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技術 魚節類エキスの製造法

出願人 キッコーマン株式会社
発明者 橋岡靖隆佐藤薫
出願日 2008年8月29日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2008-220645
公開日 2010年3月11日 (10年9ヶ月経過) 公開番号 2010-051257
状態 特許登録済
技術分野 食用油脂 調味料
主要キーワード 脱アルコール処理 沈殿層 エチルアルコール濃度 魚節類 かび付け プロペラ式 含水エチルアルコール KCフロック
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年3月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

魚節油から、アミノ酸有機酸高濃度で含有し、魚節類特有香気濃厚に有し、また包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁リング状の油滴の付着を生じない、透明な魚節類エキスを容易に得る。

解決手段

魚節油に含水アルコール粉末セルロースとを加えて撹拌した後、静置して、透明な表層部及び不透明な沈殿層部からなる2層構造組成物を得る。ついで、この組成物から沈殿層部を分離除去し、課題の魚節類エキスを得る。

概要

背景

従来、魚節類含水アルコールを加えて抽出を行ない、抽出残渣を除去して抽出液を得、該抽出液を脱アルコール処理し、静置した後、下層部の魚節類エキス部と上層部の魚節油とに分離し、このとき副産される魚節油を除去して魚節類エキスを得る方法が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
しかし、これらの方法で副産される魚節油は、脂肪を主成分とするものであり、これが製品魚節類エキス中に混入するとエキス製品変質の大きな原因となるため、利用されることなくそのまま廃棄することを余儀なくされている。
したがって、この魚節油を有効利用することはほとんど行なわれておらず、有効利用する方法としては、魚節油に澱粉部分分解物を加えて撹拌し、鰹節香気に富んだ固形状(顆粒状)調味料を得ることが僅かに知られているに過ぎない(例えば、特許文献3参照)。
特公昭48−6539号公報
特公昭48−6540号公報
特開平11−243901号公報

概要

魚節油から、アミノ酸有機酸高濃度で含有し、魚節類特有の香気を濃厚に有し、また包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁リング状の油滴の付着を生じない、透明な魚節類エキスを容易に得る。魚節油に含水アルコールと粉末セルロースとを加えて撹拌した後、静置して、透明な表層部及び不透明な沈殿層部からなる2層構造組成物を得る。ついで、この組成物から沈殿層部を分離除去し、課題の魚節類エキスを得る。

目的

本発明は、魚節油から、アミノ酸と有機酸を高濃度で含有し、魚節類特有の香気を濃厚に有し、また、包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じない、透明な魚節類エキスを容易に得ることを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

魚節油に、含水アルコール粉末セルロースとを加えて撹拌静置して、沈殿層部を分離除去することを特徴とする魚節類エキス製造法

請求項2

魚節油が、鰹節由来の魚節油である請求項1記載の魚節類エキスの製造法。

技術分野

0001

本発明は、魚節類エキス製造法に関する。

背景技術

0002

従来、魚節類含水アルコールを加えて抽出を行ない、抽出残渣を除去して抽出液を得、該抽出液を脱アルコール処理し、静置した後、下層部の魚節類エキス部と上層部の魚節油とに分離し、このとき副産される魚節油を除去して魚節類エキスを得る方法が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
しかし、これらの方法で副産される魚節油は、脂肪を主成分とするものであり、これが製品魚節類エキス中に混入するとエキス製品変質の大きな原因となるため、利用されることなくそのまま廃棄することを余儀なくされている。
したがって、この魚節油を有効利用することはほとんど行なわれておらず、有効利用する方法としては、魚節油に澱粉部分分解物を加えて撹拌し、鰹節香気に富んだ固形状(顆粒状)調味料を得ることが僅かに知られているに過ぎない(例えば、特許文献3参照)。
特公昭48−6539号公報
特公昭48−6540号公報
特開平11−243901号公報

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、魚節油から、アミノ酸有機酸高濃度で含有し、魚節類特有の香気を濃厚に有し、また、包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁リング状の油滴の付着を生じない、透明な魚節類エキスを容易に得ることを課題とする。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、魚節油に、含水アルコールと粉末セルロースとを加えて撹拌し、静置するときは、透明な表層部と不透明な沈殿層部からなる2層構造組成物が得られること、そして該組成物から沈殿層部を分離除去することによって、魚節類特有の香気を濃厚に有し、しかもアミノ酸と有機酸を高濃度で含有し、また、包装容器に詰めて保存した場合に容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じない、透明な、高品質の魚節類エキスが容易に得られることを知った。

0005

本発明は、これらの知見に基づいて完成したものであって、以下に示す魚節類エキスの製造法である。

0006

(1)魚節油に、含水アルコールと粉末セルロースとを加えて撹拌、静置して、沈殿層部を分離除去することを特徴とする魚節類エキスの製造法。
(2)魚節油が、鰹節由来の魚節油である上記(1)記載の魚節類エキスの製造法。

発明の効果

0007

本発明によれば、魚節油から、アミノ酸と有機酸を高濃度で含有し、魚節類特有の香気を濃厚に有し、また、包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じない、透明な魚節類エキスを容易に得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0008

本発明の原料とする魚節油は、魚節類に含水アルコールを加えて抽出を行ない、抽出残渣を除去して抽出液を得、該抽出液を脱アルコール処理し、静置した後、下層部のエキス部と上層部の魚節油とに分離し、該エキス部を分離した際に副産される魚節油(例えば、特公昭48−6539号公報、特公昭48−6540号公報参照)が好ましい。

0009

具体的には、先ず、鰹節を予め粉砕或いは薄片とした後、これに含水アルコールを加え、加熱還流させて抽出操作を行ない、鰹節の香気の大部分および旨味の一部を抽出液中移行させる。上記加熱還流法の代わりに、浸漬撹拌法、あるいは向流接触法などを用いてもよい。
また、上記鰹節の代わりに宗田節、鮪節、節、鯵節、鰯節などの魚節類を用いてもよい。また、鰹節およびその他の魚節類は単独もしくは混合して用いてもよい。
本発明でいう魚節類とは、各種の燻乾品(または焙乾品)を意味し、かび付けを行なっていない荒節、鬼節、または、これらのかび付け品(本枯品)を意味する。

0010

上記含水アルコールとしては、含水低級アルコールが適しているが、30〜99v/v%、特に50〜80v/v%のエチルアルコール水溶液が好ましい。
含水アルコール抽出操作を行なった後、抽出液と抽出残渣とに分離する。
抽出液は、減圧下でアルコールを除き、次いでこれを静置して下層部のエキス部(以下、公知魚節類エキスという)と上層部(魚節油)とに分離し、ついで該上層部、即ち魚節油(以下、副産品ということがある)を分離する。

0011

魚節油は、脂肪を主成分とするものであり、これが魚節類エキスに混入すると、該エキスを用いるエキス製品変質の大きな原因となることが知られている。

0012

(本発明魚節類エキスの製造法)
上記魚節油に、含水アルコールを添加する。
ここで用いるアルコールとしては、低級アルコールが適しており、特にエチルアルコールが好ましい。
また、アルコール濃度は10〜99v/v%、特に20〜60v/v%が好ましい。アルコール濃度が20v/v%未満では、風味が乏しいものとなる欠点を有する。反対に60v/v%を超えると、包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じるので好ましくない。

0013

魚節油に対する含水アルコールの添加量は、容量比で1〜3倍が好ましく、1.5〜2.5倍がより好ましい。1〜3倍のときは、透明〜半透明の魚節類エキスが得られるので好ましい。
添加量が1倍より少ないときは、この後で行なわれる撹拌静置工程において、上層側の魚節類エキスと下層側の沈殿層部との境界面が不明瞭となり、相互に分離が困難となる不都合があり、3倍より多いときは、上層側の魚節類エキス部のアミノ酸含有量及びBrixが低くなるという不都合があり好ましくない。

0014

本発明で用いる粉末セルロースとしては任意のものが採用可能であるが、通常の方法により得られた無味無臭白色粉末状セルロース不純物が少ない特徴のものが好ましく、上記特徴に加えて天然食物繊維食品添加物規定に適合したものがより好ましい。このような具体例としては、例えば、日本製紙ケミカル社製の「KCフロックW−400G」などが挙げられる。

0015

セルロースの魚節油に対する添加量は、5〜15w/v%が好ましく、8〜10w/v%がより好ましい。
添加量が5w/v%より少ないと、魚節油が十分にセルロースに吸着しないという不都合があり、反対に添加量が15w/v%より多いと、魚節油ばかりでなく、魚節類エキスまで吸着され、その歩留りが悪くなるという不都合があるので好ましくない。

0016

本発明において、セルロースを用いることは極めて重要であって、活性白土を用いるときは、酸味苦味、生臭みを有する製品となるので好ましくない。
また、珪藻土を用いるときは、包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じる製品となるので好ましくない。

0017

撹拌の条件は、プロペラ式撹拌機あるいは手動撹拌など、均一に混合撹拌される条件が好ましい。

0018

静置の条件は、魚節油が撹拌後に2層構造に明瞭に分離するのに充分な時間とすることが必要で、例えば、6〜72時間が好ましく、12〜48時間がより好ましい。
このように静置すると、透明な表層部と不透明な沈殿層部からなる2層構造の組成物が得られる。この組成物から沈殿層部を分離除去することによって、魚節類特有の香気を濃厚に有し、しかもアミノ酸と有機酸を高濃度で含有し、また、包装容器に詰めて保存した場合に容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じない、透明な、高品質の魚節類エキスが得られる。

0019

以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。

0020

(鰹節油の製造)
公知鰹節エキスの製造法に従い、薄片にした鰹節(鰹の燻乾品でかび付けの行なわれていない荒節)10kgに80v/v%含水エチルアルコール50L(原料重量に対し約5倍量)を加え、品温80℃で緩く撹拌しながら60分抽出し、抽出液と抽出残渣とに分離し、該抽出液を減圧下でエチルアルコールを除き、これを静置して、鰹節特有の香気を濃厚に有し、透明な鰹節エキスからなる下層部と、この表面に浮く鰹節油からなる上層部の2層構造の組成物を得た。次いで、下層部からは公知鰹節エキスを、そして上層部からは鰹節油(副産品)1.2Lを得た。
なお、上記で得られる公知鰹節エキスは、そのまま製品として利用可能である。

0021

(本発明による鰹節エキスの製造)
上記公知鰹節エキスの製造法において副産される鰹節油1Lに40v/v%含水エチルアルコール2Lを加えて撹拌溶解した。さらに吸着剤として、粉末セルロース(日本製紙ケミカル社製KCフロックW−400G)0.09kgを加え、セルロースが均一に分散するように撹拌し、24時間室温で静置した。
このように静置することにより、透明な表層部と不透明な沈殿層部からなり境界面が明瞭な、2層構造の組成物を得た。ついで、2層を相互に分離し、沈殿層部を除去して、鰹節特有の香気を濃厚に有し、透明な、鰹節エキスを得た。

0022

(公知鰹節エキスと本発明により得られた鰹節エキスのアミノ酸分析試験
上記2種類の鰹節エキスのアミノ酸組成を、通常の液体クロマトグラフィーにより分析した。その結果を図1に示す。
図1の結果から、本発明により得られた鰹節エキスは、公知鰹節エキスに比べて、アラニンロイシンチロシンフェニールアラニン、リジンヒスチジンプロリンを約2倍あるいはそれ以上高濃度に含有しており、特に、鰹節の上等な旨みの本体の成分ヒスチジンが公知鰹節エキスに比べて約2倍も多く含まれており、良好な呈味を有することが判る。

0023

(公知鰹節エキスと、本発明により得られた鰹節エキスの有機酸分析試験
上記2種類の鰹節エキスの有機酸組成を、通常の液体クロマトグラフィーにより分析した。その結果を図2に示す。
図2の結果から、本発明により得られた鰹節エキスは、公知鰹節エキスと比較すると乳酸は少し少ないが、かなり高濃度に含有し、その他の有機酸は同程度に含有していることが判る。このことから、本発明により得られた鰹節エキスは、公知鰹節エキスと比べて、遜色のない良好な呈味を有することが判る。

0024

(比較例1)
比較のため、上記実施例1の本発明による鰹節エキスの製造において、「粉末セルロース」の代わりに「活性白土(日本活性白土社製 活性白土SA1)」を用いること以外は、全く同様にして比較例1の鰹節エキスを得た。

0025

(比較例2)
また、比較のため、上記実施例1の本発明による鰹節エキスの製造において、「粉末セルロース」の代わりに「珪藻土(日本活性白土社製ラジオライト)」を用いること以外は、全く同様にして比較例2の鰹節エキスを得た。

0026

官能評価
上記実施例1、比較例1および比較例2で得られた鰹節エキスの、風味について官能試験を実施した。その結果を表1に示す。

0027

(リング状油滴の付着試験)
また、外径3cm、高さ2.5cmのキャップ部、内径5cm、高さ15cmの胴部および上記キャップ部と上記胴部を結合する高さ2cmの円錐台肩部とからなる容量300mlの清涼飲料ペットボトルに、上記3種類の鰹節エキスをそれぞれ200ml充填し、48時間静置したのち、内周壁に付着する油滴を肉眼で観察した。その結果を表1に示す。

0028

0029

表1の結果から、活性白土を用いる比較例1は、酸味、苦味、生臭みを有する製品となるので好ましくないことが判る。
また、珪藻土を用いる比較例2は、包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じ、外観が悪い製品となるので好ましくないことが判る。
これに対し、セルロースを用いる本発明により得られた鰹節エキスは、鰹節の燻香が強く、また、酸味、苦味、生臭みなどの異味異臭がなく、しかも容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じることがなく、外観も美しい製品となる利点を有することが判る。

0030

実施例1の「本発明による鰹節エキスの製造」の欄において、該鰹節油を溶解するエチルアルコールの濃度を「40v/v%」とする代わりに、下記、表2の記載の濃度とする以外は全く同様にして、鰹節油から各種の鰹節エキスを得た。
次いで、この各鰹節エキスについて、上記リング状油滴の付着試験を実施した。そして、容量300mlの清涼飲料用ペットボトルにて、内周壁に付着する油滴を肉眼で観察した。その結果を表2に示す。
なお、上記鰹節油に対して20v/v%未満の含水エチルアルコールを用いるときは、得られる鰹節エキスは風味が乏しいものとなることが判明した。

0031

0032

表2の結果から、エチルアルコール濃度が60v/v%を超える含水エチルアルコールを用いるときは、鰹節エキスを包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁にリング状の油滴の付着を生じる欠点を有することが判る。これに対し、エチルアルコール濃度が20〜60v/v%の含水エチルアルコールを用いるときは、包装容器に詰めて保存した場合に、容器内周壁にリング状の油滴の付着を防止できることが判る。

図面の簡単な説明

0033

公知鰹節エキスと本発明により得られた鰹節エキス(図1では本発明鰹節エキスとして示す)のアミノ酸分析試験結果を示す。
公知鰹節エキスと本発明により得られた鰹節エキス(図2では本発明鰹節エキスとして示す)の有機酸分析試験結果を示す。

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