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図面 (8)

課題・解決手段

本明細書で開示するのは、抗ムスカリン剤または抗コリン剤唾液腺刺激を引き起こす化合物、及び便秘緩和させる化合物の様々な組み合わせを含む医薬組成物である。同じく、開示するのは、過活動膀胱を患う患者治療する方法であって、この患者に上記医薬組成物を投与することを含む方法である。

概要

背景

本発明は、医薬組成物過活動膀胱治療にその医薬組成物を用いる方法、及びその医薬組成物の様々な副作用を軽減させる方法に関する。

過活動膀胱(OAB)は、膀胱充満時の排尿筋不随意収縮により特徴付けられる。このような収縮は、無症状の場合もあれば、OABを臨床的に定義する次の3つの一般的な症状を引き起こす場合もある。つまり、頻尿尿意切迫感、及び切迫性または反射性尿失禁である。頻尿とは、排尿回数の増加のことであり、1日に8回以上にも及ぶ。尿意切迫感とは、強く突然の尿意のことである。切迫性尿失禁、または反射性尿失禁とは、尿意を制御できない状況のことである。また、多くの場合、4番目の症状として、睡眠を妨げる夜間頻尿(一晩に3回以上)が含まれる。これらのOABの諸症状は、個別に現れる場合もあれば、一緒に現れる場合もあり、それらの原因が病的なものなのか、神経性のものなのかは分かっていない。

失禁は、女性のOAB患者半数以上に現れる。この疾患は、3300万人を超えるアメリカ人に影響を及ぼし、相当な経済的、社会的、及び精神的負担をかける。下部尿路疾患薬理学的管理に関する継続的研究により、治療法に関する様々な選択肢が導かれてきたが、OABの症状は、一般に、患者により過小報告され、医療専門家による完全な治療はなされていない。

概要

本明細書で開示するのは、抗ムスカリン剤または抗コリン剤唾液腺刺激を引き起こす化合物、及び便秘緩和させる化合物の様々な組み合わせを含む医薬組成物である。同じく、開示するのは、過活動膀胱を患う患者を治療する方法であって、この患者に上記医薬組成物を投与することを含む方法である。

目的

従って、患者の薬剤服用順守安心、及び有効性を高めるために、副作用のレベルをかなり軽減させつつ、OABの治療に対して十分な有効性を提供する薬剤に対するニーズが当該技術分野にはある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
11件

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請求項1

治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺刺激を引き起こすことを特徴とする組成物

請求項2

前記第1の化合物は、オキシブチニントルテロジンソリフェナシンダリフェナシントロスピウムフェソテロジン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記第1の化合物は、オキシブチニン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。

請求項4

前記第1の化合物は、トルテロジン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。

請求項5

前記第2の化合物は、ピロカルピンセビメリンアミフォスチン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。

請求項6

前記第2の化合物は、ピロカルピン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。

請求項7

前記第2の化合物は、セビメリン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。

請求項8

治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は便秘緩和させることを特徴とする組成物。

請求項9

前記第1の化合物は、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、フェソテロジン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の組成物。

請求項10

前記第2の化合物は、便軟化剤下剤食物繊維治療薬、及び5HT受容体半アゴニストからなる群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の組成物。

請求項11

前記第2の化合物は、テガセロドビサコジルカルボキシメチルセルロースカサスラノール、カスカラサグラダひまし油ダントロンデヒドロコール酸ドキュセートカルシウムドキュセートナトリウムグリセリンラクツロースクエン酸マグネシウム水酸化マグネシウム酸化マグネシウム硫酸マグネシウム麦芽スープエキスメチルセルロースマグネシアミルク鉱物油、粘漿薬(mucilloid)、ポリカルボフィルポリエチレングリコール3350、ポロキサマー188、オオバコ親水性オオバコ、センナセンノシドリン酸ナトリウム、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の組成物。

請求項12

治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物と、治療効果がある量の第3の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こし、前記第3の化合物は便秘を緩和させることを特徴とする組成物。

請求項13

前記第1の化合物は、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、フェソテロジン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の組成物。

請求項14

前記第2の化合物は、ピロカルピン、セビメリン、アミフォスチン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の組成物。

請求項15

前記第3の化合物は、テガセロド、ビサコジル、カルボキシメチルセルロース、カサンスラノール、カスカラサグラダ、ひまし油、ダントロン、デヒドロコール酸、ドキュセートカルシウム、ドキュセートナトリウム、グリセリン、ラクツロース、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、麦芽スープエキス、メチルセルロース、マグネシアミルク、鉱物油、粘漿薬(mucilloid)、ポリカルボフィル、ポリエチレングリコール3350、ポロキサマー188、オオバコ、親水性オオバコ、センナ、センノシド、リン酸ナトリウム、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の組成物。

請求項16

患者治療する方法であって、その治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを投与することを含み、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こすことを特徴とする方法。

請求項17

前記第1の化合物は、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、フェソテロジン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。

請求項18

前記第1の化合物は、オキシブチニン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項16に記載の方法。

請求項19

前記第1の化合物は、トルテロジン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項16に記載の方法。

請求項20

前記第2の化合物は、ピロカルピン、セビメリン、アミフォスチン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。

請求項21

前記第2の化合物は、ピロカルピン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項16に記載の方法。

請求項22

前記第2の化合物は、セビメリン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項16に記載の方法。

請求項23

治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物と、薬剤として許容可能な担体希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、フェソテロジン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはロドラッグからなる群から選択され、前記第2の化合物は、ピロカルピン、セビメリン、アミフォスチン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする組成物。

請求項24

前記第1の化合物は、オキシブチニン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項23に記載の組成物。

請求項25

前記第1の化合物は、トルテロジン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項23に記載の組成物。

請求項26

前記第2の化合物は、ピロカルピン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項23に記載の組成物。

請求項27

前記第2の化合物は、セビメリン、その遊離塩基、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグであることを特徴とする請求項23に記載の組成物。

請求項28

患者を治療する方法であって、その治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを投与することを含み、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は便秘を緩和させることを特徴とする方法。

請求項29

前記第1の化合物は、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、フェソテロジン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項28に記載の方法。

請求項30

前記第2の化合物は、テガセロド、ビサコジル、カルボキシメチルセルロース、カサンスラノール、カスカラサグラダ、ひまし油、ダントロン、デヒドロコール酸、ドキュセートカルシウム、ドキュセートナトリウム、グリセリン、ラクツロース、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、麦芽スープエキス、メチルセルロース、マグネシアミルク、鉱物油、粘漿薬(mucilloid)、ポリカルボフィル、ポリエチレングリコール3350、ポロキサマー188、オオバコ、親水性オオバコ、センナ、センノシド、リン酸ナトリウム、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項28に記載の方法。

請求項31

患者を治療する方法であって、その治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物と、治療効果がある量の第3の化合物とを投与することを含み、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こし、前記第3の化合物は便秘を緩和させることを特徴とする方法。

請求項32

前記第1の化合物は、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、フェソテロジン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項31に記載の方法。

請求項33

前記第2の化合物は、ピロカルピン、セビメリン、アミフォスチン、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項31に記載の方法。

請求項34

前記第3の化合物は、テガセロド、ビサコジル、カルボキシメチルセルロース、カサンスラノール、カスカラサグラダ、ひまし油、ダントロン、デヒドロコール酸、ドキュセートカルシウム、ドキュセートナトリウム、グリセリン、ラクツロース、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、麦芽スープエキス、メチルセルロース、マグネシアミルク、鉱物油、粘漿薬(mucilloid)、ポリカルボフィル、ポリエチレングリコール3350、ポロキサマー188、オオバコ、親水性オオバコ、センナ、センノシド、リン酸ナトリウム、それらの遊離塩基、及びそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択されることを特徴とする請求項31に記載の方法。

技術分野

0001

[関連出願]
本出願は、2005年9月2日にMehdi Paborjiにより「病気治療法」と題して出願された米国仮出願番号60/714,150の優先権を主張し、本明細書でその全体を参照して援用するものである。

背景技術

0002

本発明は、医薬組成物過活動膀胱治療にその医薬組成物を用いる方法、及びその医薬組成物の様々な副作用を軽減させる方法に関する。

0003

過活動膀胱(OAB)は、膀胱充満時の排尿筋不随意収縮により特徴付けられる。このような収縮は、無症状の場合もあれば、OABを臨床的に定義する次の3つの一般的な症状を引き起こす場合もある。つまり、頻尿尿意切迫感、及び切迫性または反射性尿失禁である。頻尿とは、排尿回数の増加のことであり、1日に8回以上にも及ぶ。尿意切迫感とは、強く突然の尿意のことである。切迫性尿失禁、または反射性尿失禁とは、尿意を制御できない状況のことである。また、多くの場合、4番目の症状として、睡眠を妨げる夜間頻尿(一晩に3回以上)が含まれる。これらのOABの諸症状は、個別に現れる場合もあれば、一緒に現れる場合もあり、それらの原因が病的なものなのか、神経性のものなのかは分かっていない。

0004

失禁は、女性のOAB患者半数以上に現れる。この疾患は、3300万人を超えるアメリカ人に影響を及ぼし、相当な経済的、社会的、及び精神的負担をかける。下部尿路疾患薬理学的管理に関する継続的研究により、治療法に関する様々な選択肢が導かれてきたが、OABの症状は、一般に、患者により過小報告され、医療専門家による完全な治療はなされていない。

発明が解決しようとする課題

0005

OABを治療して管理するために、カルシウムチャンネル遮断薬三環系抗うつ薬α遮断薬エストロゲン、及び抗コリン剤を含む様々な種類の薬剤が用いられてきた。ムスカリン受容体で効果を発揮し、不随意排尿筋収縮強度を抑制または軽減する抗コリン剤は、OABに対する第1選択の薬物療法であり、有効性疑問の点がない利用可能な唯一の療法かもしれない。塩化オキシブチニン、及び酒石酸トルテロジンは、最も集中的に研究されている抗コリン剤であり、最も良く用いられている抗コリン剤でもある。複数の薬剤の比較臨床試験に関する最近の証拠に基づく系統レビューでは、抗コリン療法は、頻尿の頻度、及び失禁症状出現回数を含む下部尿路機能のいくつかの指標を大きく改善すると結論付けている。これらの薬品の主な制約は、膀胱組織に対する特異度欠如していることで、結果的に、口渇、及び便秘などの厄介な副作用が生じる。

0006

トルテロジンは、通常、オキシブチニンほどには口渇に関係していない。この性質は、5種類のムスカリン受容体サブタイプ(M1−M5)のいずれか1つ、例えば、耳下腺組織内で優勢なM3受容体などに対するトルテロジンの低選択性によるものだと考えられている。オキシブチニンには、膀胱収縮仲介するこの受容体に対して、トルテロジン以上の高い親和性がある。トルテロジンには、耳下腺のムスカリン受容体に対してよりも膀胱のムスカリン受容体に対して、オキシブチニンよりも高い選択性があることが、動物データに基づき議論されてきたが、そのメカニズムは、依然として解明されていない。トルテロジンの治療効果と関連する口渇の程度が相対的にやや低いことを説明するために、腺組織ではなく膀胱平滑筋に存在し、かつトルテロジンがオキシブチニンよりも高い親和性を示す原因となるM2受容体に及ぼす効果も用いられてきた。

0007

オキシブチニンによる高い口渇度の原因が、唾液腺でも現れるM3サブタイプ受容体に対して高い親和性があるように思われる主要代謝物であるデスエチルオキシブチニンの生成にあるという別の報告もある。しかし、オキシブチニンとトルテロジンからなる最新の長時間放出(extended−release)製剤は、即効性製剤と比較して、同程度の有効性または恐らくやや良好な有効性と、高い忍容性とを実現する。塩化トロスピウムコハク酸ソリフェナシン(ベシケア)、及びダリフェナシン(エナブレックス)を含むより最近認可された製剤は、副作用の点で改善されているようである。つまり、口渇度がやや低い点である。それでも、口渇、及び便秘は、解決が難しいままであり、患者は、短期間の治療後に薬剤の服用中止する。

0008

従って、患者の薬剤服用順守安心、及び有効性を高めるために、副作用のレベルをかなり軽減させつつ、OABの治療に対して十分な有効性を提供する薬剤に対するニーズが当該技術分野にはある。

課題を解決するための手段

0009

本明細書で開示するのは、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こすことを特徴とする組成物である。また、本明細書で開示するのは、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は便秘を緩和させることを特徴とする組成物である。さらに、本明細書で開示するのは、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物と、治療効果がある量の第3の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こし、前記第3の化合物は便秘を緩和させることを特徴とする組成物である。

0010

本明細書で開示するのは、患者を治療する方法であって、その治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを投与することを含み、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こすことを特徴とする方法である。また、本明細書で開示するのは、患者を治療する方法であって、その治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを投与することを含み、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こすことを特徴とする方法である。さらに、本明細書で開示するのは、患者を治療する方法であって、その治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物と、治療効果がある量の第3の化合物とを投与することを含み、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こし、前記第3の化合物は便秘を緩和させることを特徴とする方法である。

発明を実施するための最良の形態

0011

過活動膀胱(OAB)の治療に関する主な制約は、口渇と便秘という副作用である。口渇に対処する現在の手法は、オキシブチニンまたはトルテロジンなどの、活性部分の徐放(sustained−release)を生じさせることである。 OAB薬剤を服用している患者は、このような副作用に未だに苦しんでいるために、その患者の生活の質は、大多数の患者が約4〜6ヵ月後に薬剤の服用を中止する程度にまで大きく阻害されている。

0012

従って、第1の態様では、本発明は、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は唾液腺の刺激を引き起こすことを特徴とする組成物に関する。

0013

本明細書で説明する医薬組成物の第1の化合物は、過活動膀胱の治療に有用な化合物である。一部の実施形態では、この第1の化合物は、M2またはM3ムスカリン受容体のアゴニストである。別の実施形態では、この第1の化合物は、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウムフェソテロジン、またはそれらの薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグからなる群から選択してもよい。OABの治療のために現在知られている、あるいは後に開発される他の化合物は、本開示の範囲内である。

0014

一部の実施形態では、第1の化合物は、化学構造式(1)の化合物、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグである。ここで、R1〜R9は、水素アルキルニトロ、アミノシアノ、ヒドロキシアルコキシカルボン酸、及びアミドからなる群からそれぞれ独立に選択され、m及びnは、1、2、3、4、及び5からそれぞれ独立に選択される。

0015

また、一部の実施形態では、R1及びR2のそれぞれが、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群から独立に選択される。さらに、ある実施形態では、R1及びR2のそれぞれが水素である。

0016

一部の実施形態では、R3は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群から選択される。また、ある実施形態では、R3はヒドロキシである。

0017

一部の実施形態では、R4及びR5は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される。また、ある実施形態では、R4及びR5は、それぞれ独立にアルキルである。さらに、別の実施形態では、R4及びR5は、メチルエチルプロピルn−ブチルイソブチル、及びtert−ブチルからなる群からそれぞれ独立に選択される。また、他の実施形態では、R4及びR5は、それぞれ独立にエチルである。

0018

一部の実施形態では、R6〜R9は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される、また、ある実施形態では、R6〜R9は、それぞれ独立に水素である。

0019

一部の実施形態では、第1の化合物は、オキシブチニン、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグである。オキシブチニンは、Ditropan、Ditropan XL、及びOxytrolなどの薬剤に含まれる有効成分である。また、オキシブチニンは、抗コリン剤であり、それによって、膀胱平滑筋の不随意収縮を抑制する。しかし、オキシブチニンには、OABに対する有効性をさらに高めるが、最も一般的な副作用である口渇の原因である可能性があるムスカリン受容体活性もあると考えられている。

0020

一部の実施形態では、第1の化合物は、トルテロジン、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグである。(R)−2−[3−[ビス(1−メチルエチル−アミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェノール[R−(R*,R*)]−2,3−ジヒドロキシブタン二酸という化学名を持つトルテロジンは、ムスカリン受容体アンタゴニストであり、Detrolなどの薬剤に含まれる有効成分である(酒石酸トルテロジンとして)。また、別の実施形態では、第1の化合物は、トルテロジンの5−ヒドロキシメチル誘導体である。

0021

用語「薬剤として許容可能な塩」とは、化合物からなる製剤のことであって、その製剤が投与された生物に大きな刺激を引き起こさず、かつ生物活性や化合物の特性を無効にすることはない化合物からなる製剤のことである。薬剤塩は、本発明の化合物を、例えば、塩酸臭化水素酸硫酸硝酸リン酸コハク酸酒石酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸p−トルエンスルホン酸サリチル酸などの無機酸と反応させることによって得ることができる。また、薬剤塩は、本発明の化合物を、例えば、アンモニウム塩ナトリウム塩カルシウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、及びトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基の塩、及びアルギニンリシンなどのアミノ酸などを有するそれらの塩などの塩を生成する塩基と反応させることによっても得ることができる。

0022

開示全体を通して、特定の化合物を命名する際は、当然のことながら、その名称は、その化合物の遊離塩基または遊離酸、及びその化合物の薬剤として許容可能な塩の両方のことを言う。従って、例えば、「トルテロジン」という用語の範囲は、トルテロジンの遊離塩基、つまり、(R)−2−[3−[ビス(1−メチルエチル−アミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェノール[R−(R*,R*)]−2,3−ジヒドロキシブタン二酸、及びその様々な薬剤として許容可能な塩、例えば、酒石酸トルテロジンの両方を含む。

0023

「プロドラッグ」とは、体内で親薬物に変化する薬剤のことである。プロドラッグは、場合によっては、親薬物よりも投与しやすいために、大抵は有用である。例えば、プロドラッグは、経口投与によって生体活性となる場合があるが、親薬物はそうではない。また、プロドラッグは、医薬組成物中での溶解度が親薬物よりも高い場合もあり、あるいは高い食味を示したり、製剤しやすかったりする場合もある。限定するわけではないが、プロドラッグの例としては、水溶性移動度に悪影響を及ぼす細胞膜を透過しやすくするためにエステル(「プロドラッグ」)として投与され、次に、一旦、水溶性が有利に働く細胞内で、活性体であるカルボン酸に代謝的に加水分解される本発明の化合物が考えられる。プロドラッグの別の例としては、ペプチドが代謝されて活性部分を提供する酸性基と結合した短ペプチドポリアミノ酸)が考えられる。

0024

一部の実施形態では、第2の化合物は、コリンアゴニストである。また、ある実施形態では、第2の化合物は、ピロカルピンセビメリンアミフォスチン(後者の薬剤は、化学的には、2−[(3−アミノプロピル)アミノ]エタンチオール二水素ホスファート(エステル)として知られている)、またはそれらの薬剤として許容可能な塩またはプロドラッグからなる群から選択される。さらに、別の実施形態では、第2の化合物は、ピロカルピン、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグである。また、他の実施形態では、第2の化合物は、セビメリン、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグである。

0025

一部の実施形態では、第2の化合物は、化学構造式(2)の化合物、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグである。ここで、R1〜R9は、水素、アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボン酸、及びアミドからなる群からそれぞれ独立に選択される。

0026

一部の実施形態では、R1及びR2は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される。また、ある実施形態では、R1及びR2は、それぞれ独立にアルキルである。さらに、別の実施形態では、R1及びR2は、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、及びtert−ブチルからなる群からそれぞれ独立に選択される。また、他の実施形態では、R1及びR2は、それぞれ独立にメチルである。

0027

一部の実施形態では、R3〜R9は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される、また、ある実施形態では、R3〜R9は、それぞれ独立に水素である。

0028

別の態様では、本発明は、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は、上記のように、抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は便秘を緩和させることを特徴とする組成物に関する。

0030

ある実施形態では、第2の化合物は、化学構造式(3)の化合物、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグである。ここで、R1〜R9は、水素、アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボン酸、及びアミドからなる群からそれぞれ独立に選択され、mは、1、2、及び3から選択される。

0031

一部の実施形態では、R1は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群から選択される。また、ある実施形態では、R1は、ヒドロキシまたはアルコキシである。さらに、別の実施形態では、R1は、ヒドロキシ、メトキシエトキシプロポキシ、n−ブトキシイソブトキシ、及びtert−ブトキシからなる群から選択される。また、他の実施形態では、R1は、メトキシである。

0032

一部の実施形態では、R2、及びR3〜R9は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される。また、ある実施形態では、R2、及びR3〜R9は、それぞれ独立に水素である。

0033

一部の実施形態では、R9は、水素、アルキル、ヒドロキシ、及びアルコキシからなる群から選択される。また、ある実施形態では、R9は、アルキルである。さらに、別の実施形態では、R9は、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルヘプチル、及びオクチルからなる群から選択される。また、他の実施形態では、R9は、n−ペンチルである。

0034

ある実施形態では、第2の化合物は、テガセロド、またはその薬剤として許容可能な塩もしくはプロドラッグである。また、そのうちの一部の実施形態では、テガセロドの薬剤として許容可能な塩は、硝酸塩乳酸塩コハク酸塩、硫酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、及び硫化水素塩からなる群から選択される。但し、テガセロドの他の塩も、本発明の範囲に含まれる。

0035

本開示全体を通して、特定の化合物について、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、ピロカルピン、セビメリン、またはテガセロドといった名称で言及する場合、当然のことながら、本開示の範囲は、その名称の化合物の薬剤として許容可能な塩、エステル、アミド、またはプロドラッグを網羅する。また、その名称の化合物にキラル中心が含まれる場合、本開示の範囲には、2つのエナンチオマーからなるラセミ混合物を含む組成物、及び一方のエナンチオマーを個別に含み、他方のエナンチオマーが実質的に入っていない組成物も含まれる。従って、本明細書で企図するのは、例えば、Sエナンチオマーを含み、Rエナンチオマーが実質的に入っていない組成物、またはRエナンチオマーを含み、Sエナンチオマーが実質的に入っていない組成物である。「実質的に入っていない」という言葉は、この組成物には、10%未満、または8%未満、または5%未満、または3%未満、または1%未満の副エナンチオマーが含まれることを意味する。また、その名称の化合物に複数のキラル中心が含まれる場合、本開示の範囲には、各種ジアステレオマーの混合物を含む組成物、及び各ジアステレオマーを含み、残りのジアステレオマーが実質的に入っていない組成物も含まれる。従って、例えば、市販のオキシブチニンは、2つの別々のエナンチオマーを含むラセミ混合物である。本開示全体を通して「オキシブチニン」を列挙すれば、オキシブチニンのラセミ混合物を含む組成物、(+)エナンチオマーを含み、(−)エナンチオマーが実質的に入っていない組成物、及び(−)エナンチオマーを含み、(+)エナンチオマーが実質的に入っていない組成物が含まれる。また、例えば、天然アルカロイドである市販のピロカルピンは、2つの立体中心を含む。本発明の範囲には、4つのジアステレオマー全てを含む医薬組成物、R,R異性体及びS,S異性体からなるラセミ混合物を含む医薬組成物、R,S異性体及びS,R異性体からなるラセミ混合物を含む医薬組成物、R,Rエナンチオマーを含み、他のジアステレオマーは実質的に入っていない医薬組成物、S,Sエナンチオマーを含み、他のジアステレオマーは実質的に入っていない医薬組成物、R,Sエナンチオマーを含み、他のジアステレオマーは実質的に入っていない医薬組成物、及びS,Rエナンチオマーを含み、他のジアステレオマーは実質的に入っていない医薬組成物が含まれる。

0036

さらに別の態様では、本発明は、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物と、治療効果がある量の第3の化合物とを含む医薬組成物であって、前記第1の化合物は、上記のように、抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は、上記のように、唾液腺の刺激を引き起こし、前記第3の化合物は、上記のように、便秘を緩和させることを特徴とする組成物に関する。

0037

ある実施形態では、本発明は、オキシブチニン及びピロカルピンを含む医薬組成物に関する。また、他の実施形態では、本発明は、トルテロジン及びピロカルピンを含む医薬組成物に関する。さらに、別の実施形態では、本発明は、トロスピウム及びピロカルピンを含む医薬組成物に関する。また、一部の実施形態では、本発明は、ソリフェナシン及びピロカルピンを含む医薬組成物に関する。さらに他の実施形態では、本発明は、ダリフェナシン及びピロカルピンを含む医薬組成物に関する。さらに他の実施形態では、本発明は、フェソテロジン及びピロカルピンを含む医薬組成物に関する。また、別の実施形態では、本発明は、オキシブチニン及びセビメリンを含む医薬組成物に関する。さらに、別の実施形態では、本発明は、トルテロジン及びセビメリンを含む医薬組成物に関する。

0038

本明細書で開示するある実施形態では、過活動膀胱を治療するために、個人に、2つ以上の化合物の組み合わせを含む医薬組成物が投与される。このような実施形態の一部では、各化合物は、別々の化学物質である。但し、他の実施形態では、この2つの化合物は、例えば、共有結合などの化学結合によって結合しているので、この2つの異なる化合物は、同一分子中の異なる部分を形成する。また、この化学結合は、体内に入った後に、例えば、酵素作用酸加水分解塩基加水分解などによって結合が切れて、2つの化合物が形成されるように選択される。

0039

別の実施形態では、この化学結合は、生理学的条件下では切れることはなく、酵素攻撃の影響を受けないように選択される。このような実施形態では、化合物の2つの部分は、患者の体内で原形を保つ。「切れることはない」、及び「影響を受けることはない」という言葉は、分子中の2つの部分間における結合の切断につながる化学反応半減期が、この結合した化合物の薬理学的半減期よりも長い、つまり、この結合した化合物は、2つの部分間の結合が切れるよりも早く排出される、あるいは代謝されることを意味する。

0040

従って、別の態様では、本発明は、オキシブチニン、トルテロジン、トロスピウム、ソリフェナシン、及びダリフェナシンが、柔軟なリンカーによってピロカルピン部または他の唾液腺刺激剤と結合している新規分子の合成経路に関する。

0041

本明細書に記載の組成物及び方法に有用な化合物は、様々な製剤で用いることができる。ある製剤は、患者の血流に化合物が入る速度を左右する。従って、一部の製剤は、即効性製剤であるが、他の製剤は、放出遅延(delayed−release)製剤、徐放性(sustained−release)製剤、または長時間放出(extended−release)製剤である。

0042

従って、一部の実施形態では、第1の化合物は即効性製剤の形をとるが、他の実施形態では、第1の化合物は放出遅延製剤の形を取り、別の実施形態では、第1の化合物は徐放性製剤の形を取り、さらに別の実施形態では、第1の化合物は長時間放出製剤の形を取る。また、一部の実施形態では、第2の化合物は即効性製剤の形を取るが、他の実施形態では、第2の化合物は放出遅延製剤の形を取り、別の実施形態では、第2の化合物は徐放性製剤の形を取り、さらに別の実施形態では、第2の化合物は長時間放出製剤の形を取る。さらに、一部の実施形態では、第3の化合物は即効性製剤の形を取るが、他の実施形態では、第3の化合物は放出遅延製剤の形を取り、別の実施形態では、第3の化合物は徐放性製剤の形を取り、さらに別の実施形態では、第3の化合物は長時間放出製剤の形を取る。

0043

本明細書に記載の組成物は、患者の生活の質を高めつつ、OABの治療における主要な副作用、つまり、口渇、及び/または便秘を緩和させる点、忍容性を改善する点、及び患者の薬剤服用順守を強化する点で特に有用である。

0044

別の態様では、本発明は、本発明の治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを投与することを含む患者の治療方法であって、前記第1の化合物は、上記のように、抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は、上記のように、唾液腺の刺激を引き起こすことを特徴とする方法に関する。

0045

本明細書で開示する治療方法が必要な患者は、過活動膀胱を患う患者でもよい。この患者は、過活動膀胱に対する現在の療法を不安に思い、かつ/または口渇や便秘などの療法の副作用を、その副作用を緩和するために補助療法を必要とするほど耐え難いと思う患者でもよい。また、この患者は、過活動膀胱の治療の中断が、その療法の副作用によるものだと考えている患者でもよい。従って、一部の実施形態では、最近、過活動膀胱と診断されたが、まだ治療を受けていない患者は、本明細書に開示する治療方法と組成物とが必要な患者である。このような実施形態では、患者は、本明細書に開示する方法と組成物とを用いる療法を開始するので、副作用のいずれも経験することはなく、あるいは副作用を経験したとしても、大したことはない程度である。

0046

一部の実施形態では、この患者は、過活動膀胱、尿意切迫感、ストレス、及び混合型尿失禁を患っていてもよい。

0047

一部の実施形態では、第1の化合物と第2の化合物とを、ほぼ同時に投与する。他の実施形態では、第1の化合物を、第2の化合物よりも先に投与する。さらに他の実施形態では、第1の化合物を、第2の化合物の後に投与する。

0048

別の態様では、本発明は、過活動膀胱を患う患者を同定して、その患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを投与することを含む患者の治療方法であって、前記第1の化合物は、上記のように、抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は、上記のように、便秘を緩和させることを特徴とする方法に関する。

0049

一部の実施形態では、この患者は、過活動膀胱、尿意切迫感、ストレス、及び混合型尿失禁を患っていてもよい。

0050

さらに別の態様では、本発明は、本発明の治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物と、治療効果がある量の第3の化合物とを投与することを含む患者の治療方法であって、前記第1の化合物は、上記のように、抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は、上記のように、唾液腺の刺激を引き起こし、前記第3の化合物は、上記のように、便秘を緩和させることを特徴とする方法に関する。

0051

一部の実施形態では、この患者は、過活動膀胱、尿意切迫感、ストレス、及び混合型尿失禁を患っていてもよい。

0052

上記の方法において、一部の実施形態では、第1の化合物と第2の化合物とを、ほぼ同時に投与する。他の実施形態では、第1の化合物を、第2の化合物よりも先に投与する。さらに他の実施形態では、第1の化合物を、第2の化合物の後に投与する。

0053

上記の方法において、ある実施形態では、第1の化合物と第2の化合物とは、別々に投与する。他の実施形態では、第1の化合物と第2の化合物とは、単一の化学物質を形成するように、互いに共有結合していてもよい。この単一の化学物質は、次に、消化されて、生理的に活性な2つの別々の化学物質に代謝され、このうちの1つが第1の化合物であり、他の1つが第2の化合物である。一旦代謝されたこの化学物質のいずれも、独立に、あるいは相乗的に治療効果を発揮する。また、別の実施形態では、この化合物の2つの部分間における結合は切れず、結合した分子の各部分が、2つの部分間のリンカーを切断しなくとも、独立にその治療効果を発揮する。

0054

市販の塩酸ピロカルピン、例えば、Salagen錠剤、または他の唾液腺刺激剤を、OAB薬剤と併せて単に服用しても、口渇の副作用を軽減するには効果的ではないことに留意されたい。一部の効果的な治療は、例えば、ピロカルピン、塩酸セビメリン、及びアミフォスチンなどの各唾液腺刺激剤の薬物動態プロファイルを、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、及び他の認可済みまたは開発中の薬剤などのOAB薬剤の薬物動態プロファイルと一致させる。

0055

従って、上記の方法において、ある実施形態では、第1の化合物のピーク血漿濃度が、第2の化合物のピーク血漿濃度と、投与後、ほぼ同時に生じるように、第1及び第2の化合物を投与する。従って、この2つの化合物を、同時に投与してもよいが、それらの放出の遅延により、2つのピーク血漿濃度がほぼ同時に生じるように製剤してもよい。また、他の実施形態では、2つの化合物のピーク血漿濃度が、ほぼ同時に、確実に生じるようにするために、一方の化合物を、他方の化合物の投与後に時間間隔をおいて投与する。

0056

上記の方法において、他の実施形態では、第1の化合物の作用により最小唾液流量が生じる時点が、第2の化合物の作用により最大唾液流量が生じる時点とほぼ一致するように、第1及び第2の化合物を投与する。従って、この2つの化合物を、同時に投与してもよいが、それらの放出の遅延により、第2の化合物による最大唾液流量発生時点が、第1の化合物による最小唾液流量発生時点とほぼ同時に生じるように製剤してもよい。また、別の実施形態では、唾液流量の山(最大値)と谷(最小値)が生じる時点が確実に一致するようにするために、一方の化合物を、他方の化合物の投与後に時間間隔をおいて投与する。

0057

上記の方法において、一部の実施形態では、2つの化合物を投与後の任意の時点で、それらの血漿濃度比が所定の値となるように、第1及び第2の化合物を投与する。当業者には明らかなように、血漿濃度の比は、投与した化合物の量の比とは必ずしも同じではない。化合物は、腸で別々に消化されて腸壁を別々に通過し、肝臓で、異なる初回通過代謝率を持つ。さらに、腎臓による除去率は、化合物ごとに異なる。従って、例えば、等モル量で2つの化合物を投与したとしても、投与後のある時点でのそれらの血漿濃度は、大きく異なる場合がある。本明細書で開示する方法は、薬物の摂取と代謝の薬物動態を考慮しているので、投与時における2つの化合物の比は、この2つの化合物が血漿中で所定の濃度比を持つように調整される。

0058

上記の方法において、さらに他の実施形態では、唾液の流れを刺激する化合物の最大治療効果が生じる時点が、OAB治療化合物の最大副作用が生じる時点と一致するように、第1及び第2の化合物を投与する。従って、この2つの化合物を、同時に投与してもよいが、それらの放出の遅延により、第2の化合物の最大治療効果が、第1の化合物の最大副作用とほぼ同時に生じるように製剤してもよい。また、別の実施形態では、第2の化合物の最大治療効果が、第1の化合物の最大副作用とほぼ同時に、確実に生じるようにするために、一方の化合物を、他方の化合物の投与後に時間間隔をおいて投与する。

0059

一部の実施形態では、剤形は、最大血漿濃度がほぼ同時に、確実に生じるようにするために、徐放性または即効性いずれかの第2の薬剤と組み合わせた徐放性の第1の薬剤として設計される。さらに、剤形は、例えば、ピロカルピンなどの唾液腺刺激剤である一方の化合物の最大血漿濃度が、例えば、オキシブチニンであるOAB薬剤により生じる口渇の上限と一致する薬物動態プロファイルに基づいて設計することができる。

0060

従って、本明細書で開示する方法で使用するための医薬組成物の一部には、限定するわけではないが、次のものが含まれる。
即効性のオキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、またはフェソテロジン、(以上、ピロカルピン及びテガセロドと併用)、
放出遅延型(徐放性または長時間放出型に関わりなく)のオキシブチニン、及び放出遅延型(徐放性または長時間放出型に関わりなく)のピロカルピン、
放出遅延型(徐放性または長時間放出型に関わりなく)のオキシブチニン、放出遅延型(徐放性または長時間放出型に関わりなく)のピロカルピン、及び徐放性テガセロド、
即効性のオキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、またはフェソテロジン、及びピロカルピンとテガセロドからなる放出遅延(徐放性または長時間放出に関わりなく)製剤、
放出遅延型(徐放性または長時間放出型に関わりなく)のオキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、またはフェソテロジン、及びピロカルピンと徐放性テガセロドからなる放出遅延(徐放性または長時間放出に関わりなく)製剤、
放出遅延型(徐放性または長時間放出型に関わりなく)のオキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、またはフェソテロジンと、ピロカルピンからなる放出遅延(徐放性または長時間放出に関わりなく)製剤及びテガセロドからなる即効性製剤。

0061

特定の理論に制約されることなく、口渇、及び便秘に対処する点で、ここで開示するOAB治療の改善は、受容体レベルで正しく作用する機械論アプローチに基づいている。つまり、これらM2/M3ムスカリンアンタゴニストの副作用を、反対方向であるが所望の療法に合わせて作用するコリン剤是正する、あるいは無効にする。

0062

過活動膀胱の治療を受けている患者が経験する副作用を緩和する以外に、本明細書で開示する方法と組成物には、さらに利点がある。現在、例えば、オキシブチニンなどの治療薬の投与は、副作用のために制約がある。過活動膀胱を患う一部の患者は、例えば、口渇などの副作用のために、十分な治療を実現する投薬量には耐えられない。このような患者は、薬剤を服用したとしても過活動膀胱に苦しみ続ける。それは、有効量の薬剤が投与されないという唯一の理由による。本明細書に開示する方法と組成物とを用いて副作用を緩和することによって、例えば、オキシブチニンなどの治療薬を高用量で服用するように患者に指示することができる。この高用量の投与の結果、膀胱の活動程度が緩和され、固有膀胱容量が増加する。

0063

従って、別の態様では、本発明は、本発明の治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを投与することを含む固有膀胱容量を増加させる方法であって、前記第1の化合物は、上記のように、抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は、上記のように、唾液腺の刺激を引き起こすことを特徴とする方法に関する。

0064

また、別の態様では、本発明は、本発明の治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物とを投与することを含む固有膀胱容量を増加させる方法であって、前記第1の化合物は、上記のように、抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は、上記のように、便秘を緩和させることを特徴とする方法に関する。

0065

さらに別の態様では、本発明は、本発明の治療法が必要な患者に、治療効果がある量の第1の化合物と、治療効果がある量の第2の化合物と、治療効果がある量の第3の化合物とを投与することを含む固有膀胱容量を増加させる方法であって、前記第1の化合物は、上記のように、抗ムスカリン剤または抗コリン剤であり、前記第2の化合物は、上記のように、唾液腺の刺激を引き起こし、前記第3の化合物は、上記のように、便秘を緩和させることを特徴とする方法に関する。

0066

さらに別の態様では、本発明は、
本明細書記載の抗ムスカリン剤または抗コリン剤、及び本明細書記載の唾液腺の刺激を引き起こす化合物、
本明細書記載の抗ムスカリン剤または抗コリン剤、及び本明細書記載の便秘を緩和させる化合物、または
本明細書記載の抗ムスカリン剤または抗コリン剤、本明細書記載の唾液腺の刺激を引き起こす化合物、及び本明細書記載の便秘を緩和させる化合物と、
生理的に許容可能な担体希釈剤、または賦形剤、あるいはそれらの混合物との組み合わせを含む医薬組成物に関する。

0067

「医薬組成物」という用語は、本発明の化合物と、例えば、希釈剤、潤滑剤、充填剤崩壊剤、または担体などの他の化学成分との混合物のことを言う。この医薬組成物は、人間への化合物の投与を手助けする。当該技術分野には、化合物を投与する技術は複数あり、限定するわけではないが、経口投与、注射、吸入投与非経口投与、及び局所投与が含まれる。また、医薬組成物は、化合物を、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの無機酸または有機酸と反応させることによっても得ることができる。

0068

「担体」という用語は、細胞または組織への化合物の取り込みを手助けする化合物のことを言う。例えば、ジメチルスルホキシドDMSO)は、人間の細胞または組織への多くの有機化合物の摂取を手助けするために、一般的に使用される担体である。

0069

「希釈剤」という用語は、目的の化合物を溶かし、その化合物の生物学的活性型を安定化させる水に希釈した化合物のことを言う。緩衝溶液に溶かした塩は、当該技術分野では希釈剤として用いられる。一般的に使用される緩衝溶液の1つは、リン酸緩衝生理食塩水である。これは、リン酸緩衝生理食塩水が、人間の血液の塩分状態に良く似ているためである。緩衝塩は、低濃度溶液のpHを制御することができ、緩衝希釈剤は、化合物の生物活性をほとんど変化させない。

0070

ある実施形態では、同一物質が、担体、希釈剤、または賦形剤として機能することができ、あるいはこれら2つのうちのいずれかの役割、もしくは3つの役割全てを持つことができる。従って、医薬組成物に加える1つの添加剤が、複数の機能を有することができる。

0071

「生理的に許容可能な」という用語は、化合物の生物活性と特性とを無効にすることはない担体または希釈剤を規定する。

0072

本明細書に記載の医薬組成物は、それ自体をヒト患者に投与することができ、あるいは併用療法のように他の有効成分、または適切な担体もしくは賦形剤と混合した医薬組成物としてヒト患者に投与することができる。本出願の化合物の製剤及び投与を行うための技術については、「Remington‘s Pharmaceutical Sciences」(Mack Publishing Co.,Easton,PA,18th edition,1990)に記載されている。

0073

適切な投与経路としては、例えば、経口投与、経皮投与直腸投与経粘膜投与、または腸内投与、あるいは筋肉注射、皮下注射静脈注射内注射、吸入髄膜注射、直接脳室内注射腹腔内投与鼻腔内投与、または眼内注射を含む非経口投与が考えられる。

0074

あるいは、全身的な方法ではなく、例えば、デポー製剤、または徐放性、長時間放出、もしくは放出遅延製剤として、多くの場合、部または心臓部への化合物の直接注射を用いる局所的な方法で化合物を投与してもよい。また、経皮的手法により化合物を投与してもよい。

0075

本発明の医薬組成物は、既知の方法、例えば、従来の混合、溶解、造粒糖衣錠製造、研和乳化封入、内包、または打錠プロセスにより製造してもよい。

0076

本発明に従って使用する医薬組成物は、活性化合物を、薬剤として使用できる製剤にするプロセスを手助けする賦形剤及び助剤を含む1つまたは複数の生理的に許容可能な担体を用いる従来の方法で製剤してもよい。適切な製剤は、選択した投与経路と、併用療法における各成分の所望の薬物動態プロファイルとに依存する。周知の技術、担体、及び賦形剤のいずれも、例えば、上記Remingtonの「Pharmaceutical Sciences」に記載されているように、適切に、かつ当該技術分野で理解されているように使用することができる。

0077

注射の場合、本発明の薬剤は、水溶液中に製剤してもよく、好ましくは、例えば、ハンクス液リンゲル液、または生理食塩水緩衝液などの生理的に相溶性の緩衝液中に製剤してもよい。経粘膜投与の場合、浸透すべきバリアに対して適切な浸透剤を製剤に用いる。そのような浸透剤は、当該技術分野では一般に知られている。

0078

経口投与の場合、化合物は、活性化合物を、当該技術分野で周知の薬剤として許容可能な担体と組み合わせることによって容易に製剤することができる。そのような担体により、本発明の化合物を、治療を受けるべき患者による経口摂取用に、錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル剤液体ゲルシロップスラリー、懸濁液等として製剤することができる。経口用医薬品は、1つまたは複数の固体賦形剤を、本発明の薬剤の組み合わせと混合することにより得ることができ、あるいは、必要に応じて、錠剤または糖衣錠のコアを得るために、任意に、混合後に適切な助剤を添加した後、得られた混合物を粉砕し、顆粒の混合物を処理することにより得ることができる。適切な賦形剤は、特に、例えば、ラクトーススクロースマンニトール、またはソルビトールを含む糖類などの充填剤、及び、例えば、トウモロコシ澱粉小麦澱粉米澱粉ジャガイモ澱粉ゼラチントラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、及び/またはポリビニルピロリドンPVP)などのセルロース製剤である。必要に応じて、例えば、架橋ポリビニルピロリドン寒天、またはアルギン酸、あるいはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩などの崩壊剤を添加してもよい。

0079

糖衣錠のコアには、適切なコーティングが施されている。このために、濃縮糖溶液を用いてもよく、その濃縮糖溶液は、任意で、アラビアゴムタルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタンラッカー溶液、及び適切な有機溶媒もしくは溶媒混合液を含んでもよい。識別するために、あるいは活性化合物の投与量のさまざまな組み合わせを特徴付けるために、染料または顔料を、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加してもよい。

0080

経口で用いることができる医薬品には、ゼラチン製の押し込み式カプセル剤、ゼラチン及びグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤から作製した軟質密閉カプセル剤がある。押し込み式カプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、澱粉などの結合剤、及び/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、さらに任意であるが安定剤との混合剤の形で有効成分を含むことができる。軟カプセル剤では、活性化合物は、例えば、脂肪油流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解してもよいし、懸濁してもよい。なお、安定剤を添加してもよい。経口投与用の全ての製剤は、そのような投与に適切な投与量である必要がある。

0081

口腔投与の場合、組成物は、従来の方法で製剤した錠剤またはトローチ剤の形態をとってもよい。

0082

また、組成物は、例えば、坐薬または停留浣腸などの直腸用組成物の形で製剤してもよい。

0083

本発明の薬剤の組み合わせで使用される化合物の多くについては、薬剤として相溶性のある対イオンを有する塩として提供してもよい。薬剤として相溶性のある塩は、限定するわけではないが、塩酸、硫酸、酢酸乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などの多くの酸で作製してもよい。塩は、水性溶媒、または他のプロトン性溶媒中では、対応する遊離酸または遊離塩基形態よりも溶けやすい傾向がある。

0084

本発明で使用するのに適した医薬組成物は、有効成分が本来の目的を達成するのに有効な量で含まれる組成物を含む。より具体的には、治療効果がある量とは、病気の症状を防ぐ、緩和する、または改善する、あるいは治療対象者生存期間延長するのに有効な化合物の量のことである。

0085

通常、患者に投与する組成物の用量範囲は、患者の体重1kg当たり約0.5から1000mg/kgが可能である。この投与量は、患者の必要量に応じて、1日または複数日のうちに1回または2回以上の組み合わせとして与えてもよい。なお、本開示で述べる特定の化合物のほぼ全てに対して、少なくともある病気の治療のために人間に投与する量は、既に確立されていることに留意されたい。例えば、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、フェソテロジンの場合、好ましい用量は、0.1mgから50mgの間であり、より好ましい用量は、1mgから30mgの間である。他の用量範囲としては、10から50mgの間、20から50mgの間、30から50mgの間、40から50mgの間、20から40mgの間、10から20mgの間、10から30mgの間、20から30mgの間、及び30から40mgの間が含まれる。また、用量は、10mg、20mg、30mg、40mg、または50mgでもよい。ピロカルピンの場合、好ましい用量は、0.1mgから50mgの間であり、より好ましい用量は、1mgから30mgの間である。他の用量範囲としては、10から50mgの間、20から50mgの間、30から50mgの間、40から50mgの間、20から40mgの間、及び30から40mgの間が含まれる。また、用量は、10mg、20mg、30mg、40mg、または50mgでもよい。テガセロドの場合、好ましい用量は、0.05mgから50mgの間であり、より好ましい用量は、0.5mgから2mgの間である。他の用量範囲としては、10から50mgの間、20から50mgの間、30から50mgの間、40から50mgの間、20から40mgの間、30から40mgの間、0.5から1mgの間、及び1から2mgの間が含まれる。また、用量は、0.5mg、1mg、1.5mg、及び2mgでもよい。

0086

正確な用量は、薬剤ごとに決めることができるが、ほとんどの場合、用量に関していくつかの一般化を行うことができる。成人患者に対する1日の用量は、例えば、成分ごとに0.001mgから1000mgの間の経口用量、好ましくは、0.01mgから500mgの間、例えば、1日または1週間当たり1から4回投与される本発明の医薬組成物の各成分当たり、または遊離塩基もしくは遊離酸として計算した本発明の薬剤として許容可能な塩当たり1から200mgでもよい。あるいは、本発明の組成物は、例えば、徐放性、放出遅延、または長時間放出製剤などの持続放出製剤によって、好ましくは、1日当たり各成分を最大500mgの用量で投与してもよい。従って、経口投与による1日当たりの各成分の総用量は、通常、0.1mgから2000mgの範囲内となる。例えば、1日、1週間以上、あるいは数ヶ月または数年間などの持続的療法の期間中、適切に化合物を投与することになる。

0087

局所投与または選択摂取の場合、薬剤の有効局所濃度は、血漿濃度と関連しなくてもよい。

0088

当然のことながら、投与する組成物の量は、治療対象者、対象者の体重、病気の重症度投与方法、及び処方する医師の判断に左右されることになる。

0089

当業者には当然のことながら、本発明の精神から逸脱することなく、数多くの様々な修正形態が可能である。従って、明らかに当然のことながら、本発明の形態は、例示のみであり、本発明の範囲を限定する目的ではない。

0090

実施例
以下の実施例は、限定するものではなく、本発明の様々な態様の代表に過ぎない。
実施例1:過活動膀胱を患う個人を治療するためのOAB薬剤と唾液腺刺激剤との組み合わせ

0091

過活動膀胱を患う個人を同定する。この個人には、1日当たり2回から3回のピロカルピン5mgに加えて、1日当たり2回から4回、オキシブチニン5mgが投与される。この個人が、口渇について不満訴え続ける場合、1日当たり2回または3回のピロカルピンの用量を10mgまで増量する。必要に応じて、この用量は、20mgまたは50mgまで増量することができる。また、オキシブチニンの1回当たりの用量は、10、15、20、または30mgまで増量することができる。

0092

実施例2:過活動膀胱を患う個人を治療するためのOAB薬剤とテガセロドとの組み合わせ
過活動膀胱を患う個人を同定する。この個人には、1日当たり2回のテガセロド2mgに加えて、1日当たり2回から4回、オキシブチニン5mgが投与される。この個人が、便秘について不満を訴え続ける場合、1日当たり2回のテガセロドの用量を6mgまで増量する。必要に応じて、この用量は、12mg、20mg、または50mgまで増量することができる。また、オキシブチニンの用量は、10、15、20、または30mgまで増量することができる。

0093

実施例3:臨床試験手順概要
オキシブチニンとピロカルピンの効果を評価するために、それら単体で、及びプラセボとの比較と組み合わせて、健康な被験者での唾液分泌に関して試験を行った。この試験の目的は、オキシブチニンとピロカルピンを経口投与した後に、唾液の流量と口渇の程度とを、それら単体で、及びプラセボとの比較と組み合わせて測定し、尿量排尿量、及びバイタルサインに及ぼすオキシブチニンとピロカルピンの効果を、それら単体で、及びプラセボとの比較と組み合わせて判断することである。

0094

1晩絶食後、各治療時に、被験者は、病院入りベースライン測定を行った後に、次に示す4つの処方の1つを無作為割り当てられた。
●オキシブチニン(5mg)投与30分後にプラセボ
●ピロカルピン(5mg)投与30分後にプラセボ
● プラセボ投与30分後にプラセボ
● オキシブチニン(5mg)投与30分後にピロカルピン(5mg)

0095

次の測定を、投与前に行い、また投与後6時間経過するまで頻繁に行った。
パラフィルムを2分間噛むことによって、唾液流量を測定する。
○ VASによって口渇度を測定する。
○ 投与後、6時間にわたり尿量/排尿量、及び尿頻度を測定する。
○ 血液サンプルを、投与前、及び投与後の0.5、1、2、3、4、及び6時間経過時点で薬物動態用に採取する。
食事と水分の摂取は、6時間にわたり共通とする。

0096

この試験は、薬剤を単回経口投与で4シーケンス(4週間にわたり4回の投与)という条件の二重盲検、無作為、かつプラセボ比較法である。また、試験期間中に1週間の観察期間ウォッシュアウト期間)を設けた。さらに、試験対象集団については、次のように選択した。
● 健康な被験者
● 12名の被験者
● 18以上の男性、または非妊娠女性
体重指数MIが18〜28
●抗ムスカリン剤に対する既知のアレルギーがないこと
緑内障尿閉不整脈既往歴がないこと
● 試験登録日前の10日以内、及び試験期間を通してOTC製剤、栄養補助食品、及びビタミンを摂取しないこと

0097

評価(排尿量以外)は、投与の0.5時間前と10分前以内、及び投与の0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、及び6時間後に行った。また、次の内容を評価した。
(1)刺激時唾液流量
(2)口渇(VAS)
(3) 投与後6時間にわたる尿量/排尿量
(4)オキシブチニンとピロカルピンの薬物動態

0098

標準的な安全措置、例えば、健康診断病歴確認、併用薬確認、ECG血液検査臨床化学検査選別時と研究終了時に行った尿検査、各期間の投与前に行った尿中薬物/アルコールスクリーニング、投与前と6時間の間に30分ごとに行ったバイタルサイン検査(HP及びBP)、及び試験期間全体と試験期間の間に生じる有害事象に対する注意などの措置が取られた

0099

実施例4:オキシブチニンとピロカルピンとを組み合わせた場合のケーススタディ
この試験では、オキシブチニン、ピロカルピン、この2つの組み合わせ、およびプラセボの効果を、1名の個人に対して、6回の個別であるが同一の試験で測定した。

0100

オキシブチニンの効果: 健康な被験者に、塩酸オキシブチニン5mgを投与して、唾液分泌量を8時間にわたり経時的に測定した。図1(◆、ダイアモンド)に示すように、2分間にわたり収集した唾液流量は、オキシブチニン投与後に減少し、3時間後は低い状態のままであった。この唾液流量は、3時間経過後に増加し始め、その後、増加し続け、投与8時間後に投与前のレベルに達した。この試験で得られたデータは、文献データと一致している。

0101

ピロカルピンの効果: ピロカルピンが実際に唾液腺の流量を増加させることを確かめるために、個別の人体試験において、塩酸ピロカルピンの効果を健康な被験者で評価した。このことは、図1(■、四角)に示すように立証された。2分間にわたり収集した唾液流量は、投与後、急激に増加し、30分後にピーク観測した後に減少し始めた。この唾液流量の減少は、約5時間後にほぼ通常の唾液流量であり投与前のレベルに達するまで続いた。

0102

プラセボの効果:人体試験での第3段階では、プラセボの効果を評価した。これは、非盲検臨床試験なので、薬剤も実際のプラセボも摂取せずに唾液流量を測定したが、他の試験と同じ手順に従った。図1(▲、三角)に示すように、唾液流量の経時変化は最小であり、平均唾液流量は約2g/2minと、既刊文献と一致している。

0103

オキシブチニンとピロカルピンの組み合わせの効果: 個別の人体試験で、オキシブチニンとピロカルピンの組み合わせを健康な被験者に投与した。被験者に、オキシブチニン5mgを投与し、その30分後にピロカルピン5mgを投与した。また、上記と同様に唾液流量を測定した。その結果を図1に示す(●、丸)。

0104

図1に示すように、オキシブチニンにより生じた唾液流量の減少が、ピロカルピンにより生じた唾液流量の増加によりうまく補償されている。その結果、唾液流量は、投与前のレベルとほぼ同じ状態である。図1は、この組み合わせ試験に対して測定された唾液流量が、プラセボ試験での唾液流量と似通っていることをさらに示す。従って、オキシブチニン5mgを投与して30分後のピロカルピン5mgの投与は、オキシブチニンの副作用を完全に打ち消した。

0105

ピロカルピン、オキシブチニン、ピロカルピンとオキシブチニンの組み合わせ(オキシブチニン投与30分後のピロカルピンの投与)、及びプラセボ投与後の、ベースラインからの唾液流量の偏差パーセンテージを時間に対してプロットしたものを図2に示す。オキシブチニン投与30分後にピロカルピンを投与した組み合わせ試験の場合のパーセント偏差(●、丸)は最小であり、ベースラインまたはプラセボ(▲、三角)とあまり違わない。つまり、この組み合わせ手法は、OAB療法の主な副作用を取り除くことを示唆している。

0106

オキシブチニンの投与に対するピロカルピンの投与タイミングの効果: 2つの追加人体試験で、ピロカルピンの投与タイミングの効果を評価した。一方の試験では、オキシブチニンとピロカルピンの組み合わせを健康な被験者に投与した。この被験者には、オキシブチニン5mgとピロカルピン5mgとを同時に投与した。また、上記と同様に、唾液流量を測定した。その結果を図3(■、四角)に示す。また、最後の試験では、オキシブチニンとピロカルピンの組み合わせを健康な被験者に投与した。この被験者には、オキシブチニン5mgの投与60分後に、ピロカルピン5mgを投与した。また、上記と同様に、唾液流量を測定した。その結果を図3(◆、ダイアモンド)に示す。

0107

図3に、ピロカルピンの投与に関する時間遅延の効果を示す。また、全ての試験結果をプラセボの結果(▲、三角)と比較する。オキシブチニンとピロカルピンとを同時に投与した場合(■、四角)、唾液流量は、初期に大きく増加し、t=約30分からt=約60分未満で最大値に達するが、その後、t=約1時間で正常(プラセボ)レベルにまで低下し、そのレベルで落ち着く。オキシブチニン投与60分後にピロカルピンを投与した場合(◆、ダイアモンド)、唾液流量は急激に減少し、その減少は、t=約1時間後まで続き、その後、唾液流量は大きく増加してt=約3時間で最大値が生じる。さらに、t=約5時間で、唾液流は正常(プラセボ)レベルに戻る。しかし、オキシブチニン投与30分後にピロカルピンを投与した場合(●、丸)、唾液流量の減少は小さく、t=約30分で最小値をとるが、1時間以内に正常(プラセボ)レベルに戻る。

0108

オキシブチニンとピロカルピンとの用量比の効果: この実験では、オキシブチニンとピロカルピンとの2種類の異なる用量比の結果を、プラセボの結果、及びオキシブチニン単体投与の結果と比較した。1つの実験では、オキシブチニン5mgを健康な個人に投与して、唾液流量を8時間にわたり測定した。その結果を図4(◆、ダイアモンド)に示す。同様の手順を用いて、オキシブチニン5mgをt=0で健康な個人に投与し、その後、t=30分でピロカルピン5mgを投与した。その結果を図4(●、丸)に示す。同様に、オキシブチニン10mgをt=0で健康な個人に投与し、その後、t=30分でピロカルピン5mgを投与した。その結果を図4(−、ダッシュ)に示す。最後に、これらの結果を、プラセボの投与(図4(▲、三角))と比較した。

0109

図4に示す結果は、オキシブチニンを5から10mgに増加すると、唾液の分泌が減少することを示している。1:1から2:1への比の増加により、それぞれオキシブチニンによる唾液分泌の減少とピロカルピンによる唾液分泌の増加との間のバランスが乱される。2:1のオキシブチニン:ピロカルピン比の場合、唾液流量は、オキシブチニン5mg単体での唾液流量と類似している、つまり、この実験でのピロカルピンの量5mgでは、オキシブチニンの量を5から10mgに増量することによって生じる唾液流量の減少を補償するのに十分ではないことを示唆していることに留意されたい。従って、オキシブチニンとピロカルピンとの組み合わせに対する有効用量比は、各5mgを患者に投与する場合である。

0110

オキシブチニンの血漿濃度: 別の試験において、オキシブチニンの血漿濃度を2つの被験者グループで測定した。このうち一方のグループは、オキシブチニン5mgを単体で服用し、他方のグループは、オキシブチニン5mg服用30分後にピロカルピン5mgを服用した。血漿濃度は、オキシブチニン服用前と、その服用後1、2、3、4、及び6時間後に測定した。その結果を、下の表1及び2に示す。表1には、12名の男性被験者におけるプラセボ比較、盲検、4方向交差試験でのオキシブチニン5mgの単体投与後の血漿中オキシブチニン濃度を示す。また、表2には、12名の男性被験者におけるプラセボ比較、盲検、4方向交差試験での、オキシブチニン5mg投与30分後にピロカルピン5mgを投与した後の血漿中オキシブチニン濃度を示す。

0111

表から分かるように、どちらのグループでも、オキシブチニンの血漿濃度は約1時間で最大値に達し、その後、徐々に減少する。さらに、オキシブチニンの血漿濃度は、どちらのグループの場合も同じ曲線に従う。従って、ピロカルピン5mgの添加は、オキシブチニンの血漿濃度には全く影響を及ぼさない。この観察結果から、2つの結果が分かる。まず、ピロカルピンは、腸でのオキシブチニンの吸収には影響も及ぼさないし、肝臓でのピロカルピンの初回通過代謝にも影響を及ぼさない。次に、血漿中での遊離オキシブチニンの濃度が2つのグループ間で同じ状態であることから、ピロカルピンは、オキシブチニンの結合能には影響を及ぼさない。さらに、組み合わせにおけるピロカルピンの存在は、オキシブチニンの薬物動態を妨げない。従って、オキシブチニンのOABに対する治療効果に関与するオキシブチニンの抗ムスカリン作用は、影響を受けない。

0112

実施例5:オキシブチニンとセビメリンとを組み合わせた場合のケーススタディ
この試験では、オキシブチニン、セビメリン、これら2つの組み合わせ、及びプラセボの効果を、個別の試験において1名の個人で測定した。

0113

オキシブチニンの効果: 健康な被験者に、塩酸オキシブチニンを用量5mgで投与し、唾液分泌量を8時間にわたり経時的に測定した。図5(●、丸)に示すように、2分間にわたり収集した唾液流量は、投与後に減少し、3時間後は低い状態であった。3時間経過後に、唾液流量は増加し始め、その後、増加し続け、投与8時間後に投与前のレベルに達した。この試験で得られたデータは、文献データと一致している。

0114

セビメリンの効果: 個別の人体試験で、セビメリンが実際に唾液腺の流量を増加させることを確かめるために、セビメリン30mgの投与の効果を健康な被験者で評価した。このことは、図5(◆、ダイアモンド)に示すように立証された。2分間にわたり収集した唾液量は、投与後、急激に増加し、約2時間後にピークを観測した後に減少し始めた。この唾液流量の減少は、約6時間後にほぼ通常の唾液流量であり投与前のレベルに達するまで続いた。

0115

プラセボの効果:人体試験での第3段階では、プラセボの効果を評価した。これは、非盲検臨床試験なので、薬剤も実際のプラセボも摂取せずに唾液流量を測定したが、他の試験と同じ手順に従った。図5(▲、三角)に示すように、唾液流量の経時変化は最小であり、平均唾液流量は約2.5g/2minと、既刊文献と一致している。

0116

オキシブチニンとセビメリンの組み合わせの効果: 個別の人体試験で、オキシブチニンとセビメリンの組み合わせを健康な被験者に投与した。この被験者に、オキシブチニン5mgを投与し、その後、時間を空けることなく同時にセビメリン30mgを投与した。また、上記と同様に唾液流量を測定した。その結果を図5(■、四角)に示す。図中、この組み合わせは、THVD−102という名称である。

0117

上記の実験結果を、下の表3にも示す。この表には、オキシブチニンとセビメリンの刺激時唾液流量に関する評価結果のデータを示す。図5は、表3に記載のデータを図にしたものである。

0118

図5に示すように、オキシブチニンによって生じた唾液流量の減少が、セビメリンにより生じた唾液流量の増加によりうまく補償されている。その結果、唾液流量は、投与前のレベルとほぼ同じ状態であった。図5は、この組み合わせ試験に対して測定された唾液流量が、プラセボ試験での唾液流量と似通っていることをさらに示す。従って、オキシブチニン5mgの投与と同時のセビメリン30mgの投与は、オキシブチニンの副作用を完全に打ち消した。

0119

実施例6:トルテロジンとピロカルピンとを組み合わせた場合のケーススタディ
この試験では、トルテロジン、ピロカルピン、これら2つの組み合わせ、及びプラセボの効果を、個別であるが同一の試験において1名の個人で測定した。

0120

トルテロジンの効果: 健康な被験者に、酒石酸トルテロジンを用量2mgで投与し、唾液分泌量を8時間にわたり経時的に測定した。図6及び7(◆、ダイアモンド)に示すように、2分間にわたり収集した唾液流量は、投与後に減少し、3時間後は低い状態であった。約4時間経過後に、唾液流量は増加し始め、その後、増加し続けたが、投与8時間後でさえ投与前のレベルまで完全には達しなかった。

0121

ピロカルピンの効果: ピロカルピンの投与の効果については、個別に試験を行い、そのデータは上に示している。

0122

プラセボの効果:人体試験の別の段階で、プラセボの効果を評価した。これは、非盲検臨床試験なので、薬剤も実際のプラセボも摂取せずに唾液流量を測定したが、他の試験と同じ手順に従った。図6及び7(●、黒丸)に示すように、唾液流量の経時変化は最小であり、平均唾液流量は約2.5g/2minと、既刊文献と一致している。

0123

トルテロジンとピロカルピンとの用量比の効果: この実験では、トルテロジンとピロカルピンとの2種類の異なる用量比の結果を、プラセボの結果、及びトルテロジン単体投与の結果と比較した。1つの実験では、トルテロジン2mgを健康な個人に投与して、唾液流量を8時間にわたり測定した。その結果を図6(◆、ダイアモンド)に示す。同様の手順を用いて、トルテロジン2mgをt=0で健康な個人に投与し、その後、t=30分でピロカルピン5mgを投与した。その結果を図6(▲、三角)に示す。同様に、トルテロジン2mgをt=0で健康な個人に投与し、その後、t=30分でピロカルピン10mgを投与した。その結果を図6(○、白丸)に示す。最後に、これらの結果を、プラセボの投与(図6(●、黒丸))と比較した。図6に示す結果は、ピロカルピンを5から10mgに増加すると、唾液の分泌が増加することを示している。2:5から2:10(トルテロジン:ピロカルピン)への比の減少により、それぞれトルテロジンンによる唾液分泌の減少とピロカルピンによる唾液分泌の増加との間のバランスが回復する。2:5のトルテロジン:ピロカルピン比の場合、唾液流量は、トルテロジン2mg単体の唾液流量と類似している、つまり、この実験でのピロカルピンの量5mgでは、トルテロジン2mgによって生じる唾液流量の減少を補償するのに十分ではないことを示唆していることに留意されたい。従って、オキシブチニンとピロカルピンの組み合わせに対する有効用量比は、トルテロジン2mgをピロカルピン10mgと組み合わせる場合である。

0124

トルテロジンとピロカルピンの組み合わせの効果: 個別の人体試験で、トルテロジンとピロカルピンの組み合わせを健康な被験者に投与した。この被験者に、トルテロジン2mgを投与し、その後、ピロカルピン10mgを、様々に遅らせて投与した。また、上記と同様に唾液流量を測定した。その結果を図7に示す。

0125

1つの試験では、トルテロジン2mgの投与15分後に、ピロカルピン10mgを被験者に投与した。また、上記と同様に唾液流量を測定した。その結果を図7(△、白三角)に示す。別の試験では、トルテロジン2mgの投与22分後に、ピロカルピン10mgを被験者に投与した。また、上記と同様に唾液流量を測定した。その結果を図7(□、白四角)に示す。最後の試験では、トルテロジン2mgの投与30分後に、ピロカルピン10mgを被験者に投与した。また、上記と同様に唾液流量を測定した。その結果を図7(○、白丸)に示す。

0126

図7に示すように、トルテロジンによって生じた唾液流量の減少が、ピロカルピンにより生じた唾液流量の増加によりうまく補償されている。その結果、トルテロジンの投与22分後にピロカルピンを投与した場合、唾液流量は、投与前のレベルとほぼ同じ状態であった。図7は、このピロカルピンを22分遅延させて投与した組み合わせ試験に対して測定された唾液流量が、プラセボ試験での唾液流量と似通っていることをさらに示す。従って、トルテロジン2mgの投与22分後にピロカルピン10mgを投与することにより、オキシブチニンの副作用を完全に打ち消した。

0127

口渇度が高いために高用量には耐えられないことを考えると、本開示の手法により、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、トロスピウム、フェソテロジン、及び他の認可された、または開発中の化合物の高用量投与が可能になり、より忍容性が高く、有効で、経済的な治療につながる。

図面の簡単な説明

0128

オキシブチニン(◆、ダイアモンド)、ピロカルピン(■、四角)、両方(●、丸)の投与後の、及びいずれも投与しない場合(▲、三角)の被験者から収集した唾液流量を示すグラフである。
時間ゼロを基準とした唾液流量のパーセンテージを示すグラフである。
オキシブチニンを用いないプラセボ(▲、三角)の場合を除き、全ての実験でオキシブチニンをt=0で投与し、ピロカルピンをt=0(■、四角)、t=30分(●、丸)、及びt=60分(◆、ダイアモンド)で投与した時のピロカルピンの投与に関する時間遅延の効果を示すグラフである。
唾液流量に及ぼすオキシブチニンとピロカルピンの用量比の違いの効果を示すグラフである。
オキシブチニン5mg(●、丸)、セビメリン30mg(◆、ダイアモンド)、プラセボ(▲、三角)、及びオキシブチニンとセビメリンの組み合わせ(THVD−102)(■、四角)を経口投与した後の刺激時唾液分泌量の比較を示すグラフである。
異なる組み合わせ(トルテロジン2mg/ピロカルピン5mg、及び異なる時間にピロカルピンを投与した時のトルテロジン2mg/ピロカルピン10mg)及びプラセボに対する酒石酸トルテロジン2mgを経口投与した後の刺激時唾液分泌の比較を示すグラフである。
酒石酸トルテロジン2mgを経口投与した後の、刺激時唾液分泌量に関するピロカルピン10mgの投与時間の関係を示すグラフである。

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