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技術 漏電検出機能付配線器具

出願人 パナソニック株式会社
発明者 後藤潔
出願日 2008年7月2日 (12年10ヶ月経過) 出願番号 2008-173082
公開日 2010年1月21日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2010-015745
状態 特許登録済
技術分野 ブレーカ
主要キーワード フィルタ用抵抗 トリップレベル 直列経路 DCカット用コンデンサ 引込み線 漏電信号 二乗演算 延長コード
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

商用電源負荷を結ぶ電路漏電電流を検出して電路を遮断する配線器具において、漏電電流が歪んだ波形であっても、確実に漏電遮断できるようにする。

解決手段

配線器具1は、商用電源と負荷30を結ぶ電路に流れる漏電電流を検出して漏電判定を行う漏電制御部4と、漏電制御部4による漏電判定により電路を遮断する開閉部2とを備え、漏電制御部4は検出した漏電電流を濾過するための人体感電に対して持つ周波数特性フィルタ部42と、フィルタ部42を通過した漏電電流に係る信号の二乗演算値を算出する二乗演算部43と、二乗演算部43により得られた二乗演算値に基づいて漏電判定を行う閾値判定部46とを有する。これにより、二乗演算値により漏電判定されるので、漏電電流が歪んだ波形であっても、漏電検出を精度良く行うことができ、確実に漏電遮断することができる。

概要

背景

従来、電気的安全確保のため、水周り屋外で使用されるコンセント等の配線器具には漏電検出機能が搭載されている。また、一般住宅における主幹ブレーカにも漏電検出機能が付加されており、例えば、30mA程度の漏電検出ベルが設定されている。また、この種の主幹ブレーカは、例えば雷サージなど、引込み線を伝わってくるノイズ誤動作しないように、漏電検出閾値を超える信号の時間や回数カウントして漏電制御するようにしている。

このような漏電検出機能を持つ配線器具の従来例を図7乃至図9を参照して説明する。図7において、配線器具100は、単相3線の商用電源負荷120との間に挿入され、より詳細には、商用電源からの電路電源ラインL1、L2、及び中性線N)に介在された主幹ブレーカ130を経た、分岐ブレーカ140の後の電路に接続される。

配線器具100は、図8に示すように、電路(電源ラインL1及び中性線N)に挿入された開閉部101と、電路に流れる漏電電流を検出するゼロ相変流器102と、この検出漏電電流を基に開閉部101を開離する漏電制御部103とを備える。漏電制御部103は、ローパス用のフィルタ部131と、漏電電流を判定する閾値判定部132と、判定信号をカウントするカウンタ133と、カウンタ数により漏電を判定する漏電判断部134とを有する。

図9(a)〜(d)は、上記配線器具100の動作を説明する各種信号波形を示す。ゼロ相変流器102で検出されてフィルタ部131を通過した漏電電流が、閾値判定部132でマイナス極検波及びプラス極検波され、この検波出力閾値を越えた回数がカウントされ、その回数が所定回数(ここでは、3回)になると、漏電判定され、トリップ信号が出力され、開閉器101を遮断する。

また、漏電制御部103の他の例を図10に示す。この漏電制御部103は、ゼロ相変流器102の検出漏電電流がフィルタ部131により濾過され、その出力を整流部135で整流し、この整流出力を積分部136で積分して得られた平均値所定値と比較して漏電判断部134で漏電判定を行う。また、漏電遮断機能付コンセントにおいては、例えば漏電検出感度15mAのものが知られている。

また、漏電ブレーカ付き電源コンセントであって、プラグ栓刃間に発生する火花放電を検知するセンサ出力電流をゼロ相変流器により検出して、漏電ブレーカを開離するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

しかしながら、近年、インバータ負荷などの増加により、図11に示すように、漏電電流は複雑な波形歪の大きな信号となっており、このため、図8に示した例においては、必要な検波波形のカウントを正確に得られなくなり、漏電検出精度が低下する。また、図10に示した例においては、漏電電流の歪が大きくなると、平均値が実効値に比べて低くなるので、漏電検出の検出感度が鈍くなる。このため、いずれも波形歪の大きな漏電電流に対して、漏電検出精度が低下し、確実な漏電遮断が困難となる。

また、特許文献1のものでは、火花放電のような瞬時の漏洩電流応答させるには、ローパスフィルタを用いることができず、そのため、通常の漏電電流に対する感電保護の特性が低下する。
特開2006−48958号公報

概要

商用電源と負荷を結ぶ電路の漏電電流を検出して電路を遮断する配線器具において、漏電電流が歪んだ波形であっても、確実に漏電遮断できるようにする。配線器具1は、商用電源と負荷30を結ぶ電路に流れる漏電電流を検出して漏電判定を行う漏電制御部4と、漏電制御部4による漏電判定により電路を遮断する開閉部2とを備え、漏電制御部4は検出した漏電電流を濾過するための人体が感電に対して持つ周波数特性のフィルタ部42と、フィルタ部42を通過した漏電電流に係る信号の二乗演算値を算出する二乗演算部43と、二乗演算部43により得られた二乗演算値に基づいて漏電判定を行う閾値判定部46とを有する。これにより、二乗演算値により漏電判定されるので、漏電電流が歪んだ波形であっても、漏電検出を精度良く行うことができ、確実に漏電遮断することができる。

目的

本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、漏電電流が歪んだ波形であっても、確実に漏電遮断することができる漏電検出機能付配線器具を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

商用電源負荷との間に介設され、商用電源と前記負荷を結ぶ電路に流れる漏電電流を検出して漏電判定を行う漏電判定部と、該漏電判定部による漏電判定により前記電路を遮断する開閉部とを備え、前記漏電判定部は検出した漏電電流を濾過するための人体感電に対して持つ周波数特性を有するフィルタ部を含む漏電検出機能配線器具において、前記漏電判定部は、前記フィルタ部を通過した信号の二乗演算値を算出する演算部を備え、この演算部により得られた二乗演算値と予め設定した閾値とを比較することにより漏電判定することを特徴とした漏電検出機能付配線器具。

請求項2

前記フィルタ部は、DCカット機能を有しており、コンデンサ及び抵抗で構成されることを特徴とした請求項1に記載の漏電検出機能付配線器具。

技術分野

0001

本発明は、漏電検出により商用電源から負荷への電路遮断し、漏電を停止する漏電検出機能配線器具に関する。

背景技術

0002

従来、電気的安全確保のため、水周り屋外で使用されるコンセント等の配線器具には漏電検出機能が搭載されている。また、一般住宅における主幹ブレーカにも漏電検出機能が付加されており、例えば、30mA程度の漏電検出レベルが設定されている。また、この種の主幹ブレーカは、例えば雷サージなど、引込み線を伝わってくるノイズ誤動作しないように、漏電検出閾値を超える信号の時間や回数カウントして漏電制御するようにしている。

0003

このような漏電検出機能を持つ配線器具の従来例を図7乃至図9を参照して説明する。図7において、配線器具100は、単相3線の商用電源と負荷120との間に挿入され、より詳細には、商用電源からの電路(電源ラインL1、L2、及び中性線N)に介在された主幹ブレーカ130を経た、分岐ブレーカ140の後の電路に接続される。

0004

配線器具100は、図8に示すように、電路(電源ラインL1及び中性線N)に挿入された開閉部101と、電路に流れる漏電電流を検出するゼロ相変流器102と、この検出漏電電流を基に開閉部101を開離する漏電制御部103とを備える。漏電制御部103は、ローパス用のフィルタ部131と、漏電電流を判定する閾値判定部132と、判定信号をカウントするカウンタ133と、カウンタ数により漏電を判定する漏電判断部134とを有する。

0005

図9(a)〜(d)は、上記配線器具100の動作を説明する各種信号波形を示す。ゼロ相変流器102で検出されてフィルタ部131を通過した漏電電流が、閾値判定部132でマイナス極検波及びプラス極検波され、この検波出力閾値を越えた回数がカウントされ、その回数が所定回数(ここでは、3回)になると、漏電判定され、トリップ信号が出力され、開閉器101を遮断する。

0006

また、漏電制御部103の他の例を図10に示す。この漏電制御部103は、ゼロ相変流器102の検出漏電電流がフィルタ部131により濾過され、その出力を整流部135で整流し、この整流出力を積分部136で積分して得られた平均値所定値と比較して漏電判断部134で漏電判定を行う。また、漏電遮断機能付コンセントにおいては、例えば漏電検出感度15mAのものが知られている。

0007

また、漏電ブレーカ付き電源コンセントであって、プラグ栓刃間に発生する火花放電を検知するセンサ出力電流をゼロ相変流器により検出して、漏電ブレーカを開離するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

0008

しかしながら、近年、インバータ負荷などの増加により、図11に示すように、漏電電流は複雑な波形歪の大きな信号となっており、このため、図8に示した例においては、必要な検波波形のカウントを正確に得られなくなり、漏電検出精度が低下する。また、図10に示した例においては、漏電電流の歪が大きくなると、平均値が実効値に比べて低くなるので、漏電検出の検出感度が鈍くなる。このため、いずれも波形歪の大きな漏電電流に対して、漏電検出精度が低下し、確実な漏電遮断が困難となる。

0009

また、特許文献1のものでは、火花放電のような瞬時の漏洩電流応答させるには、ローパスフィルタを用いることができず、そのため、通常の漏電電流に対する感電保護の特性が低下する。
特開2006−48958号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、漏電電流が歪んだ波形であっても、確実に漏電遮断することができる漏電検出機能付配線器具を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するために請求項1の発明は、商用電源と負荷との間に介設され、商用電源と前記負荷を結ぶ電路に流れる漏電電流を検出して漏電判定を行う漏電判定部と、該漏電判定部による漏電判定により前記電路を遮断する開閉部とを備え、前記漏電判定部は検出した漏電電流を濾過するための人体が感電に対して持つ周波数特性を有するフィルタ部を含む漏電検出機能付配線器具において、前記漏電判定部は、前記フィルタ部を通過した信号の二乗演算値を算出する演算部を備え、この演算部により得られた二乗演算値と予め設定した閾値とを比較することにより漏電判定するものである。

0012

請求項2の発明は、前記フィルタ部は、DCカット機能を有しており、コンデンサ及び抵抗で構成されるものである。

発明の効果

0013

請求項1の発明によれば、フィルタ部を通過した漏電電流に係る信号の二乗演算値に基づいて漏電判定を行うので、漏電電流が歪んだ波形であっても、検出レベルが低下しない。そのため、漏電検出をより精度良く行うことができ、確実に漏電遮断することができる。

0014

請求項2の発明によれば、フィルタ部の出力信号はDCカットされるので、フィルタ部後段への入力信号DCオフセットを持たない。これにより、DCオフセットによる漏電判定への影響がなくなり、漏電検出精度が向上し、しかも、オフセットを調整するための回路が不要になり安価になる。

0015

以下、本発明の第1の実施形態に係る漏電検出機能付配線器具(以下、本配線器具と言う)について、図1乃至図3を参照して説明する。図1に示すように、本配線器具1は、商用電源と負荷30との間の電路を遮断する開閉部2と、開閉部2と負荷30とを結ぶ電路20に流れる漏電電流を検出するゼロ相変流器3と、この検出された漏電電流を基に開閉部2を制御する漏電制御部(漏電判定部)4と、商用電源から直流電源を形成して各部に電源供給する電源部5とを備える。本配線器具1は、商用電源と負荷との間に介設され、例えばブレーカやコンセント、テーブルタップ延長コード等に付設されるものである。ここでは、商用電源は、単相3線の電源ラインL1、L2、中性線Nの内の単相2線が電路20として、開閉部2に接続される。なお、電路20は、単相2線式に限定するものではない。

0016

開閉部2は、サイリスタ等のスイッチ素子を有するスイッチ部21と、スイッチ部21に直列に接続された釈放リレー励磁コイル22と、励磁コイル22の励磁により開離される接点23とを備え、開閉部2は、通常、閉状態にあり、漏電制御部4からの漏電制御信号によりスイッチ部21がオンされると、励磁コイル22が励磁して、接点23のラッチ解除され、開離される。これにより、負荷30への電路20が遮断される。

0017

ゼロ相変流器3は、コイル内を電路20が貫通するように配設され、電路20に流れる漏電電流を検出し、電路20で漏電が発生すると、検出した漏電電流を漏電制御部4に供給する。

0018

漏電制御部4は、ゼロ相変流器3からの漏電電流を差動増幅する増幅部41と、増幅部41の出力信号をフィルタリングするフィルタ部42と、フィルタ部42からの出力信号を二乗演算する二乗演算部43と、二乗演算出力の利得調整を行うゲイン調整部44と、ゲイン調整された二乗演算出力を積分する積分回路部45と、この積分出力を予め定められた閾値電圧E1と比較して、漏電判定を行う閾値判定部46とを備える。

0019

図2に示すように、増幅部41は、ゼロ相変流器3のコイルの両端にそれぞれ接続されて漏電電流を増幅するオペアンプQ1、Q2と、オペアンプQ1、Q2のそれぞれの出力が入力されて差動増幅するオペアンプQ3とを備える。ここで、抵抗R1、R2、R6、R7及び抵抗R3、R4、R5、R8は、それぞれオペアンプQ1、Q2の入力抵抗及びフィードバック抵抗であり、抵抗R9はオペアンプQ3の入力接地抵抗である。これにより、ゼロ相変流器3で検出された漏電電流は、オペアンプQ1、Q2で増幅されると共に、オペアンプQ3の差動増幅により、さらに増大されて、次段のフィルタ部42に供給される。

0020

フィルタ部42は、フィルタ用の抵抗R10と、この抵抗R10の出力側接地間に接続されたコンデンサC1と抵抗R11との直列回路と、この直列回路に並行なコンデンサC2とを備えて、ローパスフィルタ(LPF)を形成する。フィルタ部42は、漏電電流の高周波成分を除去し、瞬時ノイズによる開閉部2の不要動作を回避すると共に、後述のように人体が感電に対して持つ周波数特性に近いフィルタ特性を持つ。

0021

二乗演算部43は、入力信号を二乗演算する演算機能を有するCPU等の集積回路IC1を備える。二乗演算部43は、フィルタ部42から入力された漏電信号を集積回路IC1によるソフト演算処理で二乗演算し、求めた二乗演算値を次段のゲイン調整部44に入力する。また、二乗演算部43は、二乗演算以外の演算処理も行うことができ、得られた二乗演算を基に、漏電信号の瞬時値二乗平均平方根を求める演算を行い、漏電信号の実効値を求めることもできる。

0022

ゲイン調整部44は、増幅用のオペアンプQ4を備え、上記二乗演算部43からの二乗演算値を増幅して、その出力を積分回路部45に入力する。ここで、抵抗R12、R13、及びR14は、それぞれ入力抵抗、接地抵抗、及びフィードバック抵抗を示す。なお、ここでのゲイン調整は入力抵抗R12、又はフィードバック抵抗R14の値を調整することにより行うことができる。また、オペアンプにゲイン調整用可変抵抗器等を別途取り付けてもよい。

0023

積分回路部45は、ゲイン調整部44からの出力を積分のためのオペアンプQ5と、オペアンプQ5とゲイン調整部44とを接続する入力抵抗R15と、オペアンプQ5の入力の一端を接地する接地抵抗R16と、オペアンプQ5のフィードバック用抵抗R17と、抵抗R17に並行接続される積分用コンデンサC3とを備える。これにより、ゲイン調整部44からの入力信号を積分して高周波成分を低減させ、瞬時的な入力信号の変動を抑制する。

0024

閾値判定部46は、積分回路部45からの入力信号レベルを判定するためのオペアンプQ6を備え、オペアンプQ6の入力の一端は積分回路部45と入力抵抗R18で接続され、オペアンプQ6の入力の他端は、予め定められた閾値電圧E1が印加されている。閾値判定部46は、積分回路部45からの入力信号の電圧を閾値電圧E1と比較し、入力信号が閾値電圧E1より大きいときは、漏電と判定して漏電制御信号を発生し、この漏電制御信号を開閉部2のスイッチ部21に出力する。これにより、開閉部2を開離して、負荷30側への電源供給を遮断する。なお、閾値判定部46への入力信号を、漏電信号の実効値としてもよく、このときは、閾値電圧E1も変更する。

0025

ここで、上記フィルタ部42について、図3乃至図5を参照して詳細に説明する。図3(「知覚電流の閾値」:著者Dalziel.C.F,AIEE会報パートIII−B、990頁〜996頁、1954年発行)は、周波数に対する人体が感電を知覚する相対的電流値である周波数係数を示し、○印は、Dalziel氏によるデータ、実線IEC国際電気標準会議)479規格に記載されたデータ、点線はIEC990規格に記載されたR−C回路網の入出力伝達関数の逆特性の各グラフを示す。一般に、人は電流の周波数が高くなるほど、その電流に対する知覚が鈍くなるという特性を有する。例えば、漏電電流が100Hzの低周波における周波数係数を1とすると、10kHzの高周波においては、周波数係数が数倍大きくなり、人は低周波では小さい値の電流に対して知覚が生じるが、高周波では電流値がその周波数係数の分だけ大きくなければ、同様の知覚が生じない。

0026

また、図4は、IEC990で記載されたR−C回路網を示し、これは、Dalziel氏による特性の逆特性を有する。前記フィルタ部42(図2参照)は、このR−C回路網と同様の構成を成し、R10=10KΩ、C1=0.0062μF、R11=20KΩ、及びC2=0.0091μFとして、人体が感電に対して持つ周波数特性に近いフィルタ特性を得ている。

0027

また、図5は、上記R−C回路網の漏電検出のフィルタを用いた場合の漏電電流のトリップレベル周波数特性を示す。このグラフにおいて、横軸は周波数を、縦軸は電路遮断するように判断するためのトリップレベルを示す。このR−C回路網は、低周波ほどその伝達関数が大きい。そのため、低周波では高感度であり、トリップレベルの電流値が低く、高周波では感度下がり、トリップレベルの電流値が大きい。従って、この周波数特性に近似したフィルタを用いると、本実施形態の配線器具1は、低周波では小さい漏電電流で開閉部2をトリップし、高周波では比較的大きな漏電電流で開閉部2をトリップする。例えば、周波数が電源周波数(50Hz、60Hz)乃至100Hzにおけるトリップレベルは約5mAとなっているので、漏電電流がこのトリップレベルを越えると電路20が遮断される。このトリップレベルは、周波数が高くなると共に、周波数係数に基づいて大きくなる。なお、このトリップレベルは感電に対してある程度の余裕を持って設定される。

0028

上記のように構成された本配線器具1において、例えば、負荷30側で漏電が発生すると、ゼロ相変流器3で検出された漏電信号は、フィルタ部42を通して二乗演算部43に入力され、二乗演算部43で二乗演算され、漏電信号の二乗値に変換される。この漏電信号の二乗演算値は、等価的に漏電電流のエネルギ値に対応するので、波形歪の大きい漏電電流(複合周波数成分を含む漏電電流)であっても、平均値検出と異なり、波形に影響されない漏電電流検出レベルが得られる。これにより、漏電信号の検出レベルは、従来の平均値による検出レベルに比べて高くなり、検出感度レベルが向上する。また、閾値判定部46において、漏電信号の実効値を基に判定する場合も、波形歪に影響されないので、前記と同様に平均値に比べ漏電検出レベルが高くなる。

0029

従って、従来の平均値比較においては、実際には、漏電信号レベルが大きいにも拘わらず小さいと判定して、漏電遮断が応答しないことがあったが、本実施形態の配線器具1によれば、漏電電流の二乗値と予め定められた閾値との比較により漏電判定を行うので漏電電流が歪んだ波形であっても、検出レベルが低下しない。これにより、判定精度が良くなって漏電遮断されるので、漏電に対する安全性が高まる。また、積分回路部45により、瞬時的に発生した漏電電流の検出信号レベル変動を抑制できるので、閾値判定部46の誤動作を低減し、開閉部2が不要動作することを回避することができる。なお、電源部5への商用電源の接続を開閉部2の後段(負荷側)で行っているが、開閉部2の前段より接続しても漏電検出に影響は与えない。

0030

次に、本発明における第2の実施形態に係る配線器具について、図6を参照して説明する。図6は、配線器具の漏電制御部4を示す。この実施形態においては、漏電制御部4におけるフィルタ部42が、その入出力間にDC(直流)カット機能を有したものとしている。その他の構成は前記実施形態と同等である。

0031

フィルタ部42は、入力抵抗R10と次段の二乗演算部43の入力側との間に直列に接続されたDCカット用のコンデンサC4と、コンデンサC4の二乗演算部43側端子と接地間に並行してそれぞれ接続されるコンデンサC5と抵抗19とを、さらに備える。

0032

本実施形態においては、ゼロ相変流器3からの増幅部41で増幅された漏電信号は、フィルタ部42において、抵抗R10と、抵抗R11及びコンデンサC1の直列経路とコンデンサC2との並列回路とにより分圧される。この分圧された信号は、抵抗R10に直列に接続されたコンデンサC4を通過することにより、DC成分がカットされ、二乗演算部43に入力される。ここでは、一般に漏電電流は数mA程度の電流値を検出対象とするため、ゼロ相変流器3の出力が小さく、後段の増幅部41の増幅率を比較的大きく設定している。このため、増幅部41は、増幅率が大きいと、オペアンプQ1乃至Q3で発生するDCオフセット電圧が増大し、より大きなDCオフセットを持った漏電信号を出力する。従って、フィルタ部42にDCカット機能がないときは、増幅部41からの出力信号がそのままフィルタ部42を通過し、後段の二乗演算部43で二乗演算されるので、更にDCオフセットが増大されることになる。このため、DCオフセットの縮小化として、増幅部41にDCオフセット精度の良い高価なアンプを使用したり、オフセット調整回路を設けてオフセットを調整する必要があった。

0033

しかしながら、本実施形態においては、フィルタ部42にDCカットを設けたことにより、フィルタ部42から出力信号がDCオフセットを持たないことにより、DCオフセットが後段の漏電検出レベルに影響を与えることを回避することができ、漏電検出精度が向上し、しかも、オフセット調整のための回路等が不要になり安価になる。更に、このDCカットを構成しても、漏電検出の周波数特性を実現する手段としてのフィルタ部42は、コンデンサと抵抗だけによる安価な部品で構成可能となる。

0034

なお、本発明は上記各種の実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。上記各実施形態においては、二乗演算部による二乗演算をソフト的に行ったが、ハード的にも行うことができ、また、実効値演算素子などを利用してもよい。また、釈放リレーは、電磁リレーに限るものではなく、半導体リレー等の他の継電器であってもよい。

図面の簡単な説明

0035

本発明の第1の実施形態に係る配線器具の構成図。
上記配線器具の漏電制御部の構成図。
人体の感電の周波数特性を説明するための図。
上記配線器具のフィルタ部の具体構成図。
上記配線器具のトリップレベル周波数特性を示す図。
本発明の第2の実施形態に係る配線器具における漏電制御部の構成図。
従来の配線器具が用いられる電源と負荷との間の回路構成図。
従来の配線器具の構成図。
(a)は上記配線器具における漏電電流の波形図、(b)は同漏電電流波形のマイナス極検波を示す図、(c)は同漏電電流波形のプラス極検波を示す図、(d)はトリップ信号を示す図。
他の従来の配線器具における漏電制御部の構成図。
上記配線器具における漏電電流の波形図。

符号の説明

0036

1漏電検出機能付配線器具
2開閉部
3 ゼロ相変流器
4漏電制御部(漏電判定部)
41増幅部
42フィルタ部
43二乗演算部
44ゲイン調整部
45積分回路部
46閾値判定部
30負荷
C1、C2、C5フィルタ用コンデンサ
C4DCカット用コンデンサ
R11、R12、R19 フィルタ用抵抗

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