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技術 生物活性部位を低減するためにポリマーステント表面を平滑化および再形成する改良された方法

出願人 アルテリアル・ルモンドラン・テクノロジー・エス・アー
発明者 サバリア,パトリツク
出願日 2007年4月11日 (13年7ヶ月経過) 出願番号 2009-504845
公開日 2009年12月3日 (10年11ヶ月経過) 公開番号 2009-542263
状態 特許登録済
技術分野 媒体導出入付与装置 医療用材料
主要キーワード 舌状物 歯状物 ニットメッシュ 方性応力 円筒形要素 ガラス転移状態 チューブ要素 溶接密封
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、ステント平滑化するか、研磨するか、または強化するための化学的処理を使用する、ステントを製作するための方法を提供する。かかる処理の1つは、ステントをアセトンまたは同種の溶媒さらすことを含む。ある実施形態では、追加のステップは、ステントをアセトンまたは同種の溶媒を含む浴中に置くことを含み、この浴はまた、ステントが構成されるポリマーを含む。アセトン浴ステップは、ガラス転移温度未満の温度で行うことができる。本発明はまた、ポリ(乳)酸を含むアセトン浴を使用する、ステントを製作する方法を提供する。他の実施形態は、ポリ(乳)酸およびポリエチレングリコールを含むアセトン浴を使用する、ステントを製作する方法を提供する。

概要

背景

種々の外科的介入性の心臓病学手法および放射線学手法におけるステントの使用は、ステントデバイスを扱う経験が蓄積するにつれて、およびステントの利点がより幅広く認識されるようになるにつれて、急速に認められるようになってきた。ステントは、尿道前立腺部食道胆管腸管、ならびに種々の冠状動脈および静脈などの開放された通路のみならず、大腿動脈などのより遠く離れた心血管系脈管を維持するために体内管腔に使用されることが多い。

ステントは、アテローム性動脈硬化、すなわち血管病変または個体の動脈壁に蓄積するコレステロール結晶壊死細胞脂質プール、過剰な線維成分およびカルシウム沈着物からなるプラーク治療するために使用されることが多い。アテローム性動脈硬化を治療するための最も成功する手法の1つは、収縮したバルーン管腔内に挿入し、プラークまたはアテローム性動脈硬化性病変の部位に隣接させることである。次いで、バルーンを膨張させてプラークに圧力をかけ、このプラークを「破壊」する。この手法は、動脈の管腔の断面積を増加させる。不幸なことに、かけられた圧力はまた、動脈に損傷を与え、その症例の30−40%において、脈管が元の狭窄病変の位置で徐々に再度狭くなるか再閉鎖する。この再度狭くなることは、再狭窄として知られている。

再狭窄を防ぐための一般的なアプローチは、狭窄病変の部位に金属ステント展開することである。金属ステントは再狭窄の収縮形態を防ぐのに必要な機械的強度を有するが、動脈中に金属ステントが存在すると、血管痙攣コンプライアンスミスマッチ、および閉塞さえも含めた生物学的問題をもたらす可能性がある。その上、金属ステントを動脈に永久に埋め込んでおくことから生じる、脈管壁侵食などの固有の重大な危険が存在する。ステントはまた、最初の挿入位置から時折移動することもあり、ステント誘発性閉塞の可能性を高める。特に移動が生じる場合、金属ステントは、管腔中の周囲組織刺激を引き起こす。同様に、金属は、通常、管腔中の周囲組織に比べて非常に硬質で堅いため、このことが結果として解剖学的または生理学的なコンプライアンスミスマッチをもたらす恐れがあり、これによって、組織を損傷するか、または望ましくない生体応答発現することがある。加えて、ステントを血液に定常的にさらすことによって、血管内に血栓形成を引き起こす可能性がある。ステントはまた、傷ついた動脈壁に付随した細胞増殖を可能にし、その細胞がステントメッシュを通り抜けて移動するのを可能にし、その場所で細胞は増殖し続け、最終的には脈管を狭めてしまう。さらに、金属ステントは、通常、ある程度の負の反動を有する。最後に、金属ステントは、固定された最大直径に脈管を堅く拘束することによって、有機体において生じることができる本来の脈管リモデリングを、実際に妨げるか、または抑制する。

金属ステントを使用することについての問題のために、他の研究者らは、生体吸収性および生体分解性材料ステントの使用を最近探究してきている。かかるステントが作製される従来の生体吸収性または生体再吸収性材料は、時間がたてば吸収または分解されるために選択されている。この分解によって、その後の介入手法、例えば再ステント手術または動脈手術などを行うことが可能となる。いくつかの生体吸収性および生体分解性材料は、特に、最も一般的に使用されている生体適合性金属と比較して、優れた生体適合性の特性を有する傾向があることも知られている。生体吸収性および生体分解性ステントのもう1つの利点は、この機械的性質が、金属ステントによく付随する剛性および硬さを大いに除去または低減するように、設計されることが可能であるという点である。このことが有益であるのは、金属ステントの剛性および硬さが、脈管または管腔を損傷するステントの性向の原因となり得るためである。新規な生体分解性ステントの例は、参照によりその全体が援用される米国特許第5957975号に見い出されているものを含む。

しかし、多くの生体分解性ステントが有する問題が依然として存在する。例えば、ステントを血液にさらし続けることによって、望ましくない血栓形成を引き起こす可能性があることが見い出されている。特に、凹凸のまたは鋭利な表面を有するステントは、血液粒子が凹凸の表面に蓄積し、これによって血栓形成を加速させるため、望ましくない。それ故、ステントの表面反応性を制限するという問題が依然として存在する。

概要

本発明は、ステントを平滑化するか、研磨するか、または強化するための化学的処理を使用する、ステントを製作するための方法を提供する。かかる処理の1つは、ステントをアセトンまたは同種の溶媒にさらすことを含む。ある実施形態では、追加のステップは、ステントをアセトンまたは同種の溶媒を含む浴中に置くことを含み、この浴はまた、ステントが構成されるポリマーを含む。アセトン浴ステップは、ガラス転移温度未満の温度で行うことができる。本発明はまた、ポリ(乳)酸を含むアセトン浴を使用する、ステントを製作する方法を提供する。他の実施形態は、ポリ(乳)酸およびポリエチレングリコールを含むアセトン浴を使用する、ステントを製作する方法を提供する。

目的

再狭窄を防ぐための一般的なアプローチは、狭窄病変の部位に金属ステントを展開することである

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
1件

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請求項1

少なくとも1種の溶媒および少なくとも1種の生体分解性ポリマーを含む浴に、ポリマーステントの少なくとも一部を浸すことを含む、ポリマーステントの鋭利な表面および/または凹凸を減少させる方法。

請求項2

生体分解性ポリマーステント製作することと、少なくとも1種の溶媒に溶解させた少なくとも1種の生体分解性ポリマーを含む浴を調製することと、生体分解性ポリマーステントの少なくとも一部を前記浴に所定の期間浸すこととを含む、ポリマーステント上の活性アミノ基を低減する方法。

請求項3

少なくとも1種の生体分解性ポリマーが、1重量/体積%を超える濃度を有する、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

生体分解性ポリマーが、5重量/体積%を超える濃度を有する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。

請求項5

浴がポリエーテルをさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。

請求項6

ポリエーテルがポリエチレングリコールである、請求項5に記載の方法。

請求項7

浴の温度が、ポリマーステントのガラス転移温度未満である、請求項1から6のいずれかに記載の方法。

請求項8

前記ポリマーステントが、浴に約0.1秒間浸される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。

請求項9

前記ポリマーステントが、浴に約0.5秒間浸される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。

請求項10

温度が65℃未満である、請求項1から9のいずれかに記載の方法。

請求項11

浴が50℃未満の温度である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。

請求項12

浴上の大気圧が制御される、請求項1から11のいずれかに記載の方法。

請求項13

浴が、前記浴の表面張力を低減することができる薬剤をさらに含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。

請求項14

少なくとも1種の溶媒に溶解させた前記生体分解性ポリマーが、少なくとも約0.05重量/体積%の濃度である、請求項1から13のいずれかに記載の方法。

請求項15

少なくとも1種の溶媒に溶解させた前記生体分解性ポリマーが、少なくとも約5重量/体積%の濃度である、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記少なくとも1種の溶媒がアセトンを含む、請求項1から15のいずれかに記載の方法。

請求項17

前記少なくとも1種の溶媒が、1種または複数種塩素化またはハロゲン化炭化水素を含む、請求項1から15のいずれかに記載の方法。

請求項18

前記少なくとも1種の溶媒が、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタントリクロロエチレンリンデンポリ塩素化ビフェニルダイオキシンフランパークロロエチレンクロロホルムメトキシクロルヘキサクロロシクロヘキサンクロルデンディルドリンヘプタクロル、メトキシクロル、トキサフェン四塩化炭素およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記浴が、ケトン類由来の少なくとも1種の溶媒をさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

前記ケトン類由来の少なくとも1種の溶媒が、アセトアセテートアセトフェノンブタノン、C−11ケトンシクロヘキサノンジアセトンアルコールジイソブチルケトンイソホロンメチルアミルケトンメチルエチルケトンメチルイソアミルケトンメチルイソブチルケトン、β−ヒドロキシブチレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記少なくとも1種の溶媒がアルデヒドを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

前記ポリマーステントおよび少なくとも1種の生体分解性ポリマーが、同一のポリマーを含む、請求項1から21のいずれかに記載の方法。

請求項23

前記ポリマーステントが、PLA−PEGジブロックポリマーから作製される、請求項22に記載の方法。

背景技術

0001

種々の外科的介入性の心臓病学手法および放射線学手法におけるステントの使用は、ステントデバイスを扱う経験が蓄積するにつれて、およびステントの利点がより幅広く認識されるようになるにつれて、急速に認められるようになってきた。ステントは、尿道前立腺部食道胆管腸管、ならびに種々の冠状動脈および静脈などの開放された通路のみならず、大腿動脈などのより遠く離れた心血管系脈管を維持するために体内管腔に使用されることが多い。

0002

ステントは、アテローム性動脈硬化、すなわち血管病変または個体の動脈壁に蓄積するコレステロール結晶壊死細胞脂質プール、過剰な線維成分およびカルシウム沈着物からなるプラーク治療するために使用されることが多い。アテローム性動脈硬化を治療するための最も成功する手法の1つは、収縮したバルーン管腔内に挿入し、プラークまたはアテローム性動脈硬化性病変の部位に隣接させることである。次いで、バルーンを膨張させてプラークに圧力をかけ、このプラークを「破壊」する。この手法は、動脈の管腔の断面積を増加させる。不幸なことに、かけられた圧力はまた、動脈に損傷を与え、その症例の30−40%において、脈管が元の狭窄病変の位置で徐々に再度狭くなるか再閉鎖する。この再度狭くなることは、再狭窄として知られている。

0003

再狭窄を防ぐための一般的なアプローチは、狭窄病変の部位に金属ステント展開することである。金属ステントは再狭窄の収縮形態を防ぐのに必要な機械的強度を有するが、動脈中に金属ステントが存在すると、血管痙攣コンプライアンスミスマッチ、および閉塞さえも含めた生物学的問題をもたらす可能性がある。その上、金属ステントを動脈に永久に埋め込んでおくことから生じる、脈管壁侵食などの固有の重大な危険が存在する。ステントはまた、最初の挿入位置から時折移動することもあり、ステント誘発性閉塞の可能性を高める。特に移動が生じる場合、金属ステントは、管腔中の周囲組織刺激を引き起こす。同様に、金属は、通常、管腔中の周囲組織に比べて非常に硬質で堅いため、このことが結果として解剖学的または生理学的なコンプライアンスミスマッチをもたらす恐れがあり、これによって、組織を損傷するか、または望ましくない生体応答発現することがある。加えて、ステントを血液に定常的にさらすことによって、血管内に血栓形成を引き起こす可能性がある。ステントはまた、傷ついた動脈壁に付随した細胞増殖を可能にし、その細胞がステントメッシュを通り抜けて移動するのを可能にし、その場所で細胞は増殖し続け、最終的には脈管を狭めてしまう。さらに、金属ステントは、通常、ある程度の負の反動を有する。最後に、金属ステントは、固定された最大直径に脈管を堅く拘束することによって、有機体において生じることができる本来の脈管リモデリングを、実際に妨げるか、または抑制する。

0004

金属ステントを使用することについての問題のために、他の研究者らは、生体吸収性および生体分解性材料ステントの使用を最近探究してきている。かかるステントが作製される従来の生体吸収性または生体再吸収性材料は、時間がたてば吸収または分解されるために選択されている。この分解によって、その後の介入手法、例えば再ステント手術または動脈手術などを行うことが可能となる。いくつかの生体吸収性および生体分解性材料は、特に、最も一般的に使用されている生体適合性金属と比較して、優れた生体適合性の特性を有する傾向があることも知られている。生体吸収性および生体分解性ステントのもう1つの利点は、この機械的性質が、金属ステントによく付随する剛性および硬さを大いに除去または低減するように、設計されることが可能であるという点である。このことが有益であるのは、金属ステントの剛性および硬さが、脈管または管腔を損傷するステントの性向の原因となり得るためである。新規な生体分解性ステントの例は、参照によりその全体が援用される米国特許第5957975号に見い出されているものを含む。

0005

しかし、多くの生体分解性ステントが有する問題が依然として存在する。例えば、ステントを血液にさらし続けることによって、望ましくない血栓形成を引き起こす可能性があることが見い出されている。特に、凹凸のまたは鋭利な表面を有するステントは、血液粒子が凹凸の表面に蓄積し、これによって血栓形成を加速させるため、望ましくない。それ故、ステントの表面反応性を制限するという問題が依然として存在する。

発明が解決しようとする課題

0006

したがって、凹凸のまたは鋭利な表面をほとんど有さないステントを製造することが望ましい。血小板粘着を恐らく低減または除去するものとされる、活性アミノ基を低減または除去することも望ましい。本発明者らは、結果的に凹凸のおよび鋭利な縁部を減少させ、血小板粘着を低減させたステントを作製するための新規な方法を見い出した。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、ステントを平滑化するか、研磨するか、または強化するための化学的処理を使用する、ステントを製作するための方法を提供する。かかる処理の1つは、ステントをアセトンまたは同種の溶媒にさらすことを含む。本発明者らは、ステント製作プロセスに、この追加のステップを単独でまたは他の処理と併せて加えることによって、より優れたステントを創出できることをつきとめた。ある実施形態では、追加のステップは、ステントをアセトンまたは同種の溶媒を含む浴中に置くことを含み、この浴はまた、ステントが構成されるポリマーを含む。アセトン浴ステップは、一般に、ガラス転移温度未満の温度で行われる。好ましくは、アセトン浴ステップは、65℃未満、より好ましくは60℃未満、最も好ましくは55℃未満の温度で行われる。ある実施形態では、約25℃の温度が最も好ましい。

0008

追加のステップは、結果としてステントの表面反応性を減少させる。驚いたことに、このステップの追加は、製造中に創出された鋭利な表面および凹凸を研磨するのに役立つ。特定のいかなる理論によっても限定されることを所望しないが、本発明者らは、この製造プロセスが、活性アミノ基を低減または除去することによって、血栓形成の誘発に関与する血小板粘着または任意の血液成分を低減または除去すると考えている。

0009

本発明はまた、ポリ(乳)酸を含むアセトン浴を使用する、ステントを製作する方法を提供する。他の実施形態は、ポリ(乳)酸およびポリエチレングリコールを含むアセトン浴を使用する、ステントを製作する方法を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0010

定義:
本明細書において使用される「生体再吸収性ポリマー」とは、ポリマーの分解副生成物人体における本来の経路を通って、生体内吸収されるかまたは排泄されることが可能なポリマーを指す。

0011

本明細書において使用される「アセトン浴」とは、1種または複数種の溶媒を含む浴を指し、ここで溶媒は、アセトン、塩化炭化水素および/またはケトンであってよい。ポリマーステント製作方法は、ポリマーステントをアセトン浴に、部分的にまたは完全に浸すことを含む。

0012

本明細書において使用される「クリンピング」とは、壁にスリットまたは開口部を有する円筒形ポリマーデバイス半径方向に押圧することによって、円筒形デバイスの壁またはストラットの厚さに実質的には影響を及ぼすことなくデバイスの直径を減少させることができることを含むプロセスを指す。かかるプロセスは、通常、円筒形デバイスの長さの増加にもつながる。

0013

本明細書において使用される「分解性ポリマー」または「生体分解性ポリマー」とは、人体中または水溶液中に留置され、生理溶媒液模倣する温度、重量モル浸透圧濃度、pHなどの条件下で維持された場合に、好ましくは人体の抗原抗体防衛システムを誘発する危険を最小限にするための酵素的分解を伴うことなく、モノマーおよびオリゴマーへと分解されるポリマーを指す。

0014

本明細書において使用される「所定の最終的な形状および直径」とは、哺乳動物対象体、特にヒト対象者における脈管、特に、血管、管路または管の中の標的部位に展開されているステントの、所望の直径、長さ、設計および壁厚を指す。

0015

本明細書において使用される「負の反動」とは、初期展開後の、拡張されたステントのサイズまたは直径における望ましくない減少を指す。

0016

本明細書において使用される「正の反動」とは、所望の最終的な直径を有するように教育されているが、所望の最終的な直径まで完全には拡張されていないステントの、サイズまたは直径における増加を指す。

0017

本明細書において使用される「緩和関連の反動」とは、粘弾性ポリマー物体の周知の挙動による分子立体構造時間依存性の遅い再配列に起因した、ポリマーデバイスの寸法における遅い変化を指す。かかる再配列は、ポリマー材料が異なる環境条件下で加工されている場合に、ポリマー材料を、保存条件特有熱力学平衡へとゆっくり導く熱運動に起因する。Tg未満、すなわち、物体ガラス状態である場合では、緩和は非常に遅い。

0018

本明細書において使用される「Tg」または「ガラス転移温度」は、ポリマーがゴム状態からガラス状態に、およびこの逆に変化する温度を指す。

0019

本発明は、ステントを平滑化し、研磨し、および/または強化するための化学的処理を使用する、ステントを製作するための方法を提供する。本発明者らは、ステント製作プロセスに、1つまたは複数の追加の処理ステップを加えることによって、より優れたステントを創出できることをつきとめた。処理は、溶媒、好ましくはアセトンの、気体または蒸気、特にステント上に線形の流量を有する蒸気を使用することができる。追加のステップは、ステントを溶媒、好ましくはアセトンを含む浴中に置くことを含むこともあり得、この浴はまた、ステントが構成されるポリマーを含む。浴処理については、このステップは、一般に、ガラス転移温度未満の温度で行われる。好ましくは、浴ステップは、65℃未満、より好ましくは60℃未満、最も好ましくは55℃未満の温度で行われる。ある実施形態では、約50℃未満の温度が最も好ましい。

0020

追加の1つまたは複数のステップは、結果としてステントの表面反応性を減少させる。驚いたことに、このステップの追加は、製造中に創出された鋭利な表面および凹凸を研磨するのに役立つ。特定のいかなる理論によっても限定されることを所望しないが、本発明者らは、この製造プロセスが、活性アミノ基を低減または除去することによって、血小板粘着を恐らく低減または除去するものと考えている。

0021

本発明はまた、ポリ(乳)酸を含むアセトン浴を使用する、ステントを製作する方法を提供する。他の実施形態は、ポリ(乳)酸およびポリエチレングリコールを含むアセトン浴を使用する、ステントを製作する方法を提供する。

0022

I.例証的なステントの製作および性質
ステントは、任意の生体分解性、生体適合性、生体再吸収性のポリマー、好ましくは熱可塑性ポリマーから形成することができる。本明細書において使用される場合、生体再吸収性ポリマーは、この分解生成物が本来の経路を通って、インビボ代謝されるかまたは体から排泄されるポリマーである。好ましくは、本組立て品のステントは、37℃を少なくとも8度超えるTg、好ましくは37℃を少なくとも20度超えるTgを有する、分解性および生体再吸収性のポリマーから形成される。ステントのポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであることができる。好ましくは、ステントは、1種または複数種の非晶質の生体再吸収性ポリマーの薄層から形成される。すなわち、ステントを形成するために使用されるポリマーは、結晶質ではないことが好ましい。ステントを形成するために使用されるポリマーは、インビボ分解中に結晶性の残渣を生成しないことも好ましい。ポリマー鎖は、架橋されていてよいか、または架橋されていなくてよいことも企図される。しかし、デバイスの教育、クリンピングおよび展開を可能にする熱粘弾性が十分に維持される場合には、軽度の架橋が許容できる。

0023

適切な生体分解性ポリマーは、ポリ(L−ラクチド)、ポリグリコリド、ポリ(D,L−ラクチド)、ラクチドとグリコリドとのコポリマー、ポリカプロラクトンポリヒドロキシバレレートポリヒドロキシブチレートポリトリメチレンカーボネートポリオルトエステルポリ無水物およびポリホスファゼンを含んでよいが、これらに限定されない。本発明のステントに適しているポリマーの種類の例には、乳酸ベースステレオコポリマー(LおよびD単位からなるPLAxコポリマー、XはL−ラクチル単位の百分率である)(55<Tg<60)、乳酸とグリコール酸とのコポリマー(PLAxGAy、L−ラクチル単位の百分率であるX、およびグリコリル単位の百分率であるYは、コポリマーのTgが45℃を超えるようなものである)ならびにグルコニル単位のOH基が多少置換されていてよいポリ(乳酸−co−グリコール酸−co−グルコン酸)(pLAxGayGLx、L−ラクチル単位の百分率であるX、およびグリコリル単位の百分率であるY、およびグルコニル単位の百分率であるZは、ターポリマーのTgが45℃を超えるようなものである)が含まれるが、これらに限定されない。他の適したポリマーには、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸PGA)ポリグラクチン(PLAGAコポリマー)、ポリグリコネート(トリメチレンカーボネートとグリコリドとのコポリマー、ポリグリコリドまたはラクチド酸またはポリ乳酸のε−カプロラクトンとのコポリマー)が含まれるが、これらに限定されず、但し、ポリマーは、少なくとも45℃またはこれを超えるガラス転移温度Tgを有する。

0024

好ましい一実施形態では、ステントは、LおよびDLラクチドから製造されるポリ乳酸ステレオコポリマーを含む。このポリマーは、本明細書において「PLAX」と称され、ここで、Xは、ラクチドを調製するために使用されるモノマーの混合物におけるL−乳酸単位の百分率を表す。好ましくは、Xは10から90、より好ましくは25から75の範囲である。別の好ましい実施形態では、ステントは、ポリ−乳酸、LおよびDLラクチドならびにグリコリドから製造されるグリコール酸コポリマーを含む。このポリマーは、本明細書において「PLAXGAY」と称され、ここで、Yは、コポリマーを調製するために使用されるモノマーの混合物におけるグリコール酸単位の百分率を表す。好ましくは、コポリマーはグリコリル反復単位を含まない。この理由は、かかる単位がラクチル反復単位よりも炎症性であると知られているためである。好ましくは、ポリマーは、開始剤としてZn金属または乳酸Znを使用して調製される。ステントの良好な初期機械的性質を保証するために、第2のインビボ寿命を有する領域におけるポリマーの分子量は、20,000ダルトンを超えることが好ましく、100,000ダルトンまたはこれを超えることがより好ましい。サイズ排除クロマトグラフィーによって測定されるように、多分散度、I=Mw/Mnは、好ましくは2未満であり、2,000ダルトンよりも小さい低分子量オリゴマーの存在を大きくは反映しないはずである。

0025

場合によって、ステントを作製するために使用されるポリマー層は、局所薬送達を提供するために、ヘパリンなどの抗凝血剤ビタミンEなどの抗酸化剤、細胞増殖を調整する化合物、またはコルチコステロイドなどの抗炎症薬含浸される。かかる薬物は、当技術分野において知られている技術を使用して、ポリマー層に混和される。この混和が、ステントの半径方向への展開中および分解時間中などに、ステントの所望の物理的特性に対して重大な悪影響を及ぼさない限り、薬剤は、ステントの本体を形成するベースポリマーに混和されてもよい。静脈内、ステントについては、薄膜は、約0.05mmから0.2mmの厚さを有することが好ましい。

0026

さらに、いくつかの実施形態では、ステントは創傷治癒を調節する化合物でコートされてよく、またはステントのポリマーは創傷治癒を調節する化合物を含んでよい。一般に、創傷治癒を調節する化合物は、フィブリンで架橋して、細胞、特に内皮細胞のためのマトリックス接着および移動を供与するか;細胞外マトリックスの早期成分としての機能を果たすか、またはマトリックス形成を助けるか;コラーゲンに結合し、マトリックスグリコサミノグリカン相互作用するか;マクロファージ線維芽細胞、内皮細胞、平滑筋細胞および表皮細胞のための化学走化性を有する任意の化合物であるか;細胞骨格の構造および機能に影響を及ぼし、細胞移動、特に内皮細胞の移動を助長する物質であるか;オプソニン作用および食作用を促進するか;フィブロネクサスの成分を形成するか;コラーゲン沈着のための足場を形成するか;または治癒を促進するために他の方法で機能する任意の化合物であることができる。

0027

創傷治癒を促進する化合物の例には、プロテアーゼセロトニンおよびヒスタミンなどの血管作用物質;フィブロネクチンコラゲナーゼプラスミノーゲン活性化因子中性プロテアーゼエラスチン;コラーゲン;コンドロイチン−4−硫酸デルマタン硫酸およびヘパリン硫酸などのプロテオグリカン硫酸化および非硫酸化グリコサミノグリカン上皮細胞成長因子(EGF);エストラジオールテストステロンまたはプロゲステロンなどのホルモンマクロファージ由来増殖因子(MDGF);血小板由来増殖因子(PDGF);トロンビンインスリン;ある種のリンホカイン血管内皮増殖因子VEGF);線維芽細胞増殖因子;鉄、銅およびビタミンCなどの補助因子アドレノメデュリンアンギオゲニンアンギオポエチン−1;アンギオポエチン関連増殖因子;脳由来神経栄養因子副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン;Cyr16;エリスロポエチンホリスタチン肝細胞成長因子インターロイキンIL−3、IL−8);ミドカインニューロキニンA;神経ペプチドY(NPY);プレイオトロフィンプログラニュリン;プロリフリン;セクレニューリン;サブスタンスPトランスフォーミング成長因子;VG5Q;周皮細胞を補充する因子;およびベカプレルミンが含まれるが、これらに限定されない。

0028

ステントは任意の方法によって作製されてよいことが企図される。好ましい一実施形態では、ステントは、ヘッド舌状物とを含む生体分解性ポリマーバンドから形成され、ヘッドは溝を有し、舌状物は、この縦方向の縁部に近接して歯止めまたは固定をする仕掛けを含む。内部および外部表面を有する円筒形要素は、舌状物の一部を溝に差し込むことによって形成され、最初の減少された直径配置を有する円筒形要素を供与する。展開後、円筒形要素は2番目の拡張された直径配置であり、この配置において、端部の歯止め仕掛けがヘッドの内部表面をかみ合わせ、ポリマーステントの半径方向の崩壊または反動を防ぐ。2つ目の好ましい実施形態では、ステントは、相互接続された複数のポリマーバンドから形成され、各バンドはヘッドと舌状物とを含み、ヘッドは溝を有し、舌状物は、この縦方向の縁部に近接して歯止め仕掛けを含む。

0029

一実施形態では、ステントは、円筒形チューブレーザー切断によって形成される。別の実施形態では、ステントは、平らポリマーシートをステントの形にレーザー切断し、次いで、それを丸めて円筒形ステントの形状にし、縦方向に溶接してステントを形成することによって形成される。別の実施形態では、ステントは、平らなポリマーシートを化学的エッチングし、次いで、これを丸めて溶接してステントを形成するか、またはポリマーワイヤーを巻きつけてステントを形成することによって創出される。

0030

別の好ましい実施形態では、ステントはまた、熱可塑性ポリマー材料成形もしくは射出成形、または熱硬化性ポリマー材料反応射出成形によって形成することができる。例えば、一実施形態では、ポリマー材料は、金型に注ぎ込まれて2次元グリッドを形成する。次いで、平らなグリッドは丸められ、末端は溶接または接着されて円筒を形成する。他の実施形態では、ポリマー材料は、3次元の金型に注入されて円筒形ステントを形成する。さらに、配合ポリマーフィラメントは、押し出されるか、または溶融紡糸されてよい。次いで、これらのフィラメントは、切断され、リング要素を形成し、溶接密封され、波形をつけてクラウンを形成し、次いで、クラウンは熱または溶媒によって一緒に溶接されてステントを形成することができる。最後に、輪またはリングは、チュービングストックから切断され、チューブ要素型押しされてクラウンを形成し、クラウンは溶接またはレーザー融解によって接続されてステントを形成してよい。

0031

一般に、ストラットは、脈管の管腔壁に接触するように、またこれによって脈管の開通性を維持するように設計される型に配置される。特定の設計目標を達成するために、無数のストラット型が当技術分野において知られている。

0032

クリンピングされたステントは、壁厚を実質的には変更することなく、円筒形チューブの直径を一時的に減少させることができるように、スリットまたは開口隙を組み込んでよいことが企図される。その上、本発明を具体化しているステントは、拡張された形を維持するために機能する、歯状物および対応する歯止め構造を含むことができる。その上、ワイヤーまたはリボンコイルまたはヘリックスまたはニットメッシュ構造によって定義されている構造を包含するポリマーベースのステントは、自己拡張ステントの可能な例である。ステントの他の重要な設計特性は、半径方向もしくは輪の強さ、拡張比または被覆範囲および縦方向の柔軟性を含む。一方のストラット型は、特定の用途に対して重要であるそれらのパラメータを最適化しようと努力して、もう一方に優先して選択され得る。

0033

生体分解性ステントは、インビボ分解のプログラムされたパターンを有することができることも企図される。ステントポリマー構造は、特異な速度での分解を可能にする。例えば、その全体が参照により援用される米国特許第5957975号を参照のこと。一実施形態では、ステントは、2つの開口端と、円筒形要素の周囲に円周状に間隔が置かれている複数の領域とを有し、円筒形要素の一方の開口端から他方の開口端まで伸びている、少なくとも1つの実質的に円筒形の要素を含む。領域のそれぞれは、所望のインビボ寿命を有するように、設定または設計されている。領域の少なくとも1つは、他の1つまたは複数の領域よりも短いインビボ寿命を有するように設計されている。このことは、より短いインビボ寿命を有する領域は、展開後、より長いインビボ寿命を有する領域よりも早く分解することを意味する。それ故、本発明に従って設計されるステントが患者の脈管の管腔内に展開されると、ステントが患者の中に展開された後、所望の、所定の期間内に、円筒形要素は、円筒形要素の一方の開口端から円筒形要素の他方の開口端まで伸びている、1つまたは複数の割れ目を獲得する。展開後、所定の期間内でのかかる解体または破砕は、動脈リモデリングの過程を経て脈管の管腔の拡大を可能にすることがつきとめられている。

0034

異なるインビボ寿命を有するステントの領域は、種々の方法で作製することができる。好ましくは、かかるステントは、第1インビボ寿命、すなわち、より短いインビボ寿命を有する領域を、所定の第2インビボ寿命またはより長いインビボ寿命を有するポリマー層の中に製造することによって作製される。第1インビボ寿命を有する領域は、第2インビボ寿命を有するポリマー層のそれぞれの領域を、ポリマー鎖の局所部分的な分解を引き起こすのに十分な時間および温度で、加熱することによって製造される。かかる処理は、試験的熱針、レーザー光線または熱風の流れを使用して達成することができ、加熱された領域におけるポリマーを、加水分解に対してさらに敏感にする。あるいは、第1インビボ寿命を有する領域は、第2インビボ寿命を有するポリマー層において、ポリマー層のそれぞれの領域に、十分な数の酸性イオンを組み込むことによって製造されてよい。好ましくは、酸性イオンは、血液に溶けない化合物によって製造される。

0035

第1インビボ寿命を有する領域はまた、第2インビボ寿命を有するポリマーフィルムにおいて、それぞれの領域内にポリマー鎖の部分的な開裂誘起するのに十分な時間、それぞれの領域をベータ線またはガンマ線にさらすことによって製造することができる。ポリマー層が0.3mm未満の厚さを有するならば、第1インビボ寿命を有する領域は、第2インビボ寿命を有するポリマーフィルムにおいて、ポリマーに機械的に弱い範囲を導入することによって製造することも可能である。機械的弱さを導入する1つの方法は、それぞれの領域においてポリマーの厚さを減じること、またはそれぞれの領域において孔を形成することによるものである。第1インビボ寿命を有する領域はまた、第2インビボ寿命を有するポリマーフィルムにおいて、それぞれの領域に機械的応力をかけることによって製造することができる。しかし、後者のプロセスは制御することが困難なので、それほど好ましくない。異なる寿命は、生体分解性ステントの異なる領域上に1種または複数種の異なるコーティングを施すことによって創出されることも可能である。

0036

1つの領域または複数の相隔たる領域が第1インビボ寿命を有し、他の領域が第2インビボ寿命を有するポリマー層を製造するための別の方法は、より速く分解する生体再吸収性ポリマーの細片または繊維を、より遅く分解するポリマーから作製されたフィルムに組み込むことである。例えば、PGAまたはより速く分解する他の任意の生体再吸収性ポリマーの繊維または細片の、メッシュまたは平行配列は、より遅く分解するように設計され得るPLAのポリマーフィルムのそれぞれの領域に埋め込むことができる。埋め込みは、より遅く分解するポリマーの2枚の溶かしたシートの間に、メッシュまたは繊維を挿入することによって達成することができる。相対溶解度が相溶性であるならば、繊維またはメッシュは、より遅く分解するポリマーの有機溶液に入れることができ、有機溶媒蒸発によって所望のポリマーフィルムを形成することができる。1つのポリマーから作製されるメッシュを、2つ目のポリマーから作製されるポリマー層に埋め込むための方法の一例は、参照により本明細書に明確に援用される、1981年7月21日にVert他によって公表された米国特許第4279249号に記載されている。次いで、領域の所望の形状および位置を有するステントは、スタンピング、レーザー光線を使用するなどの標準的な手法、または当技術分野においてポリマーフィルムを形成するのに使用されている他の任意の手法によって、ポリマー層から形成される。

0037

これらのプロセスのいずれかによって形成される初期円筒形ポリマーデバイスは、所定の最終的な形状、長さ、壁厚および直径を有するように設定することができ、これらはすべて、ステントが利用されることになっている用途に合わせて調整される。例えば、心血管の用途については、これらのプロセスによって形成される初期ポリマーデバイスは、0.5cmから約3cmの範囲にある所定の最終的な長さを有する可能性がある。ある種の用途については、初期円筒形ポリマーデバイスは、0.50mmから8.0mmの範囲にある所定の最終的な直径を有し、0.05mmから0.5mmの範囲にある所定の最終的な壁厚を有する可能性がある。あるいは、これらのプロセスのいずれかによって形成される初期円筒形デバイスは、所定の最終的な直径よりも小さい直径を有することがある。

0038

初期円筒形ポリマーデバイスが、所定の最終的な直径よりも小さい直径を有する場合には、スリットまたは開口部は、上記の円筒形デバイス中に形成され、次いで、円筒形デバイスが、最終的な形状および直径に変形または拡張される。このことは、バルーンなどの拡張可能なデバイスをステントに挿入することによって達成することができる。

0039

いったんステントが形成されると、ステントは少なくともアセトンを含む浴に浸され、次いで乾燥される。驚いたことに、本発明者らは、走査電子顕微鏡法によって測定されるように、ステントを浴に浸すことは、鋭利な表面および凹凸を減少させるという予期せぬ結果を生むことを見い出した。ステントは任意の手段で乾燥させることができるが、好ましくは、ステントは恒量に達するまで大気圧で乾燥される。完全に乾燥しているかどうかは、ガスクロマトグラフィーによって、または熱重量分析によって、残留アセトンを測定することによって証明することができる。

0040

ステントが浴に浸される総時間は、アセトン浴がステントを潜在的に溶解させる可能性があるので重大である。この実施形態では、ステントは、全体として、0.5秒間浴に浸される。

0041

他の実施形態では、ステントは、少なくとも約0.1秒間、好ましくは1秒間まで、浴に浸される。総液浸時間は、ステントの1つまたは複数の部分のインビボ寿命を変更するための別の方法として使用され得ることも企図される。

0042

アセトン浴ステップは、一般に、ステントを形成するポリマーのガラス転移温度未満の温度で行われる。好ましくは、アセトン浴ステップは、65℃未満、より好ましくは60℃未満、最も好ましくは55℃未満の温度で行われる。ある実施形態では、約50℃未満の温度が最も好ましい。ステントのガラス転移温度未満の温度を使用することが好ましいのは、このことが、ステントを不都合温度条件にさらすことを低減する結果につながるためである。

0043

溶媒浴中に使用される溶媒の表面張力が高すぎる場合、このことは、溶媒がステントの内部表面に入り込むのを抑制する可能性があり、ステントの全長にわたってステントの特性における偏差をもたらす。所望であれば、このことは、溶媒浴上の大気圧を操作するか、溶媒の表面張力を低減するために薬剤を浴に加えるか、撹拌するか、またはステントの内腔を通り抜ける流れを変更することによって避けることができる。

0044

浴中のアセトン濃度は、ステントの鋭利な縁部および凹凸を減少させるための、ステントの表面反応性を減少させるための、および/または活性アミノ基を低減するための、当業者によって決定される任意の濃度であることができる。アセトン浴に溶解させたポリマーは、少なくとも約0.05重量/体積%の濃度を有することが好ましく、最も好ましくは少なくとも約5重量/体積%である。

0045

加えて、本発明のある実施形態は、ポリ(乳)酸(PLA)、ポリ−L−ラクチド、ポリ−DL−ラクチド、L−ラクチドモノマーおよび/またはDL−ラクチドモノマーをアセトン浴に加えることを提供する。1種または複数種のポリエーテルをアセトン浴に加えることが、さらに企図される。ポリエーテルは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドクラウンエーテルまたはこれらの混合物を含んでよいが、これらに限定されないことが企図される。好ましくは、アセトン浴に加えられるポリエーテルは、ポリエチレングリコール(PEG)である。好ましい一実施形態では、アセトン浴はPLA−PEGジブロックコポリマーを含む。PLAおよび/またはPLA−PEGジブロックコポリマーの濃度は、約0.1重量/体積%を超え、好ましくは約10重量/体積%を超え、より好ましくは約5重量/体積%である。アセトン浴は、ステントの組成にも含まれている、他のポリマー、化合物および/または化学薬品を含んでよいことも理解される。例えば、ステントポリマーが、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリグリコリド、ポリ(D,L−ラクチド)、ラクチドとグリコリドとのコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシブチレート、ポリトリメチレンカーボネート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリホスファゼンまたはこれらの混合物などの生体分解性ポリマーを含む場合、これらの1種または複数種のポリマーは、アセトン浴に加えられてもよい。

0046

さらに、他の溶媒が、アセトンの代わりに使用され得るか、または浴中のアセトンと一緒に含み得ることが企図される。例えば、浴中に使用され得る溶媒は、1種または複数種の塩素化またはハロゲン化炭化水素を含む。企図される塩化炭化水素には、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタントリクロロエチレンリンデンポリ塩素化ビフェニルダイオキシンフランパークロロエチレンクロロホルムメトキシクロルヘキサクロロシクロヘキサンクロルデンディルドリンヘプタクロル、メトキシクロル、トキサフェン四塩化炭素またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。

0047

ケトン類由来の溶媒を、アセトンの代わりに使用するか、または浴中のアセトンと一緒に含むことも企図される。ケトンの一員は、炭素原子のみに結合されているカルボニル基を含む有機化合物を含む。企図されるケトンには、アセトアセテートアセトフェノンブタノン、C−11ケトン、シクロヘキサノンジアセトンアルコールジイソブチルケトンイソホロンメチルアミルケトンメチルエチルケトンメチルイソアミルケトンメチルイソブチルケトン、β−ヒドロキシブチレートまたはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。浴中で利用され得る他の有用な溶媒およびこの混合物はアルデヒドを含み、このアルデヒドはステント中に使用されているある種のポリマーを安定させるのに役立つこともあり得る。いくつかの実施形態では、凝固または創傷治癒を調節する薬剤または化合物は、浴に加えられてよい。

0048

さらに、アセトン浴のステップは、ステントの製作中の任意の地点で存在することができる。好ましくは、アセトン浴のステップは、ステント製作の最後に存在する。より好ましくは、アセトン浴のステップは、ステントが教育される前に存在する。

0049

II.ステントの例証的な教育およびクリンピング
円筒形デバイスが、所定の最終的な形状、サイズおよび直径である間に、円筒形デバイスは、デバイスが形成されるポリマーのTgを超える温度に、デバイスを加熱することによって教育される。デバイスは、前のプロセスに関連する記憶を消去して、円筒形ポリマーデバイスに、所定の最終的な形状および直径の新たな記憶を付与するのに十分な時間加熱される。かかる条件は、ポリマー鎖が緩和して、前の加工段階に特有のからみ合いから、円筒形デバイスが最終的なまたは変形された形状およびサイズに適合するような高い温度に特有のからみ合いへと、それ自体を再構成するのを可能にすると考えられる。円筒形ポリマーデバイスが、所定の最終的な直径未満の初期直径を有する場合、ポリマーのTgを十分に超える温度に加熱することが望ましい。この加熱ステップは、押出しプロセスまたは成形プロセスによって促進された異方性応力、および前の加工に関連するポリマー鎖の記憶を消去する。良好な結果は、PLA75から形成され1.0mmから4mmの直径から変形された、レーザーで事前切断された円筒形ポリマーデバイスを、80℃の温度で30分間加熱することによって得られている。約45℃から約120℃の温度および5分間またはこれを超える時間が、0<X<100を有するPLAx、0<X<25および75<Y<100を有するPLAxGAy、または任意のPLAxGAyGLzから作製されたステントを教育するのに適しているはずである。

0050

次いで、円筒形ポリマーデバイスはクリンピングされる。本明細書において使用される「クリンピング」とは、壁にスリットまたは開口部を有する円筒形ポリマーデバイスを半径方向に押圧することによって、円筒形デバイスの壁またはストラットの厚さに実質的には影響を及ぼすことなくデバイスの直径を減少させることができることを含むプロセスを指す。かかるプロセスは、円筒形デバイスの長さの増加にもつながる可能性がある。

0051

教育された円筒形デバイスをクリンピングするために、このデバイスは、より小さい直径を有するデバイス上に取り付けられる。教育された円筒の直径は、円筒形デバイスの壁の外部表面に均等に圧力をかけながら、円筒をポリマーのTg未満の温度に加熱することによって減少する。

0052

いくつかの実施形態では、ポリマーステントは、膨張させることが可能なバルーンカテーテルなどの、膨張させることが可能なデバイス上にクリンピングされる。この場合には、クリンピング後のステント組立て品は、膨張させることが可能なバルーンカテーテルと、この上にぴったりと安定して配置された、拡張可能な、教育されたポリマーステントとを含む。クリンピング中に壁厚を実質的には変更することなく円筒形デバイスの直径を減少させることができるスリットまたは開口隙は、膨張させることが可能なバルーンカテーテル上に円筒形デバイスがクリンピングされる時点よりも前に、円筒形デバイスに組み込まれる。円筒形デバイスがクリンピング中に加熱される温度は、円筒形デバイスの直径を減少させることができるほど十分高いが、教育された円筒形デバイスの所定の最終的な形状および直径の記憶を消去しないほど十分低い。理想的には、この温度は、ポリマーのガラス転移状態未満である。より好ましくは、この温度は約50℃である。それ故、教育された円筒形デバイスがクリンピング中に加熱される温度は、円筒形デバイスが円筒形デバイスの教育中に加熱される温度未満である。さらに、教育された円筒形デバイスをクリンピングするのに要する時間は、ステントの温度、サイズおよび組成に応じて変わる可能性がある。

0053

本方法に従って、ポリマーステントの拡張は任意の手段で達成することができる。一実施形態では、バルーンは、体の中を通っていくステントのための、単に担体としてのみ使用される。この好ましい実施形態では、ステントの拡張は、ステントの正の反動特性によって生じる。それ故、この拡張はバルーンの膨張とは無関係である。別の好ましい実施形態では、バルーンは、ステントの拡張を開始するために、膨張および/または加熱される。ステントの正の反動特性は、ステントを、これの所定の最終的な直径へと拡張することが企図される。ステントの拡張を開始するために使用される温度は、ポリマーのTgまたはTg未満の任意の温度であってよく、この温度は、およそ体温であることが好ましい。それほど好ましくない実施形態では、バルーンを膨張させて、ポリマーステントを所定の最終的な形状へと拡張する。

0054

別の態様では、本発明の方法は、直径が最初に所定の最終的な直径未満であるポリマーチューブから始める。かかるチューブは、ポリマーのTgに近いか、またはこれを超える温度に最初に加熱され、拡張されて、直径が所望の最終的な直径に等しい円筒形デバイスを得る。その後、円筒形デバイスは、上記のように教育されて、所定の最終的な形状および直径の記憶を有する教育された円筒形デバイスを得、次いで、上記のようにバルーンカテーテル上にクリンピングされて、バルーンカテーテルと、この上にぴったりと安定して配置された、拡張可能な、教育されたポリマーステントとを含む組立て品を得る。

0055

本発明はまた、膨張させることが可能なバルーンカテーテルと、本方法に従って調製されるポリマーステントとを含む組立て品を提供する。

0056

好ましくは、本発明のステントは、対象者の血管中に展開された場合に、緩和関連の負の反動をほとんど示さないか、または全く示さない。有利なことに、本発明の組立て品は、これが対象者の血管に容易に挿入され、標的部位へと進められることが可能である直径を有する。好ましくは、本発明のステントは、ステントが展開中に、これの最終的な直径まで完全には展開されていない場合に、動脈の幾何学形状に拡張(正の反動)および適合を示す。数日にわたる正の反動は、長い期間、外側への半径方向の圧力を創出する。この外側への半径方向の圧力は、傷ついた動脈または不安定プラークを安定させるのを助けることで、正の脈管リモデリングを援助し、元の急激な拡張の損傷を修復するために細胞の発達や、組織弁の保護などを助ける。

0057

加えて、本発明のステントはバルーン上に安定して配置されており、このことは、室温での保存中に、ステントがこれの最終的な直径へと急速に拡張することを防ぐために、機械的な抑制が必要とされないということを意味している。それ故、必要とされないが、本発明の組立て品はまた、ステントの外部表面を覆う引込み可能な鎧装を場合によって含む。かかる鎧装は、ステントの変形を防ぐ働きをし、保存中の拡張を妨げるか、または遅らせる働きをする。

0058

III.本発明のステントを教育およびクリンピングするための時間および温度を決定するための例証的な手順
円筒形デバイスを教育し、これによって、負の反動に対して抵抗性があり、実際には正の反動を有するステントを開発するのに適した温度および時間は、本発明のステントをバルーンカテーテル上に最初にクリンピングすることによって、評価することができる。次いで、バルーンを膨張させて、ステントの拡張を開始する。バルーンは除去され、ステントは37℃で保存される。保存中、ステントは、ステントの正の反動特性のために直径が増加する可能性がある。これらの条件下で4から6週間、または好ましくは動脈壁がPTC血管形成術から回復するために見積もられる時間保存された場合に、ステントが負の反動をほとんど示さないか、または全く示さないならば、ステントを教育するために使用される時間および温度は適している。ポリマーステントが少しの反動を示す場合には、円筒形デバイスは、少しの負の反動を補償するために、所定の最終的な直径よりもわずかに大きい直径で教育されることが好ましい。

0059

ステントを減少した直径になるようにクリンピングするのに適した温度および時間は、本組立て品の、ステントを取り付けたバルーンカテーテルを、室温または保存温度放置することによって、評価することができる。クリンピングされたステントが、これらの条件下で収縮したバルーンに相当する小さい直径で崩壊した状態である場合、クリンピング中に使用される時間および温度は適している。

0060

正の反動などの付与されたステントの機械的性質の最適化は、最終製品を20℃未満の室温で保存することによって達成することができる。好ましくは、最終製品は約6℃から8℃で冷却保存される。

0061

IV.ステントの展開
ポリマーベースのステントは、最初に、約37℃で3から6分間予備加熱されている。ステントの予備加熱は、生理食塩水、インビボ血流または温風中で加熱することを含めた任意の手段で生じ得る。予備加熱期間後、本発明のポリマーベースのステント組立て品は、哺乳動物対象体の管路、管または脈管、例えば血管に、好ましくはガイディングカテーテルと併せて導入され、標的部位、例えば狭窄病変の部位へと進められる。この組立て品が標的部位に配置された後、バルーンを急速に膨張させて、ステントの拡張を開始する。あるいは、ステントが正確に位置されている場合、ステントは、ステントの局所加熱が可能である展開デバイス上に置かれることがある。このプロセス中に、ステントの直径は増加するが、ステントの壁厚は実質的には同じままである。

0062

プラークの破砕とステントの展開とは同時に行われてよいことが、さらに企図される。バルーンがそのような場合に使用される場合、バルーンを約8から12気圧の圧力に膨張させて、プラークを破壊し、ステントを拡張する。あるいは、脈管は、ステントなしで、血管形成術を使用して、前もって広げられていてよい。その後、ステントは、別個カテーテル、好ましくは拡張しているバルーンカテーテル上の所望の部位に導入される。

0063

冠状動脈に加えて、本ステントは、例えば、大腿腸骨動脈頚動脈椎骨脳底動脈などの他の動脈のみならず、例えば、静脈、尿管尿道気管支、胆管および膵管系、腸、涙管ならびに精管および卵管などの他の中空通路の内部に使用され得る。実際に、本発明のある態様は、体内の静脈、動脈、および管状または管の構造に代わるものとして使用されるデバイスを含むことが、さらに企図される。

0064

現在好ましい実施形態のみが詳細に記載されているが、当業者には明らかであるように、代替案、追加例、変更例および改良点が、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示されているデバイスおよび方法に対して作製される可能性がある。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除いて、限定されるつもりはない。

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