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技術 電子血圧計および血圧測定制御方法

出願人 オムロンヘルスケア株式会社
発明者 山下新吾下瀬陽子
出願日 2008年9月2日 (11年5ヶ月経過) 出願番号 2008-225086
公開日 2010年3月18日 (9年11ヶ月経過) 公開番号 2010-057627
状態 特許登録済
技術分野 脈拍・心拍・血圧・血流の測定
主要キーワード 制御圧力値 所定時間当り 加圧過程 手首用 減圧過程 測定結果データ 脈拍数データ 測定スイッチ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (18)

課題

測定者ごとに適した測定方式血圧を測定することができる電子血圧計および血圧測定制御方法を提供すること。

解決手段

電子血圧計は、被測定者に応じて、減圧測定方式および加圧測定方式のいずれの測定方式で血圧を測定するかを判定する。たとえば、測定方式切替え機能が有効であれば、被測定者が妊娠中であれば加圧測定方式を今回の測定方式として決定し(S104,S108)、測定方式切替え機能が無効であれば、被測定者が予め設定した希望の測定方式を今回の測定方式として判定する(S104,S114)。これにより、判定された測定方式による血圧測定処理が実行される(S118)。

概要

背景

近年、血圧の測定は、医療機関での測定だけでなく、自宅での日常の管理が重要であることが認められている。また、時間帯による血圧変動を把握することで、早朝高血圧など、早朝に発生確率の高い心血管系合併症などの診断にも用いられている。

オシロメトリック法に従い血圧を測定する血圧計としては、加圧中に血圧を測定するタイプ(以下「加圧測定方式」という)のものと、減圧中血圧測定するタイプ(以下「減圧測定方式」という)のものと両方が存在する。一般的に、どちらの方式で測定したとしても、同じ測定値が得られるといわれており、血圧計にはいずれか1つの測定方式だけが搭載されている。

これに対し、特許文献1では、2つの測定方式を切替えて測定可能であることが記載されている。具体的には、うっ血による血圧の誤測定を防止するために、腕帯による動脈止血での血圧測定時に、腕帯より末梢側静脈相対圧を測定し、動脈圧値と静脈相対圧の差が所定値以下であれば、再測定を促す。そして、再測定の際には、測定方式を減圧測定方式から加圧測定方式に切替えることが記載されている。
特開2001−309895号公報

概要

測定者ごとに適した測定方式で血圧を測定することができる電子血圧計および血圧測定制御方法を提供すること。電子血圧計は、被測定者に応じて、減圧測定方式および加圧測定方式のいずれの測定方式で血圧を測定するかを判定する。たとえば、測定方式切替え機能が有効であれば、被測定者が妊娠中であれば加圧測定方式を今回の測定方式として決定し(S104,S108)、測定方式切替え機能が無効であれば、被測定者が予め設定した希望の測定方式を今回の測定方式として判定する(S104,S114)。これにより、判定された測定方式による血圧測定処理が実行される(S118)。

目的

本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、被測定者ごとに適した測定方式で血圧を測定することができる電子血圧計および血圧測定制御方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

オシロメトリック法に従い血圧を測定するための電子血圧計であって、所定の測定部位巻き付けるためのカフと、前記カフ内の圧力を加圧および減圧により調整するための調整手段と、前記カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、血圧を測定する制御を行なうための制御手段とを備え、前記制御手段は、被測定者に応じて、減圧測定方式および加圧測定方式のいずれの測定方式で血圧を測定するかを判定するための判定手段と、前記判定手段により前記減圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、減圧過程で血圧の測定処理を行なうための第1の測定処理手段と、前記判定手段により前記加圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、加圧過程で血圧の測定処理を行なうための第2の測定処理手段とを含む、電子血圧計。

請求項2

ユーザからの入力情報受け付けるための入力受付手段をさらに備え、前記判定手段は、前記入力情報に基づいて測定方式を判定する、請求項1に記載の電子血圧計。

請求項3

前記入力受付手段は、前記入力情報として前記被測定者が妊婦であるか否かの情報を受付け、前記判定手段は、前記被測定者が妊婦である場合に、前記加圧測定方式と判定する、請求項2に記載の電子血圧計。

請求項4

前記入力受付手段は、前記入力情報として前記被測定者の腕が太いか否かの情報を受付け、前記判定手段は、前記被測定者の腕が太い場合に、前記加圧測定方式と判定する、請求項2または3に記載の電子血圧計。

請求項5

前記第1の測定処理手段および前記第2の測定処理手段で測定された過去の血圧値を記憶するための記憶手段をさらに備え、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記過去の血圧値に基づいて、前記減圧測定方式および前記加圧測定方式のうち測定時間が短くなると推定される方の測定方式を前記被測定者の測定方式として判定する、請求項1〜4のいずれかに記載の電子血圧計。

請求項6

前記第1の測定処理手段および前記第2の測定処理手段で測定された過去の血圧値を記憶するための記憶手段をさらに備え、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記過去の血圧値に基づいて、前記減圧測定方式および前記加圧測定方式のうち圧迫による苦痛が少なくなると推定される方の測定方式を前記被測定者の測定方式として判定する、請求項1〜4のいずれかに記載の電子血圧計。

請求項7

前記判定手段は、前記被測定者の最高血圧所定値以上である場合に前記加圧測定方式と判定する、請求項6に記載の電子血圧計。

請求項8

前記被測定者により測定方式の自動切替え機能が無効に設定されていた場合には、優先的に前記被測定者が予め設定した測定方式を前記被測定者の測定方式と判定する、請求項1〜7のいずれかに記載の電子血圧計。

請求項9

血圧の測定結果を表示するための表示手段をさらに備え、前記表示手段は、前記減圧測定方式および前記加圧測定方式のうち測定に用いられた方の方式を特定するための情報をさらに表示する、請求項1〜8のいずれかに記載の電子血圧計。

請求項10

前記判定手段は、前記第1の測定処理手段および前記第2の測定処理手段の両方の測定結果を比較することにより、前記被測定者に応じた測定方式を判定する、請求項1に記載の電子血圧計。

請求項11

前記第1の測定処理手段は、減圧過程よりも速い速度での加圧過程で最高血圧が推定された場合に、徐速での減圧制御移行する、請求項1〜10のいずれかに記載の電子血圧計。

請求項12

前記第2の測定処理手段は、徐速での加圧過程で最高血圧が検出された場合に、急速で減圧する、請求項1〜11のいずれかに記載の電子血圧計。

請求項13

オシロメトリック法に従い血圧の測定を制御する方法であって、被測定者に応じて、減圧測定方式および加圧測定方式のいずれの測定方式で血圧を測定するかを判定するステップと、前記減圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、減圧過程で血圧の測定処理を行なうステップと、前記加圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、加圧過程で血圧の測定処理を行なうステップと、測定された血圧値を出力するステップとを備える、血圧測定制御方法

技術分野

0001

本発明は、電子血圧計および血圧測定制御方法に関し、特に、オシロメトリック法に従い血圧を測定する電子血圧計および血圧測定制御方法に関する。

背景技術

0002

近年、血圧の測定は、医療機関での測定だけでなく、自宅での日常の管理が重要であることが認められている。また、時間帯による血圧変動を把握することで、早朝高血圧など、早朝に発生確率の高い心血管系合併症などの診断にも用いられている。

0003

オシロメトリック法に従い血圧を測定する血圧計としては、加圧中に血圧を測定するタイプ(以下「加圧測定方式」という)のものと、減圧中血圧測定するタイプ(以下「減圧測定方式」という)のものと両方が存在する。一般的に、どちらの方式で測定したとしても、同じ測定値が得られるといわれており、血圧計にはいずれか1つの測定方式だけが搭載されている。

0004

これに対し、特許文献1では、2つの測定方式を切替えて測定可能であることが記載されている。具体的には、うっ血による血圧の誤測定を防止するために、腕帯による動脈止血での血圧測定時に、腕帯より末梢側静脈相対圧を測定し、動脈圧値と静脈相対圧の差が所定値以下であれば、再測定を促す。そして、再測定の際には、測定方式を減圧測定方式から加圧測定方式に切替えることが記載されている。
特開2001−309895号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述のように、加圧測定方式と減圧測定方式とのどちらで測定したとしても大抵同様の測定結果が得られることから、従来の血圧計では、どちらかの測定方式しか搭載されていない。特許文献1の発明のように、両方の測定方式が搭載されていたとしても、減圧測定方式で測定して測定値に信頼性がない場合にのみ加圧方式切り替えることしか提案されていない。

0006

したがって、従来の技術では、被測定者に応じて柔軟に測定方式を切替えることができない。

0007

本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、被測定者ごとに適した測定方式で血圧を測定することができる電子血圧計および血圧測定制御方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

この発明のある局面に従う電子血圧計は、オシロメトリック法に従い血圧を測定するための電子血圧計であって、所定の測定部位巻き付けるためのカフと、カフ内の圧力を加圧および減圧により調整するための調整手段と、カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、血圧を測定する制御を行なうための制御手段とを備え、制御手段は、被測定者に応じて、減圧測定方式および加圧測定方式のいずれの測定方式で血圧を測定するかを判定するための判定手段と、判定手段により減圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、減圧過程で血圧の測定処理を行なうための第1の測定処理手段と、判定手段により加圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、加圧過程で血圧の測定処理を行なうための第2の測定処理手段とを含む。

0009

好ましくは、ユーザからの入力情報受け付けるための入力受付手段をさらに備え、判定手段は、入力情報に基づいて測定方式を判定する。

0010

好ましくは、入力受付手段は、入力情報として被測定者が妊婦であるか否かの情報を受付け、判定手段は、被測定者が妊婦である場合に、加圧測定方式と判定する。

0011

好ましくは、入力受付手段は、入力情報として被測定者の腕が太いか否かの情報を受付け、判定手段は、被測定者の腕が太い場合に、加圧測定方式と判定する。

0012

好ましくは、第1の測定処理手段および第2の測定処理手段で測定された過去の血圧値を記憶するための記憶手段をさらに備え、判定手段は、記憶手段に記憶された過去の血圧値に基づいて、減圧測定方式および加圧測定方式のうち測定時間が短くなると推定される方の測定方式を被測定者の測定方式として判定する。

0013

好ましくは、第1の測定処理手段および第2の測定処理手段で測定された過去の血圧値を記憶するための記憶手段をさらに備え、判定手段は、記憶手段に記憶された過去の血圧値に基づいて、減圧測定方式および加圧測定方式のうち圧迫による苦痛が少なくなると推定される方の測定方式を被測定者の測定方式として判定する。

0014

好ましくは、判定手段は、被測定者の最高血圧が所定値以上である場合に加圧測定方式と判定する。

0015

好ましくは、被測定者により測定方式の自動切替え機能が無効に設定されていた場合には、優先的に被測定者が予め設定した測定方式を被測定者の測定方式と判定する。

0016

好ましくは、血圧の測定結果を表示するための表示手段をさらに備え、表示手段は、減圧測定方式および加圧測定方式のうち測定に用いられた方の方式を特定するための情報をさらに表示する。

0017

好ましくは、判定手段は、第1の測定処理手段および第2の測定処理手段の両方の測定結果を比較することにより、被測定者に応じた測定方式を判定する。

0018

好ましくは、第1の測定処理手段は、減圧過程よりも速い速度での加圧過程で最高血圧が推定された場合に、徐速での減圧制御移行する。

0019

好ましくは、第2の測定処理手段は、徐速での加圧過程で最高血圧が検出された場合に、急速で減圧する。

0020

この発明の他の局面に従う血圧測定制御方法は、オシロメトリック法に従い血圧の測定を制御する方法であって、被測定者に応じて、減圧測定方式および加圧測定方式のいずれの測定方式で血圧を測定するかを判定するステップと、減圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、減圧過程で血圧の測定処理を行なうステップと、加圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、加圧過程で血圧の測定処理を行なうステップとを備える。

0021

なお、上記電子血圧計において、判定手段は、測定時間が短くなると推定される方の測定方式を被測定者の測定方式として判定するために、被測定者の最高血圧が所定値以上である場合に、減圧測定方式と判定することも望ましい。また/または、判定手段は、被測定者の脈圧が所定値以上である場合に、加圧測定方式と判定することも望ましい。

発明の効果

0022

本発明によると、減圧測定方式および加圧測定方式のうち、被測定者ごとに適した測定方式で血圧を測定することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。

0024

[実施の形態1]
外観および構成>
はじめに、本発明の実施の形態1に係る電子血圧計(以下「血圧計」と略す)の外観および構成について説明する。

0025

(外観について)
図1は、本発明の実施の形態1に係る血圧計1の外観斜視図である。血圧計1は、オシロメトリック法に従い血圧を測定する。

0026

図1を参照して、血圧計1は、本体部10と、被測定者の所定の測定部位(たとえば上腕)に巻き付け可能なカフ20と、本体部10およびカフ20とを接続するエアチューブ31とを備える。本体部10の表面には、たとえば液晶等により構成される表示部40と、ユーザ(代表的に被測定者)からの指示を受付けるための操作部41とが配置されている。

0027

操作部41は、たとえば、電源をONまたはOFFするための指示の入力を受付ける電源スイッチ41Aと、測定開始の指示を受付けるための測定スイッチ41Bと、各種の設定処理記憶値読出しの指示を受付けるための設定スイッチ41Cと、カーソルスイッチ41Dとを有する。

0028

ハードウェア構成について)
図2は、本発明の実施の形態1に係る血圧計1のハードウェア構成を表わすブロック図である。

0029

図2を参照して、血圧計1のカフ20は、空気袋21を含む。空気袋21は、エアチューブ31を介して、エア系30に接続される。

0030

本体部10は、上述の表示部40および操作部41に加え、エア系30と、各部を集中的に制御し、各種演算処理を行なうためのCPU(Central Processing Unit)100と、CPU100に所定の動作をさせるプログラムや各種データを記憶するためのメモリ部42と、測定された血圧を記憶するための不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)43と、CPU100に電力を供給するための電源44と、計時動作を行なう計時部45と、外部よりデータの入力を受付けるためのデータ入出力部46とを含む。

0031

エア系30は、空気袋21内の圧力(カフ圧)を検出するための圧力センサ32と、カフ圧を加圧するために、空気袋21に空気を供給するためのポンプ51と、空気袋21の空気を排出しまたは封入するために開閉される弁52とを含む。

0032

本体部10は、上記エア系30に関連して、発振回路33と、ポンプ駆動回路53と、弁駆動回路54とをさらに含む。

0033

圧力センサ32は、静電容量形の圧力センサであり、カフ圧により容量値が変化する。発振回路33は、圧力センサ32の容量値に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力する。CPU100は、発振回路33から得られる信号を圧力に変換し圧力を検知する。ポンプ駆動回路53は、ポンプ51の駆動をCPU100から与えられる制御信号に基づいて制御する。弁駆動回路54は弁52の開閉制御をCPU100から与えられる制御信号に基づいて行なう。

0034

ポンプ51、弁52、ポンプ駆動回路53および弁駆動回路54は、カフ圧を調整するための調整機構50を構成する。なお、カフ圧を調整するためのデバイスは、これらに限定されるものではない。

0035

データ入出力部46は、たとえば、着脱可能な記録媒体132からプログラムやデータの読み出しおよび書き込みをする。また/あるいは、データ入出力部46は、外部の図示しないコンピュータから通信回線を介してプログラムやデータの送受信ができてもよい。

0036

なお、カフ20には空気袋21が含まれることとしたが、カフ20に供給される流体は空気に限定されるものではなく、たとえば液体ゲルであってもよい。あるいは、流体に限定されるものではなく、マイクロビーズなどの均一な微粒子であってもよい。

0037

(機能の概要および機能構成について)
本実施の形態における血圧計1の具体的な機能構成の説明に先立ち、血圧計1の機能の概要を説明する。

0038

従来の腕用の電子血圧計では、歴史背景等より減圧測定方式が一般的である。これに対し、手首用の電子血圧計では、ポンプの流量の制限(コンポーネントを小さくすることが望まれている)などにより加圧測定方式が一般的である。通常、どちらの測定方式で測ったとしてもその結果に差はないといわれているため、どちらか一方の測定方式しか搭載されていない。

0039

しかし、先般、妊婦では加圧測定方式の方が精度良く血圧が測定できるとの研究結果が公表された("Inflationary oscillometry provides accurate measurement of blood pressure in pre-eclampsia" Moneli Golara, Amanda Benedict, Clare Jones, Manjit Randhawa, Lucilla Poston, Andrew H.Shennan,BJOG: an international Journal of Obstetrics andGynaecology, October 2002, Vol. 109, pp.1143-1147)。

0040

したがって、妊婦でも正確に測ろうとすれば加圧方式がよいということになる。しかし、減圧測定方式がスタンダードであることなどから、減圧測定方式を好むユーザもいる。

0041

そこで、本実施の形態における血圧計1は、減圧測定アルゴリズムと加圧測定アルゴリズムの両方を搭載する。そして、ユーザ(代表的に被測定者)の入力情報に基づいて、被測定者に適した測定方式での血圧測定を可能とする。以下の説明において、便宜上、血圧計1のユーザ(被測定者)は複数存在することと仮定するが、血圧計1のユーザは1人であってもよい。

0042

図3は、本発明の実施の形態1におけるフラッシュメモリ43のデータ構造の一例を示す図である。

0043

図3を参照して、フラッシュメモリ43は、使用者情報記憶部43Aと、測定結果記憶部43Bとを含む。使用者情報記憶部43Aには、測定方式管理テーブル431が格納されている。

0044

図4は、測定方式管理テーブル431のデータ構造の一例を示す図である。
図4を参照して、測定方式管理テーブル431は、たとえば、3つの項目すなわち、「ユーザID」の項目71と、「測定方式切替え機能」の項目72と、「希望測定方式」の項目73とで構成される。ユーザIDの項目71には、被測定者の識別情報が格納される。測定方式切替え機能の項目72には、「有効」または「無効」が格納される。希望測定方式の項目73には、「加圧測定方式」と「減圧測定方式」とのうちいずれか一方の方式が格納される。なお、項目73には、測定方式切替え機能の項目72が無効の場合にのみいずれかの測定方式の情報が格納されてもよい。

0045

このような被測定者ごとの設定情報は、予めユーザにより入力されているものとする。
再び図3を参照して、測定結果記憶部43Bには、複数の測定結果データMi(i=1,2,…,n)が格納される。測定結果データMiは、測定日時を表わす日時データDTiと、最高血圧を表わす最高血圧データSYSiと、最低血圧を表わす最低血圧データDIAiと、脈拍数を表わす脈拍数データPLSiと、ユーザ識別情報を表わすユーザIDデータUIiとを含む。このように、測定ごとに、測定値(最高血圧、最低血圧、脈波数)とユーザ識別情報とが対応付けられて記憶される。なお、測定値とユーザ識別情報とが対応付けられていれば、このような格納形式に限定されない。

0046

図5は、本発明の実施の形態1における血圧計1の機能構成を示す機能ブロック図である。

0047

図5を参照して、CPU100は、選択受付部102と、判定処理部104と、減圧測定処理部106と、加圧測定処理部108とを含む。なお、図5には、説明を簡単にするために、CPU100の有する各部との間で直接的に信号を授受する周辺ハードウェアのみ示されている。

0048

選択受付部102は、操作部41を介してユーザの選択を受け付ける。より具体的には、操作部41からの信号に基づいて、予め設定された複数のユーザ識別情報のうち今回の被測定者のユーザ識別情報の選択を受付ける。これにより、今回の被測定者が特定される。

0049

判定処理部104は、特定された被測定者に応じて、減圧測定方式および加圧測定方式のうちいずれの測定方式で血圧を測定するかを判定する。具体的には、測定方式管理テーブル431の内容および操作部41からの入力情報に基づいて、被測定者ごとに測定方式を判定する。本実施の形態において、入力情報は、被測定者の生体的条件に関する情報であり、より特定的には妊娠の有無の情報である。

0050

本実施の形態では、ユーザが測定方式切替え機能を無効に設定している場合には、ユーザ所望の測定方式を今回の測定方式として判定する。また、ユーザが測定方式切替え機能を有効に設定している場合には、被測定者が妊娠中であれば測定精度を高度に保つことのできる加圧測定方式を今回の測定方式として判断する。これにより、被測定者に適した(また、被測定者の生体的条件に適した)測定方式を測定毎に設定することができる。

0051

減圧測定処理部106は、発振回路33および調整機構50と接続され、減圧過程で血圧の測定処理を行なう。減圧測定処理部106は、判定処理部104により減圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、処理を開始する。なお、減圧測定処理部106による処理は、公知の手法により実現されてよい。本実施の形態においては、たとえば、所定値(たとえば200mmHg)まで高速に加圧し、所定値に達すると、加圧を停止して減圧制御に移行する。そして、徐速での減圧過程において、発振回路33からの出力信号に基づいて、カフ圧に重畳した脈波振幅に所定のアルゴリズムを適用することにより、最高血圧および最低血圧を測定(算出)する。なお、加圧時の速度は、少なくとも減圧時の速度よりも速い。

0052

加圧測定処理部108は、発振回路33および調整機構50と接続され、加圧過程で血圧の測定処理を行なう。加圧測定処理部108は、判定処理部104により加圧測定方式で血圧を測定すると判定された場合に、処理を開始する。なお、加圧測定処理部108による処理も、公知の手法により実現されてよい。本実施の形態においては、たとえば、徐速での加圧過程において、発振回路33からの出力信号に基づいて、カフ圧に重畳した脈波振幅に所定のアルゴリズムを適用することにより、最高血圧および最低血圧を測定(算出)する。そして、最高血圧および最低血圧が算出されると、加圧を停止して急速排気する。

0053

減圧測定処理部106および加圧測定処理部108により測定された血圧値は、測定結果記憶部43Bおよび表示部40に出力される。

0054

なお、各機能ブロックの動作は、メモリ部42中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。

0055

<動作について>
次に、本実施の形態における血圧計1の動作について説明する。

0056

図6は、本発明の実施の形態1における血圧測定制御の流れを示すフローチャートである。図6のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧測定制御の機能が実現される。

0057

図6を参照して、ユーザにより電源スイッチ41Aが押下されると、選択受付部102は、ユーザ選択を受付ける(ステップS102)。具体的には、たとえば、選択受付部102は、表示部40に、複数のユーザ識別情報(たとえばユーザA,B,・・・)を表示し、ユーザにいずれか1つを選択させる。

0058

次に、判定処理部104は、測定方式管理テーブル431を参照し、今回の被測定者すなわち、選択されたユーザ識別情報により特定される被測定者が、測定方式切替え機能を有効に設定していたか否かを判断する(ステップS104)。つまり、選択されたユーザ識別情報に対応する測定方式切替え機能の項目72に「有効」との情報が格納されているか否かを判断する。

0059

有効が設定されていると判断された場合(ステップS104において「有効」)、ステップS106に進む。一方、無効が設定されていると判断された場合(ステップS104において「無効」)、ステップS114に進む。

0060

ステップS106において、判定処理部104は、ユーザから、妊娠の有無の入力を受付ける。

0061

図7は、図6のステップS106で表示される画面の一例を示す図である。
図7を参照して、表示部40には、たとえば、「あなたは妊娠中ですか?」というメッセージが表示され、「YES」を示すボタン401と「NO」を示すボタン402とが表示される。

0062

判定処理部104は、被測定者が妊婦である、すなわち、YESボタン401が押下されたと判断した場合(ステップS108においてYES)、被測定者に応じた測定方式は、加圧測定方式であると判定する(ステップS110)。これは、上述のように、妊婦の場合、加圧測定方式の方が精度良く血圧を測定できるからである。

0063

一方、被測定者が妊婦ではない、すなわち、NOボタン402が押下されたと判断された場合(ステップS108においてNO)、測定方式を減圧測定方式と判定する(ステップS112)。ここで減圧測定方式と判定したのは、本実施の形態における血圧計1のデフォルト初期設定)の測定方式が減圧測定方式であるからであることとする。なお、妊婦でない場合には、基本的にいずれの測定方式でも測定結果に差異はないため、必ずしも減圧測定方式でなくてもよい。したがって、妊婦でない場合には、ユーザにいずれの測定方式を希望するかを選択させてもよい。あるいは、たとえば、測定方式管理テーブル431において、測定方式切替え機能が有効である場合にも、希望測定方式の項目73に、いずれか一方の測定方式の情報が格納されているとする。その場合には、希望測定方式に従った方式が、今回の測定方式と判定されてもよい。

0064

ステップS114において、判定処理部104は、予め設定されている測定方式、すなわち、測定方式管理テーブル431の希望測定方式の項目73に格納されている測定方式を、被測定者に適した測定方式として判定する。

0065

ステップS110、S112、またはS114の処理が終わると、制御切替え処理を実行し(ステップS116)、判定された方式による血圧測定処理を実行する(ステップS118)。

0066

上記ステップS116では、たとえば、加圧過程におけるフィルタ処理の挿入/削除や、制御パラメータの変更が行なわれる。減圧測定方式の場合、加圧過程では発振回路33からの信号に対するフィルタ処理(ポンプ51の駆動音ノイズ除去)は必要ではないが、加圧測定方式の場合には必要である。また、加圧測定方式の場合は徐速で加圧するが、減圧測定方式の場合は加圧測定方式の場合よりも高速で加圧する必要があるため、制御パラメータが変更される。

0067

上記ステップS118では、判定された方式が減圧測定方式であれば、減圧測定処理部106による処理が実行される。判定された方式が加圧測定方式であれば、加圧測定処理部108による処理が実行される。

0068

なお、ステップS116で制御切替え処理が実行されるのは、(被測定者にかかわらず)前回測定の際の制御パラメータ等がフラッシュメモリ43の所定の領域に記憶されていることを前提にしているからであり、この処理は必須ではない。つまり、測定の度に、判定された測定方式に対応するプログラムをメモリ部42から読出して、各処理を実行することとしてもよい。

0069

いずれかの測定方式にて血圧が測定されると、その測定結果がフラッシュメモリ43および表示部40に出力される(ステップS120)。

0070

以上で、本実施の形態における血圧測定制御は終了される。
このように、本実施の形態によると、測定方式切替え機能が有効とされていれば、被測定者が妊婦である場合には、加圧測定方式にて血圧が測定される。したがって、被測定者が妊婦であってもそうでなくても、精度良く血圧を測定することができる。

0071

また、妊婦であっても、加圧測定方式では不快に感じる被測定者もいる。本実施の形態では、測定方式切替え機能の有効/無効をユーザに予め設定させ、無効の場合には、妊娠の有無にかかわらず希望の測定方式が採用できる。したがって、被測定者ごとに柔軟に測定方式を決定することができる。

0072

なお、本実施の形態では、測定方式切替え機能の有効/無効を予め設定させることとしたが、限定的ではない。たとえば、はじめに、妊娠の有無を判断し、妊娠中でないと判断された場合に、測定方式管理テーブル431に記憶された希望測定方式を今回の測定方式として判断してもよい。

0073

または、測定方式管理テーブル431自体も必須ではなく、妊娠中でないと判断された場合に、毎回、どちらが希望か選択させてもよい。

0074

また、本実施の形態では、毎回、妊娠中か否かをユーザに選択させることとしたが、測定方式管理テーブル431に、このような情報をさらに記憶させておいてもよい。その場合、測定が開始されると、上記ステップS106において、ユーザに対応する妊娠の有無の情報を読出し、その情報に基づいて、ユーザが妊婦であるか否かの判定(S108)を行なってもよい。

0075

[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。

0076

上記実施の形態1では、測定精度の観点から測定方式を判定した。これに対し、本実施の形態では、測定時間の観点から測定方式を判定する。「測定時間」とは、カフの加圧が開始されてからカフの減圧が終了するまでの時間をいう。

0077

本実施の形態における血圧計の構成および基本的な動作は、上記実施の形態1と同様である。したがって、ここでも、実施の形態1で用いた符号を用いて説明する。

0078

以下に、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
図8は、本発明の実施の形態2における血圧測定制御の概念的な流れを示すフローチャートである。なお、図6のフローチャートと同様の処理については同じステップ番号を付してある。したがって、それらについての説明は繰返さない。

0079

図8を参照して、図6のステップS106およびS108の処理に代えて、それぞれ、ステップS206およびS208の処理が実行される。また、ステップS116の処理に代えてステップS116Aの処理が実行される。

0080

ステップS104において「有効」と判断されると、判定処理部104は、たとえば、測定結果記憶部43Bに記憶された、ユーザの過去の測定値に基づいて、測定時間のシミュレーションを実行する(ステップS206)。そして、測定時間が短い方の方式が加圧測定方式であればステップS110に進み、測定時間が短い方の方式が減圧測定方式であればステップS112に進む。

0081

本実施の形態において、減圧測定処理部106は、加圧過程で最高血圧を推定し、最高血圧が推定された場合に、徐速での減圧制御に移行するものとする。また、加圧測定処理部108は、徐速での加圧過程で最高血圧が検出された場合に、急速で減圧、すなわち、排気するものとする。これらのことについて図9を参照してより詳細に説明する。

0082

図9は、加圧測定方式および減圧測定方式それぞれによる最大圧力値の違いを示す図である。図9(a)には、加圧測定方式での制御圧力値時間軸に沿って示されている。図9(b)は、減圧測定方式での制御圧力値が時間軸に沿って示されている。

0083

図9(a)を参照して、加圧測定方式では、加圧過程において血圧を測定するため、徐速でかつ、所定時間当り圧力変化量を一定にして加圧制御される。加圧制御に並行して、リアルタイムで血圧値すなわち、最低血圧および最高血圧が測定(算出)される。そして、最高血圧が算出されると加圧制御を停止し、急速での減圧に移行する。加圧過程で算出された最高血圧を圧力値SYSと表わすと、最大圧力値MAXaは圧力値SYSとほとんど変わらない値となる。

0084

図9(b)を参照して、減圧測定方式では、減圧過程において血圧を測定するため、減圧過程での速度(所定時間当りの圧力変化量)よりも加圧過程での速度の方が速くなるように制御される。加圧制御に並行して、最高血圧が推定される。最高血圧が推定されると、推定最高血圧+所定値(たとえば40mmHg)となった時点で加圧制御を停止し、徐速での減圧に移行する。加圧過程で推定された最高血圧を圧力値E_SYSと表わすと、圧力値E_SYSより所定値だけ高い圧力値MAXbにて停止する。

0085

したがって、ステップS116Aでは、いずれの測定方式でも加圧過程において血圧の検出処理を実行するため、加圧過程でのフィルタの切替えは行なわなくてもよい。

0086

以下に、本実施の形態における血圧測定制御の具体例について説明する。
(具体例1)
図10は、最高血圧が高い場合の加圧測定方式および減圧測定方式それぞれの測定時間の違いを示す図である。図10(a)には、加圧測定方式で測定した場合の制御圧力値が時間軸に沿って示されている。図10(b)には、減圧測定方式で測定した場合の制御圧力値が時間軸に沿って示されている。

0087

最高血圧が高い被測定者に対し、加圧測定方式を適用すると、最高血圧が検出されるまで等速で(かつ徐速で)加圧されるため、一気最高血圧付近まで加圧する減圧測定方式に比べて測定時間が長くなる。したがって、最高血圧が所定値以上である被測定者に対しては、加圧測定方式がデフォルトの測定方式であったとしても、減圧測定方式に切替えることで、測定時間を短縮することができる。

0088

本実施の形態の具体例1では、このような視点にて測定方式が判定される。
図11は、本発明の実施の形態2における血圧測定制御の具体例1の流れを示すフローチャートである。図11では、図8のステップS206およびS208に代えて、それぞれ、ステップS216およびS218が実行される。

0089

図11を参照して、ステップS216では、測定結果記憶部43Bよりたとえば前回の最高血圧を読出す。より詳細には、ステップS102で選択されたユーザ識別情報に対応付けられて記憶された測定結果データのうち最新の日時の測定結果データに含まれた最高血圧データを読出す。

0090

そして、ステップS218では、読出した最高血圧が所定値たとえば170mmHg未満であるか否かを判断する。最高血圧が170mmHg未満であれば、ステップS110に進み、最高血圧が170mmHg以上であればステップS112に進む。つまり、最高血圧が170mmHg以上であれば、減圧測定方式の方が測定時間が短くなると判断されて、今回の測定方式を減圧測定方式に設定する。

0091

なお、最高血圧が170mmHg未満であれば、加圧測定方式としたのは、本実施の形態の具体例1において血圧計1のデフォルトの測定方式が加圧測定方式であるからであることとする。なお、この場合も実施の形態1の妊婦でない場合と同様に基本的にいずれの測定方式でも測定結果に差異はないし、測定時間が過度に長くなることもないため、必ずしも加圧測定方式でなくてもよい。

0092

(具体例2)
図12は、脈圧(最高血圧と最低血圧との差分値)が大きい場合の減圧測定方式および加圧測定方式それぞれの測定時間の違いを示す図である。図12(a)には、減圧測定方式で測定した場合の制御圧力値が時間軸に沿って示されている。図12(b)には、加圧測定方式で測定した場合の制御圧力値が時間軸に沿って示されている。

0093

脈圧が大きい被測定者に対し、減圧測定方式を適用すると、減圧過程で最低血圧が検出されるまで等速で減圧され続けるため、減圧過程における拘束時間が脈圧が高くない人と比べて測定時間が長くなる。また、これに伴ない、うっ血による影響が測定値に反映されてしまう可能性もある。具体的には、最低血圧が過大に評価される恐れがある。

0094

したがって、脈圧が所定値以上である被測定者に対しては、減圧測定方式がデフォルトの測定方式であったとしても、加圧測定方式に切替えることで、測定時間の短縮を図る。さらに、これにより、測定精度の向上も図ることができる。

0095

本実施の形態の具体例2では、このような視点にて測定方式が判定される。
図13は、本発明の実施の形態2における血圧測定制御の具体例2の流れを示すフローチャートである。図13では、図8のステップS206およびS208に代えて、それぞれ、ステップS226およびS228が実行される。

0096

図11を参照して、ステップS226では、測定結果記憶部43Bのたとえば前回の測定結果データに基づいて、前回の脈圧を算出する。より詳細には、ステップS102で選択されたユーザ識別情報に対応付けられて記憶された測定結果データのうち最新の日時の測定結果データに含まれた最高血圧データおよび最低血圧データを読出す。そして、読出した最高血圧と最低血圧との差を前回の脈圧とする。

0097

そして、ステップS228では、算出された脈圧が所定値たとえば100mmHg以上であるか否かを判断する。脈圧が100mmHg以上であれば、ステップS110に進み、脈圧が100mmHg未満であればステップS112に進む。つまり、脈圧が100mmHg以上であれば、加圧測定方式の方が測定時間が短くなると判断されて、今回の測定方式を加圧測定方式に設定する。

0098

なお、脈圧が100mmHg未満であれば、減圧測定方式としたのは、本実施の形態の具体例2において血圧計1のデフォルトの測定方式が減圧測定方式であるからであることとする。なお、この場合も実施の形態1の妊婦でない場合と同様に基本的にいずれの測定方式でも測定結果に差異はないし、測定時間が過度に長くなることもないため、必ずしも減圧測定方式でなくてもよい。

0099

(変形例)
上記実施の形態では、被測定者の過去の測定結果に基づいて、測定時間が短くなるような測定方式を判定するものであった。しかしながら、過去の測定結果に限定されず、被測定者の生体的条件に関する情報に基づいて測定時間が短くなるように測定方式を判定してもよい。

0100

図14は、減圧測定方式の場合の腕周の違いによる測定時間の影響を説明するための図である。図14(a)には、標準の太さの腕の場合の制御圧力値が時間軸に沿って示されている。図14(b)には、太腕の場合の制御圧力値が時間軸に沿って示されている。

0101

ポンプ51の流量に制限があるため、腕が太い(すなわち測定部位の周囲長が長い)と、初期の加圧時間が長くなる。その結果、全体の測定時間が長くなる。ポンプ51の流量を大きくするとそのような問題は起こらないが、そうするとコンポーネントが大きくなるためコストアップにつながる。そのため、ポンプ51の流量に制限がある場合には、太い腕の被測定者に対しては、徐速で加圧する加圧測定方式とした方が、測定時間を短くすることができる。

0102

したがって、腕が太い被測定者に対しては、減圧測定方式がデフォルトの測定方式であったとしても、加圧測定方式に切替えることで、測定時間の短縮を図る。

0103

本実施の形態の変形例では、このような視点にて測定方式が判定される。なお、腕が太いか否かは、たとえば、腕周が所定値(たとえば32cm)以上であるか否かで判断できる。あるいは、図1に示したカフ20の代わりに太腕用のカフ(図示せず)が取り付け可能である場合には、太腕用のカフが取り付けられたことを検知した場合に、被測定者の腕は太いと判断することもできる。後者の場合、たとえば、太腕用のカフと太腕用のエアチューブとからなる別ユニット(図示せず)が存在し、太腕用のエアチューブのプラグの長さと、標準のエアチューブ31のプラグの長さを変えておくことで、太腕用のカフが取り付けられたか否かを検知することができる。

0104

図15は、本発明の実施の形態2の変形例における血圧測定制御を示すフローチャートである。図15では、図8のステップS206およびS208に代えて、それぞれ、ステップS236およびS238が実行される。

0105

図11を参照して、ステップS236では、判定処理部104は、ユーザから、被測定者の生体的条件を示す情報として腕周情報の入力を受付ける。

0106

図16は、図15のステップS236で表示される画面の一例を示す図である。
図16を参照して、表示部40には、たとえば、「あなたの腕周は32cm以上ですか?」というメッセージが表示され、「YES」を示すボタン411と「NO」を示すボタン412とが表示される。

0107

腕周は32cm以上である、すなわち、YESボタン411が押下されたと判断した場合(ステップS238においてYES)、ステップS110に進む。一方、腕周は32cm未満である、すなわち、NOボタン412が押下されたと判断した場合(ステップS238においてNO)、ステップS112に進む。つまり、腕周が32cm以上との情報が入力されると、加圧測定方式の方が測定時間が短くなると判断されて、今回の測定方式を加圧測定方式に設定する。

0108

なお、腕周が32cm未満であれば、減圧測定方式としたのは、本実施の形態の変形例における血圧計1のデフォルトの測定方式が減圧測定方式であるからであることとする。なお、この場合も実施の形態1の妊婦でない場合と同様に基本的にいずれの測定方式でも測定結果に差異はないし、測定時間が過度に長くなることもないため、必ずしも減圧測定方式でなくてもよい。

0109

また、本実施の形態においてカフ20を巻き付ける部位すなわち測定部位が腕であったため、腕の太さで判断していたが、測定部位の周囲長が所定値以上であるかが判断されればよい。つまり、測定部位が手首であれば手首の周囲長(太さ)で判断することになる。

0110

上述のように、本実施の形態によると、被測定者の過去の測定値または被測定者の生体条件(太腕か否か)に基づいて、測定時間が長くならないように測定方式を決定することができる。したがって、被測定者の拘束時間を短縮することができ、その結果、被測定者の血圧測定へのモチベーションの低下を防止することができる。

0111

また、上記実施の形態1と同様に、被測定者の希望を優先させた上で測定方式を決定する。したがって、被測定者ごとに柔軟に、適した測定方式を決定することができる。

0112

なお、本実施の形態で示した具体例1,2,および変形例の処理は、それぞれ組合わせてもよい。また、本実施の形態の各例の処理と実施の形態1の処理とを組合わせてもよい。たとえば、妊娠中および太腕のうちいずれかの条件を満たしていれば、加圧測定方式と判定してもよい。また、妊娠中でない場合に、最高血圧の高さや脈圧の大きさなどを判断して、その判断結果に応じて測定方式を判定してもよい。

0113

また、本実施の形態では、測定時間短縮の観点から測定方式を決定したたため、最高血圧が高い被測定者に対して減圧測定方式を設定したが、圧迫による苦痛軽減の観点からは、加圧測定方式の方が望ましい。このことについて、再び図9を参照して説明する。

0114

図9を参照して、加圧測定方式での圧力値SYSと最大圧力値MAXaとの差を「ΔPa」、減圧測定方式での圧力値E_SYSと最大圧力値MAXbとの差を「ΔPb」と表わす。ΔPaは誤差程度であり、ΔPaは所定値(10〜40mmHgの間)である。そのため、最大圧力値MAXbの方が最大圧力値MAXaよりも大きな値となる。したがって、最高血圧が高い被測定者に対して減圧測定方式を採用すると、過剰な圧迫が必要となり苦痛を与えることになる。

0115

よって、圧迫による苦痛軽減の観点では、加圧測定方式の方が望ましいということになる。

0116

被測定者によって、または、同じ被測定者でも測定ごとに、測定時間を短くしたいか、測定精度を向上させたいか、圧迫による苦痛を軽減させたいかが異なると考えられる。したがって、測定方式管理テーブル431に、これらのうち、希望の判定基準を記憶させておき、測定の際に、ユーザ希望の判定基準により測定方式を判定することとしてもよい。あるいは、測定ごとに、どの観点(判定基準)から測定方式の自動切替え(判定)を行なうかをユーザに選択させてもよい。

0117

なお、上記実施の形態1および2において、測定に用いられた方の測定方式を表示部40に表示してもよい。具体的には、たとえば、各フローチャートのステップS120において、CPU100によって、加圧測定方式および減圧測定方式のうち測定に用いられた方の測定方式(すなわち測定方式の判定結果)を特定するための情報が表示部40に表示されてもよい。これにより、たとえば院内で医師立会いのもとで測定された場合であれば、医師は、表示中の血圧値がどちらの測定方式で測定された結果であるかを確認することができる。

0118

また、同様に、各フローチャートのステップS120において、測定方式の判定結果をを識別するための情報が測定値と関連付けられてフラッシュメモリ43に記憶されてもよい。これにより、被測定者が院外で測定した場合でも、測定結果を後に医師が確認する際に、どちらの測定方式で測定された血圧値かを把握することができる。この場合、具体的には、図3に示した測定結果データMiに、さらに、測定方式を表わすデータMMiが含まれることとしてよい。

0119

上記のように測定に用いられた方式を表示および/または記録することで、医師は、測定値の信頼性等を推定することができる。たとえば、被測定者が妊婦であるにもかかわらず減圧測定方式で測定されたとすると、測定値の信頼性はあまり高くないと推定することもできる。

0120

[実施の形態3]
上記実施の形態1および2では、被測定者の生体的条件(妊婦、腕が太い)または過去の測定値に基づいて、測定方式を自動判定したが、実際に両測定方式で測定した結果を比較して、被測定者ごとに適した測定方式(以下「推奨測定方式」という)を決定してもよい。このような形態を実施の形態3として説明する。

0121

本実施の形態における血圧計の構成は実施の形態1と同様である。したがって、ここでも実施の形態1で用いた符号を用いて説明する。

0122

以下に、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
図17は、本発明の実施の形態3における推奨測定方式の決定処理を示すフローチャートである。図17のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより推奨測定方式の決定処理の機能が実現される。なお、この決定処理は、測定の度に行なわれるものではなく、ユーザが電源スイッチ41AをONして、決定処理の機能の遂行をユーザが指示した場合にのみ実行される。

0123

図17を参照して、初めに、減圧測定処理部106が減圧測定方式にて血圧を測定する(ステップS302)。測定された血圧値は減圧測定方式での測定値として内部メモリに記録される(ステップS304)。減圧測定方式での測定が終了すると(ステップS306)、加圧測定処理部108が加圧測定方式にて血圧を測定する(ステップS308)。測定された血圧値は加圧測定方式での測定値として内部メモリに記録される(ステップS310)。加圧測定方式での測定が終了すると(ステップS312)、ステップS314に進む。

0124

ステップS314において、減圧測定方式での測定と加圧測定方式での測定が3セット終了したか否かを判断する。3セット終了していなければ(ステップS314においてNO)、ステップS302に戻り上記処理を繰返す。一方、3セット繰返されたと判断した場合(ステップS314においてYES)、ステップS316に進む。

0125

ステップS316において、CPU100は、ステップS304およびS310で記録された測定値を比較する。具体的には3回測定した値のばらつきを比較し、測定値が安定している方の方式を推奨測定方式として決定する(ステップS318)。または、代表的に医師などの医療従事者により聴診法によって測定された血圧値と比較し、その血圧値に近い方の測定方式を推奨測定方式として決定する。後者の場合、聴診法によって測定された血圧値がフラッシュメモリ43のたとえば所定の領域(図示せず)に記録されているものとする。なお、聴診法によって測定された血圧値と、両測定方式で測定された血圧値とを医療従事者が比較して、手動により、推奨測定方式を決定してもよい。

0126

このようにして決定された推奨測定方式は、測定方式管理テーブル431に新たに追加されてよい。その場合、判定処理部104は、たとえば、測定方式切替え機能が有効の場合に(図6のステップS104にて「有効」)、測定方式管理テーブル431に記録されている推奨測定方式をユーザに適した測定方式として判定する。

0127

上述のように、妊婦以外であればどちらの測定方式で測定してもその結果にあまり差異はないといわれているが、稀ではあっても両者に差異があるケースも考えられる。本実施の形態によると、実際の測定結果を比較して推奨測定方式を定めるため、確実に測定精度の高い方の測定方式を推奨測定方式とすることができる。その結果、被測定者に適した測定方式にて血圧を測定することができる。

0128

なお、本発明の血圧計が行なう、血圧測定制御方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。

0129

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

図面の簡単な説明

0130

本発明の実施の形態1に係る血圧計の外観斜視図である。
本発明の実施の形態1に係る血圧計のハードウェア構成を表わすブロック図である。
本発明の実施の形態1におけるフラッシュメモリのデータ構造の一例を示す図である。
本発明の実施の形態1のフラッシュメモリにおける測定方式管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
本発明の実施の形態1における血圧計の機能構成を示す機能ブロック図である。
本発明の実施の形態1における血圧測定制御の流れを示すフローチャートである。
図6のステップS106で表示される画面の一例を示す図である。
本発明の実施の形態2における血圧測定制御の概念的な流れを示すフローチャートである。
加圧測定方式および減圧測定方式それぞれによる最大圧力値の違いを示す図である。
最高血圧が高い場合の加圧測定方式および減圧測定方式それぞれの測定時間の違いを示す図である。
本発明の実施の形態2における血圧測定制御の具体例1の流れを示すフローチャートである。
脈圧が高い場合の減圧測定方式および加圧測定方式それぞれの測定時間の違いを示す図である。
本発明の実施の形態2における血圧測定制御の具体例2の流れを示すフローチャートである。
減圧測定方式の場合の腕周(測定部位の周囲長)の違いによる測定時間の影響を説明するための図である。
本発明の実施の形態2の変形例における血圧測定制御を示すフローチャートである。
図15のステップS236で表示される画面の一例を示す図である。
本発明の実施の形態3における推奨測定方式の決定処理を示すフローチャートである。

符号の説明

0131

1電子血圧計、10 本体部、20カフ、21空気袋、30エア系、31エアチューブ、32圧力センサ、33発振回路、40 表示部、41 操作部、41A電源スイッチ、41B測定スイッチ、41C 設定スイッチ、41Dカーソルスイッチ、42メモリ部、43フラッシュメモリ、43A使用者情報記憶部、43B測定結果記憶部、44 電源、45 計時部、46データ入出力部、50調整機構、51ポンプ、52 弁、53ポンプ駆動回路、54弁駆動回路、100 CPU、102選択受付部、104判定処理部、106減圧測定処理部、108加圧測定処理部、132記録媒体、431測定方式管理テーブル。

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