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技術 車両の制動制御装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 宮下直樹
出願日 2008年7月23日 (12年3ヶ月経過) 出願番号 2008-189808
公開日 2010年2月4日 (10年9ヶ月経過) 公開番号 2010-023755
状態 特許登録済
技術分野 ブレーキシステム(制動力調整) ブレーキシステム(制動力調整)
主要キーワード ピッチング検出 デジタルポート 保持条件 ノーズダウン 電磁遮断弁 ノーズアップ ピッチングモーメント 増加補正量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年2月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

車両制動時ピッチング戻りを抑えて、制動によって発生するピッチング収束を早くする。

解決手段

運転者が操作するブレーキペダル1の操作量に応じた目標減速度G0を算出する。上記目標減速度G0を、上記ブレーキペダル1の操作に対し遅れを持って、徐々に増加補正する。その増加補正する増分補正量Grizeを、増加補正前の上記ブレーキペダル1の操作の操作速度が早いほど、大きくする。

概要

背景

従来の制動制御装置としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、運転者による制動操作量マスタ圧とに基づき、最終的な目標減速度を算出している。そして、その最終的な目標減速度となるように、制動力を制御する。
特開平11−301434号公報

概要

車両制動時ピッチング戻りを抑えて、制動によって発生するピッチング収束を早くする。、運転者が操作するブレーキペダル1の操作量に応じた目標減速度G0を算出する。上記目標減速度G0を、上記ブレーキペダル1の操作に対し遅れを持って、徐々に増加補正する。その増加補正する増分補正量Grizeを、増加補正前の上記ブレーキペダル1の操作の操作速度が早いほど、大きくする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

運転者が操作する制動操作子と、その制動操作子の操作量に応じた目標減速度を算出する目標減速度算出手段とを備えて、上記目標減速度に応じた制動力を発生する車両の制動制御装置であって、上記制動操作子の制動方向への操作が保持されると、その操作を保持したときから時間遅れを持って、上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度を増加補正する目標減速度補正手段を備え、上記増加補正する増加勾配を、上記制動操作子の制動方向への操作開始から操作を保持する前における上記制動操作子の操作速度最大値が大きいほど、上記増加補正する増加勾配を大きくすることを特徴とする車両の制動制御装置。

請求項2

上記目標減速度補正手段は、上記制動操作子の制動方向への操作開始から操作を保持する前における制動操作子の操作速度の最大値が所定値以上の場合にだけ、上記増加補正を開始することを特徴とする請求項1に記載した車両の制動制御装置。

請求項3

上記目標減速度補正手段は、増加補正開始前の上記制動操作子の操作量が大きいほど、上記増加補正の増加勾配を大きくすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の制動制御装置。

請求項4

上記目標減速度補正手段は、上記操作量が所定以上の場合にだけ、上記増加補正を開始することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両の制動制御装置。

請求項5

車両のピッチングを検出するピッチング検出手段を備え、制動初期によって生じる方向へのピッチングの増加がゼロとなったか、ピッチングの向きが逆方向となったことを検知すると、上記増加補正を開始することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した車両の制動制御装置。

請求項6

車両のピッチングを検出するピッチング検出手段を備え、制動初期によって生じるピッチングとは反対方向へのピッチングとなり、その方向へのピッチング速度がゼロ若しくは反対方向のピッチングとなったことを検出する、上記増加補正を停止して増加量を保持することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した車両の制動制御装置。

請求項7

増加補正開始後所定時間経過すると、増加補正を停止して増加量を保持することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した車両の制動制御装置。

請求項8

所定条件下、自動的に制動を制御する自動制動制御装置を備える車両の制動制御装置において、上記増加補正は、上記自動制動制御装置の作動時は行わないことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した車両の制動制御装置。

技術分野

0001

本発明は、ブレーキペダルなどの制動操作子操作量に応じて目標減速度目標制動力)を算出し、その目標減速度に基づき制動力を発生する車両の制動制御装置に関するものである。

背景技術

0002

従来の制動制御装置としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、運転者による制動操作量マスタ圧とに基づき、最終的な目標減速度を算出している。そして、その最終的な目標減速度となるように、制動力を制御する。
特開平11−301434号公報

発明が解決しようとする課題

0003

前進走行中に、運転者がブレーキペダルを踏み込むことで、車両に制動が掛かる。このとき、上記制動によって、車両がノーズダウン方向にピッチングする。そのまま、踏み込んだブレーキペダルを保持しているとABSが作動し、制動力が減少することで、車両が反対方向(ノーズアップ方向)にピッチングする。このピッチングをピッチング戻りと呼ぶ。このピッチング戻りが大きいほど、ピッチングの収束が遅くなる。このようなことは、乗り心地に悪影響が出る。
本発明は、上記のような点に着目したもので、車両制動時のピッチング戻りを抑えて、制動によって発生するピッチングの収束を早くすることを課題としている。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、運転者が操作する制動操作子の操作量に応じた目標減速度を算出する。上記目標減速度を、上記制動操作子の操作に対し遅れを持って、徐々に増加補正する。その増加補正する増加勾配を、増加補正前の上記制動操作子の操作の操作速度が早いほど、大きくする。

発明の効果

0005

本発明によれば、制動操作子の操作による制動力を、制動操作子の操作を保持したときから遅れを持って増加補正する。これによって車両に発生するピッチングモーメントが徐々に増加する。この結果、制動初期によって発生するピッチング方向とは反対方向へピッチング、すなわちピッチング戻りの量が小さくなる。この結果、制動によるピッチングの収束が早くなる。なお、上記ピッチングモーメントの向きは、ピッチング戻り方向とは反対方向である。

0006

このとき、制動操作子を早く操作した場合ほど、ピッチング速度が大きくなり、その後のピッチング戻りの量も大きくなる。これに対し、本発明では、制動操作子の操作が早いときほど増加補正量を大きくすることで、上記ピッチング戻りを適切に抑えてピッチングの収束が早くなる。
以上のように、本発明では、ピッチング戻りを小さくすると共に、ピッチングの収束が早くなる。この結果、車両制動時のピッチング戻りを抑えて、制動によって発生するピッチングの収束を早くなる。そして、乗り心地向上に繋がる。

発明を実施するための最良の形態

0007

次に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る制動制御装置の概要構成図である。
(構成)
まず構成について説明する。
図1中、符号1は、ブレーキペダルを示し、運転者が制動操作する制動操作子を構成する。そのブレーキペダル1は、液圧ブースタ及びマスタシリンダ2に連結する。上記マスタシリンダ2は、第1連通路3を通じてブレーキシリンダであるホイールシリンダ4に接続する。図1中、符号5はリザーバを示す。
上記第1連通路3の途中に、電磁遮断弁6を設ける。この電磁遮断弁6は、図1の状態が通電時の閉状態である。この状態は、マスタシリンダ2とホイールシリンダ4との接続を遮断した状態である。この電磁遮断弁6は、非通電時は開状態となり、マスタシリンダ2の液圧がホイールシリンダ4に供給可能状態となる。

0008

符号7及び8は、制動力アクチュエータである。制動力アクチュエータは、ブレーキバイワイヤ(以下、BBWとも呼ぶ)制御における制動力を発生する。その制動力アクチュエータは、モータ7及び当該モータ7で駆動する油圧ポンプ8からなる。モータ7は、ブレーキコントローラ9からの制御信号制御電流)によって作動が制御され、そのモータ7の回転トルクで油圧ポンプ8を駆動する。図1では、油圧ポンプ8としてギヤポンプを例示している。

0009

油圧ポンプ8は、入力ポートが第2連通路10を介してリザーバ5に接続し、吐出ポートが第3連通路11を介して上記第1連通路3に接続することで、リザーバ5内の作動液を第2連通路10を介して吸引し、その作動液を第3連通路11を介してホイールシリンダ4に吐出可能となっている。第3連通路11の途中には、電磁比例弁からなる保持弁12が介挿する。また、ホイールシリンダ4は、第4連通路13を介して上記リザーバ5に連通する第2連通路10に接続し、その第4連通路13には電磁比例弁からなる減圧弁14を接続する。

0010

そして、BBW制御の状態では、上記遮断弁6が閉状態となる。そして、増圧時には、保持弁12が開状態、減圧弁14が閉状態となることで、ポンプ8から吐出する作動液を、ホイールシリンダ4に供給して増圧モードとなる。減圧時には、保持弁12が閉状態、減圧弁14が開状態となることで、ホイールシリンダ4内の作動液をリザーバ5に戻して減圧モードとなる。
ここで、符号15はストロークセンサであって、ブレーキペダル1の操作量Sを検出してブレーキコントローラ9に出力する。符号17は、ホイールシリンダ圧力を検出する圧力センサであって、検出した圧力信号をブレーキコントローラ9に出力する。符号18はポンプ8の吐出圧を検出する圧力センサであって、検出した圧力信号をブレーキコントローラ9に出力する。

0011

また、車両には、ピッチング検出センサ20を備える。ピッチング検出センサ20は、例えばジャイロなどからなり、検出したピッチングをブレーキコントローラ9に出力。
また、ABS制御などのブレーキペダルによる制動指示とは別に自動的に制動量を制御する自動制動制御装置21を備える。自動制動制御装置21は作動中の情報をブレーキコントローラ9に供給する。

0012

また、上記ブレーキコントローラ9は、例えば、CPU、ROM、RAM、デジタルポート、A/Dポート、各種タイマー機能を内蔵するワンチップマイコン(あるいは同機能を実現する複数チップ)によって構成する。このブレーキコントローラ9では、各弁、及びモータ7に制御信号を出力する。
このブレーキコントローラ9は、目標減速度算出部9Aと、制動本体部9Bとを備える。
目標減速度算出部9Aは、最終的な目標減速度(目標制動力)Gを算出する。
制動本体部9Bは、目標減速度算出部9Aが算出した目標減速度Gに応じた制動力が発生するように、各輪の目標シリンダ圧を算出し、その目標シリンダ圧となるように、モータ7及び各弁に制御信号を出力する。

0013

次に、目標減速度算出部9Aの処理を、図2を参照しつつ説明する。
この目標減速度算出部9Aは、所定のサンプリング周期毎に作動に作動する。
まず、ステップS10にて、ブレーキペダル1のストローク量S(操作量)を読み込み、続いてステップS20にて、上記ブレーキペダル1の操作量Sに基づき、目標減速度G0を算出する。
すなわち、図3に示すようなマップ等に基づき、ストローク量Sから目標減速度G0を求める。
次に、ステップS30にて、ピッチング検出センサ20からの信号に基づき、車両に発生しているピッチレートを取得する。
次に、ステップS40にて、目標減速度の勾配変化率)GRAG0を、下記(1)式に基づき算出する。
GRAG0 =G0 −G0z1 ・・・(1)
ここで、添え字znは、nサイクル前の値を示す。添え字z1は、1サイクル前の値を示す。以下同様である。

0014

すなわち、(1)式は、前回値の目標減速度G0z1からの目標減速度の変化量を求める事となる。
次に、ステップS50では、目標減速度G0の勾配のピークホールド値GRAG0maxを、下記(2)式によって算出して、保持する。
GRAG0max ←max(GRAG0maxz1、GRAG0) ・・・(2)
次に、ステップS60では、制動要求があるか否かを判定する。制動要求があると判定した場合にはステップS70に移行する。一方、制動要求がないと判定した場合には、ステップS170に移行する。
制動要求があるか否かは、例えばブレーキスイッチオンか否かで判定する。または、ストローク量Sが正値か、マスタリンダ圧Pmが正値かなどの公知の技術で判定しても良い。

0015

ステップS70では、ブレーキペダル1が踏み戻し中か否かを判定し、踏み戻し中と判定した場合には、ステップS180に移行する。一方、踏み戻し中でない場合にはステップS80に移行する。つまり、ブレーキペダル1を踏み込み中か、踏み込み後の保持中の場合には、ステップS80に移行する。
踏み戻し中か否かは、GRAG0で判定し、GRAG0<0の場合に踏み戻し中と判定する。
ステップS80では、増加補正処理が未実施か否かを判定する。具体的には、ライズアップフラグfRise=「0」か否かで判定する。増加補正処理が未実施(fRise=0)の場合には、ステップS90に移行する。一方、増加補正処理を実施中(fRise=1)の場合には、ステップS140に移行する。

0016

ステップS90では、増加補正処理が可能な状態となっているか否かを判定する。増加補正処理が可能な状態の場合にはステップS100に移行する。一方、増加補正処理が可能な状態となっていない場合にはステップS200に移行する。
次の(3)式及び(4)式を満足している場合に、増加補正処理が可能な状態と判定する。
GRAG0max >CRiseOK0 ・・・(3)
且つ
G0 > CRiseOK1 ・・・(4)
ここで、CRiseOK0は、ペダル踏み込み速度閾値である。CRiseOK1は、減速度の閾値である。

0017

そして、上記(3)式で、所定踏み込み速度以上で踏み込まれたか否かを判定している。すなわち、車両に所定以上のピッチングが生じるだけの早さでブレーキペダル1が踏み込まれたか否かを判定している。ここで、GRAG0maxは、ブレーキペダルの踏み込み速度の最大値に比例する値である。
また、上記(4)式で、制動によって、所定以上の減速度を発生するか否かを判定している。すなわち、車両に所定以上のピッチングが生じるだけの減速度が発生するだけブレーキペダル1を踏み込んだか否かを判定している。

0018

ここで、目標減速度G0は、図3のようにブレーキペダル1のストローク量Sに比例する値である。目標減速度G0の代わりにストローク量Sを使用しても良い。
次に、ステップS100では、ブレーキペダル1を踏み込み中か否かを判定する。踏み込み中の場合には、ステップS110に移行する。一方、踏み込み後のペダル保持状態の場合には、ステップS140に移行する。

0019

次に、ステップS110では、目標減速度の勾配のピークホールド値GRAG0maxに基づき、第1ライズアップ勾配補正値K1を算出する。
すなわち、増加補正前までの踏み込み速度の最大値に基づき、予め設定したマップや関数などを使用して、それに比例した第1ライズアップ勾配補正値K1を求める。踏み込み速度の最大値と、第1ライズアップ勾配補正値K1との関係は、図4に示すような関係となっている。

0020

次に、ステップS120では、ペダル踏み込み量(ストローク量S)に比例した現在の目標減速度G0に基づき、第2ライズアップ勾配補正値K2を算出する。
すなわち、増加補正前までの踏み込み量に対応する現在の目標減速度G0に基づき、予め設定したマップや関数などを使用して、それに比例した第2ライズアップ勾配補正値K2を求める。踏み込み量(目標減速度)と、第2ライズアップ勾配補正値K2との関係は、図5に示すような関係となっている。

0021

次に、ステップS130では、増加補正処理における増加勾配である、ライズアップ勾配DeltaGriseを、下記(5)式によって算出する。
DeltaGrise = K1×K2×CRise0 ・・・(5)
ここで、CRise0は、勾配の基準となる最低値である。また、DeltaGriseは、初期値としてCRise0を設定しておく。

0022

一方、ステップS80で、増加補正処理を実施中(fRise=1)と判定するか、ステップS90及びS100の処理で増加補正処理の開始条件を満足すると、ステップS140に移行する。
ステップS140では、車両に発生しているピッチングが増加しているか否かを判定する。ピッチングの増加中と判定する場合には、増加補正を行うことなくステップS200に移行する。一方、ピッチングの増加中でないと判定する場合には、ステップS145に移行する。

0023

ここで、車両の制動を付加した場合に最初に発生するピッチング方向を正とする。通常は、ノーズダウン方向へのピッチングを正とする。
これによって、制動によるピッチングの方向が一度反転すると、増加補正(ライズアップ)を開始する、
次に、ステップS145では、ABS制御やEBD制御等の自動制動制御21が作動中か否かを判定し、自動制動制御21が作動中と判定する場合には、ステップS200に移行する。一方、自動制動制御が非作動中と判定する場合には、ステップS150に移行する。
自動制動制御が作動中か否かは、対象とする自動制動制御部の作動フラグを参照して判定すればよい。

0024

ステップS150では、増加補正(ライズアップ)中のフラグである、ライズアップフラグfRiseを「1」として、ステップS155に移行する。
ステップS155では、増加補正保持条件(ライズアップ保持条件)を満足したか否かを判定する。増加保持条件を満足した場合には、増分補正量Griseの増加を中止して、そのままステップS200に移行する。一方、増加保持条件を満足していない場合にはステップS160に移行する。

0025

ここで、増加保持条件としては、次の条件のいずれかを満足するか否かで判定する。
(a) ステップS150でライズアップフラグfRiseが「0」から「1」に変更してからの経過時間が所定時間以上の場合。所定時間としては、例えば0.5秒に設定すればよい。
ここで、ステップS150でライズアップフラグfRiseが「0」から「1」に変更したときに、カウンタカウントアップを開始して、そのカウンタの大きさで判定すればよい。
(b)ピッチングの変化速度がゼロ若しくは再び変化速度が正に変化したことを検知した場合。すなわち、制動初期のピッチング方向に変化することを検知した場合である。

0026

ステップS160では、下記(6)によって、目標減速度G0の増分補正量Griseを算出して、ステップS200に移行する。
Grise = Grisez1 +DeltaGrise ・・・(6)
(6)式によって、ステップS160を処理する度に、前回の増分補正量Grisez1よりも、DeltaGriseだけ増分補正量Griseが大きくなる。
一方、ステップS60で制動要求が無いと判定して、ステップS170に移行すると、増分補正量GriseをゼロクリアしてステップS180に移行する。
また、ステップS70にてブレーキペダル1が踏み戻し状態と判定して、ステップS180に移行すると、目標減速度の勾配のピークホールド値GRAG0maxをゼロクリアする。続いて、ステップS190にて、ライズアップフラグfRiseを「0」とする。その後ステップS200に移行する。
また、ステップS200では、下記(7)式にて、最終的な目標減速度Gを算出して処理を終了する。
G ← G0 +Grise ・・・(7)
この(7)式によって、増分補正量Griseだけ目標減速度を補正することとなる。

0027

(動作・作用)
前進走行中に運転者がブレーキペダル1を踏むことで、そのペダル操作量に応じた制動力が車両に掛かる。
この制動によって、車両は、ノーズダウンする方向にピッチングし、さらに、踏み込んだブレーキペダル1を保持すると、車両はピッチング戻り方向(ノーズアップ方向)にピッチングする。
ここで、上記ピッチングは、制動力が大きいほど大きくなる。またブレーキペダル1の踏み込み速度が大きいほど、制動力変化(減速度の変化)が大きく、やはり上記ピッチングが大きくなる。

0028

本実施形態では、踏み込んだブレーキペダル1を保持したきに、目標減速度を徐々に増加する。これによって、車輪への制動によって車両に発生するピッチングモーメントが徐々に増加する。このピッチングモーメントの向きは、上記ピッチング戻り方向とは反対方向である。このため、ピッチング戻り方向へのピッチング量が小さく低減する。
特に、ブレーキペダル1が速く踏み込まれ、ブレーキペダル1の踏み込み速度が大きいほど、上記ピッチング戻り方向のピッチング量が大きくなる。これに対し、踏み込み速度が早いほど上記増加補正の補正勾配を大きくする。この結果、上記車両に発生するピッチングモーメントが大きくなって、より効果的に上記ピッチング戻り方向のピッチングを抑える。

0029

図6に、ブレーキペダル1踏み込みによる目標減速度の変化と、それに伴う車両に発生するピッチングのタイムチャート例を示す。
図6中、破線部分は、増加補正を行わなかった場合の遷移を示す。
図6から分かるように、ピッチング戻り方向へのピッチングが低減し、それに伴いピッチングも早期に収束することが分かる。
ここで、ブレーキペダル1が制動操作子を構成する。そして、ブレーキペダル1の踏み込みが制動方向への操作に対応する。ステップS20が、目標減速度算出手段を構成する。ステップS70〜ステップS160が、目標減速度補正手段を構成する。ライズアップ勾配DeltaGriseが、増加補正する増加勾配を構成する。GRAG0maxは、操作速度の最大値に対応する値である。ピッチング検出センサ20がピッチング検出手段を構成する。

0030

(本実施形態の効果)
(1)目標減速度補正手段を備える。そして、制動操作子の操作による制動力を遅れを持って増加補正する。これによって、車両に発生するピッチングモーメントが徐々に増加する。この増加補正によるピッチングモーメントの向きは、制動初期によって発生するピッチング方向とは反対方向である。
これによって、制動初期によって発生するピッチング方向とは反対方向へピッチング、すなわちピッチング戻りの量が小さくなる。このことはまた、制動によるピッチングの収束が早くなる。
この結果、制動操作子の操作による制動に対する、乗り心地向上に繋がる。
また、踏み込んだブレーキペダル1の保持後も制動力が増加するため、ブレーキが良く効くフィーリングを与えることが可能となる。

0031

(2)上記増加補正する増加勾配を、上記増加補正開始前の上記制動操作子の操作速度の最大値が大きいほど、大きくする。
制動操作子を早く操作した場合ほど、ピッチング戻りの量も大きくなる。これに対し、本実施形態では、制動操作子の操作が早いときほど増加補正量を大きくすることで、上記ピッチング戻りを適切に抑えてピッチングの収束が早くなる。
以上のように、ピッチング戻りを小さくすると共に、ピッチングの収束が早くなる。この結果、車両制動時のピッチング戻りを抑えて、制動によって発生するピッチングの収束を早くなって、乗り心地向上に繋がる。

0032

(3)上記制動操作子の操作速度の最大値が所定値以上の場合にだけ、上記増加補正を開始する。
すなわち、制動操作子の操作速度が遅い場合には、上記増加補正を行わない。
制動操作子の操作速度が遅い場合には、車体に発生するピッチングは操作子の操作量に追従する。この場合には、ピッチング戻り後のピッチングが小さいので増加補正を行う必要がない。この増加補正を中止することで、不必要なブレーキアクチュエーター動作を防止できる。

0033

(4)増加補正開始前の上記制動操作子の操作量が大きいほど、上記増加補正の増加勾配を大きくする。
制動操作子の制動方向への操作量が大きいほど、ピッチング速度が大きくなり、ピッチング戻り後のピッチングも大きくなる。これに対し、増加勾配を大きくすることで、操作子の操作量が大きいほど減速度の増加量を大きく出力する。これによって、ピッチング戻り後のピッチングを適切に抑えることが可能となる。

0034

(5)上記操作量が所定以上の場合にだけ、上記増加補正を開始する。
ペダル踏み込み量が小さいときは、ピッチング速度が早くない。このため、ピッチング戻り後のピッチングも小さい。従って、増加補正を行う必要がない。増加補正を行わない分だけ、不必要なブレーキアクチュエーター動作を防止できる。
(6)上記制動操作子の制動方向への操作の停止を検出すると、上記増加補正を開始する。
上記ピッチングが揺り返すピッチング戻りは、操作子の操作を停止した後に発生する。そして、ピッチングを検出することなく、ピッチング戻り後のピッチングを確実に抑えることが出来る。

0035

(7)制動初期によって生じるピッチングとは反対方向へのピッチングとなり、その方向へのピッチング速度がゼロ若しくは反対方向のピッチングとなったことを検出する、上記増加補正を停止する。
これによって、ピッチングが戻るときのみ増加補正を行うので、必要な分だけの増加補正が適切に行える。
(8)増加補正開始後所定時間経過すると、増加補正を停止して増加量を保持する。
これによって、ピッチングの変化量を正確に取得することなく、確実に増加補正を増やすのを停止することが可能となる。
(9) 上記増加補正は、自動制動制御装置の作動時は行わない。
不必要な増加補正を増やし、自動制動制御装置の制動精度が低下することを防止できる。

0036

(変形例)
(1)上記実施形態では、ステップS100にて、踏み込まれたブレーキペダル1が保持状態となったことを検知したら、増加補正を開始するためのステップS140に移行している。
これに代えて、ステップS100にて、制動初期によって生じる方向へのピッチングの増加がゼロとなったか、ピッチングの向きが逆方向となったことを検知すると、ステップS140に移行するようにしても良い。
すなわち、ペダル踏み込み開始した後であって、制動初期のピッチングの増加が止まった時点より、増加補正を開始する。
これによって、ピッチングが揺り返すタイミングで増加補正を行うので、ピッチング戻り後のピッチングを確実に抑えることが出来る。
また、ピッチング戻りに合わせて増加補正することで、必要な分だけの増加補正が適切に行える。

図面の簡単な説明

0037

本発明に基づく実施形態に係る車両の制動制御装置を説明する概要構成図である。
本発明に基づく実施形態に係る目標減速度算出部の処理を説明する図である。
本発明に基づく実施形態に係るストローク量と目標減速度との関係を示す図である。
本発明に基づく実施形態に係るGRAG0とK1との関係を示す図である。
本発明に基づく実施形態に係るG0とK2との関係を示す図である。
本発明に基づく実施形態に係る作用を説明するタイムチャート例である。

符号の説明

0038

1ブレーキペダル(制動操作子)
7モータ
8ポンプ
8油圧ポンプ
9ブレーキコントローラ
9A目標減速度算出部
9B制動本体部
20ピッチング検出センサ
DeltaGriseライズアップ勾配
fRise ライズアップフラグ
G 最終的な目標減速度
G0 目標減速度
GRAG0max 目標減速度勾配のピークホールド値
Grise増分補正量
Gs 目標減速度
K1 第1ライズアップ勾配補正値
K2 第2ライズアップ勾配補正値
Sストローク量

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