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技術 チタニアドープ石英ガラス部材及びその製造方法

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 毎田繁大塚久利
出願日 2008年7月7日 (12年7ヶ月経過) 出願番号 2008-177076
公開日 2010年1月21日 (11年0ヶ月経過) 公開番号 2010-013335
状態 特許登録済
技術分野 ガラス組成物(第三版) 写真製版における原稿準備・マスク ガラスの溶融、製造
主要キーワード 外殻管 部材中心 部材表 機械工 表面形状精度 中心ノズル 低膨張材料 利用領域
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図面 (19)

解決手段

波長70nm以下のEUV光反射させる面内の屈折率分布において、中央部80%領域内に屈折率極点を1点のみ有することを特徴とするチタニアドープ石英ガラス部材

効果

本発明によれば、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材に要求される高い表面精度を与えるチタニアドープ石英ガラス部材を提供することができ、チタニアドープ石英ガラス部材からなるEUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材は平坦度熱膨張特性に優れたものとなる。

概要

背景

周知のように、近年の半導体集積回路高集積化はめざましい。この傾向に伴い、半導体素子製造時のリソグラフィプロセスでの露光光源短波長化が進み、現在ではArFエキシマレーザ(193nm)を使用するリソグラフィが主流となっている。今後、更なる高集積化を実現するために液浸化技術、ダブルパターニング等のArFエキシマレーザを使用したリソグラフィの延命が図られた後、極端紫外光(EUV:Extreme Ultraviolet)を使用したリソグラフィへの移行が有望視されている。

EUVリソグラフィは波長70nm以下の軟X線、特に13nm付近の波長を光源に使用すると予想されている。かかる波長においては、高い透過性を有する物質がないため、反射型光学系がEUVリソグラフィにおいては採用されることになる。このとき、反射基板上に堆積させたシリコンモリブデン等の反射多層膜によってなされるが、入射したEUV光のうち数十%は反射されずに基板にまで到達して熱へと転化する。これまでのリソグラフィ技術に比べて光源波長極端に短いEUVリソグラフィにおいては、基板等のリソグラフィ光学系で用いられる各部材に到達した熱による僅かな熱膨張によってもリソグラフィ精度に悪影響を及ぼす。従って、反射ミラーマスクステージ等の各部材には低膨張材料の使用が必須となる。低膨張材料としては、チタニアをドープした石英ガラスが公知である。チタニアを一定量添加することで石英ガラスを低熱膨張化することができる。

また、光源波長の短いEUVリソグラフィにおいては部材表面の僅かな凹凸によってもリソグラフィ精度に悪影響を及ぼすため、表面形状には高い精度が求められている。しかし、従前の研磨方法ではEUVリソグラフィ部材として求められる高い表面形状精度を得られない場合が多い。

従前の研磨方法に加え、高い精度の表面形状、例えば、高平坦性を得る方法として、特開2006−8426号公報(特許文献1)では、部材表面に局所的にイオンビームエッチングを施す方法が開示されている。

また、特開2002−316835号公報(特許文献2)には部材表面にプラズマエッチングを施す方法が開示されている。

しかし、これら前記の方法は部材の製造コストを格段に上昇させ、また製造時間を遅滞させる一因となっている。そのため、これらの方法を利用することなく、従前の研磨方法のみでEUVリソグラフィ用部材として求められる高い表面精度を有する部材を得られることが望まれている。

特開2006−8426号公報
特開2002−316835号公報

概要

波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布において、中央部80%領域内に屈折率極点を1点のみ有することを特徴とするチタニアドープ石英ガラス部材。本発明によれば、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材に要求される高い表面精度を与えるチタニアドープ石英ガラス部材を提供することができ、チタニアドープ石英ガラス部材からなるEUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材は平坦度熱膨張特性に優れたものとなる。

目的

本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材に要求される高い表面精度を従前の研磨方法のみで得られる、又は得られないまでも、プラズマエッチング、イオンビームエッチング等の表面処理に要するコスト、処理時間等を軽減することができるチタニアドープ石英ガラス部材、このようなチタニアドープ石英ガラス部材からなる500mmφ以下の大きさのEUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材及びチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

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請求項1

波長70nm以下のEUV光反射させる面内の屈折率分布において、中央部80%領域内に屈折率極点を1点のみ有することを特徴とするチタニアドープ石英ガラス部材

請求項2

波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布が、上記屈折率の極点に対して中心対称性を有していることを特徴とする請求項1記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項3

波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布と当該面内のOH基濃度分布逆相関を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項4

波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率変動が1×10-4/mm2以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項5

波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布が変曲点を有さないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項6

波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布が2.5×10-3以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項7

波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布において、中央部80%領域内に2点以上の極点が存在し、かつ極大点極小点との間の屈折率差が5×10-5以下であることを特徴とするチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項8

平均線熱膨張係数が、10〜30℃の範囲において−30〜+30ppb/℃であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項9

OH基濃度分布が400ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項10

水素分子濃度が、5×1018molecules/cm3以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項11

Si−H結合含有量が、5×1017個/cm3以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。

請求項12

請求項1乃至11のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材から形成されたことを特徴とするEUVリソグラフィ用部材

請求項13

EUVリソグラフィ用フォトマスク基板であることを特徴とする請求項12記載のEUVリソグラフィ用部材。

請求項14

上記EUVリソグラフィ用フォトマスク基板が152.4mm×152.4mm角基板であり、該基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内の最も高い位置と最も低い位置との差が200nm以下であることを特徴とする請求項13記載のEUVリソグラフィ用フォトマスク基板。

請求項15

チタニアドープ石英ガラスインゴットを700〜1,300℃において大気中で1〜200時間保持してアニールした後、1〜20℃/hrの速度で500℃まで徐冷し、次いでこのインゴットを1,700℃における炉内の温度分布が1.5℃/cm以上の温度勾配を有する炉内で回転する成型るつぼに設置し、チタニアドープ石英ガラス熱間成型することを特徴とするチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法。

請求項16

ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガス可燃性ガス及び支燃性ガスにより火炎加水分解させて得た合成シリカ微粒子を回転するターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化してチタニアドープ石英ガラスを製造する方法において、ターゲットの回転数が5rpm以上であって、ケイ素源原料ガス、チタン源原料ガス、可燃性ガス及び支燃性ガスの流量変動を±1%/hr以内に制御して作製したチタニアドープ石英ガラスインゴットを700〜1,300℃において大気中で1〜200時間保持してアニールした後、1〜20℃/hrの速度で500℃まで徐冷し、次いでこのインゴットを1,700℃における炉内の温度分布が1.5℃/cm以上の温度勾配を有する炉内で回転する成型るつぼに設置し、チタニアドープ石英ガラスを熱間成型することを特徴とする請求項15記載のチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法。

請求項17

成型るつぼの回転数が0.1rpm以上であることを特徴とする請求項15又は16記載のチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法。

請求項18

熱間成型温度が1,500〜1,800℃であることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、表面精度の高いEUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材として有用なチタニアドープ石英ガラス部材及びその製造方法に関する。更に、本発明は、EUVリソグラフィ用部材に関する。

背景技術

0002

周知のように、近年の半導体集積回路高集積化はめざましい。この傾向に伴い、半導体素子製造時のリソグラフィプロセスでの露光光源短波長化が進み、現在ではArFエキシマレーザ(193nm)を使用するリソグラフィが主流となっている。今後、更なる高集積化を実現するために液浸化技術、ダブルパターニング等のArFエキシマレーザを使用したリソグラフィの延命が図られた後、極端紫外光(EUV:Extreme Ultraviolet)を使用したリソグラフィへの移行が有望視されている。

0003

EUVリソグラフィは波長70nm以下の軟X線、特に13nm付近の波長を光源に使用すると予想されている。かかる波長においては、高い透過性を有する物質がないため、反射型光学系がEUVリソグラフィにおいては採用されることになる。このとき、反射基板上に堆積させたシリコンモリブデン等の反射多層膜によってなされるが、入射したEUV光のうち数十%は反射されずに基板にまで到達して熱へと転化する。これまでのリソグラフィ技術に比べて光源波長極端に短いEUVリソグラフィにおいては、基板等のリソグラフィ光学系で用いられる各部材に到達した熱による僅かな熱膨張によってもリソグラフィ精度に悪影響を及ぼす。従って、反射ミラーマスクステージ等の各部材には低膨張材料の使用が必須となる。低膨張材料としては、チタニアをドープした石英ガラスが公知である。チタニアを一定量添加することで石英ガラスを低熱膨張化することができる。

0004

また、光源波長の短いEUVリソグラフィにおいては部材表面の僅かな凹凸によってもリソグラフィ精度に悪影響を及ぼすため、表面形状には高い精度が求められている。しかし、従前の研磨方法ではEUVリソグラフィ部材として求められる高い表面形状精度を得られない場合が多い。

0005

従前の研磨方法に加え、高い精度の表面形状、例えば、高平坦性を得る方法として、特開2006−8426号公報(特許文献1)では、部材表面に局所的にイオンビームエッチングを施す方法が開示されている。

0006

また、特開2002−316835号公報(特許文献2)には部材表面にプラズマエッチングを施す方法が開示されている。

0007

しかし、これら前記の方法は部材の製造コストを格段に上昇させ、また製造時間を遅滞させる一因となっている。そのため、これらの方法を利用することなく、従前の研磨方法のみでEUVリソグラフィ用部材として求められる高い表面精度を有する部材を得られることが望まれている。

0008

特開2006−8426号公報
特開2002−316835号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材に要求される高い表面精度を従前の研磨方法のみで得られる、又は得られないまでも、プラズマエッチング、イオンビームエッチング等の表面処理に要するコスト、処理時間等を軽減することができるチタニアドープ石英ガラス部材、このようなチタニアドープ石英ガラス部材からなる500mmφ以下の大きさのEUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材及びチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、EUVリソグラフィ用部材に求められる高い表面精度を得るためには、これまでの光リソグラフィ用部材の研磨に際して、留意されていなかった部材材料屈折率分布の形状を考慮する必要があることを見出し、本発明をなすに至った。

0011

即ち、本発明は、以下のチタニアドープ石英ガラス部材、EUVリソグラフィ用部材、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板及びチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法を提供する。
請求項1:
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布において、中央部80%領域内に屈折率極点を1点のみ有することを特徴とするチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項2:
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布が、上記屈折率の極点に対して中心対称性を有していることを特徴とする請求項1記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項3:
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布と当該面内のOH基濃度分布逆相関を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項4:
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率変動が1×10-4/mm2以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項5:
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布が変曲点を有さないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項6:
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布が2.5×10-3以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項7:
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布において、中央部80%領域内に2点以上の極点が存在し、かつ極大点極小点との間の屈折率差が5×10-5以下であることを特徴とするチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項8:
平均線熱膨張係数が、10〜30℃の範囲において−30〜+30ppb/℃であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項9:
OH基濃度分布が400ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項10:
水素分子濃度が、5×1018molecules/cm3以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項11:
Si−H結合含有量が、5×1017個/cm3以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材。
請求項12:
請求項1乃至11のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材から形成されたことを特徴とするEUVリソグラフィ用部材。
請求項13:
EUVリソグラフィ用フォトマスク基板であることを特徴とする請求項12記載のEUVリソグラフィ用部材。
請求項14:
上記EUVリソグラフィ用フォトマスク基板が152.4mm×152.4mm角形基板であり、該基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内の最も高い位置と最も低い位置との差が200nm以下であることを特徴とする請求項13記載のEUVリソグラフィ用フォトマスク基板。
請求項15:
チタニアドープ石英ガラスインゴットを700〜1,300℃において大気中で1〜200時間保持してアニールした後、1〜20℃/hrの速度で500℃まで徐冷し、次いでこのインゴットを1,700℃における炉内の温度分布が1.5℃/cm以上の温度勾配を有する炉内で回転する成型るつぼに設置し、チタニアドープ石英ガラス熱間成型することを特徴とするチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法。
請求項16:
ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガス可燃性ガス及び支燃性ガスにより火炎加水分解させて得た合成シリカ微粒子を回転するターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化してチタニアドープ石英ガラスを製造する方法において、ターゲットの回転数が5rpm以上であって、ケイ素源原料ガス、チタン源原料ガス、可燃性ガス及び支燃性ガスの流量変動を±1%/hr以内に制御して作製したチタニアドープ石英ガラスインゴットを700〜1,300℃において大気中で1〜200時間保持してアニールした後、1〜20℃/hrの速度で500℃まで徐冷し、次いでこのインゴットを1,700℃における炉内の温度分布が1.5℃/cm以上の温度勾配を有する炉内で回転する成型るつぼに設置し、チタニアドープ石英ガラスを熱間成型することを特徴とする請求項15記載のチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法。
請求項17:
成型るつぼの回転数が0.1rpm以上であることを特徴とする請求項15又は16記載のチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法。
請求項18:
熱間成型温度が1,500〜1,800℃であることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項記載のチタニアドープ石英ガラス部材の製造方法。

発明の効果

0012

本発明によれば、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材に要求される高い表面精度を与えるチタニアドープ石英ガラス部材を提供することができ、チタニアドープ石英ガラス部材からなるEUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材は平坦度熱膨張特性に優れたものとなる。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明のチタニアドープ石英ガラス部材は、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布において、部材中央部80%領域内に屈折率の極点を1点のみ有する特性を備えており、このようなチタニアドープ石英ガラスはEUVリソグラフィ用の光学系部材に好適である。

0014

EUVリソグラフィは32nm、22nmノード半導体微細加工技術への適用が期待されている。当該の微細化を可能にするためにEUVリソグラフィに使用する光学部材には高い表面精度が要求されている。しかし、従前の研磨方法であるいわゆる両面研磨機による研磨のみでは、EUVリソグラフィ用光学部材に求められている表面精度を達成することは困難であった。仮に達成できたとしても生産性は非常に低いものとなっている。そのため両面研磨に加え、イオンビームエッチング、プラズマエッチングといった光学部材表面の一部を選択的に研削し、高い表面精度を達成する技術が用いられている。しかし、これらの技術は設備費、加工費とも高く、また加工にも長時間を要するものとなっている。
従って、イオンビームエッチング、プラズマエッチングといった特殊な表面加工技術を使用することなく、EUVリソグラフィ用光学部材に要求される表面精度を達成することが望まれる。また、EUVリソグラフィ用光学部材に要求される表面精度を従前の研磨方法のみで満たせないまでも前述の特殊な表面加工技術の利用を極力低減させる必要がある。

0015

本発明者らは従前の両面研磨機による研磨方法によりEUVリソグラフィ用光学部材に求められる高い表面精度を満たす研磨技術を検討した結果、これまでは研磨に際して考慮してこなかった光学部材の物性である研磨面での屈折率分布が表面精度に影響を及ぼしていることを認識した。

0016

即ち、本発明のチタニアドープ石英ガラス部材は、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布において、部材中央部80%領域内に屈折率の極点を1点のみ有する。本発明において屈折率の極点とは、波長70nm以下のEUV光を反射させる面をX−Y軸とし、当該面における各点の屈折率をZ軸として示した屈折率分布に対して、Z軸に対して平行ないかなる平面による切り口の曲線においても、極小又は極大となる点と定義する。部材中央部80%領域とは、波長70nm以下のEUV光を反射させる面の中心、四角形多角形の場合、対角線交点又は重心位置を中心として面積比で80%となる領域と定義する。また、本発明における極点は、極小点、極大点を問わない。屈折率の極大点を有する部材、屈折率の極小点を有する部材のそれぞれに好適な研磨条件、より具体的には仕上げ段階での研磨工程の研磨時間を制御することにより高い表面精度を達成することができる。

0017

チタニアドープ石英ガラス部材のEUV光を反射させる面内の屈折率分布の一例を図13に示す。図13中、矢印で示した点を通り、X軸に平行又は対角線上で、かつZ軸に対して平行に切断したときの屈折率分布の切り口を図14及び図15に示す。図14及び図15の切り口の曲線はいずれも図13中、矢印で示した点で極大となっている。当該の矢印で示した点を通るZ軸に平行に屈折率分布を切断した場合、その切り口の曲線は常に当該矢印の点で極大となることから、このような点を本発明では極大点とした。極小点についても同様である。

0018

本発明において、より好ましくは部材中央部60%領域内に屈折率の極点を1点のみ有するチタニアドープ石英ガラス部材であり、更に、部材中央部40%領域内に屈折率の極点を1点のみ有することが好ましく、部材中央部20%領域内に屈折率の極点を1点のみ有することが最も好ましい。より部材中心部に極点を有する方が高い表面精度を達成しやすい。この理由は明確ではないが、両面研磨機による研磨では研磨対象の部材が両面研磨機の回転中心に対して公転すると同時に、部材の中心に対して自転しながら研磨されるためと思われる。

0019

また、屈折率の極点が2点以上存在する場合には、いびつな屈折率分布を有するため、研磨面に不均一な歪みや組成的変動等が存在しやすく、高い表面精度を両面研磨技術で得ることは困難である。なお、屈折率の極点が2点以上存在する場合であっても、極大点と極小点の間の屈折率差が5×10-5以下の場合には考慮に入れる必要はない。極点が2点以上存在する場合であっても微少な屈折率差であれば、研磨における表面精度に多大な影響を与えないからである。

0020

本発明において、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布は、2.5×10-3以下、好ましくは1×10-3以下であり、更に好ましくは5×10-4以下である。

0021

更に、本発明において、屈折率分布は変曲線を有しないことが好ましい。変曲線とは、屈折率分布を示す三次曲面において、屈折率が凹型から凸型へ又は凸型から凹型へ分布の形状が変化する点を結んだ曲線をいう。

0022

本発明において、チタニアドープ石英ガラス部材は波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布が、屈折率の極点に対して中心対称性を有している。本発明における中心対称性とは、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布において、極点の屈折率値と極点の屈折率値から最も異なる屈折率値との差の極点の屈折率値から1/10異なる屈折率値の等屈折率曲線に対して、極点から等屈折率曲線までの最長距離最短距離との比が2以下であることと定義する。
つまり、本発明における等屈折率曲線の屈折率値は以下のように求めることができる。
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布の極点が極大点の場合、
(極大点における屈折率値)−((極大点における屈折率値)−(同面内の最小屈折率値))/10
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布の極点が極小点の場合、
(極小点における屈折率値)+((同面内の最大屈折率値)−(極小点における屈折率値))/10
例えば、図16で示した屈折率分布において、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の極大点である点Cの屈折率値が1.5000waveであり、当該面内の極点から最も異なる屈折率値が1.0000waveである場合(ここでは簡易的に屈折率値をwaveとして表す)、屈折率値1.4500waveの点を結んでできる等屈折率曲線をいう。本発明において、より好ましくは等屈折率曲線の極点から最長距離と最短距離の比が1.75以下である。前述したように、部材は自転しながら研磨されるため、より対称性の高い屈折率分布を有する部材程高い表面精度を達成しやすいからである。

0023

また、本発明のチタニアドープ石英ガラス部材は波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布と当該面内のOH基濃度分布が逆相関を有している。本発明者らは、部材の表面精度と部材の物性を鋭意検討した結果、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布と当該面内のOH基濃度分布が逆相関を有している方が高い表面精度を得られることを見出した。理由は定かではないが、部材の物性と研磨材との反応性等が関係しているものと思われる。同様にOH基濃度分布と仮想温度分布が正の相関を有しているものが好ましい。
なお、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布と当該面内のOH基濃度分布が逆相関を有しているチタニアドープ石英ガラスは、石英ガラス製造炉内に設けたバーナに、水素ガスを含む可燃性ガス及び酸素ガスを含む支燃性ガスを供給して燃焼させることによりバーナ先端に形成される酸水素炎中に、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを供給して、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを加水分解することにより生成した酸化ケイ素酸化チタン及びそれらの複合体微粒子を、バーナ先端前方に配設したターゲット上に付着させて成長させる、いわゆる直接法により作製する方が、チタニアをドープした多孔質シリカ母材を経由して作製するいわゆる間接法よりも得られやすい。また、直接法で作製する場合でもケイ素源原料ガスの供給量は低量であることが望ましい。例えば、ケイ素源原料ガスに四塩化ケイ素を使用する場合、2,000g/hr以下の原料供給量であることが望ましい。ケイ素源原料ガスの供給量によってバーナからの原料ガス噴射状態が異なることに影響されているものと思われる。

0024

本発明において、チタニアドープ石英ガラス部材は、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率変動が1×10-4/mm2以下であることが好ましい。前記のように、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布を考慮することにより表面精度が高いチタニアドープ石英ガラス部材を得られる。しかし、当該の反射面において屈折率が急激に変化している場合には両面研磨方式で高い表面精度を達成することは困難である。急峻な屈折率の変動はチタニアドープ石英ガラス製造時の製造パラメータの変動がその一因と考えられるが、急峻な屈折率変動領域は歪み等が蓄積しやすく、その他の領域と研磨速度が異なることが多く、表面精度を低下させる原因となる。そこで本発明において、より好ましくは波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率変動が5×10-5/mm2以下である。
波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率変動が1×10-4/mm2以下であるチタニアドープ石英ガラスは、チタニアドープ石英ガラスインゴット又はチタニアドープ多孔質シリカ母材作製時の可燃性ガス、支燃性ガス、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの各々の供給流量の変動を±1%/hr以内に制御すると共に、ターゲットの回転数を5rpm以上に制御することで得ることができる。

0025

なお、本発明における屈折率測定はすべて波長632.8nmのHe−Neレーザを光源としたフィゾー干渉計(ZYGO MARK IV)を用い、オイルオンプレート法にて測定することができる。具体的には、低屈折率分布を有する石英ガラス製平行平板2枚の間に石英ガラスと同等の屈折率のオイルを充填し、あらかじめ平行平板の屈折率分布を測定する。当該2枚の平行平板の間に両面を研磨したチタニアドープ石英ガラス部材を挟み、平行平板と当該部材の間に上記オイルを充填し、チタニアドープ石英ガラス部材を含む屈折率分布を測定する。チタニアドープ石英ガラス部材を含む屈折率分布から平行平板のみの屈折率分布を除くことでチタニアドープ石英ガラス部材の屈折率分布を測定する。

0026

本発明のチタニアドープ石英ガラスの室温レベル(10〜30℃)での平均線熱膨張係数は−30〜+30ppb/℃の範囲であることが好ましい。この場合、室温レベルとはEUVリソグラフィでの動作温度となる温度域である。平均線熱膨張係数が上記範囲以内にないと、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材としての使用に適さないものとなる場合がある。なお、平均線熱膨張係数の測定はNETZSCH社製精密熱膨張計を使用することができ、直径3.5mm×25mmの円柱サンプルで測定することができる。このようなチタニアドープ石英ガラスから形成されたEUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材は同様の平均線熱膨張係数を有する。

0027

チタニアドープ石英ガラス中のOH基濃度は熱膨張特性に影響を与える場合がある。これはOH基によって酸素ケイ素又はチタン結合ネットワークが切断されることに起因すると考えられる。そのため、本発明のチタニアドープ石英ガラス中のOH基濃度分布が400ppm以下、好ましくは200ppm以下、更に好ましくは50ppm以下であることが好ましい。この場合、上記OH基濃度分布は、OH基濃度をチタニアドープ石英ガラス全体において評価したときの濃度差最大値最小値との差を意味する。OH基濃度の分布が400ppmを超える場合、10〜30℃における平均線熱膨張係数が−30〜+30ppb/℃の範囲にならないおそれがある。
OH基濃度分布を抑制するためには、チタニアドープ石英ガラスインゴット作製時の成長面均熱化することが好ましく、そのため、ターゲットの回転数は少なくとも5rpm以上に保持することが好ましい。
なお、OH基濃度は赤外分光光度計で測定することができる。具体的にはフーリエ変換赤外分光光度計にて波数4522cm-1の吸光係数より求めることができ、換算式として
OH基濃度(ppm)=(4522cm-1における吸光係数)/T×4400
を用いることができる。但し、Tは測定サンプルの厚さ(cm)である。

0028

EUVリソグラフィにおいて、基板上に堆積させたシリコン、モリブデン等の反射多層膜によって反射されずに基板に到達したEUV光は、熱に転化されるばかりでなく、基板材料に半恒久的な変化を生じさせる場合がある。特にチタニアドープ石英ガラスの場合、ガラス中に多量の水素分子、Si−H結合を含有すると、EUV光によってチタニアドープ石英ガラスのチタン元素の価数を変化させ、またチタニアドープ石英ガラスの構造を変化させて熱膨張係数に影響を与える場合がある。

0029

本発明のチタニアドープ石英ガラスの水素分子濃度は、5×1018molecules/cm3以下、好ましくは1×1018molecules/cm3以下、更に好ましくは5×1017molecules/cm3以下であることが好ましい。
水素分子濃度は、ラマン分光法によりZurnal Pril;adnoi Spektroskopii Vol. 46 No.6 pp987〜991 June 1987に記載の方法によって測定することができる。

0030

また、本発明のチタニアドープ石英ガラスのSi−H結合含有量は、5×1017個/cm3以下、好ましくは1×1017個/cm3以下、更に好ましくは5×1016個/cm3以下であることが好ましい。
チタニアドープ石英ガラス中の水素分子濃度及びSi−H結合含有量は、チタニアドープ石英ガラスインゴット作製時の原料ガスを噴射するメインバーナ水素酸素供給比を2.5以下にすることで抑えることができる。
Si−H結合含有量は、ラマン分光法により特開平9−59034号公報に示される方法によって測定することができる。

0031

なお、本発明のチタニアドープ石英ガラスには、ケイ素、チタン、酸素、水素及び塩素以外の各元素がそれぞれ1,000ppm以下であれば含まれていても問題はない。ケイ素、チタン、酸素、水素、塩素以外の元素を含有することによって、チタニアドープ石英ガラスの10〜30℃における平均線熱膨張係数が若干変化するが、含有するチタニアの量を増減させることで平均線熱膨張係数を−30〜+30ppb/℃にすることが可能である。

0032

本発明のチタニアドープ石英ガラスは、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材の素材として好適であるが、特に、EUVリソグラフィ用フォトマスク用基板は、ウェハ上に高画質かつ微細なパターン転写を可能にするため、表面粗さに高い精度が求められる。本発明のチタニアドープ石英ガラスからは、このような高い精度を満足するEUVリソグラフィ用フォトマスク基板を形成することができる。

0033

特に、本発明のチタニアドープ石英ガラスからは、研磨後の表面粗さ(Rms)が0.30nm以下、好ましくは0.20nm以下、更に好ましくは0.15nm以下であるフォトマスク基板を形成することができる。なお、表面粗さ(Rms)は、原子間力顕微鏡で測定することができ、例えば、フォトマスク基板が152.4mm×152.4mm角形基板である場合、基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内の表面粗さ(Rms)が上記範囲であることが好ましい。

0034

また、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板には、例えば、152.4mm×152.4mm角形のEUVリソグラフィ用フォトマスク露光時に実際に利用されるフォトマスク基板の領域(フォトマスク基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域)の平坦度及び上記142.4mm×142.4mm角の領域内の1mm2の領域毎の平坦度にも高い精度が求められる。本発明のチタニアドープ石英ガラスからは、要求される高い精度を満足するEUVリソグラフィ用フォトマスク基板を形成することができる。

0035

本発明のチタニアドープ石英ガラスからは、研磨後の基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内の最も高い位置と最も低い位置との差(PV平坦度)が200nm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下であるEUVリソグラフィ用フォトマスク基板を形成することができる。また、上記研磨後の基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内の1mm2の領域毎の最も高い位置と最も低い位置との差(PV平坦度)がいずれも20nm以下、好ましくは10nm以下、更に好ましくは5nm以下であるEUVリソグラフィ用フォトマスク基板を形成することができる。なお、これらのPV平坦度は、フォトマスク基板中央部142.4mm×142.4mm角の領域内、又は142.4mm×142.4mm角の領域内の1mm2の領域毎に、最も高い位置と最も低い位置との差をレーザ干渉計で測定することにより評価することができる。これらPV平坦度が上記範囲にないと、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板に要求される表面形状が満足できない場合がある。
なお、上記の基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内の最も高い位置と最も低い位置との差(PV平坦度)及び基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内の1mm2の領域毎の最も高い位置と最も低い位置との差(PV平坦度)は波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率変動に相関が強く見られる。そのため、チタニアドープ石英ガラスインゴット又はチタニアドープ多孔質シリカ母材作製時の可燃性ガス、支燃性ガス、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの各々の供給流量の変動を±1%/hr以内に制御すると共に、ターゲットの回転数は5rpm以上に制御することが好ましい。

0036

上記表面粗さ、平坦度及び最も高い位置と最も低い位置との差を有する基板は、本発明のチタニアドープ石英ガラスの後述する製造方法に従って得られる3〜12質量%のチタニアを含有し、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布において、部材中央部80%領域内に屈折率の極点を1点のみ有するチタニアドープ石英ガラス、特にEUV光を反射させる面内の屈折率変動が1×10-4/mm2以下であり、屈折率分布と当該面内のOH基濃度分布が逆相関を有しているチタニアドープ石英ガラスを両面研磨機によって鏡面研磨することによって得ることができる。

0037

チタニアドープ石英ガラスは、石英ガラス製造炉内に設けたバーナに、水素ガスを含む可燃性ガス及び酸素ガスを含む支燃性ガスを供給して燃焼させることによりバーナ先端に形成される酸水素炎中に、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを供給して、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを加水分解することにより生成した酸化ケイ素、酸化チタン及びそれらの複合体微粒子を、バーナ先端前方に配設したターゲット上に付着させて成長させることによりインゴットを作製し、得られたインゴットを熱間成型して所定の形状に成型後、成型後のインゴットをアニール処理し、更に徐冷処理することによって製造することができるが、本発明のチタニアドープ石英ガラスは、上記可燃性ガス、支燃性ガス、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの各々の供給流量の変動を±1%/hr以内に制御すると共に、上記石英ガラス製造炉内を流通させるガスとして導入する空気、石英ガラス製造炉からの排気及び石英ガラス製造炉周囲の外気の各々の温度の変動を±2.5℃以内に制御して、上記ターゲットを5rpm以上の回転数で回転させ、上記微粒子をターゲット上に付着させて製造することにより得ることができる。

0038

チタニアドープ石英ガラスの製造炉は、竪型及び横型のいずれも使用することができるが、種材等のターゲットの回転数は5rpm以上、好ましくは15rpm以上、更に好ましくは30rpm以上である。これはチタニアドープ石英ガラス中の脈理、歪み等の構造的、組成的に不均一な領域は回転するターゲットのチタニアドープ石英ガラスが成長する部分の温度の不均一性に大きく依存して発生するからである。そこで、ターゲットの回転数を上げ、チタニアドープ石英ガラスが成長する部分の温度を均一化することで、チタニアドープ石英ガラスの構造的、組成的に不均一な領域の発生を抑えることができる。なお、ターゲットの回転数の上限は適宜選定されるが、通常200rpm以下である。

0039

チタニアドープ石英ガラスの構造的、組成的に不均一な領域の発生は、チタニアドープ石英ガラスを製造時に使用するケイ素源原料ガス、チタン源原料ガス、可燃性ガス及び支燃性ガスの各々を安定供給することによって抑えることができる。そのために、本発明の製造方法においては、ケイ素源原料ガス、チタン源原料ガス、可燃性ガス及び支燃性ガスの各々の供給流量の変動を±1%/hr以内、好ましくは±0.5%/hr以内、更に好ましくは±0.25%/hr以内に制御する。

0040

可燃性ガス、支燃性ガス、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの各々の供給流量の変動が±1%/hrより大きく、また、石英ガラス製造炉内に導入する空気、石英ガラス製造炉からの排気及び石英ガラス製造炉周囲の外気の各々の温度の変動が±2.5℃より大きい環境で作製されたチタニアドープ石英ガラスには構造的、組成的に不均一な領域が発生し、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板等のEUVリソグラフィ用部材に要求される高い表面精度を達成できるチタニアドープ石英ガラスを得ることが困難である。

0041

ケイ素源原料ガスは公知の有機ケイ素化合物を使用することができ、具体的には、四塩化ケイ素、ジメチルジクロロシランメチルトリクロロシラン等の塩素系シラン化合物テトラメトキシシランテトラエトキシシランメチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン等が使用できる。

0042

また、チタン源原料ガスも公知の化合物を使用することができ、具体的には、四塩化チタン、四臭化チタン等のチタンハロゲン化物テトラエトキシチタンテトライソプロポキシチタンテトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン等のチタンアルコキシド等を使用できる。

0043

一方、可燃性ガスとしては水素を含有するものが用いられ、更に必要に応じて一酸化炭素メタンプロパン等のガスを併用したものが用いられる。一方、支燃性ガスとしては酸素ガスを含むものが用いられる。

0044

本発明のチタニアドープ石英ガラス部材はミラー、ステージ、フォトマスク基板等のそれぞれのEUVリソグラフィ用部材に合った所定の形状にすべく、1,500〜1,800℃、1〜10時間熱間成型を行うが、前記の製造炉で製造したチタニアドープ石英ガラスの成長軸と成型軸が平行になるように熱間成型を行う。熱間成型に際しては、1,700℃における炉内の温度分布が1.5℃/cm以上、10.0℃/cm以下の温度勾配を有する炉を使用する。本発明における炉内の温度分布の温度勾配とは炉内の最高温度域を1,700℃とした時の最高温度域から炉内上方500mm位置との温度差から求めた平均の温度勾配と定義する。また無荷重での熱間成型を行うことが望ましい。更に、チタニアドープ石英ガラスを成型るつぼ底面の中心又は成型るつぼの底面が四角形又は多角形の場合には対角線の交点又は重心位置に設置し、当該チタニアドープ石英ガラスを格納した成型るつぼを炉内で回転させることができる機構を有する炉を使用する。この場合、成型るつぼの回転数は0.1rpm以上、好ましくは0.1〜10rpm、より好ましくは0.5〜5rpm、更に好ましくは1〜3rpmとすることが望ましい。成型るつぼを回転させない場合、あるいは0.1rpmより少ない回転数ではチタニアドープ石英ガラスに均等に熱をかけにくく、挫屈等の原因となるおそれがある。一方、回転速度が大きすぎると、チタニアドープ石英ガラスの熱間成型時に遠心力が発生しやすく、挫屈等の原因となるおそれがある。

0045

熱間成型に際してチタニアドープ石英ガラスに成型軸に対して垂直な方向に均等な熱をかけることができ、熱間成型時にチタニアドープ石英ガラスが挫屈又は成型るつぼの側面にもたれないようにするために効果的であるからである。前記製造炉で作製したチタニアドープ石英ガラスの半径に対して、成型るつぼの底面の中心から外周部までの距離が1.3倍以下の大きさに熱間成型する。なお、成型るつぼの底面が四角形又は多角形の場合、対角線の交点又は重心位置から最も短い外周部までの距離の1.3倍以下の大きさに成型する。そのため、所望のEUVリソグラフィ用部材が前記の製造炉で製造したチタニアドープ石英ガラスの径に比べて大きい場合には、複数回熱間成型を実施する必要がある。複数回熱間成型を行う必要がある場合には、1回目の熱間成型において、所望のEUVリソグラフィ用部材の形状に相似の成型るつぼで成型した後、当該の相似形を保ちながら熱間成型を繰り返すことが望ましい。
なお、本発明のチタニアドープ石英ガラス部材は500mmφ以下の大きさとする。これ以上の大きさにおいては、熱間成型時に適切な温度勾配の維持、炉内の温度ムラを抑制することが難しいからである。

0046

熱間成型したチタニアドープ石英ガラスはアニール処理し、更に徐冷処理する。これらアニール処理及び徐冷処理は、熱間成型により生じたチタニアドープ石英ガラス中の歪みを低下させる効果がある。アニール処理条件は公知の条件を用いることができ、温度700〜1,300℃、大気中で1〜200時間保持すればよい。また、徐冷処理条件も公知の条件を用いることができ、例えば、上記アニール処理温度から500℃の温度までの冷却を1〜20℃/hrの速度で実施すればよい。

0047

アニール処理及び徐冷処理を施したチタニアドープ石英ガラスを、適宜研削加工スライス加工により所定のサイズに加工した後、酸化ケイ素、酸化アルミニウム酸化モリブデン炭化ケイ素ダイアモンド酸化セリウムコロイダルシリカ等の研磨剤を使用して両面研磨機により研磨することによりEUVリソグラフィ用部材に形成することが可能であるが、研磨を行う面内、つまり波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布の極点のタイプによって研磨条件が異なる。即ちレーザ干渉計で測定した波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布の極点が極大点の場合は、酸化セリウムを研磨材として使用して研磨した後のコロイダルシリカを研磨材として仕上げの研磨を行うに際して、極小点を有する屈折率分布を有するチタニアドープ石英ガラス部材に比べて長時間の研磨を実施することにより高い表面精度が得られる。

0048

以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

0049

[実施例1]
図17に示す特開平8−31723号公報に記載のバーナを使用した。ここで、図17において、図17(a)中、1はSiCl4供給管、2はTiCl4供給管、3は流量計、4,5,6は水素ガス供給管、7,8,9,10は酸素ガス供給管、11は酸水素火炎バーナ、12は酸水素炎、13はチタニアドープシリカ微粒子、14は支持体、15はインゴットを示す。また、図17(b)は、上記バーナ11の横断面図であり、このバーナ11はノズル17〜21からなる5重管16の外側に外殻管22を有し、この外殻管22内にノズル23を有する構造とされ、中心ノズル(第1ノズル)17には、上記SiCl4及びTiCl4供給管1,2からSiCl4、TiCl4が供給されると共に、酸素供給管10から酸素ガスが供給される。なお、必要によりアルゴンガス等の不活性ガスを供給させることもできる。また、第2ノズル18、第4ノズル20には酸素ガスが酸素ガス供給管7,8から供給され、第3ノズル19、第5ノズル21には水素ガスが水素ガス供給管4,5から供給される。更に、外殻管22には水素ガスが水素ガス供給管6から、ノズル23には酸素ガスが酸素ガス供給管9から供給される。

0050

表1に記載のガスをメインバーナのそれぞれのノズルに供給して、酸水素炎中で四塩化ケイ素、四塩化チタンの加水分解反応により生成したSiO2及びTiO2を石英製バーナの先方に設置した50rpmで回転しながら10mm/hrで後退するターゲット材に付着させることでチタニアドープ石英ガラスのインゴットを製造した。また、メインバーナと同時にインゴット側面に酸水素炎をあてるサブバーナを使用した。このとき、各種ガスの流量変動は±0.2%/hrであった。また、チタニアドープ石英ガラス製造炉へ供給される空気、排気されるガス、製造炉の外気温温度変動は±1℃であった。

0051

得られた120mmφ×400mmLのインゴットを1,700℃における温度勾配が2.5℃/cmの電気炉にて155mm×155mm角柱状の底面、対角線上の交点に設置して1,700℃で6時間加熱することにより熱間成型した。この時、成型るつぼは2rpmで回転させた。その後、大気中で1,150℃、150時間保持してアニール後、500℃まで5℃/hrの速度で徐冷した。アニール後のインゴットを152.4mm×152.4mm角柱状に研削し、チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)を得た。当該インゴット(I)をフォトマスク用基板に研削するため、厚さ6.7mmにスライスした後、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布を測定した。測定した屈折率分布を図1に示すが、152.4mm×152.4mm角面内の中央部20%以内に極大点を有する形状であった。またそれ以外に極点は存在せず、変曲線も見られなかった。
152.4mm×152.4mm角面内の極点の屈折率値から1/10異なる屈折率値の等屈折率曲線の極点から最長距離と最短距離の比は1.49であり、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布は極大点を中心とした中心対称性を有していた。
更に、屈折率変動が最も大きい領域の屈折率分布を測定したところ、3.5×10-5/mm2であった。

0052

屈折率を測定した厚さ6.7mmのチタニアドープ石英ガラス基板をスェードタイプの研磨布酸化セリウム研磨材を使用し、12B型両面研磨機(不二越機械工業(株)製)により6hr研磨した後、研磨材をコロイダルシリカに変更して1hr研磨した。
作製した基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内での最も高い位置と最も低い位置との差(露光利用領域のPV平坦度)を、レーザ干渉計を用いて測定した。その結果を表2に示す。
当該基板の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布を図2に示す。屈折率分布とOH基濃度分布は逆相関を有していた。またOH基濃度分布の最大値と最小値の差を表2に示す(OH基濃度分布として表示する)。
更に、当該基板の対角線上に測定した水素分子濃度及びSi−H結合含有量の最大値、最小値を表2に示す。
チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)の152.4mm×152.4mm角面内の対角線上に平均線熱膨張係数を10〜30℃の範囲で10点測定した結果の最大値と最小値を表2に示す。

0053

得られたチタニアドープ石英ガラス部材は、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の中央部に屈折率の極大点を1点のみ有し、屈折率分布は極大点に対して中心対称性を有し、OH基濃度分布は逆相関を有し、かつ屈折率変動は小さく良好であった。研磨後のフォトマスク基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内でのPV平坦度も小さく、EUV用フォトマスク基板として好適なものが得られた。

0054

[実施例2]
図17に記載のバーナを使用し、表1に記載のガスをメインバーナのそれぞれのノズルに供給して、酸水素炎中で四塩化ケイ素、四塩化チタンの加水分解反応により生成したSiO2及びTiO2を石英製バーナの先方に設置した50rpmで回転しながら10mm/hrで後退するターゲット材に付着させることでチタニアドープ石英ガラスのインゴットを製造した。このとき、各種ガスの流量変動は±0.2%/hrであった。また、チタニアドープ石英ガラス製造炉へ供給される空気、排気されるガス、製造炉の外気温の温度変動は±1℃であった。

0055

得られた120mmφ×400mmLのインゴットを1,700℃における温度勾配が2.5℃/cmの電気炉にて155mm×155mm角柱状の底面、対角線上の交点に設置して1,700℃で6時間加熱することにより熱間成型した。この時、成型るつぼは2rpmで回転させた。その後、大気中で1,150℃、150時間保持してアニール後、500℃まで5℃/hrの速度で徐冷した。アニール後のインゴットを152.4mm×152.4mm角柱状に研削し、チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)を得た。当該インゴット(I)をフォトマスク用基板に研削するため、厚さ6.7mmにスライスした後、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布を測定した。測定した屈折率分布を図3に示すが、152.4mm×152.4mm角面内の中央部20%以内に極小点を有する形状であった。また、それ以外に極点は存在せず、変曲線も見られなかった。
152.4mm×152.4mm角面内の極点の屈折率値から1/10異なる屈折率値の等屈折率曲線の極点から最長距離と最短距離の比は1.66であり、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布は極小点を中心とした中心対称性を有していた。
更に、屈折率変動が最も大きい領域の屈折率分布を測定したところ、3.5×10-5/mm2であった。

0056

屈折率を測定した厚さ6.7mmのチタニアドープ石英ガラス基板をスェードタイプの研磨布、酸化セリウム研磨材を使用し、12B型両面研磨機(不二越機械工業(株)製)により6hr研磨した後、研磨材をコロイダルシリカに変更して0.5hr研磨した。
作製した基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内での最も高い位置と最も低い位置との差(露光利用領域のPV平坦度)を、レーザ干渉計を用いて測定した。その結果を表2に示す。
当該基板の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布を図4に示す。屈折率分布とOH基濃度分布は逆相関を有していた。またOH基濃度分布の最大値と最小値の差を表2に示す(OH基濃度分布として表示する)。
更に、当該基板の対角線上に測定した水素分子濃度及びSi−H結合含有量の最大値、最小値を表2に示す。
チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)の152.4mm×152.4mm角面内の対角線上に平均線熱膨張係数を10〜30℃の範囲で10点測定した結果の最大値と最小値を表2に示す。

0057

得られたチタニアドープ石英ガラス部材は、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の中央部に屈折率の極小点を1点のみ有し、屈折率分布は極小点に対して中心対称性を有し、OH基濃度分布は逆相関を有し、かつ屈折率変動は小さく良好であった。研磨後のフォトマスク基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内でのPV平坦度も小さく、EUV用フォトマスク基板として好適なものが得られた。

0058

[実施例3]
図17に記載のバーナを使用し、実施例1と同様のガスをメインバーナ及びサブバーナのそれぞれに供給して、酸水素炎中で四塩化ケイ素、四塩化チタンの加水分解反応により生成したSiO2及びTiO2を石英製バーナの先方に設置した50rpmで回転しながら10mm/hrで後退するターゲット材に付着させることでチタニアドープ石英ガラスのインゴットを製造した。このとき、各種ガスの流量変動は±0.2%/hrであった。また、チタニアドープ石英ガラス製造炉へ供給される空気、排気されるガス、製造炉の外気温の温度変動は±1℃であった。

0059

得られた120mmφ×400mmLのインゴットを1,700℃における温度勾配が2.5℃/cmの電気炉にて155mm×155mm角柱状の底面、対角線上の交点から対角線に対して45°の角度で20mmに移動させた位置に設置して1,700℃で6時間加熱することにより熱間成型した。この時、成型るつぼは2rpmで回転させた。その後、大気中で1,150℃、150時間保持してアニール後、500℃まで5℃/hrの速度で徐冷した。アニール後のインゴットを152.4mm×152.4mm角柱状に研削し、チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)を得た。当該インゴット(I)をフォトマスク用基板に研削するため、厚さ6.7mmにスライスした後、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布を測定した。測定した屈折率分布を図5に示すが、152.4mm×152.4mm角面内の中央部20%以内に極大点を有する形状であった。またそれ以外に極点は存在せず、変曲線も見られなかった。
152.4mm×152.4mm角面内の極点の屈折率値から1/10異なる屈折率値の等屈折率曲線の極点から最長距離と最短距離の比は2.52であり、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布は極大点を中心とした中心対称性を有してはいない。
更に、屈折率変動が最も大きい領域の屈折率分布を測定したところ、5.8×10-5/mm2であった。

0060

屈折率を測定した厚さ6.7mmのチタニアドープ石英ガラス基板をスェードタイプの研磨布、酸化セリウム研磨材を使用し、12B型両面研磨機(不二越機械工業(株)製)により6hr研磨した後、研磨材をコロイダルシリカに変更して1hr研磨した。
作製した基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内での最も高い位置と最も低い位置との差(露光利用領域のPV平坦度)を、レーザ干渉計を用いて測定した。その結果を表2に示す。
当該基板の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布を図6に示す。屈折率分布とOH基濃度分布は逆相関を有していた。またOH基濃度分布の最大値と最小値の差を表2に示す(OH基濃度分布として表示する)。
更に、当該基板の対角線上に測定した水素分子濃度及びSi−H結合含有量の最大値、最小値を表2に示す。
チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)の152.4mm×152.4mm角面内の対角線上に平均線熱膨張係数を10〜30℃の範囲で10点測定した結果の最大値と最小値を表2に示す。

0061

得られたチタニアドープ石英ガラス部材は、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の中央部に屈折率の極大点を1点のみ有し、OH基濃度分布は逆相関を有し、かつ屈折率変動は小さく良好であった。屈折率分布は極大点に対して中心対称性を有していないものの、研磨後のフォトマスク基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内でのPV平坦度も小さく、EUV用フォトマスク基板として好適なものが得られた。

0062

[実施例4]
図18に示す特開2001−316122号公報に記載のバーナを使用した。なお、図18中、31は中心管ノズル(第1ノズル)で、SiCl4、TiCl4、O2ガスが供給され、32は第2ノズルで、O2ガスが供給され、33は第3ノズルで、H2ガスが供給され、34は第4ノズルで、O2ガスが供給される。

0063

表1に記載のガスをメインバーナ及びサブバーナのそれぞれに供給して、酸水素炎による四塩化ケイ素、四塩化チタンの加水分解反応により生成したSiO2及びTiO2を石英製バーナの先方に設置した50rpmで回転しながら15mm/hrで後退するターゲット材に付着させることでチタニアドープシリカ母材を製造した。このとき、各種ガスの流量変動は±0.2%/hrであった。また、チタニアドープ石英ガラス製造炉へ供給される空気、排気されるガス、製造炉の外気温の温度変動は±1℃であった。当該チタニアドープシリカ母材を1,130℃、減圧下で15hr保持した後、1,550℃に昇温してガラス化し、チタニアドープ石英ガラスインゴットを得た。

0064

得られた120mmφ×400mmLのインゴットを1,700℃における温度勾配が2.5℃/cmの電気炉にて155mm×155mm角柱状の底面、対角線上の交点に設置して1,700℃で6時間加熱することにより熱間成型した。この時、成型るつぼは2rpmで回転させた。その後、大気中で1,150℃、150時間保持してアニール後、500℃まで5℃/hrの速度で徐冷した。アニール後のインゴットを152.4mm×152.4mm角柱状に研削し、チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)を得た。当該インゴット(I)をフォトマスク用基板に研削するため、厚さ6.7mmにスライスした後、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布を測定した。測定した屈折率分布を図7に示すが、152.4mm×152.4mm角面内の中央部20%以内に極大点を有する形状であった。またそれ以外に極点は存在せず、変曲線も見られなかった。
152.4mm×152.4mm角面内の最も屈折率が低い値と極大点の値との中間の屈折率値の等屈折率曲線の極点から最長距離と最短距離の比は1.42であり、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布は極大点を中心とした中心対称性を有していた。
更に、屈折率変動が最も大きい領域の屈折率分布を測定したところ、5.2×10-5/mm2であった。
屈折率を測定した厚さ6.7mmのチタニアドープ石英ガラス基板をスェードタイプの研磨布、酸化セリウム研磨材を使用し、12B型両面研磨機(不二越機械工業(株)製)により6hr研磨した後、研磨材をコロイダルシリカに変更して1hr研磨した。
作製した基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内での最も高い位置と最も低い位置との差(露光利用領域のPV平坦度)を、レーザ干渉計を用いて測定した。その結果を表2に示す。
当該基板の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布を図8に示す。屈折率分布とOH基濃度分布は逆相関を有していた。またOH基濃度分布の最大値と最小値の差を表2に示す(OH基濃度分布として表示する)。
更に、当該基板の対角線上に測定した水素分子濃度及びSi−H結合含有量の最大値、最小値を表2に示す。
チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)の152.4mm×152.4mm角面内の対角線上に平均線熱膨張係数を10〜30℃の範囲で10点測定した結果の最大値と最小値を表2に示す。

0065

得られたチタニアドープ石英ガラス部材は、波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の中央部に屈折率の極大点を1点のみ有し、屈折率分布は極大点に対して中心対称性を有し、かつ屈折率変動は小さく良好であった。屈折率分布は外周部においてOH基濃度分布と逆相関を有していなかったものの、研磨後のフォトマスク基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内でのPV平坦度も小さく、EUV用フォトマスク基板として好適なものが得られた。

0066

[比較例1]
図17に記載のバーナを使用し、実施例1と同様のガスをメインバーナ及びサブバーナのそれぞれに供給して、酸水素炎中で四塩化ケイ素、四塩化チタンの加水分解反応により生成したSiO2及びTiO2を石英製バーナの先方に設置した50rpmで回転しながら10mm/hrで後退するターゲット材に付着させることでチタニアドープ石英ガラスのインゴットを製造した。このとき、各種ガスの流量変動は±0.2%/hrであった。また、チタニアドープ石英ガラス製造炉へ供給される空気、排気されるガス、製造炉の外気温の温度変動は±1℃であった。

0067

得られた120mmφ×400mmLのインゴットを1,700℃における温度勾配が2.5℃/cmの電気炉にて155mm×155mm角柱状の底面、対角線上の交点に設置して1,700℃で6時間加熱することにより熱間成型した。その後、大気中で1,150℃、150時間保持してアニール後、500℃まで5℃/hrの速度で徐冷した。アニール後のインゴットを152.4mm×152.4mm角柱状に研削し、チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)を得た。当該インゴット(I)をフォトマスク用基板に研削するため、厚さ6.7mmにスライスした後、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布を測定した。測定した屈折率分布を図9に示すが、屈折率の極大点が基板外周部にあり、152.4mm×152.4mm角面内の中央部80%以内に極点を有しない形状であった。熱間成型時にインゴットが成型るつぼの側面にもたれかかったものと思われる。
更に、屈折率変動が最も大きい領域の屈折率分布を測定したところ、1.9×10-5/mm2であった。
屈折率を測定した厚さ6.7mmのチタニアドープ石英ガラス基板をスェードタイプの研磨布、酸化セリウム研磨材を使用し、12B型両面研磨機(不二越機械工業(株)製)により6hr研磨した後、研磨材をコロイダルシリカに変更して1hr研磨した。
作製した基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内での最も高い位置と最も低い位置との差(露光利用領域のPV平坦度)を、レーザ干渉計を用いて測定した。その結果を表2に示す。
当該基板の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布を図10に示す。屈折率分布とOH基濃度分布は逆相関を有していた。またOH基濃度分布の最大値と最小値の差を表2に示す(OH基濃度分布として表示する)。
更に、当該基板の対角線上に測定した水素分子濃度及びSi−H結合含有量の最大値、最小値を表2に示す。
チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)の152.4mm×152.4mm角面内の対角線上に平均線熱膨張係数を10〜30℃の範囲で10点測定した結果の最大値と最小値を表2に示す。

0068

得られたチタニアドープ石英ガラス部材は、142.4mm×142.4mm角の領域内でのPV平坦度が悪く、EUV用フォトマスク基板として好適なものではなかった。

0069

[比較例2]
図17に記載のバーナを使用し、実施例1と同様のガスをメインバーナ及びサブバーナのそれぞれに供給して、酸水素炎中で四塩化ケイ素、四塩化チタンの加水分解反応により生成したSiO2及びTiO2を石英製バーナの先方に設置した50rpmで回転しながら12mm/hrで後退するターゲット材に付着させることでチタニアドープ石英ガラスのインゴットを製造した。このとき、各種ガスの流量変動は±0.2%/hrであった。また、チタニアドープ石英ガラス製造炉へ供給される空気、排気されるガス、製造炉の外気温の温度変動は±1℃であった。

0070

得られた100mmφ×400mmLのインゴットを1,700℃における温度勾配が1.2℃/cmの電気炉にて155mm×155mm角柱状の底面、対角線上の交点に設置して1,700℃で6時間加熱することにより熱間成型した。その後、大気中で1,150℃、150時間保持してアニール後、500℃まで5℃/hrの速度で徐冷した。アニール後のインゴットを152.4mm×152.4mm角柱状に研削し、チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)を得た。当該インゴット(I)をフォトマスク用基板に研削するため、厚さ6.7mmにスライスした後、152.4mm×152.4mm角面内の屈折率分布を測定した。測定した屈折率分布を図11に示すが、屈折率の極大点と極小点が存在する形状であった。両点間の屈折率差は3.28×10-4であった。熱間成型時にインゴットが挫屈したためと思われる。
更に、屈折率変動が最も大きい領域の屈折率分布を測定したところ、7.7×10-5/mm2であった。
屈折率を測定した厚さ6.7mmのチタニアドープ石英ガラス基板をスェードタイプの研磨布、酸化セリウム研磨材を使用し、12B型両面研磨機(不二越機械工業(株)製)により6hr研磨した後、研磨材をコロイダルシリカに変更して1hr研磨した。
作製した基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内での最も高い位置と最も低い位置との差(露光利用領域のPV平坦度)を、レーザ干渉計を用いて測定した。その結果を表2に示す。
当該基板の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布を図12に示す。屈折率分布とOH基濃度分布は逆相関を有していた。また、OH基濃度分布の最大値と最小値の差を表2に示す(OH基濃度分布として表示する)。
更に、当該基板の対角線上に測定した水素分子濃度及びSi−H結合含有量の最大値、最小値を表2に示す。
チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)の152.4mm×152.4mm角面内の対角線上に平均線熱膨張係数を10〜30℃の範囲で10点測定した結果の最大値と最小値を表2に示す。

0071

得られたチタニアドープ石英ガラス部材は、142.4mm×142.4mm角の領域内でのPV平坦度が悪く、EUV用フォトマスク基板として好適なものではなかった。

0072

0073

図面の簡単な説明

0074

実施例1で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布である。
実施例1で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布である。
実施例2で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布である。
実施例2で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布である。
実施例3で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布である。
実施例3で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布である。
実施例4で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布である。
実施例4で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布である。
比較例1で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布である。
比較例1で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布である。
比較例2で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の屈折率分布である。
比較例2で作製した基板の波長70nm以下のEUV光を反射させる面内の対角線上に測定したOH基濃度分布及び同対角線上の屈折率分布である。
チタニアドープ石英ガラス部材のEUV光を反射させる面内の屈折率分布の一例を示す。
図13に示した屈折率分布を矢印の点でX軸に平行、かつZ軸に対して平行に切断したときの屈折率分布の切り口の一例を示す。
図13に示した屈折率分布を矢印の点で対角線上、かつZ軸に対して平行に切断したときの屈折率分布の切り口の一例を示す。
屈折率分布における中心対称性を説明する説明図である。
実施例1〜3、比較例1,2で用いたバーナの構成を示すもので、(a)はチタニアドープ石英ガラスインゴット製造装置を示す概略図、(b)はこれに用いる酸水素火炎バーナの横断面図である。
実施例4で用いたバーナの概略断面図である。

符号の説明

0075

1 SiCl4供給管
2 TiCl4供給管
3流量計
4,5,6水素ガス供給管
7,8,9,10酸素ガス供給管
11酸水素火炎バーナ
12酸水素炎
13チタニアドープシリカ微粒子
14支持体
15インゴット
16 5重管
17,18,19,20,21ノズル
22外殻管
23 ノズル
31中心管ノズル
32 第2ノズル
33 第3ノズル
34 第4ノズル

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