の原理は、気道の加圧によって、機械的な「固定」作用が提供され、もって気道の圧潰が妨げられ、それにより閉塞性睡眠時無呼吸が妨げられる。PAP処置を行ったほとんどの患者に、有効な治療応答が観察されるが、多くの患者は装置や圧力に耐えられず、処置を拒絶してしまう。さらに、最近極秘裏に行われたモニター研究によって、PAP処置での長期遵守は非常に少ないことが明らかに立証されている。

様々な上気道及び頭蓋顔面の手法が、OSASの処置のために試みられている。アデノイド口蓋扁桃摘出術は、多くの小児でOSASに対する有効な治療法となるようであるが、外科的上気道手術は、OSASの成人患者ではめったに治癒的とならない。外科的手術の「成功」は、一般に無呼吸発生を50%低下させることと考えられており、手術により恩恵を被った個体と恩恵が引き出されなかった個体とを確認するための有用なスクリーニング法はないのである。

様々なタイプの薬理学的処置が、睡眠時無呼吸の患者において試みられてきているが、これまでのところ、一般的に有用であると検証されたものはない。これらの試みについての近年の系統総説が、Hudgel [J. Lab. Clin. Med.,126:13-18 (1995)] によって提供されている。呼吸刺激特性が期待されることに基づき、数多くの化合物試験されてきている。これらの中には、(1)アセタゾールアミド、主要な中枢性無呼吸の個体に可変的な改善をもたらすが、閉塞性無呼吸は上昇させる炭酸脱水素酵素阻害剤、(2)メドロキシプロゲステロン、OSASでの一貫した効能は示されていないプロゲスチン、及び(3)喘息の処置のために通常使用され、中枢性無呼吸の患者に恩恵をもたらし得るが閉塞性無呼吸の成人患者には役立たないようである化合物のテオフィリンが含まれている。

他の試案された薬理学的処置には、アデノシン、アデノシン類似体及びアデノシン再取り込み阻害剤投与(米国特許第5,075,290号)が含まれる。特に、体内遍在性の化合物で、OSASの個体においてそのレベルが上昇しているアデノシンは、呼吸を刺激することが示されており、そして睡眠時無呼吸の動物モデルにおいて無呼吸を低減する上である程度有効である。

OSASに対する他の可能な薬理学的処置の選択肢には、脳の活性を刺激するかまたはオピオイドアンタゴニストである薬剤が含まれる。具体的には、脳脊髄液オピオイド活性の増大がOSASで同定されているので、中枢刺激またはオピオイドアンタゴニストがOSASの処置の助けになろうことは論理帰結なのである。実際に、中枢神経系及び頚動脈小体化学受容体を刺激するドキサプラムは、無呼吸の長さを減じることが見出されたが、閉塞性睡眠時無呼吸の個体における平均動脈酸素飽和度は変化させなかった。オピオイドアンタゴニストのナロキソンは、換気を刺激することが知られているが、閉塞性睡眠時無呼吸の個体ではわずかしか役に立たなかった。

OSASは高血圧の発症と強く相関しているので、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤などの薬剤が、高血圧を伴うOSAS患者を処置する上で有益であるかもしれないが、これはOSAS自体に対する実行可能な処置とは考えられない。

最後に、呼吸に関与する神経伝達物質及び神経伝達物質系に作用する様々な薬剤が、OSASの個体で試験されている。これらの化合物のほとんどは、ノルエピネフリンドーパミン、及びセロトニンを含めたモノアミン神経伝達物質の活性を増大することによって働く、抗うつ性薬物として開発されたものである。三環系抗うつ薬プロトリプチリンは、いくつかの小試験で試されているが、その結果は様々で、また重篤な副作用高頻度でみられる。セロトニンは睡眠を促進して呼吸を刺激し得るので、セロトニンの前駆体であるトリプトファン選択的セロトニン再取り込み阻害剤が、OSASの個体で試験されている。セロトニン再取り込み阻害剤であるフルオキセチン(米国特許第5,356,934号)の使用に対する特許が付与されているが、最初の証拠では、これらの化合物が、OSASの個体のおよそ50%のみに有用であることが示唆されるにとどまっている。従って、睡眠関連呼吸障害に罹患した個体に対する唯一の実行可能な処置は、患者による遵守率が低い機械的形態の療法(PAP)であるという事実、そして薬理学的処置の対する希望がまだ実現されていないという事実に鑑み、一連の睡眠関連呼吸障害に罹患している広い層の個体に恩恵をもたらすであろう、薬理学をベースとした簡単な処置に対する要求が現存している。さらにまた、患者による遵守率向上に役立つ、睡眠関連呼吸障害の実行可能な処置に対する要求も現存しているのである。

概要

睡眠に関連した呼吸障害の予防または寛解のための薬理学的方法を提供する。セロトニン受容体アンタゴニストと選択的セロトニン再取り込み阻害剤との組み合わせを利用して得た治療剤を患者に投与する。ここで具体的には、セロトニン受容体アンタゴニストがオンダンセトロンであり、選択的セロトニン再取り込み阻害剤が、フルオキセチン、および、パロキセチンよりなる群から選択される1種である。なし

目的

本発明が充分に理解されることを目的として、限定でなく単なる例示をするだけのために、以下の実施例を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

請求項2

前記セロトニン受容体アンタゴニストが、ケタンセリンシナセリン、LY-53,857、メテルリン、LY-278,584、メチオピン、p-NPPL、NAN-190、ピペラジン、SB-206553、SDZ-205,557、3-トロニル-インドール-3-カルボキシレート、3-トロパニル-インドール-3-カルボキシレートメチオダイドメチルセルジド、リスペリドンシプロヘプタジンクロザピンミアンセリンリタンセリングラニセトロン、および、オンダンセトロンよりなる群から選択される請求項1に記載の使用。

請求項3

前記選択的セロトニン再取り込み阻害剤が、フルオキセチン、および、パロキセチンよりなる群から選択される請求項1に記載の使用。

請求項4

睡眠に関連する呼吸障害の治療剤を製造するためのオンダンセトロンおよびフルオキセチンの使用。

請求項5

前記呼吸障害が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群未熟児無呼吸先天性中枢性換気過小症候群閉塞性換気過小症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェーンストークス呼吸、および、鼾よりなる群から選択される請求項1乃至4のいずれかに記載の使用。

請求項6

前記セロトニン受容体アンタゴニストが、その効果を、末梢神経系で発揮する請求項1乃至5のいずれかに記載の使用。

技術分野

0001

国際出願は、1998年2月27日に出願せる米国仮出願第60/076,216号の優先権を主張するものであり、この米国出願は、引用することによってその内容全体を本明細書中組み入れることとする。

0002

本発明は一般に、呼吸障害薬理学処置のための方法に関し、さらに詳細には、睡眠時無呼吸(中枢性及び閉塞性)ならびに睡眠に関連した他の呼吸障害の緩和のために、セロトニン関連受容体活性を有する薬剤または組成物投与することに関する。

背景技術

0003

過去数年にわたって、覚醒時中ずっと眠気という様式で持続し得、それにより実質上の経済的損失(例えば、工数の多大なる損失)または雇用安全率(例えば、大型機械の操作中の従業員による不注意)として具現されるような結果を伴って主に睡眠中に起こる呼吸障害の離散群の研究に対して、多大なる努力が払われてきている。睡眠に関連した呼吸障害は、呼吸の反復的減少(呼吸低下)、呼吸の周期的な停止(無呼吸)、または継続的もしくは持続的な換気の減少によって特徴付けられる。

0004

一般的に、睡眠時無呼吸は、睡眠中のと口における気流間欠的停止として定義付けられる。慣例によると、持続時間が少なくとも10秒間である無呼吸は重大視されているが、ほとんどの個体で、無呼吸は20〜30秒間の持続時間であり、2〜3分にも及ぶことがある。臨床的に重大であると考えるべき無呼吸の最低数についてはある程度不確かな部分があるが、ほとんどの個体が医学界世話になるまでに、彼等は睡眠時間あたり少なくとも10〜15回もの無呼吸に陥るのである。

0005

睡眠時無呼吸は、3つの型に分類されている。すなわち、中枢性、閉塞性、及びその混合型である。中枢性睡眠時無呼吸では、あらゆる呼吸筋への神経運動一過性に損なわれる。閉塞性睡眠時無呼吸では、口咽頭気道閉塞のために、呼吸運動が継続しているにも関わらず気流が停止してしまうのである。混合型無呼吸は、閉塞的要素を伴う中枢性無呼吸からなり、閉塞性睡眠時無呼吸の変異型である。無呼吸の最も一般的な型は、閉塞性睡眠時無呼吸である。

0006

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、勤労成人男性の24%、同様の女性の9%もに認められており、有病率ピークは60代である。OSASのほぼ不変的な特徴たる、常習性の激しい鼾が、中高男性の24%、同様の年齢の女性の14%で報告されており、高齢者では一層高い有病率となっている。

0007

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の確定的な事象は、中咽頭のレベルに頻発する上気道の閉塞である。その結果惹起される無呼吸は通常、個体が睡眠状態から束の間目覚めてそれにより気道の開存性復元し、しかして気流が復活されるまで、進行性呼吸停止をもたらす。

0008

OSASにおいて上気道の破壊をもたらす重要な因子は、気道の安定性を保持する気道開大筋及び外転筋能力を超える、吸気行動の際の臨界的減圧の発生である。睡眠は開大筋及び外転筋を含めた上気道の筋肉活動性を低下させることにより重要な役割を果たす。

0009

OSASの患者のほとんどで、気道の開存性も構造的に損なわれており、従って閉塞しやくすなっている。少数の個体では、構造的異形は普通、明らかな解剖学的異常、すなわち扁桃腺肥大下顎後退、巨などに起因するものである。しかしながら、OSASに罹りやすい個体の大多数では、構造的異常は単なる気道寸法の僅かな減少、すなわち「咽頭密集(クラウディング)」に過ぎない。閉塞は、上気道で認められる寸法の減少の一因となることも多い。鼾行動は、事実上、上気道内腔の寸法の減少に起因する咽頭軟組織高頻度振動であり、通常、軟組織における浮腫の産生に伴って狭窄を一層悪化させる。

0010

OSASを特徴付ける、夜間呼吸停止及び睡眠からの覚醒の反復的発症が、一連の二次的な生理事象につながり、それが今度はかかる症候群の臨床的合併症を起こすのである。最も一般的な徴候は、神経精神医学的及び行動学的異常であり、これらは、反復する覚醒応答によって誘導される睡眠の断片化と遅波睡眠の喪失から生じると考えられる。夜間脳低酸素もまた、重要な役割を果たす。最も広汎性の徴候は、日中の過剰な眠気である。OSASは今や、日中の眠気の主原因として認識されており、自動車事故などの問題に対する重要な危険因子として関与しているとみなされている。他の関連症状には、知的障害記憶力減退人格障害、及び不能が包含される。

0011

他の主要徴候は、本質的に心呼吸系のもので、夜間呼吸停止の反復発症から起こるものであると考えられている。ほとんどの個体で無呼吸時の心拍数が1分間あたり30〜50回に周期的に低下し、次いで換気段階では1分あたり90〜120回の頻脈となることが立証されている。少数の個体では、非持続型心室性頻拍を含め、持続時間8〜12秒の不全収縮を伴う重篤徐脈、または危険な頻脈性不整脈を患う。OSASはまた、潜在的心疾患罹患している患者での左心室不全増悪させる。この合併症は、各閉塞性事象の際の左心室後負荷の増大(負の胸腔内圧の増加に続くもの)と、慢性的に上昇する交感神経副腎活性との複合効果に最も起因するようである。

0012

中枢性睡眠時無呼吸は、OSASよりも症候群としての有病率が低いが、昼間肺胞低換気または周期性変動呼吸を伴う、内科的、神経性、及び/または神経筋障害に罹患した広範囲の患者に認められる。中枢性睡眠時無呼吸における決定的な事象は、換気筋に対する中枢性駆動の一過的な停止である。その結果生じる無呼吸が、OSASにおけると同様の一次的な連続事象をもたらす。いくつかの潜在的機構が、睡眠中の呼吸の休止を引き起こすことができる。第1は、代謝性呼吸制御系と、呼吸神経筋装置の欠陥である。他の中枢性睡眠時無呼吸障害は、それ以外には完全無傷な呼吸制御系での、一過的な不安定性から生じる。

0013

多くの健常個体で、特に入時及びREM睡眠時に、睡眠中中枢性無呼吸がわずかながら生じることが立証されている。これらの無呼吸は、生理的または臨床的障害と無関係である。臨床的に重要な中枢性睡眠時無呼吸の個体においては、障害を特徴付ける一時的な連続事象が、顕著な生理的且つ臨床的結果につながるのである。中枢性睡眠時無呼吸肺胞低換気症候群に罹患した個体において、日中の炭酸過剰及び低酸素血症が通常の事象であり、その臨床像は、反復性呼吸不全赤血球増加肺高血圧、及び右側心不全によって決定付けられる。睡眠不足頭痛、及び日中の疲労感と眠気の愁訴も顕著である。対照的に、中枢性睡眠時無呼吸が呼吸駆動の不安定に起因する個体では、その臨床像は睡眠障害に関連した特徴が顕著となっており、それには反復する夜間時覚醒、朝の疲労感、及び日中の眠気が含まれている。

0014

現在のところ、睡眠時無呼吸と他の睡眠に関連する(睡眠関連)呼吸障害に罹患した成人に対する最も一般的且つ最も有効な処置は、正の気道圧(PAP)を送る療法の機械的形態のものである。PAP処置では、個体は睡眠時に鼻を覆う、顔にぴったりしたプラスチックマスクを装着する。マスクコンプレッサーに取り付けられ、これによって患者の気道内に正の圧力を生み出すよう、鼻に空気を圧送する。この方法の原理は、気道の加圧によって、機械的な「固定」作用が提供され、もって気道の圧潰が妨げられ、それにより閉塞性睡眠時無呼吸が妨げられる。PAP処置を行ったほとんどの患者に、有効な治療応答が観察されるが、多くの患者は装置や圧力に耐えられず、処置を拒絶してしまう。さらに、最近極秘裏に行われたモニター研究によって、PAP処置での長期遵守は非常に少ないことが明らかに立証されている。

0015

様々な上気道及び頭蓋顔面の手法が、OSASの処置のために試みられている。アデノイド口蓋扁桃摘出術は、多くの小児でOSASに対する有効な治療法となるようであるが、外科的上気道手術は、OSASの成人患者ではめったに治癒的とならない。外科的手術の「成功」は、一般に無呼吸発生を50%低下させることと考えられており、手術により恩恵を被った個体と恩恵が引き出されなかった個体とを確認するための有用なスクリーニング法はないのである。

0016

様々なタイプの薬理学的処置が、睡眠時無呼吸の患者において試みられてきているが、これまでのところ、一般的に有用であると検証されたものはない。これらの試みについての近年の系統総説が、Hudgel [J. Lab. Clin. Med.,126:13-18 (1995)] によって提供されている。呼吸刺激特性が期待されることに基づき、数多くの化合物試験されてきている。これらの中には、(1)アセタゾールアミド、主要な中枢性無呼吸の個体に可変的な改善をもたらすが、閉塞性無呼吸は上昇させる炭酸脱水素酵素阻害剤、(2)メドロキシプロゲステロン、OSASでの一貫した効能は示されていないプロゲスチン、及び(3)喘息の処置のために通常使用され、中枢性無呼吸の患者に恩恵をもたらし得るが閉塞性無呼吸の成人患者には役立たないようである化合物のテオフィリンが含まれている。

0017

他の試案された薬理学的処置には、アデノシン、アデノシン類似体及びアデノシン再取り込み阻害剤の投与(米国特許第5,075,290号)が含まれる。特に、体内遍在性の化合物で、OSASの個体においてそのレベルが上昇しているアデノシンは、呼吸を刺激することが示されており、そして睡眠時無呼吸の動物モデルにおいて無呼吸を低減する上である程度有効である。

0018

OSASに対する他の可能な薬理学的処置の選択肢には、脳の活性を刺激するかまたはオピオイドアンタゴニストである薬剤が含まれる。具体的には、脳脊髄液オピオイド活性の増大がOSASで同定されているので、中枢刺激またはオピオイドアンタゴニストがOSASの処置の助けになろうことは論理帰結なのである。実際に、中枢神経系及び頚動脈小体化学受容体を刺激するドキサプラムは、無呼吸の長さを減じることが見出されたが、閉塞性睡眠時無呼吸の個体における平均動脈酸素飽和度は変化させなかった。オピオイドアンタゴニストのナロキソンは、換気を刺激することが知られているが、閉塞性睡眠時無呼吸の個体ではわずかしか役に立たなかった。

0019

OSASは高血圧の発症と強く相関しているので、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤などの薬剤が、高血圧を伴うOSAS患者を処置する上で有益であるかもしれないが、これはOSAS自体に対する実行可能な処置とは考えられない。

0020

最後に、呼吸に関与する神経伝達物質及び神経伝達物質系に作用する様々な薬剤が、OSASの個体で試験されている。これらの化合物のほとんどは、ノルエピネフリンドーパミン、及びセロトニンを含めたモノアミン神経伝達物質の活性を増大することによって働く、抗うつ性薬物として開発されたものである。三環系抗うつ薬プロトリプチリンは、いくつかの小試験で試されているが、その結果は様々で、また重篤な副作用高頻度でみられる。セロトニンは睡眠を促進して呼吸を刺激し得るので、セロトニンの前駆体であるトリプトファン選択的セロトニン再取り込み阻害剤が、OSASの個体で試験されている。セロトニン再取り込み阻害剤であるフルオキセチン(米国特許第5,356,934号)の使用に対する特許が付与されているが、最初の証拠では、これらの化合物が、OSASの個体のおよそ50%のみに有用であることが示唆されるにとどまっている。従って、睡眠関連呼吸障害に罹患した個体に対する唯一の実行可能な処置は、患者による遵守率が低い機械的形態の療法(PAP)であるという事実、そして薬理学的処置の対する希望がまだ実現されていないという事実に鑑み、一連の睡眠関連呼吸障害に罹患している広い層の個体に恩恵をもたらすであろう、薬理学をベースとした簡単な処置に対する要求が現存している。さらにまた、患者による遵守率向上に役立つ、睡眠関連呼吸障害の実行可能な処置に対する要求も現存しているのである。

0021

本発明は、睡眠関連呼吸障害の予防または寛解のための、薬理学的処置提供に関する。

0022

本発明は、睡眠関連呼吸障害の予防または寛解のための方法に関し、当該方法は、セロトニン受容体アンタゴニストの有効量を、かかる治療を必要としている患者に投与する工程を含む。本発明はまた、睡眠関連呼吸障害の予防または寛解のため、複数のセロトニン受容体アンタゴニストの組合せを投与する工程を含む方法に関する。複数のセロトニン受容体アンタゴニストの組合せは、単一のセロトニン受容体サブタイプに関わるものでも、1以上のセロトニン受容体サブタイプに関わるものでもかまわない。

0023

本発明はさらに、睡眠関連呼吸障害の予防または寛解のために、セロトニン受容体アゴニストの組合せと併用して、複数のセロトニン受容体アンタゴニストの組合せを投与する工程を含む方法に関する。セロトニン受容体アンタゴニストの組合せ、そして受容体アゴニストの組合せはやはり、単一のセロトニン受容体サブタイプに関わるものでも、1以上のセロトニン受容体サブタイプに関わるものでもかまわない。

0024

本発明はまた、睡眠関連呼吸障害の予防または寛解のため、α2アドレナリン性受容体サブタイプアンタゴニストと組み合わせて、複数のセロトニン受容体アンタゴニストの組合せを投与する工程を含む方法にも関するものである。セロトニン受容体アンタゴニストの組合せは、単一のセロトニン受容体サブタイプに関わるものでも、1以上のセロトニン受容体サブタイプに関わるものでもかまわない。

0025

前記方法のための投与の経路は、経口、腹腔内、皮下、静脈内、筋肉内、経皮を含めた種々の全身投与手段、あるいは他の投与経路とすることができる。浸透ミニポンプ及び徐放ペレットまたはその他のデポ剤投与形態も、使用することができる。唯一の限定事項は、投与経路によって、薬物が最終的に適切な受容体送達される結果となることである。

0026

睡眠関連呼吸障害には、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、未熟児の無呼吸、先天性中枢性換気過小症候群、閉塞性換気過小症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、チェーンストークス呼吸、及び鼾が包含されるが、これらに限定されることはない。

0027

例として挙げることができるセロトニン受容体アンタゴニストには、オンダンセトロン(GR38032F)、ケタンセリンリスペリドンシプロヘプタジンクロザピンメチルセルジド、グラニセトロンミアンセリンリタンセリンシナセリン、LY-53,857、メテルリン、LY-278,584、メチオピン、p-NPPL、NAN-190、ピペラジン、SB-206553、SDZ-205,557、3-トロニル-インドール-3-カルボキシレート、3-トロパニル-インドール-3-カルボキシレートメチオダイド、及び他のセロトニン受容体アンタゴニストが包含されるが、これらに限定されることはない。

0028

例として挙げることができるセロトニン受容体アゴニストには、8-OH-DPAT、スマトリプタン、L694247(2-[5-[3-(4-メチルスルホニルアミノ)ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]-1H-インドール-3イル]エタナミン)、ブスピロンアルニチダン、ザロスピロン、イプサピロンゲピロンゾルミトリプタン、リサトリプタン、311C90、α-Me-5-HT、BW723C86(1-[5(2-チエニルメトキシ)-1H-3-インドリル[プロパン-2-アミン塩酸塩)、及びMCPP(m-クロロフェニルピペラジン)が包含されるが、これらに限定されることはない。

0029

例として挙げることができるα2アドレナリン性受容体アンタゴニストには、フェノキシベンズアミンフェントルアミントラゾリンテラゾシンドキサゾシントリマシンヨヒンビンインドラミン、ARC239、及びプラゾシンが包含されるが、これらに限定されることはない。

発明を実施するための最良の形態

0030

麻酔をかけた(下記を参照されたい)様々な動物種におけるセロトニンまたはセロトニン類似体の呼吸に対する効果についてのこれまでの研究で、様々な応答が明らかにされている。例えば、セロトニンの投与の場合、ウサギ一回換気量減少を伴う呼吸数の増大が引き起こされることが示されているが、イヌでは一回換気量の増加が示されている[Matsumoto, Arch. Int Pharmacodyn. Ther., 254:282-292 (1981); Armstrongら、J. Physiol. (Lond.), 365:104 P (1985); Bisgardら、Resp. Physiol. 37:61-80 (1979); Zuckerら、Circ. Res. 47: 509-515 (1980)]。ネコでの研究によると、セロトニンの投与で時折無呼吸が先行する過換気[Blackら、Am. J. Physiol., 223:1097-1102 (1972); Jacobsら、Circ. Res., 29:145-155 (1971)]、または即時的無呼吸に続く速やかな表在呼吸[Szereda-Przestaszewskaら、Respir. Physiol., 101:231-237 (1995)]が引き起こされた。

0031

ネコでの研究で、選択的5-ヒドロキシトリプタミン3受容体アゴニストである2-メチル-5-ヒドロキシトリプタミンは、無呼吸を引き起こした[Butlerら、Br. J. Phammacol., 94:397-412 (1988)]。セロトニン、2-メチル-5-ヒドロキシトリプタミン、または5-ヒドロキシトリプタミン2受容体アゴニストであるα-メチル-5-ヒドロキシトリプタミン(高投与量)を静脈内投与すると一過性の無呼吸が生じ、その期間は用量依存的に増加した。この応答は、選択的5-ヒドロキシトリプタミン3受容体アンタゴニストであるGR38032F(1,2,3,9-テトラヒドロ-9-メチル-3-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]カルバゾール-4-オン塩酸塩二水和物)によって[Butlerら、Br. J. Pharmacol., 94:397-412 (1988); Haganら、Eur. J. Pharmacol., 138:303-305 (1987)]、また5-ヒドロキシトリプタミン2受容体アンタゴニストであるケタンセリン及びメチルセルジドによっても[Yoshiokaら、J. Pharmacol. Exp. Ther., 260:917-924 (1992)]有意に拮抗された。新生ラットで、セロトニン前駆体であるL−トリプトファン(中枢でのセロトニン生合成を活性化する)の投与により、時として中枢性無呼吸を伴う閉塞性無呼吸の反復的な発症が認められた[Hilaireら、J. Physiol., 466:367-382 (1993); Morin、Neurosci. Lett., 160:61-64 (1993)]。

0032

上述した研究によって、無呼吸の発症にセロトニンが関与していることについての重要な情報が明示されたが、これらの研究の全てにおける一つの重要な問題点は、前記のとおり動物が麻酔をかけられていることであり、しかして得られた結果のいずれによっても、特定のセロトニンアゴニストまたはアンタゴニストに原因を帰することができず、すなわち、麻酔または麻酔に関わる異常な生理状態との関連が度外視され得なかった。

0033

セロトニン受容体における活性もまた、自発性睡眠関連中枢性無呼吸を促進するかもしれず、これはラットで報告されている[Mendelsonら、Physiol. Behav., 43:229-234 (1988); Satoら、Am. J. Physiol., 259:R282-R287 (1990); Montiら、Pharmacol. Biochem. Behav., 125-131 (1995); Montiら、Phamracol. Biochem. Behav., 53:341-345 (1996); Thomasら、J. Appl. Physiol., 78:215-218 (1992); Thomasら、J. Appl. Physiol., 73:1530-1536 (1995); Carleyら、Sleep, 19:363-366 (1996); Carleyら、Physiol. Behav., 59:827-831 (1996); Radulovackiら、Sleep, 19:767-773 (1996); Christonら、J. Appl. Physiol., 80:2102-2107 (1996)]。この仮説を検証すべく、NREM睡眠及びREM睡眠中の自発性無呼吸の発現を、セロトニン受容体の遮断阻害するかどうかを評価するために、自由運動をしている動物でのセロトニンアンタゴニストの効果を調べる実験が行われた。末梢のセロトニン受容体でのセロトニン作動性活性の増大が睡眠時無呼吸を促進するかどうかを評価するために、自由運動をしている動物でのセロトニン及びセロトニンアンタゴニスト(単独と組合せ)の効果を調べる実験も行われた。

0034

以下の実施例は、セロトニン受容体アンタゴニスト(とりわけGR38032F)の投与が、非急速眼球運動(NREM)中と、特に急速眼球運動(REM)睡眠中の中枢性無呼吸の抑制を引き起こす効果を例証するものである。この効果は、呼吸駆動の増大を付随したが、試験を行った投与量では心血管に変化をきたすことはなかった。

0035

以下の実施例はまた、セロトニン投与が自発性無呼吸の発現を誘導する効果も示しており、これは完全に、セロトニン受容体アンタゴニスト(とりわけGR38032F)の投与を介して完全に拮抗された。

0036

以下の実施例はさらに、睡眠関連呼吸障害を成功裡に予防または寛解するのに最も適した単一薬剤または複数薬剤の組合せに対する薬理学的概略すなわち、
(a)5-ヒドロキシトリプタミン2もしくは5-ヒドロキシトリプタミン3受容体サブタイプアンタゴニスト活性のいずれか、または双方を含む単一薬剤または複数薬剤の組合せ;
(b)5-ヒドロキシトリプタミン1もしくは5-ヒドロキシトリプタミン2受容体サブタイプアゴニスト活性のいずれか、または双方に併せて、5-ヒドロキシトリプタミン2もしくは5-ヒドロキシトリプタミン3受容体サブタイプアンタゴニスト活性のいずれか、または双方を含む単一薬剤または複数薬剤の組合せ;あるいは
(c)α2アドレナリン性受容体サブタイプアンタゴニスト活性と併せて、5-ヒドロキシトリプタミン2もしくは5-ヒドロキシトリプタミン3受容体サブタイプアンタゴニスト活性のいずれか、または双方を含む単一薬剤または複数薬剤の組合せ、も明らかにするものである。

0037

本発明のさらなる特徴と実施態様は、当業者にとって明らかであろう。

0038

本発明が充分に理解されることを目的として、限定でなく単なる例示をするだけのために、以下の実施例を提供する。

0039

実施例1には、セロトニンアンタゴニストもしくはアゴニストのいずれか、またはそれら双方を用いた処置用の動物の調製、そしてその後行った生理学的記録と試験を記載する。

0040

実施例2には、処置動物及び対照動物の生理学的記録のための方法と、セロトニンアンタゴニストの投与から得られる結果を記載する。

0041

実施例3には、セロトニン投与の後にセロトニン受容体アンタゴニストの投与を行って得られた結果を記載する。

0042

実施例4には、睡眠関連呼吸障害を有効に抑制または予防するために使用される、特定のセロトニン関連薬理活性を有する薬剤または組成物を記載する。

0043

以下の実施例は、本発明の特徴を例証するものであるが、本発明を限定するものとして理解されるべきでないことはもちろんである。

0044

[実施例1:生理学的試験及び記録のための動物の調製]
成体の、雄性Sprague-Dawleyラット(Sasco-King, Wilmington,マサチューセッツ州;通常、1試験群につき8匹;300g)を、12時間明所(8:00〜20:00)/12時間暗所(20:00〜8:00)のサイクルに1週間、個々のゲージに入れて食物及び水を随意に摂取できるようにして維持した。順化させた後、動物を以下の外科的手技に付した。

0045

順化された動物を、脳波(EEG)を記録するための皮質電極と、筋電図(EMG)を記録するための頚筋電極とを移植すべく、1mg/kg体重の容量にてケタミン(Vedco, Inc.、St. Joseph、ミズーリ州;100mg/ml)及びアセチルプロマジン(Vedco, Inc.、St. Joseph、ミズーリ州;10mg/ml;4:1、容量/容量)混合液を用いて麻酔した。頭蓋の表面を外科的に露出させ、過酸化水素の20%溶液と、次いで95%イソプロピルアルコールの溶液を用いて清浄化した。次に、フッ化ナトリウム歯科用薬剤(Flura-GEL(登録商標)、Saslow Dental、Mt. Prospect、イリノイ州)を適用して、頭頂の皮質上の頭蓋を固化し、所定位置に5分間保持させた、フッ化物合物は次いで、頭頂の皮質上の頭蓋から除去した。4つのステンレス鋼製小ネジからなるEEG電極は、それにリード線が取り付けられており、頭頂の皮質を覆う硬膜上に留置するよう、頭蓋内へと貫入させた。Justi(登録商標)樹脂接合剤(Saslow Dental、Mt. Prospect、イリノイ州)の薄層を、インプラント接着をさらに促進するために(頭蓋内に移植されたネジの)ネジ山周辺頭蓋を覆うように適用した。2つの球形の金属線からなるEMG電極は、左右両側の頚筋肉組織内に挿入した。すべてのリード線(すなわち、EEG及びEMGリード線)は、微小コネクタ(39F1401、Newark Electronics、Schaumburg、イリノイ州)にハンダ付けした。最後に、アセンブリ全体を、歯科用接合剤を用いて頭蓋に固定した。

0046

手術後、血圧(BP)と脈拍の間隔として推算される心周期(heart period、HP)とをモニターするための、ラジオテレメトリ送信器(TA11−PXT、Data Sciences International, St. Paul、ミネソタ州)の移植にかかる、さらなる手術に付すまでの1週間、すべての動物を回復させた。動物は前記のとおりに麻酔し、状下空間(subxiphoid space)から骨盤までの毛を剃毛した。領域全体ヨード消毒し、そしてアルコール及び生理食塩水で濯いだ。4〜6cmの正中線腹部切開を行って、大動脈分岐から腎動脈までの領域を良好に明視化できるようにした。腹部の中身見えるようにするために開創器を使用し、そして腸は生理食塩水で湿らせたガーゼスポンジを用いて後方に留置した。無菌綿のアプリケータを用いて、大動脈を周囲の脂肪及び結合組織から切り放した。3−0の縫合線を、大動脈の真下に載置し、血流を制限するためにその縫合線に牽引力を付した。次いで、斜端部で屈曲させた21ゲージ針を使用して分岐点のすぐ頭側で大動脈を穿孔する間、インプラント(TA11−PXT)を鉗子によって保持した。薄肉Pセンサー部分が容器内に至るまでのガイドとして針を用いて、カテーテルの先端を針の下に挿入した。最後に、1滴の組織用接着剤(Vetbond(登録商標)、3M、Minneapolis、ミネソタ州)を穿孔部位に適用し、カテーテル挿入後の孔を密封するために小さな四角セルロース繊維(およそ5mm2)を用いて被覆した。3-0の絹縫合線によって腹壁にラジオインプラントを接着し、切開部は層をなすように(in layers)閉止した。第二回目の手術の後、セロトニン受容体アンタゴニストの投与とそれに続く生理学的記録に先駆けて、動物を再び1週間回復させた。

0047

[実施例2:生理学的記録及び無呼吸の抑制]
各々の動物からの生理的パラメータ(下記のとおり)は、任意の順序で2回記録し、個々の動物に対する記録は、少なくとも3日間離すこととした。各記録のそれぞれ15分前に、動物に生理食塩水(対照)、または1mg/kgのオンダンセトロン(GR38032F;1,2,3,9-テトラヒドロ-9-メチル-3-[(2-メチルイミダゾール-1-イル)メチル]カルバゾール-4-オン、塩酸塩、二水和物;Glaxo Welcome, Inc.、Research Triangle Park、ノースカロライナ州))のいずれかの全身注射を行った。ポリグラフの記録を、10:00〜16:00に行った。

0048

各動物を非拘束下に、流速2L/分にて新鮮な空気のバイアス流れでの換気をした単一チャンバープレチスモグラフ(PLYUN1R; Buxco Electronics, Sharon,コネチカット州;容積インチ×10インチ×6インチ)の中に入れることによって呼吸を記録した。動物のコネクタに差し込んで密封ポートを通したケーブルを使用して、頭部インプラントからの生体電気活性を伝えた。呼吸、血圧、EEG活性、及びEMG活性はビデオモニターに表示し、そして同時に1秒あたり100回デジタル化して、コンピューターディスクに保存した(Experimenter's Workbench; Datawave Technologies, Longmont,コロンビア州)。

0049

睡眠及び覚醒状態は、Bennington ら[Sleep, 17:28-36 (1994)]によって報告されているとおり、10秒の間(epoch)ずつの両頭頂骨EEG及び背頸部EMGシグナルを使用して評価した。このソフトウェアは、随伴する高EMGトーンと共に低振幅のEEGとして覚醒(W)を、EMGトーンの減少と一緒紡錘及びシータ活性の増大によってNREMを、そしてシータ活性に対するデルタ活性の比率減少及びEMGトーンの欠如によってREM睡眠を、判別した。睡眠効率は、NREMまたはREM睡眠として段階を画した総記録時間(epoch)の百分率として測定した。

0050

承認されている自発性睡眠時無呼吸の生理的動物モデル[ラット;Montiら、Pharamcol. Biochem. Behav., 51:125-131 (1995)]を使用して、GR38032Fの効果を評価した。さらに詳細には、少なくとも2.5秒の間の呼吸労作の停止として定義される睡眠時無呼吸が、各記録セッションに対して評点され、そしてそれらが起こる睡眠の段階:NREMまたはREM睡眠と関連付けられた。2.5秒の持続時間要件は、少なくとも2回の「欠失(missed)」呼吸を表しており、従ってこれはヒトにおける10秒の無呼吸持続時間要件に類似し、やはり2〜3回の呼吸の欠失を反映している。閉塞または閉鎖気道に関係した換気量の減少は、休止よりむしろプレチスモグラフのシグナル増大をもたらすはずであるので、検出された事象は中枢性無呼吸を表している。一段階中の時間あたりの無呼吸回数として定義される無呼吸指数(AI)を、NREM及びREM睡眠に対して別々に定量した。睡眠段階(NREM対REM)と注射(対照(コントロール)対GR38032F)の効果は、反復測定ANOVAを使用して試験した。多重比較については、フィッシャーの保護最小有意差(PLSD)を使用して制御した。加うるに、各呼吸の時期と容量は、自動分析(Experimenters' Workbench; Datawave Technologies, Longmont,コロンビア州)によって評点した。各動物につき、平均呼吸回数(RR)及び分時換気量(MV)を、6時間の制御記録中ずっと覚醒(W)に関して算定して、その動物での睡眠中とGR38032F投与中の呼吸のベースラインとして使用した。ノンパラメトリック(Kruskal-Wallis)分析により、一方向ANOVAも実施した。パラメトリック及びノンパラメトリックANOVAを用いた結果は、すべての事例で同じであった。

0051

同様のソフトウェア(Experimenters' Workbench; Datawave Technologies, Longmont,コロンビア州)を使用して血圧の波形を分析し、各記録時の各拍動数、収縮期(SBP)及び拡張期(DBP)血圧と脈拍間隔を測定した。脈拍間隔によって、HPの拍動ごと概算値が求められる。平均BP(MBP)は、各拍動に対するSBP及びDBPの重み付き平均に従って、各拍動:MBP=DBP+(SBP−DBP)/3で概算した。各拍動に対するパラメータも、睡眠/覚醒状態とそれらが生じているあいだの記録時間に従って分類した。

0052

セロトニンアンタゴニストGR38032Fの投与による、ポリグラフでの記録をしている6時間のあいだのNREM睡眠の時間あたりの無呼吸の回数に及ぼす結果から(図1参照)、処置または6時間の時間による有意な効果は立証されなかった(二方向ANOVA)。しかしながら、対応t検定によって(p<0.01)調べると、記録の最初の2時間のあいだでは無呼吸の有意な抑制が認められた。この呼吸への効果は、図2に示す最初の2時間のあいだのGR38032FによるNREM睡眠の有意な抑制に関わっていた。記録をした6時間のNREM睡眠のパーセンテージは、対照よりもGR38032F投与ラットで低かったが、その減少は、記録をした最初の2時間のあいだのみ統計的有意に至っていた(p<0.001)。

0053

さらに結果から、6時間の記録時間中ずっと、REM睡眠時無呼吸に対してGR38032Fの有意な抑制効果が示された(二方向ANOVAで薬物の高価につきp=0.01;図3参照)。この効果は、記録した最初の4時間のあいだが特に顕著であり、その際REM睡眠時中に単自発性無呼吸を呈した動物はいなかった。この効果は、最初の4時間のあいだのREMの抑制を単に反映したものというのではなかった。

0054

図4に表す結果は、GR38032FがREM睡眠に有意に影響しなかったことを示している。薬物処置動物でのREM睡眠は、対応する対照での場合よりも低かったが、記録時間全体でも、またはいずれの記録時間でも統計的有意に至っていなかった。

0055

W(覚醒)、NREM(非急速眼球運動)睡眠、及びREM(急速眼球運動)睡眠中の、正規化分時換気量に対するGR38032Fの投与の結果(図5)は、すべての行動状態の際の換気の有意な刺激を示唆するものである(それぞれについてp=0.03)。最後に、実験結果から、GR38032Fは測定されたいかなる心血管変数(W、NREM及びREM睡眠中のMBP及びHP)に対してもまったく効果を有しなかったことが示唆されている(各変数についてp>0.01;表1を参照のこと)。

0056

0057

これらの結果の全体から、セロトニン作動性システムの操作が、REM及びNREM睡眠の双方において中枢性無呼吸の発生に強い作用を発揮することができることが示唆される。特に、本発明での知見から、5-ヒドロキシトリプタミン3受容体アンタゴニストの全身投与が自発性無呼吸の発現を抑制し、腹腔内注射後少なくとも4時間、REM関連無呼吸を完全に消滅させることが示されている。この無呼吸抑制は、覚醒及び睡眠中双方での分時換気量増大として観察される全般的な呼吸刺激に関連するものであった。これらの有意な呼吸への効果は、呼吸が最大となった最初の2時間のあいだでも、心拍数または血圧に変化を来さない投与量で観察された。当業者には、例として挙げることができるセロトニン受容体アンタゴニストには、(a)ケタンセリン、シナンセリン、LY-53,857、メテルゴリン、LY-278,584、メチオテピン、p-NPPL、NAN-190、ピペラジン、SB-206553、SDZ-205,557、3-トロパニル-インドール-3-カルボキシレート、3-トロパニル-インドール-3-カルボキシレートメチオダイド、及びメチルセルジド(Research Biochemicals, Inc., Natick,マサチューセッツ州);(b)リスペリドン(Janssen Pharmaceutica, Titusville,ニュージャージー州);(c)シプロヘプタジン、クロザピン、ミアンセリン、及びリタンセリン(Sigma Chemical Co., St. Louis, ミズーリ州);(d)ならびにグラニセトロン(SmithKline Beecham, King of Prussia,ペンシルニア州)が包含されるがこれらに限定されることはない;ならびに他のセロトニン受容体アンタゴニストを使用して、睡眠関連呼吸障害を予防または寛解するために使用し得ることが認識されるはずである。さらに、当業者であれば上述の結果が、他の哺乳動物、特に霊長類(例えば、ヒト)でも容易に相関され得ることも認識するであろう。

0058

[実施例3:睡眠関連呼吸の誘導及び抑制]
セロトニンまたはセロトニン類似体の投与で、いくつかの種の麻酔をかけた動物における様々な呼吸応答が生じた(発明の詳細な説明の「発明を実施するため最良の形態」の欄で、前記したとおり)。実施例2に示すように、選択的5-ヒドロキシトリプタミン3受容体アンタゴニストであるGR38032Fを1mg/kg腹腔内投与すると、自発中枢性無呼吸が抑制された。この効果は、特にREM睡眠において顕著であり、この際注射後少なくとも4時間、無呼吸は完全に消滅した。GR38032Fの無呼吸抑制効果は、呼吸駆動の増大に平衡したものであるが、BP及び心拍数の変化は、試験を行った投与量で認められなかった。

0059

GR38032Fによる、自然の睡眠中の自発性無呼吸の抑制(実施例2を参照のこと)は、麻酔をかけたラットにおける以前の研究(5-ヒドロキシトリプタミン及び選択的5-HT3受容体アゴニストである2-メチル-5-ヒドロキシトリプタミンが、GR38032Fによって拮抗された中枢性無呼吸を刺激した)と矛盾しないものである。5-ヒドロキシトリプタミンは血液脳関門(BBB)を貫通しないので、これらの結果(過去の研究から得られたもの)は、末梢5-ヒドロキシトリプタミン受容体(より詳細には5-ヒドロキシトリプタミン3受容体)が、中枢性無呼吸の発症を刺激するらしいことを示唆するものである。麻酔動物で実施されたかかる研究と、さらに自由運動をしているラットでのGR38032F投与に関する本願発明者らの研究(実施例2に前記したとおり)に鑑みて、本願発明者らは、増大した末梢5-ヒドロキシトリプタミン受容体でのセロトニン作動性活性(より詳細には5-ヒドロキシトリプタミン3受容体)が自発性睡眠関連中枢性無呼吸を促進する能力と、無呼吸の何らかの誘導が5-ヒドロキシトリプタミン受容体アンタゴニストの投与による拮抗作用感受性であるのかどうかを調べた。

0060

10匹の成体雄性Spargue-Dawleyラット(Sasco-King, Wilmington,マサチューセッツ州;300g)を、12時間明所(8:00〜20:00)/12時間暗所(20:00〜8:00)のサイクルに1週間、個々のゲージに入れて食物及び水を随意に摂取できるようにして維持した。1週間順化させた後、実施例1に記載したとおりに外科術(すなわち、EEG記録のための皮質電極及びEMG記録のための頚筋電極の移植、BP及びHPモニターのためのラジオテレメトリー送信器の移植)を施すことにより、生理試験のために動物を調製した。外科的施術完了の後、本研究で使用するに先駆けて1週間、動物に回復期間を与えた。

0061

各動物は、4回記録し、個々の動物に対する記録は、少なくとも3日間離すこととした。各記録の前15分に、各動物は任意の順序で以下のうちいずれか一つを(腹腔内注射により)与えられた:(a)生理食塩水溶液(対照);(b)0.79mg/kgセロトニン;(c)0.1mg/kg GR38032Fプラス0.79mg/kgセロトニン;または(d)0.1mg/kg GR38032F。GR38032F+セロトニン試験群については、0.1mg/kg GR38032Fを9:30に投与し、その後9:45に0.79mg/kgセロトニンを投与した。ポリグラフの記録は、10:00〜16:00に行った。

0062

呼吸BP、EEG、及びEMGデータを調べて、実施例2に詳細に前記したような実験法によって定量及び記録した。実施例2におけるとおり、少なくとも2.5秒間の呼吸労作の停止として定義される睡眠時無呼吸を、各記録セッションに対して評点して、それが発症した状態(NREMまたはREM睡眠)との関連づけをした。2.5秒の持続時間要件は、少なくとも2回の「欠失(missed)」呼吸を表し、これはヒトにおける10秒の無呼吸持続時間要件に類似するものである。

0063

睡眠段階(NREM対REM)及び注射(対照対セロトニン単独、GR38032F+セロトニン、またはGR38032F単独のいずれかの投与)による無呼吸指数、呼吸パターンBP、及びHPに対する効果を、反復測定での分散分析(ANOVA)を使用して調べた。多重比較は、フィッシャーの保護最小有意差(PLSD)を使用して制御した。ノンパラメトリック(Kruskal-Wallis)分析により、一方向ANOVAも実施した。パラメトリック及びノンパラメトリックANOVAを用いた結果は、すべての場合で同様であった。

0064

セロトニン単独(0.79mg/kg)、GR38032F(0.1mg/kg)+セロトニン(0.79mg/kg)、またはGR38032F単独(0.1mg/kg)のいずれかの投与による、6時間のポリグラフの記録中のNREM睡眠での自発性無呼吸促進能に対する結果を、図6に示す。詳細には、NREM睡眠中に、自発性無呼吸指数はいずれの薬物投与によっても影響を受けなかった。

0065

図7に示すとおり、REM睡眠中の自発性無呼吸の発現は、対照での記録に比してセロトニンの投与後に有意に増大(>250%増大)した。この実験の結果からも、かかる増大がGR38032Fの前投与によって消滅したことが示される。試験をした低投与量(0.1mg/kg)では、GR38032Fの投与はREM睡眠時自発性無呼吸に対して効果を有していなかった。

0066

表2に示す(薬物投与後6時間のポリグラフ記録中の覚醒、NREM、及びREM睡眠のパーセンテージ)ように、セロトニン単独、GR38032F+セロトニン、またはGR38032F単独の腹腔内投与は睡眠構造に対してなんら影響を示さなかった。最後に、試験をした処置群で、RR、VE、平均BP、HP、またはPS無呼吸指数に対して有意な効果を有したものはなかった(データは示さず)。

0067

0068

これらの結果全体として、末梢セロトニン受容体の操作が、REM睡眠中の中枢性無呼吸の発生に強い影響を及ぼすことが示される。特に本発明での結果、セロトニンの全身投与が睡眠における自発性無呼吸の発現を増大させることが示されている。用いたセロトニンの投与量では睡眠、心血管変数、RR、またはVEに対して効果を有さなかったが、REM関連自発性無呼吸指数は250%を上回るまでに増大した。さらに、NREM無呼吸は影響をうけないので、無呼吸の発生の機構は少なくとも部分的に睡眠状態に特異的であることに注目することが重要である。

0069

これらの知見は、様々な投与量での5-ヒドロキシトリプタミン3アゴニスト及びアンタゴニストの外来性投与によって、REM関連に特異的な無呼吸の発現の変化が生み出されることを立証するものである。かかる知見は、特にREM睡眠中の無呼吸の発現を変調させるのに、内在性セロトニン作動性活性に対して生理的な役割があることを示唆するものである。さらに、セロトニンは血液脳関門を通過しないので、セロトニンがGR38032Fと反対の効果を発揮するという知見は、関連する受容体が末梢神経系に位置していることを示唆する。さらに、本発明でのデータから、生理的レベルを超える(supraphysiologic)レベルのセロトニンの無呼吸に対する作用は、低投与量(0.1mg/kg)のGR38032Fを用いた前処置(無呼吸を含めた測定パラメータのいずれにも独立した効果を有しなかった)が、無呼吸の発現に対する外来性セロトニンの効果を完全に阻止するという点において、受容体を媒介するものであることを示唆する。

0070

前記のデータに鑑みて、観察されたセロトニン投与による無呼吸促進効果に対する作用の見込みの高い末梢部位は、迷走神経節状神経節(nodose ganglia)であると考えられる。さらに詳細には、様々な研究から、ベツォルト・ヤーリッシュ反射の無呼吸要素が、ネコ[Jacobsら、Circ. Res., 29: 145-155 (1971), Sampsonら、Life Sci., 15:2157-2165 (1975), Sutton, Pfllugers Arch., 389: 181-187 (1981)]及びラット[Yoshiokaら、J. Pharmacol. Exp. Ther., 260:917-924 (1992) 及びMcQueenら、J. Physiol, 5073:843-855 (1998)]の下神経節でのセロトニンの作用に起因すると結論付けられている。セロトニンまたは5-ヒドロキシトリプタミン3受容体アゴニストの静脈内投与もまた、無呼吸応答に有意に寄与し得る、の迷走神経受容体を刺激する[McQueenら、J. Physiol., 5073:843-855 (1998)]。

0071

種間の相違があるかもしれないが[Blackら、Am. J. Physiol., 223:1097-1102 (1972)]、ラットでの様々な研究で、迷走神経シグナル伝達に対する影響に加えて、セロトニンは頚動脈小体化学受容体の発射(firing)の増大[McQueenら、J. Physiol., 5073:843-855 (1998); Sapruら、Res. Comm. Chem. Pathol. Pharmacol., 16:245-250 (1977); Yoshioka, J. Pharmacol. Exp. Ther., 250:637-641 (1989)及びYoshiokaら、Res. Comm. Chem. Pathol. Pharmacol., 74:39-45 (1991)]及びVEの増大[McQueenら、J. Physiol., 5073:843-855 (1998); Sapruら、Res. Comm. Chem. Pathol. Pharmacol., 16:245-250 (1977)]をも惹起することが立証されている。化学受容体により媒介される無呼吸に対する効果を度外視することはできないが、McQueenら、J. Physiol., 5073:843-855 (1998)のデータは、麻酔動物において化学受容体活性化が無呼吸発症に反駁する一方で、静脈内セロトニンが迷走神経経路を介しての無呼吸を惹起することを強く示唆している。

0072

麻酔動物で、セロトニンによって誘導されるベツォルト・ヤーリッシュ反射には、無呼吸及び徐脈が含まれている。使用した投与量において、セロトニンは記録をした6時間にわたり、心拍数または平均BPのいずれにも変化を惹起しなかった。変化の係数として評価された、ビートトゥビート心拍数及びBP変数もまた、試験をした投与量でセロトニンにより影響されていなかった。観察されたセロトニンに対する、心血管の解離及び呼吸応答は、無呼吸の発現における変化が圧受容器を媒介したものではないことを示唆している。

0073

麻酔動物におけるベツォルト・ヤーリッシュ反射と、セロトニンで誘導されるREM睡眠中の無呼吸とは同じ現象ではないが、それらは同じ機構に関連するのかもしれない。セロトニン受容体が外来手段(すなわち、セロトニン作動性アゴニストまたはアンタゴニストのいずれかを用いて)によって強く操作される場合、REM睡眠での自発性無呼吸の発現は、増幅または抑制され得る。しかしながら1mg/kgのGR38032FがREM無呼吸を有意に抑制するという、本願発明者らの観察は、無呼吸発現の末梢性調節における5-ヒドロキシトリプタミン2,または5-ヒドロキシトリプタミン受容体サブタイプに対する役割を妨げるものでなく、そして実際に本発明で、タイプ2及びタイプ3受容体アンタゴニズムの双方を呈するセロトニンアンタゴニストだけでなく、5-ヒドロキシトリプタミン2及び5-ヒドロキシトリプタミン3の単独または併用での使用をも企図するものである。

0074

ヒトにおけると同様に、ラットでの無呼吸の頻度は、深い徐波睡眠から軽いNREM睡眠へ、REM睡眠へと増大することは、よく確立されている[Mendelsonら、Physiol. Behav., 43:229-234 (1988); Satoら、Am. J. Physiol., 259:R282-287 (1990); Montiら、Pharmacol. Biochem. Behav., 51:125-131 (1995); Montiら、Pharmacol. Biochem. Behav., 53:341-345 (1996); Thomasら、J. Appl. Physiol., 73:1530-1536 (1992) 及び Thomasら、J. Appl. Physiol., 78:215-218 (1995)]。REM睡眠中の無呼吸発現の率が高いのは、この睡眠状態中に起こる呼吸の変化に関連しているのかもしれない。典型的には、REM睡眠中に呼吸は浅く不規則になり[Oremら、Respir. Physiol., 30:265-289 (1977); Phillipson、Annu. Rev. Physiol., 40: 133-156 (1978); Sieckら、Exp. Neurol., 67:79-102 (1980) 及び Sullivan、Oremsら編の、"Physiology in sleep," Academic Press, New York, NY, 213-272頁 (1980)]、そしてVEは最低値となる[Hudgelら、J. Appl. Physiol., 56:133-137 (1984)]。この、自律神経活性の強い相動性変化に伴う呼吸出力低下の背景[Manciaら、Oremら編の、"Physiology in sleep," Academic Press, New York, NY, 1-55頁 (1980)]は、REM睡眠中の呼吸ホメオスタシスを、無呼吸による中断により脆弱性のものとしてしまうはずである。かように、REM無呼吸の発症における末梢神経系でのセロトニン活性の役割は、特に迷走神経での呼吸求心性活性(respiratory afferent activity)の緊張性または相動性活性のセロトニン作動性の変調から生じるものかもしれない。従って、脳幹呼吸統合領域は、REM睡眠中の変動的な求心性入力に対して、より脆弱性とならしめられているのかもしれない。

0075

全体として、本明細書中に示した結果は、末梢に投与されたセロトニンによって生み出されるREM睡眠中の自発性無呼吸の増悪は、受容体によって媒介されるものであることを示唆する。かかる知見はまた、基準条件下で睡眠時無呼吸の発現を変調させる上での、末梢神経系における内在性セロトニンに対する生理的役割をも示唆するものである。
[実施例4:睡眠時無呼吸の抑制または予防]
本明細書に開示したデータにより示唆されるとおり(実施例2及び3を参照されたい)、セロトニンは無呼吸の発症に重要且つ不可欠な役割を果たしており、これは部位及び受容体サブタイプの双方について特異的なものである。さらに詳細には、無呼吸を抑制するセロトニン受容体アンタゴニストの効率は、末梢神経系におけるその活性に基づいており、迷走神経の節状神経節が、決定的な標的部位であるらしい。この部位にある5-ヒドロキシトリプタミン2及び5-ヒドロキシトリプタミン3受容体は、麻酔動物においてセロトニンによって誘導された無呼吸に関係していることは明瞭である[Yoshiokaら、J. Pharmacol. Exp. Therp., 260:917-924 (1992)]。これら従前の知見と組み合わせて、本明細書にて示される(厳密に末梢神経系に対するセロトニンの投与は睡眠関連呼吸を増悪するという)データは、睡眠時無呼吸の病因における両タイプの節状神経節セロトニン受容体の重要性を示唆するものである。さらに、セロトニンによって誘導される無呼吸発現の増大は、低投与量のGR38032F、5-ヒドロキシトリプタミン3アンタゴニストによって完全に阻止された。このような結果は、先に立証されていたGR38032Fによる無呼吸の抑制(実施例2を参照されたい)が、ほぼ十中八九は、末梢神経系での活性に起因することを示唆している。

0076

従って、如上の睡眠関連呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群、未熟児の無呼吸、チェーン・ストークス呼吸、睡眠関連換気過小症候群)が、セロトニンタイプ2またはタイプ3受容体アンタゴニズムのいずれか呈する薬物を単独または組み合わせて、さらにセロトニンタイプ2及びタイプ3受容体アンタゴニズムの双方を呈する薬剤も、全身投与することによって、有効に予防または抑制され得るのである。

0077

睡眠関連呼吸障害の予防または抑制のための有効な処置には、5-ヒドロキシトリプタミン2または5-ヒドロキシトリプタミン3受容体アゴニストを、単独または組み合わせて全身投与することが包含される。好ましい実施態様において、セロトニン受容体アンタゴニストは、末梢神経系においてのみ活性を有し、且つ/または血液脳関門を通過しない。さらに好ましい実施態様において、セロトニン受容体アンタゴニストは、5-ヒドロキシトリプタミン2及び5-ヒドロキシトリプタミン3受容体サブタイプのアンタゴニズムを呈するものである。

0078

睡眠関連呼吸障害のための現状での薬理学的処置には、中枢神経系(特に脳幹)内でのセロトニンアゴニスト効果を介した、無呼吸の抑制も包含される。事実、セロトニン増強薬物が、もともと睡眠時無呼吸症候群のための薬理学的処置として試験されたのは、それらが呼吸及び上気道運動の出力を刺激する能力に鑑みたものであった。初期一報告によって、L−トリプトファン、セロトニン前駆体が、睡眠時無呼吸症候群に対して有益な効果を有し得ることが示唆された[Schmidt、Bull. Eur. Physiol. Respir., 19:625-629 (1982)]。さらに最近、フルオキセチン[Hanzelら、Chest., 100:416-421 (1991)]及びパロキセチン[Kraicziら、Sleep, 22:61-67 (1999)](双方とも、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)である)は、睡眠時無呼吸症候群の患者の全てでないにしてもいくらかに恩恵をもたらすことが立証された。加えて、セロトニン前駆体及び再取り込み阻害剤の組合せが、睡眠時無呼吸症候群のイングリッシュ・ブルドッグ・モデルにおける睡眠呼吸障害を低減した[Veaseyら、Sleep Res., A529; 1997 及び Veaseyら、Am. J. Resp. Crit. Care Med., 157:A655 (1997)]。しかしながら、研究を継続中であるが、これら初期の、セロトニン増強薬物についての有望な結果は、再現されていない。

0079

セロトニン増強薬物を用いた、前記の試みは、無呼吸の処置におけるセロトニン前駆体またはSSRIの利用の潜在性は、厳密にそれらの中神経系への効果にかかっていることを示唆するものである。従って、これらの化合物の無呼吸の処置での再現性のある効果が立証されていないのは正に、末梢神経におけるSSRIのセロトニン増強効果が未だ確認されていないままであるためである。事実、特異的5-ヒドロキシトリプタミン1Aアゴニストであるブスピロンは、呼吸を刺激するが[Mendelsonら、Am. Rev. Respir. Dis., 141:1527-1530 (1990)]、睡眠時無呼吸症候群の5名の患者のうち4名で無呼吸指数を低減すること[Mendelsonら、J. Clin. Psychopharmacol., 11:71-72 (1991)]、そして1名の小児で手術後の持続性吸息呼吸を消滅させること[Wilkenら、J. Pediatr., 130:89-94 (1997)]が示されている。ブスピロンは全身に作用するが、末梢神経系の5-ヒドロキシトリプタミン1受容体が無呼吸発症に役割を果たすことは示されていない。ブスピロンによって誘導される穏やかな無呼吸の抑制は、末梢神経系におけるセロトニン作動性効果によって対抗されずにすむ中枢神経系の効果なのである。

0080

睡眠時無呼吸症候群を処置するためにフルオキセチンまたはパロキセチンなどのSSRIを使用することに対する理論的根拠は、それらが上気道運動出力を刺激する能力に一部かかっている。第4心室の底部へのセロトニンの適用[Roseら、Resp. Physiol., 101:59-69 (1995)]または舌下運動核内へのセロトニンの適用[Kubinら、Neurosci. Lett., 139:243-248 (1992)]は、ネコで上気道運動の活性化、つまり5-ヒドロキシトリプタミン2受容体によって優先的に媒介されると考えられる効果をもたらすのである。逆に、イングリッシュ・ブルドッグへの5-ヒドロキシトリプタミン2受容体アンタゴニストの全身投与では、上気道筋の電気的活性が低減され、上気道の断面面積が小さくなって閉塞性無呼吸が促進される[Veaseyら、Am. J. Cnit. Care Med., 153:776-786 (1996)]。これらの観察から、SSRI処置に続くいくらかの患者において観察される睡眠時呼吸障害の改善に対する可能性のある説明が導かれる。

0081

本明細書に示したデータ(実施例2及び3)と前記観察とを併せて、睡眠関連呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群、未熟児の無呼吸、チェーン・ストークス呼吸、睡眠関連換気過小症候群)が、
(a)セロトニンタイプ2もしくはタイプ3受容体アンタゴニズムのいずれかを呈する単一薬剤または複数薬剤の組合せ(単独または相互の組合せ)及び/または5-ヒドロキシトリプタミン1もしくは5-ヒドロキシトリプタミン2受容体アゴニストとの組合せ;
(b)セロトニンタイプ2及びタイプ3受容体アンタゴニズムの双方を呈する単一薬剤または複数薬剤の組合せと、5-ヒドロキシトリプタミン1もしくは5-ヒドロキシトリプタミン2受容体アゴニストとの組合せ;または
(c)適切なアンタゴニスト及びアゴニストの薬理学的特性双方を呈する薬剤(すなわち、前記の受容体サブタイプにてアゴニスト及びアンタゴニストの双方である薬剤)
の全身投与を介して有効に予防または抑制され得ることが明らかである。
好ましい実施態様に含まれるのは、
(a)セロトニンアゴニストが、中枢性のセロトニン作動性作用のみを呈する、薬剤もしくは薬剤の組合せ;
(b)セロトニンアゴニストが、中枢性の5-ヒドロキシトリプタミン2作用のみを呈する薬剤もしくは薬剤の組合せ;
(c)セロトニンアンタゴニストが末梢作用のみを呈し、一方セロトニンアゴニストが中枢性セロトニン作動性作用のみを呈する、薬剤もしくは薬剤の組合せ;
(d)中枢神経系のセロトニン遊離を誘導する能力を有し、且つ前記したアンタゴニスト(すなわち、5-ヒドロキシトリプタミン2及び5-ヒドロキシトリプタミン3受容体アゴニストの双方)の特性を保有する、薬剤もしくは薬剤の組合せ;または
(e)中枢神経系のセロトニン遊離を誘導する能力を有し、且つ末梢性アンタゴニスト効果のみを保有する薬剤もしくは薬剤の組合せである。

0082

当業者であれば、8-OH-DPAT(8-ヒドロキシ-2-(ジ-n-プロピルアミノ)テトラリン)、スマトリプタン、L694247(2-[5-[3-(4-メチルスルホニルアミノ)ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]-1H-インドール-3イル]エタナミン)、ブスピロン、アルニチダン、ザロスピロン、イプサピロン、ゲピロン、ゾルミトリプタン、リサトリプタン、311C90、α-Me-5-HT、BW723C86(1-[5(2-チエニルメトキシ)-1H-3-インドリル[プロパン-2-アミン塩酸塩)、MCPP(m-クロロフェニルピペラジン)、及びその他などの多くのセロトニン受容体アゴニスト(これらに限定されることはない)を、睡眠関連呼吸障害を予防または寛解するために、セロトニン受容体アンタゴニストと組み合わせて使用し得ることが理解されよう。

0083

セロトニン前駆体またはSSRI以外の作用の薬理学的機構もまた、中枢神経系のセロトニン活性を増強するために活用することができる。実際、少なくとも一つの機構によって、中枢神経系で選択的な標的化がなされるように、セロトニン遊離を増大させることが可能となる。特に、脳幹のセロトニン作動性ニューロン上に位置するシナプス前α2アドレナリン性受容体のアンタゴニズムは、セロトニン遊離を増強する。選択的5-ヒドロキシトリプタミン2及び5-ヒドロキシトリプタミン3受容体アンタゴニストは、シナプス前α2アドレナリン性受容体、さらにはシナプス後5-ヒドロキシトリプタミン2及び5-ヒドロキシトリプタミン3受容体を阻止することが示されている[deBoer、J. Clin. Psychiatr., 57(4):19-25 (1996); Devane、J. Clin. Psychiatry., 59(20):85-93 5 (1998); 及び Puzantian、Am. J. Heatlh-Syst. Pharm., 55:44-49 (1998)]。かかる薬剤の中枢α2受容体に対する親和性は、末梢α2受容体に対してよりも10倍高い[Puzantian, Am. J. Heatlh-Syst. Pharm., 55:44-49 (1998)]ので、高血圧などのアドレナリン性副作用を最低限に抑えつつ、中枢性セロトニン遊離が増大される。このようにこれらの薬物は、5-ヒドロキシトリプタミン2A、5-ヒドロキシトリプタミン2C及び5-ヒドロキシトリプタミン3受容体での高親和性アンタゴニストであるので、正味の効果は、脳内の増大されたシナプス後5-ヒドロキシトリプタミン1活性と、中枢及び末梢神経系の低下した5-ヒドロキシトリプタミ2及び5-ヒドロキシトリプタミン3シナプス後活性である。これらの薬理学的効果の各々は、呼吸を刺激し、無呼吸を抑制する役目をするのである。

0084

前記の観察に鑑み、睡眠関連呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群、未熟児の無呼吸、チェーン・ストークス呼吸、睡眠関連換気過小症候群)もまた、セロトニンタイプ2またはタイプ3受容体アンタゴニスト活性のいずれか(単独または相互の組合せ)と共にα2アドレナリン作用アンタゴニスト活性を有する薬剤の組合せを含む薬物の全身投与によって、有効に抑制または予防することができる。好ましい実施態様に含まれるのは、
(a)α2アドレナリン作用アンタゴニスト効果が、中枢性に発揮される単一薬剤または複数薬剤の組合せ;
(b)セロトニンアンタゴニスト効果が、末梢性に発揮される単一薬剤または複数薬剤の組合せ;
(c)α2アドレナリン作用アンタゴニスト効果が中枢性に発揮され、セロトニンアンタゴニスト効果が末梢性に発揮される単一薬剤または複数薬剤の組合せ;
(d)α2アドレナリン作用アンタゴニスト効果がシナプス前性に発揮される、実施態様(a)〜(c)にかかる単一薬剤または複数薬剤の組合せ;
(e)α2アドレナリン作用アンタゴニスト効果が、セロトニン作動性ニューロン上のシナプス前ヘテロ受容体にて選択的に発揮される、実施態様(a)〜(d)にかかる単一薬剤または複数薬剤の組合せ;または
(f)α2アドレナリン作用アンタゴニスト効果が、以下の薬理学的特性すなわち:セロトニンタイプ2またはタイプ3受容体アンタゴニスト活性の双方と共にα2アドレナリン作用アンタゴニスト活性を保有する、単一薬剤または複数薬剤の組合せによって発揮される、実施態様(a)〜(d)にかかる単一薬剤または複数薬剤の組合せである。

0085

当業者であれば、フェノキシベンズアミン、フェントールアミン、トラゾリン、テラゾシン、ドキサゾシン、トリマゾシン、ヨヒンビン、インドラミン、ARC239、及びプラゾシン及びその他(これらに限定されることはない)などの、多くのα2アドレナリン性受容体アンタゴニストを、睡眠関連呼吸障害を予防または寛解するために、セロトニン受容体アンタゴニストと組み合わせて使用できることが認識されるであろう。

0086

睡眠関連呼吸障害と診断された個体には、かかる障害を予防または抑制するのに有効な量にて、前記した薬理学的特性のいずれかを有する組成物または薬剤のどちらかが投与される。特定の投与量は、体重または体表面積などの因子によって算出されてもよい。睡眠関連呼吸障害の処置用に適切な投与量を決定するのに必要な計算のさらなる工夫は、過度な実験を行うことなく当業者によって日常的に施されるものである。適切な投与量は、投与量決定用の確立されたアッセイ法を使用することで確実化されうる。前記方法に対する投与の経路は、経口、腹腔内、皮下、静脈内、筋肉内、経皮を含めた種々の全身投与手段、あるいは他の投与経路とすることができる。浸透ミニポンプ及び徐放ペレットまたはその他のデポ剤投与形態も、使用することができる。

0087

最後に、当業者であれば、前記した化合物に関し、かかる化合物がキラリティーの中心を含み得ることを認識するであろう。しかして、このような薬剤は、エナンチオマー混合物の異なるエナンチオマーとして存在し得るのである。本発明によって、一つのエナンチオマー単独、または1以上の立体異性体とのエナンチオマー混合物に含まれるもののいずれかを使用することが企図される。

0088

本発明を好ましい実施態様によって説明してきたが、本明細書の開示に鑑みて当業者に想起される種々の修飾や変更のすべて、特に請求の範囲及びそれらの特定事項の適切な解釈の範囲にある実施態様を、本発明は包含することが意図されるものである。本明細書中に引用した文献はすべて、引用することによって本明細書に組み入れることとする。

図面の簡単な説明

0089

対照と比較して、非急速眼球運動(ノンレム、NREM)睡眠の時間あたりの無呼吸の回数に対する、セロトニンアンタゴニストGR38032F(オンダンセトロン)の効果を示す図である。 図上の各データポイントは、9匹のラットに対する平均±標準誤差(対照に対してp=0.007)を表す。
対照と比較して、NREM睡眠に費やされる総記録時間のパーセンテージに対するセロトニンアンタゴニストGR38032F(オンダンセトロン)の効果を示す図である。 各データポイントは、9匹のラットに対する平均±標準誤差(p=0.0001)を表す。
対照と比較して、急速眼球運動(レム、REM)睡眠の時間あたりの無呼吸の回数に対するセロトニンアンタゴニストGR38032F(オンダンセトロン)の効果を示す図である。 各データポイントは、9匹のラットに対する平均±標準誤差(p=0.01)を表す。
対照と比較して、REM睡眠に費やされる総記録時間のパーセンテージに対するセロトニンアンタゴニストGR38032F(オンダンセトロン)の効果を示す図である。 各データポイントは、9匹のラットに対する平均±標準誤差を表す。
対照と比較して、覚醒、NREM及びREM睡眠中の正規化分時換気量の割合に対するセロトニンアンタゴニストGR38032F(オンダンセトロン)の効果を示す図である。 各データバーは、記録した6時間全体にわたる、プールした全ラット(n=9)に対する平均±標準誤差(p=0.0001)を表す(平均換気量は、全ての行動状態で、GR38032F投与後に有意に高くなっていた;対照に対してp<0.03)。
NREM睡眠時の自発性無呼吸に対する、セロトニン(0.79mg/kg)GR38032F(0.1mg/kg)+セロトニン(0.79mg/kg)、及びGR38032F(0.1mg/kg)の効果を示す図である。 各データバーは、記録した6時間全体にわたる、すべてのラット(n=10;p=0.97)についての平均±標準誤差を表す。
REM睡眠中の自発性無呼吸に対する、セロトニン(0.79mg/kg)GR38032(0.1mg/kg)+セロトニン(0.79mg/kg)、及びGR38032F(0.1mg/kg)の効果を示す図である。各データバーは、記録した6時間全体にわたる、すべてのラット(n=10;セロトニン投与対対照についてはp=0.01;GR38032F+セロトニンの投与対セロトニン単独についてはp=0.05;GR38032F+セロトニンの投与対対照についてはp=0.99;及びGR38032F単独の投与に対してはp=0.51)についての平均±標準誤差を表す。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ