図面 (/)
課題
解決手段
基板テーブルは基板を支持する。投影システムは、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に誘導する。液体閉じ込め構造は、投影システムと基板、基板テーブル、又はその両方との間にある空間に液浸液を少なくとも部分的に閉じ込める。熱測定システムは感熱性コーティングを含む。熱測定システム100は、コーティングに接触している液浸液の温度を検出する。熱測定システム、熱測定システムを備えるメトロロジーシステム、及び熱測定システムのダミーウェーハも開示される。
概要
背景
[0002]リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を備える)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる互いに近接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行にスキャンしながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することも可能である。
[0003]投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。液体は蒸留水であることが望ましいが、他の液体を使用することができる。本発明の実施形態は液体に関して説明されている。しかし別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることができることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族、例えばデカリン、フルオロハイドロカーボンなどの炭化水素、又は水溶液である。
[0004]基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要なことがあり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0005] 提案されている解決法の1つは、流体ハンドリングシステムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供することである(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号で開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口INによって基板に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給され、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口OUTによって除去される。つまり、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口INを介して供給され、低圧源に接続された出口OUTによって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは各側に4組の入口と出口が、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。
[0006]局所流体ハンドリングシステムがある液浸リソグラフィが、図4に図示されている。液体が、投影システムPSのいずれかの側にある2つの溝入口INによって供給され、入口INの半径方向外側に配置された複数の別個の出口OUTによって除去される。入口IN及びOUTは、投影される投影ビームが通る穴が中心にある板に配置することができる。液体は、投影システムPSの一方側にある1つの溝入口INによって供給される。液体は、投影システムPSの他方側にある複数の別個の出口OUTによって除去される。これは、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組み合わせの入口INと出口OUTを使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組み合わせの入口IN及び出口OUTは動作しない)。
[0007] 欧州特許出願公開EP1420300号及び米国特許出願公開US2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブルを備える。第一位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第二位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は1つのテーブルのみを有する。
[0008] PCT特許出願公開WO2005/064405号は、液浸液が閉じ込められないオールウェット構成を開示している。このようなシステムでは、基板の上面全体が液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を提供する。その液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良するが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題の軽減に役立つ1つの方法が、米国特許出願公開US2006/119809号に記載されている。全ての位置で基板Wを覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように構成された部材が提供される。
概要
基板テーブル、投影システム、液体閉じ込め構造及び熱測定システムを備えるリソグラフィ装置が開示される。基板テーブルは基板を支持する。投影システムは、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に誘導する。液体閉じ込め構造は、投影システムと基板、基板テーブル、又はその両方との間にある空間に液浸液を少なくとも部分的に閉じ込める。熱測定システムは感熱性コーティングを含む。熱測定システム100は、コーティングに接触している液浸液の温度を検出する。熱測定システム、熱測定システムを備えるメトロロジーシステム、及び熱測定システムのダミーウェーハも開示される。a
目的
[0005] 提案されている解決法の1つは、流体ハンドリングシステムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 2件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
請求項2
前記コーティング又はブラッグリフレクタによって放出される放射の特性が、前記コーティング又はブラッグリフレクタの前記温度に依存する、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
請求項3
前記コーティング又はブラッグリフレクタが、i)ダミー基板、ii)センサ、iii)投影システムの光学要素、iv)液体閉じ込め構造、v)シャッタ部材、vi)基板テーブル、vii)測定テーブル、viii)基板ホルダの縁部にて画定されたギャップの表面、ix)ミラー、x)照明システムの表面、又はxi)i)からx)から選択された任意の組合せの少なくとも一部に提供される、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
請求項4
請求項5
基板を支持する基板テーブル、パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に誘導する投影システム、前記投影システムと前記基板、基板テーブル又はその両方の間にある空間に液浸液を供給し、少なくとも部分的に閉じ込める液体閉じ込め構造をさらに備え、前記熱測定システムが、前記コーティング又はブラッグリフレクタに接触している液浸液の温度を測定する、前記請求項のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
請求項6
前記熱測定システムによる温度測定に応答して、前記液浸液の熱特性を変化させるコントローラをさらに備える、請求項5に記載のリソグラフィ装置。
請求項7
一方が基板を支持する基板テーブルである、2つのテーブル、パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に誘導する投影システム、前記投影システムと前記基板、前記2つのテーブルのうち少なくとも一方、又は前記2つのテーブルのうち前記少なくとも一方と前記基板の間にある空間に液浸液を供給し、少なくとも部分的に閉じ込める液体ハンドリング構造、及び感熱性コーティング又はブラッグリフレクタを備え、該コーティング又はブラッグリフレクタに接触している前記液浸液の温度を検出する熱測定システム、を備えるリソグラフィ装置。
請求項8
テーブル、前記テーブルの部分の上にある空間に液浸液を少なくとも部分的に閉じ込める液体ハンドリング構造、及び光応答性の感熱性コーティング又はブラッグリフレクタを備え、該コーティング又はブラッグリフレクタに接触している前記液浸液の温度を検出する熱測定システム、を備えるメトロロジー装置。
請求項9
メトロロジー装置又はリソグラフィ装置のための熱測定システムであって、放射ビームを供給する光源、感熱性になるように表面に適用されたコーティング又はブラッグリフレクタであって、前記コーティングが前記光源からの前記放射ビームに応答して放射を放出する、前記コーティング又はブラッグリフレクタ、及び前記コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出する検出器、を備え、前記放射ビームに応答して前記コーティング又はブラッグリフレクタによって放出される前記放射の特性が、前記コーティング又はブラッグリフレクタの温度に依存する、熱測定システム。
請求項10
前記特性が放射の特定波長の強度である、請求項9に記載の熱測定システム。
請求項11
請求項12
液浸リソグラフィ装置の熱測定システムにおいて使用されるダミー基板であって、コーティング又はブラッグリフレクタを有し、該コーティング又はブラッグリフレクタが光源からの放射ビームに応答して放射を放出し、前記放出された放射が前記コーティング又はブラッグリフレクタの温度に依存する特性を有する、ダミー基板。
請求項13
感熱性コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出することを含む、リソグラフィ装置における熱測定方法。
請求項14
メトロロジー装置における熱測定方法であって、液浸液がテーブルの部分の上にある空間に閉じ込められ、熱測定が、前記液浸液に接触している感熱性コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出することを含む、熱測定方法。
請求項15
技術分野
背景技術
0002
[0002]リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を備える)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる互いに近接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行にスキャンしながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することも可能である。
0003
[0003]投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。液体は蒸留水であることが望ましいが、他の液体を使用することができる。本発明の実施形態は液体に関して説明されている。しかし別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることができることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族、例えばデカリン、フルオロハイドロカーボンなどの炭化水素、又は水溶液である。
0004
[0004]基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要なことがあり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
0005
[0005] 提案されている解決法の1つは、流体ハンドリングシステムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供することである(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号で開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口INによって基板に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給され、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口OUTによって除去される。つまり、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口INを介して供給され、低圧源に接続された出口OUTによって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは各側に4組の入口と出口が、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。
0006
[0006]局所流体ハンドリングシステムがある液浸リソグラフィが、図4に図示されている。液体が、投影システムPSのいずれかの側にある2つの溝入口INによって供給され、入口INの半径方向外側に配置された複数の別個の出口OUTによって除去される。入口IN及びOUTは、投影される投影ビームが通る穴が中心にある板に配置することができる。液体は、投影システムPSの一方側にある1つの溝入口INによって供給される。液体は、投影システムPSの他方側にある複数の別個の出口OUTによって除去される。これは、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組み合わせの入口INと出口OUTを使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組み合わせの入口IN及び出口OUTは動作しない)。
0007
[0007] 欧州特許出願公開EP1420300号及び米国特許出願公開US2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブルを備える。第一位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第二位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は1つのテーブルのみを有する。
0008
[0008] PCT特許出願公開WO2005/064405号は、液浸液が閉じ込められないオールウェット構成を開示している。このようなシステムでは、基板の上面全体が液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を提供する。その液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良するが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題の軽減に役立つ1つの方法が、米国特許出願公開US2006/119809号に記載されている。全ての位置で基板Wを覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように構成された部材が提供される。
0009
[0009]リソグラフィ装置内にある流体媒質、例えば最終光学要素と基板の間にある液浸液の温度変化が、結像誤差の源である。このような誤差は焦点及びオーバーレイエラーを含む。装置、特に液浸装置の温度安定性は、表面上を流れる流体の温度に依存することがある。したがって液浸液の温度測定は、高い温度安定性及び均質性を保証するのに役立つ。このような測定の要件は、高い空間分解能での約〜1mKの経時温度変化である。アクセス不可能又はアクセスが困難な位置からの限界温度流体測定が必要となることがある。測定は、リアルタイムで、例えばミリ秒の時間尺度で〜1mKを検出する必要があることがある。現在使用可能な測定方法は、以上又は他の要件のうち1つ又は複数を満たすことができない。このような高い分解能を達成するシステム及びデバイスが知られているが、このようなシステムは、例えば使い捨てであるか、フィーチャに接続されたセンサである。
0010
[0010]使い捨てセンサシステムは、SensArray Corporationによって生産されたダミー基板などの使い捨てデバイスを含み、短命であるような傾向であり、したがって短命であるコンポーネントを使用する。SensArrayのダミー基板のようなシステムでは、温度測定データが基板上のメモリに記憶される。データは、ダミー基板がシステムから外された後にダウンロードされ、その後にオフラインで分析される。したがって、このようなシステムは「リアルタイム」の情報を提供することができない。
0011
[0011] 接続されたセンサを使用するシステムでは、例えば液浸液などの流体に接触しているセンサが、例えば電気配線によって、測定位置の外側にある測定システムの残りの部分に物理的に接触している。このような接続されたセンサを、アクセスが困難である位置に適合させることが困難なことがある。
0012
[0012]液浸装置内の流体中で時間の関数として空間的に分解された温度プロフィールを割り出す能力を有することが望ましい。この情報を使用して、温度の変化を最小化する、温度の変化を補償する、温度変化を予測する及び/又は流体の温度変化を減少させるように装置を設計することができる。このようなシステムは、特にオフラインで有用になる。
0013
[0013]リソグラフィ装置内の流体媒質及び/又はオブジェクトの温度を測定する非侵入性温度測定システム及び方法を提供することが望ましい。流体媒質は、液浸液などの流体とすることができる。システムは、高い空間分解能で〜1mKの経時温度変化を検出できることが望ましい。温度測定システムは、リアルタイム情報を提供するために、リソグラフィ装置の動作前及び動作中に、流体及び/又は例えば液浸システムなどのオブジェクトの表面で温度を測定するように、インラインで実行できることが望ましい。制御システムに接続されたこのような測定システムは、動作中に熱安定性及び均質性を向上させ、焦点及びオーバーレイエラーを最小化又は軽減することを可能にすることができる。
0014
[0014] 本発明の実施形態では、感熱性コーティング又はブラッグリフレクタを備える熱測定システムを備えるリソグラフィ装置が提供され、熱測定システムは、コーティング又はブラッグリフレクタの温度を検出するように構成される。
0015
[0015] 本発明の実施形態では、一方が基板を支持するよ基板テーブルである、2つのテーブル、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に誘導する投影システム、投影システムと基板、テーブル、又はテーブルと基板の間にある空間に液浸液を供給し、少なくとも部分的に閉じ込める液体ハンドリング構造、及び感熱性コーティング又はブラッグリフレクタを備え、該コーティング又はブラッグリフレクタに接触している液浸液の温度を検出する熱測定システム、を備えるリソグラフィ装置が提供される。
0016
[0016] 本発明の実施形態では、テーブル、テーブルの部分の上にある空間に液浸液を少なくとも部分的に閉じ込める液体ハンドリング構造、及び光応答性の感熱性コーティング又はブラッグリフレクタを備え、該コーティング又はブラッグリフレクタに接触している液浸液の温度を検出する熱測定システム、を備えるメトロロジー装置が提供される。
0017
[0017] 本発明の実施形態では、メトロロジー装置又はリソグラフィ装置のための熱測定システムであって、放射ビームを供給する光源、感熱性になるように表面に適用されたコーティング又はブラッグリフレクタであって、コーティングが光源からの放射ビームに応答して放射を放出する、コーティング又はブラッグリフレクタ、及びコーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出する検出器、を備え、放射ビームに応答してコーティング又はブラッグリフレクタによって放出される放射の特性が、コーティング又はブラッグリフレクタの温度に依存する、熱測定システムが提供される。
0018
[0018] 本発明の実施形態では、液浸リソグラフィ装置の熱測定システムにおいて使用されるダミー基板であって、コーティング又はブラッグリフレクタを有し、該コーティング又はブラッグリフレクタが、光源からの放射ビームに応答して放射を放出し、放出された放射が、コーティング又はブラッグリフレクタの温度に依存する特性を有する、ダミー基板が提供される。
0019
[0019] 本発明の実施形態では、感熱性コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出することを含む、リソグラフィ装置における熱測定方法が提供される。
0020
[0020] 本発明の実施形態では、メトロロジー装置における熱測定方法であって、液浸液がテーブルの部分の上にある空間に閉じ込められ、熱測定が、液浸液に接触している感熱性コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出することを含む、熱測定方法が提供される。
0021
[0021] 本発明の実施形態では、メトロロジー装置又はリソグラフィ装置における熱測定方法であって、熱測定が実行される表面に適用されたコーティング又はブラッグリフレクタに放射ビームを供給し、コーティング又はブラッグリフレクタによって放出される放射を検出し、検出された放出放射の特性から熱測定を割り出すことを含む熱測定方法が提供される。
図面の簡単な説明
0023
[0023]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示した図である。
[0024]リソグラフィ投影装置において使用する液体供給システムを示した図である。
[0024]リソグラフィ投影装置において使用する液体供給システムを示した図である。
[0025]リソグラフィ投影装置において使用するさらなる液体供給システムを示した図である。
[0026]本発明の実施形態に液体供給システムとして使用できるバリア部材を示した断面図である。
[0027]本発明の実施形態に使用できる別のバリア部材を示した断面図である。
[0028]本発明の実施形態による例示的コーティング配合の温度に依存する挙動を示した1組の図である。
[0029]本発明の実施形態によるさらなる例示的コーティング配合を示した略図である。
[0030]図8に示した例示的コーティング配合の温度に依存する挙動を示した1組の図である。
[0031]図8及び図9に示したようなコーティングの例示的配合で表面に取り付けた分子を示した略図である。
[0032]本発明の実施形態による熱測定システムを示した略図である。
[0032]本発明の実施形態による熱測定システムを示した略図である。
[0033]2つの異なる温度でコーティングが放出した放射を特定の波長で測定するように設定された検出器を示した図である。
[0034]ブラッグリフレクタで使用するための検出器を示した図である。
[0035]図13の検出器におけるセンサが検出した信号を示した略図である。
[0036]本発明の実施形態によりダミー基板を使用する熱測定システムがある液浸システムを示した略図である。
[0037]本発明の実施形態による熱測定システムを有する基板テーブルを示した略図である。
[0038]本発明の実施形態により投影システムの最終光学要素の熱を感知するように構成された熱測定システムを有する液浸システムを示した略図である。
[0038]本発明の実施形態により投影システムの最終光学要素の熱を感知するように構成された熱測定システムを有する液浸システムを示した略図である。
実施例
0024
[0039]図1は、本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
0026
[0041]−パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一ポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
0027
[0042]−基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二ポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
0028
[0043]−パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
0029
[0044]照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
0030
[0045]支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、所望に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
0031
[0046] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
0032
[0047]パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
0033
[0048] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
0034
[0049] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
0035
[0050]リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
0036
[0051]図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
0037
[0052]イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
0038
[0053]放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが与えられる。放射ビームBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、投影システムPSを通過し、これは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する。第二ポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一ポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、支持構造MTの移動は、第一ポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第二ポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブラインアラインメントマークとして知られる)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
0039
[0054] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
0040
[0055] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
0041
[0056] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり1回の動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
0042
[0057] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
0043
[0058] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
0044
[0059]投影システムPSの最終要素と基板の間に液体を提供する構成は、いわゆる局所液浸システムである。このシステムでは、液体が基板の局所領域に提供されるだけである液体ハンドリングシステムを使用する。液体によって充填された空間は、基板の上面より平面図で小さく、液体で充填された領域は、基板Wがその領域の下で移動している間、投影システムPSに対して実質的に静止したままである。図2から図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが図示されている。図2から図4に開示した液体供給システムは、以上で説明されている。
0045
[0060] 提案されている局所流体ハンドリングシステムの解決法を有する別の液浸リソグラフィ装置は、流体ハンドリングシステムにバリア部材(又はいわゆる液浸フードIH)を設ける。図5は、バリア部材12がある局所液体供給システムを概略的に示し、バリア部材は投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。(以下の文章で基板Wの表面に言及する場合、それは他に明記しない限り、追加的又は代替的に基板テーブルの表面も指すことに留意されたい。)バリア部材12は、投影システムに対してXY面では実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)には多少の相対運動があってよい。実施形態では、バリア部材と基板Wの表面との間にシールが形成され、ガスシール又は流体シールのような非接触シールとすることができる。
0046
[0061]バリア部材12は、投影システムPLの最終要素と基板Wの間の空間11に液体を少なくとも部分的に封じ込める。基板Wの表面と投影システムPLの最終要素の間の空間内に液体が閉じ込められるように、基板Wに対する非接触シール16を、投影システムのイメージフィールドの周囲に形成することができる。空間は、投影システムPLの最終要素の下方に配置され、それを囲むバリア部材12によって少なくとも部分的に形成される。液体を、液体入口13によって投影システムの下方で、バリア部材12内の空間に入れる。液体は、液体出口13によって除去することができる。バリア部材12は投影システムの最終要素の少し上まで延在することができる。液体のバッファが提供されるように、液体レベルが最終要素の上まで上昇する。実施形態では、バリア部材12は、その上端が投影システム又はその最終要素の形状に非常に一致することができる内周を有し、例えば円形とすることができる。底部では、内周がイメージフィールドの形状に非常に一致し、例えば長方形とすることができるが、そうである必要はない。
0047
[0062]液体が、使用中にバリア部材12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められる。ガスシールは、気体、例えば空気又は合成空気によって形成されるが、実施形態ではN2又は別の不活性ガスによって形成される。ガスシール内の気体は、圧力下で入口15を介してバリア部材12と基板Wの間のギャップに提供される。気体は出口14を介して抽出される。気体入口15への過剰圧力、出口14の真空レベル、及びギャップの幾何学的形状は、液体を閉じ込める内側への高速の気体流16があるように構成される。バリア部材12と基板Wの間で液体にかかる気体の力が、液体を空間11に封じ込める。入口/出口は、空間11を囲む環状溝でよい。環状溝は連続的又は不連続的でよい。気体16の流れは、液体を空間11に封じ込めるのに有効である。このようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
0048
[0063] 他の構成が可能であり、以下の説明から明白になるように、本発明の実施形態は、任意のタイプの局所液体供給システムを液体供給システムとして使用することができる。
0049
[0064] 1つ又は複数の局所液体供給システムは、液体供給システムの部分と基板Wの間を密封する。液体供給システムのその部分と基板Wの間の相対運動は、シールの破損に、及びそれにより液体の漏れにつながることがある。問題は、高いスキャン速度でさらに重大になることがある。スループットが増加するので、スキャン速度を上げることが望ましい。
0050
[0065]図6は、液体供給システムの部分であるバリア部材12を示す。バリア部材12は、投影システムPSの最終要素の周囲に延在し、したがってバリア部材(シール部材と呼ぶことがある)は、例えば実質的に全体的形状が環状である。投影システムPSは円形でなくてもよく、バリア部材12の外縁も円形でなくてもよく、したがってバリア部材がリング形である必要はない。バリア部材は、投影ビームが投影システムPSの最終要素から出て通過できる開口を有する限り、他の形状でもよい。開口は中心に配置することができる。したがって露光中に、投影ビームは、バリア部材の開口に封じ込められた液体を通過して、基板Wに当たることができる。バリア部材12は、例えば実質的に長方形でよく、バリア部材12の高さにおいて投影システムPSの最終要素と必ずしも同じ形状ではない。
0051
[0066]バリア部材12の機能は、ビームBが液体を通過できるように、液体を投影システムPSと基板Wの間の空間内に少なくとも部分的に維持するか閉じ込めることである。液体の最上位は、単にバリア部材12の存在によって封じ込められ、空間中の液体のレベルは、液体がバリア部材12の上部を越えて溢れないように維持される。
0052
[0067]液浸液はバリア部材12によって空間11に提供される。液浸液の通路又は流路は、バリア部材12を通る。流路の一部はチャンバ26で構成される。チャンバ26は2つの側壁28、22を有する。液体の流れ29はチャンバ24から第一側壁28を通過してチャンバ26に入り、次に第二側壁22を通過して空間11に入る。複数の出口20が液体を空間11に提供する。
0053
[0068]バリア部材12の底部と基板Wの間にシールが設けられる。図6では、シールデバイスが非接触シールを提供するように構成され、幾つかのコンポーネントで構成される。投影システムPSの光軸から半径方向外側へと(任意選択の)フロープレート50が提供され、これは空間内に延在して(しかしビームBの経路内には延在せず)、出口20からの液浸液の流れを空間全体で実質的に平行に維持するのに役立つ。フロー制御プレート50は、投影システムPS及び/又は基板Wに対してバリア部材12の光軸の方向での動作への抵抗を減少させるために、貫通穴55を有する。
0054
[0069]バリア部材12の底面上でフロー制御プレート50の半径方向外側には、入口180があってよい。入口180は、基板に向かう方向に液体を提供することができる。結像中に、これは基板Wと基板テーブルWTの間のギャップを液体で充填することにより、液浸液中の気泡形成を防止するのに役立つことができる。
0055
[0070] 入口180の半径方向外側には、バリア部材12と基板W及び/又は基板テーブルWTの間から液体を抽出する抽出器アセンブリ70があってよい。抽出器70は、以下でさらに詳細に説明され、バリア部材12と基板Wの間に生成される非接触シールの部分を形成する。抽出器は単相又は2相抽出器として動作することができる。
0056
[0071]抽出器アセンブリ70の半径方向外側には窪み80があってよい。窪みは、入口82を通して雰囲気に接続される。窪みは、出口84を介して低圧源に接続される。窪み80の半径方向外側にはガスナイフ90があってよい。抽出器、窪み及びガスナイフの配置構成は、米国特許出願公開US2006/0158627号で詳細に開示されている。
0057
[0072]抽出器アセンブリ70は、米国特許出願公開US2006−0038968号で開示されているような液体除去デバイス又は抽出器又は入口を備える。任意のタイプの液体抽出器を使用することができる。実施形態では、液体除去デバイス70は、液体を気体から分離して、1つの液相の液体を抽出できるように使用される多孔質材料110で覆われた入口を備える。多孔質材料110の下流のチャンバ120は、わずかに低圧に維持され、液体で充填される。チャンバ120内の低圧は、多孔質材料の穴に形成されたメニスカスによって周囲気体が液体除去デバイス70のチャンバ120に引き込まれるのを防止することができるような圧力である。しかし、多孔質表面110が液体に接触した場合は、流れを制限するメニスカスがなく、液体が液体除去デバイス70のチャンバ120内に自由に流れることができる。多孔質表面110は、バリア部材12に沿って半径方向内側に(さらに空間の周囲に)延在する。多孔質表面110を通る抽出速度は、液体によって覆われる多孔質材料110の量に従って変化する。
0058
[0073]多孔質材料110は、5から50μmという範囲の直径dholeを有する多数の小さい穴を有し、液体が除去される表面、例えば基板Wの表面から50から300μmの範囲の高さに維持される。実施形態では、多孔質材料110は少なくともわずかに親液性(例えば親水性)である。つまり例えば水などの液浸液に対して90°未満の接触角を有する。
0059
[0074]液体除去デバイスに気体が引き込まれるのを防止することが常に可能なわけではないが、多孔質材料110は、振動を引き起こし得る大きい不均一な流れを防止する。電気鋳造、フォトエッチング及び/又はレーザ切断によって作成されたマイクロシーブを、多孔質材料110として使用することができる。適切なシーブを、オランダのEerbeekのStock veco B.V.が作成している。孔のサイズが、使用中に経験する圧力差でメニスカスを維持するのに適切であれば、他の多孔質板又は多孔質材料の中実ブロックも使用することができる。
0060
[0075]基板Wのスキャン中に(その間に基板がバリア部材12及び投影システムPSの下で動作する)、基板Wとバリア部材12の間に延在するメニスカス115を、動作している基板によって加えられるドラグ力によって光軸に向かって、又は光軸から離すように引っ張ることができる。これは液体損につながることがあり、それは以上で述べたように液体の蒸発、基板の冷却、及びその結果の収縮及びオーバーレイエラーにつながり得る。液滴とレジストの光化学的性質との相互作用から、液体汚れが追加的又は代替的に残ることもある。
0061
[00076]図6には特に図示されていないが、液体供給システムは液体のレベルの変化に対処する構成を有する。これは、投影システムPSとバリア部材12の間に蓄積する液体を処理でき、零さないような構成である。このような液体の蓄積は、以下で説明するような投影システムPSに対するバリア部材12の相対運動の間に生じ得る。この液体を処理する1つの方法は、投影システムPSに対してバリア部材12が移動する間に、バリア部材12の周囲に圧力勾配がほとんどないように、非常に大きくなるようなバリア部材120を提供することである。代替的又は追加的な構成では、例えば抽出器70に類似した単相抽出器などの抽出器を使用して、バリア部材12の上部から液体を除去することができる。代替的又は追加的なフィーチャは、疎液性(例えば疎水性)コーティングである。このコーティングは、開口を囲むバリア部材12の上部の周囲及び/又は最終光学要素の周囲で帯を形成することができる。コーティングは、投影システムの光軸の半径方向外側にあってよい。疎液性コーティングは、液浸液を空間内に維持する。
0062
[0077] それぞれが1つの基板を保持する2つの基板テーブル又はステージが設けられた装置には、1つの基板を投影システムの下から投影システムの下にある別の基板テーブルへとスワップする間に問題がある。というのは、テーブルのスワップ前に液体供給システムからの液体を除去すると、投影システムの最終要素上に乾燥汚れが現れることがあるからである。この問題に対して提案されている1つの解決法は、基板テーブルのスワップ中に投影システムの下に配置可能なダミー基板を提供することである。この方法で、基板のスワップ中に液体供給システムを継続することができ、乾燥汚れが形成できない。このようなダミー基板は、例えば欧州特許出願公開EP−1,420,299号に記載されている。このシステムの代替法は、第二基板テーブルを第一基板テーブルに近づけ、投影システムの下で2つの基板テーブルを同時に移動させることである。2つの基板テーブル間のギャップが小さい(又は少なくともその下にドレインがある)場合、液体損は最小になるはずである。幾つかの場合、基板テーブルWTは、可動橋の形態のように回転又は後退可能でよい突起の分だけ延在した上面を有する。このような構成が米国特許第7,310,132に開示されている。
0063
[0078] 本発明の実施形態は、遠隔光源、遠隔検出器、光(つまり電磁放射)を誘導する光導波路、及びコーティングした表面又はブラッグリフレクタを備える。光導波路は、光源からの光をコーティングした表面又はブラッグリフレクタに誘導するように構成される。光導波路は、コーティングした表面又はブラッグリフレクタからの光を検出器に誘導することができる。
0064
[0079]コーティング又はブラッグリフレクタは、コーティング又はブラッグリフレクタの温度の測定に使用するために、リソグラフィ装置の様々な表面に適用することができる。コーティング又はブラッグリフレクタが流体と接触すると、流体の温度を測定することができる。この方法で、装置の様々な位置の温度を測定することができる。
0065
[0080] 実施形態では、コーティングの物理的特性は温度に依存する。実施形態では、コーティングは蛍光成分を含む2相混合物を含む。したがって実施形態では、2相混合物の物理的特性は温度に依存する。この物理的特性は、位相変化(例えば液体から固体)、ゲル転移(例えば混合物の一成分のポリマ鎖の空間フレキシビリティ)及び/又は(例えば分子鎖剛性の)ガラス転移を含むことができる。
0066
[0081] 温度が変化すると、物理的特性が変化して、蛍光成分の蛍光の活性に影響する。このような蛍光活性は、例えば特定の周波数における蛍光強度の変改、強度ピークの周波数シフト、又は2つの蛍光周波数の強度比率における変化でよい。
0069
[0084] 実施形態では、ブラッグリフレクタは様々な屈折率の材料が交互する複数の層を備える。各層の境界は光波の部分反射を引き起こす。層の光学的厚さの4倍に近い波長を有する波の場合、多くの反射が建設的に合成され、それにより反射体として作用する。実施形態では、ブラッグリフレクタの物理的特性は温度に依存する。例えば、温度とともに変化するブラッグリフレクタの物理的特性は、屈折率又は層厚さである。温度が変化すると、物理的特性の変化が、ブラッグリフレクタによって反射する電磁放射の波長を変化させる。反射した電磁放射の周波数に基づいて、温度を割り出すことができる。ブラッグリフレクタは、様々な屈折率の酸化珪素の層とすることができる。つまり、様々な層が様々な量のドーピング微量元素を有することになる。実施形態では、ブラッグリフレクタはコーティングの形態である。
0070
[0085]コーティングの実施形態が作用するために、特定の化学物質混合物を使用することができる。化学物質混合物の例が図7、図8及び図9に図示され、本明細書ではオプション1及びオプション2と呼ばれる。本明細書では液滴に言及しているが、例はコーティングの形態で表面に適用することができる。液滴、粒子及び微小球に言及しているが、これは言及を容易にするためである。微小球は、壁付きエンクロージャを含むことができ、これは化学物質混合物を囲み、表面の位置に閉じ込め、したがって表面をコーティングする。
0071
[0086]オプション1は、水中で乳化される3成分の親水性混合物である。1〜10μmのサイズの液滴が形成される。液滴は、図7に示すように外壁内に囲まれる。壁は、異種重合反応を使用して液滴を形成した後に、疎水性液滴の周囲に形成される。異種重合の結果、元の液滴と実質的に同じサイズである閉じた球が形成される。
0072
[0087] 壁付きの球内には3つの成分がある。A、B及びCである。実施形態では、これより多い成分があってもよい。成分Aは、例えば線形飽和した炭水化物(CnH2n+2)でよい。成分Bは疎水性である。成分Cは蛍光染料である。
0073
[0088] 成分Aは低い誘電率を有し、蛍光信号を有意に消滅させない。これは分子鎖を含むことができる。Aの鎖の長さは、その(純粋な形態での)融点が測定システムの所望の温度測定範囲の下限より実質的に数度低くなるように選択することができる。実施形態では、成分Aは約22℃の融点を有するように選択される。実施形態では、成分Aは例えば一般式CH3[CH2]nC6H10OH又はCH3[CH2]nC6H5の化合物で形成することができる。実施形態では、成分Aはアルキルシクロヘキサンとすることができる。実施形態では、成分Aは組成の約30〜60%を構成する。
0074
[0089] 成分BはAより有意に高い誘電率を有する。成分Bは、蛍光成分Cの発光を有意に消滅させることが望ましい。成分Bの融点を、成分Aの融点より1〜5℃高くできることが望ましい。成分Bの例は、芳香族化合物CmH2m+1C6H5であり、したがって芳香族基を含む。実施形態では、化合物Bはメチルアルキレンシクロヘキサン(CH3[CH2]nC6H11)とすることができる。実施形態では、成分Bは組成の約30〜60%を構成することができる。実施形態では、成分Bの融点を成分Aのそれより約1°低く設定することができる。
0075
[0090] 実施形態では、蛍光染料、つまり成分Cは疎水性である。これはフルオレシンメチルエステル又はDNS(4−ジメチルアミノ−4’−ニトロスチルベン)とすることができる。実施形態では、成分Cは組成の約5〜20%を構成することができる。
0076
[0091]測定システムの所望の使用測定温度より高い温度では、成分が液体混合物を形成する。3成分混合物の温度が低下するにつれて、成分Bが部分的に固化する。成分Bの残りは、成分A及びCと液体混合物を形成する。(純粋な状態の)成分A及びBの融点は、相互に近い。成分A及びBは化学的に類似している。
0077
[0092]融点が近く、化学的に類似しているので、成分Aとの液体混合物中にある成分Bの濃度は、温度の低下とともに急速に、しかし連続的に低下する。流体混合物中に成分Bが存在する結果、液体混合物中に溶解している成分Cの蛍光信号が赤方偏移する。さらに、成分Bの芳香族基が成分Cの蛍光発光を消滅させ、蛍光信号の大きさを低下させる。
0078
[0093]低温では、液体混合物中の成分Bの濃度は低い。液滴中の蛍光染料は、比較的短い波長で比較的大量の蛍光を発光する。温度が上昇するにつれて、液体混合物中の成分Bの濃度が上昇する。液体混合物中の成分Bの濃度が上昇するとともに、液滴によって発光される蛍光の波長が長くなり、強度が低下する。蛍光スペクトルは温度依存性が強いので、測定された蛍光スペクトルから温度を計算することができる。この関係を図7に示す。図7は2つのフィルタに言及していることに留意されたい。この構成について以下で説明する。
0079
[0094] 次に図8を参照しながら、オプション2を説明する。蛍光染料及び温度に強力に依存するサイズを有する分子を、PIV/PTV粒子(又は表面)の表面に取り付ける。図8を参照されたい。蛍光染料FDは、その発光スペクトルがその周囲の誘電率に強力に依存するように選択される。このような蛍光染料の一例がDNS(4−ジメチルアミノ−4’−ニトロスチルベン)である。粒子の表面積の少量、通常は0.01〜10%が、染料で覆われる。表面の残りは、温度に強力に依存する長さを有する低誘電率物質の疎水性分子で覆われる。このような物質の一例がJeffamine又はPNIPAM(ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド))である。Jeffamine又はPNIPAMは、(ガラス)トレーサ粒子に直接取り付けられないことがある。1つの解決法は、最初に凝縮反応を介してGLYMO(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)を(ガラス)粒子の表面に取り付け、その後にエポキシ反応がGLYMOをJeffamine又はPNIPAMに結合することである。
0080
[0095]低温では、Jeffamine又はPNIPAM鎖が長く、それによって鎖の間に水が存在することができる。高温では、Jeffamine又はPNIPAM鎖が短縮し、その結果、水がない低い誘電性の蛍光染料の環境になる。これが図9で視覚化されている。水の存在は発光強度を低下させて、蛍光発光の波長を長くし、これを測定することができる。図9で述べたような2つのフィルタへの言及を以下で説明することに留意されたい。
0081
[0096]オプション2の構成について単純化した説明では、蛍光分子51を、表面53に取り付けた固定長のスペーサ52に取り付ける(図10を参照)。同じ表面に、ポリマ鎖54を取り付ける。ポリマ鎖54の有効長及び剛性は、温度の関数である。鎖の長さ及び剛性が変化した結果、ポリマ単層に吸収される水分量が変化し、これは蛍光分子51の蛍光スペクトルに強い影響を与える。実施形態では、光の極性が変化し、これは蛍光波長の検出された信号の強度測定値として検出することができる。
0082
[0097] 特定の温度で、ポリマ鎖は特定の長さを有する。(蛍光化学物質の1つと相互作用するように選択され、レーザ、つまり測定システムの光源によって放出された波長の)光子の刺激により、蛍光分子は特定の波長分布で光子を放出する。基準信号に対する所与の波長間隔にわたる波長の強度は、約10mKの精度、望ましくは1mKの精度で表面の温度を示すことができる。
0083
[0098] これらの分子構造は、本明細書で例示するように、平坦な2次元表面又は小さい球状表面などの任意の微細構造を有する表面上のコーティングに使用することができる。したがって、これは本明細書の液浸システム及びメトロロジーシステムで列挙した全ての実施形態に適切であり得る。
0084
[0099]ブラッグリフレクタの実施形態は、基板の表面上で、又は基板の表面として使用するのに理想的に適している。基板の表面に平行な半反射性面を、干渉法で基板の上面にインプリントすることができる。ブラッグリフレクタを適用するこのような方法では、ゲルマニウム含有ガラスを反射性表面(例えば珪素基板)上に付着させる。反射性表面を、連続的な強度の平坦な波面を有する光で照射する。光は、ゲルマニウム含有ガラスを通過し、反射性表面で反射する。その結果、ゲルマニウム含有ガラスに最大値及び最小値がある干渉パターンになる。ゲルマニウムは、光化学的に正の干渉又は負の干渉の位置で微小結晶を形成する。これはガラスの屈折率を変化させる。その結果の屈折率パターンは、高い及び低い屈折率の水平に等間隔の格子、つまりブラッグ格子である。代替実施形態では、ブラッグリフレクタを、極端紫外線(EUV)放射装置のミラーと同じ方法で作成することができる。実施形態では、温度依存性の長さを有するポリマ(例えば表面上のPNIPAM又はJeffamine鎖)を使用することができる。次に、無機質であることが望ましい薄い半反射層を、原子層沈着などの沈着方法を使用してポリマの自由端に沈着させる。次に、所望の積み重ね厚さを達成するまで、プロセスを繰り返す。実施形態では、所望の構造を達成するために幾つかの層を沈着させる薄膜沈着方法を使用して、ブラッグリフレクタを構築することができる。
0086
[00101] 表面に対して90°の入射角を有し、波長と屈折率の比率が層厚さの2倍にちょうど同じである光を反射させる。小さいが有限の波長範囲の光で基板を照明し、基板上の各点ではその範囲のうち1つの周波数しか反射しない。反射光の周波数を基板の表面温度に相関させる。反射光の周波数を非常に高い精度で割り出すことができるので、この方法により基板の表面温度を高い精度で測定することができる。
0087
[00102] 方法の精度は、問題の温度範囲にわたって屈折率又は層厚さが激しく変化する材料を選択することによって上げることができる。一例として、測定される温度範囲は材料のガラス転移範囲内に入ることができる。
0088
[00103]ブラッグリフレクタは他の領域内で製造するか、設けることができる。例えば、ブラッグリフレクタを、センサ、又は気体及び/又は液浸液などの流体が通過する開口の付近など、基板テーブルWTの外面の一部になるように製造することができる。この位置で基板テーブルWTの温度をチェックすることは、例えば基板スワップ中などの装置の通常の動作の一部とすることができる。代替的又は追加的に、ブラッグリフレクタを光学要素(例えばレンズ)の縁部に配置して、例えば(図17aの実施形態と同様の)最終光学要素などの光学要素の側部の表面温度を検査することができる。この実施形態では、熱検出システムの光学要素を、基板テーブルWT、又は例えばセンサ位置まで通すことができる光ファイバのような流体ハンドリングシステムIHの入口又は出口に配置することができる。
0089
[00104]ブラッグリフレクタを、流体ハンドリングシステムIH、シャッタ部材(閉鎖ディスク、ステージ間で動作する後退可能なブリッジ、又は測定ステージなど)、及び/又は測定ステージなどの1つ又は複数の他のコンポーネント上に配置することができる。流体ハンドリングシステムIHの位置で温度変化を検出する場合は、流体ハンドリングシステムIH内の既存の流路に光ファイバを通すことができる。実施形態では、ブラッグリフレクタをメトロロジー又は測定ステージに配置することができる。液浸状態は、メトロロジー又は測定ステージ上の基板を液浸することによって再現することができる。
0090
[00105] 例えば液浸リソグラフィ装置内で、リソグラフィ装置の流体の温度変化を測定するために、上述したように以上のコーティングを粒子に適用するか、それで粒子を形成することができる。次に、リソグラフィ装置内で使用する流体に、これらの粒子を懸濁させる。流体中の粒子を他の実施形態のように照明し、相互に対して90°以外の角度に配置した4つのカメラを使用して、問題の場所での粒子を記録することができる。2つのカメラを第一波長に使用し、他の2つのカメラを第二波長に使用する。
0091
[00106] 上述したコーティングで使用できる熱測定システムの実施形態について、次に説明する。
0092
[00107]熱測定システム100の光学システム内には、図11a及び図11bに示すように、光源108、光導波路118、120、120a、120b、120c及び検出器101a、101b、101cがある。図11a及び図11bは、熱測定システムの様々な実施形態を示す。これは、図11aが光路毎に別個の光導波路120a、120b、120cを有し、図11bは光学システムとコーティングした表面との間に1つの主要な光路があるシステムを示すという点で異なる。つまり、図11aの実施形態では、光が光源108によって別個の導波路118を通りコーティング又はブラッグリフレクタに投影される。反射した光は、導波路120a、120b、120cを通して取り上げられ、フィルタ102a、102b、102cをそれぞれ通って戻り、検出器101a、101b、101cに投影される。フィルタ102、102b、102cは、1つの予め選択された周波数を除く全ての光を除去する。
0093
[00108]図11bの実施形態では、1つの導波路120を使用して、コーティング又はブラッグリフレクタを有する表面との間で光を伝搬させる。光は、導波路120内の分岐109を介して個々のフィルタ102a、102bを通り、検出器101a、101bに誘導される。図11bの検出器100内で、2つの光検出器101a、101b(つまりカメラ)を使用する。両方の光検出器101a、101bは、測定表面に配向され、特定の波長を表面によって放出又は反射された他の光から分離するレンズ及びフィルタ102a、102bを装備する。検出器はそれぞれ、選択された波長の強度を検出するように較正される。使用されるコーティング又はブラッグリフレクタの材料(例えば化学的蛍光化合物)を除き、システムの動作範囲は光学システムに、例えば刺激を与える光源108(つまり光源のレーザによって放出された波長、及びその一貫性及び安定性)、フィルタ102a、102b及びフィルタ120(つまり光導波路)に依存する。これらのコンポーネントの材料は、所望の温度範囲において適用可能な波長(例えば材料を刺激して蛍光させ、蛍光放射の波長に対応するような波長)で動作するために所望の精度で最適化されるように選択しなければならない。光学システムは、動作温度範囲において液浸流体と適合性である必要があることがある。
0095
[00110] この説明は、オプション2を使用する測定システムに当てはまる。しかし、他の化学物質混合物を使用する同様の構成を使用することができる。レーザからの光子で刺激された蛍光染料は、2つの波長A及びBのうち一方で光子を放出する。鎖が拡張し、鎖の間に水が存在する場合、光子は波長Bを有する。ポリマ鎖が短く、剛性である場合、光子は波長Cを有する。波長間隔BとCの強度の比率が温度を示す。この比率は、刺激する光源からの基準信号に依存しないようにすることができる。基準信号の波長を除去することができる。各波長の検出は、指定された検出器を必要とすることがある。高温及び低温で個々のフィルタを通して検出したままの波長B及びCの強度及び周波数を、図7及び図9に見ることができる。
0096
[00111] 実施形態では、1つの蛍光波長のみを使用する。この場合は、検出された波長BとAの強度を比較する必要があり、波長Aが基準信号である(つまり刺激するレーザからのものである)。波長Aの基準信号の検出器は、波長B用のフィルタを有することになる。蛍光波長の検出器は、波長A用のフィルタを有することになる。
0097
[00112]蛍光(つまり蛍光スペクトル)の強度及び平均周波数は、温度とともに変化することに留意されたい。したがって検出器は、スペクトルの分布(鐘形)曲線の一方側で特定の波長λBにて測定するように設定される。図12を参照されたい。
0098
[00113]図13は、ブラッグリフレクタの実施形態と組み合わせて使用できる検出器100の実施形態を示す。図13では、光源1は広帯域光源である。光はハーフミラー2を通過し、光ファイバ3へと誘導される。1本のファイバ3を使用して、光を温度測定用の表面4及びそのブラッグリフレクタ5(例えばコーティングの形態)に誘導する。ブラッグリフレクタ5及び表面4は同じ温度を有する。同じファイバ3を使用して、光を透過させ、ハーフミラー2に戻す。光はセンサ8に反射する。この構成を、説明したような液浸システムの任意の部分に取り付けることができる。
0100
[00115]コーティング又はブラッグリフレクタのサンプル位置は、液浸システム内のダミー基板の表面、透過イメージセンサ(TIS)などの温度センサ、光学要素(例えばレンズ)の外縁の周囲、基板テーブル又は液体閉じ込め構造の他の特定の位置、メトロロジーシステム又は測定ステージの上、ミラー又は(非接触温度測定用)投影システムの側部を含むことができる。
0101
[00116] 例えばカメラなどの光学検出器を使用して、図15に示すように液浸システム内に配置されたダミー基板DWの表面を流れる液浸液の温度変化を検出することができる。実施形態では、測定システムによって液浸リソグラフィ装置のサービス又は検査中に、温度の安定性及び均一性を観察することができる。検出器は液浸システムから遠隔位置でよく、1つ又は複数の光ファイバを液浸システム内の様々な位置に、例えば投影システムの最終光学要素の周囲に配置するか、液体閉じ込め又は流体ハンドリング構造IHの口に通すことができる。ダミー基板DWの表面をスキャンして、液浸液が流れる時にダミー基板DWの表面上にある液浸液の温度を検出することができる。この方法で、液浸システムの熱的性能の性能を検査し、観察することができる。ダミー基板は、装置のサービス又は設定中に特に使用されるダミー基板とすることができる。あるいは、ダミー基板は、投影システムPSの下で1つの基板Wを別の基板とスワップする間に、液体閉じ込め又は流体ハンドリング構造IHの開口を閉塞するために使用されるシャッタ部材とすることができる。基板スワップ中に液体閉じ込め又は流体ハンドリング構造IHを常に液体で一杯にすることができ、したがって投影システムPSの最終要素が常にウェットに維持されるように、この種のシャッタ部材を使用することができる。シャッタ部材は、基板テーブルWTから取り外し可能である閉鎖ディスクの形態とすることができる。実施形態では、シャッタ部材は基板テーブルWT、又は基板テーブルと、第二基板テーブルのように第一基板テーブルに取って代わるために投影システムの下で移動する別のテーブルとの間に延在するブリッジの表面の形態でよい。
0102
[00117]コーティング又はブラッグリフレクタは、図16に示すように基板テーブル又は測定ステージ上で、例えば基板テーブル又は測定テーブルの特定の位置に存在してよい。コーティング又はブラッグリフレクタは、基板又は測定テーブルの上面の任意の位置にあってよい。コーティング又はブラッグリフレクタを使用して、液浸システムの通常の動作中、例えば基板をスワップする間に、日常の温度チェック中に温度を測定することができる。光学構成は、他の全ての例のように、ダミー基板構成と同様にすることができる。コーティング又はブラッグリフレクタはセンサ上にあってよい。コーティング又はブラッグリフレクタは、放射ビームによって照明されないセンサの領域(つまり測定領域の外側)に配置することが望ましい。1つのこのようなセンサが、透過イメージセンサ(又はTIS)である。コーティングをTISに適用することにより、基板の位置合わせ中にTISの温度ドリフトを測定し、補正することができる。TISに与えられるプロセスによる温度変化によるTISのドリフトは、なお液浸及びEUVシステムの問題である。液浸システム内で、液浸液の蒸発が温度変化を引き起こすことがある。EUVシステム内で、TISのドリフトを引き起こす温度変化は、TISのクリーニングに由来することがある。本発明の実施形態は、液浸液又は他の液体の存在を伴うので、コーティングをEUVシステム内の密封された環境内に、例えばTISとして配置できることに留意されたい。ブラッグリフレクタを使用する場合は、こうする必要がない。
0103
[00118]コーティングは、液体閉じ込め又は流体ハンドリング構造、基板テーブル又はその両方の特定の部分又はコンポーネント上にあってよい。これらの表面はアクセス不可能なことがあり、それでもリソグラフィ装置、特にその液浸システムの性能によって非常に重要な温度を有することがある。したがって、直接接続した既知のセンサシステムを取り付けることが困難又は非現実的なことがある。
0104
[00119]閉じ込め構造IHの下面上の特徴部(例えば図6に示すように、気体又は液体出口、又は単相又は2相流体入口)など、液体閉じ込め又は流体ハンドリング構造IHの表面の場合、光導波路は、端部が基板テーブル内に画定された状態で基板テーブルWTの口に通した光ファイバとすることができる。端部は光源からの光をコーティングした表面に誘導することができる。ギャップBES内、基板ホルダの縁部、基板ホルダと周囲の基板テーブルの上面との間(つまり図15に図示する通り)など、基板テーブルWTのコーティングした表面は、液体閉じ込め構造IHの表面の光導波路位置の端部から提供された光源を有することができる。光導波路は、図6に示すように、ガスナイフ出口、液体出口、又は単相又は2相流体入口など、液体閉じ込め又は流体ハンドリング構造IHの口及び通路に通すことができる。基板テーブルWTの上面の大きい部分(例えばいわゆるミラーブロック又はエンコーダブロックの部分)を、上述したようにコーティング又はブラッグリフレクタで覆うことができる。この方法で、上面の温度プロフィールを2次元で構築することができる。この情報を、例えばコントローラで使用して、基板テーブルWTの温度の均一性を維持するために、その上面の特定部分を加熱する(例えば特定部分に熱負荷を与える)ことができる。それを実行する1つの方法は、加熱器として発光ダイオード(LED)を提供することでよい。所望の温度より低い基板テーブルWTの部分がLEDの下を通過すると、LEDを起動し、それにより所望の温度より低い部分を加熱することができる。コーティング又はブラッグリフレクタに向かって誘導され、コーティング又はブラッグリフレクタから反射した放射は、装置の投影システムPSの少なくとも一部を通過することができ、したがって投影システムPSの下にある基板テーブルWTの部分はその温度を測定させることができる。しかし、導波路を他の位置に配置することができる。この方法で、基板テーブルWTの他の位置も、その温度を検出させることができる。
0105
[00120]コーティング又はブラッグリフレクタを、図17a及び図17bに示すように投影システムPSの最終光学要素の縁部の周囲に、例えば光学要素の光学的に使用されていない部分に配置することができる。光導波路は光ファイバの形態でよい。光ファイバは、例えば図17aに示すように、投影システムPSの最終要素上のコーティング又はブラッグリフレクタを照明する及び/又はそこから反射した放射を受けることができるように、液体閉じ込め又は流体ハンドリング構造IHの口に通すことができる。熱測定システムの光学要素(つまり光導波路のコーティング又はブラッグリフレクタの端部)を、例えば図17bに示すようにセンサ位置又はBESに通す光ファイバとして、基板テーブル内(つまり基板ホルダ(及び存在する場合は基板)と基板テーブルの上面の残りの部分との間にあるギャップ)に配置することができる。この構成で、最終光学要素の熱性能を観察することができる。これは液浸リソグラフィ機械に特に適している。
0106
[00121]コーティング又はブラッグリフレクタを、EUV装置の投影システムのミラーに適用することができる。実施形態では、コーティングはこのようなミラーの背面にある。これで、ミラーの温度変化を検出することができる。実施形態では、フィードバックループを使用して、(例えば特定の時間だけビームBで照明されなかったことにより)冷却したミラーの部分を加熱することができる。この実施形態では、(EUV装置内の投影システムのミラーが真空内に保持されているので)コーティングの気体放出による問題が生じることがある。したがって、この環境でコーティングを使用することは困難なことがあるが、ブラッグリフレクタではこのような問題がないはずである。
0107
[00122]コーティング又はブラッグリフレクタを、照明システムのコンポーネントの表面に適用することができる。
0108
[00123] 本発明の実施形態を使用して、インライン又はオフラインで温度を検出することができる。例えば、システムを使用して、製造後の試験で、又は顧客プラントでの診断中の試験で、温度変化を検出することができる。さらに、システムを使用して、基板のスワップ中に、又は基板の結像又は基板の測定中でも、温度を検出することができる。
0109
[00124]コーティング又はブラッグリフレクタの表面で望ましくない温度又は温度変化を検出すると、熱測定システムは信号を開始することができる。信号は、コントローラで受信することができ、これは提供される流体、例えば液浸液、又は適用可能な表面の1つ又は複数のパラメータを制御するために使用される。このパラメータは、流量、加えられる低圧、例えば液浸システムに熱負荷を加えるために例えば液体閉じ込め構造又は基板テーブル内に存在する加熱器、及び/又は流体、つまり液浸流体が液浸システムに供給される前に調節される温度、から選択した1つ又は複数のパラメータを含むことができる。
0110
[00125]コーティング又はブラッグリフレクタは、例えば投影システムの光学要素の側部に適用することができる。光源及び検出器を、光学要素のマウントに配置することができる。熱測定システムを使用して、光学要素の加熱補正モデルを改良するために使用できる熱変化を検出することができる。
0111
[00126]コーティング又はブラッグリフレクタは、基板を液浸することによって液浸状態を再現するメトロロジー又は測定ステージの表面に適用することができる。
0112
[00127]コーティング又はブラッグリフレクタは、ガラスの表面(例えば同時温度及び流量検出器内にあるようなガラスビーズ)、金属表面及び/又は金属コーティングしたプラスチックに適用することができる。
0113
[00128]代替的又は追加的に、点測定のためにコーティング又はブラッグリフレクタをガラス繊維の先端に適用することができる。液浸システムでは、ガラス繊維の先端を液浸液中に配置することができる。放出された光の照明及び補正は両方とも、ガラス繊維を通して達成することができる。
0114
[00129] 実施形態では、以下が提供される。
0115
[00130]熱測定システムを備えるリソグラフィ装置。熱測定システムは、感熱性コーティング又はブラッグリフレクタを備える。熱測定システムは、コーティング又はブラッグリフレクタの温度を検出するように構成される。
0116
[00131]コーティング又はブラッグリフレクタによって放出される放射の特性は、コーティング又はブラッグリフレクタの温度に依存することがある。コーティング又はブラッグリフレクタは、i)ダミー基板、ii)センサ、iii)投影システムの光学要素、iv)液体閉じ込め構造、v)シャッタ部材、vi)基板テーブル、vii)測定テーブル、viii)基板ホルダの縁部にて画定されたギャップの表面、ix)ミラー、x)照明システムの表面、又はxi)i)からx)から選択された任意の組合せの少なくとも一部に提供することができる。
0117
[00132]リソグラフィ装置は、熱測定システムによる温度測定に応答して、コーティング又はブラッグリフレクタに適用される熱負荷を変化させるように構成されたコントローラを備えることができる。
0118
[00133]リソグラフィ装置は、基板テーブル、投影システム、及び液体閉じ込め構造を備えることができる。基板テーブルは基板を支持するように構成することができる。投影システムは、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に誘導するように構成することができる。液体閉じ込め構造は、投影システムと基板、基板テーブル又はその両方との間にある空間に液浸液を供給し、少なくとも部分的に閉じ込めるように構成することができる。
0119
[00134]熱測定システムは、コーティング又はブラッグリフレクタに接触している液浸液の温度を測定するように構成することができる。リソグラフィ装置は、熱測定システムによる温度測定に応答して、液浸液の熱特性を変化させるように構成されたコントローラを備えることができる。コントローラは、基板の露光及び/又は基板の測定中に動作可能にすることができる。
0120
[00135] 実施形態では、2つのテーブル、液体ハンドリング構造、及び熱測定システムを備えるリソグラフィ装置がある。テーブルの1つは、基板を支持するように構成された基板テーブルである。投影システムは、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に誘導するように構成される。液体ハンドリング構造は、投影システムと基板、2つのテーブルの少なくとも一方、又は2つのテーブル及び基板のうち少なくとも1つとの間にある空間に液浸液を供給し、少なくとも部分的に閉じ込めるように構成される。熱測定システムは、感熱性コーティング又はブラッグリフレクタを備え、熱測定システムは、コーティング又はブラッグリフレクタに接触している液浸液の温度を検出するように構成される。
0121
[00136] 実施形態では、テーブル、液体ハンドリング構造及び熱測定システムを備えるメトロロジー装置がある。液体ハンドリング構造は、テーブルの部分の上にある空間に液浸液を少なくとも部分的に閉じ込めるように構成される。熱測定システムは、光学的に応答性で感熱性のコーティング又はブラッグリフレクタを備える。熱測定システムは、コーティング又はブラッグリフレクタに接触している液浸液の温度を検出するように構成される。
0122
[00137] 実施形態では、メトロロジー装置又はリソグラフィ装置の熱測定システムがある。熱測定システムは光源、コーティング又はブラッグリフレクタ、及び検出器を備える。光源は放射のビームを供給するように構成される。コーティング又はブラッグリフレクタは、熱感知される表面に適用され、コーティングは光源からの放射ビームに応答して放射を放出する。検出器は、コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出するように構成される。放射ビームに応答してコーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射の特性は、コーティング又はブラッグリフレクタの温度に依存する。
0123
[00138] 特性は、放射の特定の波長の強度でよい。コーティングは2相コーティングでよい。コーティングは蛍光化学物質を含んでよく、特性は蛍光化学物質によって放出される放射の波長である。熱測定システムは、放射を光源からコーティング又はブラッグリフレクタへ、コーティング又はブラッグリフレクタから検出器へ、又はその両方へ誘導する導波路を備えることができる。
0124
[00139]液浸リソグラフィ装置の熱測定システムにおいて使用するダミー基板が提供される。ダミー基板はコーティング又はブラッグリフレクタを有し、コーティング又はブラッグリフレクタは、光源からの放射ビームに応答して放射を放出するように構成される。放出された放射は、コーティング又はブラッグリフレクタの温度に依存する特性を有する。
0125
[00140]コーティングは熱に依存する2相混合物を含んでよい。コーティング又はブラッグリフレクタは、290から300ケルビンの範囲の温度に敏感にすることができる。コーティングは、コーティングの温度に依存する波長を有する蛍光放射を放出するように構成された蛍光化学物質を含んでよい。
0126
[00141] 実施形態では、リソグラフィ装置における熱測定方法がある。方法は、感熱性コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出することを含む。
0127
[00142] 実施形態では、メトロロジー装置における熱測定方法がある。液浸液が、テーブルの部分の上にある空間に閉じ込められる。熱測定は、液浸液に接触している感熱性コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出することを含む。
0128
[00143] 実施形態では、メトロロジー装置又はリソグラフィ装置における熱測定方法があり、方法は、熱測定を実行する表面に適用されたコーティング又はブラッグリフレクタに放射のビームを供給すること、コーティング又はブラッグリフレクタによって放出された放射を検出すること、及び検出された放出放射の特性から熱測定を割り出すことを含む。
0129
[00144] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
0130
[00145] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
0132
[00147] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
0133
[00148] 上述したコントローラは、信号を受信、処理及び送信するのに適切な任意の構成を有することができる。例えば、各コントローラは、上述した方法の機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行するために、1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はこのような媒体を受信するハードウェアを含むことができる。
0134
[00149] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、基板及び/又は基板テーブル上で閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
0135
[00150] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組み合わせでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組み合わせを備えてよい。実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
0136
[00151] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を改修できることが当業者には明白である。