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技術 乾燥方法及び乾燥装置

出願人 株式会社前川製作所
発明者 西田耕作門脇仁隆
出願日 2008年8月6日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2008-203358
公開日 2010年2月18日 (10年10ヶ月経過) 公開番号 2010-038469
状態 特許登録済
技術分野 衣類乾燥機 木材等の化学的、物理的処理 固体の乾燥 不可逆サイクルによる圧縮式冷凍機械
主要キーワード 吐出圧力設定値 ブロック線 運転手順 外気導入路 吐出圧力値 レシーバ内 予熱期間 減率乾燥期間
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重要な関連分野

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課題

ヒートポンプ式乾燥機COPを最大にする圧縮機吐出圧力運転しながら求めることができ、これによって、常に高効率な運転を可能とする。

解決手段

乾燥室10に供給する加熱空気設定温度に基づいて吐出圧力初期設定値を設定する第1工程と、該初期設定値となるようにヒートポンプ装置20を運転し、圧縮機22の吸入圧力及び吸入温度、吐出圧力及び吐出温度、及び凝縮器23出口冷媒温度計測し、該計測値により該初期設定値でのCOPを算出する第2工程と、同様にして該初期設定値と異なる少なくとも1点の吐出圧力を設定し、そのCOPを算出する第3工程と、これらCOP算出値からCOPが最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力を新たな設定値とする第4工程とからなり、第2〜第4工程を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置を運転状態の変化に対応して常にCOPが最大となる吐出圧力で運転可能にした。

概要

背景

CO2を冷媒としたヒートポンプ装置は、圧縮機の吐出圧力臨界圧力以上の超臨界状態運転することにより、高温の加熱を効率良く行なえる特性を有していることから、給湯機として普及している。CO2給湯機は、水を高温高圧CO2冷媒超臨界ガス熱交換させるガスクーラ加熱器)を用い、90〜95℃の高温水を製造できる。ガスクーラをフィンチューブ式の熱交換器とし、空気と熱交換させることにより、外気を100℃以上に加熱することができる。この高温の加熱空気は、樹脂、木材、食品衣類等の乾燥に利用が有望である。

特許文献1(特開2007−192464号公報)には、CO2を冷媒としたヒートポンプ装置を木材の乾燥に適用し、エネルギ消費の低減と熱効率の向上を目的とした木材の乾燥システムが開示されている。この乾燥システムは、ヒートポンプ装置の蒸発工程でCO2冷媒により乾燥室内の空気を冷却除湿し、CO2冷媒を超臨界圧まで加圧して高温としたCO2冷媒の保有熱を乾燥室内の空気を加熱するエアヒータ熱源とし、該エアヒータで冷却除湿した空気を加熱することによって、乾燥用空気を効率良く製造可能にしたものである。

特許文献2(特開2007−303756号公報)には、CO2を冷媒としたヒートポンプ装置を衣類等の乾燥に適用した乾燥システムが開示されている。この乾燥システムは、乾燥用空気を加熱する加熱器(ガスクーラ)に流入するCO2冷媒の一部を該加熱器の上流側で必要放熱量に相当する流量だけ分岐させ、分岐したCO2冷媒を外気に放熱させることにより、乾燥室に供給する乾燥用空気の温度を精度良く制御できるようにしたものである。

ヒートポンプ式給湯機では、ヒートポンプ装置への給水温度は、季節により7℃(冬季)〜25℃(夏季)に変動する。ただし、1日の時間帯での変動は少ない。ヒートポンプ装置からの出湯温度は、65〜90℃であり、出湯を一旦貯湯槽に溜めてから利用している。出湯温度は、主として給水ポンプインバータで調整することにより制御している。ヒートポンプ装置の熱源は外気であり、1日の時間帯での変動は少ない。

一方、ヒートポンプ装置を乾燥装置に適用した場合は、ヒートポンプ装置への給気は外気若しくは乾燥室からの排気、又は外気と排気の混合気であり、給気温度は、0℃程度(外気)〜70℃程度(乾燥室の排気と外気との混合気)の範囲に亘る。乾燥装置への給気温度は、乾燥装置の仕様に合わせた幅広温度域となり、乾燥工程における予熱期間や乾燥速度が含水率に伴い減少していく減率乾燥期間においては、乾燥装置への給気温度を変化させる必要がある。即ち、減率乾燥対象物から水分が蒸発していくに従い、水蒸気分圧が減少するため、蒸発を促進するためには、乾燥温度を上げていく必要がある。そのため、ヒートポンプ装置から乾燥室に供給する温風の温度は、乾燥対象物及び乾燥工程により40〜120℃と温度範囲が広く、リアルタイム温風温度を制御することが要求される。

乾燥室に供給する温風の温度制御は、一定の温風量の条件下で、ヒートポンプ装置の圧縮機の回転数を制御して、冷媒循環量を制御することにより行なっている。また、ヒートポンプ装置の熱源は、外気や乾燥室の排気であり、これらの温度は0〜100℃以上と広範囲に亘り、変動が大きい。
以上のように、乾燥装置に要求される運転条件は、給湯機と比べて幅が広く、かつ大きな変動条件の元での運転が多い。そのため、ヒートポンプ装置を幅広い運転条件で効率良く運転させる必要がある。

一方、100℃以上の加熱空気を得るためのヒートポンプ装置として、CO2を冷媒とし、圧縮機吐出圧力を臨界圧力以上の超臨界状態で運転するヒートポンプ装置が好適であり、かかるヒートポンプ装置が従来から用いられている。

特開2007−192464号公報
特開2007−303756号公報

概要

ヒートポンプ式乾燥機COPを最大にする圧縮機吐出圧力を運転しながら求めることができ、これによって、常に高効率な運転を可能とする。乾燥室10に供給する加熱空気の設定温度に基づいて吐出圧力の初期設定値を設定する第1工程と、該初期設定値となるようにヒートポンプ装置20を運転し、圧縮機22の吸入圧力及び吸入温度、吐出圧力及び吐出温度、及び凝縮器23出口冷媒温度計測し、該計測値により該初期設定値でのCOPを算出する第2工程と、同様にして該初期設定値と異なる少なくとも1点の吐出圧力を設定し、そのCOPを算出する第3工程と、これらCOP算出値からCOPが最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力を新たな設定値とする第4工程とからなり、第2〜第4工程を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置を運転状態の変化に対応して常にCOPが最大となる吐出圧力で運転可能にした。

目的

本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ヒートポンプ式乾燥装置でCOPを最大にする圧縮機吐出圧力を運転しながら求めることができ、かつ乾燥装置の運転状態にリアルタイムに対応して常に高効率な運転を可能とすることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

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請求項1

CO2を冷媒とし圧縮機吐出圧力臨界圧力以上の超臨界状態運転するヒートポンプ装置を用い、外気を加熱するか又は乾燥室排気再加熱して加熱空気を製造し、該加熱空気を乾燥室に供給して乾燥室内被乾燥物を乾燥するようにした乾燥方法において、圧縮機吐出圧力の許容上限値以下の範囲内で、前記乾燥室に供給する加熱空気の設定温度に基づいて圧縮機吐出圧力の初期設定値を設定する第1工程と、該初期設定値となるようにヒートポンプ装置を運転すると共に、圧縮機の吸入圧力及び吸入温度、圧縮機の吐出圧力及び吐出温度、及びガスクーラ出口冷媒温度計測し、該計測値に基づいて該初期設定値でのCOPを算出する第2工程と、前記第1工程の要領で該初期設定値と異なる少なくとも1点の圧縮機吐出圧力を設定し、前記第2工程の要領で前記計測値から該1点でのCOPを算出する第3工程と、該初期設定値及び該1点でのCOP算出値からCOPが最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力を新たな設定値とする第4工程と、からなり、前記第2工程〜第4工程を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置を運転状態の変化に対応して常にCOPが最大となる吐出圧力で運転可能にしたことを特徴とする乾燥方法。

請求項2

圧縮機の回転数又は冷媒循環路冷媒循環量を制御することにより、圧縮機吐出圧力を制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥方法。

請求項3

前記第3工程で前記初期設定値と異なる少なくとも2点の圧縮機吐出圧力を設定し、前記第2工程の要領で前記計測値から該2点でのCOPを算出すると共に、該初期設定値及び該2点を通る二次曲線を求め、該二次曲線の微分値になる点をCOPが極大になる点として新たな吐出圧力設定値とすることを特徴とする請求項1に記載の乾燥方法。

請求項4

CO2を冷媒とし圧縮機吐出圧力を臨界圧力以上の超臨界状態で運転するヒートポンプ装置を用い、外気を加熱するか又は乾燥室の排気を再加熱して加熱空気を製造し、該加熱空気を乾燥室に供給して乾燥室内の被乾燥物を乾燥するようにした乾燥装置において、冷媒循環路に設けられ、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の保有熱で外気を加熱するか又は乾燥室の排気を再加熱して加熱空気をつくるガスクーラ、冷媒を減圧する膨張弁、及び冷媒を蒸発させる蒸発器と、加熱空気を導入して被乾燥物を乾燥させる乾燥室、及びガスクーラで加熱した加熱空気を乾燥室に供給する加熱空気供給路と、圧縮機の吸入圧力及び吸入温度、圧縮機の吐出圧力及び吐出温度、及び凝縮器出口の冷媒温度を夫々計測する複数のセンサと、前記乾燥室に供給する加熱空気の設定温度に基づいて圧縮機吐出圧力の初期設定値を設定し、該初期設定値となるようにヒートポンプ装置の運転を制御し、前記複数のセンサの計測値を入力し、該初期設定値及び該初期設定値と異なる少なくとも1点の吐出圧力でのCOPを算出し、これらのCOPからCOP算出値が最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力となるようにヒートポンプ装置を運転すると共に、該吐出圧力を新たな設定値に設定するコントローラと、を備え、該コントローラによる前記処理を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置を運転状態の変化に対応して常にCOPが最大となる吐出圧力で運転可能に構成したことを特徴とする乾燥装置。

技術分野

0001

本発明は、ヒートポンプ装置樹脂、木材、食品衣類等の乾燥に適用し、ヒートポンプ装置のCOPを最大にしてエネルギ効率の良い運転を可能にした乾燥方法及び乾燥装置に関する。

背景技術

0002

CO2を冷媒としたヒートポンプ装置は、圧縮機の吐出圧力臨界圧力以上の超臨界状態で運転することにより、高温の加熱を効率良く行なえる特性を有していることから、給湯機として普及している。CO2給湯機は、水を高温高圧CO2冷媒超臨界ガス熱交換させるガスクーラ加熱器)を用い、90〜95℃の高温水を製造できる。ガスクーラをフィンチューブ式の熱交換器とし、空気と熱交換させることにより、外気を100℃以上に加熱することができる。この高温の加熱空気は、樹脂、木材、食品、衣類等の乾燥に利用が有望である。

0003

特許文献1(特開2007−192464号公報)には、CO2を冷媒としたヒートポンプ装置を木材の乾燥に適用し、エネルギ消費の低減と熱効率の向上を目的とした木材の乾燥システムが開示されている。この乾燥システムは、ヒートポンプ装置の蒸発工程でCO2冷媒により乾燥室内の空気を冷却除湿し、CO2冷媒を超臨界圧まで加圧して高温としたCO2冷媒の保有熱を乾燥室内の空気を加熱するエアヒータ熱源とし、該エアヒータで冷却除湿した空気を加熱することによって、乾燥用空気を効率良く製造可能にしたものである。

0004

特許文献2(特開2007−303756号公報)には、CO2を冷媒としたヒートポンプ装置を衣類等の乾燥に適用した乾燥システムが開示されている。この乾燥システムは、乾燥用空気を加熱する加熱器(ガスクーラ)に流入するCO2冷媒の一部を該加熱器の上流側で必要放熱量に相当する流量だけ分岐させ、分岐したCO2冷媒を外気に放熱させることにより、乾燥室に供給する乾燥用空気の温度を精度良く制御できるようにしたものである。

0005

ヒートポンプ式給湯機では、ヒートポンプ装置への給水温度は、季節により7℃(冬季)〜25℃(夏季)に変動する。ただし、1日の時間帯での変動は少ない。ヒートポンプ装置からの出湯温度は、65〜90℃であり、出湯を一旦貯湯槽に溜めてから利用している。出湯温度は、主として給水ポンプインバータで調整することにより制御している。ヒートポンプ装置の熱源は外気であり、1日の時間帯での変動は少ない。

0006

一方、ヒートポンプ装置を乾燥装置に適用した場合は、ヒートポンプ装置への給気は外気若しくは乾燥室からの排気、又は外気と排気の混合気であり、給気温度は、0℃程度(外気)〜70℃程度(乾燥室の排気と外気との混合気)の範囲に亘る。乾燥装置への給気温度は、乾燥装置の仕様に合わせた幅広温度域となり、乾燥工程における予熱期間や乾燥速度が含水率に伴い減少していく減率乾燥期間においては、乾燥装置への給気温度を変化させる必要がある。即ち、減率乾燥対象物から水分が蒸発していくに従い、水蒸気分圧が減少するため、蒸発を促進するためには、乾燥温度を上げていく必要がある。そのため、ヒートポンプ装置から乾燥室に供給する温風の温度は、乾燥対象物及び乾燥工程により40〜120℃と温度範囲が広く、リアルタイム温風温度を制御することが要求される。

0007

乾燥室に供給する温風の温度制御は、一定の温風量の条件下で、ヒートポンプ装置の圧縮機の回転数を制御して、冷媒循環量を制御することにより行なっている。また、ヒートポンプ装置の熱源は、外気や乾燥室の排気であり、これらの温度は0〜100℃以上と広範囲に亘り、変動が大きい。
以上のように、乾燥装置に要求される運転条件は、給湯機と比べて幅が広く、かつ大きな変動条件の元での運転が多い。そのため、ヒートポンプ装置を幅広い運転条件で効率良く運転させる必要がある。

0008

一方、100℃以上の加熱空気を得るためのヒートポンプ装置として、CO2を冷媒とし、圧縮機吐出圧力を臨界圧力以上の超臨界状態で運転するヒートポンプ装置が好適であり、かかるヒートポンプ装置が従来から用いられている。

0009

特開2007−192464号公報
特開2007−303756号公報

発明が解決しようとする課題

0010

ヒートポンプ装置を効率良く運転するためには、運転状況に応じて圧縮機の吐出圧力を制御する必要がある。図7に、CO2を冷媒とするヒートポンプ装置のモリエル線図を示す。図7において、α及びβは、ガスクーラ(加熱器)出口温度が同じ50℃で、圧縮機の吐出圧力が異なるヒートポンプサイクルの例を示す。圧縮機の吐出圧力の横線の長さα1及びβ1が、ガスクーラによる加熱の比エンタルピ差(kJ/kg)を示し、これに冷媒循環量(kg/s)を掛けると、加熱量(kW)となる。

0011

また、右側斜め上がりの線が圧縮機による圧縮仕事を表しており、その比エンタルピ差α2、β2に冷媒循環量を掛けると、圧縮機の動力(kW)となる。図7からわかるように、圧縮機の吐出圧力を高圧側へ(サイクルαからサイクルβ側へ)変動させることにより、ヒートポンプ装置の加熱量は増加し、圧縮機の動力も増加する。この加熱量と圧縮機の動力の比は、加熱におけるCOPである。COPは、臨界点kよりも高圧の領域では、等温線lが不規則に傾斜しているため、ガスクーラの出口温度に応じてCOPが最大となる圧縮機吐出圧力の最適値が存在する。

0012

この吐出圧力の最適値は、圧縮機の吸入圧力吸入ガス過熱度に応じても変化する。ヒートポンプ式給湯機の場合は、この最適値に影響を与える要因は、ガスクーラへの給水温度、ガスクーラからの出湯温度、給水流量及び外気温度であり、最適な吐出圧力は、おおよそ出湯温度及び外気温度の関数として導き出せる。

0013

一方、ヒートポンプ式乾燥機の場合は、ガスクーラへの給気温度、ガスクーラ出口空気温度、風量、乾燥室の排気温度乾燥負荷)、外気温度、及び冷媒循環量であり、これらすべての変数の関数として最適な吐出圧力値を決める必要がある。
また、処理風量やガスクーラによる加熱温度に合わせて、ガスクーラとして用いられる熱交換器の管の列・段数や寸法を変える必要があり、熱交換器の形状が変わると、関数を変える必要がある。

0014

このように、ヒートポンプ式乾燥機の場合は、前記パラメータの関数として、COPを最大にする最適な圧縮機吐出圧力を導くには、変数が多く、かつガスクーラとして用いられる熱交換器の構造や形状に依存する関数を導出する必要がある。従って、最適な吐出圧力値を前記パラメータの関数として導き出すことは困難である。

0015

本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ヒートポンプ式乾燥装置でCOPを最大にする圧縮機吐出圧力を運転しながら求めることができ、かつ乾燥装置の運転状態にリアルタイムに対応して常に高効率な運転を可能とすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

前記目的を達成するため、本発明の乾燥方法は、
CO2を冷媒とし圧縮機吐出圧力を臨界圧力以上の超臨界状態で運転するヒートポンプ装置を用い外気を加熱するか又は乾燥室の排気を再加熱して加熱空気を製造し、該加熱空気を乾燥室に供給して乾燥室内の被乾燥物を乾燥するようにした乾燥方法において、
圧縮機吐出圧力の許容上限値以下の範囲内で、前記乾燥室に供給する加熱空気の設定温度に基づいて圧縮機吐出圧力の初期設定値を設定する第1工程と、
該初期設定値となるようにヒートポンプ装置を運転すると共に、圧縮機の吸入圧力及び吸入温度、圧縮機の吐出圧力及び吐出温度、及びガスクーラ出口の冷媒温度計測し、該計測値に基づいて該初期設定値でのCOPを算出する第2工程と、
前記第1工程の要領で該初期設定値と異なる少なくとも1点の圧縮機吐出圧力を設定し、前記第2工程の要領で前記計測値から該1点でのCOPを算出する第3工程と、
該初期設定値及び該1点でのCOP算出値からCOPが最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力を新たな設定値とする第4工程と、からなり、
前記第2工程〜第4工程を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置を運転状態の変化に対応して常にCOPが最大となる吐出圧力で運転可能にしたものである。

0017

本発明方法では、まず第1工程で、乾燥室に供給する加熱空気の設定温度に基づいて圧縮機吐出圧力の初期設定値を設定する。この場合、該初期設定値は許容上限値を超えないようにする。許容上限値とは、圧縮機の吐出圧力や吐出温度が設計上の許容値を超えないように算定されたものである。
次に、第2工程で、吐出圧力を初期設定値に合わせてヒートポンプ装置を運転すると共に、前記各計測値から該初期設定値でのCOPを算出する。

0018

次に、第3工程で、該初期設定値近辺の少なくとも1点の吐出圧力を第1工程の要領で選び、該1点のCOPを第2工程の要領で算出する。第4工程で、初期設定値を含むこれら2点のCOPから、COPが最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力を新たな設定値とする。
この算出方法は、例えば、この2点を通る直線の傾きの正負でCOPの大小を判定し、COPが大きいほうの吐出圧力を新たな設定値とする。別な算出方法として、初期設定値のほかに2点のCOPを算出し、これら3点を通る二次曲線微分値を算出し、該微分値がとなる吐出圧力をCOPが最大となると判定し、この吐出圧力を新たな設定値とする。

0019

ヒートポンプ装置を運転しながら、第2工程〜第4工程を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置の運転状態の変化に対応して、リアルタイムでCOPが最大となる吐出圧力を求めることができる。これによって、加熱器として用いられる熱交換器の構造や形状、又はヒートポンプ装置の運転条件が変わっても、常に最高のCOPでヒートポンプ装置を運転することができる。

0020

本発明方法では、ヒートポンプ装置の冷媒としてCO2を用い、ヒートポンプ装置を圧縮機吐出圧力が臨界圧力以上の超臨界状態で運転することにより、加熱空気を100℃以上に加熱可能にすることができる。

0021

本発明方法において、圧縮機の回転数又は冷媒循環路の冷媒循環量を制御することにより、圧縮機吐出圧力を制御するようにするとよい。これによって、吐出圧力を容易にかつ精度良く制御できる。冷媒循環量を制御する手段としては、従来公知の手段を用いればよい。例えば、冷媒循環路にレシーバを介設し、該レシーバ内の冷媒循環量を調節することにより、冷媒循環路の冷媒循環量を制御する。あるいは、冷媒循環路に、加熱ヒータにより冷媒の温度を臨界温度以上の保持した超臨界冷媒タンクを併設し、該超臨界冷媒タンクから冷媒を冷媒循環路に出し入れする等の手段がある。

0022

また、本発明方法において、前記第3工程で初期設定値と異なる少なくとも2点の圧縮機吐出圧力を設定し、前記第2工程の要領で前記計測値から該2点でのCOPを算出すると共に、該初期設定値及び該2点を通る二次曲線を求め、該二次曲線の微分値が零になる点をCOPが最大になる点として新たな吐出圧力設定値とするとよい。
これによって、COPが最大になる吐出圧力を迅速にかつ効率良く求めることができる。

0023

次に、前記本発明方法の実施に直接使用可能な本発明の乾燥装置は、
CO2を冷媒とし圧縮機吐出圧力を臨界圧力以上の超臨界状態で運転するヒートポンプ装置を用い外気を加熱するか又は乾燥室の排気を再加熱して加熱空気を製造し、該加熱空気を乾燥室に供給して乾燥室内の被乾燥物を乾燥するようにした乾燥装置において、
冷媒循環路に設けられ、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の保有熱で外気を加熱するか又は乾燥室の排気を再加熱して加熱空気をつくるガスクーラ、冷媒を減圧する膨張弁、及び冷媒を蒸発させる蒸発器と、
加熱空気を導入して被乾燥物を乾燥させる乾燥室、及びガスクーラで加熱した加熱空気を乾燥室に供給する加熱空気供給路と、
圧縮機の吸入圧力及び吸入温度、圧縮機の吐出圧力及び吐出温度、及びガスクーラ出口の冷媒温度を夫々計測する複数のセンサと、
前記乾燥室に供給する加熱空気の設定温度に基づいて圧縮機吐出圧力の初期設定値を設定し、該初期設定値となるようにヒートポンプ装置の運転を制御し、前記複数のセンサの計測値を入力し、該初期設定値及び該初期設定値と異なる少なくとも1点の吐出圧力でのCOPを算出し、これらのCOPからCOP算出値が最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力となるようにヒートポンプ装置を運転すると共に、該吐出圧力を新たな設定値に設定するコントローラと、を備え、
該コントローラによる前記処理を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置を運転状態の変化に対応して常にCOPが最大となる吐出圧力で運転可能に構成したものである。

0024

本発明装置では、前記コントローラにより、吐出圧力の初期設定値の設定と、該初期設定値近辺の少なくとも1点の吐出圧力を設定し、これら2点のCOPを算出し、COPが最大となる設定値を新たな設定値として、この新設定値に吐出圧力を制御していく。ヒートポンプ装置を運転しながら、この操作を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置の運転条件が変化してもリアルタイムに対応して、常に最高のCOPでヒートポンプ装置を運転することができる。
これによって、加熱器として用いられる熱交換器の構造や形状又はヒートポンプ装置の運転条件が変わっても、これに左右されず、常に最高のCOPでヒートポンプ装置を運転することができる。

発明の効果

0025

本発明方法によれば、CO2を冷媒とし圧縮機吐出圧力を臨界圧力以上の超臨界状態で運転するヒートポンプ装置を用い外気を加熱するか又は乾燥室の排気を再加熱して加熱空気を製造し、該加熱空気を乾燥室に供給して乾燥室内の被乾燥物を乾燥するようにした乾燥方法において、圧縮機吐出圧力の許容上限値以下の範囲内で、前記乾燥室に供給する加熱空気の設定温度に基づいて圧縮機吐出圧力の初期設定値を設定する第1工程と、該初期設定値となるようにヒートポンプ装置を運転すると共に、圧縮機の吸入圧力及び吸入温度、圧縮機の吐出圧力及び吐出温度、及びガスクーラ出口の冷媒温度を計測し、該計測値に基づいて該初期設定値でのCOPを算出する第2工程と、前記第1工程の要領で該初期設定値と異なる少なくとも1点の圧縮機吐出圧力を設定し、前記第2工程の要領で前記計測値から該1点でのCOPを算出する第3工程と、該初期設定値及び該1点でのCOP算出値からCOPが最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力を新たな設定値とする第4工程とからなり、第2工程〜第4工程を繰り返すことにより、ヒートポンプ式乾燥装置でCOPを最大にする圧縮機吐出圧力を運転しながら求めることができる。

0026

そして、この吐出圧力でヒートポンプ装置を運転することにより、ヒートポンプ装置を常に最高のCOPで効率良く運転できる。従って、COPに影響を与える要因を考慮する必要なく、常に最高のCOPでヒートポンプ装置を運転することができる。

0027

また、本発明装置によれば、CO2を冷媒とし圧縮機吐出圧力を臨界圧力以上の超臨界状態で運転するヒートポンプ装置を用い外気を加熱するか又は乾燥室の排気を再加熱して加熱空気を製造し、該加熱空気を乾燥室に供給して乾燥室内の被乾燥物を乾燥するようにした乾燥装置において、冷媒循環路に設けられ、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の保有熱で外気を加熱し加熱空気をつくるガスクーラ、冷媒を減圧する膨張弁、及び冷媒を蒸発させる蒸発器と、加熱空気を導入して被乾燥物を乾燥させる乾燥室、及び凝縮器で加熱した加熱空気を乾燥室に供給する加熱空気供給路と、圧縮機の吸入圧力及び吸入温度、圧縮機の吐出圧力及び吐出温度、及びガスクーラ出口の冷媒温度を夫々計測する複数のセンサと、前記乾燥室に供給する加熱空気の設定温度に基づいて圧縮機吐出圧力の初期設定値を設定し、該初期設定値となるようにヒートポンプ装置の運転を制御し、前記複数のセンサの計測値を入力し、該初期設定値及び該初期設定値と異なる少なくとも1点の吐出圧力でのCOPを算出し、これらのCOPからCOP算出値が最大となる吐出圧力を求め、該吐出圧力となるようにヒートポンプ装置を運転すると共に、該吐出圧力を新たな設定値に設定するコントローラと、を備え、該コントローラによる前記処理を繰り返し、ヒートポンプ装置を運転状態の変化に対応して常にCOPが最大となる吐出圧力で運転可能に構成したことにより、ヒートポンプ式乾燥装置でCOPを最大にする圧縮機吐出圧力を運転しながら求めることができ、前記本発明方法と同様の作用効果を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0028

以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。

0029

本発明をCO2を冷媒とするヒートポンプ装置を乾燥装置に適用した一実施形態を図1図6に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る乾燥装置1の全体構成図である。
図1において、乾燥装置1は、被乾燥物d(例えば、樹脂、木材、食品、衣類等)を乾燥するための密閉空間を有する乾燥室10と、乾燥室10に加熱空気を供給するヒートポンプ装置20とから構成されている。

0030

ヒートポンプ装置20は、CO2冷媒が循環する循環路21(高圧部21a及び低圧部21bからなる)に、駆動モータ22aにより回転駆動されて、CO2冷媒を臨界点kを超えて超臨界圧まで圧縮する圧縮機22と、圧縮されて高圧高温状態となったCO2冷媒を外気と熱交換させて外気を加熱するガスクーラ23と、高圧のCO2冷媒を減圧する膨張弁24と、膨張弁24で減圧されたCO2冷媒を蒸発させ、乾燥室10から排出された排気から蒸発潜熱を奪って冷却させる蒸発器25と、蒸発器25を出て圧縮機22に向うCO2冷媒とガスクーラ23から出た高温のCO2冷媒とを熱交換させて、圧縮機22に吸入されるCO2冷媒を予熱する熱交換器26とが介設されている。

0031

乾燥室10には、被乾燥物dの乾燥に供される加熱空気の循環路11が接続され、循環路11ではファン12が介設されて、乾燥室10及び循環路11を通る加熱空気の循環流が形成され、この循環流によって被乾燥物dを乾燥させる。外気導入路13がガスクーラ23に接続され、外気導入路13に介設されたファン14により、外気aが外気導入路13に導入され、ガスクーラ23に供給される。外気aはガスクーラ23でCO2冷媒と熱交換して加熱され、加熱空気となった後、加熱空気供給路15を経て循環路11に供給される。

0032

乾燥室10で被乾燥物dの乾燥に供した後の排気eは、排気路16を経て蒸発器25に導入され、蒸発器25でCO2冷媒と熱交換されて冷却される。その後、排気eは、排気路17を経て排気される。なお、排気路17には、外気導入路13に接続された分岐路18が接続され、分岐路18にダンパ19が設けられている。場合により、ダンパ19を開くことにより、排気eの一部は、分岐路18を経て外気導入路13に供給される。
こうして、外気aに排気eを混合することにより、ガスクーラ23に供給される外気aの温度を広範囲に調整できる。

0033

ヒートポンプ装置20には、ヒートポンプ装置20の運転を制御するコントローラ30が設けられている。また、CO2冷媒の圧縮機吸入圧力P1を計測するセンサ31と、CO2冷媒の圧縮機吸入温度T1を計測するセンサ32と、CO2冷媒の圧縮機吐出圧力P2を計測するセンサ33と、CO2冷媒の圧縮機吐出温度T2を計測するセンサ34と、ガスクーラ出口のCO2冷媒温度T3を計測するセンサ35と、ガスクーラ出口の加熱空気温度T4を計測するセンサ36とが設けられている。
コントローラ30は、これら各センサの計測信号に基づいて、ヒートポンプ装置20の運転を制御する。

0034

次に、コントローラ30の構成を図2により説明する。図2において、コントローラ30は、ガスクーラ出口の空気温度設定値TS,センサ31によるCO2冷媒の圧縮機吸入圧力計測値P1、及びセンサ32によるCO2冷媒の圧縮機吸入温度計測値T1に基づいて、圧縮機吐出圧力の上限値PLを算出する吐出圧力上限値算出手段37と、圧縮機吐出圧力の初期設定値PS1及び該初期設定値と異なる2点の吐出圧力設定値PS2及びPS3を設定する吐出圧力設定手段38と、これら3点の吐出圧力におけるCOP値を算出する手段39と、これら3点のCOPからCOPが最大となる吐出圧力を判定する手段40と、各計測値及びCOP算出値を記憶させるメモリ41とから構成されている。

0035

かかる構成を有する本実施形態において、乾燥装置1の運転手順図3フローチャートに基づいて説明する。図3において、まず吐出圧力上限値算出手段37に、ガスクーラ23で加熱して乾燥室10に供給する加熱空気の温度設定値TSを入力する(ステップ1)。次に、センサ31〜36の各計測値をコントローラ30に取り込む(ステップ2)。
次に、吐出圧力上限値算出手段37で、センサ31の圧縮機吐出圧力計測値P1及びセンサ32の圧縮機吐出温度計測値T1から、圧縮機吐出圧力の上限値PL1を算出する(ステップ3)。上限値PL1は、CO2冷媒の圧縮機吐出圧力・温度が、設計上の許容圧力・温度を超えないように設定するものである。

0036

次に、ヒートポンプ装置20の自動運転を確認する(ステップ4)。次に、吐出圧力設定手段38で、加熱空気の温度設定値TSに対して、吐出圧力上限値PL1の範囲内で、吐出圧力の初期設定値PS1を設定する(ステップ5)。そして、乾燥装置1の稼動を開始する(ステップ6)。その後、各センサ31〜36からコントローラ30への各計測値の取り込みを随時行ないながら運転を続ける。この計測値取り込みは、一定時間間隔Δtで行なっていく。

0037

圧縮機22の起動後、一定時間(Δt1)経過した後、ガスクーラ出口の空気温度T4が設定値TSに達せず、かつ圧縮機回転数上限設定値以上である場合には、吐出圧力初期設定値PS1を変更する(ステップ7)。即ち、初期設定値PS1を例えば(PS1+ΔP3)に増加する。圧縮機吐出圧力の変更は、コントローラ30によって圧縮機22の駆動モータ22aの回転数を制御することで行なう。
別な手段として、前述のように、冷媒循環路にレシーバを介設したり、あるいは冷媒循環路に、超臨界冷媒タンクを併設して、冷媒循環量を変更するようにしてもよい。

0038

ガスクーラ出口の空気温度T4が設定値TSに達しているか、又は圧縮機回転数が上限設定値に達している場合には、COP算出手段39で、吐出圧力初期設定値PS1におけるCOPを算出する(ステップ8)。
即ち、図8において、吸入圧力P1及び吸入温度T1から、吸入エンタルピhsを算出し、吐出圧力P2及び吐出温度T2から吐出エンタルピhdを算出し、吐出圧力P2及びガスクーラ出口冷媒温度T3から、ガスクーラ出口エンタルピhgを算出する。これらの値から、計算式(COP=(hd−hg)/(hd−hs))を用いて、吐出圧力初期設定値PS1におけるCOP(COP1)を算出する。そして、吐出圧力設定値PS1及びCOP1をメモリ41に記憶する。

0039

吐出圧力の変動(公差±ΔP2)を考慮して、この手順を繰り返して(10回程度)、COP1の10回程度のデータを得る(ステップ9)。次に、COP1のデータの平均値を算出する(ステップ10)。データ数は10回でなくても良く、精度が確保できる回数を適宜選択する。
次に、センサ31〜36から各計測値をコントローラ30に取り込み、リアルタイムのヒートポンプ装置20の運転データを得る(ステップ11)。吐出圧力上限値算出手段37で、これらの運転データから、ステップ3と同じ方法で、圧縮機吐出圧力上限値PL2を算出する(ステップ12)。

0040

次に、吐出圧力算出手段37で、吐出圧力初期設定値PS1の近辺から初期設定値PS1とは異なる吐出圧力設定値PS2(例えば、PS2=PS1+ΔP1)を選定する(ステップ13)。設定値PS2は上限値PL2を超えない範囲とする。
次に、センサ31〜35の各計測値から、ステップ8と同じ要領で、設定値PS2でのCOP(COP2)を算出し、吐出圧力設定値PS2及びCOP2の平均値をメモリ41に記憶する(ステップ14)。同様の手順で設定値PS2でのCOPの算出を10回程度行い(ステップ15)、その平均値を算出する。(ステップ16)。

0041

次に、またセンサ31〜36からの各計測値をコントローラ30に取り込む(ステップ17)。次に、これら各計測値に基づいて、圧縮機吐出圧力の上限値PL3を算出する(ステップ18)。そして、上限値PL3を超えない範囲で、初期設定値PS1の近辺で初期設定値PS1と異なる吐出圧力設定値PS3(例えば、PS3=PS1−ΔP1)を選定する(ステップ19)。次に、設定値PS3でのCOP値(COP3)を算出し、吐出圧力設定値PS3及びCOP3をメモリ41に記憶する(ステップ20)。次に、同様の手順で設定値PS3でのCOPの算出を10回程度行い(ステップ21)、その平均値を計算する(ステップ22)。

0042

そして、COP1、COP2及びCOP3の夫々の平均値の中から、最大COP判定手段40でCOPが最大となる吐出圧力を選択する。そして、コントローラ30で該吐出圧力になるように圧縮機22の駆動モータ22aを制御する。同時に、該吐出圧力を新たな吐出圧力設定値とし、該新設定値を初期設定値として、ステップ5に戻り、同様の手順でCOP値を算出する(ステップ23)。
以下、COPが最大となる吐出圧力の算出方法を図4に基づいて説明する。図4は、COP値を縦軸に、圧縮機吐出圧力設定値を横軸に取ったグラフである。図4において、まず、前記処理工程で算出した3点b1(PS1、COP1の平均値)、b2(PS2、COP2の平均値)及びb3(PS3、COP3の平均値)を図4のグラフにプロットする。

0043

次に、該3点を通る二次曲線bを求め、二次曲線bの微分値が零になる極大点cを求める。この極大点cでCOP値が最大となるので、圧縮機吐出圧力が極大点cとなるようにコントローラ30でヒートポンプ装置20の運転を制御する。
さらに、この極大点cを新たな吐出圧力初期設定値として、前記処理工程を繰り返すことにより、ヒートポンプ装置20の運転状態を常にリアルタイムで把握し、該運転状態に対応して、COP値が最大となる吐出圧力で常にヒートポンプ装置20を運転することができる。

0044

なお、前記3点を通る二次曲線を求める代わりに、前記3点のうち、任意の2点を通る2本の直線を引き、これらの直線の傾きから、該3点のうちでCOPが最大となる点を求めるようにしてもよい。そして、圧縮機吐出圧力をその最大点になるように運転すると共に、その最大点を新たな初期設定値として、同様の処理工程を繰り返すようにする。図5にその一例を示す。
図5において、点b1及びb2を通る直線f1と、点b1及びb3を通る直線f2を引く。直線f1及びf2の傾きを求めることにより、3点のうちb3でCOP値が最大となることがわかる。そして、吐出圧力をb3になるようにヒートポンプ装置20を運転すると共に、b3を新たな初期設定値として、同様の処理工程を繰り返す。この処理工程を繰り返すことによって、COPが真に最大となる吐出圧力に限りなく近づくことができる。

0045

あるいは、さらに別な算出方法として、吐出圧力の初期設定値以外に、初期設定値とは異なる1つの吐出圧力設定値を設定し、これら2点を結ぶ直線を引き、この直線の傾きから、COPが大きいほうの点を判定する。この大きいほうの点を新たな初期設定値とし、同様の処理を繰り返すようにしてもよい。これによって、図5の算出方法と同様に、COPが真に最大となる吐出圧力に限りなく近づくことができる。

0046

図4又は図5に示す算出方法のうち、図5に示す算出方法は、1回の操作でCOPが最大値となる二次曲線bの極大点cを見出すことができるので、処理スピードを速めることができる利点がある。

0047

図6に、CO2冷媒を用いたヒートポンプ装置において、CO2冷媒の圧縮機吸入圧力(絶対値)、吸入過熱度、及びガスクーラ出口でのCO2冷媒と加熱空気との温度差を一定にして、圧縮機吐出圧力を変えた場合の吐出圧力とCOPの関係を示す。図6から、COPが最大となる吐出圧力の最適値が存在することがわかる。従って、吐出圧力の初期設定値が最適値の付近にあれば、図5に示す算出方法により、COPが最大となる吐出圧力値を迅速かつ効率的に求めることが可能になる。

0048

なお、ガスクーラ出口における冷媒と加熱空気との温度差は、ガスクーラとして用いられる熱交換器の形状、風量、加熱空気のガスクーラ入口温度及び出口温度、圧縮機吐出圧力又は冷媒循環量によって、変わるため、COPをこれら変数の関数として求めることは困難である。

0049

本実施形態によれば、ヒートポンプ装置20の運転中に、センサ31〜36の各計測値をコントローラ30に入力しながら、COPが最大となる吐出圧力を求めることができるので、ヒートポンプ装置20の運転状態が変動しても、運転状態の変動に追従してリアルタイムに最適なCOP値を求めることができる。そのため、常に最適のCOPでヒートポンプ装置20を運転できる。
従って、ヒートポンプ装置20のCOPを左右する複雑な変動要因を考慮することなく、最適なCOPでの運転が可能となる。

0050

また、ヒートポンプ装置20の冷媒としてCO2を用い、ヒートポンプ装置20を圧縮機吐出圧力が臨界圧力以上の超臨界状態で運転することにより、加熱空気を100℃以上に加熱することができる。従って、被乾燥物dの乾燥に供される加熱空気の温度幅を広く設定することができる。

0051

また、吐出圧力の初期設定値PS1及び初期設定値PS1と異なる2点の設定値PS2、PS3で、複数回の計測を行って夫々複数のCOP値を算出し、これら複数のCOP算出値の平均値を求めるようにしているので、COP値の算出精度を向上できる。

0052

本発明によれば、樹脂、木材、食品、衣類等の乾燥に適用され、ヒートポンプ装置を組み込んだ乾燥装置において、ヒートポンプ装置のCOPを最大にして熱効率の良い運転を可能にする。

図面の簡単な説明

0053

本発明の一実施形態に係る乾燥装置の全体構成図である。
前記実施形態に係る乾燥装置の制御系ブロック線図である。
前記実施形態に係る乾燥装置の操作手順を示すフローチャートである。
前記実施形態に係る乾燥装置でCOPの最大値を求める方法を説明する線図である。
前記実施形態に係る乾燥装置でCOPの最大値を求める別な方法を説明する線図である。
ヒートポンプ装置で圧縮機吐出圧力とCOPとの関係を示す線図である。
CO2冷媒を用いたヒートポンプ装置のモリエル線図である。

符号の説明

0054

1乾燥装置
10乾燥室
15加熱空気供給路
20ヒートポンプ装置
21CO2冷媒循環路
22圧縮機
23ガスクーラ(凝縮器)
24膨張弁
25蒸発器
30コントローラ
31〜36センサ
a外気
d 被乾燥物

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