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技術 大きい厚さを有する紙およびその紙を抄造するための抄紙ベルト

出願人 ザプロクターアンドギャンブルカンパニー
発明者 フィッケ・ジョナサン・アンドリューザング・ヤンピングビンソン・ケネス・ダグラス
出願日 2009年8月27日 (9年10ヶ月経過) 出願番号 2009-196334
公開日 2010年1月14日 (9年6ヶ月経過) 公開番号 2010-007224
状態 未査定
技術分野 紙(4)
主要キーワード エンドレスベルト形 側壁セグメント 分配ロール 移行域 配向角度θ 中間ウェブ 平均伸び 曲げ剛さ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年1月14日)のものです。
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図面 (17)

課題

紙繊維からなる大きい厚さを有するウェブ抄造するための抄紙ベルトおよびそのベルトによって抄造される紙を提供。

解決手段

この抄紙ベルトは連続する組織領域およびその上に不連続な複数個偏向通路を有する強化構造物を備える。この偏向通路はその通路周辺部に沿って偏向する繊維を最大化するように、大きさならびに形状を設定され、配置される。この偏向通路は平均繊維長に対して大きさを合わせた平均幅を有する、全体的には、長円形である。この偏向通路は単位面積あたりの周辺部および対応する繊維偏向を最大化するように配置される。

概要

背景

概要

紙繊維からなる大きい厚さを有するウェブ抄造するための抄紙ベルトおよびそのベルトによって抄造される紙を提供。この抄紙ベルトは連続する組織領域およびその上に不連続な複数個偏向通路を有する強化構造物を備える。この偏向通路はその通路周辺部に沿って偏向する繊維を最大化するように、大きさならびに形状を設定され、配置される。この偏向通路は平均繊維長に対して大きさを合わせた平均幅を有する、全体的には、長円形である。この偏向通路は単位面積あたりの周辺部および対応する繊維偏向を最大化するように配置される。なし

目的

偏向通路は繊維を通路の周辺部に沿って偏向させることことによりZ方向への繊維の配向を生じさせる手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

平均繊維長Lをもつ抄紙繊維を有するウェブを搬送する紙ウェブ接触面と前記紙ウェブ接触面に反対側の抄紙機接触面とを有する抄紙ベルトであって、前記抄紙ベルトが、連続する組織領域と不連続な複数個偏向通路とからなる模様を付けた構成物を有する強化構造物を備え、前記偏向通路が、前記連続する組織領域によって互いに隔離されており、前記偏向通路が、全体的に長円形を形成している側壁セグメントからなる、直線で囲われた周辺部を有し、L<W<3Lの関係にある平均幅Wと、少なくとも1.0から2.0までの範囲にわたるアスペクト比と、少なくとも120度の隣接する側壁セグメントのなす夾角とを備えてなる抄紙ベルト。

発明の詳細な説明

0001

発明の分野
本発明は低密度で、柔らかく、しかも吸収性のある紙製品抄造する抄紙機で使用する抄紙ベルトおよびそのベルトによって抄造される紙製品に関する。特に、本発明は模様を付けた樹脂構成物および強化構造物からなる抄紙ベルトおよびそのベルトによって抄造される、大きい厚さで低密度の紙製品に関する。

0002

発明の背景
紙のようなセルロース繊維ウェブはこの技術分野ではよく知られている。この繊維ウェブは、今日、ペーパタオルトイレットティッシュ化粧ティッシュ、ナプキンおよびその類似物のために普通に使用されている。このような紙製品への膨大な需要が基となって紙製品およびその製造方法を改良することに対する要望が発生している。

0003

消費者の要求に応じるためにはセルロース繊維ウェブは幾つかの特性を呈する必要がある。このためには、通常の使用中、比較的小さい引張り力が作用したとき、紙組織裂けあるいは切断するのを防ぐのに十分な引張強さを備えていなければならない。このセルロース繊維ウェブは繊維構造によって液体を素早く吸収し、内部に十分に保留するように吸収性でなければならない。

0004

引張り強さとはセルロース繊維ウェブに備わる使用時に物理的な一体性を保持する能力のことである。引張り強さはセルロース繊維ウェブの坪量関数とみることができる。

0005

吸収性とはセルロース繊維ウェブに備わる、接触させた液体を吸い上げ、保持する性質のことである。吸収性はセルロース繊維ウェブの密度によって影響を受ける。このウェブがあまりにも密であるとき、繊維間の隙間は小さくなり過ぎ、吸収率は意図した用途に応じられるほど十分に大きくならない。この隙間があまりにも大きくなると、接触させた流体毛管引力は小さくなり、表面張力が制限されるために流体をセルロース繊維ウェブによって保持するのに妨げになる。

0006

このウェブは、また、使用時、触感として心地よく、ざらざらした感じを与えることのないように柔らかくなければならない。柔らかさとはセルロース繊維に備わる触感として使用者の皮膚に特に望ましい感じを与える能力のことである。柔らかさはセルロース繊維ウェブに備わる繊維ウェブの平面と垂直な方向への変形に逆らう能力に例外なく比例する。

0007

厚さとはある機械的な圧力のもとで測定したセルロース繊維ウェブの厚さのことであり、坪量およびウェブ構造の関数とみることができる。強さ、吸収性および柔らかさはセルロース繊維ウェブの厚さによって影響を受ける。

0008

紙製品を製造する工程は、一般に、セルロース繊維を有する水性スラリーを準備し、続いて、初期ウェブを形成するために繊維を再配列する間に、同時発生的に、スラリーから水分を除去する工程を伴う。この脱水工程では、脱水を助ける多様な種類の機器類が利用されている。典型的な製造工程は抄紙スラリーを移動するエンドレスベルトの表面側に供給する長網ワイヤ抄紙機を使用している。このエンドレスベルトは最初の脱水を行い、繊維の再配列を果たす。

0009

初期ウェブを形成した後、紙ウェブエンドレスベルト形態の乾燥ファブリックと呼ばれる別の織物上で乾燥工程を実施する。この乾燥工程は抄紙ウェブの機械的な圧搾真空吸引通気乾燥および他の種類の方法を含む。この乾燥工程中、初期ウェブはセルロース繊維が配列し、偏向して生じる特定の模様または形を帯びる。

0010

トロクハンに付与された1985年7月16日発行の米国特許第4,529,480号明細書は硬化された感光性樹脂構成物によって周りを囲われる多孔製織部材からなる抄紙ベルトを提案している。この樹脂構成物は偏向通路として知られる、分離している不連続の複数個通路を備える。この工程で使用される抄紙ベルトは流体に圧力差を生じさせたとき、抄紙繊維通路内偏り、そこで再配列するので、偏向部材と呼ばれている。抄紙工程で抄紙ベルトを利用することは強さ、吸収性および柔らかさに関しては望ましい一定の特性を備える紙を抄造できる可能性をもたらした。

0011

米国特許第4,529,480号明細書に開示された方法を用いて抄造される紙は参照によってここに取り入れられる、トロクハンに付与された米国特許第4,687,859号明細書に説明されている。この紙は紙面の両側に配分された物理的に区別される2つの領域を備えることに特徴がある。一方の領域は比較的高密度で、大きい固有の強さを有する、連続する組織からなる領域である。他方の領域はその連続する組織によって完全に囲われる複数個のドームからなる領域である。後者の領域にあるドームは連続する組織領域と比べて比較的低密度で、比較的小さい固有の強さを備えている。

0012

このドームは、抄紙工程中、繊維が抄紙ベルトの偏向通路を満たすときに形成される。この偏向通路により紙ウェブが乾燥工程中に加圧されたとき、通路内にある繊維が密集してしまうのを防ぐことができる。結果として、ドームは厚さが増し、ウェブの繊維が密集した領域と比べて低密度で、固有の強さを備えることになる。したがって、紙ウェブの厚さはドームの固有の強さによって制限される。

0013

紙の乾燥が終了すると、直ちに、紙繊維の再配列および偏向が完了する。しかしながら、完成製品の種類に応じて紙はカレンダ処理、柔軟化特殊加工のような追加工程を経る。これらの工程は紙のドーム領域を密にする傾向があり、厚さを減少させる。それゆえ、物理的に区別される2つの領域を有する紙製品においてはドーム内部に機械的な圧力に対して抵抗力を有するセルロース繊維構造を形成することを求められている。

0014

セルロース繊維ウェブを形成したとき、繊維はウェブのX−Y面内に主に配向され、この結果、Z方向の構造的剛さはとるに足らない値となる。X−Y面内に配向された繊維が機械的な圧力によって密集したとき、直ちに、これらの繊維は同時に加圧され、紙ウェブは厚みが減少する一方、密度が増加する。

0015

繊維のZ方向への配向によりウェブのZ方向の構造的な剛さを高めることができる。したがって、繊維のZ方向への配向を最大化することにより厚さを最大にすることが可能になる。

0016

偏向通路は繊維を通路の周辺部に沿って偏向させることことによりZ方向への繊維の配向を生じさせる手段を提供する。繊維全体の偏向は繊維長さに関係のある偏向通路の大きさならびに形状により左右される。

0017

大きい偏向通路は通路開口よりも小さい繊維が通路の底部に蓄積するのを抑えられず、この結果、後から偏向通路内に降りてくる繊維が偏向するのを制限することになる。反対に、小さい通路は大きい繊維が通路開口に架橋してそこを塞いでしまうことから、繊維偏向が最小に留まる。

0018

偏向通路の形状も、また、繊維偏向に影響を及ぼす。たとえば、鋭角コーナまたは小さい半径を形成している周辺部で構成した偏向通路では繊維偏向を最小にする繊維の架橋が発生する可能性がより大きくなる。繊維の架橋に影響を及ぼす多様な通路形状に関する実例についてはラスクらに付与された1997年10月21日発行の米国特許第5,679,222号明細書を参照する。

0019

したがって、本発明は繊維偏向およびZ方向に一致する繊維配向を最大化する大きさならびに形状に合わせて構成される連続する組織領域および不連続な複数個の偏向通路を備える抄紙ベルトを提供する。

0020

さらに、本発明は本質的に連続し、本質的、かつ巨視的に単一平面からなる組織領域および組織領域全体にわたって分散させた不連続な複数個のドームを備える紙ウェブを提供する。このドームは最適の厚さを生じる大きさならびに形状に合わせて構成される。

0021

発明の概要
本発明は低密度/大きい厚さの紙ウェブを抄造する、模様を付けた構成物を有する抄紙ベルトおよびそのベルトにより抄造される紙ウェブを対象とする。この抄紙ベルトは模様を付けた構成物を有する強化構造物を備える。この模様を付けた構成物は連続する組織領域および不連続な複数個の偏向通路を備える。この偏向通路は連続する組織領域によってお互いから分離している。

0022

この偏向通路は形状が全体的には長円形であり、偏向通路の平均幅WがL<W<3Lの関係になるように、平均ウェブ繊維長さLに対して大きさを合わせている。この偏向通路は少なくとも約1.0から約2.0の範囲にわたるアスペクト比を有し、平均幅に対する最小半径の比が少なくとも約0.29から約0.5までの範囲にわたっている。

0023

偏向通路は単位面積あたりの通路の密集を最大化する一方、同時に、連続する組織領域の面積を最小化するように、六角形状に配置されている。この連続する組織領域は少なくとも約0.178mm(0.0007インチ)から約0.508mm(0.020インチ)までの範囲にわたる幅を有するナックル領域を備える。

0024

この抄紙ベルト上で抄造される紙は本質的、かつ巨視的に単一平面の組織領域および連続する組織領域全体にわたって分散し、その組織領域によってお互いから分離している、不連続な複数個のドームを備える。このドームは上述した全体的に長円形の偏向通路と同一の形状および配置を帯びる。

0025

発明の詳細な説明
定義
ここで用いられるとき、次の用語は以下に述べる意味を有する。
MDで示す流れ方向とは抄紙機器を通じて抄紙ウェブの流れる方向と平行な方向のことである。
CDで示す幅方向とはX−Y面内において流れ方向と垂直な方向のことである。
領域中心とは偏向通路の周辺部によって境界の定まる薄く均一な分散物集合体中心と一致する、偏向通路内の点のことである。
主軸とは偏向通路の領域中心を横切り、偏向通路の周辺部上の2点を結ぶ最長の軸のことである。
補助軸とは偏向通路の領域中心を横切り、偏向通路の周辺部上の2点を結ぶ最短の軸または幅のことである。
アスペクト比とは主軸長さの補助軸長さに対する比のことである。
偏向通路の平均幅とは偏向通路の領域中心を通り、偏向通路の周辺部上の2点を結んで引く直線の平均長さのことである。
曲率半径とは曲線上の1点に存在するその瞬間の曲率半径のことである。
曲線で囲われるとは曲線に付随することである。
直線で囲われるとは直線と付随することである。
Z方向高さとは強化構造物の抄紙側に向く面から延びる樹脂構成物の部分のことである。
平均繊維長とは重み付き平均繊維長のことである。

0026

明細内容には(1)本発明に係る抄紙ベルトおよび(2)本発明に係る完成紙製品に関する詳細な説明を含む。

0027

(1)抄紙ベルト
図1図式的に示す代表的な抄紙機では、本発明の抄紙ベルトはエンドレスベルト形態の抄紙ベルトを採用する。この抄紙ベルト10は紙と接する面11およびこの紙接触面11と反対側の背面12を有する。この抄紙ベルト10は形成物(初期ウェブ27および中間ウェブ29)に関係のある多様な工程で抄紙ウェブ(または“繊維ウェブ”)を搬送する。初期ウェブを形成する工程は、双方の特許明細書が参照によってここに取り入れられる、サンフォードおよびシゾンに付与された1974年1月31日発行の米国特許第3,301,746号明細書およびモーガンおよびリッチに付与された1976年11月30日発行の米国特許第3,994,771号明細書のような、多くの文献に説明されている。この抄紙ベルト10はリターンロール19a、19b、加圧ニップロール20、リターンロール19c、19d、19eおよびエマルジョン分配ロール21を回って方向矢印Bで示す方向に移動する。この抄紙ベルト10が移動するループには真空ピックアップシュー(PUS)24aおよびマルチスロット真空ボックス24のような、初期ウェブ27に対して流体の圧力差を作用させる手段を備える。図1では、抄紙ベルト10は、また、ブロースルードライヤ26のようなプレドライヤの周りを移動し、さらに加圧ニップロール20によって形成されるニップの間およびヤンキー乾燥ドラム28を通過する。

0028

本発明に係る抄紙ベルト10の好ましい実施例はエンドレスベルト10の形態であるが、これは、たとえば、ハンドシートを製造する場合に使用する固定プレートあるいは他の形式連続工程において使用する回転ドラムを含む、エンドレスベルト以外の数多くの形態にも取り入れることができる。抄紙ベルト10が請求された本発明を実施するために採用する物理的な形態とは関係なく、一般に、本発明は以下に詳述される一定の物理的特性を有する。本発明の抄紙ベルト10は、参照によってここに取り入れられる、トロクハンらに付与された米国特許第5,334,289号明細書に従って製造することができる。

0029

図2に示すように、本発明に従う抄紙ベルト10は主要な2つの構成要素;構成物30および強化構造物32を備える。この構成物30は、好ましくは、感光性高分子樹脂硬化物からなる。構成物30および抄紙ベルト10は抄紙ベルト10の紙接触面11を形成する第1の面11およびこの抄紙ベルト10を使用する抄紙機の方向に向く第2の面12を有する。

0030

ここで用いられるとき、本発明の抄紙ベルト10(またはそのベルト上に置かれた紙ウェブ27)に関係のあるX、YおよびZ方向とはデカルト座標系における方向のことである。本発明に従う抄紙ベルト10は巨視的に単一平面である。抄紙ベルト10の平面はそのX−Y方向を規定している。抄紙ベルト10のZ方向はX−Y方向および抄紙ベルト10の平面と垂直である。同様に、本発明に従う紙ウェブ27は巨視的に単一平面として考えることができ、X−Y面内にある。この紙ウェブ27のZ方向はX−Y面およびウェブ27の平面と垂直である。

0031

好ましくは、この構成物30は予め決められた模様の境界を定め、本発明の紙ウェブ27上にある適切な模様を圧痕形成するナックル域36を備える。構成物30のために特に好ましい模様は本質的に連続する組織である。構成物30のために好ましい本質的に連続する組織からなる模様を選ぶとするならば、不連続の偏向通路34は抄紙ベルト10の第1の面11から第2の面12にかけて延ばす。この本質的に連続する組織は偏向通路34を取り囲み、その境界を定める。

0032

この構成物30は構成物30の模様と同一の模様をそこに搬送された抄紙ウェブ27上に圧痕形成する。圧痕を形成するのはどのような場合も抄紙ベルト10と抄紙ウェブ27とがそれを刻印するのに十分な間隙を保つ2つの剛体面の間を通過するときに生じる。これは、一般に、2個のロールの間にあるニップで生じ、多くの場合、通常、抄紙ベルト10が紙をヤンキー乾燥ドラム28に移動させるときに生じる。圧痕の形成は加圧ロール20の位置で構成物30を抄紙ウェブ27に押し付けることによって生じる。

0033

抄紙ベルト10の第1の面11はそこに搬送された紙ウェブ27と接触する。抄紙の搬送中に抄紙ベルト10の第1の面は構成物30に付けた模様と同一の模様を抄紙ウェブ27に形成する。

0034

抄紙ベルト10の第2の面12はその抄紙ベルト10の抄紙機接触面である。この第2の面は偏向通路34と異なる通路を有する背面組織製作されている。この通路は抄紙ベルト10の第2の面の背面組織に不規則性を与える。この通路は抄紙ベルト10のX−Y面内で抄紙ベルト10の偏向通路34を通して必ずしもZ方向に流動させない空気漏洩を考慮したものである。このような背面組織を取り入れている抄紙ベルト10はスマルコスキーらに付与された1992年3月24日発行の米国特許第5,098,522号明細書、スマルコスキーらに付与された1994年11月15日発行の米国特許第5,364,504号明細書およびスマルコスキーらに付与された1993年11月9日発行の米国特許第5,260,171号明細書に従い製作される。これらの特許明細書の開示は参照によってここに取り入れられる。

0035

本発明に従う抄紙ベルト10の第2の主要な構成要素は強化構造物32である。構成物30と同様に、この強化構造物32は第1の面または紙対向面13およびこの紙対向面と反対側の第2の面または抄紙機対向面12を有する。この強化構造物32は主として抄紙ベルト10の背中合わせの両面間に配置され、抄紙ベルト10の背面と面一の面を有する。強化構造物32は構成物30に対する支持を与える。この強化要素はこの技術分野でよく知られるように、典型的には、製織して作られている。強化構造物32の偏向通路34と重なる部分は抄紙の製造で使用する繊維が偏向通路34を完全に通り抜けてしまうのを防ぎ、これにより、ピンホールの発生を減少させることができる。仮に、強化構造物32に製織ファブリックを使用するのを望まないとすれば、不織要素、スクリーンネットまたは複数個の孔を有するプレートによって適切な強さおよび本発明の構成物30に対する支持を与えるようにしてもよい。

0036

図3に示すように、構成物30は強化構造物32と結合されている。構成物30は強化構造物32の紙対向面13から外方向に延びている。強化構造物32は構成物30に強度を生じさせ、紙製造工程で使用される真空脱水機器が初期ウェブ27から水分を除去し、除去した水分を抄紙ベルト10から排出する機能を適切に果たすために突出させた適当な開口域を有する。

0037

本発明による抄紙ベルト10はその開示が参照によってここに取り入れられる、次の特許明細書のいずれかに従い製造される。これはジョンソンらに付与された1985年4月30日発行の米国特許第4,514,345号明細書、トロクハンに付与された1985年7月9日発行の米国特許第4,528,239号明細書、スマルコスキーらに付与された1992年3月24日発行の米国特許第5,098,522号明細書、1993年11月9日発行の米国特許第5,260,171号明細書、トロクハンに付与された1994年1月4日発行の米国特許第5,275,700号明細書、ラスクらに付与された1994年7月12日発行の米国特許第5,328,565号明細書、トロクハンらに付与された1994年8月2日発行の米国特許第5,334,289号明細書、ラスクらに付与された1995年7月11日発行の米国特許第5,431,786号明細書、ステルジェス ジュニアらに付与された1996年3月5日発行の米国特許第5,496,624号明細書、トロクハンらに付与された1996年3月19日発行の米国特許第5,500,277号明細書、トロクハンらに付与された1996年5月7日発行の米国特許第5,514,523号明細書、トロクハンらに付与された1996年9月10日発行の米国特許第5,554,467号明細書、トロクハンらに付与された1996年10月22日発行の米国特許第5,566,724号明細書、トロクハンらに付与された1997年4月29日発行の米国特許第5,624,790号明細書、エヤースらに付与された1997年5月13日発行の米国特許第5,628,876号明細書、ラスクらに付与された1997年10月21日発行の米国特許第5,679,222号明細書およびエヤースらに付与された1998年2月3日発行の米国特許第5,714,041号明細書である。

0038

ある特定の密集度を有する紙ウェブを抄造する能力はそのウェブの厚さの関数とみることができる。厚さとはある一定の機械的圧力のもとで測定したセルロース繊維ウェブのみかけ上の厚さのことである。厚さはウェブの坪量およびウェブ構造の関数とみることができる。坪量は紙の278.7平方メートル(3000平方フィート)あたり0.4536kg(1.00002ポンド)単位の重さである。ウェブ構造は抄紙ウェブ27を構成する繊維の配向および密度に関係がある。

0039

紙ウェブ27を構成する繊維は、典型的には、X−Y面内に配向されており、Z方向の構造的な支持は最小に留まる。それゆえ、紙ウェブ27が模様を付けた構成物30によって押し付けられると、紙ウェブ27が密集し、厚みの減少した模様のある高密度の領域を生じる。反対に、紙ウェブ27の偏向通路34と重なっている部分は密集することなく、結果として、厚さがより厚く、低密度の領域を生じる。

0040

ドームと呼ばれる低密度領域は紙ウェブ27にみかけ上の厚さを付与する。典型的なドームを構成する繊維は紙ウェブ27のX−Y面内に主に配向されるので、この繊維によるZ方向の支持はとるに足りない値である。したがって、ドームは著しく変形し易くなり、後に続く抄紙操作中、厚みが小さくなる。それゆえ、紙ウェブ27の厚さは、一般に、ドームに備わる機械的圧力に逆う力によって制限される。

0041

しかしながら、偏向通路34は繊維を周辺部38に沿ってZ方向に偏向させる手段を提供する。繊維偏向はZ方向成分を含む、繊維の配向を生じる。このような繊維配向は抄紙ウェブのみかけ上の厚さを増すだけでなく、紙製造工程全体を通じて紙ウェブ27がその厚みを維持できる、Z方向の構造的な剛さを一定量増大させる。したがって、本発明の場合、偏向通路34については繊維が周辺部38に沿って偏向するのを最大化するように、大きさならびに形状を合わせて構成する。

0042

初期ウェブ27からの水分の除去は繊維50が偏向し、偏向通路34内に入ったときに始まる。この水分の除去は繊維が偏り、再配列した後に、繊維を所定の位置に固定するのに役立つ繊維の流動性を減少させる。偏向通路34に入る繊維の偏りは初期ウェブ27に作用させる流体の圧力差によって生じる。圧力差を生じさせる好ましい一つの方法は初期ウェブ27を偏向通路34を介して真空さらすことである。図1では、好ましい方法として真空ピックアップシュー24aを使用することを示している。

0043

理論に拘束されることなく、偏向通路34に係わりのある初期ウェブ27の繊維の再配列は、一般には、繊維長を含む、多くの要因により左右される、2つのモデルのうち、1つを取ると考える。図4に図式的に示すように、長さの長い繊維50の両端は繊維50の中間域が偏向通路34の内部に十分に偏らないで曲がった状態でナックル36の上面に拘束されている。それゆえ、偏向通路34の“架橋”が発生する。これに代わるものでは、図5に示すように、繊維50(主に、長さが短い繊維)は、偏向が起こるとすれば、少しだけで、繊維50の山を生じて偏向通路34内に蓄積され、後から続いて偏向通路34に降りてくる繊維が偏向するのを最小に留めている。

0044

繊維配向は紙ウェブの曲げに対する抵抗の関数とみることができる。ウェブの曲げ剛さは2つの要因;(1)個別の繊維の曲げ剛さおよび(2)繊維同士の結合強さによって左右される。しかしながら、真空ピックアップシュー24aの箇所ではウェブは湿潤状態にあり、繊維同士の結合はウェブに含まれる多量の水分によって良好に果たされない。それゆえ、主な要因は個別繊維の曲げ剛さということになる。この繊維の曲げ剛さが大きくなればなるほど、繊維偏向はさらに小さくなる。

0045

繊維の偏向は繊維50の固有の曲げ剛さに依存するとしても、偏向の大きさは主として繊維50が偏向通路34の幅に架橋するのに十分な長さがあるか、否かによって決まる。図6および図7は繊維偏向における2つの可能な背景について示している。図6では、繊維50は点Aに固定され、偏向通路34の開口の上方で片持ちばりの状態にある。この繊維50に対して真空のような均一な荷重が作用すると、点Aに高い曲げモーメント、点Bに次式によって定まるたわみを生じる。

0046

fB=FL3/8EI(1)
ここで、fB :点Bにおけるたわみ量
F :繊維長さにわたって均一に分布する力
L :支持点からの繊維長さ
E :縦弾性係数
I :慣性モーメント
図7において、繊維セグメント50は偏向通路の幅よりも長さが長く、この結果、2つの固定点A、Bを生じる。繊維セグメント50が同じ真空圧を受けるとすれば、点A、B箇所の支持力偏心曲げモーメントを生じ、点Cに次式によって定まる繊維のたわみを生じる。

0047

fC=FL3/384EI(2)
ここで、fC は点Cにおける繊維のたわみ量である。

0048

パラメータF、L、EおよびIについて図6および図7に示す繊維に対して同一であると仮定すると、繊維のたわみ量fB は繊維のたわみ量fC よりも48倍大きいことは明らかである。

0049

fB=48fC (3)
したがって、繊維偏向は繊維の架橋の発生を最小にするために偏向通路34について大きさを合わせることによって高めることができる。しかしながら、偏向通路は、また、その大きさについて偏向通路34の内部に蓄積することのできる、紙料中の小さい繊維の一群、したがって、多量の繊維が偏向通路34の内部に偏るのを抑えることにより制限する。

0050

紙料は、通常では、広葉樹および針葉樹の双方を含む。広葉樹繊維の一例はユーカリ樹(EUC)材であり、一方、針葉樹繊維の一例はノーザンソフトウッドクラフト(NSK)材である。紙料の一例は重量比で針葉樹30%および広葉樹70%からなる。針葉樹の平均繊維長は広葉樹の平均繊維長の約3倍であるので、針葉樹の平均繊維長に対して偏向通路の大きさを合わせることは偏向通路がより小さい広葉樹繊維の蓄積に著しく影響され易くなり、このため、より長い繊維の偏向を制限する。したがって、偏向通路の幅Wは紙料の平均繊維長Lに対して大きさを合わせることが好ましい。

0051

W≧L (4)
本発明の場合、平均繊維長は次式によって定まる平均繊維長を比較考量した長さである。

0052

0053

ここで、Li:クラスiの平均繊維長
ni:クラスiの測定された繊維数
本発明の場合、長さ加重平均繊維長は約1.092mm(0.043インチ)である。

0054

図9および図10に示すように、偏向通路34は可変または一定のどちらかの幅を有する、異なる多様な形状を採用することができる。可変の幅を有する通路形状は主軸40、補助軸42および平均幅46の条件について規定する。主軸40は偏向通路の領域中心を横切る最長軸または最大幅、補助軸42は偏向通路の領域中心を横切る最短軸および平均幅46は偏向通路の領域中心を横切る平均幅として定義する。

0055

この平均幅46は、初めに、CD方向に領域中心を通り、偏向通路の周辺部上の2点を結んで引く線の長さを測定することにより決定する。(15度またはCDを表わす0°から165°までの範囲よりも小さい角度のような)CDに対して角度Δθの増分を保って方向を定めた類似する線の長さを測定し、平均幅を決めるために平均を求める。

0056

繊維の架橋は補助軸42に沿って起こることが最も予想されるので、平均繊維長さLに対して偏向通路34の最小幅について次のように大きさを合わせることは好ましい。

0057

Wmin≧L (6)
したがって、本発明の場合、好ましい最小通路幅は少なくとも約1.092mm(0.043インチ)である。

0058

小さい繊維の蓄積は偏向通路の長軸および短軸40、42の双方に沿って起こるので、双方の軸40、42のどちらに対しても繊維の蓄積を最小にし、繊維の偏向を最大化する上限を定めることは難しい。しかしながら、本発明の場合、平均幅46が平均繊維長さLと平均繊維長さLを3倍した値との間にあるように偏向通路34について大きさを合わせたとき、結果的に最大の厚さを得ることができることを見出した。

0059

L<W<3L
したがって、本発明の場合、平均通路幅は約1.092mm(0.043インチ)から約3.277mm(0.129インチ)の範囲にわたるように偏向通路について大きさを合わせることが好ましい。

0060

紙ウェブ27はほぼ2次元繊維組織である。理想的な繊維組織は繊維配向が特定の方向に偏らない、ばらばらな分布からなる。このような理想的な繊維の場合、平均繊維長さLはすべての方向において同一である。

0061

しかしながら、繊維組織は、典型的には、特定の方向に偏っている繊維配向を持つ紙ウェブとして配列されている。このような偏った組織の場合、平均繊維長は紙ウェブ27のX−Y面内で配向角度に見合って変化する。このような平均繊維長Lθは次のように表わすことができる。

0062

0063

ここで、θ :CDに対するX−Y面内での配向角度
Lθi:X−Y面内で配向角度θである成分の繊維の長さ
Lθ :X−Y面内で配向角度θであるときの平均繊維長
n :X−Y面内で配向角度θで測定された繊維数
本発明の場合、2次元繊維組織を構成している繊維50は主に流れ方向MDに配向することができる。したがって、流れ方向の平均繊維長は幅方向CDの平均繊維長よりも大きくなる。

0064

0065

上記式(4)から次の結果を得ることができる。

0066

WMD>WCD (9)
したがって、図11に示すように、偏向通路34について主軸40が抄紙ベルトの流れ方向と平行に移動するように向けることは好ましい。しかし、繊維配向が、典型的には、流れ方向MDに偏っているので、当業者は、図12に示すように、主軸40をMDに対して22.5°±22.5°の傾斜角度を保つように斜めに向けてもよいと理解することができる。

0067

偏向通路の形状は主軸40と補助軸42との比として定義する、アスペクト比RAの条件について規定する。繊維の最大の偏向を得るために上記式(8)および式(9)からアスペクト比を次のように規定する。

0068

0069

しかしながら、繊維が偏向通路34内にまさに偏る前のウェブ状態においてはX−Y面内で抄紙ウェブの特定方向の平均繊維長を測定することは実用的でない。したがって、最大の繊維の偏向をもたらす通路形状に対する好ましいアスペクト比を決定するために繊維長の関数である紙ウェブの固有の物理的特性を考慮する必要がある。

0070

紙ウェブ27の物理的特性は主として紙ウェブ27のX−Y面内での繊維配向に影響を受ける。たとえば、流れ方向MDに偏った繊維配向を有する紙ウェブ27においては引張り強さではCDよりもMDが強く、伸びではMDよりもCDが大きく、さらに曲げ剛さではCDよりもMDが大きい。

0071

繊維配向に加えて、紙ウェブの引張り強さはX−Y面内で特定の方向に配向された繊維の長さに比例する。したがって、流れ方向MDおよび幅方向CDのウェブ引張り強さはMDおよびCDの平均繊維長に比例する。

0072

TMD、CD(引張り強さ)∝LMD、CD (11)
したがって、式(8)から次の結果を得ることができる。

0073

TMD>TCD (12)
さらに、式(10)の LMD /LCD にTMD /TCD を代入することによって通路形状を規定する、アスペクト比RAを次のように表わすことができる。

0074

0075

流れ方向MDおよび幅方向CDの紙ウェブ27の引張り強さはスイングアルバート社(Thwing−Albert Co.,ペンシルベニア州、フィラデルフィア)によって製造される、スイング−アルバートインテレクトII標準引張り試験機を用いて測定した。最大の繊維偏向およびZ方向に一致する厚さの発生をもたらす、好ましい通路形状は1から約2までのアスペクト比を有する。より好ましい通路形状は約1.3から1.7までの範囲のアスペクト比を有する。最も好ましい通路形状は1.4から1.6までの範囲のアスペクト比を有する。

0076

偏向通路34の形状は通路幅を横切って生じる繊維の架橋を最小化するために重要であるだけでなく、通路壁を備えた周辺部38に沿って架橋する繊維を最小化するために重要である。繊維を架橋する特別の指定箇所には隙間のない半径または鋭角のコーナを形成する通路壁を備えるようにする。このような目的のために好ましくない通路形状の例は図8aおよび図8bに示されている。

0077

図9および図10に示すように、本発明にとって好ましい通路形状の一つは、これに限られないが、円形楕円および6またはそれ以上の面からなる多角形を含む、全体的には、長円形からなる。図9は個別の側壁セグメント44からなる直線で囲われた周辺部を有する、長円形の偏向通路を示している。このような通路形状の場合、周辺部に沿う繊維の架橋は少なくとも約120°の隣接する2つの側壁セグメントのなす夾角39を与えることによって最小化することができる。

0078

図10は偏向通路の中心に向けて凹ませた曲線からなる周辺部を有する、長円形の偏向通路を示している。この曲線からなる周辺部は最小半径48を備える。同様に、周辺部に沿う繊維の架橋は平均通路幅に対する最小半径48の比が少なくとも0.29に等しく、0.50よりも大きくならない形状に制限することで、最小化することができる。

0079

0080

図13に示すように、理想的には、ナックル36上面の紙ウェブ27は伸び量がであり、これに対して、偏向通路34の上方の紙ウェブ27は通路内に十分に偏り、次の平均伸び量εを生じる。

0081

0082

ここで、ε :平均伸び量
OB:Z方向高さ
W :通路幅
限界伸び量は抄紙ウェブ27が破断したときの値に基づいて決定する。伸び量が抄紙ウェブ27の限界伸び量よりも大きいならば、繊維組織は破断し、ウェブ内にピンホールが発生する。抄紙ウェブ27の限界伸び量は繊維長さおよび繊維配向のような繊維組織の特性に依存する。面同士の結合は真空ピックアップシューの箇所ではウェブが湿潤状態にあり、面同士の結合が良好に保たれないので、限界伸び量を高めることには殆ど役割を果たせない。

0083

抄紙ウェブ27が偏向通路34に偏るときの合計距離はZ方向高さ60により左右される。抄紙ウェブの限界伸び量はOB60に正比例して増減するので、OB60は抄紙ウェブ27の限界伸び量によって制限するという、結論に達する。したがって、式(15)からOBに対する合理的な範囲は次のように表わすことができる。

0084

0085

この限界伸び量εcriticalは繊維長、繊維配向および坪量が係わる取り扱いの複雑な関数である。定性的には、この限界伸び量は繊維長および/または坪量が大きくなったとき増加する。本発明の場合、最大のウェブ偏向を得るのに好ましいZ方向高さは少なくとも約0.127mm(0.005インチ)から約0.991mm(0.039インチ)までの範囲にわたる。

0086

紙ウェブが偏向通路内で受ける合計偏向量は、また、主に模様を付けた構成物のナックル/通路界面を形成している角度によって決定する。この紙ウェブの偏向角度62はZ方向に対するナックル/通路界面地点でのウェブ角度として定義される。図14に紙ウェブの偏向する様子を示している。ナックル/通路界面で蓄積する繊維50は繊維が外部の押し付け力に耐えることのできる支持構造を与えるのを可能にする、Z方向成分を備えるように配向される。ナックル/通路界面でZ方向と平行に配向される繊維は最大の支持を与えることができる。しかしながら、抄紙ウェブ27は無限には曲がらないので、偏向通路34の輪郭に完全には従うことができない。そのうえ、製造上の制約のために偏向通路の側壁は傾斜しており、ナックル/通路界面に樹脂角度64を生じる。さらに、偏向角度62が樹脂角度64よりも小さくならないことから、樹脂角度64はウェブの偏向を制限する。本発明の場合、樹脂角度64は、好ましくは、5度から10度の範囲で傾斜させる。このウェブ偏向角度は、典型的には、約20度から約50度の範囲である。

0087

多様な工程を通じて紙に外力が作用したとき、ナックル/通路界面にある繊維から支持力に従って反力が生じるので、この領域の繊維数が多くなればなるほど、一段と支持力を高め、厚さを大きくすることができる。この移行域の繊維50の数はナックル/通路界面の合計周囲長さ38を最大化することにより最適にすることができる。これは単位面積当たりの偏向通路34の数を最大化すること、またはナックル36の割合を最小化することと等価である。理論的には、偏向通路34は極値まで数を増すことができる。しかしながら、図11および図12に示すように、偏向通路34と分離しているナックル36は樹脂を第2の要素32と確実に固着させるための最小幅52を備えることを求められる。本発明の場合、好ましい最小ナックル幅52は少なくとも約0.178mm(0.007インチ)から約0.508mm(0.020インチ)までの範囲にわたる。

0088

さらに、単位面積あたりの偏向通路34の数はこれを効率よく配置し、無駄なく詰めることにより最大化することができる。偏向通路34の好ましい配置は、図11および図12に示すように、六角形状に形成することである。

0089

(2)抄紙
本発明の紙80は2つの主要な領域を備える。第1の領域は抄紙ベルト10の構成物30に当てて圧痕を形成される圧痕形成域82からなる。この圧痕形成域82は、好ましくは、本質的に連続する組織からなる。紙80の第1の領域を構成している連続組織82は抄紙ベルト10の本質的に連続する構成物30上に形成され、そして、紙製造中、所定の位置で、幾何学的には、全体的にそれと一致し、それと極接近して配置される。

0090

紙80の第2の領域は組織領域82の全体にわたって分散させた複数個のドーム84からなる。このドーム84は、紙製造中、所定の位置で、幾何学的には、抄紙ベルト10の偏向通路34と全体的に一致している。ドーム84内の繊維は、紙製造工程中、構成物30の紙対向面と強化構造物32の紙対向面との間で偏向通路34に従いZ方向に偏向する。結果として、ドーム84は紙80の連続する組織領域82から外方向に突出する。このドーム84は、好ましくは、不連続で、連続する組織領域82によってお互いから分離している。

0091

理論に拘束されることなく、紙80のドーム84および本質的に連続する組織領域82は、一般に、同等の坪量を有すると考える。ドーム80の密度は偏向通路34内に偏ることで、本質的に連続する組織領域82の密度と比べて減少する。さらに、本質的に連続する繊維領域82(または選択されるような、他の模様)については後工程で、たとえば、ヤンキー乾燥ドラムに当てて圧痕を形成してもよい。このような圧痕形成によりドーム84の密度と比べて本質的に連続する繊維領域82の密度をさらに高めることができる。こうして得られる紙80は後工程において、この技術分野でよく知られるように、エンボス加工する。

0092

本発明に従う紙80は、その開示が参照によってここに取り入れられる、トロクハンに付与された1985年7月16日発行の米国特許第4,529,480号明細書、トロクハンに付与された1987年1月20日発行の米国特許第4,637,859号明細書、スマルコスキーらに付与された1994年11月15日発行の米国特許第5,364,504号明細書、トロクハンらに付与された1996年6月25日発行の米国特許第5,529,664号明細書、ラスクらに付与された1997年10月21日発行の米国特許第5,679,222号明細書に従い製造することができる。

0093

X−Y面内にあるドーム84の形状は、これに限られないが、円形、楕円形および6ないしそれ以上の面からなる多角形を含む。好ましくは、ドーム84は曲線または直線のどちらかで囲う周辺部86を備える、全体的には長円形からなる。曲線で囲う周辺部86はドームの平均幅に対する最小半径の比が少なくとも約0.29から約0.50までの範囲にわたる最小半径を備える。直線で囲う周辺部86は隣接する2つの側壁セグメントのなす夾角が少なくとも約120度になるように側壁セグメントの数を決めて構成する。

0094

大きい厚さを有する紙80を提供するにはウェブの単位面積あたりのZ方向の繊維数を最大化する必要がある。繊維がZ方向に向くとき、その大部分は繊維配向が起こるドーム84の周辺部86に沿って配向する。それゆえ、紙ウェブにおけるZ方向への繊維配向およびZ方向に一致する厚さは主に単位面積あたりのドームの数により左右される。

0095

図15に示すように、単位面積あたりのドーム84の数はドームを効率よく並ばせ、無駄なく配置することで果たす、隣接するドーム間の距離を最小に保つことにより最大化する。本発明の場合、ドーム84間の好ましい最小距離88は少なくとも約0.178mm(0.007インチ)にであり、0.508mm(0.020インチ)よりも大きくない。この好ましいドーム84の配置は六角形状に形成している配置である。

0096

紙80の単位面積あたりのドーム84の数は上述した偏向通路の大きさならびに形状により左右される。本発明の場合、ドーム84の好ましい平均幅は少なくとも約1.092mm(0.043インチ)であり、約3.277mm(0.129インチ)よりも小さい。ドームにとって好ましい長円形とは1.0から約2.0までの範囲のアスペクト比を有する長円形である。より好ましい長円形は約1.3から1.7までの範囲のアスペクト比を有する。最も好ましい長円形は1.4から1.6までの範囲のアスペクト比を有する。

0097

紙ウェブの厚さは、典型的には、直径5.08cm(2インチ)の円形プレッサフートを使用して6.4516cm2(1平方インチ)あたり95gの圧力を掛け、3秒の静止時間を置いた後に測定した。この厚さはスイング−アルバート社(Thwing−Albert Co.,ペンシルベニア州、フィラデルフィア)によって製造される、スイング−アルバート厚み試験機(モデル89−100)を用いて測定することができる。この厚さは米国紙パルプ技術協会(TAPPI)試験方法指定温度および湿度条件のもとで測定した。

0098

本発明の場合、厚さは2プライからなる紙ウェブについて測定した。2プライ紙ウェブの厚さは、好ましくは、0.508mm(20ミル)から1.016mm(40ミル)の間である。より好ましい2プライ紙ウェブの厚さは0.965mm(38ミル)から1.168mm(46ミル)の間である。最も好ましい2層抄紙ウェブの厚さは0.635mm(25ミル)から0.762mm(30ミル)の間である。

0099

本発明の特定の実施例が図示され、かつ説明されたが、当業者をもってすれば本発明の範囲および意図したところから離れずに多様な変更ならびに変形がなし得ること明らかである。添付の請求の範囲は本発明の範囲内にあるこうした変更ならびに変形のすべてを含むことを意図する。

図面の簡単な説明

0100

図1は本発明に係る抄紙ベルトを使用する抄紙機の一実施例を示す図式的側面図である。
図2は強化構造物と結合され、かつ長円形に形成される偏向通路の紙側面開口を有する樹脂構成物を表わす、本発明に係る抄紙ベルトの一部を示す平面図である。
図3図2の3−3線に沿う抄紙ベルトの一部を示す縦断面図である。
図4は偏向通路に架橋する繊維を表わす、図3に示す抄紙ベルトの一部を示す縦断面図である。
図5は偏向通路の底部に集まる繊維を表わす、図3に示す抄紙ベルトの一部を示す縦断面図である。
図6は繊維偏向を示すために偏向通路の開口の上方で片持ちばりの状態にたわむ繊維を表わす、図3に示す抄紙ベルトの一部を示す縦断面図である。
図7は繊維偏向を示すために偏向通路に架橋した繊維を表わす、図3に示す抄紙ベルトの一部を示す縦断面図である。
図8aは繊維の架橋を生じ易い隙間のない半径または鋭角のコーナを有する通路形状を示す平面図である。
図8bは繊維の架橋を生じ易い隙間のない半径または鋭角のコーナを有する通路形状を示す平面図である。
図9は直線で囲われる周辺部を有する、長円形通路を示す図式的平面図である。
図10は曲線で囲われる周辺部を有する、長円形通路を示す図式的平面図である。
図11は抄紙ベルトの流れ方向と平行に向ける主軸を備えた六角形状に配置される偏向通路を示す図式的平面図である。
図12は抄紙ベルトの流れ方向に対して斜めに向ける主軸を備えた六角形状に配置される偏向通路を示す図式的平面図である。
図13は繊維の偏向通路への偏向を表わすと共に、通路幅、通路のZ方向高さおよびウェブの伸び量についての関係を示す、図3に示す抄紙ベルトの一部を示す縦断面図である。
図14は繊維の偏向通路への偏向を表わすと共に、ウェブ偏向角度およびナックル/通路開口界面を形成している角度の間の関係を示す、図3に示す抄紙ベルトの一部を示す縦断面図である。
図15は六角形状に配置されるドームを有する、抄紙ウェブを示す図式的平面図である。
図16図15の16−16線に沿う、抄紙ウェブの一部を示す縦断面図である。

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