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課題・解決手段

本発明は、式IまたはIIの化合物と(式中、Rは、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子任意選択で含んでもよい、アルキルアルケニルアルキニルアリールアラルキルアラルケニル、またはアラルキニル基であり; R1は、水素、またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、置換アリール、またはアラルキル基であり; R2は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含んでもよい、4〜12個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基であり;但し、式Iの化合物においてR1がイソプロピルまたはフェニル基である場合、R2は、アセチルまたはt-ブチルジメチルシリル基ではないことを条件とする)、治療診断、および研究方法でのそれらの使用とに関する。

概要

背景

シクロペンテノン環構造(シクロペンテノン核としても知られる)を含む様々な化合物は、熱ショック応答を誘発することが可能である。熱ショック応答は、極端な温度、酸化的ストレス毒素への曝露、およびウイルス感染を含めた種々のタイプの損傷から細胞を保護するための、微細に調節されかつ高度に保存されたメカニズムである(1)。ヒト細胞では、熱ショック応答を引き起こすのに、細胞保護的熱ショックタンパク質(HSP)の発現を制御するトランス調節タンパク質、すなわち熱ショック転写因子1型(HSF1)の活性化を必要とする(1)。HSP誘導は、当初は生理学的ストレスを検出するシグナルとして解釈されたのに対し、現在ではHSPは、変性タンパク質蓄積および凝集から生じた損傷を予防するために種々のタイプの損傷の後の修復プロセスにおいて、分子シャペロンとして細胞に利用されることが認められている(1)。特に、熱ショックタンパク質HSP70の細胞保護的役割は、現在、虚血、炎症、およびウイルス感染を含めた広く様々なヒト疾患で述べられている(2-5)。これらの理由により、HSF1は、細胞保護的かつ抗ウイルス的な薬物の新規魅力ある目標と見なされる。ウイルス感染の場合、Santro他は、強力な抗ウイルス活性を有する種類のプロスタグランジン(PG)が、HSF1活性を介してHSP70誘導因子として機能することを示した(6、7)。

Aタイプのプロスタグランジン(PGA)は、ウイルスの複製を阻害することができかつ持続的感染の確立を予防できることが、1980年に最初に報告された(8)。現在では、シクロペンタン環構造内にα,β-不飽和カルボニル基を含有するPG(シクロペンテノンPG、cyPG)は、生体外および生体内実験モデルにおいて、ヘルペスウイルスパラミクソウイルスオルトミクソウイルス、およびレトロウイルスを含めた広く様々なDNAおよびRNAウイルスに対する活性を有することが、十分に確立されている(9)。抗ウイルス活性のメカニズムは、任意のその他の知られている抗ウイルス薬とは異なっており、感染細胞での熱ショックタンパク質の誘発および転写因子NF-κB(核因子-κB)の阻害がなされると考えられる。

NF-κBは、炎症およびウイルス複製を促進させる際、極めて重要な役割を有する誘導性真核転写因子である(11)。ほとんどの細胞において、NF-κBは、その主な形がp50およびp65サブ単位からなるヘテロダイマーであってIκBファミリー、通常はIκBαである阻害タンパク質に結合されている不活性細胞質複合体中に存在し、1次(ウイルス、細菌、UV)または2次(炎症性サイトカイン)病原性刺激応答して活性化する(12)。刺激は、IκBαの素早いリン酸化および分解を引き起こし、その結果、核へのNF-κB転座が生じ、因子が特定のκB-部位でDNAに結合し、様々な遺伝子コード信号伝達タンパク質を誘発する。標的遺伝子は、炎症性および走化性サイトカインサイトカイン受容体、およびウイルスタンパク質コード化するものを含む。NF-κBは、HIV-1転写を高めることによって、AIDSの進行を含めた多くの病理学的事象関与し、新規な抗ウイルスおよび抗炎症薬の魅力ある治療標的と見なされる(12)。Santro他は、シクロペンテノンプロスタグランジンが、IκBαのリン酸化および分解を防止することにより、ヒト細胞においてNF-κBの活性化およびNF-κB依存性HIV-1転写を阻害すること、およびこの作用は、HSF1活性化に緊密に関連していることを示した(11)。

Santoro他は、HSF活性化およびNF-κB阻害に関与する天然のプロスタグランジン分子構造を確認した(13)。PGA分子の1成分、シクロペント-2-エン-1-オン(2-シクロペンテン-1-オンとしても知られる)は、125〜500μMの濃度で、HSF1を活性化できることおよび細胞保護性HSP70の合成を素早く選択的に引き起こすことができることを示した。同じ濃度で、シクロペント-2-エン-1-オンは、化学的または生理学的誘導因子によって、NF-κB活性化を遮断できることを示した。これらの作用は、ラブドウイルスによる感染中の抗ウイルス活性に関連している(13)。

医薬品として活性なシクロヘキセノンおよびシクロヘキサノン誘導体のファミリーは、WO03/051807として公開された国際特許出願番号PCT/GB02/05708に記載されている。この文書に記載されている実験結果は、HSFの強力な活性剤およびNF-κB活性の阻害剤になる化合物のファミリーのメンバーを示している。これらの結果は、HSV-1およびセンダイウイルスの複製の強力な阻害剤になるような化合物も示している。

しかし、この文献には、カルボニル炭素との環外二重結合αを有する任意のシクロヘキセノンまたはシクロヘキサノンが、上記論じられた性質生物学的活性を示す能力を有することが、示唆されていない。

概要

本発明は、式IまたはIIの化合物と(式中、Rは、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子任意選択で含んでもよい、アルキルアルケニルアルキニルアリールアラルキルアラルケニル、またはアラルキニル基であり; R1は、水素、またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、置換アリール、またはアラルキル基であり; R2は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含んでもよい、4〜12個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基であり;但し、式Iの化合物においてR1がイソプロピルまたはフェニル基である場合、R2は、アセチルまたはt-ブチルジメチルシリル基ではないことを条件とする)、治療診断、および研究方法でのそれらの使用とに関する。

目的

本発明の化合物に提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

下記式IまたはIIの化合物。(前記式中:Rは、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子任意選択で含んでもよい、アルキルアルケニルアルキニルアリールアラルキルアラルケニル、またはアラルキニル基であり;R1は、水素、またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、置換アリール、またはアラルキル基であり;R2は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含んでもよい、4〜12個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基であり;但し、式Iの化合物においてR1がイソプロピルまたはフェニル基である場合、R2は、アセチルまたはt-ブチルジメチルシリル基ではないことを条件とする)。

請求項2

RがR3CH2-基であり、R3は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含んでもよい、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基である、請求項1に記載の化合物。

請求項3

Rが1〜12個の炭素原子を有する、請求項1または2に記載の化合物。

請求項4

Rが少なくとも1個の親水性基を含む、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。

請求項5

前記親水性基が、ヒドロキシルカルボニルカルボキシルアミノアミド、第4級アンモニウム、またはチオリル基であるか、あるいはヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、アミノ、アミド、第4級アンモニウム、またはチオリル基を含む、請求項4に記載の化合物。

請求項6

Rが、アミン、アミド、ペプチドエステルカルボン酸カルボン酸塩アルコールアルデヒドケトン、またはチオール官能性を提供する、請求項5に記載の化合物。

請求項7

基-SRがS-システイニルまたは置換S-システイニル基である、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。

請求項8

置換S-システイニル基が、S-システイニル部分を含むジまたはトリペプチド基である、請求項7に記載の化合物。

請求項9

置換S-システイニル基が、S-グルタチオニル、N-t-ブトキシカルボニルS-システイニル、またはN-t-ブトキシカルボニルS-システイニルエステル基である、請求項7に記載の化合物。

請求項10

R1がアリール基である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。

請求項11

R1がフェニル基または置換フェニル基である、請求項10に記載の化合物。

請求項12

R2が、その炭素骨格中にヘテロ原子を含むアルキル基である、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。

請求項13

ヘテロ原子がケイ素である、請求項12に記載の化合物。

請求項14

R2がトリアルキルシリル基である、請求項13に記載の化合物。

請求項15

R2がt-ブチルジメチルシリル基である、請求項14に記載の化合物。

請求項16

R2が-COR5であり、R5は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含んでもよい、3〜11個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基である、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。

請求項17

R5が、3〜6個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項16に記載の化合物。

請求項18

R5がt-ブチル基である、請求項17に記載の化合物。

請求項19

式Iの均等な化合物のlogP値よりも、少なくとも0.25、0.5、0.75、1、または1.25高くまたは低い、計算されたまたは測定されたlogP値を有し、前記化合物のlogP値は同じ技法を使用して計算されまたは測定されたものである、請求項1から18のいずれか一項に記載の、式IIの化合物。

請求項20

医薬品としてまたは治療活性な、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。

請求項21

医薬で使用される請求項1から20のいずれかに記載の化合物。

請求項22

療法によってヒトまたは動物の身体を治療するための、またはヒトまたは動物の身体に施される診断方法で使用するための、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。

請求項23

下記の事項、すなわち:a) HSFの活性化b) NF-κBの阻害c) HSV-1の複製の阻害d)センダイウイルスの複製の阻害e)癌細胞系アポトーシスの誘発f)抗血管新生活性の1つまたは複数に関して活性を有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物。

請求項24

ウイルス媒介性障害、細菌媒介性障害、放射線によって媒介された障害、炎症性障害、免疫系の障害、虚血動脈硬化症細胞増殖に関わる障害、細胞の損傷または細胞の死滅に関わる障害、糖尿病水生生物に影響を及ぼす障害、酸化的ストレス変性疾患火傷カルシウム損失または欠損に関わる障害、ウイルス感染、HPVHIV、HSV、またはHCV感染、術後瘢痕肥厚性およびケロイド瘢痕メラニン形成障害、色素沈着障害表皮障害機能の強化または不全骨成長の障害、骨破砕骨粗鬆症高脂血症肝毒性肝硬変肝炎感染、皮膚刺激脱毛症不妊症精子形成障害、卵移植障害、うつ病季節性情動障害アテローム性動脈硬化症、または血管形成障害を治療するための、あるいは、加齢の影響を根絶しまたは創傷治癒を促進させる際に抗酸化剤として使用するための、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。

請求項25

細胞増殖に関わる障害が癌である、請求項24に記載の化合物。

請求項26

癌が、従来の化学療法および/または放射線療法耐性のある癌である、請求項25に記載の化合物。

請求項27

癌が、リンパ腫メラノーマ乳癌前立腺癌肝癌多発性骨髄腫、またはB細胞悪性腫瘍である、請求項25または26に記載の化合物。

請求項28

乳癌が、後期乳癌、またはエストロゲン受容体陰性乳癌である、請求項27に記載の化合物。

請求項29

その他の化学療法薬と組み合わせてまたは放射線療法と組み合わせて投与される、請求項25から28のいずれか一項に記載の化合物。

請求項30

細胞増殖に関わる障害が、乾癬常性座そう、酒さ光線性角化症日光性角化症扁平上皮内癌、魚鱗癬過角化症角質化障害、例えばダリエ病せき角化症毛孔紅色疹、上皮母斑症候群、変異性紅斑角皮症表皮剥離性角質増殖症非水疱性魚鱗癬紅皮症皮膚エリテマトーデス扁平苔癬、NF-κBが構成上活性化される癌、グリオーマ頭頸部癌肺癌結腸癌膵臓癌神経芽細胞腫、または肝細胞癌である、請求項24に記載の化合物。

請求項31

変性疾患が神経変性疾患である、請求項24に記載の化合物。

請求項32

神経変性疾患が、BSE、新種CJD、またはアルツハイマー病である、請求項31に記載の化合物。

請求項33

下記の事項、すなわち:HSF、NF-κB、熱ショック応答、ウイルスの複製、ウイルス媒介性障害、細菌媒介性障害、放射線によって媒介される障害、炎症性障害、免疫系の障害、虚血、動脈硬化症、細胞増殖に関わる障害、細胞の損傷または死滅に関わる障害、または糖尿病の1つまたは複数を分析する研究ツールとしての、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物の使用。

請求項34

請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物を含み、かつ医薬品として許容される担体を任意選択で含む、医薬品組成物

請求項35

好ましくは請求項24から32のいずれか一項に記載の障害を治療するための医薬で使用される、請求項34に記載の組成物

請求項36

請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物を含む、水生生物用食品

請求項37

請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物を含む、水生環境。

請求項38

ヒトまたは動物の身体に施される治療または診断方法で使用される薬剤を製造するための、請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物の使用。

請求項39

ウイルス媒介性障害、細菌媒介性障害、放射線によって媒介された障害、炎症性障害、免疫系の障害、虚血、動脈硬化症、細胞増殖に関わる障害、細胞の損傷または細胞の死滅に関わる障害、糖尿病、水生生物に影響を及ぼす障害、酸化的ストレス、変性疾患、火傷、カルシウム損失または欠損に関わる障害、ウイルス感染、HPV、HIV、HSV、またはHCV感染、疣、術後瘢痕、肥厚性およびケロイド瘢痕、メラニン形成障害、色素沈着障害、表皮障害機能の強化または不全、骨成長の障害、骨破砕、骨粗鬆症、高脂血症、肝毒性、肝硬変、肝炎感染、皮膚刺激、脱毛症、不妊症、精子形成障害、卵移植障害、うつ病、季節性情動障害、アテローム性動脈硬化症、または血管形成障害を治療する薬剤を調製するための、請求項38に記載の使用。

請求項40

加齢の作用を根絶しまたは創傷治癒を促進させる際に抗酸化剤として使用される薬剤を調製するための、請求項38に記載の使用。

請求項41

細胞増殖に関わる障害を治療する薬剤を調製するための、請求項39に記載の使用。

請求項42

癌を治療する薬剤を調製するための、請求項41に記載の使用。

請求項43

癌が、従来の化学療法および/または放射線療法に耐性のある癌である、請求項42に記載の使用。

請求項44

癌が、リンパ腫、メラノーマ、乳癌、前立腺癌、肝癌、多発性骨髄腫、またはB細胞悪性腫瘍である、請求項42または43に記載の使用。

請求項45

乳癌が、後期乳癌、またはエストロゲン受容体陰性乳癌である、請求項44に記載の使用。

請求項46

薬剤が、その他の化学療法薬と組み合わせてまたは放射線治療と組み合わせて投与するためのものである、請求項41から45のいずれか一項に記載の使用。

請求項47

乾癬、尋常性座そう、酒さ、光線性角化症、日光性角化症、扁平上皮内癌、魚鱗癬、過角化症、角質化障害、例えばダリエ病、掌せき角化症、毛孔性紅色ひ糠疹、上皮母斑症候群、変異性紅斑角皮症、表皮剥離性角質増殖症、非水疱性魚鱗癬紅皮症、皮膚エリテマトーデス、扁平苔癬、NF-κBが構成上活性化される癌、グリオーマ、頭頸部癌、肺癌、結腸癌、膵臓癌、神経芽細胞腫、または肝細胞癌を治療する薬剤を調製するための、請求項39に記載の使用。

請求項48

神経変性疾患を治療する薬剤を調製するための、請求項39に記載の使用。

請求項49

BSE、新種CJD、またはアルツハイマー病を治療する薬剤を調製するための、請求項48に記載の使用。

請求項50

ヒトまたは動物の対象の状態、障害、または感染を治療するための方法であって、治療上有効な量の請求項1から32のいずれかに記載の化合物あるいは請求項34または35に記載の組成物を、前記対象に投与するステップを含む方法。

請求項51

ウイルス媒介性障害、細菌媒介性障害、放射線によって媒介された障害、炎症性障害、免疫系の障害、虚血、動脈硬化症、細胞増殖に関わる障害、細胞の損傷または細胞の死滅に関わる障害、糖尿病、水生生物に影響を及ぼす障害、酸化的ストレス、変性疾患、火傷、カルシウム損失または欠損に関わる障害、ウイルス感染、HPV、HIV、HSV、またはHCV感染、疣、術後瘢痕、肥厚性およびケロイド瘢痕、メラニン形成障害、色素沈着障害、表皮障害機能の強化または不全、骨成長の障害、骨破砕、骨粗鬆症、高脂血症、肝毒性、肝硬変、肝炎感染、皮膚刺激、脱毛症、不妊症、精子形成障害、卵移植障害、うつ病、季節性情動障害、アテローム性動脈硬化症、血管形成障害、または加齢の作用を治療するための方法であって、前記状態の1つまたは複数に罹患している対象に、請求項1から32のいずれかに記載の化合物あるいは請求項34または35に記載の組成物を、前記状態の少なくとも1つが少なくとも軽減されるのに有効な量で投与するステップを含む方法。

請求項52

細胞増殖に関わる障害が癌である、請求項51に記載の方法。

請求項53

癌が、従来の化学療法および/または放射線療法に耐性のある、請求項52に記載の方法。

請求項54

癌が、リンパ腫、メラノーマ、乳癌、前立腺癌、肝癌、多発性骨髄腫、またはB細胞悪性腫瘍である、請求項52または53に記載の方法。

請求項55

乳癌が、後期乳癌またはエストロゲン受容体陰性乳癌である、請求項54に記載の方法。

請求項56

化合物が、その他の化学療法薬と組み合わせて、または放射線療法と組み合わせて投与される、請求項52から55のいずれか一項に記載の方法。

請求項57

変性疾患が神経変性疾患である、請求項51に記載の方法。

請求項58

神経変性疾患が、BSE、新種CJD、またはアルツハイマー病である、請求項57に記載の方法。

請求項59

乾癬、尋常性座そう、酒さ、光線性角化症、日光性角化症、扁平上皮内癌、魚鱗癬、過角化症、角質化障害、例えばダリエ病、掌せき角化症、毛孔性紅色ひ糠疹、上皮母斑症候群、変異性紅斑角皮症、表皮剥離性角質増殖症、非水疱性魚鱗癬紅皮症、皮膚エリテマトーデス、扁平苔癬、NF-κBが構成上活性化される癌、グリオーマ、頭頸部癌、肺癌、結腸癌、膵臓癌、神経芽細胞腫、または肝細胞癌を治療する方法であって、前記状態の1つまたは複数に罹患している対象に、請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物、あるいは請求項34または35に記載の組成物を、前記状態の少なくとも1つが少なくとも軽減されるのに有効な量で投与するステップを含む方法。

請求項60

請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物、あるいは請求項34または35に記載の組成物を、創傷治癒を促進させるのに有効な量で、負傷した対象に投与するステップを含む、創傷治癒を促進させる方法。

請求項61

請求項1から19のいずれか一項で定義された式Iの、医薬品として活性な化合物の、親油性水溶性、および/または治療係数を変化させる方法であって、式Iの前記化合物と式R-SHのチオールとの付加物を形成するステップを含み、Rが請求項1から9のいずれか一項で定義された基であり、付加物が請求項1から19のいずれか一項で定義された式IIの化合物である方法。

請求項62

式Iの化合物の親油性を低下させかつ/または水溶性を増大させかつ/または治療係数を増大させるのに使用され、あるいは、式Iの化合物の水溶性を低下させかつ/または親油性を増大させかつ/または治療係数を増大させるのに使用される、請求項61に記載の方法。

請求項63

付加物が、式Iの不飽和化合物とチオールとの間のマイケル反応を介して形成される、請求項61または62に記載の方法。

請求項64

別の-SR基が、付加物中のシクロヘキサノン基に結合された側鎖に存在しまたは添加される、請求項61から63のいずれかに記載の方法。

請求項65

請求項61から64のいずれかに記載の方法によって調製されまたは調製可能な付加物。

技術分野

0001

本発明は、特定のシクロヘキセノンおよびシクロヘキサノン誘導体に関する。また、そのような誘導体の調製と、医学およびその他の分野におけるそれらの使用にも関する。本発明はさらに、水溶性親油性、および/または治療係数が高められている、あるシクロヘキサノン誘導体と、医薬品として活性シクロヘキセノン誘導体の水溶性、親油性、および/または治療係数を高める方法とに関する。

背景技術

0002

シクロペンテノン環構造(シクロペンテノン核としても知られる)を含む様々な化合物は、熱ショック応答を誘発することが可能である。熱ショック応答は、極端な温度、酸化的ストレス毒素への曝露、およびウイルス感染を含めた種々のタイプの損傷から細胞を保護するための、微細に調節されかつ高度に保存されたメカニズムである(1)。ヒト細胞では、熱ショック応答を引き起こすのに、細胞保護的熱ショックタンパク質(HSP)の発現を制御するトランス調節タンパク質、すなわち熱ショック転写因子1型(HSF1)の活性化を必要とする(1)。HSP誘導は、当初は生理学的ストレスを検出するシグナルとして解釈されたのに対し、現在ではHSPは、変性タンパク質蓄積および凝集から生じた損傷を予防するために種々のタイプの損傷の後の修復プロセスにおいて、分子シャペロンとして細胞に利用されることが認められている(1)。特に、熱ショックタンパク質HSP70の細胞保護的役割は、現在、虚血、炎症、およびウイルス感染を含めた広く様々なヒト疾患で述べられている(2-5)。これらの理由により、HSF1は、細胞保護的かつ抗ウイルス的な薬物の新規魅力ある目標と見なされる。ウイルス感染の場合、Santro他は、強力な抗ウイルス活性を有する種類のプロスタグランジン(PG)が、HSF1活性を介してHSP70誘導因子として機能することを示した(6、7)。

0003

Aタイプのプロスタグランジン(PGA)は、ウイルスの複製を阻害することができかつ持続的感染の確立を予防できることが、1980年に最初に報告された(8)。現在では、シクロペンタン環構造内にα,β-不飽和カルボニル基を含有するPG(シクロペンテノンPG、cyPG)は、生体外および生体内実験モデルにおいて、ヘルペスウイルスパラミクソウイルスオルトミクソウイルス、およびレトロウイルスを含めた広く様々なDNAおよびRNAウイルスに対する活性を有することが、十分に確立されている(9)。抗ウイルス活性のメカニズムは、任意のその他の知られている抗ウイルス薬とは異なっており、感染細胞での熱ショックタンパク質の誘発および転写因子NF-κB(核因子-κB)の阻害がなされると考えられる。

0004

NF-κBは、炎症およびウイルス複製を促進させる際、極めて重要な役割を有する誘導性真核転写因子である(11)。ほとんどの細胞において、NF-κBは、その主な形がp50およびp65サブ単位からなるヘテロダイマーであってIκBファミリー、通常はIκBαである阻害タンパク質に結合されている不活性細胞質複合体中に存在し、1次(ウイルス、細菌、UV)または2次(炎症性サイトカイン)病原性刺激応答して活性化する(12)。刺激は、IκBαの素早いリン酸化および分解を引き起こし、その結果、核へのNF-κB転座が生じ、因子が特定のκB-部位でDNAに結合し、様々な遺伝子コード信号伝達タンパク質を誘発する。標的遺伝子は、炎症性および走化性サイトカインサイトカイン受容体、およびウイルスタンパク質コード化するものを含む。NF-κBは、HIV-1転写を高めることによって、AIDSの進行を含めた多くの病理学的事象関与し、新規な抗ウイルスおよび抗炎症薬の魅力ある治療標的と見なされる(12)。Santro他は、シクロペンテノンプロスタグランジンが、IκBαのリン酸化および分解を防止することにより、ヒト細胞においてNF-κBの活性化およびNF-κB依存性HIV-1転写を阻害すること、およびこの作用は、HSF1活性化に緊密に関連していることを示した(11)。

0005

Santoro他は、HSF活性化およびNF-κB阻害に関与する天然のプロスタグランジン分子構造を確認した(13)。PGA分子の1成分、シクロペント-2-エン-1-オン(2-シクロペンテン-1-オンとしても知られる)は、125〜500μMの濃度で、HSF1を活性化できることおよび細胞保護性HSP70の合成を素早く選択的に引き起こすことができることを示した。同じ濃度で、シクロペント-2-エン-1-オンは、化学的または生理学的誘導因子によって、NF-κB活性化を遮断できることを示した。これらの作用は、ラブドウイルスによる感染中の抗ウイルス活性に関連している(13)。

0006

医薬品として活性なシクロヘキセノンおよびシクロヘキサノン誘導体のファミリーは、WO03/051807として公開された国際特許出願番号PCT/GB02/05708に記載されている。この文書に記載されている実験結果は、HSFの強力な活性剤およびNF-κB活性の阻害剤になる化合物のファミリーのメンバーを示している。これらの結果は、HSV-1およびセンダイウイルスの複製の強力な阻害剤になるような化合物も示している。

0007

しかし、この文献には、カルボニル炭素との環外二重結合αを有する任意のシクロヘキセノンまたはシクロヘキサノンが、上記論じられた性質生物学的活性を示す能力を有することが、示唆されていない。

0008

PCT/GB02/05708(WO03/051807)
WO91/04014
米国特許第4704355号明細書

先行技術

0009

Langer、Science 249、1527〜1533(1991)
IllumおよびDavis、Current Opinions in Biotechnology 2m 254〜259(1991)
Pharmaceutical Research、3(6):318、1986

発明が解決しようとする課題

0010

驚くべきことに、カルボニル炭素との環外(exocyclic)二重結合αを有する所定のシクロヘキセノンおよびシクロヘキサノン誘導体が、前述の方法の少なくとも1つにおいて医薬品として活性であることを、ついに見出した。

課題を解決するための手段

0011

本発明の第1の態様によれば、式IまたはIIの化合物が提供される。

0012

0013

(上記式中:
Rは、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子任意選択で含んでもよい、アルキルアルケニルアルキニルアリールアラルキルアラルケニル、またはアラルキニル基であり;
R1は、水素、またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、置換アリール、またはアラルキル基であり;
R2は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含んでもよい、4〜12個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基であり;
但し、式Iの化合物においてR1がイソプロピルまたはフェニル基である場合、R2は、アセチルまたはt-ブチルジメチルシリル基ではないことを条件とする)。

0014

Rは置換基にすることができる。好ましい置換基は、-OH、-OR4、-SH、-SR4、-NH2、-NHR4、-N(R4)2、-N(R4)3+、-CO2H、-CO2R4、-NHCOR4、-CONH2、-CONHR4、および-CON(R4)2 であって、R4がアルキル、アリール、またはアラルキル基であるものであり、またはこれらを含む。好ましくはR4は、1〜12個の炭素原子を有する。

0015

Rは、R3CH2-基にすることができ、したがって基-SRは-SCH2R3基であり、但しR3は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含む、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基である。Rは、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する。

0016

好ましい実施形態では、RまたはR3は、少なくとも1個の親水性基を含む。前記親水性基は、ヒドロキシルカルボニルカルボキシルアミノアミド、第4級アンモニウム、またはチオリル基にすることができ、またはこれらを含むことができる。したがってRまたはR3は、アミン、アミド、ペプチドエステルカルボン酸カルボン酸塩アルコールアルデヒドケトン、またはチオール官能性を、本発明の化合物に提供することができる。

0017

さらに好ましい実施形態では、基-SRは、S-システイニルまたは置換S-システイニル基である。本出願の文脈において、置換または非置換S-システイニル基には、その硫黄原子を介して環に結合されるシステイニル部分が含まれ、この環は、システイン中の均等な硫黄原子に結合されている水素原子代わることになる。好ましい置換S-システイニル基には、N-t-ブトキシカルボニルS-システイニル、およびN-t-ブトキシカルボニルS-システイニルエステル(例えば、メチルおよびエチル)基を含めた、S-グルタチオニル、S-システイニルエステル、およびその他同様の基などのS-システイニル部分を含むジ-およびトリ-ペプチド基が含まれる。

0018

R1は、水素、またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、置換アリール、またはアラルキル基である。好ましくはR1は、1〜12個の炭素原子を有する。

0019

R1は、好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基または置換フェニル基である。

0020

R1は、置換基にすることができる。好ましい置換基は、ハロ(フルオロクロロ、ブロモヨード)、ニトロ、アルキル、およびアルコキシ基であり、またはこれらを含む。置換基がアルキルまたはアルコキシ基であり、あるいはこれらを含む場合、好ましくは、アルキルまたはアルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する。

0021

R2は、好ましくはその炭素骨格中にヘテロ原子を含むアルキル基である。ヘテロ原子は、好ましくはケイ素であり、好ましい実施形態ではR2がトリアルキルシリル基であり、好ましくはt-ブチルジメチルシリル基である。

0022

あるいは、R2は-COR5であり、但しR5は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含む、3〜11個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基である。好ましくはR5は、3〜6個の炭素原子を含有するアルキル基であり、好ましくはt-ブチル基である。

0023

R2は、置換基にすることができる。好ましい置換基は、好ましくは1〜6個の炭素原子を含有するアルコキシ基であり、またはこれらを含む。

0024

R、R2、およびR3のそれぞれは独立に、その炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を含む基にすることができる。好ましいヘテロ原子は、酸素窒素硫黄、およびケイ素である。

0025

本発明による式(I)の化合物は、少なくとも1つのキラル中心(*)を有し、したがって、少なくとも2個の鏡像異性体の形で存在することができる。本発明による式(II)の化合物は、少なくとも2つのキラル中心(*)を有し、したがって、少なくとも4個の鏡像異性体の形で存在することができる。そのような鏡像異性体、それらの不均等な混合物、およびラセミ体の全ては、本発明により包含される。式(I)の化合物のR-およびS-鏡像異性体の両方と、式(II)の化合物のRR-、SS-、RS-、およびSR-鏡像異性体の4つ全てが有用である。これらはそれぞれ、他の鏡像異性体を実質的に含まない形(フリー)で提供することができる(例えば、少なくとも75%、85%、90%、95%、または99%フリー(w/w))。しかし、鏡像異性体の混合物(例えば、不均等なまたはラセミ混合物)を使用してもよい。

0026

0027

R1が水素ではない本発明による化合物は、ZおよびE形の両方で存在し、すなわちR1は、シクロヘキセノンまたはシクロヘキサノン環のカルボニル炭素に対してシス-またはトランス-型である。本発明は、そのような個々の異性体およびその混合物の全てと、それらの使用とを一緒に包含する。

0028

本発明の第1の態様による好ましい化合物は、下記の物質を含む。

0029

0030

本発明の第1の態様によるその他の好ましい実施形態は、下記の鏡像異性体と、

0031

0032

これらの鏡像体の混合物、例えば(CTM-208-2R, 1'S, 2'S)と(CTM-208-2R, 1'R, 2'R)とが50:50の混合物を含む。

0033

本発明による化合物は、実施例に記述される技法により調製してもよい。特に、式Iの化合物は、一般的な方法Aに記述されるタイプの技法によって調製してもよく(下記参照)、式IIの化合物は、一般的な方法Bに記述されるタイプの技法によって(下記参照)、その式Iのシクロヘキセノン類似体から調製してもよい。

0034

多くの医薬品として活性な化合物は、水に溶解し難く、または非常に親油性が高い。したがって、そのような化合物は、非経口的な注射など、患者に一般にそれほど好まれないその他の全身投与経路による場合に比べ、経口的な患者への投与にはそれほど適していない。さらに、そのような化合物は、しばしば生物学的にある程度活性であり、例えば乾癬皮膚癌などの皮膚状態局所治療に有用であることが示唆される。しかし、多くは、そのような治療を治療上効果的するのに必要な程度まで皮膚に浸透させるには、親油性が不十分である。

0035

薬物または医薬品として活性な化合物の治療係数は、その半致死量、すなわちLD50と、その半有効量、すなわちED50との比によって示される。その使用は、一般に、治療上有効な用量が与えられた個々の患者において、有毒副作用を引き起こす危険性がより低くなる可能性があるので、より大きな治療係数を有する化合物は、通常、より小さい治療係数を有する代替例よりも好ましいと考えられる。したがって、特定の医薬品として活性な化合物の治療係数が、病的影響なしに増大する場合、これは魅力ある結果になる。

0036

式IIの好ましい化合物は、式Iの均等な化合物よりも:
(a) 20〜40℃の温度で水により溶解し易く;
(b)親油性が低く;かつ/または
(c) より大きな治療係数を有し;
あるいは
(d) 20〜40℃の温度で水に溶解し難く;
(e) 親油性が高く;かつ/または
(f) より大きな治療係数を有する。式IIの好ましい化合物に均等な式Iの化合物は、-SR基および追加の水素原子が6員環の2位に存在しないことを除き、式IIの好ましい化合物と同じ置換パターンを有する化合物である。

0037

本発明による好ましい化合物は、「均等な」化合物よりも親油性を低くするの必要とされ、これは、好ましい化合物に関するn-オクタノールと水溶性との比(すなわち、n-オクタノール/水分配係数)が、「均等な」化合物の場合よりも低いことを意味する。同様に、本発明による好ましい化合物は、「均等な」化合物よりも親油性を高くするのに必要とされ、これは、好ましい化合物に関するn-オクタノールと水溶性との比(すなわち、n-オクタノール/水分配係数)が、「均等な」化合物の場合よりも高いことを意味する。n-オクタノールと水溶性との比は、通常、その常用対数「logP」で表され、logP値が1の化合物は、水中よりもn-オクタノール中で溶解性が10倍になり、logP値が2の化合物は、水中よりもn-オクタノール中で溶解性が100倍になり、以下同様である。logP値は、実験によって測定することができ、またはいくつかの利用可能なコンピュータプログラムまたはアルゴリズムを使用して計算することができる。これらの例には、Pomona College Medicinal Chemistryプログラム、BioByte Corp.(Claremont USA)製MacLogPアプリケーション、およびMoriguchi他によって記述されている方法(20)が含まれる。このように、本明細書では均等な化合物よりも親油性を少なくすることが必要な(またはより高い水溶性を有する)化合物は、そのような均等物よりも低いlogP値を有することが好ましく、また本明細書では均等な化合物よりも親油性を高くすることが必要な(または水溶性が低くなる)化合物は、そのような均等物よりも高いlogP値を有することが好ましい。この文脈において、logP値は、前述のプログラムまたはアルゴリズムの1つを利用することによって得られた計算値であることが好ましい。

0038

式Iの各化合物に対し、単にその-SR置換基の性質が互いに異なる式IIの多くの化合物がある。式Iの均等な化合物の有用な生物学的および薬理学的性質は、しばしば保持されており、式IIの関連する-SR置換化合物では時々さらに高められる。式IIの化合物の親油性および水溶性は、保持する-SR基の性質に非常に左右されることも見出されている。本質的に、基R(-SR置換基)の親油性を高める結果、より親油性がありかつより水溶性が低い式IIの化合物になり、またその逆の場合も真であり、式Iの均等な化合物の親油性または水溶性をこのように操作することができる程度は、そのような多くの化合物を局所および経口使用の両方で「適用可能」にするのに十分である。このように、式IIの化合物は、その薬理学的性質を損なわない状態で、特定の送達形態、例えば経口または局所送達に適するように、式Iの任意の所与の均等な化合物の物理的性質を適用する手段を当業者に提供する。これは、本発明の非常に有意なかつ驚くべき利点である。

0039

本発明による好ましい化合物が、「均等物」よりも高い治療係数を有する必要がある場合、この関係は、少なくとも1種の治療の用途にも当てはまらなければならない。本明細書の目的により、そのような関係の存在は、推定上の薬剤物質の治療係数を予測する目的で当業者により従来から用いられてきたタイプの、生体内作用の観察によって、または生体外試験もしくはアッセイを介して確立されなければならない。例えば、下記で論じられる性質の1つに関するアッセイは、本発明の化合物および均等物の特定の対に関して必要な情報を提供するために、毒性アッセイと組み合わせて使用することができる。適切なアッセイの例を、下記の実施例2および3で示す。

0040

式IIのある好ましい化合物は、式Iのその均等物のlogP値より少なくとも0.25、0.5、0.75、1、または1.25高くまたは低い、計算されまたは測定されたlogP値を有し、但し、式IIの各化合物およびその式Iの均等物に関するlogP値は、同じ技法を使用して計算されまたは測定される。実施形態において、式IIの化合物は、Moriguchi他によって記述された方法(20)により計算した場合、5以下のlogP値を有し、好ましくは4.15、4、3、2、または1以下である。これらの好ましい範囲内のlogP値を有する化合物は、一般に、胃腸管からより容易に吸収され、したがって、経口投与により適している。Lipinski他(21)を参照されたい。代替の実施形態では、式IIの化合物は、少なくとも3.5、4.2、または5のlogP値を有することができ、好ましくは6または7までであり、したがってそのような化合物は、皮膚に施用するための局所製剤に使用するのが適切である。

0041

上述のように、RはR3CH2-基にすることができ、したがって基-SRは-SCH2R3基であり、但しR3は、置換されていても置換されていなくてもよくかつその炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含む、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基である。Rは、好ましくは1〜12個の炭素原子を含有する。

0042

式Iの均等な化合物よりも水溶性がありかつ/またはより親油性が少ない式IIの化合物において、基RまたはR3は、好ましくは少なくとも1個の親水性基を含む。前記親水性基は、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、アミノ、アミド、第4級アンモニウム、またはチオリル基にすることができ、またはこれらを含む。したがって、そのような化合物において、RまたはR3は、アミン、アミド、ペプチド、エステル、カルボン酸、カルボン酸塩、アルコール、アルデヒド、ケトン、またはチオールの官能性を、本発明の化合物に提供することができる。そのような好ましい化合物において、基-SRはS-システイニルまたは親水性置換S-システイニル基である。好ましい置換S-システイニル基には、S-グルタチオニル基など、S-システイニル部分を含むジおよびトリペプチド基が含まれる。

0043

式Iの均等な化合物よりも水溶性が低くかつ/または親油性が高い式IIの化合物において、基RまたはR3は、好ましくは少なくとも1個の親油性基を含み、かつ/または親油性である。そのような親油性基には、その炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を任意選択で含むが親水性を与えるいかなる置換基も保持しない、置換および非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニル基が含まれる。そのような好ましい基には、置換および非置換フェニルおよびナフチル基と、N-t-ブトキシカルボニルS-システイニルエステル(例えば、メチルおよびエチル)基が含まれる。

0044

記述されたように、式IIのある化合物の利点とは、-SR置換基を含まない式Iの類似化合物の場合よりも室温および/または体温程度で親油性が低くかつ/または水溶性が高いので、経口投与される医薬品組成物で使用するのにより適していることである。このように、さらに好ましい態様では、本発明は、水素原子が前記-SR基で置換されている式Iの均等な化合物よりも、20〜40℃の温度で水溶性が高くかつ/または親油性が低い、式IIの化合物を含む経口投与用の医薬品組成物を提供する。そのような組成物は、1種または複数の医薬品として許容される希釈剤担体、および/またはその他の賦形剤であって経口投与用の組成物で使用するのに適したものを含むことができる。

0045

同様に記述されたように、式IIのある特定のその他の化合物の利点とは、-SR置換基を含まない式Iの類似化合物の場合よりも室温および/または体温程度で親油性が高くかつ/または水溶性が低いので、特に皮膚に局所投与される医薬品組成物で使用するのにより適していることである。このように、さらに別の好ましい態様では、本発明は、水素原子が前記-SR基で置換されている式Iの均等な化合物よりも、20〜40℃の温度で水溶性が低くかつ/または親油性が高い式IIの化合物を含む、好ましくは皮膚への局所投与用の医薬品組成物を提供する。そのような組成物は、1種または複数の医薬品として許容される希釈剤、担体、および/またはその他の賦形剤であって局所投与用の組成物で使用するのに適したものを含むことができる。

0046

さらに、式IIの医薬品として活性な化合物は、-SR置換基を含まないその均等物よりも大きな治療係数を有することもできるので、治療という意味において潜在的により有用である。

0047

医薬品産業において、任意の可能性ある薬剤に関する主な問題とは、生物学的に非常に活性であるがいくらか毒性がある可能性があることである。例えば抗腫瘍薬は、ある細胞に対して毒性がなければならないが、その他の細胞に対して潜在的に有害であってはならない。

0048

シクロペンテノン化合物は、細胞内でグルタチオンマイケル反応をすることが知られている。グルタチオンは、全身に見出され、細胞を酸化的損傷から保護するのに極めて重要な役割をする(酸化還元バランスを維持する)。これに関し、Uchida他による研究(22)およびその他の研究は、ラジカルスカベンジャーとして酸化的ストレスから保護する際の、グルタチオンの役割について示唆している。Uchidaの研究は、グルタチオンが消費された細胞は、より高い濃度のラジカル酸素種を保持することを示した。そのような細胞をN-アセチル-システインで処理しかつ細胞生存率を測定した場合、細胞寿命延長およびラジカル酸素種の生成の減少が観察されたことも実証された。Uchida他は、細胞内でグルタチオンレベルを低下させることが可能な化学種は、細胞の抗酸化剤防御も低下させ、かつラジカル酸素種の誘発を増大させるという結論に至った。Uchida他は、ラジカル酸素種のシクロペンテノン媒介生成が、細胞毒性に対して十分相関関係があることも示し、したがって、潜在的に重要な細胞毒性形態またはシクロペンテノン化合物による細胞死の誘発が実証された。

0049

グルタチオンは、危険な求電子種から細胞を保護することも知られている。例えばモルヒネ型化合物は、グルタチオンとのマイケル反応を経て、薬物の完全な不活性化をもたらす(23)。大量のパラセタモール(アセトアミノフェン)が摂取された場合、肝臓内のグルタチオンが消費される[1999年に、英国ではパラセタモール中毒により150名が死亡した]。N-アセチルシステインが、過量摂取後15時間未満で静脈内または経口的に摂取された場合、原因となる求電子パラセタモール代謝産物が効果的に除去される(24)。

0050

その他の研究は、細胞内チオール含量の低下によって、放射線治療に対する腫瘍細胞感受性を増大させることができることを示している。さらに、グルタチオンレベルの消耗を示す細胞は、放射線化学療法薬、および酸素ラジカル種であって通常ならグルタチオンとのラジカル反応を介して破壊されるものの影響をより受け易いことが示されている(25)。

0051

グルタチオン基は、マイケル反応を介して、シクロヘキサノン基などの飽和部分に付加することができない。このように、均等物である不飽和シクロヘキス-2-エン-1-オンに代謝されない限り、シクロヘキサノン基を含む本発明による化合物は、これらの不飽和均等物の場合よりも生体内でグルタチオンと反応し難くなる可能性がある。したがって、そのような飽和化合物は、均等物であるシクロヘキス-2-エン-1-オン誘導体の場合よりも、患者の細胞内でグルタチオンレベルを低下し難くする可能性があり、それによって、抗酸化防御が損なわれる。理論に拘するものではないが、これは、1個または複数の-SR基を含む本発明によるいくつかの化合物が、水溶性を高めまたは低下させかつ親油性を高めまたは低下させることに加え、なぜ著しく高められた治療係数を有するのかを説明することができる。

0052

はり理論に拘泥するものではないが、本発明による化合物であって、そのシクロヘキサノン環の3位の炭素原子が-SR基を保持する化合物は、一部には均等物であるシクロヘキス-2-エン-1-オンのプロドラッグとして働くことができるので、すなわち生体内で後者に変換されると考えられるという意味で、その高められた性質を享受すると見なされる。これに関し、切断される前に基-SRは、本発明によるこれらの化合物を、選択された投与形態により適したものにし(例えば、経口または皮膚への局所)、かつ-SR基の生体内切断によって、逆マイケル反応を介してより強力なシクロヘキス-2-エン-1-オン均等物を放出すると見なされる。

0053

したがって実施形態では、本発明による式IIの化合物は、逆マイケル反応によって式Iの均等物であるシクロヘキス-2-エン-1-オン誘導体に転換可能であり、あるいはそのような均等物のプロドラッグである。

0054

別の好ましい実施形態では、基-SRがS-システイニルまたは置換S-システイニル基である。本出願の文脈において、置換または非置換S-システイニル基は、その硫黄原子を介して環に結合されたシステイニル部分を含み、この環は、システイン中の均等な硫黄原子に結合された水素原子を置換したものである。好ましい置換S-システイニル基には、N-t-ブトキシカルボニルS-システイニルおよびN-t-ブトキシカルボニルS-システイニルエステル(例えば、メチルおよびエチル)基を含めた、S-グルタチオニル、S-システイニルエステル、およびその他同様の基などのS-システイニル部分を含むジおよびトリペプチド基が含まれる。

0055

ここでも理論に拘泥するものではないが、本発明のこれら後者の実施形態による化合物は、置換または非置換システイニル部分の組込みによって生ずる2次的治療効果をもたらすこともできると見なされる。例えば、前述の手法でプロドラッグとして作用する場合、そのような化合物は、均等物であるシクロヘキス-2-エン-1-オン誘導体と、置換または非置換システイニル部分の還元形態との両方を、患者の体内標的細胞に送達することが可能であり、そこで共にそれぞれの治療効果を発揮することができると考えられる。置換または非置換システイニル部分の還元形態によって発揮された治療効果により、特にこの還元部分がグルタチオン、類似体、または前駆体である場合には、グルタチオン消耗を防止することができる。例えば、還元された置換または非置換システイニル部分は、天然のグルタチオンと競合して、シクロヘキス-2-エン-1-オン誘導体(生体内切断後に形成された)または代謝産物により結合されている後者の量を低下させることができ、あるいは、置換することができ、または誘導体もしくは代謝産物によって結合されたグルタチオンの置換をもたらすことができる。そのような活性は、均等物であるシクロヘキス-2-エン-1-オンに比べ、本発明の化合物の毒性を低下させるのに、したがってこれらの化合物により享受される高い治療係数に、著しく寄与すると考えられる。

0056

本発明による化合物は、好ましくは、下記の事項、すなわち:
(a) HSFの活性化
(b) NK-κBの阻害
(c) HSV-1の複製の阻害
(d)センダイウイルスの複製の阻害
(e)癌細胞系でのアポトーシスの誘発
(f)抗血管新生活性を示すこと
の1つまたは複数を行うことが可能である。

0057

当業者なら、上述の働きについて容易にアッセイを行うことができ、アポトーシスに適したアッセイの例は、下記の実施例2および3に示す。

0058

前述の事項の少なくとも1つにおいて、シクロペント-2-エン-1-オンよりも大きな活性を有する化合物(少なくとも、ある濃度で)は、本発明の好ましい実施形態であり; 1〜200μMの範囲内、または前記範囲の全体もしくは一部の濃度でそのような活性を享受するものが、特に好ましい。本発明による化合物は、前述の事項の少なくとも1つにおいて、シクロペント-2-エン-1-オンのレベルの少なくとも2倍である活性レベルを有することが好ましい。より好ましくは、シクロペント-2-エン-1-オンの場合の少なくとも10倍である。

0059

上述の事項の1つにおける活性は、医薬品として活性になる化合物の能力を示す。したがって、さらに別の態様では、本発明は、医学(獣医学を含む)で使用される本発明による化合物を提供する。そのような好ましい使用には、ヒトまたは動物の身体に施される療法および診断法による、ヒトまたは動物の身体の治療が含まれる。治療は、予防的でよく、または既存の状態に関するものでもよい。本発明による化合物の使用を含む治療(予防的なものを含む)および診断法も、本発明の範囲内である。ヒトまたは動物の身体に施される治療または診断法で使用される薬剤を製造するための、そのような化合物の使用は、本発明の別の態様の範囲内にある。

0060

本発明による化合物に関する好ましい使用には、熱ショック転写因子(例えば、HSF1)の活性化によって、熱ショックタンパク質(例えば、HSP70)の誘発によって、かつ/またはNF-κBの阻害によって、宿主において治療することができる障害の治療が含まれる。本発明によるある好ましい化合物は、HSF活性化およびNF-κBの活性の阻害を含む治療の用途で使用することができる。

0061

したがって本発明によれば、本発明による化合物は、そのような活性が示されまたは役立てることができる疾患または状態を治療するのに使用することができる。この化合物は、そのような治療で使用される薬剤の製造にも使用することができる。本発明の化合物に好ましい治療および診断の用途については、以下に詳細に記述する。

0062

本発明の別の実施形態では、上述の式Iの医薬品として活性な化合物の親油性、水溶性、および/または治療係数を変化させる方法が提供され、前記方法は、式Iの前記化合物と式R-SHのチオールとの付加物を形成する段階を含み、但し式中でRは、本明細書で先に定義された通りであり、付加物は、上述の式IIの化合物である。一実施形態で、この方法は、式Iの医薬品として活性な化合物の、親油性を低下させる段階、ならびに/または水溶性および/もしくは治療係数を上昇させる段階を含む。代替の実施形態では、この方法は、式Iの医薬品として活性な化合物の、水溶性を低下させる段階、ならびに/または親油性および/もしくは治療係数を上昇させる段階を含む。

0063

付加物は、上記にて論じた手法でプロドラッグとして働くことができ、またはそれ自体で医薬品として活性であってもよい。

0064

この方法の好ましい実施形態では、付加物は、式Iの不飽和化合物とチオールとの間のマイケル反応を介して形成される。付加物を形成する好ましい方法については、下記の実施例で述べる。

0065

別の-SR基は、任意選択で、式IIの化合物のシクロヘキサノン環に結合された側鎖中に存在しまたは付加することができる。

0066

別の態様では、本発明は、本発明による方法によって調製されまたは調製可能な、本明細書で先に定義された通りの付加物を提供する。

0067

疑義を避けるために、「アルケニル」という用語は、その炭素骨格中に1個または複数の二重結合を有する基を示し、「アルキニル」という用語は、その炭素骨格中に1個または複数の三重結合を有する基を示すことが確認される。本明細書の目的により、アルキニル基は、その炭素骨格中に二重および単結合の両方を含んでもよいことも理解すべきである。他に特に指定しない限り、アルキル、アルケニル、またはアルキニル基のような本明細書で言及される基は、直鎖状または分枝状にすることができ、あるいは環状基にすることができ、または環状基を含むことができる。しかし、逆の内容が示されない限り、直鎖状または分枝状であることが好ましい。

図面の簡単な説明

0068

本発明の好ましい化合物、CTM-208が、ヒトバーキットリンパ腫HS-Sultan細胞でのアポトーシスの誘発に及ぼす影響を、天然のシクロペンテノンプロスタノイド、15-デオキシ-Δ12,14-PGJ2(15d-PGJ2)と比較して示す図である。アポトーシスは、アポトーシスに入る細胞の特徴であるホスファチジルセリン外在化を検出するアネキシンV染色によって測定した。
CTM-208が、ヒトメラノーマSK-MEL-28細胞でのアポトーシスの誘発に及ぼす影響を、アネキシンV染色によって測定した場合に様々な化学療法薬の影響と比較して示す図である。
CTM-208が、ヒト乳癌MDA-MB-231細胞でのDNA断片化の誘発に及ぼす影響を、化学療法薬パクリタキセルの影響と比較して示す図である。
CTM-208が、ヒトメラノーマSK-MEL-28細胞でのDNA断片化の誘発に及ぼす影響を、化学療法薬シスプラチンの影響と比較して示す図である。
CTM-208で処理したヒトバーキットリンパ腫HS-Sultan細胞からの全細胞抽出物を、そのNF-κB DNA結合活性に関して分析した、EMSAの結果を示す図である。
CTM-208で処理したヒトバーキットリンパ腫HS-Sultan細胞からの全細胞抽出物を、そのNF-κB DNA結合活性に関して分析した、EMSAの定量的測定の結果を示す図である。
CTM-208が、同じ細胞でのアポトーシスの誘発に及ぼす影響を示す図である。

0069

本発明による化合物の医学的使用
本発明による化合物の好ましい使用には、熱ショック転写因子(例えば、HSF1)の活性化によって、熱ショックタンパク質(例えば、HSP70)の誘発によって、かつ/またはNF-κBの阻害によって、宿主内で治療することができる障害の治療が含まれる。

0070

本発明によるある好ましい化合物は、HSFの活性化およびNF-κBの活性の阻害を含む治療の用途で使用することができる。したがって本発明によれば、そのような化合物は、そのような活性が示されまたは役立てることができる疾患または状態を治療するのに使用することができる。この化合物は、そのような治療で使用される薬剤の製造にも使用することができる。そのような化合物に好ましい治療および診断用途について、下記に論じる。

0071

本発明によるある化合物は、上記にて論じた内容の全てで活性を示さないことを理解すべきである。したがって、そのような化合物は、その性質が潜在的有用性を示す、下記に詳述される治療および診断用途でのみ用途を見出すことができる。

0072

ある障害、例えば癌は、ウイルスによって、および非ウイルス因子によって、媒介される可能性があると理解すべきである。逆の内容のいかなる兆候も存在しない場合、任意の所与の障害の治療は、その障害がウイルスによって媒介されてもされなくても包含される。論じられた治療の様々なカテゴリー間には、いくつかの重複があることも理解すべきであり、すなわちこれらのカテゴリーは、相互に排除しようとするものではない。

0073

1.ウイルス媒介性障害の治療
NF-κBは、あるウイルス感染の病因に結び付けられる。熱ショックタンパク質(例えば、HSP70)は、ウイルス感染の病因に対して保護をもたらすことができることが知られている。本発明による化合物は、ウイルスの複製を低下させる際に活性でよい。

0074

本発明による化合物は、ウイルス媒介性障害を治療するのに役立てることができる。これらには、RNAウイルスによって媒介された障害、ならびにDNAウイルスによって媒介された障害が含まれる。

0075

本発明による化合物を使用して治療することができるウイルス障害の例には、下記のものが含まれる。

0076

アデノウイルス(Adenoviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそのメンバーに関連した疾患:腸内アデノウイルスによって引き起こされまたはこのウイルスに関連した下痢または腸重積呼吸器アデノウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した上または下気道感染(一般的な風邪または肺炎を含む);眼のアデノウイルス感染によって引き起こされまたはその感染に関連した結膜炎角膜炎、またはトラコーマ;アデノウイルスによって引き起こされまたはこのウイルスに関連した扁桃腺または腎臓感染が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0077

アデノウイルス科のメンバーによって引き起こされまたはそのメンバーに関連した疾患:ラッサ熱ウイルスによって引き起こされたラッサ熱リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスによって引き起こされまたはこのウイルスに関連した髄膜炎;マクポウイルス、フニンウイルス、サビアウイルス、グアナリトウイルス、またはタカリベウイルスによって引き起こされたものを含めた(しかし、これらに限定されない)出血性熱が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0078

アストロウイルス(Astroviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはこのメンバーに関連した疾患:アストロウイルスによって引き起こされまたはこのウイルスに関連した下痢が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0079

ブンヤウイルス(Bunyaviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはこのメンバーに関連した疾患:腎症候群を伴う出血性熱、ハンタウイルス症候群、または、ハンターンウイルス、プーマラウイルス、ソウルウイルス、ドブラバウイルス、シンノンブレウイルス、ベイヨウウイルス、ブラッククリークカナルウイルス、ニューヨーク1型ウイルス、モノヘラウイルス、アンデスウイルス、およびラグナネグラウイルスを含む(しかし、これに限定されない)ハンタウイルスによって引き起こされまたはこれらのウイルスに関連したその他の疾患;ラクロス脳炎カリフォルニア脳炎を含めた(しかし、これらに限定されない)アルボウイルス感染、またはその他のブンヤウイルス感染;リフトバレー熱砂バエ熱、ウークニエミ、または、フレボウイルスに関連したその他のアルボウイルス感染;クリミアン-コンゴ出血性熱、またはナイロウイルスによって引き起こされたその他の感染が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0080

カリチウイルス(Caliciviridae)科のメンバーまたは関連物質によって引き起こされまたはそれに関連した疾患:E型肝炎ウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した肝炎、カリチウイルスまたは小円形構造化ウイルスによって引き起こされまたはそれらのウイルスに関連した下痢が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0081

コロナウイルス(Coronaviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:コロナウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した上または下気道感染(一般的な風邪を含む);コロナウイルスまたはトロウイルスによって引き起こされまたはそれらのウイルスに関連した下痢、全腸炎、または胃腸炎が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0082

フィロウイルス(Filoviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:エボラまたはマールブルグウイルスによって引き起こされた出血性熱が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0083

フラビウイルス(Flaviviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:フラビウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した、黄熱キャサヌール森林病オムスク出血性熱、その他のダニ媒介脳炎、ロシオ、日本脳炎セントルイス脳炎西ナイルウイルス感染、マーレーバレー脳炎デング熱、またはデング出血性熱を含む(しかし、これらに限定されない)、アルボウイルス感染、発熱、または脳炎;C型肝炎ウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した肝炎が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0084

ヘパドナウイルス(Hepadnaviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:B型肝炎ウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した肝炎が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0085

ヘルペスウイルス(Herpesviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:単純ヘルペスウイルス1型または2型によって引き起こされまたはそれらのウイルスに関連した、口唇ヘルペス外陰ヘルペス、ヘルペス性皮膚炎、ヘルペス性ひょう疽、単純帯状ヘルペス眼疾患、脳炎、または新生児ヘルペス水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した、水痘、帯状ヘルペス、帯状疱疹に関連した痛み、肺炎、脳炎、胎児感染、または網膜壊死サイトメガロウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した、移植拒絶先天性感染感染性単核球症網膜炎、または免疫無防備状態のその他の疾患;エプスタイン-バールウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した、感染性単核細胞症リンパ腫癌腫、またはその他の癌;ヒトヘルペスウイルス6型または7型によって引き起こされまたはそれらのウイルスに関連した、突発性発疹小児バラ疹間質性肺炎、または肝炎;ヒトヘルペスウイルス8型(KSV)によって引き起こされまたはそのウイルスに関連した、カポジ肉腫またはその他の新生物疾患が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0086

オルソミクソウイルス(Orthomyxoviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:A、B、またはC型インフルエンザウイルスによって引き起こされまたはそれらのウイルスに関連した、インフルエンザ、肺炎、その他の呼吸器感染症筋炎ミオグロビン尿症、またはライ症候群が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0087

パポバウイルス(Papovaviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:パピローマウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連したパピローマコンジローマ新形成、および癌腫; BKVまたはJCVウイルスによって引き起こされた疾患;ポリオーマウイルスによって引き起こされた進行性多病巣性白質脳障害が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0088

パルボウイルス(Parvoviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:パルボウイルスB19によって引き起こされまたはそのウイルスに関連した貧血症、発熱、胎児感染、または肝炎が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0089

パラミクソウイルス(Paramyxoviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:パラインフルエンザウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した肺炎、細気管支炎気管気管支炎、またはクループ呼吸器合胞体ウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した細気管支炎または肺炎;はしかウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した脳炎、はしか、または肺炎もしくは亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を含めた(しかし、これらに限定されない)はしかの合併症おたふく風邪ウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した、おたふく風邪、または睾丸炎もしくは膵炎を含めた(しかし、これらに限定されない)おたふく風邪の合併症が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0090

ピコルナウイルス(Picornaviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:A型肝炎ウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した肝炎;ライノウイルスまたはその他の呼吸器ピコルナウイルスによって引き起こされまたはそれらのウイルスに関連した上気道感染症(一般的な風邪を含む);ポリオウイルスによって引き起こされたポリオコクキーウイルスまたはエンテロウイルスによって引き起こされた、ボルンホルム病、脳炎、髄膜炎、ヘルパンギナ心筋炎新生児疾患、膵炎、発熱、結膜炎、慢性疲労症候群(ME)、または手、足、および口の疾患が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0091

ポックスウイルス(Poxviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:天然痘ウイルスによって引き起こされた天然痘;ヒト型サルまたはウシウイルス感染症ワクチン接種の合併症を含めた(しかし、これらに限定されない)ワクシニアウイルスによる感染症パラポックスウイルスによって引き起こされたオルフまたはパラワクシニアモルスキポックスウイルスによって引き起こされた伝染性軟属腫タナ痘ウイルスによる感染症が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0092

レオウイルス(Reoviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:ロタウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した下痢が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0093

レトロウイルス(Retroviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされまたはそのウイルスに関連した、後天性免疫不全症候群および関連した障害;HTLVウイルスによって引き起こされまたはそのウイルスに関連した、白血病、リンパ腫、またはミエロパシーが含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0094

ラブドウイルス(Rhabdoviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:狂犬病ウイルスによって引き起こされた狂犬病;ドゥベンハーゲまたはモコラウイルスによって引き起こされたものを含めた(しかし、これらに限定されない)その他のリッサウイルス疾患が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0095

トガウイルス(Togaviridae)科のメンバーによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:風疹ウイルスによって引き起こされた風疹または先天性風疹症候群東部ウマ脳脊髄炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス西部ウマ脳炎ウイルス、エバグレードウイルス、またはセムリキ森林ウイルスによって引き起こされた、発熱または脳炎;シンドビスウイルス、オケルボウイルス、ロスリバーウイルス、バルマー森林ウイルス、チクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、マヤロウイルス、またはイゴオラウイルスによって引き起こされた発熱、発疹多発関節炎筋肉痛、または関節痛が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0096

ウイロイド様物質よって引き起こされまたはそれに関連した疾患:デルタ剤(HDV)によって引き起こされまたはそれに関連した肝炎が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0097

プリオンによって引き起こされまたはそれに関連した疾患:クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)、新変異型CJD、GSS、および致死性家族性不眠症が含まれる(しかし、これらに限定されない)。

0098

本発明の化合物は、水生生物(例えば、甲殻類など)に影響を及ぼすウイルス性およびその他の障害を治療するのに、特に役立てることができる。そのような障害には、口吻潰瘍ウイルスによって、イリドウイルスによって、リンパ腫ウイルスなどによって媒介される障害が含まれる。

0099

したがって本発明による化合物は、水産養殖で使用することができる。化合物は、水生生物用の飼料に使用することができる。そのような飼料は、本発明の範囲内である。一般に、密閉容器に入れて、適切にラベルを付けて販売されることになる(例えば、魚飼料甲殻類用飼料、水生生物用飼料など)。あるいは、本発明による化合物は、水処理のために、または水生生物への直接的な用途のために使用してもよい。したがって、そのような化合物は、水産養殖で有用なものにするために食材中に存在させる必要はない。

0100

2.細菌媒介性障害の治療
NF-κBを、細菌感染に応じて活性化させる。

0101

本発明による化合物は、そのような感染から生じる障害を治療するのに、例えばNF-κB刺激性炎症を治療するのに、役立てることができる。最も一般的には、これはグラム陰性菌による感染が原因で生ずることになる。しかし、グラム陽性菌(例えば、黄色ブドウ球菌(S.aureus))による感染が原因で生ずる可能性もある。

0102

3.放射線によって媒介された障害の治療
NF-κBを、放射線(例えば、紫外線)に応じて活性化させる。

0103

本発明による化合物は、放射線によって媒介された障害を治療するのに役立てることができる。そのような障害には、細胞および組織外傷、細胞および組織の老化、および癌(例えば、皮膚癌)が含まれる。

0104

4.炎症および免疫系の障害の治療
NF-κBを、炎症性サイトカインに応じて活性化させる。これは、免疫および炎症応答初期媒介物と考えられる。

0105

本発明による化合物は、免疫障害(例えば、自己免疫障害)の治療に、および炎症性障害の治療に、役立てることができる。そのような化合物で治療することができる、特定の炎症性障害および免疫系障害の例には、乾癬、リウマチ様関節炎多発性硬化症成人呼吸窮迫症候群、肝炎および/または肝硬変血管炎症(播種状エリテマトーデスを含む)、および胃腸管の炎症性障害(例えば、潰瘍)が含まれる。これらの使用の中では、特に、クリーム軟膏などの適切な組成物に配合された本発明による化合物の局所施用による、乾癬治療が好ましい。

0106

5.虚血および動脈硬化症の治療
NF-κBは、虚血および動脈硬化症の病因に結び付けられている。したがって本発明による化合物は、再潅流損傷(例えば、心臓または脳で)および心臓肥大症を含めたそのような障害を治療するのに有用である。

0107

6.細胞増殖に関わる障害の治療
NF-κBは、細胞増殖に関与する。

0108

本発明による化合物は、抗増殖薬として役立てることができる。したがって化合物は、炎症性肉芽腫動脈および静脈再狭窄での新生内膜増殖、および癌の治療に有用である。

0109

本発明による化合物は、乾癬、常性座そう、酒さ性座そう、光線性角化症日光性角化症、その位置での扁平上皮癌魚鱗癬角質増殖ダリエ病などの角質化障害、せき角化症毛孔性紅色ひこう疹表皮母斑性症候群変異性紅斑角皮症表皮剥離性角化症非水疱型魚鱗癬、皮膚エリテマトーデス扁平苔癬、NF-κBが構成的に活性化されている癌、グリオーマ頭頸部癌肺癌結腸癌膵臓癌神経芽細胞腫肝細胞癌、および血管形成の障害を含めた細胞増殖に関わる障害の治療に、役立てることができる。

0110

本発明による化合物は、リンパ腫、メラノーマ、白血病、肉腫、癌腫、乳癌(特に、後期乳癌およびエストロゲン受容体陰性乳癌)、前立腺癌肝臓癌多発性骨髄腫、およびB細胞悪性腫瘍を含めた癌、および従来の化学療法および/または放射線療法に対して耐性のあるものを含めた癌の治療に、特に役立てることができる。

0111

本発明による化合物が癌の治療に使用される場合、この化合物は、その他の化学治療薬と組み合わせて、または放射線療法と組み合わせて投与することができる。そのような併用投与は、本発明による化合物と、その他の化学治療薬または放射線療法との同時、個別、逐次投与を含むことができる。適切なその他の化学療法薬には、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチンエトポシド、およびドキソルビシンが含まれるが、これらに限定するものではない。

0112

7.細胞の損傷または死滅に関わる障害の治療
熱ショックタンパク質は、細胞保護効果を発揮することが知られている。

0113

本発明による化合物は、細胞の損傷または死滅に関わる障害の治療に役立てることができる。

0114

これらの障害には、化学毒性(例えば、パラコートなどの毒素の摂取、またはパラセタモールなどの薬剤の過量摂取による)、酸化細胞損傷、細胞および組織の老化、外傷、肝炎、糖尿病、および火傷の作用が含まれる。本発明の化合物は、ヒトまたは動物の老化の作用と闘い、創傷治癒を促進させるために使用することもできる。

0115

本発明の化合物を使用して治療することができるこの一般的な性質のその他の状態には、酸化的ストレスおよび変性疾患、特にBSEや新変異型CJD、アルツハイマー病などの神経変性疾患が含まれる。

0116

8.その他の治療
シクロペンテノンプロスタグランジンは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)での用途が知られている。したがって本発明による化合物は、糖尿病(これから生ずる合併症を含む)を治療するのに役立てることができる。そのような化合物は、カルシウム損失または欠乏が関わっておりまたは関与している障害(骨障害骨成長の障害、骨破砕骨粗鬆症、骨障害、歯の障害、発育障害などを含む)の治療に使用することもできる。

0117

本発明による化合物の投与経路
薬剤は、通常、医薬品として許容される担体を含むことができる医薬品組成物の一部として供給されることになる。この医薬品組成物は、一般に、滅菌形態で提供されることになる。これは単位剤形で提供してもよい。化合物は一般に、密閉容器に入れて提供されることになり、キットの一部として提供することができる。そのようなキットは本発明の範囲内である。通常(必ずしも必要ではないが)、使用のための取扱い説明書が含まれる。複数の単位剤形を提供することができる。

0118

本発明の範囲内の医薬品組成物は、下記の1つまたは複数を含むことができる:保存剤可溶化剤安定化剤湿潤剤乳化剤甘味料着色剤香料、塩(以下により詳細に述べるように、本発明の化合物はそれ自体を、医薬品として許容される塩の形で提供することができる)、緩衝剤コーティング剤、または抗酸化剤。これらは、本発明の化合物に加えてその他の治療上活性な薬剤を含有してもよい。

0119

本発明の化合物は、それ自体を任意の適切な形で提供することができ、すなわち化合物をそのままの状態で使用することができ、または医薬品として有効な誘導体の形で使用することができる。例えば化合物は、医薬品として許容される塩または水和物の形で使用することができる。医薬品として許容される塩には、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩)、アルミニウム塩亜鉛塩アンモニウム塩(例えば、テトラアルキルアンモニウム塩)などが含まれる。無機酸付加塩(例えば、塩酸塩硫酸塩、またはリン酸塩)または有機酸付加塩(例えば、クエン酸塩マレイン酸塩フマル酸塩コハク酸塩乳酸塩プロピオン酸塩、または酒石酸塩)を使用してもよい。

0120

本発明の医薬品組成物は、制御された放出形態で提供することができる。これは、所定の手法で、生理学的条件下で分解する物質と一緒に医薬品として活性な薬剤を提供することによって、実現することができる。分解は酵素的でよく、またはpH依存的でもよい。

0121

医薬品組成物は、血液脳関門(BBB)を横断するように設計することができる。例えば、BBBに侵入することができる脂肪酸イノシトール、またはコレステロールなどの担体を選択することができる。担体は、インスリン様成長因子IまたはII型などの脳内皮細胞の特定の輸送系を通して脳に進入する物質でよい。担体は、活性剤に結合することができ、あるいは活性剤を含有しかつ/または活性剤と混合することができる。リポソームは、BBBを横断するのに使用することができる。WO91/04014は、活性剤をカプセル封入し/埋め込むことができ、かつ通常はBBBを横断して輸送される分子(例えば、インスリンまたはインスリン様成長因子I型またはII型)がリポソーム外面に存在している、リポソーム送達系について記述している。リポソーム送達系は、米国特許第4704355号にも論じられている。

0122

本発明の範囲内の医薬品組成物は、任意の適切な経路による投与、例えば経口(頬側または下を含む)、直腸、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路による投与に適応させることができる。そのような組成物は、薬学の分野で知られている任意の方法によって、例えば1種または複数の活性成分を適切な担体と混合することによって、調製することができる。好ましい実施形態では、本発明による化合物は、経口剤形に配合され、したがって錠剤またはカプセル形態で提供することが好ましい。

0123

本発明の医薬品組成物を投与するのに、所望の投与経路に応じて種々の薬物送達系を使用することができる。薬物送達系は、例えば、Langer(Science 249、1527〜1533(1991))、IllumおよびDavis(Current Opinions in Biotechnology 2m 254〜259(1991))により記述されている。次に、薬物送達のための種々の投与経路について、詳細に検討する。

0124

(i)経口投与
経口投与に適合された医薬品組成物は、カプセルまたは錠剤として;粉末または顆粒として;溶液シロップ、または懸濁液として(水性または非水性液体中);食用フォームまたはホイップとして;またはエマルジョンとして提供することができる。錠剤または硬質ゼラチンカプセルは、ラクトーストウモロコシデンプン、またはその誘導体、ステアリン酸、またはその塩を含むことができる。軟質ゼラチンカプセルは、植物油ワックス脂肪半固体、または液体ポリオールなどを含むことができる。溶液およびシロップは、水、ポリオール、および糖を含むことができる。懸濁液を調製する場合、油(例えば、植物油)を使用して、水中油または油中水の懸濁液を提供することができる。

0125

経口投与を目的とした活性剤は、胃腸管での活性剤の一体化および/または吸収を遅延させる材料でコーティングし、またはそのような材料と混合することができる(例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを使用することができる)。

0126

したがって、活性剤の持続放出は、何時間にもわたって実現することができ、必要に応じて、活性剤がの中で分解するのを防ぐことができる。経口投与用の医薬品組成物は、特定のpHまたは酵素条件によって、特定の胃腸部位で活性剤の放出が促進されるように配合することができる。

0127

(ii)経皮投与
経皮投与に適応させた医薬品組成物は、長時間にわたってレシピエントの表皮に密着したままであることを目的とした、個別のパッチとして提供することができる。例えば活性成分は、イオン泳動によってパッチから送達することができる(イオン泳動は、Pharmaceutical Research、3(6):318、1986に記載されている)。

0128

(iii)局所投与
局所投与に適応させた医薬品組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペーストゲルスプレーエアロゾル、または油として提供することができる。皮膚、口、眼、またはその他の外部組織への局所投与では、局所軟膏またはクリームが好ましく使用される。軟膏として配合する場合、活性成分は、パラフィン系または水混和性軟膏基材と共に用いることができる。あるいは、活性成分は、水中油基材または油中水基材と共にクリームに配合することができる。眼への局所投与に適応させた医薬品組成物には、点眼液が含まれる。本明細書では、活性成分は、適切な担体中に、例えば水性溶媒中に、溶解または懸濁させることができる。口内への局所投与に適応させた医薬品組成物には、ロゼンジ香錠、および洗口液が含まれる。

0129

(iv)直腸投与
直腸投与に適応させた医薬品組成物は、坐薬または浣腸剤として提供することができる。

0130

(v)鼻投与
これは、鼻腔内への投与だけではなく、鼻腔を介した別の部位、例えば肺への投与も含む。

0131

鼻投与に適応させた医薬品組成物は、固体担体、例えば粉末(好ましくは、20から500ミクロンの範囲内の粒度を有する)を使用することができる。粉末は、鼻で吸い込むような手法で、すなわち鼻の近くに保持された粉末容器から鼻を通して素早く吸入することによって、投与することができる。あるいは、鼻投与に適応させた組成物は、液体担体を使用することができ、例えば鼻スプレーまたは点鼻薬を含む。これらは、活性成分の水性または油の溶液を含んでよい。

0132

吸入によって投与するための組成物は、特別に適合させた機器で、例えば加圧エアゾルネブライザ、または吸入器で供給することができる。これらの機器は、所定投薬量の活性成分が提供されるように構成することができる。

0133

(vi)膣投与
膣投与に適合させた医薬品組成物は、ペッサリータンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレー配合物として提供することができる。

0134

(vii)非経口投与
非経口投与に適応させた医薬品組成物は、水性および非水性滅菌注射液または懸濁液を含む。これらは、抗酸化剤、緩衝液静菌剤、および意図されるレシピエントの血液に対して実質的に等張性のある組成物にする溶質を含有してよい。そのような組成物中に存在させることのできるその他の成分には、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセリン、および植物油が含まれる。非経口投与に適応させた組成物は、単位用量または多回容量容器内、例えば密閉したアンプルおよびバイアル内に存在させることができ、使用直前滅菌液担体、例えば注射用滅菌水の添加のみ必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時注射液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。

0135

上記説明から、本発明の組成物は、多くの様々な方法で配合できることが理解されよう。

0136

投薬量
本発明の化合物の投薬量は、治療の性質、治療される個人年齢および状態などに応じて、広い範囲で変えることができ、医師が、最終的には使用に最適な投薬量を決定することになる。

0137

しかし、任意の特定の投薬量に拘泥するものではないが、本発明の化合物の日用量は、10μgから100mg/kg体重であることが適切と考えられる。

0138

より好ましくは、投薬量は5から50mg/kg体重/日である。投薬量は、適切である限りしばしば繰り返してよい。副作用が生じたら、適切な臨床業務に従って、投薬量の量および/または頻度を低下させることができる。

0139

研究使用
本発明の化合物は、研究に有用である。例えば化合物は、下記の事項の1つまたは複数を分析するための研究ツールとして使用することができる:HSF、NF-κB、熱ショック応答、ウイルスの複製、ウイルス媒介性障害、細菌媒介性障害、放射線によって(例えば紫外線によって)媒介された障害、炎症性障害、免疫系の障害、虚血、動脈硬化症、細胞増殖に関わる障害(例えば、癌)、細胞の損傷または死滅に関わる障害(例えば、酸化的細胞損傷)、および糖尿病。

0140

その他の使用
本発明の化合物は、植物のウイルス性障害の治療にも役立てることができる。熱ショック応答の基本的なメカニズムは植物と動物において同様に作用すると考えられ、また本発明の化合物により、植物と動物において同様に直接的な抗ウイルス作用が発揮されると予測することが妥当であると考えるなら、植物のウイルス感染の治療における本発明の化合物の使用は、本発明の範囲内にある。これらの感染には、ジェミニウイルス、ラブドウイルス、カリモウイルス、ブロモウイルス、トブラモウイルス、ポチウイルス、およびポテキスウイルスの植物による感染が含まれるが、これらに限定するものではない。ウイロイド(ポテトスピンドル腫瘍ウイロイド、ホップスタントウイロイド、およびココナツダング-カダングウイロイドを含むが、これらに限定されない)による感染の治療での本発明の化合物の使用も、本発明の範囲内である。

0141

本発明の化合物は、水生生物(例えば、魚、甲殻類など)に影響を及ぼすウイルス性およびその他の障害を治療するのに、特に有用と考えられる。そのような障害には、口吻潰瘍ウイルス、イリドウイルス、リンパ膿腫ウイルス、感染性サケ貧血ノダウイルスなどによって媒介される障害が含まれる。

0142

したがって本発明の化合物は、水産養殖に使用することができる。化合物は、水生生物の食物に使用することができる。そのような食物は、本発明の範囲内である。一般に、密閉容器に入れて、適切にラベルを付した状態で(例えば、魚の食品甲殻類用食品、水生生物用食品など)販売されることになる。あるいは本発明の化合物は、水処理に、または水生生物への直接的用途に使用することができる。したがって、そのような化合物は、水産養殖で役立てるために、必ずしも食材中に存在させる必要がない。

0143

合成例
式Iのシクロヘキセノンは、下記の一般的な方法(一般方法A)を使用して調製することができる。

0144

0145

一般方法A:トリフェニルホスフィン(約1当量)を、シクロヘキセノン(III)(約1当量)をジクロロメタンに溶かした撹拌溶液に、不活性雰囲気中で室温で添加する。混合物を約-50℃に冷却する。チタン(IV)イソプロポキシド(約1/2当量)、次いで塩化チタン(IV)(約1/2当量)を、1滴ずつ添加する。混合物を、約-50℃で約15分間撹拌し、次いでアルデヒドR1-CHO(約3当量)を1滴ずつ添加する。混合物を、約15時間かけて室温にまで温める。炭酸カリウム水溶液(10%)を添加し、2相混合物を約90分間撹拌し、Celite(登録商標)を通して濾過し、ジクロロメタンおよびジエチルエーテル洗浄する。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出する。合わせた有機抽出物硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒真空蒸発させる。残留物を、シリカを通したフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、シクロヘキセノン(I)が得られる。

0146

式IIのシクロヘキサノンは、下記の一般的な方法(一般方法B)を使用して、均等物である式Iのシクロヘキセノンから調製することができる。

0147

0148

一般方法B:シクロヘキセノン(I)(約1当量)を無水クロロホルムに溶かした溶液に、チオールR-SH(約1当量)およびトリエチルアミン(触媒)を無水クロロホルムに溶かした溶液を室温で添加する。反応を不活性雰囲気中で約18時間撹拌し、次いで溶媒を真空蒸発させる。残留物を、シリカを通したフラッシュクロマトグラフィーにより精製することにより、シクロヘキサノン(II)が得られる。

0150

0151

一般方法Aに従って、トリフェニルホスフィン(225mg、0.86mmol)を、4-(t-ブチル-ジメチルシラニルオキシ)-シクロヘキス-2-エノン(194mg、0.86mmol)をジクロロメタン(5cm3)に溶かした撹拌溶液に、室温で、アルゴン雰囲気中で添加した。混合物を-50℃に冷却し;チタン(IV)イソプロポキシド(0.13cm3、0.44mmol)、次いで塩化チタン(IV)(47μL、0.43mmol)を1滴ずつ添加した。混合物を-50℃で15分間撹拌し、次いでベンズアルデヒド(0.26cm3、2.56mmol)を1滴ずつ添加した。混合物を、15時間かけて室温まで温めた。炭酸カリウム水溶液(10%、10cm3)を添加し、2相混合物を90分間撹拌し、Celite(登録商標)を通して濾過し、ジクロロメタン(10cm3)およびジエチルエーテル(10cm3)で洗浄した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した(4×10cm3)。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、6E-ベンジリデン-4-(t-ブチル-ジメチルシラニルオキシ)-シクロヘキス-2-エノンが62%の収率で、白色固体として得られた。m.p. 40〜42℃。

0152

この化合物(100mg)を無水クロロホルム(1.0cm3)に溶かした溶液に、Boc-システインメチルエステル(60mg)およびトリエチルアミン(3滴)を無水クロロホルム(1.5cm3)に溶かした溶液を添加した。反応をアルゴン中で18時間撹拌し、次いで溶媒を真空蒸発させた。残留物を、シリカに通したクロマトグラフィーにより精製することによって、標題の化合物が65%の収率で得られた; δH (250MHz, CDC13) 0.13 (6H, s, SitBu(CH3)2), 0.90 (9H, s, SiMe2C(CH3)3), 1.50 (9H, s, OC(CH3)3), 2.40-3.40 (7H, m, 3 x CH2, SCH), 3.80 (3H, s, OCH3), 4.10 (1H, M, OCH), 4.60 (1H, m, CH (Cys)), 5.05 (1H, d, NH), 7.30-7.50 (5H, m, ArH), 7.60 (1H, brd, C=CHAr)。

0153

鏡像異性体(CTM-208-2R, 1'S, 2'S)および(CTM-208-2R, 1'R, 2'R)を調製するために、それぞれ(-)-(S)-または(+)-(R)-4-(t-ブチル-ジメチルシラニルオキシ)-シクロヘキス-2-エノンを使用して上述の手順に従うことができる。

0154

生物学的な例
本発明による化合物の活性
本発明の好ましい化合物は、実施例2および3に記述されるアッセイの1つまたは複数において活性を有する。

0155

細胞培養および処理
ATCC(Manassas、VA)から得られた、ヒト乳癌MDA-MB-231、ヒトメラノーマSK-MEL-28、およびヒトバーキットリンパ腫HS-Sultan細胞系を、37℃で、5%CO2および95%湿度の空気中で、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、および抗生物質(100μMのペニシリン、および0.1mg/mlのストレプトマイシン)を含有する細胞培地内で(Life Technologies,Inc.)成長させた。アッセイがなされる各化合物を無水エタノールに溶解し、使用直前に培地中に希釈した。対照細胞に、同量エタノール希釈剤を与えた。細胞を、他に特に指示しない限り、アッセイ化合物または対照希釈剤と共に8時間インキュベートした。細胞の生存率を、生体色素排除アッセイによって決定した(トリパンブルー、0.1%)。

0156

フローサイトメトリー
アネキシンV染色の場合、細胞をPBSで1回洗浄し、染色緩衝液(10mMHEPESpH7.4、140mM NaCl、2.5mM CaCl)に、アネキシンV-PI(Annexin V-FITC、Becton-Dickinson) 5mlと共に再懸濁した。暗所インキュベーションを15分間行った後、細胞をFACScan(Becton-Dickinson)で直接分析した。細胞を、CellQuestプログラム(Becton-Dickinson)で評価した。データを、ヒストグラムアルゴリズムを使用してプロットしたが、アネキシンV-陽性細胞の強度は、未処理の対照のパーセントとして表した。ヒトバーキットリンパ腫HS-Sultan細胞およびヒトメラノーマSK-MEL-28細胞から得られた例示的なデータ(SK-MEL-28細胞に関しては24時間のインキュベーション)を、図1および2にそれぞれ示す。データは、試験がなされた15d-PGJ2および化学療法薬(シスプラチン、エトポシド、およびビンブラスチン)に比べ、CTM-208が、これら細胞におけるアポトーシスの強力な誘導因子であることを示している。

0157

DNA断片化
アポトーシス中に生成された細胞質ヒストン結合DNA断片(モノおよびオリゴヌクレオチド)を、製造業者の取扱指示書に従って、細胞死検出ELISAキット(Roche Diagnostics、Mannheim、ドイツ)によって測定した。ヒストン結合DNA断片を、比色アッセイで、DNAおよびヒストンに対する抗体を使用して分光学的に定量した。細胞質ヌクレオソーム高濃度化は、未処理の対照でのレベルの誘導率として表した。ヒト乳癌MDA-MB-231細胞を使用した例示的なデータ(48時間のインキュベーション)を、図3に示す。データが示すように、CTM-208で細胞を処理することにより、化学療法薬パクリタキセルで見られるよりも著しい、劇的なアポトーシスの用量依存的増加が誘導された。5μMのCTM-208で、アポトーシスは、未処理の対照の35倍を超えて増加した。ヒトメラノーマSK-MEL-28細胞を使用した別の例示的なデータ(48時間のインキュベーション)を図4に示す。

0158

電気泳動易動度シフトアッセイ(EMSA)
抽出調製の場合、細胞(2×106細胞/サンプル)を低張溶解緩衝液(10mM NaCl、3mM MgCl2、10mM Tris-HCl pH7.8、0.5% MP40、1mM DTT)に溶解し、次いで高塩濃度抽出緩衝液(50mM Tris-HCl、400mM NaCl、1mMEDTA、1mM EGTA、1% Triton、0.5% NP-40、10%グリセロール、1mM DTT、1mMPMSF、0.5μg/mlロイペプチン、0.7μg/mlペプスタチン、0.2%アプロチニン)に溶解した。等量のタンパク質(6μg/サンプル)を、32P-標識κB-DNAプローブ(11)と共にインキュベートし、その後、EMSAによってDNA結合活性の分析をした。結合反応は、(11)に記述されるように行った。錯体を、非変性4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析した。タンパク質-DNA錯体の特異性を、NF-κBサブユニットp65/RelAに特異的なポリクローナル抗体との免疫反応性によって検証した。NF-κB-κB錯体形成定量的評価は、ImageQuantソフトウェア(MDP分析)を使用して、Typhoon-8600 Imager(Molecular Dynamics)によって決定した。ヒトバーキットリンパ腫HS-Sultan細胞からの例示的なデータを、図5から7に示す。図5および6は、CTM-208が、バーキットリンパ腫細胞によって発現された構成的に高いレベルのNF-κB DNA結合活性の、強力な阻害剤であることを示す。図6が示すように、CTM-208は、0.2μMのIC50でサブマイクモル濃度のときに効果的であった。アネキシンV-PI染色を使用した、同じ細胞の並行試験において、CTM-208は、アポトーシスの強力な誘導因子であることが示され、0.1μMの濃度で効果的になり始めた(図7)。0.5μM CTM-208による8時間処理は、約90%のアポトーシスを誘導した。

0159

細胞系および処理
ヒトケラチノサイト(HaCaT)を、10%FBSおよび2mM L-グルタミンが補われたDMEM中37℃で、5%CO2加湿雰囲気中で規定通りに成長させた。Clonetics(San Diego、CA、USA)から得られたヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を、2%FBS、10mg/ml hEGF、1mg/mlヒドロコルチゾン、50mg/mlゲンタマイシン、3mg/ml BBE(ウシ脳抽出物)が補われたEGM培地中37℃で、5%CO2加湿雰囲気中で培養した。

0160

化合物
CTM-208を、無水エタノールまたはDMSO(0.1M原液)に溶解し、-20℃で保存し、使用直前に培地中に希釈した。対照細胞には、試験がなされる濃度では細胞増殖に影響を及ぼさない同量のDMSO希釈剤を与えた。メトトレキセートをDMSOに溶解した。ジメチルフマレートを無水エタノールに溶解した。

0161

細胞増殖アッセイ
HaCaT細胞(2.5×104細胞/ウェル)を、24ウェルプレートに播いた。24時間後、培地を除去し、試験化合物を種々の濃度で添加した。化合物を添加してから48時間後、細胞増殖を、血球計数器生存細胞数カウントすることによって決定した。細胞生存率を、トリパンブルー生体色素排除技法によって決定した。播かれた細胞の数を上回る細胞数の増加に関するIC50値を、処理後48時間で計算した。

0162

DNA合成
HUVEC細胞(5×103細胞/ウェル)を、96ウェルプレートに播いた。24時間後、培地を除去し、試験化合物を種々の濃度で添加した。DNA合成は、化合物を添加してから48時間後に5-ブロモ-2-デオキシ-ウリジン(BrdU)を細胞DNAに組み込むことによって評価した。DNAと一体化したBrdUの量は、BrdUに対するモノクローナル抗体を使用することによって評価した(細胞増殖ELISA比色アッセイ、Roche)。吸光度(1:405nm)を、Victorマイクロタイタープレートリーダ(Wallac)を使用して測定し、データは、Allfitプログラムを使用して分析した。

0163

電気泳動易動度シフトアッセイ(EMSA)
核抽出調製の場合、細胞(2×106細胞/サンプル)を低張性溶解緩衝液(10mM NaCl、3mM MgCl2、10mM Tris-HCl pH7.8、0.5% NP40、1mM DTT)に溶解し、次いで高塩濃度抽出緩衝液(50mM Tris-HCl、400mM NaCl、1mMEDTA、1mM EGTA、1% Triton、0.5% NP-40、10%グリセロール、1mM DTT、1mMPMSF、0.5μg/mlロイペプチン、0.7μg/mlペプスタチン、0.2%アプロチニン)に溶解した。等量のタンパク質(6μg/サンプル)を、32P-標識κB-DNAプローブと共にインキュベートし、その後、EMSAによってDNA結合活性の分析をした。結合反応は、(11)に記述されるように行った。錯体を、非変性4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析した。タンパク質-DNA錯体の特異性を、NF-κBサブユニット、p65/RelAに特異的なポリクローナル抗体との免疫反応性によって検証した。NF-κB-κB錯体形成の定量的評価は、ImageQuantソフトウェア(MDP分析)を使用して、Typhoon-8600 Imager (Molecular Dynamics)により決定した。HSFの検出は、HSF-HSE錯体を検出する32P-標識HSE-DNAプローブを使用して、EMSA(上述の方法)によって行った。

0164

ヒトケラチノサイト増殖に対するCTM-208の影響
ヒトケラチノサイト(HaCaT)を、24ウェルプレートに、ウェル当たり2.5×104細胞の濃度で播いた。24時間後、細胞を、種々の濃度のCTM-208またはDMSO希釈剤で、あるいは抗乾癬薬ジメチルフマレートおよびメトトレキセートで処理した。化合物を添加してから48時間後、血球計数器で生存細胞の数をカウントすることによって、細胞増殖を決定した。各化合物の各濃度を、同種の重複サンプルで試験をした。表1に示される結果は、CTM-208がHaCaT細胞増殖の強力な阻害剤であることを実証しており、IC50が2μMである。CTM-208は、抗乾癬薬ジメチルフマレートよりもさらに効果的であり、IC50が50μMでHaCaT細胞増殖を阻害したことがわかった。

0165

0166

ヒト内皮細胞増殖に対するCTM-208の影響
ヒト内皮細胞(HUVEC)を、96ウェルプレートに、ウェル当たり5×103細胞の濃度で播いた。24時間後、細胞を、種々の濃度のCTM-208で処理した。化合物を添加してから48時間後、DNA合成を、5-ブロモ-2-デオキシ-ウリジン(BrdU)を細胞DNAに組み込むことによって評価した。DNAと一体化したBrdUの量を、細胞増殖ELISA比色アッセイを使用することによって評価した。各濃度を、同種の重複サンプルで試験をした。表2に示される結果は、CTM-208が、IC50 1.6μMで、内皮細胞増殖の強力な阻害剤であることを実証している。

0167

0168

NF-κB結合活性およびHSF誘導に対するCTM208の影響
ヒトケラチノサイトにおけるNF-κBのDNA結合活性に対するCTM-208の影響を、表3に示す。結果は、CTM-208が、NF-κB-DNA結合活性の強力な阻害剤であり、その活性は、抗乾癬薬ジメチルフマレートの場合に等しく、かつメトトレキセートの場合よりも高いことを示している。同様の活性は、内皮細胞でも観察される(表4)。CTM-208は、ヒトケラチノサイト(表3)および内皮細胞(表4)の両方でHSFを誘発することも可能である。これらのデータは、CTM-208が、2つの個別の経路、NF-κBおよびHSFの誘導を介して動作する抗炎症活性を有し、抗乾癬薬ジメチルフマレートおよびメトトレキセートよりもこれらのアッセイでより効果的であることを実証している。

0169

0170

0171

概論
本発明の前述の説明は、その単なる例示であり、したがって、添付される特許請求の範囲に記載される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができることを理解すべきである。

0172

好ましくまたは任意選択の特徴が、本発明の特定の態様に関連して記述される場合、それらは、文脈において他に指示されていない限り、本発明のその他の態様に必要な変更を加えて適用されると見なすものとする。

実施例

0173

本明細書に引用される全ての文献は、前記文献で言及される任意の引用例と同様に、参照により本明細書に援用する。
(参考文献)

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