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技術 タービン分割環およびその冷却方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 高濱正幸桑原正光
出願日 2008年7月29日 (11年6ヶ月経過) 出願番号 2008-195146
公開日 2010年2月12日 (10年0ヶ月経過) 公開番号 2010-031753
状態 特許登録済
技術分野 タービンロータ・ノズル・シール ガスタービン、高圧・高速燃焼室 タービンロータ・ノズル・シール
主要キーワード 保守点検費 周方向分布 衝突噴流 軸方向上流側 分割環 乱流促進 酸化減肉 各分割体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年2月12日)のものです。
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図面 (5)

課題

各分割体において熱影響度の大きいタービン動翼回転方向後方側の端部を優先冷却して、酸化減肉の進行を遅らせること。

解決手段

複数の分割体8aを環状に配設して、隣り合う分割体8aの対向する側面20,23に形成された溝21,24内にシール板25を挿入することにより、隣り合う分割体8aが互いに連結されるタービン分割環8であって、分割体8aにはそれぞれ、その外周面15の上流側から内部を通り下流側の周方向に沿う端面17に貫通する複数本冷却通路18が設けられており、複数本の冷却通路18は、分割体8aの半径方向内側を回転するタービン動翼の回転方向後方側の端部19における冷却効果が、分割体8aの中央部28及び分割体8aの半径方向内側を回転するタービン動翼の回転方向前方側の端部22における冷却効果よりも高くなるように配設されている。

概要

背景

ガスタービンにおいてタービン動翼の先端から半径方向外側に略一定の距離を保つようにして周方向に配設される環状のタービン分割環としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特開2000−257447号公報

概要

各分割体において熱影響度の大きいタービン動翼回転方向後方側の端部を優先冷却して、酸化減肉の進行を遅らせること。複数の分割体8aを環状に配設して、隣り合う分割体8aの対向する側面20,23に形成された溝21,24内にシール板25を挿入することにより、隣り合う分割体8aが互いに連結されるタービン分割環8であって、分割体8aにはそれぞれ、その外周面15の上流側から内部を通り下流側の周方向に沿う端面17に貫通する複数本冷却通路18が設けられており、複数本の冷却通路18は、分割体8aの半径方向内側を回転するタービン動翼の回転方向後方側の端部19における冷却効果が、分割体8aの中央部28及び分割体8aの半径方向内側を回転するタービン動翼の回転方向前方側の端部22における冷却効果よりも高くなるように配設されている。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、隣接する分割体間の隙間にタービン動翼の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体におけるタービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域を優先冷却して酸化減肉の進行を遅らせることができるタービン分割環を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複数の分割体を環状に配設して形成され、隣り合う前記分割体の対向する側面に形成された溝内にシール部材を挿入することにより前記側面間の隙間を封止すると共に、前記分割体の半径方向内側をタービン動翼が回転するタービン分割環であって、前記分割体はそれぞれ、冷却媒体により前記分割体を冷却するための冷却手段を備え、前記冷却手段は、その冷却効果が、各々の前記分割体における前記動翼回転方向後方側に位置する端部において最大となるような分布を有するように配置されていることを特徴とするタービン分割環。

請求項2

前記冷却手段は、その冷却効果が、前記動翼の回転方向後方側に位置する端部、前記動翼の回転方向前方側に位置する端部、前記分割体の周方向中央部の順に大きく、かつ、前記分割体の周方向中央部において最小となるように段階的又は漸次的に変化する分布を有するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタービン分割環。

請求項3

前記冷却手段は、前記分割体の内部に形成された複数の冷却通路であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタービン分割環。

請求項4

前記冷却手段は、前記分割体の半径方向外側に隔設されたインピンジメント板穿設された複数の冷却孔であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタービン分割環。

請求項5

請求項1から4のいずれかに記載のタービン分割環を備えてなることを特徴とするガスタービン

請求項6

複数の分割体を環状に配設して形成され、前記分割体の半径方向内側をタービン動翼が回転するタービン分割環を冷却するタービン分割環の冷却方法であって、前記分割体における前記動翼の回転方向後方側に位置する端部において、その冷却効果が最大となるように冷却媒体を導くことを特徴とするタービン分割環の冷却方法。

請求項7

前記冷却効果が、前記動翼の回転方向後方側に位置する端部、前記動翼の回転方向前方側に位置する端部、前記分割体の周方向中央部の順に大きく、かつ、前記分割体の周方向中央部において最小となるように段階的又は漸次的に変化させて冷却媒体を導くことを特徴とする請求項6に記載のタービン分割環の冷却方法。

請求項8

前記冷却媒体は、前記分割体の内部に形成された複数の冷却通路を用いて導かれることを特徴とする請求項6又は7に記載のタービン分割環の冷却方法。

請求項9

前記冷却媒体は、前記分割体の半径方向外側に隔設されたインピンジメント板に穿設された複数の冷却孔を用いて導かれることを特徴とする請求項6又は7に記載のタービン分割環の冷却方法。

技術分野

0001

本発明は、ガスタービンにおいてタービン動翼の先端(チップ)から半径方向外側に略一定の距離を保つようにして周方向に配設される環状のタービン分割環に関するものである。

背景技術

0002

ガスタービンにおいてタービン動翼の先端から半径方向外側に略一定の距離を保つようにして周方向に配設される環状のタービン分割環としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特開2000−257447号公報

発明が解決しようとする課題

0003

上記特許文献1のタービン分割環を構成する各分割体には、その冷却手段として各分割体の半径方向外側に複数のインピンジメント冷却孔が周方向に等間隔を空けて、すなわち、等密度穿設されたインピンジメント板を隔設して、これらの冷却孔を通して半径方向内側の方向に冷却空気を噴き出して分割体衝突させることにより、分割体が所定の温度となるように強制的にインピンジメント冷却衝突冷却)が実施されている。また、各分割体の外周面ガスタービン軸方向上流側に設けられた入口から冷却空気を導入して、分割体の内部を略軸方向に延びて軸方向下流側の端面に設けられた出口から主流に排出する冷却通路マルチホールともいう)が周方向に等間隔を空けて、すなわち、等密度に複数本設けられ、分割体が所定の温度となるように強制的な対流冷却が実施されている。

0004

しかしながら、このような分割体では、お互いに隣接する分割体間の隙間にタービン動翼の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体におけるタービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域においての冷却が他の領域に比較して不十分となり、その後方側端部において高温ガスによる酸化減肉の進行が促進されてしまう。また、隣り合う分割体間の隙間を封止するために設けているシール板を挿入するためのシール溝にまで高温ガスによる酸化減肉が到達すると、シール板が脱落する懸念が生じるため補修が必要となるが、上述のように冷却が不十分であると補修を必要とする酸化減肉深さに達するまでの期間が健全冷却状態よりも短期化してしまう恐れがある。更には保守点検間隔が短期化するとともに、保守点検費用が高騰化してしまう恐れがある。また、シール板が脱落するとシール機能が低下してガスタービン全体の効率が低下したり、高温ガスの逆流や漏れ込みによって他の部品の酸化減肉、焼損溶融欠落等が生じる恐れがある。あるいは、飛散したシール板によって他の部品が破損する等の悪影響(二次的被害)を及ぼす恐れもある。

0005

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、隣接する分割体間の隙間にタービン動翼の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体におけるタービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域を優先冷却して酸化減肉の進行を遅らせることができるタービン分割環を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係るタービン分割環は、複数の分割体を環状に配設して形成され、隣り合う分割体の対向する側面に形成された溝内にシール部材を挿入することにより側面間の隙間を封止すると共に、分割体の半径方向内側をタービン動翼が回転するタービン分割環であって、分割体はそれぞれ、冷却媒体により分割体を冷却するための冷却手段を備え、冷却手段は、その冷却効果が、各々の分割体における動翼の回転方向後方側に位置する端部において最大となるような分布を有するように配置されている。

0007

本発明に係るタービン分割環によれば、隣接する分割体間の隙間にタービン動翼の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体におけるタービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域をより効果的に、かつ、効率よく優先冷却するように冷却手段を配置することにより、その後方側端部の酸化減肉の進行を遅らせることができて、補修を必要とする酸化減肉深さに達するまでの期間を長期化させることができ、更には保守点検間隔を長期化させることができると共に、保守点検費用を低減させることができる。

0008

上記タービン分割環において、冷却手段は、その冷却効果が、動翼の回転方向後方側に位置する端部、動翼の回転方向前方側に位置する端部、分割体の周方向中央部の順に大きく、かつ、分割体の周方向中央部において最小となるように周方向に沿って段階的又は漸次的に変化する分布を有するように配置されていると更に好適である。

0009

このようなタービン分割環によれば、隣接する分割体間の隙間にタービン動翼の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体におけるタービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域を最も優先的に冷却すると共に、次いで高温ガスによる熱影響度の大きい回転方向前方側に位置する端部領域、及び、熱影響度が最も小さくなる分割体の周方向中央部の順に冷却効果が小さくなり、かつ、周方向中央部において最小となるような、周方向に沿って段階的又は漸次的に変化する分布を有するように冷却手段を配置して優先冷却を最適化することにより、冷却媒体を更に効果的に、かつ、効率よく使用してタービン分割環全体として必要な冷却媒体の総量の削減を図ることができる。

0010

上記タービン分割環において、冷却手段としては、分割体の内部に形成された複数の冷却通路を設けることができる。

0011

このようなタービン分割環によれば、各分割体の内部を貫通して冷却媒体による強制対流冷却を施す冷却通路の周方向間隔を、タービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域において最も小さく、すなわち、密度を最大にすることにより、後方側端部領域における冷却効果が最大となるような分布を与えるような優先冷却を達成することができる。また、次いで前方側端部領域、周方向中央部領域の順に冷却通路の密度が小さくなり、かつ、周方向中央部において密度が最小となるように、周方向に沿って密度を段階的又は漸次的に変化させることによって、分割体の各領域における熱影響度の大小に対応した冷却効果の分布を与えるように優先冷却を更に最適化することができる。

0012

上記タービン分割環において、冷却手段としては、分割体の半径方向外側に隔設されたインピンジメント板に穿設された複数の冷却孔を設けることもできる。

0013

このようなタービン分割環によれば、インピンジメント板に穿設されて冷却媒体による強制インピンジメント冷却を分割体に対して施す冷却孔の周方向間隔、すなわち、密度を上記冷却通路と同様に設定することによって、分割体の各領域における熱影響度の大小に対応した冷却効果の分布を与えるように優先冷却及びその最適化を達成することができる。

0014

本発明に係るガスタービンは、上記タービン分割環のいずれかを具備していることとなるので、ガスタービン全体の冷却空気量を削減させることにより効率や性能、出力を向上させることができる。更には、ガスタービン全体の信頼性を向上させることができると共に、ガスタービン全体の保守点検間隔を長期化させることができ、ガスタービン全体の保守点検費用を低減させることができる。

0015

本発明に係るタービン分割環の冷却方法は、複数の分割体を環状に配設して形成され、分割体の半径方向内側をタービン動翼が回転するタービン分割環を冷却するタービン分割環の冷却方法であって、分割体における動翼の回転方向後方側に位置する端部において、その冷却効果が最大となるように冷却媒体を導くようにした。

0016

本発明に係るタービン分割環によれば、隣接する分割体間の隙間にタービン動翼の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体におけるタービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域をより効果的に、かつ、効率よく優先冷却するように冷却媒体を導くことにより、その後方側端部の酸化減肉の進行を遅らせることができて、補修を必要とする酸化減肉深さに達するまでの期間を長期化させることができ、更には保守点検間隔を長期化させることができると共に、保守点検費用を低減させることができる。

0017

上記タービン分割環の冷却方法において、冷却効果が、前記動翼の回転方向後方側に位置する端部、前記動翼の回転方向前方側に位置する端部、前記分割体の周方向中央部の順に大きく、かつ、前記分割体の周方向中央部において最小となるように段階的又は漸次的に変化させて冷却媒体を導くようにすると更に好適である。

0018

このようなタービン分割環によれば、隣接する分割体間の隙間にタービン動翼の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体におけるタービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域を最も優先的に冷却するように、すなわち、後方側端部における冷却効果が最大となるように冷却媒体を導くと共に、次いで高温ガスによる熱影響度の大きい回転方向前方側に位置する端部領域、及び、熱影響度が最も小さくなる分割体の周方向中央部の順に冷却効果が小さくなり、かつ、周方向中央部において最小となるような、周方向に沿って段階的又は漸次的に冷却効果が変化する分布を有するように、冷却媒体を導いて優先冷却を最適化することにより、冷却媒体を更に効果的に、かつ、効率よく使用してタービン分割環全体として必要な冷却媒体の総量の削減を図ることができる。

0019

上記タービン分割環の冷却方法において、冷却媒体を、分割体の内部に形成された複数の冷却通路を用いて導くことができる。

0020

このようなタービン分割環によれば、各分割体の内部を貫通する冷却通路の周方向間隔を、タービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域において最も小さく、すなわち、密度を最大にして、その冷却通路に冷却媒体を導いて強制対流冷却を施すことにより、後方側端部領域における冷却効果が最大となるような分布を与えるように優先冷却を達成することができる。また、次いで前方側端部領域、周方向中央部領域の順に冷却通路の密度が小さくなり、かつ、周方向中央部において密度が最小となるように、周方向に沿って密度を段階的又は漸次的に変化させて冷却媒体を導くことによって、分割体の各領域における熱影響度の大小に対応した冷却効果の分布を与えるように優先冷却を更に最適化することができる。

0021

上記タービン分割環において、冷却媒体を、分割体の半径方向外側に隔設されたインピンジメント板に穿設された複数の冷却孔を用いて導くこともできる。

0022

このようなタービン分割環によれば、インピンジメント板に穿設された冷却孔の周方向間隔、すなわち、密度を上記冷却通路と同様に設定して、その冷却孔を用いて冷却媒体を導き、その噴流を分割体に衝突させ強制インピンジメント冷却を施すことによって、分割体の各領域における熱影響度の大小に対応した冷却効果の周方向分布を与えるように優先冷却及びその最適化を達成することができる。

発明の効果

0023

本発明によれば、隣接する分割体間の隙間にタービン動翼の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体におけるタービン動翼の回転方向後方側に位置する端部領域をより効果的に、かつ、効率よく優先冷却することにより、熱影響度の最も大きい後方側端部の酸化減肉の進行を遅らせることができて、補修を必要とする酸化減肉深さに達するまでの期間を長期化させることができ、更には保守点検間隔を長期化させることができると共に、保守点検費用を低減させることができるという効果を奏する。また、必要な冷却媒体の総量の削減を図ることができるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0024

〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係るタービン分割環について、図1から図3を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るタービン分割環を備えたガスタービンの要部断面図、図2は本実施形態に係るタービン分割環の断面図、図3は本実施形態に係るタービン分割環を回転軸の軸方向から見た断面図である。

0025

図1に示すように、本実施形態に係るタービン分割環が適用されるガスタービン1は、燃焼器(図示せず)で発生させた高温ガスを、矢印2の方向に供給し、タービン動翼3,4に吹き付けてこれらタービン動翼3,4を回転させて、熱エネルギー機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生させるものである。
タービン動翼3,4は、回転軸の周囲に取り付けられたプラットフォーム5に固定されている。これらタービン動翼3、4は、ガスタービン1の回転軸の周方向に沿って複数枚設けられており、ガスタービン1の軸方向上流側図1において左側)から下流側(図1において右側)に流れる高温ガスを受けて、プラットフォーム5とともに回転する。タービン動翼3,4の上流側には、タービン静翼6,7が配置されている。これらタービン静翼6,7は、タービン動翼3,4と同様、回転軸の周方向に沿って複数枚設けられている。また、タービン動翼3,4の半径方向外側には、タービン動翼3,4の先端(チップ)から略一定の隙間f(図2参照)を空けてタービン分割環(以下「分割環」という。)8が設けられている。分割環8は、例えば、コバルト合金からなり、複数の分割体8a(図3参照)で構成されている。

0026

図2に示すように、翼環9には、分割環8に向かって開口する流路10が形成されており、この流路10内には、ガスタービン1の外部に設けられた空気供給源(図示せず)から供給された空気、又は圧縮機(図示せず)から抽出された空気が冷却媒体として矢印12の方向に流されるようになっている。また、翼環9には、遮熱環11が取り付けられており、遮熱環11には、分割環8及びインピンジメント板13が取り付けられている。インピンジメント板13は、翼環9と分割環8との間に配置されており、流路10からその外周面(半径方向外側の周面)に吹き出された空気を通すための複数個の冷却孔(冷却手段)14を備えている。流路10を通って矢印12の方向に流れてきた冷却空気は、この冷却孔14から衝突噴流となって各分割体8aの外周面15に吹き付けられ、各分割体8aが所定の温度になるように強制的なインピンジメント冷却を行うような圧力に調整されている。

0027

また、各分割体8aは、外周面15の軸方向上流側(図2において左側)及び下流側(図2において右側)にそれぞれフランジ16を有しており、これらフランジ16を介して遮熱環11に取り付けられている。各分割体8aには、外周面15の軸方向上流側から分割体8aの内部をガスタービン1の軸方向と略平行に延びて下流側の周方向に沿う端面17に貫通する冷却通路(冷却手段)18が複数本設けられている。上述のインピンジメント冷却を行った冷却空気は、その後、外周面15に設けられた入口から分割体8aの内部に導かれて冷却通路18を通って、各分割体8aが所定の温度となるように強制的に対流冷却を行ってから、端面17に設けられた出口よりガスタービン1の主流へ排出される。

0028

なお、冷却通路18は図2のような直線形状に限られず、曲線蛇行形状でもよく、あるいは、冷却通路18内に乱流促進伝熱面積増加により冷却効率を向上させるためのタービュレータピンフィン等を設けてもよい。また、冷却通路18の出口の位置は下流側端面17には限られず、その一部又は全体を側面20,23(図3参照)に設けてもよい。一方、冷却媒体としては空気以外に、例えば、蒸気等を用いてもよく、蒸気の場合は分割体8aを冷却した後、出口から主流に排出するのではなく、前後のタービン静翼6,7等の冷却に用いたり、ガスタービン1の外部に回収するための通路別途設けることもできる。

0029

図3に示すように、分割環8を構成する複数の分割体8aは、周方向に沿って配置されている。そして、隣り合う分割体8aは、一の分割体8aにおけるタービン動翼3の回転方向(矢印27で示す)から見て後方側に位置する端部領域19の側面20に形成された溝21と、一の分割体に隣接する他の分割体8aにおける回転方向27から見て前方側に位置する端部領域22の側面23に形成された溝24との間にシール板(シール部材)25が挿入されることにより周方向に連結され、全体として環状の分割環8を形成する。シール板25は、分割体8a同士を連結するとともに、一の分割体8aの側面20と他の分割体8aの側面23との間に形成された隙間26から空気及び高温ガスが漏れるのを防ぐシール部材である。なお、シール部材と溝の断面形状はそれぞれ、矩形に限らず円形楕円半円、T字、十字等の形状でもよく、複数の様々な形状を組み合わせても構わない。

0030

また、図3に示すように、複数本の冷却通路18はその密度が、各々の分割体8aにおける回転方向27の後方側に位置する端部領域19で最も大きくなり、分割体8aの周方向中央部領域28で最も小さくなるとともに、分割体8aにおける回転方向27の前方側に位置する端部領域22で、同じく後方側の端部19よりも小さく、かつ、周方向中央部領域28よりも大きくなる分布を有するように段階的に配設されている。すなわち、複数本の冷却通路18は、各々の分割体8aにおける回転方向27の後方側の端部19における冷却効果が、分割体8aにおける回転方向27の前方側の端部22及び中央部28における冷却効果よりも高くなり、かつ、分割体8aにおける回転方向27の前方側の端部22における冷却効果が、分割体8aの周方向中央部28よりも高くなる分布を有するように段階的に配設されている。

0031

一方、インピンジメント板13に形成された複数個の冷却孔14も、その密度が複数本の冷却通路18と同様に、すなわち、インピンジメント板13における回転方向27の後方側の端部領域29で最も大きくなり、インピンジメント板13の周方向中央部領域30で最も小さくなると共に、インピンジメント板13における回転方向27の前方側の端部領域31で同じく後方側端部29よりも小さく、かつ、中央部30よりも大きくなる分布を有するように段階的に配設されている。

0032

これは、隣接する分割体8aの側面20,23間の隙間26にタービン動翼3の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を、各々の分割体8aにおける回転方向27の後方側に位置する端部19が最も受け易い、すなわち、熱影響度が最も大きいことは前述の通りであるが、次いで、同じく前方側端部22、中央部28の順にその熱影響度が小さくなるため、各々の領域の熱影響度に応じた冷却空気量を領域毎に段階的に設定して、対流冷却通路18やインピンジメント冷却孔14の密度、すなわち、各々の間隔を段階的に分布させて、限られた冷却空気を用いて効率的に冷却するためである。なお、図3に示された実施形態では対流冷却通路18やインピンジメント冷却孔14の密度分布が3段階になるように配設している。しかしながら、これに限定されるものではなく、分割体8aの温度分布に従って後方側端部19と他の領域という2段階に分けて端部19のみを優先冷却してもよい。あるいは、更に領域を細分化して4段階以上に配設しつつ端部19を最も優先的に冷却しても構わない。また、対流冷却通路18又はインピンジメント冷却孔14のいずれか一方のみを上述した形態にて配設しても良いし、両者共に本発明の形態にて併用すれば更に好適である。

0033

本実施形態に係る分割環8によれば、お互いに隣接する分割体間の隙間26にタービン動翼3の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体8aにおける動翼3の回転方向27から見て後方側に位置する端部19を冷却する空気量が、他の領域に比べて優先的に増加させられることとなるので、各分割体8aにおける回転方向27の後方側に位置する端部19をより効果的に、かつ、効率よく優先冷却することができる。
また、これにより、他の領域よりも熱影響度の大きい後方側端部19の酸化減肉の進行を遅らせることができ、補修を必要とする酸化減肉深さに達するまでの期間を長期化させることができて、更には保守点検間隔を長期化させることができると共に、保守点検費用を低減させることができる。また、ガスタービン全体の信頼性の向上を図ることができる。
更に、隙間26にタービン動翼3の回転によって巻き込まれる高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を最も受け易い、各分割体8aにおける回転方向27の後方側に位置する端部19の冷却手段の密度を優先的に増加させて、結果的に端部19を冷却する空気量を増加させても、これに比較して高温ガスによる熱伝達率の上昇の影響を受け難い、各分割体8aの周方向中央部28及び回転方向27の前方側に位置する端部22の冷却手段の密度、すなわち、冷却空気量を削減することにより、全体として流路10を介して供給される冷却空気量を低減させることができ、ガスタービン全体の効率や性能、出力の向上を図ることができる。

0034

〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係るタービン分割環について、図4を参照しながら説明する。図4は本実施形態に係るタービン分割環を回転軸の軸方向から見た断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係るタービン分割環8は、複数本の冷却通路18及び/又は複数個の冷却孔14が、漸次的に配設されている。すなわち、各分割体8aに配設される対流冷却通路18及び/又はインピンジメント冷却孔14の密度、言い換えると、間隔を段階的にではなく漸次的に変化させるような分布を与えているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については、熱影響度の最も大きい後方側端部19が優先冷却されるように配設されているという点を含めて、上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。

0035

本実施形態に係る分割環8によれば、複数本の冷却通路18及び/又は複数個の冷却孔14が、上述した第1実施形態の段階的な密度分布に比較してほぼ無段階(漸次的)に配設され、分割体8a全体においてより効果的に、かつ、効率よく優先冷却されることとなるので、限られた冷却媒体をより無駄なく有効利用して、ガスタービン全体の効率、性能、出力の向上を更に図ることができる。また、酸化減肉の進行を更に遅らせることができ、補修を必要とする酸化減肉深さに達するまでの期間を更に長期化させることができて、保守点検間隔を更に長期化させることができると共に、保守点検費用を更に低減させることができる。加えて、周方向温度分布をより平滑化させることができるため熱応力の低減を図ることができる。

0036

なお、上述のような冷却効果の周方向分布を得るためのタービン分割環、又は、そのタービン分割環に冷却媒体を導く方法としては、冷却通路や冷却孔の密度分布を最適化することに限定されるものではなく、分割体の各領域における熱影響度の大小に対応した冷却効果(熱伝達率)の分布を与えるように、各領域毎の冷却媒体の流量(流速)を最適化してもよい。すなわち、熱影響度が大きい領域においては流量(流速)を大きくすることにより熱伝達率を高くして冷却効果が大きくなるように、熱影響度が小さい領域においては流量(流速)を小さくすることにより熱伝達率を低くして冷却効果が小さくなるように設定してもよい。これによっても全体として必要な冷却媒体量を削減しつつ、後方側端部の優先冷却により酸化減肉の進行を遅らせることができる。また、この場合の冷却通路や冷却孔は周方向に沿って等間隔、すなわち、等密度のまま流量(流速)の周方向分布のみを各領域の熱影響度の大小に応じて最適化してもよいし、あるいは、密度と流量(流速)の周方向分布を共に最適化してもよい。

図面の簡単な説明

0037

本発明に係るタービン分割環を備えたガスタービンの要部断面図である。
本発明の一実施形態に係るタービン分割環の断面図である。
本発明の一実施形態に係るタービン分割環を回転軸の軸方向から見た断面図である。
本発明の他の実施形態に係るタービン分割環を回転軸の軸方向から見た断面図である。

符号の説明

0038

1ガスタービン
3タービン動翼
8タービン分割環
8a分割体
13インピンジメント板
14冷却孔(冷却手段)
15外周面
17 端面
18冷却通路(冷却手段)
19 端部
20 側面
21 溝
22 端部
23 側面
24 溝
25シール板(シール部材)
26 隙間
27 タービン動翼回転方向
28 中央部
29 端部
30 中央部
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