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技術 治療に対する応答を予測するための方法

出願人 エフ.ホフマン-ラロシュアーゲー
発明者 メックス,ヨアヒムシュトラウス,アンドレアスツグマイアー,ゲルハルト
出願日 2006年5月24日 (14年5ヶ月経過) 出願番号 2008-525399
公開日 2009年2月5日 (11年9ヶ月経過) 公開番号 2009-504142
状態 拒絶査定
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 特有な方法による材料の調査、分析 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 組み合わせルール 曲線方程式 粘着ストリップ 論理的組み合わせ ヘビサイド リグレッサ 傾斜パターン 予測ルール
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図面 (19)

課題・解決手段

患者におけるHE二量体化阻害剤での治療に対する応答予測する方法であって、患者由来生体試料において、上皮増殖因子トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいはアンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、を評価する工程、そして最初の工程の結果を評価することにより、患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測する工程、を含んで成る方法に関する。さらに、これらのマーカーが使用される使用及び方法も開示される。

概要

背景

ヒト上皮増幅因子受容体(ErbB又はHER)ファミリーは、複雑なシグナルカスケード活性化を介する、細胞増殖及び分化の重要なメディエーターである4つのメンバー(HER1〜4)を含む。上皮増幅因子(EGF)スーパーファミリー由来の少なくとも11の異なる遺伝子産物は、これらの3つの受容体、EGFR(ErbB1又はHER1とも称される)、HER3(ErbB3)及びHER4(ErbB4)と結合する。HER2(ErbB2又はneu)と結合し、かつ活性化するリガンドは同定されていないが、HER2は、増幅するために他のHER受容体呼応して作用し、そしていくつかの場合においては、受容体−リガンドシグナリング惹起する共受容体であることが広く知られている。同じ受容体タイプとの二量体形成ホモ二量体形成)又はHERファミリーのほかのメンバーとの二量体形成(ヘテロ二量体形成)は、これらの活性にとって必須である。HER2は、他のHERメンバーにとって好ましい二量体形成パートナーである。多くの上皮腫瘍型におけるHERファミリーの役割は良く記載されており、特にHER受容体に関する新規癌薬剤の合理的な開発に導いている。組換えヒト化抗HER2モノクローナル抗体(MAb)であるトラスツズマブは、HER2陽性転移乳癌MBC)を伴う患者における注意標準である。20〜30%の乳癌ケースにおいて生じるHER2タンパク質/遺伝子の過剰発現/増殖は、トラスツズマブによる治療のための前提条件である。

ペルツズマブ(OmnitargTM;以前は2C4)は、HER二量体化阻害剤(HDI)として知られる最初の新規なクラスの薬剤である。ペルツズマブはその二量体形成ドメインにおいてHER2と結合し、これにより活性な二量体受容体複合体を形成するその能力阻害し、従って最終的に細胞増殖及び分裂をもたらす下流のシグナルカスケードをブロックする。ペルツズマブは、HER2細胞外ドメインに対して産生した完全ヒト化組換えモノクローナル抗体である。ヒト上皮細胞におけるHER2に対するペルツズマブの結合は、HER2がHERファミリーのほかのメンバー(EGFR、HER3、HER4を含む)と複合体を形成することを阻害し、そしておそらくHER2ホモ二量体形成も阻害する。複合体形成をブロックすることにより、ペルツズマブは、HER1、HER3及びHER4のリガンド(例えば、EGF、TGFα、アンフィレグリン、及びヘレグリン)により活性化される成長刺激効果及び細胞生存シグナルを阻害する。ペルツズマブのほかの名称は、2C4又はOmnitargTMである。ペルツズマブは、ヒトIgG1(k)フレームワーク配列に基づく完全ヒト化組換えモノクローナル抗体である。ペルツズマブの構造は、2本の重鎖(449残基)及び2本の軽鎖(214残基)から成る。トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))と比較して、ペルツズマブはIgG1の軽鎖中に12個のアミノ酸の違い、そして重鎖中の29個のアミノ酸の違いを有する。

WO2004/092353及びWO2004/091384は、Her2と他の受容体のヘテロ二量体の形成が、ペルツズマブの有効性又は適合性に関係することを示唆する。

Zabrecky, J.R. et al., J. Biol. Chem. 266 (1991) 1716-1720 は、Her2の細胞外ドメインの放出が、発癌において関連性を有し、そしてその検出がガン診断において有用と成りうることを開示する。Colomer, R. et al., Clin. Cancer Res. 6 (2000) 2356-2362 は、循環Her2細胞外ドメイン、及び進行した乳癌における化学療法に対する耐性を開示する。Her2の細胞外ドメインの診断値及び予測値は、Hait, W.N., Clin. Cancer Res. 7 (2001) 2601-2604により概要されている。

概要

患者におけるHER二量体化阻害剤での治療に対する応答予測する方法であって、患者由来生体試料において、上皮増殖因子トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいはアンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、を評価する工程、そして最初の工程の結果を評価することにより、患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測する工程、を含んで成る方法に関する。さらに、これらのマーカーが使用される使用及び方法も開示される。

目的

ほかの選択は、メトリック(metric) 方法(適当な変換後)、又はバイナリ及びメトリックアプローチの組み合わせにおいてバイオマーカーを利用することである

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

患者におけるHE二量体化阻害剤での治療に対する応答予測する方法であって、a)患者由来生体試料において、−上皮増殖因子トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、を評価する工程、そしてb)工程a)の結果を評価することにより、患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測する工程、を含んで成る方法。

請求項2

前記マーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせを評価するための工程a)が、a1)マーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを評価する工程、a2)工程a1)において評価された発現レベルが閾値以上であるか、又は閾値以下であるかを測定する工程、を含んで成る請求項1に記載の方法。

請求項3

前記閾値が、1)HER二量体化阻害剤での治療の前に複数の患者由来の生体試料中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを評価する工程、2)HER二量体化阻害剤で患者を治療する工程、3)HER二量体化阻害剤で治療した患者の応答と、工程a)において測定したマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを相関させ、これにより閾値を決定する工程、により請求項2に記載の工程a1)の前に決定される請求項2に記載の方法。

請求項4

前記生体試料が血清血漿又は腫瘍組織である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記HER二量体化阻害剤が、HER2とEGFR又はHER3のヘテロ二量体形成阻害する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記HER二量体化阻害剤が、抗体、好ましくは抗体2C4である、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記患者が、癌患者、好ましくは、乳癌卵巣癌肺癌又は前立腺癌患者である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記マーカー遺伝子の組み合わせが:−トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子、又は−アンフィレグリンマーカー遺伝子、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子、から成る、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

試料中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが、マーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせによりコードされるマーカータンパク質又はそのフラグメント、あるいはマーカータンパク質又はそのフラグメントの組み合わせの発現レベルを検出することにより評価される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記マーカータンパク質又はそのフラグメント、あるいはマーカータンパク質又はそのフラグメントの組み合わせの発現レベルが、マーカータンパク質又はそのフラグメント、あるいはマーカータンパク質又はそのフラグメントの組み合わせと特異的に結合する試薬を使用して検出される、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記試薬が、抗体、抗体のフラグメント又は抗体誘導体から成る群から選択される、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記発現レベルが、プロテオミクスフローサイトメトリー免疫細胞化学的検査免疫組織化学的検査、酵素結合免疫吸着測定法マルチチャネル酵素結合免疫吸着測定法から成る群から選択される方法を使用して測定される、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記マーカータンパク質のフラグメントが、Her2マーカータンパク質の細胞外ドメインである、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記Her2マーカータンパク質の細胞外ドメインが、約105,000ダルトン分子量を有する、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記アンフィレグリンマーカータンパク質のアミノ酸配列が、アミノ酸配列番号1であるか、前記上皮増殖因子マーカータンパク質のアミノ酸配列が、アミノ酸配列番号2であるか、前記トランスフォーミング増殖因子αマーカータンパク質のアミノ酸配列が、アミノ酸配列番号3であるか、あるいは前記HER2マーカータンパク質のアミノ酸配列が、アミノ酸配列番号4である、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記血清中の閾値が、−トランスフォーミング増殖因子αマーカータンパク質について、2.0〜5.0pg/ml、好ましくは約3.5pg/mlであり、−上皮増殖因子マーカータンパク質について、100〜250pg/ml、好ましくは約150pg/mlであり、あるいは−アンフィレグリンマーカータンパク質について、6〜15pg/ml、好ましくは約12pg/mlである、請求項9〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

前記Her2マーカータンパク質の細胞外ドメインについての血清中の閾値が、12〜22ng/ml、好ましくは約18ng/mlである、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記生体試料中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが、該マーカー遺伝子によりコードされる転写マーカーポリヌクレオチド又は該転写マーカーポリヌクレオチドのフラグメント、あるいはマーカー遺伝子の組み合わせによりコードされる転写マーカーポリヌクレオチド群又は該転写マーカーポリヌクレオチドのフラグメント群の発現レベルを測定することにより評価される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記転写マーカーポリヌクレオチドが、cDNAmRNA又はhnRNAであるか、あるいは該転写マーカーポリヌクレオチド群が、cDNA、mRNA又はhnRNAである、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記検出工程が、さらに、転写ポリヌクレオチド又は転写ポリヌクレオチド群を増幅する工程を含んで成る、請求項18〜19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

前記検出工程が、定量逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法を使用する、請求項20に記載の方法。

請求項22

−前記マーカー遺伝子の発現レベルが、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下において転写マーカーポリヌクレオチド又はそのフラグメントとアニーリングするプローブを伴う試料中の転写マーカーポリヌクレオチド又はそのフラグメントの存在を検出することにより評価される、あるいは−前記マーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において転写マーカーポリヌクレオチド群又はそのフラグメント群とアニーリングするプローブ群を伴う試料中の転写マーカーポリヌクレオチド群又はそのフラグメント群の存在を検出することにより評価される、請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

前記アンフィレグリンマーカーポリヌクレオチドの核酸配列が、核酸配列番号5であるか、前記上皮増殖因子マーカーポリヌクレオチドの核酸配列が、核酸配列番号6であるか、前記トランスフォーミング増殖因子αマーカーポリヌクレオチドの核酸配列が、核酸配列番号7であるか、あるいは前記HER2マーカーポリヌクレオチドの核酸配列が、核酸配列番号8である、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測するための、ストリンジェントな条件下において上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドとハイブリダイズするプローブ、又は上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体の使用、あるいは患者における疾患の進行を阻害するための組成物を選択するための、ストリンジェントな条件下においてアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドとハイブリダイズするプローブ、又はアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体の使用。

請求項25

ストリンジェントな条件下においてアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドとアニーリングするプローブ、又はアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体を含んで成るキット

請求項26

患者の疾患の進行を阻害するための組成物を選択する方法であって、該方法が:a)複数の試験組成物の存在下で癌患者由来の生体試料の一定分量を別々に暴露する工程;b)試験組成物を接触させた生体試料の一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、試験組成物を接触さない生体試料の一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを比較する工程、c)試験組成物を含有する一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが、試験組成物と接触させない一定分量と比較して変化する試験組成物の1つを選択する工程であって、ここで試験組成物と接触させた生体試料の一定分量のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと試験組成物と接触させない生体試料の一定分量のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルの少なくとも10%の違いが試験組成物の選択のための指標となる工程、を含んで成る方法。

請求項27

候補薬剤を得るための方法であって、該方法が:a)癌患者由来の生体試料の一定分量を候補薬剤と接触させ、そして一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを測定する工程、b)候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを測定する工程、c)候補薬剤と接触させた生体試料の一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを比較することにより候補薬剤の効果を観察する工程、d)観察された効果から該薬剤を得る工程であって、ここで候補薬剤と接触させた生体試料の一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルにおける少なくとも10%の違いが候補薬剤の効果の指標となる工程、を含んで成る方法。

請求項28

前記候補薬剤が候補阻害薬剤である、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記候補薬剤が候補増強薬剤である、請求項27に記載の方法。

請求項30

請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法により得られる候補薬剤。

請求項31

請求項30に記載の薬剤を含んで成る医薬品。

請求項32

癌の治療のための組成物の調製のための請求項30に記載の薬剤の使用。

請求項33

請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法の工程;及びi)治療的に有効な量において対象に前記薬物を供するために十分な量において工程(c)において同定された候補薬剤又はそのアナログ若しくは誘導体を合成する工程;及び/又はii)工程(c)において同定された該候補薬物又はそのアナログ若しくは誘導体を医薬的に許容される担体と組み合わせる工程、を含んで成る薬物を製造する方法。

請求項34

候補薬剤を得るため、あるいは患者における疾患の進行を阻害するための組成物を選択するための、アンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドから成る群から選択される、マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドの使用。

請求項35

癌患者を治療するための医薬の製造のためのHER二量体化阻害剤の使用であって、該治療が患者由来の生体試料中の−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、を評価する工程を含むことを特徴とする使用。

請求項36

前記治療が、マーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせを、治療の間に少なくとも1回又は繰り返し評価することを含む、請求項35に記載の使用。

請求項37

マーカー遺伝子の発現レベル又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが評価される、請求項35〜36のいずれか一項に記載の使用。

請求項38

前記HER二量体化阻害剤が、抗体、好ましくは抗体2C4である、請求項35〜37のいずれか一項に記載の使用。

請求項39

前記患者が、乳癌、卵巣癌、肺癌又は前立腺癌患者である、請求項35〜38のいずれか一項に記載の使用。

技術分野

0001

本発明は、患者におけるHE二量体化阻害剤による治療に対する応答予測する方法であって、患者由来生体試料中上皮増殖因子トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいはアンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせを評価する工程、そして最初の工程の結果を評価することにより、患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測する工程、を含んで成る方法に関する。更に、これらのマーカーが使用される用途及び方法も開示される。

背景技術

0002

ヒト上皮増幅因子受容体(ErbB又はHER)ファミリーは、複雑なシグナルカスケード活性化を介する、細胞増殖及び分化の重要なメディエーターである4つのメンバー(HER1〜4)を含む。上皮増幅因子(EGF)スーパーファミリー由来の少なくとも11の異なる遺伝子産物は、これらの3つの受容体、EGFR(ErbB1又はHER1とも称される)、HER3(ErbB3)及びHER4(ErbB4)と結合する。HER2(ErbB2又はneu)と結合し、かつ活性化するリガンドは同定されていないが、HER2は、増幅するために他のHER受容体呼応して作用し、そしていくつかの場合においては、受容体−リガンドシグナリング惹起する共受容体であることが広く知られている。同じ受容体タイプとの二量体形成ホモ二量体形成)又はHERファミリーのほかのメンバーとの二量体形成(ヘテロ二量体形成)は、これらの活性にとって必須である。HER2は、他のHERメンバーにとって好ましい二量体形成パートナーである。多くの上皮腫瘍型におけるHERファミリーの役割は良く記載されており、特にHER受容体に関する新規癌薬剤の合理的な開発に導いている。組換えヒト化抗HER2モノクローナル抗体(MAb)であるトラスツズマブは、HER2陽性転移乳癌MBC)を伴う患者における注意標準である。20〜30%の乳癌ケースにおいて生じるHER2タンパク質/遺伝子の過剰発現/増殖は、トラスツズマブによる治療のための前提条件である。

0003

ペルツズマブ(OmnitargTM;以前は2C4)は、HER二量体化阻害剤(HDI)として知られる最初の新規なクラスの薬剤である。ペルツズマブはその二量体形成ドメインにおいてHER2と結合し、これにより活性な二量体受容体複合体を形成するその能力阻害し、従って最終的に細胞増殖及び分裂をもたらす下流のシグナルカスケードをブロックする。ペルツズマブは、HER2細胞外ドメインに対して産生した完全ヒト化組換えモノクローナル抗体である。ヒト上皮細胞におけるHER2に対するペルツズマブの結合は、HER2がHERファミリーのほかのメンバー(EGFR、HER3、HER4を含む)と複合体を形成することを阻害し、そしておそらくHER2ホモ二量体形成も阻害する。複合体形成をブロックすることにより、ペルツズマブは、HER1、HER3及びHER4のリガンド(例えば、EGF、TGFα、アンフィレグリン、及びヘレグリン)により活性化される成長刺激効果及び細胞生存シグナルを阻害する。ペルツズマブのほかの名称は、2C4又はOmnitargTMである。ペルツズマブは、ヒトIgG1(k)フレームワーク配列に基づく完全ヒト化組換えモノクローナル抗体である。ペルツズマブの構造は、2本の重鎖(449残基)及び2本の軽鎖(214残基)から成る。トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))と比較して、ペルツズマブはIgG1の軽鎖中に12個のアミノ酸の違い、そして重鎖中の29個のアミノ酸の違いを有する。

0004

WO2004/092353及びWO2004/091384は、Her2と他の受容体のヘテロ二量体の形成が、ペルツズマブの有効性又は適合性に関係することを示唆する。

0005

Zabrecky, J.R. et al., J. Biol. Chem. 266 (1991) 1716-1720 は、Her2の細胞外ドメインの放出が、発癌において関連性を有し、そしてその検出がガン診断において有用と成りうることを開示する。Colomer, R. et al., Clin. Cancer Res. 6 (2000) 2356-2362 は、循環Her2細胞外ドメイン、及び進行した乳癌における化学療法に対する耐性を開示する。Her2の細胞外ドメインの診断値及び予測値は、Hait, W.N., Clin. Cancer Res. 7 (2001) 2601-2604により概要されている。

0006

HER二量体化阻害剤で処理した癌患者における疾患の進行を測定するための更なる方法を供することが、より必要である。

0007

従って、本発明の態様において、患者におけるHER二量体化阻害剤による処理に対する応答を予測する方法であって、
a)患者由来の生体試料において、
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは
−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、を評価する工程、そして
b)工程a)の結果を評価することにより、患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測する工程、
を含んで成る、方法が供される。

0008

本発明のほかの態様において、患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測するために、ストリンジェントな条件下において上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドハイブリダイズするプローブ、又は上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体が使用され、あるいは患者における疾患の進行を阻害するための組成物を選択するために、ストリンジェントな条件下においてアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドとハイブリダイズするプローブ、又はアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体が使用される。

0009

本発明のさらにほかの態様において、ストリンジェントな条件下においてアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドとアニーリングするプローブ、又はアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体を含んで成るキットが供される。

0010

本発明のさらにほかの態様において、患者の疾患の進行を阻害するための組成物を選択する方法であって、該方法が:
a)複数の試験組成物の存在下で癌患者由来の生体試料の一定分量を別々に暴露する工程;
b)試験組成物を接触させた生体試料の一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、試験組成物を接触さない生体試料の一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを比較する工程、
c)試験組成物を含有する一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが、試験組成物と接触させない一定分量と比較して変化する試験組成物の1つを選択する工程であって、ここで試験組成物と接触させた生体試料の一定分量のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと試験組成物と接触させない生体試料の一定分量のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルの少なくとも10%の違いが、試験組成物の選択のための指標となる工程、
を含んで成る方法、が供される。

0011

本発明のさらにほかの方法において、候補薬剤を得るための方法であって、該方法が:
a)癌患者由来の生体試料の一定分量を候補薬剤と接触させ、そして一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを測定する工程、
b)候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを測定する工程、
c)候補薬剤と接触させた生体試料の一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを比較することにより候補薬剤の効果を観察する工程、
d)観察された効果から該薬剤を得る工程であって、ここで候補薬剤と接触させた生体試料の一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルにおける少なくとも10%の違いが候補薬剤の効果の指標となる工程、
を含んで成る方法、が供される。

0012

さらにほかの態様において、本発明に従う方法により得られた候補薬剤、又は本発明に従う薬剤を含んで成る医薬品が供される。

0013

本発明のさらにほかの態様において、本発明に従う薬剤は、癌の治療のための組成物の調製のために供される。

0014

本発明のさらにほかの態様において、薬物を製造する方法であって、本発明の方法の工程、及び
i)治療的に有効な量において対象に前記薬物を供するために十分な量において工程(c)において同定された候補薬剤又はそのアナログ若しくは誘導体を合成する工程;及び/又は
ii)工程(c)において同定された該候補薬物又はそのアナログ若しくは誘導体を医薬的に許容される担体と組み合わせる工程、
を含んで成る方法、が供される。

0015

本発明のさらにほかの態様において、アンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドから成る群から選択される、マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドは、候補薬剤を得るため、あるいは患者における疾患の進行を阻害するための組成物を選択するために使用される。

0016

本発明のほかの態様において、HER二量体化阻害剤は、ヒト癌患者を治療するための医薬の製造のために使用され、該治療(treating又はtreatment)は、患者由来の生体試料において、
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは
−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、を評価する工程を含むことを特徴とする。

0017

本明細書において使用される「a」及び「an」は、1又は2以上(すなわち少なくとも1つ)の文法上の対象を意味する。例として「an element」は1つの因子又は複数の因子を意味する。

0018

「生体試料」の用語は、個々から得られたいずれかの生体試料、体液株化細胞組織培養液、又は他のソースを意味する。体液は、例えば、リンパ液血清血漿、尿、精液滑液及び髄液である。哺乳類から組織バイオプシー及び体液を得るための方法は、当業界に周知である。「試料」の用語が単独で使用される場合、「試料」は「生体試料」であり、すなわち該用語は互換的に使用される。

0019

「HER二量体化阻害剤による治療に対する応答」又は「HER二量体化阻害剤による治療に対する患者の応答」の用語は、疾患又は症状(例えば、癌)に罹患する患者に与えられる臨床的有用性、あるいはHER二量体化阻害剤による治療の結果を意味する。臨床的有用性は、HER二量体化阻害剤による治療の結果として又は該結果に由来する、完全な寛解、部分的な寛解、(進行しない)安定な疾患、無進行生存、無病生存、(疾患の)腫瘍増殖停止時間(time to progression)における改善、死亡停止時間(time to death)における改善、又は患者の全生存時間における改善を含む。治療に対する応答を測定するための基準が存在し、これらの基準は、他の治療に対する有効性の比較を許容する(Slapak and Kufe, Principles of Cancer Therapy, in Harrison's Principles of Internal Medicine, 13 th edition, eds. Isselbacher et al., McGraw-Hill, Inc., 1994)。例えば、癌の完全な応答又は完全な寛解は、全ての検出可能な悪性疾患消失である。癌の部分的な応答又は部分的な寛解は、例えば、1又は複数の病変部の最も大きな垂直直径の産生における約50%の減少、あるいはいずれかの病変部の大きさ又は新たな病変部の出現の増加がない場合であってよい。

0020

本明細書において使用される「癌の進行」の用語は、癌の転移再発、あるいは1つの病変部の最も大きな垂直直径の産生における少なくとも約25%の増加、又は新たな病変部の出現を含み、そして意味することができる。癌の再発又は転位が減少し、遅行し、遅延し、あるいは予防される場合には、癌、好ましくは乳癌の進行は「阻害」される。

0021

「腫瘍増殖/死亡停止時間(Time To Progression/death)(TTP)」の用語は、「無進行生存(PFS)」と同義である。これは、腫瘍試験において頻繁に使用される臨床的エンドポイントを記載する。ここで各患者についての測定は、試験における患者の治療の開始(試験プロトコルにおいて定義される)から悪性腫瘍の進行の検出(試験プロトコルにおいて定義される)又はいずれかの死亡の発生(いずれか最初)までの経過時間と等しい。期間後に患者の観察を停止し(例えば、実験終了時)、かつ何ら事象が観察されない場合、該観察時間tは「打ち切り」と称される。

0022

「死亡停止時間(Time To Death)(TTD)」の用語は、「全生存(OS)」と同義である。これは、腫瘍試験において頻繁に使用される臨床的エンドポイントを記載する。ここで各患者についての測定は、試験における患者の治療の開始(試験プロトコルにおいて定義される)からいずれかの死亡の発生までの経過時間と等しい。期間t後に患者の観察を停止し、かつ該時間まで患者が生存した場合、該観察時間tは「打ち切り」と称される。

0023

用語「共変量」は以下の意味を有する。臨床的エンドポイントは、回帰モデルにおいてよく検討され、ここで該エンドポイントは従属変数を表し、そしてバイオマーカーは主要な又は標的の独立変数リグレッサー)を表す。該臨床データプール由来のさらなる変数が考慮される場合、これらは(臨床的)共変量として表示される。用語「臨床的共変量」は、本明細書において患者に対する全ての臨床情報を記載するために使用され、これは一般にベースラインにおいて利用できる。これらの臨床的共変量は、人口学的情報、例えば、性別年齢等、既往情報、合併症併用治療理学的検査の結果、得られた一般的な実験パラメーター、標的腫瘍の既知の特性、悪性疾患の範囲を定性する情報、臨床成績スコア、例えば、ECOG又はカルノフスキー指数、臨床疾患ステージング、前治療及び病歴のタイミング及び結果、並びに全ての同様の情報を含んで成り、これは臨床予後診断に関係しうる。

0024

用語「未加工(raw)又は未調整(unadjusted)分析」は、本明細書において検討されるバイオマーカーにおいて、更なる臨床的共変量が回帰モデルにおいて使用されず、また階層化共変量として独立因子も使用されない回帰分析を意味する。

0025

「共変量により調整される」の用語は、検討されるバイオマーカーにおいて、更なる臨床的共変量が回帰モデルにおいて使用されるか、階層化共変量として独立因子が使用される回帰分析を意味する。

0026

単変量」の用語は、本明細書において、独立変数として標的バイオマーカーの1つのみがモデルの一部である回帰モデル又はグラフィカルアプローチを意味する。これらの単変量モデルは更なる臨床的共変量を伴い及び伴わずに検討することができる。

0027

多変量」の用語は、本明細書において、独立変数として複数の標的バイオマーカーがモデルの一部である回帰モデル又はグラフィカルアプローチを意味する。これらの多変量モデルは更なる臨床的共変量を伴い及び伴わずに検討することができる。

0028

ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分にさらに共有結合するリン酸基を含む「ヌクレオシド」である。ペントフラノシル糖を含むこれらの「ヌクレオシド」について、該リン酸基は糖の2’、3’又は5’ヒドロキシル部分のいずれかに結合することができる。「ヌクレオチド」は「オリゴヌクレオチド」の「モノマー単位」であり、より一般的には、本明細書において「オリゴマー化合物」又は「ポリヌクレオチド」として表され、より一般的には「ポリマー化合物」として表される。これについての他の一般的な表現は、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)である。本明細書において使用される用語「ポリヌクレオチド」は「核酸」と同義である。

0029

「プローブ」の用語は、設計又は選択により合成的又は生物学的に産生された核酸(DNA又はRNA)を意味し、規定される所定のストリンジェンシー下において、「核酸」と特異的(すなわち優先的)にハイブリダイズすることを許容する特定のヌクレオチド配列を含む。「プローブ」は、その検出がはっきりとしない所望されない物質から分離できるように核酸を「捕獲」することを意味する「捕獲プローブ」として認識することができる。分離が達成されると、適当な手順を使用して捕獲された「標的核酸」の検出を達成することができる。「捕獲プローブ」は、しばしば固相に対してすでに付着されている。本発明に従う「ストリンジェント条件」下におけるハイブリダイゼーションの用語は、Sambrook et al. (Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989), paragraph 1.101- 1.104)における同じ意味として与えられる。好ましくは「ストリンジェント・ハイブリダイゼーション」は、50℃における、好ましくは55℃における、より好ましくは62℃における、及び最も好ましくは68℃における1×SSC及び0.1%SDSで1時間の洗浄、そしてより好ましくは50℃における、好ましくは55℃における、より好ましくは62℃における、及び最も好ましくは68℃における0.2×SSC及び0.1%SDSで1時間の洗浄後にハイブリダイゼーションシグナルがなお検出可能である場合である。SSC緩衝液組成は、Sambrook et al. (Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)) に記載されている。

0030

転写ポリヌクレオチド」は、遺伝子、例えば、本発明のマーカー遺伝子の転写、及び、存在する場合には転写の通常の転写後プロセッシング(例えば、スプライシング)により作成された成熟RNAの全て又は一部と相補的又は相同的であるポリヌクレオチド(例えば、RNA、cDNA又はRNA若しくはcDNAの1つのアナログ)である。「cDNA」の用語は、相補DNA略語であり、mRNA一本鎖又は二本鎖DNAコピーである。用語「mRNA」は、タンパク質合成のための鋳型として働くRNAの略語である。

0031

「マーカー遺伝子」の用語は、患者、好ましくは乳癌患者における癌の進行を検出するための本発明に従う有用な遺伝子を含む。これはまた、癌、好ましくは乳癌マーカー遺伝子と称することができる。「マーカーポリヌクレオチド」の用語は、本発明に従うマーカー遺伝子にコードされるヌクレオチド転写物hnRNA又はmRNA)、又は該ヌクレオチド転写物に由来するcDNA、又は該転写物又はcDNAのセグメントを含むことを意味する。

0032

「マーカータンパク質」又は「マーカーポリペプチド」の用語は、本発明に従うマーカー遺伝子によりコードされるタンパク質又はポリペプチド、あるいは該マーカータンパク質を含んで成るポリペプチド又はタンパク質フラグメントを含むことを意味する。

0033

「遺伝子産物」の用語は、マーカーポリヌクレオチド及び参照遺伝子によりコードされたマーカータンパク質を含むことを意味する。

0034

患者由来の試料中のマーカー遺伝子の発現レベルが、参照対象由来の試料中のレベルと、発現を評価するために用いられたアッセイ標準誤差以上の量、好ましくは少なくとも10%、そしてより好ましくは25%、50%、75%、100%、125%、150%、175%、200%、300%、400%、500%又は1,000%の量により異なる場合、マーカー遺伝子の発現は、参照試料におけるマーカー遺伝子発現レベルと「有意に」異なる。あるいは、患者由来の発現レベルが、参照対象由来の試料中のレベルよりも発現を評価するために用いられたアッセイの標準誤差以上の量、好ましくは少なくとも10%、そしてより好ましくは25%、50%、75%、100%、125%、150%、175%、200%、300%、400%、500%又は1,000%の量により低い場合、患者におけるマーカー遺伝子の発現は参照対象における発現レベルよりも「有意に」低いと考えてよい。

0035

マーカーポリヌクレオチド又はマーカータンパク質は、他のマーカーポリヌクレオチド又はマーカータンパク質と関連する場合、特に好ましくは同一である場合、「対応する」。

0036

「発現のレベル」及び「発現レベル」の用語は互換的に使用され、そして一般に試料中のポリヌクレオチド又はアミノ酸生成物若しくはタンパク質の量を意味する。「発現」は、一般に遺伝子コード情報が細胞内に存在しかつ作動する構造に変換されるプロセスを意味し、従って本発明に従う(マーカー)遺伝子の「発現」の用語は、ポリヌクレオチドへの転写、タンパク質への転写、及び該タンパク質の翻訳後修飾を含む。転写ポリヌクレオチド、翻訳タンパク質又は翻訳後修飾タンパク質フラグメントもまた、これらが例えば、別のスプライシングから産生された転写物、分解転写物から生じるのか、あるいは例えば、タンパク質分解によるタンパク質の翻訳後プロセッシングから生じるのかが表されるように考慮すべきである。本明細書において使用される場合、「発現遺伝子」は、mRNAとしてポリヌクレオチドに転写されたもの、及びその後タンパク質に翻訳されたものを含む。この用語はまた、RNAに転写されるが、タンパク質に翻訳されない発現遺伝子(例えば、トランスファーRNA及びリボソームRNA)も含む。「過剰発現」及び「低発現」の用語は、コントロールとして使用される試料中のベースライン発現レベルと比較した場合の、発現レベルおける上方異常性又は下方異常性をそれぞれ意味する。従ってまた、「過剰発現」は「発現増加」であり、そして「低発現」は「発現低下」でもある。

0037

「アンフィレグリン」の用語は、上皮増殖因ファミリーのメンバーであるタンパク質をコードする遺伝子、及びそのタンパク質自体を意味する。これは自己分泌増殖因子であり、そしてアストロサイトシュワン細胞、及び線維芽細胞のための分裂促進因子である。これは、上皮増殖因子(EGF)及びトランスフォーミング増殖因子α(TGF−α)と関係する。このタンパク質は、EGF/TGF−α受容体相互作用し、正常な上皮細胞の成長を促進し、そして一定の侵襲性癌細胞株の成長を阻害する。本発明に従い、アンフィレグリンのアミノ酸配列は、配列番号1に従うアミノ酸配列である。本発明に従い、「アンフィレグリン」cDNAの核酸配列は、配列番号5に従う核酸配列であり、これは受入番号NM 001657によりGenBankにおいてアクセス可能である。

0038

「トランスフォーミング増殖因子α」の用語は、トランスフォーミング増殖因子(TGF)のファミリーのメンバーであるタンパク質をコードする遺伝子、及びそのタンパク質自体を意味する。これらは培養細胞において可逆的に形質転換表現型を与える生物的に活性なポリペプチドである。「トランスフォーミング増殖因子α」は、上皮細胞増殖因子と約40%の配列相同性を示し、そしてEGF受容体と結合するEGFと競合し、そのリン酸化刺激し、そして分裂促進応答を生じる。本発明に従い、「トランスフォーミング増殖因子α」のアミノ酸配列は、配列番号3に従うアミノ酸配列である。本発明に従い、「トランスフォーミング増殖因子α」cDNAの核酸配列は、配列番号7に従う核酸配列であり、これは受入番号NM 003236によりGenBankにおいてアクセス可能である。

0039

「上皮増殖因子」の用語は、増殖因子のファミリーのメンバーであるタンパク質をコードする遺伝子、及びそのタンパク質自体を意味する。「上皮増殖因子(EGF)」は、in vivoにおいて特定の細胞の分化における顕著な効果を有し、そして外胚葉性及び中胚葉性起源の両方の多様な培養細胞のための強力な分裂促進因子である。EGF前駆物質は、タンパク分解的に切断され、細胞分裂を刺激する53個のアミノ酸ペプチドホルモンを産生する膜結合分子として存在するものと考えられている。本発明に従い、「上皮増殖因子」のアミノ酸配列は、配列番号2に従うアミノ酸配列である。本発明に従い、「上皮増殖因子」cDNAの核酸配列は、配列番号6に従う核酸配列であり、これは受入番号NM 001963によりGenBankにおいてアクセス可能である。「上皮増殖因子受容体」はEGFRとして省略され、170kDの糖タンパク質であり、N−末端細胞外ドメイン疎水性膜貫通ドメイン、及びキナーゼドメインを含むC−末端細胞内領域から構成される。該mRNAは、異なる受容体タンパク質に翻訳される異なる変異体を有する。本発明に従い、「上皮増殖因子受容体」のアミノ酸配列は、配列番号11(転写物変異体1;GenBank受入番号NM 005228)、配列番号12(転写物変異体2;GenBank受入番号NM 201282)、配列番号13(転写物変異体3;GenBank受入番号NM 201283)、又は配列番号14(転写物変異体4;GenBank受入番号NM 201284)に従うアミノ酸配列である。EGFRは、erbB1遺伝子によりコードされ、ヒト悪性腫瘍に因果的関与している。特に、EGFRの発現上昇は、乳癌、膀胱癌肺癌頭頚部癌及び胃癌、並びに神経膠芽腫において観察されている。EGFRリガンド誘発性二量体形成は、内因性RTKドメイン(Srcホモロジードメイン1、SH1)を活性化し、細胞質ドメイン非触媒性テイルにおける6つの特定のEGFRチロシン残基における自己リン酸化をもたらす。癌細胞におけるEGFR活性化の細胞効果は、増殖増加、細胞運動性の促進、吸着浸潤血管新生、及びアポトーシスの阻害による細胞生存の増強を含む。活性化EGFRは、分裂促進因子−活性化プロテインキナーゼMAPK)カスケードの刺激を介して腫瘍細胞増殖を誘発する。

0040

「ヒトneu」、「c−erbB−2」、「erbB2」、「erbB−2」、「HER−2/neu」、「Her2」及び「HER−2」の用語は、本明細書において互換的に使用される。「Her2」の用語は、受容体チロシンキナーゼの上皮増殖因子(EGF)受容体ファミリーのメンバーであるタンパク質をコードする遺伝子及びそのタンパク質自体を意味する。このタンパク質はそれ自身にリガンド結合ドメインを有さず、このため増幅因子に結合することができない。しかしながら、これはヘテロ二量体を形成するために他のリガンド結合EGF受容体ファミリーと強固に結合し、リガンド結合性を安定化し、そして、例えば、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ及びホスファチジルイノシトール−3キナーゼを含むシグナル伝達経路の下流のキナーゼ媒介活性化を増強する。アイソフォームaの654及び655番目のアミノ酸(アイソフォームbの624及び625番目)における対立遺伝子変異報告されており、最も一般的な対立遺伝子を伴い、本発明に従いIle654/Ile655が好ましい。この遺伝子の増幅及び/又は過剰発現は、多数の癌、例えば、乳癌及び卵巣癌において報告されている。ほかのスプライシングは、数個の更なる転写物変異体、いくつかのコード相違性アイソフォーム、及び完全には特徴付けられていない他のものをもたらす。本発明に従い、Her2のアミノ酸配列は、配列番号4に従うアミノ酸配列である。本発明に従い、「Her2」cDNAの核酸配列は、配列番号8に従う核酸配列であり、これは受入番号NM 004448.2によりGenBankにおいてアクセス可能である。

0041

「Her2の細胞外ドメイン」又は「Her2の脱落細胞外ドメイン」は、実質的に、ヒトHer2遺伝子産物の細胞外ドメインに対応する97〜115kDaの糖タンパク質である。これはp105を意味しうる(Zabrecky, J.R. et al., J. Biol. Chem. 266 (1991) 1716-1720; US 5,401,638; US 5,604,107)。Her2の細胞外ドメインの定量及び検出は、米国特許第5,401,638号及び米国特許第5,604,107号に記載されている。

0042

「Her3」の用語は、受容体チロシンキナーゼの上皮増殖因子受容体(EGFR)ファミリーのほかのメンバーを表す。この膜結合タンパク質は、活性キナーゼドメインを有さない。該タンパク質は、リガンドを結合できるが、細胞内にシグナルを伝達することはできない。これは、細胞増殖又は分化に導くキナーゼ活性を有さないほかのEGF受容体ファミリーのメンバーとヘテロ二量体を形成する。この遺伝子の増幅及び/又はそのタンパク質の過剰発現は、多数の癌において発見される。本発明に従い、「Her3」cDNAのアミノ酸配列は、配列番号9に従うアミノ酸配列であり、これは受入番号NM 001005915を有するHer3の核酸配列の翻訳からGenBankにおいてアクセス可能である。本発明に従い、「Her3」cDNAの核酸配列は、配列番号10に従う核酸配列であり、これは受入番号NM 001005915によりGenBankにおいてアクセス可能である。

0043

明細書中の「抗体」の用語は、最も広い意味において使用され、そして所望の生物活性を示す限り、特にインタクト(intact)モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクト抗体により形成される多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体フラグメント網羅する。

0044

本明細書において使用される「モノクローナル抗体」の用語は、実質的に同種の抗体集団から得られた抗体を意味する。すなわち該集団を含んで成る個々の抗体は、僅かな量において存在可能な天然突然変異体を除いて同一である。モノクローナル抗体は、極めて特異的であり、単一の抗原部位に導かれる。さらに、異なる決定要因エピトープ)に導かれる異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定要因に導かれる。これらの特性に加えて、モノクローナル抗体は、これらが他の抗体によって混入されずに合成できる点で有利である。改変モノクローナル」は、実質的に同種の抗体の個体群から得られるような抗体の特徴を示し、そしていずれかの特定の方法により抗体の産生が要求されるようには解釈されない。例えば、本発明に従い使用されるモノクローナル抗体は、Kohler, G. et al., Nature 256 (1975) 495-497により最初に記載されたハイブリドーマ法により作成することができ、あるいは組換えDNA法により作成することができる(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)。「抗体フラグメント」は、インタクト抗体の一部を含んで成る。

0045

本発明に従う注目の抗原に「結合する」抗体は、抗原の存在を検出するために抗体が有用であるように十分な親和性を伴い抗原と結合することができるものである。本発明に従う抗体は、ヒトHer2と結合し、かつ他のタンパク質と(有意に)交差反応しないものである。このような態様において、他のタンパク質に対する抗体の結合性の程度は、蛍光活性細胞選別FACS)分析又は放射性免疫沈降法(RIA)により測定した場合に10%以下である。

0046

二量体形成−受容体の対合−は、全てのHER受容体のシグナリング活性に必要である。本発明に従い、「Her二量体化阻害剤」又は好ましくは「Her2ヘテロ二量体化阻害剤」の用語は、Her2に結合し、そしてHer2ヘテロ二量体形成を阻害する治療薬を意味する。これらは、好ましくは、Her2と結合しそしてHer2ヘテロ二量体形成を阻害する抗体、好ましくはモノクローナル抗体、より好ましくはヒト化抗体である。HER2と結合する抗体の例は、4D5、7C2、7F3又は2C4、並びにこれらのヒト化変異体、例えば、米国特許第5,821,337号の表3に記載されるhuMAb4D5−1、huMAb4D5−2、huMAb4D5−3、huMAb4D5−4、huMAb4D5−5、huMAb4D5−6、huMAb4D5−7及びhuMAb4D5−8;及びWO01/00245に記載される560、561、562、568、569、570、571、574、又は56869である。7C2及び7F3、並びにこれらのヒト化変異体は、WO 98/17797に記載される。この用語は、HerceptinTMの名称で販売されるトラツズマブの場合、作用のメカニズムが異なる場合、そして抗体がHer二量体形成を阻害しない場合には、モノクローナル抗体に適用するべきではない。

0047

本願をとおして好ましくは、「抗体2C4」、特にそのヒト化変異体であり(WO 01/00245;ATCCHB- 12697においてAmerican Type Culture Collection, Manassass, VA, USAに寄託されたハイブリドーマ細胞株により産生された)、これはHer2の細胞外ドメイン内領域に結合する(例えば、Her2の約22の残基〜約584の残基の領域内のいずれかの1又は複数の残基)。「エピトープ2C4」は、抗体2C4が結合するErbB2の細胞外ドメイン内の領域である。「モノクローナル抗体2C4」の表現は、WO01/00245中の実施例のマウス2C4抗体の、あるいはこれに由来する抗原結合残基を有する抗体を意味する。例えば、モノクローナル抗体2C4は、マウスモノクローナル抗体2C4又はその変異体、例えば、マウスモノクローナル抗体2C4の高原結合アミノ酸残基を有するヒト化抗体2C4であってよい。ヒト化2C4抗体の例は、WO01/00245の実施例3に供される。ほかに示されない限り、本明細書において使用される場合「rhuMAb 2C4」の表現は、中国ハムスター卵巣(CHO)細胞により任意的に発現される、ヒト軽鎖及び重鎖IgG1(非Aアロタイプ定常領域配列に融合する、配列番号3及び4の可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)配列をそれぞれ含んで成る抗体を意味する。WO01/00245の好ましい態様は、本明細書においても同様に好ましい。ヒト化抗体2C4は、ペルツズマブ(OmnitargTM)とも称される。

0048

「キット」は、本発明のマーカー遺伝子又はタンパク質を特異的に検出するための少なくとも1つの試薬、例えば、プローブを含んで成る、いずれかの製品(例えば、パッケージ又は容器)である。該製品は、本発明の方法を行うためのユニットとして、好ましくは宣伝流通又は販売される。

0049

「決定(測定)する」及び「評価する」という動詞は、同じ意味を有し、そして本願をとおして互換的に使用される。

0050

発明の詳細な説明
業者の範囲である分子生物学及び核酸化学慣習的な技術は、文献中に説明されている。例えば、Sambrook, J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989; Gait, MJ. (ed.), Oligonucleotide synthesis - a practical approach, IRL Press Limited, 1984; Hames, B. D. and Higgins, SJ. (eds.), Nucleic acid hybridisation - a practical approach, IRL Press Limited, 1985; 及びa series, Methods in Enzymology, Academic Press, Incを参照のこと。これらの全ては本明細書において参考文献として組み込まれている。前後において本明細書に言及されている全ての特許、特許出願、及び刊行物は、参考文献として本明細書に組み込まれている。

0051

本発明の態様において、患者におけるHER二量体化阻害剤での治療に対する応答を予測する方法であって、
a)患者由来の生体試料において、
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは
−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、を評価する工程、そして
b)工程a)の結果を評価することにより、患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測する工程、
を含んで成る方法、が供される。

0052

好ましくは、本発明に従う方法において、マーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせを評価する工程a)は、
a1)マーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを評価する工程、
a2)工程a1)において評価された発現レベルが閾値以上であるか、又は閾値以下であるかを測定する工程、を含んで成る。

0053

閾値は、好ましくは血清又は血漿の質量/体積、又は腫瘍組織についての質量/体積において表現される値である。これは、当業者に既知の方法により測定することができ、そしてまた本発明により開示される。

0054

本発明の好ましい態様において、値が閾値以上又は以下である場合、治療に対する応答を測定することができる。本発明に従う単一のマーカー遺伝子の使用に関して、転移性乳癌患者についての条件は以下のとおりである。これは支持に依存しうるが、本発明の開示に基づき測定することができる。トランスフォーミング増殖因子αマーカー遺伝子のみに関して、HER二量体化阻害剤による治療がHer2低発現転移性乳癌患者について検討される場合、無進行生存(死亡又は腫瘍増殖停止時間)及び全生存(死亡停止時間)のために低発現レベルが好ましい。すなわちトランスフォーミング増幅因子αマーカー遺伝子の低発現レベルは、HER二量体化阻害剤による治療に対してこれらの患者における良好な応答を予測する(図7を参照のこと)。これは、臨床的共変量についての未加工(raw)又は未調整(unadjusted)の両方のケースである。従って、Her2を低発現している転移性乳癌患者においてHER二量体化阻害剤による治療に対する良好な応答を予測するためにトランスフォーミング増幅因子αマーカー遺伝子の工程a1)において評価された発現レベルは、閾値以下であることが好ましい。これはまた、これらの患者におけるHer2マーカー遺伝子のみについて、特に可溶性Her2細胞外ドメインについて、そしてこれらの患者における上皮増殖因子マーカー遺伝子のみについてのケースにも適用する。

0055

アンフィレグリンマーカー遺伝子のみに関して、未加工分析において、HER二量体化阻害剤による治療がHer2低発現転移性乳癌患者について検討される場合、無進行生存(死亡又は腫瘍増殖停止時間)及び全生存(死亡停止時間)のために低発現レベルが好ましい。すなわちアンフィレグリンマーカー遺伝子の低発現レベルは、HER二量体化阻害剤による治療に対してこれらの患者における良好な応答を予測する。これは、臨床的共変量のための未加工(raw)又は未調整(unadjusted)の両方のケースである。臨床的共変量について調整された分析は、これらの患者におけるHER二量体化阻害剤による治療後の高い発現レベルが無進行生存(死亡停止時間又は腫瘍増殖停止時間)及び全生存(死亡停止時間)のために好ましいことを示す。

0056

特に血清中のマーカー遺伝子群は、ほかの臨床的共変量を潜在的に含む多重マーカ予測モデルにおいて使用されうるため、このようなモデルにおける単一のマーカー遺伝子の有利な効果の傾向は単純な方法において測定できず、そして単変量分析、すなわち、単一のマーカー遺伝子の使用について記載される場合において発見された傾向と矛盾する可能性がある。

0057

より好ましくは、本発明に従う方法において、閾値は、本発明の方法の工程a1)の前に、
1)HER二量体化阻害剤での治療の前に複数の患者由来の生体試料中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを評価する工程、
2)HER二量体化阻害剤で患者を治療する工程、
3)HER二量体化阻害剤で治療した患者の応答と、工程a)において測定したマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを相関させ、これにより閾値を決定する工程、により決定される。

0058

該閾値は、好ましくは血清又は血漿の質量/体積又は腫瘍組織の質量/体積において表現される値である。

0059

本発明はまた、本発明に従うマーカー遺伝子の突然変異体又は変異体も考慮し、そして本発明に従う方法において使用される。これらの突然変異体又は変異体において、マーカー遺伝子の天然配列は、置換欠失又は挿入により変化される。「天然配列」は、マーカー遺伝子又はタンパク質の野生型又は天然型と同一のアミノ酸配列又は核酸配列を意味する。

0060

本発明はまた、本発明に従うマーカー遺伝子の突然変異体又は変異体も考慮し、そして本発明に従う方法において使用される。「突然変異アミノ酸配列」、「突然変異タンパク質」又は「突然変異ポリペプチド」は、天然配列から変化したアミノ酸配列を有するポリペプチド、あるいは天然配列から意図的に製造された変異体核酸配列によりコードされるポリペプチドを意味する。「突然変異タンパク質」、「変異体タンパク質」又は「ムテイン」は、突然変異アミノ酸配列を含んで成るタンパク質を意味し、そしてアミノ酸の欠失、置換、又はその両方により本発明に従う天然タンパク質のアミノ酸配列と異なるポリペプチドを含む。

0061

本発明はまた、HER二量体化阻害剤及び癌を治療するために使用される化学療法剤又は治療抗体として他の物質又は薬剤の組み合わせによる治療に対する応答を予測する方法を考慮する。化学療法剤は、例えば、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標);化学名:2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン(dFdC))、カルボプラチンジアミン−(シクロブタン−1,1−ジカルボキシレート(2−)−O,O’)−白金)、又はパクリタキセル(Taxol(登録商標)、化学名:β−(ベンゾイルアミノ)−α−ヒドロキシ−6,12b−ビスアセチルオキシ)−12−(ベンゾイルオキシ)−2a,3,4,4a,5,6,9)10,11,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4,11−ジヒドロキシ−4a,8,13,13−テトラメチル−5−オキソ−7,11−メタノ−1H−シクロデカ(3,4)ベンズ(1,2−b)オキセト−9−イルエステル、(2aR−(2a−α,4−β,4a−β,6−β,9−α(α−R*,β−S*),11−α,12−α,12a−α,2b−α))−ベンゼンプロパン酸)であってよい。

0062

本発明の好ましい態様において、生体試料は、血清、血漿又は腫瘍組織である。腫瘍組織は、ホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織又は冷凍腫瘍細胞であってよい。

0063

本発明のほかの好ましい態様において、HER二量体化阻害剤は、HER2とEGFR又はHER3又はHer4とのヘテロ二量体形成を阻害する。好ましくは、該HER二量体化阻害剤は抗体であり、好ましくは抗体2C4である。本願をとおして、好ましくは「抗体2C4」、特にそのヒト化変異体(WO 01/00245;ATCCHB-12697においてAmerican Type Culture Collection, Manassass, VA, USAに寄託されたハイブリドーマ細胞株により産生された)であり、これはHer2の細胞外ドメイン内の領域に結合する(例えば、Her2の約22の残基〜約584の残基の領域中のいずれかの1又は複数の残基)。ヒト化2C4抗体の例は、WO01/00245の実施例3に供される。ヒト化抗体2C4はまた、OmnitargTM又はペルツズマブとも称される。

0064

本発明のさらに他の態様において、患者は、癌患者、好ましくは乳癌、卵巣癌、肺癌又は前立腺癌患者である。乳癌患者は、好ましくは転移性乳癌患者、又はHER2低発現性の乳癌若しくは転移性乳癌患者、又はHer2高発現性乳癌若しくは転移性乳癌患者である。卵巣癌患者は、好ましくは転移性卵巣癌患者である。肺癌患者は、好ましくは非小細胞肺癌(NSCLC)患者である。

0065

好ましくは、2つ、3つ又は4つ全てのマーカー遺伝子、マーカーポリヌクレオチド、又はマーカータンパク質を組み合わせて使用すること、すなわち開示された本発明の全ての態様又は本発明に従う方法、使用若しくはキットにおいて使用される。好ましくは、
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α又はHER2マーカー遺伝子、マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドの組み合わせ、
−アンフィレグリンマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子、及び上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子の組み合わせ、
−上皮増殖因子及びトランスフォーミング増殖因子α又はHER2マーカー遺伝子、マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドの組み合わせ、あるいは
−トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子、マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドの組み合わせ、
の発現レベルが評価される。

0066

本発明の特に好ましい態様において、マーカー遺伝子の組み合わせは:
−トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子、
−トランスフォーミング増殖因子α及び上皮増殖因子マーカー遺伝子、又は
−アンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子、から成る。

0067

本発明のほかの特に好ましい態様において、マーカー遺伝子の組み合わせは:
−上皮増殖因子及びHER2マーカー遺伝子、
−アンフィレグリン及び上皮増殖因子マーカー遺伝子、
−アンフィレグリン及びトランスフォーミング増殖因子αマーカー遺伝子、
−アンフィレグリン及びHER2マーカー遺伝子、
−アンフィレグリン、上皮増殖因子及びトランスフォーミング増殖因子αマーカー遺伝子、
−アンフィレグリン、上皮増殖因子及びHER2マーカー遺伝子、
−アンフィレグリン、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子、又は
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子、
から成る。

0068

本発明の好ましい態様において、試料中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルは、該マーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせによりコードされるマーカータンパク質若しくはそのフラグメント、又はマーカータンパク質若しくはそのフラグメントの組み合わせの発現を検出することにより評価される。好ましくは、該マーカータンパク質若しくはそのフラグメント、又はマーカータンパク質若しくはそのフラグメントの組み合わせの発現レベルは、該マーカータンパク質若しくはそのフラグメント、又はマーカータンパク質若しくはそのフラグメントの組み合わせと特異的に結合する試薬を使用して検出される。好ましくは、該試薬は、抗体、その抗体フラグメント又は抗体誘導体から成る群から選択される。

0069

本発明の方法において使用することができる多くの異なる種類の免疫アッセイ、例えば、酵素免疫吸着測定法ELISA)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学結合免疫吸着アッセイ(CLIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、及び免疫ブロット法が存在する。使用可能な異なる免疫アッセイの概説については、Lottspeich and Zorbas (eds.), Bioanalytik, 1st edition 1998, Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg, Berlin, Germany を参照のこと。このように、本発明のさらにほかの好ましい態様において、発現レベルは、プロテオミクスフローサイトメトリー免疫細胞化学測定、免疫組織化学測定、酵素結合免疫吸着測定法、マルチチャネル酵素結合免疫吸着測定法、及びこれらの方法の改変から選択される方法を使用して測定される。従って、より好ましくは、発現レベルは、プロテオミクス、フローサイトメトリー、免疫細胞化学測定、免疫組織化学測定、酵素結合免疫吸着測定法、マルチチャネル酵素結合免疫吸着測定法、及びこれらの方法の改変から成る群から選択される方法を使用して測定される。

0070

本発明のほかの好ましい態様において、マーカータンパク質のフラグメントは、Her2マーカータンパク質の細胞外ドメインである。好ましくは該Her2マーカータンパク質の細胞外ドメインは、約105,000ダルトンの分子量を有する。「ダルトン」は、水素原子の質量を同じである質量単位、又は1.657×10-24グラムを表す。

0071

本発明のほかの好ましい態様において、
−アンフィレグリンマーカータンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸配列番号1であり、
−上皮増殖因子マーカータンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸配列番号2であり、
−トランスフォーミング増殖因子αマーカータンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸配列番号3であり、あるいは
−HER2マーカータンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸配列番号4である。

0072

本発明のほかの好ましい態様において、血清中の閾値は、
−トランスフォーミング増殖因子αマーカータンパク質について、2.0〜10.0pg/ml、好ましくは2.0〜5.0pg/ml、より好ましくは約3.5pg/mlであり、
−上皮増殖因子マーカータンパク質について、100〜250pg/ml、好ましくは約150pg/mlであり、あるいは
−アンフィレグリンマーカータンパク質について、6〜15pg/ml、好ましくは約12pg/mlである。

0073

本発明のさらに他の好ましい態様において、Her2マーカータンパク質の細胞外ドメインについての血清中の閾値は、12〜22ng/ml、好ましくは約18ng/mlである。

0074

本発明のさらに他の好ましい態様において、生体試料中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルは、該マーカー遺伝子によりコードされる転写マーカーポリヌクレオチド又は該転写マーカーポリヌクレオチドのフラグメント、あるいはマーカー遺伝子の組み合わせによりコードされる転写マーカーポリヌクレオチド群又は該転写マーカーポリヌクレオチドのフラグメント群の発現レベルを測定することにより評価される。好ましくは、該転写マーカーポリヌクレオチドは、cDNA、mRNA又はhnRNAであるか、あるいは該転写マーカーポリヌクレオチド群は、cDNA、mRNA又はhnRNAである。

0075

好ましくは、該検出工程はさらに、転写ポリヌクレオチドを増幅する工程を含んで成る。該増幅は、好ましくは、核酸を検出可能な量に特異的に増幅するポリメラーゼ連鎖反応により行われる。他の可能な増幅反応は、リガーゼ連鎖反応(LCR; Wu D. Y. and Wallace R.B., Genomics 4 (1989) 560-569; 及び Barany F., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991)189-193);ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応 (Barany F.,PCRMethodsand Applic. 1 (1991) 5-16); Gap-LCR (WO 90/01069);リパーゼ連鎖反応(EP 0439182 A2), 3SR (Kwoh, D.Y. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 (1989) 1173-1177; Guatelli, J.C. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87 (1990) 1874-1878; WO 92/08808)、及びNASBA(米国特許第5,130,238号)である。さらに、ストランド置換増幅法(SDA)、転写物媒介増幅法(TMA)、及びQβ−増幅法が存在する (概説として、例えば、Whelen, A.C. and Persing, D.H., Annu. Rev. Microbiol. 50 (1996) 349-373; Abramson, R.D. and Myers T.W., Curr. Opin. Biotechnol. 4 (1993) 41-47を参照のこと)。より好ましくは、該検出工程は、定量逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法を使用する。

0076

他の適当なポリヌクレオチド検出方法は、当業者に既知であり、そしてSambrook J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989;及び Ausubel, F. et al., Current Protocols in Molecular Biology, 1987, J. Wiley and Sons, NYのような標準的な教科書において記載される。さらにまた、例えば、沈殿工程としてポリヌクレオチド検出工程の前に精製工程を行っても良い。該検出工程は、制限されることなく、二本鎖ポリヌクレオチド内に挿入され、その後これらの蛍光を変化するエチジウムブロミドとし特有色素の結合又は挿入を含む。精製したポリヌクレオチドはまた、任意的に制限消化後の電気泳動法により分離し、これにより視覚化することができる。またさらに、特定の配列に対するオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、及びその後の該ハイブリッドの検出を利用するプローブに基づくアッセイが存在する。これはまた、当業界に既知な更なる工程の後に、DNAを配列決定することが可能である。好ましい鋳型依存DNAポリメラーゼは、Tagポリメラーゼである。

0077

本発明のさらに他の好ましい態様において、マーカー遺伝子の発現レベルは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において転写マーカーポリヌクレオチド又はそのフラグメントとアニーリングするプローブを伴う試料中の転写マーカーポリヌクレオチド又はそのフラグメントの存在を検出することにより評価され、あるいは該試料中のマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において転写マーカーポリヌクレオチド群又はそのフラグメント群とアニーリングするプローブ群を伴う試料中の転写マーカーポリヌクレオチド群又はそのフラグメント群の存在を検出することにより評価される。この方法は、好ましくはホモニアアッセイシステムにおいて行うことができる。「ホモジニアス」アッセイシステムの例は、米国特許第5,210,015号、米国特許第5,804,375号及び米国特許第5,487,972号に詳しい、TaqMan(登録商標)システムである。端的には、該方法は、二重標識プローブ及びTaqDNAポリメラーゼの5’−3’エクソヌクレアーゼ活性に基づく。該プローブは、PCRプロセスにより増幅される標的遺伝子に相補的であり、そして各ポリメリゼーションサイクル工程における2つのPCRプライマー間に存在する。該プローブは、それに付着する2つの蛍光標識を有する。1つはレポーター色素、例えば、6−カルボキシフルオレセインFAM)(これは2つめの蛍光色素の空間的接近によるエネルギー伝達によりクエンチされた発光スペクトルを有する)、6−カルボキシ−テトラメチル−ローダミン(TAMRA)である。各増幅サイクル経路において、プライマーDNA鎖の伸長過程におけるTaq DNAポリメラーゼは、アニーリングされたプローブを動かし、そして分解し、後者は、ポリメラーゼの内因性の5’−3’エクソヌクレアーゼ活性によるものである。該メカニズムはまた、TAMRAのクエンチング活性から該レポーター色素を脱する。結果として、蛍光活性はプローブの切断の増加に従い増加し、これは形成されたPCR産物の量に比例する。従って、増幅された標的配列は、放出された蛍光標識の強度を検出して測定される。「ホモジニアス」アッセイシステムのほかの例は、LightCycler(登録商標)機器において使用されるフォーマットにより供され(例えば、米国特許第6,174,670号を参照のこと)、これらのいくつかは、しばしば「キッシング・プローブ」フォーマットと称される。また、該原理は、2種類の相互作用色素に基づくが、これは、蛍光共鳴エネルギー移動によりドナー色素放射波長アクセプター色素励起するという点で特徴付けられる。COBAS(登録商標)AmpliPrep機器(Roche Diagnostics GmbH, D-68305 Mannheim, Germany)は、ストレプトアビジンコーティングマグネット粒子一緒ビオチン化配列特異性捕獲プローブを使用して標的配列を単離することにより、自動化を拡大するために近年導入された (Jungkind, D., J. Clin. Virol. 20 (2001) 1-6; Stelzl, E. et al., J. Clin. Microbiol. 40 (2002) 1447-1450)。これは近年、更なる多目的道具、全核酸単離(TNAI)キット(Roche Diagnostics)により組み合わされている。この実験室用試薬は、Boom, R. et al., J. Clin. Microbiol. 28 (1990) 495-503により開発された方法に必然的に基づき、COBAS(登録商標)AmpliPrep機器において血漿及び血清から、一般的に、非配列特異的な核酸の単離を許容する。

0078

本発明のほかの好ましい態様において、アンフィレグリンマーカーポリヌクレオチドの核酸配列は、核酸配列番号5であり、
−上皮増殖因子マーカーポリヌクレオチドの核酸配列は、核酸配列番号6であり、
−トランスフォーミング増殖因子αマーカーポリヌクレオチドの核酸配列は、核酸配列番号7であり、あるいは
−HER2マーカーポリヌクレオチドの核酸配列は、核酸配列番号8である。

0079

本発明の他の態様において、患者におけるHER二量体化阻害剤による治療に対する応答を予測するために、ストリンジェントな条件下において上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドとハイブリダイズするプローブ、又は上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体が使用され、あるいは患者における疾患の進行を阻害するための組成物を選択するために、ストリンジェントな条件下においてアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドとハイブリダイズするプローブ、又はアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体が使用される。上述のとおり、該疾患は、好ましくは癌であり、そして該患者は、好ましくは癌患者である。

0080

本発明のほかの態様において、ストリンジェントな条件下においてアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカーポリヌクレオチドとアニーリングするプローブ、又はアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカータンパク質と結合する抗体を含んで成るキットが供される。このような当業者に既知なキットは、さらに増幅手順において使用することができるプラスチック製品、例えば、96又は384ウェル型のマイクロタイタープレート、又は例えば、Eppendorf, Hamburg, Germanyにより製造される通常の反応チューブ、及び本発明に従う方法、好ましくは免疫アッセイ、例えば、酵素免疫吸着測定法(ELISA)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学結合免疫吸着アッセイ(CLIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、及び免疫ブロット法を行うための全ての他の試薬を含んで成る。異なる免疫アッセイ及び使用できる試薬についての概要は、Lottspeich and Zorbas (eds.), Bioanalytik, 1st edition, 1998, Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg, Berlin, Germanyを参照のこと。好ましくは、多様なマーカーポリヌクレオチド又はマーカータンパク質に対するプローブ又は抗体の組み合わせは、上述のとおり、好ましいマーカーポリヌクレオチド又はマーカータンパク質の組み合わせとしてキットの形態において供される。

0081

本発明のほかの態様において、患者の疾患の進行を阻害するための組成物を選択する方法であって、該方法が:
a)複数の試験組成物の存在下で癌患者由来の生体試料の一定分量を別々に暴露する工程;
b)試験組成物を接触させた生体試料の一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、試験組成物を接触さない生体試料の一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを比較する工程、
c)試験組成物を含有する一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが、試験組成物と接触させない一定分量と比較して変化する試験組成物の1つを選択する工程であって、ここで試験組成物と接触させた生体試料の一定分量のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと試験組成物と接触させない生体試料の一定分量のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルの有意な又は少なくとも10%の違いが、試験組成物の選択のための指標となる工程、を含んで成る方法、が供される。上述のとおり、該疾患は、好ましくは癌であり、そして該患者は、好ましくは癌患者である。

0082

本発明のほかの態様において、患者の疾患の進行を阻害するための組成物を選択する方法であって、該方法が:
a)複数の試験組成物の存在下で癌患者由来の生体試料の一定分量を別々に暴露する工程;
b)試験組成物を接触させた生体試料の一定分量における、
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは
−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、の発現レベルと、
試験組成物を接触さない生体試料の一定分量における、
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは
−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、
の発現レベルとを比較する工程、
c)試験組成物を含有する一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが、試験組成物と接触させない一定分量と比較して変化する試験組成物の1つを選択する工程であって、ここで試験組成物と接触させた生体試料の一定分量のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと試験組成物と接触させない生体試料の一定分量の対応するマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルの有意な又は少なくとも10%の違いが、試験組成物の選択のための指標となる工程、を含んで成る方法、が供される。上述のとおり、該疾患は、好ましくは癌であり、そして該患者は、好ましくは癌患者である。

0083

発現を評価するために用いられたアッセイの標準誤差以上の量、好ましくは少なくとも10%、そしてより好ましくは25%、50%、75%、100%、125%、150%、175%、200%、300%、400%、500%又は1,000%の量によって、患者由来の試料中のマーカー遺伝子の発現レベルが参照対象由来の試料中のレベルと異なる場合、マーカー遺伝子の発現は、参照試料におけるマーカー遺伝子発現レベルと「有意に」異なる。あるいは、発現を評価するために用いられたアッセイの標準誤差以上の量、好ましくは少なくとも10%、そしてより好ましくは25%、50%、75%、100%、125%、150%、175%、200%、300%、400%、500%又は1,000%の量によって、患者由来の発現レベルが、コントロール対象由来の試料中のレベルよりも低い場合、患者におけるマーカー遺伝子の発現はコントロール対象における発現レベルよりも「有意に」低いと考えてよい。発現レベルの違いは、最大10,000又は50,000%である。発現レベルの違いは、好ましくは10%〜10,000%であり、より好ましくは25%〜10,000%、50%〜10,000%であり、100%〜10,000%であり、よりさらに好ましくは25%〜5,000%、50%〜5,000%、100%〜5,000%である。

0084

本発明のほかの態様において、候補薬剤を得る(又は同定する)ための方法であって、該方法が:
a)癌患者由来の生体試料の一定分量を候補薬剤と接触させ、そして一定分量中のアンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α若しくはHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを測定する工程、
b)候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを測定する工程、
c)候補薬剤と接触させた生体試料の一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを比較することにより候補薬剤の効果を観察する工程、
d)観察された効果から該薬剤を得る(又は同定する)工程であって、ここで候補薬剤と接触させた生体試料の一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルにおける少なくとも10%の違いが候補薬剤の効果の指標となる工程、
を含んで成る方法、が供される。

0085

本発明のさらに他の態様において、候補薬剤を得るための方法であって、該方法が:
a)癌患者由来の生体試料の一定分量を候補薬剤と接触させ、そして一定分量中の
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは
−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、
の発現レベルを測定する工程、
b)候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを測定する工程、
c)候補薬剤と接触させた生体試料の一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルを比較することにより候補薬剤の効果を観察する工程、
d)観察された効果から該薬剤を得る工程であって、ここで候補薬剤と接触させた生体試料の一定分量中のマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルと、候補薬剤と接触させない生体試料の一定分量中の対応するマーカー遺伝子又は対応するマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルにおける少なくとも10%の違いが候補薬剤の効果の指標となる工程、
を含んで成る方法、が供される。

0086

好ましくは、該候補薬剤は候補阻害剤である。好ましくは該候補薬剤は候補増強剤である。

0087

本発明のほかの態様において、本発明に従う方法により得られた候補薬剤が供される。

0088

本発明のほかの態様において、本発明に従う薬剤を含んで成る医薬品が供される。

0089

本発明の更にほかの態様において、本発明に従う薬剤は、癌の治療のための組成物の調製のために使用される。癌の好ましい形態は、上述のとおりである。

0090

本発明のほかの好ましい態様において、本発明に従う方法の工程;及び
i)治療的に有効な量において対象に前記薬物を供するために十分な量において工程(c)において同定された候補薬剤又はそのアナログ若しくは誘導体を合成する工程;及び/又は
ii)工程(c)において同定された該候補薬物又はそのアナログ若しくは誘導体を医薬的に許容される担体と組み合わせる工程、
を含んで成る薬物を製造する方法、が供される。

0091

本発明のほかの態様において、アンフィレグリン、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドから成る群から選択される、マーカータンパク質又はマーカーポリヌクレオチドは、候補薬剤を得るために、あるいは患者の疾患の進行を阻害するための組成物を選択するために使用される。上述のとおり、該疾患は好ましくは癌であり、そして該患者は好ましくは癌患者である。

0092

本発明のほかの態様において、HER二量体化阻害剤は、治療する工程又は治療が、患者由来の生体試料において、
−上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から成る群から選択されるマーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせ、あるいは
−アンフィレグリンマーカー遺伝子、並びに上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α及びHER2マーカー遺伝子から選択されるマーカー遺伝子を含んで成るマーカー遺伝子の組み合わせ、
を評価する工程を含むことを特徴とする、ヒト癌患者を治療するための医薬の製造のために使用される。

0093

ヒト癌患者を治療するための医薬及び特に製剤の製造は、WO01/00245に記載されており、特に、抗体2C4について本明細書中に組み込まれている。

0094

本発明の好ましい態様における、ヒト癌患者を治療するための医薬の製造のためのHer二量体化阻害剤の使用において、該治療は、マーカー遺伝子又はマーカー遺伝子の組み合わせを、治療の間に少なくとも1回又は繰り返し評価することを含む。好ましくは、マーカー遺伝子の発現レベル又はマーカー遺伝子の組み合わせの発現レベルが評価される。好ましくは、該HER二量体化阻害剤は抗体であり、好ましくは抗体2C4である。好ましくは、該患者は乳癌、卵巣癌、肺癌又は前立腺癌患者である。

0095

本発明のすべての態様において、上述のとおり、マーカー遺伝子、マーカーポリヌクレオチド又はマーカータンパク質の組み合わせが使用される。本発明の全ての態様において、各工程において測定された発現レベルの違いについての好ましい値もまた上述のとおりである。

0096

以下の実施例、配列表及び図面は、本発明、すなわち付随の特許請求の範囲に記載される真の範囲の理解を助けるために供される。本発明の精神から離れることなく記載された手順において改変することができるものと理解される。

0097

予測ルールに対する概論
予測ルールの一般的形態は、応答又は非応答を予測するため、より一般には、適当に規定された臨床的エンドポイントに関する利点又は利点の喪失を予測するための臨床的共変量を潜在的に含む1又は複数のバイオマーカーの機能の詳述に存する。

0098

予測ルールの最も単純な形態は、共変量を伴わない単変量からなり、ここで該予測は、カットオフ又は閾値手段により決定される。これは特定のカットオフc及びバイオマーカー測定値xについてのヘビサイド関数に関して表すことができる。ここでバイナリ予測(binary prediction) A又はBが生じる。
H(x−c)=0である場合、予測A。
H(x−c)=1である場合、予測B。

0099

これは、予測ルールにおいて単変量バイオマーカー測定を使用する最も単純な方法である。このような単純なルールで十分な場合、これは該効果の予測の単純な認識、すなわち、高い発現レベルが患者のために有益なのか、あるいは低い発現レベルが患者のために有益なのかを許容する。

0100

臨床的共変量を検討する必要がある場合、及び/又は複数のバイオマーカーが多変量予測ルールにおいて使用される場合には、条件はより複雑となりうる。該課題を説明するために、2つの仮説例をあげる:

0101

共変数調整(仮説例):
バイオマーカーXについて、高い発現レベルが悪い予後診断に関係することが、臨床試験集団において判明された(単変量分析)。より密接な分析は、該集団において2つの腫瘍タイプが存在し、その1つは他方に比べて悪い予後を有し、かつ同時にこの腫瘍グループについての該バイオマーカー発現は一般により高いことを示す。調整共変量分析は、該腫瘍タイプのそれぞれについて、臨床的有用性と予後診断の関係が裏返されること、すなわち該腫瘍タイプ中で、低い発現レベルが良い予後に関係することを明らかにする。全体的な逆効果は、共変量腫瘍タイプによって覆われ−そして予測ルールの一部としての共変量調整分析は、該方向(direction)を逆転した。

0102

多変量予測(仮説例):
バイオマーカーXについて、高い発現レベルが悪い予後にわずかに関係することが、臨床試験集団において判明された(単変量分析)。第2のバイオマーカーYについて、単変量分析により同様の観察が得られた。XとYの組み合わせは、両方のバイオマーカーが低い場合には、良い予後が見られることを明らかにした。これは、両方のバイオマーカーが同じカットオフ以下である場合、有用性を予測するためのルールをもたらす(AND−ヘビサイド予測関数の結合)。該組み合わせルールのために、単変量センスにおいて表現可能な単純なルールはもはや存在しない。例えば、Xにおいてより低い発現レベルを有することにより、良い予後は自動的に予測されない。

0103

これらの単純な例は、共変量を有する及び有さない予測ルールが、各バイオマーカーの単変量レベルに基づき判断できないことを示す。複数のバイオマーカーの組み合わせと共変量による潜在的な調整は、単一のバイオマーカーに対する単純な関係を割り当てることを許容しない。

0104

統計学的方法
統計タスクは以下の工程を含んで成る:
1.候補バイオマーカーの前選択
2.関連臨床予測共変量(prognostic covariate)の前選択
3.単変量レベルにおけるバイオマーカー予測関数の選択
4.単変量レベルにおける臨床的共変量を含むバイオマーカー予測関数の選択
5.多変量レベルにおけるバイオマーカー予測関数の選択
6.多変量レベルにおける臨床的共変量を含むバイオマーカー予測関数の選択

0105

以下は異なる工程を詳細に説明する:
Adl:候補バイオマーカーの前選択:候補バイオマーカーの統計的な前選択は、臨床的有用性の尺度(meacare)に関する強度に向けられる。この目的のために、異なる臨床的エンドポイントは、得られた代用スコアに、例えば、臨床的有用性の程度の順序割り当てとして、あるいは打ち切り観察を避けるTTP又はTTDに関する罹患率スコアに変換することができる。これらの代用変換尺度は、例えば、ノンパラメトリックスピアマン順位相関法により、単純な相関分析のために簡単に使用することができる。ほかには、時間事象(Time-to-event)回帰モデルにおける測定共変量として、例えば、Cox比例ハザード回帰としてバイオマーカー測定が使用される。バイオマーカー値統計分布に依存して、該工程は、例えば、分散安定化変換及び適当なスケールの使用、あるいは、例えば、そのままの測定(raw measurement)の代わりに百分率を使用する標準化工程として、いくつかの前処理を必要とし得る。さらなるアプローチは、例えば、単一の患者基準における(x軸=バイオマーカー値、y軸=臨床的有用性の測定)分布を表すことによる二変量散布図調査である。また、例えば、平滑化スプラインにより達成されるいくつかのノンパラメトリック回帰線も、バイオマーカーと臨床的有用性の関連性を視覚化するために有用となりうる。

0106

これらの異なるアプローチの目的は、バイオマーカー共変量の前選択であり、これは少なくとも1つの用いられた有用度(benefit measure)における臨床的有用性とのいくつかの関連性を示し、一方他の基準についての結果は矛盾しない。利用可能なコントロールグループが存在する場合、異なる治療群(arms)におけるバイオマーカーと臨床的有用性の関連性における違いは、該バイオマーカーをさらなる検討にふさわしいものとする異なる予測の標識と成り得る。

0107

Ad2:関連臨床予測共変量(prognostic covariate)の前選択:「臨床的共変量」の用語は、本明細書において、患者についての全てのほかの情報を記載するために使用され、これはベースラインにおいて一般に利用できる。これらの臨床的共変量は、人口学的情報、例えば、性別、年齢等、他の既存情報、合併症、併用治療、身体検査の結果、得られた一般的研究室パラメーター、標的腫瘍の既知の特性、悪性疾患の程度を定量化する情報、臨床成績スコア、例えば、ECOG又はカルノフスキー指数、臨床疾患病期、前処理のタイミング及び結果、病歴、並びに臨床予後診断に関係しうる同様の全ての情報を含んで成る。臨床的共変量の統計的な前選択は、バイオマーカーを前選択するためのアプローチと並行し、そして同様に臨床的有用性の尺度(measure)との関係性の強度に向けられる。従って、原則として1において考慮される同じ方法を適用する。統計基準に追加して、臨床経験からの基準及び理論的知識もまた、関連臨床的共変量を前選択するために適用することができる。

0108

臨床的共変量による予測は、バイオマーカーの予測と相互作用しうる。これらは、必要な場合には精密な予測ルールのために考慮される。

0109

Ad3:単変量レベルにおけるバイオマーカー予測関数の選択:「予測関数」の用語は、標的予測を示すためにスケール化された数をもたらすバイオマーカー測定の数値関数を意味するために一般的な意味において使用される。

0110

単純な例は、特定のカットオフc及びバイオマーカー測定xについてのヘビサイド関数の選択であり、ここでバイナリ予測A又はBが生じる。
H(x−c)=0である場合、予測A。
H(x−c)=1である場合、予測B。

0111

これはおそらく、予測ルールにおいて単変量バイオマーカー測定を使用する最も一般的な方法である。予測関数の定義は、通常、予測可能性を探索するために使用できる既存の訓練データ集合(training data set)を思い起こす訓練集合から適当なカットオフcを達成するために、異なる経路をとることができる。まず、1において言及した平滑化スプラインを伴う分布図は、カットオフを定義するために使用することができる。あるいは、いくつかの分布の百分率、例えば、メジアン又は四分位数を選択することができる。カットオフはまた、臨床的有用性の測定に関するこれらの予測可能性に従う全ての可能なカットオフを調査することにより体系的に抽出することができる。その後、これらの結果は、いずれかのマニュアル選択を許容するため、あるいは最適化のためのいくつかの検索アルゴリズムを利用するためにプロットすることができる。これは、各テストカットオフにおいてバイナリ共変量としてバイオマーカーを使用したCoxモデルを用いるエンドポイントTTP及びTTDに基づき判明した。予測基準は得られるハザード比であった。その後TTP及びTTDについての結果は、両方のエンドポイントを伴う直線における予測を示すカットオフを選択するために、一緒に考慮することができる。

0112

予測関数を選択するためのほかの非一般的なアプローチは、共変量としてバイオマーカー値(変換している可能性がある)を伴う訓練集合から得られた固定パラメーターCox回帰モデルに基づいてよい。その後、該予測は、計算されたハザード比が1より小さいか又は大きいかに単純に依存しうる。

0113

更なる可能性は、状態予測の分離のために訓練集合において標的確立密度があらかじめ測定された、いくつかの尤度比(又はその単調変換)における決定に基づくことである。その後、バイオマーカーは密度比のいくつかの関数に当てはめられる。

0114

Ad4:単変量レベルにおける臨床的共変量を含むバイオマーカー予測関数の選択:本明細書において、単変量は、1つだけのバイオマーカーを使用することを意味する−臨床的共変量に関して、これは多変量モデルとなりうる。該アプローチは、臨床的共変量を伴わない検索と並行し、該方法は、関連共変量情報組み入れるために許容される。カットオフを選択する分布図法は、共変量の制限された使用のみを許容する。例えば、バイナリ共変量は、プロット中にコードされたカラーであってよい。該分析がいくつかの回帰アプローチに依存する場合、共変量の使用(また、同時にこれらの多く)が通常促進される。3において記載されるCoxモデルに基づくカットオフ検索は、共変量の容易な取り込みを許容し、そしてこれにより共変量調整単変量カットオフ検索に導く。共変量による調整は、該モデルにおいて共変量として、あるいは層別解析における組み入れ(inclusion)を介して行うことができる。

0115

予測関数のほかの選択もまた、共変量の組み込みを許容する。

0116

これは、予測関数としてのCoxモデル選択について直接的である。相互作用レベルにおける共変量の影響を推定するためのオプションが存在し、これは、例えば、異なる年齢グループのために異なるハザード比が適用されることを意味する。

0117

予測関数の尤度比タイプのために、共変量を含んで予測密度を推定しなければならない。ここで多変量パターン認識の方法を使用することができ、あるいは共変量における重回帰によりバイオマーカー値を調整することができる(密度推定前)。

0118

バイオマーカー(原測定レベル)及び応答として臨床的有用度を利用する臨床的共変量のためにCART技術 (Classification And Regression Trees; Breiman L., Friedman J.H., Olshen R.A., Stone C.J., Chapman & Hall (Wadsworth, Inc.), New York, 1984) を使用することができる。このようにカットオフが検索され、そして予測のための共変量を含むデシジョンツリー型の関数が見出されるだろう。CARTにより選択されたカットオフ及びアルゴリズムは、高い頻度で最適に近づき、そして異なる臨床的有用度を検討することにより、組み合わせ、そして統一することができる。

0119

Ad5:多変量レベルにおけるバイオマーカー予測関数の選択:異なる単変量予測関数選択において予測可能性を維持するいくつかのバイオマーカー候補が存在する場合、バイオマーカーの組み合わせにより、すなわち多変量予測関数を検討することにより、更なる改善を達成することができる。

0120

単純なヘビサイド関数モデルに基づき、例えば、最適カットオフが認識される場合にバイオマーカー値の二変量散布図を検討することにより、バイオマーカーの組み合わせを評価することができる。その後、改善された予測を達成するために、論理AND及び論理OR演算子による異なるヘビサイド関数を組み合わせることによりバイオマーカーの組み合わせを達成することができる。

0121

バイオマーカーについてのカットオフ及び予測のためのデシジョン・ツリー型の関数を達成するために、CART技術(Classification and Regression Trees)は、複数のバイオマーカー(原測定レベル)及び応答としての臨床的有用度のために使用することができる。CARTにより選択されたカットオフ及びアルゴリズムは、高頻度で最適に近づき、そして異なる臨床的有用度を検討することにより、組み合わせることができ、そして統一することができる。

0122

Cox回帰は、異なるレベルにおいて利用することができる。第一の方法は、バイナリ方法(すなわち、いくつかのカットオフを伴うヘビサイド関数に基づく)において、複数のバイオマーカーを組み込むことである。ほかの選択は、メトリック(metric) 方法(適当な変換後)、又はバイナリ及びメトリックアプローチの組み合わせにおいてバイオマーカーを利用することである。発展的な多変量予測関数は、3に記載されるとおりCox型のものである。

0123

多変量尤度比アプローチは、認識することが難しいが、多変量予測関数ための選択もまた提供する。

0124

Ad6:多変量レベルにおける臨床的共変量を含むバイオマーカー予測関数の選択:関連臨床的共変量が存在する場合、複数のバイオマーカーと複数の臨床的共変量を組み合わせることにより、さらなる改善を達成することができる。異なる予測関数の選択は、臨床的共変量を含む可能性に関して評価されるだろう。

0125

バイオマーカーについてのヘビサイド関数の単純な論理的組み合わせに基づき、更なる共変量を訓練集合において得られた論理回帰モデルに基づく予測関数に含ませることができる。

0126

CART技術及び発展的なデシジョン・ツリーは、更なる共変量とともに容易に使用することができ、これらを予測アリリズムに組み込む。

0127

Cox回帰に基づく全ての予測関数は、更なる臨床的共変量を用いることができる。相互作用レベルにおける共変量の影響を推定するためのオプションが存在する。これは、例えば、異なる年齢グループのために異なるハザード比を適用することを意味する。

0128

多変量尤度比アプローチは、さらなる共変量の使用に対して直接的に拡張可能ではない。

0129

例1
以下に記載するとおり、ペルツズマブで処理したHER2低発現転移性乳癌患者由来のベースライン血清を、HERリガンド及び放出したHER2(HER2、ECD)のレベルについて評価した。

0130

血清バイオマーカーの評価のために使用したキット:

0131

プロトコル
HER2−ECD:
製造業者推奨に従い、HER2−ECDELISAを行った。

0132

アンフィレグリン:
−全ての試薬(キットにより供される)、標準希釈液(キットにより供される)及び試料を調製する。
フレーム中にEven Coatヤギ抗マウスIgGマイクロプレートストリップ(R&D, Cat. # CP002; not provided with the kit)を供する。該フレームは、このたびELISAプレートと称する。
−必要な数(標準希釈液の数+試料の数)のウェルを決定する。
プレートレイアウトを決定する。
−100μlの希釈捕捉抗体PBS中1:180、キットにより供される)を各ウェルに添加する。
−室温で1時間インキュベートする。
−各ウェルを吸引し、そして洗浄する。該工程は、合計4回の洗浄となるように3回繰り返す。マニホールドディスペンサーを使用して各ウェルに400μlの洗浄バッファー(キットにより供されない;PBS中0.05%Tween20を使用した)を満たすことにより洗浄し、そして続いて吸引する。最後の洗浄後、吸引により残っている洗浄バッファーを除去する。プレートを逆さにし、そして清潔なペーパータオルにそれをブロットする。
−ウェルあたり100μlの標準希釈液又は希釈試料(以下を参照のこと)を添加する。全てのピペッティング工程後、チップ交換する。
粘着ストリップ(キットにより供される)でプレートをカバーする。
ロッキングプラットホームにおいて室温で2時間インキュベートする。
−上述の吸引/洗浄を繰り返す。
−吸引した試料及び洗浄溶液を実験室用殺菌剤で処理する。
−ウェルあたり、薬剤希釈剤(キットにより供されない;PBS中1%BSA(Roth; Albumin Fraction V, Cat. # T844.2)中1:180に希釈した100μlの検出抗体(キットにより供される)を添加する。
−室温で2時間インキュベートする。
−上述の吸引/洗浄を繰り返す。
−各ウェルに100μlのストレプトアビジン−GPRの常用希釈液(キットにより供される;試薬希釈剤中1:200に希釈)を添加する。新たな粘着ストリップでカバーする。
−室温で20分間インキュベートする。
−上述の吸引/洗浄を繰り返す。
−各ウェルに100μlの基質溶液(R&D, Cat. # DY999;キットにより供されない)を添加する。
−室温で20分間インキュベートする。光から保護する。
−各ウェルに50μlの停止溶液(1.5M H2SO4 (Schwefelsaure reinst, Merck, Cat. # 713);キットにより供されない)を添加する。注意深く混合する。
−450nmに設定したマイクロプレートリーダーを使用して各ウェルの光学密度を直ぐに測定する。

0133

アンフィレグリン標準曲線
40ng/mlのアンフィレグリン原液を、PBS中の1%BSA中に調製し、等分し、そして−80℃で保存した。PBS中20%BSAにおけるアンフィレグリン溶液は2週間以降は安定でなかったため、使用しなかった。等分したアンフィレグリン原液から、各実験の前にPBS中20%BSAにおいてアンフィレグリン標準曲線を新たに作成した。最も高い濃度は1000pg/ml(アンフィレグリン原液の1:40希釈)であった。ELISAキットに供された該標準は、線形標準曲線を産生した。該カーブエクセル解析は、全てのELISAについての曲線方程式の決定を許容した。

0134

アンフィレグリン試料:
試料を試薬希釈剤に1:1に希釈すると、全ての試料はELISAの直線範囲内となった。各試料を2回ずつ測定した。データの質及び十分な量の血清に依存して、必要な場合には次の実験を繰り返した。

0135

EGF:
−全ての試薬(キットにより供される)、標準希釈液(キットにより供される)及び試料を調製する。
−フレームから過剰な抗体コーティングマイクロタイタープレートストリップを除去する。該フレームは、このたびELISAプレートと称する。
−必要な数(標準希釈液の数+試料の数)×2のウェルを決定する。
−プレートレイアウトを決定する。
−各ウェルに50μlの希釈RD1(キットにより供される)を添加する。
−ウェルあたり200μlの標準希釈液又は希釈試料(例えば、較正希釈剤RD6H中1:20)を添加する。全てのピペッティング工程後、チップを交換する。
−粘着ストリップ(キットにより供される)でプレートをカバーする。
−ロッキングプラットホームにおいて室温で2時間インキュベートする。
−各ウェルを吸引し、そして洗浄する。該工程は、合計4回の洗浄となるように3回繰り返す。マニホールド・ディスペンサーを使用して各ウェルに400μlの洗浄バッファー(キットにより供される)を満たすことにより洗浄し、そして続いて吸引する。最後の洗浄後、吸引により残っている洗浄バッファーを除去する。プレートを逆さにし、そして清潔なペーパータオルにそれをブロットする。
−吸引した試料及び洗浄溶液を実験室用殺菌剤で処理する。
−各ウェルに200μlのコンジュゲート(キットにより供される)を添加する。新たな粘着ストリップでカバーする。
−室温で2時間インキュベートする。
−上述の吸引/洗浄を繰り返す。
−各ウェルに200μlの基質溶液(キットにより供される)を添加する。
−室温で20分間インキュベートする。光から保護する。
−各ウェルに50μlの停止溶液(キットにより供される)を添加する。注意深く混合する。
−450nmに設定したマイクロプレートリーダーを使用して各ウェルの光学密度を30分以内に測定する。

0136

EGF標準曲線:
ELISAキットで供された標準は、線形標準曲線を産生した。また極めて低濃度であっても検出可能であることが示された。

0137

EGF試料:
該試料により合計4回のアッセイを行った。各試料は2〜5回測定し、測定の回数は、結果の質(平均値±SD)及び十分な量の血清の利用性に依存する。試料を較正希釈剤RD6H中に1:20に希釈した場合、全ての試料はELISAの線形範囲内となった。

0138

TGF−α
−全ての試薬(キットにより供される)、標準希釈液(キットにより供される)及び試料を調製する。
−フレームから過剰な抗体コーティングマイクロタイタープレートストリップを除去する。該フレームは、このたびELISAプレートと称する。
−必要な数(標準希釈液の数+試料の数)×2のウェルを決定する。
−プレートレイアウトを決定する。
−各ウェルに100μlのアッセイ希釈剤RD1W(キットにより供される)を添加する。
−ウェルあたり50μlの標準希釈液又は希釈試料を添加する。全てのピペッティング工程後、チップを交換する。
−粘着ストリップ(キットにより供される)でプレートをカバーする。
−ロッキングプラットホームにおいて室温で2時間インキュベートする。
−各ウェルを吸引し、そして洗浄する。該工程は、合計4回の洗浄となるように3回繰り返す。マニホールド・ディスペンサーを使用して各ウェルに400μlの洗浄バッファー(キットにより供される)を満たすことにより洗浄し、そして続いて吸引する。最後の洗浄後、吸引により残っている洗浄バッファーを除去する。プレートを逆さにし、そして清潔なペーパータオルにそれをブロットする。
−吸引した試料及び洗浄溶液を実験室用殺菌剤で処理する。
−各ウェルに200μlのTGF−αコンジュゲート(キットにより供される)を添加する。新たな粘着ストリップでカバーする。
−室温で2時間インキュベートする。
−上述の吸引/洗浄を繰り返す。
−各ウェルに200μlの基質溶液(キットにより供される)を添加する。
−室温で30分間インキュベートする。光から保護する。
−各ウェルに50μlの停止溶液(キットにより供される)を添加する。注意深く混合する。
−450nmに設定したマイクロプレートリーダーを使用して各ウェルの光学密度を30分以内に測定する。

0139

TGF−α標準曲線:
ELISAキットで供された標準は、線形標準曲線を産生した。また極めて低濃度であっても検出可能であることが示された。

0140

TGF−α試料:
該試料により合計4回のアッセイを行った。試料は2〜4回の独立アッセイにおいて測定した。

0141

ペルツズマブ処理に対する応答に関連しうる血清ベースラインレベルのファクターを確認するために血清データを解析した。全てのファクターについて、分布の傾斜パターン(平均値、標準偏差、メジアン、最小値最大値)が観察された。対数に基づき、歪度(skewness)を減少させるために、単調な変換を使用した:Log(x+1)。単変量分析において、(臨床的有用性として規定されたこの例において)、応答の可能性に関係しうる該ファクターについての適当なカットポイントが規定できるかどうかを調査した。ここで、臨床的有用性を伴う患者は、部分反応(PR)を達成したもの、あるいは少なくとも6ヶ月間安定な疾患を維持したものとして定義した。該ファクター対応答カテゴリーの散布図を調査した。図1及び図2は、該アプローチを例証するため、それぞれ臨床応答カテゴリー対TGF−α及びアンフィレグリンの血清レベル対数変換のプロットを示す。

0142

散布図に基づき、より優れた臨床的有用性を経験した患者グループを定義するためのファクターについてカットポントを選択した。図3(TGF−α)、図4(アンフィレグリン)、図5(EGF)、及び図6(HER2−ECD)は、オリジナルのファクター単位について計算された検索カットポイントに基づく異なるファクター分類に関係する臨床的有用性を示す。該カットポイントは、臨床的有用性を伴わない数人の患者を別とするので、より優れた臨床的有用性を伴うグループについての応答比は上昇する。

0143

例2
この例において、他の臨床的エンドポイントとして腫瘍増殖/又は死亡停止時間(TTP)及び死亡停止時間(TTP)を使用して、ペルツズマブの臨床的有用性の異なる測定におけるファクターグループ化の単変量効果を評価するために、例1由来の検索カットポイントを使用した。図7の概要において示されるとおり、TTP及び/又はTTDについてのカプラン・マイヤー推定値及びログランクテストにおいて、TGF−α、アンフィレグリン、EGF及びHER2−ECDについての有意な効果が観察された。

0144

ハザード比を示すカプラン・マイヤープロットは、図8及び図9(TGF−α)、図10及び図11(アンフィレグリン)、図12及び図13(EGF)、及び図14及び図15(HER2−ECD)において、TTP及びTTD(最も大きな数の観察された事象)のために与えられ、ペルツズマブで処理した患者の臨床成績におけるこれらのファクターに基づくグループ化の明白な効果を示している。

0145

例3
この例において、ペルツズマブ処理から、より優れた有用性を伴う患者の同定をさらに改善するファクターの組み合わせを同定するために、多変量アプローチを使用した。CARTアプローチ(Classification And Regression Tree)から得られた結果が反映される。該CART分類アプローチは、有用なグループとして、0以上の臨床的有用性における全ての値を特定することが必要となる。変量として、Her2−ECD、TGF−α、アンフィレグリン、及びEGFの血清レベルを利用した。最適な結果を与えるために、血清Her2−ECDと血清TGF−αレベルの組み合わせを選択した。該CART結果から、血清Her2−ECDと血清TGF−αレベルの組み合わせについての最適化したカットポイントが得られ、実験集団における臨床的有用性の診査カテゴリー化のためのルールがもたらされた−低血清Her2−ECD値と低血清TGF−α値の組み合わせは、実験集団において、2/2PR及び2/3SD>6ヶ月を獲得し、かつ有意な数の急進行性患者を除外する。図16は、診査組み合わせカットポイントに基づくTGF−α/HER2−ECDの組み合わせグループ化に関係する臨床的有用性を示す。図17は、TTP及びTTDにおけるTGF−とHER2−ECDの組み合わせの効果を概要する。図18(TTP)及び図19(TTD)において与えられるカプラン・マイヤー推定値及びハザード比は、ペルツズマブで処理した患者の臨床生成期におけるこれらのファクターの組み合わせに基づくグループ化の有意な効果を実証する。

図面の簡単な説明

0146

TGF−α対数変換対カテゴリー化された臨床的有用性の散布図である。
アンフィレグリン対数変換対カテゴリー化された臨床的有用性の散布図である。
TGF−αの順序的な臨床的有用性を示す。
アンフィレグリンの順序的な臨床的有用性を示す。
EGFの順序的な臨床的有用性を示す。
HER2−ECDの順序的な臨床的有用性を示す。
アンフィレグリン、EGF、TGF−α、HER2−ECDについてのTTP及びTTDの診査カットポイント及びログランクp値の概要を示す。
診査単一マーカーカットポイントに基づく腫瘍増殖/死亡停止時間についてのTGF−αのカプラン・マイヤープロットである。
診査単一マーカーカットポイントに基づく死亡停止時間についてのTGF−αのカプラン・マイヤープロットである。
診査単一マーカーカットポイントに基づく腫瘍増殖/死亡停止時間についてのアンフィレグリンのカプラン・マイヤープロットである。
診査単一マーカーカットポイントに基づく死亡停止時間についてのアンフィレグリンのカプラン・マイヤープロットである。
診査単一マーカーカットポイントに基づく腫瘍増殖/死亡停止時間についてのEGFのカプラン・マイヤープロットである。
診査単一マーカーカットポイントに基づく死亡停止時間についてのEGFのカプラン・マイヤープロットである。
診査単一マーカーカットポイントに基づく腫瘍増殖/死亡停止時間についてのHER2−ECDのカプラン・マイヤープロットである。
診査単一マーカーカットポイントに基づく死亡停止時間についてのHER2−ECDのカプラン・マイヤープロットである。
組み合わせスコアの例として、TTPにおける高い臨床的有用性/低い臨床的有性グループ間の分離をさらに改善させる:HER2−ECDとTGFαの組み合わせの順序的な臨床的有用性を示す。
TGF−αとHER2−ECDの組み合わせについてのTTP及びTTDの診査カットポイント及びログランクp値の概要を示す。
組み合わせ診査マーカーカットポイントに基づく腫瘍増殖/死亡停止時間についてのHER2−ECD/TGF−αのカプラン・マイヤープロットである。
組み合わせ診査マーカーカットポイントに基づく死亡停止時間についてのHER2−ECD/TGF−αのカプラン・マイヤープロットである。

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