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技術 樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システム

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 佐々木章亘菊屋信之大久保貴史林田昌大
出願日 2008年8月11日 (11年10ヶ月経過) 出願番号 2008-206978
公開日 2010年2月25日 (10年4ヶ月経過) 公開番号 2010-043165
状態 未査定
技術分野 プラスチック廃棄物の分離・回収・処理
主要キーワード セラミクス粒子 渦式流量計 流量制御計 補給ガス 精製液中 塩素含有物質 高沸点油 低沸点油
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

樹脂の分解において得られる回収目的成分以外の有機物大気中に放出することなく、かつ、高濃度で回収目的成分を回収できる樹脂の分解生成物回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムの提供。

解決手段

固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽10と、これより供給される固体粒子に樹脂を接触させて樹脂を分解する分解槽20と、分解槽20で分解した樹脂の分解生成物を冷却して液体状の分解生成物(回収液)を回収する回収装置30と、回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物(精製液)を得る精製装置40とを具備する回収システム1を使用し、分解槽20から排出される固体粒子に混在する固体状の樹脂の分解残渣と、回収装置30から排出される液化しなかった気体状の分解生成物と、精製装置40で回収液の精製により除去される不純物とを固体粒子加熱槽10に返送して燃焼処理する。

概要

背景

不要となった樹脂を分解し、その分解生成物回収して利用することは、樹脂の有効利用の点で望まれている。特に、液体状の分解生成物は、液体燃料等に利用できるので好ましい。さらに、メタクリル酸メチルを含む樹脂を分解して、液体状のメタクリル酸メチルモノマーを回収すると、それを樹脂製造の原料として再利用できるので、特に好ましい。
樹脂の分解方法としては、例えば高温固体粒子(砂等)に樹脂を接触させて、樹脂を熱分解する方法が知られている。そして、発生した分解生成物を含むガスを冷却することで、液体状の分解生成物が得られる。液体状の分解生成物は、必要に応じて精製され不純物等が除去される。

このような樹脂の分解生成物の回収方法としては、例えば特許文献1には、樹脂(廃プラスチック)を乾留熱分解させて粗モノマーに分解し、得られた粗モノマーを蒸留して、粗モノマーに比べて低沸点不純物化合物と高沸点の不純物化合物とを分離除去する廃プラスチックからの油回収方法が開示されている。
また、特許文献2には、ポリマー材料熱媒と接触させ、モノマーを含有するガスを冷却して凝縮液とし、モノマーを回収する方法が開示されている。

しかし、特許文献1に記載の方法は、樹脂の分解時に生じる固体状の樹脂の分解残渣や、粗モノマーから分離除去された不純物化合物の処理については言及していない。
また、特許文献2に記載の方法は、樹脂の分解残渣や、モノマーを含有するガスを冷却する際に液化しなった気体状のモノマーなど、回収されるモノマー以外の有機物の処理については言及していない。
樹脂の分解残渣、樹脂を分解して得られる分解生成物を冷却しても液体状にならない気体状の分解生成物、分解生成物を冷却して得られる液体状の分解生成物を精製したときに除去される不純物などの有機物を適正に処理せずに大気中に放出することは、環境保全の観点で好ましくなく、これら有機物を適正に処理して廃棄することが望まれている。

そこで、例えば特許文献3には、樹脂(廃プラスチック)を熱分解手段により、高温の砂及び/又は添加剤と混合、直接加熱して、ガス状高沸点油低沸点油及び気体状の分解生成物(低分子ガス)から成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を製造し、気液分離手段により、熱分解生成物から高沸点油と低分子ガスを除去し、低沸点油を回収すると共に、固体状の熱分解残渣や気体状の分解生成物等を残渣焼却手段で燃焼する方法が開示されている。
特開平7−89900号公報
特表2006−526582号公報
特開平9−235563号公報

概要

樹脂の分解において得られる回収目的成分以外の有機物を大気中に放出することなく、かつ、高濃度で回収目的成分を回収できる樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムの提供。固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽10と、これより供給される固体粒子に樹脂を接触させて樹脂を分解する分解槽20と、分解槽20で分解した樹脂の分解生成物を冷却して液体状の分解生成物(回収液)を回収する回収装置30と、回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物(精製液)を得る精製装置40とを具備する回収システム1を使用し、分解槽20から排出される固体粒子に混在する固体状の樹脂の分解残渣と、回収装置30から排出される液化しなかった気体状の分解生成物と、精製装置40で回収液の精製により除去される不純物とを固体粒子加熱槽10に返送して燃焼処理する。

目的

しかしながら、特許文献3に記載の方法では、目的とする成分(回収目的成分)を高濃度で回収するという観点では、必ずしも満足するものではなかった。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽と、該固体粒子加熱槽より供給される固体粒子に樹脂を接触させて樹脂を分解する分解槽と、該分解槽で分解した樹脂の分解生成物を冷却して液体状の分解生成物を回収液として回収する回収装置と、回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物を精製液として得る精製装置とを具備する回収システムを使用して樹脂の分解生成物を回収する方法であって、前記分解槽から排出される固体粒子に混在する固体状の樹脂の分解残渣と、前記回収装置から排出される液化しなかった気体状の分解生成物と、前記精製装置で回収液の精製により除去される不純物とを前記固体粒子加熱槽に返送して燃焼処理することを特徴とする樹脂の分解生成物の回収方法

請求項2

前記樹脂がメタクリル酸メチルを含む単量体重合した樹脂であり、回収する樹脂の分解生成物がメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂の分解生成物の回収方法。

請求項3

固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽と、該固体粒子加熱槽より供給される固体粒子に樹脂を接触させて樹脂を分解する分解槽と、該分解槽で分解した樹脂の分解生成物を冷却して液体状の分解生成物を回収液として回収する回収装置と、回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物を精製液として得る精製装置とを具備し、前記分解槽は、前記固体粒子加熱槽で加熱された固体粒子が供給される配管と、樹脂が供給される配管と、分解した樹脂の分解生成物を前記回収装置に供給する配管と、固体粒子、および該固体粒子に混在する固体状の樹脂の分解残渣を排出し前記固体粒子加熱槽に返送する配管を備え、前記回収装置は、樹脂の分解生成物を冷却することで得られる液体状の分解生成物を回収液として前記精製装置に供給する配管と、液化しなかった気体状の分解生成物を排出して前記固体粒子加熱槽に返送する配管を備え、前記精製装置は、回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物を精製液として回収する精製液回収容器、および該精製液回収容器へ精製液を供給する配管と、回収液の精製により除去される不純物を前記固体粒子加熱槽に返送する配管を備えたことを特徴とする樹脂の分解生成物の回収システム。

請求項4

前記精製装置が、精製された樹脂の分解生成物よりも沸点の低い低沸点不純物を回収液より除去する低沸点不純物除去手段と、精製された樹脂の分解生成物よりも沸点の高い高沸点不純物を回収液より除去する高沸点不純物除去手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の樹脂の分解生成物の回収システム。

技術分野

0001

本発明は、樹脂分解生成物回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムに関する。

背景技術

0002

不要となった樹脂を分解し、その分解生成物を回収して利用することは、樹脂の有効利用の点で望まれている。特に、液体状の分解生成物は、液体燃料等に利用できるので好ましい。さらに、メタクリル酸メチルを含む樹脂を分解して、液体状のメタクリル酸メチルモノマーを回収すると、それを樹脂製造の原料として再利用できるので、特に好ましい。
樹脂の分解方法としては、例えば高温固体粒子(砂等)に樹脂を接触させて、樹脂を熱分解する方法が知られている。そして、発生した分解生成物を含むガスを冷却することで、液体状の分解生成物が得られる。液体状の分解生成物は、必要に応じて精製され不純物等が除去される。

0003

このような樹脂の分解生成物の回収方法としては、例えば特許文献1には、樹脂(廃プラスチック)を乾留熱分解させて粗モノマーに分解し、得られた粗モノマーを蒸留して、粗モノマーに比べて低沸点不純物化合物と高沸点の不純物化合物とを分離除去する廃プラスチックからの油回収方法が開示されている。
また、特許文献2には、ポリマー材料熱媒と接触させ、モノマーを含有するガスを冷却して凝縮液とし、モノマーを回収する方法が開示されている。

0004

しかし、特許文献1に記載の方法は、樹脂の分解時に生じる固体状の樹脂の分解残渣や、粗モノマーから分離除去された不純物化合物の処理については言及していない。
また、特許文献2に記載の方法は、樹脂の分解残渣や、モノマーを含有するガスを冷却する際に液化しなった気体状のモノマーなど、回収されるモノマー以外の有機物の処理については言及していない。
樹脂の分解残渣、樹脂を分解して得られる分解生成物を冷却しても液体状にならない気体状の分解生成物、分解生成物を冷却して得られる液体状の分解生成物を精製したときに除去される不純物などの有機物を適正に処理せずに大気中に放出することは、環境保全の観点で好ましくなく、これら有機物を適正に処理して廃棄することが望まれている。

0005

そこで、例えば特許文献3には、樹脂(廃プラスチック)を熱分解手段により、高温の砂及び/又は添加剤と混合、直接加熱して、ガス状高沸点油低沸点油及び気体状の分解生成物(低分子ガス)から成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を製造し、気液分離手段により、熱分解生成物から高沸点油と低分子ガスを除去し、低沸点油を回収すると共に、固体状の熱分解残渣や気体状の分解生成物等を残渣焼却手段で燃焼する方法が開示されている。
特開平7−89900号公報
特表2006−526582号公報
特開平9−235563号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献3に記載の方法では、目的とする成分(回収目的成分)を高濃度で回収するという観点では、必ずしも満足するものではなかった。

0007

本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、樹脂の分解において得られる回収目的成分以外の有機物を大気中に放出することなく、かつ、高濃度で回収目的成分を回収できる樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の樹脂の分解生成物の回収方法は、固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽と、該固体粒子加熱槽より供給される固体粒子に樹脂を接触させて樹脂を分解する分解槽と、該分解槽で分解した樹脂の分解生成物を冷却して液体状の分解生成物を回収液として回収する回収装置と、回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物を精製液として得る精製装置とを具備する回収システムを使用して樹脂の分解生成物を回収する方法であって、前記分解槽から排出される固体粒子に混在する固体状の樹脂の分解残渣と、前記回収装置から排出される液化しなかった気体状の分解生成物と、前記精製装置で回収液の精製により除去される不純物とを前記固体粒子加熱槽に返送して燃焼処理することを特徴とする。

0009

また、分解する樹脂がメタクリル酸メチルを含む単量体重合した樹脂の場合にも好適であり、この場合、回収する樹脂の分解生成物はメタクリル酸メチルである。

0010

また、本発明の樹脂の分解生成物の回収システムは、固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽と、該固体粒子加熱槽より供給される固体粒子に樹脂を接触させて樹脂を分解する分解槽と、該分解槽で分解した樹脂の分解生成物を冷却して液体状の分解生成物を回収液として回収する回収装置と、回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物を精製液として得る精製装置とを具備し、前記分解槽は、前記固体粒子加熱槽で加熱された固体粒子が供給される配管と、樹脂が供給される配管と、分解した樹脂の分解生成物を前記回収装置に供給する配管と、固体粒子、および該固体粒子に混在する固体状の樹脂の分解残渣を排出し前記固体粒子加熱槽に返送する配管を備え、前記回収装置は、樹脂の分解生成物を冷却することで得られる液体状の分解生成物を回収液として前記精製装置に供給する配管と、液化しなかった気体状の分解生成物を排出して前記固体粒子加熱槽に返送する配管を備え、前記精製装置は、回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物を精製液として回収する精製液回収容器、および該精製液回収容器へ精製液を供給する配管と、回収液の精製により除去される不純物を前記固体粒子加熱槽に返送する配管を備えたことを特徴とする。

0011

また、前記精製装置が、精製された樹脂の分解生成物よりも沸点の低い低沸点不純物を回収液より除去する低沸点不純物除去手段と、精製された樹脂の分解生成物よりも沸点の高い高沸点不純物を回収液より除去する高沸点不純物除去手段とを備えたことが好ましい。

発明の効果

0012

本発明の樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムによれば、樹脂の分解において得られる回収目的成分以外の有機物を大気中に放出することなく、かつ、高濃度で回収目的成分を回収できる。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明の樹脂の分解生成物の回収方法(以下、単に「回収方法」という場合がある。)は、固体粒子加熱槽で加熱した固体粒子を分解槽に供給し、分解槽で固体粒子に樹脂を接触させて分解し、得られた樹脂の分解生成物を回収装置で冷却して液体状の分解生成物(回収液)を回収し、該回収液を精製装置にて精製して不純物を除去し、精製された樹脂の分解生成物(精製液)を回収することを特徴とする。
ここで、図1を参照しながら本発明を詳細に説明する。

0014

図1は、本発明の樹脂の分解生成物の回収システム(以下、単に「回収システム」という場合がある。)の一例を示す概略構成図である。この例の回収システム1は、固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽10と、樹脂を分解する分解槽20と、分解生成物を冷却する回収装置30と、回収液を精製する精製装置40とを具備する。

0015

固体粒子加熱槽10は、固体粒子を加熱して後述する分解槽20へ供給する装置である。固体粒子加熱槽10としては、流動槽攪拌機を備えた流動槽が挙げられる。撹拌機攪拌翼の形状は特に限定されず、パドル翼アンカー翼リボン翼ヘリカル翼プロペラ翼タービン翼等が例示できる。
固体粒子加熱槽10は、分散板Aで上下に仕切られているのが好ましい。分散板Aは、大気中から取り込んだ空気等を分散させるためのものであり、分散板Aの下側(分散室11)に一旦供給された空気等を分散板Aによって分散させ、分散板Aの上側(加熱室12)へ空気を供給する。
分散板Aとしては、多孔板スリット板メッシュ板焼結フィルターノズルキャップ付きノズル等が挙げられる。

0016

さらに、固体粒子加熱槽10にはバーナー13が設置されており、後述する精製装置40から返送される低沸点不純物と高沸点不純物の混合液を燃焼させることで熱風を発生させ、固体粒子等を加熱する。固体粒子加熱槽10で使用する燃料として低沸点不純物と高沸点不純物の混合液を用いることで、新たに燃料を供給する必要がないので、環境的、コスト的な観点から好ましい。

0017

固体粒子加熱槽10で加熱された固体粒子は、配管aより分解槽20へ供給される。この際、固体粒子加熱槽10内の流動性を良好に維持する観点から、固体粒子加熱槽10の分散室11に、大気中から取り込んだ空気を流動化ガスとして一旦供給し、分散板Aによって分散させて固体粒子加熱槽10の加熱室12内に流動化ガスを供給しながら、固体粒子を加熱するのが好ましい。固体粒子加熱槽10への空気(流動化ガス)の供給方法としては、例えば固体粒子加熱槽10に連結したブロワー51を使用して配管bより固体粒子加熱槽の10分散室11に供給することが、定量供給及び加圧供給の観点から好ましい。空気の供給速度計測、及び制御は、渦式流量計等のガス用流量制御計(図示略)により行うことができる。

0018

固体粒子加熱槽10への空気の1時間当り供給量は、その供給量(Nm3/hr)を固体粒子加熱槽10の加熱室12の断面積(m2)で割った数値が40〜4000となるのが好ましく、70〜2000となるのがより好ましい。空気の供給量が上記範囲内であれば固体粒子加熱槽10に流動化ガスが十分に供給されるので、固体粒子加熱槽10内の流動性を良好に維持できる。
なお、本発明において「Nm3/hr」とは0℃、大気圧換算したときの流量(m3/hr)である。

0019

分解槽20は、固体粒子加熱槽10から供給される固体粒子に樹脂を接触させ、樹脂を分解する装置である。
分解槽20としては、流動槽、攪拌機を備えた流動槽が挙げられる。撹拌機の攪拌翼の形状は特に限定されず、パドル翼、アンカー翼、リボン翼、ヘリカル翼、プロペラ翼、タービン翼等が例示できる。
分解槽20は、分散板Bで上下に仕切られているのが好ましい。分散板Bは、後述する流動化ガスを分散させるためのものであり、分散板Bの下側(分散室21)に一旦供給された流動化ガスを分散板Bによって分散させ、分散板Bの上側(分解室22)へ流動化ガスを供給する。
分散板Bとしては、多孔板、スリット板、メッシュ板、焼結フィルター、ノズル、キャップ付きノズル等が挙げられる。

0020

本発明において、分解槽20に供給される「流動化ガス」とは、分解槽20の分散室21に供給されるガスを指す。具体的には、後述する補給ガス直接分解槽20の分散室21に供給する場合には、流動化ガスは補給ガスを指す。また、後述する回収装置30で液化しなかった気体状の分解生成物を分解槽20の分散室21に返送する場合には、流動化ガスは気体状の分解生成物を指す。また、液化しなかった気体状の分解生成物または該気体状の分解生成物を含む混合ガスに補給ガスを供給し、分解槽20の分散室21に返送する場合には、流動化ガスは補給ガスと液化しなかった気体状の分解生成物の混合物(混合ガス)を指す。

0021

分解槽20は、配管a、c、d、eを備え、配管a、eにより固体粒子加熱槽10に、配管dにより回収装置30にそれぞれ連結している。分解槽20が分散板Bで上下に仕切られている場合、配管a、c、d、eは分解槽20の分解室22に設けられ、配管a、cは分解室22の側面に、配管dは分解室22の上面または側面に、配管eは分解室22の底面に設けられるのが好ましい。

0022

分解槽20には、固体粒子加熱槽10で加熱された固体粒子が配管aから、樹脂が配管cからそれぞれ供給される。そして、分解槽20内にて樹脂が固体粒子に接触することで分解される。この際、分解槽20内の流動性を良好に維持する観点から、分解槽20の分散室21に流動化ガスを一旦供給し、分散板Bによって分散させて分解槽20の分解室22内に流動化ガスを供給しながら、樹脂を分解するのが好ましい。分解槽20への流動化ガスの供給方法としては、例えば分解槽20に連結したブロワー52を使用することが定量供給及び加圧供給の観点から好ましい。流動化ガスの供給速度の計測、及び制御は、渦式流量計等のガス用流量制御計(図示略)により行うことができる。また、後述するように、補給ガスを直接供給できる配管を分解槽20に設けて補給ガスを供給したり、回収装置30で液化しなかった気体状の分解生成物等を分解槽20に返送したりすることで、流動化ガスを分解槽20に供給することができる。
なお、分解槽20には、樹脂を供給する前に、予め所定量の固体粒子を充填させておく。

0023

分解槽20への樹脂の供給量は、分解槽20の容積(分解槽20が分散板Bで上下に仕切られている場合は分解槽20の分解室22の容積)に応じて、適宜設定される。
分解槽20への固体粒子の1時間当りの供給量は、樹脂の1時間当りの供給量の1〜20倍が好ましく、5〜15倍がより好ましい。固体粒子の供給量が上記範囲内であれば、樹脂の分解が十分に進行する。なお、樹脂の供給量と固体粒子の供給量は質量とする。
分解槽20へ流動化ガスを供給する場合、その1時間当りの供給量は、その供給量(Nm3/hr)を分解槽20の分解室22の断面積(m2)で割った数値が40〜4000となるのが好ましく、70〜2000となるのがより好ましい。流動化ガスの供給量が上記範囲内であれば分解槽20の分解室22に流動化ガスが十分に供給されるので、分解槽20内の流動性を良好に維持できる。

0024

分解槽20で分解された樹脂の分解生成物は概ね気体状であり、分解槽20から排出され、配管dより回収装置30へ供給される。なお、分解槽20に流動化ガスを供給する場合は、流動化ガスも分解槽20から排出され、樹脂の分解生成物との混合ガス(未冷却混合ガス)の状態で配管dより回収装置30へ供給される。

0025

また、分解槽20からは、固体粒子が排出され、排出された固体粒子は配管eより固体粒子加熱槽10の加熱室12に返送される。排出される固体粒子には樹脂の分解残渣が混在しており、その樹脂の分解残渣は、固体粒子加熱槽10で燃焼される。この際、上述した方法と同様にして、固体粒子加熱槽10に大気中から取り込んだ空気を流動化ガスとして供給すれば、固体粒子加熱槽10内の流動性をより良好に維持できる。

0026

回収装置30は、分解槽20で分解された樹脂の分解生成物を冷却する装置であり、冷却手段を含む。冷却手段としては、管式熱交換器プレート式熱交換器スクラバー等が挙げられる。
回収装置30は、冷却手段の他に、ミスト回収手段を設置するのが好ましい。ミスト回収手段としては、サイクロン式ミスト回収手段、メッシュ式ミスト回収手段等が挙げられる。

0027

回収装置30は、配管f、gを備え、配管fにより精製装置40に、配管gにより固体粒子加熱槽10に、それぞれ連結している。配管fは回収装置30の底面に、配管gは回収装置30の上面に設けられるのが好ましい。
回収装置30では、樹脂の分解生成物(分解槽20に流動化ガスを供給する場合は未冷却混合ガス)を冷却することにより、樹脂の分解生成物を液化する。液体状になった分解生成物(以下、「回収液」という場合がある。)は回収され、配管fより精製装置40へ供給される。

0028

一方、回収装置30で液化しなかった気体状の分解生成物(分解槽20に流動化ガスを供給する場合は気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガス)は、回収装置30から排出され、配管gを通って固体粒子加熱槽10に返送され燃焼処理される。固体粒子加熱槽10が分散室11を備えている場合は、該分散室11へ返送される。この際、固体粒子加熱槽10に返送する前に、気体状の分解生成物(または混合ガス)をブロワー52に供給して加圧するのが好ましい。加圧することで、より安定して気体状の分解生成物(または混合ガス)を固体粒子加熱槽10へ返送できる。

0029

ここで、気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを加圧し、固体粒子加熱槽10の分散室11へ返送する方法の一例を説明する。
回収装置30から排出された液化しなかった気体状の分解生成物および流動化ガスの混合ガスは、配管gよりブロワー52に供給され、加圧される。加圧された混合ガスは、配管hを通って固体粒子加熱槽10の分散室11に返送される。配管hは、図1に示すように分岐点h’で配管iと配管jに分岐していてもよく、図2に示すように固体粒子加熱槽10の分散室11に直接接続されていてもよい。配管hが図1に示すように分岐している場合、配管iは分解槽20の分散室21に、配管jは固体粒子加熱槽10の分散室11にそれぞれ接続され、加圧された混合ガスは分解槽20の分散室21と固体粒子加熱槽10の分散室11にそれぞれ返送される。なお、配管hが分岐して配管iが分解槽20の分散室21に接続されている場合、配管iを通って分解槽20の分散室21に返送される気体状の分解生成物は、流動化ガスとしての役割を果たすことができる。従って、後述するように補給ガスを分解槽20に供給しなくても分解槽20内の流動性は良好に維持できるが、補給ガスを供給すれば、分解槽20内の流動性をより良好に維持できる。
ここで、図2において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略することがある。

0030

混合ガスを分岐点h’で分岐させて供給する場合には、分解槽20の分散室21への混合ガスの返送量(i)と、固体粒子加熱槽10の分散室11への混合ガスの返送量(j)の比は、返送量(i):返送量(j)=0.99:0.01〜0.7〜0.3が好ましく、0.98:0.02〜0.8〜0.2がより好ましい。返送量の比が上記範囲内であれば、分解槽20内の流動性をより安定して保つことができ、また、混合ガス中の気体状の分解生成物の効率的な燃焼処理が可能となる傾向にある。返送量の比を算出する際は、それぞれの流量の単位は「Nm3/hr」とする。
なお、各分散室への混合ガスの供給量は、配管iや配管jに流量調整バルブ流量計を設置し、流量を計測しながら流量制御バルブ開度を調節することで制御できる。

0031

分解槽20の分散室21に返送された混合ガスは、分散板Bによって分散されながら分解室22に供給され、新たに分解された樹脂の分解生成物と共に分解槽20から排出され、配管dを通って回収装置30に供給される。

0032

一方、固体粒子加熱槽10の分散室11に返送された混合ガスは、燃焼処理され、廃ガスとして配管kより排出される。この際、上述した方法と同様にして、大気中から分散室11に取り込んだ空気を流動化ガスとして、分散板Aによって分散させながら固体粒子加熱槽10の加熱室12に供給することで、固体粒子加熱槽10内の流動性をより良好に維持できる。

0033

固体粒子加熱槽10への空気の1時間当りの供給量は、その供給量(Nm3/hr)を固体粒子加熱槽10の加熱室12の断面積(m2)で割った数値が40〜4000となるのが好ましく、70〜2000となるのがより好ましい。空気の供給量が上記範囲内であれば固体粒子加熱槽10に流動化ガスが十分に供給されるので、固体粒子加熱槽10内の流動性を良好に維持できる。

0034

また、分岐点h’よりも上流側で配管hに配管lを合流させ、加圧した混合ガスを分解槽20の分散室21や固体粒子加熱槽10の分散室11に返送する前に、補給ガスを配管lから混合ガスに供給してもよい。補給ガスを混合ガスに供給することで、流動化ガス中の気体状の分解生成物の濃度を調整することができる。
混合ガスへの補給ガスの1時間当りの供給量は、配管jを通って固体粒子加熱槽10の分散室11に返送される混合ガスの流量の0.8〜1.2倍とすることが好ましく、0.9〜1.1倍とすることがより好ましい。補給ガスの供給量が上記範囲内であれば、配管iを通って分解槽20の分散室21に返送される混合ガスの流量や、配管jを通って固体粒子加熱槽10の分散室11に返送される混合ガスの流量をほぼ一定に維持することができる。補給ガスの流量と、固体粒子加熱槽10の分散室11に返送される混合ガスの流量の比を算出する際は、それぞれの流量の単位は「Nm3/hr」とする。

0035

なお、図2に示すように、配管hが分岐せずに固体粒子加熱槽10の分散室11に直接接続され、加圧した混合ガスが配管hを通って固体粒子加熱槽10の分散室11に直接返送される場合は、配管lを分解槽20の分散室21に直接接続し、補給ガスを分解槽20の分散室21に直接供給することが好ましい。分解槽20に補給ガスを直接供給する場合、その1時間当りの供給量は、その供給量(Nm3/hr)を分解槽20の分解室22の断面積(m2)で割った数値が、40〜4000となるのが好ましく、70〜2000となるのがより好ましい。補給ガスの供給量が上記範囲内であれば分解槽20の分解室22に流動化ガスが十分に供給されるので、分解槽20内の流動性を良好に維持できる。

0036

精製装置40は、回収装置30で回収された回収液を精製し、精製された樹脂の分解生成物を精製液として回収する装置である。精製装置40としては、蒸留塔が挙げられ、具体的には、多段連続蒸留塔を用いるのが好ましい。
また、図1、2に示すように、精製装置40が2機の蒸留塔、すなわち、低沸点不純物除去手段41と、高沸点不純物除去手段42を備えれば、精製液中における回収目的成分の濃度がより高くなるので好ましい。低沸点不純物除去手段41は、回収目的成分よりも沸点の低い低沸点不純物を回収液より除去する手段であり、高沸点不純物除去手段42は、回収目的成分よりも沸点の高い高沸点不純物を回収液より除去する手段である。

0037

精製装置40で精製された樹脂の分解生成物(精製液)は、精製液回収容器43に回収される。一方、回収液より除去された低沸点不純物および高沸点不純物などの不純物は、固体粒子加熱槽10に返送される。
ここで、精製装置40により回収液を精製する方法の一例を説明する。なお、精製装置40は、2機の蒸留塔(低沸点不純物除去手段41と、高沸点不純物除去手段42)を備えた場合とする。

0038

回収装置30より回収された回収液は、配管fに連結している低沸点不純物除去手段41に供給される。低沸点不純物除去手段41では、回収液を蒸留することで、低沸点不純物が回収液より除去される。除去された低沸点不純物は、配管mを通りながら冷却され、液体状で不純物回収容器44に回収される。その際、低沸点不純物の一部は、配管mより分岐した配管m’により低沸点不純物除去手段41に戻され、還流が行われる。

0039

低沸点不純物が除去された蒸留物は、配管nによって連結した高沸点不純物除去手段42に供給される。その際、蒸留物の一部は、配管nより分岐した配管n’により低沸点不純物除去手段41に戻される。このとき、蒸留物は蒸気などで加熱され、低沸点不純物除去手段41にて蒸留に必要なエネルギー供給源となる。

0040

高沸点不純物除去手段42では、蒸留物を蒸留することで、高沸点不純物が蒸留物より除去される。具体的には、蒸留によって回収目的成分が気化し、高沸点不純物が除去された状態で、配管oより精製液回収容器43に回収される。回収目的成分は、配管oを通るときに冷却され、液体状で回収される。その際、回収目的成分の一部は、配管oより分岐した配管o’により高沸点不純物除去手段42に戻され、還流が行われる。
このようにして、回収装置30から供給された回収液より低沸点不純物や高沸点不純物が除去され、樹脂の分解生成物が精製されて、高濃度の回収目的成分を含んだ精製液が回収される。

0041

一方、高沸点不純物は、配管pにより不純物回収容器44に回収される。その際、高沸点不純物の一部は、配管pより分岐した配管p’により高沸点不純物除去手段42に戻される。このとき、高沸点不純物は蒸気などで加熱され、高沸点不純物除去手段42にて蒸留に必要なエネルギー供給源となる。

0042

不純物回収容器44に回収された低沸点不純物や高沸点不純物の混合液は、配管qを通って固体粒子加熱槽10に返送され、固体粒子加熱槽10に設置されたバーナー13により燃焼され、固体粒子等を加熱する際の熱源となる。

0043

なお、精製装置40では、高沸点不純物を除去した後に、低沸点不純物を除去してもよい。この場合、図3、4に示すように、高沸点不純物除去手段42を低沸点不純物除去手段41よりも上流側に設置する。高沸点不純物を先に除去する方法としては、以下の通りである。ただし、図3、4において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略することがある。なお、図3は配管hが配管iと配管jに分岐した回収システムの一例を示す概略構成図であり、図4は配管hが固体粒子加熱槽10の分散室11に直接接続された回収システムの一例を示す概略構成図である。

0044

まず、配管fより高沸点不純物除去手段42に供給された回収液は、蒸留されて高沸点不純物が回収液より除去される。具体的には、蒸留によって低沸点不純物と回収目的成分の混合物が気化し、高沸点不純物が除去された状態で、配管nを通りながら冷却され、液体状で低沸点不純物除去手段41に供給される。その際、混合物の一部は、配管nより分岐した配管n’により高沸点不純物除去手段42に戻され、還流が行われる。

0045

一方、高沸点不純物は、配管pにより不純物回収容器44に回収される。その際、高沸点不純物の一部は、配管pより分岐した配管p’により高沸点不純物除去手段42に戻される。このとき、高沸点不純物は蒸気などで加熱され、高沸点不純物除去手段42にて蒸留に必要なエネルギー供給源となる。

0046

低沸点不純物除去手段41に供給された混合物は、蒸留されて低沸点不純物が除去される。除去された低沸点不純物は、配管mを通りながら冷却され、液体状で不純物回収容器44に回収される。その際、低沸点不純物の一部は、配管mより分岐した配管m’により低沸点不純物除去手段41に戻され、還流が行われる。

0047

低沸点不純物除去手段41での蒸留により、混合物から低沸点不純物が除去され、樹脂の分解生成物が精製される。精製された樹脂の分解生成物(精製液)は、配管oより精製液回収容器43に回収される。その際、精製液の一部は、配管oより分岐した配管o’により低沸点不純物除去手段41に戻される。このとき、精製液は蒸気などで加熱され、低沸点不純物除去手段41にて蒸留に必要なエネルギー供給源となる。

0048

不純物回収容器44に回収された低沸点不純物や高沸点不純物の混合液は、配管qを通って固体粒子加熱槽10に返送され燃焼処理される。

0049

固体粒子加熱槽10および分解槽20で使用する固体粒子としては特に制限はないが、例えば、砂、セラミクス粒子金属粒子金属酸化物粒子金属水酸化物粒子金属ハロゲン化物粒子等が挙げられる。これら固体粒子は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、固体粒子は、樹脂の分解に不活性なものであってもよいし、樹脂の分解を促進するような触媒であってもよい。さらに、樹脂から生成する有害な物質を吸収するようなものであってもよい。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂などのように、その分子中に塩素原子を含む樹脂は、加熱分解されると塩素塩化水素塩素含有物質等を生成する。このような場合は、固体粒子として酸化カルシウム水酸化カルシウム炭酸カルシウム等を利用して、生成した塩素、塩化水素、塩素含有物質等を中和、或いは吸収するのが好ましい。

0050

固体粒子の大きさは特に制限はないが、その取り扱い性、固体粒子と樹脂の流動・混合等の観点から、平均粒径は0.01〜1mmが好ましく、0.05mm〜0.8mmがより好ましい。
なお、平均粒径とは、分法など公知の方法を用いて測定される値である。

0051

回収装置30で液化しなかった気体状の分解生成物や、気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを固体粒子加熱槽10に返送する前に、これらに供給する補給ガス、または、分解槽20の分散室21に直接供給する補給ガスとしては、回収装置30にて回収される液体状の分解生成物の品質向上の観点から、酸素を実質的に含まないガスとすることが好ましい。補給ガスとして使用できるガスの種類は、窒素二酸化炭素水蒸気等が挙げられる。このような流動化ガスは1種類のガスであってもよく、2種類以上のガスが混合した混合ガスであってもよい。
補給ガス中の酸素濃度は、樹脂分解の安定性確保や回収する液量の増加や、回収装置30にて回収される液体状の分解生成物の品質向上の観点から、3体積%以下とすることが好ましく、1体積%以下とするのが特に好ましい。

0052

本発明を適用できる樹脂としては、ポリエチレンポリプロピレンポリ塩化ビニルポリエチレンテレフタレートポリカーボネートポリスチレン、(メタアクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単一の樹脂であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。なお、ここで「(メタ)アクリル」とは、アクリルあるいはメタクリルのことをいう。
このような樹脂が分解されて得られる分解生成物の主成分としては、ポリエチレンやポリプロピレンからはパラフィンワックスが、ポリエチレンテレフタレートからはテレフタル酸が、ポリカーボネートからはフェノール類が、ポリスチレンからはスチレンモノマーが、(メタ)アクリル樹脂からは(メタ)アクリルモノマーが得られる。

0053

本発明で使用する樹脂としては、分解生成物のモノマーの収率の観点から(メタ)アクリル樹脂が好ましい。従って、本発明の回収方法を(メタ)アクリル樹脂に適用することは、工業的に価値が非常に高い。
(メタ)アクリル樹脂を構成するモノマーとしては、アクリル酸メタクリル酸、およびそれらのエステルである。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチル等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。

0054

(メタ)アクリル樹脂は、上記以外の他のモノマーを共重合成分として含んでいてもよい。他のモノマーとしては、無水マレイン酸スチレンα−メチルスチレンアクリロニトリル等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル樹脂は、架橋した樹脂であってもよい。架橋した(メタ)アクリル樹脂とは多官能性モノマー単位および前記(メタ)アクリル樹脂を構成するモノマー単位を含むものである。多官能モノマーとしては、多官能(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。具体的には、多官能(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレートプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが例示できる。

0055

(メタ)アクリルモノマーのうち、メタクリル酸メチルを高収率で回収できる観点から、(メタ)アクリル樹脂を構成する全モノマー100質量%中、メタクリル酸メチルを50質量%以上、構成単位として含んでいることが好ましく、メタクリル酸メチルを70質量%以上、構成単位として含んでいることがより好ましい。

0056

(メタ)アクリル樹脂は、他のポリマーと混合されていてもよい。また、(メタ)アクリル樹脂は、充填剤を含む複合体であってもよい。充填剤としては、水酸化アルミニウムシリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維タルククレイ等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル樹脂は、充填剤以外の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、顔料染料補強剤酸化防止剤、各種安定剤等が挙げられる。

0057

樹脂は、ペレット状(固体粒子状)で供給することが好ましい。樹脂をペレット状で供給することにより、分解槽20内の樹脂の分散が良好になりやすくなる。樹脂ペレットの大きさは、特に限定されないが、取り扱い性、供給安定性、分解槽内分散性の観点から、平均粒径が1〜20mmとするのが好ましい。平均粒径を1mm以上とすることにより樹脂同士の付着や融着を防ぐことができ、20mm以下とすることにより樹脂ペレットの固体粒子への分散性が良好となる。特に、樹脂の大きさを平均粒径が3〜10mmとするのが好ましい。
なお、平均粒径とは、篩分法など公知の方法を用いて測定される値である。

0058

回収装置30で回収される液体状の分解生成物は、分解する樹脂の種類によって異なる。分解する樹脂としてポリエチレンやポリプロピレンを用いる場合には、パラフィン、ワックスが回収される。また、メタクリル酸メチルを含む樹脂を用いる場合には、メタクリル酸メチルが回収される。
一方、回収装置30で液体状にならない気体状の分解生成物としては、メタンエタンプロパンエチレンプロピレン等が挙げられる。

0059

以上説明したように、本発明によれば、樹脂の分解により生じる固体状の樹脂の分解残渣を固体粒子と共に分解槽20から排出し、固体粒子加熱槽10に返送して燃焼処理する。また、回収装置30にて液化しなかった気体状の分解生成物を回収装置30から排出し、固体粒子加熱槽10に返送して燃焼処理する。さらに、回収装置30より回収した液体上の分解生成物(回収液)を精製した際に除去される、低沸点不純物や高沸点不純物などの不純物を固体粒子加熱槽10に返送して燃焼処理する。このように樹脂の分解において生成する回収目的成分以外の有機物(すなわち、分解槽20から排出される樹脂の分解残渣と、回収装置30から排出される気体状の分解生成物と、精製装置40で回収液から除去された不純物)を固体粒子加熱槽10で燃焼処理するので、有機物を大気中に放出することなく、精製した樹脂の分解生成物を回収できる。

0060

さらに、本発明によれば、精製液に最も多く含まれる成分(回収目的成分)をAとして、回収装置30で冷却され液化した液体状の分解生成物(回収液)中のAの濃度をM1、精製装置40で回収液から除去され、不純物回収容器44に回収された低沸点不純物と高沸点不純物の混合液中のAの濃度をM2としたとき、M2をM1よりも小さくすることができる。そして、回収液よりもAの濃度が低い混合液を固体粒子加熱装置10で燃焼処理することで、熱風を発生させ、固体粒子等を加熱することができる。加熱した固体粒子は分解槽20に供給され樹脂の分解に用いられ、混合液よりもAの濃度が高い回収液を得ることができる。

0061

例えば、メタクリル酸メチルを含む単量体を重合した樹脂を分解槽20で分解し、精製装置40にて液体状の分解生成物(回収液)を精製してメタクリル酸メチルを回収する場合、回収液中のメタクリル酸メチルの濃度をM1、混合液中のメタクリル酸メチルの濃度をM2としたとき、本発明であればM2をM1よりも小さくすることができる。そして、回収液よりもメタクリル酸メチルの濃度が低い混合液を固体粒子加熱装置10で燃焼処理することで、混合液よりもメタクリル酸メチルの濃度が高い回収液を得ることができる。

0062

従って、本発明であれば、樹脂の分解において生成する回収目的成分以外の有機物を大気中に放出することなく、かつ、高濃度で回収目的成分を回収できる。

0063

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例においては、以下に示す樹脂および固体粒子を用いた。また、回収液および精製液等の測定は以下の方法で行った。

0064

(樹脂)
樹脂Aとして、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略記する。)100質量%からなる樹脂を用いた。この樹脂の質量平均分子量は40万、平均粒径は約5mm(目開き5.6mmの篩いを通過し、目開き4.75mmの篩いを通過しない)であった。

0065

(固体粒子)
固体粒子として、天然川砂((株)昌栄マテリアル製、商品名:エバラロズナ、平均粒径(直径):0.3mm、かさ密度:1600kg/m3)を用いた。

0066

(回収液、精製液中のMMA濃度(質量%))
ガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、商品名:GC−17A)で測定した。溶媒にはN,N−ジメチルホルムアミドを使用した。予め検量線を作成しておき、回収液や精製液のガスクロマトグラフィーの結果から、回収液中のMMA濃度を算出した。

0067

(混合ガス中に含まれる気体状の分解生成物の同定)
ガスクロマトグラフ質量分析計ヒューレットパッカード社製、商品名:HP−6890/5973N)を用い、混合ガス中に含まれる気体状の分解生成物の成分を同定した。

0068

(固体粒子に混在する固体状の樹脂の分解残渣の比率(%))
固体粒子と固体状の樹脂の分解残渣の混合物(質量:W1)を800℃の熱風炉空気雰囲気)に1時間放置し、樹脂の分解残渣を完全に分解した。樹脂の分解残渣を完全に分解した後の質量(W2)を測定し、以下の式から樹脂の分解残渣の比率を測定した。
固体状の樹脂の分解残渣の比率(%)=(W1−W2)/W1×100

0069

[実施例]
図1に示す回収システム1を用いて樹脂Aを分解し、液体状の分解生成物を回収し、精製した。
固体粒子加熱槽10としては、直径が600mmの円柱状のものを用い、分散板Aで加熱室12と分散室11に仕切った。分散板Aとしては、平板状であり、キャップノズル式のものを用いた。
固体粒子加熱槽10に、天然川砂を分散板Aから30cm上方の位置まで供給した。供給した天然川砂の質量は136kgであった。

0070

分解槽20としては、直径が350mmの円柱状のものを用い、分散板Bで分解室22と分散室21に仕切った。分散板Bとしては、平板状であり、キャップ付ノズル式のものを用いた。
分解槽20としては、2枚の傾斜パドル翼(直径:310mm、幅:20mm、傾斜角度:45度)を5段(パドル間のピッチ:140mm)にしたものを用いた。上下の段の傾斜パドル翼は直交するようにした。
分解槽20に、天然川砂を分散板Bから80cm上方の位置まで供給した。供給した天然川砂の質量は123kgであった。

0071

次いで、樹脂Aを配管cより10.0kg/hrで分解槽20に、分解槽20の分散板Bから200mm上方の位置に連続的に供給した。樹脂Aの供給には一軸スクリューを使用した。その供給温度は20℃とした。
また、固体粒子加熱槽10で加熱された天然川砂を配管aより100kg/hrで分解槽20に、分解槽20の分散板Bから200mm上方の位置に連続的に供給した。天然川砂の供給には一軸スクリューを使用した。その供給温度は600℃とした。

0072

一方、固体粒子加熱槽10では分散室11に設置されたバーナー13で、不純物回収容器44から返送される低沸点不純物と高沸点不純物の混同液を4.0kg/hrで燃焼させた。分散室11には、大気中から取り入れた空気をブロワー51で加圧して、配管bより供給した。その空気流量は60Nm3/hrであった。
また、分解槽20から排出された天然川砂を配管eより100kg/hrで固体粒子加熱槽10の加熱室12に、固体粒子加熱槽10の分散板Aから900mm上方の位置に連続的に供給した。
配管eで天然川砂を採取したところ、黒色になった天然川砂と固体状の樹脂の分解残渣の混合物が採取された。樹脂の分解残渣の比率を測定したところ、0.06%であった。同様に、配管aで天然川砂を採取したところ、天然川砂の色は色であり、樹脂の分解残渣の比率は0.00%であった。

0073

分解槽20の上部から樹脂の分解生成物と流動化ガスの混合ガス(未冷却混合ガス)を排出し、配管dより回収装置30に送り、該回収装置30にて未冷却混合ガスを冷却した。
回収装置30は、多管式熱交換器とサイクロン式のミスト回収手段からなるものを用いた。また、多管式熱交換器には0℃の媒体を流した。
回収装置30にて冷却されて液化した液体状の分解生成物(回収液)を配管fより、精製装置40に供給した。回収装置30で得られた回収液の量は、平均9.4kg/hrであった。

0074

一方、配管gを流れる回収装置30で液化されなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスの流量は、20.07Nm3/hrであった。配管gから混合ガスの一部を採取して分析したところ、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン等が検出された。この混合ガスを配管gよりブロワー52に供給して加圧した。また、配管hが分岐する分岐点h’よりも上流側で、配管lより補給ガスとして窒素を2.0Nm3/hrで混合ガスに加えた。加えた窒素の純度は99.5%、残り0.5%が酸素であった。
加圧した混合ガスを配管h、および分岐点h’で分岐した配管i、jより、分解槽20の分散室21と、固体粒子加熱槽10の分散室11にそれぞれ返送した。分解槽20の分散室21に返送される混合ガスの流量は20Nm3/hr、固体粒子加熱槽10の分散室11に返送される混合ガスの流量は2.07Nm3/hrとした。配管iの混合ガスは、分解槽20の流動化ガスとして使用された。配管jの混合ガスに含まれる気体状の樹脂の分解生成物は、固体粒子加熱槽10の分散室11で燃焼した。
配管kからガスの一部を採取して分析したところ、可燃性の有機物は検出されなかった。

0075

回収装置30から供給された回収液は、低沸点不純物除去手段41に供給され、蒸留により連続的にMMA(回収目的成分)よりも沸点の低い低沸点不純物を2.0kg/hrで除去した。低沸点不純物は、配管mより不純物回収容器44に回収した。
低沸点不純物が除去された蒸留物は、配管nより高沸点不純物除去手段42に供給され、蒸留により連続的にMMAよりも沸点の高い高沸点不純物を2.0kg/hrで除去し、配管pより不純物回収容器44に回収した。
高沸点不純物除去手段42での蒸留により、MMAが気化し、精製された樹脂の分解生成物(MMA)が配管oより精製液回収容器43に回収された。
また、不純物回収容器44には、低沸点不純物と高沸点不純物の混合液が4.0kg/hrで回収された。そして、混合液が4.0kg/hrで配管qにより固体粒子加熱槽10の分散室11に返送され、バーナー13で燃焼させた。

0076

上述した操作を樹脂Aの供給開始から48時間連続して行った結果、回収システム1の運転は安定すると共に、回収目的成分(MMA)以外の有機物(固体状の樹脂の分解残渣、回収装置30で液化しなかった気体状の分解生成物、および蒸留により回収液から除去された低沸点不純物と高沸点不純物)を大気中に放出することなく燃焼処理しながら、樹脂の分解生成物を精製し、回収できた。
回収装置30で回収された回収液中の平均MMA濃度は95.1質量%、不純物回収容器44に回収された混合液中の平均MMA濃度は、88.8質量%、精製装置40から得られた精製液中の平均MMA濃度は99.7質量%であった。

0077

本発明は、樹脂を分解して、その分解生成物を回収する方法として、広く適用できる。

図面の簡単な説明

0078

本発明を実施するための回収システムの一例を示す概略構成図である。
本発明を実施するための回収システムの他の例を示す概略構成図である。
本発明を実施するための回収システムの他の例を示す概略構成図である。
本発明を実施するための回収システムの他の例を示す概略構成図である。

符号の説明

0079

1:回収システム、10:固体粒子加熱槽、11:分散室、12:加熱室、13:バーナー、20:分解槽、21:分散室、22:分解室、30:回収装置、40:精製装置、41:低沸点不純物除去手段、42:高沸点不純物除去手段、43:精製液回収容器、44:不純物回収容器、51,52:ブロワー、A,B:分散板、a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,m’,n,n’,o,o’,p,p’,q:配管。

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