図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2010年1月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

本発明の目的は、色味の発生が無く、帯電防止性密着性に優れ、特に耐光性試験後も優れた密着性を有する反射防止フィルム、これを用いた偏光板画像表示装置を提供することにある。

解決手段

透明フィルム基材上に帯電防止層低屈折率層を有し、該帯電防止層は導電剤電離放射線硬化型樹脂を含有し膜厚6〜15μmに設定される層であり、該低屈折率層は中空シリカ系粒子を少なくとも1種と、カチオン重合性化合物を含有し、屈折率1.30〜1.37に設定される層であって、更に、5度入射における鏡面反射率が、450〜650nmの波長域において1.5%以下であり、かつ、380〜780nmの波長域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*、b*値がそれぞれ0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内にあることを特徴とする反射防止フィルム。

概要

背景

一般に、反射防止フィルムは、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、多層薄膜光干渉によって、反射率を低減する機能を有しており、ディスプレイの最表面に配置される。

一般的に、反射防止は透明基材上に直接、または他の層を介して、下層よりも屈折率の低い低屈折率層を形成することで行われている。また、光学物品の表面に傷が付くと、ひいては表示パネル視認性を悪くするため、反射防止フィルムにハード性能を付与することが行われている。更に、プラスチックからなる光学物品は絶縁性であるために、静電気等により帯電し、表面にほこり等が付着することにより、表示パネルの視認性が悪くなることを防ぐ目的で、帯電防止性能を付与することが求められている。

特許文献1及び特許文献2には、これらのハード性能及び帯電防止性能を付与する方法として、透明フィルム基材上にハードコート層を形成し、その上に金属酸化物を含有させた帯電防止層を形成し、更にその上に下層よりも屈折率の低い低屈折率層を形成して、反射防止フィルムを作製する方法が記載されている。しかしながら、この方法では帯電防止性能を高める効果は認められるものの、帯電防止層と低屈折率層の屈折率差によって反射スペクトルがV字形状になり、可視光領域において短波長域長波長域の反射率が高くなることで、反射防止フィルムに色味が発生するという問題があった。

一方、特許文献3には、透明フィルム基材上に金属酸化物を含有させた帯電防止層を形成し、その上にハードコート層を形成し、更にその上に低屈折率層を形成して反射防止フィルムを作製する方法が記載されている。しかしながら、このような層構成にすることによって色味の抑制効果は認められるものの、帯電防止層より表面側に導電性を有さないハードコート層が存在するために、実際には帯電防止性能が不十分であるという問題があった。

また、近年、PDPやLCDのような画像表示装置は、家庭電化製品としての普及が進むにしたがってディスプレイの使用環境が様々になってきており、低い反射率や高い表面強度のみならず、従来以上に環境変化に対する耐久性、特に耐光性の優れた光学フィルムが求められている。

特許文献4には、低反射率高耐久性両立のためにシリカゾル含フッ素アクリレート化合物を主成分とする低屈折率層を形成して反射防止フィルムを作製する方法が記載されている。しかしながら、このようなラジカル重合性のUVモノマーからなる低屈折率層は、同じくラジカル重合性のUVモノマーからなるハードコート層との密着性が悪くなる傾向があり、特に、耐光性試験を実施すると大きく密着性が低下するという問題があった。

更に、特許文献5及び6には、帯電防止層と低屈折率層を所謂ゾルゲル法によって形成する方法が記載されている。しかし、ハードコート層との十分な密着性を確保するためには、ハードコート層にアルカリ浸漬などの表面処理を施さねばならず、大掛かりな設備が必要であったり、処理時間が長くかかるために生産性が悪く、大量生産に適さないという欠点があった。
特開2002−267804号公報
特開2006−35624号公報
特開2005−290230号公報
特開2005−89536号公報
特開2005−199707号公報
特開2005−202389号公報

概要

本発明の目的は、色味の発生が無く、帯電防止性や密着性に優れ、特に耐光性試験後も優れた密着性を有する反射防止フィルム、これを用いた偏光板、画像表示装置を提供することにある。透明フィルム基材上に帯電防止層と低屈折率層を有し、該帯電防止層は導電剤電離放射線硬化型樹脂を含有し膜厚6〜15μmに設定される層であり、該低屈折率層は中空シリカ系粒子を少なくとも1種と、カチオン重合性化合物を含有し、屈折率1.30〜1.37に設定される層であって、更に、5度入射における鏡面反射率が、450〜650nmの波長域において1.5%以下であり、かつ、380〜780nmの波長域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*、b*値がそれぞれ0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内にあることを特徴とする反射防止フィルム。なし

目的

従って、本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、色味の発生が無く、帯電防止性や密着性に優れ、特に耐光性試験後も優れた密着性を有する反射防止フィルム、これを用いた偏光板、画像表示装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

透明フィルム基材上に、帯電防止層低屈折率層をこの順で積層してなる反射防止フィルムであって、該帯電防止層は導電剤電離放射線硬化型樹脂を含有し、膜厚6〜15μmに設定される層であり、該低屈折率層は外殻層を有しかつ内部が多孔質または空洞である中空シリカ系粒子を少なくとも1種と、カチオン重合性化合物を含有し、屈折率1.30〜1.37に設定される層であって、更に、5度入射における鏡面反射率が、450〜650nmの波長域において1.5%以下であり、かつ、380〜780nmの波長域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*、b*値がそれぞれ0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内にあることを特徴とする反射防止フィルム。

請求項2

前記a*、b*値が、下記耐光性試験後、0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内にあり、かつ、前記耐光性試験後のJISK5600−5−6に記載のクロスカット密着試験において、影響を受ける面積が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。耐光性試験キセノンランプにより、光量100W/m2、波長300〜400nm、ブラックパネル温度50℃、湿度65%RH、試験時間2000時間の条件でフィルム試料紫外線照射する。

請求項3

前記a*、b*値がそれぞれ0≦a*≦3、かつ、−3≦b*≦3の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。

請求項4

前記導電剤が金属酸化物粒子であり、前記電離放射線硬化型樹脂が分子中に重合可能不飽和結合を2個以上有するアクリル系化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。

請求項5

前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物またはオキセタン化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。

請求項6

前記透明フィルム基材が、セルロースエステル樹脂を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。

請求項7

前記透明フィルム基材が、セルロースエステル樹脂及びアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。

請求項8

前記透明フィルム基材が、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂及びアクリル粒子を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射防止フィルムを一方の面に用いることを特徴とする偏光板

請求項10

請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射防止フィルム、または請求項9に記載の偏光板を用いることを特徴とする画像表示装置

技術分野

0001

本発明は、反射防止フィルム、それを用いた偏光板、及び画像表示装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に、反射防止フィルムは、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、多層薄膜光干渉によって、反射率を低減する機能を有しており、ディスプレイの最表面に配置される。

0003

一般的に、反射防止は透明基材上に直接、または他の層を介して、下層よりも屈折率の低い低屈折率層を形成することで行われている。また、光学物品の表面に傷が付くと、ひいては表示パネル視認性を悪くするため、反射防止フィルムにハード性能を付与することが行われている。更に、プラスチックからなる光学物品は絶縁性であるために、静電気等により帯電し、表面にほこり等が付着することにより、表示パネルの視認性が悪くなることを防ぐ目的で、帯電防止性能を付与することが求められている。

0004

特許文献1及び特許文献2には、これらのハード性能及び帯電防止性能を付与する方法として、透明フィルム基材上にハードコート層を形成し、その上に金属酸化物を含有させた帯電防止層を形成し、更にその上に下層よりも屈折率の低い低屈折率層を形成して、反射防止フィルムを作製する方法が記載されている。しかしながら、この方法では帯電防止性能を高める効果は認められるものの、帯電防止層と低屈折率層の屈折率差によって反射スペクトルがV字形状になり、可視光領域において短波長域長波長域の反射率が高くなることで、反射防止フィルムに色味が発生するという問題があった。

0005

一方、特許文献3には、透明フィルム基材上に金属酸化物を含有させた帯電防止層を形成し、その上にハードコート層を形成し、更にその上に低屈折率層を形成して反射防止フィルムを作製する方法が記載されている。しかしながら、このような層構成にすることによって色味の抑制効果は認められるものの、帯電防止層より表面側に導電性を有さないハードコート層が存在するために、実際には帯電防止性能が不十分であるという問題があった。

0006

また、近年、PDPやLCDのような画像表示装置は、家庭電化製品としての普及が進むにしたがってディスプレイの使用環境が様々になってきており、低い反射率や高い表面強度のみならず、従来以上に環境変化に対する耐久性、特に耐光性の優れた光学フィルムが求められている。

0007

特許文献4には、低反射率高耐久性両立のためにシリカゾル含フッ素アクリレート化合物を主成分とする低屈折率層を形成して反射防止フィルムを作製する方法が記載されている。しかしながら、このようなラジカル重合性のUVモノマーからなる低屈折率層は、同じくラジカル重合性のUVモノマーからなるハードコート層との密着性が悪くなる傾向があり、特に、耐光性試験を実施すると大きく密着性が低下するという問題があった。

0008

更に、特許文献5及び6には、帯電防止層と低屈折率層を所謂ゾルゲル法によって形成する方法が記載されている。しかし、ハードコート層との十分な密着性を確保するためには、ハードコート層にアルカリ浸漬などの表面処理を施さねばならず、大掛かりな設備が必要であったり、処理時間が長くかかるために生産性が悪く、大量生産に適さないという欠点があった。
特開2002−267804号公報
特開2006−35624号公報
特開2005−290230号公報
特開2005−89536号公報
特開2005−199707号公報
特開2005−202389号公報

発明が解決しようとする課題

0009

従って、本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、色味の発生が無く、帯電防止性や密着性に優れ、特に耐光性試験後も優れた密着性を有する反射防止フィルム、これを用いた偏光板、画像表示装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明の上記課題は以下の構成により達成される。

0011

1.透明フィルム基材上に、帯電防止層と低屈折率層をこの順で積層してなる反射防止フィルムであって、該帯電防止層は導電剤電離放射線硬化型樹脂を含有し、膜厚6〜15μmに設定される層であり、該低屈折率層は外殻層を有しかつ内部が多孔質または空洞である中空シリカ系粒子を少なくとも1種と、カチオン重合性化合物を含有し、屈折率1.30〜1.37に設定される層であって、更に、5度入射における鏡面反射率が、450〜650nmの波長域において1.5%以下であり、かつ、380〜780nmの波長域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*、b*値がそれぞれ0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内にあることを特徴とする反射防止フィルム。

0012

2.前記a*、b*値が、下記耐光性試験後、0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内にあり、かつ、前記耐光性試験後のJIS K 5600−5−6に記載のクロスカット密着試験において、影響を受ける面積が5%以下であることを特徴とする前記1に記載の反射防止フィルム。

0013

耐光性試験:キセノンランプにより、光量100W/m2、波長300〜400nm、ブラックパネル温度50℃、湿度65%RH、試験時間2000時間の条件でフィルム試料紫外線照射する。

0014

3.前記a*、b*値がそれぞれ0≦a*≦3、かつ、−3≦b*≦3の範囲内にあることを特徴とする前記1または2に記載の反射防止フィルム。

0015

4.前記導電剤が金属酸化物粒子であり、前記電離放射線硬化型樹脂が分子中に重合可能不飽和結合を2個以上有するアクリル系化合物であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。

0016

5.前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物またはオキセタン化合物であることを特徴とする前記1〜4のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。

0017

6.前記透明フィルム基材が、セルロースエステル樹脂を含有することを特徴とする、前記1〜5のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。

0018

7.前記透明フィルム基材が、セルロースエステル樹脂及びアクリル樹脂を含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。

0019

8.前記透明フィルム基材が、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂及びアクリル粒子を含有することを特徴とする前記1〜7のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。

0020

9.前記1〜8のいずれか一項に記載の反射防止フィルムを一方の面に用いることを特徴とする偏光板。

0021

10.前記1〜8のいずれか一項に記載の反射防止フィルム、または前記9に記載の偏光板を用いることを特徴とする画像表示装置。

発明の効果

0022

本発明の反射防止フィルムは、5度入射における鏡面反射率が、450〜650nmの波長域において1.5%以下であるため、画像表示装置に適用したとき、反射光の映り込みによる視認性の悪化が防止される。更に、380〜780nmの波長域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*、b*値がそれぞれ0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内にあるため、表示装置に向かう使用者の背面の蛍光灯等、輝度の高い光源が映り込んだ際にも青や赤に着色して見えることが無く、表示品位の低下が非常に少ない。また、帯電防止性に優れる他、耐光性試験後も密着性に優れ、色味の変化も少ないことから、長期間の過酷な条件下での使用にも耐え得る反射防止フィルム、及び偏光板、画像表示装置を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0024

本発明の反射防止フィルムは、透明フィルム基材上に、帯電防止層と低屈折率層をこの順で積層してなる反射防止フィルムであって、該帯電防止層は導電剤と電離放射線硬化型樹脂を含有し、膜厚6〜15μmに設定される層であり、該低屈折率層は外殻層を有しかつ内部が多孔質または空洞である中空シリカ系粒子を少なくとも1種と、カチオン重合性化合物を含有し、屈折率1.30〜1.37に設定される層であって、更に、5度入射における鏡面反射率が、450〜650nmの波長域において1.5%以下であり、かつ、380〜780nmの波長域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*、b*値がそれぞれ0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内にあることを特徴とする。

0025

本発明による反射防止フィルムは、5度入射における鏡面反射率が、450〜650nmの波長域において1.5%以下であることによって、画像表示装置表面での外光反射による視認性の悪化が充分なレベルで防止される。また、380〜780nmの波長域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*値、b*値がそれぞれ0≦a*≦5、かつ、−5≦b*≦5の範囲内とすることによって、従来の反射防止フィルムで問題となっていた青味赤味を帯びた紫色の反射光の色味が低減され、画像表示装置に蛍光灯などの輝度の高い光源が映り込んだ際にも色味がニュートラルで、表示品位の低下が非常に少ない。

0026

鏡面反射率及び色味の測定は、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターRV−474を装着して、380〜780nmの波長域において、入射角5度における正反射率を測定し、得られた反射スペクトルから450〜650nmの反射率を算出することによって、反射防止特性を評価することができる。更に、測定された反射スペクトルから、CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味CIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射光の色味を評価することができる。

0027

更に、本発明の反射防止フィルムは、上記のように反射光の色味を低減したことにより、反射防止層の膜厚ムラに起因する反射光の色味ムラも大幅に低減される。即ち、膜厚ムラの許容範囲が広がることになり、製造得率が上がりコストの更なる低減が可能となる。

0028

また、低屈折率層にカチオン重合性化合物を含むことによって、帯電防止層と低屈折率層の密着性が非常に優れており、長期間の過酷な条件下での使用を想定した耐光性試験にも耐え得る反射防止フィルムを提供することが可能となる。

0029

即ち、前記耐光性試験後のJIS K 5600−5−6に記載のクロスカット法密着試験において、影響を受ける面積が5%以下であることを特徴とする。

0030

上記クロスカット法密着試験は、例えば、耐光性試験後のフィルムカッターを用いて縦横mm幅の傷を11本ずつ入れて1mm四方正方形を100個作り(クロスカット)、そのクロスカットに市販の接着テープ圧着して3〜5回程度の剥離試験を行い、剥離したマス目個数平均面積を求める。この面積比率が小さいほど、密着性が良好で好ましいことを示す。

0031

また、前記透明フィルム基材は、セルロースエステル樹脂、またはセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂、更にセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂とアクリル粒子を含有することで、帯電防止層に対して更に優れた密着性を有する基材を提供することが可能となる。

0032

以下、本発明を詳細に説明する。

0033

<帯電防止層>
まず、帯電防止層について説明する。

0034

本発明による反射防止フィルムの帯電防止層は、傷付き防止のためのハードコート性も有しており、導電剤と電離放射線硬化型樹脂を含有し、膜厚6〜15μmに設定される層である。また、帯電防止層の屈折率としては、波長550nm測定で、1.45〜1.60の範囲であることが好ましい。更に、帯電防止層は、表面比抵抗が1013Ω/cm2(25℃、55%RH)以下に調整された層であることが好ましい。更に好ましくは、1010Ω/cm2(25℃、55%RH)以下であり、特に好ましくは、109Ω/cm2(25℃、55%RH)以下である。

0035

ここで、表面比抵抗の測定は、試料を25℃、55%RHの条件にて24時間調湿し、抵抗率計を用いて測定した値である。また、抵抗率計装置としては、例えば三菱化学株式会社製ハイレスタUPMCPHT450を用いることができる。

0036

また、本発明による帯電防止層における導電剤としては、金属酸化物粒子またはπ共役系導電性ポリマーが好ましい。

0037

電離放射線硬化型樹脂について説明する。

0038

電離放射線硬化型樹脂とは、紫外線電子線のような活性線(以下、活性エネルギー線ともいう。)照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。電離放射線硬化型樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて電離放射線硬化樹脂層が形成される。電離放射線硬化型樹脂としては紫外線硬化性樹脂電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が機械的膜強度(耐擦傷性鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。

0039

本発明では、前記電離放射線硬化型樹脂が分子中に重合可能な不飽和結合を2個以上有するアクリル系化合物であることが好ましい。

0040

紫外線硬化性樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/またはメタクロイルオキシ基を有する化合物である。

0041

多官能アクリレートのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジアクリレートジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートトリメチロールプロパントリアクリレートトリメチロールエタントリアクリレートテトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートペンタエリスリトールテトラアクリレートグリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチルイソシアヌレートエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、イソボロニルアクリレート等が好ましく挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。

0042

電離放射線硬化型樹脂の添加量は、帯電防止層形成組成物中(以下、帯電防止層塗布液とも言う。)では、固形分中の15質量%以上80質量%未満であることが好ましい。

0043

また、帯電防止層には電離放射線硬化型樹脂の硬化促進のため、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤量としては、質量比で、光重合開始剤:電離放射線硬化型樹脂=20:100〜0.01:100で含有することが好ましい。

0044

光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノンベンゾフェノンヒドロキシベンゾフェノンミヒラーケトン、α−アミロキシエステルチオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。

0045

次に、導電剤について説明する。本発明による帯電防止層における導電剤としては、金属酸化物粒子またはπ共役系導電性ポリマーが好ましい。

0046

まず、金属酸化物粒子について説明する。

0047

金属酸化物粒子の種類は特に限定されるものではなく、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSから選択される少なくとも一種元素を有する金属酸化物を用いることができる。また、これらの金属酸化物粒子はAl、In、Sn、Sb、Nb、ハロゲン元素、Taなどの微量の原子をドープしてあっても良い。また、これらの混合物でもよい。本発明においては、酸化アンチモン酸化スズ酸化亜鉛スズ含有酸化インジウム(ITO)、アンチモン含有酸化スズATO)、リン含有酸化スズ(PTO)及びアンチモン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物粒子を主成分として用いることが好ましい。特に、リン含有酸化スズ(PTO)或いはアンチモン酸亜鉛粒子のいずれかを含有することが好ましい。

0048

これら金属酸化物粒子の一次粒子平均粒子径は10nm〜200nmの範囲であり、20〜150nmであることがより好ましく、30〜100nmであることが特に好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。また、動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。粒径が小さ過ぎると凝集しやすくなり、分散性劣化する。粒径が大き過ぎるとヘイズが著しく上昇し好ましくない。金属酸化物粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、針状或いは不定形状であることが好ましい。

0049

金属酸化物粒子は有機化合物により表面処理してもよい。金属酸化物粒子の表面を有機化合物で表面修飾することによって、有機溶媒中での分散安定性が向上し、分散粒径の制御が容易になるとともに、経時での凝集、沈降を抑えることもできる。このため、好ましい有機化合物での表面修飾量は金属酸化物粒子に対して0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオールアルカノールアミンステアリン酸シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。この中でも後述するシランカップリング剤が好ましい。2種以上の表面処理を組み合わせてもよい。

0050

金属酸化物粒子は、媒体に分散した分散体の状態で、帯電防止層を形成するための塗布液に供される。金属酸化物粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例、メタノールエタノールイソプロパノールブタノールベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノン)、ケトンアルコール(例、ジアセトンアルコール)、エステル(例、酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピル酢酸ブチル蟻酸メチル蟻酸エチル蟻酸プロピル蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサンシクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライドクロロホルム四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼントルエンキシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテルジオキサンテトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール及びイソプロパノールが特に好ましい。

0051

また金属酸化物粒子は、分散機を用いて媒体中に分散することができる。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミルアトライター及びコロイドミルが挙げられる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例としては、ボールミル三本ロールミルニーダー及びエクストルーダーが挙げられる。分散剤を含有させることも好ましい。

0052

更にコアシェル構造を有する金属酸化物粒子を含有させてもよい。シェルはコアの周りに1層形成させてもよいし、耐光性を更に向上させるために複数層形成させてもよい。コアは、シェルにより完全に被覆されていることが好ましい。

0053

次に、π共役系導電性ポリマーについて説明する。

0054

本発明において使用するπ共役系導電性ポリマーは、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用することができる。例えば、ポリチオフェン類ポリピロール類ポリアニリン類ポリフェニレン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体が挙げられる。重合の容易さや安定性の点からは、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類が好ましい。

0055

π共役系導電性ポリマーは、無置換のままでも十分な導電性やバインダー樹脂への溶解性が得られるが、導電性や溶解性をより高めるために、アルキル基カルボキシ基スルホ基アルコキシ基ヒドロキシ基シアノ基等の官能基を導入してもよい。

0056

このようなπ共役系導電性ポリマーの具体例としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−オクチチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−N−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でも良いし、2種からなる共重合体でも好適に用いることができる。

0057

これらのπ共役系導電性ポリマーには、ドーパント成分が添加されていても良い。ドーパント成分としては、例えば、ハロゲン類ルイス酸プロトン酸遷移金属ハライドなどの低分子量ドーパントや、ポリアニオンのようなポリマー等が挙げられる。

0058

ポリアニオンとは、π共役系導電性ポリマーに対するドーパントとして機能するアニオン基を有する高分子であり、置換もしくは未置換のポリアルキレン、置換もしくは未置換のポリアルケニレン、置換もしくは未置換のポリイミド、置換もしくは未置換のポリアミド、置換もしくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位からなるものである。

0059

ポリアルキレンとは主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーであり、例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセンポリビニルアルコールポリビニルフェノールポリアクリロニトリルポリアクリレートポリスチレン等が挙げられる。

0060

ポリアルケニレンとは主鎖に不飽和結合が1個以上含まれる構成単位からなるポリマーであり、例えば、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる1種以上の構成単位を含む重合体が挙げられる。

0061

ポリイミドとしてはピロメリット酸二無水物ビフェニルテトラカルボン酸二無水物ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2’−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の無水物と、オキシジアミンパラフェニレンジアミンメタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからなるポリイミドが挙げられる。

0062

ポリアミドとしてはポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等が挙げられる。

0063

ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。

0064

ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性ポリマーへの化学酸化ドープが起こりうる官能基であれば良いが、製造の容易さや安定性の観点から、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。更に、官能基のπ共役系導電性ポリマーへのドープ効果の観点から、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。

0065

ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸ポリスチレンスルホン酸ポリアリルスルホン酸ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体でも良く、2種以上の共重合体でも良い。これらのうち、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、バインダー樹脂との相溶性が高く、得られる導電層の導電性をより高めることができる。

0066

本発明においては、ポリアニオンの他にも、π共役系導電性ポリマーを酸化還元することができれば、以下のようなドナー性或いはアクセプタ性のドーパントを用いることができる。

0068

アクセプタ性ドーパントとしては、Cl2、Br2、I2、ICl、IBr、IF等のハロゲン化合物PF5、AsF5、SbF5、BF5、BCl5、BBr5、SO3等のルイス酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイドテトラシアノベンゼンジクロロジシアノベンゾキノンテトラシアノキノジメタン、テトラシアノアナフタレン等の有機シアノ化合物、プロトン酸、有機金属化合物フラーレン水素化フラーレン水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレン等を使用できる。

0069

プロトン酸としては無機酸、有機酸が挙げられる。無機酸としては、例えば塩酸硫酸硝酸リン酸フッ化水素酸過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、有機カルボン酸有機スルホン酸等が挙げられる。

0070

有機カルボン酸としては、脂肪族芳香族環状脂肪族等にカルボキシ基を1つまたは2つ以上を含むものを使用できる。例えば、ギ酸酢酸シュウ酸安息香酸フタル酸マレイン酸フマル酸マロン酸酒石酸クエン酸乳酸コハク酸モノクロロ酢酸ジクロロ酢酸トリクロロ酢酸トリフルオロ酢酸ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。

0071

有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホ基を1つまたは2つ以上含むもの、またはスルホ基を含む高分子を使用できる。

0072

スルホ基を1つ含むものとしては、例えば、メタンスルホン酸エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸トリフルオロエタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸アルキルベンゼンスルホン酸p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、アントラキノンスルホン酸、ピレンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。

0073

スルホ基を2つ以上含むものとしては、例えば、エタンジスルホン酸ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸、1−アセトアミド−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオシアノトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−マレイミジルスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。

0074

また、導電剤として、イオン性化合物を含有しても良い。イオン性化合物としては、イミダゾリウム系、ピリジウム系、脂環式アミン系脂肪族アミン系、脂肪族ホスホニウム系の陽イオンとBF4−、PF6−等の無機イオン系、CF3SO2−、(CF3SO2)2N−、CF3CO2−等のフッ素系の陰イオンとからなる化合物等が挙げられる。

0075

導電剤は、バインダーとして用いられる電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜300質量部が好ましく、更に好ましくは0.1質量部〜100質量部である。

0076

帯電防止層には、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等のバインダーを用いることもできる。また、帯電防止層には滑り性や屈折率を調整するために無機化合物または有機化合物の粒子を含んでもよい。

0077

無機微粒子としては、酸化珪素酸化チタン酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム酸化マグネシウム炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルククレイ焼成カオリン焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。特に、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が好ましく用いられる。

0078

また、有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、またはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を添加することができる。好ましい微粒子は、架橋ポリスチレン粒子(例えば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(例えば、綜研化学製MX150、MX300)、フッ素含有アクリル樹脂微粒子が挙げられる。フッ素含有アクリル樹脂微粒子としては、例えば日本ペイント製:FS−701等の市販品が挙げられる。また、アクリル粒子として、例えば日本ペイント製:S−4000、アクリルスチレン粒子として、例えば日本ペイント製:S−1200、MG−251等が挙げられる。

0079

これらの微粒子粉末平均粒径は特に制限されないが、以下に記載する防眩性を示さない点から、0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下であって、特に好ましくは0.001〜0.1μmである。

0080

微粒子の平均粒径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。

0081

また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有しても良い。紫外線硬化性樹脂と微粒子の割合は、樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。

0082

また、帯電防止層はグラビアコーターディップコーターリバースコーターワイヤーバーコーター、ダイコーターインクジェット法等公知の方法を用いて、帯電防止層を形成する塗布組成物を塗布し、塗布後、加熱乾燥し、UV硬化処理することで形成できる。塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmが適当で、好ましくは、0.5〜30μmである。また、ドライ膜厚としては平均膜厚0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm、特に好ましくは6〜15μmである。

0083

UV硬化処理の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯中圧水銀灯高圧水銀灯超高圧水銀灯カーボンアーク灯メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2、好ましくは5〜200mJ/cm2である。

0084

また、活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、更に好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。付与する張力は30〜300N/mが好ましい。張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよく、テンターにて幅方向、または2軸方向に張力を付与してもよい。これによって更に平面性優れたフィルムを得ることができる。

0085

帯電防止層を形成する塗布組成物には溶媒が含まれていてもよい。塗布組成物に含有される有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒からも適宜選択し、またはこれらを混合し利用できる。

0086

有機溶媒としては、プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)またはプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)等が好ましい。また、有機溶媒の含有量としては塗布組成物中、5〜80質量%が好ましい。

0087

更に帯電防止層には、後述する低屈折率層で記載した下記のシリコーン系界面活性剤或いはポリオキシエーテル化合物を含有させることが好ましい。これらは塗布性を高める。また、これら成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.01〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。

0088

ポリオキシエーテル化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキルフェニルエーテル化合物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの市販品としては、エマルゲン1108、エマルゲン1118S−70(以上、花王社製)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの市販品としては、エマルゲン103、エマルゲン104P、エマルゲン105、エマルゲン106、エマルゲン108、エマルゲン109P、エマルゲン120、エマルゲン123P、エマルゲン147、エマルゲン150、エマルゲン130K(以上、花王社製)、ポリオキシエチレンセチルエーテルの市販品としては、エマルゲン210P、エマルゲン220(以上、花王社製)、ポリオキシエチレンステアリルエーテルの市販品としては、エマルゲン220、エマルゲン306P(以上、花王社製)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの市販品としては、エマルゲンLS−106、エマルゲンLS−110、エマルゲンLS−114、エマルゲンMS−110(以上、花王社製)ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルの市販品としては、エマルゲン705,エマルゲン707、エマルゲン709等が挙げられる。

0089

これら非イオン性のポリオキシエーテル化合物の中でも好ましくは、ポリオキシエチレンオレイルエーテル化合物であり、下記の一般式(1)で表される化合物である。

0090

C18H35−O(C2H4O)nH ・・・(1)
式中、nは2〜40を表す。

0091

オレイル部分に対するエチレンオキシドの平均付加個数(n)は、2〜40であり、好ましくは2〜10である。また、上記一般式(1)の化合物はエチレンオキシドとオレイルアルコールとを反応させて得られる。

0092

具体的商品としては、エマルゲン404〔ポリオキシエチレン(4)オレイルエーテル〕、エマルゲン408〔ポリオキシエチレン(8)オレイルエーテル〕、エマルゲン409P〔ポリオキシエチレン(9)オレイルエーテル〕、エマルゲン420〔ポリオキシエチレン(13)オレイルエーテル〕、エマルゲン430〔ポリオキシエチレン(30)オレイルエーテル〕(以上、花王社製)、日本油脂社製NOFABLEEAO−9905(ポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル)等が挙げられる。なお、( )がnの数字を表す。

0093

ポリオキシエーテル化合物は単独或いは2種以上を併用しても良い。

0094

帯電防止層中のポリオキシエーテル化合物やシリコーン界面活性剤の好ましい含有量は、両者の総含有量で0.1〜8.0質量%が好ましく、更に好ましくは、0.2〜4.0質量%であり、該範囲で添加することで帯電防止層の中で安定に存在する。

0095

また、フッ素界面活性剤アクリル系共重合物アセチレングリコール系化合物または非イオン性界面活性剤、ラジカル重合性の非イオン性界面活性剤等を併用しても良い。

0096

非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレート等のポリオキシアルキルエステル化合物ソルビタンモノラウレートソルビタンモノステアレートソルビタンモノオレート等のソルビタンエステル化合物、等が挙げられる。

0097

アセチレングリコール系化合物としてはサーフィノール104E、サーフィノール104PA、サーフィノール420、サーフィノール440、ダイノール604(以上、日信化学工業株式会社製)などが挙げられる。

0098

ラジカル重合性の非イオン性界面活性剤としては、例えば、RMA−564、RMA−568、RMA−1114(以上、商品名、日本乳化剤株式会社製)等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(メタ)アクリレート系重合性界面活性剤などを挙げることができる。

0099

また、帯電防止層は、硬化助剤として多官能チオール化合物を含有しても良く、例えば1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。また、市販品としては昭和電工製商品カレンMTシリーズ等が挙げられる。多官能チオール化合物は、紫外線硬化性樹脂100質量部に対して、0.01〜50質量部の範囲で添加されることが好ましく、更に好ましくは0.05〜30質量部である。この範囲で添加することで、硬化助剤として好適に作用し、また、帯電防止層の中でも安定に存在する。

0100

帯電防止層は、2層以上の重層構造を有していてもよい。その中の1層は例えば金属酸化物粒子を含有しない、いわゆるクリアハードコート層としてもよいし、また、種々の表示素子に対する色補正用フィルターとして色調調整機能を有する色調調整剤染料もしくは顔料等)を含有させてもよいし、また電磁波遮断剤または赤外線吸収剤等を含有させそれぞれの機能を有するようにしてもよい。

0101

<低屈折率層>
次に、低屈折率層について説明する。本発明における低屈折率層は、外殻層を有しかつ内部が多孔質または空洞である中空シリカ系粒子を少なくとも1種と、カチオン重合性化合物を含有することを特徴とする。

0102

また、低屈折率層とは透明フィルム基材の屈折率よりも低い層をいう。具体的な屈折率としては、23℃、波長550nmで1.20〜1.45の範囲のものが好ましく、1.25〜1.40の範囲のものが更に好ましく、1.30〜1.37の範囲のものが特に好ましい。また、低屈折率層の膜厚は、光学干渉層としての特性から、5nm〜0.5μmが好ましく、10nm〜0.3μmがより好ましく、30nm〜0.2μmであることが更に好ましい。

0103

コーティングによって形成される低屈折率層は、有機珪素化合物もしくはその加水分解物或いはその重縮合物、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレートジアセチルセルローストリアセチルセルロースニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂フルオロアクリレート含フッ素ポリマー等から形成される。フッ素ポリマーとしては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレンビニリデンフルオライドテトラフルオロエチレンパーフルオロオクチルエチレンヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコートFM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。これらの中で好ましくは、炭素数が1〜4の有機珪素化合物もしくはその加水分解物或いはその重縮合物であり、具体的には、テトラメトキシシランテトラエトキシシランテトラブトキシシラン等もしくはこれらの加水分解物或いは重縮合物が挙げられる。

0104

(カチオン重合性化合物)
また、本発明の低屈折率層は、カチオン重合性化合物を含有することが密着性の観点で必要である。カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、フェノール化合物アルデヒド化合物ビニルエーテル化合物スチレン化合物環状エーテル化合物ラクトン化合物エピスルフィド化合物シリコーン類等周知の化合物が挙げられ、特に含フッ素エポキシ化合物含フッ素オキセタン化合物が好ましく用いられる。

0105

エポキシ基またはビニルエーテル基を有するカチオン重合性化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテルエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテルビニルシクロヘキセンジオキサイドリモネンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランジエチレングリコールジビニルエーテルポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ化合物としては、ポリマー化合物も使用することができ、例えば、特開平7−247313号公報に開示されている手法で合成することができる。

0106

また、カチオン重合性化合物として、オキセタン化合物も挙げることができる。オキセタン化合物としては、分子中に少なくとも1個のオキセタン環を有する化合物で有ればよく、このようなオキセタン化合物としては、種々のものが使用できるが、好ましい化合物として、下記の一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)の化合物である。

0107

0108

(式中、R7は、水素、フッ素、アルキル基、フルオロアルキル基アリル基アリール基又はフリル基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは酸素又は硫黄を表し、R8はmの値に応じて1〜4価の有機基を表す。)

0109

0110

(式中、R9及びR10は各々独立して、水素、フッ素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基又はフリル基を表す。)

0111

0112

(式中、R11は、水素、フッ素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基又はフリル基を表し、R12は水素又は不活性な1価の有機基を表し、R13は加水分解可能な官能基を表し、nは1〜5の整数を表し、pは0〜2の整数を表す。)
上記一般式(I)〜(III)において、R7、R9、R10、R11がアルキル基の場合、その炭素数は1〜6程度であることができ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどが挙げられる。またフルオロアルキル基も、炭素数1〜6程度であることができる。更にアリール基は、典型的にはフェニル又はナフチルであり、これらは他の基で置換されていてもよい。

0113

また、上記一般式(I)においてR8で表される有機基は、特に限定されないが、例えば、mが1の場合は、アルキル基、フェニル基などが、mが2の場合は、炭素数1〜12の直鎖又は分枝アルキレン基、直鎖又は分枝状のポリ(アルキレンオキシ)基などが、mが3又は4の場合は、類似の多価官能基が挙げられる。

0114

上記一般式(II)においてR12で表される不活性な1価の有機基として、典型的には炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、またR13で表される加水分解可能な官能基としては、例えば、メトキシやエトキシなどを包含する炭素数1〜5のアルコキシ基、塩素原子臭素原子のようなハロゲン原子などが挙げられる。

0115

更に、必要に応じて水素結合形成基を有するモノマーを含む(共)重合体で、主鎖や側鎖にオキセタニル基を有する数平均分子量が2万以上の反応性ポリマーなども使用できる。また、下記一般式で示されるような含フッ素のビニルエーテル化合物を用いても良い。

0116

CH2=CH−O−(CH2)a−O−(CH2)b−Rf−(CH2)b−O−(CH2)a−O−CH=CH2
(式中、Rfはフッ素含有アルキル基、aは1〜2、bは0〜3の整数を表す。Rfは直鎖或いは分枝のアルキル基のいずれであってもよい。)
具体的化合物としては次にのとおりである。

0117

CH2=CH−O−CH2−O−(CF2)k−O−CH2−O−CH=CH2
CH2=CH−O−CH2−O−CH2−(CF2)k−CH2−O−CH2−O−CH=CH2
CH2=CH−O−CH2−O−(CH2)2−(CF2)k−(CH2)2−O−CH2−O−CH=CH2
CH2=CH−O−CH2−O−(CH2)3−(CF2)k−(CH2)3−O−CH2−O−CH=CH2
CH2=CH−O−(CH2)2−O−(CF2)k−O−(CH2)2−O−CH=CH2
CH2=CH−O−(CH2)2−O−CH2−(CF2)k−CH2−O−(CH2)2−O−CH=CH2
CH2=CH−O−(CH2)2−O−(CH2)2−(CF2)k−(CH2)2−O−(CH2)2−O−CH=CH2
CH2=CH−O−(CH2)2−O−(CH2)3−(CF2)k−(CH2)3−O−(CH2)2−O−CH=CH2
上記において、kは好ましくは2以上12以下の整数であり、更に好ましくは、kが4以上10以である。上記含フッ素のビニルエーテル化合物は、含フッ素ジアルコール体ハロゲン基をもつビニルエーテルアルカリ触媒下で反応させることによって製造することができる。また、含フッ素エポキシ化合物を含有してもよく、例えば特開平11−309830号公報の一般式(1)〜(4)に記載の化合物を用いることができる。具体的には以下に示す含フッ素エポキシ化合物1〜4の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。

0118

含フッ素エポキシ化合物1

0119

0120

含フッ素エポキシ化合物2

0121

0122

含フッ素エポキシ化合物3

0123

0124

含フッ素エポキシ化合物4

0125

0126

その他、特開2007−254650号公報段落番号[116]〜[126]に記載の化合物を挙げることもできる。

0127

上記したカチオン重合性化合物は、低屈折率層組成物では固形分中の15質量%以上70質量%未満であることが、低屈折率層組成物の安定性の点から、好ましい。

0128

カチオン重合促進剤)
カチオン重合性化合物の重合を促進する化合物として、公知の酸や光酸発生剤を挙げることができる。光酸発生剤としては、カチオン重合の光開始剤色素類の光消色剤、光変色剤、或いは、マイクロレジスト等に使用されている公知の化合物及びそれらの混合物等が挙げられる。具体的には、例えば、オニウム化合物有機ハロゲン化合物ジスルホン化合物が挙げられ、好ましくは、オニウム化合物である。オニウム化合物としては、以下の各式に示されるジアゾニウム塩スルホニウム塩ヨードニウム塩などが好適に使用される。

0129

ArN2+Z−、
(R)3S+Z−、
(R)2I+Z−
式中、Arはアリール基を表し、Rはアリール基又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、一分子内にRが複数回現れる場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Z−は非塩基性でかつ非求核性の陰イオンを表す。

0130

上記各式において、Ar又はRで表されるアリール基も、典型的にはフェニルやナフチルであり、これらは適当な基で置換されていてもよい。また、Z−で表される陰イオンとして具体的には、テトラフルオロボレートイオン(BF4−)、テトラキス(ペンタフルオロフェニルボレートイオン(B(C6F5)4−)、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6−)、ヘキサフルオロアーセネートイオン(AsF6−)、ヘキサフルオロアンチモネートイオン(SbF6−)、ヘキサクロロアンチモネートイオン(SbCl6−)、硫酸水素イオン(HSO4−)、過塩素酸イオン(ClO4−)などが挙げられる。

0131

その他のオニウム化合物としては、アンモニウム塩イミニウム塩ホスホニウム塩アルソニウム塩セレノニウム塩、ホウ素塩等が挙げられ、例えば特開2002−29162号公報の段落番号[0058]〜[0059]に記載の化合物等が挙げられる。

0132

中でも、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、イミニウム塩が、化合物の素材安定性等の点から好ましい。

0133

好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、例えば、特開平9−268205号公報の段落番号[0035]に記載のアミル化されたスルホニウム塩、特開2000−71366号公報の段落番号[0010]〜[0011]に記載のジアリールヨードニウム塩又はトリアリールスルホニウム塩、特開2001−288205号公報の段落番号[0017]に記載のチオ安息香酸S−フェニルエステルのスルホニウム塩、特開2001−133696号公報の段落番号[0030]〜[0033]に記載のオニウム塩等が挙げられる。

0134

酸発生剤の他の例としては、特開2002−29162号公報の段落番号[0059]〜[0062]に記載の有機金属有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル保護基を有する光酸発生剤、光分解してスルホン酸を発生する化合物(イミノスルフォネート等)等の化合物が挙げられる。これら化合物の多くは市販されているので、そのような市販品を用いることができる。市販の開始剤としては、例えば、ダウケミカル日本(株)から販売されている“サイラキュアUVI−6990”(商品名)、各々(株)ADEKAから販売されている“アデカオプトマーSP−150”(商品名)、アデカオプトマーSP−300”(商品名)、ローディアジパン(株)から販売されている“RHODORSILPHOTOINITIAOR2074”(商品名)などが挙げられる。

0135

酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、又は酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸パラトルエンスルホン酸等の有機酸等のブレンステッド酸ジブチル錫ジラウレートジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジオクテート、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタネート等のルイス酸が挙げられる。

0136

ピロメリット酸無水ピロメリット酸トリメリット酸無水トリメリット酸、フタル酸、無水フタル酸などの芳香族多価カルボン酸又はその無水物やマレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸などの脂肪族多価カルボン酸又はその無水物なども挙げられる。

0137

酸としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0138

これらの酸や光酸発生剤は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、0.1〜20質量部の割合が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量部の割合で添加することである。添加量が上記範囲において、硬化性組成物の安定性、重合反応性等から好ましい。

0139

(中空シリカ系粒子)
次に、外殻層を有しかつ内部が多孔質または空洞である中空シリカ系粒子について説明する。

0140

外殻層を有しかつ内部が多孔質または空洞である中空シリカ系粒子の具体例としては、(1)多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層からなる複合粒子、または(2)内部に空洞を有し、かつ内容物が溶媒、気体または多孔質物質充填された空洞粒子である。

0141

なお、空洞粒子は、内部に空洞を有する粒子であり、空洞は粒子壁で囲まれている。空洞内には、調製時に使用した溶媒、気体または多孔質物質等の内容物で充填されている。このような中空シリカ系粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは10〜70nmが望ましい。中空シリカ系粒子の粒径は変動係数が1〜40%の単分散であることが好ましい。

0142

本発明において、用いられる中空シリカ系粒子の平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。

0143

本発明で使用する中空シリカ系粒子の平均粒径は、形成される低屈折率層の透明被膜の厚さに応じて適宜選択され、透明被膜の膜厚の3/2〜1/10、好ましくは2/3〜1/10が望ましい。これらの中空シリカ系粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。

0144

分散媒としては、水、アルコール(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)、及びケトン(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、ケトンアルコール(例えばジアセトンアルコール)、プロピレンモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好ましい。

0145

複合粒子の被覆層の厚さまたは空洞粒子の粒子壁の厚さは、1〜40nm、好ましくは1〜20nm、更に好ましくは2〜15nmが望ましい。複合粒子の場合、被覆層の厚さが1nm未満の場合は、粒子を完全に被覆することができないことがあり、塗布液成分が容易に複合粒子の内部に進入して内部の多孔性が減少し、低屈折率化の効果が十分得られないことがある。また、被覆層の厚さが20nmを越えると、塗布液成分が内部に進入することはないが、複合粒子の多孔性(細孔容積)が低下し低屈折率化の効果が十分得られなくなることがある。また空洞粒子の場合、粒子壁の厚さが1nm未満の場合は、粒子形状を維持できないことがあり、また厚さが20nmを越えても、低屈折率化の効果が十分に現れないことがある。

0146

複合粒子の被覆層または空洞粒子の粒子壁は、シリカを主成分とすることが好ましい。また、シリカ以外の成分が含まれていてもよく、具体的にはAl2O3、B2O3、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P2O3、Sb2O3、Sb2O5、SbO2、MoO3、ZnO2、WO3等が挙げられる。複合粒子を構成する多孔質粒子としては、シリカからなるもの、シリカとシリカ以外の無機化合物とからなるもの、CaF2、NaF、NaAlF6、MgF等からなるものが挙げられる。このうち特にシリカとシリカ以外の無機化合物との複合酸化物からなる多孔質粒子が好適である。

0147

シリカ以外の無機化合物としては、Al2O3、B2O3、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P2O3、Sb2O3、Sb2O5、SbO2、MoO3、ZnO2、WO3との1種または2種以上を挙げることができる。このような多孔質粒子では、シリカをSiO2で表し、シリカ以外の無機化合物を酸化物換算(MOx)で表したときのモル比:MOx/SiO2が、0.0001〜1.0、好ましくは0.001〜0.3の範囲にあることが望ましい。

0148

多孔質粒子のモル比:MOx/SiO2が、0.0001未満のものは、得ることが困難であり、得られたとしても細孔容積が小さく、屈折率の低い粒子が得られない。また多孔質粒子のモル比:MOx/SiO2が1.0を越えると、シリカの比率が少なくなるので、細孔容積が大きくなり、更に屈折率が低いものを得ることが難しいことがある。

0149

このような多孔質粒子の細孔容積は、0.1〜1.5ml/g、好ましくは0.2〜1.5ml/gの範囲であることが望ましい。細孔容積が0.1ml/g未満では、十分に屈折率の低下した粒子が得られず、1.5ml/gを越えると粒子の強度が低下し、得られる被膜の強度が低下することがある。

0150

なお、このような多孔質粒子の細孔容積は水銀圧入法によって求めることができる。また、空洞粒子の内容物としては、粒子調製時に使用した溶媒、気体、多孔質物質等が挙げられる。溶媒中には空洞粒子調製する際に使用される粒子前駆体未反応物、使用した触媒等が含まれていてもよい。

0151

また多孔質物質としては、多孔質粒子で例示した化合物からなるものが挙げられる。これらの内容物は、単一の成分からなるものであってもよいが、複数成分の混合物であってもよい。

0152

このような中空粒子の製造方法としては、例えば特開平7−133105号公報の段落番号[0010]〜[0033]に開示された複合酸化物コロイド粒子調製方法が好適に採用される。具体的に、複合粒子が、シリカ、シリカ以外の無機化合物とからなる場合、以下の第1工程〜第3工程を実施するこれによって中空粒子を製造することができる。

0153

(第1工程:多孔質粒子前駆体の調製)
第1工程では、予め、シリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料アルカリ水溶液を個別に調製するか、または、シリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料との混合水溶液を調製しておき、この水溶液を目的とする複合酸化物の複合割合に応じて、pH10以上のアルカリ水溶液中に攪拌しながら徐々に添加して多孔質粒子前駆体を調製する。

0154

シリカ原料としては、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基ケイ酸塩を用いる。アルカリ金属のケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム水ガラス)やケイ酸カリウムが用いられる。有機塩基としては、テトラエチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩モノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミン等のアミン類を挙げることができる。なお、アンモニウムのケイ酸塩または有機塩基のケイ酸塩には、ケイ酸液アンモニア、第4級アンモニウム水酸化物アミン化合物等を添加したアルカリ性溶液も含まれる。

0155

また、シリカ以外の無機化合物の原料としては、アルカリ可溶の無機化合物が用いられる。具体的には、Al、B、Ti、Zr、Sn、Ce、P、Sb、Mo、Zn、W等から選ばれる元素のオキソ酸、該オキソ酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩を挙げることができる。より具体的には、アルミン酸ナトリウム四硼酸ナトリウム炭酸ジルコニルアンモニウムアンチモン酸カリウム、錫酸カリウムアルミノケイ酸ナトリウムモリブデン酸ナトリウム硝酸セリウムアンモニウム燐酸ナトリウムが適当である。

0156

これら水溶液の添加と同時に混合水溶液のpH値は変化するが、このpH値を所定の範囲に制御するような操作は特に必要ない。水溶液は、最終的に、無機酸化物の種類、及びその混合割合によって定まるpH値となる。このときの水溶液の添加速度には特に制限はない。また、複合酸化物粒子の製造に際して、シード粒子の分散液を出発原料と使用することも可能である。

0157

当該シード粒子としては、特に制限はないが、SiO2、Al2O3、TiO2、またはZrO2等の無機酸化物またはこれらの複合酸化物の微粒子が用いられ、通常、これらのゾルを用いることができる。更に上記の製造方法によって得られた多孔質粒子前駆体分散液シード粒子分散液としてもよい。

0158

シード粒子分散液を使用する場合、シード粒子分散液のpHを10以上に調整した後、該シード粒子分散液中に上記化合物の水溶液を、アルカリ水溶液中に攪拌しながら添加する。この場合も、必ずしも分散液のpH制御を行う必要はない。このようにしてシード粒子を用いると、調製する多孔質粒子の粒径コントロールが容易であり、粒度の揃ったものを得ることができる。

0159

上記したシリカ原料、及び無機化合物原料は、アルカリ側で高い溶解度を有する。しかしながら、この溶解度の大きいpH領域で両者を混合すると、ケイ酸イオン、及びアルミン酸イオン等のオキソ酸イオンの溶解度が低下し、これらの複合物析出して粒子に成長したり、またはシード粒子上に析出して粒子成長が起る。従って、粒子の析出、成長に際して、従来法のようなpH制御は必ずしも行う必要がない。

0160

第1工程におけるシリカとシリカ以外の無機化合物との複合割合は、シリカに対する無機化合物を酸化物(MOx)に換算し、MOx/SiO2のモル比が、0.05〜2.0、好ましくは0.2〜2.0の範囲内にあることが望ましい。この範囲内において、シリカの割合が少なくなる程、多孔質粒子の細孔容積が増大する。しかしながら、モル比が2.0を越えても、多孔質粒子の細孔の容積はほとんど増加しない。他方、モル比が0.05未満の場合は、細孔容積が小さくなる。

0161

空洞粒子を調製する場合、MOx/SiO2のモル比は、0.25〜2.0の範囲内にあることが望ましい。

0162

(第2工程:多孔質粒子からのシリカ以外の無機化合物の除去)
第2工程では、第1工程で得られた多孔質粒子前駆体から、シリカ以外の無機化合物(珪素と酸素以外の元素)の少なくとも一部を選択的に除去する。具体的な除去方法としては、多孔質粒子前駆体中の無機化合物を鉱酸や有機酸を用いて溶解除去したり、または、陽イオン交換樹脂と接触させてイオン交換除去する。

0163

なお、第1工程で得られる多孔質粒子前駆体は、珪素と無機化合物構成元素が酸素を介して結合した網目構造の粒子である。このように多孔質粒子前駆体から無機化合物(珪素と酸素以外の元素)を除去することにより、一層多孔質で細孔容積の大きい多孔質粒子が得られる。また、多孔質粒子前駆体から無機酸化物(珪素と酸素以外の元素)を除去する量を多くすれば、空洞粒子を調製することができる。

0164

また、多孔質粒子前駆体からシリカ以外の無機化合物を除去するに先立って、第1工程で得られる多孔質粒子前駆体分散液に、シリカのアルカリ金属塩を脱アルカリして得られる、フッ素置換アルキル基含有シラン化合物を含有するケイ酸液または加水分解性の有機珪素化合物を添加して、シリカ保護膜を形成することが好ましい。シリカ保護膜の厚さは0.5〜40nm、好ましくは0.5〜15nmの厚さであればよい。なお、シリカ保護膜を形成しても、この工程での保護膜は多孔質であり、厚さが薄いので、上記したシリカ以外の無機化合物を、多孔質粒子前駆体から除去することは可能である。

0165

このようなシリカ保護膜を形成することによって、粒子形状を保持したまま、上記したシリカ以外の無機化合物を、多孔質粒子前駆体から除去することができる。また、後述するシリカ被覆層を形成する際に、多孔質粒子の細孔が被覆層によって閉塞されてしまうことがなく、このため細孔容積を低下させることなく、後述するシリカ被覆層を形成することができる。なお、除去する無機化合物の量が少ない場合は、粒子が壊れることがないので、必ずしも保護膜を形成する必要はない。

0166

また、空洞粒子を調製する場合は、このシリカ保護膜を形成しておくことが望ましい。空洞粒子を調製する際には、無機化合物を除去すると、シリカ保護膜と、シリカ保護膜内の溶媒、未溶解の多孔質固形分とからなる空洞粒子の前駆体が得られ、空洞粒子の前駆体に後述の被覆層を形成すると、形成された被覆層が、粒子壁となり空洞粒子が形成される。

0167

上記シリカ保護膜形成のために添加するシリカ源の量は、粒子形状を保持できる範囲で少ないことが好ましい。シリカ源の量が多すぎると、シリカ保護膜が厚くなりすぎるので、多孔質粒子前駆体からシリカ以外の無機化合物を除去することが困難となることがある。

0168

シリカ保護膜形成用に使用される加水分解性の有機珪素化合物としては、下記の一般式(2)で表されるアルコキシシランを用いることができる。特に、フッ素置換したテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシランが好ましく用いられる。

0169

R”mSi(OR′)4−m ・・・(2)
式中、R”とR′は、アルキル基、アリール基、ビニル基アクリル基等の炭化水素基、mは0、1、2または3を表す。

0170

添加方法としては、これらのアルコキシシラン、純水、及びアルコールの混合溶液に触媒としての少量のアルカリまたは酸を添加した溶液を、多孔質粒子の分散液に加え、アルコキシシラン、純水、及びアルコールの混合溶液に触媒としての少量のアルカリまたは酸を添加した溶液を、多孔質粒子の分散液に加え、アルコキシシランを加水分解して生成したケイ酸重合物無機酸化物粒子の表面に沈着させる。

0171

このとき、アルコキシシラン、アルコール、触媒を同時に分散液中に添加してもよい。アルカリ触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アミン類を用いることができる。また、酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。

0172

多孔質粒子前駆体の分散媒が、水単独、または有機溶媒に対する水の比率が高い場合には、ケイ酸液を用いてシリカ保護膜を形成することも可能である。ケイ酸液を用いる場合には、分散液中にケイ酸液を所定量添加し、同時にアルカリを加えてケイ酸液を多孔質粒子表面に沈着させる。なお、ケイ酸液と上記アルコキシシランを併用してシリカ保護膜を作製してもよい。

0173

(第3工程:シリカ被覆層の形成)
第3工程では、第2工程で調製した多孔質粒子分散液(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体分散液)に、フッ素置換アルキル基含有シラン化合物を含有する加水分解性の有機珪素化合物またはケイ酸液等を加えることにより、粒子の表面を加水分解性有機珪素化合物またはケイ酸液等の重合物で被覆してシリカ被覆層を形成する。

0174

なお、ケイ酸液とは、水ガラス等のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液をイオン交換処理して脱アルカリしたケイ酸の低重合物の水溶液である。

0175

被覆層形成用に使用される有機珪素化合物またはケイ酸液の添加量は、コロイド粒子の表面を十分被覆できる程度であればよく、最終的に得られるシリカ被覆層の厚さが1〜40nm、好ましくは1〜20nmとなるような量で、多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)分散液中で添加される。またシリカ保護膜を形成した場合はシリカ保護膜とシリカ被覆層の合計の厚さが1〜40nm、好ましくは1〜20nmの範囲となるような量で、有機珪素化合物またはケイ酸液は添加される。

0176

ついで、被覆層が形成された粒子の分散液を加熱処理する。加熱処理によって、多孔質粒子の場合は、多孔質粒子表面を被覆したシリカ被覆層が緻密化し、多孔質粒子がシリカ被覆層によって被覆された複合粒子の分散液が得られる。また空洞粒子前駆体の場合、形成された被覆層が緻密化して空洞粒子壁となり、内部が溶媒、気体または多孔質固形分で充填された空洞を有する空洞粒子の分散液が得られる。

0177

このときの加熱処理温度は、シリカ被覆層の微細孔を閉塞できる程度であれば特に制限はなく、80〜300℃の範囲が好ましい。加熱処理温度が80℃未満では、シリカ被覆層の微細孔を完全に閉塞して緻密化できないことがあり、また処理時間に長時間を要してしまうことがある。また加熱処理温度が300℃を越えて長時間処理すると、緻密な粒子となることがあり、低屈折率化の効果が得られないことがある。

0178

このようにして得られた中空シリカ系粒子の屈折率は、1.42未満と低い。このような中空シリカ系粒子は、多孔質粒子内部の多孔性が保持されているか、内部が空洞であるので、屈折率が低くなるものと推察される。

0179

また、塗布組成物に添加したときの安定性の点から中空粒子としては、表面に炭化水素主鎖を有するポリマーが共有結合している中空粒子が好ましい。

0180

次に、炭化水素主鎖を有するポリマーが共有結合している中空粒子について説明する。炭化水素主鎖を有するポリマーとは、直接共有結合、または中空シリカ系粒子の表面のシリカと炭化水素主鎖を有するポリマーとの間に結合剤を介在させ、シリカと結合剤とを共有結合し、結合剤とポリマーとが共有結合しているものも言う。結合剤としては、カップリング剤が好ましく用いられる。

0181

炭化水素主鎖を有するポリマーが共有結合している中空粒子は、(1)中空シリカ系粒子表面を未処理、もしくはカップリング剤などで処理した状態で、中空シリカ系粒子表面と共有結合を形成可能な官能基を有するポリマーを反応させ、中空シリカ系粒子表面にポリマーをグラフトさせる方法、或いは(2)中空シリカ系粒子表面を未処理、もしくはカップリング剤などで処理した状態で、中空シリカ系粒子表面から単量体を重合することでポリマー鎖生長させ、表面グラフトさせる方法等により製造することができる。具体的な製造方法としては、特開2006−257308号公報に記載の方法を用いることができる。

0182

上記製造方法では、表面修飾率向上の観点から、中空シリカ系粒子表面から単量体を重合することでポリマー鎖を生長させ、表面グラフトさせる方法が好ましい。重合開始能、もしくは連鎖移動能を有する官能基を含むカップリング剤で中空シリカ系粒子を表面処理し、そこから単量体を重合し、ポリマー鎖を生長させて表面グラフトさせる方法が更に好ましい。重合開始能もしくは連鎖移動能を有する官能基を、中空シリカ系粒子に導入するための表面処理剤(カップリング剤)としては、アルコキシ金属化合物(例えばチタンカップリング剤アルコキシシラン化合物(シランカップリング剤))が好ましく用いられる。

0183

中空シリカ系粒子は平均粒径の異なる2種以上の中空シリカ系粒子を含有していてもよい。

0184

本発明において、低屈折率層には、導電性金属酸化物被覆層を有する中空シリカ系粒子を用いることも、導電性を更に高めることができ好ましい。導電性金属酸化物被覆層を形成する金属酸化物としては特に制限はないが、例えば、酸化スズ、アンチモンスズ酸化物インジウムスズ酸化物、酸化アンチモン、アルミニウム亜鉛酸化物ガリウム亜鉛酸化物及びこれらの混合物から選ばれるものが挙げられる。この中でも、酸化アンチモンにより被覆されている中空シリカ系粒子が特に好ましい。

0185

導電性金属酸化物被覆層の平均厚さとしては、1〜40nm、より好ましくは1〜20nmの範囲であり、中空シリカ系粒子を十分に被覆でき、得られる導電性金属酸化物被覆中空シリカ系粒子の導電性が十分となる点で、被覆層の厚さは1nm以上が好ましい。導電性の向上効果が十分で、導電性金属酸化物被覆中空シリカ系粒子の平均粒子径が小さい場合にも屈折率が十分である点で、被覆層の厚さは40nm以下が好ましい。

0186

本発明において、特に好ましい酸化アンチモン被覆層を有する中空シリカ系粒子について説明する。

0187

酸化アンチモンは、Sb2O3、Sb2O5、SbO2等いずれでも良く、酸化アンチモン被覆層中には酸化スズなどを含有していても良い。酸化アンチモン被覆層中のこれらの酸化アンチモンの合計含有率は10%以上が好ましい。また、酸化アンチモン被覆層は、更にシリカ等で被覆されていても良い。

0188

酸化アンチモン被覆中空シリカ粒子体積抵抗値は、10〜5000Ω/cmが好ましく、10〜2000Ω/cmの範囲にあることがより好ましい。体積抵抗値をこの範囲にすることで、粒子の屈折率を低く保ちつつ、低屈折率塗膜表面抵抗を低下せしめることが可能となる。体積抵抗値は、核粒子の粒子サイズ、表面被覆金属酸化物層の膜厚、組成を調整することにより制御できる。

0189

体積抵抗値については、以下の方法で測定した。

0190

内部に円柱状のくりぬき断面積0.5cm2)を有するセラミックセルを用い、架台電極上にセルを置き、内部に試料粉体0.6gを充填し、円柱状突起を有する上部電極突起を挿入し、油圧機にて上下電極加圧し、100kg/cm2加圧時の抵抗値(Ω)と試料の高さ(cm)を測定し、抵抗値に高さを乗することによって求めた。

0191

酸化アンチモン被覆中空シリカ系粒子の製造方法について説明する。

0192

まず、多孔質シリカ系粒子、または内部に空洞を有するシリカ系粒子の分散液を前述の方法等により調製する。分散液の固形分濃度として0.1〜40質量%、更に0.5〜20質量%の範囲にあることが好ましい。固形分濃度が0.1質量%未満の場合は、生産効率が低く、固形分濃度が40質量%を超えると、得られる酸化アンチモン被覆中空シリカ系粒子が凝集することがあり、被膜の透明性が低下したり、ヘイズが悪化することがある。

0193

また、アンチモン酸の分散液(水溶液)を調製する。アンチモン酸の調製方法としては、多孔質シリカ系粒子または内部に空洞を有するシリカ系粒子の細孔や空洞を埋めることなく、粒子表面に酸化アンチモンの被覆層を形成することができれば特に制限はないが、以下に示す方法は均一で薄い酸化アンチモン被覆層を形成することができるので好ましい。

0194

具体的には、アンチモン酸アルカリ水溶液を陽イオン交換樹脂で処理してアンチモン酸(ゲル)分散液を調製し、ついで、陰イオン交換樹脂で処理する。アンチモン酸アルカリ水溶液としては、例えば特開平2−180717号公報に記載されている、酸化アンチモンゾルの製造方法に用いるアンチモン酸アルカリ水溶液は好適である。

0195

アンチモン酸アルカリ水溶液は、三酸化アンチモン(Sb2O3)、アルカリ物質及び過酸化水素を反応させて得たものであることが好ましく、酸化アンチモンとアルカリ物質と過酸化水素のモル比を1:2.0〜2.5:0.8〜1.5、好ましくは1:2.1〜2.3:0.9〜1.2とし、三酸化アンチモンとアルカリ物質を含む系に、過酸化水素を三酸化アンチモン1モルあたり、0.2モル/hr以下の速度で添加して得られる。

0196

この時使用される三酸化アンチモンは、粉末、特に平均粒子径が10μm以下の微粉末のものが好ましく、また、アルカリ物質としては、LiOH、KOH、NaOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2等を挙げることができ、中でもKOH、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。これらのアルカリ物質は、得られるアンチモン酸溶液を安定化させる効果を有する。

0197

まず、水に所定量のアルカリ物質と三酸化アンチモンを加えて三酸化アンチモン懸濁液を調製する。この三酸化アンチモン懸濁液の三酸化アンチモン濃度は、Sb2O3として3〜15質量%の範囲とすることが望ましい。ついで、この懸濁液を50℃以上、好ましくは80℃以上に加温し、これに濃度が5〜35質量%の過酸化水素水を三酸化アンチモン1モルあたり0.2モル/hr以下の速度で添加する。過酸化水素水の添加速度が0.2モル/hrより速い場合は、得られる酸化アンチモン粒子粒子径が大きくなり、粒子径分布が広がるので好ましくない。また、過酸化水素水の添加速度が非常に遅い場合は生産性が悪いので、好ましい添加速度範囲としては、0.04〜0.2モル/hrの範囲である。

0198

上記反応で得られたアンチモン酸アルカリ(MHSbO3:Mがアルカリ金属の場合)水溶液を、必要に応じて未溶解の残渣を分離した後、更に必要に応じて希釈し、陽イオン交換樹脂で処理し、アルカリイオンを除去することによってアンチモン酸ゲル(HSbO3−)n分散液を調製する。

0199

また、アンチモン酸アルカリ水溶液には、スズ酸アルカリ水溶液、リン酸ナトリウム水溶液等のドーピング剤を含む水溶液が含まれていても良い。このようなドーピング剤が含まれていると更に導電性の高い酸化アンチモン被覆中空シリカ系粒子が得られる。

0200

ここで、アンチモン酸は、(HSbO3−)n(n=2以上の重合体)で表すことができ、粒子径が1〜5nm程度のアンチモン酸(HSbO3−)の重合物からなり、微粒子が凝集し、ゲル状態を呈している。

0201

陽イオン交換樹脂で処理する際のアンチモン酸アルカリ水溶液の濃度は、固形分Sb2O5として0.01〜5質量%、更に0.1〜3質量%の範囲にあることが好ましい。固形分として0.01質量%未満の場合は生産効率が低く、5質量%を超えるとアンチモン酸の大きな凝集体が生成することがあり、アンチモン酸による中空シリカ系粒子の被覆ができにくく、できたとしても不均一になることがある。

0202

陽イオン交換樹脂の使用量は、得られるアンチモン酸分散液のpHが1〜4、更に1.5〜3.5の範囲とすることが好ましい。pH1未満の場合は鎖状粒子にならず凝集粒子が生成する傾向にあり、pH4を超えると単分散粒子が生成する傾向がある。また、pH1未満の場合は、酸化アンチモンの溶解度が高いために所定量の酸化アンチモンの被覆が困難になり、pH4を超えると、得られる酸化アンチモン被覆中空シリカ系粒子が凝集体となることがあり、被膜中での分散性が低下したり、帯電防止効果が不十分となることがある。

0203

ついで、アンチモン酸分散液と多孔質シリカ系粒子、または内部に空洞を有するシリカ系粒子の分散液とを混合し、温度50〜250℃、好ましくは70〜120℃で、通常1〜24時間熟成を行うことによって酸化アンチモン被覆中空シリカ系粒子分散液を得ることができる。

0204

アンチモン酸分散液とシリカ系粒子分散液との混合比率は、シリカ系粒子を固形分として100質量部に、アンチモン酸をSb2O5として1〜200質量部、好ましくは5〜100質量部となるように添加する。アンチモン酸の混合比率が1質量部未満の場合は、被覆が不均一であったり被覆層の厚さが不十分となり、酸化アンチモンで被覆する効果、即ち、導電性を付与、向上する効果が十分に得られないことがある。アンチモン酸の混合比率が200質量部を超えても、被覆に寄与しない酸化アンチモンが増加したり、得られる酸化アンチモン被覆中空シリカ系粒子の導電性が更に向上することも無く、屈折率が1.60を超えて高くなることがある。

0205

混合した分散液の濃度は、固形分として1〜40質量%、更に2〜30質量%の範囲にあることが好ましい。混合分散液の濃度が1質量%未満の場合は、酸化アンチモンの被覆効率が不十分であったり、生産効率が低下する。一方、40質量%を超えると、アンチモン酸の使用量が多い場合に、得られる酸化アンチモン被覆中空シリカ系粒子が凝集することがある。

0206

その他、本発明の低屈折率層にはコロイダルシリカまたはフッ化マグネシウム含有しても良い。

0207

コロイダルシリカの具体例としては、二酸化ケイ素コロイド状に水または有機溶媒に分散させたものであり、特に限定はされないが球状、針状または数珠状である。

0208

コロイダルシリカの平均粒径は50〜300nmの範囲が好ましく、変動係数が1〜40%の単分散であることが好ましい。平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。

0209

コロイダルシリカは、市販されており、例えば日産化学工業社のスノーテックスシリーズ、触媒化成工業社のカタイド−Sシリーズ、バイエル社のレバシルシリーズ等が挙げられる。また、アルミナゾル水酸化アルミニウムカチオン変性したコロイダルシリカやシリカの一次粒子を2価以上の金属イオンで粒子間を結合し、数珠状に連結した数珠状コロイダルシリカも好ましく用いられる。数珠状コロイダルシリカは日産化学工業社のスノーテックス−AKシリーズ、スノーテックス−PSシリーズ、スノーテックス−UPシリーズ等があり、具体的にはIPS−ST−L(イソプロパノール分散、粒子径40〜50nm、固形分30%)、MEK−ST−MS(メチルエチルケトン分散、粒子径17〜23nm、固形分35)等が挙げられる。

0210

フッ化マグネシウムとしては、例えば日産化学工業社のイソプロパノール分散フッ化マグネシウムゾルや、シーアイ化成社のナノテックシリーズ等が挙げられる。

0211

本発明において、低屈折率層には、触媒を含有することが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸等の有機酸類水酸化ナトリウム水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類、トリエチルアミンピリジン等の有機塩基類、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類、後述する金属キレート化合物等が挙げられるが、中でも酸触媒及び金属キレート化合物が好ましく用いられる。

0212

酸触媒では、塩酸、硫酸、シュウ酸、酢酸、フタル酸等が好ましく用いられる。金属キレート化合物としては、Zr、Ti、Alから選ばれる金属を中心金属とするキレート化合物が、特に制限なく好適に用いることができる。

0213

具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。

0214

これらの金属キレート化合物のうち、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムが特に好ましく用いられる。また、これらの金属キレート化合物は、単独でも併用でも使用することができる。

0215

また、本発明において、低屈折率層には、下記一般式(3)で表される有機珪素化合物もしくはその加水分解物或いはその重縮合物を含有することが好ましい。

0216

R2mSiX24−m ・・・(3)
式中、R2は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基、X2は水酸基または加水分解可能な置換基であり、mは0〜3の整数である。

0217

アルキル基としては、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。

0218

X2の加水分解可能な置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン基、カルボキシル基等が挙げられる。

0219

具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランジメチルジエトキシシランフェニルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシランジフェニルジメトキシシランジフェニルジエトキシシランヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポシシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−1,3−ジメチルブチリデンプロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ジエチルシラン等が挙げられ、これらを単独または2種以上を混合して用いられる。

0220

低屈折率層を形成する塗布組成物には、有機溶媒を含有することが好ましい。具体的な有機溶媒の例としては、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。中でも、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エタノール、イソプロパノール及びプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。

0221

低屈折率層を形成する塗布組成物中の固形分濃度は、1〜4質量%であることが好ましく、固形分濃度を4質量%以下とすることによって、塗布ムラが生じにくくなり、1質量%以上とすることによって、乾燥負荷が軽減される。

0222

低屈折率層を形成する塗布組成物には、フッ素系またはシリコーン系界面活性剤を含有することが好ましい。上記界面活性剤を含有させることで、塗布ムラを低減したり膜表面の防汚性を向上させるのに有効である。

0223

フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を含有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを母核としたもので、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン等の誘導体等が挙げられる。

0224

フッ素系界面活性剤は市販品を用いることもでき、例えばサーフロンS−381、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104(旭硝子株式会社製)、フロラードFC−430、同FC−431、同FC−173(フロロケミカル−住友スリエム製)、エフトップEF352、同EF301、同EF303(新田化成株式会社製)、シュベゴーフルアー8035、同8036(シュベグマン社製)、BM1000、BM1100(ビーエム・ヒミー社製)、メガファックF−171、同F−470(いずれもDIC株式会社製)等を挙げることができる。

0225

フッ素系界面活性剤のフッ素含有割合は、0.05〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。上記のフッ素系界面活性剤は、1種または2種以上を併用することができる。

0226

次に、シリコーン界面活性剤について説明する。

0227

シリコーン界面活性剤は、ケイ素原子に結合した有機基の種類により、ストレートシリコーンオイル変性シリコーンオイルに大別できる。

0228

ここで、ストレートシリコーンオイルとは、メチル基、フェニル基、水素原子を置換基として結合したものをいう。変性シリコーンオイルとは、ストレートシリコーンオイルから二次的に誘導された構成部分をもつものである。一方、シリコーンオイル反応性からも分類することができる。これらをまとめると、以下のようになる。

0229

(シリコーンオイル)
1.ストレートシリコーンオイル
1−1.非反応性シリコーンオイル:ジメチル、メチルフェニル置換等。

0230

1−2.反応性シリコーンオイルメチル水素置換等。
2.変性シリコーンオイル
ジメチルシリコーンオイルに、さまざまな有機基を導入することで生まれたものが変性シリコーンオイルである。

0231

2−1.非反応性変性シリコーンオイルアルキル、アルキル/アラルキル、アルキル/ポリエーテル、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル置換等。

0232

アルキル/アラルキル変性シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を長鎖アルキル基或いはフェニルアルキル基が置換したシリコーンオイルである。

0234

高級脂肪酸変性シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部を高級脂肪酸エステルに置換えたシリコーンオイルである。

0235

アミノ変性シリコーンオイルは、シリコーンオイルのメチル基の一部をアミノアルキル基に置換えた構造をもつシリコーンオイルである。

0236

エポキシ変性シリコーンオイルは、シリコーンオイルのメチル基の一部をエポキシ基含有アルキル基に置換えた構造をもつシリコーンオイルである。

0237

カルボキシル変性或いはアルコール変性シリコーンオイルは、シリコーンオイルのメチル基の一部をカルボキシル基或いは水酸基含有アルキル基に置換えた構造をもつシリコーンオイルである。

0238

これらのうち、ポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましく添加される。ポリエーテル変性シリコーンオイルの数平均分子量は、例えば1000〜100000、好ましくは2000〜50000が適当であり、数平均分子量が1000未満では、塗膜の乾燥性が低下し、逆に、数平均分子量が100000を越えると、塗膜表面ブリードアウトしにくくなる。

0239

具体的な商品としては、東レダウコーニング社のL−45、L−9300、FZ−3704、FZ−3703、FZ−3720、FZ−3786、FZ−3501、FZ−3504、FZ−3508、FZ−3705、FZ−3707、FZ−3710、FZ−3750、FZ−3760、FZ−3785、FZ−3785、Y−7499、信越化学社のKF96L、KF96、KF96H、KF99、KF54、KF965、KF968、KF56、KF995、KF351、KF351A、KF352、KF353、KF354、KF355、KF615、KF618、KF945、KF6004、FL100、ビックケミージャパン社製の界面活性剤BYKシリーズ、BYK−300/302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−340、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−352、BYK−354、BYK−355/356、BYK−358N/361N、BYK−357、BYK−390、BYK−392、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570、BYK−Silclean3700、GE東シリコーン社製のジメチルシリコーンシリーズ、XC96−723、YF3800、XF3905、YF3057、YF3807、YF3802、YF3897等が挙げられる。

0240

また、シリコーン界面活性剤は、シリコーンオイルのメチル基の一部を親水性基に置換した界面活性剤である。置換の位置は、シリコーンオイルの側鎖、両末端、片末端、両末端側鎖等がある。親水性基としては、ポリエーテル、ポリグリセリンピロリドンベタイン、硫酸塩、リン酸塩、4級塩等がある。

0241

シリコーン界面活性剤としては、疎水基ジメチルポリシロキサン親水基がポリオキシアルキレンから構成される非イオン界面活性剤が好ましい。

0242

非イオン界面活性剤は、水溶液中でイオンに解離する基を有しない界面活性剤を総称していうが、疎水基のほか親水性基として多価アルコール類の水酸基、また、ポリオキシアルキレン鎖(ポリオキシエチレン)等を親水基として有するものである。親水性はアルコール性水酸基の数が多くなるに従って、またポリオキシアルキレン鎖(ポリオキシエチレン鎖)が長くなるに従って強くなる。疎水基がジメチルポリシロキサン、親水基がポリオキシアルキレンから構成される非イオン界面活性剤を用いると、低屈折率層のムラや膜表面の防汚性が向上する。ポリメチルシロキサンからなる疎水基が表面に配向汚れにくい膜表面を形成するものと考えられる。

0243

非イオン界面活性剤の具体例としては、例えば東レダウコーニング社のシリコーン界面活性剤SILWET L−77、L−720、L−7001、L−7002、L−7604、Y−7006、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2105、FZ−2110、FZ−2118、FZ−2120、FZ−2122、FZ−2123、FZ−2130、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164、FZ−2166、FZ−2191、SUPERSILWETSS−2801、SS−2802、SS−2803、SS−2804、SS−2805等が挙げられる。

0244

これら、疎水基がジメチルポリシロキサン、親水基がポリオキシアルキレンから構成される非イオン界面活性剤の好ましい構造としては、ジメチルポリシロキサン構造部分とポリオキシアルキレン鎖が交互に繰り返し結合した直鎖状ブロックコポリマーであることが好ましい。低屈折率層を形成する塗布組成物を塗布した際のムラ抑制やレベリング性から好ましい。これらの具体例としては、例えば東レダウコーニング社のシリコーン界面活性剤ABN SILWET FZ−2203、FZ−2207、FZ−2208、FZ−2222等が挙げられる。

0245

低屈折率層を形成する塗布組成物には、より過酷な条件下での耐久試験後に好ましい性能を発揮しやすい点から、以下に説明する反応性変性シリコーン樹脂反応性変性シリコーンオイルともいう)を含有することが好ましい。

0246

2−2.反応性変性シリコーンオイル:アミノ、エポキシカルボキシル、アルコール置換等。

0247

反応性変性シリコーン樹脂としては、ポリシロキサンの側鎖、片末端または両末端にアミノ、エポキシ、カルボキシル、水酸基、メタクリル、メルカプト、フェノール等で置換された反応性タイプの変性シリコーン樹脂である。アミノ変性シリコーン樹脂として、具体的にはKF−860,KF−861,X−22−161A、X−22−161B(以上、信越化学工業株式会社製)、FM−3311,FM−3325(以上、チッソ株式会社製)、エポキシ変性シリコーン樹脂としては、KF−105、X−22−163A、X−22−163B、KF−101、KF−1001(以上、信越化学工業株式会社製)、ポリエーテル変性シリコーン樹脂としてはX−22−4272、X−22−4952、カルボキシル変性シリコーン樹脂としてはX−22−3701E、X−22−3710(以上、信越化学工業株式会社製)、カルビノール変性シリコーン樹脂としてはKF−6001、KF−6003(以上、信越化学工業株式会社製)、メタクリル変性シリコーン樹脂としてはX−22−164C(以上、信越化学工業株式会社製)、メルカプト変性シリコーン樹脂としてはKF−2001(以上、信越化学工業株式会社製)、フェノール変性シリコーン樹脂としてはX−22−1821(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。水酸基変性シリコーン樹脂としては、FM−4411、FM−4421、FM−DA21,FM−DA26(以上、チッソ株式会社製)等が挙げられる。その他、片末端反応性シリコーン樹脂のX−22−170DX、X−22−2426、X−22−176F(信越化学工業株式会社製)等も含まれる。

0248

上記した界面活性剤は、他の界面活性剤と併用して用いてもよく、また適宜、例えばスルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、リン酸エステル塩系等のアニオン界面活性剤、また、ポリオキシエチレン鎖親水基として有するエーテル型エーテルエステル型等の非イオン界面活性剤等と併用しても良い。上記した界面活性剤の添加量は、低屈折率層塗布組成物中、0.05〜3.0質量%であることが、塗膜の撥水、撥油性、防汚性を高めるばかりでなく、表面の耐擦り傷性にも効果を発揮する点から好ましい。

0249

また、上記した界面活性剤は、塗布ムラを低減させる目的で、帯電防止層にも含有させることができる。

0250

低屈折率層は、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、低屈折率層を形成する上記塗布組成物を塗布し、塗布後、加熱乾燥し、硬化処理することで形成される。

0251

塗布量は、ウェット膜厚として0.05〜100μmが適当で、好ましくは、0.1〜50μmである。また、ドライ膜厚が上記膜厚となるように塗布組成物の固形分濃度は調整される。

0252

硬化方法としては、加熱することによって熱硬化させる方法、紫外線等の光照射によって硬化させる方法などが挙げられる。熱硬化させる場合は、加熱温度は50〜300℃が好ましく、好ましくは60〜250℃、更に好ましくは80〜150℃である。光照射によって硬化させる場合は、照射光露光量は10mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100mJ/cm2〜500mJ/cm2がより好ましい。

0253

ここで、照射される光の波長域としては特に限定されないが、紫外線領域の波長を有する光が好ましく用いられる。具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。

0254

また、低屈折率層を形成後、温度50〜160℃で加熱処理を行う工程を含んでも良い。加熱処理の期間は、設定される温度によって適宜決定すればよく、例えば50℃であれば、好ましくは3日間以上30日未満の期間、160℃であれば10分以上1日以下の範囲が好ましい。

0255

上記のように各層を塗布により形成するに際して、透明フィルム基材の幅が1.4〜4mでロール状に巻き取られた状態から繰り出して、上記塗布を行い、乾燥・硬化処理した後、ロール状に巻き取られることが好ましい。また、反射防止フィルムにおいては反射防止層を積層した後、ロール状に巻き取った状態で、温度50〜160℃で加熱処理を行う製造方法によって製造されることが、反射防止フィルムを長尺塗布した際の効率性や安定性から好ましい。加熱処理期間は、設定される温度によって適宜決定すればよく、例えば、温度50℃であれば、好ましくは3日間以上、30日未満の期間、温度160℃であれば、10分以上、1日以下の範囲が好ましい。通常は、巻外部、巻中央部、巻き芯部の加熱処理効果が偏らないように、比較的低温に設定することが好ましく、温度50〜60℃付近で、7日間程度行うことが好ましい。

0256

加熱処理を安定して行うためには、温湿度が調整可能な場所で行うことが必要であり、塵のないクリーンルーム等の加熱処理室で行うことが好ましい。

0257

ハードコートフィルム及び反射防止フィルムをロール状に巻き取る際の、巻きコアとしては、円筒上のコアであれば特に限定されないが、好ましくは中空プラスチックコアであり、プラスチック材料としては加熱処理温度に耐える耐熱性プラスチックが好ましく、例えばフェノール樹脂キシレン樹脂メラミン樹脂ポリエステル樹脂エポキシ樹脂などの樹脂が挙げられる。またガラス繊維などの充填材により強化した熱硬化性樹脂が好ましい。これらの巻きコアへの巻き数は、100巻き以上であることが好ましく、500巻き以上であることが更に好ましく、巻き厚は5cm以上であることが好ましい。

0258

バックコート層
本発明の反射防止フィルムは、透明フィルム基材の帯電防止層や反射防止層を設けた側と反対側の面にバックコート層を設けてもよい。バックコート層は、帯電防止層や反射防止層を設けることで生じるカール矯正するために設けられる。即ち、バックコート層を設けた面を内側にして丸まろうとする性質を持たせることにより、カールの度合いをバランスさせることができる。なお、バックコート層は好ましくはブロッキング防止層を兼ねて塗設され、その場合、バックコート層塗布組成物には、ブロッキング防止機能を持たせるために無機化合物または有機化合物の粒子が添加されることが好ましい。

0259

バックコート層に添加される粒子としては無機化合物の例として、二酸化珪素二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、ITO、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。

0260

これらの粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル株式会社製)、シーホスターKE−P10、同KE−P30、同KE−P50、同KE−P100、同KE−P150、同KE−P250(以上、日本触媒株式会社製)の商品名で市販されており、使用することができる。

0261

有機化合物の例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上GE東芝シリコーン株式会社製)の商品名で市販されており、使用することができる。

0262

これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972V、シーホスターKE−P30、同KE−P50、及び同KE−P100がヘイズを低く保ちながら、ブロッキング防止効果が大きいため特に好ましく用いられる。

0263

バックコート層に含まれる粒子は、バインダーに対して0.1〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。バックコート層を設けた場合のヘイズの増加は1.5%以下であることが好ましく、0.5%以下であることが更に好ましく、特に0.1%以下であることが好ましい。

0264

バックコート層の塗布に用いられる塗布組成物には溶媒が含まれることが好ましい。溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライドテトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールn−ブタノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、または炭化水素類(トルエン、キシレン)等が挙げられ、適宜組み合わされて用いられる。

0265

バックコート層のバインダーとして用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体塩化ビニル樹脂酢酸ビニル樹脂酢酸ビニルビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体または共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(好ましくはアセチル基置換度1.8〜2.3、プロピオニル基置換度0.1〜1.0)、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロース誘導体、マレイン酸及び/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレンアクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体メチルメタクリレートブタジエン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂ポリビニルアセタール樹脂ポリビニルブチラール樹脂ウレタン樹脂ポリエステルポリウレタン樹脂ポリエーテルポリウレタン樹脂ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂ポリアミド樹脂アミノ樹脂スチレンブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂シリコーン系樹脂フッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。

0266

例えば、アクリル樹脂としては、アクペットMD、VH、MF、V(三菱レイヨン株式会社製)、ハイパールM−4003、M−4005、M−4006、M−4202、M−5000、M−5001、M−4501(根上工業株式会社製)、ダイヤナールBR−50、BR−52、BR−53、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118等(三菱レイヨン株式会社製)のアクリル及びメタクリル系モノマーを原料として製造した各種ホモポリマー並びにコポリマー等が市販されており、この中から好ましいものを適宜選択することもできる。

0267

例えば、バインダーとして用いられる樹脂としてはセルロースジアセテートセルロースアセテートプロヒオネートなどのセルロースエステルとアクリル樹脂のブレンド物を用いることが好ましく、アクリル樹脂からなる粒子を用いて、粒子とバインダーとの屈折率差を0〜0.02未満とすることで透明性の高いバックコート層とすることができる。

0268

また、バックコート層の動摩擦係数は0.9以下、特に0.1〜0.9であることが好ましい。

0269

バックコート層を形成する方法としては、上述したバックコート層を形成するための塗布組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、またはスプレー塗布インクジェット塗布等を用いて透明樹脂フィルムの表面にウェット膜厚1〜100μmで塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであることが好ましい。

0270

また、塗布後、加熱乾燥し、必要に応じて硬化処理することで、バックコート層は形成される。硬化処理は低屈折率層で記載した内容を用いることができる。

0271

バックコート層は2回以上に分けて塗布することもできる。また、バックコート層は偏光子との接着性を改善するための易接着層を兼ねても良い。

0272

(層構成)
反射防止フィルムの好ましい層構成の例を下記に示す。なお、ここでは「/」は積層配置されていることを示している。但し、本発明は下記の層構成に限定されるものではない。

0273

フィルム基材/帯電防止層/低屈折率層
バックコート層/フィルム基材/帯電防止層/低屈折率層
バックコート層/フィルム基材/ハードコート層/帯電防止層/低屈折率層
バックコート層/フィルム基材/防弦層/帯電防止層/低屈折率層
基材フィルム
基材フィルムは製造が容易であること、電離放射線硬化型樹脂層等と接着し易いこと、光学的に等方性であることが好ましい。これらの性質を有していれば何れでもよく、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートプロピオネートオネートフィルム、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルムポリカーボネート系フィルムポリアリレート系フィルム、ポリスルホンポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンフィルムポリプロピレンフィルムセロファンポリ塩化ビニリデンフィルムポリビニルアルコールフィルムエチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルムポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルムポリアミドフィルムフッ素樹脂フィルムナイロンフィルムシクロオレフィンポリマーフィルムポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリルフィルム等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。これらの内、セルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタックKC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC4UE、及びKC12UR(以上、コニカミノルタオプト(株)製))、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエステルフィルムが好ましく、本発明においては、特にセルロースエステル系フィルムが、製造上、コスト面、等方性、接着性、及び本発明の目的効果が好適に得られることから好ましい。

0274

(セルロースエステル系フィルム)
次に基材フィルムとして好ましいセルロースエステル系フィルム(以下、セルロースエステルフィルムともいう)について説明する。

0275

セルロースエステル樹脂(以下セルロースエステルともいう)は、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号、同08−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独或いは混合して用いることができる。

0276

セルローストリアセテートの場合には、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。平均酢化度が小さいと寸法変化が大きく、また偏光板の偏光度が低下する。平均酢化度が大きいと溶剤に対する溶解度が低下し生産性が下がる。

0277

セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロースエステルである。

0278

式(I) 2.6≦X+Y≦3.0
式(II) 0≦X≦2.5
この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法ASTM−D817−96に準じて測定することができる。

0279

セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で60000〜300000のものが好ましく、70000〜200000のものが更に好ましく、100000〜200000のものが特に好ましい。本発明で用いられるセルロースエステルは重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比が4.0以下であることが好ましく、更に好ましくは1.4〜2.3である。

0280

セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。

0281

測定条件は以下の通りである。

0282

溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器RIModel 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)
Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。

0283

セルロースエステルは綿花リンター木材パルプケナフ等を原料として合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることができる。特に綿花リンター(以下、単にリンターとすることがある)から合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることが好ましい。

0284

また、セルロースエステルフィルムは、本発明の目的効果がより良く発揮される点から、アクリル樹脂を含有することが好ましい。

0285

(アクリル樹脂、アクリル粒子)
次にアクリル樹脂について説明する。

0286

アクリル樹脂としては、メタクリル樹脂も含まれる。樹脂としては特に制限されるものではないが、メチルメタクリレート単位50〜99質量%、及びこれと共重合可能な他の単量体単位1〜50質量%からなるものが好ましい。

0287

共重合可能な他の単量体としては、アルキル数の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレート、アルキル数の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミドグルタル酸無水物等が挙げられ、これらは単独で、或いは2種以上を併用して用いることができる。

0288

これらの中でも、共重合体の耐熱分解性流動性の観点から、メチルアクリレートエチルアクリレート、n−プロピルアクリレートn−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、メチルアクリレートやn−ブチルアクリレートが特に好ましく用いられる。

0289

アクリル樹脂は、フィルムとしての機械的強度、フィルムを生産する際の流動性の点から重量平均分子量(Mw)が80000〜1000000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)は上記の高速液体クロマトグラフィーを用い測定できる。

0290

アクリル樹脂(A)の製造方法としては、特に制限は無く、懸濁重合乳化重合塊状重合、或いは溶液重合等の公知の方法のいずれを用いても良い。ここで、重合開始剤としては、通常のパーオキサイド系及びアゾ系のものを用いることができ、また、レドックス系とすることもできる。重合温度については、懸濁または乳化重合では30〜100℃、塊状または溶液重合では80〜160℃で実施しうる。更に、生成共重合体の還元粘度を制御するために、アルキルメルカプタン等を連鎖移動剤として用いて重合を実施することもできる。この分子量とすることで、耐熱性脆性の両立を図ることができる。アクリル樹脂としては、市販のものも使用することができる。例えば、デルペット60N、80N(旭化成ケミカルズ(株)製)、ダイヤナールBR52、BR80,BR83,BR85,BR88(三菱レイヨン(株)製)、KT75(電気化学工業(株)製)等が挙げられる。

0291

次に、セルロースエステルフィルムは、本発明の目的効果が良好に発揮されるほか、鉛筆硬度にも優れることから、アクリル樹脂と更にアクリル粒子を含有することが好ましい。

0292

アクリル粒子について、説明する。アクリル粒子は、例えば、作製したアクリル樹脂含有フィルムを所定量採取し、溶媒に溶解させて攪拌し、充分に溶解・分散させたところで、アクリル粒子の平均粒子径未満の孔径を有するPTFE製メンブレンフィルターを用いて濾過し、濾過捕集された不溶物の重さが、アクリル樹脂含有フィルムに添加したアクリル粒子の90質量%以上あることが好ましい。

0293

アクリル粒子は特に限定されるものではないが、2層以上の層構造を有するアクリル粒子であることが好ましく、特に下記多層構造アクリル系粒状複合体であることが好ましい。

0294

多層構造アクリル系粒状複合体とは、中心部から外周部に向かって最内硬質層重合体ゴム弾性を示す架橋軟質層重合体、及び最外硬質層重合体が、層状に重ね合わされてなる構造を有する粒子状アクリル系重合体を言う。

0295

アクリル系樹脂組成物に用いられる多層構造アクリル系粒状複合体の好ましい態様としては、以下の様なものが挙げられる。(a)メチルメタクリレート80〜98.9質量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート1〜20質量%、及び多官能性グラフト剤0.01〜0.3質量%からなる単量体混合物を重合して得られる最内硬質層重合体、(b)上記最内硬質層重合体の存在下に、アルキル基の炭素数が4〜8のアルキルアクリレート75〜98.5質量%、多官能性架橋剤0.01〜5質量%及び多官能性グラフト剤0.5〜5質量%からなる単量体混合物を重合して得られる架橋軟質層重合体、(c)上記最内硬質層及び架橋軟質層からなる重合体の存在下に、メチルメタクリレート80〜99質量%とアルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレート1〜20質量%とからなる単量体混合物を重合して得られる最外硬層重合体、よりなる3層構造を有し、かつ得られた3層構造重合体が最内硬質層重合体(a)5〜40質量%、軟質層重合体(b)30〜60質量%、及び最外硬質層重合体(c)20〜50質量%からなり、アセトンで分別したときに不溶部があり、その不溶部のメチルエチルケトン膨潤度が1.5〜4.0であるアクリル系粒状複合体、が挙げられる。

0296

なお、特公昭60−17406号或いは特公平3−39095号において開示されている様に、多層構造アクリル系粒状複合体の各層の組成や粒子径を規定しただけでなく、多層構造アクリル系粒状複合体の引張り弾性率アセトン不溶部のメチルエチルケトン膨潤度を特定範囲内に設定することにより、更に充分な耐衝撃性耐応力白化性のバランスを実現することが可能となる。

0297

ここで、多層構造アクリル系粒状複合体を構成する最内硬質層重合体(a)は、メチルメタクリレート80〜98.9質量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート1〜20質量%及び多官能性グラフト剤0.01〜0.3質量%からなる単量体混合物を重合して得られるものが好ましい。

0298

ここで、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、メチルアクリレートやn−ブチルアクリレートが好ましく用いられる。

0299

最内硬質層重合体(a)におけるアルキルアクリレート単位の割合は1〜20質量%であり、該単位が1質量%未満では、重合体の熱分解性が大きくなり、一方、該単位が20質量%を越えると、最内硬質層重合体(c)のガラス転移温度が低くなり、3層構造アクリル系粒状複合体の耐衝撃性付与効果が低下するので、いずれも好ましくない。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ